JP2001293102A - スプリンクラー消火設備 - Google Patents

スプリンクラー消火設備

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JP2001293102A JP2000114742A JP2000114742A JP2001293102A JP 2001293102 A JP2001293102 A JP 2001293102A JP 2000114742 A JP2000114742 A JP 2000114742A JP 2000114742 A JP2000114742 A JP 2000114742A JP 2001293102 A JP2001293102 A JP 2001293102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】火災報知設備の施工が完了していなくとも制御
弁の機能点検を可能とする。 【解決手段】防護区画に設置されたスプリンクラー制御
盤5は、火災報知設備から火災信号Efを移報する移報
線を接続すると共に移報線断線検出回路32を設け、火
災信号Ef、流水検知信号Ea及び移報線断線検出信号
により制御弁18を制御して消火用水の供給を制御す
る。スプリンクラー制御盤5に火災信号Efの移報線を
接続していない状態で点検スイッチ24を操作した際
に、点検制御部22が移報線断線検出回路32の機能を
解除して制御弁18を閉状態に制御し、機能を点検す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災発生時にスプ
リンクラーヘッドから消火用水を放水するスプリンクラ
ー消火設備に関し、特に集合住宅の各住戸を一つの防護
区画として放水を制御するスプリンクラー消火設備に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスプリンクラー消火設備
としては例えば図4のものがある(特開平10−536
5号)。
【0003】図4において、建物の地下階等には消火ポ
ンプ101及びモータ102が設置され、ポンプ制御盤
115によるモータ102の駆動で消火ポンプ101を
運転し、貯水槽103の消火用水を汲み上げ、建物の垂
直方向に配管した給水本管104に加圧供給している。
建物の屋上には高架水槽105が設置され、給水本管1
04に常時、消火用水を充満させている。
【0004】また給水本管104の管内圧力を規定圧に
保持するための消火ポンプ101の運転のため、圧力タ
ンク113が分岐接続され、給水本管104の管内圧力
を導入して内部空気を圧縮している。また圧力タンク1
13には圧力スイッチ114が設けられ、スプリンクラ
ーヘッド110の作動により管内圧力が規定圧力以下に
低下すると圧力スイッチ114がオンし、このオンを検
出することでポンプ制御盤115がモータ102を駆動
して消火ポンプ101を運転する。
【0005】給水本管104からは建物の階ごとに分岐
管106が流水検知装置108を介して引き出され、流
水検知装置108の二次側の分岐管には閉鎖型のスプリ
ンクラーヘッド110が接続されている。また流水検知
装置108の一次側に制御弁107を設けている。
【0006】制御弁107は例えばモータ駆動により開
閉制御できる電動弁であり、定常監視状態で開状態に維
持されている。このため給水本管104の管内圧力は、
分岐管106の開状態にある制御弁107及び流水検知
装置108を通って二次側のスプリンクラーヘッド11
0に供給され、従来の湿式スプリンクラー設備と同じ加
圧水の供給状態となっている。
【0007】流水検知装置108は流水検知スイッチ1
09を備えており、火災によりスプリンクラーヘッド1
10が作動して消火用水を放水したときの水流による弁
開放又は圧力低下等を検出して流水検知スイッチ109
をオンし、流水検知信号を出力する。
【0008】分岐管106の端末側には末端試験弁11
1とオリフィス112が接続され、更に圧力計142を
設けている。点検時に末端試験弁111を開くと、オリ
フィス112で決まるスプリンクラーヘッド1台の作動
に相当する水量が流れ、これにより擬似的に流水検知装
置108を作動させてポンプ運転等の試験動作を行わせ
ることができる。
【0009】流水検知装置108に設けた流水検知スイ
ッチ109からの流水検知信号は、消火用中継器117
を経由してスプリンクラー制御盤116に与えられてい
る。またスプリンクラー制御盤116からの制御弁10
7に対する制御信号E3も、消火用中継器117を経由
して出力される。
【0010】一方、スプリンクラーヘッド110の防護
区画には火災感知器118が設置される。火災感知器1
18は火報用中継器120からの感知器回線に接続され
ており、火災を検出して火災検出信号を、火報用中継器
120を介して火災受信盤121に出力し、火災が判断
される。火災受信盤121で火災が判断されると、スプ
リンクラー制御盤116に対し火災信号E20が移報信
号として送出される。
【0011】また感知器回線が断線した場合などには、
火災受信盤121からスプリンクラー制御盤116に障
害信号E30が送出される。
【0012】スプリンクラー制御盤116は、定常監視
状態において制御弁107を開状態としてスプリンクラ
ーヘッド110に消火用水を供給し、流水検知装置10
8により流水が検知された際に、火災受信盤121から
火災信号があれば制御弁107の開状態を維持し、作動
したスプリンクラーヘッドから放水を継続させる。
【0013】また流水検知装置108により流水が検知
された際に、火災信号がなければ制御弁107を閉状態
として消火用水の供給を停止し、その後に火災信号があ
れば制御弁107を開制御して放水を再開し、火災信号
がなければスプリンクラーヘッドの誤作動とみなして放
水を禁止し、水損の被害を小さくする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような水損防止機
能を備えたスプリンクラー消火設備を集合住宅の各住戸
を防護区画として設置する場合、スプリンクラー消火設
備の施工は、住宅情報盤及び火災感知器等からなる住戸
内の火災報知設備とは、別々の工程で進められることが
ある。
【0015】このようにスプリンクラー消火設備と火災
報知設備が別々の工程で施工された場合、どちらかの設
備の施工が先に完了することがほとんどであるが、従来
のスプリンクラー消火設備では住戸内の火災報知設備の
施工が完了してからでないと制御弁の機能の点検ができ
ない。このためスプリンクラー消火設備の施工が先に完
了した場合、火災報知設備の施工完了を待たなければな
らず、スプリンクラー消火設備の施工期間を長くする要
因となっている。
【0016】即ち、図4のスプリンクラー消火設備は、
スプリンクラーヘッド110が作動して流水検知信号E
1が得られた場合に、火災感知器118が発報していな
ければ、スプリンクラーヘッド110の誤作動と判断し
て制御弁107を閉制御している。また火災受信盤12
1からスプリンクラー制御盤116に火災信号E30を
移報する移報線が断線している場合は、火災又はその可
能性が高いと判断し、制御弁107を開状態に維持し、
放水を継続する。
【0017】このため火災報知設備が完成してなけれ
ば、火災受信盤121からの移報線が断線していると同
じ状態となっているため、制御弁107を開状態に維持
する制御条件が成立し、点検時に末端試験弁111を開
いてスプリンクラーヘッド110が動作したと同じ状態
にして流水検知信号E1を発生させても制御弁107の
閉制御ができず、制御弁の機能が点検できないという問
題がある。
【0018】本発明は、火災報知設備が完了していなく
とも制御弁の機能点検を可能とするスプリンクラー消火
設備を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。まず本発明のスプリンク
ラー消火設備は、防護区画に設置された火災感知器を感
知器回線に接続して防護区画の火災を監視する火災報知
設備と、同じ防護区画に配置されたスプリンクラーヘッ
ドと、スプリンクラーヘッドへの消火用水の供給と停止
を制御する制御弁と、スプリンクラーヘッドの作動によ
る消火用水の流水を検知する流水検知装置と、火災報知
設備から火災信号を移報する移報線を接続すると共に移
報線断線検出回路を設け、火災信号、流水検知信号及び
移報線断線検出信号により制御弁を制御して消火用水の
供給を制御するスプリンクラー制御盤とを備える。
【0020】このようなスプリクラー消火設備につき本
発明は、防護区画の外に設けた点検スイッチと、スプリ
ンクラー制御盤に移報線を接続していない状態で点検ス
イッチを操作した際に、移報線断線検出回路の機能を解
除して制御弁を閉状態に制御する点検制御部とを設けた
ことを特徴とする。
【0021】このため火災報知設備の施工が完了せずに
移報線が接続されていない状態でスプリンクラー消火設
備の施工が完了した場合でも、点検スイッチの操作で擬
似的に移報線の接続状態が作り出され、このため制御弁
を開状態に制御する制御条件が解除され、擬似的な流水
検知信号の受信によって制御弁の閉制御ができ、制御弁
の機能を点検することができる。
【0022】また点検制御部は、制御弁を閉状態に制御
した後に点検スイッチを元の状態に戻した際に、制御弁
を開状態に制御して移報線断線検出回路の機能を回復さ
せる。更に、スプリンクラー制御盤は、定常監視状態に
おいては、制御弁を開状態としてスプリンクラーヘッド
に消火用水を供給し、流水検知装置により流水が検知さ
れた際に、火災報知設備からの火災信号又は障害信号も
しくは移報線断線検出回路の断線検出信号があれば制御
弁の開状態を維持し、火災信号、障害信号又は断線検出
信号のいずれもがなれば制御弁を閉状態に制御して消火
用水の供給を停止する。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるスプリンクラ
ー消火設備の説明図である。
【0024】図1において、本発明のスプリンクラー消
火設備は集合住宅に設置した例であり、住戸を1つの防
護区画として火災監視を行うため、住戸内には住戸用受
信機として機能する火災受信盤1を設け、火災受信盤1
から中継器2を介して引き出された感知器回線3に火災
感知器4を接続している。
【0025】また住戸を1つの防護区画として消火を行
うため、住戸内にはスプリンクラーヘッド6が設置され
ている。スプリンクラーヘッド6は閉鎖型であり、火災
による熱を受けた際に内部の金属を溶融させることなど
によって自動的に開口して消火用水を散水する。
【0026】スプリンクラーヘッド6は分岐管7を介し
て給水本管8に接続されており、給水本管8及び分岐管
7を介してスプリンクラーヘッド6に消火用水が供給さ
れる。給水本管8の一端は建物の地下室などに引き込ま
れ、消火ポンプ9を介して貯水槽10に連結されてい
る。
【0027】また給水本管8には圧力タンク11が分岐
接続され、圧力タンクによって給水本管を加圧すること
により管内圧力を規定値に保持している。圧力タンク1
1には圧力スイッチ12が設けられ、スプリンクラーヘ
ッド6が作動して給水本管8の管内圧力が所定値以下に
低下したことが圧力スイッチ12で検出されると、ポン
プ制御盤13によりモータ14を駆動して消火ポンプ9
を運転し、貯水槽10の消火用水を給水本管8に継続し
て加圧供給する。
【0028】消火ポンプ9が運転されている際にはポン
プ運転信号がポンプ制御盤13から住棟受信盤15に出
力される。また給水本管8の他端は建屋屋上などの高所
に設置した高架水槽19に引き込まれ、高架水槽19か
らの消火用水で給水本管8に消火用水を常時充満させて
いる。
【0029】給水本管8から分岐される分岐管7には流
水検知装置16と制御弁18が設けられる。制御弁18
は分岐管7の開閉を行うことにより、スプリンクラーヘ
ッド6に対する消火用水の供給と停止を制御し、スプリ
ンクラー制御盤5の制御によって駆動される電動弁で構
成される。
【0030】この制御弁18は定常監視状態においては
常に開放状態に維持されている。このため、定常監視状
態においては消火用水は制御弁18を介してスプリンク
ラーヘッド6に供給されており、湿式スプリンクラー設
備と同じ加圧消火用水の供給状態となっている。
【0031】制御弁18にはバイパス弁18aが並列に
接続されており、制御弁18が制御不能となった場合に
はバイパス弁18aの手動操作による開閉で消火用水の
供給と停止ができる。バイパス弁18aは定常監視状態
では閉じられている。
【0032】制御弁18の二次側には圧力スイッチ20
が設けられ、スプリンクラーヘッド6側の分岐管7の圧
力が規定圧力以上のときオンとなる圧力検知信号Epを
スプリンクラー制御盤5に出力する。
【0033】流水検知装置16は、スプリンクラーヘッ
ド6が火災による熱を受けて作動したときの消火用水の
散水によって発生する流水で弁を開いてオンし、流水検
知装置16からオンとなった流水検知信号Eaをスプリ
ンクラー制御盤5に出力する。
【0034】分岐管7の末端側には末端試験弁27、オ
リフィス28が設けられる。末端試験弁27を手動で開
くことにより、オリフィス28で決定される量の消火用
水を分岐管7に流し、流水検知装置16を擬似的に作動
させて消火ポンプ9の試験運転を行ったり、制御弁18
の開閉制御を確認するための点検制御を行うことができ
る。この末端試験弁27はスプリンクラー制御盤5と同
様、住戸外に設置されている。
【0035】スプリンクラー制御盤5に対しては火災受
信盤1より、移報線30,31により火災信号Efと障
害信号Etが移報信号として供給されている。火災受信
盤1は、火災感知器4で火災検出が行われたときに感知
器回線3を低インピーダンスに短絡することにより流れ
る発報電流を受信し、火災受信盤1で火災警報を行い、
図示しない戸外表示器に表示すると共に住棟受信盤15
に移報して表示する。
【0036】更に火災受信盤1は感知器回線3の断線を
監視しており、断線を検出するとスプリンクラー制御盤
5に対し移報線31によって障害信号Etを移報する。
この断線監視のため、火災受信盤1から引き出された感
知器回線3はスプリンクラーヘッド5に引き込まれ、そ
の手前で終端抵抗25を接続し、スプリンクラー制御盤
5内に、後の説明で明らかにする火災受信盤1の機能が
正常であるか否かを確認するために擬似的に断線状態を
作り出す擬似障害発生スイッチ26を設けている。
【0037】スプリンクラー制御盤5には制御回路2
1、緊急停止スイッチ23、移報線断線検出回路32、
更に本発明による火災受信盤1からの移報線30が接続
されていない状態で制御弁18を点検制御するための点
検スイッチ24と、この点検スイッチ24を操作した際
に制御弁18を閉制御する制御回路21の点検制御部2
2を設けている。
【0038】スプリンクラー制御盤5は、流水検知装置
16からの流水検知信号Ea、圧力スイッチ20からの
圧力検知信号Ep、火災受信盤からの火災信号Efと障
害信号Et、更に移報線断線検出回路32からの断線検
出信号を入力しており、これらの信号に基づいて制御弁
18の制御を行う。
【0039】ここでスプリンクラー制御盤5による制御
弁18の制御の概略は次のようになる。まず定常監視状
態においては制御弁18を開状態とし、スプリンクラー
ヘッド6に消火用水を供給している。火災によるスプリ
ンクラーヘッド6の作動で消火用水が散水されると、流
水検知装置16からの流水検知信号Eaがオンとなって
制御回路21に供給され、このとき火災受信盤1からの
火災信号Efまたは障害信号Etがあり、更に断線検出
信号がなければ、制御弁18の開制御を維持する。
【0040】一方、流水検知信号Eaがオンとなったと
きに火災受信盤1からの火災信号Ef、障害信号Et、
又は移報線断線検出回路32による断線検出信号のいず
れもないときには、スプリンクラーヘッド6の誤動作が
考えられるので制御弁18を閉状態に制御して消火用水
の供給を停止する。
【0041】制御回路21に設けた点検制御部22は、
スプリンクラー制御盤5を含むスプリンクラー消火設備
側の施工が先に完了し、住戸内の火災受信盤1を含む火
災報知設備の施工が完了せずに、火災受信盤1から火災
信号Efの移報線30及び障害信号線Etの移報線31
の接続が行われていない状態で、制御弁18の動作を点
検するために使用する。
【0042】即ち、移報線30がスプリンクラー制御盤
5に接続されていない状態は移報線30が断線したと同
じ状態であり、このため移報線断線検出回路32が断線
検出信号を制御回路21に出力している。このため、例
えば末端試験弁27を開いて流水検知信号Eaが得ら
れ、火災信号Efが得られない状態にあっても、断線検
出信号によって制御回路21による制御弁18の閉制御
は基本的にはできない。
【0043】しかしながら、本発明にあっては、点検ス
イッチ24と点検制御部22を設けたことで、火災信号
Efの移報線30が接続されていない断線状態にあって
も制御弁18の閉制御を行うことができる。
【0044】このようなスプリンクラー制御盤5による
制御弁18の点検制御を含む制御処理を図2のフローチ
ャートを参照して説明すると次のようになる。なお図2
の説明にあっては、流水検知信号、火災信号、障害信
号、圧力検知信号、断線検出信号の有無をチェックして
制御を行っているが、この場合の信号ありは信号のオン
を意味し、また信号なしは信号のオフを意味する。
【0045】図2において、スプリンクラー制御盤5
は、まずステップS1で点検スイッチ24がオンしたか
否かチェックしており、通常時は点検スイッチ24はオ
フであることから、ステップS3以降の通常の制御弁1
8の制御処理に進む。一方、火災受信盤1からの移報線
30を接続していない状態で制御弁18の機能を点検す
る場合には、点検スイッチ24をオンすることでステッ
プS1からステップS2に進んで制御弁18の点検制御
が行われる。このステップS2の制御弁の点検制御は、
図3にサブルーチンとして詳細に示す。
【0046】まずステップS3以降の通常時の制御弁1
8の制御処理を説明する。スプリンクラー制御盤5は、
ステップS3で流水検知装置16からの流水検知信号E
aの有無をチェックしている。定常監視状態では流水検
知信号Eaはないことから、ステップS4で火災受信盤
からの火災信号Efの有無をチェックするが、火災信号
Efはないことから、ステップS8で圧力スイッチ20
からの圧力検知信号Epがあることを判別し、ステップ
S5で制御弁18の開状態を維持する。
【0047】住戸内で火災が発生した場合には、火災受
信盤1からの火災信号Efの移報に基づきステップS4
で火災信号ありを判別し、ステップS5で制御弁18の
開状態を維持する。
【0048】火災に対し消火が確認されると、スプリン
クラー制御盤5に設けた緊急停止スイッチ23が押され
ることから、ステップS6で緊急停止スイッチのオンを
判別すると、ステップS7に進み、制御弁18を閉状態
に制御し、スプリンクラーヘッド6からの散水を停止す
る。
【0049】またスプリンクラーヘッド6からの散水中
に火災受信盤1から移報している火災信号Efがなくな
った場合にも、ステップS9で火災信号なしを判別し
て、ステップS10に進み、障害信号Etもしくは移報
線断線検出信号もないことを判別し、この場合にはステ
ップS11でスプリンクラー制御盤5に設けている擬似
障害発生スイッチ26をパルス的に開閉動作するスイッ
チ駆動を行った後、ステップS12で火災受信盤1より
パルス的な障害信号Etが得られるかどうかチェックす
る。
【0050】火災受信盤1からパルス的な障害信号Et
が得られれば、ステップS7に進み、制御弁18を閉状
態に制御して放水を停止する。ここでステップS12で
パルス的な障害信号Etが得られない異常は、火災受信
盤1の障害の他に障害信号Etの移報線31の断線も含
まれる。
【0051】ステップS8において、圧力検知信号Ep
の有無を確認するのは制御弁18のハンチング動作を防
止するためである。即ちスプリンクラーヘッド6が破損
などにより誤動作した場合において、火災信号Efが移
報されていないことを条件に制御弁18を閉じると、破
損したスプリンクラーヘッド6からの散水を停止するこ
とができ、このとき流水検知装置16からの流水検知信
号Efがオフとなる。
【0052】これは定常監視状態と同じであるため、復
旧条件が整ったものと判断して制御弁を開状態に制御す
ると、破損したスプリンクラーヘッド6から再び散水が
開始される。このため制御弁18の開放と閉鎖の繰り返
しにより、破損したスプリンクラーヘッド6から断続的
に散水が行われるようになる。
【0053】このような弊害を防止するため、ステップ
S8で圧力検知信号Epありが判別された場合は、定常
監視状態もしくは散水後にスプリンクラーヘッドが交換
された復旧条件が整ったものと判断し、ステップS5で
制御弁18を閉制御する。
【0054】一方、ステップS8で圧力検知信号Epが
なかった場合には、スプリンクラーヘッドの作動後の火
災信号Efを待機している状態、もしくはスプリンクラ
ーヘッド6が破損している状態と判断し、ステップS7
に進んで制御弁18を閉状態に制御する。これによっ
て、破損したスプリンクラーヘッド6からの散水を制御
弁18の閉制御で確実に停止することができる。
【0055】次に火災感知器4の火災検出が行われる前
にスプリンクラーヘッドが先に作動した場合の制御を説
明する。火災発生により火災受信盤1からの火災信号E
fが移報される前にスプリンクラーヘッド6が作動し、
流水検知装置16からオンとなった流水検知信号Eaが
出力され、ステップS3で流水検知信号ありが判別され
ると、ステップS9に進んで火災信号Efを判別する
が、火災信号がないことから、ステップS10に進み、
障害信号Et及び移報線断線検出信号を判別する。
【0056】ここで障害信号Etも移報線断線検出信号
もなかった場合には、ステップS11に進み、スプリン
クラー制御盤5に引き込んだ感知器回線3の終端に設け
ている擬似障害発生スイッチ26をパルス的に開閉し、
感知器回線3の擬似的な断線状態を短時間作り出す。
【0057】このため、火災受信盤1が正常に機能し且
つ障害信号Etの移報線31に断線がなければ、パルス
的な障害信号Etが移報され、ステップS12でパルス
的な障害信号ありが判別されると、火災受信盤1は正常
に機能しているものと判断し、ステップS7に進んで制
御弁18を閉状態に制御する。
【0058】これによって、スプリンクラーヘッド6が
火災によらず破損などにより誤動作する場合の散水を停
止する。
【0059】一方、擬似障害発生スイッチ26のパルス
開閉によるスイッチ駆動を行ってもステップS12で火
災受信盤1からのパルス的な障害信号Etが移報されな
かった場合には、火災受信盤1が故障しているかあるい
は障害信号Etの移報線31が断線しているものと判断
し、この場合にはステップS5に進み、制御弁18の開
状態を維持し、作動したスプリンクラーヘッド6からの
消火用水の散水を継続させる。
【0060】スプリンクラーヘッド6が作動した後の流
水検知信号Eaに基づいてステップS7で制御弁18を
閉状態に制御すると、閉制御の途中で流水検知信号Ea
がなくなり、ステップS3,S4,S8,S7の処理を
繰り返す。
【0061】この状態で火災受信盤1から火災信号Ef
の移報があると、ステップS4で火災信号ありが判別さ
れ、ステップS5で制御弁18を開状態に制御し、作動
したスプリンクラーヘッド6から消火用水の散水を開始
させる。
【0062】次に、図1において火災受信盤を含む火災
報知設備の施工が完了していない状態でスプリンクラー
制御盤5を含むスプリンクラー消火設備に設けている制
御弁18の機能点検の動作を、図3のフローチャートを
参照して説明する。
【0063】スプリンクラー制御盤5に設けている点検
スイッチ24をオン操作すると、図2のステップS1で
点検スイッチ24のオンが判別され、ステップS2の制
御弁18の点検制御が行われる。この点検制御の詳細は
図3のフローチャートに示すようになる。
【0064】図3の制御弁点検制御にあっては、ステッ
プS1で移報線断線検出の有無をチェックしている。火
災報知設備の施工が完了していない状態にあっては、移
報線30のスプリンクラー制御盤5に対する接続がない
ことから、移報線断線検出回路32が移報線の断線を検
出している。
【0065】このためステップS2で移報線断線検出あ
りが判別され、ステップS2に進み、移報線断線検出機
能を解除する。即ち移報線30が接続されないことで、
移報線断線検出回路32が断線検出を行っていても点検
制御部22にあっては点検スイッチ24のオン操作に基
づき移報線断線検出の機能を無視する。なおステップS
1で移報線断線検出がなければ、ステップS2の処理は
スキップする。
【0066】次にステップS3で制御弁18が開放状態
か否かチェックする。制御弁18が開放状態にあれば、
ステップS4で制御弁18の閉制御を行う。ステップS
3で制御弁が閉状態にあれば、ステップS4をスキップ
する。
【0067】続いてステップS5で点検スイッチ24の
オフをチェックする。点検スイッチ24のオンで制御弁
18の閉制御が確認できたならば、点検を終了するため
に点検スイッチ24を元のオフ状態に戻す。この点検ス
イッチのオフがステップS5で判別されると、ステップ
S6に進み、点検のために閉状態とした制御弁18を開
制御する。更にステップS7で、ステップS2で設定し
た移報線断線検出機能を回復させる。
【0068】このような制御弁18の点検制御の機能に
より、防護区画となる住戸外でスプリンクラー制御盤
5、制御弁18、流水検知装置16を含むスプリンクラ
ー消火設備の施工が先に完了した場合、住戸内に設けて
いる火災受信盤1を含む火災報知設備の施工完了を待つ
ことなく、スプリンクラー制御盤5の点検スイッチ24
によって制御弁18の閉制御して機能を確認でき、これ
によってスプリンクラー消火設備側の施工を完了するこ
とができる。
【0069】なお上記の実施形態は集合住宅の各住戸を
防護区画とするスプリンクラー消火設備を例にとるもの
であったが、本発明はこれに限定されず、火災受信盤や
スプリンクラー制御盤を監視室などに集中的に設けて構
成されたビル設備に適用することもできる。
【0070】またスプリンクラー消火設備全体の構成と
しては、スプリンクラーヘッド6に対する配管に流水検
知装置16と制御弁18を設けていればよく、それ以外
の構成は異なる構成であってもよい。例えば流水検知装
置16と制御弁18の位置は図4の従来設備のように制
御弁を一次側に設けるようにしてもよい。
【0071】また制御弁は電導弁、電磁弁など配管路の
開閉をできる弁構造のものであればよい。また本発明
は、その目的と利点を損なわない適宜の変形を含み、更
に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
更にスプリンクラー制御盤は、各住戸ごとに設けなくと
もよく、複数の防護区画の制御を行うようにしてもよ
い。
【0072】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、火災報知設備の施工が完了せずに火災信号の移報線
が接続されていない状態でスプリンクラー制御盤の施工
が完了した場合でも、点検スイッチの操作で移報線の接
続がないことによる断線検出状態にあっても、この断線
検出状態による制限を受けることなく、点検スイッチの
操作で制御弁を閉制御でき、制御弁の機能を点検できる
ことによってスプリンクラー消火設備側の施工を火災報
知設備の状態に関わらず完了させることができ、スプリ
ンクラー制御盤の施工期間の短縮及び点検の省力化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の設備構成の説明図
【図2】図1のスプリンクラー制御盤による本発明の制
御処理を示したフローチャート
【図3】図2の制御点検制御のフローチャート
【図4】従来設備の説明図
【符号の説明】
1:火災受信盤(住戸受信機) 2:中継器 3:感知器回線 4:火災感知器 5:スプリンクラー制御盤 6:閉鎖型スプリンクラーヘッド 7:分岐管 8:給水本管 9:消火ポンプ 10:水源水槽 11:空気タンク 12:圧力スイッチ 13:ポンプ制御盤 14:モータ 15:住棟受信盤 16:流水検知装置 18:制御弁 19:高架水槽 20:圧力スイッチ 21:制御回路 22:点検制御部 23:緊急停止スイッチ 24:点検スイッチ 25:終端抵抗 26:擬似障害スイッチ 27:末端試験弁 28:オリフィス 29a,29b:移報入力端子 30,31:移報線 32:移報線断線検出回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防護区画に設置された火災感知器を感知器
    回線に接続して前記防護区画の火災を監視する火災報知
    設備と、 前記防護区画に配置されたスプリンクラーヘッドと、 前記スプリンクラーヘッドへの消火用水の供給と停止を
    制御する制御弁と、 前記スプリンクラーヘッドの作動による消火用水の流水
    を検知する流水検知装置と、 前記火災報知設備から火災信号を移報する移報線を接続
    すると共に移報線断線検出回路を備え、前記火災信号、
    流水検知信号及び移報線断線検出信号により前記制御弁
    を制御して消火用水の供給を制御するスプリンクラー制
    御盤と、を備えたスプリンクラー消火設備に於いて、 前記防護区画の外に設けた点検スイッチと、 前記スプリンクラー制御盤に移報線を接続していない状
    態で前記点検スイッチを操作した際に、前記移報線断線
    検出回路の機能を解除して前記制御弁を閉状態に制御す
    る点検制御部と、を設けたことを特徴とするスプリンク
    ラー消火設備。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスプリンクラー消火設備に
    於いて、前記点検制御部は、前記制御弁を閉状態に制御
    した後に前記点検スイッチを元の状態に戻した際に、前
    記制御弁を開状態に制御して前記移報線断線検出回路の
    機能を回復させることを特徴とするスプリンクラー消火
    設備。
  3. 【請求項3】請求項1記載のスプリンクラー消火設備に
    於いて、前記スプリンクラー制御盤は、定常監視状態に
    おいては、前記制御弁を開状態として前記スプリンクラ
    ーヘッドに消火用水を供給し、前記流水検知装置により
    流水が検知された際に、前記火災報知設備からの火災信
    号又は障害信号もしくは前記移報線断線検出回路の断線
    検出信号があれば前記制御弁の開状態を維持し、火災信
    号、障害信号又は断線検出信号のいずれもがなければ前
    記制御弁を閉状態に制御して消火用水の供給を停止する
    ことを特徴とするスプリンクラー消火設備。
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