JP2001288359A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造安定性に優れるとともに表面平滑性に優
れた成形品を与える難燃性の熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部
並びに平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm
以上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%
未満である無機金属化合物1〜100重量部からなる熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物によって上記課題が解決
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂組成物に関する。本発明の熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂組成物は、その製造安定性に優れ、かつ表面平滑
性に優れた成形品を与える。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は、高い弾性
回復率を有し、耐摩耗性、耐熱性および耐寒性に優れて
おり、通常のプラスチック成形加工法が適用できるた
め、射出成形および押出成形の材料として広範な分野で
使用されている。熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法
としては、高分子ジオール、有機ジイソシアナートおよ
び鎖伸長剤を混合して重合させることが好ましいことが
知られている。熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ポ
リエステル系、ポリエーテル系およびポリカーボネート
系のものが知られており、これらは、種々の特性を付与
するために添加剤を配合した熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物として一般的には用いられる。
【0003】熱可塑性ポリウレタン樹脂は難燃性でない
ために、難燃性が要求される用途においては難燃剤が配
合されて使用されおり、ホース、チューブ分野などを中
心に最近需要が高まっている。熱可塑性ポリウレタン樹
脂の難燃化には、従来よりポリブロモジフェニルエーテ
ルなどの臭素系難燃剤および酸化アンチモン等の無機金
属化合物難燃助剤が必要性能に応じて適宜配合比を設定
して用いられる。難燃性の熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物としては、例えば、特開平8-241630号公報には、熱
可塑性ポリウレタン樹脂に臭素化エポキシ樹脂、三酸化
アンチモンおよびリン化合物を配合してなる難燃性樹脂
組成物が開示され、特開平8-302209号公報には、熱可塑
性ポリウレタン樹脂に加熱膨張性黒鉛および三酸化アン
チモンを配合した難燃性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術においては、熱可塑性ポリウレタン樹脂に平
均粒径が小さい三酸化アンチモンを配合していることか
ら、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に、
熱可塑性ポリウレタン樹脂が分解し、安定に熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を製造することができなかった。
さらに、得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を用
いて作製した成形品は、表面平滑性が悪く製品の外観を
損ねるという問題があった。
【0005】しかして、本発明の目的は、製造安定性に
優れるとともに表面平滑性に優れた成形品を与える熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部並びに平
均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm以上の成
分および0.5μm以下の成分が各々5重量%未満であ
る無機金属化合物1〜100重量部からなる熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を提供することによって達成され
る。
【0007】本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、高分子ポリオール、有機ジイソシアナート、鎖伸長
剤および必要に応じて他の成分などとともにワンショッ
ト法、プレポリマー法またはその他の方法を用いて反応
させることにより製造することができる。
【0008】高分子ポリオールとしては、平均分子量5
00〜5000、特に700〜4000の高分子ポリオ
ールを使用するのが好ましい。高分子ポリオールとして
はポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、
ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポ
リオール等を挙げることができ、これらのうちでもポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好まし
い。これらの高分子ポリオールは、単独で用いても2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】ポリエーテルポリオールの例としては、環
状エーテル(例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフ
ラン、メチルテトラヒドロフランなど)の開環重合によ
り得られるポリエーテルジオール、グリコール(例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなど)
の重縮合により得られるポリエーテルポリオールが挙げ
られる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0010】本発明におけるポリエステルポリオール
は、ポリカルボン酸、ポリオールおよび必要に応じて他
の成分を用い、エステル化法またはエステル交換法によ
る公知の重縮合法により製造することができる。
【0011】ポリエステルポリオールの製造に用いるポ
リオールとしては、ポリエステルの製造において一般的
に使用されているものを用いることができ、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチ
ル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−
メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジ
メチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オールなどの炭素数2〜15の脂肪族ジオール;1,4
−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロオクタンジメタノールなどの脂環式ジオー
ル;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等の芳香族二価アルコールなどの1分子当たり水酸基を
2個有するジオールおよびトリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、グリセリン、1,2,6−ヘンサ
ントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンな
どの1分子当たり水酸基を3個以上有するポリオールな
どを挙げることができる。ポリエステルポリオールの製
造に当たっては、これらのポリオールは単独で使用して
もまたは2種以上使用してもよい。これらのうちでも、
ポリエステルポリオールの製造に当たっては、2−メチ
ル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル
−1,9−ノナンジオールなどのメチル基を側鎖として
有する炭素数5〜12の脂肪族ジオールを用いるのが好
ましい。
【0012】ポリエステルポリオールの製造に用いるポ
リカルボン酸としては、ポリエステルの製造において一
般的に使用されているポリカルボン酸を使用することが
でき、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、
3−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メ
チルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,
7−ジメチルデカン二酸などの炭素数4〜12の脂肪族
ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー
酸、水添ダイマー酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット
酸、ピロメリット酸などの3官能以上のポリカルボン
酸;これらのエステル形成性誘導体などを挙げることが
できる。これらのポリカルボン酸は、単独で使用しても
2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、炭素数
6〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸がより好ましく用いられ
る。
【0013】ポリエステルポリオールを製造する際の重
縮合反応は、触媒の存在下に行うことができ、その場合
の触媒としてはチタン系触媒、スズ系触媒等が好ましく
用いられる。チタン系触媒の例としては、チタン酸、テ
トラアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合
物、チタンキレート化合物などを挙げることができ、よ
り具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラ
−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシル
チタネート、テトラステアリルチタネート等のテトラア
ルコキシチタン化合物、ポリヒドロキシチタンステアレ
ート、ポリイソプロポキシチタンステアレート等のチタ
ンアシレート化合物、チタンアセチルアセテート、トリ
エタノールアミンチタネート、チタンアンモニウムラク
テート、チタンエチルラクテート等のチタンキレート化
合物などを挙げることができる。スズ系触媒の例として
は、ジアルキルスズジアセテート、ジアルキルスズジラ
ウレート、ジアルキルスズビスメルカプトカルボン酸エ
ステル塩などを挙げることができ、より具体的にはジブ
チルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジ
ブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸エトキシ
ブチルエステル)塩などを挙げることができる。
【0014】チタン系触媒を用いる場合にその使用量
は、各々の状況に応じて調節でき特に制限されないが、
一般に、ポリエステルポリオールの製造に用いる反応成
分の全重量に基づいて、0.1〜50ppmであるのが
好ましく、1〜30ppmであるのがより好ましい。ま
た、スズ系触媒を用いる場合にその使用量は、各々の状
況に応じて調節でき特に制限されないが、一般に、ポリ
エステルポリオールの製造に用いる反応成分の全重量に
基づいて、1〜200ppmであるのが好ましく、5〜
100ppmであるのがより好ましい。
【0015】チタン系触媒を用いて製造されたポリエス
テルポリオールでは、ポリエステルポリオール中に含ま
れるチタン触媒を失活させておくことが必要であり、失
活されていないチタン系触媒を含むポリエステルポリオ
ールを用いて熱可塑性ポリウレタンを製造すると、熱可
塑性ポリウレタンの耐熱性などの特性が劣ったものにな
る。
【0016】ポリエステルポリオール中に含まれるチタ
ン系触媒の失活方法としては、例えば、(1)ポリエス
テルポリオールを加熱下に水と接触させる方法;(2)
ポリエステルポリオールをリン酸、リン酸エステル、亜
リン酸、亜リン酸エステルなどのリン化合物で処理する
方法などを挙げることができる。そして、水と接触させ
る前記(1)の方法による場合は、例えば、ポリエステ
ルポリオールに水を1重量%以上添加して、70〜15
0℃、好ましくは90〜130℃の温度で1〜3時間程
度加熱すればよい。そして、その際の加熱による失活処
理は、常圧下で行っても加圧下で行ってもよい。失活処
理後に系を減圧にすると、失活に用いた水分をポリエス
テルポリオールから円滑に除去することができる。
【0017】本発明に用いられるポリカーボネートポリ
オールとしては、低分子ポリオールとジアルキルカーボ
ネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネ
ートなどのカーボネート化合物との反応により得られる
ものを使用することができる。ポリカーボネートジオー
ルを構成する低分子ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオールの構成成分として先に例示したポリオールを
用いることができる。ジアルキルカーボネートとして
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど
を挙げることができる。アルキレンカーボネートとして
は、エチレンカーボネートなどを挙げることができ、ジ
アリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネー
トなどを挙げることができる。
【0018】また、ポリエステルポリカーボネートポリ
オールとしては、例えば低分子ポリオール、ポリカルボ
ン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させて得ら
れるもの、予め上記した方法によりポリエステルポリオ
ールおよびポリカーボネートポリオールをそれぞれ合成
し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか
または低分子ポリオールおよびポリカルボン酸と反応さ
せて得られたものを使用することができる。
【0019】本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂
の製造に用いられる有機ジイソシアナートとしては、通
常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造に従来から使用さ
れている有機ジイソシアナートのいずれを使用してもよ
く、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート、トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、1,5−ナフ
チレンジイソシアナート、3,3’−ジクロロ−4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレン
ジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート;ヘキサ
メチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト、水素化キシリレンジイソシアナート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアナートなどを挙げることができる。
これらの有機ジイソシアナートは単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを用いるのが
好ましい。また、トリフェニルメタントリイソシアナー
トなどの3官能以上のポリイソシアナート化合物を必要
に応じて少量添加してもよい。
【0020】本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂
の製造に用いられる鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性
ポリウレタン樹脂の製造に従来から使用されている鎖伸
長剤のいずれを使用してもよく、イソシアナート基と反
応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量
300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。該低
分子化合物としては、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリ
レングリコール等のジオール類;ヒドラジン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、
イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド等のジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプ
ロピルアルコール等のアミノアルコール類などが挙げら
れる。これらの低分子化合物は、単独で使用してもよい
し2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数
2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、耐熱
性、耐熱水性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得る
観点から、1,4−ブタンジオールを用いるのがより好
ましい。
【0021】本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂
の製造方法としては、上記の高分子ジオール、ジイソシ
アナート、鎖伸長剤および必要に応じて他の成分を使用
して、従来から用いられている方法のいずれもが使用で
きる。例えば溶融重合、溶液重合などの公知のウレタン
化反応技術を利用して、プレポリマー法、ワンショット
法などの方法で製造することができる。なかでも、実質
的に溶媒の存在しない条件下で溶融重合を行って熱可塑
性ポリウレタンを製造するのが、重合を簡単にかつ円滑
に行うことができる点から好ましく、特にその溶融重合
を多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重合法によ
って行うと、生産性が高くなりより好ましい。また、熱
可塑性ポリウレタン樹脂の製造に当たっては、スズ系ウ
レタン化触媒を用いてポリウレタン形成反応を行うこと
ができ、特に、熱可塑性ポリウレタン樹脂原料の合計重
量に基づいて、スズ系ウレタン化触媒をスズ原子に換算
して0.5〜50ppmの割合で用いてポリウレタンを
製造すると分子量の高い熱可塑性ポリウレタン樹脂を製
造することができる。その際のスズ系ウレタン化触媒と
しては、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルス
ズジラウレート、ジブチルスズビス(3−メルカプトプ
ロピオン酸エトキシブチルエステル)塩などを挙げるこ
とができる。
【0022】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
は、平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm以
上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%未
満である無機金属化合物を含有する。該無機金属化合物
としては、平均粒径が3μm以上でありかつ粒径が15
μm以上の成分および0.5μm以下の成分が各々3重
量%未満であるものが好ましく、平均粒径が3μm以上
でありかつ粒径が15μm以上の成分および0.5μm
以下の成分が各々2重量%未満であるものがより好まし
い。また、難燃性の観点から、平均粒径は12μm以下
であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ま
しい。平均粒径が2μm未満であると、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物を製造するに際に、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の分解が顕著になり、生産安定性が低下する。
また、粒径が15μm以上の成分の含有量が5重量%以
上になると、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる
成形品の表面粗度が大きくなって表面平滑性が悪化し、
光沢がなくなって外観が損なわれる。一方、粒径が0.
5μm以下の成分の含有量が5重量%以上になると、熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に、熱可塑
性ポリウレタン樹脂の分解が顕著になり、生産安定性が
低下する。なお、無機金属化合物の粒径はレーザー回折
法、湿式フルイ法などにより測定することができる。
【0023】上記の無機金属化合物としては、種々の金
属の酸化物;水酸化物;硫酸塩、炭酸塩等の金属塩など
が挙げられ、具体的には、三酸化アンチモン、四酸化ア
ンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム
等のアンチモン系無機金属化合物;ほう砂、ほう酸亜
鉛、メタほう酸バリウム等のほう素系無機金属化合物;
みょうばん、水和アルミナ、水酸化アルミニウム等のア
ルミニウム系無機金属化合物;酸化ジルコニウム等のジ
ルコニウム系無機金属化合物;水酸化マグネシウム等の
マグネシウム系無機金属化合物などが挙げられる。これ
らの中でも、アンチモン系無機金属化合物が好ましく、
三酸化アンチモンがより好ましい。
【0024】上記の無機金属化合物の配合量は、熱可塑
性ポリウレタン樹脂100重量部に対して1〜100重
量部であり、難燃性と機械的特性の観点から、5〜50
重量部であるのが好ましい。
【0025】上記した熱可塑性ポリウレタン樹脂および
無機金属化合物からなる本発明の熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物に難燃剤を配合すると、難燃性を付与するこ
とができる。難燃剤としては、デカブロモジフェニルエ
ーテル、臭素化ポリスチレン等のハロゲン系難燃剤;ト
リフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォス
フェート等のリン系難燃剤;加熱膨張性黒鉛などが挙げ
られる。難燃剤の配合量としては熱可塑性ポリウレタン
樹脂100重量部に対して、5〜50重量部であるのが
好ましく、10〜40重量部であるのがより好ましい。
難燃剤が配合された本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物においては、上記の無機金属化合物は、難燃剤と
併用することにより難燃効果を高める難燃助剤として作
用する。
【0026】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の重合過程または重合後
に、上記した無機金属化合物並びに必要に応じて、熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に通常使用さ
れている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
着色剤、加水分解防止剤、結晶核剤、耐候性改良剤、防
黴剤、EB架橋剤などの各種添加剤、ポリオレフィン樹
脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などの他樹脂を適宜
加えることにより製造することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例においては、無機金属化合
物として表1に示す酸化アンチモンを用いた。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸と
から重縮合によって得られた分子量1500の高分子ジ
オール61重量部、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アナート31重量部および1,4−ブタンジオール8重
量部から得られた200℃における溶融粘度が8,000poise
の熱可塑性ポリウレタン(TPU−A)100重量部に
対し、表1に示す三酸化アンチモンAおよびデカブロモ
ジフェニルエーテルを表2に記載した割合で、バレル温
度を原料供給口のC1ゾーンから先端部のC3ゾーンに
かけて順に200℃、220℃、220℃、ダイスは210℃に設定
した直径25mm、L/D=25の単軸押出機((株)プラス
チック工学研究所製)によって混合し、本発明における
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造した。この際、
当該組成物の製造において、ダイス付近からの発煙がな
く、ストランドの引取安定性も良好であり、製造は安定
していた。
【0030】さらに、本発明における熱可塑性ポリウレ
タン樹脂組成物の表面平滑性を評価するために、上記で
得た熱可塑性ポリウレタン樹脂を80℃で除湿乾燥し、
チューブ成形用ダイスに変更した他は上記と同じ押出機
を用い、バレル温度をC1ゾーンからC3ゾーンにかけ
て順に180℃、190℃、200℃とし、ダイス温度を190℃と
して、外径6mmのチューブを作製した。その表面状態
(外観)を肉眼で判定したところ、光沢がありかつ表面
の凹凸もなく表面平滑性に優れたものであった。
【0031】また、難燃性の評価をUL94の垂直燃焼
性試験に従って行った。試験は、上記で得た熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を射出成形することで作製した厚
さ3mmの試験片を用いて実施した。その結果は良好な
難燃性を示すものであった。
【0032】実施例2〜4 用いる酸化アンチモンの種類を表2に示すように変更し
た他は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物、それからなるチューブおよび難燃性試験用試
験片を作製した。結果は表2に示すように製造安定性、
表面平滑性および難燃性に優れたものであった。
【0033】実施例5 分子量1000のポリテトラメチレングリコール60重
量部、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート33
重量部および1,4−ブタンジオール7重量部から得ら
れた200℃における溶融粘度が7000poiseの熱可塑性ポリ
ウレタン(TPU−B)100重量部を用いた他は実施
例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、
それからなるチューブおよび難燃性試験用試験片を作製
した。結果は表2に示すように製造安定性、表面平滑性
および難燃性に優れたものであった。
【0034】比較例1〜4 用いる酸化アンチモンの種類を表2に示すように変更し
た他は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物、それからなるチューブおよび難燃性試験用試
験片を作製した。その結果、比較例1においてはチュー
ブ外観を観察したところ、光沢がなく表面が粗面化して
おり、表面平滑性が不満足であった。また、比較例2お
よび4においては、押出機ダイスから吐出した直後の熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物が発泡して白煙を発生す
ると同時に、ストランドの引き取り性が悪化して製造性
が不安定となった。さらに、比較例3においては、製造
安定性については比較例2および4と同様に、さらに表
面平滑性については比較例1と同様に、製造安定性およ
び表面平滑性のいずれもが不満足であった。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、製造安定性に優れると
ともに表面平滑性に優れた成形品を与える熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:18) C08L 25:18)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部
    並びに平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm
    以上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%
    未満である無機金属化合物1〜100重量部からなる熱
    可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量
    部、難燃剤5〜50重量部並びに平均粒径が2μm以上
    でありかつ粒径が15μm以上の成分および0.5μm
    以下の成分が各々5重量%未満である無機金属化合物1
    〜100重量部からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 無機金属化合物が、アンチモン系無機金
    属化合物、ほう素系無機金属化合物、アルミニウム系無
    機金属化合物、マグネシウム系無機金属化合物およびジ
    ルコニウム系無機金属化合物よりなる群から選ばれる少
    なくとも一つの物質である請求項1または2記載の熱可
    塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機金属化合物が酸化アンチモンである
    請求項3記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
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