JPH06157850A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH06157850A
JPH06157850A JP31845492A JP31845492A JPH06157850A JP H06157850 A JPH06157850 A JP H06157850A JP 31845492 A JP31845492 A JP 31845492A JP 31845492 A JP31845492 A JP 31845492A JP H06157850 A JPH06157850 A JP H06157850A
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JP
Japan
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flame retardant
copolymer
styrene
rubber
flame
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JP31845492A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ueda
浩義 植田
Yutaka Ishizuka
豊 石塚
Kunio Hara
邦夫 原
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スチレン−メタクリル酸共重合樹脂(A)
と、ポリブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート
共重合樹脂(B)と、デカブロモジフェニルエーテル
(C)と、平均粒径0.1〜7μm(D)とを含有。 【効果】 難燃性および加工性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性の要求される種々
の成形品、たとえば電気、電子、OA、通信、音響、映
像、自動車、車輛、機械、などの諸分野における成形品
の成形材料として適した樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は成形性はじめ種々のす
ぐれた物性を示すことから多方面にわたって利用されて
いる。
【0003】ところが、このスチレン系樹脂は一般に耐
熱性および耐衝撃性に劣るという重大な欠点を有してい
た。そこで従来より優れた耐熱性および耐衝撃性を兼備
したスチレン系樹脂として、例えば特開昭61−163
950号公報にはスチレン−メタクリル酸共重合体に、
メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレングラフト共
重合体をブレンドさせたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のス
チレン−メタクリル酸共重合体と、メタクリル酸メチル
−ブタジエン−スチレングラフト共重合体との混合物
は、それ自体、難燃性を有するものではなく、また、そ
の難燃化にあたっては、例えば通常用いられている有機
系難燃剤は充分な難燃効果が得られない為に必然的に添
加量が多くなりその結果、耐熱性及び耐衝撃性を低下せ
しめるという課題を有していた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、耐熱性
及び耐衝撃性に優れる上に、更に極めて優れた難燃性を
有する難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は上記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレンと(メタ)ア
クリル酸とを必須成分として成る共重合体とゴム含有共
重合体とを含有する組成物に、有機系難燃剤とアンチモ
ン系難燃剤とを混合することにより、該組成物に優れた
難燃性を付与できることを見いだし本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明はスチレンと(メタ)アクリ
ル酸とを必須成分とする共重合体(A)、ゴム系共重合
体(B)、有機系難燃剤(C)及びアンチモン系難燃剤
(D)を含有することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂
組成物に関する。
【0008】本発明で用いるスチレンと(メタ)アクリ
ル酸とを必須成分とする共重合体(A)はスチレンと
(メタ)アクリル酸とを必須成分とし、さらに、必要に
応じてこれらと共重合可能な他のモノマーとから成る共
重合樹脂である。共重合体(A)においてはスチレンと
(メタ)アクリル酸との重合率は重量比でスチレン/
(メタ)アクリル酸=50/50〜90/1の範囲内で
あることが耐熱性向上効果に優れる点から好ましいが、
なかでもポリマーの溶融粘度を低く保ち、かつ耐熱性、
成形品の外観、難燃剤との親和性等に優れる点から重合
率60/40〜97/3の範囲であることが好ましく、
特に70/30〜95/5の範囲内であることが好まし
い。
【0009】上記スチレン及び(メタ)アクリル酸と共
重合可能な他のモノマーとしては、例えばアクリロニト
リル、メタアクリロニトリルに代表されるビニル・シア
ン化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロト
ン酸、桂皮酸に代表される重合性不飽和脂肪酸;N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマ
レイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−P−ブロモ
フェニルマレイミド、N−O−クロルフェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等に代表されるマレ
イミド酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;ア
リルグリシジルエーテル、グリシジメタアクリレートに
代表されるエポキシ基含有不飽和化合物;アリルアミ
ン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸−アミノ
プロピル、アミノスチレンに代表されるアミノ基含有不
飽和化合物類;アクリルアミド、N−メチルアクリルア
ミドに代表されるアクリルアミド系化合物;2−ヒドロ
キシエチル−アクリレート、3−ヒドロキシプロピルメ
タアクリレート、4−ヒドロキシ−2−ブテンなどの水
酸基含有不飽和化合物を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。これら他のモノマー類は、
一種類または二種類以上併用して重合に用いてもよい。
【0010】この共重合樹脂(A)は通常用いられる製
造法、例えば特開昭60−106818号公報、特開昭
60−168710号公報、特開昭61−43612号
公報、特開昭61−163949号公報、特開昭62−
74908号公報などに例示されている方法により容易
に製造することができる。
【0011】具体的には通常用いられるラジカル系触
媒、イオン系触媒の存在下あるいは非存在下において、
乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合あるいは、乳
化−懸濁重合、乳化−溶液重合、懸濁−溶液重合方法な
ど方法により、回分式、連続式または回分−連続式製造
方法により製造することができる。例えば、スチレンモ
ノマーとメタクリル酸に、さらに必要によりこれらと共
重合可能な他のモノマーを加え、ラジカル発生剤および
連鎖移動剤を用いて、60〜180℃、好ましくは7.
5〜120℃で懸濁重合又は塊状重合させ、次いで必要
に応じて酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、鉱
油等の添加剤等を添加して、押出機等により造粒させる
といった方法が挙げられる。
【0012】これらの製造方法により製造された共重合
体(A)の高分子鎖構造については、特に限定されるも
のではなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体もし
くはグラフト共重合体のいずれかであっても良い。ま
た、この共重合樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)
は、通常30,000〜500、000が好ましい。
【0013】このようにして得られた共重合体(A)
は、さらに分子中に存在するカルボキシル基の一部を予
め処理して酸無水物としたポリマー、グルタル酸無水物
基とした変性ポリマー、カルボキシ基の特性を生かしア
ルカリ金属、アルカリ土類金属等でイオン架橋せしめた
ポリマー、あるいはアミド基含有化合物、水酸基含有化
合物等でアミド結合、エステル結合を生成させて得られ
た変性ポリマーなども本発明に用いられる共重合体
(A)に包含されるものである。
【0014】本発明で用いるゴム系共重合体(B)は、
特に限定されるものではないが、共重合体(A)との相
溶性に優れる点から芳香族ビニルモノマーとゴム質とを
必須成分として重合せしめた共重合体が好ましい。
【0015】ここで芳香族ビニルモノマーとしてはスチ
レン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン
等が挙げられ、特に限定されるものではない。ゴム質と
してはゴムおよび/または熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。
【0016】ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPDM、EPM)、アクリルゴム(ACM、
ANM)、塩素化ポリエチレンゴム(CSR)、フッ素
ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム
(AU、EU)、多硫化ゴム(T)、エピクロルヒドリ
ンゴム(CO、ECO)、クロロスルホン化ポリエチレ
ン(CSM)、ノルボルネンゴムおよび/またそれらの
加硫化された高分子材料が挙げられる。
【0017】これらの中では耐衝撃性に優れる点からス
チレンブタジエンゴム(SBR)及びブタジエンゴム
(BR)が好ましく、又耐候性に優れる点からエチレン
−プロピレンゴム(EPDM、EPM)、アクリルゴム
(ACM)が好ましい。
【0018】一方、熱可塑性エラストマーとは加硫を必
要としない、高温領域においては可塑性を示し、常温付
近ではゴム弾性を示すゴムと熱可塑性樹脂の中間あるい
は両者の特性を兼備した高分子材料を示すものである。
これら熱可塑性エラストマーは、高分子鎖中に弾性を持
つソフトセグメントと常温付近での塑性変化を防ぐ結晶
ないしガラス状成分であるハードセグメントとの互いに
相溶しない両成分を合せ持つところに特徴を有するもの
である。
【0019】上記シフトセグメントとしては、ポリブタ
ジエン、ポリエーテル、ポリエステルなどのガラス転移
温度の低い非晶質ポリマーが代表的であり、ハードセグ
メントとしてはその拘束の形式、形態からポリスチレ
ン、ポリウレタンに代表される非架橋型ハードセグメン
トおよびアルカリ、アルカリ土類金属に代表される架橋
型ハードセグメント(アイオノマー)が代表的である。
【0020】さらに具体的に熱可塑性エラストマーを例
示すると、スチレン−ブタジエンおよび/またはイソプ
レンのブロックまたはグラフト共重合体、スチレン−メ
チルメタクリレートのブロックまたはグラフト共重合
体、ブタジエンおよび/またはイソプレン−スチレン、
メチルメタクリレート、アクリロニトリルのブロックま
たはグラフト共重合体および第1表に示されるハードセ
グメントとソフトセグメントを有する高分子材料が挙げ
られる。
【0021】 ゴム系共重合体(B)は上記芳香族ビニルモノマー及び
ゴム質に更に共重合体(A)との相溶性を高めるために
これらと共重合可能なその他のモノマーを共重合させる
ことができる。
【0022】その他のモノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪酸、不飽
和脂肪酸のメチル、エチル、ブチル等のアルキルエステ
ル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、クエ
ニルまたはシクロヘキシル、マリイミド等を挙げること
ができる。これらは単独或は2種以上を併用して用いる
ことができる。
【0023】ゴム系共重合体(B)は上記各成分を重合
して得られるものであるが、例えばゴム質30〜80重
量部、好ましくは40〜70重量部の存在下に、1〜1
00重量%、好ましくは20〜60重量%の芳香族ビニ
ルモノマーと、99〜0重量%、好ましくは80〜40
重量%のその他のモノマーとからなるモノマー成分の2
0〜70重量部、好ましくは30〜60重量部を重合す
ることによって得られるものである。
【0024】この様にして得られるゴム系共重合体
(B)の中でも、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の
ジエン系ゴムにスチレンと(メタ)アクリル酸、メチル
(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、アクリロニト
リルから選ばれる1種以上のモノマーとを共重合させた
共重合樹脂が好ましく、さらにはポリブタジエンにスチ
レン及びメチルメタクリレートをグラフト共重合させた
共重合樹脂(MBS)が耐衝撃性を一段と高める点から
好ましい。
【0025】これら(A)成分と(B)成分の配合比率
は重量基準で通常(A)/(B)=30/70〜90/
10、中でも耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れる点
から(A)/(B)=50/50〜70/30が好まし
い。
【0026】本発明で用いる有機系難燃剤(C)は特に
限定されるものでなく、公知のものがいずれも使用で
き、例えば「急成長する難燃剤・難燃樹脂市場」(シー
エムシー(株)、1991年発行)に記載された公知の
リン系及びハロゲン系難燃剤が挙げられる。中でもテト
ラブロモビスフェノールA(TBBA)、ビスハイドロ
キシエチルエーテルTBA、ビスブロモエチルエーテル
TBA、デカブロモジフェニルオキサイド(DBDP
O)、テトラブロモジフェニルエーテル(TBDP
E)、ヘキサブロモシクロデカン(HBCD)、トリブ
ロモフェノール(TBP)、エチレンビステトラブロモ
フタルイミド、臭素化ポリスチレン、オクタブロモジフ
ェニルエーテル、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレ
ン、塩化ビニル、パークロロペンタシクロデカン等の塩
素系難燃剤が好ましい。なかでも難燃効果に優れる点か
らデカブロモジフェニルエーテル、エチレンビステトラ
ブロモフタルイミド、ポリジブロモフェニレンオキサイ
ドが好ましい。
【0027】アンチモン系難燃剤(D)としては、三酸
化アンチモン及び五酸化アンチモンが挙げられる。ま
た、本発明においては、このアンチモン系難燃剤(D)
はその粒径が比較的大きなものはその分散性が悪く、成
形品表面に凹凸が生じたり、また表面の光沢が低下する
という問題を生ぜしめる。そのため難燃剤(D)の分散
性を著しく向上させ、成形品にした際の表面状態を極め
て良好にできる点から、アンチモン系難燃剤(D)の平
均粒径は7μm以下のものが好ましい。
【0028】なかでも平均粒径が0.1〜7μmのもの
が押し出し成形時の吐出量が安定し、加工性が向上する
点から更に好ましい。また、アンチモン系難燃剤(D)
は、更に無機酸化物で表面処理を行うことがアンチモン
系難燃剤(D)と共重合体(A)との相互作用に起因す
るシルバー等の発生を防止でき、成形品の外観を一段と
向上できる点から好ましい。
【0029】ここで用いる無機酸化物としては特に限定
されるものではないが、成形品外観の向上が著しい点か
ら酸化ケイ素、酸化チタンが好ましい。また表面処理を
施す際の無機酸化物の使用量は特に限定されるものでは
ないが、アンチモン系難燃剤(D)との合計量に対して
1重量%以上であることが、この効果が顕著になり好ま
しい。
【0030】表面処理の具体的な方法としては、例えば
酸化ケイ素を用いる場合には特公昭50−14254号
公報に記載された方法が挙げられ、一方、酸化チタンを
用いる場合はアンチモン系難燃剤に酸化チタンを含浸さ
せた後、酸素雰囲気中で200℃で焼成する方法が挙げ
られる。
【0031】また、アンチモン系難燃剤(D)は、Fe
等の不純物の含有率が100ppm未満であることが、
シルバーの発生を防止できる点から好ましい。また、シ
ルバーの防止効果に着目すれば、アンチモン系難燃剤
(D)の不純物の含有率が100ppm未満であって、
且つ、無機酸化物で表面処理を施したものが、このシル
バーの防止効果が一層顕著になり好ましい。
【0032】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、上
述した各成分を含有するものであるが、それらの配合割
合としては、例えば共重合体(A)とゴム含有共重合体
(B)との混合物に対する有機系難燃剤(C)及び無機
系難燃剤(D)の配合比率が重量比で通常〔(A)+
(B)〕/〔(C)+(D)〕=90/10〜50/5
0であることが好ましく、中でも難燃性、耐熱性及び耐
衝撃性のバランスに優れる点から80/20〜60/4
0であることが更に好ましい。また有機系難燃剤(C)
と無機系難燃剤(D)の配合比率は通常99/1〜50
/50であり、中でも難燃性、成形加工性、成形品表面
状態等のバランスに優れる点から99/1〜80/20
であることが更に好ましい。
【0033】本発明の組成物は上記共重合体(A)、ゴ
ム含有共重合体(B)、有機系難燃剤(C)、及び無機
系難燃剤(D)を必須成分とするものであるが更に相溶
性良好な樹脂、有機ポリシロキサン、可塑剤、鉱油、通
常用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防
止剤等の配合剤を配合することができる。
【0034】なかでも有機ポリシロキサンを用いた場合
には、成形品の耐衝撃性を飛躍的に向上させることがで
きる。本発明に用いられる有機ポリシロキサンとして
は、一般式 (但しR1、R2はアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基をあらわすものであり、R1とR2は同一であって
も、異なっていても良い。)で示される構造単位を持っ
たポリマーを指標するものであり、このような構造単位
が一種のみからなる、いわゆるホモポリマー型ポリシロ
キサンでも、二種以上の組み合わせによるランダム型、
ブロック型もしくはグラフト型のコポリマー型有機シロ
キサンであってもよい。
【0035】このような有機ポリシロキサンとしては、
例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびメチルベン
ジルポリシロキサン等が挙げられる。
【0036】これらの有機ポリシロキサンは、本発明の
熱可塑性樹脂組成物を得るに際し、加熱溶融押し出し等
の熱的条件が付与された場合、その条件下においては揮
発しにくく、また分解などの化学変化を起こし難いもの
が好ましく、さらに本発明に用いられる有機ポリシロキ
サンの量としては、含有率0.001〜0.5重量%、
特に0.001〜0.3重量%の範囲内で添加すること
が耐衝撃性を一層高める点から好ましい。
【0037】相溶性良好な樹脂としては例えば(メタ)
アクリル酸エステル、中でもポリメチルメタクリレー
ト、スチレン−メチルメタクリレート共重合体が望まし
いが、これらに限定されるものではなく、ポリフェニレ
ンエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、ス
チレン−アクリロニトリル共重合樹脂、などであっても
よい。
【0038】本発明の組成物を製造する方法としては、
特に限定されず、通常用いられる製造方法を用いること
ができる。具体的には例えば上述した各成分を加熱ロー
ル、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、単
軸−二軸連結押出機などで溶融混練機にかける方法が挙
げられる。
【0039】このようにして得られた本発明の樹脂組成
物は、さらに射出成形;無軸、一軸延伸、二軸延伸等に
よるフィルム、シート;ボード押出成形、真空成形、圧
空成形、異形成形、押出発泡成形、中空成形などにより
各種成形品に成形して使用することができる。
【0040】本発明の組成物の用途は広範なものにおよ
び、例えばコネクタ、スイッチ、タイマ部品、端子台、
アダプター、リレー部品、トランス部品、、モーター部
品など電気・電子分野の各部品及びケース、エアコンデ
ィショナー、冷蔵庫、テレビジョンセット、温風機、加
湿機などの家庭電気、器具類の各部品、外板及びハウジ
ング;複写機、プリンター、ファクシミリ、CRTディ
スプレイ、パソコン、ワープロ、コンピュータ、レジス
ター等のOA機器の各種部品およびハウジング、自動車
内、外装品及び車体部品;ポンプ類、ファン類、電動工
具等の一般機械の部品及びケース、建材等が挙げられ
る。
【0041】
【実施例】以下実施例により、本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定とされるものではない。
なお、以下に示す部及び%は特に断わりのない限り重量
基準であるとする。
【0042】また各種評価試験は下記の評価基準に従っ
て行った。 〔難燃性試験〕UL−94規格に準拠した。 〔アイゾット衝撃強度〕ASTM D−256(厚さ1
/4″、ノッチ付)に準拠した。 〔熱変形温度〕ASTM D−648に準拠した。 〔加工性〕成形状態及び成形品を次の基準に従って評価
した。
【0043】○ : サージングなし、成形品の発泡な
し × : サージングあり、成形品に発泡発生 〔分散性〕成形品の表面状態を次の基準に従って評価し
た。
【0044】○ : 表面に凹凸なし、光沢良好 × : 表面に細かい凹凸あり、光沢不良 〔シルバー〕以下の基準に従って目視にて評価した。
【0045】◎ : 複数のサンプルのいづれにも全く
認められない。 ○ : サンプル5個に対して1個の割合で、わずかな
シルバーが確認できる。
【0046】× : 複数のサンプル全部に、明確なシ
ルバーが現れた。 〔参考例1〕タービン型攪拌翼を備えた5リットルステ
ンレス製反応器に蒸留水2000mlを仕込み、懸濁安
定剤として部分ケン化ポリビニルアルコール10g及び
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05grを
溶解後、スチレン870gr、メタクリル酸130g
r、流動パラフィン10gr、ペルオキシヘキサヒドロ
テレフタル酸ジ−tert−ブチル4g、および過安息
香酸−tert−ブチル1grを順次仕込んだ。器内を
窒素ガスで置換後、500rpmの攪拌下で昇温して9
0℃で10時間懸濁重合させ、さらに120℃で3時間
反応させた。生成した粒状スチレン−メタクリル酸共重
合体を洗浄、脱水した後、乾燥した。これを共重合体
(A−1)とする。 〔参考例2〜4〕第2表に示す組成で各モノマーを用い
た以外は参考例1と同様にして共重合体(A−2)〜
(A−4)を得た。(A−1)〜(A−4)の重量平均
分子量(Mw)の測定結果を第2表に示す。
【0047】 〔実施例1〜12および比較例1〜3〕第3表および第
4表に示した配合に従って各成分をタンブラーで配合し
た後、30mmφの単軸押出機(温度220〜250
℃)で溶融、混練、押出してペレットを得た。該ペレッ
トを用いてカラープレートを成形し(温度250℃、金
型温度60℃)、各種評価試験を行った。結果を第3表
および第4表に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】尚、第3表及び第4表において難燃剤
(C)とは、有機系難燃剤(C)を示し、「S−10
2」はエチルコーポレーション社製デカブロモジフェニ
ルエーテル、「BT−93」はエチルコーポレーション
社製エチレンビステトラブロモフタルイミド、「PO−
64P」はグレイトレイクケミカル社製ポリジブロモフ
ェニレンオキサイドを夫々表わす。有機ポリシロキサン
は「SH−200」東レダウシリコーン(株)製を表わ
す。
【0051】また、難燃剤(D)はアンチモン系難燃剤
(D)を示し、A〜Iの各難燃剤は次の通りある。 A:住友金属鉱山社製三酸化アンチモン「UF」 B:日本精鉱社製三酸化アンチモン「PATOX−U」 C:同和鉱業社製三酸化アンチモン「100A」 D:日本精鉱社製三酸化アンチモン「ATOX−B」 E:Solem Ind社製三酸化アンチモン(オルガ
ノシリコーン表面処理済)「MICRAL」 F:SiO2 で表面処理を施した三酸化アンチモン G:TiO2 で表面処理を施した三酸化アンチモン H:日本精鉱社製三酸化アンチモン「PATOX−L」 I:日本精鉱社製五酸化アンチモン「APOXS」
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性及び耐衝撃性に
優れる上に、更に極めて優れた難燃性を有する難燃性熱
可塑性樹脂組成物を提供できる。
【0053】また、更に用いるアンチモン系難燃剤
(D)の粒径を特定範囲にすることにより、該難燃剤の
分散性が向上し表面状態の優れた成形品が得られる。更
にアンチモン系難燃剤(D)を無機酸化物で処理を施す
ことにより、更に一層外観の優れた成形品が得られる。
【0054】また、有機ポリシロキサンを添加すること
により成形品の耐衝撃性が飛躍的に向上する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンと(メタ)アクリル酸とを必須
    成分とする共重合体(A)、ゴム系共重合体(B)、有
    機系難燃剤(C)及びアンチモン系難燃剤(D)を含有
    することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アンチモン系難燃剤(D)が、その平均
    粒径が7μm以下のものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 アンチモン系難燃剤(D)が、その平均
    粒子径が0.1〜7μmのものである請求項1記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】 アンチモン系難燃剤(D)が無機酸化物
    で表面処理されたものである請求項2又は3記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 アンチモン系難燃剤(D)が酸化ケイ素
    又は酸化チタンで表面処理されたものである請求項4記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】 グラフト共重合体(B)がメタクリル酸
    メチル−ブタジエン、スチレングラフト共重合体である
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 【請求項7】 更に、有機ポリシロキサンを添加する請
    求項1〜6の何れか1つに記載の組成物。
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