JP2001310977A - 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル - Google Patents

難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル

Info

Publication number
JP2001310977A
JP2001310977A JP2000129650A JP2000129650A JP2001310977A JP 2001310977 A JP2001310977 A JP 2001310977A JP 2000129650 A JP2000129650 A JP 2000129650A JP 2000129650 A JP2000129650 A JP 2000129650A JP 2001310977 A JP2001310977 A JP 2001310977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin resin
flame
resin composition
retardant
platinum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000129650A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiji Morita
好次 森田
Haruhiko Furukawa
晴彦 古川
Koshi Shiromoto
幸志 城本
Hiroshi Ueki
浩 植木
Hidekatsu Hatanaka
秀克 畑中
Koji Nakanishi
康二 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Toray Silicone Co Ltd filed Critical Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority to JP2000129650A priority Critical patent/JP2001310977A/ja
Publication of JP2001310977A publication Critical patent/JP2001310977A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化物系難燃剤を含有しなくても
難燃性が優れ、かつ金属水酸化物の配合量を低く押えて
も難燃性が優れたポリオレフィン樹脂組成物とその製造
方法と難燃性ケーブルを提供する。 【解決手段】 (A)ポリオレフィン樹脂100重量
部、(B)金属水酸化物10〜200重量部、および
(C)(A)成分と(B)成分の合計重量当たり白金金
属として0.1ppm〜10000ppmの白金または
白金化合物からなることを特徴とする、難燃性ポリオレ
フィン樹脂組成物。さらに(D)ケイ素原子結合水素原
子を有しないポリオルガノシロキサン0.1〜20重量
部からなることを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂
組成物、白金または白金化合物がケイ素原子結合水素原
子を有しないポリオルガノシロキサン中に分散した分散
体をポリオレフィン樹脂および金属水酸化物と混合する
ことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の製
造方法、芯線が上記難燃性ポリオレフィン樹脂組成物で
被覆されていることを特徴とする難燃性ケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリオレフィ
ン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブルに関
し、更に詳しくは、有機ハロゲン化物系難然剤を含有し
なくても優れた難燃性を有するポリオレフィン樹脂組成
物、その製造方法および難燃性ケーブに関する。
【0002】
【従来の技術】電線、ケーブルの外被や絶縁体コアとし
ては、従来から、押出加工性や電気絶縁性に優れている
ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
等のポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル樹脂が使用
されている。特にポリ塩化ビニル樹脂はその特性が良好
なため多量に使用されている。ポリオレフィン系樹脂
は、火災防止のため難燃化されている。従来、難燃化す
るため、これら熱可塑性樹脂に塩素や臭素のようなハロ
ゲンを含有する有機化合物、即ち、有機ハロゲン化物系
難然剤を混和するという方法が通常採用されてきた。
【0003】ところが、これら有機ハロゲン化物を配合
したポリオレフィン樹脂組成物は、燃焼時に大量の黒
煙、人体に有害なガス、あるいは金属等を腐食するガス
を発生する。このような問題を防止するために、水酸化
アルミニウムや水酸化マグネシウムのような金属水酸化
物を難燃化剤として配合してなる熱可塑性樹脂が提案さ
れている。
【0004】ところが、充分な難燃性を得るには、多量
の金属水酸化物を配合することが必要になり、機械的特
性の低下や溶融時の流動性の悪化などの問題を抱えてい
た。そのため、金属水酸化物の添加量をある程度に抑え
て難燃性を確保できるような難燃助剤の探索が検討され
ており、シリコーンが有力な候補の一つに挙げられてい
る。たとえば、特開平1−141928号では、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体(EEA)に金属水酸
化物およびシリコーンオイルを配合してなる難燃性樹脂
組成物が提案されおり、特開平1−141929号で
は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
に金属水酸化物およびシリコーンゴムおよび/またはシ
リコーンガムを配合してなる難燃性樹脂組成物が提案さ
れている。
【0005】しかし、シリコ−ンは、もともとポリエチ
レン(PE)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレンーエチルアクリレート共重合体(EE
A)などのポリオレフィン樹脂との相溶性が良いとはい
えず、十分に分散させるためには多大な混練時間を必要
とした。また、シリコ−ンを分散できても成形体の表面
へ移行しやすく、成形体の外観に影響を及ぼすという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決すること、すなわち、有機ハロゲン化物系難燃剤を
含有しなくても難燃性が優れ、かつ金属水酸化物の配合
量を低く押えても難燃性が優れたポリオレフィン樹脂組
成物、その製造方法および難燃性ケーブルを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹脂と
金属水酸化物とに白金化合物を微量配合することによっ
て、さらにはポリオルガノシロキサンも配合することに
よって、金属水酸化物の配合量を低く押えても意外に高
い難燃性が得られることを見出して本発明に至った。本
発明は、(A)ポリオレフィン樹脂 100重量部、
(B)金属水酸化物 10〜200重量部、(C)
(A)成分と(B)成分の合計量に対して、白金金属と
して0.1〜10000ppmの白金または白金化合物
からなる難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、さらに
(D)ケイ素原子結合水素原子を有しないポリオルガノ
シロキサン0.1〜20重量部とからなることを特徴と
する難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法、
および、芯線がこれらの難燃性ポリオレフィン樹脂組成
物で被覆されたことを特徴とする難燃性ケーブルに関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物における(A)ポリオレフィン樹脂は、オレフ
ィン単独の重合体、オレフィンとその他のビニルモノマ
ーとの共重合体であればよく、特に限定されない。具体
的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、エチレンとプロピレン、プテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1、オクテン−1、デセン−1のような炭素数3〜1
2のα−オレフィンとの共重合体;ポリプロピレン、プ
ロピレンとブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1の
ような炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体;
エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸、メタクリル酸エチル、マレイン酸、無水マレイン酸
のようなビニル系モノマーとの共重合体;前記ポリエチ
レンもくしはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を
アクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルポン酸また
はその誘導体で変性して成る共重合体;上記したポリオ
レフィン2種以上の混合物などが例示される。これらの
ポリオレフィン樹脂の製造方法は特に限定されないが、
他成分との配合性が良好なことが好ましいので、メタロ
セン型触媒による重合方法が好ましい。これらのうち、
ポリオレフィン樹脂組成物の機械的特性という点からい
うと、ポリエチレンが好適であり、また、難燃性を高め
るという点からすると、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、あるいはこ
れらの混合物が好適である。
【0009】(B)金属水酸化物は、周期率表のIIa
族、IIIa族やIVb族の粉末状金属水酸化物が好まし
く、分解開始温度が150〜450℃の範囲にあるもの
が、難燃化にもっとも効果的であり、好ましい。具体的
には、粉末状水酸化マグネシウム、粉末状水酸化アルミ
ニウム、あるいは両者の混合物が好ましく、粉末状水酸
化マグネシウムがより好ましい。その平均粒径は、0.
01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがさら
に好ましい。ポリオレフィン樹脂への分散性が良好であ
り、樹脂組成物の成形加工性を低下させないからであ
る。
【0010】(B)成分は、それぞれ単独で用いる場合
も、また2種以上を混合して用いる場合も、その配合量
は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、10〜2
00重量部であり、好ましくは、30〜150重量部で
ある。配合量が10重量部未満の場合は得られたポリオ
レフィン樹脂組成物に所望の難燃性を付与することがで
きず、また、200重量部を超えると、ポリオレフィン
樹脂組成物の機械的強度および溶融時の流動性が著しく
低下しするためである。(B)成分は、そのままポリオ
レフィン樹脂に分散してもよいが、シランカッブリング
剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸などの表面処理
剤にて処理したものを用いてもよい。なお、これら難燃
剤とともに難燃性を大幅に低下せしめない範囲で、炭酸
カルシウム、タルク、クレー、マイカ、シリカ等の充填
剤を添加してもよい。
【0011】(C)白金または白金化合物は単独で、あ
るいは(D)ポリオルガノシロキサンとの相乗効果によ
って、(A)成分と(B)成分の混合物の難燃性を向上
させる。このような(C)成分として、白金微粉末、塩
化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金ジケトン錯
体、白金オレフィン錯体、塩化白金酸もしくは白金とア
ルケニルシロキサンの錯体、およびこれらをアルミナ、
シリカ、カーボンブラックなどの粉末状担体に担持させ
たものが例示される。これらの中でも塩化白金酸もしく
は白金とアルケニルシロキサンの錯体が好ましく、特に
特公昭42−22924号公報に開示されている塩化白
金酸と1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体
や、特公昭46−28795号公報や特公昭46−29
731号公報、特公昭47−23679号公報に開示さ
れている塩化白金酸と1,3-ジビニルテトラメチルジシ
ロキサンの錯体や、白金と1,3-ジビニルテトラメチル
ジシロキサンの錯体が好ましい。このような白金錯体
は、液状のメチルビニルポリシロキサンで希釈して使用
することが好ましい。
【0012】(C)白金化合物の配合量は、(A)成分
と(B)成分の合計量に対して、白金金属として0.1
〜10000ppmであり、好ましくは、1〜5000
ppmである。さらに好ましくは、5〜1000ppm
である。0.1ppm未満では、難燃性向上効果が発揮
できず、10000ppmを越えると、ポリオレフィン
樹脂組成物の電気絶縁性が劣化し、外観が黒化するため
である。
【0013】(A)成分、(B)成分、(C)成分にさ
らに(D)ケイ素原子結合水素原子を有しないポリオル
ガノシロキサンを配合することが好ましい。(D)成分
は(C)成分の分散性を向上させて、(C)成分の難燃
性付与効果を向上させる。また、ポリオレフィン樹脂組
成物の物理特性向上の効果がある。(D)ポリオルガノ
シロキサンは、オリゴマー状のものも包含し、常温でオ
イル状、ガム状、固体状、粉末状のいずれであってもよ
い。その構成単位として、(R3SiO1/2)単位、(R
2SiO2/2)単位、および(RSiO3/2)単位(式
中、Rは1価炭化水素基であり、その一部が水酸基やア
ルコキシ基で置換されていてもよい)がある。さらに
(SiO4 /2)単位を含有していていも良い。1価炭化
水素基としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基のよ
うなアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニ
ル基;フェニル基のようなアリール基が一般的であり、
アルキル基の水素原子ひとつがグリシジル基、水酸基、
カルボン酸エステル基のような官能基で置換されたもの
であってもよい。いずれにしてもその50モル%以上が
メチル基であるものが好ましい。分子構造は直鎖状、分
岐した鎖状、環状、網状、籠状、三次元状のいずれでも
よい。有機重合体との共重合体であってもよい。(A)
成分への分散性の点で、溶剤可溶性であることが好まし
い。硬化したシリコーンゴムや、溶剤不溶のレジンは好
ましくない。これらポリオルガノシロキサンは2種類以
上を組み合わせて使用してもよい。ポリジオルガノシロ
キサンオイル、有機官能基をもつポリジオルガノシロキ
サンオイル、ポリジオルガノシロキサンガム(生ゴ
ム)、加水分解性基含有オルガノシランの縮合物、シラ
ノール基やアルコキシ基を含有するポリオルガノシロキ
サンレジンが例示される。これらのうちでは、ポリオレ
フィン樹脂組成物の物理特性向上の点から高粘度ポリジ
オルガノシロキサンオイルやポリジオルガノシロキサン
ガムが好ましい。
【0014】(D)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部である。0.1重量
部未満ではその効果が少なく、20重量部を越えるとポ
リオレフィン樹脂組成物の強度が低下するからである。
(D)成分は、(C)成分と(D)成分と混合物を、
(A)成分あるいは(A)成分と(B)成分の混合物に
配合することが好ましい。(C)成分のポリオレフィン
樹脂組成物への分散性が向上するからである。
【0015】本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、
必要に応じて、 酸化防止剤、 滑剤、有機顔料、無機顔料、
着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、分散
剤、防カビ剤、帯電防止剤等の添加剤を本発明の効果を
著しく損なわない範囲内で添加してもよい。
【0016】本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造
方法は、(A)成分〜(C)成分、あるいは、(A)成
分〜(D)成分を均一に混合できれば特に限定されな
い。しかし、まず、(A)成分と(B)成分を加熱下よ
く混練した後、(C)成分を添加して加熱下混練する方
法、(A)成分と(B)成分を加熱下よく混練した後、
(C)成分と(D)成分を添加して加熱下混練する方
法、或いは、(A)成分と(C)成分を、あるいは
(A)成分と(C)成分と(D)成分を加熱下よく混練
した後、(B)成分を添加して加熱下混練する方法が、
各成分の分散性やポリオレフィン樹脂組成物の難燃性を
向上させるためにより好ましい。
【0017】また、(C)成分と(E)無機粉末の粉末
状混合物、(D)成分と(E)無機粉末のペースト状混
合物、(C)成分と(D)成分と(E)無機粉末の粉末
状またはペースト状混合物を、(A)成分と(B)成分
の混合物に添加し加熱下混練してもよい。かかる無機粉
末としては、シリカ、酸化チタン、マイカ、クレー、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムなどがあげられる。これらの中でも表面を疎水化処
理したシリカ微粉末が、(C)成分の安定性のためには
望ましい。この場合、シリカ微粉末は、その比表面積が
少なくとも50m2/gであることが好ましく、100
2/gであることが、より好ましい。このようなシリ
カ粉末としては、気相法によって得られ、通常、乾式シ
リカ、ヒュームドシリカと呼称されているシリカ微粉
末、および湿式法によって得られ、通常、湿式シリカ、
沈降法シリカと呼称されているシリカ微粉末がある。か
かる(E)無機粉末の配合量は(C)成分100重量
部、あるいは(D)成分100重量部に対して、20〜
500重量部の範囲にあることが好ましい。かかる粉末
状またはペースト状混合物は、各成分を必要十分なせん
断下で混練することによって得られる。かかる粉末状ま
たはペースト状混合物を製造するための混練装置として
は、ヘンシエルミキサー、スーパーミキサー、ミクロナ
ミキサーが例示される。かかる粉末状またはペースト状
混合物を(A)成分および(B)成分と加熱下混練す
る、あるいは(A)成分と(B)成分の混合物と加熱下
混練すると、分散性や作業性の点で有利である。なかで
も(C)成分の軟化点が室温以下、すなわち、(C)成
分が室温で液状の場合に特に好ましい。
【0018】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、2
本ロールミル、バンバリーミキサー、ニーダーミキサ
ー、エクストルダー等によって加熱下混合し、押し出し
成形、カレンダー成形、射出成形など一般的なプラスチ
ック成形加工方法によってフィルム状、シート状、ボー
ド状、ブロック状、パイプ状等に成形される。
【0019】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
の好ましい用途として、電線やケーブルの被覆がある。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を上記したよ
うな成形加工方法によって、電線や金属管に押出し被覆
するとよい。難燃性ポリオレフィン樹脂被覆ケーブルと
して、電力ケーブル、光ファイバケーブル、通信ケーブ
ルが例示される。また、その他の用途として、自動車の
内装部品や外装部品、家電製品やコンピュータの外殻、
建築用部材など各種形状の難燃性を必要とする成形品が
例示される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。粘度
は25℃における値である。
【実施例1〜8、比較例1〜5】表1と表2の組成にて
ポリオレフィン樹脂組成物を調製し、その特性を表1と
表2に示した。表1と表2中の数字は重量部を表す。
【0021】ポリオレフィン樹脂組成物の調整方法を下
記に示す。東洋精機製作所(株)製「ラボプラストミ
ル」を220℃に加熱し、まず(A)ポリオレフィン樹
脂を投入して溶融し、ついで(B)金属水酸化物を投入
して均一に分散するまで混練した。次に(C)白金化合
物あるいは、(C)白金化合物と(D)ポリオルガノシ
ロキサンの混合物、あるいは、さらに、(D)ポリオル
ガノシロキサンを添加した後、220℃で5分間混練し
てポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレ
フィン樹脂組成物を成形温度220℃にて射出成形し、
難燃性と機械的強度を測定した。その結果を表1に併せ
て示した。
【0022】ポリオレフィン樹脂組成物の評価方法を下
記に示す。 酸素指数:JIS−K7201「酸素指数法によるプラ
スチックの燃焼試験方法」に従って測定し、燃焼可能な
酸素濃度を%で示した。 着火性:UL94−Vに従って、厚み3mmの試験片を
10秒間接炎し、着火後消火炎するまでの燃焼時間を秒
で示した。 引張破壊強さ、引張破壊伸び:JIS−K7113「プ
ラスチックの引張強度試験法」に従って測定し、引張破
壊強さをkgf/mm2単位で示し、引張破壊伸びを%
で示した。
【0023】 表1 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 ポリオレフィン樹脂 EEA 100 100 100 HDPE 100 100 金属水酸化物 水酸化マグネシウム 100 100 50 100 50 白金化合物 白金錯体溶液 0.5 0.5 塩化白金酸 0.01 白金混合粉体 10 10 ポリオルガノシロキサン オイル 7 レジン 10 難燃性 酸素指数(%) 28 39 34 38 31 着火性(秒) 2 11 15 8 12 引張破壊強さ 1.8 1.2 0.9 1.6 1.9 (kgf/mm2) 引張破壊伸び(%) 110 85 121 53 105
【0024】 表2 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 ポリオレフィン樹脂 EEA 100 100 HDPE 100 100 金属水酸化物 水酸化マグネシウム 100 50 100 50 白金化合物 白金錯体溶液 塩化白金酸 白金混合粉体 ポリオルガノシロキサン オイル レジン 難燃性 酸素指数(%) 27 23 27 22 着火性 (秒) 18 >20 17 >20 引張破壊強さ 1.1 1.0 1.8 1.7 (kgf/mm2) 引張破壊伸び(%) 67 75 73 85
【0025】表1と表2中の使用材料を下記に示す。 EEA:エチレンエチルアクリレートコポリマー樹脂、
日本ポリオレフィン(株)製「ジェイレクス」A115
0(軟化点:100℃、DSC法) HDPE:高密度ポリエチレン、三井化学(株)製 ハ
イゼックス5305E(軟化点:130℃、ASTM−
D2177) 水酸化マグネシウム: 協和化学(株)製「キスマ−5
A」(粒径:0.6〜0.8μm) 白金錯体溶液: 塩化白金酸と1,3-ジビニルテトラメ
チルジシロキサンを反応させ、重炭酸ソーダで中和する
ことにより調製した、白金−1,3-ジビニルテトラメチ
ルジシロキサン錯体を両末端ジメチルビニルシロキシ基
封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度430mPa・s )
に溶かした白金錯体溶液(白金金属濃度が0.5重量
%)。 塩化白金酸:白金金属濃度が38重量%。 白金混合粉体:上記白金錯体溶液50部と比表面積20
0m2/gのヒュームドシリカ(日本アエロジル社製ア
エロジル200)50部をヘンシェルミキサーで混合し
て、粒径50μm以下の粒子としたもの。 オイル:両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチル
シロキサンガム(粘度約1000万mPa・s) レジン:平均単位式がMe0.18Ph0.91(HO)0.01SiO1.41
あり、平均分子式がD0.09 TPh 0.91(HO1/2)0.01である室
温で固形状のメチルフェニルポリシロキサン樹脂。ここ
で、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、
DはMe2SiO2/2単位を表し、TはMeSiO3/2単
位を表し、TPはPhSiO3/2単位を表す。
【0026】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成
物は有機ハロゲン化物系難然剤を含有していなくても難
燃性が優れ、かつ金属水酸化物の配合量を低く押えても
難燃性が優れ、製品安全性が高い。本発明の難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物の製造方法は有機ハロゲン化物系
難然剤を含有していなくても難燃性が優れ、かつ金属水
酸化物の配合量を低く押えても難燃性が優れたポリオレ
フィン樹脂組成物を効率よく製造することができる。本
発明の難燃性ケーブルは外皮のポリオレフィン樹脂層に
有機ハロゲン化物系難然剤を含有していなくても難燃性
が優れ、かつ金属水酸化物の配合量を低く押えても難燃
性が優れ、製品安全性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/00 H01B 3/00 A 3/44 3/44 F M P 3/46 3/46 D 7/295 (C08L 23/00 //(C08L 23/00 83:04) 83:04) H01B 7/34 B (72)発明者 古川 晴彦 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 城本 幸志 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 植木 浩 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 畑中 秀克 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 中西 康二 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4J002 BB031 BB041 BB051 BB061 BB071 BB081 BB121 BB141 BB151 BB211 CP032 CP052 CP062 CP132 DA117 DD077 DE076 DE096 DE146 FD010 FD136 FD137 GQ01 5G303 AA08 AB20 BA12 CA11 5G305 AA02 AA14 AB25 AB35 BA12 BA13 CA01 CA04 CA06 CA07 CA08 CA26 CB27 CC01 CC03 CC11 CD13 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD03 CD06 CD14 CD17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン樹脂100重量
    部、(B)金属水酸化物10〜200重量部、および
    (C)(A)成分と(B)成分の合計重量当たり白金金
    属として0.1ppm〜10000ppmの白金または
    白金化合物からなることを特徴とする、難燃性ポリオレ
    フィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリオレフィン樹脂100重量
    部、(B)金属水酸化物10〜200重量部、(C)
    (A)成分と(B)成分の合計重量当たり白金金属とし
    て0.1ppm〜10000ppmの白金または白金化
    合物、および(D)ケイ素原子結合水素原子を有しない
    ポリオルガノシロキサン0.1〜20重量部からなるこ
    とを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、水酸化マグネシウムであ
    ることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の難
    燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分が塩化白金酸もしくは白金と
    アルケニルシロキサンの錯体であることを特徴とする、
    請求項1、請求項2または請求項3記載の難燃性ポリオ
    レフィン樹脂組成物
  5. 【請求項5】 (C)成分が(D)成分中に分散した分
    散体を(A)成分および(B)成分と混合することを特
    徴とする、請求項2記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組
    成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 芯線が 請求項1〜請求項4のいずれか
    1項に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物で被覆さ
    れていることを特徴とする難燃性ケーブル。
JP2000129650A 2000-04-28 2000-04-28 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル Withdrawn JP2001310977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000129650A JP2001310977A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000129650A JP2001310977A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001310977A true JP2001310977A (ja) 2001-11-06

Family

ID=18638889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000129650A Withdrawn JP2001310977A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001310977A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004065300A1 (ja) * 2003-01-21 2004-08-05 Yazaki Corporation 水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・シリカ複合化粒子、それらの製造方法、それらの表面処理方法、およびそれらを用いた樹脂組成物、電線
EP1457523A1 (en) * 2001-05-16 2004-09-15 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Flame-retardant resin composition free from halogen

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1457523A1 (en) * 2001-05-16 2004-09-15 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Flame-retardant resin composition free from halogen
WO2004065300A1 (ja) * 2003-01-21 2004-08-05 Yazaki Corporation 水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・シリカ複合化粒子、それらの製造方法、それらの表面処理方法、およびそれらを用いた樹脂組成物、電線
JPWO2004065300A1 (ja) * 2003-01-21 2006-05-18 矢崎総業株式会社 水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・シリカ複合化粒子、それらの製造方法、それらの表面処理方法、およびそれらを用いた樹脂組成物、電線

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4717218B2 (ja) 耐火性熱可塑性シリコーン加硫ゴム
NL1016362C2 (nl) Vlamvertragende polyolefineharssamenstelling, werkwijze voor de bereiding daarvan en vlamvertragende kabels.
EP1695997B1 (en) Power or communications cable with flame retardant polymer layer
JP2525968B2 (ja) 難燃性樹脂組成物の製法、それからの難燃性樹脂組成物及びそれを用いた絶縁チュ―ブ
KR20180008487A (ko) 폴리올레핀의 실란 가교결합을 위한 경화 조절 첨가제로서 하이드록실-말단화된 pdms
JPH09169918A (ja) 高い耐延焼性を有する組成物
US20080194749A1 (en) Flame Retardant Polymer Composition Comprising Nanofillers
JP4526658B2 (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル
AU2004268042B2 (en) Flame retardant polymer composition comprising fine particles
JP4987184B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物およびその製造方法
JP2001310977A (ja) 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル
JP3735444B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2010031271A (ja) シリコーン表面処理水酸化マグネシウム
EP1396865A1 (en) Flame retardant polymer composition
JP4454737B2 (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル
JP2001002845A (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル
JPH04226159A (ja) 難燃性の熱可塑性組成物
JP2003007144A (ja) 平形ケーブル
JP2634715B2 (ja) 難燃性ポリオレフィン系ゴム組成物
JP2023009521A (ja) 樹脂組成物、並びにこれを用いた成形体、電線被覆材及び被覆電線
JPH0489850A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2023104165A (ja) 架橋成形体、電線被覆材及び電線
JP2003160709A (ja) ノンハロゲン難燃性樹脂組成物
JP2005170987A (ja) ノンハロゲン難燃性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703