JP2001283862A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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Abstract
充填密度の増大とを図りつつ、負極芯体から負極活物質
が剥がれるのを抑制して、電池製造時の歩留りの低下を
抑えることができる非水電解質電池の提供を目的として
いる。 【解決手段】 銅箔から成る負極芯体の表面に、充填密
度が1.65g/ml以上の負極活物質を含む負極活物
質層が形成された負極と、正極と、非水電解質とを有す
る非水電解質電池であって、上記銅箔から成る負極芯体
の伸び率が5.0%以上であることを特徴とする。
Description
芯体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成され
た負極と、正極と、これら正負極間に介在するセパレー
タと、非水電解質とを有する非水電解質電池に関するも
のである。
移金属酸化物等を正極活物質とする一方、金属リチウム
又はリチウムイオンを吸蔵、放出し得る合金、酸化物又
は黒鉛、コークス等の炭素材料を負極活物質とする非水
電解液二次電池が、高容量化が可能な電池として注目さ
れている。
ムを主体とする材料を用いた場合には、充放電により樹
枝状のリチウムが析出(デンドライトが発生)し、電池
内で短絡するおそれがあるのに対して、炭素材料を負極
材料として用いると、このような欠点を解消することが
できるという利点がある。
する場合には、先ず、炭素材料と結着剤等とを混合して
スラリーを調製した後、このスラリーを銅箔から成る負
極芯体に塗着し、更に、これを乾燥する。最後に、負極
活物質の充填密度を上げるべく、上記のようにして作製
した極板を、ローラープレス等によって圧延するという
ものである。
〜1.4g/ml程度であれば、圧延時における負極活
物質の負極芯体幅方向への伸びが微小なので、銅箔から
成る負極芯体の伸びが不十分であっても、負極芯体と負
極活物質との密着性の低下は見られない。しかしなが
ら、負極活物質の充填密度が1.65g/mlを超える
ような場合には、活物質は負極芯体の幅方向に大きく伸
びるのに対して、銅箔から成る負極芯体の伸びが微小で
あるため、負極芯体と負極活物質との密着性が低下す
る。この結果、負極芯体から負極活物質が剥がれ易くな
って、電池製造時の歩留りが低下するという課題を有し
ていた。
を向上すべく、負極作製時に結着剤量を増加させるよう
な方法も考えられるが、これでは、電池の諸特性が低下
すると共に、電池の高容量化に不可欠な負極活物質の充
填密度の増大を図ることができないという課題を有す
る。
題を考慮したものであって、電池の諸特性の低下の抑制
と、負極活物質の充填密度の増大とを図りつつ、負極芯
体から負極活物質が剥がれるのを抑制して、電池製造時
の歩留りの低下を抑えることができる非水電解質電池の
提供を目的としている。
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、銅箔から成
る負極芯体の表面に、充填密度が1.65g/ml以上
の負極活物質を含む負極活物質層が形成された負極と、
正極と、非水電解質とを有する非水電解質電池であっ
て、上記銅箔から成る負極芯体の伸び率が5.0%以上
であることを特徴とする。
65g/ml以上の負極を用いた場合であっても、銅箔
から成る負極芯体の伸び率が5.0%以上であれば、圧
延時に、銅箔と負極活物質層とを同程度に伸ばすことが
できるので、銅箔と負極活物質層との界面におけるスト
レスが減少し、負極芯体と負極活物質との密着性が低下
するのを防止できる。この結果、負極芯体から負極活物
質が剥がれ難くなって、電池製造時の歩留りが向上す
る。
着剤量を増加させることが不要となるので、電池の諸特
性が低下することもなく、且つ容易に電池の高容量化を
達成することができる。
載の発明において、前記負極活物質が炭素材料から成る
ことを特徴とする。
用いた場合には、炭素材料は一般にプレスされ易いとい
うことから、充填密度の高い負極を容易に作製すること
ができる。
は2記載の発明において、前記銅箔として、銅水溶液槽
から電気分解によって銅を析出して製箔する電解銅箔を
用いることを特徴とする。
を5.0%以上とすることができ、しかも、銅箔として
電解銅箔を用いれば、同等の伸び率を有する圧延銅箔
(熱処理して伸び率を電解銅箔と同等まで増加させたア
ニール圧延銅箔)に比べて、負極芯体と負極活物質との
密着性が向上する。
は2記載の発明において、前記銅箔として、電解銅箔を
熱処理して負極芯体の伸び率が8.0%以上となったも
のを用いることを特徴とする。
極芯体の伸び率が8.0%以上となった電解銅箔を用い
れば、負極芯体と負極活物質との密着性がより一層向上
する。
は2記載の発明において、前記銅箔として、圧延銅箔を
熱処理したものを用いることを特徴とする。
び率を5.0%以上とすることができる。
としてのLiCoO2 (平均粒径:5μm)と、導電剤
としての人造黒鉛とを、重量比で9:1の割合で混合し
て正極合剤を作製した。次に、この正極合剤に、結着剤
としてのポリフッ化ビニリデンを5重量%と、溶剤とし
てのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混
合してスラリーを調製した後、このスラリーを正極芯体
としてのアルミニウム箔の両面にドクターブレード法に
より塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定
の厚みにまで圧縮した後、150℃で2時間真空乾燥さ
せて、正極を作製した。 (負極の作製)先ず、塊状黒鉛(Lc値:1000Å以
上、d(002) 値:3.378Å、平均粒径:18μm)
と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)のディスパージョン(固形分:48%)とを水に分
散させ、更に、増粘剤であるカルボキシメチルセルロー
ス(CMC)を添加して、スラリーを調製した。尚、上
記塊状黒鉛と、SBRと、CMCとの混合割合は、負極
乾燥後の重量比が、塊状黒鉛:SBR:CMC=10
0:3:2となるように混合した。この後、上記スラリ
ーを負極芯体としての銅箔(厚み:10μm)の両面に
ドクターブレード法により塗布した(厚みは各面100
μmである)。ここで、上記負極芯体としての銅箔は、
銅水溶液槽から電気分解によって銅を析出して製箔する
電解銅箔を120℃で12時間熱処理して、伸び率が1
2.5%となったものを用いた。その後、溶剤を乾燥
し、ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、110℃
で2時間真空乾燥させて、負極(活物質の充填密度:
1.70g/cc)を作製した。 (電解液の調製)電解液としては、EC(エチレンカー
ボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とが体積
比で50:50の割合で混合された混合溶媒に、LiP
F6 が1M(モル/リットル)の割合で溶解された非水
電解液を用いた。 (電池の作製)上記正極と負極とをポリプロピレン製の
微多孔膜から成るセパレータを介して巻回して発電要素
を作製した後、この発電要素を有底筒状の外装缶内に挿
入した。最後に、上記電解液を外装缶内に注入した後、
封口板を外装缶の開口部に取り付けることにより、18
650型円筒形電池を作製した。
しては、上記実施の形態に示す条件に限定するものでは
なく、110〜130℃で10〜15時間であれば良
い。
ではなく、アニール圧延銅箔(圧延銅箔を熱処理して伸
び率を増加させたもの)であっても良いが、負極芯体と
負極活物質との密着性を向上させるには、電解銅箔を用
いるのが望ましい。尚、圧延銅箔を用いた場合の熱処理
温度及び時間としては、145〜155℃で25〜35
分間であれば良い。
μmに限定するものではなく、5〜20μmであれば、
上記と同等の効果がある。
O2 に限定されるものではなく、その他のリチウム含有
金属複合酸化物(金属として、Co、Mn、Ni、V、
Nbから選択される少なくとも1種を用いる)等を用い
ることが可能である。
に限らず、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノン、スル
ホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスル
ホラン、3−メチル1,3−オキサゾリジン−2−オ
ン、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチル
プロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エ
チルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネー
ト、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メトルテトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等
の単体、或いは2成分及び3成分混合物であっても良
い。
限らず、LiBF4 、LiCF3 SO3 、LiAs
F6 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiClO4 等であ
っても良い。
するものではなく、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エス
テル、或いは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボ
ン酸を使用することもできる。
に示す方法と同様の方法にて作製した電池を用いた。
発明電池Aと称する。 〔比較例1〕負極芯体として、熱処理を施していない圧
延銅箔(伸び率1.2%)を用いる他は、上記実施例1
と同様にして電池を作製した。
較電池X1と称する。 〔比較例2、3〕負極活物質の充填密度を1.40g/
mlとする他は、各々上記実施例1及び比較例1と同様
にして電池を作製した。
れぞれ比較電池X2、X3と称する。 〔実験1〕本発明電池A及び比較電池X1〜X3におい
て、電池組立時の歩留りを調べたので、その結果を表1
に示す。尚、試料数は、各電池120個である。
共に1.40g/mlの比較電池X2と比較電池X3と
を比べた場合には、負極芯体としての銅箔の伸び率が大
きく異なるにも関わらず、両者の歩留りに差異は認めら
れないのに対して、負極活物質の充填密度が共に1.7
0g/mlの本発明電池Aと比較電池X1とを比べた場
合には、本発明電池Aは比較電池X1に比べて歩留りが
格段に向上していることが認められる。したがって、負
極活物質の充填密度が大きい場合に、負極芯体の伸び率
が歩留りに影響していることがわかる。
負極活物質の充填密度と負極活物質と負極芯体との密着
性について、下記実験2及び実験3でより詳しく調べ
た。 〔実験2〕電解銅箔を熱処理したものであって、伸び率
が12.5%の負極芯体(上記本発明電池Aと同様の負
極芯体)、圧延銅箔を熱処理していないものであって、
伸び率が1.2%の負極芯体(上記比較電池X1と同様
の負極芯体)、及び電解銅箔を熱処理していないもので
あって、伸び率が5.2%の負極芯体を用いて、負極活
物質の充填密度を変化させつつ、負極を作製し、各負極
の密着強度を調べたので、その結果を図1に示す。尚、
負極の密着強度の測定方法は、1cm2 の両面テープを
各負極に貼り付け、負極平面に対して垂直方向に引き上
げるときの荷重を調べることにより行い、また、図1に
おいては、負極活物質の充填密度が1.35g/mlの
ときの荷重を100%として示している。
填密度が1.65g/ml未満では、いずれの負極芯体
を用いた場合であっても密着強度に殆ど変わりはない
が、負極活物質の充填密度が1.65g/ml以上で
は、伸び率が5.2%と12.5%の負極芯体を用いた
ものは、伸び率が1.2%の負極芯体を用いたものに比
べて密着強度が大きくなり、特に、伸び率が12.5%
の負極芯体を用いたものは密着強度が格段に大きくなっ
ていることが認められる。尚、グラフには示していない
が、伸び率が5.0%以上の負極芯体を用いれば密着強
度が大きくなり、特に、伸び率が8.0%の負極芯体を
用いたものは密着強度が格段に大きくなることを実験に
より確認している。
伸び率が5.0%以上の負極芯体を用いることが必要と
なり、特に、伸び率が8.0%の負極芯体を用いるのが
望ましいことがわかる。 〔実験3〕電解銅箔を熱処理していないものであって、
伸び率が5.2%の負極芯体、及び圧延銅箔を熱処理し
たものであって、伸び率が5.6%の負極芯体を用い
て、負極活物質の充填密度を変化させつつ、負極を作製
し、各負極の密着強度を調べたので、その結果を図2に
示す。尚、負極の密着強度の測定方法は、上記実験2と
同様の方法で行い、また、図2においては、負極活物質
の充填密度が1.35g/mlのときの荷重を100%
として示している。
填密度が1.65g/ml未満では、いずれの負極芯体
を用いた場合であっても密着強度に殆ど変わりはない
が、負極活物質の充填密度が1.65g/ml以上で
は、電解銅箔を熱処理していない負極芯体の方が、圧延
銅箔を熱処理した負極芯体よりも伸び率が低いにも関わ
らず、密着強度が大きくなっていることが認められる。
電解銅箔を用いるのが望ましいことがわかる。
銅箔と負極活物質層とを同程度に伸ばすことができるの
で、銅箔と負極活物質層との界面におけるストレスが減
少し、負極芯体と負極活物質との密着性が低下するのを
防止できる。この結果、負極芯体から負極活物質が剥が
れ難くなって、電池製造時の歩留りが向上する。
ことが不要となるので、電池の諸特性が低下することも
なく、且つ負極活物質の充填密度を高くすることができ
るので、電池の高容量化を達成することができるという
優れた効果を奏する。
すグラフ。
すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】 銅箔から成る負極芯体の表面に、充填密
度が1.65g/ml以上の負極活物質を含む負極活物
質層が形成された負極と、正極と、非水電解質とを有す
る非水電解質電池であって、 上記銅箔から成る負極芯体の伸び率が5.0%以上であ
ることを特徴とする非水電解質電池。 - 【請求項2】 前記負極活物質が炭素材料から成る、請
求項1記載の非水電解質電池。 - 【請求項3】 前記銅箔として、銅水溶液槽から電気分
解によって銅を析出して製箔する電解銅箔を用いる、請
求項1又は2記載の非水電解質電池。 - 【請求項4】 前記銅箔として、電解銅箔を熱処理して
負極芯体の伸び率が8.0%以上となったものを用い
る、請求項1又は2記載の非水電解質電池。 - 【請求項5】 前記銅箔として、圧延銅箔を熱処理した
ものを用いる、請求項1又は2記載の非水電解質電池。
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