JP2811611B2 - フルオロカーボン塗料組成物 - Google Patents

フルオロカーボン塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パーフルオロカーボン
塗料組成物、特に、非帯電性で且つ非粘着性のパーフル
オロカーボン塗膜を形成するためのパーフルオロカーボ
ン塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーフルオロカーボン樹脂は、非粘着
性、耐熱性、耐化学薬品性、耐候性、表面すべり性等の
優れた物性を有し、パーフルオロカーボン樹脂を主成分
とするフルオロカーボン塗料は多くの分野で使用されて
いる。しかし、フルオロカーボン樹脂は、同時に帯電性
が大きいためにフルオロカーボン塗膜表面に静電気によ
って物質が付着しやすく、本来の非粘着性を発揮できな
い場合がある。そこで、従来、フルオロカーボン塗料中
にカーボンブラック、炭素繊維粉末、金属粉末、及び導
電性金属酸化物で被覆された繊維状チタン酸カリウム等
の導電性物質(「導電性顔料」ともいう)を添加するこ
とによって非帯電性を与えることが行われている。
【0003】しかしながら、カーボンブラックや炭素繊
維粉は吸着性および吸水性が高いので、液状フルオロカ
ーボン塗料に添加した場合には、攪拌によって粘度が急
激に増大するほか、塗料の分散系が不安定化することに
よって塗料凝集が発生する等、製造上および使用上の問
題がある。また、粉体フルオロカーボン塗料に加えた場
合には、塗料焼成時の見掛けの溶融粘度が高いため、安
定した塗膜を得ることと十分な導電性を得ることが両立
しにくいという問題がある。
【0004】また、金属粉末は、多量に添加しないと充
分な導電性が得られないし、高価である。また、金属粉
末は比重が高いので、液状フルオロカーボン塗料に加え
た場合に沈降しやすく、使用時に継続して攪拌を行わな
ければならない。さらに、金属の種類や添加量によって
は製造時に爆発の危険も伴う。また、添加する金属の体
積に対して塗膜の導電性向上の度合いが少ないという難
点もある。
【0005】導電性金属酸化物で被覆された繊維状チタ
ン酸カリウムは、前記の導電性物質に比べると比較的最
近使用されるようになったもので、例えば特公平1−3
8827号公報に記載されているように、導電性金属酸
化物としては主に二酸化スズ及び三酸化アンチモンが使
用されている。しかしながら、チタン酸カリウムは吸油
性が高いので液状フルオロカーボン塗料に添加した場合
には塗料の増粘や分散系が不安定化することによる塗料
凝集が起こりやすい。また、粉状フルオロカーボン塗料
に添加した場合には、塗装後、チタン酸カリウムにより
塗料の流動性や熱溶融性が低下し塗膜にクラックが生じ
やすい。さらに、導電性金属酸化物で被覆された繊維状
チタン酸カリウムは、導電性の小さいチタン酸カリウム
がかなり大きな体積を占めるため導電性が充分でなく、
したがって添加量を多くしなければならず、フルオロカ
ーボン塗膜の持つ非粘着性を損ねる結果となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、製造ないし保存時および使用に際して上記のような
問題をもたらすことなく、しかも非帯電性と非粘着性に
優れたフルオロカーボン塗膜を形成することができるフ
ルオロカーボン塗料組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、(1)パ
ーフルオロカーボン樹脂、および中空の内殻と該内殻の
表面を被覆し実質的に導電性酸化物からなる外殻とを備
えた中空二重殻導電性物質、を包含するフルオロカーボ
ン塗料組成物であって、該フルオロカーボン塗料組成物
中の塗膜成分に占める該中空二重殻導電性物質の割合が
1〜30容量%であるフルオロカーボン塗料組成物(好
ましくは水性組成物)、および、(2)該中空二重殻導
電性物質が、実質的に無定形シリカまたはシリカ含有物
質からなる中空の内殻と、実質的に約10〜30重量
%、好ましくは約10重量%のアンチモンを含有するか
それでドープされた酸化スズ(IV)からなる外殻とを
備えた中空二重殻導電性粒子である前記(1)記載のフ
ルオロカーボン塗料組成物によって達成された。
【0008】本文中、特記しない限り、パーセントおよ
び割合は重量%および重量割合である。顔料濃度は一般
に容量割合で表される。理由はその方がより適当である
からである。1〜30容量%に相当する塗膜中の顔料の
重量%は、約1.2〜34重量%である。
【0009】以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】本発明のフルオロカーボン塗料組成物にお
いては導電性材料として中空二重殻導電性物質を使用す
る。この中空二重殻導電性物質は、中空の内殻と、この
内殻の表面を被覆し実質的に導電性酸化物からなる外殻
とを備える導電性の物質である。図1に中空二重殻導電
性粒子の断面模式図を示す。
【0011】中空二重殻導電性物質の内殻 1は、実質的
に無定形シリカまたはシリカ含有物質で構成された中空
の粒子であり、内殻の厚さは5〜20μmが好ましい。
【0012】中空二重殻導電性物質の外殻 2は、この内
殻の外表面を被覆する例えば厚さ5〜20nmの層であ
り、実質的に導電性酸化物からなる。導電性酸化物とし
ては、アンチモンを含有するかそれでドープされた酸化
スズ(IV)、すなわちアンチモン含有酸化スズ(I
V)が好ましい。アンチモン含有酸化スズにおけるアン
チモンの割合はたとえば約1〜30重量%、実質的に約
10〜30重量%、好ましくは約10重量%である。こ
の導電性酸化物(アンチモン含有酸化スズの結晶子)の
層である外殻は内殻の表面全体を被覆し、結晶子の二次
元導電性ネットワークを構成して該層の広がり方向に導
電性を有するものである。
【0013】本発明で使用する導電性顔料は、中空殻の
表面に実質的に上記導電性酸化物からなる層を形成した
ものであってもよいが、それらはまたシリカ、酸化チタ
ン(TiO2 )、雲母またはその他の不活性物質の芯上
に上記導電性酸化物から実質的になる層を形成したもの
であってもよい。
【0014】このような内殻および外殻を備えた中空二
重殻導電性粒子の形状は、例えば平板状ないし球状であ
り、球相当直径は例えば0.1〜数10μmである。
【0015】本発明の中空二重殻導電性物質の内殻およ
び外殻の化学組成について、および中空二重殻導電性物
質の製造方法については、特開平2−218768号公
報(特願平1−240492号)の記載を参照すること
ができる。また、本発明の目的に反しない限り該明細書
に記載された導電性組成物は全て本発明の導電性物質と
して好ましく使用することができる。
【0016】本発明のフルオロカーボン塗料組成物にお
いて、中空二重殻導電性物質の割合は、フルオロカーボ
ン塗料組成物の固体成分(「塗膜成分」ともいう)の1
〜30容量%とする。ここで塗膜成分とは、フルオロカ
ーボン塗料組成物を焼成して得られる塗膜を構成する成
分をいい、フルオロカーボン塗料組成物から焼成時の揮
発分を除いた成分である。本発明の塗料組成物は中空二
重殻導電性物質を塗膜成分の1〜30容量%含有するの
で、本発明の塗料組成物から形成されるフルオロカーボ
ン塗膜は、1〜30容量%の中空二重殻導電性物質を含
むこととなる。塗膜成分に占める導電性物質の割合が1
容量%未満では塗膜の充分な非帯電性が得られず、30
容量%を越えると塗膜の非粘着性、被塗装物への密着
性、耐蝕性等が低下する。好ましくは中空二重殻導電性
物質の塗膜成分の割合は、フルオロカーボン塗料組成物
の塗膜成分の3〜25容量%、最も好ましくは6〜20
容量%の範囲とする。
【0017】本発明のフルオロカーボン塗料組成物に用
いるパーフルオロカーボン樹脂としては、ポリテトラフ
ロロエチレン(PTFE)、テトラフロロエチレン−パ
ーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PF
A)、およびテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロ
ピレン共重合体樹脂(FEP)が挙げられる。これらは
単体でも使用することができるが、パーフルオロカーボ
ン樹脂としては、好ましくは10〜50重量%のPFA
又はFEPと残部のPTFEとから成る混合物を用い
る。より好ましくは、それは15〜30重量%のPFA
と70〜85重量%のPTFEから成るものである。P
FAにおけるパーフロロアルキルビニルエーテルのアル
キルはより好ましくはプロピルである。
【0018】本発明のフルオロカーボン塗料組成物の塗
膜成分に占めるパーフルオロカーボン樹脂の割合は70
〜99重量%である。
【0019】完全にフッ素化されていないパーフルオロ
カーボン樹脂以外のフルオロカーボン樹脂、例えばエチ
レン−テトラフロロエチレン共重合体樹脂、ポリビニリ
デンフルオライド樹脂、およびポリビニルフルオライド
樹脂は耐熱性やその他の必要な性質を有していない。
【0020】本発明のフルオロカーボン塗料組成物は、
上述のフルオロカーボン樹脂と中空二重殻導電性物質の
ほか、溶媒あるいは分散媒、成膜助剤分散液たとえばア
クリル分散液、酸化促進触媒溶液たとえばオクタン酸セ
リウム溶液、その他、フルオロカーボン塗料組成物に通
常添加される種々の添加剤を包含することができる。好
ましくは、水を担体とし、フルオロカーボン樹脂、顔
料、他の包含物が界面活性剤等で分散された水性系塗料
組成物とする。
【0021】また、本発明に使用する中空二重殻導電性
物質は、外観がやや透明な薄い灰色を持つ微粉であるの
で、この導電性物質を添加したフルオロカーボン塗料
は、マイカ顔料及び少量の他の耐熱着色顔料を加えるこ
とによって容易にさまざまな色に着色することもでき
る。
【0022】本発明による液状フルオロカーボン塗料は
スプレー塗装、刷毛塗、ロールコーティングのみなら
ず、比較的低粘度の塗料が要求されるフローコーティン
グや含浸にも適している。
【0023】本発明のフルオロカーボン塗料組成物の用
途としては、複写機やプリンターに用いられる定着ロー
ルや定着ベルトが代表的であり、その表面を被覆するこ
とによってロール表面に非粘着性と非帯電性の両方を付
与することができ、トナーのオフセット現象を防ぐこと
ができる。この場合の塗料に用いるフルオロカーボン樹
脂としては、要求される耐熱性から、ポリテトラフロロ
エチレンやテトラフロロエチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合体樹脂が適している。さらに、本
発明のフルオロカーボン塗料組成物は、粉状物質を送る
ホッパー、製紙のサイジングロール、プラスチックフィ
ルム押出し成形機の送りロール、織物用サイジングロー
ルや乾燥ロール等の表面にもコーティングして使用する
ことができる。
【0024】以上のように、本発明のフルオロカーボン
塗料組成物は帯電防止用の導電導性物質として中空二重
殻導電性物質を使用するものである。この導電性物質は
中空の微小球状の粒子であるため、フルオロカーボン樹
脂分散物に添加した場合に沈降しにくく安定した分散状
態が維持される。また、本発明の二重殻導電性物質の吸
油量は10〜50mg/100gであり、従来の導電材
料よりも著しく少ない。たとえばカーボンブラックの吸
油量は100〜300mg/100g、酸化スズ(IV)
及び三酸化アンチモンを被覆したチタン酸カリウム繊維
状物質の吸油量は220〜270mg/100gであ
る。たとえカーボンブラックが本発明の場合よりも低い
容量濃度において等しい導電性を付与しうるとしても、
その高い吸油量ゆえにカーボンブラックは好ましいもの
ではない。これに対して、本発明の導電性物質は、吸油
量が少ないので、液状フルオロカーボン樹脂塗料に添加
しても攪拌による激しい増粘や分散不安定化による凝集
を起こしにくい。
【0025】さらに、本発明の中空二重殻導電性物質
は、従来の導電性材料と単位体積当たりで比較して塗膜
にもたらす導電性が大きい。すなわち、本発明の中空二
重殻導電性物質は、球または球の破片の形状の薄膜状で
あり塗膜中で導電性ネットワークを形成するので、本発
明の導電性物質を含有する塗料は同体積の従来の導電性
材料を添加した場合に比べて導電性の高い塗膜を与え
る。たとえば後記の実施例に示すように、本発明の導電
性物質は、その添加量が塗膜成分の約15重量%以下で
あっても、一般に複写機やプリンターに用いられる熱定
着ロールに要求される塗膜の体積固有抵抗値の範囲(1
10〜104Ωcm程度)を与えることができる。この
ように、本発明によれば、フッ素樹脂塗膜に要求される
非帯電性を得るためには従来よりも少量の導電性物質を
添加すれば足りるので、導電性材料の添加によってフル
オロカーボン樹脂本来の各種特性が損なわれることもな
く、非帯電性に優れ且つ非粘着性のフルオロカーボン樹
脂塗膜を得ることができる。また、本発明のフルオロカ
ーボン樹脂塗料において本発明の導電性物質がある含有
率たとえば塗膜成分中の約10重量%の前後である場
合、該導電性物質の添加量の狭い変化幅に対して塗膜の
体積固有抵抗値は広範囲に変化する。したがって、導電
性物質の量をわずかに変えるだけで塗膜の非帯電性を自
由に調整することができる。
【0026】また、本発明の塗料組成物から形成される
フルオロカーボン樹脂塗膜は、耐摩耗性にも優れている
ことが見出された。したがって、本発明の塗料組成物は
紙などによる摩耗が生じやすいコピーローラー等の用途
にも適している。従来のチタン酸カリウムを主体とする
導電物質の場合は、チタン酸カリウムがもろくて破壊し
やすいので本発明の場合のような耐摩耗性の改善という
効果を期待することはできない。
【0027】
【実施例】表1に示す各成分を混合し、フルオロカーボ
ン塗料組成物の試料1を調製した。また、試料1の導電
性物質の割合を表2の通り変化させ、それ以外の各成分
はそれら各成分の相対比がそのままになるように適宜変
化させて、試料2〜5を調製した。表1中PTFE分散
液は、希釈水中のPTFEの懸濁コロイド(PTFE濃
度は60重量%)であって6%のトライトンX-100(Ro
hm&Hass社製表面活性剤)で安定化したものである。ま
た、表1中、PFA分散液は、トライトンX-100で安定
化したPFAの懸濁コロイド(PFA濃度は60重量
%)である。
【0028】これらフルオロカーボン塗料組成物試料1
〜5を、ガラス材料からなる基板に厚さ約25μmで塗
布した後、420℃で3分間焼成した。得られた塗膜の
体積固有抵抗を測定した。結果を表2および図2に示
す。
【0029】 表1 成 分 重量% PTFE分散液(テフロン30 Du Pont 社製) 45.921 PFA分散液(テフロン335 Du Pont 社製) 8.297 水 2.699 中空二重殻導電性物質 12.195 (Du Pont 社製 ZELECR ECP-S の水性分散液) 黄色顔料分散液 1.899 TiO2 被覆雲母アフレア顔料 1.999 触媒溶液(オクタン酸セリウム) 10.396 アクリル樹脂(成膜助剤) 16.594 表1より試料1の顔料容量濃度を計算すると、塗膜成分
中に占める顔料全体(導電性物質と黄色顔料とTiO2
被覆雲母アフレア顔料との合計量)の割合は13.87
重量%となり、塗膜成分中に占める導電性物質(導電性
顔料)の割合は8.8容量%である。このときこの導電
性物質が塗膜成分中に占める割合は重量%では9.1%
である。
【0030】 表2 試料番号 導電性顔料添加量 体積固有抵抗 (対固体成分;重量%) (Ωcm) − 0.0 >1015 試料1 9.1 4.8×109 試料2 15.3 1.2×104 試料3 18.1 3.0×103 試料4 22.0 2.7×103 試料5 52.5 1.1×102 表2に示すように、本発明の導電性物質を塗膜成分の約
15重量%添加するだけで塗膜の体積固有抵抗値を10
4 Ωcm程度にまで下げることができた。
【0031】また、図2から、塗膜の体積固有抵抗値
は、塗膜中の導電性物質の含有量が約10重量%になる
と急激に減少することがわかる。
【0032】次に、本発明のフルオロカーボン塗料組成
物の耐摩耗性について試験を行なった。前記試料1の塗
料組成物において塗膜成分中に占める中空二重殻導電性
物質の割合が0重量%、9重量%、18重量%となるよ
うに変更する以外は試料1と同様にして試料6、7、お
よび8を調製した。
【0033】通常の下地処理(砂ブラスト処理、プライ
マー塗装(所望により導電性顔料を含有する非粘着塗装
用の通常のプライマーでの中間被覆層を有している場合
もある))を施した40mm×40mm×5mmのアル
ミニウム板に、前記試料6、7,および8、および比較
用試料である市販の粉体塗装用フルオロカーボン(テフ
ロンR PFA MP−102 Du Pont社製;これらは
下記第3表に示す所定割合のPTFE/PFAを含有す
る)を、それぞれ焼成後の膜厚が25ミクロン(プライ
マーを加えると30ミクロン)になるように塗布し、4
00℃で15分焼成した。
【0034】こうして得た4種のフルオロカーボン塗膜
についてスラスト摩耗試験機(オリエンテック社)を用
いて摩耗量を測定した。ここで相手材はSS41鉄リン
グを使用し、荷重は0.8kg/cm2 、速度は500
mm/分、時間は110分とし、試験開始後10分後と
120分後に測定してその差をとった。各試料について
この試験を3回を行なった。その重量損失の3回の合計
を表3に示す。
【0035】この結果から、本発明のフルオロカーボン
塗料組成物から形成される塗膜は、前述の非帯電性に加
えて耐摩耗性にも優れていることがわかる。特に、塗膜
組成中の導電性顔料の含有量を増加することにより耐摩
耗性が増大することがわかる。また、PFAの粉体塗装
がコピーロールに一般に使用されているケースが多い
が、本発明の塗料はPFA塗膜よもはるかに耐摩耗性が
優れていることもわかる。
【0036】 表3 試料番号 塗膜成分中に占める 重量損失 PTFE/PFA 導電性物質の割合 (×10-1mg) の割合 試料6 0重量% 30.7 85/15 試料7 9重量% 1.5 85/15 試料8 18重量% 0.3 85/15 比較用試料 0重量% 58.7 0/100。
【0037】次に、本発明の塗料組成物を複写装置の定
着ローラに適用した例を示す。まず、砂吹き付け(ブラ
スト)処理したアルミニウムからなる定着ローラ表面
に、市販の非粘着性プライマーを7.5〜10μm厚さ
に被覆した。次いでこれを50℃で10分間焼き付け
た。それからこの表面に前記試料1により10〜25μ
mの表面被覆を施し、これを420〜427℃(基材温
度)で3分間焼き付けた。こうして表面被覆したローラ
は非帯電性および耐摩耗性に優れていた。試料1に代え
て試料2を使用した場合も同様に良好な非帯電性および
耐摩耗性を有するローラが得られた。
【0038】また、本発明の塗料組成物においてフルオ
ロカーボン中のPFAの割合を増加させることによって
塗膜の離型性がさらに改善されることがわかった。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明のフルオロカーボ
ン塗料組成物は、導電性材料として、中空の内殻と該内
殻の表面を被覆し実質的に導電性酸化物からなる外殻と
を備えた中空二重殻導電性物質を使用するので、非帯電
性で且つ非粘着性であってしかも耐摩耗性にも優れたフ
ルオロカーボン塗膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空二重殻導電性粒子の断面模式図。
【図2】本発明の実施例のフルオロカーボン塗料組成物
中の塗膜成分に占める中空二重殻導電性物質の重量%と
塗膜の体積固有抵抗との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…導電性粒子の内殻、2…導電性粒子の外殻。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローレンス・ダブリュ・マッキーン アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08080−2401,セウエル,クレイター・ コート 7 (56)参考文献 特開 平3−47878(JP,A) 特開 昭63−225671(JP,A) 特開 平2−228370(JP,A) 特開 昭61−211374(JP,A) 特開 昭60−104163(JP,A) 欧州特許出願公開359569(EP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/00,127/12 - 127/20,129/10 C08L 27/12 - 27/20,29/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロカーボン樹脂、および中空
    の内殻と該内殻の表面を被覆し実質的に導電性酸化物か
    らなる外殼とを備えた中空二重殻導電性物質を包含する
    パーフルオロカーボン塗料組成物であって、 該パーフルオロカーボン樹脂が、テトラフルオロエチレ
    とパーフルオロアルキルビニルエーテルとのコポリマ
    ー10〜50重量%とポリテトラフルオロエチレン50
    〜90重量%とからなるものであるか、またはテトラフ
    ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリ
    マー10〜50重量%とポリテトラフルオロエチレン5
    0〜90重量%とからなるものであり、該パーフルオロ
    カーボン塗料組成物の固体成分中に占める該中空二重殻
    導電性物質の割合が1〜30容量%である前記パーフル
    オロカーボン塗料組成物。
  2. 【請求項2】 該中空二重殼導電性物質が、実質的に無
    定形シリカまたはシリカ含有物質からなる中空の内殼
    と、実質的にアンチモン含有酸化スズ(IV)からなる
    外殻とを備えた中空二重殻導電性粒子である請求項1に
    記載のパーフルオロカーボン塗料組成物。
  3. 【請求項3】 複写装置の定着ローラーまたは定着用ベ
    ルトであって請求項1に記載の塗料組成物で被覆されて
    なるもの。
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