JP2001300302A - 窒素酸化物吸着材 - Google Patents

窒素酸化物吸着材

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JP2001300302A
JP2001300302A JP2000125508A JP2000125508A JP2001300302A JP 2001300302 A JP2001300302 A JP 2001300302A JP 2000125508 A JP2000125508 A JP 2000125508A JP 2000125508 A JP2000125508 A JP 2000125508A JP 2001300302 A JP2001300302 A JP 2001300302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温域におけるNOx 吸着能をさらに向上させ
る。 【解決手段】塩基性担体と、Ptコロイド薬液を用いて担
持されたPtと、Pd塩薬液を用いて担持されたPdとから構
成した。Ptは粒径が1〜5nmの比較的大きな粒子となっ
て存在しているので、比表面積が小さく酸化されにくい
ため金属状態を維持しやすい。またPtがPdによって覆わ
れるのが防止されているため、金属ライクなPtの表出面
積が大きくなり、PtのNO酸化活性が高い。そして生成し
たNOx は塩基性担体とPdの両方に吸着するので、NOx
着能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒素酸化物を効率よ
く吸着する窒素酸化物吸着材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車からの排ガス中に含まれるHC,CO
及び窒素酸化物(NOx )を浄化する排ガス浄化用触媒と
して、三元触媒が広く用いられている。この三元触媒
は、アルミナ( Al2O3)、シリカ(SiO2)、ジルコニア
(ZrO2)、チタニア(TiO2)などの多孔質酸化物担体
に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)な
どの貴金属を担持してなるものである。この三元触媒
は、排ガス中のHC及びCOを酸化して浄化するとともに、
NOx を還元して浄化するものであり、理論空燃比近傍の
ストイキ雰囲気で燃焼されたストイキ雰囲気の排ガスに
おいて最も効果的に浄化することができる。
【0003】また近年、二酸化炭素( CO2)の低減を目
的として酸素過剰雰囲気で燃焼するリーンバーンエンジ
ンが用いられている。このリーンバーンエンジンは、常
時は酸素過剰のリーン条件で燃焼させ、一時的にストイ
キ〜リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰囲気と
してNOx を還元浄化するシステムによって駆動されてい
る。そしてこのシステムに最適な触媒として、リーン雰
囲気でNOx を吸蔵し、ストイキ〜リッチ雰囲気で吸蔵さ
れたNOx を放出するNOx 吸蔵元素を用いたNOx吸蔵還元
型の排ガス浄化用触媒が開発されている。
【0004】このNOx 吸蔵還元型触媒を用いれば、空燃
比をリーン側からパルス状にストイキ〜リッチ側となる
ように制御することにより、リーン側ではNOx がNOx
蔵元素に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側で放出
されてHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化されるた
め、リーンバーンエンジンからの排ガスであってもNO x
を効率良く浄化することができる。このようにパルス状
にストイキ〜リッチ側となるように空燃比を制御するこ
とは、「リッチスパイク」と表現されている。
【0005】そして特開平7-163871号公報には、CeO2
どからなるNOx 吸着材が開示され、NOx 還元触媒などと
組み合わせることでNOx 浄化活性を高めることが記載さ
れている。
【0006】ところが従来の三元触媒においては、エン
ジン始動時など貴金属の触媒活性温度以下の低温域では
浄化が困難となるために、低温域におけるHCやNOx の浄
化能が低いという問題がある。
【0007】またNOx 吸蔵還元型触媒では、排ガス温度
が特に 300℃未満の低温域におけるNOx 吸蔵能が不充分
であり、低温域になるほどNOx 吸蔵能が低下するという
不具合がある。そのため始動時や冷間時などの排ガスが
低温域にある場合には、高温域に比べてNOx 浄化能が低
下するという問題があった。
【0008】そして特開平7-163871号公報には、NOx
着材によってNOx 浄化能が向上することは記載されてい
るものの、 300℃未満の低温域におけるNOx の浄化に関
する記載はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、触媒の
浄化挙動について鋭意研究した結果、NOx が除去された
排ガスを排ガス浄化用触媒に接触させることにより、HC
及びCOが低温域から効率よく浄化されることを発見し
た。そして排ガス浄化用触媒の上流側に窒素酸化物吸着
材を配置することで、低温域からHC及びCOを浄化するこ
とができ、浄化温度ウィンドウが拡がることが明らかと
なった。このようになる原因は明らかではないが、NOx
が存在しないことでHC及びCOとO2との反応性が向上した
こと、NOx による貴金属表面の被毒が生じにくいことな
どが考えられる。
【0010】つまり窒素酸化物吸着材はNOx を吸着しや
すく、低温域でもNOx を吸着する。したがって排ガス流
の上流側に窒素酸化物吸着材を配置し、その下流側にNO
x 吸蔵還元型触媒を配置しておけば、低温域においては
NOx をほとんど含まない排ガスがNOx 吸蔵還元型触媒に
供給されるので、NOx 吸蔵還元型触媒から排出される排
ガス中にはNOx はほとんど含まれない。そして排ガス温
度が上昇すると、吸着されていたNOx が窒素酸化物吸着
材から脱離してNOx 吸蔵還元型触媒に供給され、NOx
蔵還元型触媒で還元浄化される。
【0011】この窒素酸化物吸着材としては、アルカリ
金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、希土類元素
の酸化物、 Co3O4,NiO2,MnO2, Fe2O3,ZrO2などの遷
移金属酸化物、ゼオライトなどが例示される。これらを
単独であるいは複数種類組み合わせて窒素酸化物吸着材
とすることができる。また Al2O3、SiO2、SiO2-Al2O3
ZrO2、TiO2、ゼオライトなどの多孔質酸化物担体にアル
カリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれ
る金属元素を担持したものなども用いることができる。
【0012】またZrO2などの塩基性担体は、TiO2などの
酸性担体に比べてNOx を吸着しやすい。したがってZrO2
にアルカリ金属やアルカリ土類金属を添加したものは、
他の窒素酸化物吸着材と比較して特に優れたNOx 吸着能
を示す。そして、アルカリ金属やアルカリ土類金属を添
加したZrO2に、Pt,Rh,Pdなどの貴金属、あるいは Co3
O4,NiO2,MnO2, Fe2O3などの遷移金属酸化物を担持す
ると、NOx 吸着能がさらに向上する。これは、Ptや Co3
O4,NiO2,MnO2, Fe2O3などによって酸化活性が発現
し、排ガス中のNOがNO2 に酸化されることによってNOx
吸着量が増加するためと考えられている。
【0013】ところが本発明者らのさらなる研究によれ
ば、上記した窒素酸化物吸着材は、低温吸着性は高いも
のの、NOx の吸着速度が遅くNOx の吸着量も少ないこと
が明らかとなった。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、NOx 吸着能を向上させることで、低温域に
おけるNOx 吸着能をさらに向上させることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の窒素酸化物吸着材の特徴は、塩基性担体と、Pt−Pd
複合コロイド薬液を用いて塩基性担体に担持されたPt及
びPdとよりなることにある。
【0016】上記課題を解決するもう一つの本発明の窒
素酸化物吸着材の特徴は、塩基性担体と、白金コロイド
薬液を用いて塩基性担体に担持されたPtと、Pd塩薬液を
用いて塩基性担体に担持されたPdとよりなることにあ
る。
【0017】上記した2種類の窒素酸化物吸着材におい
て、塩基性担体はZrO2であることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】排ガス中のNOは、それ自体でもあ
る程度塩基性担体に吸着されるが、酸化されてNOx とな
ることによって塩基性担体により吸着されやすくなると
考えられる。そこで窒素酸化物吸着材のNOx の吸着速度
を向上させ、かつNOx の吸着量を増大させるためには、
NOの酸化反応を促進することが有効である。
【0019】Ptはきわめて酸化活性が高く、NOの酸化反
応の促進に最適である。ところがPtは、酸化白金となっ
たり、他の元素で覆われたりすると酸化活性が低下して
しまうという不具合がある。例えば一般的な白金錯塩水
溶液などを用いて担持されたPtは、微細な原子状として
担持されているため酸化されてPtO2などになりやすい。
【0020】そこで本発明では、PtをPt−Pd複合コロイ
ド薬液又はPtコロイド薬液を用いて担持している。この
ようにして担持されたPtは、10〜数1000の原子が集まっ
た粒径が1〜5nmの比較的大きな粒子となって存在して
いる。これにより金属状態を維持しやすいと考えられ、
担持状態がより金属ライクとなるためNOとPtとの間の電
子授受がより活発化されることによってNOの酸化活性が
さらに向上する。
【0021】またPdには、NOx を吸着する特性があるこ
とが明らかとなった。したがってPdを塩基性担体に担持
することによってNOx の吸着サイトが増え、NOx 吸着量
が増大する。そこで本発明の窒素酸化物吸着材は、塩基
性担体と、塩基性担体に担持されたPt及びPdとから構成
されている。Ptは酸化能に優れるため、排ガス中のNOを
酸化してNO2 などのNOx とする。このNOx が塩基性担体
に吸着するとともに、Pdにも吸着するため、本発明の窒
素酸化物吸着材は高いNOx 吸着能を有している。
【0022】PtによるNOの酸化とPdによるNOx の吸着と
をさらに効率よく行うためには、PtとPdとを近接担持す
ることが望ましい。そこで本発明の一つの窒素酸化物吸
着材では、Pt及びPdはPt−Pd複合コロイド薬液を用いて
担持されている。Pt−Pd複合コロイドでは、Ptの粒子の
周りにPd粒子が複数個付着した状態のコロイド粒子とな
っているため、Pt−Pd複合コロイド薬液を用いて担持す
ることによりPtとPdを近接担持することができ、これに
よりNOx 吸着能がさらに向上する。
【0023】ところがPt−Pd複合コロイド薬液を用いて
担持した場合には、PtがPdによって覆われた状態となっ
ているため、PtによるNOの酸化活性が低下しNOx 吸着能
が低下する懸念がある。そこで本発明のもう一つの窒素
酸化物吸着材では、PtをPtコロイド薬液を用いて担持す
るとともに、PdをPd塩薬液を用いて担持している。これ
によりPtはコロイドとして比較的大きな粒子で担持さ
れ、Pdは原子状の微細な状態で均一に担持されるので、
Ptの周囲にPdが凝集して覆うような不具合がない。した
がって金属ライクなPtの表出面積を大きくすることがで
き、Ptの酸化活性を高く維持したままPdのNOx 吸着活性
を発現させることができる。
【0024】塩基性担体としては、ZrO2, Al2O3, MgA
l2O4, MgOなどが例示される。中でも塩基性が高くNOx
の吸着特性に優れ、かつ吸着したNOx をリッチスパイク
時に放出しやすいZrO2が特に好ましい。またLa,K及び
Caから選ばれる少なくとも一つの元素を含むZrO2を用い
れば、熱安定性が向上し耐久性が向上するとともに、NO
x 吸着速度及びNOx 吸着量が一層向上する。
【0025】このような元素の添加が効果的な原因は明
らかではないが、この元素がZrO2格子中に固溶して複合
化され、それによってZrO2表面が改質されて新たにNOx
吸着サイトが生成されるからであろうと考えられる。
【0026】なおLa,K及びCaから選ばれる少なくとも
一つの元素の含有量は、1〜10モル%の範囲とすること
が望ましい。含有量がこの範囲より少ないと熱安定性を
保つのが困難であり、この範囲より多くなるとZrO2のNO
x 吸着サイトである水酸基を有効に利用できず、NOx
吸着能が低下するとともにNOx 浄化能も低下する。
【0027】貴金属コロイド薬液は、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子の水溶
液中に水溶性貴金属塩とアルコールを混合して加熱し、
高分子保護貴金属コロイドを形成することで調製するこ
とができる。この方法は高分子保護法と称されている。
そして、この高分子保護貴金属コロイドの水溶液中に上
記した塩基性担体粉末を分散させ、それを乾燥・焼成す
ることで貴金属を比較的大きな粒子として担持すること
ができる。また、静電効果を利用する方法、高分子鎖の
担体への吸着を利用する方法などを用いて担持してもよ
い。
【0028】Pt−Pd複合コロイド薬液又はPtコロイド薬
液を用いて担持されているPtの粒径としては、1〜5nm
の範囲とすることが好ましい。理論的には、粒径を1〜
5nmとすれば構成原子数は10〜3000となる。Ptの粒径が
1nmより小さいと原子状態に近くなり、Pdに覆われやす
くなるためNO酸化活性の低下によりNOx の吸着能が低下
する。また粒径が5nmより大きくなると表面積が低下す
るため活性点が少なくなり、NO酸化活性の低下によりNO
x の吸着能が低下する。
【0029】Pd塩薬液としては硝酸パラジウム、塩化パ
ラジウムなどの酸性の薬液を用いることができる。なお
PtをPtコロイド薬液を用いて担持し、PdをPd塩薬液を用
いて担持する場合、その順序は問わない。なかでも、先
ずPdを担持した後にPtを担持することが特に望ましい。
このようにすれば、PtがPdによって覆われるのを確実に
回避することができるので、特に高いNOx 吸着能が発現
される。
【0030】Ptの担持量は、塩基性担体 120g当たり1
〜5gの範囲が好ましい。担持量がこれより少ないとNO
酸化活性の低下によりNOx の吸着能が低くなり、これよ
り多く担持しても効果が飽和するとともにコストアップ
となる。またPdの担持量は、塩基性担体 120g当たり
0.5〜 2.5gの範囲が好ましい。担持量がこれより少な
いとNO吸着活性の低下によりNOx の吸着能が低くなり、
これより多く担持しても効果が飽和するとともにコスト
アップとなる。
【0031】そして本発明の窒素酸化物吸着材は、下記
のような排ガス浄化方法に用いることができる。つまり
本発明の窒素酸化物吸着材を先ず酸素過剰のリーン雰囲
気の排ガス中に配置して排ガス中のNOx を吸着する。排
ガス中のNOは、Ptの触媒作用により効率よく酸化されて
NOx となり、塩基性担体及びPdに効率よく吸着される。
したがって低温域においてもNOx をよく吸着し、吸着速
度が大きく吸着量も多い。このリーン雰囲気としては特
に制限がないが、空燃比( A/F)を15〜50として燃焼さ
れた排ガス雰囲気が適当である。
【0032】続いて排ガス中の酸素濃度を一時的に低下
させストイキ〜リッチ雰囲気とすると、窒素酸化物吸着
材に吸着されていたNOx が放出され、放出されたNOx
担持されている金属ライクなPtとPdの触媒作用により排
ガス中のCO,HCなどと反応して還元浄化される。このス
トイキ〜リッチ雰囲気も特に制限されないが、空燃比
( A/F)を10〜14程度として燃焼された排ガス雰囲気が
適当である。また酸素濃度を一時的に低下させるリッチ
スパイクの時間あるいは頻度は、目的に応じて種々設定
することができる。
【0033】上記したように、本発明の窒素酸化物吸着
材だけでも、NOx を吸着して還元することが可能であ
る。しかし、NOx をさらに効率よく還元浄化するために
は、本発明の窒素酸化物吸着材の下流側の排ガス流路に
三元触媒又はNOx 吸蔵還元型触媒を配置することが望ま
しい。これにより窒素酸化物吸着材から放出されて窒素
酸化物吸着材では還元しきれなかったNOx を下流側の触
媒で還元浄化することができ、ストイキ〜リッチ雰囲気
におけるNOx の排出量を一層低減することができる。ま
た下流側の触媒にNOx 吸蔵還元型触媒を用いれば、上記
と同様にストイキ〜リッチ雰囲気におけるNOx の排出量
を一層低減することができるとともに、排ガス中のNOx
が異常に多く窒素酸化物吸着材で吸着しきれなかったNO
x をNOx 吸蔵還元型触媒に吸蔵することができるので、
酸素過剰のリーン雰囲気におけるNO x の排出量も一層低
減することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0035】(実施例1)水 200gに PtCl4(5H2O)を2.
1893gと、PdCl3(3H2O)を2.8418gとを混合した水溶液
と、水 200g数平均分子量25,000のポリビニルピロリド
ン5.74gを混合した水溶液とをそれぞれ調製し、両水溶
液を混合後撹拌して均一な水溶液を調製した。この水溶
液に 200gのエタノールを加え、90℃で4時間環流して
Pt−Pd複合コロイド(Pt:50重量%、Pd:50重量%)薬
液を得た。
【0036】このPt−Pd複合コロイド薬液中に所定量の
ZrO2粉末を投入し、 200℃で約2時間撹拌して蒸発乾固
させた。これを 120℃で2時間乾燥後 500℃で2時間焼
成し、窒素酸化物吸着材粉末を得た。この窒素酸化物吸
着材粉末では、ZrO2の 120gに対してPtが1g、Pdが1
g担持されている。この粉末を 65MPa×2分の条件でC
IP成形し、それを粉砕して大きさ 0.5〜 0.8mmのペレ
ット状とした。
【0037】(実施例2)水 200gと PtCl4(5H2O)4.37
86gとを混合した水溶液と、水 200gに数平均分子量2
5,000のポリビニルピロリドン5.74gを混合した水溶液
とをそれぞれ調製し、両水溶液を混合後撹拌して均一な
水溶液を調製した。この水溶液に 100gのエタノールを
加え、90℃で4時間還流してPtコロイド薬液を得た。
【0038】一方、所定量のZrO2粉末を所定濃度の硝酸
パラジウム水溶液の所定量中に投入し、200℃で約2時
間撹拌して蒸発乾固させた。これを 120℃で2時間乾燥
後 500℃で2時間焼成してPd/ZrO2粉末を得た。
【0039】次に、このPd/ZrO2粉末を上記Ptコロイド
薬液中に投入し、 200℃で約2時間撹拌して蒸発乾固さ
せた。これを 120℃で2時間乾燥後 500℃で2時間焼成
して、さらにPtを担持した。この窒素酸化物吸着材粉末
では、ZrO2の 120gに対してPtが1g担持され、Pdが1
g担持されている。この粉末を 65MPa×2分の条件でC
IP成形し、それを粉砕して大きさ 0.5〜 0.8mmのペレ
ット状とした。
【0040】(実施例3)水 200gと PtCl4(5H2O)4.37
86gとを混合した水溶液と、水 200gに数平均分子量2
5,000のポリビニルピロリドン5.74gを混合した水溶液
とをそれぞれ調製し、両水溶液を混合後撹拌して均一な
水溶液を調製した。この水溶液に 100gのエタノールを
加え、90℃で4時間還流してPtコロイド薬液を得た。
【0041】硝酸パラジウム水溶液中にZrO2粉末を投入
後、約5分後にPtコロイド薬液を投入し、 200℃で約2
時間撹拌して蒸発乾固させた。これを 120℃で2時間乾
燥後500℃で2時間焼成し、窒素酸化物吸着材粉末を得
た。この窒素酸化物吸着材粉末では、ZrO2の 120gに対
してPtが1g、Pdが1g担持されている。この粉末を65
MPa×2分の条件でCIP成形し、それを粉砕して大き
さ 0.5〜 0.8mmのペレット状とした。
【0042】(比較例1)水 200gと PtCl4(5H2O)4.37
86gとを混合した水溶液と、水 200gに数平均分子量2
5,000のポリビニルピロリドン5.74gを混合した水溶液
とをそれぞれ調製し、両水溶液を混合後撹拌して均一な
水溶液を調製した。この水溶液に 100gのエタノールを
加え、90℃で4時間還流してPtコロイド薬液を得た。
【0043】このPtコロイド薬液中にZrO2粉末を投入
し、 200℃で約2時間撹拌して蒸発乾固させた。これを
120℃で2時間乾燥後 500℃で2時間焼成し、窒素酸化
物吸着材粉末を得た。この窒素酸化物吸着材粉末では、
ZrO2の 120gに対してPtが2g担持されている。この粉
末を 65MPa×2分の条件でCIP成形し、それを粉砕し
て大きさ 0.5〜 0.8mmのペレット状とした。
【0044】(比較例2)水 200gに PtCl4(5H2O)を2.
1893gと、RhCl3(3H2O) 2.5597gとを混合した水溶液
と、水 200g数平均分子量25,000のポリビニルピロリド
ン5.74gを混合した水溶液とをそれぞれ調製し、両水溶
液を混合後撹拌して均一な水溶液を調製した。この水溶
液に 100gのエタノールを加え、90℃で4時間環流して
Pt−Rh複合コロイド(Pt:50重量%、Rh:50重量%)薬
液を得た。
【0045】このPt−Rh複合コロイド薬液中にZrO2粉末
を投入し、 200℃で約2時間撹拌して蒸発乾固させた。
これを 110℃で2時間乾燥後 500℃で2時間焼成し、窒
素酸化物吸着材粉末を得た。この窒素酸化物吸着材粉末
では、ZrO2の 120gに対してPtが1g、Rhが1g担持さ
れている。この粉末を 65MPa×2分の条件でCIP成形
し、それを粉砕して大きさ 0.5〜 0.8mmのペレット状と
した。
【0046】<試験・評価>それぞれの窒素酸化物吸着
材を評価装置に配置し、図1に示す条件でNO吸着量をそ
れぞれ測定した。先ずN2ガス雰囲気にて昇温速度17.5℃
/分で室温から 450℃まで加熱し、 450℃で10分間保持
する。その後 100℃まで冷却し、表1に示すモデルガス
を流して 100℃で30分間NOを吸着させる。モデルガスの
流量は7L/分である。その後昇温速度17.5℃/分で 4
50℃まで加熱し、 450℃で10分間保持する。そして出ガ
ス中のNOx 濃度を連続的に測定し、NO吸着量を求めた。
それぞれの結果を図2に示す。
【0047】窒素酸化物吸着材にNOが飽和吸着すると、
その後NOはPt上でNOx (x>1)となった後吸着されず
に素通りする。したがって、その時の入りガス(NO)と
出ガス(NO+NOx )の差を、NO酸化活性の指標とするこ
とができる。
【0048】
【表1】
【0049】図2より、各実施例の窒素酸化物吸着材は
比較例1に比べてNO吸着量が多く、これはPtを複合コロ
イド薬液として担持するとともに、Ptに加えてPdをさら
に担持したことに起因する効果であることが明らかであ
る。
【0050】また実施例どうしを比較すると、実施例1
より実施例2の方がNO吸着量が多く、PdをPt−Pd複合コ
ロイド薬液を用いて担持するより硝酸パラジウム薬液を
用いて担持する方が好ましいことがわかる。
【0051】また実施例3では、同じ原料を用いて得ら
れた実施例2よりもNO吸着量が少ないが、これは実施例
3ではPtとPdを同時に担持したためにPtがPdによって覆
われてNO酸化活性が低下したためと考えられる。したが
って先ず硝酸パラジウム薬液を用いてPdを担持し、その
後Ptコロイド薬液を用いてPtを担持するのが最適である
ことが明らかである。
【0052】さらに比較例2のPt−Rh系の窒素酸化物吸
着材では、PtとRhを共に複合コロイド薬液を用いて担持
しているにも関わらず比較例1よりもNO吸着量が少な
く、実施例1のPt−Pd系ほどの活性は到底得られない。
これから、Rhは全く効果がなく、Pdが特異な効果を発現
していることがわかり、PdがNOx の吸着サイトとなって
いることが示唆される。
【0053】
【発明の効果】すなわち本発明の窒素酸化物吸着材によ
れば、低温域におけるNOx 吸着量が多く、NOx 吸着能に
優れている。したがって本発明の窒素酸化物吸着材を自
動車の排ガス系に用いれば、低温域におけるNOx の排出
を一層抑制することができ、NO x 浄化率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における試験に用いた温度条件を示すタ
イムチャートである。
【図2】実施例及び比較例の窒素酸化物吸着材のNO吸着
量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AB03 AB04 AB06 AB09 BA03 BA14 BA15 BA19 CB02 FA02 FA04 FA12 FA13 FB02 FB10 FB11 FB12 FC07 GB01Y GB06W GB06Y GB07W GB07Y GB10Y HA18 HA20 4D002 AA12 AC10 BA04 DA11 DA21 DA25 EA08 FA01 HA02 4D048 AA06 AB03 AB05 CD01 CD08 EA10 4G066 AA25B AA27A AA28B CA28 DA02 FA12 GA01 GA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性担体と、Pt−Pd複合コロイド薬液
    を用いて該塩基性担体に担持された白金及びパラジウム
    とよりなることを特徴とする窒素酸化物吸着材。
  2. 【請求項2】 塩基性担体と、白金コロイド薬液を用い
    て該塩基性担体に担持された白金と、パラジウム塩薬液
    を用いて該塩基性担体に担持されたパラジウムとよりな
    ることを特徴とする窒素酸化物吸着材。
  3. 【請求項3】 前記塩基性担体はZrO2であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の窒素酸化物吸着
    材。
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