JP3359018B2 - 溶剤並びに加熱により消色可能な水性インキ組成物 - Google Patents
溶剤並びに加熱により消色可能な水性インキ組成物Info
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Description
カー等の筆記具用インキ、印刷用インキ、インクジェッ
ト用インキに使用され、有機溶剤並びに加熱により、筆
記又は印刷した文字又は画像等の消色が可能な水性イン
キ組成物に関する。
ら重大な問題となっている。再利用可能な資源を再利用
しようと言う気運の高まりとともに、使用済み用紙の回
収及び再生が精力的に進められているが、従来の水性イ
ンキで筆記又は印刷された紙を再生するには、紙自体を
再繊維化するため、或いは紙をすき直すために大量のエ
ネルギーが必要である。かつ白色度の高い紙を得るため
に、インキの漂白に多量の漂白剤と水を必要とするた
め、再生コストが高くなり、資源保護及び紙の再生の観
点から大きな障害となっている。それは、従来のインキ
が、筆記線の永続性を高めるために、耐光性や耐熱性な
どを高めることにのみ重点を置いた開発が進められてき
たため、紙を再生しようと言う観点からは、そのインキ
の化学的乃至物理的に高い安定性が、再生の障害となっ
ている。そこで、消色可能なインキを用いた筆記具又は
印刷機により、紙に筆記又は印刷し、その筆記又は印刷
された文字又は画像等を消色し、白紙状態に戻すことが
できるならば、その紙をそのまま再使用することや再利
用することが可能となるので、実質的な紙の使用量を低
減することができると考えられる。
案されたが、酸−塩基反応を利用したタイプ、酸化還元
反応を利用したタイプ、加熱によってのみ消色されるタ
イプ(特開平9−165537号公報、特開平10−7
7437号公報、特開平10−287081号公報、特
開平11−166149号公報)、光によってのみ消色
されるタイプ(特開平6−73319号公報)などであ
った。溶剤並びに加熱による消色ともに可能なインキ組
成物(特開平10−88046号公報)も提案されては
いるが、これらのインキ組成物は、着色剤中に呈色性化
合物と顕色剤と消色剤及び必要に応じて樹脂を含んでい
るため、着色剤中における発色成分(呈色性化合物及び
顕色剤)の比率が自ずから低く、また着色剤作成時に消
色剤も同時に混練するため、呈色性化合物と顕色剤の結
合が切れ、顕色剤と消色剤の結合が形成されるため、着
色剤の色が薄いという問題があった。
能インキは、消色方法が1通りしかなく、消色方法に制
限が多い、また、溶剤による消色及び加熱による消色と
もに可能なインキも提案されているが、着色剤の呈色濃
度が低い等の問題があった。そこで、本発明は、上記の
社会的要望並びに従来技術の種々の問題点に鑑み開発さ
れたもので、着色剤の呈色濃度が高く、かつ溶剤による
消色及び加熱による消色ともに可能な水性インキを提供
することを目的とする。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なくとも
ロイコ染料、顕色剤及び非水溶性樹脂から成る微粉体を
着色剤とし、少なくとも溶剤として水と、水に可溶な常
温で固体の消色剤を含有させた水性インキ組成物を用い
ることによって、筆記又は印刷された文字又は画像等を
有機溶剤並びに加熱によって容易に消色できることを見
いだし、本発明に到達した。
されるか又は非水溶性樹脂で被覆された、少なくともロ
イコ染料及び顕色剤を含み、ロイコ染料と顕色剤が発色
した状態にある微粉体からなる着色剤、(c)水に可溶
な常温で固体の消色剤、を少なくとも含む、有機溶剤並
びに加熱により消色可能な水性インキ組成物であって、
(d)該消色剤が、アミノ基を有する水に可溶な常温で
固体の化合物であり、かつ(e)該水性インキ組成物が
酸性又は中性であることを特徴とする上記水性インキ組
成物。
ン、尿素及び尿素誘導体からなる群から選択される少な
くとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載さ
れた水性インキ組成物。
び加熱による消色ともに可能で、かつ着色剤の呈色濃度
の高いインキを作成するために、ロイコ染料、顕色剤及
び非水溶性樹脂から成る微粉体を着色剤とする水性イン
キ組成物において、前記着色剤の消色作用を持つ水に可
溶な常温で固体の消色剤を含有させ、更に前記消色剤と
して、アミノ基を有する水に可溶な常温で固体の化合
物、好ましくは、ポリビニルピロリドン、尿素及び尿素
誘導体を用いることで、有機溶剤による消色及び加熱に
よる消色ともに可能で、かつ着色剤の呈色濃度の高いイ
ンキを提供するものである。
樹脂から成る微粉体は、ロイコ染料と顕色剤を好ましく
は1:1〜1:3のモル比で用い、着色剤組成物質量に
基づいて50〜95質量%の割合の非水溶性樹脂と混合
し、該樹脂の融点以上の温度、通常は130〜200℃
の温度で、ニーダーを用いて加熱混合して発色した状態
の塊状の顔料とすることにより調製する。得られた顔料
は、ジェットミル等により微粉砕し、分級により分けら
れた好ましくは0.1〜15μm、特に0.5〜10μ
m粒径の微粉体顔料を用いて、消色剤、水と共に撹拌機
により撹拌混合して水性インキを得る。
いて、発色成分(ロイコ染料と顕色剤)は、着色剤を形
成する非水溶性樹脂中に混練又は非水溶性樹脂で被覆さ
れた状態にあり、消色剤とは隔絶された状態にあるの
で、原理的にはインキ組成物中においてインキの色が水
及びインキ中に溶解している消色剤の影響によって退色
することはないと思われる。しかし、実際には着色剤を
形成する非水溶性樹脂自体が若干の水透過性を持つた
め、着色剤中に水が膨潤し、インキの色が退色すること
がある。インキの色が退色するのを防止するために、イ
ンキ組成物中に呈酸性物質を含有させることによって、
呈酸性物質が顕色剤として作用するため、着色剤中に水
が膨潤してもインキの色が退色するのを極めて良く抑制
することができる。また、この呈酸性物質が揮発性を有
する場合、筆記又は印刷された文字又は画像等から呈酸
性物質が揮発した後は、呈酸性物質の顕色剤としての作
用がなくなるため、有機溶剤による消色及び加熱による
消色ともに良好となる。
刷された描線の有機溶剤による消色のメカニズムは、必
ずしも明らかではないが、有機溶剤によって着色剤を形
成している非水溶性樹脂が溶解され、発色成分(ロイコ
染料と顕色剤)が溶け出し、溶け出したロイコ染料と顕
色剤の結合が切れ、新たに顕色剤と消色剤とが強い結合
を形成することによって、再発色することなく、消色さ
れるものと考えられる。この場合、消色された箇所には
余剰な消色剤が残るわけであるが、消色された箇所にこ
のインキ組成物で再筆記又は再印刷を行う場合、インキ
組成物中の発色成分は非水溶性樹脂中にあるため、消色
された箇所に残っている消色剤と直接接触することはな
いので、消色された箇所にも直接再筆記又は再印刷を行
っても、描線が消色されることはない。
て筆記又は印刷された描線の加熱による消色のメカニズ
ムも、必ずしも明らかではないが、加熱(100〜25
0℃程度)によって筆記又は印刷された文字又は画像等
を形成している着色剤及び消色性を有する化合物が溶融
され、発色成分(ロイコ染料と顕色剤)が溶け出し、溶
け出したロイコ染料と顕色剤の結合が切れ、新たに顕色
剤と消色剤とが強く結合することによって再発色するこ
となく、消色されるものと考えられる。この場合も、消
色された箇所には余剰な消色剤が残るわけであるが、消
色された箇所にこのインキ組成物で再筆記又は再印刷を
行う場合、インキ組成物中の発色成分は非水溶性樹脂中
にあるため、消色された箇所に残っている消色剤と直接
接触することはないので、消色された箇所にも直接再筆
記又は再印刷を行っても、描線が消色されることはな
い。
えば、トリフェニルメタンフタリド系、スピロピラン
系、ジフェニルメタン系、フルオラン系、ローダミンラ
クタム系等の分子内にラクトン環を有する電子供与性の
ある化合物であり、それらのうち1種または2種以上を
混合して使用できる。本発明において用いられるロイコ
染料のうち、特に好ましい染料は、鋭意研究の結果、黒
色を呈するPSD−184が有効であることが見いださ
れているが、その他の色を呈するロイコ染料、及び、そ
の他の構造を有するロイコ染料であっても何ら制限なし
に用いることができる。ロイコ染料の対となりロイコ染
料を発色させる顕色剤としては、ヒドロキシアセトフェ
ノン系、ヒドロキシベンゾフェノン系、没食子酸エステ
ル系、ベンゼントリオール系、ベンゼンジオール系、ビ
スフェノール系、トリフェノール系及びクレゾール系の
化合物であり、前記化合物の融点が100〜250℃で
あることが望ましく、それらのうち1種又は2種以上混
合して使用できる。
た顕色剤と結びつくことよって見かけ上消色させる消色
剤としては、水に可溶な常温で固体の消色性を有する化
合物であり、例えば、ポリビニルピロリドン、尿素及び
エチレン尿素、チオ尿素、ヒダントイン、1−アリルヒ
ダントイン、1−メチルヒダントイン、1−イソプロピ
ルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、1−
ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイン、ア
ラントイン、ビウレット等の尿素誘導体等であり、それ
らのうち1種又は2種以上混合して使用できる。更に、
筆記された紙面に対する安定性及び消色状態の安定性か
らみて、上記消色剤としては、水に可溶なアミノ基を有
する常温で固体の化合物が好ましく、固着樹脂や保湿剤
としての働きを兼用させることができるので、特にポリ
ビニルピロリドン、尿素及び尿素誘導体が好ましい。本
発明で用いる消色剤の融点は、30〜250℃であるこ
とが望ましい。本発明において、常温で固体の消色剤を
用いる理由としては、(1)液体の消色剤を用いると、
筆記又は印刷された描線中で、消色剤が反応活性の高い
液体の状態で存在するため、消色作用が強く働くため、
描線の経時安定性に欠けるが、常温で固体の消色剤を用
いると、描線中で消色剤が固定されており、反応活性が
低いために、描線の経時安定性が高い、(2)液体の消
色剤である場合、如何に高沸点の消色剤を用いても、描
線からの消色剤の揮発を完全に抑制することができない
ので、描線から消色剤が揮発し散逸すると共に消色作用
が低下し、ついには消色が不可能となるが、固体の消色
剤であれば、揮発をほぼ完全に抑制することができるた
め、消色能力を保持することができる、ということが挙
げられる。
剤を筆記面又は印刷面に密着させる固着樹脂として、室
温で造膜性を有する水溶性樹脂又は水性樹脂エマルショ
ンを含有させると、着色剤の紙面等に対する密着性が増
し、筆記又は印刷された文字又は画像等の耐摩耗性を向
上させることができる。しかし、水性樹脂エマルション
は、時に溶剤と同様の作用をし、インキの色を退色させ
ることがあるので、着色剤との組み合わせにおいて注意
が必要である。ここで、固着樹脂として用いることがで
きる水溶性樹脂としては、水溶性ナイロン樹脂、水溶性
ポリビニルアセタール樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶
性ポリアミド樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、エステル化デン
プン、デキストリン、還元麦芽糖、糖アルコール、カル
ボキシメチルセルロースであり、好ましくは、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリンで
ある。また、水性樹脂エマルションとしては、エチレン
酢酸ビニルエマルション、エチレン酢酸ビニル塩化ビニ
ルエマルション、エチレン酢酸ビニルアクリルエマルシ
ョン、アクリルエマルション、スチレンアクリルエマル
ション、スチレンアクリロニトリルエマルション、アク
リロニトリルブタジエンエマルション、アクリルブタジ
エンエマルション、ウレタンエマルション、ポリエチレ
ンイミン誘導体エマルション、ポリエステルエマルショ
ンであり、好ましくは、エチレン酢酸ビニルエマルショ
ン、エチレン酢酸ビニル塩化ビニルエマルションであ
り、それらのうち1種又は2種以上を混合して使用する
ことができる。
着樹脂が消色性を持つ化合物である場合、別にインキ中
に消色剤を入れる必要がなく、消色剤と固着樹脂の働き
を兼用させることができるので、インキの作成方法やコ
ストの面から、ポリビニルピロリドンが特に好ましい。
また、尿素及び尿素誘導体は、筆記具用インキにおいて
ペン先でのインキ溶剤の蒸発によるインキの増粘等に起
因する筆記不能(ドライアップと呼ぶ)を抑制する保湿
剤としての効果が知られており(特開平8−12774
6号公報、特願平11−341865号明細書等)、尿
素及び尿素誘導体は、消色剤と保湿剤の働きを兼用させ
ることができるので、インキの作成方法やコストの面か
ら、本発明に用いる消色剤として優れている。本発明に
係る着色剤を形成する非水溶性樹脂としては、消色を行
う有機溶剤に対する溶解性及び消色を行う温度での溶融
性を有している非水溶性樹脂であり、特に、ポリスチレ
ン、スチレンアクリル、スチレンアクリロニトリル、ス
チレンアクリロニトリルブタジエン、スチレンブチルア
クリレート等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル及びメタクリル酸メチルをモノマーユニットとして含
む共重合体等のアクリル系樹脂が好ましい。
機溶剤の選定は、着色剤を形成する非水溶性樹脂を溶解
する能力のあるものであればよく、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、
エチルプロピルケトン、ジプロピルケトン、アセチルア
セトン、アセトフェノン、3−メチル−2−ブタノン、
3,3−ジメチル−2−ブタノン、2,4−ジメチル−
3−ペンタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等
のケトン系溶剤、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、ピラン、フラン、メチルフラン、テト
ラヒドロフラン、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤、2−
メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メ
トキシ−2−プロパノール等のグリコールエーテル系溶
剤、メチルグリコールアセテート、エチルグリコールア
セテート等のグリコールエーテルエステル系溶剤、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶剤、塩化メチル、塩化メ
チレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、パークロロエタン、パーク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤、アニリン、トルイジン、ピリジン、ビピリジ
ン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルフォキシ
ド等のヘテロ原子を有する炭化水素系溶剤であり、その
うち1種又は2種以上混合して使用できる。消色性能、
人体に対する安全性及び溶剤の乾燥性などの点から、ア
セトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタンが特に好ましい。ここで言うヘテロ原子とは、
酸素原子を含まず、特に窒素原子と硫黄原子を指す。
れぞれ着色剤質量に基づいて、ロイコ染料は2〜20質
量%、顕色剤は1〜30質量%、樹脂は50〜95質量
%用いることができる。ここで、ロイコ染料と顕色剤の
モル比は、1:1〜1:3が好ましい。 インキを酸性又
は中性に調整するための呈酸性物質としては、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸、チオ硫酸、塩素酸、亜塩素酸、過塩
素酸等の無機酸、または蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ク
エン酸、リンゴ酸、蓚酸、フェノール、クレゾール、ア
クリル酸、メタクリル酸等の有機酸であり、人体に対す
る安全性等の点から酢酸、塩酸、クエン酸、リンゴ酸が
好ましい。更に、揮発性呈酸性物質としては、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、塩酸、硝酸、塩素酸、亜塩素酸、過
塩素酸であり、人体に対する安全性及び揮発性などの点
から、酢酸が特に好ましい。インキのpHとしては、好
ましくはpHが4〜7、更に好ましくはpHが4〜6で
ある。また、本発明におけるインキ組成物の組成として
は、それぞれインキ組成物質量に基づいて、溶剤として
水を50〜90質量%、着色剤を5〜35質量%、消色
剤を2〜30質量%用いることができる。
の様にロイコ染料、顕色剤及び非水溶性樹脂から成る微
粉体であるところの着色剤の水分散体であって、インキ
組成物中に水に可溶な常温で固体の消色剤を含むことを
特徴とし、筆記又は印刷された文字又は画像等を有機溶
剤並びに加熱によって消色することを可能とするもので
ある。その他インキの材料として通常用いられる防錆
剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、保
湿剤、潤滑剤、分散安定剤及び分散樹脂等の添加剤につ
いても必要に応じて用いることができるが、発明の目的
に鑑み、インキの発色及び消色を妨げるものであっては
ならない。
するが、それにより本発明を限定するものではない。 (実施例1) (質量部) ロイコ染料 PSD−184(日本曹達(株)製、商品名) 5.0 顕色剤 3,5−ジヒドロアセトフェノン 3.0 樹脂 GPPS−673(エーアンドエムスチレン(株)製ポリスチレ ン、商品名) 20.0 〔ロイコ染料:顕色剤=1:2(モル比)〕をニーダー
を用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状の顔料を得
た。
より分けられた5〜10μmの微粉体顔料を用いて、以
下の組成で撹拌機を用いて撹拌混合し、pHが6.0に
なるよう10質量%酢酸水溶液にて調整し、水性マーカ
ー用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 PVP K−15(ISP社製ポリビニルピロリドン、商品名) 10.0 デルトップ(武田製薬(株)製、商品名、2−ベンズイソチアゾリン−3−オ ン 10%、エチレングリコール 70%) 0.3 イオン交換水 79.7 上記水性マーカー用黒色インキ組成物の粘度は21.6
mPa・s(25℃、75s-1)であった。
水性マーカー(ゼブラポップスター極細−商品名−)と
同様に、予め極細側にバルブ組込済み先端部を嵌着させ
ておいたポリプロピレン製チューブに、ステンレス製撹
拌子を入れ、インキを充填した後、細側にバルブ組込済
み先端部を嵌着し、ポリエステル製チップを組込、チュ
ーブ内を常圧にし水性マーカーペンを作成した。なお、
マーカーは筆記直前に、10回ほど振り、インキをよく
撹拌した後、インキをチップに充分に染み込ませた後
に、A4サイズのコピー用紙に筆記を行った。
を用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状の顔料を得
た。
より分けられた0.5〜5μmの微粉体顔料を用いて、
以下の組成で撹拌機を用いて撹拌混合し、pHが3.4
になるよう10質量%酢酸水溶液にて調整し、水性ボー
ルペン用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 尿素 10.0 デルトップ 0.3 エマルゲン707(花王(株)製、商品名、非イオン性界面活性剤、ポリオキ シエチレンアルコールエーテル) 0.8 ベンゾトリアゾール 0.2 ホスファノール(東邦化学工業(株)製、商品名、非イオン性界面活性剤、エ ーテル型リン酸エステル) 0.3 オレイン酸カリウム 0.5 キサンタンガム 0.6 イオン交換水 77.3 上記水性ボールペン用黒色インキ組成物の粘度は142
mPa・s(25℃、150s-1)であった。
ェル式ボールペン(ゼブラハイパージェル−商品名−、
ステンレスチップボール径0.7mm)と同様に、ポリ
プロピレン製チューブにインキを充填した後、チップを
嵌着し、尾部よりインキ追随体を適量注入し、遠心機に
より200Gにて脱泡しボールペンを作成し、A4サイ
ズのコピー用紙に筆記を行った。
を用いて、加熱混合し、発色した状態の塊状の顔料を得
た。
ーダーまで粉砕し、得られた顔料を用いて、以下の組成
で撹拌機を用いて撹拌混合し、pHが7.0になるよう
10質量%酢酸水溶液にて調整し、0.22μmのテフ
ロン(登録商標)フィルターにて濾過し、インクジェッ
トプリンター用青色インキを得た。 (質量%) 青色微粉体 10.0 5,5−ジメチルヒダントイン 5.0 ジエチレングリコール 5.0 デルトップ 0.2 ジヒドロ酢酸ナトリウム 0.5 イオン交換水 79.3 上記インクジェット用青色インキ組成物の粘度は2.4
mPa・s(25℃、75s-1)であった。このインキ
を、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター
(セイコーエプソン(株)製PM−700J−商品名
−)のインクとして用いて、A4サイズのコピー用紙に
印刷を行った。
いて、以下の組成で撹拌機を用いて撹拌混合し、pHが
6.0になるように10質量%酢酸水溶液にて調整し、
水性マーカー用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 N−メチル−2−ピロリドン 5.0 デルトップ 0.3 クラレポバール((株)クラレ製ポリビニルアルコール、商品名) 5.0 アエロジル200(日本エアロジル(株)製、商品名、無水変性シリカ) 0.5 イオン交換水 79.2 上記水性黒色インキ組成物の粘度は19.0mPa・s
(25℃、75s-1)であった。このインクを用いたマ
ーカーペンの作成及び筆記は実施例1と同様に行った。
いて、以下の組成で撹拌機を用いて撹拌混合し、pHが
8.5になるように28質量%アンモニア水にて調整
し、水性ボールペン用黒色インキを得た。 (質量%) 黒色微粉体 10.0 デルトップ 0.3 エマルゲン707 0.8 PVP K−15 8.0 ベンゾトリアゾール 0.2 オレイン酸カリウム 0.5 キサンタンガム 0.6 イオン交換水 79.6 上記水性黒色インキ組成物の粘度は171mPa・s
(25℃、150s-1)であった。このインクを用いた
ボールペンの作成及び筆記は実施例2と同様に行った。
でサンプル瓶中での保存試験及びそれぞれの方法で筆記
又は印刷した文字又は画像の加熱並びに有機溶剤(アセ
トン)による消色試験を行った。 インキの色の経時濃度変化試験 インキ作成直後及び1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月間室温でサ
ンプル瓶中に保存したインキの外観を目視で観察した。 アセトンによる筆記又は印刷した文字又は画像の消色
試験(その1) インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後にアセトンを数滴垂らし、滴下した箇所の文
字又は画像が消色されるかどうかを確認した。
は画像の消色試験(その2) インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から24時間後にアセトンを数滴垂らし、滴下した箇所
の文字又は画像が消色されるかどうかを確認した。 加熱による消色試験 インキ作成直後に上記各インキを用いて、コピー用紙に
筆記又は印刷した文字又は画像上に、筆記又は印刷して
から3分後に約200℃に加熱した電気アイロンを5秒
間押し当て、文字又は画像が消色されるかどうかを確認
した。
す。
ントンカラースペシファイアー/コート紙による。
2は、インキが塩基性であるために、インキの色が経時
的に退色してしまった。しかし、インキが酸性又は中性
である実施例1〜3、比較例1ではインキの色は変化し
なかった。また、表2の試験結果から明らかなように、
インキの酸性度が強い実施例2及び消色剤が液体である
比較例1では、筆記直後にアセトンによる消色を行った
場合、筆記線が再発色してしまったが、インキが中性又
は弱い酸性(pHが4〜7)である実施例1、3では、
筆記又は印刷直後にアセトンによる消色を行った場合、
再発色することなく消色することができた。更に、実施
例2で、筆記線を筆記後24時間放置し呈酸性物質を揮
発させた後は、アセトンのみで消色を行った場合でも、
完全に消色を行うことができた。しかし、比較例1は、
揮発性呈酸性物質と同時に、消色剤であるN−メチル−
2−ピロリドンも揮発してしまい、24時間放置後の有
機溶剤による消色並びに加熱による消色ともに消色でき
なかった。
ら成る微粉体を着色剤とする水性インキ組成物におい
て、前記着色剤の消色作用を持つ水に可溶な常温で固体
の消色剤を含有させ、更に前記消色剤として、好ましく
はアミノ基を有する水に可溶な常温で固体の化合物、特
に、ポリビニルピロリドン、尿素及び尿素誘導体を用い
ることで、有機溶剤による消色及び加熱による消色とも
に可能で、かつ着色剤の呈色濃度の高いインキを作成す
ることができる。更に、消色された箇所には消色剤が残
るわけであるが、消色された箇所にこのインキ組成物で
再筆記又は再印刷を行う場合、インキ組成物中の発色成
分は非水溶性樹脂中にあるため、消色された箇所に残っ
ている消色剤と直接接触することはないので、消色され
た箇所にも直接再筆記又は再印刷が可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)溶剤として水、 (b)非水溶性樹脂と混練されるか又は非水溶性樹脂で
被覆された、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含み、
ロイコ染料と顕色剤が発色した状態にある微粉体からな
る着色剤、 (c)水に可溶な常温で固体の消色剤、 を少なくとも含む、有機溶剤並びに加熱により消色可能
な水性インキ組成物であって、 (d)該消色剤が、アミノ基を有する水に可溶な常温で
固体の化合物であり、かつ (e)該水性インキ組成物が酸性又は中性であることを
特徴とする上記水性インキ組成物。 - 【請求項2】 該消色剤が、ポリビニルピロリドン、尿
素及び尿素誘導体からなる群から選択される少なくとも
1種であることを特徴とする請求項1に記載された水性
インキ組成物。
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JP2000096231A JP3359018B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 溶剤並びに加熱により消色可能な水性インキ組成物 |
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