JP2000186196A - ポリフェニレンエ―テル系樹脂組成物及び薄肉成形体 - Google Patents

ポリフェニレンエ―テル系樹脂組成物及び薄肉成形体

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JP2000186196A
JP2000186196A JP11249860A JP24986099A JP2000186196A JP 2000186196 A JP2000186196 A JP 2000186196A JP 11249860 A JP11249860 A JP 11249860A JP 24986099 A JP24986099 A JP 24986099A JP 2000186196 A JP2000186196 A JP 2000186196A
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Satoru Moritomi
悟 森冨
Yasuo Tatsumi
康男 巽
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、かつ薄肉成形体とした場合の
難燃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及
び該組成物を用いた薄肉成形体を提供する。 【解決手段】 下記の成分(A)、成分(B)及び成分
(C)を含有し、かつ燐の含有量が1.8重量%以上で
あるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、並びに、該
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる薄肉成形
体。 成分(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 成分(B):下記の一般式(I)で表されるリン酸エス
テル化合物 成分(C):下記の一般式(II)で表される縮合リン酸
エステル化合物 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基
及びそれらの組み合わせの中から選ばれる同種又は異種
の基を表す。R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子
又は有機基を表すが、R4=R5=R6=R7=Hの場合を
除く。nは1以上の整数を表す。Zは、炭素数1〜10
の有機基を表し、qは0〜4の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物及び薄肉成形体に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、耐熱性に優れ、かつ薄肉
成形品とした場合の難燃性に優れたポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子部品の絶縁用シートには、厚
さ0.1〜0.5mm程度の塩化ビニル系樹脂が使用さ
れている。絶縁用シートには、耐熱性、難燃性及び絶縁
性が要求される。樹脂の難燃性能の重要性は、周知のと
おりであるが、近年更にハロゲン系組成物の環境に及ぼ
す影響が懸念され、ノンハロゲン系の材料の要求が高ま
っている。
【0003】ポリフェニレンエーテル系樹脂に難燃性を
付与する方法としては、従来より、リン酸エステル系難
燃剤を添加することが行われている。特開昭57−20
7641号公報には、トリフェニルホスフェートとポリ
ホスフェートの併用による難燃性の向上技術が開示され
ている。特開昭57−207641号公報によれば、ホ
スフェート化合物の合計量は、3〜15重量%が好まし
いとされている。しかしながら、絶縁シートの様な薄肉
シートに該組成物を適用した場合、なおも難燃性が不足
である。また、EP0767204A2号公報には、ビ
スフェノールAタイプの縮合リン酸エステルとモノリン
酸エステルとの併用による難燃性の改良技術が開示され
ている。しかしながら、ビスフェノールAタイプの縮合
リン酸エステルは、1分子中のリン含量が低いため、難
燃性を向上させるためには、添加量を多くする必要があ
り、このため、耐熱性が低下し、難燃性と耐熱性との物
性バランスが悪くなるという欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、耐熱性に優れ、かつ薄肉
成形体とした場合の難燃性に優れたポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物及び該組成物を用いた薄肉成形体を提
供することにある。ここで、薄肉成形体とは、通常、1
mm程度以下の厚さを有する成形体を意味する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性や難燃性について
鋭意研究を続けてきた。その結果、ポリフェニレンエー
テル系樹脂と、特定の2種類のリン含有化合物とからな
る樹脂組成物が本発明の目的を達成し得るものであるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、
本発明のうち第一の発明は、下記の成分(A)、成分
(B)及び成分(C)を含有し、かつ燐の含有量が1.
8重量%以上であるポリフェニレンエーテル系樹脂組成
物に係るものである。 成分(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 成分(B):下記の一般式(I)で表されるリン酸エス
テル化合物 成分(C):下記の一般式(II)で表される縮合リン酸
エステル化合物 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基
及びそれらの組み合わせの中から選ばれる同種又は異種
の基を表す。R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子
又は有機基を表すが、R4=R5=R6=R7=Hの場合を
除く。nは1以上の整数を表す。Zは、炭素数1〜10
の有機基を表し、qは0〜4の整数を表す。) また、本発明のうち第二の発明は、上記のポリフェニレ
ンエーテル系樹脂組成物からなる薄肉成形体に係るもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の(A)は、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹
脂とは、下式(III)で表されるフェノール化合物の少
なくとも一種を、酸化カップリング触媒によって、酸素
又は酸素含有ガスで酸化重合させて得られる(共)重合
体からなる樹脂を意味する。 (式中、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素
基から選ばれるものであり、それらのうち必ず1個は水
素原子である)
【0007】式(III)におけるR8、R9、R10、R11
及びR12として、水素、メチル、エチル、n−又はis
o−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチル、ヒ
ドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキ
シメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチ
ル、シアノエチル、フェニル、メチルフェニル、ジメチ
ルフェニル、エチルフェニル、アリルを例示することが
できる。
【0008】式(III)で表されるフェノール化合物と
して、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、
2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチルフ
ェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,
6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノー
ル、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5
−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールを例示すること
ができる。これらのフェノール化合物の中では、2,6
−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール及び2,
3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
【0009】式(III)で表されるフェノール化合物
は、ビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、ノボラック樹脂で例示される多価ヒドロキシ芳香族
化合物と共重合させてもよく、これらの共重合体も本発
明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるも
のとする。
【0010】フェノール化合物を酸化(共)重合させる
ために用いられる酸化カップリング触媒は特に限定され
ず、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。
【0011】フェノール化合物を酸化(共)重合させて
ポリフェニレンエーテル系樹脂を製造する方法として、
米国特許第3306874号公報、同第3306875
号公報及び同第3257357号公報並びに特公昭52
−17880号公報、特開昭50−51197号公報、
特開平1−304119号公報に記載された製造方法を
例示することができる。
【0012】本発明で使用されるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂として、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4
−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチ
ル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル
−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロペニル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジラウ
リル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−
ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,
4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−ス
テアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエー
テル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベンジル−1,
4−フェニレンエーテル)、及び、これらの樹脂を構成
する繰り返し単位の複数種を含む各種の共重合体を例示
することができる。更に、2,3,6−トリメチルフェ
ノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノールで例
示される多置換フェノールと、2,6−ジメチルフェノ
ールで例示される2置換フェノールとの共重合体も、本
発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれる
ものとする。
【0013】前記のポリフェニレンエーテル系樹脂のう
ちで好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)及び2,6−ジメチルフェノー
ルと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体で
ある。
【0014】本発明で用いられるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂はまた、上記の(共)重合体にスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン及びビニルトルエ
ンで例示されるスチレン系化合物をグラフトさせて得ら
れるグラフト共重合体であってもよく、かかるグラフト
共重合体も本発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹
脂に含まれるものとする。
【0015】本発明で使用されるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂としては、30℃のクロロホルム中で測定した
固有粘度が0.3〜0.7dl/gのものが好ましく、
より好ましくは0.36〜0.65dl/g、特に好ま
しくは0.40〜0.6dl/gである。固有粘度が低
すぎると、燃焼時の無滴下の達成が困難となる場合があ
り、固有粘度が高すぎると、本発明のポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物の成形加工性が低下する場合があ
る。ここで、「無滴下」とは、難燃性の試験法であるU
L94垂直燃焼性試験において、燃焼中のサンプルが滴
下しないことを意味する。
【0016】樹脂組成物中における成分(A)の割合
は、20〜85重量%であることが好ましい。より好ま
しくは、40〜85重量%である。成分(A)が、過多
の場合、溶融時の流動性が悪化し、ポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物の成形加工性が不十分となる場合があ
る。一方、成分(A)が過少の場合、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物の耐熱性が不十分となる場合があ
る。
【0017】本発明で使用される成分(B)のリン酸エ
ステル化合物を表す式(I)のR1、R2及びR3は、そ
れぞれアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
リール置換アルキル基、及び、アルキル基で置換された
シクロアルキル基や、シクロアルキル基で置換されたア
ルキル基で例示されるような、 R1、R2及びR3のそれ
ぞれを組み合わせた基の中から選ばれる基であって、
1、R2及びR3は同種の基であってもよいし、異種の
基であってもよい。この中ではアリール基が好ましい。
【0018】式(I)で表される化合物として、リン酸
トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リ
ン酸トリオクチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸
フェニルビスドデシル、リン酸フェニルビスネオペンチ
ル、リン酸フェニルビス(3,5,5−トリメチルヘキ
シル)、リン酸エチルジフェニル、リン酸ビス(2−エ
チルヘキシル)(p−トリル)、リン酸トリトリル、リ
ン酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ
(ノニルフェニル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジフ
ェニルトリル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸−p―
トリルビス(2,5,5−トリメチルヘキシル)、リン
酸−2−エチルヘキシルジフェニル等を例示することが
できる。これらの中で、リン酸トリフェニル、リン酸ジ
フェニルトリル、リン酸トリトリル等で例示される、R
1、R2及びR3がそれぞれアリール基である有機リン酸
エステルが好ましい。
【0019】樹脂組成物中における成分(B)の割合
は、1〜50重量%であることが好ましい。より好まし
くは、1〜40重量%である。成分(B)が、過多の場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性が不
十分となる場合がある。一方、成分(B)が過少の場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不
十分となる場合がある。
【0020】本発明で使用される成分(C)の縮合リン
酸エステル化合物を表す式(II)のR4、R5、R6
びR7は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わ
し、 R4、R5、R6及びR7は同一の基であってもよい
し異種の基であってもよいが、これらの基の全てが同時
に水素原子である場合を除く。
【0021】R4、R5、R6及びR7として、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基等を例示することが
できる。これらの基は置換基を有する基であってもよ
く、その場合、置換基として、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、これらの置換基を組み合わせた基(た
とえば、アリールアルコキシアルキル基)、これらの置
換基を酸素原子、イオウ原子、窒素原子等により結合し
てなる基(たとえば、アリールスルホニルアリール基
等)を例示することができる。Zは、炭素数1〜10の
有機基を表し、qは0〜4の整数を表す。Zとしては、
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基を例示すること
ができる。
【0022】成分(C)の具体的な例として、ヒドロキ
ノンビスジフェニルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジ
トリルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジキシリルホス
フェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェー
ト、レゾルシノールビスジキシリルホスフェート、レゾ
ルシノールビスジトリルホスフェート等をあげることが
できる。
【0023】樹脂組成物中における成分(C)の割合
は、1〜50重量%であることが好ましい。より好まし
くは、1〜40重量%である。成分(C)が、過多の場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性が不
十分となる場合がある。一方、成分(C)が過少の場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不
十分となる場合がある
【0024】本発明においては、成分(B)と成分
(C)とを併用する必要がある。成分(C)を使用しな
いで得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物につ
いては、燃焼試験における燃焼時間の短縮は図れるもの
の、ドリップ性が低下するので、該樹脂組成物からなる
厚さ0.5mm未満の成形品のUL−94試験において
V−0の難燃性を達成することができない。また、成分
(B)を使用しないで得られるポリフェニレンエーテル
系樹脂組成物については、燃焼試験におけるドリップ性
は優れるものの、燃焼時間の短縮が図れず、該樹脂組成
物からなる厚さ0.5mm未満の成形品のUL−94試
験におけるV−0の難燃性を達成することができない。
【0025】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物中の成分(B)と成分(C)との重量比率は99/
1〜1/99が好ましく、より好ましくは90/10〜
10/90であり、更に好ましくは80/20〜20/
80である。比率がこの範囲を満たさない場合、得られ
るポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる薄肉成
形体の難燃性が不十分な場合がある。
【0026】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物中の成分(B)と成分(C)との合計量は、該樹脂
組成物中の燐の含有量が、ポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物の全体量に対して1.8重量%以上となる量で
あり、好ましくは2.0重量%以上となる量である。燐
の含有量が1.8未満の場合、樹脂組成物からなる肉薄
成形体の難燃性が不満足である。燐の含有量の上限は特
に限定されないが、通常、5重量%程度であり、燐の含
有量が過多であると、得られる樹脂組成物の耐熱性が不
十分となる場合がある。
【0027】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物は、本発明の効果を損なわない限り、成分(A)、
成分(B)及び成分(C)以外の成分として、他の高分
子化合物や、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、耐
候性付与剤等で例示される添加剤を適宜含んでいてもよ
い。
【0028】他の高分子化合物として、ポリスチレン、
ハイインパクトポリスチレン等のスチレン系重合体;ポ
リプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン
共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−
ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリ
−4−メチルペンテン−1等のオレフィン系重合体;エ
チレンやプロピレンで例示されるオレフィンと、アクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、スチレン、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)
アクリレ−ト等で例示されるビニル単量体との共重合
体;ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなど
の重合体;ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ユニチカ(株)製の商品名がUポ
リマーで例示されるポリアリーレンエステル、ポリフェ
ニレンスルフィド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、
12−ナイロンなどのポリアミド、ポリアセタールなど
の高分子化合物; ポリイミド、ポリアミドイミド、フ
ェノ−ル樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ダボン樹脂などの各種熱硬化性樹脂;シリコーン樹
脂、フッ素樹脂を例示することができる。
【0029】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の製造法は特に限定されず、公知の方法であっても
よい。製造法として、溶液ブレンド法、溶融混練法等を
例示することができ、溶融混練法が好ましい。具体的な
製造方法として、各成分を任意の順序でヘンシェルミキ
サー、スーパーミキサー、リボンブレンダー又はVブレ
ンダー等の混合機で混合した後、該混合物をバリーミキ
サー、プラストミル、ブラベンダー又は一軸もしくは二
軸の押出機等の混錬機で溶融混練する方法を例示するこ
とができる。溶融混練温度は、通常150〜400℃、
好ましくは200〜350℃である。
【0030】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物からなる成形体の製造方法は特に限定されず、公知
の方法であってもよく、成形体の製造方法として押出成
形、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形等を例示す
ることができる。
【0031】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の用途としては、たとえばOA機器、電気、電子機
器、フィルム用途等があげられる。特に、薄肉成形品に
おいて、難燃性及び絶縁性が要求される電気・電子用途
の絶縁シート,フィルム用途に最適に使用され得る。薄
肉成形品とは、通常1mm程度以下の厚さを有する成形
体をさす。
【0032】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物のうち、特に荷重18.6kgfにおける熱変形温
度が80℃以上であり、厚さが0.5mm未満の成形体
のUL難燃試験における難燃性がV0である樹脂組成物
は、厚さが0.5mm未満の薄肉成形体に成形され、難
燃絶縁シートとして最適に使用され得る。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下に実施例及び比較例で使用した略号の意味
を示す。 (1)ポリフェニレンエーテル系樹脂PPE :クロロホルム溶媒中、30℃で測定した固有粘
度が0.46dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル) (2)ブロック共重合体SBS :シェルケミカル社製のスチレン−ブタジエン−
スチレントリブロック共重合体 商品名「CARIFL
EX TR1101」 (3)有機リン酸エステルP1 :リン酸トリフェニル(大八化学工業社製 リン含
有量=9.5重量%)(本発明の成分(B)に該当す
る。)P2 :レゾルシノールビスジフェニルホスフェート(大
八化学工業社製 リン含有量=10.7重量% 商標
「CR733S」)(本発明の成分(C)に該当す
る。)P3 :レゾルシノールビスジキシリルホスフェート(大
八化学工業社製 リン含有量=9.0重量% 商標「P
X200」)(本発明の成分(C)に該当する。)P4 :ビスフェノールAビスジフェニルホスフェート
(大八化学工業社製 リン含有量=8.8重量% 商標
「CR741」)
【0034】次に、樹脂組成物の物性の評価方法を示
す。 (1)熱変形温度(HDT)(耐熱性) ASTM D648に従い、18.6kgf/cm2 の
ファイバーストレス下で測定した。 (2)燃焼試験(難燃性) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をプレス成形によ
って、厚さ0.4mmのテストピースを成形してUL9
4垂直燃焼性試験を行った。また、同様に厚さ0.3m
mのテストピースを成形してUL94垂直燃焼性試験を
行った。判定において、非該当とは、燃焼時間が規定の
時間以上もしくはクランプまで試験片が燃焼することを
意味し、V0、V1及びV2の判定よりも燃焼性が劣
る。
【0035】実施例1 表1に示す配合割合の各成分をシリンダー温度260
℃、スクリュー回転数200rpmに設定した連続二軸
混練機(東芝機械製TEM−50A型)のホッパーより
投入し溶融混練してペレット化した。このペレットを2
60℃にてプレス成形し、0.4mm及び0.3mm厚
さの試験片を作製した。評価結果を表1に示す。 実施例2〜3 表1に示す配合割合の各成分を用いた以外は実施例1と
同様に行った。評価結果を表1に示す。 比較例1〜4 表2に示す配合割合の各成分を用いた以外は実施例1と
同様に行った。評価結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、耐
熱性に優れ、かつ薄肉成形体とした場合の難燃性に優れ
たポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及び該組成物を
用いた薄肉成形体を提供することができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、成分(B)及び成分
    (C)を含有し、かつ燐の含有量が1.8重量%以上で
    あるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 成分(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂 成分(B):下記の一般式(I)で表されるリン酸エス
    テル化合物 成分(C):下記の一般式(II)で表される縮合リン酸
    エステル化合物 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、シ
    クロアルキル基、アリール基、アリール置換アルキル基
    及びそれらの組み合わせの中から選ばれる同種又は異種
    の基を表す。R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子
    又は有機基を表すが、R4=R5=R6=R7=Hの場合を
    除く。nは1以上の整数を表す。Zは、炭素数1〜10
    の有機基を表し、qは0〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリフェニレンエーテル
    系樹脂組成物からなる薄肉成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリフェニレンエーテル
    系樹脂組成物からなり、厚さが0.5mm未満である薄
    肉成形体。
  4. 【請求項4】 荷重18.6kgfにおける熱変形温度
    が80℃以上であり、0.5mm未満の厚さの成形体の
    UL難燃試験における難燃性がV0である請求項1記載
    のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いた請求項
    3に記載の薄肉成形体。
  5. 【請求項5】 請求項2、請求項3又は請求項4記載の
    薄肉成形体からなる難燃絶縁シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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