JP2001288434A - 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法 - Google Patents

接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法

Info

Publication number
JP2001288434A
JP2001288434A JP2000100619A JP2000100619A JP2001288434A JP 2001288434 A JP2001288434 A JP 2001288434A JP 2000100619 A JP2000100619 A JP 2000100619A JP 2000100619 A JP2000100619 A JP 2000100619A JP 2001288434 A JP2001288434 A JP 2001288434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
parts
weight
bonding
vulcanized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000100619A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Shikakubo
隆志 鹿久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2000100619A priority Critical patent/JP2001288434A/ja
Publication of JP2001288434A publication Critical patent/JP2001288434A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加硫ゴムと加硫ゴムとの接着、特にタイヤの更
生接着、トレッド嵌合方式のタイヤ接着、あるいはタイ
ヤ、チューブの補修などを行うのに好適な接着用キット
及びそれを使用した加硫ゴムと加硫ゴムとの接着方法に
関する。 【解決手段】天然ゴム又はイソプレンゴム50〜100
重量部、合成ゴム0〜50重量部、加硫剤1〜5重量
部、加硫促進剤0.1〜5重量部及びカーボンブラック
20〜70重量部を配合してなる接着用ゴム組成物
(A)と、該接着用ゴム組成物、これを溶解しうる有機
溶剤及び加硫促進剤を含んでなるゴムセメント組成物で
あって、該ゴムセメント組成物濃度が1〜25体積%で
あり、加硫促進剤を0.1〜15重量部追加混合するゴ
ムセメント組成物(B)とからなる、加硫ゴムと加硫ゴ
ムとを接着するための接着用キットを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴムと加硫ゴ
ムとの接着、特にタイヤの更生接着、トレッド嵌合方式
のタイヤ接着、あるいはタイヤ、チューブの補修などを
行うのに好適な接着用キット及びそれを使用した加硫ゴ
ムと加硫ゴムとの接着方法に関する。
【0002】
【従来技術】現在、タイヤの更生接着は、プレキュアー
方式により行われている。すなわち、台タイヤとプレキ
ュアートレッドとの接着すべき表面にそれぞれゴムセメ
ントを塗布し、これらの塗布面間にクッションゴムを挟
み込んで圧着し、120℃以上、通常は150℃以上の
高温で加硫接着することによりタイヤの更生接着を行っ
ている。しかし、この方式では加硫のために高温、高圧
下でのオートクレーブ加硫が必要であるため、大型の設
備を要する。また、既に加硫済みの台タイヤとトレッド
とを再び高温にさらすため、これらの物性、性能の低下
が懸念される等の問題がある。
【0003】これに対し、低温での加硫ゴム同士の接着
を可能としたものに、特開平5−1176号公報に開示
される方法がある。この方法は、ジエン系ゴムに、加硫
剤、補強剤、脂肪族系炭化水素及び加硫促進剤を配合し
たゴム組成物を塗布して接着を行う方法である。このゴ
ム組成物を使用すると、100℃、約2時間での接着が
可能になる。しかし、従来よりも加硫温度は低温にはな
るが、加硫済みのゴムを約2時間もの間この温度にさら
すので、物性が低下する可能性がある。また、特公平6
−39583号公報では、ジエン系ゴム、有機硫黄化合
物、超促進剤、有機アミン等を有機溶剤に溶解したゴム
セメント組成物を加硫ゴムの接着面に塗付する方法が開
示されている。この方法によれば、該ゴムセメント組成
物中の超促進剤が、未加硫(クッション)ゴムシートに
移行し、50℃、約24時間での接着が可能となり、従
来にない剥離効力が得られることも明らかにされた。し
かし、加硫温度は大幅に低減できるものの、このように
加硫に長時間を要するのは加工性が悪く問題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、鋭意検討の末、加硫促進剤をゴムセメント組成物だ
けに配合するのではなく、未加硫ゴムシートである未加
硫ゴムにも予め配合しておけば、加硫時間の短縮が図
れ、結局ゴム損傷も少なく優れた接着強度が得られるこ
とを知見し発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
の態様は、天然ゴム(NR)又はイソプレンゴム(I
R)50〜100重量部と、合成ゴム0〜50重量部と
を合計100重量部、加硫剤1〜5重量部、加硫促進剤
(a)0.1〜5重量部及びカーボンブラック20〜7
0重量部を配合してなる接着用ゴム組成物(A)と、ゴ
ムセメント組成物(B)とからなる、加硫ゴムと加硫ゴ
ムとを接着するための接着用キットであり、前記ゴムセ
メント組成物(B)が該接着用ゴム組成物(A)を、溶
解しうる有機溶剤で1〜25体積%の濃度に溶解した
後、ゴム成分100重量部に対し加硫促進剤(b)を
0.1〜15重量部を加えてなることを特徴とする接着
用キットを提供する。前記接着用キットにおいては、前
記加硫促進剤(a)及び(b)がそれぞれジチオカルバ
ミン酸塩系促進剤を少なくとも50重量%含むことが好
ましい。
【0006】本発明の第二の態様は、加硫ゴムと加硫ゴ
ムとを未加硫ゴムシートを介して接着するにあたり、前
記ゴムセメント組成物(B)を、前記両加硫ゴムの接着
すべき表面と、前記接着用ゴム組成物(A)からなる未
加硫ゴムシートの接着すべき表面とにそれぞれ塗布し、
乾燥し、次いで、該未加硫ゴムシートを、該両加硫ゴム
の接着すべき表面で挟み、1kg/cm2 以上で圧着し
つつ、50〜100℃で加硫することを特徴とする加硫
ゴムと加硫ゴムとの接着方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第一の態様であ
る接着用キット及び第二の態様である該接着用キットを
用いる加硫ゴムと加硫ゴムとの接着方法について詳細に
説明する。本発明の第一の態様は、天然ゴム(NR)又
はイソプレンゴム(IR)50〜100重量部と合成ゴ
ム0〜50重量部とを合計(以下、ゴム成分という)1
00重量部、加硫剤1〜5重量部、加硫促進剤0.1〜
5重量部及びカーボンブラック20〜70重量部を配合
してなる接着用ゴム組成物(A)と、該接着用ゴム組成
物、これを溶解しうる有機溶剤及び加硫促進剤を含んで
なるゴムセメント組成物であって、該ゴムセメント組成
物濃度が1〜25体積%であり、加硫促進剤の追加混合
量がゴム成分100重量部に対し0.1〜15重量部で
あるゴムセメント組成物(B)とからなる、加硫ゴムと
加硫ゴムとを接着するための接着用キットである(以
下、本発明の接着用キットという)。
【0008】本発明の接着用ゴム組成物(A)の主成分
である天然ゴム(NR)又はイソプレンゴム(IR)
は、ゴム製品の形態に応じて適宜選択される。更生タイ
ヤの製造に使用する接着媒体用の未加硫ゴムシートに
は、一般に、天然ゴム又はイソプレンゴムが用いられ
る。これらのゴム材料は、成型時のタック、加工性、加
硫後のゴム物性、低発熱性に優れているので好ましい。
本発明では、天然ゴム(NR)又はイソプレンゴム(I
R)を単独で用いることもできるが、合成ゴムと組合せ
て用いると、耐スコーチ性、加硫後のゴム物性がさらに
良好となるので好ましい。本発明に用いられる合成ゴム
としては、特に限定されず、ポリクロロプレンゴム(C
R)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、各種のポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴ
ム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(E
PM、EPDM)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(E
VA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EM
A)、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(EMM
A)、及びこれらの混合物などが挙げられる。合成ゴム
を併用する場合には、上記接着用ゴム組成物(A)中
に、天然ゴム又はイソプレンゴム50〜100重量部と
合成ゴム0〜50重量部とを混合し、合計100重量部
として配合することができる。より好ましくは、天然ゴ
ム又はイソプレンゴム50〜90重量部と合成ゴム10
〜50重量部とを混合し、合計100重量部とする。さ
らに好ましくは、天然ゴム又はイソプレンゴム70〜9
0重量部と合成ゴム10〜30重量部とを混合し、合計
100重量部とする。上記ゴム成分中における天然ゴム
又はイソプレンゴムの配合量が50重量部未満では、十
分な剥離抗力が得られないからである。
【0009】上記ゴム成分を加硫するのに用いられる加
硫剤としては、特に限定はなく、一般的なゴム加硫剤
(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ
系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性
イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリ
ンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド
等が例示され、上記ゴム組成物(A)中に1〜5重量部
配合される。また、その他として、亜鉛華(5重量部程
度)、酸化マグネシウム(4重量部程度)、リサージ
(10〜20重量部程度)、p−キノンジオキシム、p
−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−
ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜1
0重量部程度)、メチリンジアニリン(0.2〜10重
量部程度)を配合することもできる。
【0010】本発明のゴム組成物(A)には、加硫時間
を短縮する目的で加硫促進剤(a)を配合する。加硫促
進剤(a)としては、低温加硫に好適な、ジメチルジチ
オカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛
(BZ)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(S
DD)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SE
D)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(T
P)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(P
X)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩
(PP)等のジチオカルバミン酸塩系、ブチルキサント
ゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛等のキサ
ントゲン酸塩系及びこれらの混合物などが挙げられる
が、ジチオカルバミン酸塩系の加硫促進剤を少なくとも
50重量%含んでいると、低温でも加硫時間が短いの
で、好ましい。加硫促進剤(a)は、上記ゴム組成物
(A)中に0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜3重
量部、より好ましくは0.1〜2重量部配合するのがよ
い。0.1重量部未満では加硫速度が不充分であり、5
重量部を超えるとゴム物性が低下する。本発明では、従
来、混練時にゴム損傷の原因となりゴム物性を低下させ
ると考えられていた加硫促進剤(a)をゴム組成物
(A)中に少量配合すれば、ゴム物性もそれほど下げず
に加硫時間と温度が下げられるので、結局ゴム物性の低
下をはるかに小さく保つことができる。また、加硫促進
剤(a)としては、一般的なゴム用助剤を併用すること
もでき、例えば、亜鉛華(5重量部程度)、ステアリン
酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4重量部程
度)等を用いることもできる。
【0011】本発明に用いるカーボンブラックは、用途
に応じて適宜選択される。一般に、カーボンブラックは
粒子径に基づいて、ハードカーボンとソフトカーボンと
に分類される。ソフトカーボンは、粒子径がFEF以上
で、ゴムに対する補強性が低い。ハードカーボンは、粒
子径がHAFやチャンネルブラック以下で、ゴムに対す
る補強性が強い。本発明では、特に、補強性が強いHA
F級のカーボンブラックを用いるのが好ましく、配合量
は20〜70重量部の範囲とする。
【0012】本発明の組成物には、必要に応じて通常の
補強材、充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤等の配合
剤を添加してもよい。本発明の接着用ゴム組成物(A)
は、上記必須成分と、他の任意成分とを適宜添加し、調
製して得られる。
【0013】次に、本発明のゴムセメント組成物(B)
について説明する。本発明のゴムセメント(B)には、
上記接着用ゴム組成物(A)、これを溶解しうる有機溶
剤及び加硫促進剤(b)を配合する。接着用ゴム組成物
(A)を溶解しうる有機溶剤としては、沸点の比較的低
いものが好ましく、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン及びゴム揮等の脂肪族及び脂環
式炭化水素及びそれらの混合物が好適に用いられる。沸
点が低いと、加硫の際に溶媒が残らず、発泡を防止でき
るからである。有機溶剤は、ゴムセメント組成物(B)
の濃度が1〜25体積%となる量を配合する。
【0014】本発明のゴムセメント組成物(B)に配合
する加硫促進剤(b)としては、接着用ゴム組成物
(A)の加硫促進剤(a)で例示した化合物が挙げられ
る。この際、用いる加硫促進剤の種類は、同一でも異な
っていても構わないが、加硫促進剤(a)と同様に、ジ
チオカルバミン酸塩系の加硫促進剤を少なくとも50重
量%含んでいるのが好ましい。使用量は、ゴムセメント
組成物(B)中に含まれる加硫促進剤(b)が、ゴムセ
メント組成物(B)中のゴム成分100重量部に対して
0.1〜15重量部の範囲となる量を追加配合する。好
ましくは1〜15重量部、より好ましくは1〜10重量
部とする。その他、ゴムセメント組成物(B)には、必
要に応じ、通常の補強材、可塑剤、軟化剤、老化防止剤
等の配合剤を添加してもよい。本発明のゴムセメント組
成物(B)は、上記必須成分と、他の任意成分とを適宜
添加し、調製して得られる。このようにして得られるゴ
ムセメント組成物(B)は液体であるため、加硫ゴムの
接着すべき表面に塗布した際に、表面だけでなく、深部
にまで浸透することができ、加硫効率が上がる。
【0015】このように、本発明の接着用キットは、加
硫促進剤がゴムセメント組成物(B)に含まれているだ
けでなく、未加硫ゴムシートとなるゴム組成物(A)に
も含まれている。そのため、加硫の際に、ゴムセメント
組成物(B)から未加硫ゴムシートへ浸透し、移行する
加硫促進剤(b)と、予めゴム組成物(A)中に含まれ
ている加硫促進剤(a)との作用により加硫時間が大幅
に短縮できる。また、ゴム組成物(A)中の加硫促進剤
(a)の量を限定して、ゴム組成物(A)を混練する際
に焼けをおこすことがないので、得られるゴム製品の物
性低下を招く恐れもない。
【0016】次に、本発明の第二の態様である加硫ゴム
と加硫ゴムとの接着方法について説明する。本発明で
は、加硫ゴムと加硫ゴムとの接着にあたり、加工時の粘
性を確保し、加硫後に所望の接着強度を得るために、加
硫ゴムと加硫ゴムとの間に上記接着用ゴム組成物(A)
からなる未加硫ゴムシートを挟み込み、これを介して接
着する。未加硫ゴムシートは、上記接着用ゴム組成物
(A)を未加硫の状態で混練し、ゴムセメント組成物
(B)中の加硫促進剤(b)が浸透しやすい厚さ、好ま
しくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下
とする。
【0017】本発明において、この未加硫ゴムシート
は、上述のように加工性及び接着性の点で重要な役割を
もつ。従来、未加硫ゴムシートには、焼けやすく、ゴム
物性が損われることから加硫促進剤の配合は行われてい
なかった。代わりに、従来では、ゴムセメント組成物を
加硫ゴム表面に塗付し、圧着により浸透移行させて、低
温加硫接着を行っていた。しかし、この方法では加硫促
進剤が未加硫ゴムシートの深部に浸透するまでに時間が
かかり問題であった。そこで、本発明では、一定量の加
硫促進剤を予め未加硫ゴムシートに含ませ、本発明のゴ
ムセメント組成物(B)から浸透する加硫促進剤との双
方により、加硫時間を大幅に短縮するものである。
【0018】ゴムセメント組成物(B)は、このように
して得られた未加硫ゴムシートの両面及び被着体である
両加硫ゴムの接着すべき表面の合計4面に、それぞれ塗
布する。本発明の方法では、ゴムセメント組成物(B)
が接着すべき合計4つの面に塗付され、それぞれ所定量
の加硫促進剤(b)を含んでおり、さらにその中央に存
在する接着用ゴム組成物(A)にも加硫促進剤(a)が
存在するので、加硫時にこれらの相乗効果で短時間の加
硫が達成できる。加硫ゴム及びそれらに挟みこむ接着ゴ
ム組成物の圧着は、ゴムセメント組成物(B)を塗布し
た塗布面を、それぞれ乾燥させた後に行う。塗布面に溶
媒が残っていると加硫する際に発泡し、物性の低下が懸
念されるからである。圧着は、加硫温度50〜100
℃、圧着力1kg/cm2 以上の条件下で行う。加硫温
度が120℃を超えるほど高いと、加硫に要する時間は
少ないが物性は低下する。逆に、加硫温度が低いほど加
硫時間はかかるが、70〜90℃であると、焼けによる
物性低下の恐れもなく、かつ加硫時間とのバランスもよ
いので特に好ましい。
【0019】以上のように、本発明の接着方法によれ
ば、低温下での接着が可能となるため加硫ゴムに損傷を
与えることなく、強力な接着力が得られる。また、加硫
促進剤を未加硫ゴムシートにも含んでいるため、従来に
比べ、大幅な加硫時間の短縮が実現でき、加工性に優れ
ている。従って、このような特性を有する本発明の接着
用キット及びそれを用いた加硫ゴムと加硫ゴムとの接着
方法は、タイヤの更生接着、トレッド嵌合方式のタイヤ
接着、あるいはタイヤ、チューブの補修などを行うのに
好適である。
【0020】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1〜5)表1に記載の配合で接着用ゴム組成物
(A)を調製し、8inchテストロールを用いて、厚
さ1.0mmのシート状に成形した(以下、未加硫ゴム
シートとする)。次いで、表1に記載の配合でゴムセメ
ント組成物(B)を調製し、これを上記未加硫ゴムシー
トの両面、及びカーボン補強天然ゴム加硫シート(厚さ
2mm)2枚の接着すべき表面に、それぞれ塗布し、十
分に乾燥させた。乾燥後、2枚の加硫シートの塗布面の
間に、上記未加硫ゴムシートを挟み、面圧1kg/cm
2 で圧着しつつ、80℃で2時間加硫接着させた。得ら
れたテストサンプルについて、耐スコーチ性及び接着性
を評価した。
【0021】<耐スコーチ性>JIS K6300に記
載の方法に準拠して、セメントを塗布していない未加硫
ゴムシートを用いて、測定温度125℃にて粘度が5ム
ーニー上昇するまでに経過した時間を測定した。耐スコ
ーチ判定は、○は3mm以上を、×は3mm未満を示
す。
【0022】<接着性>JIS K6256に準拠し
て、接着した加硫ゴム同士を180℃方向に剥離し、剥
離抗力〔kg/2.5cm〕を測定し、破壊形態を評価
した。破壊形態は、○は材料が凝集破壊し、加硫ゴムと
の接着界面での剥離はなかったことを、×は加硫ゴムと
の接着界面での剥離が生じたことを、―は加硫せず、測
定できなかったことを示す。結果を表1に示す。
【0023】(比較例1)接着用ゴム組成物(A)にお
ける天然ゴムと合成ゴムとの量比を変えたこと以外は、
実施例と同様にして物性を評価した。 (比較例2)ゴムセメント組成物(B)中に加硫促進剤
を配合しないこと以外は、実施例と同様にして物性を評
価した。 (比較例3)ゴムセメント組成物(B)に配合する加硫
促進剤の量が、本発明の範囲を超えること以外は、実施
例と同様にして物性を評価した。 (比較例4)接着用ゴム組成物(A)に加硫促進剤を配
合しないこと以外は、実施例と同様にして物性を評価し
た。 (比較例5)接着用ゴム組成物(A)に配合する加硫促
進剤の量が、本発明の範囲を超えること以外は、実施例
と同様にして物性を評価した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜3と比較例1とを比較すると、
実施例1〜3の方が剥離抗力は大きく、破壊形態も優れ
ていることから、NRの比率が本発明の範囲内にある場
合、十分な接着性が得られることがわかる。実施例4、
5と比較例2とを比較すると、実施例4、5では十分な
剥離抗力が得られたが、比較例2では未加硫ゴムシート
が完全に加硫せず、十分な剥離抗力が得られなかったこ
とから、セメントゴム中の加硫促進剤が本発明の範囲内
にある場合、十分な接着性が得られることがわかる。実
施例5と比較例5とを比較すると、比較例5のスコーチ
時間が早過ぎることから、接着用ゴム中に本発明の範囲
内の加硫促進剤が存在する場合、耐スコーチ性が優れて
いることがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の接着用
キット及びそれを用いる接着方法によれば、加硫ゴムと
加硫ゴムとの接着を低温で短時間で行うことができ、加
工性に優れている。また、得られるゴム製品は、ゴム物
性、接着性(耐剥離力が増大)に優れている。従って、
本発明の接着用キット及びそれを用いる接着方法は、加
硫ゴム同士の接着、タイヤの更生接着、特に加硫済みト
レッドと台タイヤを低温で接着したり、トレッド嵌合方
式のタイヤ接着、あるいはタイヤ、チューブの補修など
に好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 30:00 B29L 30:00 C08L 7:00 C08L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA11 AA12 AA13 AB03 AE02 AE03 AG05 AG22 AH08 CA01 CA06 CB02 CC01 CD01 CD03 4F211 AA45 AA46 AB03 AB18 AD05 AG03 AH20 TA09 TC02 TC07 TD11 TH06 TH22 TH23 TQ04 4J040 CA011 CA062 CA072 CA082 CA112 CA162 DA052 DA062 DA122 HA026 HA116 HA156 HA236 HB02 HC06 HC09 HD05 HD41 JA02 KA16 KA17 KA23 MA12 NA16 PA33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴム(NR)又はイソプレンゴム(I
    R)50〜100重量部と、合成ゴム0〜50重量部と
    を合計100重量部、加硫剤1〜5重量部、加硫促進剤
    (a)0.1〜5重量部及びカーボンブラック20〜7
    0重量部を配合してなる接着用ゴム組成物(A)と、ゴ
    ムセメント組成物(B)とからなる、加硫ゴムと加硫ゴ
    ムとを接着するための接着用キットであり、前記ゴムセ
    メント組成物(B)が前記接着用ゴム組成物(A)を、
    溶解しうる有機溶剤で1〜25体積%の濃度に溶解した
    後、ゴム成分100重量部に対し加硫促進剤(b)を
    0.1〜15重量部を加えてなることを特徴とする接着
    用キット。
  2. 【請求項2】前記加硫促進剤(a)及び(b)がそれぞ
    れジチオカルバミン酸塩系促進剤を少なくとも50重量
    %含むことを特徴とする請求項1に記載の接着用キッ
    ト。
  3. 【請求項3】加硫ゴムと加硫ゴムとを未加硫ゴムシート
    を介して接着するにあたり、請求項1又は2に記載のゴ
    ムセメント組成物(B)を、前記両加硫ゴムの接着すべ
    き表面と、請求項1又は2に記載の接着用ゴム組成物
    (A)からなる未加硫ゴムシートの接着すべき表面とに
    それぞれ塗布し、乾燥し、次いで、該未加硫ゴムシート
    を、該両加硫ゴムの接着すべき表面で挟み、1kg/c
    2 以上で圧着しつつ、50〜100℃で加硫すること
    を特徴とする加硫ゴムと加硫ゴムとの接着方法。
JP2000100619A 2000-04-03 2000-04-03 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法 Withdrawn JP2001288434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000100619A JP2001288434A (ja) 2000-04-03 2000-04-03 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000100619A JP2001288434A (ja) 2000-04-03 2000-04-03 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001288434A true JP2001288434A (ja) 2001-10-16

Family

ID=18614793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000100619A Withdrawn JP2001288434A (ja) 2000-04-03 2000-04-03 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001288434A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003066726A1 (fr) * 2002-02-05 2003-08-14 Bridgestone Corporation Gomme permettant de modifier des articles de caoutchouc et processus de production de celle-ci
KR100429070B1 (ko) * 2001-06-01 2004-04-28 한국타이어 주식회사 타이어 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100440205B1 (ko) * 2001-11-26 2004-07-14 한국타이어 주식회사 차량 주행 시 발생될 수 있는 트레드 접합부의 벌어짐현상을 방지하기 위한 미가황 트레드 단부의 접합방법
KR100505298B1 (ko) * 2002-06-26 2005-08-03 한국타이어 주식회사 고속 경주용 타이어의 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100731668B1 (ko) * 2005-09-21 2007-06-22 금호타이어 주식회사 타이어의 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100734936B1 (ko) 2006-06-20 2007-07-03 금호타이어 주식회사 고속 주행용 타이어에 사용하는 트레드 접합용 시멘트 고무조성물
JP2013039818A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Bridgestone Corp タイヤ及びその製造方法、並びに、該タイヤの製造方法に用いた補修用ゴム部材
US20180312732A1 (en) * 2015-10-22 2018-11-01 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Reduced voc tire cement
US11247424B1 (en) 2016-12-13 2022-02-15 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Methods for retreading tires
DE102021210272A1 (de) 2021-09-16 2023-03-16 Continental Reifen Deutschland Gmbh Klebstoffzusammensetzung, Verfahren zum dauerhaften Verbinden einer ersten vulkanisierten Kautschukkomponente mit einer zweiten vulkanisierten Kautschukkomponente und Verbund umfassend eine erste vulkanisierte Kautschukkomponente und eine zweite vulkanisierte Kautschukkomponente

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100429070B1 (ko) * 2001-06-01 2004-04-28 한국타이어 주식회사 타이어 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100440205B1 (ko) * 2001-11-26 2004-07-14 한국타이어 주식회사 차량 주행 시 발생될 수 있는 트레드 접합부의 벌어짐현상을 방지하기 위한 미가황 트레드 단부의 접합방법
US7338998B2 (en) 2002-02-05 2008-03-04 Bridgestone Corporation Cement for modification of rubber articles and process for production thereof
EP1473322A1 (en) * 2002-02-05 2004-11-03 Bridgestone Corporation Cement for modification of rubber articles and process for production thereof
WO2003066726A1 (fr) * 2002-02-05 2003-08-14 Bridgestone Corporation Gomme permettant de modifier des articles de caoutchouc et processus de production de celle-ci
EP1473322A4 (en) * 2002-02-05 2008-12-31 Bridgestone Corp ADHESIVE FOR MODIFYING RUBBER PRODUCTS AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
KR100505298B1 (ko) * 2002-06-26 2005-08-03 한국타이어 주식회사 고속 경주용 타이어의 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100731668B1 (ko) * 2005-09-21 2007-06-22 금호타이어 주식회사 타이어의 트레드 접합용 시멘트 조성물
KR100734936B1 (ko) 2006-06-20 2007-07-03 금호타이어 주식회사 고속 주행용 타이어에 사용하는 트레드 접합용 시멘트 고무조성물
JP2013039818A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Bridgestone Corp タイヤ及びその製造方法、並びに、該タイヤの製造方法に用いた補修用ゴム部材
WO2013027371A1 (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 株式会社ブリヂストン タイヤ及びその製造方法、並びに、該タイヤの製造方法に用いた補修用ゴム部材
CN103889702A (zh) * 2011-08-19 2014-06-25 株式会社普利司通 轮胎、其制造方法及用于该轮胎的制造方法的修复用橡胶部件
US20140205848A1 (en) * 2011-08-19 2014-07-24 Bridgestone Corporation Tire, method for manufacturing thereof, and rubber member for repair used in the method for manufacturing the tire
EP2746036A4 (en) * 2011-08-19 2016-01-13 Bridgestone Corp TIRES, MANUFACTURING METHOD AND RUBBER ELEMENT FOR REPAIRS IN THE CONTEXT OF THIS TIRE MANUFACTURING PROCESS
US20180312732A1 (en) * 2015-10-22 2018-11-01 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Reduced voc tire cement
US11247424B1 (en) 2016-12-13 2022-02-15 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Methods for retreading tires
DE102021210272A1 (de) 2021-09-16 2023-03-16 Continental Reifen Deutschland Gmbh Klebstoffzusammensetzung, Verfahren zum dauerhaften Verbinden einer ersten vulkanisierten Kautschukkomponente mit einer zweiten vulkanisierten Kautschukkomponente und Verbund umfassend eine erste vulkanisierte Kautschukkomponente und eine zweite vulkanisierte Kautschukkomponente
EP4151694A1 (de) 2021-09-16 2023-03-22 Continental Reifen Deutschland GmbH Klebstoffzusammensetzung, verfahren zum dauerhaften verbinden einer ersten vulkanisierten kautschukkomponente mit einer zweiten vulkanisierten kautschukkomponente und verbund umfassend eine erste vulkanisierte kautschukkomponente und eine zweite vulkanisierte kautschukkomponente

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2858864B2 (ja) 空気保持性インナーライナーを有する空気入りタイヤ
JPWO2005005546A1 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2005213486A (ja) アンダートレッド用ゴム組成物及びそれを使用する空気入りタイヤ
JP2001288434A (ja) 接着用ゴム組成物及び加硫ゴムの接着方法
JPS60212445A (ja) 空気保持性内張りを有する空気入りタイヤ
JP2005068173A (ja) 粘接着剤組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
EP1928951A1 (de) Kautschukmischung für innerliner von fahrzeugluftreifen
JPH0639583B2 (ja) ゴム物品の接着方法
JP4947189B2 (ja) 粘接着剤組成物積層体の製造方法
JP2007269893A (ja) タイヤ用ゴムセメント
JP2009035681A (ja) ゴムセメント組成物
JP2016014113A (ja) 更生タイヤ用クッションゴム及び更生タイヤ
WO2014129509A1 (ja) ゴム組成物、それを用いたタイヤの製造方法、並びに、該ゴム組成物を用いたタイヤ用ゴム部材
JPH1110779A (ja) ゴム/熱可塑性樹脂積層体及びそれを用いた空気入りタイヤ、並びにこれらの製造方法
EP1053285A1 (en) Zinc oxide dispersion
JP4487116B2 (ja) 熱可塑樹脂とゴムとの積層体及びその積層方法
JP2007320990A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2003055471A (ja) ゴム−薬品マスターバッチ、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JPWO2003066726A1 (ja) ゴム製品修正用セメント及びその製造方法
JPH10219033A (ja) 高減衰支承用ゴム組成物
JP2006241346A (ja) タイヤトレッドスプライス用セメント
JPH11255965A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP2006265391A (ja) タイヤトレッド用スプライスセメント
JP2022134662A (ja) テニスボール用水性接着剤
JP3889087B2 (ja) ポリブタジエンゴム配合ゴム用接着剤ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605