JP2001302765A - 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001302765A
JP2001302765A JP2000120360A JP2000120360A JP2001302765A JP 2001302765 A JP2001302765 A JP 2001302765A JP 2000120360 A JP2000120360 A JP 2000120360A JP 2000120360 A JP2000120360 A JP 2000120360A JP 2001302765 A JP2001302765 A JP 2001302765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
liquid epoxy
acid
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000120360A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Ito
大輔 伊東
Hideyuki Goto
英之 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harima Chemical Inc
Original Assignee
Harima Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harima Chemical Inc filed Critical Harima Chemical Inc
Priority to JP2000120360A priority Critical patent/JP2001302765A/ja
Publication of JP2001302765A publication Critical patent/JP2001302765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンプ電極等の酸化皮膜を除去するフラック
ス処理と同等の機能をも付与され、アンダーフィル(封
止充填剤)としても所望の樹脂特性を有する封止充填剤
用液状エポキシ樹脂組成物の提供。 【解決手段】 フリップチップ実装の封止充填工程に用
いられる液状エポキシ樹脂組成物として、必須成分とし
て、(A)液状の熱硬化性エポキシ樹脂、(B)前記の
熱硬化性エポキシ樹脂に対する硬化剤、付加的成分とし
て、(C)酸性リン酸エステルを添加してなる液状エポ
キシ樹脂組成物。含まれる酸性リン酸エステルの作用に
よりフラックス活性が付与され、アンダーフィル(封止
充填剤)の熱硬化と同時に、バンプ電極等の酸化皮膜除
去がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリップチップ実
装における封止充填の際に利用される、封止充填剤用液
状エポキシ樹脂組成物と、それを用いた封止充填方法に
関する。より具体的には、加熱して、封止充填剤の熱硬
化を行う際、フリップチップ実装に利用されるハンダ製
のバンプの熔融をも行い、電極とバンプとの間をハンダ
付け固着・接合する工程において、ハンダ製のバンプを
も覆う封止充填剤に好適な液状エポキシ樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の軽量化、小型化ならびに薄型
化を進めるに際し、プリント配線基板上に半導体チップ
部品を実装する方法として、フリップチップ実装方式の
採用が進められている。このフリップチップ実装方式で
は、チップ部品の実装面(裏面)にチップ部品用電極を
形成し、これをプリント配線基板上に形成されている基
板用電極の所定の領域(実装領域)に対向させて配置
し、両電極間に所望の導通を達成するためにバンプ電極
が用いられる。例えば、チップ部品の実装面(裏面)に
形成されるチップ部品用電極に、予め球形状のハンダで
作製されるバンプ電極を設け、このバンプ電極を基板用
電極の所定の領域(実装領域)に接触させる。その配置
において、ハンダを熔融させると、基板用電極と接触さ
せた所望の位置にハンダ付け固着・接合がなされる。こ
れによりバンプ電極を介して、チップ部品とプリント配
線基板の両電極間に所望の導通が達成される。あるい
は、逆にバンプ電極をプリント配線基板の電極上に設け
る手法を用いることもある。
【0003】このフリップチップ実装方式では、チップ
部品とプリント配線基板の両電極間を接続するバンプ電
極のみによって、チップ部品は固着されることになる。
小型化や薄型化を目的とする実装方法であるため、この
バンプ電極は、可能な限り小さくされる。チップ部品と
プリント配線基板は、その熱膨張係数が異なっており、
動作時の温度変化に伴い、相対的にプリント配線基板の
熱膨張あるいは熱収縮が生じた際、バンプ電極には、そ
の熱変位を吸収・緩和する遊び・撓みが存在しない。温
度変化(熱サイクル)が繰り返されると、前記の熱変位
に由来する応力歪みが反復された結果、バンプ電極と電
極間の接合箇所(ハンダ付け箇所)における剥離を引き
起こすこともある。
【0004】この熱サイクル劣化を抑制するため、チッ
プ部品とプリント配線基板との間隙に相互を接着・固定
して、相対的な熱変位を低減する役割を有する樹脂によ
る充填・封止が行われる。この封止充填剤は、アンダー
フィルと呼ばれるが、その使用目的からして、チップ部
品とプリント配線基板と間隙を密に充填し、ボイドと称
される未充填の残り(空隙)を生じないように充填され
る。さらには、バンプ電極の周囲をも密に被覆するよう
に充填・封止が行われる。
【0005】従来は、バンプ電極と電極間の接合(ハン
ダ付け)を先に行い、その後、チップ部品とプリント配
線基板との間隙に、液状エポキシ樹脂組成物を注入、染
み込ませる手法が利用されていた。この手法では、高集
積化に伴いチップ部品自体が大型化し、また、プリント
配線基板の基板電極と結線すべき電極数(端子数)が多
くなり、バンプ電極相互の間隔、チップ部品とプリント
配線基板との間隙が更に狭まると、ボイドの発生頻度が
増す懸念がある。また、液状エポキシ樹脂組成物の注入
工程は、作業効率を更に上げる際の障害ともなってい
る。
【0006】これらの課題を回避する手法として、予
め、プリント配線基板上の所定領域に合わせて、液状エ
ポキシ樹脂組成物の層をスクリーン印刷等の手段で形成
しておき、プリント配線基板上にチップ部品を配置し、
バンプ電極と電極間の接触を行う際、チップ部品の実装
面(裏面)で液状エポキシ樹脂組成物の層を押し伸ばし
す手法が提案されている(特開平11−354555号
公報など)。前記のチップ部品を圧接する工程で、バン
プ電極と電極間の接触とともに、チップ部品とプリント
配線基板の間に隙間なく液状エポキシ樹脂組成物の充填
が行われる。次いで、バンプ電極と電極間の接合(ハン
ダ付け)を行うべく、リフロー炉内においてハンダ製の
バンプを熔融するため加熱を行う。この加熱処理の際、
充填されている液状エポキシ樹脂組成物の熱硬化も行わ
れ、バンプ電極と電極間の接合形成(ハンダ付け)とア
ンダーフィル(封止充填剤)の硬化接着が同時に達成さ
れる。予めアンダーフィル(封止充填剤)を再現性・作
業性の高いスクリーン印刷等の手段で作製でき、また、
加熱工程を一体化できるため、作業効率は大幅に向上す
る方法である。
【0007】前記のバンプ電極と電極間の接合形成(ハ
ンダ付け)とアンダーフィル(封止充填剤)の硬化接着
を同一の工程で行う方法は、作業性の点では優れた方法
であり、特に、高集積化に伴うチップ部品自体が大型
化、電極数(端子数)の増加にも容易に対応できるとい
う大きな利点を持っている。一方、バンプ電極と電極間
の接合形成(ハンダ付け)の際、バンプ(球状ハンダ)
の表面あるいは回路の電極面上に酸化皮膜が残っている
と、バンプ(球状ハンダ)自体の熔融が均一とならな
い、あるいは、回路の電極面とハンダとの濡れが不良と
なるといった不具合が少なからず生ずる。このハンダ付
け不良の問題は、フラックス処理を施すことで、一掃さ
れる。
【0008】しかしながら、前記の加熱処理を1工程で
行う方法では、バンプ(球状ハンダ)自体をも覆うよう
に、アンダーフィルの充填がなされるため、前もってフ
ラックス処理を施しておく必要があった。それでもな
お、フラックス処理後に形成される酸化皮膜の影響は残
り、処理後の時間経過とともに、その影響は増すもので
あった。そのため、予めフラックス処理を施しても、な
お、ハンダとの濡れ不良に起因するハンダ付け不良、導
通不良の発生が少なからず見出されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のアンダーフィル
充填をチップ部品のプリント配線基板上へ配置・圧接と
合わせて一工程内で行う方法においても、この工程の直
前にフラックス処理を施すならば、上記する酸化皮膜の
影響は概ね排除できるが、このような工程の時間的な自
由度を制限する手段に代わり、酸化皮膜の影響を同等以
上に排除でき、工程の時間的な自由度を制限することの
ない新たな手段が望まれる。
【0010】本発明は、前記の課題を解決するもので、
本発明の目的は、予め酸化皮膜の影響を除くため、フラ
ックス処理を施さなくとも、バンプ電極と電極間の接合
形成(ハンダ付け)とアンダーフィル(封止充填剤)の
硬化接着を同一の加熱工程で行った際、ハンダとの濡れ
不良に起因するハンダ付け不良、導通不良の発生を有効
に防止できる手段を提供することにあり、より具体的に
は、封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物自体に、バン
プ電極と電極間の接合形成(ハンダ付け)における酸化
皮膜の影響を排除するフラックス処理と同等の機能を持
つ成分を含ませ、アンダーフィル(封止充填剤)として
充填した際、バンプ電極と電極に係る成分を供給でき、
その後の加熱時に、バンプ電極と電極などの表面酸化皮
膜をその場除去することができる、フラックス処理効果
をも有する封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を提供
することにある。
【0011】さらに、本発明は、最終的な目的として、
前記するフラックス処理効果をも有する封止充填剤用液
状エポキシ樹脂組成物を用いることで、ハンダとの濡れ
不良に起因するハンダ付け不良、導通不良の発生を防止
できるフリップチップ実装における封止充填方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、目的とするフラックス処理効果をも有
する封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物とするために
は、いかなる成分を含む組成物とすべきか、鋭意検討・
研究を進めた。その過程において、かかる封止充填剤用
液状エポキシ樹脂組成物は、上述するように、通常プリ
ント配線基板上にスクリーン印刷などに手段で、相当の
膜厚で限定された領域に塗布する必要があり、その使用
形態を考慮すると、塗布が可能な流動性は有するもの
の、ある程度の粘性をも持つことが望ましいと判断し
た。この制約条件の下、液状エポキシ樹脂組成物中に含
有した際、その熱硬化性、接着性、硬化後の樹脂強度を
所望の範囲に維持でき、しかも、バンプ電極と電極など
の表面酸化皮膜に対してフラックス処理と同等の効果を
発揮できる程度の濃度で添加可能な成分を探索した。そ
の結果、バンプ電極に用いるハンダ材料、プリント配線
基板上の電極に用いる銅などの金属材料について、その
表面酸化皮膜を形成する金属酸化物に作用して、その除
去を行う機能を有するものとして、液状エポキシ樹脂中
に添加した際、その熱硬化特性、ならびに得られる硬化
物の特性に対しては、本質的に影響を持たない付加的成
分となる、酸性リン酸エステル類が利用できることを見
出した。
【0013】すなわち、酸性リン酸エステル、例えばア
ルコール類とリン酸から生成する部分エステルの金属酸
化物に対する作用は、加熱することにより初めてその酸
点の強度が発揮され、金属酸化物の除去作用を行う。一
方、液状エポキシ樹脂組成物中に、前記の酸性リン酸エ
ステルを少量添加した際にも、最終的に得られる熱硬化
物の特性は、実質的にその影響を被らないことを見出し
た。
【0014】つまり、通常、アンダーフィル(封止充填
剤)の用途で推奨される液状エポキシ樹脂と硬化剤の混
合比率、すなわち、液状エポキシ樹脂の1当量に対し
て、例えば、酸無水物を1当量未満の若干等量より少な
い量、好ましくは0.8当量程度用いている際、本発明
においてフラックス活性を付与する目的で添加する酸性
リン酸エステルは、液状エポキシ樹脂ならびに酸無水物
の何れにも実質的な作用を示さず、最終的に得られる熱
硬化物の特性に対する影響は許容できる範囲となる。
【0015】結果として、添加した酸性リン酸エステル
により目的とするフラックス処理と同等の効果が有効に
達成され、同時に、若干量の酸性リン酸エステルを含ん
でいても、熱硬化反応自体には実質的な影響がなく、ま
た、得られる熱硬化物の樹脂強度なども、遜色のないも
のとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明の封止充填剤用液状エポ
キシ樹脂組成物は、フリップチップ実装の封止充填工程
に用いられる液状エポキシ樹脂組成物であって、前記液
状エポキシ樹脂組成物は、必須成分として、(A)液状
の熱硬化性エポキシ樹脂、(B)前記の熱硬化性エポキ
シ樹脂に対する硬化剤を含み、さらに、付加的成分とし
て、(C)酸性リン酸エステルを添加してなることを特
徴とする封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物である。
【0017】なお、本発明の封止充填剤用液状エポキシ
樹脂組成物においては、前記の必須成分に加えて、従来
の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物での副次的に添
加されていた成分をも加えてもよい。従って、例えば、
副次的な添加成分として、硬化促進剤、応力緩和剤、レ
ベリング剤、カップリング剤、酸化防止剤から選択する
1種以上の添加成分をも含むことを特徴とする封止充填
剤用液状エポキシ樹脂組成物とすることもできる。
【0018】また、好ましくは、(A)の熱硬化性エポ
キシ樹脂は、ビスフェノール型骨格を有するジグリシジ
ルエーテル、フェノール樹脂のポリグリシジルエーテ
ル、脂肪族カルボン酸あるいは芳香族カルボン酸のジグ
リシジルエステル、脂環式エポキシ樹脂からなるエポキ
シ樹脂の群から選択される1種以上の熱硬化性エポキシ
樹脂であることを特徴とする封止充填剤用液状エポキシ
樹脂組成物とする。
【0019】また、(B)の硬化剤が、酸無水物、アミ
ン類、イミダゾール類、ルイス酸類、ポリアミン系硬化
剤、ポリアミド系硬化剤、有機酸含有ポリエステル、ポ
リフェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系系硬化剤、
イソシアナート系硬化剤から選択されることが好まし
い。
【0020】加えて、付加的成分として添加する(C)
の酸性リン酸エステルは、アルコール類とリン酸から生
成する部分エステルであり、(A)の熱硬化性エポキシ
樹脂の100重量部に対して、(C)の酸性リン酸エス
テルを0.1〜20重量部添加することが好ましい。
【0021】例えば、(B)の硬化剤が、酸無水物であ
り、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の1当量に対して、
酸無水物を0.7〜1.0当量含む封止充填剤用液状エ
ポキシ樹脂組成物はより好ましい。その際、前記(B)
の硬化剤に用いる酸無水物が、テトラヒドロフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸またはエンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸(メタノテトラヒドロフタル酸)の酸無水物
あるいはその炭化水素環上に置換を有する誘導体、無水
フタル酸または無水フタル酸のベンゼン環上に置換を有
する誘導体、無水コハク酸または無水コハク酸の炭化水
素鎖上に置換を有する誘導体からなる酸無水物の群から
選択される1種以上の酸無水物である封止充填剤用液状
エポキシ樹脂組成物とするとなお好ましい。
【0022】上記の本発明の封止充填剤用液状エポキシ
樹脂組成物では、さらに、(A)の熱硬化性エポキシ樹
脂に対する(B)の硬化剤による硬化反応を促進する機
能を有する硬化促進剤を、(A)の熱硬化性エポキシ樹
脂100重量部当たり0.1〜20重量部含有する封止
充填剤用液状エポキシ樹脂組成物とすることもできる。
【0023】さらに、本発明の封止充填剤用液状エポキ
シ樹脂組成物は、フリップチップ実装における封止充填
に用いて、その効果を発揮するもので、本発明の封止充
填の方法は、例えば、フリップチップ実装における封止
充填の方法であって、(1)基板用電極を有するプリン
ト配線基板とチップ部品用電極を有するチップ部品とを
ハンダ製のバンプ電極を用いて両電極間の相互導通をと
るべく、前記プリント配線基板上の所定の領域に前記チ
ップ部品を配置後、前記ハンダ製のバンプ電極と電極間
の接触を図る工程、(2)前記ハンダ製のバンプ電極と
電極間の接触を図る工程後、またはその工程と併せて、
前記プリント配線基板とその上の所定の領域上に配置さ
れる前記チップ部品の間隙に、前記接触を図ったハンダ
製のバンプ電極と電極とを被覆するように、上記する本
発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を満たす充
填工程、(3)次いで加熱して、前記所定の領域の間隙
に充填した前記液状エポキシ樹脂組成物における、前記
エポキシ樹脂の熱硬化を進めるとともに、前記液状エポ
キシ樹脂組成物が被覆する前記ハンダ製のバンプを熔融
させる工程、所定時間の加熱後、冷却して、一旦熔融し
たハンダの再固化を行い、バンプ電極と電極とをハンダ
付け固着・接合させ、同時に熱硬化したエポキシ樹脂に
より封止充填を完了する工程、上記(1)〜(3)の一
連の工程を有する、封止充填剤として上記する本発明の
封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を用いることを特
徴とする封止充填の方法とするとよい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の封止充填剤用液状エポキ
シ樹脂組成物は、上述するバンプ電極と電極間の接合形
成(ハンダ付け)とアンダーフィル(封止充填剤)の硬
化接着を同一の工程で行う方法において、その本来の効
果を発揮するものである。
【0025】熱硬化性エポキシ樹脂において、その熱硬
化を誘起する手段は、種々あり、硬化剤のみならず、硬
化触媒もあり、また、硬化剤についても、酸無水物以外
にも、アミン類、イミダゾール類、ルイス酸、ポリアミ
ン系、ポリアミド系、有機酸含有ポリエステル、ポリフ
ェノール系、ポリメルカプタン系、イソシナナート系な
どもある。本発明は、これら各種の熱硬化を誘起する手
段から、硬化剤、例えば、酸無水物、アミン類、イミダ
ゾール類、ルイス酸、ポリアミン系硬化剤、ポリアミド
系硬化剤、有機酸含有ポリエステル、ポリフェノール系
硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシナナート系
硬化剤を選択し、選択した硬化剤の種類に応じて、液状
エポキシ樹脂中に適宜好適な濃度で硬化剤を混合してい
る。また、係る硬化剤と液状エポキシ樹脂の反応による
硬化温度も、ハンダの熔融する温度程度を選択できる点
をも利用している。一方、付加的成分として添加される
酸性リン酸エステルは、ハンダの熔融する温度におい
て、プロトン供与能を発揮することで、金属表面の酸化
皮膜、例えば、酸化錫などを侵食して、その除去を行う
フラックス活性の付与を果たす。なお、このリン酸部分
に由来する金属表面処理効果は高温においてのみ発揮さ
れ、室温においては、酸としての機能は極めて乏しいの
で、不要な副次的反応は排除されたものとなる。具体的
には、プロトン酸によるエポキシ環の開環反応などに、
酸性リン酸エステルが消費され、本来の目的である金属
表面処理が十分に達成しないという事態は、予め排除さ
れている。さらには、残余の酸性リン酸エステルは、ハ
ンダ付けが終了した後もアンダーフィル中に留まるが、
接触している配線金属などに対して、不要な反応を起こ
して、動作不良を引き起こす要因を形成することもな
い。
【0026】以下に、本発明の封止充填剤用液状エポキ
シ樹脂組成物、その調製方法、ならびに、この封止充填
剤用液状エポキシ樹脂組成物を用いた封止充填の手順に
ついて、より詳しく説明する。
【0027】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組
成物は、必須成分として、(A)液状の熱硬化性エポキ
シ樹脂、(B)前記の熱硬化性エポキシ樹脂に対する硬
化剤を含み、この両者を均一に混合した液状エポキシ樹
脂組成物に、付加的成分として、(C)の酸性リン酸エ
ステルを少量添加したものである。
【0028】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組
成物において、熱硬化物を構成する必須成分の(A)液
状の熱硬化性エポキシ樹脂としては、封止充填剤に利用
可能なエポキシ樹脂である限り、その種類に制限はな
い。硬化時の樹脂強度、接着性などから、例えば、ビス
フェノール型骨格を有するジグリシジルエーテル、フェ
ノール樹脂のポリグリシジルエーテル、脂肪族カルボン
酸あるいは芳香族カルボン酸のジグリシジルエステル、
脂環式エポキシ樹脂などが、封止充填剤においては汎用
されている。本発明においても、前記のビスフェノール
型骨格を有するジグリシジルエーテル、フェノール樹脂
のポリグリシジルエーテル、脂肪族カルボン酸あるいは
芳香族カルボン酸のジグリシジルエステル、脂環式エポ
キシ樹脂からなるエポキシ樹脂の群から選択するとより
好ましい。その際、単一の樹脂化合物を利用すること
も、二種以上の樹脂化合物を混合して利用することもで
きる。より具体的には、ビスフェノール型骨格を有する
ジグリシジルエーテルとして、エピコート828(商品
名;油化シェルエポキシ社製:エポキシ当量190)な
ど、フェノール樹脂のポリグリシジルエーテルとして、
エピコート154(商品名;油化シェルエポキシ社製:
エポキシ当量178)など、脂肪族カルボン酸あるいは
芳香族カルボン酸のジグリシジルエステルとして、エピ
コート871(商品名;油化シェルエポキシ社製:エポ
キシ当量430)、エポミックR540(商品名;三井
化学社製:エポキシ当量195)など、脂環式エポキシ
樹脂として、セロキサイド2021(商品名;ダイセル
化学工業社製:エポキシ当量135)などが使用され
る。
【0029】一方、(B)の硬化剤としては、上記
(A)の各種液状の熱硬化性エポキシ樹脂に作用して、
その熱硬化反応を誘起することが可能な限り、その種類
に制限はない。すなわち、(B)の硬化剤としては、例
えば、酸無水物、アミン類、イミダゾール類、ルイス
酸、ポリアミン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、有機酸
含有ポリエステル、ポリフェノール系硬化剤、ポリメル
カプタン系硬化剤、イソシナナート系硬化剤などから、
(A)のエポキシ樹脂に応じて、熱硬化物において、樹
脂強度などが所望の特性となるものを適宜選択すること
ができる。また、(A)のエポキシ樹脂と(B)の硬化
剤の含有比率も、両者の組み合わせに応じて、熱硬化物
において、樹脂強度などが所望の特性となる比率を適宜
選択することができる。
【0030】(B)の硬化剤として利用できる酸無水物
としては、熱硬化性エポキシ樹脂の硬化を引き起こすジ
カルボン酸の酸無水物が一般に利用できる。この酸無水
物は、エポキシ樹脂と重付加型の反応を起こし、樹脂硬
化を達成する。例えば、脂肪族酸無水物、例えば、ポリ
アゼライン酸無水物(PAPA)、ドデセニル無水コハ
ク酸(DDSA)など、脂環族酸無水物、例えば、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸(MTHPA)、無水メチルナジック酸
(NMT)など、芳香族酸無水物、例えば、無水トリメ
ット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)な
ど、ハロゲン系酸無水物、例えば、無水ヘット酸(HE
T)、テトラブロモ無水フタル酸(TBPA)などを、
重付加型の酸無水物硬化剤の一例として挙げることがで
きる。
【0031】なかでも、用いられる酸無水物自体では、
−CO−O−CO−を含む環構造が5員環を構成すると
より好ましい。熱硬化性エポキシ樹脂に対する硬化剤と
して利用されている酸無水物のうち、前記の構造を有す
るするものとして、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸またはエンドメチレンテトラヒドロ
フタル酸(メタノテトラヒドロフタル酸)の酸無水物あ
るいはその炭化水素環上に置換を有する誘導体、無水フ
タル酸または無水フタル酸のベンゼン環上に置換を有す
る誘導体、無水コハク酸または無水コハク酸の炭化水素
鎖上に置換を有する誘導体からなる酸無水物などが挙げ
られる。なお、本発明において好適に利用される、無水
テトラヒドロフタル酸や無水ヘキサヒドロフタル酸の誘
導体には、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(商品名
B−650;大日本インキ化学工業社製)など、無水コ
ハク酸の誘導体には、ドデセニル無水コハク酸などが挙
げられる。
【0032】例えば、前記のビスフェノール型骨格を有
するジグリシジルエーテル、フェノール樹脂のポリグリ
シジルエーテル、脂肪族カルボン酸あるいは芳香族カル
ボン酸のジグリシジルエステル、脂環式エポキシ樹脂の
いずれかをエポキシ樹脂に選択する際、その硬化剤とし
て機能する酸無水物としては、例えば、テトラヒドロフ
タル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはエンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸(メタノテトラヒドロフタル酸)の
酸無水物あるいはその炭化水素環上に置換を有する誘導
体、無水フタル酸または無水フタル酸のベンゼン環上に
置換を有する誘導体、無水コハク酸または無水コハク酸
の炭化水素鎖上に置換を有する誘導体のいずれかを選択
すると一層好ましい組み合わせとなる。
【0033】さらには、前記の酸無水物と同様に、重付
加型の硬化反応を起こし、(B)の硬化剤として利用で
きるものとして、ポリアミン系硬化剤、ポリアミド系硬
化剤、有機酸含有ポリエステル、ポリフェノール系硬化
剤、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシナナート系硬化
剤が挙げられる。
【0034】(B)の硬化剤として利用できるポリアミ
ン系硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、例えば、ジエ
チルトリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミ
ン(TETA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)
など、脂環族ポリアミン、例えば、イソホロンジアミン
(IPD)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
(1,3BAC)など、芳香族ポリアミン、例えば、ジ
アミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジ
アミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(D
DS)など、ならびに、例えば、ジシアンジアミド(D
ICY)、有機酸ジヒドラジドなどのその他のポリアミ
ンとされるものなどを、一例として挙げることができ
る。また、ポリアミド系硬化剤は、前記ポリアミン類に
例えば、ダイマー酸変性を施し、部分的にアミド構造を
導入したものである。具体的には、ダイマー酸変性のト
リエチレンテトラアミン(TETA)のようなものを、
一例として挙げることができる。
【0035】また、(B)の硬化剤として利用できる有
機酸含有ポリエステルとしては、具体的には、カルボン
酸含有ポリエステル樹脂、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリトリトール等の多価アルコールと多塩基酸と
からなる酸末端ポリエステルなど、ポリフェノール系硬
化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、
フェノールポリマーなど、ポリメルカプタン系硬化剤と
しては、具体的には、ポリサルファイド、チオエステ
ル、チオエーテル、例えば、アデカハードナーEH31
6、EH317(旭電化化学工業社製)、エポメートQ
X11、QX−40(油化シェルエポキシ社製)など、
イソシナナート系硬化剤としては、具体的には、ソシ
アナートプレポリマー、ブロック化イソシアナート、例
えば、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)な
ど、ことようなものをその一例として挙げることができ
る。
【0036】前記の重付加型硬化剤に加えて、触媒型の
硬化剤である、アミン類、ルイス酸、ならびにイミダゾ
ール類も、熱硬化型の硬化剤であり、(B)の硬化剤と
して利用できる。アミン類としては、具体的には、第3
級アミン、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDM
A)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール(DMP−30)など、ルイス酸としては、例
えば、BF3・モノエチルアミン、BF3・ピペラジンな
ど、また、イミダゾール類としては、2−メチルイミダ
ゾール(2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル(EM124)、2−ヘプタデシルイミダゾール(H
D12)など、これらを一例として挙げることができ
る。
【0037】本発明の液状エポキシ樹脂組成物において
も、通常、アンダーフィル(封止充填剤)の用途で用い
られる液状エポキシ樹脂組成物において選択される、液
状エポキシ樹脂と硬化剤の混合比率を選択することがで
きる。
【0038】具体的には、(B)の硬化剤として、例え
ば、酸無水物、ポリアミン系硬化剤、ポリアミド系硬化
剤、有機酸含有ポリエステル、ポリフェノール系硬化
剤、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシナナート系硬化
剤など重付加型の硬化反応を引き起こすものを用いる際
には、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の1当量に対し
て、重付加型の硬化剤は、1当量もしくは1当量未満で
若干等量に欠ける量を用いる。例えば、酸無水物を用い
る際、封止充填剤の用途においては、熱硬化性エポキシ
樹脂の1当量に対して、0.7〜1.0当量、好ましく
は0.8当量程度用いることが従来推奨されているが、
本発明においても、液状エポキシ樹脂と硬化剤の混合比
率を前記推奨される範囲に選択することが好ましい。
【0039】また、(B)の硬化剤として、触媒型の硬
化剤である、アミン類、ルイス酸、ならびにイミダゾー
ル類などを用いる際には、熱硬化は、これらの触媒型の
硬化剤の触媒作用により促進された、エポキシ樹脂相互
の架橋によりなされる。従って、触媒型の硬化剤を選択
する際には、触媒量の硬化剤を混合することが好まし
い。従って、熱硬化性エポキシ樹脂の1分子当たり、
0.001〜0.2分子の触媒型の硬化剤を混合するこ
とが好ましい。
【0040】付加的成分として添加される(C)の酸性
リン酸エステルは、アルコール類とリン酸から生成され
る部分エステルであり、例えば、モノアルキル二水素リ
ン酸(ROP(O)(OH)2)とジアルキル一水素リン酸((RO)2
P(O)OH)の双方を用いることができる。いずれも、一般
的に、塩基に対して、プロトン供与体として機能するた
め、酸性リン酸エステルと呼ぶことができる。高温度に
おいて、プロトン供与能を発揮することができ、本発明
においては、フラックス活性を付与する成分として利用
される。
【0041】この酸性リン酸エステルを加えることで、
バンプ電極に用いるハンダ材料、プリント配線基板上の
電極に用いる銅などの金属材料に対して、自然酸化によ
り、その表面に不可避的に存在する酸化皮膜の金属酸化
物に酸性リン酸エステルを作用させて、金属酸化物をそ
の塩へと変換して、除去する機能を付加したものであ
る。この反応は、酸性リン酸エステルの含有率(酸点の
強度)が高いほど、早く進行するが、酸性リン酸エステ
ルの含有率を高くしすぎると、熱硬化で得られる硬化物
は、所望の樹脂強度、接着性に満たないものとなるた
め、自ずから上限がある。
【0042】酸性リン酸エステルの分子量にもよるが、
本発明者らが検討したところ、(A)の熱硬化性エポキ
シ樹脂の100重量部当たり、(C)の酸性リン酸エス
テルの総和を20重量部を超えない範囲とすれば、熱硬
化で得られる硬化物の樹脂強度、接着性などは許容でき
る範囲に収まる。好ましくは、(A)の熱硬化性エポキ
シ樹脂の100重量部当たり、(C)の酸性リン酸エス
テルの総和を10重量部を超えない範囲とするこのがよ
り好ましい。
【0043】一方、(C)の酸性リン酸エステルは、酸
化皮膜の金属酸化物に直接作用するため、あまりにも低
い含有率では、所望の機能は発揮できない。従って、少
なくとも(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の100重量部
当たり、(C)の酸性リン酸エステルは、0.1重量部
以上、好ましくは、1.0重量部以上添加することが好
ましい。
【0044】従って、本発明の液状エポキシ樹脂組成物
中には、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の100重量部
当たり、付加的成分の(C)の酸性リン酸エステルを
0.1〜20重量部、より好ましくは、1〜10重量部
含有させる。
【0045】しかしながら、通常の注意が払われている
工程では、バンプ電極などの表面に不可避的に存在する
酸化皮膜はそれ程までは厚くなく、(C)の酸性リン酸
エステルの添加量を1〜10重量部としても、フラック
ス活性を付与する上では、なお十分すぎる量である。
【0046】なお、酸化皮膜の形成が多い劣悪な条件で
は、より高いフラックス活性が必要となり、その点を考
慮して、前記の添加率範囲を選択すると好ましい。現実
的には、過度の自然酸化が生じないように当業者が通常
の注意を払う限り、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の1
00重量部当たり、酸性リン酸エステルの添加量を1〜
5重量部の範囲に選択しても、必要とされるフラックス
活性の範囲に概ね収さまる。なお、バンプ電極間の間隔
が狭くなることも考えあわせると、表面酸化皮膜の除去
で消費される酸性リン酸エステルの割合が相対的に増す
傾向にある。その際には、安全を見て、添加率をやや高
めに選択することで、付与されるフラックス活性を好ま
しい範囲により確実に収さめることができる。
【0047】一方、硬化剤として、塩基性窒素原子を含
む化合物、例えば、ポリアミン類を用いる際、酸性リン
酸エステルは、塩基性窒素原子に対して、水素結合的に
配位した過渡的な複合体を形成することがある。そのた
め、フラックス活性を付与する機能を有する自由な酸性
リン酸エステルの実効的濃度の低下が生じる。この副次
的な影響を回避するために、硬化剤として、塩基性窒素
原子を含む化合物、例えば、ポリアミン類などを選択す
る際には、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂の100重量
部当たり、付加的成分の(C)の酸性リン酸エステルを
1〜10重量部、場合によっては、1〜20重量部含有
させることもできる。
【0048】一方、酸無水物を(B)の硬化剤として利
用すると、前記の塩基性窒素原子を含む化合物において
予想される酸性リン酸エステルの作用を減ずる現象はな
く、上述するように酸性リン酸エステルの含有量も相対
的に低く抑えることもでき、より好ましい選択となる。
【0049】封止充填剤は、特に、バンプ電極近傍、す
なわち、チップ部品とプリント配線基板との接合固定領
域の補強を主な機能とするので、バンプ電極近傍におい
て、熱硬化性エポキシ樹脂と硬化剤の最終的な含有率が
好ましい範囲、具体的には、重付加型の硬化剤、例え
ば、酸無水物が0.8当量程度となるのが最適である。
熱硬化を進めるため、高温に維持される間に、付加的成
分の酸性リン酸エステルの相当部分は、表面酸化皮膜の
除去に伴い消費される。そのため、バンプ電極近傍にお
いて、プロトン供与能を保持している未反応の酸性リン
酸エステルについてみるならば、その局所的な含有率は
大幅に低下していく。その結果、エポキシ樹脂と硬化剤
との重合付加反応の伸長を一旦停止させる、反応末端へ
の未反応の酸性リン酸エステルからの余剰なプロトン供
与は抑制され、所望の重合度を達成する上で、もはやそ
の障害とはならない。従って、バンプ電極近傍におい
て、得られる熱硬化物の特性は、酸性リン酸エステルを
添加しない時と遜色のないものとなる。
【0050】ただし、バンプ電極などの金属表面から離
れるに従い、未反応の酸性リン酸エステルの含有率(残
存率)は高くなるが、この領域では、熱硬化性エポキシ
樹脂と硬化剤の熱硬化物の樹脂強度などは、それ程重要
ではない。少なくとも、チップ部品とプリント配線基板
との間隙に未充填部分がなくボイドを生じない限り、通
常はチップ部品の外周部に配置される、バンプ電極の近
傍における封止充填剤とは異なり、硬化後の樹脂特性に
若干のバラツキ、最適な封止充填剤組成からの変移があ
るものあっても、大きな問題とはならない。
【0051】従って、本発明の液状エポキシ樹脂組成物
において、(A)の液状エポキシ樹脂の100重量部に
対して、付加的成分として、(C)の酸性リン酸エステ
ルを最大でも20重量部、好ましくは、10重量部以下
の範囲で添加しても、その封止充填効果は実用上問題と
ならない程度に十分達成される。
【0052】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組
成物は、上述する必須成分(A)液状の熱硬化性エポキ
シ樹脂と(B)の硬化剤、ならびに付加的成分の(C)
酸性リン酸エステル以外に、この種のエポキシ樹脂組成
物に慣用される副次的な成分を添加することもできる。
具体的には、副次的な成分として、硬化促進剤、応力緩
和剤、レベリング剤、カップリング剤、酸化防止剤な
ど、さらには、可塑剤、チキソ剤などをも添加できる。
いずれを添加するか、また、その添加量は、必須成分に
用いる熱硬化性エポキシ樹脂と酸無水物に応じて、適宜
選択するとよい。
【0053】例えば、硬化促進剤としては、重付加型硬
化剤、例えば、酸無水物などを用いる際には、重付加型
硬化剤とエポキシ環との重合付加反応を促進するアミン
類、ポリアミド類、イミダゾール類、ルイス酸などを用
いることができ、硬化剤の酸無水物などによる反応に加
えて、エポキシ樹脂の重合を促進させる。従って、重付
加型硬化剤の種類、その含有量、また、目標とする硬化
温度・時間に応じて、添加量を適宜選択する。具体的に
は、例えば、エポキシ当量190のエポキシ樹脂の10
0g当たり、イミダゾール類では0.5〜10mmol
(ミリモル)の範囲に選択するとよい。硬化促進剤個々
の分子量にもよるが、例えば、液状エポキシ樹脂の10
0重量当たり、0.1〜20重量部の範囲で添加するこ
とができる。ただし、硬化剤として、上述の触媒型の硬
化剤である、アミン類、ルイス酸、ならびにイミダゾー
ル類を選択した際には、別種の硬化促進剤を併用するこ
ともできる。
【0054】また、酸化防止剤は、封止充填した後、熱
硬化処理の際、エポキシ樹脂の耐熱性を向上する目的
で、予めエポキシ樹脂中に混入しておくことができる。
この酸化防止剤としては、酸素除去・還元作用を有する
ヒドロキノン、亜リン酸エステルなどを用いることが
でき、その添加量は、熱処理環境、例えば、リフロー加
熱炉内の残留酸素濃度・温度などを考慮して適宜選択す
る。
【0055】レベリング剤は、封止充填剤用液状エポキ
シ樹脂組成物自体の粘度、従って、必須成分に用いる熱
硬化性エポキシ樹脂と硬化剤の種類、含有比率に応じ
て、適宜添加量を選択するとよい。例えば、レベリング
剤としては、ST80PA(商品名;東レ・ダウ=コー
ニング・シリコーン社製)などを用いることができ、液
状エポキシ樹脂組成物全体に対して、0〜5重量%の範
囲で添加することができる。応力緩和剤としては、アデ
カレジンEPR−1309(商品名;旭電化工業社製、
エポキシ当量280)などを用いることができ、液状エ
ポキシ樹脂組成物全体に対して、0〜10重量%の範囲
で添加することができる。
【0056】また、カップリング剤は、プリント配線基
板の材質、チップ部品裏面の表面に露出している材料の
種類を考慮し、用いるエポキシ樹脂の種類に応じて、必
要に応じて、適宜好ましいものを選択して添加する。汎
用されるカップリング剤としては、例えば、シラン系カ
ップリング剤のγ−グリシジロトリメトキシシランなど
があるが、これらから前記の選択基準に従って好適なカ
ップリング剤を適量添加するとよい。一般に、カップリ
ング剤は、液状エポキシ樹脂組成物全体に対して、0〜
10重量%の範囲で添加することができる。
【0057】可塑剤やチキソ剤は、液状エポキシ樹脂組
成物の塗布加工性を考慮して、必要に応じて、添加され
る。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチルなどが
あるが、エポキシ樹脂の種類に応じて、好ましい可塑剤
を適量添加するとよい。チキソ剤としては、例えば、ヒ
ドロキシステアリン酸のトリグリセライド、ヒュームド
シリカなどがあるが、エポキシ樹脂の種類に応じて、好
ましいチキソ剤を適量添加するとよい。
【0058】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組
成物は、必須成分の熱硬化性エポキシ樹脂と硬化剤、付
加的成分の酸性リン酸エステル、ならびに必要に応じて
添加される上述の慣用される副次的な成分とを十分に混
合した後、その調製工程の攪拌等により内部に発生した
あるいは取り込まれた気泡を減圧脱泡して製造すること
ができる。加えて、本発明の封止充填剤用液状エポキシ
樹脂組成物中に含有される酸無水物などの硬化剤、酸性
リン酸エステルは本来水分を嫌う化合物であり、また、
金属材料表面の酸化皮膜の除去作用を維持するために
も、製造された液状エポキシ樹脂組成物への水分混入を
抑制して、調製・保存を行う。
【0059】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組
成物は、フリップチップ実装における封止充填に用い
て、その効果を発揮するものある。具体的には、フリッ
プチップ実装において、ハンダ製のバンプ電極の熔融
を、アンダーフィルを充填した後、その熱硬化とともに
行う方式において、その効果を発揮する。
【0060】液状エポキシ樹脂組成物の充填方式に依ら
ず、ハンダ製のバンプなどの金属表面に残留する酸化皮
膜のその場除去作用は得られるが、例えば、以下の手順
をとる封止充填方法をとる際、その効果はより高くな
る。具体的には、フリップチップ実装における封止充填
の方法として、(1)基板用電極を有するプリント配線
基板とチップ部品用電極を有するチップ部品とをハンダ
製のバンプ電極を用いて両電極間の相互導通をとるべ
く、前記プリント配線基板上の所定の領域に前記チップ
部品を配置後、前記ハンダ製のバンプ電極と電極間の接
触を図る工程、(2)前記ハンダ製のバンプ電極と電極
間の接触を図る工程後、またはその工程と併せて、前記
プリント配線基板とその上の所定の領域上に配置される
前記チップ部品の間隙に、前記接触を図ったハンダ製の
バンプ電極と電極とを被覆するように、上記する本発明
の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を満たす充填工
程、(3)次いで加熱して、前記所定の領域の間隙に充
填した前記液状エポキシ樹脂組成物における、前記エポ
キシ樹脂の熱硬化を進めるとともに、前記液状エポキシ
樹脂組成物が被覆する前記ハンダ製のバンプを熔融させ
る工程、所定時間の加熱後、冷却して、一旦熔融したハ
ンダの再固化を行い、バンプ電極と電極とをハンダ付け
固着・接合させ、同時に熱硬化したエポキシ樹脂により
封止充填を完了する工程、上記(1)〜(3)の一連の
工程により、封止充填を行うと好ましいものとなる。
【0061】つまり、所定の粘性を有する液状エポキシ
樹脂組成物をプリント配線基板上に予め厚めに塗布して
おき、その上からチップ部品を押し付けることで、金属
配線の電極とバンプ電極との物理的な接触を行い、同時
に、押しつぶされ、広がった液状エポキシ樹脂組成物
が、金属配線の電極とバンプ電極をも覆った状態とな
る。この際、塗布されている液状エポキシ樹脂組成物の
上面はほぼ平坦であるので、その上からチップ部品を押
し付けることで、未充填部分、ボイドとなる部分が発生
することはない。また、物理的な接触を果たした金属配
線の電極とバンプ電極の表面を、液状エポキシ樹脂組成
物が密に覆っている状態とできる。この状態において、
ハンダ製のバンプを熔融させるべく加熱を行うので、上
で説明したように、金属表面に残留している酸化皮膜の
除去がなされる。
【0062】
【実施例】以下に、具体例を挙げて、本発明の封止充填
剤用液状エポキシ樹脂組成物、それを用いた封止充填に
おいて達成される酸化皮膜の除去効果にかんして、より
具体的に説明する。なお、以下に示す実施例などは、本
発明の最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
【0063】まず、本発明の封止充填剤用液状エポキシ
樹脂組成物は示す特徴である、ハンダ材料表面に生成す
る酸化皮膜の除去作用を検証した。
【0064】液状エポキシ樹脂組成物中に必須成分とし
て含まれる(A)液状の熱硬化性エポキシ樹脂、(B)
前記の熱硬化性エポキシ樹脂に対する硬化剤の含有比
率、ならびに、前記の熱硬化性エポキシ樹脂に対する
(C)の酸性リン酸エステルの添加比率を種々に選択し
て、ハンダ材料の酸化皮膜に対するフッラクス作用を調
べた。有効なフッラクス作用が達成されているか否は、
封止充填剤を充填硬化させた試料について、ハンダ不良
が要因と推察される、電極間の導通試験において、導通
不良発生の有無により判定した。
【0065】(比較例1)従来、アンダーフィル用のエ
ポキシ樹脂として推奨されている組成、すなわち、液状
エポキシ樹脂の1当量に対して、硬化剤の酸無水物を1
当量未満で若干等量に欠ける量、具体的には、0.8当
量程度用いる液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0066】ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコ
ート828(商品名;油化シェルエポキシ社製:エポキ
シ当量約190)100重量部に対して、前記エピコー
ト828用の酸無水物系硬化剤として用いられるメチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物のB−650(商品名;大
日本インキ化学工業社製:酸無水物当量約170)75
重量部を加え、さらに硬化促進剤として、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾールのBM112(商品名;油化
シェルエポキシ社製:分子量172)2重量部を添加し
て均一に混合した。その後、減圧脱泡処理して、液状エ
ポキシ樹脂組成物を調製した。この液状エポキシ樹脂組
成物は、熱硬化条件として、硬化温度230℃におい
て、3分間で所望の硬化がなされる。
【0067】(実施例1)本発明の封止充填剤用液状エ
ポキシ樹脂組成物の一例であり、すなわち、液状エポキ
シ樹脂の1当量に対して、酸無水物を0.8当量程度用
い、加えて、付加的成分の酸性リン酸エステル、具体的
には、2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを少量
添加して液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0068】ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコ
ート828(前出)100重量部に対して、硬化剤とし
て用いられるメチルヘキサヒドロフタル酸無水物のB−
650(前出)75重量部を加え、2−エチルヘキシル
アシッドホスフェートのJP−508(商品名;城北化
学工業社製:酸価300)1重量部を、さらに硬化促進
剤として、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールのB
M112(前出)2重量部を添加して均一に混合した。
その後、減圧脱泡処理して、液状エポキシ樹脂組成物を
調製した。この液状エポキシ樹脂組成物も、熱硬化条件
として、硬化温度230℃において、3分間で所望の硬
化がなされる。
【0069】なお、本実施例において利用したJP−5
08(前出)は、2−エチルヘキシルアルコールとリン
酸からなる部分リン酸エステル二種:
【0070】
【化1】
【0071】
【化2】
【0072】が1:1(モル比)で存在している混合物
である。前者のモノエステル体は、後者のビスエステル
体よりも、その酸点の強度は高いものである。
【0073】実施例1の液状エポキシ樹脂組成物と比較
例1の液状エポキシ樹脂組成物について、それぞれ同様
の条件でフリップチップ実装を行い、得られた実装済み
半導体装置について、チップ部品とプリント回路基板の
電極間の導通不良の有無を評価した。表1に、その導通
試験結果を併せて示す。導通試験結果は、全試料数50
に対して、導通不良の無い合格品数の比率をもって、そ
の指標とする。
【0074】表1に示す通り、付加的成分の酸性リン酸
エステルを含む、実施例1の液状エポキシ樹脂組成物に
おいては、全数合格であったが、比較例1の液状エポキ
シ樹脂組成物では、凡そ半数に導通不良が発生してい
る。従って、本発明の液状エポキシ樹脂組成物において
は、付加的成分として添加されている酸性リン酸エステ
ル(JP−508)の作用によりフラックス活性が付与
・増進されている結果、リフロー処理によって前記の様
に良好なバンプ電極による接合がなされていると判断さ
れる。
【0075】
【表1】
【0076】(実施例2)本発明の封止充填剤用液状エ
ポキシ樹脂組成物の他の一例であり、具体的には、前記
実施例1に記載する液状エポキシ樹脂組成物と比較し
て、必須成分の液状エポキシ樹脂、酸無水物、ならび
に、付加的成分の酸性リン酸エステルの含有量は同じで
あるものの、副次的な成分である、硬化促進剤として添
加するイミダゾール類を5倍に増した液状エポキシ樹脂
組成物を調製した。
【0077】ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコ
ート828(前出)100重量部に対して、硬化剤とし
て用いられるメチルヘキサヒドロフタル酸無水物のB−
650(前出)75重量部を加え、2−エチルヘキシル
アシッドホスフェートのJP−508(前出)1重量部
を、さらに硬化促進剤として、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾールのBM112(前出)10重量部を添加
して均一に混合した。その後、減圧脱泡処理して、液状
エポキシ樹脂組成物を調製した。この液状エポキシ樹脂
組成物は、熱硬化条件として、硬化温度230℃を選択
すると、3分間よりも短い時間で所望の硬化がなされ
る。
【0078】すなわち、実施例1と比較した際、硬化促
進剤として添加されるイミダゾール化合物の含有率を5
倍に高めた結果、エポキシ環の開環が促進され、硬化が
促進されている。それに伴い、フラックス処理による酸
化皮膜除去に割ける時間は、硬化速度に反比例して短く
なっている。
【0079】本実施例2の液状エポキシ樹脂組成物につ
いても、実施例1の液状エポキシ樹脂組成物におけると
同一の条件でフリップチップ実装を行い、得られた実装
済み半導体装置について、チップ部品とプリント回路基
板の電極間の導通不良の有無を評価した。
【0080】その導通試験結果では、前実施例1の液状
エポキシ樹脂組成物の場合と同様に、50/50(合格
数/評価数)の高い良品率が得られた。本実施例2の組
成物でも、酸性リン酸エステルにより付与、増進される
実効的なフラックス活性は十分に高いため、硬化速度が
速くなっているが、その影響は実用上問題とならない程
度であることが確認される。
【0081】(実施例3)前記の結果に基づき、硬化剤
に酸無水物を選択している、実施例1に記載する組成の
封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を調製した。この
液状エポキシ樹脂組成物用いて、以下の手順によりアン
ダーフィルの充填を行った。その結果、バンプの熔融
時、表面酸化皮膜に由来するハンダ付け不良もなく、ま
た、充填不良、ボイドの発生もないものであった。
【0082】プリント配線基板上にバンプ電極が設けら
れているフリップチップ実装に適用した。まず、前記の
バンプ電極を予め形成したプリント配線基板に、上記ア
ンダーフィル用エポキシ樹脂組成物をスクリーン印刷に
より所定のパターンに塗布する。これも裏面にバンプ電
極を形成してあるチップ部品を、このアンダーフィル剤
パターンを印刷した配線基板上のバンプ電極に対して、
両者の電極位置が整合するように位置合わせする。この
位置において、電極相互が接触するようにチップ部品を
押し付ける。その過程で、塗布されているアンダーフィ
ル剤層は押し広げられ、チップ部品の裏面とも密着す
る。また、接触しているバンプ電極、対応する基板上の
配線表面、チップ部品の裏面電極面もしっかり、押し広
げられたアンダーフィル剤で被覆される。
【0083】このチップ部品の上面から押圧した状態
で、リフロー炉内に入れ、バンプ熔融を行う。バンプハ
ンダ付けが済み、更にアンダーフィル剤のエポキシ樹脂
の熱硬化が進行する。
【0084】上述する通り、この手順に従うとチップ部
品を押圧するので、チップ部品裏面との間に気泡が残る
こともないので、ボイドは発生しない。また、既に説明
した通り、酸化被膜もその場で除去されるのでハンダ付
け不良もない。このように、電極の接合不良もなく、し
かも、アンダーフィルの充填・硬化も過不足なく達成さ
れる。
【0085】
【発明の効果】本発明の封止充填剤用液状エポキシ樹脂
組成物は、必須成分として、(A)液状の熱硬化性エポ
キシ樹脂と(B)前記の熱硬化性エポキシ樹脂に対する
硬化剤、さらに付加的成分として、少量の(C)酸性リ
ン酸エステルを含有している。この液状エポキシ樹脂組
成物が充填された状態において、チップ部品とプリント
配線基板の電極間に互いに物理的な接触を形成する配置
されているハンダ製のバンプ電極を加熱熔融した際、付
加的成分の(C)酸性リン酸エステルによりフラックス
活性が付与・増強され、バンプ電極などの表面の酸化皮
膜の除去を行うフッラクスとしても作用する。一方、付
加的成分の(C)酸性リン酸エステルが若干量存在して
も、硬化剤による熱硬化性エポキシ樹脂の重合硬化はな
んらの影響を受けず、所望の熱硬化物が得られる。従っ
て、予めバンプ電極などの表面の酸化皮膜を除去するた
め、フラックスによる処理を施さなくとも、バンプ電極
に用いるハンダの良好な熔融、ハンダ付けによる電極間
の接合ができ、同時に封止充填剤の熱硬化が行えるとい
う利点が得られる。加えて、この方式の封止充填は、高
い作業効率性を持ち、特に、プリント配線基板上にスク
リーン印刷などの手段で所望の液状エポキシ樹脂組成物
層を塗布形成するので、プリント配線基板の形状・材質
に依らず、全般的な工程の短縮化、ならびにボイド発生
などの不良要因の根絶が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/04 C08L 63/04 C09K 3/10 C09K 3/10 L Z H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4H017 AA04 AA31 AB08 AD06 AE05 4J002 CD021 CD051 CD061 CD091 CD101 CF002 CL002 CN002 CP033 EF126 EH140 EN036 EN046 EN076 EQ026 ER006 ET006 EU116 EU118 EV216 EW047 EX060 FD020 FD079 FD140 FD142 FD146 FD158 FD200 FD203 FD207 4J036 AA01 AD08 AF06 AG04 AG07 DA01 DA02 DA05 DA06 DB17 DB22 DC03 DC04 DC05 DC06 DC09 DC10 DC40 DC41 DD02 FA04 FA13 FB11 FB13 FB15 FB16 JA07 4M109 EA03 EA04 EB02 EB18 EC20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリップチップ実装の封止充填工程に用
    いられる液状エポキシ樹脂組成物であって、 前記液状エポキシ樹脂組成物は、必須成分として、
    (A)液状の熱硬化性エポキシ樹脂、(B)前記の熱硬
    化性エポキシ樹脂に対する硬化剤を含み、 さらに、付加的成分として、(C)酸性リン酸エステル
    を添加してなることを特徴とする封止充填剤用液状エポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 副次的な添加成分として、硬化促進剤、
    応力緩和剤、レベリング剤、カップリング剤、酸化防止
    剤から選択する1種以上の添加成分をも含むことを特徴
    とする請求項1に記載の封止充填剤用液状エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 (A)の熱硬化性エポキシ樹脂は、ビス
    フェノール型骨格を有するジグリシジルエーテル、フェ
    ノール樹脂のポリグリシジルエーテル、脂肪族カルボン
    酸あるいは芳香族カルボン酸のジグリシジルエステル、
    脂環式エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂の群から選択
    される1種以上の熱硬化性エポキシ樹脂であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の封止充填剤用液状エ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)の硬化剤は、酸無水物、アミン
    類、イミダゾール類、ルイス酸類、ポリアミン系硬化
    剤、ポリアミド系硬化剤、有機酸含有ポリエステル、ポ
    リフェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系系硬化剤、
    イソシアナート系硬化剤から選択されることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の封止充填剤用液状エ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 付加的成分として添加する(C)の酸性
    リン酸エステルは、アルコール類とリン酸から生成する
    部分エステルであり、 (A)の熱硬化性エポキシ樹脂の100重量部に対し
    て、(C)の酸性リン酸エステルを0.1〜20重量部
    添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B)の硬化剤が、酸無水物であり、
    (A)の熱硬化性エポキシ樹脂の1当量に対して、酸無
    水物を0.7〜1.0当量含むことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の封止充填剤用液状エポキシ樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 (B)の硬化剤に用いる酸無水物が、テ
    トラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはエン
    ドメチレンテトラヒドロフタル酸(メタノテトラヒドロ
    フタル酸)の酸無水物あるいはその炭化水素環上に置換
    を有する誘導体、無水フタル酸または無水フタル酸のベ
    ンゼン環上に置換を有する誘導体、無水コハク酸または
    無水コハク酸の炭化水素鎖上に置換を有する誘導体から
    なる酸無水物の群から選択される1種以上の酸無水物で
    あることを特徴とする請求項6に記載の封止充填剤用液
    状エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂
    に対する(B)の硬化剤による硬化反応を促進する機能
    を有する硬化促進剤を、(A)の熱硬化性エポキシ樹脂
    100重量部当たり0.1〜20重量部含有することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の封止充填剤
    用液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 フリップチップ実装における封止充填の
    方法であって、 (1)基板用電極を有するプリント配線基板とチップ部
    品用電極を有するチップ部品とをハンダ製のバンプ電極
    を用いて両電極間の相互導通をとるべく、前記プリント
    配線基板上の所定の領域に前記チップ部品を配置後、前
    記ハンダ製のバンプ電極と電極間の接触を図る工程、 (2)前記ハンダ製のバンプ電極と電極間の接触を図る
    工程後、またはその工程と併せて、前記プリント配線基
    板とその上の所定の領域上に配置される前記チップ部品
    の間隙に、前記接触を図ったハンダ製のバンプ電極と電
    極とを被覆するように、請求項1〜8のいずれかに記載
    の封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を満たす充填工
    程、 (3)次いで加熱して、前記所定の領域の間隙に充填し
    た前記液状エポキシ樹脂組成物における、前記エポキシ
    樹脂の熱硬化を進めるとともに、前記液状エポキシ樹脂
    組成物が被覆する前記ハンダ製のバンプを熔融させる工
    程、 所定時間の加熱後、冷却して、一旦熔融したハンダの再
    固化を行い、バンプ電極と電極とをハンダ付け固着・接
    合させ、同時に熱硬化したエポキシ樹脂により封止充填
    を完了する工程、上記(1)〜(3)の一連の工程を有
    する、 封止充填剤として請求項1〜8のいずれかに記載の封止
    充填剤用液状エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴と
    する封止充填の方法。
JP2000120360A 2000-04-21 2000-04-21 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物 Pending JP2001302765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000120360A JP2001302765A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000120360A JP2001302765A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001302765A true JP2001302765A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18631186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000120360A Pending JP2001302765A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001302765A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335894A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Nippon Kayaku Co Ltd 光半導体用エポキシ樹脂液状組成物
WO2008001695A1 (fr) * 2006-06-26 2008-01-03 Panasonic Corporation composition de résine vulcanisable thermiquement, et procédé de montage et processus de réparation de carte À CIRCUIT imprimé à l'aide de la composition vulcanisable thermiquement
JP2009149820A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Panasonic Electric Works Co Ltd アンダーフィル用液状熱硬化性樹脂組成物とそれを用いた半導体装置
JP2009256612A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用接着剤、半導体封止用フィルム状接着剤、半導体装置及びその製造方法
JP2013004719A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用接着剤、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2014181257A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、及び、半導体装置の製造方法
JP2015034214A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 株式会社Adeka 一液型硬化性樹脂組成物
US9281255B2 (en) 2012-10-31 2016-03-08 3M Innovative Properties Company Underfill composition and semiconductor device and manufacturing method thereof
JP2020536998A (ja) * 2017-10-09 2020-12-17 サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド 硬化性樹脂組成物及び繊維強化樹脂マトリックス複合材料

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335894A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Nippon Kayaku Co Ltd 光半導体用エポキシ樹脂液状組成物
JP4641869B2 (ja) * 2005-06-02 2011-03-02 日本化薬株式会社 光半導体用エポキシ樹脂液状組成物
WO2008001695A1 (fr) * 2006-06-26 2008-01-03 Panasonic Corporation composition de résine vulcanisable thermiquement, et procédé de montage et processus de réparation de carte À CIRCUIT imprimé à l'aide de la composition vulcanisable thermiquement
JP5232645B2 (ja) * 2006-06-26 2013-07-10 パナソニック株式会社 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた回路基板の実装方法及びリペアプロセス
JP2009149820A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Panasonic Electric Works Co Ltd アンダーフィル用液状熱硬化性樹脂組成物とそれを用いた半導体装置
JP2009256612A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用接着剤、半導体封止用フィルム状接着剤、半導体装置及びその製造方法
JP2013004719A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用接着剤、半導体装置の製造方法及び半導体装置
US9281255B2 (en) 2012-10-31 2016-03-08 3M Innovative Properties Company Underfill composition and semiconductor device and manufacturing method thereof
JP2014181257A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、及び、半導体装置の製造方法
JP2015034214A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 株式会社Adeka 一液型硬化性樹脂組成物
JP2020536998A (ja) * 2017-10-09 2020-12-17 サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド 硬化性樹脂組成物及び繊維強化樹脂マトリックス複合材料
JP7242661B2 (ja) 2017-10-09 2023-03-20 サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド 硬化性樹脂組成物及び繊維強化樹脂マトリックス複合材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6367150B1 (en) Solder flux compatible with flip-chip underfill material
US6172141B1 (en) Reworkable epoxy underfill encapsulants
KR100556981B1 (ko) 전자부품
KR101432620B1 (ko) 활성 수지 조성물, 표면 실장 방법 및 프린트 배선판
KR20040088569A (ko) B-스테이지 가공 가능한 언더필 캡슐화제 및 그의 적용방법
US6492438B1 (en) Electrically connectable adhesive agent for semiconductor
JPH0661303A (ja) ハンダ相互結合物構造とその製造方法
JP2009096886A (ja) 液状封止樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置の製造方法
KR20050084677A (ko) 강화된 에폭시/폴리안하이드라이드 비유동성 언더필캡슐화제 조성물
JP3971995B2 (ja) 電子部品装置
JP2007189210A (ja) フリップチップ型半導体装置の組立方法及びその方法を用いて製作された半導体装置
JP2001302765A (ja) 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物
JP2003502484A (ja) ヘテロ原子炭素環式またはエポキシ樹脂および硬化剤の制御可能な分解性組成物
JP2003082064A (ja) 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物
KR101373791B1 (ko) Cof 실장용 봉지제 및 이것을 사용하여 봉지한 반도체 부품
JP2001329048A (ja) 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物
JP3644340B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP4176619B2 (ja) フリップチップ実装用サイドフィル材及び半導体装置
JP2011176050A (ja) 半導体部品の実装方法及び半導体部品の実装構造
JP3925803B2 (ja) フリップチップ実装用サイドフィル材及び半導体装置
JP2002241469A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および半導体装置
JP2004204047A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JPWO2002044241A1 (ja) 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物
JP2004059778A (ja) 封止充填剤用液状エポキシ樹脂組成物
JP2008075054A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物