JP2001301330A - レーザ熱転写記録方法、レーザ熱転写フィルム及び受像フィルム - Google Patents

レーザ熱転写記録方法、レーザ熱転写フィルム及び受像フィルム

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JP2001301330A
JP2001301330A JP2000124044A JP2000124044A JP2001301330A JP 2001301330 A JP2001301330 A JP 2001301330A JP 2000124044 A JP2000124044 A JP 2000124044A JP 2000124044 A JP2000124044 A JP 2000124044A JP 2001301330 A JP2001301330 A JP 2001301330A
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thermal transfer
film
laser thermal
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JP2000124044A
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Atsushi Nakajima
厚志 仲島
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アブレーションや画像欠陥の発生が起こらず
に安定した露光エネルギー領域が得られ、且つ、装置内
の搬送性、異物除去性、装置内搬送適性に優れたレーザ
熱転写記録方法、それに用いるレーザ熱転写フィルム及
び受像フィルムを提供する。 【解決手段】 レーザ熱転写フィルムと受像フィルムと
を対面させ、レーザを露光し、インク層を受像層の受像
面に転写するレーザ熱転写記録方法において、露光面パ
ワー3.2W以上、露光照度10MW/cm2以上、且
つ、露光エネルギー250mJ/cm2の条件にてレー
ザ露光記録したとき、インク層と受像層との間に転写阻
害を起こすガスが実質的に発生しないことを特徴とする
レーザ熱転写記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ熱転写記録方
法、それに用いるレーザ熱転写フィルム及び受像フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツの分野においては、
CTP(コンピューター・トゥ・プレート)の導入に伴
い、デジタルデータを直接入力することによって印刷同
等の出力を得ることの出来るデジタルカラープルーフと
して、レーザ光によって高精細画像を出力するDDCP
が提案されてきている。中でも印刷と同じ顔料を用いた
レーザ熱転写型記録方法が、印刷本紙への印刷と同等の
色調な点、校正が可能な点、網点を再現出来る点から高
精度のプルーフとして注目されている。
【0003】従来から、レーザ熱転写記録方法に用いら
れるフィルムとしては、赤外域に発振波長を持つレーザ
光を吸収出来る光熱変換層及び色材と熱転写性のバイン
ダを含有するインク層とを支持体上に有するレーザ熱転
写フィルムが知られている。
【0004】ヒートモードレーザ記録方式においては、
出力速度を高めるため、近年レーザのマルチビーム化及
び高出力化がなされてきているが、こうした高出力レー
ザを用いても光熱変換層のアブレーションによる色濁り
や、インク転写ムラの起こらない材料が求められてい
る。光熱変換層の耐熱性を上げる手段としては、特開平
8−267916号に、光熱変換層に用いるバインダの
熱分解温度を高める手法が開示されている。
【0005】また、特開平5−169861号において
は、受像フィルム、転写フィルム間の減圧密着性を高め
るために、柔軟なクッション層を転写フィルム及び/ま
たは受像フィルムに設けかつインク面及び/または受像
面にマット剤を入れる手法が提案されている。しかしな
がらマット剤など用いて受像フィルムと転写フィルムと
の減圧密着性を得るための手法は、インク層表面が完全
には受像層表面と接触しないためにインク層面にて断熱
化が起こり、結果として光熱変換層のアブレーション及
びガス化が起こり易いという問題があった。
【0006】これらの現象はレーザの高出力化において
顕著となり、光熱変換層のアブレーション及びガス化は
結果として、アブレーションした光熱変換層による色濁
りや、発生ガスによる密着不良によるインク転写ムラを
引き起こしてしまう。
【0007】また、減圧密着性を高めるための柔軟なク
ッション層は材料の膜強度を低下させ、ハンドリング時
または記録装置内搬送時において傷が発生し易い、シー
ト面に付着したゴミなどの異物を機械的に除去しにく
い、粘着ローラ等との粘着性が高くなり搬送ジャムを引
き起こしやすいなどの問題があった。
【0008】この様にマルチチャンネルビームの高出力
化に対応し、アブレーションの発生が起こらずに安定し
た露光エネルギー領域が得られ、且つ、装置内の搬送
性、異物除去性、装置内搬送適性に優れた従来のレーザ
熱転写フィルム、受像フィルム、記録方法が見出されて
いないのが現状である。
【0009】そこで、上記のような問題点の解決が要望
されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高出
力のマルチチャンネルレーザによるレーザ熱転写記録に
おいて、アブレーションや画像欠陥の発生が起こらずに
均一な画像を得るための安定した露光エネルギー領域が
得られ、かつ装置内の搬送性、異物除去性、装置内搬送
適性に優れたレーザ熱転写記録方法、それに用いるレー
ザ熱転写フィルム及び受像フィルムを提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜14によって達成された。
【0012】1.支持体A、光熱変換層、インク層を有
するレーザ熱転写フィルムと、支持体B、受像層を有す
る受像フィルムとを対面させ、レーザを露光し、該イン
ク層を該受像層の受像面に転写するレーザ熱転写記録方
法において、露光面パワー3.2W以上、露光照度10
MW/cm2以上、且つ、露光エネルギー250mJ/
cm2の条件にてレーザ露光記録したとき、該インク層
と該受像層との間に転写阻害を起こすガスが実質的に発
生しないことを特徴とするレーザ熱転写記録方法。
【0013】2.窒素気流中における熱重量分析(TG
A)において、光熱変換層の50質量%の分解温度が3
70℃以上であることを特徴とする前記1に記載のレー
ザ熱転写記録方法。
【0014】3.光熱変換層がバインダと赤外吸収剤を
含有することを特徴とする前記1または2に記載のレー
ザ熱転写記録方法。
【0015】4.レーザ熱転写フィルムが光熱変換層と
インク層との間に中間層を有することを特徴とする前記
1〜3のいずれか1項に記載のレーザ熱転写記録方法。
【0016】5.インク層表面の、JIS B 060
1で規定される表面粗さRaが0.1μm以下であるこ
とを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のレー
ザ熱転写記録方法。
【0017】6.インク層が少なくとも顔料分散物及び
熱可塑性バインダを含有し、該顔料分散物の平均粒経が
0.4μm以下であり、且つ、0.4μm以上の粒経を
持つ顔料が該顔料分散物全体の10質量%以上含まれて
いることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載
のレーザ熱転写記録方法。
【0018】7.インク層表面と受像層表面との動摩擦
係数が、0.6以下であることを特徴とする前記1〜6
のいずれか1項に記載のレーザ熱転写記録方法。
【0019】8.インク層がフッ素化合物を含有し、且
つ、粘着ローラの粘着力が9.8N/m以下であること
を特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のレーザ
熱転写記録方法。
【0020】9.前記1〜8のいずれか1項に記載のレ
ーザ熱転写記録方法に用いられることを特徴とするレー
ザ熱転写フィルム。
【0021】10.前記1〜8のいずれか1項に記載の
レーザ熱転写記録方法に用いられることを特徴とする受
像フィルム。
【0022】11.前記10に記載の受像フィルムにお
いて、受像層と支持体との間に中間層を有することを特
徴とする受像フィルム。
【0023】12.前記10に記載の受像フィルムにお
いて、インク層表面と受像層表面との動摩擦係数が0.
6以下であることを特徴とする受像フィルム。
【0024】13.前記10に記載の受像フィルムにお
いて、受像層がフッ素化合物を含有し、且つ、粘着ロー
ラの粘着力が9.8N/m以下であることを特徴とする
受像フィルム。
【0025】14.前記9に記載のレーザ熱転写フィル
ムと、前記10〜13のいずれか1項に記載の受像フィ
ルムとを対面させ、レーザを露光することでインク層を
受像面に転写するレーザ熱転写記録方法において、該レ
ーザの露光直前に粘着ローラによって該インク層の表面
または該受像層の受像面の異物を除去する工程、該レー
ザ熱転写フィルムと該受像フィルムとを円筒ドラム上に
て重ね合わせた後、40mm径未満のロールにて線圧9
8N/m以上の圧力でスクイズし、該インク層の表面と
該受像層の受像面との密着性を向上させる工程、露光面
パワー3.2W以上、露光照度10MW/cm2以上の
条件にて露光、画像を形成する工程、レーザ熱転写フィ
ルムを受像フィルムから剥離し、画像を得る工程を有す
ることを特徴とするレーザ熱転写記録方法。
【0026】以下、本発明を更に詳細に説明する。請求
項1に記載のレーザ熱転写記録方法について説明する。
【0027】請求項1に記載の本発明のレーザ熱転写記
録方法においては、少なくとも支持体、光熱変換層、イ
ンク層を有するレーザ熱転写フィルムと、少なくとも支
持体、受像層を有する受像フィルムとを対面させ、レー
ザを露光し、該インク層を該受像層の受像面に転写する
レーザ熱転写記録方法において、露光面パワー3.2W
以上、露光照度10MW/cm2以上、且つ、露光エネ
ルギー250mJ/cm2の条件にてレーザ露光記録す
るように設定することにより、該インク層と該受像層と
の間に転写阻害を起こすガスが実質的に発生しないよう
に調整することに成功し、その結果、レーザ走査ムラや
環境変動性の少ないレーザ熱転写記録方法、それに用い
るレーザ転写フィルム及び受像フィルムを得ることが出
来た。
【0028】請求項14に記載の本発明のレーザ熱転写
記録方法について説明する。請求項14に記載の本発明
のレーザ熱転写記録方法は、上記レーザ熱転写フィルム
と、上記受像フィルムとを対面させ、レーザを露光する
ことでインク層を受像面に転写するレーザ熱転写方法に
おいて、記録直前に粘着ローラによってインク面及び/
又は受像面の異物を除去する工程、レーザ熱転写フィル
ムと受像フィルムを円筒ドラム上にて重ね合わせた後、
40mm径未満のロールにて線圧9.8N/m以上の圧
力でスクイズしインク面と受像面との間のガスを除去、
密着性を向上させる工程、露光面パワー3.2W以上、
露光照度10MW/cm2以上の条件にて露光、画像を
形成する工程、レーザ熱転写フィルムを受像フィルムか
ら剥離し、画像を得る工程とからなり、レーザ走査ムラ
のない、且つ、環境変動性の少ない優れたレーザ熱転写
記録方法を提供するものである。
【0029】本発明に係るレーザ熱転写記録方法におい
て、「インク層と受像層との間に転写阻害を起こすガス
が実質的に発生しない」ことについて説明する。
【0030】レーザ加熱により発生するガスは、その大
半が光熱変換層の熱分解、又は残留溶剤(水、その他塗
布溶剤)により生じる。レーザ記録時に発生するガス量
は、光熱変換層を瞬時に加熱した時に生じるガス量を測
定することで、予想することが出来る。具体的には、光
熱変換層を窒素気流中、10℃/minの条件にてTG
A測定した場合、50質量%の減少温度が350℃以上
となるように耐熱性を調整した場合、熱転写時に転写阻
害を起こすガスが実質的に発生しないと定義した。
【0031】画像記録時の露光に用いるレーザ光源とし
ては、半導体レーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、
ヘリウムネオンレーザなどが挙げられる。中でも半導体
レーザをマルチチャンネル化したレーザアレイを用いる
ことが好ましい。
【0032】本発明においては、転写フィルムの露光波
長における吸収が最も大きくなるように設定した色を有
するレーザ熱転写フィルムを最初に画像記録することが
好ましい。レーザ熱転写記録では熱転写フィルムと受像
フィルムとを密着(例えば減圧密着)させて像様にレー
ザ露光を行うが、吸収が大きいとレーザ露光時のガス
(アブレーションの有無に関わらず発生)の発生量が増
大するため、転写性が劣化しやすい。単色画像を繰り返
し記録して複数色を重ね合わせる場合には、ガスの発生
量の多い色から転写する方が、露光時の密着性、2色目
以降の感度を安定化させるためにも好ましい。赤外域に
吸収のあるブラックを先に転写することが特に好まし
い。マルチチャンネル露光のレーザの走査方法として
は、円筒外面走査が最も適している。
【0033】本発明に係るレーザ熱転写フィルムについ
て説明する。本発明のレーザ熱転写フィルムは、少なく
とも支持体上に、光熱変換機能を有する光熱変換層、イ
ンク(色材)転写機能を有するインク層を有するフィル
ムであり、必要に応じて光熱変換層と支持体との間に易
接着層、光熱変換層とインク層との間に中間層を、また
必要に応じてこれらと反対の表面に、バックコート層を
有することができる。
【0034】本発明のレーザ熱転写フィルムに係る支持
体Aについて説明する。本発明のレーザ熱転写フィルム
に係る支持体Aとしては、剛性を有し、寸法安定性が良
く、平滑性に優れ、記録に用いるレーザ光を透過し、画
像形成の際の熱に耐えるものならば何でもよく、具体的
には、紙、コート紙、合成紙(ポリプロピレン、ポリス
チレン、もしくは、それらを紙と貼り合せた複合材料)
等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シ
ート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレー
トフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサル
ホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエ
ーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、シンジオタクチックポリスチレン、延伸ナイ
ロンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリメチルメ
タクリレートフィルム等の単層あるいはそれらを2層以
上積層した各種プラスチックフィルムないしシート、各
種の金属で形成されたフィルムないしシート、各種のセ
ラミックス類で形成されたフィルムないしシート、更に
は、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の
金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラミネ
ートまたは蒸着したものが挙げられる。
【0035】これらの支持体には、寸法安定化、帯電防
止等の各種加工を施すこともでき、帯電防止剤として
は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子
の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、87
5〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
【0036】さらに、これらの支持体には、従来公知の
表面改質処理を行ってもよい。これらの表面改質処理と
しては、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。また、
後述の各層が良好に支持体上に塗布されるために前記支
持体の上に易接着層を設けてもよい。易接着層として
は、従来公知の物が特に制限なく使用できる。易接着層
を設ける方法としては、水系樹脂塗布、溶剤系樹脂塗
布、水系ラテックス塗布、ホットメルト塗布などが挙げ
られる。
【0037】一般的には、支持体作製時に易接着層を設
けることが、コスト、安定性等の面から有利であり、こ
の点から例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン/酢酸ビ
ニル樹脂、スチレン系樹脂などのラテックスを塗接する
方法が好ましいが、特にこれに限定されない。この様な
易接着層付のベースフィルムが各社から発売されてお
り、本発明においてはこれらを好適に使用することがで
きる。
【0038】レーザ光を転写材料側から照射して画像を
形成するのであれば、転写材料の支持体は透明であるこ
とが望ましい。重ね合わせの容易さから、転写材料の支
持体の厚みは受像シートのそれより薄いことが好まし
く、一般には30〜150μmm程度が好ましく、更に
好ましくは50〜100μmである。
【0039】本発明に係る光熱変換層について説明す
る。光熱変換層とは、光熱変換機能を有する層のことで
あり、光熱変換層は、支持体とインク層との間、より好
ましくは支持体もしくは易接着層とインク層との間に設
けるのが好ましい。
【0040】光熱変換層に用いられるバインダとして
は、Tg(ガラス転移点)が高く熱伝導率の高い樹脂、
例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、エチルセルロース、ニトロセルロース、
ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、
ポリアミド酸、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般的
な耐熱性樹脂や、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、
ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレン
スルフィド類、ポリピロール類、および、これらの誘導
体または、これらの混合物からなるポリマー化合物を使
用することができる。
【0041】また、光熱変換層に用いられるバインダと
しては、耐熱性の高い光熱変換層バインダとして、熱重
量分析(TGA)法による、窒素気流中、昇温速度10
℃/分の条件下での熱分解測定において、質量減少率が
50%となる温度が360℃以上となるバインダを用い
ることが好ましい。
【0042】上記の条件を満たすバインダとしては、ポ
リビニルアルコールの一部や、各種エンジニアリングプ
ラスチックの中でもポリアミド酸、ポリイミドなどが汎
用溶剤への溶解性が良く、コーティングに適している
為、好ましく用いられる。
【0043】また、光熱変換層へ各種の離型剤を含有さ
せることで、光熱変換層とインク層との剥離性を上げ、
感度を向上することもできる。離型剤としては、シリコ
ーン系の離型剤(ポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイル、アルコール変性シリコーンオイルなど)、フッ
素系の界面活性剤(パーフルオロ燐酸エステル系界面活
性剤)、その他、各種界面活性剤等が有効である。光熱
変換物質を使用する場合、光源によっても異なるが、光
を吸収し効率良く熱に変換する物質がよく、例えば半導
体レーザを光源として使用する場合、近赤外に吸収帯を
有する物質が好ましく、近赤外光吸収剤としては、例え
ばカーボンブラックやシアニン系、ポリメチン系、アズ
レニウム系、スクワリリウム系、チオピリリウム系、ナ
フトキノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、
フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯
体などが好適に用いられ、具体的には特開昭63−13
9191号、同64−33547号、特開平1−160
683号、同1−280750号、同1−293342
号、同2−2074号、同3−26593号、同3−3
0991号、同3−34891号、同3−36093
号、同3−36094号、同3−36095号、同3−
42281号、同3−97589号、同3−10347
6号等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】光熱変換層の膜厚としては0.05〜3μ
mが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0μmであ
る。光熱変換層における光熱転換物質の含有量は、通
常、画像記録に用いる光源の波長での吸収が0.3〜
3.0、更に好ましくは0.7〜2.5になるように決
めることができる。
【0045】本発明においては、インク層の色材種によ
り、光熱変換層の吸収を適宜設定することが好ましい。
すなわち、インク層の露光波長における吸収が0.2未
満の場合には、光熱変換層の露光波長における吸収は
0.4〜1.0が好ましく、インク層の露光波長におけ
る吸収が0.2以上の場合には光熱変換層の露光波長に
おける吸収0.6〜1.2であることが好ましい。この
様にインク層の吸収に応じて光熱変換層の吸収を調節す
ることで、レーザ露光熱転写時に生じるレーザ走査ムラ
を改善する効果がある。
【0046】光熱変換層の吸収は、照射するレーザのパ
ワーや光熱変換層膜厚、インク層の膜厚、吸収により、
上記範囲で適宜選択すればよい。光熱変換層としては、
この他にも蒸着層を使用することも可能であり、カーボ
ンブラック、特開昭52−20842号に記載の金、
銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、アンチモン、テ
ルル、ビスマス、セレン等のメタルブラックの蒸着層の
他、元素周期表の11(Ib)、12(IIb)、13
(IIIa)、4(IVb)、15(Va)、5(Vb)、
16(VIa)、6(VIb)、7(VIIb)、8〜10(V
III)族の金属元素、並びに、これらの合金、またはこ
れらの元素と1(Ia)、2(IIa)及び3(IIIb)
族の元素との合金、あるいは、これらの混合物の蒸着層
が挙げられ、特に望ましい金属にはAl、Bi、Sn、
InまたはZnおよびこれらの合金、またはこれらの金
属と元素周期表の1(Ia)、2(IIa)および3(II
Ib)族の元素との合金、またはこれらの混合物が含ま
れる。適当な金属酸化物または硫化物には、Al、B
i、Sn、In、Zn、Ti、Cr、Mo、W、Co、
Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、Au、Zrまた
はTeの化合物、またはこれらの混合物がある。また更
に、金属フタロシアニン類、金属ジチオレン類、アント
ラキノン類の蒸着層も挙げられる。蒸着層の膜厚は、5
0nm以内が好ましい。なお、光熱変換物質はインク層
の色材そのものでもよく、また、上記のものに限定され
ず、様々な物質が使用できる。光熱変換層が支持体下層
との接着性に劣る場合は、光照射時あるいは熱転写後
に、受像シートから転写材料を剥離する際、膜剥がれを
起こし、色濁りを起こすことがあるので、支持体下層と
の間に接着層を設けることも可能である。
【0047】本発明においては、露光記録時に『転写阻
害を起こすガスが実質的に発生しない』光熱変換層とす
ることが好ましく、具体的には、赤外吸収剤やその他の
成分を全て含む光熱変換層組成物を窒素気流中、10℃
/minの条件下にて、TGA測定した場合、光熱変換
層組成物の50質量%の分解温度(減少温度ともいう)
が350℃以上を示すような耐熱性の組成物であること
が好ましい。その為には、前述のバインダー選択の他、
赤外吸収材料の熱分解性を高めたり、熱分解性組成物の
含有量を少なくなるように調製することが好ましい。
【0048】CB(カーボンブラック)等の無機系の赤
外吸収剤は、分散によって赤外吸収効率を高めることが
可能となるが、通常、分散剤の使用は耐熱性低下の要因
となる。そのため、出来るだけ耐熱性の高い高分子量タ
イプの分散剤を用いるか、もしくは、赤外吸収剤粒子の
表面を修飾し、自己分散性を持たせることにより、分散
剤フリーとすることが好ましい。
【0049】分散剤フリーとする為には、具体的には、
表面にカルボキシル基またはスルホ基を有する変性CB
(カーボンブラック)の使用が挙げられる。
【0050】上記のように、バインダーのみならず、光
熱変換剤、その他添加剤等を高耐熱性の素材を用いる
か、または、耐熱性の低い素材の含有量を抑えること
で、光熱変換層の耐熱性を向上させ、露光記録時に転写
阻害となるガスを実質的に抑えることが可能となる。
【0051】本発明に係るインク層について説明する。
インク層は主として着色剤と熱可塑性バインダから成
る。レーザ熱転写法において、インク層は、加熱時に溶
融又は軟化して着色剤とバインダ等を含有する層毎、転
写可能である層であり、完全な溶融状態で転写しなくて
もよい。
【0052】上記の着色剤としては、例えば無機顔料
(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸
化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄な
らびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩
等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラ
キノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジ
ン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及び
その誘導体、キナクリドン顔料等)などの顔料ならびに
染料(酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含
金属油溶性染料又は昇華性色素等)を挙げることができ
る。
【0053】例えばカラープルーフ材料とする場合、イ
エロー、マゼンタ、シアンがそれぞれ、C.I.210
95またはC.I.21090,C.I.15850:
1、C.I.74160の顔料が好ましく用いられる。
インク層における着色剤の含有率は、所望の塗布膜厚で
所望の濃度が得られるように調製すればよく、特に限定
されないが、通常5〜70質量%の範囲が好ましく、更
に好ましくは、10〜60質量%である。
【0054】DDCPとして用いる場合、印刷に用いて
いる顔料と同じ顔料を選択し、印刷顔料と同様の分散粒
径まで分散し、透明性のある熱可塑性バインダを選択す
れば、印刷と同等の色再現性が得られることが出来るた
め好ましい。また顔料の粒径を揃えることで高濃度が得
られることは特開昭62−158092号に開示されて
いるが、顔料の分散性を確保し、良好な色再現を得るた
めに、各種分散剤を使用することが有効である。
【0055】本発明に係るインク層に用いられるバイン
ダとしては、非晶質で透明な、熱可塑性樹脂を用いるこ
とが好ましい。熱可塑性樹脂としては、融点或いは軟化
点が、40〜200℃の範囲内にある樹脂が好ましく用
いられる。適当な熱可塑性を持たせることで、露光、加
熱時に被転写体へ感熱転写させることが可能となる。
【0056】上記のバインダとしては、具体的には、エ
チレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セ
ルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アイオノマー樹
脂、石油系樹脂、および特開平6−312583号に記
載のインク層バインダ用樹脂等が挙げられ、特に、融点
または軟化点が70〜150℃の樹脂が好ましく用いら
れる。
【0057】また、本発明では上記の熱可塑性樹脂以外
に天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、ジエン系コポリマー等のエラス
トマー類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジ
ンフェノール樹脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並び
にフェノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン
樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の高分子化合物、ワック
ス類などを用いることもできる。
【0058】これらの熱転写性の熱可塑性バインダは、
インク層全体の40質量%以上とすることが好ましい。
40質量%未満では、十分な熱転写性を持たせにくくな
る。
【0059】本発明においては、インク層のレーザ光吸
収に応じて、インク層に用いる熱可塑性バインダの溶融
粘度を適宜決めることが好ましい。
【0060】添加剤としては、インク層の可塑化により
感度アップを図る可塑剤の添加、インク層の塗布性を向
上させる界面活性剤の添加が可能である。
【0061】高感度を得るという観点から、好ましいイ
ンク層の厚さは0.2〜2μmが好ましく、更に好まし
くは0.3〜1.5μmであり、特に好ましくは、0.
8μm以下である。
【0062】使用するバインダーや着色剤の種類、その
混合比などによりインク層の薄膜転写性が異なるので、
最適な膜厚範囲は感度と解像度のバランス、その他所望
の画像再現性能により選択することが出来る。
【0063】本発明においては、JIS B 0601
で規定される、インク層表面の表面粗さRaを0.1μ
m以下とすることが好ましい。表面粗さを抑えることで
受像面との微視的密着性を向上させ、露光時に生じた熱
を素早く受像面側に熱伝導させることが出来、結果とし
て密着を阻害するガスの発生を抑えるとともに、光熱変
換層の過熱によるアブレーションを抑えることが出来
る。
【0064】また、表面粗さRaを0.1μm以下とす
るために、インク層が含有する色材の平均粒経が0.4
μm以下とすることが好ましい。また平均粒経が0.4
μm以下であり、且つ、0.4μm以上の粒経を持つ顔
料が顔料全体の少なくとも10質量%以上の比率で存在
すると露光時にシート間に発生したガスが抜けやすいた
め好ましい。
【0065】本発明のレーザ熱転写フィルムに係る中間
層について説明する。光熱変換層とインク層との間に、
中間層を設けると、光熱変換層のアブレーションによる
色濁りを防止する効果、インク層と光熱変換層との接着
力を下げ転写感度を上げる効果があるため好ましい。剥
離層としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロール、ヒドロキシエチルセルロール、ニロトセルロ
ースなどのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルブチラール、等のビニル
系樹脂、ゼラチンなどの水溶性樹脂を用いることが出来
る。膜厚は熱感度を下げないためにも出来るだけ薄いこ
とが好ましく、0.01〜0.5μmが良い。
【0066】本発明のレーザ熱転写フィルムは、必要に
応じてバックコート層を設けても良い。
【0067】本発明に係る受像フィルムについて説明す
る。本発明に係る受像フィルムは、少なくとも支持体B
と受像層とを有し、上記記載のレーザ熱転写フィルムか
ら像様に露光・剥離したインク層を受容し、画像を形成
する。
【0068】受像フィルムの支持体Bとしては、上記記
載のレーザ熱転写フィルムの支持体Aで説明したものと
同様のものが使用できるが、厚みは30〜200μmが
好ましく、更に好ましくは50〜125μmである。
【0069】受像層と支持体Bとの間に中間層を設ける
ことが出来る。また、受像層と中間層との間に剥離層を
設けることも出来る。更に、受像層と反対側の支持体表
面にバックコート層、帯電防止層などを設けることがで
きる。
【0070】受像層上に形成された画像を、更に加熱及
び/または加圧により他の被記録媒体に再転写する場合
は、加熱時に流動性を示す素材からなる中間層を用いる
ことが好ましい。中間層素材としては、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−塩化ビニル共重合
体、ポリブタジエン樹脂、エチレン−アクリル共重合
体、塩化ビニル系樹脂、各種変性オレフィン類、各種ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が
挙げられる。中でもアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体に可塑剤を添加したも
のが好ましい。中間層の膜厚は10〜30μmが紙への
再転写性を得るために好ましい範囲である。中間層を設
けるためには、ラテックスやエマルジョン等として設け
ることが生産性の観点で好ましい。
【0071】なお中間層は上記の様にコーティングによ
り設けることも出来るが、発泡プラスチック層を使用す
ることも可能である。
【0072】再転写する際に受像層と中間層との剥離性
を向上させる為に剥離層を設ける場合には、転写フィル
ムの中間層と同様の素材を用いることが好ましい。
【0073】受像層は、バインダと必要に応じて添加さ
れる各種添加剤からなる。受像性の良い受像層用バイン
ダとしては、インク層に用いるバインダと同種類のバイ
ンダを用いることが熱転写感度を高めること、および色
重ねにおける熱転写感度が変動しにくい点で好ましい。
【0074】本発明においては、受像層表面の表面粗さ
Raを0.2μm以下とすることが好ましい。表面粗さ
を抑えることでインク像面との微視的密着性を向上さ
せ、露光時に生じた熱を素早く受像面側に熱伝導させる
ことが出来、結果として密着を阻害するガスの発生を抑
えるとともに、光熱変換層の過熱によるアブレーション
を抑えることが出来る。
【0075】上記のように表面粗さを調整する他、受像
層表面とインク層表面との動摩擦係数を0.6以下とさ
せるとシート間の滑りが良くなるため、露光前に転写フ
ィルムと受像フィルムを重ね減圧させた状態でスクイズ
した時、シート間のガスを素早く除去する効果があるた
め好ましい。
【0076】粘着ローラによる異物除去効果を高めるた
めには、粘着ローラの粘着力を高めることが効果的であ
るが、反面受像面との粘着力により搬送ジャムを引き起
こす原因となってしまう。粘着ローラによるジャムを防
止する手段としては、受像層にフッ素化合物を含有させ
ることが好ましい。フッ素化合物の種類および添加量
は、粘着ローラの粘着力を9.8N/m以下になるよう
選択すれば良い。こうすることで、異物除去性と搬送性
を両立させることが可能となる。
【0077】粘着ローラにより異物を除去する場合、粘
着ローラと受像フィルムとの転がり帯電により搬送トラ
ブルが起こることがある。これを防止するために、装置
内で除電ブラシなどを設けたり、受像フィルムの支持体
又はいずれかの層に帯電防止性を持たせることが有効で
ある。
【0078】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。尚、実施例中の「部」は
有効固体分の「質量部」を表す。
【0079】《レーザ熱転写フィルム1の作製》厚さ7
5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(デュポ
ン社製、705)に、以下の光熱変換層塗布液1をワイ
ヤーバーにより塗布、乾燥して、波長830nmの透過
吸収が0.8の光熱変換層を形成した。この光熱変換層
の乾燥付き量は、0.67g/m2であった。次いで光
熱変換層の上に以下の中間層塗布液をワイヤーバーによ
り塗布、乾燥して、膜厚0.1μmの中間層を設けた。
更に、中間層の上に下記のインク層塗布液1をワイヤー
バーにより塗布、乾燥して、乾燥付き量0.72g/m
2のインク層を形成し、レーザ熱転写フィルム1を作製
した。作製したレーザ熱転写フィルム1は、外径3イン
チの紙管にインク層面が内巻きとなるように巻き取っ
た。
【0080】尚、上記記載のレーザ熱転写フィルム1の
作製において、光熱変換層塗布液を乾固した後、バイン
ダーと同様TGA測定時の50%質量の分解温度(減少
温度ともいう)が350℃以上であることを確認した。
このデータから、露光記録時において、転写阻害となる
ガスは実質的に発生しないと判断した。
【0081】また、上記の光熱変換層塗布液1にバイン
ダーとして用いたRS−110は窒素気流中でのTGA
測定時、50質量%の分解温度(減少温度)は、360
℃以上であった。更に、光熱変換剤として用いたCAB
−0−JET300はカーボンブラックの表面をカルボ
キシル基により変性しているため、自己分散性で分散剤
を用いる必要が無いため、極めて耐熱性が高い材料であ
る。
【0082】 《光熱変換層塗布液1》 ポリビニルアルコール(RS−110:クラレ社製) 3.6部 カーボンブラック水分散物(CAB−O−JET300:CABOT社製) 2.1部 ホウ酸 0.24部 フッ素界面活性剤(FT−251:ネオス社製) 0.06部 水 75.2部 イソプロピルアルコール 18.8部 《中間層塗布液》 ニトロセルロース溶解液(旭化成製KR−2) 1部 メチルエチルケトン 9部 《インク層塗布液1の調製》 下記の顔料分散液 7.61部 スチレン樹脂(ハイマーST−95、Mw=4000、 140℃の溶融粘度は16P:三洋化成工業社製) 9.31部 フッ素系界面活性剤(メガファックF178K、DIC製) 0.10部 メチルエチルケトン 21.38部 シクロヘキサノン 61.60部 配合されたインク層塗布液の平均分散粒径は、320n
mであった。また0.4μm以上の顔料粒子は全体の2
0質量%であった。
【0083】仕上がったインク層表面の表面粗さRaは
58nmであった。 (顔料分散液) シアン顔料(銅フタロシアニン) 30部 分散剤A(ICI製、ソルスパース5000) 1部 分散剤B(ICI製、ソルスパース24000) 4部 メチルエチルケトン 65部 《受像フィルム1の作製》厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(帝人製、U51L74)
に、以下の中間層塗布液1をアプリケーターにより塗
布、乾燥して、厚さ20μmの中間層を得た。次いで中
間層の上に下記の剥離層塗布液をワイヤーバーにより塗
布、乾燥して、膜厚3μmの剥離層を設けた。更に、剥
離層の上に下記の受像層塗布液1をワイヤーバーにより
塗布、乾燥して、乾燥付量1.3g/m 2の受像層を形
成し、受像フィルム1を作製した。作製した受像フィル
ム1は、外径3インチの紙管に受像層面が外巻きとなる
ように巻き取った。
【0084】 《中間層塗布液1》 東邦化学(株)製、ハイテックS3127 《剥離層塗布液》 ダウケミカル製、エトセルSTD−10 1部 エタノール 9部 《受像層塗布液1》 三菱レイヨン(株)製、BR−80 1部 メチルエチルケトン 7部 シクロヘキサノン 2部 仕上がった受像層表面の表面粗さRaは125nmであ
った。レーザ熱転写フィルムのインク層面と受像層面と
の摩擦係数は、0.39であった。
【0085】《画像性能評価方法》得られたレーザー熱
転写フィルム1と受像フィルムを用い、画像性能評価を
行なった。露光機は、コニカEV−Laser−Pro
ofer、を用い、露光条件は露光面パワーが110m
W/chとなるよう電流値調整を行なった。露光ヘッド
は32chなので、露光面パワーは3.2W以上、且
つ、露光照度は10MW/cm2以上となる。記録回転
数を400〜600rpmに設定して適性露光領域の評
価、および適性露光条件にて、全面ベタ転写を行い、転
写不良に伴う画像欠陥、装置での搬送性について評価を
行なった。
【0086】(適性露光条件)オーバー露光による光熱
変換層の飛散が無く、且つ、ベタ濃度の変動が3%以内
となる範囲として、450〜600rpmと、十分広い
ラチチュードが得られた。
【0087】(転写不良に伴う画像欠陥)受像サイズが
幅559mm×長さ670mmとし、A2サイズの面積
で、550rpmにてベタ露光を行なった結果、記録露
光時の発生ガスによる転写不良および異物による画像欠
陥もなく均一なベタ画像が得られた。また、転写フィル
ムの搬送パスにフィルム上に付着した異物を除去するた
めの、粘着ロールに対し、受像フィルムおよび転写フィ
ルムの粘着力が9.8N/m以下であるため、過剰粘着
による搬送不良もなく、異物の除去が可能であった。
【0088】上記より、本発明の試料は、適性露光条件
が広く、転写不良に伴う画像欠陥が少ないことが明かで
ある。
【0089】
【発明の効果】本発明により、高出力のマルチチャンネ
ルレーザによるレーザ熱転写記録において、アブレーシ
ョンや画像欠陥の発生が起こらずに均一な画像を得るた
めの安定した露光エネルギー領域が得られ、かつ装置内
の搬送性、異物除去性、装置内搬送適性に優れたレーザ
熱転写記録方法、それに用いるレーザ熱転写フィルム及
び受像フィルムを提供することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体A、光熱変換層、インク層を有す
    るレーザ熱転写フィルムと、支持体B、受像層を有する
    受像フィルムとを対面させ、レーザを露光し、該インク
    層を該受像層の受像面に転写するレーザ熱転写記録方法
    において、露光面パワー3.2W以上、露光照度10M
    W/cm2以上、且つ、露光エネルギー250mJ/c
    2の条件にてレーザ露光記録したとき、該インク層と
    該受像層との間に転写阻害を起こすガスが実質的に発生
    しないことを特徴とするレーザ熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 窒素気流中における熱重量分析(TG
    A)において、光熱変換層の50質量%の分解温度が3
    70℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のレ
    ーザ熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】 光熱変換層がバインダと赤外吸収剤を含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のレー
    ザ熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】 レーザ熱転写フィルムが光熱変換層とイ
    ンク層との間に中間層を有することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のレーザ熱転写記録方法。
  5. 【請求項5】 インク層表面の、JIS B 0601
    で規定される表面粗さRaが0.1μm以下であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレー
    ザ熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】 インク層が少なくとも顔料分散物及び熱
    可塑性バインダを含有し、該顔料分散物の平均粒経が
    0.4μm以下であり、且つ、0.4μm以上の粒経を
    持つ顔料が該顔料分散物全体の10質量%以上含まれて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のレーザ熱転写記録方法。
  7. 【請求項7】 インク層表面と受像層表面との動摩擦係
    数が、0.6以下であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のレーザ熱転写記録方法。
  8. 【請求項8】 インク層がフッ素化合物を含有し、且
    つ、粘着ローラの粘着力が9.8N/m以下であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレー
    ザ熱転写記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレ
    ーザ熱転写記録方法に用いられることを特徴とするレー
    ザ熱転写フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    レーザ熱転写記録方法に用いられることを特徴とする受
    像フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の受像フィルムにお
    いて、受像層と支持体との間に中間層を有することを特
    徴とする受像フィルム。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の受像フィルムにお
    いて、インク層表面と受像層表面との動摩擦係数が0.
    6以下であることを特徴とする受像フィルム。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の受像フィルムにお
    いて、受像層がフッ素化合物を含有し、且つ、粘着ロー
    ラの粘着力が9.8N/m以下であることを特徴とする
    受像フィルム。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載のレーザ熱転写フィル
    ムと、請求項10〜13のいずれか1項に記載の受像フ
    ィルムとを対面させ、レーザを露光することでインク層
    を受像面に転写するレーザ熱転写記録方法において、該
    レーザの露光直前に粘着ローラによって該インク層の表
    面または該受像層の受像面の異物を除去する工程、該レ
    ーザ熱転写フィルムと該受像フィルムとを円筒ドラム上
    にて重ね合わせた後、40mm径未満のロールにて線圧
    98N/m以上の圧力でスクイズし、該インク層の表面
    と該受像層の受像面との密着性を向上させる工程、露光
    面パワー3.2W以上、露光照度10MW/cm2以上
    の条件にて露光、画像を形成する工程、レーザ熱転写フ
    ィルムを受像フィルムから剥離し、画像を得る工程を有
    することを特徴とするレーザ熱転写記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062266A (ja) * 2007-06-28 2014-04-10 Cabot Corp 改質顔料を含んだ光熱変換層

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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