JP2001311024A - 溶剤又は加熱による消色可能な水性インキ組成物並びに消色用溶剤組成物及び消色用溶剤塗布具 - Google Patents

溶剤又は加熱による消色可能な水性インキ組成物並びに消色用溶剤組成物及び消色用溶剤塗布具

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JP2001311024A
JP2001311024A JP2000305705A JP2000305705A JP2001311024A JP 2001311024 A JP2001311024 A JP 2001311024A JP 2000305705 A JP2000305705 A JP 2000305705A JP 2000305705 A JP2000305705 A JP 2000305705A JP 2001311024 A JP2001311024 A JP 2001311024A
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decoloring
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JP2000305705A
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Naoki Sakurai
直樹 櫻井
Tatsu Yui
達 由井
Shigeo Yoshida
成男 吉田
Koichi Ito
浩一 伊藤
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Zebra Pen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤及び/又は加熱によって筆記又は印刷さ
れた文字又は画像等を容易に消色することができる水性
インキを提供すること。 【解決手段】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
剤とし、少なくとも前記着色剤と水とから成る水性イン
キ組成物において、前記水性インキ組成物が酸性又は中
性であることを特徴とする水性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペン、マー
カー等の筆記具用インキ、印刷用インキ、インクジェッ
ト用インキに使用され、溶剤又は加熱により、筆記又は
印刷した文字又は画像等の消色が可能な水性インキ組成
物並びに前記水性インキによって筆記又は印刷された文
字又は画像等を消色するための消色用溶剤組成物及び前
記消色用溶剤組成物を利用した消色用溶剤塗布具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、紙の大量消費が資源保護の観点か
ら重大な問題となっている。再利用可能な資源を再利用
しようと言う気運の高まりとともに、使用済み用紙の回
収及び再生が精力的に進められているが、従来の水性イ
ンキで筆記又は印字された紙を再生するには、紙自体を
再繊維化するため、或いは紙をすき直すために大量のエ
ネルギーが必要である。かつ白色度の高い紙を得るため
に、インキの漂白に多量の漂白剤と水を必要とするた
め、再生コストが高くなり、資源保護及び紙の再生の観
点から大きな障害となっている。それは、従来のインキ
が、筆記線の永続性を高めるために、耐光性や耐熱性な
どを高めることにのみ重点を置いた開発が進められてき
たため、紙を再生しようと言う観点からは、そのインキ
の化学的乃至物理的に高い安定性が、再生の障害となっ
ている。そこで、消色可能なインキを用いた筆記具又は
印刷機により、紙に筆記又は印字し、その描線を消去
し、白紙状態に戻すことが出来るならば、その紙をその
まま再使用することや再利用することが可能となるの
で、実質的な紙の使用量を低減することが出来ると考え
られる。
【0003】従来、紙資源保護の立場からプリンターや
複写機によって印刷した紙を再生使用する目的で印刷後
に消色可能なインキ組成物が提案された(特開平10−
88046号公報)。すなわち、このインキ組成物は、
呈色性化合物と顕色剤と消色剤とを含み、前記呈色性化
合物と顕色剤とは相互作用して発色した状態にあり、前
記消色剤は、インキ組成物の溶融又は溶剤による溶解時
に、顕色剤と優先的に結合する性質を有するものであ
る。このインキ組成物は、十分なコントラストで印刷す
ることができ、しかも熱によって消色可能なので紙の再
利用を可能にすることができるというものである。上記
技術を応用した筆記具用インキ組成物としては、水性ボ
ールペン用インキ組成物が提案された(特願2000−
249544号明細書)。このインキ組成物は、初期状
態としては使用するに充分に濃くかつ良好な消色性を有
するが、インキが塩基性であるために、呈塩基性物質が
消色剤として作用し、インキの色が経時的に退色すると
言う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報の開示及
び水性ボールペン用インキ組成物の処方にならってロイ
コ染料、顕色剤、消色剤及び必要に応じて樹脂を含む微
粉体又はマイクロカプセルをそのまま着色剤として、水
性インキに用いると、インキの色が経時的に退色すると
言う問題が生じる。そこで、本発明は、上記の社会的要
望並びに従来技術の種々の問題点に鑑み開発されたもの
で、インキの色が経時的に退色することなく、溶剤及び
/又は加熱によって筆記又は印刷された文字又は画像等
を容易に消色することができる水性インキを提供し、大
きなコストを掛けることなく、紙の再使用又は再利用を
可能にすることを目的としている。又、上記の目的のた
めに、溶剤及び/又は加熱によって筆記又は印刷された
文字又は画像等を容易に消色できる水性インキを提供す
ることを目的とする。
【0005】更に、インキが酸性である場合、一般的に
呈酸性物質は極めて強い顕色剤として作用するため、溶
剤による消色及び加熱による消色ともに、筆記又は印刷
された文字又は画像等中に、呈酸性物質が存在するた
め、溶剤のみによる消色では、消色が不可能であった
り、又消色後再発色するなど消色が不完全である場合が
あるが、インキ組成物が揮発性を有する呈酸性物質によ
る酸性であれば、筆記又は印刷された文字又は画像等か
ら呈酸性物質が揮発した後には溶剤及び/又は加熱によ
る消色が可能となる。しかし、筆記又は印刷直後には、
筆記又は印刷された文字又は画像等中に、呈酸性物質が
存在するため、溶剤のみによる消色では、消色後再発色
するなど消色が不完全となることがあるが、本発明は、
筆記又は印刷直後でも、筆記又は印刷された文字又は画
像等を完全に消色することができ、かつ消色用溶剤組成
物を用いた箇所にも再筆記又は再印刷することが可能な
消色用溶剤組成物及び前記消色用溶剤組成物を利用した
塗布具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ロイコ染
料、顕色剤、消色剤及び必要に応じて樹脂から成る微粉
体又はマイクロカプセルを着色剤とし、水中に分散させ
て水性インキとしたときに、そのインキ組成物が酸性又
は中性、好ましくはpHが3〜7、更に好ましくはpH
が4〜6であれば、インキの色が経時的に退色するのを
抑えるのに極めて有効であることを発見して本発明に到
達した。
【0007】インキが酸性である場合、一般的に呈酸性
物質は極めて強い顕色剤として作用するため、溶剤によ
る消色及び加熱による消色ともに、消色が不可能であっ
たり、又消色後再発色するなど消色が不完全である場合
があるが、インキ組成物が揮発性を有する呈酸性物質に
よる酸性であれば、呈酸性物質が揮発した後には溶剤及
び/又は加熱による消色が可能となる。しかし、筆記又
は印刷直後には、筆記又は印刷された文字又は画像等中
に、呈酸性物質が存在するため、溶剤のみによる消色で
は、消色後再発色するなど消色が不完全となることがあ
るが、溶剤中にアンモニア水、揮発性液状アミン又はア
ミドを含有させることによって、筆記又は印刷直後に筆
記又は印刷された文字又は画像等中に存在している呈酸
性物質を中和することによって、筆記又は印刷直後で
も、筆記又は印刷された文字又は画像等を完全に消色す
ることができる。
【0008】更に前記消色用溶剤組成物は、揮発性を有
しない呈酸性物質を用いたインキにより筆記又は印刷さ
れた文字又は画像等も消色することができる。又、前記
消色用溶剤組成物は、完全揮発性のため、消色用溶剤組
成物が完全に乾燥した後は、消色用溶剤組成物を用いた
箇所にも、消色可能インキを用いて通常通り筆記又は、
印刷を行うことができることを発見して本発明に到達し
た。更に前記消色用溶剤組成物を利用した消色用溶剤塗
布具を作製して本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、(1)ロイコ染料、
顕色剤、消色剤及び必要に応じて樹脂から成る微粉体又
はマイクロカプセルを着色剤とし、少なくとも前記着色
剤と水とから成る水性インキ組成物において、前記水性
インキ組成物が酸性又は中性であることを特徴とする水
性インキ組成物、(2)ロイコ染料、顕色剤、消色剤及
び必要に応じて樹脂から成る微粉体又はマイクロカプセ
ルを着色剤とし、少なくとも前記着色剤と水とから成る
水性インキ組成物において、前記水性インキ組成物が揮
発性を有する呈酸性物質による酸性又は中性であること
を特徴とする上記(1)に記載された水性インキ組成
物、
【0010】(3)前記酸性又は中性がpH3〜7の範
囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載
された水性インキ組成物、(4)ロイコ染料、顕色剤、
消色剤及び必要に応じて樹脂から成る微粉体又はマイク
ロカプセルを着色剤とする水性インキ組成物において、
前記着色剤を筆記面又は印刷面に密着させる固着樹脂と
して、常温で造膜性を有する水溶性樹脂又は水性樹脂エ
マルションを含むことを特徴とする上記(1)〜(3)
のいずれかに記載された水性インキ組成物、(5)ロイ
コ染料、顕色剤、消色剤及び必要に応じて樹脂から成る
微粉体又はマイクロカプセルを着色剤とする水性インキ
組成物において、前記着色剤を筆記面に密着させる固着
樹脂として、常温で造膜性を有する水溶性樹脂又は水性
樹脂エマルションを含むことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれかに記載された筆記具用水性インキ組成
物、
【0011】(6)ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必
要に応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを
着色剤とし、少なくとも前記着色剤の樹脂又はカプセル
を溶解する能力を有する有機溶剤と、アンモニア水又は
揮発性液状アミン又はアミドを含むことを特徴とする、
前記着色剤を含む水性インキによって筆記又は印字され
た文字又は画像等を消色するための消色用溶剤組成物、
(7)有機溶剤がケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アル
コール系溶剤、グリコールエーテル溶剤、グリコールエ
ーテルエステル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族
炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、ヘテロ原
子を有する炭化水素系溶剤である上記(6)に記載され
た消色用溶剤組成物、
【0012】(8)アンモニア水又は揮発性液状アミン
又はアミドを溶剤組成物質量に基づいて0.1〜10質
量%含むことを特徴とする上記(6)又は(7)に記載
された消色用溶剤組成、及び(9)上記(6)〜(8)
のいずれかに記載された消色用溶剤組成物を充填してな
る消色用溶剤塗布具、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、インキの色が経
時的に退色するのを抑制するためには、ロイコ染料、顕
色剤、消色剤及び必要に応じて樹脂から成る微粉体又は
マイクロカプセルを着色剤とする水性インキ組成物にお
いて、前記水性インキ組成物が酸性又は中性、好ましく
はpHが3〜7、更に好ましくはpHが4〜6である
と、インキの色が経時的に退色するのを極めて有効に抑
制することができる。pHが3より小さいと、筆記具の
チップや印刷機等のインキ媒体の腐食等の原因となり、
インキ媒体への負荷が大きい。また、pHが7より大き
いと、インキが塩基性になり、インキの色の退色が促進
されるので好ましくない。又、インキが酸性である場
合、一般的に呈酸性物質は極めて強い顕色剤として作用
するため、溶剤及び/又は加熱による消色ともに、消色
が不可能であったり、又消色後再発色する等消色が不完
全である場合がある。前記水性インキ組成物が揮発性を
有する呈酸性物質による酸性である場合は、筆記又は印
刷された文字又は画像等から呈酸性物質が揮発するため
顕色剤としての作用も無くなるため、溶剤及び/又は加
熱によって消色することができる。
【0014】更に、インキ組成物が揮発性を有する呈酸
性物質による酸性である場合でも、筆記又は印刷直後に
は、筆記又は印刷された文字又は画像等中に、呈酸性物
質が存在するため、溶剤のみによる消色では、消色後再
発色するなど消色が不完全となることがあるが、溶剤中
にアンモニア水、揮発性液状アミン又はアミドを含有さ
せることによって、筆記又は印刷直後に筆記又は印刷さ
れた文字又は画像等中に存在している呈酸性物質を中和
することによって、筆記又は印刷直後でも、筆記又は印
刷された文字又は画像等を完全に消色することができる
ことを発見して本発明に到達した。上記のような方法
で、インキの色が経時的に退色するのを極めて良く抑制
しつつ、良好な消色性を有するインキ組成物を見いだ
し、かつ消色困難なインキも完全に消色することができ
るとともに、塗布した箇所にも再筆記又は再印刷が可能
な消色用溶剤組成物を見いだし、本発明に到達したもの
である。
【0015】本発明で使用するロイコ染料としては、例
えば、トリフェニルメタンフタリド系、スピロピラン
系、ジフェニルメタン系、フルオラン系、ローダミンラ
クタム系等の分子内にラクトン環を有する化合物であ
り、それらのうち1種または2種以上を混合して使用で
きる。本発明において用いられるロイコ染料のうち、特
に好ましい染料は、鋭意研究の結果、黒色を呈するPS
D−184が有効であることが見いだされているが、そ
の他の色を呈するロイコ染料、及び、その他の構造を有
するロイコ染料であっても何ら制限なしに用いることが
できる。ロイコ染料の対となりロイコ染料を発色させる
顕色剤としては、ヒドロキシアセトフェノン系、ヒドロ
キシベンゾフェノン系、没食子酸エステル系、ベンゼン
トリオール系、ベンゼンジオール系、ビスフェノール
系、トリフェノール系及びクレゾール系の化合物であ
り、それらのうち1種または2種以上混合して使用でき
る。
【0016】更に、ロイコ染料から切り離された顕色剤
と結びつくことによって見かけ上消色させる消色剤とし
ては、消色性能及び消色状態の経時安定性の高いものが
望ましく、胆汁酸、胆汁酸エステル、ステロイド系化合
物及びでんぷんの1種以上を用いることが極めて有効で
ある。ここで言う、胆汁酸とはコール酸、ヒドロキシコ
ール酸、リトコール酸、デオキシコール酸等のコラン酸
を母体とするステロイドのヒドロキシ酸であり、胆汁酸
エステルとは、上記胆汁酸のエステル化物である。着色
剤を形成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン酢酸ビニル、非晶質ポリオレフィン、ポ
リスチレン、ポリ臭化スチレン、スチレンブチルアクリ
レート共重合体、スチレンメタクリル酸共重合体、ポリ
ビニルカルバゾールであり、好ましくは、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンである。本発明にお
ける着色剤の組成としては、それぞれ着色剤質量に基づ
いて、ロイコ染料は1〜10質量%、顕色剤は0.5〜
20質量%、消色剤は2〜60質量%、樹脂は20〜9
0質量%用いることが出来る。
【0017】更に、着色剤を紙面に密着させるための水
溶性樹脂としては、水溶性ナイロン樹脂、水溶性ポリビ
ニルアセタール樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリ
アミド樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、エステル化デンプン、
デキストリン、還元麦芽糖、糖アルコール、カルボキシ
メチルセルロースであり、好ましくはポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、デキストリンであり、又
着色剤を紙面に密着させるための水性樹脂エマルション
としては、エチレン酢酸ビニルエマルション、エチレン
酢酸ビニル塩化ビニルエマルション、エチレン酢酸ビニ
ルアクリルエマルション、アクリルエマルション、スチ
レンアクリルエマルション、スチレンアクリロニトリル
エマルション、アクリロニトリルブタジエンエマルショ
ン、アクリルブタジエンエマルション、ウレタンエマル
ション、ポリエステルエマルションであり、好ましく
は、エチレン酢酸ビニルエマルション、エチレン酢酸ビ
ニル塩化ビニルエマルションであり、そのうち1種又は
2種以上混合して使用できる。
【0018】インキを酸性又は中性に調整するための酸
としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、チオ硫酸、塩素
酸、亜塩素酸、過塩素酸等の無機酸、又は蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、フェノー
ル、クレゾール、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸
であり、人体に対する安全性等の点から好ましくは酢
酸、塩酸、クエン酸、リンゴ酸である。更に、揮発性呈
酸性物質としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、塩酸、
硝酸、塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸であり、酢酸が特に
好ましい。又、本発明におけるインキ組成物の組成とし
ては、それぞれインキ組成物質量に基づいて、着色剤を
5〜35質量%、水溶性樹脂又は水性樹脂エマルション
を3〜70質量%、溶剤としての水を10〜90質量%
用いることが出来る。
【0019】本発明に係る消色用溶剤組成物に用いる有
機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケ
トン、ジプロピルケトン、アセチルアセトン、アセトフ
ェノン、3−メチル−2−ブタノン、3,3−ジメチル
−2−ブタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、
2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等のケトン系溶剤、
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエ
ーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,
2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ピ
ラン、フラン、メチルフラン、テトラヒドロフラン、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジオキサン
等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソアミル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のエステル系溶
剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール等のア
ルコール系溶剤、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のグ
リコールエーテル系溶剤、メチルグリコールアセテー
ト、エチルグリコールアセテート等のグリコールエーテ
ルエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、塩
化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、パークロ
ロエタン、パークロロエチレン、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶剤、アニリン、トルイジン、ピリ
ジン、ビピリジン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチ
ルスルフォキシド等のヘテロ原子を有する炭化水素系溶
剤であり、そのうち1種又は2種以上混合して使用でき
る。消色性能、人体に対する安全性及び溶剤の乾燥性な
どの点から、アセトン、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタンが特に好ましい。ここで言う
ヘテロ原子とは、酸素原子を含まず、特に窒素原子と硫
黄原子を指す。
【0020】又、消色性溶剤組成物に用いる揮発性液状
アミンとしては、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、
アリルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロ
パノールアミン、アニリン、ピリジン、ビピリジン、ピ
ラジン、ピレラジン、ピペリジン等のアミンであり、そ
れらのうち1種又は2種以上混合して使用できる。消色
性能、人体に対する安全性及び溶剤の乾燥性などの点か
ら、特にトリエタノールアミンが好ましい。更に、揮発
性液状アミドとしては、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミドなどのアミドである。更に、本発明における消色
性溶剤組成物における、揮発性液状アミン又はアミド
は、溶剤組成物質量に基づいて、0.1〜10質量%、
好ましくは1〜5質量%用いることが出来る。
【0021】本発明における水性インキ組成物は、上記
の様にロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に応じて樹
脂から構成される微粉体又はマイクロカプセルから成る
着色剤の水分散体であって筆記又は印刷後に消色を可能
とするものである。すなわち、予めロイコ染料と顕色剤
を化学的に結合させた状態、つまり発色状態にある着色
剤をインキとして用い、消色時に溶剤の膨潤又は加熱に
よる着色剤の擬溶融状態における、擬液相反応によっ
て、ロイコ染料と顕色剤の化学結合が切れ、着色剤中に
含有させておいた消色剤と顕色剤が新たに強い化学結合
を形成することによって、再発色することなく、筆記線
を消色することが可能となる。インキ中におけるインキ
の色が経時的に退色する原因は必ずしも明らかではない
が、水性インキ組成物は、着色剤が水中に分散されてい
るため、着色剤を形成している樹脂中に水が膨潤し、着
色剤中で溶剤による消色時の状態と同様な状態になって
いるものと推測される。特に、インキ組成物が塩基性で
ある場合、呈塩基性物質が着色剤中に膨潤し、消色剤と
して作用するため、インキの色の退色を促進させるもの
と推測される。
【0022】その他インキの材料として通常用いられる
防錆剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整
剤、保湿剤、潤滑剤、分散安定剤及び分散樹脂等の添加
剤についても必要に応じて用いることができるが、発明
の目的に鑑み、インキの発色及び消色を妨げるものであ
ってはならない。添付の図1は、本発明の消色用溶剤組
成物を塗布するのに適する中綿式ペンの縦断面図を示す
もので、尾栓1、本体2、中綿3、チップ4及びキャッ
プ5から構成され、従来から慣用されているものを用い
ることができる。尾栓1、本体2、キャップ5はポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ナイロン樹脂、
ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート、アクリル
樹脂、ポリアクリロニトリル等の成形加工が可能な樹
脂、上記の樹脂に金属を蒸着もしくは、金属薄膜を被覆
したもの、又は、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮
等の銅合金等の金属よりなり、中綿3はポリエステル繊
維束をポリエチレン被覆したもの、チップ4はアクリル
繊維束で常法により作成したものである。図2は、本発
明の消色用溶剤組成物を塗布するのに適する直液式ペン
の縦断面図を示すもので、本体2、チップ4、キャップ
5、先端カバー6、ウレタン7、バルブ蓋8、スプリン
グ9、バルブ棒10、バルブ本体11から構成され、従
来から慣用されているものを用いることができる。本体
2、キャップ5、先端カバー6、バルブ蓋8、バルブ棒
10、バルブ本体11はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、ナイロン樹脂、ABS樹脂、フッ素樹
脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアクリロニ
トリル等の成形加工が可能な樹脂、上記の樹脂に金属を
蒸着もしくは、金属薄膜を被覆したもの、又は、アルミ
ニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の銅合金等の金属より
なり、チップ4はアクリル繊維束で常法により作成した
ものである。図3は、本発明の消色用組成物を塗布する
のに適する塗布具の縦断面図を示すもので、ハケ付きキ
ャップ12、ハケ13及びボトル14から構成され、キ
ャップ6及びボトル8はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、ナイロン樹脂、ABS樹脂、フッ素樹
脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアクリロニ
トリル等の成形加工が可能な樹脂、上記の樹脂に金属を
蒸着もしくは、金属薄膜を被覆したもの、又は、アルミ
ニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の銅合金等の金属より
なり、ハケ7はナイロンで作成する。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、それにより本発明を限定するものではない。 (実施例1) (質量部) ロイコ染料 PSD−184(日本曹達(株)製、商品名) 2.5 顕色剤 3,5−ジヒドロアセトフェノン 1.5 消色剤 馬鈴薯でんぷん 15.0 樹脂 SB−130(三洋化成工業(株)製ポリスチレン、商品名) 40.0 〔ロイコ染料:顕色剤=1:2(モル比)、顕色剤:消色剤=1:10(質量 比)〕 をニーダーを用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状
の顔料を得た。
【0024】この顔料をジェットミルで粉砕し、分級に
より分けられた5〜10μmの微粉体顔料を用いて、以
下の組成で撹拌器を用いて撹拌混合し、pHが6.0に
なるよう10質量%酢酸水溶液にて調整し、水性マーカ
ー用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 デルトップ(武田製薬(株)製、商品名、2−ベンズイソチアゾリン−3−オ ン 10%、ジエチレングリコール 70%) 0.3 スミカフレックス(住友化学工業(株)製、商品名、エチレン酢酸ビニル水性 エマルション) 10.0 アエロジル200(日本アエロジル(株)製、商品名、無水変性シリカ) 0.5 イオン交換水 79.2 上記水性マーカー用黒色インキ組成物の粘度は7.6m
Pa・s(25℃、75s-1)であった。
【0025】このインキを市販されている通常の直液式
水性マーカー(ゼブラポップスター極細−商品名−)と
同様に、予め極細側にバルブ組込済み先端部を嵌着させ
ておいたポリプロピレン製チューブに、ステンレス製撹
拌子を入れ、インキを充填した後、細側にバルブ組込済
み先端部を嵌着し、ポリエステル製チップを組込、チュ
ーブ内を常圧にし水性マーカーペンを作成した。なお、
マーカーは筆記直前に、10回ほど振り、インキをよく
撹拌した後、インキ出しを充分に行った後に、A4サイ
ズのコピー用紙に筆記を行った。
【0026】 (実施例2) (質量部) ロイコ染料 PSD−184 2.5 顕色剤 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン 2.3 消色剤 コール酸 20.2 樹脂 ST−120(三洋化成工業(株)製ポリスチレン、商品名) 50.0 〔ロイコ染料:顕色剤:消色剤=1:2:10(モル比)〕 をニーダーを用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状
の顔料を得た。
【0027】この顔料をジェットミルで粉砕し、分級に
より分けられた0.5〜5μmの微粉体顔料を用いて、
以下の組成で撹拌器を用いて撹拌混合し、pHが3.4
になるよう10質量%酢酸水溶液にて調整し、水性ボー
ルペン用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 デルトップ 0.3 エマルゲン707(花王(株)製、商品名、非イオン系界面活性剤、ポリオキ シエチレンアルコールエーテル) 0.8 デキストリン 8.0 ベンゾトリアゾール 0.2 オレイン酸カリウム 0.5 キサンタンガム 0.6 イオン交換水 79.6 上記水性ボールペン用黒色インキ組成物の粘度は121
mPa・s(25℃、150s-1)であった。このイン
キを市販されている通常の水性ジェル式ボールペン(ゼ
ブラBW−100−商品名−、ステンレスチップボール
径0.7mm)と同様に、ポリプロピレン製チューブに
インキを充填した後、チップを嵌着し、尾部よりインキ
追随体を適量注入し、遠心機により200Gにて脱泡し
ボールペンを作成し、A4サイズのコピー用紙に筆記を
行った。
【0028】 (実施例3) (質量部) ロイコ染料 クリスタルバイオレットラクトン 2.1 顕色剤 没食子酸エチル 2.0 消色剤 コール酸メチル 21.4 樹脂 SB−130 50.0 〔ロイコ染料:顕色剤:消色剤=1:2:10(モル比)〕 をニーダーを用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状
の顔料を得た。
【0029】この顔料をジェットミルでサブミクロンオ
ーダーまで粉砕し、得られた顔料を以下の組成で撹拌器
を用いて撹拌混合し、pHが7.0になるよう5質量%
クエン酸水溶液にて調整し、0.22μmのテフロン
(登録商標)フィルターにて濾過し、インクジェットプ
リンター用青色インキを得た。 (質量%) 青色微粉体 10.0 ジエチレングリコール 5.0 デルトップ 0.2 ジヒドロ酢酸ナトリウム 0.5 イオン交換水 84.3 上記インクジェット用青色インキ組成物の粘度は2.4
mPa・s(25℃、75s-1)であった。このインキ
を、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター
(セイコーエプソン(株)社製PM−700J−商品名
−)のインクとして用いて、A4サイズのコピー用紙に
印刷を行った。
【0030】 (実施例4) (質量部) ロイコ染料 PSD−V 2.0 顕色剤 メチレントリス−p−クレゾール 1.7 消色剤 プログネノロン 17.0 〔ロイコ染料:顕色剤=1:1(モル比)、顕色剤:消色剤=1:10(質量 比)〕 を溶融して混合した後、ゆっくりと冷却して赤色固形物
を得た。ボールミルを用いて、この固形物をアラビアゴ
ム8質量%水溶液中で10μmオーダーまで粉砕して分
散させた。次に、40℃でゼラチン水溶液を混合し、1
時間撹拌した後、水を滴下し、撹拌して希釈した。続い
て、10質量%酢酸水溶液を添加して液のpHを3.9
に調整し、更に37%ホルマリンを滴下して液のpHを
7.0に調整した。この液を5℃に冷却し室温で3日間
放置した後、遠心分離器で液中に生成したマイクロカプ
セルを分離して濃桃色マイクロカプセルを調製した。
【0031】得られたマイクロカプセルを用いて、以下
の組成で撹拌器を用いて撹拌混合し、pHが5.0にな
るよう10質量%酢酸水溶液にて調整し、凸版印刷用濃
桃色インキを得た。 (質量%) 濃桃色マイクロカプセル 15.0 デルトップ 0.3 クラレポバール((株)クラレ製、商品名、ポリビニルアルコール) 10.0 イオン交換水 74.7 上記水性濃桃色インキ組成物の粘度は12mPa・s
(25℃、75s-1)であった。このインキを、通常の
凸版印刷でA4サイズのコピー用紙に印刷を行った。
【0032】(実施例5)ケトン系溶剤としてアセト
ン、グリコール系溶剤として1−メトキシエタノール、
含へテロ炭化水素系溶剤としピリジンに、28%質量ア
ンモニア水をそれぞれの有機溶剤に対して消色用溶剤組
成物質量に基づいて0.3質量%添加し、消色用溶剤組
成物を得た。これらの消色用溶剤組成物を、消色可能イ
ンキを用いて筆記又は印刷した文字又は画像の消色性試
験に用いた。得られた結果を表2に示す。
【0033】(実施例6)ケトン系溶剤としてアセト
ン、エーテル系溶剤として1,2−ジメトキシエタン、
アルコール系溶剤としてベンジルアルコール、グリコー
ルエーテル系溶剤として1−メトキシエタノール、グリ
コールエーテルエステル系としてメチルグリコールアセ
テート、脂肪族炭化水素系溶剤としてメチルシクロヘキ
サン、芳香族炭化水素系溶剤としてキシレン、ハロゲン
化炭化水素系溶剤としてクロロホルム、含ヘテロ炭化水
素系溶剤としてピリジンに、揮発性液状アミンとしてト
リエタノールアミンをそれぞれの有機溶剤に対して消色
用溶剤組成物質量に基づいて1質量%添加し、消色用溶
剤組成物を得た。これらの消色用溶剤組成物を、消色可
能インキを用いて筆記又は印刷した文字又は画像の消色
性試験に用いた。得られた結果を表2に示す。
【0034】(実施例7)ケトン系溶剤としてアセト
ン、エーテル系溶剤として1,2−ジメトキシエタン、
アルコール系溶剤としてベンジルアルコール、グリコー
ルエーテル系溶剤として1−メトキシエタノール、グリ
コールエーテルエステル系としてメチルグリコールアセ
テート、脂肪族炭化水素系溶剤としてメチルシクロヘキ
サン、芳香族炭化水素系溶剤としてキシレン、ハロゲン
化炭化水素系溶剤としてクロロホルム、含ヘテロ炭化水
素系溶剤としてピリジンに、揮発性液状アミドとして
N,N−ジメチルホルムアミドをそれぞれの有機溶剤に
対して消色用溶剤組成物質量に基づいて10質量%添加
し、消色用溶剤組成物を得た。これらの消色用溶剤組成
物を、消色可能インキを用いて筆記又は印刷した文字又
は画像の消色性試験に用いた。得られた結果を表2に示
す。
【0035】(実施例8)アセトンに、28質量%アン
モニア水を消色用溶剤組成物質量に基づいて0.3質量
%添加して成る消色用溶剤組成物を、市販されている通
常の中綿式油性マーキングペン(スーパーネーム(細
字)−商品名−)のインキ保持体に充填し消色用ペンを
作成した。この消色用ペンを、消色可能インキを用いて
筆記又は印刷された文字又は画像の消色性試験に用い
た。
【0036】(実施例9)2−メトキシエタノールに、
トリエタノールアミンを消色用溶剤組成物質量に基づい
て1質量%添加して成る消色用溶剤組成物を、市販され
ている通常のハケ式修正液(ゼブラ修正液−商品名−)
のインキボトルに充填し、ハケ付きキャップをねじ閉め
し、消色用剤塗布具を作成した。この消色用溶剤塗布具
を、消色可能インキを用いて筆記又は印刷された文字又
は画像の消色性試験に用いた。
【0037】(比較例1)実施例1で得られた顔料を用
いて、以下の組成で撹拌器を用いて撹拌混合し、pHが
8.0になるように28質量%アンモニア水にて調整
し、水性マーカー用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 デルトップ 0.3 デキストリン 10.0 アエロジル200 0.5 イオン交換水 79.2 上記水性黒色インキ組成物の粘度は7.4mPa・s
(25℃、75s-1)であった。このインクを用いたマ
ーカーペンの作成及び筆記は実施例1と同様に行った。
【0038】(比較例2)実施例3で得られた顔料を用
いて、以下の組成で撹拌器を用いて撹拌混合し、pHが
10.5になるように28質量%アンモニア水にて調整
し、水性ボールペン用青色インキを得た。 (質量%) 青色微粉体 10.0 デルトップ 0.3 エマルゲン707 0.8 ユーコート(三洋化成工業(株)、商品名、自己乳化型ウレタン樹脂エマルシ ョン) 10.0 ベンゾトリアゾール 0.2 オレイン酸カリウム 0.5 キサンタンガム 0.6 イオン交換水 77.6 上記水性青色インキ組成物の粘度は115mPa・s
(25℃、150s-1)であった。このインクを用いた
ボールペンの作成及び筆記は実施例2と同様に行った。
【0039】(比較例3)28質量%アンモニア水を水
で希釈し、0.5質量%アンモニア水とし、実施例5と
同様に消色可能インキを用いて筆記又は印刷した文字又
は画像の消色性試験に用いた。
【0040】(試験方法)上記実施例1〜4及び比較例
1〜2の各インキを、室温でサンプル瓶中での保存試験
及びそれぞれの方法で筆記又は印刷した文字又は画像の
加熱並びに実施例5〜7及び比較例3の消色用溶剤組成
物を用いた消色試験を行った。得られた結果を表1及び
表2に示す。 インキの色の経時濃度変化試験 インキ作成直後及び1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月間室温でサ
ンプル瓶に保存したインキの外観を目視で観察した。結
果を表1に示す。 アセトンによる筆記又は印刷した文字又は画像の消色
試験(その1) インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後にアセトンを数滴垂らし、滴下した箇所の文
字又は画像が消色されるかどうかを確認した。結果を表
2、に示す。
【0041】アセトンによる筆記又は印刷した文字又
は画像の消色試験(その2) インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から24時間後にアセトンを数滴垂らし、滴下した箇所
の文字又は画像が消色されるかどうかを確認した。結果
を表2、に示す。 実施例5の消色用溶剤組成物による筆記又は印刷した
文字又は画像の消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に実施例5の消色用溶剤組成物を数滴垂ら
し、滴下した箇所の文字又は画像が消色されるかどうか
を確認した。結果を表2、に示す。
【0042】実施例6の消色用溶剤組成物による筆記
又は印刷した文字又は画像の消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に実施例6の消色用溶剤組成物を数滴垂ら
し、滴下した箇所の文字又は画像が消色されるかどうか
を確認した。結果を表2、に示す。 実施例7の消色用溶剤組成物による筆記又は印刷した
文字又は画像の消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に実施例7の消色用溶剤組成物を数滴垂ら
し、滴下した箇所の文字又は画像が消色されるかどうか
を確認した。結果を表2、に示す。
【0043】比較例3の消色用溶剤組成物による筆記
又は印刷した文字又は画像の消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に比較例3の消色用溶剤組成物を数滴垂ら
し、滴下した箇所の文字又は画像が消色されるかどうか
を確認した。結果を表2、に示す。 加熱による消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に約200度に加熱した電気アイロンを5秒
間押し当て、文字又は画像が消色されるかどうかを確認
した。結果を表2、に示す。
【0044】(試験結果)試験結果を要約して表1及び
表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】〔注〕○:充分に濃い色 黒色インキの場合(実施例1、実施例2、比較例1) PANTONE 426C(黒色)と酷似した色 青色インキの場合(実施例3、比較例2) PANTONE 286C(濃青色)と酷似した色 濃桃色インキの場合(実施例4) PANTONE 226C(濃桃色)と酷似した色 △:目視で退色したことが確認できる 黒色インキの場合(比較例1) PANTONE 422C(淡灰色)と酷似した色 青色インキの場合(比較例2) PANTONE 284C(水色)と酷似した色 ×:使用できないほど退色 黒色インキの場合(比較例1) PANTONE 406C(灰褐色)と酷似した色 青色インキの場合(比較例2) PANTONE 420C(淡灰色)と酷似した色 −:実施せず ここで、“PANTONE”値はパントン社 色見本パ
ントンカラースペシファイアー/コート紙による
【0048】表1の試験結果から明らかなように、比較
例1及び2は、インキが塩基性であるために、インキの
色が経時的に退色してしまった。しかし、インキが酸性
又は中性である実施例1〜4ではインキの色は変化しな
かった。又、表2の試験結果から明らかなように、イン
キが揮発性を有する呈酸性物質による酸性である実施例
1、実施例2、実施例4の場合、筆記又は印刷直後にア
セトンのみによる消色を行った場合は、筆記線又は印刷
された線が再発色してしまったが、24時間放置し呈酸
性物質を揮発させた後は、アセトンのみで消色を行った
場合でも、完全に消色を行うことができた。更に、筆記
又は印刷直後でも、実施例5〜7の消色用溶剤組成物に
よって消色を行ったところ、再発色することなく、目視
不可能なほど筆記線が消色された。しかし、有機溶剤を
用いていない比較例3では、消色用溶剤組成物に着色剤
を溶解する能力がないため消色されなかった。これらの
ことから、インキの色の経時的安定性、及び筆記又は印
刷された文字又は画像等の消色性に関する作用は、単な
る酸・塩基反応ではなく、有機溶剤等を最適に選択し
て、初めて最高の効果が発現したものであり、発明の効
果が実証された。
【0049】
【発明の効果】ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
応じて樹脂からなる微粉体又はマイクロカプセルを着色
剤とし、必要に応じて前記着色剤を筆記面又は印刷面に
固着させる固着樹脂を含むことを特徴とする水性インキ
組成物において、前記水性インキ組成物が酸性又は中性
であり、好ましくはpHが3〜7、更に好ましくはpH
が4〜6であるとインキの色の経時的な退色を抑制する
のに極めて有効な水性インキ組成物を得ることが出来
る。インキが酸性である場合、一般的に呈酸性物質は極
めて強い顕色剤として作用するため、溶剤及び/又は加
熱による消色ともに、消色が不可能であったり、又消色
後再発色するなど消色が不完全である場合があるが、イ
ンキが揮発性を有する呈酸性物質による酸性であれば、
筆記又は印刷後顕色剤としての作用を持つ呈酸性物質が
揮発するので、溶剤及び/又は加熱による消色が可能と
なる。しかし、筆記又は印刷直後で、呈酸性物質が残っ
ている場合は、溶剤のみによる消色が困難であるが、有
機溶剤にアンモニア水又は揮発性液状アミン又はアミド
を含む消色用溶剤組成物を用いて消色を行うと、再発色
することなく消色を完全に行うことが出来る。更に、前
記消色用溶剤組成物は完全揮発性のため、消色用溶剤組
成物が完全に乾燥した後には、通常の紙と同様に消色可
能インキで再筆記又は再印刷を行うことができる消色用
溶剤組成物を得ることが出来る。これらインキの色の経
時的安定性、及び筆記又は印刷された文字又は画像等の
消色性に関する作用は、単なる酸・塩基反応ではなく、
有機溶剤等を最適に選択して、初めて最高の効果が得ら
れたものであり、本発明の特筆すべき効果である。又、
前記消色用溶剤組成物を利用した塗布具を用いることに
よって、容易にかつ広く前記消色用溶剤組成物を利用す
ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】中綿式消色用溶剤塗布ペンの縦断面図である。
【図2】直液式消色用溶剤塗布ペンの縦断面図である。
【図3】消色用溶剤塗布具の縦断面図である。
【符号の説明】
1 尾栓 2 本体 3 中綿 4 チップ 5 キャップ 6 先端カバー 7 ウレタン 8 バルブ蓋 9 スプリング 10 バルブ棒 11 バルブ本体 12 ハケ付きキャップ 13 ハケ 14 ボトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 成男 東京都新宿区東五軒町2番9号 ゼブラ株 式会社内 (72)発明者 伊藤 浩一 東京都新宿区東五軒町2番9号 ゼブラ株 式会社内 Fターム(参考) 2C350 GA03 GA04 NA19 2H086 BA01 BA52 BA56 BA59 BA60 BA62 4J038 RA01 RA02 RA03 RA04 RA05 RA12 RA17 4J039 AB01 AD01 AD03 AD08 AD10 AD21 AD23 BA10 BA15 BA17 BA18 BA19 BB00 BC16 BC19 BC20 BC29 BC31 BC65 BC68 BC69 BC74 BD03 BE02 BE12 BE30 BE33 CA03 CA06 EA29 EA48 GA24 GA26 GA27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
    応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
    剤とし、少なくとも前記着色剤と水とから成る水性イン
    キ組成物において、前記水性インキ組成物が酸性又は中
    性であることを特徴とする水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
    応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
    剤とし、少なくとも前記着色剤と水とから成る水性イン
    キ組成物において、前記水性インキ組成物が揮発性を有
    する呈酸性物質による酸性又は中性であることを特徴と
    する請求項1に記載された水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記酸性又は中性がpH3〜7の範囲に
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載された水性
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
    応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
    剤とする水性インキ組成物において、前記着色剤を筆記
    面又は印刷面に密着させる固着樹脂として、常温で造膜
    性を有する水溶性樹脂又は水性樹脂エマルションを含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された
    水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
    応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
    剤とする水性インキ組成物において、前記着色剤を筆記
    面に密着させる固着樹脂として、常温で造膜性を有する
    水溶性樹脂又は水性樹脂エマルションを含むことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載された筆記具用水
    性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 ロイコ染料、顕色剤、消色剤及び必要に
    応じて樹脂から成る微紛体又はマイクロカプセルを着色
    剤とし、少なくとも前記着色剤の樹脂又はカプセルを溶
    解する能力を有する有機溶剤と、アンモニア水又は揮発
    性液状アミン又はアミドを含むことを特徴とする、前記
    着色剤を含む水性インキによって筆記又は印刷された文
    字又は画像等を消去するための消色用溶剤組成物。
  7. 【請求項7】 有機溶剤がケトン系溶剤、エーテル系溶
    剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエ
    ーテル系溶剤、グリコールエーテルエステル系溶剤、脂
    肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン
    化炭化水素系溶剤、ヘテロ原子を有する炭化水素系溶剤
    である請求項6に記載された消色用溶剤組成物。
  8. 【請求項8】 アンモニア水又は揮発性液状アミン又は
    アミドを消色用溶剤組成物質量に基づいて0.1〜10
    質量%含むことを特徴とする請求項6又は7に記載され
    た消色用溶剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載された消
    色用溶剤組成物を充填してなる消色用溶剤塗布具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007004629A1 (ja) * 2005-07-06 2007-01-11 Sakura Color Products Corporation 水消去性インキ組成物
JP2007224295A (ja) * 2006-01-30 2007-09-06 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具
JP2008101098A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた直液式筆記具
US9206547B2 (en) 2012-04-19 2015-12-08 Seiko Epson Corporation Preprocessing liquid for textile printing, ink set for ink jet textile printing, ink jet textile printing method

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