JP2001284774A - 金属箔付きフィルムおよびセラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

金属箔付きフィルムおよびセラミック配線基板の製造方法

Info

Publication number
JP2001284774A
JP2001284774A JP2000089596A JP2000089596A JP2001284774A JP 2001284774 A JP2001284774 A JP 2001284774A JP 2000089596 A JP2000089596 A JP 2000089596A JP 2000089596 A JP2000089596 A JP 2000089596A JP 2001284774 A JP2001284774 A JP 2001284774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal foil
ceramic
film
layer
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000089596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4548895B2 (ja
Inventor
Katsura Hayashi
桂 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000089596A priority Critical patent/JP4548895B2/ja
Publication of JP2001284774A publication Critical patent/JP2001284774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4548895B2 publication Critical patent/JP4548895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミック配線基板における配線回路を転写し
て形成するのに適し、焼成後のセラミック基板との配線
回路との密着性のバラツキが小さい金属箔付きフィルム
を得る。 【解決手段】有機樹脂などのフィルム基体の表面に金属
箔を接着し、さらに金属箔の表面に、アルミナやシリカ
などのセラミックゾルを乾燥したセラミックゲル層また
はセラミック溶射層、さらにはAl、Si、Ti、Nb
の群から選ばれる少なくとも1種の金属蒸着層からなる
被覆層を形成し、この金属箔付きフィルムの金属箔側
を、ガラス粉末やセラミック粉末との混合物からなる未
焼成のセラミックシートの表面に圧着した後、フィルム
基体を接着層とともに剥がし、セラミックシートの表面
に金属箔を転写形成した後、セラミックシートを金属箔
とともに焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子収納用
パッケージや多層配線基板などに適した、絶縁基板がセ
ラミックスあるいはガラスセラミックスからなる配線基
板に回路を転写するための金属箔付きフィルムとそれを
用いたセラミック配線基板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】配線基板、例えば、半導体素子を収納する
パッケージに使用される配線基板として、比較的高密度
の配線が可能な多層セラミック配線基板が多用されてい
る。
【0003】この多層セラミック配線基板は、アルミナ
やガラスセラミックなどの絶縁基板と、その表面に形成
されたW、Mo、Cu及びAg等の金属からなる配線回
路層とから構成されるもので、この絶縁基板の一部にキ
ャビティが形成され、このキャビティ内に半導体素子が
収納され、蓋体によってキャビティを気密に封止するも
のである。
【0004】近年、高集積化が進むICやLSI等の半
導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージや各種
電子部品が搭載される混成集積回路装置等に適用される
配線基板においては、高密度化、低抵抗化、小型軽量化
が要求されており、アルミナ系セラミック材料に比較し
て低い誘電率が得られ、Cu、Ag等の低抵抗導体材料
と同時焼成可能なガラスセラミックスに代表される低温
焼成セラミック材料を絶縁基板とした低温焼成基板が一
層注目されている。
【0005】このような低温焼成基板において、配線回
路層を形成する方法として、Cu、Ag等の金属粉末を
主成分とするメタライズペーストを用いてセラミックグ
リーンシートの表面にスクリーン印刷法等により印刷形
成した後、グリーンシートと同時焼成する手法が一般的
である。
【0006】セラミック系配線基板は、耐薬品性に優
れ、また、絶縁基板と配線回路層の間に強固な接着力が
得られるため、密着不良の問題も生じにくく、さらに、
多層化にあたっては、一括積層によりビアホール導体の
形成も容易にできるという利点を有するが、配線回路層
を導体ペーストの印刷によって形成するために、配線幅
100μm以下の微細配線を歩留り良く形成するのは難
しく、今後必要とされる更なる高密度化、小型軽量化へ
の要求を満たすことができないものであった。さらに、
導通抵抗についても配線回路層中に空隙や粒界が存在
し、また、一般に絶縁層との焼成時の熱収縮差を緩和し
て密着性を高めるために、セラミック粉末やガラス粉末
を添加するために、低抵抗化が困難という問題があっ
た。
【0007】そこで、本発明者は、上記のような課題に
ついて鋭意検討した結果、絶縁基板としてセラミックス
やガラスセラミックスを用いたセラミック系の配線基板
において、絶縁基板の表面に金属箔から形成された配線
回路を転写することにより、微細配線化、低抵抗化を図
ることができることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属箔
から形成された配線回路をセラミックスに転写した場合
の回路とセラミックスの密着強度のバラツキが大きく、
安定して高い密着強度を発現させる事が困難であった。
この原因を調査した結果、金属箔から形成された回路と
セラミックス中のガラス成分とが焼結初期に接触してい
る場合は密着強度が高いものの、密着していない場合は
強度が低いことが判明した。
【0009】つまり、フィルム基体の表面に金属箔を接
着し、この金属箔に配線回路を形成し、これをセラミッ
クグリーンシートに転写するのに用いられる金属箔付き
フィルムは、転写後のセラミックグリーンシートとの焼
結初期におけるガラス成分と配線回路との接触(濡れ)
が十分でなく、その結果、焼結後の配線回路とセラミッ
ク基板との密着強度に大きなバラツキが発生していた。
【0010】従って、本発明は、セラミック配線基板に
おける配線回路を転写して形成するのに適し、焼成後の
セラミック基板との配線回路との密着性のバラツキが小
さい金属箔付きフィルムとそれを用いたセラミック配線
基板の製造方法に関するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、焼結初期に
おける溶融したガラス成分(液相)と金属箔からなる配
線回路との接触(濡れ)性を改善する方法を検討した結
果、転写前の配線回路を形成する金属箔の表面にセラミ
ックスと配線回路との密着性を高めるために特定の処理
を施すことによって、焼成後のセラミック基板と配線回
路と密着強度を常に高めることができ、密着性のバラツ
キを抑制できることを見いだした。
【0012】即ち、本発明の金属箔付きフィルムは、フ
ィルム基体の表面に金属箔が接着されてなり、該金属箔
の表面に、セラミックスまたはその前駆体、あるいはセ
ラミックスとの濡れ性に優れた金属からなる被覆層を形
成してなることを特徴とするものである。なお、前記被
覆層は、セラミックゲル層またはセラミック溶射層から
なり、その場合、アルミナ、シリカのうちの少なくとも
1種からなることが望ましい。
【0013】また、被覆層は、前記金属箔が銅箔である
場合、セラミックスとの濡れ性に優れた金属が、Al、
Si、Ti、Nbの群から選ばれる少なくとも1種から
なることが望ましい。
【0014】また、上記の金属箔付きフィルムは、セラ
ミック基板の表面に配線回路を形成するために用いら
れ、例えば、上記金属箔付きフィルムの金属箔側を未焼
成のセラミックシートの表面に圧着した後、前記フィル
ム基体を接着層とともに剥がし、前記セラミックシート
の表面に前記金属箔を転写形成した後、前記セラミック
シートを前記金属箔とともに焼成することによって配線
基板を製造するものである。
【0015】特に、前記セラミックグリーンシート中の
セラミック成分が、ガラス粉末、あるいはガラス粉末と
セラミック粉末との混合粉末からなることが望ましく、
さらには、前記金属箔付きフィルムの前記セラミックシ
ートへの圧着前に、前記金属箔が配線回路パターン状に
形成することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路転写フィルム
について、説明する。本発明の金属箔付きフィルムは、
フィルム基体と金属箔を具備し、金属箔は接着層を介し
てフィルム基体上に形成されている。フィルム基体とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、
塩化ビニル、ポリプロピレンの群から選ばれる少なくと
も1種の有機樹脂シートが好適に使用できる。
【0017】このフィルム基体の厚みは10〜500μ
mが適当であり、望ましくは20〜100μmが良い。
これは、フィルム基体の厚みが10μmより小さいとフ
ィルムの変形や折れ曲がりにより形成したフィルム表面
に接着した金属箔にクラックが発生し、配線回路形成時
に断線を引き起こし易くなり、厚みが500μmより大
きいとフィルム基体の柔軟性がなくなるためフィルムの
剥離が難しくなるためである。
【0018】また、フィルム基体の寸法変化が小さいこ
とが望ましく、具体的には、100℃で1時間保持した
時の寸法変化率が1%以下、特に0.5%以下であるこ
とが望ましい。この寸法変化率は、フィルム基体上に形
成された配線回路等の金属箔ををセラミック基板に転写
するにあたり、微細配線の配線ピッチ間のバラツキを低
減し、高い寸法精度で転写を可能とするために重要な要
因であって、上記の寸法変化率が1%よりも大きいと、
寸法精度の高い配線回路の転写ができなくなる。
【0019】また、フィルム基体、特に金属箔の有機フ
ィルム基体への接着層としては、アクリル系、ゴム系、
シリコン系、エポキシ系等公知の接着剤が使用できる。
また、接着層の厚みは3μm以上、望ましくは5μm以
上が良い。接着層の厚みが3μmより薄いと、金属箔の
表面に追従できず、パターンの変色、パターンの剥れが
発生する。
【0020】また、金属箔としては、配線基板として配
線回路層を形成するに好適な金属より形成され、例え
ば、金、銀、銅、アルミニウムの少なくとも1種を含む
低抵抗金属、特に銅の金属箔が好適に使用される。前記
金属箔の厚みは1〜35μmが良く、望ましくは5〜1
8μmが良い。金属箔の厚みが1μmより小さいと回路
の抵抗率が高くなり、また、35μmより大きいと、積
層時に未焼成のセラミックシートの変形が大きくなった
り、未焼成のセラミックシートへの金属の埋め込み量が
多くなり、セラミックシートの歪みが大きくなり、焼成
後に基板が変形を起こしやすいなどの問題がある。ま
た、金属箔自体をエッチングしにくくなるため精度の良
い微細な回路が得られないという問題もある。
【0021】上記金属箔のフィルム基体への粘着力は、
50〜500g/25mmが良く、望ましくは70〜3
50g/25mmが良い。上記粘着力が50g/25m
mより弱いと、回路形成するためのエッチング処理の
際、金属箔がフィルム基体より剥離し回路の断線を引き
起こすおそれがある。また、500g/25mmより大
きいと、回路形成後、絶縁基板に転写し、フィルム基体
を剥離する際、絶縁基板の変形、回路の断線を引き起こ
すためである。なお、上記粘着力は、フィルム基体から
金属箔を180度折れ曲がる方向に引っ張りながら剥が
す時の応力を表したものである。 (被覆層)更に、本発明の金属箔付きフィルムは、金属
箔の表面に、セラミックス、またはその前駆体、あるい
はセラミックスとの濡れ性に優れた金属からなる被覆層
を形成してなるものである。このような被覆層の形成に
よって、焼成後の非転写材となるセラミックス基板との
密着性を高め、安定化することが可能となる。 (被覆層の種類)このような被覆層としては、例えば、
セラミックゾルを塗布乾燥したセラミックゲル層が好適
に使用される。具体的には、アルミニウムのアルコキシ
ド(例えば、ベーマイトゾル)や、シリコンのアルコキ
シドなどのアルコキシドを蒸留水、アルコール類または
これらの混合物に加水分解、または希釈したものを金属
箔の表面に塗布した後、20〜60℃で乾燥処理するこ
とによって形成することができる。なお、セラミックゾ
ルの濃度は、乾燥後に形成される被覆層の厚さに応じて
適宜決定される。
【0022】上記のセラミックゾルによる被覆層の形成
は、金属箔に対して配線回路の形成前後のいずれでもよ
いが、回路形成時に金属箔から剥がれる可能性があるた
めに、望ましくは、配線回路形成後に形成することが望
ましい。このセラミックゾルによる被覆層の厚さは0.
01μm以上、特に0.1μm以上、さらには0.2μ
m以上であることが望ましい。0.01μm未満では、
金属箔の配線回路のセラミック基板への密着強度の改善
効果が少なく、0.1μm以上であれば安定して高い密
着強度が得られる。厚さが厚い場合は、特に問題は生じ
ないが、塗布乾燥の繰り返しが必要となるため作業が煩
雑になる傾向がある。このため、特に1μm以下の厚さ
にすることが実用的である。
【0023】また、前記被覆層は、セラミック溶射層で
あってもよい。この溶射層は、プラズマ溶射など公知の
方法によって形成される。なお、この溶射は、フィルム
基体が溶射時に変質するおそれがあるために、金属箔を
フィルム基体表面に接着する前に形成することが望まし
い。なお、溶射層は多孔質であることが望ましい。これ
は、金属箔に配線回路をエッチング法によって形成する
場合、エッチング液の浸透を妨げないためである。ま
た、溶射層の厚さは1〜30μm、特に2〜5μmが好
適である。
【0024】上記のセラミックゲルやセラミック溶射に
よる被覆層の材質としては、特に、セラミックスに含ま
れるガラス成分との濡れ性が良いことが望ましく、Al
23、SiO2、TiO2、NbOの群から選ばれる少な
くとも1種が好適に用いられる。特にセラミック基体の
ガラス成分との密着性を高める上で、Al23、SiO
2の少なくとも1種を含有することが望ましい。
【0025】更に、被覆層としては、金属蒸着層または
メッキ層であってもよい。蒸着は公知の物理蒸着法が良
好に用いられる。蒸着またはメッキによる金属からなる
被覆層は、Al、Si、Ti、Nbの群から選ばれる少
なくとも1種が用いられる。Ti、Nbは、化学的に活
性であり、セラミック材料と化学的な結合を形成しやす
いために強固な結合が得られる。また、Al、Siの表
面は、微視的には、SiO2、Al23層が存在してお
り、これらの酸化物層がセラミックスのガラス成分との
濡れ性を改善することによって、強固な接合が可能とな
る。
【0026】上記蒸着層またはメッキ層の厚さは1オン
グストローム以上であれば、強度改善の効果が認められ
る。蒸着またはメッキ処理は、処理時にフィルム基体が
変質を起こすおそれがあるためにフィルム基体との張り
合わせ前に金属箔の表面に施すことが望ましい。
【0027】次に、上記の金属箔付きフィルムを用い
て、セラミック配線基板を作製するには、まず、上記の
金属箔付きフィルムの金属箔側を未焼成のセラミックシ
ートの表面に圧着した後、前記フィルム基体を接着層と
ともに剥がし、前記セラミックシートの表面に前記金属
箔を転写形成する。
【0028】未焼成のセラミックシート中には、成形用
のバインダーとして有機樹脂が添加含有されているが、
この時の圧着を、30〜60℃の温度に加熱しつつ、1
0〜100kg/cm2の圧力を付与することによっ
て、上記のバインダーが軟化し接着剤として機能し、金
属箔をセラミックシートに接着させることができる。ま
た、セラミックシートの表面に接着剤を塗布して回路転
写性を高めることもできる。
【0029】この時、金属箔付きフィルムにおける金属
箔には、エッチングなどによって配線回路が形成されて
いることがエッチング液によるセラミックシートの変質
を防止する上で望ましく、特に上記の条件で圧着するこ
とによって、セラミックシートの転写面に配線回路パタ
ーンの金属箔の一部または全部を埋設することができ
る。特に、セラミックシートの転写面と金属箔の表面と
が同一平面となるまで圧着することが望ましい。
【0030】なお、金属箔への配線回路の形成は、未焼
成のセラミックシートの表面に転写した後に回路形成を
施すことも可能である。
【0031】その後、適宜、上記のようにしてセラミッ
クシート単板、または金属箔による配線回路が形成され
た複数のセラミックシートを積層一体化した後、前記セ
ラミックシートを前記金属箔とともに焼成することによ
ってセラミック配線基板を作製することができる。
【0032】また、多層の配線基板を作製するにあたっ
て、前記金属箔をセラミックシートの表面に転写する前
に、セラミックシートの所定箇所にスルーホールを形成
し、ホール内に金属粉末を含む導体ペーストを充填して
スルーホール導体を形成しておくことによってこのスル
ーホール導体によって金属箔からなる配線回路間を電気
的に接続することができる。
【0033】本発明におけるセラミックシートは、配線
回路を形成する金属箔の融点以下で焼成可能であること
が必要であり、セラミック成分としては、ガラス粉末、
またはガラス粉末とセラミック粉末との混合物、あるい
はセラミック粉末に適宜焼結助剤成分を添加したセラミ
ック組成物が用いられる。特に配線回路をCu、A
u、、Ag、Alなどの低抵抗導体によって形成した場
合、ガラス粉末、またはガラス粉末とセラミック粉末と
の混合粉末を用いて焼成したものが最も好適に用いられ
る。
【0034】用いるガラスとしては、シリカガラス、ソ
ーダ石灰ガラス、鉛ガラス、鉛アルカリ珪酸ガラス、ほ
う珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛
ガラス、アルミノ珪酸ガラス及び燐酸ガラスなどが挙げ
られ、特に、ほう珪酸系ガラスが好適である。
【0035】また、セラミック粉末、またはガラス粉末
と組み合わされるセラミック粉末としては、SiO2
Al23、ZrO2、TiO2、ZnO、MgAl24
ZnAl24、MgSiO3、MgSiO4、Zn2Si
4、Zn2TiO4、SrTiO3、CaTiO3、Mg
TiO3、BaTiO3、CaMgSi26、SrAl2
Si28、BaAl2Si28、CaAl2Si28、M
2Al4Si518、Zn2Al4Si518、AlN、S
iC、ムライト及びゼオライトなどが挙げられる。ま
た、このセラミック粉末は、用いる金属箔の種類によっ
て適宜選択できる。
【0036】本発明によれば、セラミックシートの表面
に転写、埋設された金属箔からなる配線回路は、その金
属箔表面に施された前記被覆層によって、ガラス粉末や
焼結助剤に由来する焼結初期に生成する液相成分と金属
箔からなる配線回路との接触(濡れ)を改善することが
できる。このため、焼結中期に、金属箔表面に形成され
た被覆層がセラミック粒子間に存在する液相成分を吸着
し、金属箔表面の凹凸の隅々にまで液相成分を浸透させ
る。このため、金属箔から形成された配線回路と、セラ
ミック基板は焼成後において物理的に強固な結合を形成
できる結果、配線回路のセラミック基板への密着強度を
高く、また安定化させることができる。
【0037】
【実施例】先ず、ほう珪酸ガラス粉末70重量%と、S
iO2粉末30重量%を秤量し、成形用バインダーとし
てアクリル樹脂、可塑剤としてDBP(ジブチルフタレ
ート)、溶媒としてトルエンを加えて調製、混合したス
ラリーを用い、ドクターブレード法により厚さ300μ
mのグリーンシートを作製した。なお、このセラミック
粉末組成物を用いて焼成後の熱膨張係数を測定した結
果、40〜400℃で10ppm/℃であった。
【0038】次に、平均粒径が5μmのCu粉末に、有
機バインダーとしてアクリル樹脂、溶媒としてDBPを
添加混練し、ビアホール用導体ペーストを作製した。そ
して、グリーンシートの所定個所にパンチングにてビア
ホールを形成し、そのビアホール内に先の導体ペースト
を充填した。 (試料No.1〜10)次に、厚さ12μmの電解銅箔
にスパッタリング装置を用いて表1に示す金属の蒸着を
行った。また、同様の電解銅箔にプラズマ溶射装置を用
いて同じく表1に示す各種セラミックスの溶射処理を施
した。
【0039】一方、そして、厚さ38μm、寸法変化率
が0.01%のポリエチレンテレフタレート(PET)
のフィルム基体表面に、接着剤を塗布して上記処理後あ
るいは全く処理を施していない厚さ12μmの電解銅箔
を接着した。
【0040】そして、前記金属箔の表面に感光性のレジ
ストを塗布し、ガラスマスクを通して露光してパターン
を形成した後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パ
ターン部をエッチング除去して配線回路層を形成した。 (試料No.11〜17)上記の電解銅箔を上記フィル
ム基体に接着した後、銅箔の表面に感光性のレジストを
塗布し、ガラスマスクを通して露光してパターンを形成
した後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パターン
部をエッチング除去して配線回路を形成した。そして、
回路形成後の金属箔付きフィルムをシリカゾルまたはア
ルミナゾルの溶液に浸した後、60℃で2時間乾燥を行
い、銅箔表面にアルミナ、またはシリカのゲル層を形成
した。この作業を繰り返して所定の厚さに形成した。
【0041】なお、試料No.1〜12における配線回
路は、各測定用のパターンを除き、線幅(断面が台形形
状の場合には下底幅)が50μm、配線と配線との間隔
(配線ピッチ)が50μmの微細パターンを用いた。
【0042】そして、配線回路パターンに形成された金
属箔を有する金属箔付きフィルムとと前記グリーンシー
トを位置合わせして、真空積層機により60℃、30k
g/cm2の圧力で30秒加圧して、配線回路の金属箔
表面とグリーンシートの表面とが同一平面となるように
金属箔をグリーンシート表面に埋設した後、フィルム基
体を接着層とともに剥離して、金属箔による配線回路を
グリーンシートに転写させた。また、同様にして金属箔
による配線回路およびビアホール導体を有する5枚の配
線シートを作製し、計6枚の配線シートを60℃、20
0kg/cm2の圧力で積層一体化した。
【0043】最後に、この積層体を有機バインダー等の
有機成分を分解除去するため、窒素雰囲気中で700℃
で1時間保持した後、同一雰囲気中で積層体を900℃
で1時間保持することにより、多層のセラミック配線基
板を作製した。
【0044】そして、作製したセラミック配線基板のう
ち、表面に形成された金属箔からなる配線回路に、Ni
合金からなる金具を銀ロウによって接着固定した後、こ
の金具を垂直に引っ張り上げ、金具が取れた時の強度を
密着強度として評価した。なお、各試料について、20
個のサンプルを作製し、密着強度の平均値および密着強
度の最高値−最低値をバラツキとして評価し表1に示し
た。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、金属箔の表面に
所定の被覆層を形成することによって、焼成後のセラミ
ック基板との密着強度を高めると同時に強度のバラツキ
も低減することができた。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
配線回路層の低抵抗化とともに、配線回路層の絶縁基板
への密着強度を高めることができる結果、微細配線化、
低抵抗化を達成し、かつ配線回路層と絶縁基板との接着
強度が高い配線基板を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/38 H05K 3/38 C Fターム(参考) 4F100 AA19C AA20C AB01B AB01C AB10C AB11C AB12C AB17B AB33B AD00C AD00D AG00D AK01D AK25 AK41 AT00A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D CA04 CA23D DE01D EC042 EH56C EH661 EJ482 GB43 JM10C 5E343 AA24 BB06 BB24 BB67 CC01 DD56 DD62 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム基体の表面に金属箔を接着し、さ
    らに該金属箔の表面に、セラミックス、またはその前駆
    体、あるいはセラミックスとの濡れ性に優れた金属から
    なる被覆層を形成してなることを特徴とする金属箔付き
    フィルム。
  2. 【請求項2】前記被覆層が、セラミックゲル層またはセ
    ラミック溶射層からなることを特徴とする請求項1記載
    の金属箔付きフィルム。
  3. 【請求項3】前記被覆層が、アルミナ、シリカのうちの
    少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載
    の金属箔付きフィルム。
  4. 【請求項4】前記金属箔が銅箔であり、前記セラミック
    スとの濡れ性に優れた金属が、Al、Si、Ti、Nb
    の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴と
    する請求項1記載の金属箔付きフィルム。
  5. 【請求項5】前記セラミックスの表面に回路を形成する
    ために用いられることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか記載の金属箔付きフィルム。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4のいずれか記載の金
    属箔付きフィルムの金属箔側を未焼成のセラミックシー
    トの表面に圧着した後、前記フィルム基体を接着層とと
    もに剥がし、前記セラミックシートの表面に前記金属箔
    を転写形成した後、前記セラミックシートを前記金属箔
    とともに焼成することを特徴とするセラミック配線基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記セラミックグリーンシート中のセラミ
    ック成分が、ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミ
    ック粉末との混合粉末からなることを特徴とする請求項
    6記載のセラミック配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】前記金属箔付きフィルムの前記セラミック
    シートへの圧着前に、前記金属箔が配線回路パターン状
    に形成されてなることを特徴とする請求項6または請求
    項7記載のセラミック配線基板の製造方法。
JP2000089596A 2000-03-28 2000-03-28 セラミック配線基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4548895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089596A JP4548895B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 セラミック配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089596A JP4548895B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 セラミック配線基板の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009173934A Division JP4850275B2 (ja) 2009-07-27 2009-07-27 セラミック配線基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001284774A true JP2001284774A (ja) 2001-10-12
JP4548895B2 JP4548895B2 (ja) 2010-09-22

Family

ID=18605332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000089596A Expired - Fee Related JP4548895B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 セラミック配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4548895B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011162218A1 (ja) * 2010-06-21 2011-12-29 三井金属鉱業株式会社 セラミック系絶縁層と金属層との積層体及び当該積層体の製造方法
US8386047B2 (en) 2010-07-15 2013-02-26 Advanced Bionics Implantable hermetic feedthrough
US8552311B2 (en) 2010-07-15 2013-10-08 Advanced Bionics Electrical feedthrough assembly

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63299195A (ja) * 1987-05-28 1988-12-06 Hitachi Chem Co Ltd 超電導プリント基板の製造方法
JPH11157952A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Denki Kagaku Kogyo Kk 接合体の製造方法
JPH11204941A (ja) * 1998-01-14 1999-07-30 Hitachi Ltd 回路基板の製造方法
JP2000071387A (ja) * 1998-08-31 2000-03-07 Kyocera Corp 金属箔付きフィルム及びそれを用いた配線基板の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63299195A (ja) * 1987-05-28 1988-12-06 Hitachi Chem Co Ltd 超電導プリント基板の製造方法
JPH11157952A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Denki Kagaku Kogyo Kk 接合体の製造方法
JPH11204941A (ja) * 1998-01-14 1999-07-30 Hitachi Ltd 回路基板の製造方法
JP2000071387A (ja) * 1998-08-31 2000-03-07 Kyocera Corp 金属箔付きフィルム及びそれを用いた配線基板の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011162218A1 (ja) * 2010-06-21 2011-12-29 三井金属鉱業株式会社 セラミック系絶縁層と金属層との積層体及び当該積層体の製造方法
US8386047B2 (en) 2010-07-15 2013-02-26 Advanced Bionics Implantable hermetic feedthrough
US8552311B2 (en) 2010-07-15 2013-10-08 Advanced Bionics Electrical feedthrough assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP4548895B2 (ja) 2010-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11504159A (ja) セラミック回路板支持基板用ガラスボンディング層
JP3351043B2 (ja) 多層セラミック基板の製造方法
JP4850275B2 (ja) セラミック配線基板の製造方法
JP2001284774A (ja) 金属箔付きフィルムおよびセラミック配線基板の製造方法
JPH09293968A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP4535576B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP3886791B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP2001015895A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2004087989A (ja) 多層配線基板
KR100715152B1 (ko) 금속 지지 기판 상에 금속 콘택 패드를 형성시키는 방법
JP4688314B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP2004063811A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3214960B2 (ja) 配線基板
JP2008159726A (ja) 多層配線基板
JP3426920B2 (ja) 配線基板
JP2004235347A (ja) 絶縁性セラミックスおよびそれを用いた多層セラミック基板
JPH06326470A (ja) 多層セラミック基板の製造方法
JP2004119547A (ja) セラミック配線基板およびその製造方法
JP2001015930A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2002329970A (ja) 多層配線基板の製造方法
JPH05327220A (ja) 多層セラミック基板の製造方法
JP2008186908A (ja) 多層回路基板の製造方法
JP3631572B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2004235346A (ja) 多層配線基板の製造方法
JPH0794839A (ja) 回路基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100706

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees