JP2006265391A - タイヤトレッド用スプライスセメント - Google Patents
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Abstract
【課題】 冬期のタックレベルの低下の問題がなく、環境にも優しいタイヤトレッド用スプライスセメントを得る。
【解決手段】 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)85〜97重量部、重量平均分子量が6万以下でB型粘度計で測定した38℃での溶融粘度が600Pa・S以下の液状ポリイソプレンゴム(LIR)3〜15重量部を含むセメント用ベースゴムを、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマ系ゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解することによって得られるタイヤトレッド用スプライスセメント。
【選択図】 なし
【解決手段】 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)85〜97重量部、重量平均分子量が6万以下でB型粘度計で測定した38℃での溶融粘度が600Pa・S以下の液状ポリイソプレンゴム(LIR)3〜15重量部を含むセメント用ベースゴムを、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマ系ゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解することによって得られるタイヤトレッド用スプライスセメント。
【選択図】 なし
Description
本発明は、未加硫のトレッド用ゴム組成物の端部などを成形工程で接合して空気入りタイヤを製造するタイヤトレッド用スプライスセメントに関し、更に詳しくは粘着性、特にトレッドのゴム種を選ばず粘着性を高く維持し、かつ環境に優しいタイヤトレッド用スプライスセメントに関する。
空気入りタイヤのトレッドは、例えば両端部を斜めの切り口にした帯状の未加硫のトレッド用ゴム組成物をクラウン部に巻きつけ、その両端部の切り口にスプライスセメントを介して互いに接合して成形加硫して製造している。かかるスプライスセメントを改良する提案として、例えば特許文献1にセメントゴムにシリカとカップリング剤を配合して、高スチレン系トレッドにおいても接着性を確保できるという提案がなされており、また特許文献2にSp値を規定した有機溶剤にジエン系ゴムを溶解したセメントを用いて水素化NBRの接着性を高めることが提案されている。
ところで、前記スプライスセメントは、冬期のタックレベルの低下及び特に天然ゴム(NR)ブレンド系トレッドでのタックレベルの低下が問題になっている。一方、かかるスプライスセメントには、溶剤として、トルエンなどが汎用されているが、これらの溶剤は化学物質排出移動量届出制度(PRTR)により規制の対象となるためその使用は好ましくなく、ゴムの溶解性を保持しつつ粘着レベルの安定化をはからなければならないという問題もある。かかる対策として天然ゴムやポリイソプレンゴムをブレンドすることも考えられるが、これはセメント塗布時の吹きつけガンへの詰りの問題が発生し、作業性に難があるので実用的ではない。
従って、本発明の目的は、タイヤトレッド用、特に天然ゴム配合系トレッドゴムに対し、粘着性の低下の問題がなく、更に環境にも優しいタイヤトレッド用スプライスセメントを提供することにある。
本発明に従えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)85〜97重量部、重量平均分子量が6万以下で、B型粘度計で測定した38℃での溶融粘度が600Pa・S以下の液状ポリイソプレンゴム(LIR)3〜15重量部を含むセメント用ベースゴムを、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマ系ゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解してなるタイヤトレッド用スプライスセメントが提供される。
本発明によれば、SBR85〜97重量部及び重量平均分子量が6万以下で溶融粘度が600Pa・S以下のLIR3〜15重量部を含むセメント用ベースゴムを、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマ系ゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解して得たタイヤトレッド用スプライスセメントを用いることによって、タイヤトレッド用ゴムの種類を問わず、所望のタック(粘着性)レベルを維持でき、冬期のタック低下や環境問題に対応できるトレッドスプライス用セメントを得ることができる。
本発明者らは、前記問題を解決すべく、SBR系のセメント用ベースゴムに特定の液状ポリイソプレンゴム(LIR)をブレンドし、特定の溶剤に溶解させることで、タイヤトレッド用としてのゴムの種類を選ばず、タックレベルを維持でき、冬期のタック低下や環境問題に対応できるトレッド用スプライスセメントを得ることに成功した。
本発明のトレッド用スプライスセメントにおいては、SBR85〜97重量部、好ましくは85〜95重量部と、重量平均分子量が6万以下、好ましくは2万〜5万で、B型粘度計で測定した38℃での溶融粘度が600Pa・S以下、好ましくは50〜500Pa・SのLIR3〜15重量部、好ましくは5〜15重量部を含むセメント用ベースゴム100重量部を、シクロヘキサン含量が45重量%以上、好ましくは50〜70重量%で、好ましくはトルエン含量が1重量%未満の低アロマゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解する。SBRとしてはかかる目的と使用することができる任意のSBRを用いることができる。溶剤の他の成分には特に限定はなく、例えばn−ヘキサンなどがあげられる。
本発明に従ったスプライスセメントは、前記溶剤100重量部に対し、セメント用ベースゴムの量が3〜20重量部であるのが好ましい。この配合量が少ないと十分な粘着性が得られないおそれがあり、また逆に多いとセメント用ベースゴムが溶け難くなるおそれがある。
前記LIRの分子量が高いと溶剤への溶解性低下のおそれがあるので好ましくなく、また溶融粘度が高いと溶剤への溶解性低下のおそれがあるので好ましくない。かかるLIRは、公知であり、例えばクラレ(株)製LIR−30,LIR−50などの市販品を利用することができる。LIRの配合量が少ないと例えばNRを含むトレッドにおける粘着性の低下のおそれがあるので好ましくなく、逆に多いと混合時に密着等のトラブルのおそれがあるので好ましくない。
本発明において使用する溶剤は、環境問題を考慮して、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマゴム揮発油を主体として用いる。なおシクロヘキサンの含量が少ないとセメントベースゴムの溶解性低下のおそれがあるので好ましくない。かかる低アロマゴム揮発油は公知であり、例えばジャパンエナジー製RC50Hなどの市販品を用いることができる。
本発明に係るタイヤトレッド用スプライスセメントに使用するセメント用ベースゴムには、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して使用することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明に係るタイヤトレッド用スプライスセメントは、上述したセメント用ベースゴムに溶剤を加えて撹拌して溶剤中と溶解させ、調整することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜2及び比較例1〜3
サンプルの調製
表IIに示す配合のベースゴムを、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、この混合物に加硫促進剤と硫黄を8インチの試験用練りロール機で4分間混練して得た。次に、得られたベースゴムをシート状に成形し、これを裁断した後、表Iに示す配合剤及び溶剤を加え、室温で24時間撹拌してスプライスセメントを得た。得られたスプライスセメントを以下に示す試験法で評価した。結果は表Iに示す。
サンプルの調製
表IIに示す配合のベースゴムを、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、この混合物に加硫促進剤と硫黄を8インチの試験用練りロール機で4分間混練して得た。次に、得られたベースゴムをシート状に成形し、これを裁断した後、表Iに示す配合剤及び溶剤を加え、室温で24時間撹拌してスプライスセメントを得た。得られたスプライスセメントを以下に示す試験法で評価した。結果は表Iに示す。
物性評価試験法
タック:タックメーター(PIGMA TACK TESTERII(株)東洋精機製作所製)を用いて測定し、結果を比較例1の値を100として指数表示した。数値が大きい程タック値が高く粘着性に優れることを示す。
タック:タックメーター(PIGMA TACK TESTERII(株)東洋精機製作所製)を用いて測定し、結果を比較例1の値を100として指数表示した。数値が大きい程タック値が高く粘着性に優れることを示す。
逆バフ 耐OTS:215/45R17の試作タイヤのトレッドスプライス部に上記スプライスセメントを塗布して作ったタイヤにおいてホイルスピンを起こさせ、スプライス部の開き具合を目視で確認した。
○:口開きなし
○:口開きなし
溶解性:ベースゴムを攪拌機にて、一定の条件で溶剤に溶かした後、溶け残りの有無を確認した。
○:溶け残りなし
×:溶け残りあり
○:溶け残りなし
×:溶け残りあり
PRTR対象:
○:PRTRに準拠して届出が必要ないもの
×:届出が必要なもの
○:PRTRに準拠して届出が必要ないもの
×:届出が必要なもの
表Iのベースゴムは以下の表IIに示す配合の通りである。
表I及びII脚注
NiPOL9510:日本ゼオン(株)製溶液重合SBR(スチレン含量=23.5%)
NR:天然ゴムTSR
LIR−1:クラレ(株)製液状ポリブタジエンゴムLIR30(溶融粘度:74Pa・S(38℃)、重量平均分子量29000)
LIR−2:クラレ(株)製液状ポリブタジエンゴムLIR50(溶融粘度:480Pa・S(38℃)、重量平均分子量47000)
HAF−CB:昭和キャボット(株)製カーボンブラック(ショウブラックN339)
コレシン:Tert−ブチルフェノールとアセチレンとの縮合物(BASF製)
酸化亜鉛:正同化学工業(株)製 酸化亜鉛3種
アロマオイル:昭和シェル石油(株)製アロマオイル
イオウ:鶴見化学工業(株)製5%油入り微粉硫黄
加硫促進剤:フレキシス社製N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェミナド
高アロマゴム揮発油:ゴム揮発油(新日本石油(株)製日石ゴム揮発油)
低アロマゴム揮発油1:新日本石油(株)製LAゴム揮発油(シクロヘキサン=37重量% トルエン=0.7重量%)
低アロマゴム揮発油2:ジャパンエナジー(株)製RC50H(シクロヘキサン=54重量% トルエン=0.01重量%)
NiPOL9510:日本ゼオン(株)製溶液重合SBR(スチレン含量=23.5%)
NR:天然ゴムTSR
LIR−1:クラレ(株)製液状ポリブタジエンゴムLIR30(溶融粘度:74Pa・S(38℃)、重量平均分子量29000)
LIR−2:クラレ(株)製液状ポリブタジエンゴムLIR50(溶融粘度:480Pa・S(38℃)、重量平均分子量47000)
HAF−CB:昭和キャボット(株)製カーボンブラック(ショウブラックN339)
コレシン:Tert−ブチルフェノールとアセチレンとの縮合物(BASF製)
酸化亜鉛:正同化学工業(株)製 酸化亜鉛3種
アロマオイル:昭和シェル石油(株)製アロマオイル
イオウ:鶴見化学工業(株)製5%油入り微粉硫黄
加硫促進剤:フレキシス社製N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェミナド
高アロマゴム揮発油:ゴム揮発油(新日本石油(株)製日石ゴム揮発油)
低アロマゴム揮発油1:新日本石油(株)製LAゴム揮発油(シクロヘキサン=37重量% トルエン=0.7重量%)
低アロマゴム揮発油2:ジャパンエナジー(株)製RC50H(シクロヘキサン=54重量% トルエン=0.01重量%)
以上の通り、本発明に従って、SBRに特定のLIRを配合したセメント用ベースゴムを、シクロヘキサンを含む特定の溶剤に溶解することにより、冬期のタックレベルの問題がなく、環境にも優しいタイヤトレッド用スプライスセメントが得られるので、空気入りタイヤの製造に非常に有用である。
Claims (2)
- スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)85〜97重量部、重量平均分子量が6万以下でB型粘度計で測定した38℃での溶融粘度が600Pa・S以下の液状ポリイソプレンゴム(LIR)3〜15重量部を含むセメント用ベースゴムを、シクロヘキサン含量が45重量%以上の低アロマ系ゴム揮発油を70重量%以上含む溶剤に溶解してなるタイヤトレッド用スプライスセメント。
- 前記溶剤100重量部に対するセメント用ベースゴムの量が3〜20重量部である請求項1に記載のスプライスセメント。
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JP2005086091A JP2006265391A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | タイヤトレッド用スプライスセメント |
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JP2006265391A true JP2006265391A (ja) | 2006-10-05 |
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---|---|---|---|---|
JP2008168553A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤの製造方法 |
EP2757128A1 (en) * | 2013-01-18 | 2014-07-23 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Rubber cement and tire with fabricated tire tread |
-
2005
- 2005-03-24 JP JP2005086091A patent/JP2006265391A/ja active Pending
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JP2008168553A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤの製造方法 |
EP2757128A1 (en) * | 2013-01-18 | 2014-07-23 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Rubber cement and tire with fabricated tire tread |
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