JP2001253170A - レーザ熱転写フィルム - Google Patents

レーザ熱転写フィルム

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JP2001253170A
JP2001253170A JP2000068540A JP2000068540A JP2001253170A JP 2001253170 A JP2001253170 A JP 2001253170A JP 2000068540 A JP2000068540 A JP 2000068540A JP 2000068540 A JP2000068540 A JP 2000068540A JP 2001253170 A JP2001253170 A JP 2001253170A
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thermal transfer
layer
transfer film
ink layer
laser thermal
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JP2000068540A
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Atsushi Nakajima
厚志 仲島
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機顔料では再現出来ない特色を、印刷同等
の質感で、高感度・高画質なレーザ熱転写フィルムを提
供する。 【解決手段】 少なくとも支持体、光熱変換層及びイン
ク層を有するレーザ熱転写フィルムにおいて、該インク
層が、融点または軟化点が140℃以下の熱可塑性樹脂
をインク層全体の5〜30質量%含有し、且つ、密度2
kg/L以上の無機顔料をインク層全体の70質量%以
上含有することを特徴とするレーザ熱転写フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ熱転写フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツの分野においては、
CTP(コンピュータ・トゥ・プレート)の導入に伴
い、デジタルデータを直接入力することによって印刷同
等の出力を得ることの出来るデジタルカラープルーフと
して、レーザ光によって高精細画像を出力するDDCP
が提案されてきている。中でも印刷と同じ顔料を用いた
レーザ熱転写型記録方式が、印刷本紙への印刷と同等の
色調な点、校正が可能な点、網点を再現出来る点から高
精度のプルーフとして注目されている。
【0003】印刷に用いられる色としては通常、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のプロセスカラ
ーが必要であるため、レーザ熱転写記録方式においても
これらのプロセスカラーと同じ顔料を用いたものが開発
されている。
【0004】一方、印刷においては、上記4色だけでは
なく、特色と呼ばれる色についてもDDCPの再現色と
して要望されている。例えば、イエロー・マゼンタ・シ
アン・ブラックの混色によって再現可能な中間色や、上
記4色の混合では表現出来ない有機顔料や無機顔料を使
用する色、また、金、銀、白色など金属光沢を持たせた
り、隠蔽性を持たせる等、無機顔料によってのみ再現出
来る色がある。
【0005】上記特色のうち、4色を用いて再現出来る
中間色やそれ以外の有機顔料を用いた色は、イエロー、
マゼンタ、シアン、ブラック等と同様に顔料を分散、配
合、インク層に含有させることで、容易に特色を再現出
来る。
【0006】しかしながら、無機顔料を使用しなければ
再現出来ない特色については、充分な感度や画像品質が
充分でないという問題点があった。
【0007】そこで、上記のような問題点が解決された
レーザ熱転写フィルムが要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高精
細の画像を得る、ヒートモードレーザ記録方法に利用さ
れるレーザ熱転写フィルムを提供し、特に、DDCP
(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフ)のうち、
白色、銀、金など、特別色を再現出来るレーザ熱転写フ
ィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜6によって達成された。
【0010】1.少なくとも支持体、光熱変換層及びイ
ンク層を有するレーザ熱転写フィルムにおいて、該イン
ク層が、融点または軟化点が140℃以下の熱可塑性樹
脂をインク層全体の5〜30質量%含有し、且つ、密度
2kg/L以上の無機顔料をインク層全体の70質量%
以上含有することを特徴とするレーザ熱転写フィルム。
【0011】2.無機顔料がチタン化合物、アルミ化合
物、鉛化合物、銀化合物、モリブデン化合物、鉄化合
物、銅化合物及び亜鉛化合物からなる群より選ばれた化
合物であることを特徴とする前記1に記載のレーザ熱転
写フィルム。
【0012】3.無機顔料の分散平均粒径が2μm以下
であることを特徴とする、前記1または2に記載のレー
ザ熱転写フィルム。
【0013】4.無機顔料の分散剤がインク層全体の5
質量%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれ
か1項に記載のレーザ熱転写フィルム。
【0014】5.熱可塑性樹脂の融点または軟化点が、
120℃以下であることを特徴とする前記1〜4のいず
れか1項に記載のレーザ熱転写フィルム。
【0015】6.インク層の付量が0.8g/m2以上
であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記
載のレーザ熱転写フィルム。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
レーザ熱転写フィルムは、少なくとも光熱変換機能を有
する光熱変換層、インク(色材)転写機能を有するイン
ク層を有するフィルムであり、必要に応じて光熱変換層
と支持体との間に易接着層、光熱変換層とインク層との
間に中間層を、また必要に応じてこれらと反対の表面
に、バックコート層を有することができる。
【0017】本発明のレーザ熱転写フィルムに係る支持
体について説明する。本発明のレーザ熱転写フィルムに
係る支持体としては、剛性を有し、寸法安定性が良く、
平滑性に優れ、記録に用いるレーザ光を透過し、画像形
成の際の熱に耐えるものならば何でもよく、具体的に
は、紙、コート紙、合成紙(ポリプロピレン、ポリスチ
レン、もしくは、それらを紙と貼り合せた複合材料)等
の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シー
ト、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホ
ンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエー
テルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、シンジオタクチックポリスチレン、延伸ナイロ
ンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリメチルメタ
クリレートフィルム等の単層あるいはそれらを2層以上
積層した各種プラスチックフィルムないしシート、各種
の金属で形成されたフィルムないしシート、各種のセラ
ミックス類で形成されたフィルムないしシート、更に
は、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の
金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラミネ
ートまたは蒸着したものが挙げられる。
【0018】これらの支持体には、寸法安定化、帯電防
止等の各種加工を施すこともでき、帯電防止剤として
は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子
の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、87
5〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
【0019】さらに、これらの支持体には、従来公知の
表面改質処理を行ってもよい。これらの表面改質処理と
しては、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。また、
後述の各層が良好に支持体上に塗布されるために前記支
持体の上に易接着層を設けてもよい。易接着層として
は、従来公知の物が特に制限なく使用できる。易接着層
を設ける方法としては、水系樹脂塗布、溶剤系樹脂塗
布、水系ラテックス塗布、ホットメルト塗布などが挙げ
られる。
【0020】一般的には、支持体作製時に易接着層を設
けることが、コスト、安定性等の面から有利であり、こ
の点から例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン/酢酸ビ
ニル樹脂、スチレン系樹脂などのラテックスを塗接する
方法が好ましいが、特にこれに限定されない。この様な
易接着層付のベースフィルムが各社から発売されてお
り、本発明においてはこれらを好適に使用することがで
きる。
【0021】レーザ光を転写材料側から照射して画像を
形成するのであれば、転写材料の支持体は透明であるこ
とが望ましい。重ね合わせの容易さから、転写材料の支
持体の厚みは受像シートのそれより薄いことが好まし
く、一般には30〜150μm程度が好ましく、更に好
ましくは50〜100μmである。
【0022】本発明に係る光熱変換層について説明す
る。光熱変換層とは、光熱変換機能を有する層のことで
あり、光熱変換層は、支持体とインク層との間、より好
ましくは支持体もしくは易接着層とインク層との間に設
けるのが好ましい。
【0023】光熱変換層に用いられるバインダとして
は、Tg(ガラス転移点)が高く熱伝導率の高い樹脂、
例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、エチルセルロース、ニトロセルロース、
ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、
ポリアミド酸、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般的
な耐熱性樹脂や、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、
ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレン
スルフィド類、ポリピロール類、および、これらの誘導
体または、これらの混合物からなるポリマー化合物を使
用することができる。
【0024】また、光熱変換層に用いられるバインダと
しては、耐熱性の高い光熱変換層バインダとして、熱重
量分析(TGA)法による、窒素気流中、昇温速度10
℃/分の条件下での熱分解測定において、質量減少率が
50%となる温度が360℃以上となるバインダを用い
ることが好ましい。
【0025】上記の条件を満たすバインダとしては、ポ
リビニルアルコールの一部や、各種エンジニアリングプ
ラスチックの中でも、ポイイミド、ポリアミド酸などが
汎用溶剤への溶解性が良く、コーティングに適している
為、好ましく用いられる。
【0026】また、光熱変換層へ各種の離型剤を含有さ
せることで、光熱変換層とインク層との剥離性を上げ、
感度を向上することもできる。離型剤としては、シリコ
ーン系の離型剤(ポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイル、アルコール変性シリコーンオイルなど)、フッ
素系の界面活性剤(パーフルオロ燐酸エステル系界面活
性剤)、その他、各種界面活性剤等が有効である。光熱
変換物質を使用する場合、光源によっても異なるが、光
を吸収し効率良く熱に変換する物質がよく、例えば半導
体レーザを光源として使用する場合、近赤外に吸収帯を
有する物質が好ましく、近赤外光吸収剤としては、例え
ばカーボンブラックやシアニン系、ポリメチン系、アズ
レニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフ
トキノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フ
タロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体
などが好適に用いられ、具体的には特開昭63−139
191号、同64−33547号、特開平1−1606
83号、同1−280750号、同1−293342
号、同2−2074号、同3−26593号、同3−3
0991号、同3−34891号、同3−36093
号、同3−36094号、同3−36095号、同3−
42281号、同3−97589号、同3−10347
6号等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】光熱変換層の膜厚としては0.05〜3μ
mが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0μmであ
る。光熱変換層における光熱転換物質の含有量は、通
常、画像記録に用いる光源の波長での吸収が0.3〜
3.0、更に好ましくは0.7〜2.5になるように決
めることができる。
【0028】本発明においては、インク層の色材種によ
り、光熱変換層の吸収を適宜設定することが好ましい。
すなわち、インク層の露光波長における吸収が0.2未
満の場合には、光熱変換層の露光波長における吸収は
0.4〜1.0が好ましく、インク層の露光波長におけ
る吸収が0.2以上の場合には光熱変換層の露光波長に
おける吸収は0.6〜1.2であることが好ましい。こ
の様にインク層の吸収に応じて光熱変換層の吸収を調節
することで、レーザ露光熱転写時に生じるレーザ走査ム
ラを改善する効果がある。
【0029】光熱変換層の吸収は、照射するレーザのパ
ワーや光熱変換層膜厚、インク層の膜厚、吸収により、
上記範囲で適宜選択すればよい。光熱変換層としては、
この他にも蒸着層を使用することも可能であり、カーボ
ンブラック、特開昭52−20842号に記載の金、
銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、アンチモン、テ
ルル、ビスマス、セレン等のメタルブラックの蒸着層の
他、元素周期表の11(Ib)、12(IIb)、13
(IIIa)、4(IVb)、15(Va)、5(Vb)、
16(VIa)、6(VIb)、7(VIIb)、8〜10(V
III)族の金属元素、並びに、これらの合金、またはこ
れらの元素と1(Ia)、2(IIa)及び3(IIIb)
族の元素との合金、あるいは、これらの混合物の蒸着層
が挙げられ、特に望ましい金属にはAl、Bi、Sn、
InまたはZnおよびこれらの合金、またはこれらの金
属と元素周期表の1(Ia)、2(IIa)および3(II
Ib)族の元素との合金、またはこれらの混合物が含ま
れる。適当な金属酸化物または硫化物には、Al、B
i、Sn、In、Zn、Ti、Cr、Mo、W、Co、
Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、Au、Zrまた
はTeの化合物、またはこれらの混合物がある。また更
に、金属フタロシアニン類、金属ジチオレン類、アント
ラキノン類の蒸着層も挙げられる。蒸着層の膜厚は、5
0nm以内が好ましい。なお、光熱変換物質はインク層
の色材そのものでもよく、また、上記のものに限定され
ず、様々な物質が使用できる。光熱変換層が支持体下層
との接着性に劣る場合は、光照射時あるいは熱転写後
に、受像シートから転写材料を剥離する際、膜剥がれを
起こし、色濁りを起こすことがあるので、支持体下層と
の間に接着層を設けることも可能である。
【0030】本発明に係るインク層について説明する。
インク層は主として着色剤と熱可塑性バインダーから成
る。レーザ熱転写法において、インク層は、加熱時に溶
融又は軟化して着色剤とバインダー等を含有する層毎、
転写可能である層であり、完全な溶融状態で転写しなく
てもよい。
【0031】本発明のレーザ熱転写フィルムに使用され
る無機顔料としては、例えば酸化鉄(Fe23)、鉛白
(2PbCO3・Pb(OH)2)、鉛丹(Pb34)、
黄鉛(PbCrO4)、銀朱(HgS)、群青(Na6
6Si624S4)、酸化コバルト(CoOまたはCo
34)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化チタン被覆
雲母(TiO2/K2O・3Al23・6SiO2・2H2
O)、ストロンチウムクロメイト(SrCrO4)、チ
タニウム・イエロー(ニッケルイエロー、クロムイエロ
ー)、鉄黒(Fe34)、モリブデン赤(PbCrO4
・nPbMoO4・mPbSO4・xAl(OH)3)、
モリブデンホワイト(ZnMoO4・ZnOまたはCa
ZnMoO4・CaCO3)、リトポン(BaSO4+Z
nS)カドミウム赤(CdS・nCdSe)、ブロンズ
粉(銅と亜鉛の合金)、アルミニウム粉、等を挙げるこ
とができる。特色を再現するために無機顔料であれば特
に制限は無いが、密度は、2kg/L(2.0)以上の
ものが好ましく、更に好ましくは2.5以上である。
【0032】上記記載の顔料の中でも、白、銀、金など
の特色に好ましいのは、それぞれ二酸化チタン、アルミ
ニウム粉、ブロンズ粉である。金などは、アルミニウム
粉に黄色や赤色の有機顔料もしくは無機顔料を添加する
ことも可能である。
【0033】これらの無機顔料をインク層全体の70質
量%以上含有することを特徴とするが、70質量%以下
であると、特色の色再現性を維持しつつ、充分な感度、
画像品質を得ることが難しい。即ち含有率が70質量%
未満であると、特色の色再現性を得るためにはインク層
の付量を増やさざるを得ず、結果として膜厚増による熱
転写感度低下ならびに解像力の劣化を招いてしまう。
【0034】金属光沢を再現する場合は、顔料粒径が大
きいほど、光沢感が生じるが、金属光沢を必要としない
白色などの顔料は、レーザ熱転写性、画像品質の点で、
分散粒径を2μm以下とすることが好ましい。分散粒径
が大きいと受像面との密着性が損なわれ、感度が低下す
るだけでなく、コーティング時に塗布液の状態で沈降す
るなどの、工程上の問題も生じる。白色顔料としては酸
化チタンが最も好ましく、分散平均粒径を0.2〜1.
0μmとすることが白色性、隠蔽力を発揮する観点から
好ましい。
【0035】顔料の粒径を揃えることで高濃度(白の場
合は隠蔽性)が得られることは特開昭62−15809
2号に開示されているが、顔料の分散性を確保し、良好
な色再現を得るために、各種分散剤を使用することが有
効である。分散性を高めるためには、これらの分散剤を
インク層全体の5質量%以上とすることが好ましい。こ
れ以下では充分な分散性が得られない。
【0036】本発明においては色材として、無機顔料を
用い、通常のプロセスカラーに用いるイエロー、マゼン
タ、シアン等、ブラックに比べ、70質量%と非常に高
い含有率に調整するため、バインダーとして使用する熱
可塑性樹脂の比率が相対的に下がる。
【0037】そこで、良好な熱転写性を得るために、イ
ンク層のバインダーとしては、前記熱可塑性樹脂の融点
または軟化点としては140℃以下のものを用いるが、
好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは、10
0℃以下であり、特に好ましくは、60℃以下である。
【0038】上記の熱可塑性樹脂としては、具体的に
は、エチレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアル
コール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アイオノ
マー樹脂、石油系樹脂、および特開平6−312583
号に記載のインク層バインダー用樹脂等が挙げられる。
【0039】また本発明では上記の熱可塑性樹脂以外に
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、
クロロプレンゴム、ジエン系コポリマー等のエラストマ
ー類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフ
ェノール樹脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並びにフ
ェノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹
脂、芳香族系炭化水素樹脂等の高分子化合物、ワックス
類などを用いることもできる。
【0040】これらの熱転写性の熱可塑性バインダー
は、インク層全体の5〜30質量%とすることが好まし
い。5質量%未満では、十分な熱転写性を持たせにく
い。また、更に感度を向上させるために、各種可塑剤、
熱溶剤などの添加も可能である。
【0041】インク層の付量としては0.8g/m2
上が好ましく、更に好ましくは1.2g/m2以上であ
る。0.8g未満の場合、充分な色再現性を得ることが
出来ない。また、上限の付き量は5.0g/m2であ
る。5.0g以上だと、インク層の熱容量が大きく、十
分な熱転写感度が得られにくく、且つ、解像力も劣化し
やすい。
【0042】本発明に係る中間層について説明する。 (中間層)光熱変換層とインク層との間に、中間層など
設けると、光熱変換層のアブレーションによる色濁りを
防止する効果、インク層と光熱変換層との接着力低減し
転写感度を上げる効果があるため好ましい。剥離層とし
ては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ル、ヒドロキシエチルセルロール、ニロトセルロースな
どのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アセタール、ポリビニルブチラール、等のビニル系樹
脂、ゼラチンなどの水溶性樹脂を用いることが出来る。
膜厚は熱感度を下げないためにも出来るだけ薄いことが
好ましく、0.01〜0.5μmが良い。
【0043】本発明に用いられる受像フィルムについて
説明する。本発明に係る受像フィルムは、少なくとも支
持体と受像層とを有し、上記記載のレーザ熱転写フィル
ムから像様に露光・剥離したインク層を受容し、画像を
形成する。
【0044】受像フィルムの支持体としては、上記記載
のレーザ熱転写フィルムの支持体と同様のものが使用で
きるが、厚みは30〜200μmが好ましく、更に好ま
しくは50〜125μmである。
【0045】受像層と支持体との間に中間層を設けるこ
とが出来る。また、受像層と中間層との間に剥離層を設
けることも出来る。更に、受像層と反対側の支持体表面
にバックコート層、帯電防止層などを設けることができ
る。
【0046】受像層上に形成された画像を、更に加熱及
び/または加圧により他の被記録媒体に再転写する場合
は、加熱時に流動性を示す素材からなる中間層を用いる
ことが好ましい。中間層素材としては、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−塩化ビニル共重合
体、ポリブタジエン樹脂、エチレン−アクリル共重合
体、塩化ビニル系樹脂、各種変性オレフィン類、各種ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が
挙げられる。中でもアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体に可塑剤を添加したも
のが好ましい。中間層の膜厚は10〜30μmが紙への
再転写性を得るために好ましい範囲である。中間層を設
けるためには、ラテックスやエマルジョン等として設け
ることが生産性の観点で好ましい。
【0047】なお中間層は上記の様にコーティングによ
り設けることも出来るが、発泡プラスチック層を使用す
ることも可能である。
【0048】再転写する際に受像層と中間層との剥離性
を向上させる為に剥離層を設ける場合には、転写フィル
ムの中間層と同様の素材を用いることが好ましい。
【0049】受像層は、バインダと必要に応じて添加さ
れる各種添加剤を含有してもよい。受像性の良い受像層
用バインダとしては、インク層に用いるバインダと同種
類のバインダを用いることが熱転写感度を高めることや
色重ねにおける熱転写感度が変動しにくい点で好まし
い。
【0050】本発明においては、受像層表面の表面粗さ
Raを0.1μm以下とすることが好ましい。表面粗さ
を抑えることでインク像面との微視的密着性を向上さ
せ、露光時に生じた熱を素早く受像面側に熱伝導させる
ことが出来、結果として密着を阻害するガスの発生を抑
えるとともに、光熱変換層の過熱によるアブレーション
を抑えることが出来る。
【0051】上記のように表面粗さを調整する他、受像
層表面とインク層表面との動摩擦係数を0.6以下とさ
せるとシート間の滑りが良くなるため、露光前に転写フ
ィルムと受像フィルムを重ね減圧させた状態でスクイー
ズした時、シート間のガスを素早く除去する効果がある
ため好ましい。
【0052】更に転写フィルムと受像フィルムとの間の
減圧密着性および膜強度を強くするために、受像面側に
設ける厚さ1μm以上の層(受像フィルム中間層、受像
フィルム剥離層、受像フィルム受像層、転写フィルム接
着層、転写フィルム光熱変換層、転写フィルムインク層
など)の主要素材の室温における弾性率を10MPa以
上とすることが好ましい。具体的には、ゴム硬度(ショ
アA)が50以上であることが好ましい。また、受像面
あるいは転写フィルムインク面の表面硬度を高めること
で、ゴミ等の異物が付着しにくく、たとえ、付着してい
たとしても粘着ローラーなどで除去することが容易とな
るため好ましい。
【0053】粘着ローラによる異物除去効果を高めるた
めには、粘着ローラの粘着力を高めることが効果的であ
るが、反面受像面との粘着力により搬送ジャムを引き起
こす原因となってしまう。粘着ローラによるジャムを防
止する手段としては、受像層にフッ素化合物を含有させ
ることが好ましい。フッ素化合物の種類および添加量
は、粘着ローラとの粘着力を10N/m以下になるよう
選択すれば良い。こうすることで、異物除去性と搬送性
を両立させることが可能となる。
【0054】粘着ローラにより異物を除去する場合、粘
着ローラと受像フィルムとの転がり帯電により搬送トラ
ブルが起こることがある。これを防止するために、装置
内で除電ブラシなどを設けたり、受像フィルムの支持体
又はいずれかの層に帯電防止性を持たせることが有効で
ある。
【0055】本発明に用いられるレーザ熱転写記録方法
について説明する。本発明に用いられるレーザ熱転写記
録方法とは、少なくとも支持体、光熱変換層、インク層
を有するレーザ熱転写フィルムと、少なくとも支持体、
受像層を有する受像フィルムとを対面させ、レーザを露
光し、該インク層を該受像層の受像面に転写するレーザ
熱転写記録方法である。
【0056】画像記録時の露光に用いるレーザ光源とし
ては、半導体レーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、
ヘリウムネオンレーザなどが挙げられる。中でも半導体
レーザをマルチチャンネル化したレーザアレイを用いる
ことが好ましい。
【0057】本発明においては、転写フィルムの露光波
長における吸収が最も大きくなるように設定した色を有
するレーザ熱転写フィルムを最初に画像記録することが
好ましい。レーザ熱転写記録では熱転写フィルムと受像
フィルムとを密着(例えば減圧密着)させて像様にレー
ザ露光を行うが、吸収が大きいとレーザ露光時のガス
(アブレーションの有無に関わらず発生)の発生量が増
大するため、転写性が劣化しやすい。単色画像を繰り返
し記録して複数色を重ね合わせる場合には、ガスの発生
量の多い色から転写する方が、露光時の密着性、2色目
以降の感度を安定化させるためにも好ましい。赤外域に
吸収のあるブラックを先に転写することが特に好まし
い。
【0058】マルチチャンネル露光のレーザの走査方法
としては、円筒外面走査が最も適している。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0060】なお、特に断りない限り、実施例中の
「部」は有効固体分の「質量部」を表す。
【0061】実施例1 《熱転写フィルムの1の作製》厚さ75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム(デュポン社製、705)
に、下記の光熱変換層塗布液1をワイヤーバーにより塗
布、乾燥して、波長830nmの透過吸収が0.8の光
熱変換層を形成した。この光熱変換層の乾燥付き量は、
0.67g/m2であった。次いで光熱変換層の上に、
下記に示すような中間層塗布液をワイヤーバーにより塗
布、乾燥して、膜厚0.1μmの中間層を設けた。
【0062】 《光熱変換層塗布液1》 ポリビニルアルコール(RS−110:クラレ社製) 3.6部 カーボンブラック水分散物(CAB−O−JET300:CABOT社製) 2.1部 ホウ酸 0.24部 フッ素界面活性剤(FT−251:ネオス社製) 0.06部 水 75.2部 イソプロピルアルコール 18.8部 《中間層塗布液》 ニトロセルロース溶解液(旭化成、KR−2) 1部 メチルエチルケトン 50部 更に、中間層の上に下記のインク層塗布液1をワイヤー
バーにより塗布、乾燥して、乾燥付き量2.0g/m2
のインク層を形成し、転写フィルムを作製した。作製し
た転写フィルムは、外径3インチの紙管にインク層面が
内巻きとなるように巻き取った。
【0063】 《インク層塗布液1の調製》 (顔料分散液の調製) 白色顔料(酸化チタン:比重4.1) 60部 分散剤A(ICI製、ソルスパース5000) 1部 分散剤B(ICI製、ソルスパース24000) 5部 メチルエチルケトン 44部 上記記載の顔料分散液 273.0部 スチレン樹脂(ハイマーST−95、軟化点95℃、 Tg=42℃:三洋化成工業社製) 19.2部 フッ素系界面活性剤(メガファックF178K、DIC製) 2.3部 メチルエチルケトン 33.5部 シクロヘキサノノン 1672部 配合されたインク層塗布液1の平均分散粒径は、250
nmであった。
【0064】インク層のインク層全体に対する顔料含有
率は72.7質量%、熱可塑性樹脂の含有率は19.7
質量%、分散剤の含有率は7.3質量%である。また、
インク層の透過濃度(マクベスTD904濃度計、ブラ
ック濃度)は0.26であった。
【0065】得られたレーザ熱転写フィルム1を用い、
画像性能評価を行った。露光機として、コニカEV−l
aser−proofer、受像フィルムはコニカカラ
ーデシジョンCD−2Rを用い、露光条件は、露光面パ
ワーが100mW/ch、回転数を400〜600rp
mにて行った。この時の露光面パワーは3.2Wであ
る。露光後、三菱特両アート紙へEV−laminat
erによって転写し評価画像を得た。尚、ベタ濃度が一
定となる回転数は、400〜580rpmであった。ま
たこの時の解像力は2000dpi(2.54cm当た
りの画素密度をdpiと定義する。)のライン&スペー
スが再現されていた。
【0066】以上から、本発明のレーザ熱転写フィルム
から得られた画像は隠蔽性に優れ、且つ、白色の印刷物
と非常に質感が似ているものが得られた。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、有機顔料では再現出来
ない特色を、印刷同等の質感で、高感度・高画質なレー
ザ熱転写フィルムを提供することが出来た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも支持体、光熱変換層及びイン
    ク層を有するレーザ熱転写フィルムにおいて、該インク
    層が、融点または軟化点が140℃以下の熱可塑性樹脂
    をインク層全体の5〜30質量%含有し、且つ、密度2
    kg/L以上の無機顔料をインク層全体の70質量%以
    上含有することを特徴とするレーザ熱転写フィルム。
  2. 【請求項2】 無機顔料がチタン化合物、アルミ化合
    物、鉛化合物、銀化合物、モリブデン化合物、鉄化合
    物、銅化合物及び亜鉛化合物からなる群より選ばれた化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱
    転写フィルム。
  3. 【請求項3】 無機顔料の分散平均粒径が2μm以下で
    あることを特徴とする、請求項1または2に記載のレー
    ザ熱転写フィルム。
  4. 【請求項4】 無機顔料の分散剤がインク層全体の5質
    量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のレーザ熱転写フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂の融点または軟化点が、1
    20℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のレーザ熱転写フィルム。
  6. 【請求項6】 インク層の付量が0.8g/m2以上で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のレーザ熱転写フィルム。
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