JP2001288359A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物Info
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Abstract
れた成形品を与える難燃性の熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部
並びに平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm
以上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%
未満である無機金属化合物1〜100重量部からなる熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物によって上記課題が解決
される。
Description
タン樹脂組成物に関する。本発明の熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂組成物は、その製造安定性に優れ、かつ表面平滑
性に優れた成形品を与える。
回復率を有し、耐摩耗性、耐熱性および耐寒性に優れて
おり、通常のプラスチック成形加工法が適用できるた
め、射出成形および押出成形の材料として広範な分野で
使用されている。熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法
としては、高分子ジオール、有機ジイソシアナートおよ
び鎖伸長剤を混合して重合させることが好ましいことが
知られている。熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ポ
リエステル系、ポリエーテル系およびポリカーボネート
系のものが知られており、これらは、種々の特性を付与
するために添加剤を配合した熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物として一般的には用いられる。
ために、難燃性が要求される用途においては難燃剤が配
合されて使用されおり、ホース、チューブ分野などを中
心に最近需要が高まっている。熱可塑性ポリウレタン樹
脂の難燃化には、従来よりポリブロモジフェニルエーテ
ルなどの臭素系難燃剤および酸化アンチモン等の無機金
属化合物難燃助剤が必要性能に応じて適宜配合比を設定
して用いられる。難燃性の熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物としては、例えば、特開平8-241630号公報には、熱
可塑性ポリウレタン樹脂に臭素化エポキシ樹脂、三酸化
アンチモンおよびリン化合物を配合してなる難燃性樹脂
組成物が開示され、特開平8-302209号公報には、熱可塑
性ポリウレタン樹脂に加熱膨張性黒鉛および三酸化アン
チモンを配合した難燃性樹脂組成物が開示されている。
の従来技術においては、熱可塑性ポリウレタン樹脂に平
均粒径が小さい三酸化アンチモンを配合していることか
ら、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に、
熱可塑性ポリウレタン樹脂が分解し、安定に熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を製造することができなかった。
さらに、得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を用
いて作製した成形品は、表面平滑性が悪く製品の外観を
損ねるという問題があった。
優れるとともに表面平滑性に優れた成形品を与える熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
目的は熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部並びに平
均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm以上の成
分および0.5μm以下の成分が各々5重量%未満であ
る無機金属化合物1〜100重量部からなる熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を提供することによって達成され
る。
は、高分子ポリオール、有機ジイソシアナート、鎖伸長
剤および必要に応じて他の成分などとともにワンショッ
ト法、プレポリマー法またはその他の方法を用いて反応
させることにより製造することができる。
00〜5000、特に700〜4000の高分子ポリオ
ールを使用するのが好ましい。高分子ポリオールとして
はポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、
ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポ
リオール等を挙げることができ、これらのうちでもポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好まし
い。これらの高分子ポリオールは、単独で用いても2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
状エーテル(例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフ
ラン、メチルテトラヒドロフランなど)の開環重合によ
り得られるポリエーテルジオール、グリコール(例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなど)
の重縮合により得られるポリエーテルポリオールが挙げ
られる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
は、ポリカルボン酸、ポリオールおよび必要に応じて他
の成分を用い、エステル化法またはエステル交換法によ
る公知の重縮合法により製造することができる。
リオールとしては、ポリエステルの製造において一般的
に使用されているものを用いることができ、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチ
ル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−
メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジ
メチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オールなどの炭素数2〜15の脂肪族ジオール;1,4
−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロオクタンジメタノールなどの脂環式ジオー
ル;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等の芳香族二価アルコールなどの1分子当たり水酸基を
2個有するジオールおよびトリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、グリセリン、1,2,6−ヘンサ
ントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンな
どの1分子当たり水酸基を3個以上有するポリオールな
どを挙げることができる。ポリエステルポリオールの製
造に当たっては、これらのポリオールは単独で使用して
もまたは2種以上使用してもよい。これらのうちでも、
ポリエステルポリオールの製造に当たっては、2−メチ
ル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル
−1,9−ノナンジオールなどのメチル基を側鎖として
有する炭素数5〜12の脂肪族ジオールを用いるのが好
ましい。
リカルボン酸としては、ポリエステルの製造において一
般的に使用されているポリカルボン酸を使用することが
でき、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、
3−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メ
チルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,
7−ジメチルデカン二酸などの炭素数4〜12の脂肪族
ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー
酸、水添ダイマー酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット
酸、ピロメリット酸などの3官能以上のポリカルボン
酸;これらのエステル形成性誘導体などを挙げることが
できる。これらのポリカルボン酸は、単独で使用しても
2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、炭素数
6〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸がより好ましく用いられ
る。
縮合反応は、触媒の存在下に行うことができ、その場合
の触媒としてはチタン系触媒、スズ系触媒等が好ましく
用いられる。チタン系触媒の例としては、チタン酸、テ
トラアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合
物、チタンキレート化合物などを挙げることができ、よ
り具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラ
−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシル
チタネート、テトラステアリルチタネート等のテトラア
ルコキシチタン化合物、ポリヒドロキシチタンステアレ
ート、ポリイソプロポキシチタンステアレート等のチタ
ンアシレート化合物、チタンアセチルアセテート、トリ
エタノールアミンチタネート、チタンアンモニウムラク
テート、チタンエチルラクテート等のチタンキレート化
合物などを挙げることができる。スズ系触媒の例として
は、ジアルキルスズジアセテート、ジアルキルスズジラ
ウレート、ジアルキルスズビスメルカプトカルボン酸エ
ステル塩などを挙げることができ、より具体的にはジブ
チルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジ
ブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸エトキシ
ブチルエステル)塩などを挙げることができる。
は、各々の状況に応じて調節でき特に制限されないが、
一般に、ポリエステルポリオールの製造に用いる反応成
分の全重量に基づいて、0.1〜50ppmであるのが
好ましく、1〜30ppmであるのがより好ましい。ま
た、スズ系触媒を用いる場合にその使用量は、各々の状
況に応じて調節でき特に制限されないが、一般に、ポリ
エステルポリオールの製造に用いる反応成分の全重量に
基づいて、1〜200ppmであるのが好ましく、5〜
100ppmであるのがより好ましい。
テルポリオールでは、ポリエステルポリオール中に含ま
れるチタン触媒を失活させておくことが必要であり、失
活されていないチタン系触媒を含むポリエステルポリオ
ールを用いて熱可塑性ポリウレタンを製造すると、熱可
塑性ポリウレタンの耐熱性などの特性が劣ったものにな
る。
ン系触媒の失活方法としては、例えば、(1)ポリエス
テルポリオールを加熱下に水と接触させる方法;(2)
ポリエステルポリオールをリン酸、リン酸エステル、亜
リン酸、亜リン酸エステルなどのリン化合物で処理する
方法などを挙げることができる。そして、水と接触させ
る前記(1)の方法による場合は、例えば、ポリエステ
ルポリオールに水を1重量%以上添加して、70〜15
0℃、好ましくは90〜130℃の温度で1〜3時間程
度加熱すればよい。そして、その際の加熱による失活処
理は、常圧下で行っても加圧下で行ってもよい。失活処
理後に系を減圧にすると、失活に用いた水分をポリエス
テルポリオールから円滑に除去することができる。
オールとしては、低分子ポリオールとジアルキルカーボ
ネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネ
ートなどのカーボネート化合物との反応により得られる
ものを使用することができる。ポリカーボネートジオー
ルを構成する低分子ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオールの構成成分として先に例示したポリオールを
用いることができる。ジアルキルカーボネートとして
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど
を挙げることができる。アルキレンカーボネートとして
は、エチレンカーボネートなどを挙げることができ、ジ
アリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネー
トなどを挙げることができる。
オールとしては、例えば低分子ポリオール、ポリカルボ
ン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させて得ら
れるもの、予め上記した方法によりポリエステルポリオ
ールおよびポリカーボネートポリオールをそれぞれ合成
し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか
または低分子ポリオールおよびポリカルボン酸と反応さ
せて得られたものを使用することができる。
の製造に用いられる有機ジイソシアナートとしては、通
常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造に従来から使用さ
れている有機ジイソシアナートのいずれを使用してもよ
く、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート、トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、1,5−ナフ
チレンジイソシアナート、3,3’−ジクロロ−4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレン
ジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート;ヘキサ
メチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト、水素化キシリレンジイソシアナート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアナートなどを挙げることができる。
これらの有機ジイソシアナートは単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを用いるのが
好ましい。また、トリフェニルメタントリイソシアナー
トなどの3官能以上のポリイソシアナート化合物を必要
に応じて少量添加してもよい。
の製造に用いられる鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性
ポリウレタン樹脂の製造に従来から使用されている鎖伸
長剤のいずれを使用してもよく、イソシアナート基と反
応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量
300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。該低
分子化合物としては、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリ
レングリコール等のジオール類;ヒドラジン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、
イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド等のジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプ
ロピルアルコール等のアミノアルコール類などが挙げら
れる。これらの低分子化合物は、単独で使用してもよい
し2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数
2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、耐熱
性、耐熱水性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得る
観点から、1,4−ブタンジオールを用いるのがより好
ましい。
の製造方法としては、上記の高分子ジオール、ジイソシ
アナート、鎖伸長剤および必要に応じて他の成分を使用
して、従来から用いられている方法のいずれもが使用で
きる。例えば溶融重合、溶液重合などの公知のウレタン
化反応技術を利用して、プレポリマー法、ワンショット
法などの方法で製造することができる。なかでも、実質
的に溶媒の存在しない条件下で溶融重合を行って熱可塑
性ポリウレタンを製造するのが、重合を簡単にかつ円滑
に行うことができる点から好ましく、特にその溶融重合
を多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重合法によ
って行うと、生産性が高くなりより好ましい。また、熱
可塑性ポリウレタン樹脂の製造に当たっては、スズ系ウ
レタン化触媒を用いてポリウレタン形成反応を行うこと
ができ、特に、熱可塑性ポリウレタン樹脂原料の合計重
量に基づいて、スズ系ウレタン化触媒をスズ原子に換算
して0.5〜50ppmの割合で用いてポリウレタンを
製造すると分子量の高い熱可塑性ポリウレタン樹脂を製
造することができる。その際のスズ系ウレタン化触媒と
しては、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルス
ズジラウレート、ジブチルスズビス(3−メルカプトプ
ロピオン酸エトキシブチルエステル)塩などを挙げるこ
とができる。
は、平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm以
上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%未
満である無機金属化合物を含有する。該無機金属化合物
としては、平均粒径が3μm以上でありかつ粒径が15
μm以上の成分および0.5μm以下の成分が各々3重
量%未満であるものが好ましく、平均粒径が3μm以上
でありかつ粒径が15μm以上の成分および0.5μm
以下の成分が各々2重量%未満であるものがより好まし
い。また、難燃性の観点から、平均粒径は12μm以下
であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ま
しい。平均粒径が2μm未満であると、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物を製造するに際に、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の分解が顕著になり、生産安定性が低下する。
また、粒径が15μm以上の成分の含有量が5重量%以
上になると、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる
成形品の表面粗度が大きくなって表面平滑性が悪化し、
光沢がなくなって外観が損なわれる。一方、粒径が0.
5μm以下の成分の含有量が5重量%以上になると、熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に、熱可塑
性ポリウレタン樹脂の分解が顕著になり、生産安定性が
低下する。なお、無機金属化合物の粒径はレーザー回折
法、湿式フルイ法などにより測定することができる。
属の酸化物;水酸化物;硫酸塩、炭酸塩等の金属塩など
が挙げられ、具体的には、三酸化アンチモン、四酸化ア
ンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム
等のアンチモン系無機金属化合物;ほう砂、ほう酸亜
鉛、メタほう酸バリウム等のほう素系無機金属化合物;
みょうばん、水和アルミナ、水酸化アルミニウム等のア
ルミニウム系無機金属化合物;酸化ジルコニウム等のジ
ルコニウム系無機金属化合物;水酸化マグネシウム等の
マグネシウム系無機金属化合物などが挙げられる。これ
らの中でも、アンチモン系無機金属化合物が好ましく、
三酸化アンチモンがより好ましい。
性ポリウレタン樹脂100重量部に対して1〜100重
量部であり、難燃性と機械的特性の観点から、5〜50
重量部であるのが好ましい。
無機金属化合物からなる本発明の熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物に難燃剤を配合すると、難燃性を付与するこ
とができる。難燃剤としては、デカブロモジフェニルエ
ーテル、臭素化ポリスチレン等のハロゲン系難燃剤;ト
リフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォス
フェート等のリン系難燃剤;加熱膨張性黒鉛などが挙げ
られる。難燃剤の配合量としては熱可塑性ポリウレタン
樹脂100重量部に対して、5〜50重量部であるのが
好ましく、10〜40重量部であるのがより好ましい。
難燃剤が配合された本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物においては、上記の無機金属化合物は、難燃剤と
併用することにより難燃効果を高める難燃助剤として作
用する。
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の重合過程または重合後
に、上記した無機金属化合物並びに必要に応じて、熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造する際に通常使用さ
れている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
着色剤、加水分解防止剤、結晶核剤、耐候性改良剤、防
黴剤、EB架橋剤などの各種添加剤、ポリオレフィン樹
脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などの他樹脂を適宜
加えることにより製造することができる。
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例においては、無機金属化合
物として表1に示す酸化アンチモンを用いた。
から重縮合によって得られた分子量1500の高分子ジ
オール61重量部、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アナート31重量部および1,4−ブタンジオール8重
量部から得られた200℃における溶融粘度が8,000poise
の熱可塑性ポリウレタン(TPU−A)100重量部に
対し、表1に示す三酸化アンチモンAおよびデカブロモ
ジフェニルエーテルを表2に記載した割合で、バレル温
度を原料供給口のC1ゾーンから先端部のC3ゾーンに
かけて順に200℃、220℃、220℃、ダイスは210℃に設定
した直径25mm、L/D=25の単軸押出機((株)プラス
チック工学研究所製)によって混合し、本発明における
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造した。この際、
当該組成物の製造において、ダイス付近からの発煙がな
く、ストランドの引取安定性も良好であり、製造は安定
していた。
タン樹脂組成物の表面平滑性を評価するために、上記で
得た熱可塑性ポリウレタン樹脂を80℃で除湿乾燥し、
チューブ成形用ダイスに変更した他は上記と同じ押出機
を用い、バレル温度をC1ゾーンからC3ゾーンにかけ
て順に180℃、190℃、200℃とし、ダイス温度を190℃と
して、外径6mmのチューブを作製した。その表面状態
(外観)を肉眼で判定したところ、光沢がありかつ表面
の凹凸もなく表面平滑性に優れたものであった。
性試験に従って行った。試験は、上記で得た熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を射出成形することで作製した厚
さ3mmの試験片を用いて実施した。その結果は良好な
難燃性を示すものであった。
た他は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物、それからなるチューブおよび難燃性試験用試
験片を作製した。結果は表2に示すように製造安定性、
表面平滑性および難燃性に優れたものであった。
量部、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート33
重量部および1,4−ブタンジオール7重量部から得ら
れた200℃における溶融粘度が7000poiseの熱可塑性ポリ
ウレタン(TPU−B)100重量部を用いた他は実施
例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、
それからなるチューブおよび難燃性試験用試験片を作製
した。結果は表2に示すように製造安定性、表面平滑性
および難燃性に優れたものであった。
た他は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物、それからなるチューブおよび難燃性試験用試
験片を作製した。その結果、比較例1においてはチュー
ブ外観を観察したところ、光沢がなく表面が粗面化して
おり、表面平滑性が不満足であった。また、比較例2お
よび4においては、押出機ダイスから吐出した直後の熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物が発泡して白煙を発生す
ると同時に、ストランドの引き取り性が悪化して製造性
が不安定となった。さらに、比較例3においては、製造
安定性については比較例2および4と同様に、さらに表
面平滑性については比較例1と同様に、製造安定性およ
び表面平滑性のいずれもが不満足であった。
ともに表面平滑性に優れた成形品を与える熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部
並びに平均粒径が2μm以上でありかつ粒径が15μm
以上の成分および0.5μm以下の成分が各々5重量%
未満である無機金属化合物1〜100重量部からなる熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量
部、難燃剤5〜50重量部並びに平均粒径が2μm以上
でありかつ粒径が15μm以上の成分および0.5μm
以下の成分が各々5重量%未満である無機金属化合物1
〜100重量部からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成
物。 - 【請求項3】 無機金属化合物が、アンチモン系無機金
属化合物、ほう素系無機金属化合物、アルミニウム系無
機金属化合物、マグネシウム系無機金属化合物およびジ
ルコニウム系無機金属化合物よりなる群から選ばれる少
なくとも一つの物質である請求項1または2記載の熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物。 - 【請求項4】 無機金属化合物が酸化アンチモンである
請求項3記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
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