JPH06220275A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06220275A
JPH06220275A JP1254193A JP1254193A JPH06220275A JP H06220275 A JPH06220275 A JP H06220275A JP 1254193 A JP1254193 A JP 1254193A JP 1254193 A JP1254193 A JP 1254193A JP H06220275 A JPH06220275 A JP H06220275A
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JP
Japan
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copolymer
rubber
aromatic vinyl
styrene
vinyl monomer
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Application number
JP1254193A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ueda
浩義 植田
Jiro Matsuo
二郎 松尾
Ayako Yamakura
彩子 山倉
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 SMAA樹脂と、MBS樹脂と、HIPS樹
脂とを含有する樹脂組成物。 【効果】 成形品の引張伸び良好。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気、電子、OA、通
信、音響、映像、自動車、車輌、機械、スポーツ用具、
日用雑貨、土木建築などの諸分野において有用な熱可塑
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンは透明な成形加工性等に優
れ多くの分野で多量に使用されているが、耐熱性及び耐
衝撃性に劣るという問題を有していた。その為、従来よ
り例えば特開昭62−163949号公報には、スチレ
ンとメタクリル酸とを重合させて得られるスチレン−メ
タクリル酸共重合樹脂と、ゴム状重合体の存在下にメタ
クリル酸メチルとスチレンとを重合させて得られるグラ
フト共重合樹脂とを混合することにより、耐熱性及び耐
衝撃性に優れたスチレン系樹脂組成物を得る技術が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記特開昭62
−163949号公報記載のスチレン系樹脂組成物は、
成形品の引張伸びが悪い他、溶融状態での流動性が悪
く、成形時におけるガスの発生、及び複雑な形状を持つ
金型に使用できないという課題を有するものであった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、成形品
の引張伸びに極めて優れ、かつ溶融時の流動性に著しく
優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明等は上記課題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ビニルモノマーと
不飽和カルボン酸とを必須成分とする共重合体(A)
と、芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン酸アルキル
エステルとゴム質重合体を必須成分とするグラフト共重
合体(B)に、上記以外のゴム変性芳香族ビニル系共重
合体(C)を含有することにより、上記課題が解決でき
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は芳香族ビニルモノマーと不
飽和カルボン酸とを必須成分とする共重合体(A)と、
芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン酸アルキルエス
テルとゴム質重合体を必須成分とするグラフト共重合体
(B)と、上記以外のゴム変性芳香族ビニル系共重合体
(C)とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物に関する。
【0007】まず、本発明で用いる共重合体(A)は、
芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン酸とさらに必要
に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーとからなる
共重合樹脂である。
【0008】上記芳香族ビニルモノマーとしては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−、p−メ
チルスチレン、ビニルキシレン、モノクロスチレン、ジ
クロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレ、ビ
ニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。
本発明においては、スチレン、α−メチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレンが好ましく、なかでもスチ
レンおよびスチレンとα−メチルスチレンの混合物が不
飽和カルボン酸との反応性に優れる点から好ましい。
【0009】不飽和カルボン酸としては、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、桂皮酸等の重合性
不飽和脂肪酸、アクリル酸、メタアクリル酸あるいはア
クリル酸とメタクリル酸の混合物等の(メタ)アクリル
酸が挙げられるが、なかでも耐熱性および外観の優れた
成形品が得られる点および共重合樹脂(A)の製造の容
易さの点等から(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0010】この共重合体(A)においては、芳香族ビ
ニルモノマーと不飽和カルボン酸との重合率は、特に限
定されるものではないが、成形品の衝撃強度および流動
性の向上効果に優れる点から芳香族ビニルモノマー/不
飽和カルボン酸=97/3〜82/18の範囲内である
ことが好ましい。
【0011】上記芳香族ビニルモノマーおよび不飽和カ
ルボン酸と共重合可能な他のモノマーとしては、例えば
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルに代表される
ビニル・シアン化合物;N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチル
マレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−p−ブロモフェニルマレイミド、N
−o−クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド等に代表されるマレイミド類;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等に代表される
不飽和カルボン酸無水物類;アリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタアクリレートに代表されるエポキシ
基含有不飽和化合物;アリルアミン、メタクリル酸アミ
ノエチル、メタクリル酸−アミノプロピル、アミノスチ
レンに代表されるアミノ基含有不飽和化合物類;アクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミドに代表されるアク
リルアミド系化合物;2−ヒドロキシエチル−アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、4−
ヒドロキシ−2−ブテンなどの水酸基含有不飽和化合物
等を挙げられることができるが、これらに限定されるも
のではない。これら他のモノマー類は、一種類または二
種類以上併用して使用することが出来る。
【0012】これら他のモノマー類を共重合することに
よりグラフト共重合体(B)及びゴム変性芳香族ビニル
系共重合体(B)との相溶性を向上させることができ、
また耐熱性等を一層向上させることができる。
【0013】また、これら他のモノマー類は、芳香族ビ
ニルモノマーと不飽和カルボン酸とからなる樹脂成分1
00重量部に対して、通常、100重量部以下で使用で
きる。
【0014】このように、本発明に用いられる共重合体
(A)は、芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン酸、
或いは、さらにこれらと共重合可能な他のモノマーとか
ら成る多元共重合体であるが、後述するグラフト共重合
体(B)及びゴム変性芳香族ビニル系共重合体(C)と
して挙げられるものはこれらに含まれるものではない。
【0015】この共重合体(A)は、通常用いられる製
造方法、例えば特開昭60−106818号公報、特開
昭60−168710号公報、特開昭61−43612
号公報、特開昭61−163949号公報、特開昭62
−74908号公報などに例示されている方法により容
易に製造することができる。
【0016】具体的には通常用いられるラジカル系触
媒、イオン系触媒の存在下あるいは非存在下において、
乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合あるいは、乳
化−懸濁重合、乳化−溶液重合、懸濁−溶液重合方法な
ど方法により、回分式、連続式または回分−連続式製造
方法により製造することができる。例えば、芳香族ビニ
ルモノマーと不飽和カルボン酸に、さらに必要によりこ
れらと共重合可能な他のモノマーを加え、ラジカル発生
剤および連鎖移動剤を用いて、60〜180℃、好まし
くは75〜120℃で懸濁重合又は塊状重合させ、次い
で必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止
剤、鉱油等の添加剤等を添加して、押出機等により造粒
させるといった方法などである。
【0017】これらの製造方法により製造された共重合
体(A)の高分子鎖構造については、特に限定されるも
のではなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体もし
くはグラフト共重合体のいずれかであっても良い。ま
た、この共重合樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)
は、通常30,000〜500,000、特に成形品と
した時の引張伸びに優れる点から180,000〜35
0,000が好ましい。
【0018】このようにして得られた共重合体(A)
は、それ自身が本発明を構成する必須成分であることは
勿論のことであるが、さらに分子中に存在するカルボキ
シル基の一部を予め処理して酸無水物としたポリマー、
グルタル酸無水物基とした変性ポリマー、カルボキシ基
の特性を生かしアルカリ金属、アルカル土類金属等でイ
オン架橋せしめたポリマー、あるいはアミド基含有化合
物、水酸基含有化合物等でアミド結合、エステル結合を
生成させて得られた変性ポリマーなども本発明に用いら
れる共重合体(A)に包含されるものである。
【0019】本発明で用いるグラフト共重合体(B)は
芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン酸アルキルエス
テルとゴム質重合体を必須成分として共重合させてなる
共重合樹脂である。
【0020】芳香族ビニルモノマーとしてはスチレン、
α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等が挙
げられ、これらに限定されるものではない。
【0021】不飽和カルボン酸アルキルエステルとして
は、メチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)クリレ
ート、エチル(メタ)クリレート、ブチル(メタ)クリ
レート等のアルキルエステル類が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0022】ゴム質重合体としては、例えば、ゴム或い
は熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0023】ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPDM、EPM)、アクリルゴム(ACM、
ANM)、塩素化ポリエチレンゴム(CSR)、フッ素
ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム
(AU、EU)、多硫化ゴム(T)、エピクロルヒドリ
ンゴム(CO、ECO)、クロロスルホン化ポリエチレ
ン(CSM)、ノルボルネンゴムおよび/またそれらの
加硫化された高分子材料が挙げられる。
【0024】これらの中では耐衝撃性に優れる点からス
チレンブタジエンゴム(SBR)及びブタジエンゴム
(BR)が好ましく、又、耐候性に優れる点からエチレ
ン−プロピレンゴム(EPDM、EPM)、アクリルゴ
ム(ACM)が好ましい。
【0025】一方、熱可塑性エラストマーとしては加硫
を必要としない、高温領域においては可塑性を示し、常
温付近ではゴム弾性を示すゴムと熱可塑性樹脂の中間あ
るいは両者の特性を兼備した高分子材料を示すものであ
る。これら熱可塑性エラストマーは、高分子鎖中に弾性
を持つソフトセグメントと常温付近での塑性変化を防ぐ
結晶ないしガラス状成分であるハードセグメントとの互
いに相溶しない両成分を合せ持つところに特徴を有する
ものである。
【0026】上記ソフトセグメントとしては、ポリブタ
ジエン、ポリエーテル、ポリエステルなどのガラス転移
温度の低い非晶質ポリマーが代表的であり、ハードセグ
メントとしてはその拘束の形式、形態からポリスチレ
ン、ポリウレタンに代表される非架橋型ハードセグメン
トおよびアルカリ、アルカリ土類金属に代表される架橋
型ハードセグメント(アイオノマー)が代表的である。
【0027】さらに具体的には、スチレン−ブタジエ
ン、スチレン−イソプレンのブロックまたはグラフト共
重合体、ブタジエン及び/またはイソプレン−スチレン
−メチルメタクリレート−アクリロニトリルのブロック
またはグラフト共重合体および第1表に示されるハード
セグメントとソフトセグメントを有する高分子材料が代
表である。
【0028】
【表1】 グラフト共重合体(B)は上記芳香族ビニルモノマー及
びゴム質重合体に、更に共重合体(A)との相溶性を高
めるためにこれらと共重合可能なその他のモノマーを共
重合させることができる。
【0029】その他のモノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪酸;アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、クエニルまたは
シクロヘキシル、マリイミド等を挙げることができる。
これらは単独或は2種以上を併用して用いることができ
る。
【0030】グラフト共重合体(B)は上記各成分を重
合して得られるものであるが、例えばゴム質重合体30
〜80重量部、好ましくは40〜70重量部の存在下
に、1〜90重量%、好ましくは20〜60重量%の芳
香族ビニルモノマーと、99〜10重量%、好ましくは
80〜40重量%の不飽和カルボン酸アルキルエステル
及びその他のモノマーとからなるモノマー成分の70〜
20重量部、好ましくは60〜30重量部を重合するこ
とによって得られるものである。
【0031】重合する方法としては、特に限定されるも
のではないが、例えば塊状−懸濁重合、溶液重合及び塊
状重合等が挙げられる。
【0032】この様にして得られるグラフト共重合体
(B)の中でも、耐衝撃性向上効果が著しい点からブタ
ジエンゴムにスチレン及びメチルメタクリレートをグラ
フト共重合させた共重合樹脂(MBS)が好ましい。
【0033】グラフト共重合体(B)以外のゴム変性芳
香族ビニル系共重合体(C)としては、ゴム質重合体
と、芳香族ビニルモノマーとを必須成分とし、必要に応
じその他のモノマーを併用して共重合せしめたものある
が、上述したグラフト共重合体(B)はこれに含まれな
い。
【0034】ゴム質重合体としては、特に限定されるも
のではないが、グラフト共重合体(B)の原料として先
に詳述したゴム或いは熱可塑性エラストマーが何れも使
用できるが、耐衝撃強度に優れる点からブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。
【0035】また、芳香族ビニルモノマーとしては、や
はり、グラフト共重合体(B)の原料として挙げたスチ
レン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン
等が何れも使用できる。
【0036】その他のモノマーとしは、例えばアクリロ
ニトリル、フェニルマレイミド、アクリルエステル等が
挙げられる。
【0037】ゴム変性芳香族ビニル系共重合体(C)
は、上記各成分を共重合せしめて得られ、例えば、ゴム
質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマー、必要に応
じてその他のモノマーを塊状−懸濁重合、溶液重合又は
塊状重合によりグラフト共重合させることにより得られ
るが、なかでも塊状重合が生産性とコスト面から好まし
い。
【0038】尚、重合時の原料の配合割合としては、通
常、ゴム質重合体3〜15重量部の存在下に、芳香族ビ
ニルモノマー7〜15重量部を用いることが本発明の組
成物の流動性を向上できる点から好ましい。
【0039】また、ゴム変性芳香族ビニル系共重合体
(C)中のゴム質重合体の粒径は、特に限定されるもの
ではないが、流動性向上効果に優れる点から0.5〜3
μmであることが好ましい。
【0040】このゴム質重合体の粒径を上記のより好ま
しい範囲に調節でき、ポリマー組成を均一にコントロー
ルすることによって組成物の流動性と成形品の耐衝撃性
を著しく向上せしめ、かつ、効率的に製造するには、例
えば、攪拌式反応器と可動部分のない複数のミキシング
エレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込
んだ連続塊状重合ライン中で、該管状反応器による静的
な混合を行いながら連続的に塊状重合を行う方法が好ま
しい。
【0041】具体的には、第1図において、原料供給ラ
イン(I)と、原料供給ライン(I)から続き、攪拌翼
を内部に有する攪拌式反応器を組み込んでなる予備重合
ライン(II)と、予備重合ライン(II)から続き可動部
分の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定
されている1個以上の管状反応器からなる初期重合ライ
ン(III)と、初期重合ライン(III)から続き可動部分
の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定さ
れている1個以上の管状反応器からなる主重合ライン
(IV)と、初期重合ライン(III)と主重合ライン(I
V)の間で分枝して初期重合ライン(III)内に戻る還流
ライン(V)とによって構成される重合ラインを用い、
初期重合ライン(III)からでる初期重合液流の一部乃
至大部分を還流ライン(V)を経て還流させ、一方還流
されなかった初期重合液流を主重合ライン(IV)におい
てグラフト共重合させる方法を用いることにより上述し
た効果を一層優れたものにすることができる。
【0042】この様にして得られるゴム変性芳香族ビニ
ル系共重合体(C)の中でも特にブタジエンゴム変性ポ
リスチレン(HIPS)が共重合体(A)及びグラフト
共重合体(B)との相溶性に優れる点から好ましい。
【0043】上述した共重合体(A)、グラフト共重合
体(B)及びゴム変性芳香族ビニル系共重合体(C)の
配合割合としては、特に限定されるものではないが、例
えば重量比で通常(A)/(B)=50/50〜90/
10であって、かつ、[(A)+(B)]/(C)=9
5/5〜5/95となる範囲のものが成形品の引張伸び
及び組成物の流動性に優れる点から好ましく、なかでも
(A)/(B)=60/40〜80/20であって、か
つ、[(A)+(B)]/(C)=95/5〜5/95
となる範囲のものがこの効果が顕著になる点から好まし
い。
【0044】本発明においては更に(D)成分として有
機ポリシロキサンを加えることにより、さらに耐衝撃性
等の向上を図ることができる。本発明に用いられる有機
ポリシロキサンとしては、一般式、
【0045】
【化1】 (但しR1 、R2 はアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基を表わすものであり、R1 とR2 は同一であって
も、異なっていても良い。)で示される構造単位をもっ
たポリマーを指標するものであり、このような構造単位
が一種のみからなる、いわゆるホモポリマー型有機ポリ
シロキサンでも、二種以上の組み合せによるランダム
型、ブロック型もしくはグラフト型のコポリマー型有機
シロキサンであっても良い。
【0046】このような有機ポリシロキサンとしては、
例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、ジフェニルポリシロキサンまたはメチルベン
ジルポリシロキサンなどを挙げることができる。
【0047】これらの有機ポリシロキサンは、本発明の
熱可塑性樹脂組成物を得る際、加熱溶融押し出し等の熱
的条件が付与された場合、その条件下においては揮発し
にくく、また分解などの化学変化を起し難いものが好ま
しく、さらに本発明に用いられる有機ポリシロキサンの
量としては、含有率0.001〜0.5重量%、特に
0.001〜0.3重量%の範囲内で添加することが耐
衝撃性を一層高める点から好ましい。
【0048】有機ポリシロキサンを添加する方法として
は、下記に示す組成物の製造の際に、単に配合剤として
ブレンドすることにより添加することができるが、共重
合体(A)、グラフト共重合体(B)又はゴム変性芳香
族ビニル系樹脂(C)にブレンドするか、共重合体
(A)とグラフト共重合体(B)との混合物、グラフト
共重合体(B)とゴム変性芳香族ビニル系樹脂(C)と
の混合物、または共重合体(A)とゴム変性芳香族ビニ
ル系樹脂(C)との混合物にブレンドしていわゆるマス
ターバッチとして樹脂製造の際に用いてもよい。
【0049】このようにマスターバッチとした場合は、
得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより向上す
る。特に粒状の場合、予めタンブラーでブレンドし次い
で他ポリマーとブレンドすることにより、より高い耐衝
撃性を得ることができる。
【0050】このように有機ポリシロキサンを添加する
ことにより得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が著
しく向上する理由としては、この有機ポリシロキサンを
添加することによりゴム成分の分散状態が可能な限り球
状に近い形状で分散されるようになり、有機ポリシロキ
サンの成分がこの球状分散体の表面コート層としての役
割を果しているためと推定される。
【0051】本発明の芳香族ビニル系樹脂組成物は、通
常用いられる製造方法により製造することができる。即
ち、ペレット、粒状、粉状又は液状の(A)〜(C)成
分をタンブラー、加熱ロール、バンバリーミキサー、単
軸押出機、二軸押出機、単軸−二軸連結押出機などを用
いて混合する方法、(A)〜(C)成分をタンブラーで
ドライブレンドした混合物を加熱ロール、バンバリーミ
キサー、単軸押出機、二軸押出機、単軸−二軸連結押出
機などを用いて混合する方法、又は、上述の方法に従っ
て(D)成分を(A)〜(C)成分に添加した混合物を
加熱ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押
出機、単軸−二軸連結押出機などを用いて混合する方法
などにより製造することができる。
【0052】本発明においては、上記(A)〜(C)成
分或いは(A)〜(D)成分に更にこれらと相溶性を有
する樹脂を併用することができる。この様な樹脂として
は、例えば(メタ)アクリル酸エステル中でもポリメチ
ルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共
重合樹脂が望ましいがこれに限られるものでなく、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、
AS樹脂、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、ポリフ
ェニレンエーテル、塩化ビニリデン樹脂、AAS樹脂、
AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルペンテン−1、ポリブテン、ポリイソブ
レン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ
エステル、ポリカプロラクトン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテル、エーテルケト
ン、シクロヘキサン樹脂、石油樹脂、(メタ)アクリル
酸変性ポリエチレンおよびアクリル酸変性ポリプロピレ
ン等の熱可塑性樹脂;あるいはエポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリールフタレ
ート樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキッド樹脂、ウラキッド樹脂等の熱硬化性樹脂など
であってもよい。
【0053】この様にして得られる本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、さらに通常用いられる酸化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤等の配合剤
を配合することができる。
【0054】これら配合剤の中でも好ましい配合剤とし
ては、特開昭58−96641号公報記載の飽和脂肪酸
および/またはそのエステル;特開昭59−23004
3号公報記載の水酸基化合物;特開昭61−19648
号公報記載のミネラルオイル;ヒンダードアミン系の酸
化防止剤、トリフェニルホスフェート、トリ(ノニルフ
ェニル)ホスフェートおよびこれらのオリゴマー、ポリ
マータイプのリン系難燃剤;およびその他の大成社発行
(昭62年2月)「ポリマーの難燃化」に記載されてい
る難燃剤;テトラブロモビスフェノールA・エピクロル
ヒドリン共縮重合ポリマーなどの難燃剤が好ましい。
【0055】さらにこれらの外に、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラス
フレーク、アスベスト、ウェラストナイト、マイカ、タ
ルク、クレー、炭酸カルシウム、チタン酸カルシウム、
硫酸バリウム等の充填剤を単独または併用して用いるこ
とが出来る。
【0056】これら充填剤は、熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して、1〜150重量部充填することが好
ましい。このようにして得られた本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、さらに射出成形;無軸、一軸延伸、二軸延伸
等によるフィルム、シート;ボード押出成形、真空成
形、圧空成形、異形成形、押出発泡成形、中空成形など
により各種成形品に成形して使用することができる。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物の用途は広範
なものおよび、例えばコネクタ、スイッチ、タイマ部
品、端子台、アダプター、リレー部品、トランス部品、
モータ部品、ボリウムシャフトなど電気・電子分野の各
部品およびケース;ラジオカセット、ビデオカメラ、ビ
デオテープレコーダ、オーディオプレーヤ、エアコンデ
ィショナ、加湿機、炊飯器、湿風機、電話器等の家庭電
気、器具類の各部品、外板およびハウジング;複写機、
プリンター、ファクシミリ、CRTディスクプレイ、パ
ソコン、ワープロ、コンピュータ、レジスター等のOA
機器の各種部品およびハウジング;インスツメントパネ
ル、アッパーガーニッシュ、ラジエータグリル、クラス
ター、スピーカーグリル、カールベントグリル、ルー
パ、ハブキャプ、オイルパイプ、リザーバ−タンク、ペ
ダルブシュ、ホイールキャップ、ヘッドランプリフレー
ター、エアコンバルブ、クランクケースカバー、ヒータ
コアタンク、リアスポイラーなどの自動車内・外装品及
び車体部品;カメラ、スライドプロジェクター、時計、
計測機等の精密機械等の各部品ケース;ポンプ類、ファ
ン類、電動工具、スプレーガノズル、ホース、チューブ
等の一般機械の部品及びケース;海水淡水化装置の部品
およびハウジング、発泡断熱シートおよびボード類等の
土木・建築分野の装置等;フィルム類、発泡シート・ボ
ード類、板類、オードディオカセットおよびハーフ、ビ
デオカセット用ケースおよびハーブ、ヘルメット、発泡
容器、食器類、哺乳ビン、玩具類、チョコレート型類、
防具面類などの日用雑貨類;医療器具類の部品及びケー
ス、医薬品、容器類などの医薬器具類;窓硝子、温室質
材、機械安全カバー、鉛板等のシート・ボード類;食品
包装材、ラミネート用材等のフィルム類;食品容器、緩
衝材、自動車天井材、断熱材等の発泡シート・ボード類
として有用なものである。
【0058】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】なお、以下に示す部および%は特に断わり
のない限り重量基準であるとする。また、各種物性は以
下に示す方法により求めた。 熱変形温度:ASTM D−648 アイゾット衝撃強度:ASTM D−256(厚さ1/
4″,ノッチ付) メルトフローインデックス:ASTM D−1238 引張破断伸び:ASTM D−638 〔共重合樹脂(A)の調製〕 参考例1 タービン型攪拌翼を備えた5リットルステンレス製反応
器に、蒸留水2,000mlを仕込み、懸濁安定剤とし
て部分ケン化ポリビニルアルコール10gおよびドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを溶解後、
スチレン870g、メタクリル酸130g、流動パラフ
ィン10g、ペルオキシヘキサヒドロテレフタル酸ジ−
tert−ブチル4gおよび過安息香酸−tert−ブ
チル1gを順次仕込んだ。器内を窒素ガスで置換後、5
00rpmの攪拌下で昇温して90℃で10時間懸濁重
合させ、さらに120℃で3時間反応させた。生成した
粒状スチレン−メタクリル酸共重合樹脂を洗浄、脱水し
た後乾燥した。
【0060】参考例2 第2表に示す組成で各モノマーを用いた以外は参考例1
と同様にして共重合樹脂(A−2)を得た。
【0061】(A−1)〜(A−2)の重量平均分子量
(Mw)の測定結果を第2表に示す。
【0062】
【表2】
【0063】実施例1〜6及び比較例1〜3 第3〜4表に示す組成の各成分をタンブラーで混合した
後、温度220℃〜250℃の30mmφ押出機で溶
融、混練、押出の後、ペレット化し、これを用いて各種
物性の測定を行なった。尚、第3〜4表の(A)、
(B)及び(C)の配合量は各成分の合計の総重量を1
00%としたときの重量比率を示すものであり、また、
有機ポリシロキサンの配合量は、(A)、(B)及び
(C)の合計100重量部に対する重量基準での使用割
合を示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】 第3表及び第4表において、MBSはポリブタジエン−
グラフト−スチレン−チルメタクリレート共重合体(重
量比でスチレン/メタクリレート=20/80、かつ、
ゴム含有量60重量%で重合したもの)、HIPSはハ
イインパクトポリスチレン[GH9650(商品名)大
日本インキ化学工業(株)製、有機ポリシロキサンは
〔SH−200(商品名)東レダウシリコーン(株)
製]、又、HDTは熱変形温度を、MIはメルトフロー
インデックスを表わす。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、成形品の引張伸びに極
めて優れ、かつ溶融時の流動性に著しく優れる熱可塑性
樹脂組成物を提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、成形品の引張伸びに極
めて優れ、かつ溶融時の流動性に著しく優れる熱可塑性
樹脂組成物を提供できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、ゴム変性芳香族ビニル系共重合体
(C)を製造する際に用いることのできる、可動部分の
ない複数のミキシングエレメントが内部に固定されてい
る管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの1例を
示す工程図である。
【符号の説明】 (I) :原料供給ライン (II) :予備重合ライン (III):初期重合ライン (IV) :主重合ライン (V) :還流ライン (1):プラジャーポンプ (2):攪拌式反応器 (3):ギヤポンプ (4):可動部分のないミキシングエレメントを有する
管状反応器 (5):可動部分のないミキシングエレメントを有する
管状反応器 (6):可動部分のないミキシングエレメントを有する
管状反応器 (7):ギヤポンプ (8):可動部分のないミキシングエレメントを有する
管状反応器 (9):可動部分のないミキシングエレメントを有する
管状反応器 (10):可動部分のないミキシングエレメントを有す
る管状反応器 (11):ギヤポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:04 83:04)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニルモノマーと不飽和カルボン
    酸とを必須成分とする共重合体(A)と、芳香族ビニル
    モノマーと不飽和カルボン酸アルキルエステルとゴム質
    重合体を必須成分とするグラフト共重合体(B)と、上
    記以外のゴム変性芳香族ビニル系共重合体(C)とを含
    有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体(A)が、不飽和カルボン酸を
    3〜18重量%で含有するものである請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 共重合体(C)が、ゴム変性ポリスチレ
    ンである請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 共重合体(A)が、スチレン−(メタ)
    アクリル酸共重合体であって、共重合体(B)がスチレ
    ン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴムグラフト共
    重合体である請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 更に、有機ポリシロキサン(D)を含有
    する請求項1〜4の何れか1つに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有機ポリシロキサン(D)を、全体の
    0.001〜0.2重量%となるように含有する請求項
    8記載の組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131382A (ja) * 1999-08-26 2001-05-15 Dainippon Ink & Chem Inc スチレン系樹脂組成物の製造方法
JP2017105954A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 Psジャパン株式会社 スチレン系樹脂組成物及びその成形品

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JP2001131382A (ja) * 1999-08-26 2001-05-15 Dainippon Ink & Chem Inc スチレン系樹脂組成物の製造方法
JP2017105954A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 Psジャパン株式会社 スチレン系樹脂組成物及びその成形品

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