JP4012269B2 - 水で消去可能なインク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紙、ホワイトボード、布等に印刷、筆記等に使用される、水により消去できるインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より万年筆、水性又は油性フェルトペン、ボールペン等の筆記具による紙、布、ホワイトボード等の筆記、描画跡を消去するには、インク消し、修正液等を使用するか、ボード拭き具を用いて消去しなければならず、消去液の用意と、消去に手間がかかるしまた、その消去も充分ではなかった。そこで、水により消去可能なインクが開発されその技術も多く開示されている。
これらの水で消去するインクとしては、染料としてチオシアン酸コバルトを使用したインク(特公平5-62078号公報)、ロイコ染料とフェノール性水酸基を有する化合物を顕色剤として使用したインク(特公昭52-7764号公報)、ロイコ染料とサリチル酸亜鉛、ビスフェノールAを顕色剤として用いたインク(特開平7-90213号公報)、ロイコ染料とチオシアン酸金属塩、水溶性フェノール系化合物を顕色剤として用いたインク(特開平4-85374号公報)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記水により消去可能なインクの技術において、特公平5-62078号公報記載のインクは染料として、チオシアン酸コバルトを使用しているので、コバルト塩は水和物を生成し易く、大気中の水分に敏感に反応して時間の経過により退色してしまうばかりでなく、コバルト塩は重金属のため安全性に難点がある。特公昭52-7764号公報記載のインクは、染料としてロイコ染料を使用し、顕色剤として不揮発性、親水性フェノール性水酸基を有する化合物を使用している。このインクは消色性は良好であるが、フェノール性水酸基を有する化合物はベンゼン環を有しているため、分解性、安全性に問題がある。特開平7-90213号公報記載のインクは、染料としてロイコ染料を使用し、顕色剤としてサリチル酸亜鉛、ビスフェノールAを使用している。使用している顕色剤は非水溶性であり水により分散されることがないため、再度発色する恐れがある。また、特開平4-85374号公報記載のインクはロイコ染料と顕色剤としてチオシアン酸金属塩又はフェノール系化合物を使用している。このチオシアン酸金属塩は時間の経過による退色し易い事並びに安全性の点に難点があることは前述の通りである。また、フェノール系化合物が分解性、安全性に難点があることは前述の通りである。
本発明はこれらの欠点を無くし、消去性が完全で再発色が生じなく、インク組成が安全、水で拭くだけで容易に完全に消去できるインクを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するため鋭意研究の結果、発色剤として、ロイコ染料を使用し、顕色剤として、親水性脂肪族カルボン酸を使用したところ極めて良好なインクを完成することができた。
本発明は、ロイコ染料と該染料を顕色する親水性脂肪族カルボン酸を含有し、前記親水性脂肪族カルボン酸がマロン酸又はマレイン酸であることを特徴とする水で消去可能なインク、更に、上記成分に不揮発性減感剤を含有させて、消色性を一層向上させた水で消去可能なインクである。
【0006】
【発明の実施の態様】
本発明のロイコ染料としては、分子内にラクトン環を有するロイコ染料が好適である。その具体的化合物は次のものが挙げられる。
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタレイド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタレイド、1,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、2−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、6−ジエチルアミノベンゾフルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタレイド、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタレイド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタレイド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタレイド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3,6−ジメチキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、6−N,N−エチル−イソペンチルアミノフルオラン、2−メチル−6−N,N−エチル−p−メチルフェニルフルオラン、2−N,N−メチル−フェニルアミノ−6−N,N−エチル−p−メチルフェニルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N,N−イソペンチル−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N,N−エチル−p−メチルフェニルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N,N−エチル−メトキシプロピルアミノフルオラン、2−テトラフルオロメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、6−ジエチルアミノ−ベンゾ(α)フルオラン、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン等である。
【0007】
本発明に使用する、ロイコ染料に顕色性を有する親水性脂肪族カルボン酸は、常温で固体のものが好適である。常温で固体の親水性脂肪族カルボン酸としては、エチルマロン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グルタコン酸、グルタル酸、コハク酸、シトラコン酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸等の炭素数1〜5を有する飽和又は不飽和脂肪化合物の1〜2個の水酸基を有するか又は有しない1〜3価カルボン酸が挙げられる。そして、クエン酸、マレイン酸が好適である。
【0008】
本発明のインクは、上記ロイコ染料と、親水性脂肪族カルボン酸を揮発性有機溶剤に溶解して調製する一般の調製法が採用される。そして、その揮発性有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン等のケトン類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類が好適である。中でも、安全性の上からエタノールが最適である。
【0009】
本発明のインクにおいて、上記ロイコ染料の添加量は、インクの全量に対し、0.01〜10重量%である。そして、好適には0.1〜5重量%である。0.01重量%より少なくては充分な色の濃さが得られず、10重量%より多くても色の濃さは変化がない。
顕色剤である上記親水性脂肪族カルボン酸の添加量は、10重量%以上必要であり、10重量%より少なくては充分な色の濃さが得られない。また、上限は、溶剤に溶ける濃度である。
【0010】
本発明のインクには、上述のロイコ染料と親水性脂肪族カルボン酸に不揮発性減感剤を添加して消色性を向上することができる。この不揮発性減感剤は、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジアミル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル類、ラウリルアルコール等の高級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等である。この不揮発性減感剤の添加量は、1〜20重量%であり、1重量%より少なくては、消色効果が充分でなく、20重量%を越えると、このインクを使用してホワイトボード等に筆記した場合に乾燥性が悪くなる。また、紙に筆記しこの筆跡を水で消去した場合に、筆記跡が透けて見える恐れがある。
【0011】
本発明のインクにおいていは、上記各成分の他に、一般にインクに添加される物質、例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の高分子物を添加して、紙に筆記した時に裏写しを防止することができる。また、ポリ酢酸ビニル、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル等の樹脂を添加して、ホワイトボードに筆記し水で消去したときに、ホワイトボードに残っているロイコ染料等を樹脂とともに除去できる。また、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を添加すると、ホワイトボードに筆記したときに文字等を弾くことを防止することができる。
【0012】
【作用】
上記ロイコ染料と、親水性脂肪族カルボン酸とにより発色、消色する作用機構は、ロイコ染料は単独では無色又は淡色の物質であり、これが顕色剤である親水性脂肪族有機カルボン酸と接触するとロイコ染料のラクトン環構造と親水性脂肪族カルボン酸とが反応することにより発色する。ロイコ染料は水に溶解せず、水に触れることによってロイコ染料は析出し、親水性脂肪族カルボン酸は水に溶解し、親水性脂肪族カルボン酸と反応したロイコ染料は、親水性脂肪族カルボン酸とロイコ染料に分解することによって、ロイコ染料は元の構造に戻り無色になる。そして、水に溶解した親水性脂肪族カルボン酸は分散し、水が蒸発し親水性脂肪族カルボン酸が析出してもその親水性脂肪族カルボン酸が固体であれば、固体のロイコ染料とは反応せず再発色は生じない。このため、本発明に使用する親水性脂肪族カルボン酸は、固体であることが好適である。酢酸等の液体脂肪族カルボン酸では、筆記と同時に揮発性溶剤と共に蒸発して直ちに消色する。また、蒸発しない液体の脂肪族カルボン酸では、水に触れると消色するが、水が蒸発すると残存する脂肪族カルボン酸が液固反応で再び発色する。また、非水溶性の脂肪族カルボン酸では水に溶解しないため、水に触れても水に溶解せず消色しない。
【0013】
上記のようにして調製した本発明のインクをフェルトペンに充填し、紙、ホワイトボード、布等に筆記すると、従来のフェルトペンと同様に絵、文字等を書くことができる。また、発色剤であるロイコ染料の種類を変えることにより種々の色のインクを調製することができる。また、本発明のインクは各成分が有機溶剤に完全に溶解しているから本インクを使用する筆記具に詰りを起こすことがない。また、時間が経過しても退色することがない。更に、文字等を水の付着した綿棒等で軽くなぞるだけで瞬時に消色させることができ、文字、絵等の消去訂正を極めて容易に行うことができる。
【0014】
本出願の第2の発明は、上記第1の発明である水で消去可能なインクの使用法として、この水で消去可能なインクにより形成された、例えばマーカーペン、サインペン等による筆記が、電子写真法により形成されたトナー画像とともに形成された紙等の保持支持体上のこれらの画像を一挙に単一手段で消去し、この画像保持支持体を再生する方法を提供するものである。
【0015】
この第2の発明は、画像保持支持体上に電子写真法により形成されたトナー画像とロイコ染料と該染料を顕色する親水性脂肪族カルボン酸を含有するインク画像を形成し、これにトナー画像消去液及び水を含む液を塗布又は含浸させた後、画像剥離体と加熱接触し、画像保持支持体より画像を消去することを特徴とする画像保持支持体の再生方法である。
【0016】
上記画像保持支持体の再生方法は、図1に示される従来の電子写真法により形成されたトナー画像を消去し画像保持支持体を再生する装置により、画像消去液をトナー画像消去液と水との混合液とすることにより行なうことができる。
図中1は剥離ベルト、2は画像消去液、3はクリーニング部材、4は搬送ベルト、Pは画像保持支持体、R1は対向ローラ、1aはテンションローラ、R2は塗布ローラ、R3は画像剥離ローラ、R4は対向ローラ、R5は仕上ローラを示す。
【0017】
表面に電子写真法により形成されたトナー画像と第1の発明の水で消去可能なインク画像が形成された画像保持支持体Pは、トナー画像消去液と水との混合液、例えば水を主成分としノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤を1種又は2種以上を0.01〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%含有する液、により塗布又は含浸した後、その画像側が画像剥離ローラR3及び対向ローラR4で加熱された剥離ベルト1と画像剥離ローラR3との間に挟持され、この画像は剥離される。画像が消去された支持体は加熱された仕上ローラR5と搬送ベルト4との間を通って、外部に取り出される。剥離ベルト1上の剥離トナーはクリーニング部材3で清浄され支持体は再生される。
【0018】
【実施例1】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、クエン酸 40重量%をエタノール 59.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0019】
【実施例2】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、クエン酸 40重量%、フタル酸ジブチル 10重量%をエタノール 49.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0020】
【実施例3】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 0.5重量%、クエン酸 40重量%、ステアリン酸ジブチル 5重量%をエタノール 54.5重量%に溶かし、黒色のインクを得た。
【0021】
【実施例4】
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−アザフタレイド 0.5重量%、リンゴ酸 25重量%、ラウリルアルコール 5重量%をエタノール 69.5重量%に溶かし、青色のインクを得た。
【0022】
【実施例5】
3−モノシクロヘキシルアミノ−3−クロロフルオラン 0.5重量%、クエン酸 40重量%、グリセリン 5重量%をアセトン 54.5重量%に溶かし、橙色のインクを得た。
【0023】
【実施例6】
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル−インドール−3−イル)フタレイド 0.5重量%、リンゴ酸 25重量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル5重量%をエタノール 69.5重量%に溶かし、赤色のインクを得た。
【0024】
【実施例7】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、グリコール酸 40重量%、フタル酸ジブチル5重量%をエタノール 54.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0025】
【実施例8】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、マロン酸 40重量%、フタル酸ジブチル 5重量%を酢酸エチル 54.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0026】
【実施例9】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、酒石酸 20重量%、フタル酸ジブチル 5重量%をエタノール 74.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0027】
【実施例10】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、マレイン酸 35重量%、フタル酸ジブチル 5重量%をエタノール 59.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0028】
なお、比較例として、顕色剤として昇華性又は不揮発性フェノール性水酸基を有する化合物を顕色剤として用いた実施例を比較例1〜3として挙げる。
【比較例1】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、サリチル酸 35重量%、フタル酸ジブチル 5重量%をエタノール 59.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0029】
【比較例2】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、クミルフェノール 40重量%、フタル酸ジブチル 5重量%をエタノール 54.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0030】
【比較例3】
N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルフルオラン 5重量部と6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕−フルオラン 2.5重量部と、ビスフェノールA 5重量部とを、フタル酸ジメチル 60重量部及びエタノール 25重量部中で混合し、撹拌機で約20分撹拌して得られる黒色のインクを得た。
【0031】
顕色剤に液体脂肪族カルボン酸を用いた実施例を比較例4として挙げる。
【比較例4】
3−N,N−エチル−3−メチルフェニルアミノ−7−N,N−メチルフェニルアミノフルオラン 0.5重量%、酢酸 40重量%、フタル酸ジブチル 5重量%をエタノール 54.5重量%に溶かし、暗緑色のインクを得た。
【0032】
【実施例11】
実施例1で得られたインクをフェルトペンに充填し、乾式電子複写機(リコー(株)製FT2200)によりPPC用紙の表面にコピーしたトナー画像とともに、上記フェルトペンによるマーキング画像を筆記した。この2種の画像を有するコピー用紙を、1重量%のノニオン性界面活性剤を含む水溶液を消去液として、図1に示す再生装置で3cpmの処理速度で処理した。トナー画像並びにマーキング画像もほぼきれいに除去された。マーキング画像濃度1.0から残存画像濃度はマクベス濃度計で0.05以下になった。
【0033】
【実施例12】
実施例2で得られたインクをフェルトペンに充填し、乾式電子複写機(リコー(株)製FT2200)によりPPC用紙の表面にコピーしたトナー画像とともに、上記フェルトペンによるマーキング画像を筆記した。この2種の画像を有するコピー用紙を、10重量%のアニオン性界面活性剤を含む水溶液を消去液として、実施例11と同様に処理した。トナー画像並びにマーキング画像もほぼきれいに除去された。マーキング画像濃度0.8〜1.0から残存画像濃度はマクベス濃度計で0.05以下になった。
【0034】
【試験例】
上記実施例1〜10のインク並びに比較例1〜5のインクをそれぞれフェルトペンに充填し、乾式PPC用紙に文字を筆記し、筆記後の退色性、水による消色性、再発色性を確認した。その結果を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
上記試験結果の通り、本発明は筆記後の退色性、水による消色性並びに再発色性において優れていることが明らかである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、極めて顕色性が良く、使用後の退色は殆どなく、しかも水により容易に消色ができ、再発色の恐れがない。しかも、顕色剤として脂肪族カルボン酸を使用しているため安全性に優れている。また、このインクを紙に使用する場合は、本発明のインクで筆記した文字等は水による修正消去が容易で且つ完全であるから、紙の再利用できる利点がある。更に、従来のホワイトボード用フェルトペンでは、文字等を消した場合カスが出るが本発明のインクを使用すればカスが出ることがない等の多くの利点を有する工業的に極めて優れた効果を有する発明である。このインクを電子写真法によるトナー画像と共に画像保持支持体に形成した場合は、一般の電子写真トナー画像の画像消去装置を使用することができ消去液も水を含有するトナー画像消去液を使用することができ、従来使用する装置で操作簡易に両方の画像を消去し画像保持支持隊を再生することができる工業的に極めて有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水で消去可能なインク画像と電子写真トナー画像と共に有する支持体を再生する方法に使用する装置の概略図である。
【符号の説明】
1 剥離ベルト
1a テンションローラ
2 画像消去液
3 クリーニング部材
4 搬送ベルト
P 画像保持支持体
R1,R4 対向ローラ
R2 塗布ローラ
R3 画像剥離ローラ
R5 仕上げローラ
Claims (2)
- ロイコ染料と該染料を顕色する親水性脂肪族カルボン酸を含有し、前記親水性脂肪族カルボン酸がマロン酸又はマレイン酸であることを特徴とする水で消去可能なインク。
- さらに、不揮発性減感剤を含む請求項1記載の水で消去可能なインク。
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