JPH06326470A - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法

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JPH06326470A
JPH06326470A JP11324393A JP11324393A JPH06326470A JP H06326470 A JPH06326470 A JP H06326470A JP 11324393 A JP11324393 A JP 11324393A JP 11324393 A JP11324393 A JP 11324393A JP H06326470 A JPH06326470 A JP H06326470A
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靖彦 箱谷
Sei Yuhaku
祐伯  聖
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峰広 板垣
Kazuhiro Miura
和裕 三浦
Yoshihiro Bessho
芳宏 別所
Yoshifumi Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面方向の収縮が無くかつ焼成時の基板の反
りや凹凸の発生を容易に防止できる多層セラミック基板
の製造方法を提供する。 【構成】 少なくとも有機バインダ、可塑剤を含むガラ
ス・セラミックより成りかつ導体ペースト組成物で電極
パターン2を形成されたグリーンシートを所望枚数積層
した後、このグリーンシート積層体1の両面もしくは片
面にガラス・セラミックの焼成温度では焼結しない無機
組成物から成る未焼結層4を形成し、グリーンシート積
層体1を未焼結層4を介してセラミック焼結基板から成
る敷板6上に接合して焼成処理を行い、その後未焼結層
4を取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体LSI、チップ
部品などの電子部品を搭載し、かつそれらを相互配線す
るためのセラミック多層配線基板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、1000°C以下の温度で焼成で
きるガラス・セラミック多層基板が開発され、それによ
って使用できる導体材料に金、銀、銅、銀/パラジウム
合金などが用いられるようになった。これらの金属は従
来使用されたタングステン、モリブデンなどに比べ導体
抵抗が低く、かつ使用できる設備も安全であり、低コス
トにて製造できる。
【0003】一方、これらの金属の内、貴金属である
金、銀、パラジウムは高価でかつ価格変動が大きいこと
から、安価で価格変動の少ないCu電極材料の使用が望
まれている。
【0004】ここでは低温焼結多層基板の代表的な製造
方法の一例を述べる。低温焼結多層基板の種類には大き
く分けて3種類の方法がある。
【0005】第1の方法は、多層基板の内層電極に銀を
用い、低温焼結基板のグリーンシートを所望の枚数積層
し、空気中で焼成し、その後最上層に銀、パラジウムペ
ーストを印刷、焼成して得られるものである。これは内
部にインピーダンスの小さい銀を用い、最上層に半田耐
熱を有する銀・パラジウムを使用するものである。
【0006】第2の方法は、内部の電極に前者と同様に
銀を用い、最上層に銅を用いる方法で、最上層配線に銅
を用いることで、前者の銀・パラジウムに比べ低いイン
ピーダンス、半田濡れの点で有利なものである。しか
し、最上層に用いる銅は銀との共晶温度が低いため60
0°C程度の低温焼成銅ペーストを用いなければならな
い。その結果、接着強度、半田濡れの点で課題が多い。
【0007】最後に第3の方法は、内層および最上層に
銅電極を用いる方法である。この方法は導体抵抗、半田
濡れ性、コストの点で最も良いが、すべて窒素などの中
性雰囲気で焼成しなければ成らずその作製が困難であ
る。さらに、一般に銅電極を使用するには、基板上にC
uペーストをスクリーン印刷して配線パターンを形成
し、乾燥後、Cuの融点以下の温度(850〜950°
C程度)で、かつCuが酸化されず導体ペースト中の有
機成分が十分燃焼するように酸素分圧を制御した窒素雰
囲気中で焼成を行なう必要があり、焼成工程における雰
囲気を適度な酸素分圧下にコントロールすることは困難
である。また多層化する場合、同様の条件で絶縁層を印
刷焼成する必要があり、各ペーストを印刷後その都度焼
成を繰り返し行なう必要があり、リードタイムが長くな
り設備などのコストアップにつながるなどの課題を有し
ている。
【0008】そこで第4の方法として、特開昭59−1
47833号公報において、セラミック多層基板の作製
にあたり、酸化第二銅ペーストを用い、脱バインダ工
程、還元工程、焼成工程の3段階とする方法がすでに開
示されている。それは、酸化第二銅を導体の出発原料と
し多層体を作製し、脱バインダ工程は、炭素に対して充
分な酸素雰囲気でかつ内部の有機バインダを熱分解させ
るに充分な温度で熱処理を行なう。次に酸化第二銅を銅
に還元する還元工程、基板の焼結を行なう焼成工程によ
り成立しているものである。これにより、焼成時の雰囲
気制御が容易になり、緻密な焼結体が得られるようにな
った。
【0009】ところで、このような多層セラミック基板
は、焼成時に焼結に伴う収縮が生じる。この焼結に伴う
収縮は、使用する基板材料、グリーンシート組成、粉体
ロットなどにより異なる。これにより多層基板の作製に
おいていくつかの問題が生じている。
【0010】まず第1に、多層セラミック基板の作製に
おいて前述のごとく内層配線の焼成を行なってから最上
層配線の形成を行なうため、基板材料の収縮誤差が大き
いと、最上層配線パターンと内層電極との接続が行えな
いという問題を生じる。そのため、収縮誤差を予め許容
するように最上層電極部に必要以上の大きい面積のラン
ドを形成しなければならず、高密度の配線を必要とする
回路には使用できないという問題がある。また収縮誤差
にあわせて最上層配線のためのスクリーン版をいくつか
用意しておき、基板の収縮率に応じて使用する方法が取
られている。この方法ではスクリーン版が数多く用意し
なければならず不経済であるという問題がある。
【0011】一方、最上層配線を内層焼成と同時に行な
えば大きなランドを必要としないが、その場合基板その
ものの収縮誤差はそのまま存在するため、最後の部品搭
載時のクリーム半田印刷において、その誤差のため必要
な部分に印刷できない場合が起こり、また部品実装にお
いても所定の部品位置とズレが生じるという問題を生じ
ることになる。
【0012】第2に、グリーンシート積層法による多層
基板は、グリーンシートの造膜方向によって幅方向と長
手方向によってもその収縮率が異なる。このこともセラ
ミック多層基板の作製の障害となっている。
【0013】これらの収縮誤差をなるべく少なくするた
めに、製造工程において基板材料およびグリーンシート
組成の管理はもちろん、粉体ロットの違いや積層条件
(プレス圧力、温度)を十分管理しているが、それでも
一般に収縮率の誤差は±0.5%程度存在すると言われ
ている。
【0014】このような問題は、多層基板にかかわらず
セラミックおよびガラス・セラミックの焼結を伴うもの
に共通の課題であり、基板材料の焼結が厚み方向だけ起
こり、平面方向の収縮がゼロの基板が作製できれば上記
の様な課題が解決でき、工業上極めて有効である。
【0015】このような課題を解決するため、特願平3
−257553号において、ガラス・セラミック低温焼
結基板材料に少なくとも有機バインダ、可塑剤を含むグ
リーンシートを作製し、導体ペースト組成物で電極パタ
ーンを形成し、このグリーンシートと別の電極パターン
形成済みグリーンシートとを所望枚数積層し、しかる
後、低温焼結ガラス・セラミックよりなるグリーンシー
ト積層体の両面もしくは片面にガラス・セラミック低温
焼結基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物より
なるグリーンシートを積層し、この積層体を焼成し、し
かる後上記焼結しない無機組成物を取り除くことにより
焼成時の収縮が平面方向で起こらないようにしたガラス
・セラミック基板の製造方法が提案されている。
【0016】また、上記電極パターン形成済みガラス・
セラミックグリーンシートを所望枚数積層した後、グリ
ーンシート積層体の両面もしくは片面に、ガラス・セラ
ミック低温焼結基板材料の焼成温度では焼結しない無機
組成物と少なくとも有機バインダ、有機溶剤よりなるペ
ースト組成物を塗布、乾燥し、この積層体を焼成し、し
かる後焼結しない無機組成物を取り除くことにより焼成
時の収縮が平面方向で起こらないようにしたガラス・セ
ラミック基板の製造方法もその後提案されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記焼
成時の収縮が平面方向で起こらないガラス・セラミック
基板の製造方法においても、以下に示すような問題があ
ることが判明した。
【0018】すなわち、通常ガラス・セラミック基板
は、焼結済みのセラミック基板等の敷板の上に載せた状
態で焼成を行っており、適切な条件下で基板焼成を行う
と焼成中にガラス・セラミック中のガラスが軟化する際
に基板の自重によって基板は下に敷かれた敷板の表面形
状に沿い、その形状を保ち焼結する。そのため、反りや
凹凸のない敷板を用いれば焼成基板の反りや凹凸を防止
できる。
【0019】ところが、上記のように平面方向の収縮を
防止するために、ガラス・セラミックグリーンシート積
層体の両面もしくは片面に、焼成温度では焼結しない無
機組成物よりなるグリーンシートを積層した後、又は同
様の無機組成物より成るペースト組成物を塗布、乾燥し
た後、焼成処理を行なった場合には、セラミック基板の
反りや凹凸は敷板の表面形状には追従せず、また焼成前
のグリーンシート積層体の反り状態とも異なった形状の
反りが発生するという問題が生じてきた。これは、ガラ
ス・セラミック基板の焼成工程中の挙動は、ガラス・セ
ラミック基板の片面または両面に接合された焼成温度で
は焼結しない無機組成物層により抑制されており、ガラ
ス・セラミック基板の平面方向の収縮は抑制されるが、
同時にガラス軟化時の基板自重による敷板の表面形状へ
の追従も阻害されるためであると考えられる。
【0020】しかるに、焼成基板の表面の反りや凹凸は
基板上への部品実装、特に裸のLSIチップ等を微細接
続ピッチで直接基板上に実装する際に大きな障害とな
る。
【0021】一方、これに対してアルミナ焼結基板など
を乗せて加圧しながら焼成を行なって基板反りを防止す
る方法もあるが、アルミナ焼結基板がセラミック積層体
表面を覆うために、セラミックグリーンシートに含まれ
るバインダ、可塑剤等の有機物の分解・飛散を妨げるた
め、焼成条件の管理が難しいという問題がある。
【0022】本発明は上記従来の問題点に鑑み、平面方
向の収縮が無くかつ焼成時の基板の反りや凹凸の発生を
容易に防止できる多層セラミック基板の製造方法を提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の多層セラミック
基板の製造方法は、少なくとも有機バインダ、可塑剤を
含むガラス・セラミックより成りかつ導体ペースト組成
物で電極パターンを形成されたグリーンシートを所望枚
数積層した後、このグリーンシート積層体の両面もしく
は片面にガラス・セラミックの焼成温度では焼結しない
無機組成物から成る未焼結層を形成し、グリーンシート
積層体を未焼結層を介してセラミック焼結基板から成る
敷板上に接合して焼成処理を行い、その後未焼結層を取
り除くことを特徴とする。
【0024】好適には、未焼結層は上記無機組成物から
成るグリーンシートを積層して形成し、若しくは無機組
成物を含むペースト組成物を塗布・乾燥して形成する。
また、グリーンシート積層体のセラミック焼結基板上へ
の接合は好適には加熱、加圧にて行うことができ、ある
いはバインダを溶解する有機溶剤をセラミック焼結基板
に塗布して接着してもよい。未焼結層の無機組成物とし
ては、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO2 、Be
O、BNの内少なくとも1種以上を含むものが好適であ
る。
【0025】また、電極パターンを酸化第二銅を主成分
とする導体ペースト組成物で形成した場合には、脱バイ
ンダ工程、還元工程の後、窒素雰囲気中で焼結し、その
後未焼結層を取り除く。さらに、最上層部にCuペース
トで配線パターンを形成して窒素雰囲気中で焼成する。
【0026】
【作用】本発明によれば、グリーンシート積層体の両面
もしくは片面にガラス・セラミックの焼成温度では焼結
しない無機組成物から成る未焼結層を形成して焼成する
ことにより、積層体の両面もしくは片面に焼結しない無
機材料層が密着して平面方向の収縮が阻止されるため、
焼成時に厚み方向だけに収縮して平面方向には収縮せ
ず、しかもグリーンシート積層体が未焼結層を介して反
り、凹凸の無い敷板上に接合した状態で焼成されること
により、多層基板の反り、凹凸をも防止することがで
き、焼成後不必要な焼結しない無機組成物を取り除くこ
とにより所望の基板が得られる。
【0027】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0028】(実施例1)まず、多層セラミック基板作
製方法の第1の実施例を説明する。基板材料のガラス・
セラミックにはホウ珪酸鉛ガラス粉末にセラミック材料
としてのアルミナ粉末を重量比で50対50とした組成
物(日本電気硝子社製 MLS−19)を用いた。この
ガラス・セラミック粉を無機成分とし、有機バインダと
してポリビニルブチラール、可塑剤としてヂ−n−ブチ
ルフタレート、溶剤としてトルエンとイソプロピルアル
コールの混合液(30対70重量比)を混合しスラリー
とした。
【0029】このスラリーを用いてドクターブレード法
で有機フィルム上に厚み約200μmのグリーンシート
を成形した。この時、造膜から乾燥、打ち抜き、さらに
は必要に応じてビアホール(via hole)加工を行う各工
程を連続的に行うシステムを使用した。このグリーンシ
ートにAgペーストを用いて電極パターンの形成および
ビアホール埋め印刷をスクリーン印刷法によって行っ
た。Agペーストは、Ag粉末(平均粒径1μm)に接
着強度を得るためのガラスフリット(日本電気硝子社製
GA−9ガラス粉末、平均粒径2.5μm)を5wt
%加えたものを無機成分とし、有機バインダであるエチ
ルセルロースをターピネオールに溶かしたビヒクルとと
もに加えて、3段ロールにより適度な粘度になるように
混合したものを用いた。なおビア埋め用のAgペースト
は更に無機成分として前記ガラス・セラミック粉末を1
5重量%加えたものを使用して行なった。
【0030】次に、無機成分としてアルミナ(住友化学
工業社製 ALM−41 平均粒径1.9μm)粉末の
みを用い、上記ガラス・セラミック基板用グリーンシー
トと同様のグリーンシート組成でかつ同様の方法で、未
焼結層となるアルミナを主成分とするグリーンシートを
作製した。このアルミナグリーンシートの厚みは約30
0μmである。
【0031】その後、電極パターン2及びビア電極3を
形成された基板用グリーンシートを所定の枚数積み重
ね、さらにその両面にアルミナグリーンシートを重ね合
わせた状態で熱圧着し、図1に示すように、電極パター
ン2を内層に形成され、かつ両面にセラミックグリーン
シートから成る未焼結層4を積層されたグリーンシート
積層体1を形成した。熱圧着条件は温度が80°C、圧
力は200Kg/cm2であった。
【0032】次に、予め研磨により基板表面の反り、凹
凸を無くした96%アルミナ焼結基板をグリーンシート
積層体1焼成用の敷板6として用意し、この敷板6上全
面に上記アルミナグリーンシート作成の為に用いたスラ
リーをスクリーン印刷法によって30μmの厚みで印刷
し、接合用アルミナ層5を形成した。印刷後、接合用ア
ルミナ層5中の有機溶剤分を完全に乾燥させない状態
で、グリーンシート積層体1を未焼結層4を介して接合
用アルミナ層5に密着し、熱圧着によって接合した。熱
圧着条件は、温度が50°C、圧力は50Kg/cm2
であった。グリーンシート積層体1を未焼結層4及び接
合用アルミナ層5を介して敷板6に接合した状態では、
未焼結層4のアルミナグリーンシート層と接合用アルミ
ナ層5の境界は明確ではない。
【0033】こうしてグリーンシート積層体1を敷板6
に接合した状態で焼成した。焼成条件はベルト炉によっ
て空気中の900°Cでの1時間焼成である。(900
°Cの保持時間は約12分である。)焼成にてグリーン
シート積層体1は多層基板となり、その表面及びこの多
層基板と敷板6の間には未焼結のアルミナ層が存在する
ため、酢酸ブチル溶剤中で超音波洗浄を行なったとこ
ろ、アルミナ層はきれいに取れ、多層基板を敷板6から
簡単に取りはずすことができた。この多層基板の収縮率
は0.1%以下で、平面方向の収縮が起こっておらず、
また反りも全くなかった。さらにこの多層基板に銀・パ
ラジウムペーストによって最上層パターンをスクリーン
印刷し、乾燥の後焼成を前記と同様の方法で行なった。
【0034】本実施例においては、敷板6上にアルミナ
のスラリーを印刷して接合用アルミナ層5を形成した
後、グリーンシート積層体1と敷板6とを熱圧着した
が、接合用アルミナ層5を形成する代わりに未焼結層4
としてのアルミナグリーンシート中のバインダを溶解す
る有機溶剤や可塑剤を用いて、グリーンシート積層体1
と敷板6を接合してもよい。
【0035】また、グリーンシート積層体1と敷板6と
の間に上記のようなスラリー、有機溶剤、可塑剤等を用
いなくても、実施例2で示すように、グリーンシート積
層体1を敷板6に直接熱圧着することによって十分な接
合強度が得られれば、同様の効果が得られることは言う
までもない。
【0036】また、本実施例において、未焼結層4の材
料としてAl2 3 を用いたが、その他BeO、Mg
O、ZrO2 、TiO2 、BNを用いても同様の効果が
得られた。
【0037】(実施例2)基板材料のガラス・セラミッ
クグリーンシートは実施例1と同様の組成の物を用い
た。厚み200μmのグリーンシートにビアホールを形
成した後、CuOペーストを用いて電極パターンの形成
およびビアホール埋め印刷をスクリーン印刷法によって
行った。導体ペーストは、CuO粉末(平均粒径3μ
m)に接着強度を得るためのガラスフリット(日本電気
硝子社製 LS−0803ガラス粉末、平均粒径2.5
μm)を3wt%加えたものを無機成分とし、有機バイ
ンダであるエチルセルロースをターピネオールに溶かし
たビヒクルとともに加えて、3段ロールにより適度な粘
度になるように混合したものを用いた。なおビア埋め用
のCuOペーストは更に無機成分として上記ガラス・セ
ラミック粉末を15重量%加えたものを使用して行なっ
た。
【0038】次に、無機成分として酸化ベリリウム(関
東化学社製 平均粒径1μm)粉末のみを用い、上記
ガラス・セラミック基板用グリーンシートと同様のグリ
ーンシート組成でかつ同様の方法にて、未焼結層として
の酸化ベリリウムグリーンシートを作製した。この酸化
ベリリウムグリーンシートの厚みは約300μmであ
る。
【0039】こうして作製した電極パターン形成済みの
グリーンシートを所定の枚数積み重ねてグリーンシート
積層体を形成し、さらにその両面に未焼結層としての酸
化ベリリウムグリーンシートを重ね合わせる。この状態
で熱圧着して積層体を形成した。熱圧着条件は、温度が
80°C、圧力は200Kg/cm2 であった。次に、
予め研磨により基板表面の反り、凹凸を無くした96%
アルミナ焼結基板をグリーンシート積層体焼成用の敷板
として用意し、上記グリーンシート積層体を敷板上に密
着し、熱圧着によって接合した。熱圧着条件は、温度が
80°C、圧力は100Kg/cm2 であった。
【0040】このグリーンシート積層体を、敷板に接合
した状態で焼成した。焼成の工程は、次に説明する方法
で行った。まず最初は、脱バインダ工程である。使用し
たグリーンシート、CuOペーストの有機バインダは、
ポリビニルブチラール及びエチルセルロースである。し
たがって空気中での分解温度は、500°C以上あれば
良いので、600°Cの温度で前記積層体の脱脂処理を
行なった。その後積層体を水素ガス100%雰囲気中で
200°C−5時間で還元した。この時のCu層をX線
回折により分析したところ100%Cuであることを確
認した。次の焼成工程は、純窒素中900℃であるメッ
シュベルト炉で焼成した。(900°Cの保持時間は約
12分である。)以上の様にして作製された多層基板の
表面の酸化ベリリウム層を実施例1と同様超音波洗浄に
て取り除いて収縮率を評価したところ、多層基板の収縮
率は0.05%以下であり、また反りも無かった。さら
にこの多層基板に市販のCuペースト(デュポン社製
QP153)によって最上層パターンをスクリーン印刷
し、乾燥の後、窒素中での焼成を前記と同様の方法で行
なった。
【0041】本実施例においては、グリーンシート積層
体を未焼結層を介して直接敷板に熱圧着によって接合し
たが、これは実施例1で示した方法と同様に、敷板上に
酸化ベリリウムのスラリーを印刷形成後、またはグリー
ンシート積層体表面に有機溶剤塗布後に、グリーンシー
ト積層体と敷板とを熱圧着しても同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。
【0042】また、本実施例においては、未焼結層の材
料としてBeOを用いたが、その他Al2 3 、Mg
O、ZrO2 、TiO2 、BNを用いても同様の効果が
得られた。
【0043】(実施例3)基板材料のガラス・セラミッ
クグリーンシートへの電極パターン形成までを実施例1
と同様の方法で行った。そして、図2に示すように、電
極パターン8及びビア電極9を形成したグリーンシート
を所定の枚数積み重ね、熱圧着してグリーンシート積層
体7を形成した。熱圧着条件は、温度が80°C、圧力
は200Kg/cm2 であった。
【0044】次に、無機成分として酸化マグネシウム
(関東化学社製)粉末を用い、有機バインダとしてポリ
ビニルブチラール、可塑剤としてヂ−n−ブチルフタレ
ート、溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコールの
混合液(30対70重量比)を混合し、スラリーを作製
した。この酸化マグネシウム・スラリーをスクリーン印
刷法によりグリーンシート積層体7の両面に、乾燥後の
層厚みが150μmになるまで、印刷、乾燥を繰り返し
て酸化マグネシウムの未焼結層10を形成した。
【0045】最後に上記酸化マグネシウム・スラリーを
片方の未焼結層10の表面に印刷し、その有機溶剤分を
完全に乾燥させない状態で、反り、凹凸を無くした96
%アルミナ焼結基板から成る敷板11に密着し、熱圧着
によって接合した。熱圧着条件は、温度が50°C、圧
力は50Kg/cm2 であった。
【0046】次に、このようにグリーンシート積層体7
を未焼結層10を介して敷板11に接合した状態で焼成
し、焼成後、酸化マグネシウム層を除去した。焼成後の
多層基板の収縮率は0.1%以下で、平面方向の収縮が
起こっておらず、また反りも全くなかった。
【0047】本実施例においては、未焼結材料としてM
gOを用いたが、その他Al2 3、BeO、Zr
2 、TiO2 、BNを用いても同様の効果が得られ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の多層セラミック基板の製造方法
によれば、以上のようにグリーンシート積層体の両面も
しくは片面にガラス・セラミックの焼成温度では焼結し
ない無機組成物から成る未焼結層を形成して焼成するこ
とにより、積層体の両面もしくは片面に焼結しない無機
材料層が密着して平面方向の収縮が阻止されるため、焼
成時に厚み方向だけに収縮して平面方向には収縮せず、
しかもグリーンシート積層体が未焼結層を介して反り、
凹凸の無い敷板上に接合した状態で焼成されることによ
り、多層基板の反り、凹凸をも防止することができ、焼
成後不必要な焼結しない無機組成物を取り除くことによ
って、容易に平面方向の収縮がなくかつ反りや凹凸のな
い所望の基板を容易にうることができる。
【0049】又、未焼結層を無機組成物から成るグリー
ンシートを積層して形成し、若しくは無機組成物を含む
ペースト組成物を塗布・乾燥して形成することにより容
易に形成することができる。また、グリーンシート積層
体のセラミック焼結基板上への接合も加熱、加圧にて容
易に行うことができる。
【0050】また、上記電極パターンを酸化第二銅を主
成分とする導体ペースト組成物で形成し、脱バインダ工
程、還元工程の後、窒素雰囲気中での焼結工程を経るこ
とにより、雰囲気制御の容易な焼成にて安価で価格変動
の少ないCu電極材料を用いた多層セラミック基板を製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における焼結時の積層状
態の断面図である。
【図2】本発明の第3の実施例における焼結時の積層状
態の断面図である。
【符号の説明】
1 グリーンシート積層体 2 電極パターン 3 ビア電極 4 未焼結層 5 接合層 6 敷板 7 グリーンシート積層体 8 電極パターン 9 ビア電極 10 未焼結層 11 敷板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 和裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 別所 芳宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 嘉文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機バインダ、可塑剤を含む
    ガラス・セラミックより成りかつ導体ペーストで電極パ
    ターンを形成されたグリーンシートを所望枚数積層した
    後、このグリーンシート積層体の両面もしくは片面にガ
    ラス・セラミックの焼成温度では焼結しない無機組成物
    から成る未焼結層を形成し、グリーンシート積層体を未
    焼結層を介してセラミック焼結基板から成る敷板上に接
    合して焼成処理を行い、その後未焼結層を取り除くこと
    を特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 未焼結層は、Al2 3 、MgO、Zr
    2 、TiO2 、BeO、BNの内少なくとも1種以上
    の無機組成物と、少なくとも有機バインダ、可塑剤を含
    むグリーンシートを積層して形成することを特徴とする
    請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 未焼結層は、Al2 3 、MgO、Zr
    2 、TiO2 、BeO、BNの内少なくとも1種以上
    の無機組成物と、少なくとも有機バインダ、有機溶剤を
    含むペースト組成物を塗布、乾燥して形成することを特
    徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 敷板上へのグリーンシート積層体の接合
    を、少なくとも加熱、加圧によって行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 導体ペーストがAg、Ag/Pd、Ag
    /Pt、Cuのいずれかを主成分とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも有機バインダ、可塑剤を含む
    ガラス・セラミックより成りかつ酸化第二銅を主成分と
    する導体ペーストで電極パターンを形成されたグリーン
    シートを所望枚数積層した後、このグリーンシート積層
    体の両面又は片面にガラス・セラミックの焼成温度では
    焼結しない無機組成物から成る未焼結層を形成し、グリ
    ーンシート積層体を未焼結層を介してセラミック焼結基
    板から成る敷板上に接合した後、積層体内部の有機バイ
    ンダが分解・飛散する温度で空気中で熱処理し、しかる
    後、水素もしくは水素と窒素の混合ガス雰囲気中で還元
    熱処理を行い、さらに積層体を窒素雰囲気中で焼結さ
    せ、しかる後未焼結層を取り除くことを特徴とする多層
    セラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 未焼結層を取り除いた後、最上層部にC
    uペーストで配線パターンを形成し、窒素雰囲気中で焼
    成することを特徴とする請求項6記載の多層セラミック
    基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 未焼結層は、Al2 3 、MgO、Zr
    2 、TiO2 、BeO、BNの内少なくとも1種以上
    の無機組成物と、少なくとも有機バインダ、可塑剤を含
    むグリーンシートを積層して形成することを特徴とする
    請求項6に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 未焼結層は、Al2 3 、MgO、Zr
    2 、TiO2 、BeO、BNの内少なくとも1種以上
    の無機組成物と、少なくとも有機バインダ、有機溶剤を
    含むペースト組成物を塗布、乾燥して形成することを特
    徴とする請求項6に記載の多層セラミック基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 敷板上へのグリーンシート積層体の接
    合を、少なくとも加熱、加圧によって行うことを特徴と
    する請求項6に記載の多層セラミック基板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR100790695B1 (ko) * 2006-05-19 2008-01-02 삼성전기주식회사 전자부품 패키지용 세라믹 기판의 제조방법
KR100811138B1 (ko) * 2001-11-13 2008-03-07 오리온피디피주식회사 저온소성세라믹기판을 이용한 다층회로기판의 제조방법과 이에 의해 제조된 다층회로기판
US7618843B2 (en) 2001-11-22 2009-11-17 Murata Manufacturing Co., Ltd Method of fabricating multilayer ceramic substrate

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