JP2001287379A - インクカートリッジ及びそれを装着可能なインクジェット記録装置 - Google Patents

インクカートリッジ及びそれを装着可能なインクジェット記録装置

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JP2001287379A JP2000121455A JP2000121455A JP2001287379A JP 2001287379 A JP2001287379 A JP 2001287379A JP 2000121455 A JP2000121455 A JP 2000121455A JP 2000121455 A JP2000121455 A JP 2000121455A JP 2001287379 A JP2001287379 A JP 2001287379A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のインク袋を収納したインクカートリッ
ジを、分解・組み立て性を良くすること。 【解決手段】 インクカートリッジ2は、カートリッジ
ケース20と、この中に収納された第1および第2のイ
ンク袋6(1)、6(2)と、これらインク袋の間に配
置されている仕切り板21を備えている。仕切り板21
は、カートリッジケース20を構成しているケース本体
30に対して、その上側の開口36から落とし込むこと
ができる。ケース本体30にケース蓋40を取り付ける
と、ケース本体側のリブ上端面32b、33b,34
b、35bと、ケース蓋40側の内枠端面42Aの間
に、仕切り板21が挟持され、その位置が固定される。
仕切り板21はスナップフィット等によりケース本体3
0に固定されていないので、その取り外し、取付け作業
を簡単にできる。よって、インクカートリッジ2のリサ
イクル時の分解、組み立てが容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置と、そのインク供給源として用いられるインクカ
ートリッジに関し、特に、リサイクルに適した構成およ
び小型化に適した構成を備え、2種類以上のインクを保
持するインクカートリッジと、2種類以上のインクで記
録可能なインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置のインク供給機
構としては、インクジェット記録装置に形成したインク
カートリッジ装着部にインク供給針を配置しておき、当
該インク供給針がインクカートリッジの側に形成したイ
ンク取出し口に差し込まれるように、インクカートリッ
ジを装着すれば、当該インクカートリッジ内に貯えられ
ているインクをインクジェット記録装置の記録ヘッドに
供給できるように構成されたものが知られている。
【0003】このようなインクジェット記録装置に用い
られるインクカートリッジは、特開昭63―11683
3号公報、特開平5−162333号公報、同11―7
0672号公報等に開示されている。例えば、特開平1
1−70672号公報に開示されているインクカートリ
ッジは、カートリッジケース内にインク袋と廃インク吸
収材が収納されており、インク袋には当該インク袋のイ
ンク残量が少なくなったことを検出するための検出板が
取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、インクジェッ
ト記録装置によっては、2個以上のインクカートリッジ
を必要とするものがある。例えばカラー印刷を行うもの
では、異なる色インクが貯えられたインク袋がそれぞれ
収納されているインクカートリッジを装着する必要があ
る。この場合、インクカートリッジ装着部の小型化を図
るためには、2個以上のインク袋が収納されたインクカ
ートリッジを用いればよい。また、この場合、各インク
袋を定まった位置に収納し、各インク袋のインク残量を
そこに貼り付けた検出板によって正確に検出できるよう
にするためには、カートリッジケース内を仕切り板によ
って二つ以上に区画し、各区画室内にインク袋を収納す
ればよい。
【0005】このような複数のインク袋が収納されてい
るインクカートリッジにおいても、カートリッジケース
をリサイクルするために当該カートリッジケースを分解
できるようにするためには、前述した公開公報に開示さ
れているように、カートリッジケースを底板部分および
側板部分を備えたケース本体と、このケース本体の上側
開口を封鎖しているケース蓋とにより構成し、ケース蓋
をスナップフィット等の結合構造によって、ケース本体
に対してワンタッチで着脱可能に取り付けておけばよ
い。同様に、仕切り板も、スナップフィット等の結合構
造によって、ケース本体に対してワンタッチで着脱可能
に取り付けておけばよい。さらに、各インク袋のインク
取出し口の位置が変動すると、定まった位置に設置され
ているインク供給針を適切な状態で差し込むことができ
なくなる等の問題が発生するので、これを回避するため
に、各インク袋のインク取出し口の部分を、それぞれ、
ケース本体の底板部分と仕切り板の間、仕切り板とケー
ス蓋の間に挟持すればよい。
【0006】本発明の目的は、このような複数のインク
袋が収納されているインクカートリッジを改良して、リ
サイクル時における分解作業を容易に行うことのできる
構成を備えたインクカートリッジを提案することにあ
る。
【0007】また、本発明の目的は、複数のインク袋が
収納されているインクカートリッジを改良して、一層の
小型化を達成できる構成を備えたインクカートリッジを
提案することにある。
【0008】さらに、本発明の目的は、複数のインク袋
が収納されているインクカートリッジを改良して、一層
の小型化と共に各インク袋のインク供給口の位置決めを
確実に行うことのできる構成を備えたインクカートリッ
ジを提案することにある。
【0009】本発明の別の目的は、異なるインクを貯え
ているインクカートリッジを改良して、各インクのイン
ク残量を正確に検出できると共に、リサイクルの容易性
と一層の小型化を両立する構成を備えたインクカートリ
ッジを提案することにある。
【0010】さらに本発明の別の目的は、複数のインク
による印刷が可能なインクジェット記録装置を改良し
て、装置の小型化と低価格化を両立させたインクジェッ
ト記録装置を提案することにある。
【0011】本発明の目的は、複数のインクによる印刷
が可能なインクジェット記録装置を改良して、装置の小
型化と低価格化と共に、インクカートリッジのインクエ
ンド後さらに一定量の印刷ができる構成にすることによ
り、使い勝手を良くしたインクジェット記録装置を提案
することにある。
【0012】また本発明の目的は、複数のインクによる
印刷が可能なインクジェット記録装置を改良して、無駄
なインクの削減と、印刷のランニングコストの低減が可
能なインクジェット記録装置を提案することにある。無
駄なインクの削減により、環境に優しい記録装置を提案
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、カートリッジケースと、この中に収納
されている少なくとも第1および第2のインク袋と、こ
れら第1および第2のインク袋の間に配置されている仕
切り板とを有するインクカートリッジであって、前記カ
ートリッジケースは、底板部分および側板部分を備えた
ケース本体と、このケース本体の上側開口を封鎖してい
るケース蓋を備えており、前記仕切り板は、前記カート
リッジケース内において、前記側板部分に沿ってケース
上下方向に移動可能に装着されており、前記ケース本体
および前記ケース蓋は、前記仕切り板を前記ケース上下
方向から挟持することにより当該仕切り板の前記ケース
上下方向の位置を規定する仕切り板挟持面を備えている
ことを特徴としている。
【0014】本発明のインクカートリッジによれば、仕
切り板がケース本体に対してスナップフィット等のよう
に機械的に係合してはいない。従って、リサイクル時の
分解作業では、ケース蓋を開けた後は簡単に仕切り板を
ケース本体から取り外す事ができる。また、組み立て時
にも、仕切り板を単にケース本体の上側開口から内部に
落とし込むだけでよい。
【0015】ここで、前記第1および第2のインク袋
は、それぞれ、インクを貯えている袋本体とインク取出
し口とを備えており、前記第1のインク袋の前記インク
取出し口と前記第2のインク袋の前記インク取出し口
は、前記仕切り板を介在させることなく、ケース上下方
向に積層配置されていることを特徴としている。
【0016】一般に、インク袋における袋本体にインク
が充填されている状態の厚さに比べて、インク取出し口
の外形寸法の方が大きい。従って、上記のように、当該
インク取出し口の部分を、仕切り板を介在させることな
くケース上下方向に積層配置すれば、仕切り板の厚さ分
だけインクカートリッジの厚さを小さくすることができ
る。この構成は、インク袋が3個以上収納され、従っ
て、2枚以上の仕切り板が収納される構成のインクカー
トリッジの小型化に有利である。
【0017】この場合、各インク袋のインク取出し口の
位置を定まった位置に固定するためには、前記ケース本
体および前記ケース蓋は、積層配置されている前記イン
ク取出し口をケース上下方向から挟持することにより各
インク取出し口のケース上下方向の位置を規定するイン
ク取出し口挟持面を備えた構成とすればよい。また、こ
の場合に、インク取出し口をがた付きなく確実に挟持で
きるようにするためには、少なくとも一方の前記インク
取出し口挟持面を、ケース上下方向に弾性変位可能とし
ておくことが望ましい。
【0018】次に、仕切り板を所定の位置に確実に固定
するためには、ケース上下方向に配置される各インク袋
のインク取出し口を利用して仕切り板を固定すればよ
い。すなわち、各インク取出し口は、前記仕切り板をケ
ース上下方向から挟持することにより当該仕切り板のケ
ース上下方向の位置を規定する仕切り板挟持面を備えた
構成とすればよい。
【0019】この場合、各インク取出し口は、前記仕切
り板を介在させることなくケース上下方向に積層配置さ
れている部分と、前記仕切り板の一部を挟持した状態で
積層配置されている仕切り板挟持部分とを備え、当該仕
切り板挟持部分に前記仕切り板挟持面が形成されている
構成とすることが望ましい。このようにすれば、仕切り
板を確実に固定できると共に、仕切り板の厚さ分だけイ
ンクカートリッジの厚さを小さくできる。
【0020】ここで、本発明のインクカートリッジは、
前記少なくとも第1及び第2のインク袋のインク残量が
少なくなったことを検出するために、複数のインク袋そ
れぞれの表面に貼り付けた検出板を有しており、前記少
なくとも第1および第2のインク袋には、それぞれ異な
るインクを貯えていることを特徴とする。この場合にお
いて、前記少なくとも第1および第2のインク袋には、
異なる色のインクか、同じ色で濃さの異なるインクを貯
えることができる。
【0021】本発明の上記の構成によれば、異なる色
や、同じ色で濃さが異なるなど、異なるインクを貯えた
インクカートリッジにおいて、それぞれのインクを貯え
たインク袋に検出板を有しているため、それぞれのイン
クのインク残量を正確に検出できると共に、前述の通
り、リサイクルの容易性と一層の小型化を両立すること
が可能である。
【0022】次に、本発明のインクジェット記録装置
は、上に説明した本発明のインクカートリッジを装着可
能であって、インクを吐出する記録ヘッドを複数有する
か、インクを吐出する記録ヘッドが複数の区画に分割さ
れており、前記インクカートリッジの複数のインク袋か
らそれぞれ異なるインク供給路を介して前記複数の記録
ヘッド、または前記複数の区画にインクを供給すること
を特徴としている。
【0023】上記の構成のインクジェット記録装置は、
異なるインクで印刷可能であり、小型のインクカートリ
ッジを使用するため、インクジェット記録装置のインク
カートリッジ装着部が小型になり、よって、インクジェ
ット記録装置の小型化に有利である。
【0024】この場合において、本発明のインクジェッ
ト記録装置は、前記検出板の変位を検知してインク袋の
インク残量が少なくなったことを検出するための1個の
検出手段と、インクエンドを判定する判定手段を有し、
前記検出手段で、前記複数のインク袋のうちのいずれか
のインク袋のインク残量が少なくなったことを検出した
結果、前記判定手段により、前記インクカートリッジの
インクエンドを判定することを特徴とする。
【0025】この場合、検出板の変位を検知してインク
袋のインク残量が少なくなったことを検出するための検
出手段が1個のため、インクジェット記録装置の低価格
化に有利である。
【0026】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記検出板の変位を検知してインク袋のインク残量
が少なくなったことを検出するための1個の検出手段
と、消費したインク量を計量する計量手段と、記憶手段
と、インクエンドを判定する判定手段を有し、前記検出
手段で、前記複数のインク袋のうちのいずれかのインク
袋のインク残量が少なくなったことを検出した後、前記
計量手段により計量したインク量が、記憶手段に記憶さ
れている予め定めたインク量に達したとき、前記判定手
段により、前記インクカートリッジのインクエンドを判
定することを特徴とする。
【0027】この場合においては、検出板の変位を検知
してインク袋のインク残量が少なくなったことを検出し
た後、さらに一定量の印刷が可能になり、インクジェッ
ト記録装置の操作者の使い勝手が良くなり、便利であ
る。
【0028】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記検出板の変位を検知して複数のインク袋のイン
ク残量が少なくなったことを個別に検出するための複数
の検出手段と、前記記録ヘッドの駆動手段と、前記検出
手段による検出結果に基づき、駆動する記録ヘッド、ま
たは駆動する記録ヘッドの区画を変更する制御手段を有
し、1個のインク袋のインクエンドを検出した後、記録
の指令を受信した場合に、インクエンドを検出していな
いインク袋のインクで記録を行うよう前記制御手段によ
り駆動する記録ヘッド、または駆動する記録ヘッドの区
画を変更して記録を行うことを特徴とする。この場合に
は、1個のインク袋のインクエンドを検出した後、イン
クエンドを検出していないインク袋のインクで記録を行
うため、無駄なインクが発生せず、地球環境と、印刷の
ランニングコストの低減に有利である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を適用したインクカートリッジと、当該インクカートリ
ッジを装着可能なインクジェット記録装置の好ましい実
施の形態を説明する。
【0030】図1〜図5は、本発明を適用した第一実施
例のインクカートリッジの外観と、断面、分解状態を示
す図である。図6は、図1〜図5の第一実施例のインク
カートリッジのスナップフィット部分を示す断面図であ
り、図7は、そのインク取り出し口の固定構造を示す図
である。図8は、第一実施例のインクカートリッジを装
着可能なインクジェット記録装置のインク供給・排出系
を示す図である。また、図9及び図10は、本発明を適
用した第二実施例のインクカートリッジの断面と分解状
態を示す図であり、図14は、当該インクカートリッジ
を装着可能なインクジェット記録装置の概略構成図であ
る。図11及び図15は、本発明を適用したインクジェ
ット記録装置のインクエンド検出機構を説明するための
概略図であり、図12、13及び図16は、当該インク
ジェット記録装置の機能構成図である。
【0031】(インク供給・排出系)最初に、図8を参
照して、インクジェット記録装置1のインク供給・排出
系を説明する。インクジェット記録装置1にはインクカ
ートリッジ2が着脱可能に装着されるカートリッジ装着
部3が形成されている。このカートリッジ装着部3には
2本のインク供給針4(1)、4(2)と1本の廃液針
5が例えば水平に取り付けられている。これらの針4
(1)、4(2)および5を当該インクカートリッジ2
における後述する場所に差し込むと、当該インクカート
リッジ2とインクジェット記録装置1の側との間にイン
ク供給・排出用のインク流路が形成される。
【0032】インク流路が形成されると、インク供給針
4(1)、4(2)をそれぞれ介してインクカートリッ
ジ2に収納されている2個のインク袋6(1)、6
(2)に貯えられているインクがインク供給チューブ7
(1)、7(2)に取出される。各インク供給チューブ
7(1)、7(2)には、インク中の塵や異物をろ過す
るフィルタ8(1)、8(2)を介在させてある。
【0033】インク供給チューブ7(1)、7(2)に
よって、インクはインクジェット記録装置1の記録ヘッ
ド9に導かれる。記録ヘッド9は、インク袋6(1)内
部のインクを吐出する区画と、インク袋6(2)内部の
インクを吐出する区画に分割されており、後に説明する
ように、それぞれのインクを個別に吐出可能である。記
録ヘッド9は図示しないキャリッジに搭載され、プラテ
ン11の表面に沿って長手方向に往復移動する。プラテ
ン11の表面に沿って、記録ヘッド9の移動方向とは直
交する方向に図示しない被記録材が搬送され、当該被記
録材に対して記録ヘッド9により印刷が行われる。
【0034】ここで、記録ヘッド9の印刷品質を維持す
るために、記録ヘッド9のインクノズルのクリーニング
やインクの吸引が行われる。このために、ヘッドキャッ
プ12が記録ヘッド9の記録領域を外れた位置に配置さ
れており、定期的に記録ヘッド9は当該ヘッドキャップ
12の位置まで移動する。ヘッドキャップ12には記録
ヘッド9から回収あるいは吸引した廃インクを当該ヘッ
ドキャップから回収するための廃液チューブ13が接続
されている。廃インク回収用の駆動源として当該廃液チ
ューブ13には廃液ポンプ14が接続されている。
【0035】廃液ポンプ14によって、廃液チューブ1
3を介して回収された廃インクは、廃液針5を介してイ
ンクカートリッジ2に収納されている後述する廃インク
吸収材によって吸収され、ここに回収保持される。
【0036】ここで、15はインクエンド検出器であ
る。インク供給・排出系とは関係せず、インク袋6
(1)、6(2)に貯えられているインクが無くなった
こと(以下、インクエンドとも言う)を検出するため
に、カートリッジ装着部3に設置されている。インクエ
ンド検出器15については、後に説明する。
【0037】(インクカートリッジI)図1はインクカ
ートリッジ2を上側から見た場合の外観斜視図、図2は
それを底面側から見た場合の外観斜視図、図3はその縦
断面図、図4はその横断面図であり、図5はその分解斜
視図である。また、図6はカートリッジケースのケース
本体とケース蓋の結合構造を示す部分断面図であり、図
7は収納されているインク袋のインク取出し口の固定構
成を示す説明図である。
【0038】これらの図に示すように、インクカートリ
ッジ2は、偏平な直方体形状のカートリッジケース20
と、この中に収納されている第1および第2のインク袋
6(1)、6(2)と、これらのインク袋の間に配置さ
れている仕切り板21と、廃インク吸収材22とを有し
ている。
【0039】まず、インク袋6(1)、6(2)は同一
構造であるので、一方のインク袋6(1)について説明
し、インク袋6(2)における対応する部分には同一符
号を付して、その説明を省略する。インク袋6(1)は
可撓性の素材から形成されており、ガスバリア性の向上
のためにアルミニウム箔を2枚のフィルム、例えば外側
をナイロンフィルム、内側をポリエチレンフィルムによ
り挟み込んだ構成のアルミニウムラミネートフィムルか
ら形成されている。
【0040】図示の例では、2枚のアルミニウムラミネ
ートフィルムを重ね合わせて、それらの周囲を熱融着等
の方法によって接合することにより、インク袋6(1)
の袋本体部分61が形成されている。この袋本体部分6
1の前縁中央には、インク袋内に貯えられているインク
を外部に取出すためのインク取出し口62が熱融着等の
方法によって取り付けられている。
【0041】この構成のインク袋6(1)は、そのイン
ク取出し口62の部分がカートリッジケース20の前面
側の部分に固定され、袋本体部分61が両面接着剤等に
よってカートリッジケース20に固定されている。他方
のインク袋6(2)も、そのインク取出し口62の部分
が仕切り板21に固定され、その袋本体部分61が両面
接着剤等によって仕切り板21に固定されている。
【0042】ここで、インク袋6(1)には検出板63
(1)が両面テーブ等の固定手段(図示せず)によって
固定されている。この検出板63(1)は、インク袋6
(1)の内部のインク残量が予め定めた量まで減少した
ことを検出するためのものである。当該検出板63
(1)に形成した検出用突起631(1)はインク残量
の減少に伴って、ケース本体30の底面部分に開けた開
口20eから外部への突出長さが増加し、当該検出用突
起631(1)の突出長さが定まった長さ以上になる
と、後述するインクエンド検出機構によって当該検出用
突起631(1)が検出され、これにより、インクが無
くなったことが分かるようになっている。インク袋6
(2)に固定されている検出板63(2)及び、検出板
63(2)に形成した検出用突起631(2)も同様の
働きをなす。
【0043】次に、カートリッジケース20は、上側に
開口しているケース本体30と、この上側開口36を着
脱可能に封鎖しているケース蓋40から構成されてい
る。このカートリッジケース20の前面20aにはイン
ク供給針差し込み孔20b、20cと廃液針差し込み口
20dが形成されている。カートリッジケース20の底
面には前述したように開口20eが形成されており、内
蔵されているインク袋6(1)、6(2)のインクが無
くなった場合にはここから検出用突起631(1)、6
31(2)が突出するので、インクが無くなったことを
検出できる。なお、カートリッジケース前面20aに形
成されている3個の円形孔20f、20g、20hは、
インクカートリッジ2をインクジェット記録装置側のカ
ートリッジ装着部3に装着する際に位置決めのために使
用される。
【0044】カートリッジケース20の内部には、その
底面側から、第1のインク袋6(1)、仕切り板21、
第2のインク袋6(2)および廃インク吸収材22がこ
の順序でケース上下方向20Vに配列されている。
【0045】次に、インクカートリッジ2の各部分の詳
細構造を説明する。まず、カートリッジケース20を構
成しているケース本体30は、長方形の底板部分31
と、この四周縁から垂直に起立している側板部分として
の前壁部分32、左右の側壁部分33、34および後壁
部分35とを備え、上側が開口36となっている。底板
部分31には検出片突出用の開口20eが形成されてい
ると共に、その後側の部分にはケース上方に向けて傾斜
した傾斜面31aが形成されており、この傾斜面31a
が後壁部分35に連続している。このケース本体30の
上に第1のインク袋6(1)が搭載されている。インク
袋6(1)は、そのインク取出し口62が前壁部分32
に固定され、袋本体部分61の裏面が両面接着剤等によ
って底板部分31の表面に固定されている。また、袋本
体部分61の後側部分は、底板部分31の後側部分に形
成されている傾斜面31aによって支持されている。
【0046】前壁部分32、左右の側壁部分33、34
および後壁部分35の内側表面には、それぞれ、複数本
のリブ32a、33a、34a、35aが形成されてい
る。これらのリブの上端面(仕切り板挟持面)32b、
33b,34b、35bは同一の高さ位置にあり、これ
らにより、仕切り板21のカートリッジケース20内で
の高さ位置が規定される。
【0047】このケース本体30の開口36を封鎖して
いるケース蓋40は、長方形の蓋本体部分41と、この
四周縁に形成された外枠部分42と、この外枠部分42
の内側に形成された長方形の内枠部分43を備えてい
る。外枠部分42の外側表面には内側に切り欠かれた段
部42aが形成されており、ここに、下側から、ケース
本体30の前壁部分32、側壁部分33、34および後
壁部分35の上端部分が嵌まり込むようになっている。
また、この外枠部分42の端面42Aは、仕切り板21
を、ケース本体30に形成されているリブ上端面(仕切
り板挟持面)32b,33b、34b、35bに対して
上側から押し付ける仕切り板挟持面として機能する。
【0048】内枠部分43は外枠部分42よりも丈が高
く、この内側には廃インク吸収材22が収納されて、内
枠部分42の端面に貼り付けた長方形のプラスチックフ
ィルム44によって、当該廃インク吸収材22が内枠部
分42内に封入されている。
【0049】ここで、ケース本体30とケース蓋40の
結合構造を説明する。本例では、スナップフィット構造
により、ケース蓋40がケース本体30に着脱可能に取
り付けられている。すなわち、ケース蓋40の外枠42
の前壁部分42bには、左右に前方に突出した差し込み
用の爪42c、42dが形成されている。これらの爪4
2c、42dを後ろ側から前方に向けて差し込み可能な
差し込み孔32c、32dがケース本体30の前壁部分
32の上端部分に形成されている。
【0050】一方、図6から分かるように、ケース蓋4
0の内枠部分43における左右の側壁部分43e、43
fには、それぞれ外方に突出したスナップフィット式の
係合爪42f、42gが形成されており、これらの係合
爪42f、42gをはめ込み可能な係合溝33c,34
cが、それぞれ、ケース本体30の左右の側壁部分3
3、34の内側表面における対応する位置に形成されて
いる。
【0051】ケース蓋40の前側の爪42c、42dを
ケース本体30の差し込み孔32c、32dに差し込
み、次に、ケース蓋40の後ろ側の部分を上側からケー
ス本体30の開口36に押し込むと、ケース本体30の
左右の側壁部分33、34が弾性変位して僅かに広がる
ので、係合爪42f、42gを係合溝33c、34cに
はめ込むことができる。係合爪42f、42gが係合溝
33c、34cに嵌まり込むと、左右の側壁部分33、
34が弾性復帰するので、ケース蓋40がケース本体3
0に取り付けられた状態が形成される。
【0052】ケース蓋40を外すためには、図6に示す
ように、ケース本体側の側壁部分33、34と、係合爪
42f、42gの隙間Gに、ドライバー等の治具を差し
込み、強制的に当該隙間Gを広げ、ケース蓋40を持ち
上げればよい。本例では、ケース蓋40を外し易くする
ために、隙間Gを従来のスナップフィット構造の場合よ
りも広めにして、ドライバー等を簡単に差し込めるよう
にしている。このように、本例では、ケース蓋40を外
し易いので、インクカートリッジ2のリサイクル時等に
おいて、その分解作業を簡単に行うことができる。
【0053】次に、カートリッジケース20内に収納さ
れている仕切り板21は、長方形の本体部分51と、こ
の四周縁から上方に垂直に起立している長方形の枠部分
52を備えている。この枠部分52は、ケース本体30
の開口36からその内側表面に沿って摺動自在の状態で
落とし込みできる寸法に設定されている。また、枠部分
52の四隅の上端面部分52aは他の部分よりも高い位
置にあり、これらの上端面部分52aが、ケース本体3
0に取り付けたケース蓋40の外枠端面(仕切り板挟持
面)42Aに当接するようになっている。
【0054】仕切り板21の本体部分51の後側部分に
は上方に傾斜した傾斜面51aが形成され、この後端が
枠部分52の後壁部分に連続している。この仕切り板2
1の上に第2のインク袋6(2)が搭載されている。イ
ンク袋6(2)は、そのインク取出し口62が仕切り板
21の外枠前壁部分に固定され、袋本体部分61の裏面
が両面接着剤等によって本体部分51の表面に固定され
ている。また、袋本体部分61の後側部分は、本体部分
51の後側部分に形成されている傾斜面51aによって
支持されている。
【0055】このように、本例の仕切り板21を、ケー
ス本体30の開口36からその内部に落とし込むと、ケ
ース本体30に形成されているリブ上端面32b、33
b、34b、35bに当たり、ケース内における上下方
向の位置が規定される。また、ケース本体30にケース
蓋40を取り付けると、当該ケース蓋40に形成されて
いる外枠部分の端面42Aによって、仕切り板21の枠
部分52における四隅の上端面部分52aが下方に押し
付けられる。
【0056】従って、本例の仕切り板21は、ケース本
体30とケース蓋40の間に、上下から挟持されて、ケ
ース内の所定の高さ位置に保持される。よって、仕切り
板21をスナップフィット式の結合構造によってケース
本体30に固定する場合とは異なり、仕切り板21をケ
ース本体30から簡単に外すことができる。この結果、
本例のインクカートリッジ2では、その分解および組み
立て作業、特に仕切り板の取付け、取り外し作業を極め
て簡単に行うことができる。
【0057】また仕切り板21のケース内における上下
方向の位置が規定されるため、仕切り板21に保持され
ている第2のインク袋6(2)の上下方向の位置も精度
良く規定でき、これに取り付けた検出板63(1)、6
3(2)の検出用突起631(1)、631(2)の突
出精度が向上することで、第2のインク袋6(2)のイ
ンクエンドの検出を精度良く行うことができる。
【0058】次に、本例におけるインク袋6(1)、6
(2)の各インク取出し口62を所定の位置に固定する
ための位置決め構造について説明する。
【0059】まず、インク取出し口62は例えばプラス
チック成形品であり、このインク取出し口62は、イン
ク袋内のインクを導出する円筒状のインク導出管部分6
22と、このインク導出管部分622の先端に形成した
大径の円筒状の開口管部分623と、この開口管部分6
23に嵌め込まれたゴム等の弾性素材からなる円柱状の
取出し口弾性体624とを備え、この取出し口弾性体6
24によってインクが封止されている。ここで、開口管
部分623の外周面には、矩形断面をした環状溝625
が形成されている。
【0060】これに対して、ケース本体30の前壁部分
32の幅方向中央部分には、インク取出し口装着部32
0が形成されている。図3、5、7を参照して説明する
と、このインク取出し口装着部320は半円形に突出し
た突出壁部分321を備え、この突出壁部分321の中
心に、インク供給針の差し込み孔20bが形成されてい
る。この突出壁部分321の後ろ側には、上方に開放し
た半円形の位置決め溝322が形成された位置決め板3
23が形成されている。インク取出し口62の開口管部
分623を上側から当該インク取出し口装着部320に
差し込むと、開口管部分623の外周面に形成されてい
る環状溝625に位置決め板323の位置決め溝内周縁
部分(インク取出し口挟持面)が嵌まり込み、これによ
り、インク取出し口62がケース本体30の側に位置決
めされる。
【0061】仕切り板21の前壁部分52bの幅方向の
中央部分にも同様な構造のインク取出し口装着部520
が形成されている。このインク取出し口装着部520
は、前方に矩形状に突出した突出壁部分521を備え、
この突出壁部分521の中心にインク供給針の差し込み
孔20cが形成されている。この突出壁部分521の後
ろ側には、上方に開放した半円形の位置決め溝522が
形成された位置決め板523が形成されている。インク
取出し口62の開口管部分623を上側から当該インク
取出し口装着部520に差し込むと、開口管部分623
の外周面に形成されている環状溝625に位置決め板5
23の位置決め溝内周縁部分が嵌まり込み、これによ
り、インク取出し口が仕切り板21に位置決めされる。
【0062】ここで、図3および図7から分かるよう
に、本例では、インク袋6(1)、6(2)のインク取
出し口62、62をケース上下方向に直接に積層配置
し、これらインク取出し口62、62の開口管部分62
3、623の外周面に形成されている環状溝625、6
25に、丁度、仕切り板21に形成されている位置決め
板523の幅方向の中央部分523aが収納されるよう
に、当該中央部分523aの幅(ケース上下方向の厚
さ)を定めてある。
【0063】次に、この構成の仕切り板21における突
出壁部分521の両側には縦ガイド溝524、525が
形成されており、ケース本体30の前壁部分におけるイ
ンク取出し口装着部320の上方に開けた開口部325
の両側の縦縁部分には縦ガイドレール326、327が
形成されている。仕切り板21の縦ガイド溝524、5
25に縦ガイドレール326、327を差し込み、この
状態で仕切り板21をケース本体内に落とし込めば、ケ
ース本体30の底板部分31に搭載されている第1のイ
ンク袋6(1)におけるインク取出し口62の直上に、
仕切り板21に搭載されている第2のインク袋6(2)
のインク取出し口62が位置し、これらの開口管部分6
23の外周面が相互に当たった状態になる。これと同時
に、これら開口管部分623の外周面に形成されている
環状溝625、625の間に、仕切り板21の位置決め
板523の中央部分523aが上下から挟み込まれた状
態になる。
【0064】次に、ケース蓋40の前側中央部分には、
インク取出し口押さえ部400が形成されている。この
インク取出し口押さえ部400は、左右の縦枠401、
402と、これらの下端を連結している横枠403とを
備えており、この横枠403の下面中央には、インク取
出し口の開口管部分623の外周面に合致する円弧面4
04が形成され、この円弧面404の中心には下方に僅
かに突出した突起が形成されている。この円弧面404
が形成されている横枠部分の厚さは薄いので、他の部分
に比べて剛性が低く、したがって、上下方向に弾性変形
しやすく、板ばねとして機能させることができる。な
お、インク取出し口押さえ部400の奥には、廃インク
吸収材22に廃インクを導入するための円筒状の廃イン
ク導入管221が配置されており、この廃インク導入管
221もゴム等の弾性素材から形成されており、ここ
に、廃液針が差し込まれる。
【0065】このインク取出し口押さえ部400も、ケ
ース本体30のインク取出し口装着部320の上方に開
けた開口部325に対して、上側から差し込むことがで
き、完全に差し込んだ状態では、横枠403の円弧面4
04が上側に位置している第2のインク袋6(2)の開
口管部分623の外周面を押し付けた状態になる。この
状態でケース本体30の底板部分31から直立する位置
決め板323に形成した位置決め溝322に、第1のイ
ンク袋6(1)のインク取り出し口62に形成した開口
管部分623が当接し、更にこれに第2のインク袋6
(2)のインク取り出し口62に形成した開口管部分6
23が当接して、2つの開口管部分623、623を、
ケース蓋40に形成した横枠403が押し付けている。
これにより2つのインク取り出し口62、62の上下方
向の位置が固定される。
【0066】このように、本例では、仕切り板21を介
在させることなく、インク取出し口62を上下に積層配
置している。従って、仕切り板21を介在させる場合に
比べて、仕切り板の厚さ分、インクカートリッジ2の厚
さを減らすことができる。一般に、インク袋6(1)、
6(2)では、インク取出し口62の開口管部分623
の外径寸法が、袋本体61のインクが充填されている状
態での厚さよりも大きいので、インクカートリッジ2の
厚さは、このインク取出し口62の厚さ(外径寸法)に
左右される。このインク取出し口62の間に仕切り板2
1が挟まっていると、この仕切り板21の厚さ分はイン
クカートリッジ2の厚さが増加してしまう。しかし、本
例では、第1のインク袋6(1)の開口管部分623と
第2のインク袋6(2)の開口管部分623を直接に接
触させた状態で上下に積層配置しているので、インクカ
ートリッジを小型化、特に、その厚さ寸法を小さくする
ことができる。
【0067】また、本例では、ケース蓋40にインク取
出し口押し付け部400を形成して、その円弧面404
(インク取出し口挟持面)によって上下に積層配置され
ているインク取出し口62、62を上側からケース本体
30の底板部分に向けて押し付けている。従って、これ
らインク取出し口62、62を、確実に所定の位置に固
定できる。
【0068】さらには、本例では、インク取出し口押し
付け部400における横枠部分403にばね性を持たせ
ているので、がたつき等を伴うことなく、インク取出し
口62、62を確実に所定の位置に固定できる。
【0069】ここでインク袋6(1)には黒色のインク
が、インク袋6(2)には赤色のインクが貯えられてお
り、後述するインクジェット記録装置で本実施例のイン
クカートリッジ2を使用する場合、通常は黒色のインク
で印刷し、強調したい部分を赤色のインクで印刷するこ
とにより、メリハリの利いた印刷が可能になる。例えば
通帳への印刷において、貯金残高がマイナスになった場
合に赤色のインクで印刷することにより、通帳所有者に
注意を喚起することができる。
【0070】また、インク袋6(1)には濃い黒インク
を、インク袋6(2)には薄い黒インクを貯えておき、
写真のようなハーフトーンの印刷をする場合に、粒状感
の少ないなめらかな印刷を、インクジェット記録装置で
行うことも可能である。
【0071】(インクカートリッジII)次に図9及び図
10を用いて、3個のインク袋を備え、それらの間に2
枚の仕切り板が配置された構成のインクカートリッジに
ついて説明する。図9はインクカートリッジ702の分
解斜視図であり、図10はその横断面図である。
【0072】これらの図に示すように、インクカートリ
ッジ702は、ケース本体720と、この中に収納され
ている第1、第2および第3のインク袋706(1)、
706(2)、706(3)と、これらのインク袋の間
に配置されている2枚の仕切り板721(1)、721
(2)と、廃インク吸収材722と、ケース蓋723と
を有している。
【0073】ケース本体720とケース蓋723の結合
は、インクカートリッジ2と同様に、スナップフィット
構造であり、ケース蓋723がケース本体720に着脱
可能に取り付けられている。よって、ケース蓋723を
外し易いので、インクカートリッジ702のリサイクル
時等において、その分解作業を簡単に行うことができ
る。
【0074】インク袋706(1)、706(2)、7
06(3)は、インクカートリッジ2のインク袋6
(1)、6(2)と同一構造、同一構成である。インク
袋706(1)にはイエローインクを、インク袋706
(2)にはマゼンタインクを、インク袋706(3)に
はシアンインクを貯留している。
【0075】ケース本体720は、長方形の底板部分7
27と、この四周縁から垂直に起立している側板部分と
しての前壁部分730、両側の側壁部分731、732
と、後壁部分733とを備え、上側が開口724となっ
ている。
【0076】ケース本体720の前壁部分730には、
後述するインク供給針が挿入されるインク供給針差し込
み孔720aが形成されている。同様に、仕切り板72
1(1)、721(2)の前面側の部分にもインク供給
針差し込み孔721aがそれぞれ形成されている。ま
た、ケース蓋723の前面側の部分には廃液針差し込み
口723aが形成されている。
【0077】インクカートリッジ2と同様に、インク袋
706(1)は、そのインク取出し口の部分がケース本
体720の前壁部分730に固定され、袋本体部分72
9が両面接着剤等(図示せず)によってケース本体72
0の底板部分727に固定されている。インク袋706
(2)は、そのインク取出し口の部分が仕切り板721
(1)の前面側の部分に固定され、その袋本体部分72
9が両面接着剤等(図示せず)によって仕切り板721
(1)の底板部分728に固定されている。インク袋7
06(3)も、そのインク取出し口の部分が仕切り板7
21(2)の前面側の部分に固定され、その袋本体部分
729が両面接着剤等(図示せず)によって仕切り板7
21(2)の底板部分728に固定されている。
【0078】ケース本体720の前壁部分730、左右
の側壁部分731、732および後壁部分733の内側
表面には、それぞれ、複数本のリブ730a、731
a、732a、733aが形成されている。これらのリ
ブの上端面(仕切り板挟持面)は同一の高さ位置にあ
り、これらにより、仕切り板721(1)のインクカー
トリッジ702内での高さ位置が規定される。
【0079】ケース蓋723は、長方形の蓋本体部分7
34と、この四周縁に形成された外枠部分735を備え
ている。この外枠部分735の端面735Aは、仕切り
板721(1)、721(2)を、ケース本体720に
形成されているリブ上端面(仕切り板挟持面)に対して
上側から押し付ける仕切り板挟持面として機能する。
【0080】カートリッジケース720内に収納されて
いる仕切り板721(1)、721(2)は、長方形の
底板部分728と、この四周縁から上方に垂直に起立し
ている長方形の枠部分736を備えている。この枠部分
736は、ケース本体720の開口724からその内側
表面に沿って摺動自在の状態で落とし込みできる寸法に
設定されている。また、枠部分736の四隅の上端面部
分736Aは他の部分よりも高い位置にあり、これらの
上端面部分736Aが、ケース本体720に取り付けた
ケース蓋723の外枠端面(仕切り板挟持面)735A
に当接するようになっている。
【0081】このように、本例の第一の仕切り板721
(1)を、ケース本体720の上側開口724からその
内部に落とし込むと、ケース本体720に形成されてい
るリブ730a、731a、732a、733aの上端
面に当たり、ケース内における上下方向の位置が規定さ
れる。次に、第二の仕切り板721(2)を、ケース本
体720の上側開口724からその内部に落とし込む
と、第一の仕切り板721(1)の枠部分736の四隅
の上端面部分736Aに当たり、ケース内における上下
方向の位置が規定される。さらに、ケース本体720に
ケース蓋723を取り付けると、当該ケース蓋723に
形成されている外枠部分735の端面735Aによっ
て、第二の仕切り板721(2)の枠部分736におけ
る四隅の上端面部分736Aが下方に押し付けられる。
【0082】従って、本例の第一及び第二の仕切り板7
21(1)、721(2)は、ケース本体720とケー
ス蓋723の間に、上下から挟持されて、ケース内の所
定の高さ位置に保持される。よって、仕切り板721
(1)、721(2)をスナップフィット式の結合構造
によってケース本体720に固定する場合とは異なり、
仕切り板721(1)、721(2)をケース本体72
0から簡単に外すことができる。この結果、本例のイン
クカートリッジ702も、その分解および組み立て作
業、特に仕切り板の取付け、取り外し作業を極めて簡単
に行うことができる。
【0083】インク袋706(1)には検出板725
(1)が両面テーブ等の固定手段(図示せず)によって
固定されている。この検出板725(1)は、インク袋
706(1)の内部のインク残量が予め定めた量まで減
少したことを検出するためのものである。当該検出板7
25(1)に形成した検出用突起726(1)はインク
残量の減少に伴って、ケース本体720の底面部分72
7に開けた開口727aから外部への突出長さが増加
し、当該検出用突起726(1)の突出長さが定まった
長さ以上になると、後に説明するインクエンド検出機構
によって当該検出用突起726(1)が検出され、これ
により、イエローインクが無くなったことが分かるよう
になっている。
【0084】また、インク袋706(2)には検出板7
25(2)が固定されている。この検出板725(2)
も、インク袋706(2)の内部のインク残量が予め定
めた量まで減少したことを検出するためのものである。
当該検出板725(2)に形成した検出用突起726
(2)は、仕切り板721(1)の底板部分728に開
けた開口728aを通って、その先端が、ケース本体7
20の底板部分727と、前壁部分730、両方の側壁
部分731、732、後壁部分733および仕切り板7
21(1)の底板部分728でできる空間内にあり、イ
ンク残量の減少に伴ってケース本体720の底面部分7
27に開けた開口727aから外部への突出長さが増加
し、当該検出用突起726(2)の突出長さが定まった
長さ以上になると、インクエンド検出機構によって当該
検出用突起726(2)が検出され、マゼンタインクが
無くなったことが分かるようになっている。
【0085】同様に、インク袋706(3)には検出板
725(3)が固定されている。この検出板725
(3)も、インク袋706(3)の内部のインク残量が
予め定めた量まで減少したことを検出するためのもので
ある。当該検出板725(3)に形成した検出用突起7
26(3)は、仕切り板721(1)の底板部分728
に開けた開口728aと仕切り板721(2)の底板部
分728に開けた開口728aを通って、その先端が、
ケース本体720の底板部分727と、前壁部分73
0、両方の側壁部分731、732、後壁部分733お
よび仕切り板721(1)の底板部分728でできる空
間内にあり、インク残量の減少に伴ってケース本体72
0の底面部分727に開けた開口727aから外部への
突出長さが増加し、当該検出用突起726(3)の突出
長さが定まった長さ以上になると、インクエンド検出機
構によって当該検出用突起726(3)が検出され、シ
アンインクが無くなったことが分かるようになってい
る。
【0086】前述の通り、本例の第一及び第二の仕切り
板721(1)、721(2)は、ケース本体720に
形成した複数本のリブ730a、731a、732a、
733aの上端面(仕切り板挟持面)とケース蓋723
の外枠端面(仕切り板挟持面)735Aの間に、上下か
ら挟持されて、ケース内の所定の高さ位置に保持され
る。よって、仕切り板721(1)、721(2)のケ
ース内における上下方向の位置が規定され、仕切り板7
21(1)、721(2)に保持されている第2及び第
3のインク袋706(2)、706(3)の上下方向の
位置も精度良く規定でき、これに取り付けた検出板の検
出用突起726(2)、726(3)の突出精度が向上
することで、第2及び第3のインク袋706(2)、7
06(3)のインクエンドの検出を精度良く行うことが
できる。すなわち、マゼンタインクとシアンインクのエ
ンド検出を、イエローインクのエンド検出と同程度の精
度で行うことができる。
【0087】(インクジェット記録装置I)図8及び図
11〜図13を参照して、インクジェット記録装置1に
おけるインクカートリッジ2のインクエンド検出機構と
インクジェット記録装置1の制御方法を説明する。
【0088】図11は、インクエンド検出機構を説明す
るための概略図であり、インクジェット記録装置1のカ
ートリッジ装着部3(図11には図示せず)に設置した
インクエンド検出器15と、インクカートリッジ2を示
す。
【0089】カートリッジ装着部3には、インクエンド
検出器15が設置されており、インクエンド検出器15
には伝達板16を接着材等により固定してある。インク
袋6(1)内部の黒インクの残量が予め定めた量まで減
少するか、インク袋6(2)内部の赤インクの残量が予
め定めた量まで減少した場合、検出板63(1)に形成
した検出用突起631(1)か、検出板63(2)に形
成した検出用突起631(2)が、伝達板16を押し、
インクエンド検出器15をONするように構成されてい
る。ここで、伝達板16は、剛性のある薄い板であり、
ここでは厚さ1mmのアクリル板を用いている。また、イ
ンクエンド検出器15は、メカ接点方式のスイッチであ
る。
【0090】次に、図12を参照して、インクジェット
記録装置1の制御方法を説明する。図12は本発明のイ
ンクジェット記録装置1の機能構成図の一例である。5
56はプリンタを作動可能にする電源スイッチであり、
電源には一例としてAC電源を駆動源として用いてこれ
にDCレギュレーターが接続されている。9は記録ヘッ
ド、15はインクエンド検出器であり、555は記録ヘ
ッド9を搭載したキャリッジを移動させたり、記録紙を
搬送したり、廃液ポンプ14を駆動する機能を有する駆
動モータである。551は駆動モータ555を駆動し
て、記録ヘッド9のクリーニングやインクの吸引を制御
する回復処理手段である。ここで、駆動モータは、キャ
リッジ移動用や、記録紙搬送用や、廃液ポンプ駆動用
に、別々に設けても構わない。
【0091】また、550は印刷演算制御手段であり、
パソコン等の外部指令装置からの印刷データをプリンタ
言語に展開すると共に、印刷指令信号に基づき、記録ヘ
ッド駆動手段554及び駆動モータ555を印刷制御信
号により制御し印刷制御を実行する。また、印刷演算制
御手段550は、回復処理手段551や表示手段557
の制御も行う。552は記憶手段であり、印刷演算制御
手段が演算処理等をする時に用いるものであり、印刷デ
ータや展開されたプリンタ言語を一時記憶する。9は記
録ヘッドであり、インク袋6(1)内の黒インクを吐出
する区画と、インク袋6(2)内の赤インクを吐出する
区画に分割されている。記録ヘッド駆動手段554は、
記録ヘッド9のノズルからインクを液滴状態で吐出し記
録紙に印刷を行うために、印刷制御信号に基づき記録ヘ
ッド9を各区画ごとに駆動制御する。
【0092】557は表示手段であり、各種の情報を表
示して、インクジェット記録装置1の操作者に情報を伝
達する。
【0093】また、553はインクエンド判定手段であ
り、インクエンド検出器からの検出信号を受け取り、イ
ンクカートリッジ2内のどちらかのインクが無くなった
ことを判断する。
【0094】ここで、インクカートリッジ2に設置した
インク袋6(1)内部の黒インクの残量が予め定めた量
まで減少するか、インク袋6(2)内部の赤インクの残
量が予め定めた量まで減少すると、インクエンド検出器
15がONされ、インクエンド判定手段553はインク
エンド検出信号を受け取り、インクエンドを判断する。
この判断結果を印刷演算制御手段550に伝達すると、
印刷演算制御手段550は、記録ヘッド駆動手段554
の動作を停止して印刷を停止すると共に、表示手段55
7にインクエンドである旨の表示を行う。
【0095】図13は本発明のインクジェット記録装置
1の別の機能構成図の例である。
【0096】図13を参照して、インクジェット記録装
置1の別の制御方法を説明する。図13において、記録
ヘッド9、インクエンド検出器15、回復処理手段55
1、記録ヘッド駆動手段554、駆動モータ555、電
源スイッチ556、表示手段557の働き、制御方法
は、図12の場合と同様であるので、ここでの説明は省
略する。
【0097】558は計量手段であり、印刷演算制御手
段550からの指令に基づき、記録ヘッドから吐出した
インク量と、廃インクとして消費したインク量を計量す
る。記録ヘッドから吐出したインク量は、例えば、記録
ヘッド駆動手段554の各ノズル毎の駆動回数から計算
する。廃インクとして消費したインク量は、例えば、廃
液ポンプ14の駆動回数から計算する。
【0098】550は印刷演算制御手段であり、パソコ
ン等の外部指令装置からの印刷データをプリンタ言語に
展開すると共に、印刷指令信号に基づき、記録ヘッド駆
動手段554及び駆動モータ555を印刷制御信号によ
り制御し印刷制御を実行する。また、印刷演算制御手段
550は、回復処理手段551の制御を行うと共に、後
に説明する表示手段557、計量手段558を制御した
り、インクエンドを判定する機能を有する。
【0099】552は記憶手段であり、印刷演算制御手
段が演算処理等をする時に印刷データや展開されたプリ
ンタ言語を一時記憶すると共に、予め定めたインク量
や、計量手段558で計量したインク量を記憶する。
【0100】ここで、インクカートリッジ2に設置した
インク袋6(1)内部の黒インクの残量が予め定めた量
まで減少するか、インク袋6(2)内部の赤インクの残
量が予め定めた量まで減少すると、インクエンド検出器
15がONされ、印刷演算制御手段550はインクニア
エンド検出信号を受け取る。印刷演算制御手段550
は、インクニアエンド検出信号を受け取ると、表示手段
557に、インクニアエンドである旨の表示を行うと共
に、計量手段558に、記録ヘッドから吐出したインク
量と、廃インクとして消費したインク量の計量を指令す
る。印刷指令信号が入力されたり、回復処理手段551
を制御する場合、印刷演算制御手段550は、計量手段
558が計量したインク量を確認する。電源スイッチ5
56がOFFされる場合、印刷演算制御手段550は、
計量手段558が計量したインク量を記憶手段552に
一時記憶する。記憶手段552には、予め定めたインク
量も記憶されており、計量手段558が計量したインク
量が、この予め定めたインク量に達したと印刷演算制御
手段550が判断した場合、印刷演算制御手段550
は、記録ヘッド駆動手段554の動作を停止して印刷を
停止すると共に、表示手段557にインクエンドである
旨の表示を行う。
【0101】インクジェット記録装置1のこの制御方法
によると、表示手段557に、インクニアエンドである
旨の表示を行なった後、記憶手段552に記憶した予め
定めたインク量を使い切るまでインクジェット記録装置
1による印刷が可能であり、インクジェット記録装置1
の操作者はその間に、新しいインクカートリッジを準備
すれば良く、インクジェット記録装置1の操作者にとっ
て非常に使い勝手が良く便利である。
【0102】この場合、表示手段557に、インクニア
エンドである旨の表示を行なった後、計量手段558が
計量したインク量が予め定めたインク量に達し、印刷演
算制御手段550が記録ヘッド駆動手段554の動作を
停止して印刷を停止するまでの間、例えば、表示手段5
57に残存インク量を表示すると、インクジェット記録
装置1の操作者にとってさらに便利になる。
【0103】2個のインク袋が収納されているにも係わ
らず小型のインクカートリッジ2を装着するインクジェ
ット記録装置1は、複数のインクによる印刷が可能であ
ると共に、インクジェット記録装置も小型にできる。イ
ンクカートリッジに1個のインク袋を収納し、インク毎
にインクカートリッジを装着するインクジェット記録装
置の場合、インクジェット記録装置のカートリッジ装着
部の容積が大きくなると共に、インクを使い切った場
合、インク毎にインクカートリッジを交換する必要があ
り、インクジェット記録装置の操作者に煩わしさを与え
る。さらにインクジェット記録装置の操作者はインク毎
にインクカートリッジを準備しておく必要がある。これ
に対して本発明の場合には、カートリッジ装着部の容積
が小さくなるため、インクジェット記録装置も小型にで
きる。さらに、複数のインクに対して1回のインクカー
トリッジの交換で済むため、インクカートリッジの交換
頻度が低く、インクジェット記録装置の操作者の交換操
作が簡単になる。また、インクジェット記録装置の操作
者は、複数色の印刷を行うに当たって、1個のインクカ
ートリッジを準備しておくだけで良く、便利である。そ
の上、本例のインクジェット記録装置は、インクエンド
検出器が1個であり、インクジェット記録装置を小型
で、低価格化できる。
【0104】(インクジェット記録装置II)図14は、
本発明のインクジェット記録装置の別の実施例の概略構
成図であり、図15は、そのインクエンド検出機構を説
明するための概略図であり、図16は、そのインクジェ
ット記録装置の機能構成図である。図14及び図15を
参照して、インクジェット記録装置701の構成とイン
クエンド検出方法を説明する。インクジェット記録装置
701にはインクカートリッジ702が着脱可能に装着
されるカートリッジ装着部703が形成されている。こ
のカートリッジ装着部703には3本のインク供給針7
04(1)、704(2)、704(3)と1本の廃液
針705が水平に取り付けられている。インク供給針7
04(1)を、当該インクカートリッジ702における
前述したインク供給針差し込み孔720aに、インク供
給針704(2)、704(3)を、インク供給針差し
込み孔721aに、廃液針705を廃液針差し込み口7
23aに差し込むと、当該インクカートリッジ702と
インクジェット記録装置701の側との間にインク供給
・排出用のインク流路が形成される。
【0105】インク流路が形成されると、インク供給針
704(1)、704(2)、704(3)をそれぞれ
介してインクカートリッジ702に収納されている3個
のインク袋706(1)、706(2)、706(3)
に貯えられているイエローインク、マゼンタインク、シ
アンインクがインク供給チューブ707(1)、707
(2)、707(3)に取出される。
【0106】インク供給チューブ707(1)、707
(2)、707(3)によって、インクはインクジェッ
ト記録装置701の3個の記録ヘッド709(1)、7
09(2)、709(3)に導かれる。記録ヘッド70
9(1)、709(2)、709(3)には、それぞれ
ノズル群710(1)、710(2)、710(3)
が、紙面に直行する方向に配設されており、インク供給
チューブ707(1)、707(2)、707(3)か
ら導かれたインクで満たされている。すなわち記録ヘッ
ド709(1)のノズル群710(1)はイエローイン
クで、記録ヘッド709(2)のノズル群710(2)
はマゼンタインクで、記録ヘッド709(3)のノズル
群710(3)はシアンインクで満たされている。プラ
テン711の表面に沿って、3個の記録ヘッド709
(1)、709(2)、709(3)の配設方向に記録
紙708が搬送され、記録紙708に対して記録ヘッド
709(1)、709(2)、709(3)により印刷
が行われる。
【0107】ここで、記録ヘッド709(1)、709
(2)、709(3)の印刷品質を維持するために、記
録ヘッド709(1)、709(2)、709(3)の
クリーニングやインクの吸引が行われる。ヘッドキャッ
プ712がプラテン711の下部に配置されており、記
録ヘッド709(1)、709(2)、709(3)は
一体となって、矢印H方向に移動し、当該ヘッドキャッ
プ712の位置まで移動する。ヘッドキャップ712は
3個の記録ヘッド709(1)、709(2)、709
(3)に当接し、ノズル群710(1)、710
(2)、710(3)から同時にインクを吸引可能に構
成されている。ヘッドキャップ712には記録ヘッド7
09(1)、709(2)、709(3)から回収ある
いは吸引した廃インクを当該ヘッドキャップから回収す
るための廃液チューブ713が接続されている。廃イン
ク回収用の駆動源として当該廃液チューブ713には廃
液ポンプ714が接続されている。
【0108】廃液ポンプ714によって、廃液チューブ
713を介して回収された廃インクは、廃液針705を
介してインクカートリッジ702に収納されている廃イ
ンク吸収材722によって吸収され、ここに回収保持さ
れる。
【0109】また、カートリッジ装着部703には、3
個のインクエンド検出器715(1)、715(2)、
715(3)が設置されており、インク袋706(1)
内部のイエローインクの残量が予め定めた量まで減少し
た場合、検出板725(1)に形成した検出用突起72
6(1)が、インクエンド検出器715(1)をONす
るように構成されている。同様に、インク袋706
(2)内部のマゼンタインクの残量が予め定めた量まで
減少した場合、検出板725(2)に形成した検出用突
起726(2)が、インクエンド検出器715(2)を
ONし、インク袋706(3)内部のシアンインクの残
量が予め定めた量まで減少した場合、検出板725
(3)に形成した検出用突起726(3)が、インクエ
ンド検出器715(3)をONするように構成されてい
る。ここで、インクエンド検出器715(1)、715
(2)、715(3)は、メカ接点方式のものでも、フ
ォトインタラプタ等の光検出方式のものでも構わず、検
出用突起726(1)、726(2)、726(3)の
インクカートリッジ702からの突出長さが、定まった
長さ以上になったことを検出できるものであれば良い。
【0110】次に、図16を参照して、インクジェット
記録装置701の制御方法を説明する。741はプリン
タを作動可能にする電源スイッチである。709
(1)、709(2)、709(3)は記録ヘッドであ
り、740は記録紙708を搬送したり、廃液ポンプ7
14を駆動する機能を有する駆動モータである。717
は駆動モータ740を駆動して、記録ヘッド709
(1)、709(2)、709(3)のクリーニングや
インクの吸引を制御する回復処理手段である。ここで、
駆動モータは、記録紙搬送用と廃液ポンプ駆動用に、別
々に設けても構わない。
【0111】また、716は印刷演算制御手段であり、
パソコン等の外部指令装置からの印刷データをプリンタ
言語に展開すると共に、印刷指令信号に基づき、記録ヘ
ッド駆動手段719及び駆動モータ740を印刷制御信
号により制御し印刷制御を実行する。また、印刷演算制
御手段716は、インクエンド検出器715(1)、7
15(2)、715(3)からの検出信号を受け取り、
インクカートリッジ702内のどの色のインクが無くな
ったかを判断する。718は記憶手段であり、印刷演算
制御手段が演算処理等をする時に用いるものであり、印
刷データや展開されたプリンタ言語を一時記憶する。記
録ヘッド駆動手段719は、記録ヘッド709(1)、
709(2)、709(3)のノズルからインクを液滴
状態で吐出し記録紙に印刷を行うために、印刷制御信号
に基づき記録ヘッド709(1)、709(2)、70
9(3)を駆動制御する。本実施例の場合、記録ヘッド
709(1)、709(2)、709(3)を個別に駆
動制御できるように、記録ヘッド駆動手段719が分割
されていると共に、記録ヘッド毎に制御信号を伝達でき
る構成としてある。
【0112】ここで例えば、インクエンド検出器715
(1)がONになり、イエローインクが無くなったこと
を印刷演算制御手段716が判断した後、イエロー色の
印刷データと印刷指令信号が入力された場合、印刷演算
制御手段716は、未だインクエンド検出器からの検出
信号を受け取っていないマゼンタインクか、シアンイン
クで印刷を行うように、記録ヘッド駆動手段719に印
刷制御信号を伝達する。どの色のインクが無くなった場
合に、どの色で印刷を行なうかは、記憶手段718に記
憶されたデータに基づいて判断する。
【0113】このようにインクジェット記録装置701
を制御することにより、インクカートリッジ702に収
納した全てのインクを使い切ることができ、無駄なイン
クを削減すると共に、インクジェット記録装置701の
ランニングコストを低減できる。無駄なインクを削減す
ることにより、環境に優しい記録装置を提供できる。
【0114】(その他の実施の形態)なお、上記のイン
クカートリッジ2及び702は、廃インク吸収材を備え
た構成であるが、廃インク吸収材を備えていないインク
カートリッジに対しても本発明を同様に適用できる。
【0115】また、上記のインクカートリッジ2は、2
個のインク袋を備え、それらの間に1枚の仕切り板が配
置された構成であり、インクカートリッジ702は、3
個のインク袋を備え、それらの間に2枚の仕切り板が配
置された構成であるが、4個以上のインク袋を備え、各
インク袋の間に仕切り板が配置された構成のインクカー
トリッジに対しても本発明を同様に適用可能なことは勿
論である。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の
インク袋が収納されているインクカートリッジにおい
て、インク袋の間に配置されている仕切り板を、カート
リッジケースに対して摺動可能な状態で装着すると共
に、当該仕切り板を、カートリッジケースを構成してい
るケース本体とケース蓋の間に挟持することにより、そ
の取付け位置を規定するようにしている。
【0117】したがって、本発明によれば、仕切り板の
取付け、取り外しを簡単に行うことができるので、イン
クカートリッジをリサイクルする際等における分解、組
み立て作業が簡単になる。
【0118】また、本発明では、カートリッジケースに
収納されている複数のインク袋を、それらのインク取出
し口の間に仕切り板を挟むことなく、複数のインク取出
し口が直接に接触した状態でケース上下方向に積層配置
してある。一般に、インク袋における袋本体にインクが
充填されている状態の厚さに比べて、インク取出し口の
外形寸法の方が大きいので、当該インク取出し口の部分
に、仕切り板を介在させないことにより、インクカート
リッジの厚さを小さくできるので、インクカートリッジ
の小型化に有利である。
【0119】さらに、本発明では、積層配置されている
各インク袋のインク取出し口を、ケース上下方向に弾性
変位可能な部分によって押し付け固定しているので、各
インク取出し口を、定まった位置に確実に固定すること
ができる。この結果、インク供給針を常に適切な位置に
差し込むことができる。
【0120】次に、本発明では、カートリッジケースを
構成しているケース本体とケース蓋の間に仕切り板を挟
持して固定しているので、インク袋を保持している仕切
り板を所定の位置に確実に固定できる。この結果、仕切
り板に保持されているインク袋の位置も精度良く規定で
きるので、ここに取り付けた検出板によるインクエンド
の検出を精度良く行うことが可能になる。
【0121】本発明では、複数のインク袋が収納されて
いるにも係わらず上記のように小型のインクカートリッ
ジを装着するため、複数のインクによる印刷が可能であ
ると共に、小型のインクジェット記録装置にできる。さ
らに、複数のインクに対して1回のインクカートリッジ
の交換で済むため、インクカートリッジの交換頻度が低
く、インクジェット記録装置の操作者の交換操作が簡単
になる。また、インクジェット記録装置の操作者は、複
数色の印刷を行うに当たって、1個のインクカートリッ
ジを準備しておくだけで良く、便利である。その上、イ
ンクエンド検出器が1個であり、インクジェット記録装
置を小型で、低価格化できる。
【0122】また、本発明では、表示手段にインクニア
エンドである旨の表示を行なった後、予め定めたインク
量を使い切るまでインクジェット記録装置による印刷が
可能であるため、インクジェット記録装置の操作者はそ
の間に、新しいインクカートリッジを準備すれば良く、
操作者にとって非常に使い勝手が良く便利である。
【0123】さらに、本発明では、インクカートリッジ
に収納した全てのインクを使い切ることができ、無駄な
インクを削減できると共に、インクジェット記録装置の
ランニングコストを低減できる。無駄なインクを削減す
ることにより、環境に優しい記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクカートリッジを上側か
ら見た場合の外観斜視図である。
【図2】図1のインクカートリッジを底面側から見た場
合の外観斜視図である。
【図3】図1のインクカートリッジの縦断面図である。
【図4】図1のインクカートリッジの横断面図である。
【図5】図1のインクカートリッジの分解斜視図であ
る。
【図6】図1のインクカートリッジのケース本体とケー
ス蓋のスナップフィット部分を示す部分断面図である。
【図7】図1のインクカートリッジのインク取出し口の
固定構造を示すための説明図である。
【図8】図1のインクカートリッジが装着されたインク
ジェット記録装置のインク供給・排出系を示す概略構成
図である。
【図9】本発明を適用した別のインクカートリッジの分
解斜視図である。
【図10】図9のインクカートリッジの横断面図であ
る。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクエンド検出機構を説明するための概略図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
機能構成図である。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置の
別の機能構成図である。
【図14】本発明を適用した別のインクジェット記録装
置の概略構成図である。
【図15】図14のインクジェット記録装置のインクエ
ンド検出機構を説明するための概略図である。
【図16】図14のインクジェット記録装置の機能構成
図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 インクカートリッジ 3 カートリッジ装着部 4(1)、4(2) インク供給針 5 廃液針 7(1)、7(2)インク供給チューブ 8(1)、8(2)フィルタ 9 記録ヘッド 11 プラテン 12 ヘッドキャップ 13 廃液チューブ 14 廃液ポンプ 15 インクエンド検出器 16 伝達板 20 カートリッジケース 21 仕切り板 6(1)、6(2) インク袋 61 袋本体部分 62 インク取出し口 622 インク導出管部分 623 開口管部分 625 環状溝 63(1)、63(2) 検出板 631(1)、631(2) 検出用突起 20V ケース上下方向 30 ケース本体 31 底板部分 32 前壁部分 33、34 側壁部分 35 後壁部分 36 開口 32aないし35a リブ 32bないし35b リブ上端面(仕切り板挟持面) 40 ケース蓋 41 蓋本体部分 42 外枠部分 42A 端面(仕切り板挟持面) 42f、42g 係合爪 33c、34c 係合溝 G 隙間 320 インク取出し口装着部 322 位置決め溝 323 位置決め板(インク取出し口挟持面) 520 インク取出し口装着部 522 位置決め溝 523 位置決め板 400 インク取出し口押さえ部 403 横枠 404 円弧面(インク取出し口挟持面) 550 印刷演算制御手段 551 回復処理手段 552 記憶手段 553 インクエンド判定手段 554 記録ヘッド駆動手段 555 駆動モータ 556 電源スイッチ 557 表示手段 558 計量手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA19 EA23 EA24 EA25 EA29 EB20 EB29 EB49 EB50 EB52 EC02 EC26 EC28 EC67 FA10 JC10 JC14 KC02 KC09 KC13 KC14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カートリッジケースと、この中に収納さ
    れている少なくとも第1および第2のインク袋と、これ
    ら第1および第2のインク袋の間に配置されている仕切
    り板とを有し、 前記カートリッジケースは、底板部分および側板部分を
    備えたケース本体と、このケース本体の上側開口を封鎖
    しているケース蓋を備えており、 前記仕切り板は、前記カートリッジケース内において、
    前記側板部分に沿ってケース上下方向に移動可能に装着
    されており、 前記ケース本体および前記ケース蓋は、前記仕切り板を
    前記ケース上下方向から挟持することにより当該仕切り
    板のケース上下方向の位置を規定する仕切り板挟持面を
    備えていることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第1および第2のインク袋は、それぞれ、インクを
    貯えている袋本体とインク取出し口とを備えており、 前記第1のインク袋の前記インク取出し口と、前記第2
    のインク袋の前記インク取出し口は、前記仕切り板を介
    在させることなく、ケース上下方向に積層配置されてい
    ることを特徴とするインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記ケース本体および前記ケース蓋は、積層配置されて
    いる前記インク取出し口をケース上下方向から挟持する
    ことにより各インク取出し口のケース上下方向の位置を
    規定するインク取出し口挟持面を備えており、 少なくとも一方の前記インク取出し口挟持面は、ケース
    上下方向に弾性変位可能となっていることを特徴とする
    インクカートリッジ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記第1および第2のインク袋は、それぞれ、インクを
    貯えている袋本体とインク取出し口とを備えており、 前記インク取出し口は、前記仕切り板をケース上下方向
    から挟持することにより当該仕切り板のケース上下方向
    の位置を規定する仕切り板挟持面を備えていることを特
    徴とするインクカートリッジ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記インク取出し口のそれぞれは、前記仕切り板を介在
    させることなくケース上下方向に積層配置されている部
    分と、前記仕切り板の一部を挟持した状態で積層配置さ
    れている仕切り板挟持部分とを備えており、当該仕切り
    板挟持部分に前記仕切り板挟持面が形成されていること
    を特徴とするインクカートリッジ。
  6. 【請求項6】 カートリッジケースと、この中に収納さ
    れている少なくとも第1および第2のインク袋と、これ
    ら第1および第2のインク袋の間に配置されている仕切
    り板とを有し、 前記カートリッジケースは、底板部分および側板部分を
    備えたケース本体と、このケース本体の上側開口を封鎖
    しているケース蓋を備えており、 前記第1および第2のインク袋は、それぞれ、インクを
    貯えている袋本体とインク取出し口とを備えており、 前記第1のインク袋の前記インク取出し口と、前記第2
    のインク袋の前記インク取出し口は、前記仕切り板を介
    在させることなく、ケース上下方向に積層配置されてい
    ることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記ケース本体および前記ケース蓋は、積層配置されて
    いる前記インク取出し口をケース上下方向から挟持する
    ことにより各インク取出し口のケース上下方向の位置を
    規定するインク取出し口挟持面を備えており、 少なくとも一方の前記インク取出し口挟持面は、ケース
    上下方向に弾性変位可能となっていることを特徴とする
    インクカートリッジ。
  8. 【請求項8】 カートリッジケースと、この中に収納さ
    れている少なくとも第1および第2のインク袋と、これ
    ら第1および第2のインク袋の間に配置されている仕切
    り板とを有し、 前記第1および第2のインク袋は、それぞれ、インクを
    貯えている袋本体とインク取出し口とを備えており、 前記インク取出し口は、前記仕切り板をケース上下方向
    から挟持することにより当該仕切り板のケース上下方向
    の位置を規定する仕切り板挟持面を備えていることを特
    徴とするインクカートリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記インク取出し口のそれぞれは、前記仕切り板を介在
    させることなくケース上下方向に積層配置されている部
    分と、前記仕切り板の一部を挟持した状態で積層配置さ
    れている仕切り板挟持部分とを備えており、当該仕切り
    板挟持部分に前記仕切り板挟持面が形成されていること
    を特徴とするインクカートリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のうちのいずれかの
    項において、 前記少なくとも第1及び第2のインク袋のインク残量が
    少なくなったことを検出するために各インク袋の表面に
    貼り付けた検出板を有しており、 前記少なくとも第1および第2のインク袋には、それぞ
    れ異なるインクを貯えていることを特徴とするインクカ
    ートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記少なくとも第1および第2のインク袋には、異なる
    色のインクを貯えていることを特徴とするインクカート
    リッジ。
  12. 【請求項12】 請求項10において、 前記少なくとも第1および第2のインク袋には、同じ色
    で濃さの異なるインクを貯えていることを特徴とするイ
    ンクカートリッジ。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載のインクカートリッ
    ジを装着可能なインクジェット記録装置であって、 インクを吐出する記録ヘッドを複数有し、前記インクカ
    ートリッジの前記複数のインク袋からそれぞれ異なるイ
    ンク供給路を介して前記複数の記録ヘッドにインクを供
    給することを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載のインクカートリッ
    ジを装着可能なインクジェット記録装置であって、 インクを吐出する記録ヘッドが複数の区画に分割されて
    おり、前記インクカートリッジの前記複数のインク袋か
    らそれぞれ異なるインク供給路を介して前記複数の区画
    にインクを供給することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、 前記インクジェット記録装置は、前記検出板の変位を検
    知してインク袋のインク残量が少なくなったことを検出
    するための1個の検出手段と、インクエンドを判定する
    判定手段を有し、 前記検出手段で、前記複数のインク袋のうちのいずれか
    のインク袋のインク残量が少なくなったことを検出した
    結果、前記判定手段により、前記インクカートリッジの
    インクエンドを判定することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  16. 【請求項16】 請求項13または14において、 前記インクジェット記録装置は、前記検出板の変位を検
    知してインク袋のインク残量が少なくなったことを検出
    するための1個の検出手段と、消費したインク量を計量
    する計量手段と、記憶手段と、インクエンドを判定する
    判定手段を有し、前記検出手段で、前記複数のインク袋
    のうちのいずれかのインク袋のインク残量が少なくなっ
    たことを検出した後、前記計量手段により計量したイン
    ク量が、記憶手段に記憶されている予め定めたインク量
    に達したとき、前記判定手段により、前記インクカート
    リッジのインクエンドを判定することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 請求項13または14において、 前記インクジェット記録装置は、前記検出板の変位を検
    知して複数のインク袋のインク残量が少なくなったこと
    を個別に検出するための複数の検出手段と、前記記録ヘ
    ッドの駆動手段と、前記検出手段による検出結果に基づ
    き、駆動する記録ヘッド、または駆動する記録ヘッドの
    区画を変更する制御手段を有し、1個のインク袋のイン
    クエンドを検出した後、記録の指令を受信した場合に、
    インクエンドを検出していないインク袋のインクで記録
    を行うよう前記制御手段により駆動する記録ヘッド、ま
    たは駆動する記録ヘッドの区画を変更して記録を行うこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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