JP4497562B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に高い耐熱性と耐衝撃性に優れ、またはさらに難燃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル樹脂は機械的特性、電気的特性、耐酸、耐アルカリ性、耐熱性等に優れしかも吸水性が低く寸法安定性が良いなどの性質を備えており、電気製品、コンピュータやワープロなどのOA機器のハウジング、シャーシ材料などとして幅広く利用されている。近年かかる分野で使用されるプラスチック材料に対して、安全上の問題から、高い耐熱性と耐衝撃性のバランスに優れる材料またさらに難燃性に優れる材料の要求が高まっている。
【0003】
特公平6−11867号公報、特開昭64−22960公報、特開平1−282257公報、特開平5−140445号公報等では、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂およびポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートから成る複合ゴムにビニル系単量体をグラフト重合して成る複合ゴム系グラフト共重合体からなる組成物において、耐衝撃性、耐熱性、機械強度に優れるという組成物が開示されている。
【0004】
上記明細書中では、複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体として特にスチレンが好ましいとしている。しかしながら耐熱性の高いポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造しようとする場合、300℃程度の高い加工温度が必要であり、上記スチレンをグラフト重合した複合ゴム系グラフト共重合体を用いるとスチレンの熱安定性が低いためその分解を伴い、押出し時ダイス部にメヤニ状の付着物が発生して、ストランド切れ等の問題を起こし製造効率が悪くなるという問題があった。また同じく、複合ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したものも好ましい例として挙げられている。しかしながらスチレンおよびアクリロニトリルがグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体を用いてポリスチレン樹脂を含んだポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得ようとすると、ポリスチレンと該ゴムおよびポリフェニレンエーテルとポリスチレンから成る樹脂マトリックスと該複合ゴム系グラフト共重合体の相溶性が低いためか充分な耐衝撃性を持つポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得ることはできなかった。
【0005】
特開平2−1760号公報では、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物にさらにリン酸エステル系難燃剤を加え、難燃性を付与したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が開示されている。しかしながら上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と同様な問題を持っておりさらに、リン酸トリフェニルなどのリン酸エステル系難燃剤を用いた場合、成形加工時に樹脂相から該リン酸トリフェニルが揮発し発煙を生じたり、金型表面やガス抜き部に該リン酸トリフェニルが付着するという成形時のトラブルを起こしたり、成形品表面から該リン酸トリフェニルがブリードして成形品の外観不良を引き起こすといった問題もあった。
【0006】
これら問題に関して、本出願人は特開平7−53876号公報、特願平6−158315号公報で記載の特定のリン酸エステル系難燃剤を用いる事により、成型加工時の揮発、発煙、成形品からのブリードという問題を解決できるとの提案を行っている。 しかし、複合ゴムに、スチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体とポリフェニレンエーテル樹脂、およびポリスチレン樹脂から成る樹脂マトリックス相への相溶性の改良と加工時の熱安定性の改良および高い耐熱性と耐衝撃性および機械的強度に優れ、またはさらに難燃性に優れるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の提供には至っていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明の課題は、従来の技術で達成することのできなかった、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムに、スチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体と、ポリフェニレンエーテル樹脂またはこれとポリスチレン系樹脂からなるマトリックスとの相溶性の問題を解決し、加工時の熱安定性が高くメヤニ等の発生がなく、耐衝撃性と耐熱性のバランスに優れ、またはさらに難燃剤の揮発無く難燃性に優れる、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するため、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン系樹脂、難燃剤および耐衝撃性付与材のあり方に付いて鋭意検討を重ねた結果、加工時の熱安定性が高くメヤニ等の発生が無く、耐熱性と耐衝撃性のバランスに優れ、またはさらに難燃剤の揮発が無く難燃性に優れるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を見いだすに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
1.(A)ポリフェニレンエーテル樹脂にポリスチレン系樹脂10〜0重量%を含むポリフェニレンエーテル系樹脂70〜99重量部(B)ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体30〜1重量部よりなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
2.(A)および(B)成分の合計100重量部に対して、(C)下記式(b)で示されるリン酸エステル系難燃剤0.5〜30重量部を含む請求項1記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
【化2】
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数1から6のアルキル基または水素を表す。R1、R2はメチル基を、R3、R4は独立にメチル基または水素を表す。nは1以上の整数を表す。n1、n2は独立に0から2の整数を表す。m1、m2、m3、m4は、独立に0から3の整数を示す。)
3.(A)成分のポリフェニレンエーテル樹脂が、エチレン性不飽和化合物により変性
されたポリフェニレンエーテル樹脂である上記1.又は2.に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
4.エチレン性不飽和化合物がアクリル酸ステアリルまたはスチレンである上記3.記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
5.(B)成分中にグラフト重合される芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物が、それぞれスチレンおよびアクリロニトリルである上記1.〜4.のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
である。
【0010】
本発明の(A)成分として用いるポリフェニレンエーテル樹脂とは、一般式(c)及び/又は(d)で表される繰り返し単位を有するポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体あるいは共重合体である。
【0011】
【化3】
【0012】
(ここで、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R1 0 は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素を表す。但し、R5 とR6 、R9 とR1
0は同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
【0013】
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。ポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等がある。
【0014】
本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体あるいは共重合体の製造方法
は特に限定されるものではないが例えば米国特許4,788,277号明細書(特願昭62−77570号公報)に記載されている方法に従って、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化カップリング重合して製造することができる。
また、分子量および分子量分布も本発明の要件を満たす限り、特に限定されるものではないが、30℃クロロホルム溶媒下での還元粘度が0.3〜0.7d/gのものが好ましく用いられる。0.3d/g未満の還元粘度のものでは熱安定性が悪くなる傾向があり、また0.7d/gを越える還元粘度のものでは成形加工性が損なわれる傾向がある。
【0015】
また、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいても構わない。
少量共存させることが提案されているものの例としては、特願昭63−12698号公報及び特開昭63−301222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
【0016】
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂には、一般にガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤との密着性を改良するためなどに用いられる下記のα,β不飽和カルボン酸またはその無水物等により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂も含むことができる。
【0017】
α,β不飽和カルボン酸またはその無水物の例として、特公昭49−2343号公報、特公平3−52486号公報等に記載される無水マレイン酸、フタル酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、無水ハイミツク酸、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸あるいはマレイン酸、フマル酸等が挙げられ、これらに限定されるものではないが、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0018】
無水マレイン酸等のα,β不飽和カルボン酸またはその無水物とポリフェニレンエーテル樹脂との反応は、有機過酸化物の存在下または非存在下で両者を混合しポリフェニレンエーテル重合体のガラス転移温度以上の温度まで加熱することによって製造できる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造する際には、あらかじめ無水マレイン酸等のα,β不飽和カルボン酸またはその無水物を結合したポリフェニレンエーテル樹脂を用いても良いし、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造する際に同時に、無水マレイン酸等のα,β不飽和カルボン酸またはその無水物を添加することによりポリフェニレンエーテル重合体と反応させる方法でも良い。
【0019】
さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂としては、エチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂を含むことが出来る。
本発明では、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物中のポリフェニレンエーテル樹脂の含量が多いため、成形加工性が悪くなる傾向にあるが、該エチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂またはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成形流動性および成形加工時の変色抑制による製品着色性に優れるため、それを用いることがより好適である。
【0020】
エチレン性不飽和化合物の例として、アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシル、ラウリル、ラウリルートデシル、トリデシル、セチル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベンジルエステル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシル、ラウリル、ラウリルートデシル、トリデシル、セチル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベンジルエステル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチルスチレン、スチルベン、ケイ皮アルコール、ケイ皮酸ニトリル、4−ビニルピリジン等が挙げられる。これらに限定されるものではないが、なかでもアクリル酸ステアリルおよび/またはスチレンを用いた場合が最も好ましい。
【0021】
エチレン性不飽和化合物はポリフェニレンエーテル樹脂100重量%に対して、0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の割合で配合される。0.1重量%より少ないと成形流動性、着色性等の効果が小さくなり、15重量%より多すぎると耐熱性の低下が大きくなり好ましくない。
アクリル酸ステアリル等のエチレン性不飽和化合物とポリフェニレンエーテル樹脂との反応は、有機過酸化物の存在下または非存在下で両者を混合しポリフェニレンエーテル重合体のガラス転移温度以上の温度まで加熱することによって製造できる。
【0022】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造する際には、あらかじめエチレン性不飽和化合物を結合したポリフェニレンエーテル樹脂を用いても良いし、ポリフェニレンエーテル性樹脂組成物を製造する際に同時にアクリル酸ステアリル等のエチレン性不飽和化合物を添加することによりポリフェニレンエーテル重合体と反応させる方法でも良い。
【0023】
本発明に用いるポリスチレン系樹脂とは、一般式(e)
【0024】
【化4】
【0025】
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)
で表される芳香族ビニル系単量体単位50重量%以上から構成される単独重合体または共重合可能な他のビニル系単量体またはゴム質重合体との共重合体である。
【0026】
これら単独重合体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。
また、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、またゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
【0027】
上記したポリスチレン系樹脂を(A)成分中に含ませる場合には、(A)成分中のポリスチレン系樹脂の割合が20重量%以下であることが好ましく、さらに10重量%以下であるものが好ましく、ポリスチレン系樹脂を含まないものが特に好ましい。ポリスチレン系樹脂の割合が20重量%を越える場合には、本発明で用いる(B)成分の複合ゴム系グラフト共重合体と、マトリックスを形成する(A)成分との界面で、相溶性が乏しくなるためか、耐衝撃性が低くなり好ましくない他、目的とする高い耐熱性が得られなくなり好ましくない。
【0028】
つぎに、本発明の(B)成分として用いる、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とから成るポリオルガノシロキサン系ゴムに芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物、特にスチレンおよびアクリロニトリルのビニル系単量体をグラフト重合した複合ゴム系グラフト共重合体は、オルガノシロキサンと架橋剤(I)、場合によっては、グラフト交叉剤(I)とを微小粒子状に重合したポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとが相互に絡み合った複合ゴムに該芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフト重合させたものである。
【0029】
オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体があげられ、好ましく用いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いられる。これらの使用量は、ポリオルガノシロキサンゴム成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0030】
架橋剤(I)としては、3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中0.1〜30重量%である。グラフト交叉剤(I)としては、次式(f)
【0031】
【化5】
【0032】
(各式中R1 はメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基、R2 は水素原子はまたはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の整数を示す。)
で表される単位を形成し得る化合物等が用いられる。式(I−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり耐衝撃性発現の点で有利である。なお、式(I−1)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。
メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としてはβ−メタクリロイルオキシシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
グラフト交叉剤の使用量は、ポリオルガノシロキサンゴム成分中0〜10重量%である。
【0033】
このポリオルガノシロキサンゴム成分のラテックスの製造は、例えば米国特許第2891920号明細書、同第3294725号明細書等に記載された方法を用いることが出来る。
本発明の実施では、例えば、オルガノシロキサンと架橋剤(I)および所望によりグラフト交叉剤(I)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸は、オルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0034】
次に上記複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は以下に示すアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(II)およびグラフト交叉剤(II)を用いて合成することが出来る。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
【0035】
架橋剤(II)としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤(II)としては、例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。
これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は、単独または2種以上併用して用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤の合計の使用量は、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中0.1〜20重量%である。
【0036】
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフト交叉剤を添加しポリオルガノシロキサンゴム粒子へ含浸させた後、通常のラジカル開始剤を作用させて行う。重合の進行とともにポリオルガノシロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる。
なお、本発明の実施に際してはこの複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。このようにして乳化重合により調整された複合ゴムは、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物等のビニル系単量体とグラフト共重合可能である。この複合ゴムをトルエンにより90℃で12時間抽出して測定したゲル含量は80重量%以上であると好ましい。
【0037】
また、上記複合ゴムにおけるポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の割合は、前者が3〜90重量%に対して、後者が97〜10重量%であるものが好ましく、また複合ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μmであるのが好ましい。
上記複合ゴムにグラフト重合できるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル化合物;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル化合物;メタクリル酸等のカルボン酸基含有ビニル化合物等の各種ビニル系単量体が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明においては、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物の組み合わせが好ましく、スチレンおよびアクリロニトリルの組み合わせが特に好ましい。スチレンおよびアクリロニトリルの組み合わせでは、スチレン単独の場合と比較して耐熱性が良いため、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を製造する際の高い加工温度条件下でもメヤニ等の発生が無く、ストランド切れ等の問題が発生しないため製造効率を悪くすることがない。
【0038】
また、ビニル系単量体は、上記した複合ゴム3〜95重量%に対して5〜97重量%の割合で含まれると好ましい。
複合ゴム系グラフト共重合体は、上記ビニル系単量体を上記の複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル重合技術によって一段または多段で重合させて得られる複合ゴム系グラフト共重合体ラテックスを、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固する事により分離、回収することが出来る。
【0039】
このような複合ゴム系グラフト共重合体は、例えば三菱レイヨン株式会社より、メタブレンSRK−200として商業的に入手可能である。
上記した(B)成分の複合ゴム系グラフト共重合体は、(A)成分70〜99重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で配合される。(B)成分の量が多すぎると流動性および剛性の低下を起こし好ましくなく、また少なすぎると本発明の効果が発揮されず好ましくない。
【0040】
本発明の(C)成分として用いるリン酸エステル系難燃剤とは、一般式(a)
【0041】
【化6】
【0042】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ独立にフェニル基または炭素数1から6のアルキル基で1〜3個置換されたアリール基であり、さらにヒドロキシル基で置換されたアリール基でもよい。Xはアリーレン基であり、nは自然数、j、k、l、mはそれぞれ独立して0または1である。)
で表され、その中でも一般式(b)で表されるリン酸エステル系難燃剤が特に好ましく、
【0043】
【化7】
【0044】
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数1から6のアルキル基又は水素を表す。R1、R2はメチル基を、R3、R4は独立にメチル基または水素を表す。nは1以上の整数を表す。n1、n2は独立に0から2の整数を表す。m1、m2、m3、m4は、独立に0から3の整数を示す。)
で表される。一般式(b)においてn1、n2が0で、R3、R4がメチル基であることが好ましい。
【0045】
また、一般式(b)においてm1、m2、m3、m4が0である、つまり末端のフェニル基へのアルキル基の置換がないか、またはQ1、Q2、Q3、Q4が、メチル基であるつまり末端フェニル基へのメチル基が置換されている場合が最も好ましい。一般式(b)におけるnは1以上の整数であってその数により耐熱性、加工性が異なってくる。好ましいnの範囲は1〜10である。また(C)成分はn量体の混合物であってもかまわない。
【0046】
本発明の(C)成分のリン酸エステル系難燃剤は、特定の二官能フェノールによる結合構造と、特定の単官能フェノールによる末端構造を有す。
二官能フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビスフェノール類が挙げられるが、これに限定されない。特にビスフェノールAが好ましい。
【0047】
単官能フェノールとしては、無置換フェノール、モノアルキルフェノール、ジアルキルフェノール、トリアルキルフェノールを単独または2種以上の混合物として使用できる。特にフェノール、クレゾール、ジメチルフェノール(混合キシレノール)、2,6−ジメチルフェノール、トリメチルフェノールが好ましい。
上記特徴を有する(C)成分として用いるリン酸エステル系難燃剤は揮発性が大幅に抑制されており、安定性、耐加水分解性にも優れている。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂との間で反応を起こしてゲル化のような問題を起こすこともなく、ポリフェニレンエーテル系樹脂の分解を促進することもないし、成形加工機等の金属部分を腐食させることもない。
【0048】
(C)成分のリン酸エステル系難燃剤は、上記の二官能フェノールと単官能フェノールをオキシ塩化リンと反応させることにより得ることができるが、この製法になんら制約されることはない。なお、上記で特定した構造のリン酸エステル系難燃剤の他に、本発明で用いる(C)成分のリン酸エステル系難燃剤は、発明の効果を損なわない範囲で一般的に用いられるリン酸エステル系難燃剤、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤やこれらを各種置換基で変性した化合物、各種の縮合タイプのリン酸エステル系難燃剤と併用する事も可能である。
(C)成分の割合は、(A)、(B)合計100重量部に対して、0.5〜30重量部であり、所望の難燃性レベルを達成させるために必要な量を用いる。
【0049】
本発明において(C)成分の割合は、0.5〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%がさらに好ましい。30重量%より多すぎると、耐熱性の低下を引き起こし好ましくない。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、他の難燃剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、染顔料、あるいはガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、導電性カーボン等の充填剤を添加することができる。
【0050】
本発明の耐衝撃性付与成分としては、(B)成分の複合ゴム系グラフト共重合体を用いるが、本発明の効果を損なわない範囲で他の耐衝撃性付与成分として、水添ブロック共重合体を用いることもできる。
水添ブロック共重合体としては、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックXおよび共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックYとからなるブロック共重合体を水素添加反応して得られる水添ブロック共重合体であり、各部ブロックの結合形式は、例えばX−Y、X−Y−X、X−Y−X−Y、(X−Y−)4 −Si、X−Y−X−Y−Xなどである。
【0051】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製造するための方法に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。しかしながら一般に溶融混練法が望ましく、一例を挙げれば二軸押出し機を用い適当な条件において、全原料をホッパーより投入し順次溶融混練を行う方法がある。
この際に他の方法として、サイドフィダーを設けた押出し機を用いて(B)成分または(C)成分または(B)、と(C)成分をサイドフィーダーより投入して溶融混練する方法。(C)成分を液体として液状添加して溶融混練する方法。さらに、溶融混練により発生する揮発性成分をベントポートを設けた押出し機を用い揮発性成分を真空脱気して溶融混練する方法。または、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。
【0052】
装置としては、上記一例に示した二軸押出し機の他、単軸押出し機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等を例としてさらに挙げることが出来るがこれらに限定されるものではない。
【0053】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
成分(A):ポリフェニレンエーテル樹脂の調製A−1 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル。
A−2 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.42のポリフェニレンエーテル。
A−3 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル100重量部に対して、アクリル酸ステアリル2重量部を320℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練しアクリル酸ステアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂を得たもの。
A−4 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル80重量%と、数平均分子量が77,000のポリスチレン20重量%を二軸押出機により加熱溶融混練したもの。
A−5 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル80重量%と、ハイインパクトポリスチレン(商標;スタイロン H9405、旭化成工業株式会社製)20重量%を二軸押出機により加熱溶融混練したもの。
A−6 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル70重量%と、数平均分子量が77,000のポリスチレン30重量%を二軸押出機により加熱溶融混練したもの。
A−7 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル70重量%と、ハイインパクトポリスチレン(商標;スタイロン H9405、旭化成工業株式会社製)30重量%を二軸押出機により加熱溶融混練したもの。
成分(B):複合ゴム系グラフト共重合体B−1 :メタブレン SRK−200:商品名、三菱レイヨン株式会社製ポリジメチルシロキサンゴム成分およびポリ(n−ブチルアクリレート)ゴム成分にスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合して成る複合ゴム系グラフト共重合体。
B−2 :メタブレン SX−2:商品名、三菱レイヨン株式会社製ポリジメチルシロキサンゴム成分およびポリ(n−ブチルアクリレート)ゴム成分にスチレンをグラフト重合して成る複合ゴム系グラフト共重合体。
成分(C)リン酸エステル系難燃剤C−1:ビスフェノールA−ポリクレジルホスフェート;化学式(g)(n=1〜3の混合物)
【0054】
【化8】
【0055】
C−2:ビスフェノールA−ポリフェニルホスフェート;化学式(h)(n=1〜3の混合物)
【0056】
【化9】
【0057】
C−3:トリフェニルホスフェート〔大八化学(株)製;TPP〕
<実施例1〜9、参考例1〜11および比較例1〜13>
(A)成分(ポリフェニレンエーテル樹脂)、(B)成分(複合ゴム系グラフト共重合体)、(C)成分(リン酸エステル系難燃剤)を表1〜4に示した組成で、ベントポート付き二軸押出機ZSK−25(WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて押出温度280〜320℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量15kg/時間の条件にて溶融混練しペレットとして得た。
【0058】
このペレットを用いて290〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度80℃または120℃の条件で試験用テストピースを射出成形した。本実施例中の物性値または特性値は下記の方法により測定した。
荷重たわみ温度(DTULと略す。):ASTM D256に基づき、荷重18. 6Kg/cm2 にて測定した。
耐衝撃性:4分の1インチ厚試験片を用いてASTM D638に従ってノッチ付きIZOD衝撃強さを測定した。
燃焼性:UL−94に規定された垂直燃焼試験方法に基づき、16分の1インチ厚試験片を用いて測定を行い、ランク付けを行った。
揮発性の評価:射出成型時のノズル部における発煙量を目視で観察しリン酸エステル系難燃剤の揮発性を評価した。
熱安定性の評価:押出し造粒時、押出し機ダイス部に発生するメヤニ状の付着物の量を目視により評価した。なお、メヤニは組成物中に熱分解する成分が存在すると発生しやすい。
評価の結果は、表1〜4に示した。
【0059】
表1〜4により本発明による成分、組成により得られたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、明らかに耐熱性を保持した状態で耐衝撃性が著しく改良され、さらに熱分解しやすい成分(スチレンをグラフト重合した複合ゴム系グラフト共重合体)を用いないため押出し時メヤニ等の発生が少ないものであった。また難燃性を付与したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物においても耐熱性と耐衝撃性のバランスに優れ、成型時の発煙が少なく揮発のしにくいものに改良された。
【0060】
一方、本発明以外の成分、組成により得られた組成物は、耐熱性と耐衝撃性、さらに難燃性のバランスに優れないか、熱安定性に優れず押出し時にメヤニが多く、また成型時に発煙が多いものであり製造効率、作業性の悪いものであった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、従来のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に比べ、熱安定性が良くメヤニ等の発生が少なく、耐熱性と耐衝撃性のバランスに優れ、さらに難燃化の際には難燃性にも優れ、揮発性成分の少ないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することができる。
Claims (5)
- (A)ポリフェニレンエーテル樹脂にポリスチレン系樹脂10〜0重量%を含むポリフェニレンエーテル系樹脂70〜99重量部(B)ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体30〜1重量部よりなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- (A)成分のポリフェニレンエーテル樹脂が、エチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂である請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- エチレン性不飽和化合物がアクリル酸ステアリルまたはスチレンである請求項3記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- (B)成分中にグラフト重合される芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物が、それぞれスチレンおよびアクリロニトリルである請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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