JP2001002845A - 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル - Google Patents

難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブル

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JP2001002845A
JP2001002845A JP11176556A JP17655699A JP2001002845A JP 2001002845 A JP2001002845 A JP 2001002845A JP 11176556 A JP11176556 A JP 11176556A JP 17655699 A JP17655699 A JP 17655699A JP 2001002845 A JP2001002845 A JP 2001002845A
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JP11176556A
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English (en)
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Haruhiko Furukawa
晴彦 古川
Hidekatsu Hatanaka
秀克 畑中
Koshi Shiromoto
幸志 城本
Hiroshi Ueki
浩 植木
Yoshiji Morita
森田好次
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、難燃性、機械的強度に優れた難
燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造方法および
難燃性ケーブルを提供する。を提供する。 【解決手段】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
部、(B)水和金属化合物粉末30〜200重量部およ
び(C)平均単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rはア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基からなる群から選
択される1価有機基であり、アルコキシ基を除く全1価
有機基の含有量が5〜80モル%の範囲にあり、aは
0.75から2.5である。)で示され、1分子中に、
少なくとも式:R2SiO2/2(式中、Rは前記と同じで
ある。)および式:RSiO3/2(式中、Rは前記と同
じである。)で示されるシロキサン単位を有する分岐状
オルガノポリシロキサン0.01〜50重量部からなる
ことを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、
その製造方法および前記難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物により被覆されてなるケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物、その製造方法および難燃性ケーブルに
関し、更に詳しくは、成形加工性、難燃性、機械的強度
に優れた難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その製造
方法および該難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物で被覆
されてなる難燃性ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂に難燃性を付
与する方法としては、塩素原子に代表されるハロゲン原
子含有化合物をポリオレフィン系樹脂に配合する方法が
採用されている。ところが、この種のハロゲン原子含有
化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物は、燃焼
時に大量の黒煙を発生する上に、人体に有害なガスある
いは金属類を腐食するガスを発生するという問題点があ
った。従来、かかる問題点を解消する方法として、ポリ
オレフィン系樹脂に水酸化アルミニウム粉末や水酸化マ
グネシウム粉末のような水和金属化合物粉末を配合する
方法が提案されている。しかし、この方法では、ポリオ
レフィン系樹脂を難燃化するためには、多量の水和金属
化合物粉末を配合する必要があり、そのため成形加工性
に劣り、機械的強度が低下した難燃性ポリオレフィン系
樹脂しか得られないという問題点があった。また、スチ
レン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂
に、アルコキシ基含有分岐状オルガノシロキサン樹脂、
リン酸エステルおよび金属水酸化物を配合して難燃性ポ
リオレフィン系樹脂組成物を得る方法が提案されている
(特開平5−339510号公報)。しかし、この方法
で得られた難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物は、難燃
性が必ずしも十分とはいえず、またこの方法では燐酸エ
ステルの使用を必須としているため、例えば、このもの
を廃棄したときに、リン化合物に起因する土壌汚染を引
き起こすことが懸念される等の問題点があり、用途によ
っては満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、成形加工性、難燃性、機械
強度に優れた難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、その
製造方法および難燃性、機械強度に優れた難燃性ケーブ
ルを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)ポリオレフィン系樹脂 100重量部、 (B)水和金属化合物粉末 30〜200重量部、 (C)平均単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rは炭素
原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12アリ
ール基および炭素原子数1〜12のアルコキシ基からな
る群から選ばれる1価有機基であり、アルコキシ基を除
く全1価有機基中に占める全アリール基の含有量が5〜
80モル%の範囲にあり、aは0.75〜2.5であ
る。)で示され、1分子中に、少なくとも式:R2Si
2/2(式中、Rは前記と同じである。)で示されるシ
ロキサン単位と式:RSiO3/2(式中、Rは前記と同
じである。)で示されるシロキサン単位を含有する分岐
状オルガノポリシロキサン 0.01〜50重量部から
なることを特徴とする、難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物、その製造方法および前記難燃性ポリオレフィン系
樹脂組成物で被覆されてなる難燃性ケーブルに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】これを説明するに、本発明に使用
される(A)成分のポリオレフィン系樹脂は、一般に、
ポリオレフィン系樹脂と呼称されている高分子化合物、
即ち、エチレン列炭化水素を主骨格とする高分子重合体
であればよく、その種類等は特に限定されない。かかる
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチ
レン;エチレンと、プロピレン、プテン−1、ペンテン
−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテ
ン−1、デセン−1等の炭素原子数3〜12のα−オレ
フィンとの共重合体;ポリプロピレン;プロピレンと、
エチレン、プテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1等
の炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体;
エチレン−プロピレン共重合体ゴム;エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム;エチレンと、酢酸ビニル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸エチ
ル、マレイン酸、無水マレイン酸等のビニル系モノマー
との共重合体;ポリエチレンもしくしはエチレンとα−
オレフィンとの共重合体を、アクリル酸、マレイン酸の
ような不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性してな
る共重合体;これらのポリオレフィン系樹脂の混合物な
どが例示される。これらの中でも、 ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エチル
共重合体が好ましい。
【0006】本発明に使用される(B)成分の水和金属
化合物粉末粉末は、本発明の組成物に難然性を付与する
ために必須とされる成分である。かかる(B)成分はそ
の分解開始温度が150〜450℃の範囲にあるものが
難燃性付与効果が大きいので好ましい。また、その平均
粒径が0.01〜30μmの範囲内にあるものがポリオ
レフィン系樹脂への分散が良好であるので好ましく、
0.05〜10μmの範囲内にあるものがさらに好まし
い。かかる(B)成分としては、水酸化マグネシウム粉
末、水酸化アルミニウム粉末およびこれらの表面がシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸
などの表面処理剤にて処理されたものが例示される。こ
れらの中でも、水酸化マグネシウム粉末が好ましい。本
成分のは配合量は、(A)成分100重量部に対し、3
0〜200重量部であり、50〜50重量部であること
がさらに好ましい。これは配合量が30重量部未満にな
ると得られた樹脂組成物に所望の難燃性を付与すること
ができなくなることがあり、また200重量部を超える
と、ポリオレフィン系樹脂組成物の機械的強度が低下す
るためである。
【0007】本発明に使用される(C)成分の分岐状オ
ルガノポリシロキサンは、本発明の特徴となる成分であ
り、前記(B)成分と併用することにより、本発明組成
物の難燃性を向上させる働きをし、また本発明の組成物
の成形加工性を向上させる働きをする。かかる(C)成
分は、平均単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rは炭素
原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12アリ
ール基および炭素原子数1〜12のアルコキシ基からな
る群から選ばれる1価有機基であり、アルコキシ基を除
く全1価有機基中に占めるアリール基の含有量が5〜8
0モル%の範囲にあり、aは0.75〜2.5であ
る。)で示され、1分子中に、少なくとも式:R2Si
2/2(式中、Rは前記と同じである。)で示されるシ
ロキサン単位と式:RSiO3/2(式中、Rは前記と同
じである。)で示されるシロキサン単位を含有する分岐
状オルガノポリシロキサンである。 上式中、炭素原子
数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基等が例示され、これらの中でもメチル基が好まし
い。炭素原子数6〜12のアリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、トリル基等が例示され、これらの中
でもフェニル基が好ましい。炭素原子数1〜12のアル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ピロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が例示さ
れ、これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基が好まし
く、メトキシ基がさらに好ましい。
【0008】かかる(C)成分は、式:R2SiO
2/2(式中、Rは前記と同じである。)で示されるシロ
キサン単位(D単位)および式:RSiO3/2(式中、
Rは前記と同じである。)で示されるシロキサン単位
(T単位)を必須とするものであるが、上記D単位およ
びT単位以外のシロキサン単位として、式:R3SiO
1/2(式中、Rは前記と同じである。)で示されるシロ
キサン単位(M単位)および式:SiO4/2で示される
シロキサン単位(Q単位)を含んでいてもよい。尚、
(C)成分中のT単位とD単位の比率はモル比で(5:
95)〜(95:5)の範囲内が好ましい。
【0009】かかる(C)成分としては、次式で示され
る分岐状オルガノポリシロキサンが好ましい。平均分子
式:(R1 3SiO1/2)a(R1 2SiO2/2)b(R1Si
3/2)c(SiO4/2 )d(R21/2)e(式中、R1は炭素原子
数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜12アリ
ール基であり、炭素原子数1〜12のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基等が例示され、これらの中
でもメチル基が好ましい。炭素原子数6〜12のアリー
ル基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が
例示され、これらの中でも、フェニル基が好ましい。R
2は炭素原子数1〜12のアルキル基または水素原子で
あり、炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基等が例示され、これらの中でも、メ
チル基またはエチル基が好ましい。aは0または正数で
あり、bは正数であり、cは正数であり、dは0または
正数である。)
【0010】本発明に使用される(C)成分は、1分子
中の全アルコキシ基の含有量が2.0〜25.0重量%
の範囲にあることが好ましく、5.0〜25.0重量%
の範囲にあることがより好ましい。(C)成分中のアル
コキシ基はポリオレフィン系樹脂組成物の燃焼時に、そ
の表面に生成する炭化物皮膜、いわゆるチャーの皮膜強
度を硬くし、ポリオレフィン系樹脂の分解ガスが酸素と
接触するのを防いだり、燃焼による輻射熱を断熱しポリ
オレフィン系樹脂の分解を低減し、その難燃性を向上さ
せる働きをする。
【0011】本発明に使用される(C)成分は、その軟
化点が上記(A)成分のポリオレフィン系樹脂の軟化点
より低いことが好ましく、その軟化点が300℃以下で
あることがさらに好ましい。(A)成分が、比較的低い
軟化点を有するポリオレフィン系樹脂である場合は、
(C)成分は、その軟化点が200℃以下であることが
好ましく、室温で液状を呈するものがさらに好ましい。
【0012】本発明に使用される(C)成分は、通常、
その重量平均分子量が300〜500,000の範囲内
にあるものが使用されるが、その重量平均分子量が30
0〜100,000の範囲内にあるが好ましく、300
〜10,000の範囲内にあるものがより好ましい。
尚、この重量平均分子量は、通常、ゲルパーミュエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)によって定量され
る。
【0013】本成分の配合量は、(A)成分100重量
部に対し、0.01〜50重量部であり、0.1〜30
重量部であることが好ましい。この配合量が0.01重
量部未満になると難燃性付与効果が小さくなり、また2
00重量部を超えると機械的強度が著しく低下するため
である。
【0014】本発明の組成物は、上記(A)成分〜
(C)成分からなるが、これらの成分に加えて、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、マイカ、シリカ等の無機質
充填剤;酸化防止剤、潤滑剤、顔料、紫外線吸収剤、熱安
定剤、分散剤、帯電防止剤等の添加剤を配合すること
は、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0015】本発明の組成物は、上記(A)成分〜
(C)成分を均一に混合することによって容易に得られ
るが、(C)成分の(A)成分への分散性を高めるため
には、(A)成分と(B)成分を加熱混合した後、
(C)成分を加えて加熱混合する方法が好ましい。
【0016】また、(C)成分の(A)成分への分散性
を高めるためには、予め(C)成分を無機粉体に担持さ
せた粉末状物、具体的には、(C)成分と無機粉末とを
混合して粉末状物として取り扱うことが好ましい。そし
て、この(C)成分と無機粉末の混合物からなる粉末状
物を(A)成分と(B)成分に加えて加熱混合するか、
あるいは(A)成分と(B)成分の加熱混合物に加え
て、加熱混合することが好ましい。ここで使用される無
機粉末としては、シリカ粉末、酸化チタン粉末、マイカ
粉末、クレー粉末、水酸化マグネシウム粉末、水酸化ア
ルミニウム粉末などが挙げられる。これらの中でも比表
面積が50m2/g以上のシリカ粉末が好ましく、比表面
積が100m2/gのシリカ粉末がより好ましい。かかる
シリカ粉末としては、気相法によって得られ、通常、乾
式法シリカと呼称されている微粉末状のシリカ粉末およ
び湿式法によって得られ、通常、湿式法シリカと呼称さ
れているシリカ粉末がある。かかる無機粉末の量は無機
粉末がシリカ粉末である場合には、通常、(C)成分1
00重量部に対して、40〜1000重量部の範囲にあ
る。
【0017】本発明の樹脂組成物は、上記(A)成分〜
(C)成分を均一に混合することによって容易に得られ
るが、これらの成分を混合する手段としては、2本ロー
ルミル、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、連続
混練押出機等の混合装置あるいは混練装置が例示され
る。
【0018】以上のような本発明の組成物は、成形加工
性に優れるので、押出成形、カレンダー成形、射出成形
など一般的なプラスチック成形加工方法によってフィル
ム状成形物、シート状成形物、ボード状成形物、パイプ
状成形物等に容易に加工される。そして、得られた成形
物は、難燃性に優れ、機械的強度にも優れるという特徴
を有するので、かかる特性が要求される用途に使用され
る。これらの中でも、電力ケーブル、光ファイバケーブ
ル、通信ケーブル等のケーブル類に好適に適用される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施
例中、粘度の値は25℃において測定した値であり、部
は重量部である。また、実施例中、難燃性は、JIS−
K7201「酸素指数法によるプラスチックの燃焼試験
方法」に準じて酸素指数を測定し、機械的強度は、JI
S−K7113「プラスチックの引張強度試験法」に準
じて引張強度を測定した。また、実施例で使用した分岐
状オルガノポリシロキサンは、下記表1に示す平均分子
式と下記表2に示す特性を有するものであった。尚、表
1において、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基
を表し、DはMe2SiO2/2単位を表し、TはMeSi
3/2単位を表し、TPhはPhSiO3 /2単位を表す。ま
た、この分岐状オルガノポリシロキサンの化学構造の解
析は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いて行い、
重量平均分子量の測定はゲルパーミュエーシヨンクロマ
トグラフィー(GPC)を用いて行なった。重量平均分
子量は分子量既知の標準ポリスチレンに換算した値であ
る。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【実施例1〜10】ポリオレフィン系樹脂として、高密
度ポリエチレン(三井化学株式会社製 商品名;ハイゼ
ックス5305E)およびエチレン−酢酸ビニル共重合
体(住友化学工業株式会社製、商品名;エバテートD−
4010)(EVA樹脂)を使用し、水和金属化合物粉
末として水酸化マグネシウム粉末(協和化学株式会社
製、商品名;キスマ−5A)および 水酸化アルミウム
粉末(昭和電工株式会社製、商品名;ハイジライトH−
320ST)を使用し、分岐状オルガノポリシロキサン
として表1に示したSR1〜SR8を使用して、これら
の成分を後記する表3、表4および表5に示す配合比率
にて混合してポリオレフィン系樹脂組成物を得た。混合
方法は次に示す通りであった。上記ポリオレフィン系樹
脂を混合装置(東洋精機製作所株式会社製、ラボプラス
トミル)に投入し、温度180〜220℃の条件下にて
加熱して溶融した。ついで、上記水和金属化合物粉末を
投入し混錬した後、分岐状オルガノポリシロキサンを投
入し混錬して難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造
した。 この難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形
温度180〜220℃にて射出成形した。得られた成形
品の酸素指数および引張強度を測定し、これらの測定結
果を後記する表3、表4および表5に記した。
【0023】
【実施例11】実施例1〜10で使用したポリオレフィ
ン系樹脂、水和金属化合物粉末および分岐状オルガノポ
リシロキサンSR1を、表3に示す配合比率にて均一に
混合してポリオレフィン系樹脂組成物を得た。混合方法
は次に示す通りであった。ポリオレフィン系樹脂、水和
金属化合物粉末および分岐状オルガノポリシロキサンを
紙コップに入れスパチュラを使って混合した。次に、こ
の混合物を混合装置(東洋精機製作所株式会社製、ラボ
プラストミル)に投入し、温度180〜220℃にて加
熱し溶融した。ついで、水和金属化合物粉末を投入して
混錬した後、分岐状オルガノポリシロキサンを投入し混
錬して難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造した。
この難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形温度18
0〜220℃で射出成形した。得られた射出成形品の難
燃性および引張強度を測定し、それらの測定結果を後記
する表5に記した。
【0024】
【実施例12】分岐状オルガノポリシロキサン60重量
部とBET法比表面積200m2/gの乾式法シリカ40
重量部を混合装置(株式会社川田製作所製 スーパーミ
キサー)にて10分間混合して粒子径1〜200μmの
白色粉末状物を得た。次に、ポリオレフィン系樹脂、水
和金属化合物粉末および上記で得られた白色粉末状物を
表5に示す配合比率にて均一に混合してポリオレフィン
系樹脂組成物を得た。混合方法は次に示す通りであっ
た。ポリオレフィン系樹脂を混合装置(東洋精機製作所
株式会社製 ラボプラストミル)に投入して、180〜
220℃に加熱し溶融した。ついで、水和金属化合物粉
末を投入して混錬後、上記で得られた白色粉末状物を投
入し混錬して難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造
した。 この難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形
温度180〜220℃で射出成形した。得られた成形品
の特性を測定し、それらの結果を後記する表5に記し
た。
【0025】
【実施例13】導体断面積8mm2の芯線上に肉厚1.
0mmの架橋ポリエチレン絶縁体が被覆されてなる電線
の上に、実施例1で得られた難燃性ポリオレフィン系樹
脂組成物を厚さ1.8mmで被覆して電力ケーブルを試
作した。この難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物で被覆
された電力ケーブルの外観は良好であった。次に、この
電力ケーブルを用いて、UL規格758「VW−1」燃
焼試験に規定する方法にしたがって難燃性の評価を行な
ったところ、その結果は合格であった。
【0026】
【比較例1〜3】実施例1〜実施例3において、分岐状
オルガノポリシロキサンを配合しなかった以外は実施例
1〜実施例3と同様にして難燃性ポリオレフィン系樹脂
組成物を製造し、続いてこの難燃性ポリオレフィン系樹
脂組成物の成形品を得た。得られた成形品の特性を実施
例1〜実施例3と同様にして測定して、それらの結果を
それぞれ表6に示した。
【0027】
【比較例4】実施例13において、比較例1で得られた
ポリオレフィン系樹脂組成物を使用した以外は、実施例
13と同様にして、難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物
で被覆された電力ケーブルを試作した。この電力ケーブ
ルの外観は良好であった。次に、UL規格758「VW
−1」燃焼試験に準じて難燃性を評価したところ、その
結果は不合格であった。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物は、(A)成分〜(C)成分からなり、特に(C)
成分の特殊な分岐状オルガノポリシロキサンを含有して
いるので、成形加工性、難燃性、機械的強度に優れてい
るという特徴を有し、また本発明の製造方法はかかる難
燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を効率よく製造できる
という特徴を有する。また本発明の難燃性ケーブルは、
前記難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物で被覆されてい
るので、難燃性に優れ、火災にあっても多量の黒煙を発
生したり、人体に有害なガスを発生することがないとい
う特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/26 C08L 23/26 51/06 51/06 83/04 83/04 H01B 3/00 H01B 3/00 A 3/44 3/44 F M P 3/46 3/46 B C H 7/295 7/34 B (72)発明者 城本 幸志 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 植木 浩 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 森田好次 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AC14 AC15 AC92 AE07 FA03 FA17 FB06 FC03 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BB091 BB121 BB141 BB151 BB211 BN061 CP032 CP042 CP052 DE076 DE146 DJ017 FB076 FD132 FD136 5G303 AA06 AA08 AB12 AB20 BA12 CA11 5G305 AA02 AB15 AB25 AB35 AB36 BA12 BA13 BA15 CA01 CA04 CA06 CA07 CA26 CA51 CC03 CD13 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD06 CD14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂 100重量部、 (B)水和金属化合物粉末 30〜200重量部、 (C)平均単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rは炭素
    原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のア
    リール基および炭素原子数1〜12のアルコキシ基から
    なる群から選ばれる1価有機基であり、アルコキシ基を
    除く全1価有機基中に占める全アリール基の含有量が5
    〜80モル%の範囲にあり、aは0.75〜2.5であ
    る。)で示され、1分子中に、少なくとも式:R2Si
    2/2(式中、Rは前記と同じである。)で示されるシ
    ロキサン単位と式:RSiO3/2(式中、Rは前記と同
    じである。)で示されるシロキサン単位を含有する分岐
    状オルガノポリシロキサン0.01〜50重量部からな
    ることを特徴とする、難燃性ポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (C)成分が、平均分子式:(R1 3Si
    1/2)a(R1 2SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
    (R21/2)e(式中、R1は炭素原子数1〜12のアルキ
    ル基または炭素原子数6〜12のアリール基であり、R
    2は水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基で
    あり、アルコキシ基を除く全1価有機基中に占める全ア
    リール基の含有量が5〜80重量%の範囲にあり、aは
    0または正数であり、bは正数であり、cは正数であ
    り、dは0または正数である。)で示される分岐状オル
    ガノポリシロキサンである、請求項1記載の難燃性ポリ
    オレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分中のアルキル基がメチル基で
    あり、アリール基がフェニル基である、請求項1または
    請求項2記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分中のアルコキシ基がメトキシ
    基またはエトキシ基である請求項1〜請求項3のいずれ
    か1項記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分中のアルコキシ基の含有量
    が、2.0〜25.0重量%である請求項1〜請求項4
    のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 (C)成分の重量平均分子量が300〜
    10,000である請求項1〜請求項5のいずれか1項
    記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)成分が室温で液状である請求項1
    〜請求項6のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン
    系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (B)成分が水酸化マグネシウム粉末ま
    たは水酸化アルミニウム粉末である請求項1記載の難燃
    性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (A)成分と(B)成分を該(A)成分
    の軟化点以上の温度条件下で混合した後、該(A)成分
    と(B)成分の混合物に(C)成分を加えて混合するこ
    とを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリオレフィン系
    樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 (A)成分と(B)成分の混合物に
    (C)成分を加えて混合するに際して、該(C)成分を
    無機粉末に担持させた粉末状物として加えることを特徴
    とする、請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 粉末状物が(C)成分100重量部と
    無機粉末40〜1000重量部の混合物である請求項1
    0記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 無機粉末が比表面積50m2/gのシリ
    カ粉末である請求項10または請求項11記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項8のいずれか1項記
    載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物で被覆されてな
    る難燃性ケーブル。
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