JP3659080B2 - 難燃絶縁シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃絶縁シートに関するものである。更に詳しくは、本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いた難燃絶縁シートであって、耐熱性及び難燃性に優れ、かつハロゲンを含有する難燃剤や、ハロゲンを含有するドリップ防止剤を必須成分としない難燃絶縁シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品用の難燃性絶縁シートは厚さが0.1〜0.5mm程度のシートであって、優れた難燃性及び絶縁性の他に耐熱性も要求されている。かかる難燃性絶縁シートとして塩化ビニル系樹脂製シートが多用されているものの、近年、該樹脂に含まれているハロゲンの環境に及ぼす影響が問題とされ、ハロゲンを含まない難燃性絶縁シートに対する要求が高まっている。また、難燃性絶縁シートのような薄肉シートは、該シートを燃焼させた際に火種が滴下する好ましくない現象(以下、「ドリップ現象」という)を起こし易く、ハロゲンを含有しないシートは、ハロゲンを含有するシートに比べて、この現象を起こし易い。
【0003】
ポリフェニレンエーテル系樹脂のドリップ現象を改良する技術として、たとえば米国特許第4107232号明細書、米国特許第4332714号明細書及び米国特許第435512号明細書には、ポリフルオロエチレンを併用する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、ポリフルオロエチレンは、前記の塩化ビニル系樹脂と同様にハロゲンを含んでいるので、環境問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いた難燃絶縁シートであって、かつハロゲンを含有する難燃剤や、ハロゲンを含有するドリップ防止剤を必須成分としない難燃絶縁シートを提供する点に存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性及び難燃性について鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂とリン酸エステル系化合物から形成されるマトリックス中に特定のアスペクト比を有する分散体を存在させることにより、上記の課題が解決され得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる難燃絶縁シートに係るものである。
(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(B):リン酸エステル系化合物
(C):アスペクト比が2以上のポリオルガノシロキサン、または、ポリオルガノシロキサンとシリカの混合物
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂である。ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、下記一般式(I)で示されるフェノール化合物の一種又は二種以上を酸化カップリング触媒を用い、酸素又は酸素含有ガスで酸化重合せしめて得られる(共)重合体である。
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれたものであり、そのうち必ず1個は水素原子である。)
【0008】
上記一般式におけるR1、R2、R3、R4及びR5の具体例としては、水素、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、アリルなどがあげられる。
【0009】
上記一般式の具体例としては、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノールなどがあげられる。更に、上記一般式以外のフェノール化合物、たとえば、ビスフェノール−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と上記一般式で示されるフェノール化合物とを共重合体の原料としてもよい。これらの化合物の中では、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
【0010】
フェノール化合物を酸化重合せしめる際に用いる酸化カップリング触媒は、特に限定されるものではなく、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。
【0011】
かかるポリフェニレンエーテル系樹脂の製造法は、たとえば米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報及び同第3257357号公報並びに特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開平1−304119号公報等に記載されている。
【0012】
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロペニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,5−ジブロモ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレンエーテル)及びこれらの重合体を構成する繰り返し単位の複数種を含む各種共重合体をあげることができる。共重合体の中には2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール等の多置換フェノールと2,6−ジメチルフェノールとの共重合体等も含む。これらポリフェニレンエーテル系樹脂のうちで好ましいものはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体である。
【0013】
本発明で用いるポリフェニレンエーテル系樹脂は、上記重合体、共重合体に対し、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン及びクロルスチレン等のスチレン系化合物をグラフトさせて変性した共重合体でもよい。
【0014】
本発明で使用できるポリフェニレンエーテル系樹脂は、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.3〜0.7dl/gのものが好ましく、更に好ましくは0.36〜0.65dl/g、最も好ましくは0.40〜0.6dl/gである。該固有粘度が、低すぎると燃焼時の無滴下(ドリップ現象が起こらないこと)の達成が困難となる場合があり、一方該固有粘度が、高すぎると成形加工性が低下する場合がある。ここで、「無滴下」とは、難燃性の試験法であるUL94垂直燃焼性試験において、燃焼中のサンプルが滴下しないことを意味する。
【0015】
本発明の成分(B)は、リン酸エステル系化合物である。該リン酸エステル系化合物は、通常下記一般式(II)で示されるが、これらに限定されるものではない。
(式中、R6〜R9は、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を表すが、R6=R7=R8=R9=Hの場合を除く。Xは2価の有機基を表し、pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)
【0016】
R6、R7、R8及びR9の有機基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基を例示することができる。これらの基は置換されていてもよく、その場合の置換基として、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基及び水酸基を例示することができる。置換基として更に、前記の置換基を組み合わせた基(たとえば、アリールアルコキシアルキル基)や、前記の置換基を酸素原子、イオウ原子、窒素原子等により結合した基(たとえば、アリールスルホニルアリール基等)を例示することができる。
【0017】
R6、R7、R8及びR9の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基、エチルヘキシル基、トリメチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ノニルフェニル基、ナフチル基及びブトキシエチル基を上げることができ、これらの中、フェニル基、トリル基及びキシリル基が好ましい。
【0018】
式(II)の2価の有機基であるXとして、炭素数1〜20のアルキル基から誘導されるアルキレン基;置換基を有する又は有しないフェニル基から誘導されるフェニレン基;ビスフェノール類で例示される多核フェノール類から誘導される基を例示することができ、これらの中、後2者の基が好ましい。特に好ましいXとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノ―ルA等から誘導される基を例示することができる。
【0019】
成分(B)の具体例として、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸フェニルビスドデシル、リン酸フェニルビスネオペンチル、リン酸フェニルビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)、リン酸エチルジフェニル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)(p−トリル)、リン酸トリトリル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ(ノニルフェニル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸−p―トリルビス(2,5,5−トリメチルヘキシル)、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジクレジルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジフェニルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジクレジルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジキシリルホスフェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジクレジルホスフェート、レゾルシノールビスジキシリルホスフェートをあげることができる。
【0020】
成分(B)の2種類以上を併用してもよく、その場合は、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性と難燃性とのバランスの観点から、特に式(II)におけるrが0である非縮合タイプのリン酸エステル系化合物と、rが1以上である縮合タイプのリン酸エステル系化合物とを併用することが好ましい。rが0である非縮合タイプのリン酸エステル系化合物としては、リン酸トリトリル、リン酸トリフェニルが好ましい。rが1以上である縮合タイプのリン酸エステル系化合物としては、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジキシリルホスフェートが好ましい。
【0021】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100重量部に対して1〜70重量部が好ましく、より好ましく2〜65重量部である。成分(B)の使用量が過少であると、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不十分な場合があり、過多であると該樹脂組成物の耐熱性が不足する場合がある。
【0022】
本発明で用いられる成分(C)の分散体とは、成分(A)や(B)との相容性を有さない(均一に混合し得ない)成分を意味し、該成分は成分(A)と成分(B)とからなる連続相(マトリックス)の中に分散して分散相を形成している。該分散体として、無機フィラー、液晶ポリマー、ポリオルガノシロキサンを例示することができる。
【0023】
無機フィラーとして、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、強化用繊維(ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、アルミニウムやステンレスからなる繊維)、金属のウィスカー、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ワラストナイト、タルク、マイカ、クレー、カオリンを例示することができる。
【0024】
液晶ポリマーとは、溶融状態において液晶性を示すポリマーを意味する。該ポリマーは、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の連続相を形成する成分よりも熱変形温度が高く、マトリックス中でフィブリル状に配向しやすいという特徴を有している。
【0025】
液晶ポリマーとして、たとえば、ポリプラスチック(株)製のベクトラA950(商品名)、住友化学工業(株)製のエコノール6000(商品名)、日本石油化学(株)製のザイダー(商品名)及びユニチカ(株)製のロッドランLC3000やLC5000(商品名)で例示される熱可塑性液晶ポリエステルをあげることができる。
【0026】
ポリオルガノシロキサンとは、下記式(III)、式(IV)及び式(V)から選ばれた少なくとも1種以上の構造単位と式(VI)の構造単位を有する化合物である。
SiO2.0 (III)
R10SiO1.5 (IV)
R11R12SiO1.0 (V)
R13R14R15SiO1.5 (VI)
(R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は、炭素数6〜10のアリール基を表し、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は、水酸基を表す。)
【0027】
ポリオルガノシロキサンにかかる式(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される構造単位について、式(III)は分子の非末端部分を示す4価の構造単位を、、式(IV)は分子の非末端部分を示す3価の構造単位を、式(V)は分子の非末端部分を示す2価の構造単位を、式(VI)は、分子の末端部分を示す1価の構造端子をそれぞれ示す。
【0028】
従って、式(V)と式(VI)の構造単位のみからなるポリオルガノシロキサンは直鎖構造を形成する。また、式(III)もしくは式(IV)の構造単位を有するポリオルガノシロキサンは分岐構造を形成する。
【0029】
式(III)、(IV)及び(V)におけるR10、R11及びR12において、好ましいアルキル基はメチル基であり、好ましいアリール基はフェニル基である。
【0030】
式(VI)におけるR13、R14及びR15において、好ましいアルキル基はメチル基であり、好ましいアリール基はフェニル基であり、好ましいアルコキシ基はメトキシ基である。
【0031】
ポリオルガノシロキサンの具体例としては、式(V)と(VI)の構造単位からなる直鎖状のポリジメチルシロキサン;該ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部をフェニル基で置換したポリオルガノシロキサン;式(IV)、(V)及び(VI)の構造単位からなる分岐構造を有するポリメチルシロキサン;該分岐構造を有するポリメチルシロキサンのメチル基の一部がフェニル基に置換されたポリオルガノシロキサン、を例示することができる。ポリオルガノシロキサンがR10、R11及びR12としてフェニル基を含有する場合、 R10、R11及びR12の総和に対するフェニル基の割合は、30〜70モル%であることが好ましい。
【0032】
ポリオルガノシロキサンはシリカと組み合わせて用いてもよい。この中で、ポリジオルガノシロキサンとシリカとからなる粉末状の混合物が好ましい。シリカと組み合わせて用いられるポリジオルガノシロキサンとしては、25℃で10Pa・s〜100000Pa・sの粘度を有するポリジオルガノシロキサンが好ましい。
【0033】
シリカとは、ヒュームドシリカ、沈降シリカ又はシリカエアロゾルから得られる微細に分割されたたシリカである。シリカとしては、表面積が50〜400m2/gの形態のものが好ましい。シリカは、シラノール基又は加水分解可能なシラノール基の前駆体を含有する液体オルガノシロキサン化合物(以下、シリカ処理剤)との反応によって処理することが好ましい。前記、シリカ処理剤としては、ヒドロキシ基、又は、アルコキシ基を末端とする低分子量の液状ポリジオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザン等が例示される。シリカ処理剤として好ましいのは、ヒドロキシ末端の平均重合度2〜10のポリジメチルシロキサンオリゴマーである。シリカは、ポリオルガノシロキサンとブレンドする前に、シリカに100重量部に対して10〜45重量部のシリカ処理剤と反応させることが好ましい。
【0034】
更に、ポリオルガノシロキサンとシリカの粉末状の混合物を、更にアルコキシシラン化合物で処理することが好ましい。アルコキシシラン化合物とは、少なくともひとつの炭素数1〜4のアルコキシグループと、エポキシ、アミン、アクリロキシ、メタクリロキシ、ビニル、フェニルから選ばれる少なくともひとつの基を有する化合物である。
【0035】
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(特に、薄肉成形体)に優れた引張伸びや耐衝撃性が要求される場合、成分(C)としてポリオルガノシロキサンもしくは、ポリオルガノシロキサンとシリカの混合物を用いることが好ましい。
【0036】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物中におけるの分散体のアスペクト比は2以上である。アスペクト比とは、シート成形体中に存在する分散体の最も長い両端距離の平均値をt、最も短い両端距離の平均値をdとしたときのt/dである。シート成形品中に存在する分散体の両端距離の平均値は、シート成形体の断面写真を走査型電子顕微鏡あるいは透過型電子顕微鏡にて撮影し、その写真から20個以上の流潮を無造作に抽出し、最も長い距離と短い距離を測定し、それぞれ平均したものである。アスペクト比が2未満であると、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のドリップ現象を防止する効果(ドリップ防止効果)が乏しくなる場合がある。アスペクト比が大きいほどドリップ防止効果は良好であるが、アスペクト比が100程度以上になると、ポリフェニレンエーテル系組成物を成形加工して得られる成形体の外観が不良となる等の問題が発生する場合がある。
【0037】
成分(C)の最も長い両端距離は、引張応力が溶融状態の樹脂組成物の自由表面に印加されるような成形法(たとえば、Tダイを用いた押出成形法)の場合、100μm以下であることが好ましい。100μmよりも長いと、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成形体の表面に凹凸が発生して、外観不良の起こることがある。射出成形、熱プレス成形、カレンダー成形等の成形方法の場合、最も長い両端距離が100μmより長くても、外観不良は起こり難い。
【0038】
成分(C)の含有量は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の総重量に対して0.2〜20重量%が好ましく、0.3〜10重量%がより好ましい。成分(C)の含有量が過少の場合、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のドリップ防止効果が劣る場合があり、過多の場合、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の衝撃強度等の機械的物性が劣る場合がある。
【0039】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を構成する各成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、他の高分子化合物や、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候性付与剤等で例示される添加剤と組合せて用いてもよい。
【0040】
他の高分子化合物として、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン及びスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体で例示されるスチレン系重合体;ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体及びポリ−4−メチルペンテン−1で例示されるオレフィン系重合体;エチレンやプロピレンで例示されるオレフィンと、アクリル酸エステル類(たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル)、メタクリル酸エステル類(たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル及びグリシジル(メタ)アクリレ−トで例示されるビニル単量体との共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなどの重合体;ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンエステル(たとえば、ユニチカ(株)製のUポリマー(商品名))、ポリフェニレンスルフィド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド、ポリアセタールなどの高分子化合物;ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノ−ル樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂;シリコーン樹脂、フッ素樹脂を例示することができる。
【0041】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造法は特に限定されず、公知の方法であっても良い。製造法として、溶液ブレンド法、溶融混練法等を例示することができ、溶融混練法が好ましい。具体的な製造方法として、各成分を任意の順序でヘンシェルミキサー、スーパーミキサー又はリボンブレンダー等の混合機で混合した後、該混合物をバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダー又は一軸もしくは二軸の押出機等の混錬機で溶融混練する方法を例示することができる。溶融混練温度は、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃である。
【0042】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成形体の製造方法は特に限定されず、公知の方法であってもよく、成形体の製造方法として押出成形、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形等を例示することができる。
【0043】
本発明の難燃絶縁シートの用途としては、たとえばOA機器、電気、電子機器等の絶縁シート用途があげられる。特に、荷重18.6kgfにおける熱変形温度が80℃以上であり、かつ、厚さが0.5mm未満の厚みのシートにおけるUL難燃試験における難燃性がV−0であることを要求される絶縁シートとして最適に使用され得る。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
使用した略号の意味を示す。
PPE(成分(A)):ポリフェニレンエーテル系樹脂(クロロホルム溶媒中、30℃で測定した固有粘度が0.46dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル))
SBS(他の高分子化合物):スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(シェルケミカル社製CARIFLEX TR1101)
P−1(成分(B)):リン酸トリフェニル(大八化学工業社製)
P−2:(成分(B))レゾルシノールビスジフェニルホスフェート(大八化学工業社製CR733S、式(II)におけるR6、R7、R8及びR9がフェニル基、 Xがフェニレン基、p=1、q=1、r=1の化合物)
ゾノハイジ(成分(C)):宇部マテリアルズ社製の6CaO・6SiO・H2Oなる化学式を有する無機フィラー。
ワラストナイト(成分(C)):林化成社製 無機フィラー。
GF(成分(C)):日本板ガラス社製 TP35
LCP(成分(C)):ユニチカ社製 液晶ポリマー ロッドランLC5000
SIP(成分(C)):ダウコーニングアジア社製 DC4−7051(エポキシグループ含有アルコキシシランと、シリカと、ポリジオルガノシロキサンとを含む混合物)
【0045】
物性の評価方法は以下のとおりである。
(1)熱変形温度(HDT)
耐熱性を示す尺度としての熱変形温度を、ASTM D648に従い、1.81MPaの荷重下で測定した。
(2)引張伸び
ASTM D638に従い、23℃における引張伸びを測定した。
(3)アイゾット衝撃強度
ASTM D256に従い、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。
(4)難燃性
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をプレス成形して得られる厚さが0.4mm及び0.3mmのテストピースを用いてUL94垂直燃焼性試験を行った。難燃性の評価における「非該当」は、「燃焼時間が規定の時間以上である」又は「クランプまで試験片が燃焼する」を意味し、V−0、V−1及びV−2より劣る評価である。
(5)外観
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をスクリュー径30mmの単軸押出機で成形して得られる厚さ0.3mmのシートを目視で観察し、以下の基準で外観を評価した。
○:外観不良なし
×:外観不良あり
(6)アスペクト比
分散体が無機フィラーである場合のアスペクト比については、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をプレス成形して得られる厚さ0.3mmの成形体の断面の走査型電子顕微鏡写真から、20個以上の分散体ーを無作為に抽出し、各分散体の最も長い両端距離と最も短い両端距離とを測定し、それぞれの平均値からアスペクト比(最長両端距離の平均値/最短両端距離の平均値)を求めた。
分散体が液晶ポリマーである場合のアスペクト比については、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなるプレス成形体からミクロトームで切り出した超薄切片を4酸化オスミウムにて染色した後、この透過型電子顕微鏡写真から、20個以上の分散体を無作為に抽出し、各分散体の最も長い両端距離と最も短い両端距離とを測定し、それぞれの平均値からアスペクト比(最長両端距離の平均値/最短両端距離の平均値)を求めた。
分散体がシリコン化合物である場合のアスペクト比については、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなるプレス成形体からミクロトームで切り出した超薄切片(無染色)の透過型電子顕微鏡写真から、20個以上の分散体を無作為に抽出し、各分散体の最も長い両端距離と最も短い両端距離とを測定し、それぞれの平均値からアスペクト比(最長両端距離の平均値/最短両端距離の平均値)を求めた。
【0046】
実施例1
表1に示す配合割合の各成分をシリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm に設定した連続二軸混練機(東芝機械製TEM−50A型)のホッパーより投入し溶融混練してペレット化した。このペレットを260℃にてプレス成形し、0.4mm及び0.3mm厚さの試験片を作製した。評価結果を表1及び表2に示す。また、スクリュー径30mmの単軸押出し機を用い、リップ幅0.5mmのTダイにて、押出し温度260℃で厚さ0.3mmのシートを作製し、外観を目視で評価した。
【0047】
実施例2〜6及び比較例1、2
表1及び表3に示す配合割合の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1、表2、表3及び表4に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いた難燃絶縁シートであって、かつハロゲンを含有する難燃剤や、ハロゲンを含有するドリップ防止剤を必須成分としない難燃絶縁シートを提供することができた。
Claims (3)
- 下記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる難燃絶縁シート。
(A):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(B):リン酸エステル系化合物
(C):アスペクト比が2以上のポリオルガノシロキサン、または、ポリオルガノシロキサンとシリカの混合物 - (C)の最長両端距離が100μm以下である請求項1に記載の難燃絶縁シート。
- シートの厚さが0.5mm未満である請求項1記載の難燃絶縁シート。
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