JP2855959B2 - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体LSI、チップ部
品などの電子部品を搭載し、かつそれらを相互配線する
ためのセラミック多層配線基板とその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低温焼結ガラス・セラミック多層
基板の開発によって、使用できる導体材料に、金、銀、
銅、パラジウムまたはそれらの混合物が用いられるよう
になった。これらの金属は従来使用されたタングステ
ン、モリブデンなどに比べ導体抵抗が低く、且つ使用で
きる設備も安全で低コストに製造できる。
【0003】一方これらの金属の内、貴金属である金、
銀、パラジウムは高価でかつ価格変動が大きいことか
ら、安価で価格変動の少ないCu電極材料の使用が望ま
れている。
【0004】ここではそれらの低温焼結多層基板の代表
的な製造方法の一例を述べる。低温焼結多層基板の種類
には大きく分けて3種類の方法がある。まず第1に多層
基板の内層電極に銀を用い、低温焼結基板のグリーンシ
ートを所望の枚数積層し、空気中で焼成し、その後最上
層に銀、パラジウムペーストを印刷、焼成して得られる
ものである。これは内部にインピーダンスの小さい銀を
用い、最上層に半田耐熱を有する銀・パラジウムを使用
するものである。第2は、内部の電極に前者と同様に銀
を用い、最上層に銅を用いる方法で、最上層配線に銅を
用いることで、前者の銀・パラジウムに比べ低いインピ
ーダンス、半田濡れの点で有効なものである。しかし、
最上層に用いる銅は銀との共晶温度が低いため600℃
程度の低温焼成銅ペーストを用いなければならない。そ
の結果、接着強度、半田濡れの点で課題が多い。最後に
第3の方法として、内層および最上層に銅電極を用いる
方法がある。導体抵抗、半田濡れ性、コストの点で最も
良いがすべて窒素などの中性雰囲気で焼成しなければ成
らずその作製が困難である。一般に銅電極を使用するに
は、基板上にCuペーストをスクリーン印刷にて配線パ
ターンを形成し、乾燥後、Cuの融点以下の温度(85
0〜950℃程度)で、かつCuが酸化されず導体ペー
スト中の有機成分が十分燃焼するように酸素分圧を制御
した窒素雰囲気中で焼成を行なうものである。多層する
場合は、同様の条件で絶縁層を印刷焼成して得られる。
しかし、焼成工程における雰囲気を適度な酸素分圧下に
コントロールすることは困難であり、また多層化する場
合、各ペーストを印刷後その都度焼成を繰り返し行なう
必要があり、リードタイムが長くなり設備などのコスト
アップにつながるなどの課題を有している。そこで特願
昭59−147833号公報において、セラミック多層
基板の作製にあたり、酸化第二銅ペーストを用い、脱バ
インダ工程、還元工程、焼成工程の3段階とする方法が
すでに開示されている。それは酸化第二銅を導体の出発
原料とし多層体を作製し、脱バインダ工程は、炭素に対
して充分な酸素雰囲気でかつ内部の有機バインダを熱分
解させるに充分な温度で熱処理を行なう。次に酸化第二
銅を銅に還元する還元工程、基板の焼結を行なう焼成工
程により成立しているものである。これにより、焼成時
の雰囲気制御が容易になり緻密な焼結体が得られるよう
になった。
【0005】セラミック多層基板は、焼成時に焼結に伴
う収縮が生じる。この焼結に伴う収縮は、使用する基板
材料、グリーンシート組成、粉体ロットなどにより異な
る。これにより多層基板の作製においていくつかの問題
が生じている。まず第1に、多層セラミック基板の作製
において前述のごとく内層配線の焼成を行なってから最
上層配線の形成を行なうため、基板材料の収縮誤差が大
きいと、最上層配線パターンと寸法誤差のため内層電極
との接続が行えない。その結果、収縮誤差を予め許容す
るように最上層電極部に必要以上の大きい面積のランド
を形成しなければならず、高密度の配線を必要とする回
路には使用できない。また収縮誤差にあわせて最上層配
線のためのスクリーン版をいくつか用意しておき、基板
の収縮率に応じて使用する方法が取られている。この方
法ではスクリーン版が数多く用意しなければならず不経
済である。
【0006】一方、最上層配線を内層焼成と同時に行な
えば大きなランドを必要としないが、この同時焼成法に
よっても基板そのものの収縮誤差はそのまま存在するの
で、最後の部品搭載時のクリーム半田印刷において、そ
の誤差のため必要な部分に印刷できない場合が起こる。
また部品実装においても所定の部品位置とズレが生じ
る。
【0007】第2にグリーンシート積層法による多層基
板は、グリーンシートの造膜方向によって幅方向と長手
方向によってもその収縮率が異なる。このこともセラミ
ック多層基板の作製の障害となっている。
【0008】これらの収縮誤差をなるべく少なくするた
めには、製造工程において、基板材料およびグリーンシ
ート組成、の管理はもちろん、粉体ロットの違いや積層
条件(プレス圧力、温度)を十分管理する必要がある。
しかし、一般に収縮率の誤差は±0.5%程度存在する
と言われている。
【0009】このことは多層基板にかかわらずセラミッ
ク、およびガラス・セラミックの焼結を伴うものに共通
の課題であり、基板材料の焼結が厚み方向だけ起こり、
平面方向の収縮がゼロの基板が作製できれば上記の様な
課題が解決でき、工業上極めて有効である。
【0010】上記課題を解決するため、ガラス・セラミ
ック低温焼結基板材料に少なくとも有機バインダ、可塑
剤を含むグリーンシートを作製し、導体ペースト組成物
で電極パターンを形成し、前記生シートと別の電極パタ
ーン形成済みグリーンシートとを所望枚数積層し、しか
る後、前記低温焼結ガラス・セラミックよりなるグリー
ンシート積層体の両面、もしくは片面に、前記ガラス・
セラミック低温焼結基板材料の焼成温度では焼結しない
無機組成物よりなるグリーンシートで挟み込むように積
層し、前記積層体を焼成する。しかる後、焼結しない無
機組成物を取り除くことにより焼成時の収縮が平面方向
で起こらないガラス・セラミック基板の製造方法が特願
平03−257553で提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
焼成時の収縮が平面方向で起こらないガラス・セラミッ
ク基板の製造方法において以下に示すような問題が明ら
かになった。
【0012】ガラス・セラミックグリーンシート積層体
の両面、もしくは片面に焼成温度では焼結しない無機組
成物よりなるグリーンシートを積層した後、焼成処理を
行う際に前記無機組成物の一部が前記ガラス・セラミッ
ク積層体表面に形成した電極パターンやビア電極上に固
着する。前記無機組成物が電極パターン上に固着する
と、電極表面の平滑性が悪くなり、また電極の電気抵抗
が増大するばかりではなく、電極の半田濡れ性も悪化す
るため、前記電極上への電子部品の実装が困難となる。
無機組成物が電極のごく表面に存在する場合には、前記
電極表面の研磨等により無機組成物を取り除いてやれば
電極の半田濡れ性が改善されるが、製造工程が増える問
題があり、また、無機組成物が電極の内部まで入り込ん
でいる場合には無機組成物を除去することは不可能であ
る。一方、前記無機組成物がビア電極に固着した場合、
ビア電極の電気抵抗が著しく高くなり、その後形成する
基板の最上層電極パターンと前記ビア電極との電気的接
続が取れないことがある。
【0013】本発明は上記課題に鑑み、平面方向の収縮
が無いガラス・セラミック基板において、基板と同時焼
成する最上層電極パターンの平滑性、電気抵抗、半田塗
れ性を向上させ、またビア電極の電気抵抗を低減したセ
ラミック基板およびその製造方法を提供するものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、ガラス・セラミック低温焼結基板材料に少なくとも
有機バインダ、可塑剤を含むグリーンシートを作製し、
導体ペースト組成物で電極パターンを形成し、前記生シ
ートと別の電極パターン形成済みグリーンシートとを所
望枚数積層する。しかる後、前記ガラス・セラミック低
温焼結基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物よ
りなるグリーンシートの一部に穴開け加工を施す。穴開
け加工は、前記無機組成物グリーンシートが、前記低温
焼結ガラス・セラミックよりなるグリーンシート積層体
の両面、もしくは片面に積層された際、前記ガラス・セ
ラミックグリーンシート上に形成された電極パターンま
たはビア電極の一部上に接合する箇所に施す。さらに、
前記グリーンシート積層体を前記焼結しない無機組成物
よりなる穴開け加工済みグリーンシートで挟み込むよう
に積層し、前記積層体を焼成する。しかる後、焼結しな
い無機組成物を取り除くことにより平滑性、電気抵抗、
半田塗れ性が良好な最上層電極パターン、または低電気
抵抗なビア電極を有し、焼成時の収縮が平面方向で起こ
らないガラス・セラミック基板を作製するものである。
【0015】
【作用】本発明は前記のような工程を行なうことによっ
て、焼成時に厚み方向だけに収縮し、平面方向には収縮
しないガラス・セラミック基板において基板と同時焼成
する最上層電極パターンの平滑性、電気抵抗および半田
塗れ性の改善、また最上層パターンを後焼成する際のビ
ア電極の電気抵抗を改善するものである。以下に本発明
の作用を説明する。
【0016】まず本発明の製造法は、ガラス・セラミッ
ク低温焼結基板材料に少なくとも有機バインダ、可塑剤
を含むグリーンシートを作製し、導体ペースト組成物で
電極パターンとビア電極を形成し、前記生シートと別の
電極パターン形成済みグリーンシートとを所望枚数積層
して多層化し、前記低温焼結ガラス・セラミックよりな
るグリーンシート積層体の両面、もしくは片面に形成さ
れた電極パターンまたはビア電極の一部上に接合する箇
所に穴開け加工を施した基板材料の焼成温度では焼結し
ない無機組成物よりなるグリーンシートを前記ガラス・
セラミックグリーンシート積層体の両面、もしくは片面
に積層する。これにより、前記積層体を焼成しても、厚
み方向以外は収縮が起こらない。これは、両面もしくは
片面に積層した焼結しない材料で挟み込まれているた
め、平面方向の収縮が阻止されるためと考えられる。ま
た、ガラス・セラミック積層体に積層される、焼成温度
では焼結しない無機組成物よりなるグリーンシートは、
ガラス・セラミック積層体表面の同時焼成電極パターン
の一部またはビア電極に接合する箇所に穴開け加工が施
されているため、焼成後に、平滑性、電気抵抗、半田塗
れ性が改善した同時焼成電極パターン、または電気抵抗
の低いビア電極が得られる。これは、前記同時焼成電極
パターンまたはビア電極と前記無機組成物とは接触しな
いため、焼成中の前記無機組成物の電極上への付着が起
こりにくいためと考えられる。焼成後、不必要な焼結し
ない材料を取り除けば、所望の基板が得られる訳であ
る。
【0017】前記焼成温度では焼結しない無機組成物よ
りなるグリーンシートに加工する穴は小さすぎると熱プ
レスによる積層時に穴がつぶれてしまい好ましくない。
また加工穴が小さいと、前記無機組成物の付着しない電
極面積も小さくなるため十分な効果が得られない。反対
に加工穴が大きい場合には、穴開け部のガラス・セラミ
ック積層体の平面方向の収縮が十分阻止されず、部分的
に平面方向の収縮が起こるため基板の反りや変形が生じ
る。以上の理由より、加工穴は0.01mm2〜25m
2であれば良く、望ましくは0.04mm2〜10mm
2の範囲である。
【0018】前記ガラス・セラミック積層体の焼成は通
常800℃〜1000℃の範囲で行なわれる。銅電極、
銀電極を使用する場合は900℃で行なう。
【0019】またガラス・セラミック低温焼結基板材料
の焼成温度では焼結しない無機組成物グリーンシートの
無機成分には、Al23,MgO,ZrO2,TiO2
BeO,BN,の内少なくとも1種以上を含。900℃
の焼成温度で行なう低温焼結基板材料には、Al23
最も有効である。
【0020】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の一実施例のグリーン
シート積層体の断面を示す図である。
【0021】(実施例1)まず多層セラミック基板作製
方法を説明する。
【0022】基板材料のガラス・セラミックにはホウ珪
酸鉛ガラス粉末にセラミック材料としてのアルミナ粉末
を重量比で50対50とした組成物(日本電気硝子社製
MLS−19)を用いた。このガラス・セラミック粉
を無機成分とし、有機バインダとしてポリビニルブチラ
ール、可塑剤としてヂ−n−ブチルフタレート、溶剤と
してトルエンとイソプロピルアルコールの混合液(30
対70重量比)を混合しスラリーとした。
【0023】このスラリーをドクターブレード法で有機
フィルム上に厚み約200μmのシート成形した。この
時、造膜から乾燥、打ち抜き、さらには必要に応じてバ
イアホール加工を行う各工程を連続的に行うシステムを
使用した。このグリーンシートに銀ペーストを用いて導
体パターンの形成およびビアホール埋め印刷をスクリー
ン印刷法によって行った。導体ペーストは、Ag粉末
(平均粒径1μm)に接着強度を得るためのガラスフリ
ット(日本電気硝子社製 GA−9ガラス粉末、平均粒
径2.5μm)を5wt%加えたものを無機成分とし、
有機バインダであるエチルセルロースをターピネオール
に溶かしたビヒクルとともに加えて、3段ロールにより
適度な粘度になるように混合したものを用いた。なおビ
ア埋め用のAgペーストは更に無機成分として前記ガラ
ス・セラミック粉末を15重量%加えたものを使用して
行った。
【0024】次に、焼結の起こらないグリーンシートの
作製は無機成分としてアルミナ(住友化学工業社製 A
LM−41 平均粒径1.9μm)粉末のみを用い前記
ガラス・セラミック基板用グリーンシートと同様のグリ
ーンシート組成で、同様の方法でグリーンシートを作製
した。アルミナグリーンシートの厚みは約300μmで
ある。作製したアルミナグリーンシートには穴開け加工
を施した。穴開け加工は、前記ガラス・セラミックより
なるグリーンシート積層体に積層された際、前記ガラス
・セラミックグリーンシート上に形成されたビア電極上
に接合する箇所に施した。加工穴は円形で孔径は、50
0μmであった。
【0025】前記導体形成済みグリーンシートを所定の
枚数積み重ね、さらにその両面に前記穴開け加工済みア
ルミナグリーンシートを重ね合わせる。この状態で熱圧
着して積層体を形成した。熱圧着条件は、温度が80
℃、圧力は200Kg/cm2であった。図1にその構
成を示す。1は前記基板材料によるグリーンシート層、
2は内層電極層、3はビア電極、4はアルミナによるグ
リーンシート層、5はアルミナグリーンシートに施した
加工穴である。
【0026】次に前記積層体をアルミナ96%基板上に
乗せ焼成する。条件はベルト炉によって空気中の900
℃で1時間焼成で行った。(900℃の保持時間は約1
2分である。)この時基板の反りと厚み方向の焼結収縮
を助けるためアルミナ焼結基板を乗せて加圧するように
して焼成を行った。
【0027】焼成後の積層体の表面には未焼結のアルミ
ナ層が存在するため、酢酸ブチル溶剤中で超音波洗浄を
行なったところアルミナ層がきれいに取り除くことがで
きた。
【0028】この焼成後の基板は反りも無く、基板の収
縮率は0.1%以下で、平面方向の収縮が起こっておら
ず、また基板表面にあるビア電極にはアルミナ粉体の固
着は認められなかった。さらにこの多層基板に銀・パラ
ジウムペーストによって最上層パターンをスクリーン印
刷し、乾燥の後焼成を前記と同様の方法で行った。基板
表面のビア電極の電気抵抗が低いため、最上層パターン
との導通も良好であった。
【0029】(実施例2)基板材料のガラス・セラミッ
クグリーンシートは実施例1と同様の組成の物を用い
た。厚み200μmのグリーンシートにビアホールを形
成した後、CuOペーストを用いて導体パターンの形成
およびビアホール埋め印刷をスクリーン印刷法によって
行った。実施例1では、最上層パターンの形成を基板焼
成後に行なったが、本実施例においては、最上層パター
ンもグリーンシート上に印刷した。導体ペーストは、C
uO粉末(平均粒径3μm)に接着強度を得るためのガ
ラスフリット(日本電気硝子社製 LS−0803ガラ
ス粉末、平均粒径2.5μm)を3wt%加えたものを
無機成分とし、有機バインダであるエチルセルロースを
ターピネオールに溶かしたビヒクルとともに加えて、3
段ロールにより適度な粘度になるように混合したものを
用いた。なおビア埋め用のCuOペーストは更に無機成
分として前記ガラス・セラミック粉末を15重量%加え
たものを使用して行った。
【0030】次に焼結の起こらないグリーンシートの作
製は無機成分として酸化ベリリウム(関東化学社製 平
均粒径1μm)粉末のみを用い前記ガラス・セラミック
基板用グリーンシートと同様のグリーンシート組成で、
同様の方法でグリーンシートを作製した。前記酸化ベリ
リウムグリーンシートの厚みは約300μmである。作
製した酸化ベリリウムグリーンシートには穴開け加工を
施した。穴開け加工は、前記ガラス・セラミックよりな
るグリーンシート積層体の両面に積層された際、前記ガ
ラス・セラミックグリーンシート上に形成された最上層
電極パターン上に接合する箇所に施した。なお穴開け加
工は、最上層電極パターン上全てに行う必要はなく、基
板焼成後に電子部品の実装のため半田ペーストが印刷さ
れる箇所に施せば良く、また、加工穴形状は、セラミッ
クグリーンシート上に形成された電極パターンの形状を
考慮して決定すれば良い。本実施例では、加工穴は、部
品実装時の半田ペースト印刷パターンと同形状に施し
た。
【0031】前記導体形成済みグリーンシートを所定の
枚数積み重ね、さらにその両面に前記穴開け加工済み酸
化ベリリウムグリーンシートを重ね合わせる。この状態
で熱圧着して積層体を形成した。熱圧着条件は、温度が
80℃、圧力は200Kg/cm2であった。次に、焼
成の工程を説明する。まず最初は、脱バインダ工程であ
る。発明に使用したグリーンシート、CuOペーストの
有機バインダは、ポリビニルブチラール及びエチルセル
ロースである。したがって空気中での分解温度は、50
0℃以上あれば良いので、600℃の温度で前記積層体
の脱脂処理を行った。その後前記積層体を水素ガス10
0%雰囲気中で200℃ー5時間で還元した。この時の
Cu層をX線回折により分析したところ100%Cuで
あることを確認した。
【0032】次に焼成工程は、純窒素中900℃である
メッシュベルト炉で焼成した。以上の様にして作製した
積層体の表面の酸化ベリリウム層を実施例1と同様超音
波洗浄にて取り除き収縮率を評価したところを基板の収
縮率は0.05%以下であり、また反りも無かった。基
板の両面に形成された銅電極パターンの表面を観察する
と、酸化ベリリウムグリーンシートが接触していた部分
には酸化ベリリウムが固着していたが、酸化ベリリウム
グリーンシートに穴開け加工を施し、酸化ベリリウムと
接触していなかった部分には異物の付着は認められず、
また電極の平滑性、半田塗れ性も良好であった。
【0033】本実施例では、最上層パターンとしてCu
Oペーストをグリーンシート上に印刷し、同時焼成して
Cuの最上層パターンを得たが、これは実施例1で示し
たように、ビア電極位置に酸化ベリリウムグリーンシー
トの穴開け加工を施し基板焼成、酸化ベリリウム除去
後、Cuペーストを印刷、焼成してCuの最上層パター
ンの形成を行ってもよいことは云うまでもない。
【0034】なお本実施例において、未焼結材料として
Al23およびBeOを用いたが、その他MgO,Zr
2,TiO2,BNを用いても同様の効果が得られた。
【0035】
【発明の効果】本発明は前記のような工程を行うことに
よって、焼成時において厚み方向だけ収縮し、平面方向
には収縮しない多層ガラス・セラミック基板において、
基板表面の電極パターンの平滑性、電気抵抗、半田塗れ
性を向上させ、またビア電極の電気抵抗を低減したセラ
ミック基板が得られる。これにより基板と同時焼成して
形成した最上層電極上への電子部品の実装が容易にな
り、部品実装の信頼性も向上する。また、最上層電極パ
ターンを基板焼成後に形成する場合においては、ビア電
極の電気抵抗が低いため、最上層電極パターンとの電気
的接続の信頼性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のグリーンシート積層体の断
面図
【符号の説明】
1 ガラス・セラミックグリーンシート層 2 内部電極層 3 ビア電極 4 アルミナグリーンシート層 5 加工穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 祐伯 聖 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 三浦 和裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中村 嘉文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−17392(JP,A) 特開 昭61−26293(JP,A) 特開 平4−28294(JP,A) 特開 平5−102666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/46

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体ペースト組成物で電極パターンを形成
    した少なくとも有機バインダ、可塑剤を含むガラス・セ
    ラミックよりなるグリーンシートを所望枚数積層した
    後、所望の位置に穴開け加工を施した焼成温度では焼結
    しない無機組成物よりなるグリーンシートを前記ガラス
    ・セラミック積層体の両面、もしくは片面に積層した
    後、焼成処理を行い、その後前記焼結しない無機組成物
    を取り除くことを特徴とする多層セラミック基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】焼成温度では焼結しない無機組成物よりな
    るグリーンシートに加工された穴が、ガラス・セラミッ
    ク積層体表面に形成された電極パターン上に位置するこ
    とを特徴とする請求項1記載の多層セラミック基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】焼成温度では焼結しない無機組成物よりな
    るグリーンシートに加工する穴の形状が、ガラス・セラ
    ミック積層体表面に形成された電極パターンと同形状で
    あることを特徴とする請求項2記載の多層セラミック基
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】焼成温度では焼結しない無機組成物よりな
    るグリーンシートに加工する1個の穴の大きさが0.0
    1mm2〜25mm2であることを特徴とする請求項2記
    載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】焼成温度を800℃〜1000℃の範囲で
    行うことを特徴とする請求項1記載の多層セラミック基
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】焼成処理で焼結しない無機組成物よりなる
    グリーンシートが、Al23,MgO,ZrO2,Ti
    2,BeO,BN,の内少なくとも1種以上を含むグ
    リーンシートからなることを特徴とする請求項1記載の
    多層セラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】焼成処理で焼結しない無機組成物を超音波
    洗浄法で取り除くことを特徴とする請求項1記載の多層
    セラミック基板の製造方法。
  8. 【請求項8】導体ペーストがAg,Ag/Pd,Ag/
    Pt,Cuのいずれかを主成分とすることを特徴とする
    請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 【請求項9】焼成処理時にグリーンシート積層体を加圧
    して焼成を行うことを特徴とする請求項1記載の多層セ
    ラミック基板の製造方法。
  10. 【請求項10】酸化第2銅を主成分とする導体ペースト
    組成物で電極パターンを形成した少なくとも有機バイン
    ダ、可塑剤を含むガラス・セラミックよりなるグリーン
    シートを所望枚数積層した後、所望の位置に穴開け加工
    を施した焼成温度では焼結しない無機組成物よりなるグ
    リーンシートを前記ガラス・セラミック積層体の両面、
    もしくは片面に積層した後、これらを空気中で多層体内
    部の有機バインダが分解・飛散する温度で熱処理し、し
    かる後、水素もしくは水素と窒素の混合ガス雰囲気中で
    還元熱処理を行い、さらに、前記還元熱処理済み多層体
    を窒素雰囲気中で焼結させ、しかる後、焼結しない無機
    組成物を取り除くことを特徴とする多層セラミック基板
    の製造方法。
  11. 【請求項11】焼成温度では焼結しない無機組成物より
    なるグリーンシートに加工された穴が、ガラス・セラミ
    ック積層体表面に形成された電極パターン上に位置する
    ことを特徴とする請求項10記載の多層セラミック基板
    の製造方法。
  12. 【請求項12】焼成温度では焼結しない無機組成物より
    なるグリーンシートに加工する穴の形状が、ガラス・セ
    ラミック積層体表面に形成された電極パターンと同形状
    であることを特徴とする請求項11記載の多層セラミッ
    ク基板の製造方法。
  13. 【請求項13】焼成温度では焼結しない無機組成物より
    なるグリーンシートに加工する1個の穴の大きさが0.
    01mm2〜25mm2であることを特徴とする請求項1
    1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  14. 【請求項14】焼成処理で焼結しない無機組成物を取り
    除いた後、さらに最上層部にCuペーストで配線パター
    ンを形成し、窒素雰囲気中で焼成することを特徴とする
    請求項10記載の多層セラミック基板の製造方法。
  15. 【請求項15】焼成処理を800℃〜1000℃の範囲
    で行うことを特徴とする請求項10記載の多層セラミッ
    ク基板の製造方法。
  16. 【請求項16】焼成処理では焼結しない無機組成物グリ
    ーンシートが、Al23,MgO,ZrO2,TiO2
    BeO,BN,の内少なくとも1種以上を含むグリーン
    シートからなることを特徴とする請求項10記載の多層
    セラミック基板の製造方法。
  17. 【請求項17】焼成処理で焼結しない無機組成物を超音
    波洗浄法で取り除くことを特徴とする請求項10記載の
    多層セラミック基板の製造方法。
  18. 【請求項18】焼成処理時にグリーンシート積層体を加
    圧して焼成を行うことを特徴とする請求項10記載の多
    層セラミック基板の製造方法。
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