JP2001294953A - アルミニウムの精製方法及びその用途 - Google Patents

アルミニウムの精製方法及びその用途

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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い製品歩留りが得られ、Si、Feなどの共
晶不純物が十分に低減できるアルミニウムの精製方法お
よび該方法により得られる精製Alの用途を提供する。 【解決手段】保持容器N+1個(Nは2以上の整数)と
冷却体N個を用意して番号を付け、最初にN+1個の保
持容器に精製の原料となるAlを溶融状態で保持後、一
連の工程[純度の高いAlを晶出(1)、容器と冷却体
を相対的に移動(2)、精製Alを融解(3)、容器と
冷却体を相対移動させ、精製された溶融Alを回収
(4)]を2回以上繰り返し行い、その後1番目の保持
容器の溶融Alを排出し、n+1番目(nは1からNま
での整数)の保持容器の溶融Alをn番目の保持容器に
順次移し替え、N+1番目の容器に工程(4)にて回収
された精製されたAlの一部を溶融状態で供給するまで
を1サイクルとするアルミニウムの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムの精
製方法およびその用途に関する。詳しくは、偏析原理を
利用して工業的に有利で、Si、Feなどの共晶不純物
を十分に低減し得る、高純度アルミニウムの製造方法お
よび該方法により得られた精製アルミニウムの用途に関
する。
【0002】
【従来の技術】偏析原理を利用したアルミニウムの精製
方法としては、保持容器内に保持した溶融アルミニウム
を下方または側面から冷却凝固させる際に,その凝固界
面近傍の溶融アルミニウムを攪拌する方法や、溶融アル
ミニウムを保持する容器の内壁や溶融アルミニウムに浸
漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をかき
落として保持容器の底部にピストンなどにより押し固め
る方法、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を回転させ
ながら、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出
させる方法などが知られている。
【0003】特公昭59−41500号公報には、撹拌
子を備えたるつぼ内に精製すべき溶融アルミニウムを入
れ、るつぼ底部より冷却し、攪拌子を回転、上昇させな
がらアルミニウムを凝固成長させる高純度アルミニウム
の製造方法が開示されている。
【0004】また、特公平1−37458号公報には、
水平な床を備え、側壁が断熱構造となっている容器に溶
融アルミニウムを収容し、該溶融アルミニウムに攪拌機
を挿入して攪拌しながら、一方では該床内部の冷却媒体
流通管に冷却媒体を流通させ、他方では該溶融アルミニ
ウムの表面を加熱することにより、該床表面にアルミニ
ウム結晶を晶出させるアルミニウムの純化方法が開示さ
れている。
【0005】また、特開平5−125462号公報に
は、溶融アルミニウムを容器内に保持し、該容器の上部
および側部を制御された温度条件下に保温管理し、該容
器底部より冷却しながら、該容器をその垂直軸を中心に
回転させると同時に、該容器中の溶融アルミニウムを該
容器回転方向と逆方向に攪拌子により回転させることに
より容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させるア
ルミニウムの精製方法が開示されている。
【0006】また、特開昭59−170227号公報に
は、溶融アルミニウムを保持した容器の内壁に純度の高
いアルミニウム結晶を晶出させ、該結晶を容器底部に掻
き落とし、沈積した結晶を押し固めるアルミニウムの精
製方法が開示されている。
【0007】また、特開昭62−158830号公報に
は、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体の表面に晶出し
たアルミニウム結晶をピストンによって容器底部に圧縮
し、残留する溶融アルミニウムを排出するアルミニウム
の精製方法が開示されている。
【0008】また、特公昭61−3385号公報には、
溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を特定の条件で回転
させながら、その表面に純度の高いアルミニウムを晶出
させるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の技術においては、得られる精製アルミニウム中
の不純物を必ずしも十分には低減できない。その理由
は、偏析原理を利用したこれらのアルミニウムの精製方
法においては、1回の精製操作で低減できる共晶不純物
の割合に限界があることにある。
【0010】偏析原理を利用した精製方法において、不
純物の低減割合は、精製係数(=精製アルミニウム中の
不純物元素の濃度/精製の原料となるアルミニウム中の
不純物元素の濃度)で表わすことができる。例えば、S
i、Feなどの共晶不純物を含む精製の原料となるアル
ミニウムを偏析原理を利用した精製方法により精製する
場合、これら共晶元素の精製係数は通常1よりも小さい
ので低減は可能であるが、Al−Si、Al−Fe等の
状態図等で示される平衡分配係数(=精製アルミニウム
中の不純物元素の平衡濃度/溶融した精製の原料となる
アルミニウム中の不純物元素の平衡濃度)未満に低減す
ることは一般的には困難である。実際には、平衡分配係
数よりも大きい実効分配係数(不純物元素の濃度が凝固
界面の溶融した精製の原料となるアルミニウム側で平衡
濃度よりも増大する場合の分配係数)未満に低減するこ
とは一般的には困難である。また、工業的にアルミニウ
ムの精製を行なう場合は、溶融した精製の原料となるア
ルミニウムの20〜70%程度を晶出させるが、晶出量
の増大にともない、溶融した精製の原料となるアルミニ
ウム中の共晶不純物元素の濃度が増大する結果、精製係
数はより大きい値となり、得られる精製アルミニウム中
の不純物を十分には低減できないのである。
【0011】2回以上の精製操作を工業的に実施する方
法として、雑誌「省エネルギー、35巻、4号、45頁
(1983年)」に、コージュナルプロセスなる方法が
開示されている。
【0012】本発明の目的は、全体プロセスにおける製
品歩留り(=精製されたアルミニウムの回収量/精製の
原料となるアルミニウムの投入量)が更に向上し、しか
もSi、Feなどの共晶不純物が十分に低減できる、ア
ルミニウムの精製方法および該方法により得られる精製
アルミニウムの用途を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる状
況に鑑み、偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法
について鋭意検討した結果、精製工程を特殊な方法によ
り連続化することにより、工業的に有利な、共晶不純物
を極めて効率よく低減し得るアルミニウムの精製方法を
見出し本発明を完成させるに至った。
【0014】すなわち、本発明は、以下の1.〜11.
から成る。 1.保持容器N+1個(Nは2以上の整数)と冷却体N
個を用意し、N+1個の保持容器に1からN+1までの
番号を付けN個の冷却体に1からNまでの番号を付け、
N+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを
溶融状態で保持した後、以下の一連の工程(1)から
(4)を2回以上繰り返し行い、その後1番目の保持容
器に保持された溶融アルミニウムを排出し、n+1番目
(nは1からNまでの整数)の保持容器に保持された溶
融アルミニウムをn番目の保持容器にnが順に1からN
となる順番で移し替え、工程(4)にて回収された、精
製されたアルミニウムの一部を溶融状態でN+1番目の
容器に供給するまでを1サイクル目とし、2サイクル目
以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のア
ルミニウムを溶融状態で保持した後、1サイクル目にお
けるN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウ
ムを溶融状態で保持した後の操作を1サイクル目と同様
に行うアルミニウムの精製方法。 (1)N個の冷却体をn番目の保持容器に保持された溶
融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬するように浸漬
し、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させ
る工程、(2)純度の高いアルミニウムが表面に晶出し
たN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、
n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに
n番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を
相対的に移動させ、また、1番目の保持容器に精製の原
料となるアルミニウムを補給する工程(但し、各サイク
ルにおける一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最
終回は補給しなくともよい)、(3)純度の高いアルミ
ニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の
保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却
体が浸漬するように浸漬して、N個の冷却体の表面に晶
出した純度の高いアルミニウムを融解する工程、(4)
N個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n
番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目
の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的
に移動させ、また、N+1番目の保持容器から精製され
た溶融アルミニウムを回収する工程(但し、各サイクル
における一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終
回は回収しなくともよい)。
【0015】2.Nが2または3である上記1.に記載
のアルミニウムの精製方法。 3.各保持容器に保持するアルミニウムの純度が精製の
原料となるアルミニウムよりも高く、かつn+1番目の
保持容器に保持するアルミニウムの純度がn番目の保持
容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純
度以上であるアルミニウムを、最初にN+1個の保持容
器に溶融状態で保持する上記1.または2.に記載のア
ルミニウムの精製方法。 4.1つのサイクルにおいて、一連の工程(1)から
(4)を5ないし15回繰り返し行う上記1.〜3.の
いずれかに記載のアルミニウムの精製方法。 5.工程(1)において、N個の冷却体をn番目の保持
容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が
浸漬するように浸漬する前に、1番目の保持容器に保持
された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器
に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給する
工程を、1つのサイクルにおいて1ないし2回実施する
上記1.〜4.のいずれかに記載のアルミニウムの精製
方法。
【0016】6.工程(1)において、N個の冷却体を
n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番
目の冷却体が浸漬するように浸漬し、冷却体を中心に冷
却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融
アルミニウム中でガス気泡を形成するガスを溶融アルミ
ニウム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニ
ウムを晶出させる上記1.〜5.のいずれかに記載のア
ルミニウムの精製方法。 7.ガス気泡を形成するガスが空気である上記6.に記
載のアルミニウムの精製方法。 8.工程(1)において、N個の冷却体をn番目の保持
容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が
浸漬するように浸漬し、冷却体を回転させながら冷却体
の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる上記1.
〜7.のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。 9.工程(1)において、N個の冷却体をn番目の保持
容器に保持された溶融アルミニウムに、周面の温度がア
ルミニウムの融点未満のn番目の冷却体が浸漬するよう
に回転させながら浸漬する、及び/又は、工程(2)に
おいて、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個
の冷却体を、回転させながら溶融アルミニウムから引き
上げる上記1.〜8.のいずれかに記載のアルミニウム
の精製方法。 10.全体プロセスにおけるSi、Feの精製係数(=
精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/精製の原料と
なるアルミニウム中の不純物元素の濃度)がそれぞれ
0.1以下、0.05以下であり、かつ、製品歩留まり
(=回収製品量/精製の原料となるアルミニウムの投入
量)が0.4を超える上記1.〜9.のいずれかに記載
のアルミニウムの精製方法。 11.上記1.〜10.のいずれかに記載の方法により
得られた精製アルミニウムを原料として用いた電解コン
デンサー用アルミニウム箔。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、溶融ア
ルミニウムを保持するための保持容器をN+1個と、該
保持容器に保持された溶融アルミニウムに浸漬し、表面
に純度の高いアルミニウムを晶出させる冷却体N個を用
いる。N+1個の保持容器は1番目からN+1番目ま
で、N個の冷却体は1番目からN番目までそれぞれ順に
番号をつける。保持容器ならびに冷却体の溶融アルミニ
ウムとの接触面は、アルミニウムを汚染しないか、また
は、汚染が生じても晶出するアルミニウムの純度にほと
んど影響しないような材質で構成されていることが好ま
しい。溶融アルミニウムとの接触面を構成する材質とし
ては、例えば、アルミナ、マグネシア、カルシアなどの
酸化物セラミックス、窒化けい素、炭化けい素、窒化ほ
う素などの非酸化物セラミックス、および黒鉛、炭素な
どが採用可能である。さらに、上記材質を複合化して用
いたり、表面処理して用いることも可能である。また、
通常、鉄、ステンレスなどの金属は溶融アルミニウムと
接触して溶融アルミニウムを汚染するが、上述したよう
な非汚染物質を金属の表面に処理して用いることも可能
である。
【0018】本発明の方法においては、まず最初にN+
1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融
状態で保持する。精製の原料となるアルミニウムは、状
態図のアルミニウム隅で共晶反応を示すSi、Feなど
の共晶元素を不純物として含む。その外に、Ti、Vな
どの包晶元素を含む場合もあるが、偏析原理を利用した
精製方法において、包晶元素を共晶元素と同時に除去す
ることは困難で、逆に濃縮する傾向がある。従って、こ
れらの包晶元素の低減が必要な場合には、溶融アルミニ
ウムにB(ほう素)を添加してTi、Vなどのほう化物
を形成させ、分離する所謂ボロン処理を実施することが
好ましい。ボロン処理については、例えば「アルミニウ
ム材料の基礎と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第
343頁(1985年)に記載されているように、ほう
弗化カリやAl−B合金の形でBを投入しTi、Vなど
のほう化物を形成させ、沈降、除去することが多い。本
発明の方法において、精製の原料となるアルミニウムの
純度は99wt%から99.99wt%程度が好まし
い。精製の原料となるアルミニウムは、例えば、別途溶
解炉などにて融解し、精製に用いられる容器に溶融状態
で供給して保持するが、固体状態で容器に供給した後、
容器内で融解しても何ら差し支えない。
【0019】本発明の方法において、まず最初にN+1
個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状
態で保持した場合、一連の工程(1)から(4)を繰返
すに従い、n+1番目の保持容器に保持されるアルミニ
ウムの純度はn番目の保持容器に保持されるアルミニウ
ムの純度よりも高くなっていく。本発明の好ましい態様
においては、最初にN+1個の保持容器に、純度が精製
の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保
持容器に保持するアルミニウムの純度が、n番目の保持
容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純
度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持した後、一
連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行う。こ
こで言う所定の純度とは、本発明の方法においてサイク
ルを数サイクル以上繰返して精製アルミニウムの生産を
続けた後に到達する各サイクル開始前の各保持容器内の
溶融アルミニウムの純度である。言い換えると、本発明
の方法において、N+1個の保持容器に溶融状態で保持
されるアルミニウムの純度が、各精製サイクルの開始時
に各精製サイクルのn番目同士の保持容器に保持される
溶融アルミニウムの純度がそれぞれ等しくなるような純
度である。該所定の純度は、最初にN+1個の保持容器
に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持し
て、本発明の方法を数サイクル以上繰返し実施した後
に、サイクル開始時の保持容器N+1個にそれぞれ保持
された溶融アルミニウムの純度である。
【0020】また、該所定の純度は、工程(2)におい
て1番目の保持容器に補給する精製の原料となるアルミ
ニウム中の不純物濃度、工程(1)での回収率(%)
(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量×1
00)、1回の精製操作における不純物元素の精製係数
(=晶出アルミニウム中の不純物元素の濃度/晶出前の
溶融アルミニウム中の不純物元素の濃度)、一連の工程
(1)から(4)の繰り返し回数を決めれば、例えばパ
ーソナルコンピューター等による収束計算にて求めるこ
とも可能である。好ましい態様に示すように、最初に、
N+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミ
ニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するア
ルミニウムの純度が、n番目の保持容器に保持するアル
ミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミ
ニウムを溶融状態で保持しておくことにより、一連の工
程(1)から(4)を繰り返す場合に、繰返しの初回か
ら極めて純度が高い、精製されたアルミニウムが回収さ
れ、かつ、一連の工程(1)から(4)の繰返しにより
回収される精製されたアルミニウムの純度の変化が小さ
くなる。また、1つの精製サイクルで回収される精製さ
れたアルミニウムの純度の平均値の、精製のサイクル間
での変化も小さくなる。
【0021】本発明の方法における一連の工程(1)か
ら(4)について、以下に説明する。工程(1)におい
ては、N個の冷却体をn番目の保持容器に保持された溶
融アルミニウムに、n番目の冷却体が浸漬するように浸
漬し、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出さ
せる。冷却体を溶融アルミニウムに浸漬する方法につい
ては特に制限はなく、保持容器を移動させても、冷却体
を移動させても、両方を移動させてもよい。冷却体には
何らかの冷却手段が付加されていることが望ましく、例
えば、中空構造にして内部に冷却媒体を循環させるなど
の方法が採用可能である。冷却体の内部に循環させる冷
却媒体については特に制限はないが、例えば、空気、窒
素、二酸化炭素、不活性ガスなどの気体、水、シリコン
オイルなどの液体が採用可能である。冷却能力を増大さ
せるために、気体を加湿してもよい。また、冷却体の表
面に晶出するアルミニウムの純度をより高くするための
好ましい態様として以下の方法が実施可能である。
【0022】(a)冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融
アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融アルミニウム中で
ガス気泡を形成するガスを溶融アルミニウム中に導入し
て冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる
方法。また、冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融アルミ
ニウムに働く遠心加速度が、0.01m/s2以上、1
500m/s2以下の範囲になるように溶融アルミニウ
ムを旋回させ、かつガス気泡を形成するガスの導入量が
晶出させるアルミニウム1kg当たりにつき0.01〜
150リットル(25℃、1気圧)の範囲になるように
ガス気泡を溶融アルミニウム中に導入して冷却体の表面
に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法。これらの
場合、溶融アルミニウム中でガス気泡を形成するガスの
種類としては、基本的にはその温度で溶融アルミニウム
中で気体状態であり、溶融アルミニウム中に多量に溶解
しないガスが好ましく、ヘリウム、アルゴン等の溶融ア
ルミニウムに対して不活性なガス、窒素等の溶融アルミ
ニウムに対して実質的に不活性なガス、空気、塩素、塩
化物ガス、またはこれらの混合ガスが利用可能である。
ガス気泡を形成するガスの種類が空気であることがより
好ましい。冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ
るにあたっては、例えば、冷却体を回転させる、保持容
器を回転させる、攪拌子または電磁力により溶融アルミ
ニウムを旋回させるなどの方法が採用可能である。 (b)冷却体を回転させて冷却体の表面に純度の高いア
ルミニウムを晶出させる方法。 (c)冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬
していく方法。この場合、周面がアルミニウムの融点未
満の温度の冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに
浸漬していくことにより、精製時間の短縮もはかること
ができる。好ましくは、工程(1)において、n番目の
保持容器に保持された溶融アルミニウムに、周面がアル
ミニウムの融点未満の温度のn番目の冷却体を、該冷却
体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速度が、10
00mm/s以上、8000mm/s未満となるように
回転させながら溶融アルミニウムに浸漬するとともに冷
却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる。該
冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬する場
合、溶融アルミニウムは融点以上、好ましくは670℃
以上に加熱されている必要がある。冷却体の表面に晶出
させる純度の高いアルミニウムの量、即ち単位精製工程
での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融ア
ルミニウム量×100)は、通常20%〜70%程度で
あり、好ましくは20%〜50%、より好ましくは20
%〜35%である。
【0023】工程(2)においては、純度の高いアルミ
ニウムが表面に晶出したN個の冷却体を溶融アルミニウ
ムから引き上げた後、n+1番目の保持容器に保持され
た溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるよう
に、保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、1番
目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを補給す
る。精製されたアルミニウムの純度をより高くするため
の好ましい態様として、純度の高いアルミニウムが表面
に晶出したN個の冷却体を、回転させながら溶融アルミ
ニウムから引き上げていく方法が実施可能である。工程
(2)において、純度の高いアルミニウムが表面に晶出
したN個の冷却体を、該冷却体の外周表面と溶融アルミ
ニウムとの相対速度が500mm/s以上、4000m
m/s未満となるように回転させながら溶融アルミニウ
ムから引き上げる方法がさらに好ましい。また、工程
(1)および工程(2)において、冷却体を回転させな
がら溶融アルミニウムに浸漬していく方法[工程
(1)]と、純度の高いアルミニウムが表面に晶出した
N個の冷却体を回転させながら溶融アルミニウムから引
き上げる方法[工程(2)]の何れか一方の方法を採用
しても良く、また、双方の方法を採用しても良い。
【0024】冷却体を溶融アルミニウムから引き上げる
方法、ならびに、保持容器と冷却体を相対的に移動させ
る方法については特に制限はなく、保持容器を移動させ
ても、冷却体を移動させても、両方を移動させてもよ
い。例えば、各冷却体と各保持容器を等間隔に配置して
おき、各冷却体を同時に引き上げ、その後、各保持容器
を同時に移動させるなどの方法が採用可能である。1番
目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの量は、工
程(1)において1番目の冷却体の表面に晶出した純度
の高いアルミニウムの量が投入した精製の原料となるア
ルミニウムの量よりも減少しているため、精製の原料と
なるアルミニウムをその減少分だけ補給する。但し、一
連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は、その
後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排
出するため、補給しなくともよい。
【0025】工程(3)においては、純度の高いアルミ
ニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の
保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却
体が浸漬するように浸漬して、N個の冷却体の表面に晶
出した純度の高いアルミニウムを融解する。冷却体を溶
融アルミニウムに浸漬する方法については、工程(1)
と同様に特に制限はなく、保持容器を移動させても、冷
却体を移動させても、両方を移動させてもよい。冷却体
の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融点以上に
加熱された溶融アルミニウムに浸漬して融解させる。融
解する際に溶融アルミニウムを加熱する手段については
特に制限はないが、重油、軽油、灯油などの燃料油、プ
ロパンガス、液化石油ガスなどの燃料ガスなどの燃焼、
あるいは電気による抵抗加熱ヒーター等を用いて、保持
容器の外周面および/または溶融アルミニウムの上面か
ら加熱することが可能である。冷却体の内部に加熱手段
を装備しておき、冷却体を加熱しても何ら差し支えな
い。なお、冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニ
ウムを融解する際に、冷却体の周囲で溶融アルミニウム
を旋回させたり、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を
回転させることによって融解を促進することも可能であ
る。
【0026】工程(4)においては、N個の冷却体を溶
融アルミニウムから引き上げた後、n番目の保持容器に
保持された溶融アルミニウム中に、n番目の冷却体が浸
漬できるように、保持容器と冷却体を相対的に移動さ
せ、また、N+1番目の保持容器から精製された溶融ア
ルミニウムを回収する。冷却体を溶融アルミニウムから
引き上げる方法、ならびに、保持容器と冷却体を相対的
に移動させる方法については、工程(2)と同様に特に
制限はない。N+1番目の保持容器に保持された溶融ア
ルミニウムの量は、工程(3)においてN番目の冷却体
の表面から融解した純度の高いアルミニウムの量分が増
加しているため、精製されたアルミニウムとしてその増
加分を回収する。但し、一連の工程(1)から(4)の
繰り返しの各サイクルにける最終回は、その後N+1番
目の保持容器がN番目の保持容器となるため、回収しな
くともよい。
【0027】本発明の方法においては、以上に詳述した
一連の工程(1)から(4)を2回以上繰返して行う。
n番目の保持容器でn番目の冷却体の表面に晶出させた
純度の高いアルミニウムを、n+1番目の保持容器で融
解することの繰返しにより、より大きい番号の保持容器
に保持された溶融アルミニウムほど純度が高くなり、N
+1番目の保持容器から回収される精製された溶融アル
ミニウムは、極めて純度が高い高純度アルミニウムとな
るのである。一連の工程(1)から(4)の繰返しの回
数については、2回以上であれば特に制限はないが、繰
返し回数が少な過ぎると製品歩留まり(回収製品量/精
製の原料となるアルミニウムの投入量)が低く、また、
繰返し回数が増大するにつれてより小さい番号の保持容
器に保持された溶融アルミニウムほど純度が低くなり、
結果としてN+1番目の保持容器から回収される精製さ
れた溶融アルミニウムの純度が低下する。好ましい繰返
し回数は5〜15回である。
【0028】本発明の方法において、Nは2以上の整数
であり、特に制限はない。Nが大きいほど、N+1番目
の保持容器から回収される精製された溶融アルミニウム
の純度は高くなるが、あまりNを大きくすると多大な設
備が必要となる。通常の精製の原料となるアルミニウム
の不純物濃度(100〜10000ppm)と、通常使
用される精製されたアルミニウムの不純物濃度(10〜
100ppm)から勘案して、好ましいNは2または3
である。
【0029】本発明の方法においては、一連の工程
(1)から(4)を2回以上繰り返し行った後、1番目
の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、n
+1番目の保持容器中の溶融アルミニウムをn番目の保
持容器にnが順に1からNとなる順番で移し替え、つま
り空になった1番目の保持容器に2番目の保持容器の中
の溶融アルミニウムを移し替え、続いて空になった2番
目の保持容器に3番目の保持容器の中の溶融アルミニウ
ムを移し替え、その後にN+1番目の容器に工程(4)
にて回収された、精製されたアルミニウムの一部を溶融
状態で供給するまでを1サイクルとし、2サイクル以降
はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミ
ニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から
(4)を2回以上繰り返し行う。1番目の容器から排出
した溶融アルミニウムは不純物が多く含まれているので
本発明では利用しない。上述したように、一連の工程
(1)から(4)の繰返し回数が増大するにつれて、よ
り小さい番号の保持容器に保持された溶融アルミニウム
ほど純度が低くなる。一連の工程(1)から(4)を所
定の回数繰返した後、1番目の保持容器に保持された溶
融アルミニウムの純度は、それ以上一連の工程(1)か
ら(4)を繰返しても所望の純度まで精製されたアルミ
ニウムが得られない程度に低下しているため、1番目の
保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出する。2
番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの純度は
比較的高いので、該溶融アルミニウムを1番目の保持容
器に移し替え、同様にしてn+1番目の保持容器に保持
された溶融アルミニウムをn番目の保持容器に順次移し
替える。その結果、N+1番目の保持容器は空になるの
で、既に繰返された工程(4)にて回収された、精製さ
れた溶融アルミニウムの一部を供給する。これらの溶融
アルミニウムの移し替えと供給までを1サイクル目と
し、2サイクル目以降はN+1個の保持容器に前のサイ
クルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、
1サイクル目におけるN+1個の保持容器に精製の原料
となるアルミニウムを溶融状態で保持した後の操作を1
サイクル目と同様に行うことにより、連続的かつ安定し
たアルミニウムの精製が可能となる。
【0030】また、一連の工程(1)から(4)を所定
の回数繰り返す途中で、工程(1)において、n番目の
保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却
体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融
アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に精製の原
料となるアルミニウムを溶融状態で供給することも本発
明の好ましい態様の一つであり、その場合にはN+1番
目の保持容器から回収される精製されたアルミニウムの
純度はさらに向上する。
【0031】本発明の方法を図1に、また、Nを2とし
た場合の方法を図2に示す。本発明の方法によれば、
0.4を超える高い製品歩留まり(=回収製品量/精製
の原料となるアルミニウムの投入量)において、共晶不
純物が極めて効率よく低減される。従来技術による偏析
原理を利用した精製方法において、1回の精製操作にお
けるSi、Feの精製係数(=精製アルミニウム中の不
純物元素の濃度/精製の原料となるアルミニウム中の不
純物元素の濃度)は、製品歩留まりを0.2〜0.5程
度とした場合、それぞれおよそ0.2、0.1程度であ
る。さらに小さい精製係数を得るためには、2回の精製
操作を実施する必要があり、その結果Si、Feのトー
タルの精製係数はそれぞれおよそ0.1以下、0.05
以下程度に向上するが、製品歩留まりは0.25以下程
度に減少してしまう。一方、本発明の、最初にN+1個
の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよ
りも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウ
ムの純度が、n番目の保持容器に保持するアルミニウム
の純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを
溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を
2回以上繰り返し行う方法において、工程(1)での回
収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニ
ウム量×100)を0.25程度とし、単位精製操作に
おけるSi、Feの精製係数を従来技術と同じ0.2、
0.1程度とし、さらにNを2、一連の工程(1)から
(4)の繰り返しの回数を10回とした場合、Si、F
eのトータルの精製係数はそれぞれおよそ0.1以下、
0.05以下に向上し、しかも0.4を超える高い製品
歩留まりを達成することが可能となる。また、本発明に
おいては、最初に、所定の純度以上ではなく、N+1個
の全ての保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶
融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2
回以上繰り返し行う方法においても、サイクル数を増大
させるに従いSi、Feのトータルの精製係数はそれぞ
れおよそ0.1以下、0.05以下に向上し、しかも
0.4を超える高い製品歩留まりを達成することが可能
となる。
【0032】本発明の方法により得られる精製アルミニ
ウムは、電解コンデンサー用アルミニウム箔の原料とし
て使用することができる。本発明の方法により得られる
精製アルミニウムは、例えば「アルミニウム材料の基礎
と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第347頁〜第
350頁(1985年)に記載されているように、スラ
ブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延等の工程を経て電
解コンデンサー用アルミニウム箔に加工される。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施
例の1、2は、参考例において実験により求められた工
程(1)における1回の精製操作における不純物元素S
i、Feの精製係数(=晶出アルミニウム中の不純物元
素の濃度/晶出前の溶融アルミニウム中の不純物元素の
濃度)0.2および0.08を用い、最初にそれぞれの
保持容器に溶融状態で保持するアルミニウム中の不純物
濃度、工程(2)において1番目の保持容器に補給する
精製の原料となるアルミニウム中の不純物濃度、工程
(1)での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期
溶融アルミニウム量×100)、一連の工程(1)から
(4)の繰り返し回数を決め、パーソナルコンピュータ
ーによる収束計算(Excelを利用)にて求めたシミ
ュレーション結果である。なお、比較例1および2はシ
ミュレーション結果ではなく実験結果である。
【0034】参考例 Si、Feの濃度がそれぞれ200、330ppmのア
ルミニウムを保持容器に溶融状態で保持し、冷却体を浸
漬して回収率が約25%に達するまで、冷却体の表面に
アルミニウムを晶出させた。なお、溶融アルミニウムへ
の浸漬時に冷却体を回転させ、また、アルミニウム晶出
時に冷却体を回転させて冷却体の周囲で溶融アルミニウ
ムを旋回させるとともに、空気を気泡状態で溶融アルミ
ニウム中に導入した。アルミニウムが表面に晶出した冷
却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、冷却体の
表面に晶出したアルミニウムを精製されたアルミニウム
として冷却体から分離回収した。なお、溶融アルミニウ
ムからの引上げ時に冷却体を回転させた。精製されたア
ルミニウムに含まれるSi、Feの濃度はそれぞれ3
9、26ppmであり、精製係数はSi、Feそれぞれ
0.2、0.08であった。
【0035】実施例1 図2に示す本発明の方法において、Si、Feの濃度が
それぞれ140、85ppmのアルミニウムを1番目の
保持容器(容器1)に、18、4ppmのアルミニウム
を2番目の保持容器(容器2)に、14、2ppmのア
ルミニウムを3番目の保持容器(容器3)にそれぞれ溶
融状態で保持する。 [工程(1)]容器1に保持された精製の原料となるア
ルミニウムの溶融アルミニウムに1番目の冷却体(冷却
体1)を、容器2に保持された溶融アルミニウムに2番
目の冷却体(冷却体2)を浸漬してそれぞれ回収率25
%に達するまで、個々の冷却体の表面にアルミニウムを
晶出させる。 [工程(2)]アルミニウムが表面に晶出した2個の冷
却体(冷却体1、冷却体2)を、溶融アルミニウムから
引き上げた後、容器2に保持された溶融アルミニウムに
冷却体1が、容器3に保持された溶融アルミニウムに冷
却体2が浸漬できるようにそれぞれの冷却体を移動さ
せ、また、容器1にSi、Feの濃度がそれぞれ20
0、330ppmの精製の原料となるアルミニウムを、
工程(1)での晶出量分だけ補給する。(但し、一連の
工程(1)から(4)の繰返しの最終回は補給しな
い。)
【0036】[工程(3)]容器2に保持された溶融ア
ルミニウムに冷却体1が、容器3に保持された溶融アル
ミニウムに冷却体2が浸漬するように浸漬するとともに
加熱して、それぞれの冷却体の表面に晶出したアルミニ
ウムを融解する。 [工程(4)]表面に晶出したアルミニウムが融解した
それぞれの冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた
後、容器1に保持された溶融アルミニウムに冷却体1
が、容器2に保持された溶融アルミニウムに冷却体2が
浸漬できるようにそれぞれの冷却体を移動させ、また、
容器3から精製された溶融アルミニウムを、工程(1)
での晶出量分だけ回収する。(但し、一連の工程(1)
から(4)の繰返しの最終回は回収しない。) なお、工程(1)においては、溶融アルミへの浸漬時に
冷却体を回転させ、また、アルミニウム晶出時に冷却体
を回転させて冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回さ
せるとともに、空気を気泡状態で溶融アルミニウム中に
導入する。工程(2)においては、溶融アルミからの引
上げ時に冷却体を回転させる。以上の一連の工程(1)
から(4)を10回繰り返し行う。その後容器1に保持
された溶融アルミニウムを排出し、容器2に保持された
溶融アルミニウムを容器1に、容器3に保持された溶融
アルミニウムを容器2に順次移し替え、工程(4)にて
9回回収される精製されたアルミニウムの内の3回分を
容器3に溶融状態で供給(給湯)する。ここまでを1サ
イクル目とし、2サイクル目以降は3個の保持容器に前
のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持し
た後、上記の一連の工程(1)から(4)を1サイクル
目と同じく10回ずつ繰り返した後、容器1に保持され
た溶融アルミニウムを排出し、容器2に保持された溶融
アルミニウムを容器1に、容器3に保持された溶融アル
ミニウムを容器2に順次移し替え、工程(4)にて9回
回収される精製されたアルミニウムの内の3回分を容器
3に溶融状態で供給(給湯)する操作を実施する。1つ
のサイクルにおいて、工程(4)において回収される精
製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度
はそれぞれ10、1ppmとなり、その濃度はサイクル
によらず一定となる。トータルの精製係数はSi、Fe
それぞれ0.05、0.006となる。また、工程
(4)において9回回収される精製されたアルミニウム
から、一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行
った後に、1番目の保持容器に移したアルミニウムを差
し引いた製品量に対して、工程(2)において9回補給
された精製の原料となるアルミニウムを考慮して、トー
タルの製品歩留まりは0.67となる。
【0037】実施例2 図2に示す本発明の方法において、Si、Feの濃度が
それぞれ200、330ppmの精製の原料となるアル
ミニウムを1番目、2番目、3番目の保持容器(容器
1、2、3)にそれぞれ溶融状態で保持する。実施例1
と同様に一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し
行う。その後容器1に保持された溶融アルミニウムを排
出し、容器2に保持された溶融アルミニウムを容器1
に、容器3に保持された溶融アルミニウムを容器2に順
次移し替え、工程(4)にて9回回収される精製された
アルミニウムの内の3回分を容器3に溶融状態で供給す
る。ここまでを1サイクル目とし、2サイクル目以降は
実施例1と同様に、3個の保持容器に前のサイクルの終
了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、1サイク
ル目における3個の保持容器に精製の原料となるアルミ
ニウムを溶融状態で保持した後の操作を1サイクル目と
同様に実施する。1サイクル目において、工程(4)に
おいて回収される精製されたアルミニウムに含まれるS
i、Feの平均濃度はそれぞれ110、150ppmと
なるが、2サイクル目ではSi、Feの平均濃度はそれ
ぞれ34、27ppm、3サイクル目ではSi、Feの
平均濃度はそれぞれ18、6ppmとなり、その後のサ
イクルではそれ以下の濃度となる。3回目のサイクル以
降では、トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.
1以下、0.02以下となる。また、トータルの製品歩
留まりは、実施例1と同様0.67となる。
【0038】比較例1 Si、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmの精
製の原料となるアルミニウムを保持容器に溶融状態で保
持し、冷却体を浸漬して回収率が約25%に達するま
で、冷却体の表面にアルミニウムを晶出させた。なお、
溶融アルミニウムへの浸漬時に冷却体を回転させ、ま
た、アルミニウム晶出時に冷却体を回転させて冷却体の
周囲で溶融アルミニウムを旋回させるとともに、空気を
気泡状態で溶融アルミニウム中に導入した。アルミニウ
ムが表面に晶出した冷却体を、溶融アルミニウムから引
き上げた後、冷却体の表面に晶出したアルミニウムを精
製されたアルミニウムとして冷却体から分離回収した。
なお、溶融アルミニウムからの引上げ時に冷却体を回転
させた。精製されたアルミニウムに含まれるSi、Fe
の濃度はそれぞれ38、16ppmであり、精製係数は
Si、Feそれぞれ0.18、0.06であった。ま
た、製品歩留まりは0.25であった。
【0039】比較例2 比較例1と同様にして精製の原料となるアルミニウムの
精製を実施した。これにより得られた精製されたアルミ
ニウムを、同様の操作を再度繰り返して精製し、さらに
精製されたアルミニウムを得た。回収されたアルミニウ
ムに含まれるSi、Feの濃度はそれぞれ7、2ppm
であり、トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.
03、0.01であった。また、トータルの製品歩留ま
りは0.13であった。
【0040】以上の結果を表1にまとめる。
【0041】
【表1】
【0042】上記に示された結果から明らかなように、
本発明によれば、Si、Feの精製係数はそれぞれ0.
1以下、0.05以下となり、かつ、0.4を超える高
い製品歩留まりを確保することが可能である。製品歩留
まりが0.25である比較例1に比べて精製係数は50
%以下に低減されており、共晶不純物が効率よく除去で
きることがわかる。また、精製係数が同程度である比較
例2に比べて製品歩留まりが3.5倍以上に増大してお
り、高い生産性、経済性を有することが明らかである。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、Si,Fe等の共晶不
純物を含む溶融アルミニウムから効率よく純度の高いア
ルミニウムを晶出させてアルミニウムを精製することが
できる。また、得られた高純度アルミニウムは、電解コ
ンデンサー用箔、スパッタリングターゲット、ハードデ
ィスク用基板、超伝導安定化材、ボンディングワイヤー
等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】N+1個の保持容器を1番目からN+1番目ま
で直線状に順に配置した方法を示した図。
【図2】N+1個の保持容器を1番目からN+1番目ま
で直線状に順に配置した方法において、Nを2とした場
合の方法を示した図。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 明彦 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 清水 英満 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4K001 AA02 EA05 GB05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保持容器N+1個(Nは2以上の整数)と
    冷却体N個を用意し、N+1個の保持容器に1からN+
    1までの番号を付けN個の冷却体に1からNまでの番号
    を付け、N+1個の保持容器に精製の原料となるアルミ
    ニウムを溶融状態で保持した後、以下の一連の工程
    (1)から(4)を2回以上繰り返し行い、その後1番
    目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、
    n+1番目(nは1からNまでの整数)の保持容器に保
    持された溶融アルミニウムをn番目の保持容器にnが順
    に1からNとなる順番で移し替え、工程(4)にて回収
    された精製されたアルミニウムの一部を溶融状態でN+
    1番目の容器に供給するまでを1サイクル目とし、2サ
    イクル目以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終
    了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、1サイク
    ル目におけるN+1個の保持容器に精製の原料となるア
    ルミニウムを溶融状態で保持した後の操作を1サイクル
    目と同様に行うアルミニウムの精製方法。 (1)N個の冷却体をn番目の保持容器に保持された溶
    融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬するように浸漬
    し、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させ
    る工程、(2)純度の高いアルミニウムが表面に晶出し
    たN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、
    n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに
    n番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を
    相対的に移動させ、また、1番目の保持容器に精製の原
    料となるアルミニウムを補給する工程(但し、各サイク
    ルにおける一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最
    終回は補給しなくともよい)、(3)純度の高いアルミ
    ニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の
    保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却
    体が浸漬するように浸漬して、N個の冷却体の表面に晶
    出した純度の高いアルミニウムを融解する工程、(4)
    N個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n
    番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目
    の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的
    に移動させ、また、N+1番目の保持容器から精製され
    た溶融アルミニウムを回収する工程(但し、各サイクル
    における一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終
    回は回収しなくともよい)。
  2. 【請求項2】Nが2または3である請求項1に記載のア
    ルミニウムの精製方法。
  3. 【請求項3】各保持容器に保持するアルミニウムの純度
    が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、かつn+
    1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度がn番
    目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い
    所定の純度以上であるアルミニウムを、最初にN+1個
    の保持容器に溶融状態で保持する請求項1または2に記
    載のアルミニウムの精製方法。
  4. 【請求項4】1つのサイクルにおいて、一連の工程
    (1)から(4)を5ないし15回繰り返し行う請求項
    1〜3のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  5. 【請求項5】工程(1)において、N個の冷却体をn番
    目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の
    冷却体が浸漬するように浸漬する前に、1番目の保持容
    器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の
    保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で
    供給する工程を、1つのサイクルにおいて1ないし2回
    実施する請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム
    の精製方法。
  6. 【請求項6】工程(1)において、N個の冷却体をn番
    目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の
    冷却体が浸漬するように浸漬し、冷却体を中心に冷却体
    の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融アル
    ミニウム中でガス気泡を形成するガスを溶融アルミニウ
    ム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニウム
    を晶出させる請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニ
    ウムの精製方法。
  7. 【請求項7】ガス気泡を形成するガスの種類が空気であ
    る請求項6に記載のアルミニウムの精製方法。
  8. 【請求項8】工程(1)において、N個の冷却体をn番
    目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の
    冷却体が浸漬するように浸漬し、冷却体を回転させなが
    ら冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる
    請求項1〜7のいずれかに記載のアルミニウムの精製方
    法。
  9. 【請求項9】工程(1)において、N個の冷却体をn番
    目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、周面の
    温度がアルミニウムの融点未満のn番目の冷却体が浸漬
    するように、回転させながら浸漬する、及び/又は、工
    程(2)において、純度の高いアルミニウムが表面に晶
    出したN個の冷却体を、回転させながら溶融アルミニウ
    ムから引き上げる請求項1〜8のいずれかに記載のアル
    ミニウムの精製方法。
  10. 【請求項10】全体プロセスにおけるSi、Feの精製
    係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/精製
    の原料となるアルミニウム中の不純物元素の濃度)がそ
    れぞれ0.1以下、0.05以下であり、かつ、製品歩
    留まり(=回収製品量/精製の原料となるアルミニウム
    の投入量)が0.4を超える請求項1〜9のいずれかに
    記載のアルミニウムの精製方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の方法
    により得られた精製アルミニウムを原料として用いた電
    解コンデンサー用アルミニウム箔。
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