JP2001294746A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JP2001294746A
JP2001294746A JP2000110687A JP2000110687A JP2001294746A JP 2001294746 A JP2001294746 A JP 2001294746A JP 2000110687 A JP2000110687 A JP 2000110687A JP 2000110687 A JP2000110687 A JP 2000110687A JP 2001294746 A JP2001294746 A JP 2001294746A
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polyphenylene ether
based resin
resin composition
phosphate
integer
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Satoru Moritomi
悟 森冨
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温滞留時の熱安定性、難燃性、耐熱性及び
耐衝撃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 下記の(A)、(B)及び(C)を含有
し、成分(A)100重量部あたりの成分(B)の含有
量が1〜70重量部であり、成分(A)100重量部あ
たりの成分(C)の含有量が0.1〜10重量部である
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 (A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 (B):下記式(I)で示されるリン酸エステル化合物 (C):下記式(II)で示される複合金属水酸化物 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、
水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの
全てが同時に水素原子である場合を除く。R5は炭素数
1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、
qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。) M+3+ 2(OH)- 6(An-1/n・mH2O (II) (式中、M+は1価の金属イオン、M3+は3価の金属イ
オン、An-はn価陰イオンを表し、nは1以上の整数を
表し、mは0≦m≦3の数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物に関するものである。更に詳しく
は、本発明は、高温滞留時の熱安定性、難燃性、耐熱性
及び耐衝撃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は機械的性
質、耐熱性、寸法安定性などの諸特性に優れた熱可塑性
樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹脂、又は、こ
れとポリスチレン系樹脂との組み合わせからなる熱可塑
性樹脂を難燃化するために、有機リン酸エステル化合物
を難燃剤として添加することが従来知られている。
【0003】しかしながら、熱可塑性樹脂中のポリフェ
ニレンエーテル系樹脂含有量が高い場合、有機リン酸エ
ステル化合物の添加により、200℃程度以上の高温に
放置された際の樹脂の架橋反応が促進され、放置時間の
増大に伴い樹脂組成物の流動性が著しく低下するという
問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、高温滞留時の熱安定性、
難燃性、耐熱性及び耐衝撃性に優れたポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂とリン酸エステル系化合物に特定の複合金属水
酸化物を添加することにより、高温滞留時の熱安定性、
難燃性及び耐衝撃性に優れたポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明は、下記の(A)、
(B)及び(C)を含有し、成分(A)100重量部あ
たりの成分(B)の含有量が1〜70重量部であり、成
分(A)100重量部あたりの成分(C)の含有量が
0.1〜10重量部であるポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物に係るものである。 (A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 (B):下記式(I)で示されるリン酸エステル化合物 (C):下記式(II)で示される複合金属水酸化物 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、
水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの
全てが同時に水素原子である場合を除く。R5は炭素数
1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、
qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す) M+3+ 2(OH)- 6(An-1/n・mH2O (II) (式中、M+は1価の金属イオン、M3+は3価の金属イ
オン、An-はn価陰イオンを表し、nは1以上の整数を
表し、mは0≦m≦3の数を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の(A)は、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹
脂とは、下記一般式(III)で示されるフェノール化合
物の一種又は二種以上を酸化カップリング触媒を用い、
酸素又は酸素含有ガスで酸化重合せしめて得られる
(共)重合体である。 (式中、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ水素
原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれたもの
であり、そのうち必ず1個は水素原子である。)
【0008】上記一般式におけるR6、R7、R8、R9
びR10の具体例としては、水素、塩素、臭素、フッ素、
ヨウ素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、
pri−、sec−又はt−ブチル、ヒドロキシエチ
ル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カ
ルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエ
チル、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、
エチルフェニル、アリルなどがあげられる。
【0009】上記一般式の具体例としては、フェノー
ル、o−、m−又はp−クレゾール、2,6−、2,5
−、2,4−又は3,5−ジメチルフェノール、2−メ
チル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフ
ェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−
6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−又
は2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6
−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−
アリルフェノールなどがあげられる。更に、上記一般式
以外のフェノール化合物、たとえば、ビスフェノール−
A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のよ
うな多価ヒドロキシ芳香族化合物と上記一般式で示され
るフェノール化合物とを共重合体の原料としてもよい。
これらの化合物の中では、2,6−ジメチルフェノー
ル、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−
t−ブチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェ
ノールが好ましい。
【0010】フェノール化合物を酸化重合せしめる際に
用いる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもので
はなく、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。
【0011】かかるポリフェニレンエーテル系樹脂の製
造法は、たとえば米国特許第3306874号公報、同
第3306875号公報及び同第3257357号公報
並びに特公昭52−17880号公報、特開昭50−5
1197号公報、特開平1−304119号公報等に記
載されている。
【0012】本発明におけるポリフェニレンエーテル系
樹脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−
メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4
−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジブチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロ
ペニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6
−ジラウリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ
−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−
6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベン
ジル−1,4−フェニレンエーテル)及びこれらの重合
体を構成する繰り返し単位の複数種を含む各種共重合体
をあげることができる。共重合体の中には2,3,6−
トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチル
フェノール等の多置換フェノールと2,6−ジメチルフ
ェノールとの共重合体等も含む。これらポリフェニレン
エーテル系樹脂のうちで好ましいものはポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び2,6−
ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノー
ルとの共重合体である。
【0013】本発明で使用できるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂は、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘
度が0.3〜0.7dl/gのものが好ましく、更に好
ましくは0.36〜0.65dl/g、最も好ましくは
0.40〜0.6dl/gである。該固有粘度が、低す
ぎると難燃性が悪化する場合があり、一方該固有粘度
が、高すぎると成形加工性が低下する場合がある。
【0014】本発明で用いるポリフェニレンエーテル系
樹脂は、上記重合体、共重合体に対し、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン
等のスチレン系化合物をグラフトさせて変性した共重合
体でもよい。
【0015】本発明で用いられる成分(B)のリン酸エ
ステル系化合物とは、下式(II)で表される化合物であ
る。 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、
水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの
全てが同時に水素原子である場合を除く。R5は炭素数
1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、
qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)
【0016】R1、R2、R3及びR4の有機基として、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロア
ルキル基及び炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜
20のアルコキシ基を例示することができる。これらの
基は置換されていてもよく、その場合の置換基として、
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基及び水酸基を例
示することができる。置換基として更に、前記の置換基
を組み合わせた基(たとえば、アリールアルコキシアル
キル基)や、前記の置換基を酸素原子、イオウ原子、窒
素原子等により結合した基(たとえば、アリールスルホ
ニルアリール基等)を例示することができる。
【0017】R1、R2、R3及びR4の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、オクチル基、ドデシル基、エチルヘキシル基、トリ
メチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、ノニルフェニル基、ナフチル基及びブトキシエチ
ル基をあげることができ、これらの中、フェニル基、ト
リル基及びキシリル基が好ましい。
【0018】式(I)の2価の有機基であるR5とし
て、炭素数1〜20のアルキル基から誘導されるアルキ
レン基;置換基を有する又は有しないフェニル基から誘
導されるフェニレン基;ビスフェノール類で例示される
多核フェノール類から誘導される基を例示することがで
き、これらの中、後2者の基が好ましい。特に好ましい
5として、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェ
ノ―ルA等から誘導される基を例示することができる。
【0019】成分(B)の具体例として、リン酸トリメ
チル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸ト
リオクチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸フェニ
ルビスドデシル、リン酸フェニルビスネオペンチル、リ
ン酸フェニルビス(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)、リン酸エチルジフェニル、リン酸ビス(2−エチ
ルヘキシル)(p−トリル)、リン酸トリトリル、リン
酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ
(ノニルフェニル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジブ
チルフェニル、リン酸−p―トリルビス(2,5,5−
トリメチルヘキシル)、リン酸−2−エチルヘキシルジ
フェニル、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフェ−
ト、ビスフェノ−ルAビスジクレジルホスフェ−ト、ビ
スフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−ト、ヒドロキ
ノンビスジフェニルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジ
クレジルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジキシリルホ
スフェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェー
ト、レゾルシノールビスジクレジルホスフェート、レゾ
ルシノールビスジキシリルホスフェートをあげることが
できる。特にR5が、ヒドロキノン、レゾルシノールで
あり、かつ、R1、R2、R3及びR4がメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、
ドデシル基、エチルヘキシル基、トリメチルヘキシル
基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキ
シル基、フェニル基、トリル基であるリン酸エステル化
合物を用いた場合、高温滞留時の熱安定性が低下しする
ため、成分(C)の添加効果が顕著になる。
【0020】成分(B)の2種類以上を併用してもよ
く、その場合は、得られるポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物の耐熱性と難燃性とのバランスの観点から、特
に式(I)におけるrが0である非縮合タイプのリン酸
エステル系化合物と、rが1以上である縮合タイプのリ
ン酸エステル系化合物とを併用することが好ましい。r
が0である非縮合タイプのリン酸エステル系化合物とし
ては、リン酸トリトリル、リン酸トリフェニルが好まし
い。rが1以上である縮合タイプのリン酸エステル系化
合物としては、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフ
ェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−
ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾ
ルシノールビスジキシリルホスフェートが好ましい。
【0021】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100
重量部あたり1〜70重量部であり、好ましくは2〜6
0であり、より好ましく5〜50重量部である。成分
(B)の使用量が過少であると、得られるポリフェニレ
ンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不十分となり、過多
であると該樹脂組成物の耐熱性が不足する。
【0022】本発明の(C)は、下記式(II)で示され
る複合金属水酸化物である。 M+3+ 2(OH)- 6(An-1/n・mH2O (II) (式中、M+は1価の金属イオン、M3+は3価の金属イ
オン、An-はn価陰イオンを表し、nは1以上の整数を
表し、mは0≦m≦3の数を示す。)
【0023】M+は1価の金属であり、Li+、Na+
+等が例示され、この中では、Li +が好ましい。 M
3+は3価の金属であり、B3+、Al3+が例示され、この
中では、Al3+が好ましい。
【0024】複合金属水酸化物の具体例としては、商品
名「ミズカラック」(水澤化学工業製M+がLi+、M3+
がAl3+、An-がCO3 2-)、商品名「フジレインL
S」(富士化学工業製)などのリチウムアルミニウム複
合水酸化物があげられる。
【0025】類似した複合水酸化物として、2価の金属
と3価の金属からなる複合水酸化物、いわゆる、ハイド
ロタルサイト類があるが、1価の金属と3価の金属から
なる複合水酸化物と比較して、滞留安定性の改良効果の
点で劣る。
【0026】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物における成分(C)の含有量は、成分(A)100
重量部あたり0.05〜10重量部であり、好ましくは
0.1〜5であり、より好ましくは0.2〜3重量部で
ある。成分(C)の使用量が過少であると、得られるポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物の滞留時の安定性が
不十分となり、過多であると耐衝撃性が低下する。
【0027】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物は、他の高分子化合物や助剤を加えることもでき
る。他の高分子化合物としては、たとえばポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン等のスチレン系重合
体、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン−エ
チレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合
体、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン系重
合体、オレフィンとこれに共重合可能なビニル単量体
(たとえば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エス
テル類、酢酸ビニル、アクリロニトリル、グリシジル
(メタ)アクリレ−ト等)との共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルピリジン、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリロニトリルなどの重合体、ポリカ
ーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアリーレンエステル(たとえば、ユニチカ
(株)のUポリマー)、ポリフェニレンスルフィド、6
−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンなどの
ポリアミド、ポリアセタールなどの縮合系高分子化合
物、更には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、フェノ−ル樹脂、アルキッド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ダボン樹脂などの各種熱
硬化性樹脂もあげられる。上記高分子化合物の配合量
は、ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対し
て通常0〜20重量部である。
【0028】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物は、耐衝撃改良材を加えることもできる。耐
衝撃改良材として、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン(登録商
標)、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリル
ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒド
リンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(S
BR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプ
レンブロック−スチレンブロック共重合体(SIS)、
水素添加スチレン−イソプレンブロック−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)、エチレンプロピレンゴム
(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)又はこれらを変性したゴムなどを添加することがで
きる。上記耐衝撃改良材の配合量は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂100重量部に対して通常0〜50重量部
である。
【0029】さらに、本発明のポリフェニレン系樹脂組
成物は、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候性
付与剤等を添加することもできる。
【0030】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の製造法は、特に限定されるものではなく、たとえ
ば溶液ブレンド法、溶融混練法等の各種方法があげられ
る。これらの中では溶融混練法が好ましい。具体的な方
法としては、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等の公知の混
合機で混合した後、該混合物を版バリーミキサー、プラ
ストミル、ブラベンダー、一軸又は二軸の押出し機等公
知の混錬機で溶融混練する方法を例示し得る。
【0031】混練に際して、溶融温度は、通常150〜
400℃、好ましくは200〜350℃の範囲が選ばれ
る。
【0032】溶融混練法で実施する場合、各成分の配合
混練順序は、特に限定されるものではない。
【0033】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物は、押出し成形、カレンダー成形、射出成形、ブロ
ー成形等により成形され得る。
【0034】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の用途としては、たとえばOA機器、電気、電子機
器、フィルム用途等があげられる。特に、薄肉成形品に
おいて、難燃性及び絶縁性が要求される電気・電子用途
の絶縁シート、フィルム用途に最適に使用され得る。薄
肉成形品とは、通常1mm程度以下の厚さを有する成形
体をさす。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下に実施例及び比較例で使用した略号の意味
を示す。 (1)ポリフェニレンエーテル系樹脂PPE :クロロホルム溶媒中、30℃で測定した固有粘
度が0.46dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル) (2)ブロック共重合体SEBS :シェルケミカル社製の水添スチレン−ブタジ
エン−スチレントリブロック共重合体 商品名「クレイ
トンG1651」 (3)有機リン酸エステルP1 :リン酸トリフェニル(大八化学工業社製)(本発
明の(B)に該当する。)P2 :レゾルシノールビスジフェニルホスフェート(大
八化学工業社製)商品名「CR733S」)(本発明の
(B)に該当する。) (4)複合金属水酸化物 C1:商品名「ミズカラック」水沢化学工業製(リチウ
ムアルミニウム複合水酸化物、M+がLi+、M3+がAl
3+、An-がCO3 2-)(本発明の(C)に該当する)
【0036】評価方法は以下のとおりである。 1.熱変形温度 耐熱性を示す尺度としての熱変形温度を、ASTM D
648に従い、1.81MPaの荷重下で測定した。 2.引張伸び ASTM D638に従い、23℃における引張伸びを
測定した。 3.アイゾット衝撃強度 ASTM D256に従い、23℃におけるノッチ付き
のアイゾット衝撃強度を測定した。 4.難燃性 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をプレス成形して
得られる厚さが0.25mmのテストピースを用いてU
L94垂直燃焼性試験を行った。 5.高温滞留時の熱安定性 ASTM D1238に従い、メルトフローテスターを
用い、試料投入後5分間試料を溶融し、280℃×2
1.2Nにおけるメルトフローレート(MFR0)を測
定した。また、メルトフローテスター内に試料を投入
し、5分間溶融させたのち、さらに20分滞留させた試
料の280℃×21.2Nにおけるメルトフローレート
(MFR20)を測定した。MFR保持率を以下の式に従
い算出した。MFR保持率が高いほど高温滞留時の熱安
定性が良好であることを示す。 MFR保持率(%)=〔log(MFR20)〕÷〔lo
g(MFR0〕×100
【0037】実施例1 表1に示す配合割合の各成分をシリンダー温度260
℃、スクリュー回転数200rpmに設定した連続二軸
混練機(東芝機械製TEM−50A型)のホッパーより
投入し溶融混練してペレット化した。得られたペレット
のMFR保持率を測定した。また、このペレットを27
0℃にて射出成形した試験片を用い、熱変形温度、引張
伸び、アイゾット衝撃強度を測定した。さらに、このペ
レットを260℃にてプレス成形して得られた厚さが
0.25mmの試験片を用いて難燃性を評価した。評価
結果を表1に示す。
【0038】比較例1 表1に示す配合割合の各成分を用いた以外は実施例1と
同様に行った。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、高
温滞留時の熱安定性、難燃性、耐熱性及び耐衝撃性に優
れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供するこ
とができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)、(B)及び(C)を含有
    し、成分(A)100重量部あたりの成分(B)の含有
    量が1〜70重量部であり、成分(A)100重量部あ
    たりの成分(C)の含有量が0.1〜10重量部である
    ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 (A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 (B):下記式(I)で示されるリン酸エステル化合物 (C):下記式(II)で示される複合金属水酸化物 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、
    水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの
    全てが同時に水素原子である場合を除く。R5は炭素数
    1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、
    qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。) M+3+ 2(OH)- 6(An-1/n・mH2O (II) (式中、M+は1価の金属イオン、M3+は3価の金属イ
    オン、An-はn価陰イオンを表し、nは1以上の整数を
    表し、mは0≦m≦3の数を示す。)
  2. 【請求項2】M+がLi+であり、かつM+がAl3+である
    請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成
    物。
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