JP2001281435A - カラーフィルター基板の製造方法、カラーフィルター基板、液晶装置及び電子機器 - Google Patents

カラーフィルター基板の製造方法、カラーフィルター基板、液晶装置及び電子機器

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JP2001281435A
JP2001281435A JP2000095412A JP2000095412A JP2001281435A JP 2001281435 A JP2001281435 A JP 2001281435A JP 2000095412 A JP2000095412 A JP 2000095412A JP 2000095412 A JP2000095412 A JP 2000095412A JP 2001281435 A JP2001281435 A JP 2001281435A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明電極の保護膜への密着性を向上し、保護
膜上と基板本体上に形成された透明導電膜のエッチング
差を低減することを可能にし、配向膜の配向不良を防止
することができ、透明電極の耐引っ掻き性を向上するこ
とができるカラーフィルター基板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 基板本体11A上にカラーフィルター層
15、保護膜16を形成した後、プラズマアッシングを
行うことにより、基板本体11A上のレジストの残査の
除去行う。次に、低パワーのスパッタリング法により、
基板本体11A上に、第一透明導電膜18Aを形成す
る。次に、イオンプレーティング法により第一透明導電
膜18A上に、第二透明導電膜18Bを形成する。最後
に、第一透明導電膜18A、第二透明導電膜18Bを所
定のパターンに加工することにより透明電極18を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
基板の製造方法、カラーフィルター基板、液晶装置及び
電子機器に係り、特に、膜質の異なる第一透明導電膜と
第二透明導電膜の2層構造からなる透明電極を形成する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図16に、スイッチング素子としてTF
D(Thin Film Diode)素子を用いた従来の液晶(表
示)装置100の概略断面構造を示し、この液晶装置の
構造を説明する。また、図17に、この液晶装置100
の部分構造を示す。図16は図17に示す液晶装置をA
10−A10’方向に切断したときの断面図を示してい
る。図16、図17において、各層や各部材を図面上で
認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材の縮
尺は実際のものとは異なるように表している。
【0003】図16に示すように、液晶装置100おい
て、カラーフィルター層105などを備えた、カラーフ
ィルター基板(下側基板)101と、後述するTFD素
子110などを備えた素子基板(上側基板)102とが
それぞれの基板の周縁部においてシール材104を介し
て所定間隔で貼着され、カラーフィルター基板101、
素子基板102間に液晶層103が挟持されている。
【0004】カラーフィルター基板101は、ガラス等
からなる基板本体101Aと、その上に順次積層形成さ
れたカラーフィルター層105、保護膜106、絶縁膜
107、透明電極108、配向膜112を主体として構
成されている。また、素子基板102は、ガラス等から
なる基板本体102と、その下面側(液晶層103側)
に積層形成された画素電極109、TFD素子110、
配向膜113を主体として構成されている。
【0005】図16、図17に示すように、基板本体1
01A上には、カラー画素105a及び遮光層(ブラッ
クマトリックス)105bからなるカラーフィルター層
105が形成されている。カラーフィルター層105上
にはカラーフィルター層105を保護するとともに、カ
ラーフィルター層105を平坦化するための有機膜から
なる保護膜106が形成され、保護膜106上には、酸
化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)からなる絶縁膜107
が形成され、絶縁膜107上にはインジウム錫酸化物な
どの透明導電材料からなり、走査線となる複数の透明電
極108が各々短冊状に形成されている。図17におい
ては、簡略化のため、保護膜106、絶縁膜107を省
略している。
【0006】また、基板本体102Aのカラーフィルタ
ー基板101と対向する表面上には、各画素に対応する
位置にインジウム錫酸化物などの透明導電材料からなる
画素電極109がマトリクス状に配置され、これらの画
素電極109を駆動するためのTFD素子110が各画
素電極109毎に配置されている。また、素子基板10
2のカラーフィルター基板101と対向する表面上に
は、基板本体101A上に配置される透明電極108と
交差する方向に複数の信号線111が設けられ、各TF
D素子110が信号線111に接続されている。
【0007】図16に示すように、透明電極108の液
晶層103側、画素電極109の液晶層103側には液
晶を配向するためのポリイミドなどからなる配向膜11
2、113が形成されている。配向膜112、113間
には液晶セルのセルギャップを均一にするための二酸化
珪素、ポリスチレンなどから形成される多数の球状のス
ペーサー114が配置されている。図17においては簡
略化のため、配向膜112、113、スペーサー114
は省略している。また、実際の液晶装置において、カラ
ーフィルター基板101、素子基板102の外側には位
相差板、偏光板などの光学素子が設置されているが、図
面上では省略している。
【0008】この構造の液晶装置100においては、表
示領域に対応してカラーフィルター層105が形成され
ている。カラーフィルター層105の端縁部を205と
すると、保護膜106の端縁部206はカラーフィルタ
ー層105の端縁部205とシール材104の内周部2
04との間に位置されている。絶縁膜107は基板本体
101A上の全面に形成されている。さらに、透明電極
108の一方の端部はシール材104の外側まで延出形
成され、図面では省略している外部接続用端子部に接続
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図18に、上記のカラ
ーフィルター基板101の周縁部を拡大した概略平面構
造を示す。図18に示すように、透明電極108が保護
膜106の端縁部206の外側の領域の一部分から細く
形成され、引回し配線とされ、図面では省略している外
部接続用端子部に接続されている。
【0010】また、配向膜112の端縁部212の外側
の領域において、透明電極108が形成されていない領
域では、絶縁膜107が一番上の層とされているので、
この領域を図18に符号202で示した。
【0011】配向膜112は、ポリイミドなどの配向性
高分子膜を成膜後、レーヨンなどのラビング布を巻き付
けたラビングローラーで擦る(ラビングする)ことによ
り形成されるが、この配向膜112の形成工程におい
て、絶縁膜107が一番上の層となっている領域202
もラビングローラーにより擦られることになるので、絶
縁膜107上に、ラビング布の繊維くずや配向性高分子
膜の削りかすが付着する恐れがある。このようなことが
生じると、配向膜112を形成した後の洗浄工程におい
て、領域202、すなわち配向膜112の外側の領域に
付着した付着物が、洗浄液の流れに沿って表示領域内の
配向膜112上に移動し、洗浄を行っても配向膜112
上に移動した付着物が完全には取りきれず、配向膜11
2上に残された付着物の残査が配向不良を引き起こす恐
れがある。
【0012】この配向不良の問題は、従来、配向膜11
2を基板本体101A上の全面に形成することにより回
避することができると考えられるが、配向膜112をシ
ール材104の形成領域にも形成した場合、シール材1
04のカラーフィルター基板101に対する密着性が低
下し、液晶セルの外部から水分などの異物が液晶セル内
に混入する恐れが生じやすく、品質が悪化するという恐
れがある。そのため、本発明者は、図16に示すよう
に、配向膜112をシール材104の内周部204より
も内側に形成することが望ましいと考えている。
【0013】配向膜112をシール材104の内周部2
04より内側にのみ形成した場合において、本発明者が
検討を行ったところ、配向不良の問題は保護膜106と
透明電極108との間に絶縁膜107を形成していない
場合には生じにくいことが判明した。
【0014】しかしながら、従来、透明電極108は高
周波(RF(Radio Frequency))電源とDC(Direct Cu
rrent)電源の両方を用い、高パワーのスパッタリング
法により形成されているが、絶縁膜107を形成せず
に、保護膜106上に直接、透明電極108を形成した
場合には、保護膜106と透明電極108との密着性が
悪いことが判明した。
【0015】また、絶縁膜107を形成せずに、保護膜
106上に直接、透明電極108を形成した場合、保護
膜106の端縁部206の外側において、カラーフィル
ター層105、保護膜106、絶縁膜107が形成され
ないため、ガラス等からなる基板本体101A上に直
接、透明電極108が形成されることになる。
【0016】保護膜106上に直接透明電極108を形
成する場合、インジウム錫酸化物などからなる透明導電
膜を形成した後、所定のパターンにエッチングする工程
において、保護膜106と透明導電膜との密着性が悪い
ため、有機膜である保護膜106上に形成された透明導
電膜の方が、無機材料のガラス等からなる基板本体10
1A上に形成された透明導電膜よりもエッチングされや
すくなり、保護膜106上の透明導電膜がオーバーエッ
チングされてパターンの形成精度が低下する恐れがある
ことが判明した。
【0017】また、上記の液晶装置100において、カ
ラーフィルター層105、保護膜106を形成する工程
において、感光性ポリマーのレジストを用い、レジスト
の露光、現像を行うことにより、カラーフィルター層1
05、保護膜106を所定のパターンに加工している
が、現像工程において除去しきれなかったレジストの残
査が、保護膜106の端縁部206より外側の領域に残
留する恐れがあった。
【0018】図19に、カラーフィルター基板101
の、保護膜106の端縁部206の近傍部分を拡大した
概略断面を示す。保護膜106の端縁部206の外側の
領域において、基板本体101Aと絶縁膜107との間
には、0.5〜3nm程度の膜厚のレジストの残査20
1が形成されている。本発明者の研究により、このレジ
ストの残査201が存在すると、このレジストの残査2
01上に形成される絶縁膜107、透明電極108の耐
引っ掻き性が低下し、ガラスや金属などにより機械的な
衝撃を加えると透明電極108が容易に剥離し、透明電
極108のパターン欠損が発生する場合があることが判
明した。また、この問題は絶縁膜107を形成していな
い場合においても同様に発生することが判明した。
【0019】以上の問題は、TFD素子を用いた液晶装
置に限った問題ではなく、カラーフィルター層と透明導
電材料からなる透明電極を具備するカラーフィルター基
板を備えた液晶装置であればいかなる液晶装置において
も生じる問題であり、単純マトリックス型の液晶装置や
TFT(Thin-Film Transistor)素子に代表される3端
子型素子を用いるアクティブマトリックス型の液晶装置
などにおいても生じる問題である。
【0020】そこで、本発明は、保護膜上に直接、イン
ジウム錫酸化物などの透明導電材料からなる透明電極を
形成する場合においても、透明電極の保護膜への密着性
を向上し、保護膜上と基板本体上に形成された透明導電
膜のエッチング差を低減することを可能にし、配向膜の
配向不良を防止することができ、透明電極の耐引っ掻き
性を向上することができるカラーフィルター基板の製造
方法を提供することを目的とする。また、このカラーフ
ィルター基板の製造方法により、インジウム錫酸化物な
どの透明導電材料からなる透明電極の保護膜への密着性
が良好で、配向膜の配向不良を防止でき、透明電極の耐
引っ掻き性を向上させた、信頼性の高いカラーフィルタ
ー基板を提供することを目的とする。
【0021】また、このカラーフィルター基板を備える
ことにより、配向膜の配向不良を防止することができ、
透明電極の耐引っ掻き性を向上でき、信頼性が高く、表
示品質を向上させた液晶装置を提供することを目的とす
る。
【0022】さらに、この液晶装置を備えることによ
り、信頼性が高く、表示品質の優れた電子機器を提供す
ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者が検討を行った結果、保護膜上に形成する透
明電極を第一透明導電膜と、第一透明導電膜上に形成し
た第二透明導電膜の二層構造とし、第一透明導電膜を低
パワーのスパッタリング法により形成し、第二透明導電
膜をイオンプレーティング法により形成することによ
り、透明電極の保護膜への密着性を低下させることな
く、保護膜上と基板本体上に形成された透明導電膜のエ
ッチング差を低減すことができることを見出した。
【0024】この製造方法によれば、保護膜と透明電極
との間に、酸化珪素、窒化珪素あるいはこれらの積層か
らなる絶縁膜を形成する必要がないので、絶縁膜が配向
膜から露出して一番上の層になることに起因する配向膜
の配向不良を防止することができる。
【0025】また、本発明者は、イオンプレーティング
法により得られた第二透明導電膜が、通常のスパッタリ
ング法により形成される透明導電膜とは異なる結晶構造
を有し、表面が平滑化され、比抵抗値の小さいものとな
ることを見出した。
【0026】通常のスパッタリング法により形成される
透明導電膜の比抵抗値は通常1.5×10-6Ω・m程度
であるのに対し、イオンプレーティング法により形成さ
れた第二透明導電膜の比抵抗値は1.0×10-6Ω・m
より小さい値となった。第二透明導電膜の比抵抗値が低
減された結果、配線抵抗に影響を与えることなく第二透
明導電膜の膜厚を薄くすることができるため、透明電極
の光透過率を向上できることを見出した。
【0027】また、本発明者が研究を行った結果、第一
透明導電膜の膜厚が所定の範囲を超えると、第一、第二
透明導電膜を所定のパターンにエッチングする際に、保
護膜の端縁部において、第一、第二透明導電膜には段差
が形成されるが、この段差部分にエッチング液が浸透
し、段差部分の透明電極が浸食されてしまう恐れがある
ことが判明した。本発明者は第一透明導電膜の膜厚が5
0nmより厚くなった場合にこの問題を生じることを見
出し、また、第一透明導電膜の膜厚が10nmより薄い
と均一な膜を形成することができないため、第一透明導
電膜の膜厚は10〜50nmが最適であることを見出し
た。
【0028】また、本発明者は、第一透明導電膜の膜厚
を10〜50nmとすることにより、保護膜上と基板本
体上に形成された透明導電膜のエッチング差も低減され
ることを見出した。さらに、本発明者は第一透明導電膜
の膜厚を30nm以下とすることにより、第一透明導電
膜の膜厚が30nmより厚い場合よりも、保護膜上と基
板本体上に形成された透明導電膜のエッチング差をより
低減できることを見出した。したがって、第一透明導電
膜の膜厚を10〜30nmとすることがより望ましい。
【0029】また、本発明者は、基板本体上にカラーフ
ィルター層と保護膜を形成した後、プラズマアッシング
を行い、基板本体上において保護膜の外側の領域に付着
したレジストの残査を除去してから、第一、第二透明導
電膜を形成することにより、基板本体上に形成された透
明電極の耐引っ掻き性を向上することができることを見
出した。
【0030】また、上記課題を解決するために本発明の
カラーフィルター基板の製造方法は、少なくともカラー
フィルター層、カラーフィルター層を保護する保護膜、
透明導電材料からなる透明電極を具備するカラーフィル
ター基板の製造方法であって、基板本体上に前記カラー
フィルター層と前記保護膜と第一透明導電膜を形成した
後、該第一透明導電膜上にイオンプレーティング法によ
り、前記第一透明導電膜とは膜質の異なる第二透明導電
膜を形成し、前記第一透明導電膜、前記第二透明導電膜
を所定のパターンに加工することにより、前記第一透明
導電膜、前記第二透明導電膜の二層構造からなる前記透
明電極を形成することを特徴とする。
【0031】先に説明したように、この手段において、
前記第一透明導電膜の膜厚を10〜50nmとすること
が望ましい。第一透明導電膜の膜厚を10〜50nmと
することにより、第一透明導電膜を均一に成膜できると
ともに、第一、第二透明導電膜を所定のパターンにエッ
チングする際に、第一、第二透明導電膜の段差部分が浸
食されることを防止することができる。また、第一透明
導電膜の膜厚を10〜50nmとすることにより、保護
膜上と基板本体上に形成された透明導電膜のエッチング
差を低減することができる。
【0032】また、先に説明したように、前記第一透明
導電膜の膜厚を10〜30nmとすることがより望まし
い。第一透明導電膜の膜厚を10〜30nmとすること
により、保護膜上と基板本体上に形成された透明導電膜
のエッチング差をより低減することができる。
【0033】また、先に説明したように、第二透明導電
膜をイオンプレーティング法により成膜することによ
り、第二透明導電膜の比抵抗値を低減することができる
ので、第二透明導電膜を薄く形成することができる。配
線抵抗に影響を与えず、かつ良好な光透過率を有する透
明電極を得るためには、前記第二透明導電膜の膜厚を5
0〜350nmとすることが望ましい。
【0034】また、電力を5〜20W、ガス圧を0.1
〜10Pa、ガス中の酸素分率を5〜20%、成膜速度
を5〜300nm/min、成膜温度を170〜250
℃に設定し、前記第二透明導電膜を形成することが望ま
しく、このように設定することにより、表面が平滑化さ
れ、低抵抗な第二透明導電膜を形成できることを見出し
た。
【0035】また、先に説明したように、前記基板本体
上に前記カラーフィルター層と前記保護膜を形成した
後、プラズマアッシングにより前記基板本体表面の表面
浄化を行ってから、前記第一透明導電膜を形成すること
が望ましい。
【0036】プラズマアッシング処理は、電力を300
〜1kW、ガス圧を0.1〜1Pa、ガス中の酸素分率
を0.5〜5%、処理時間を7〜20分間に設定するこ
とにより、保護膜を損傷することなく、基板本体上にお
いて保護膜の外側の領域に付着したレジストの残査を完
全に除去することができる。基板本体上において保護膜
の外側の領域に付着したレジストの残査の除去を行って
から、第一、第二透明導電膜を形成することにより、基
板本体上に形成された透明電極の耐引っ掻き性を向上す
ることができる。
【0037】また、スパッタリング法により前記第一透
明導電膜を形成することを特徴とし、電力を200〜1
kW、ガス圧を0.1〜1Pa、ガス中の酸素分率を
0.5〜5%、成膜速度を0.5〜20nm/min、
成膜温度を150〜250℃に設定し、前記第一透明導
電膜を形成することを特徴とする。第一透明導電膜を低
パワーのスパッタリング法により形成することにより、
保護膜を損傷することなく、第一透明導電膜を形成でき
るとともに、第一透明導電膜の保護膜への密着性、すな
わち透明電極の保護膜への密着性を向上し、保護膜上と
基板本体上に形成された透明導電膜のエッチング差を低
減することができる。
【0038】以上の手段によれば、透明電極の保護膜へ
の密着性を向上し、保護膜上と基板本体上に形成された
透明導電膜のエッチング差を低減することができ、透明
電極の耐引っ掻き性を向上することができるカラーフィ
ルター基板の製造方法を提供することができる。
【0039】また、この製造方法によれば、保護膜と透
明電極との間に、酸化珪素、窒化珪素あるいはこれらの
積層からなる絶縁膜を形成する必要がないので、絶縁膜
が一番上の層になることに起因する配向膜の配向不良を
防止することができる。
【0040】また、以上のカラーフィルター基板の製造
方法により、少なくともカラーフィルター層、カラーフ
ィルター層を保護する保護膜、透明導電材料からなる透
明電極を具備するカラーフィルター基板において、前記
透明電極が結晶構造の異なる第一透明導電膜と第二透明
導電膜の二層構造からなることを特徴とするカラーフィ
ルター基板を提供することができる。このカラーフィル
ター基板は、配向不良が防止され、透明電極の耐引っ掻
き性が向上された、信頼性が高いものとなる。
【0041】また、このカラーフィルター基板と他方の
基板とがシール材を介して対向配置されるとともに、こ
れら基板間に液晶層が挟持されたことを特徴とする液晶
装置を提供することができる。この液晶装置は、配向膜
の配向不良が防止され、透明電極の耐引っ掻き性が向上
され、信頼性が高く、表示品質が向上されたものとな
る。
【0042】また、この液晶装置を備えることにより、
信頼性が高く、表示品質の優れた電子機器を提供するこ
とができる。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて詳細に説明する。
【0044】第1実施形態 図1に、本発明に係る第1実施形態のカラーフィルター
基板の製造方法により製造されたカラーフィルター基板
を備え、スイッチング素子としてTFD(ThinFilm Dio
de)素子を用いた液晶(表示)装置10の概略断面構造
を示し、この液晶装置の構造を説明する。また、図2
に、この液晶装置10の部分構造を示す。図1は図2に
示す液晶装置をA1−A1’方向に切断したときの断面
図を示している。図1、図2において、各層や各部材を
図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各
部材の縮尺は実際のものとは異ならせている。
【0045】図1に示すように、液晶装置10おいて、
カラーフィルター層15などを備えた、カラーフィルタ
ー基板(下側基板)11と、後述するTFD素子20な
どを備えた素子基板(上側基板)12とがそれぞれの基
板の周縁部においてシール材14を介して所定間隔で貼
着され、カラーフィルター基板11、素子基板12間に
液晶層13が挟持されている。
【0046】本実施形態では、カラーフィルター基板1
1は、ガラス等からなる透明の基板本体11Aと、その
上に順次積層形成された、カラーフィルター層15と保
護膜16と透明電極18と配向膜22とを主体に構成さ
れている。また、素子基板12は、ガラス等の透明の基
板本体12Aと、その下面側(液晶層13側)に積層形
成された画素電極19とTFD素子20と配向膜23と
を主体として構成されている。図1、図2に示すよう
に、基板本体11A上には、少なくとも表示領域に対応
するように、カラー画素15a及び遮光層(ブラックマ
トリックス)15bからなるカラーフィルター層15が
形成されている。カラー画素15aは、着色感材法、染
色法、転写法、印刷法などにより形成され、例えばR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色が所定のパターンで
配列している。また、遮光層15bはカラー画素15a
が形成されない箇所に形成され、クロムなどの金属や、
黒色顔料を分散させたカラーレジストなどから構成され
ている。あるいは、3色分のカラー画素を重ねて、3層
の遮光層としてもよい。
【0047】カラーフィルター層15上にはカラーフィ
ルター層15を保護するとともに、カラーフィルター層
15を平坦化するための有機膜などからなる保護膜16
が形成されている。そして、保護膜16上と保護膜16
の一方の端部から外側の基板本体11Aの端部側の上に
は、走査線となる複数の透明電極18が個々にカラー画
素15a、遮光層15bの上を通過するように、短冊状
に形成されている。図2においては簡略化のため、保護
膜16を省略している。
【0048】図1に示すように、透明電極18はインジ
ウム錫酸化物などの透明導電材料からなる第一透明導電
膜18Aと、第一透明導電膜18A上に形成され、イン
ジウム錫酸化物などの透明導電材料からなる第二透明導
電膜18Bの2層構造からなっている。第一透明導電膜
18Aは低パワーのスパッタリング法により形成され、
第二透明導電膜18Bはイオンプレーティング法により
形成され、異なる膜質からなっている。透明電極18の
詳しい形成方法については後述する。また、透明電極1
8の一方の端部はシール材14の外側の基板本体11A
の端部まで延出形成され、図面上は省略している外部接
続用端子部に接続されている。
【0049】また、基板本体12Aのカラーフィルター
基板11と対向する表面上には、カラーフィルター基板
11の各カラー画素15aに対応する位置にインジウム
錫酸化物などの透明導電材料からなる画素電極19がマ
トリクス状に配置され、これらの画素電極19を駆動す
るためのTFD素子20が各画素電極19毎に配置され
ている。また、基板本体12Aのカラーフィルター基板
11と対向する表面上において、画素電極19、TFD
素子20の間には、カラーフィルター基板11に配置さ
れる透明電極18と交差するように複数の信号線21が
設けられ、各TFD素子20は信号線21に接続されて
いる。なお、図面では省略しているが、信号線21の一
方の端部はシール材14の外側の基板本体12Aの端部
まで延出形成され、外部接続用端子部に接続されてい
る。
【0050】透明電極18の液晶層13側、画素電極1
9の液晶層13側には液晶を配向するためのポリイミド
などからなる配向膜22、23が形成されている。配向
膜22、23間には液晶セルのセルギャップを均一にす
るための二酸化珪素、ポリスチレンなどから形成される
多数の球状のスペーサー24が配置されている。また、
カラーフィルター基板11、素子基板12の外側には位
相差板、偏光板などの光学素子が設置されているが、図
面上は省略している。
【0051】この液晶装置10において、表示領域に対
応させてカラーフィルター層15が形成されているが、
このカラーフィルター層15の端縁部を25とする。ま
た、保護膜16の端縁部26はカラーフィルター層15
の端縁部25とシール材14の内周部29との間に位置
されている。さらに、配向膜22の端縁部27は保護膜
16の端縁部26とシール材14の内周部29との間に
位置されている。
【0052】図3に、カラーフィルター基板11の周縁
部を拡大した概略平面構造を示す。保護膜16の端縁部
26の外側の領域では、透明電極18は基板本体11A
上に直接形成されている。また、透明電極18は保護膜
16の端縁部26の外側の領域の一部分から細く形成さ
れ、引回し配線とされ、図面では省略している外部接続
用端子部に接続されている。
【0053】また、配向膜22の端縁部27の外側の領
域において、透明電極18が形成されていない領域で
は、基板本体11A上には他の特別な膜は形成されてい
ない。
【0054】次に、透明電極18の形成方法について説
明する。図4は、透明電極18を形成する場合に用いて
好適な成膜装置の一例を示すもので、この成膜装置30
は、前処理室31と第1成膜室32と第2成膜室33を
具備して構成されている。
【0055】図4において、符号35は高周波(RF(R
adio Frequency))逆スパッタリング装置、符号36は
DC(Direct Current)スパッタリング装置、符号37
はイオンプレーティング(IP)装置を簡略記載したも
のである。また、符号34A、34B、34Cはヒータ
ーを示している。
【0056】カラーフィルター層15、保護膜16をフ
ォトリソ工程を用いて形成した基板本体11Aは図4に
示すように、図面上は省略している基板ホルダーに固定
された状態で、図示左方向から図示右方向へと搬送さ
れ、前処理室31、第1成膜室32、第2成膜室33を
所定の速度で通過する。
【0057】前処理室31において、基板本体11Aの
前処理を行った後、第1成膜室32において、基板本体
11A上に第一透明導電膜18Aを形成し、次いで、第
2成膜室33において、第一透明導電膜18A上に第二
透明導電膜18Bを形成する。図5(a)〜(d)に、透明電
極18の形成工程を示し、透明電極18の形成方法を詳
細に説明する。
【0058】基板本体11A上にカラーフィルター層1
5、保護膜16をフォトリソ工程を用いて形成した後
に、基板本体11A上において保護膜16の外側の領域
には0.5〜3nm程度の膜厚の感光性ポリマーのレジ
ストの残査が残ってしまうため、前処理室31におい
て、このレジストの残査の除去を行う。レジストの残査
の除去は、プラズマアッシング(イオンクリーニング)
により行われる。このとき、ターゲットを二酸化珪素又
は石英ガラスとし、酸素を含んだアルゴン雰囲気中にお
いて逆スパッタリングを行う。例えば、高周波(RF)
電源を用いた高周波(RF)逆スパッタリング法により
行う。
【0059】このとき、逆スパッタ電力を300〜10
00W、ガス圧を0.1〜1Pa、ガス中の酸素分率を
0.5〜5%、処理時間を7〜20分間に設定し、プラ
ズマアッシングを行うことにより、保護膜16に損傷を
与えることなく、レジストの残査を完全に除去すること
が可能になる。プラズマアッシングにより前処理を終え
た基板本体11Aを図5(a)に示す。
【0060】次に、基板本体11Aを図4に示す第1成
膜室32に搬送し、図5(b)に示すように、基板本体1
1A上に均一に、インジウム錫酸化物などの透明導電材
料からなる第一透明導電膜18Aを形成する。図5(b)
に示すように、第一透明導電膜18Aは、保護膜16の
端縁部26より内側(図示右側)では、保護膜16上に
形成され、保護膜16の端縁部26より外側(図示左
側)では基板本体11A上に直接形成される。
【0061】第一透明導電膜18Aを形成するには、低
パワーのスパッタリング法を採用し、インジウム錫酸化
物などの透明導電材料をターゲットとし、酸素を含んだ
アルゴン雰囲気中においてスパッタリングを行う。例え
ば、DC電源を用いたDCスパッタリング法により行
う。
【0062】このとき、スパッタ電力を200〜100
0W、ガス圧を0.1〜1Pa、ガス中の酸素分率を
0.5〜5%、成膜速度を0.5〜20nm/min、
成膜温度を150〜250℃に設定することにより、保
護膜16を損傷することなく、保護膜16への密着性の
良い第一透明導電膜18Aを形成することができる。
【0063】第一透明導電18Aを形成した後、所定の
パターンにエッチングする際に、保護膜16の端縁部2
6において、第一透明導電膜18Aには段差が形成され
ているが、この段差部分にエッチング液が浸透し、段差
部分が浸食されることを防止するために、第一透明導電
膜18Aの膜厚は50nm以下にすることが望ましい。
また、第一透明導電膜18Aの膜厚が10nmより薄い
と均一な膜を形成することができないため、第一透明導
電膜の膜厚は10〜50nmとすることが望ましい。
【0064】次に、基板本体11Aを図4に示す第2成
膜室33に搬送し、図5(c)に示すように、第一透明導
電膜18A上に均一に、インジウム錫酸化物などの透明
導電材料からなる第二透明導電膜18Bを形成する。
【0065】このとき、電力を5〜20W、ガス圧を
0.1〜10Pa、ガス中の酸素分率を5〜20%、成
膜速度を50〜300nm/min、成膜温度を170
〜250℃に設定し、イオンプレーティング(IP)法
により、第二透明導電膜18Bの成膜を行う。
【0066】イオンプレーティング法により得られた第
二透明導電膜18Bは、通常のスパッタリング法により
形成される透明導電膜とは異なる結晶構造を有し、表面
が平滑化され、比抵抗値の小さいものとなる。通常のス
パッタリング法により形成される透明導電膜の比抵抗値
は通常1.5×10-6Ω・mであるのに対し、本発明の
イオンプレーティング法により形成された第二透明導電
膜の比抵抗値は1.0×10-6Ω・mより小さい値を示
す。
【0067】第二透明導電膜18Bの比抵抗値が低減さ
れた結果、配線抵抗に影響を与えることなく第二透明導
電膜18Bの膜厚を薄くすることができる。配線抵抗に
影響を与えず、かつ良好な光透過率を有する透明電極1
8を得るためには、第二透明導電膜18Bの膜厚を50
〜350nmにすることが望ましい。イオンプレーティ
ング法の詳細な説明は後述する。
【0068】所定のパターンにエッチングされる前の、
第一透明導電膜18Aと第二透明導電膜18Bとからな
る透明導電膜を図5(c)に符号28で示す。
【0069】最後に、図5(d)に示すように、フォトリ
ソグラフィー法における選択的なエッチングにより、第
一透明導電膜18Aと第二透明導電膜18Bとからなる
透明導電膜28を所定のパターンに加工することにより
透明電極18を形成する。
【0070】本実施形態により形成された透明導電膜2
8は保護膜16への密着性が良いため、保護膜16上と
基板本体11A上に形成された透明導電膜のエッチング
差を従来よりも低減することができ、その結果、保護膜
16上に形成された透明導電膜28をオーバーエッチン
グすることなく、良好にエッチングすることができる。
【0071】また、第一透明導電膜18Aの膜厚を10
〜30nmとすることがより望ましく、第一透明導電膜
18Aの膜厚を10〜30nmとすることにより、保護
膜16上と基板本体11A上に形成された透明導電膜2
8のエッチング差をさらに低減することができ、保護膜
16上に形成された透明導電膜28を良好にエッチング
することができる。
【0072】ここで、本発明に適用するイオンプレーテ
ィング法の一例について説明する。以下に、イオンプレ
ーティング法の一例であるHDAP−IP(Highly Den
se Arc Plasma Ion Plating)法について説明する。H
DAP−IP法は圧力勾配型アークプラズマガンからの
大電流放電による高密度プラズマを用い活性化蒸着を行
う方法の一例である。
【0073】図6に、HDAP−IP法による成膜装置
の一例の概略構成を示し、HDAP−IP法による成膜
方法を説明する。図6に示す、HDAP−IP法による
成膜装置40は、プラズマの発生を行うプラズマ発生室
40Aと、基板本体11A上に透明導電材料の蒸着を行
う蒸着室40Bとから構成されている。
【0074】第一透明導電膜18Aが形成された基板本
体11を図示右方向に搬送し、蒸着室40Bにおいて、
第二透明導電膜18Bの蒸着(成膜)を行う。
【0075】プラズマ発生室40Aにおいて、アルゴン
(Ar)ガス雰囲気下、高熱電子放出材料からなる陰極
45Aにより放電を行うアークプラズマガン45により
高密度プラズマを発生させる。アークプラズマガン45
によって発生した高密度プラズマは水平磁場コイル41
により発生した水平磁場H1により図示右方向に導か
れ、蒸着室40B内に導かれる。蒸着室40B内では所
定の濃度の酸素(O2)ガスが供給されている。図6に
おいて、符号42は中間電極を示している。
【0076】蒸着室40B内では図示下方向に垂直磁場
H2がかけられ、この垂直磁場H2に従って図示下方向
に導かれた高密度プラズマにより、蒸着材料43は加熱
され、蒸発する。蒸発した蒸着材料43は図示上方向に
向かい、高密度プラズマの中を通過する際に励起、活性
化され、イオン化される。イオン化された蒸着材料43
が基板本体11A上に蒸着される。図6において、符号
44は放電陽極を示し、プラズマ修正ハースを行うとと
もに連続して蒸着材料を供給する機構が備えられたもの
である。
【0077】本実施形態によれば、基板本体11A上
に、カラーフィルター層15と保護膜16を形成した
後、プラズマアッシングを行い、基板本体11A上にお
いて保護膜16の外側の領域に付着したレジストの残査
を除去することにより、基板本体11A上に形成された
透明電極18の耐引っ掻き性を向上することができるカ
ラーフィルター基板の製造方法を提供することができ
る。
【0078】また、本実施形態によれば、透明電極18
を第一透明導電膜18Aと、第一透明導電膜18A上に
形成した第二透明導電膜18Bの二層構造とし、第一透
明導電膜18Aを低パワーのスパッタリング法により形
成し、第二透明導電膜18Bを先に説明の装置を用いた
イオンプレーティング法により形成することにより、保
護膜16を損傷することなく、保護膜16への密着性の
良い第一透明導電膜18Aを形成することができる。す
なわち、透明電極18の保護膜16への密着性を向上す
ることができるカラーフィルター基板の製造方法を提供
することができる。
【0079】また、本実施形態によれば、保護膜16上
と基板本体11A上に形成された第一透明導電膜18A
と第二透明導電膜18Bとからなる透明導電膜28のエ
ッチング差を低減することができるカラーフィルター基
板の製造方法を提供することができる。
【0080】また、本実施形態によれば、保護膜16を
損傷することなく、第一透明導電膜18を形成すること
ができ、保護膜16上と基板本体11A上に形成された
透明導電膜28のエッチング差を低減することができる
ので、保護膜16と透明電極18との間に、酸化珪素、
窒化珪素あるいはこれらの積層からなる絶縁膜を形成す
る必要がなく、絶縁膜が一番上の層になることに起因す
る配向膜22の配向不良を防止することができるカラー
フィルター基板の製造方法を提供することができる。
【0081】また、本実施形態によれば、イオンプレー
ティング法により第二透明導電膜18Bを形成すること
により、通常のスパッタリング法により形成される透明
導電膜よりも比抵抗値の小さい第二透明導電膜18Bを
形成することができるため、配線抵抗に影響を与えるこ
となく、第二透明導電膜18Bを薄くできるので、透明
電極18の膜厚を薄くすることができ、透明電極18の
光透過率を向上することができるカラーフィルター基板
の製造方法を提供することができる。
【0082】また、イオンプレーティング法により第二
透明導電膜18Bを形成することにより、第二透明導電
膜18Bの表面すなわち透明電極18の表面を平滑化す
ることができる。本実施形態によれば、透明電極18の
表面を平滑化することができるとともに、膜厚を薄くで
きることにより、透明電極18の耐引っ掻き性を向上す
ることができるカラーフィルター基板の製造方法を提供
することができる。
【0083】従って、本実施形態のカラーフィルター基
板の製造方法により製造されたカラーフィルター基板1
1を備えた液晶装置10は、配向膜22の配向不良が防
止され、透明電極18の耐引っ掻き性が向上され、透明
電極18の光透過性が向上され、信頼性が高く、表示品
質が向上されたものとなる。
【0084】第2実施形態 図7に、本発明に係る第2実施形態のカラーフィルター
基板の製造方法により製造されたカラーフィルター基板
を備えた、単純マトリックス型の液晶(表示)装置50
の概略断面構造を示し、この液晶装置の構造を説明す
る。図7において、液晶装置10と同じ構成要素には同
じ参照番号を付している。また、図7において、各層や
各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、
各層や各部材の縮尺は実際のものとは異なるように表し
ている。
【0085】図7に示すように、液晶装置50おいて、
カラーフィルター層15などを備えた、カラーフィルタ
ー基板(下側基板)51と、透明電極59などを備えた
対向基板(上側基板)52とがそれぞれの基板の周縁部
においてシール材14を介して所定間隔で貼着され、カ
ラーフィルター基板51、対向基板52間に液晶層13
が挟持されている。
【0086】カラーフィルター基板51は、ガラス等か
らなる透明の基板本体51Aと、その上に順次形成され
るカラーフィルター層15と保護膜16と透明電極58
と配向膜22とを主体に構成されている。また、対向基
板52は、ガラス等からなる透明の基板本体52Aと、
その下面側(液晶層13側)に順次形成された画素電極
59と配向膜23を主体に構成されている。
【0087】基板本体51A上には、第1実施形態と同
様、カラーフィルター層15と保護膜16が形成されて
いる。保護膜16上と保護膜16の一方の端部から外側
の基板本体51Aの端部側の上には、複数の透明電極5
8がストライプ状に形成されている。透明電極58の液
晶層13側には配向膜22が形成されている。
【0088】基板本体52Aの液晶層13側の表面上に
は、インジウム錫酸化物などの透明導電材料からなる複
数の透明電極59がストライプ状に形成され、透明電極
59の液晶層13側には配向膜23が形成されている。
透明電極58と透明電極59とは互いに交差するように
形成されている。また、配向膜22、23間にはスペー
サー24が配置されている。また、カラーフィルター基
板51、対向基板52の外側には位相差板、偏光板など
の光学素子が設置されているが、図面上は省略してい
る。
【0089】この液晶装置50において、第1実施形態
と同様、少なくとも表示領域に対応するようにカラーフ
ィルター層15が形成されているが、このカラーフィル
ター層15の端縁部を25とする。また、保護膜16の
端縁部26はカラーフィルター層15の端縁部25とシ
ール材14の内周部29との間に位置されている。さら
に、配向膜22の端縁部27は保護膜16の端縁部26
とシール材14の内周部29との間に位置されている。
【0090】透明電極58は、第1実施形態における透
明電極18と同様、インジウム錫酸化物などの透明導電
材料からなる第一透明導電膜58Aと、第一透明導電膜
58A上に形成され、インジウム錫酸化物などの透明導
電材料からなる第二透明導電膜58Bの2層構造からな
っている。第一透明導電膜58Aは低パワーのスパッタ
リング法により形成され、第二透明導電膜58Bはイオ
ンプレーティング法により形成され、異なる膜質からな
っている。また、透明電極58、59の一方の端部はシ
ール材14の外側まで延出形成され、図面上は省略して
いる外部接続用端子部に接続されている。
【0091】次に、透明電極58の形成方法について説
明する。透明電極58の形成方法は第1実施形態におけ
る透明電極18の形成方法と同様である。図8(a)〜(d)
に、透明電極58の形成工程を示し、透明電極58の形
成方法を説明する。
【0092】基板本体51A上にカラーフィルター層1
5と保護膜16を形成した後、第1実施形態と同様、プ
ラズマアッシングを行い、基板本体51A上において保
護膜16の外側の領域に付着したレジストの残査の除去
を行った基板本体51Aを図8(a)に示す。
【0093】次に、図8(b)に示すように、第1実施形
態と同様、低パワーのスパッタリング法により、基板本
体51A上に均一に、インジウム錫酸化物などの透明導
電材料からなる第一透明導電膜58Aを成膜する。
【0094】次に、図8(c)に示すように、第1実施形
態と同様、イオンプレーティング法により、第一透明導
電膜58A上に均一に、インジウム錫酸化物などの透明
導電材料からなる第二透明導電膜58Bを形成する。所
定のパターンにエッチングされる前の、第一透明導電膜
58Aと第二透明導電膜58Bとからなる透明導電膜を
符号68で示す。
【0095】最後に、図8(d)に示すように、フォトリ
ソグラフィー法における選択的なエッチングにより、第
一透明導電膜58Aと第二透明導電膜58Bとからなる
透明導電膜68を所定のパターンに加工することにより
透明電極58を形成する。
【0096】このように、本発明のカラーフィルター基
板の製造方法は、上記単純マトリックス型の液晶装置5
0にも適用することができ、本実施形態によれば、基板
本体51A上にカラーフィルター基板15と保護膜16
とを形成した後、プラズマアッシングを行い、基板本体
51A上において保護膜16の外側の領域に付着したレ
ジストの残査の除去を行うことにより、基板本体51A
上に形成された透明電極58の耐引っ掻き性を向上する
ことができるカラーフィルター基板の製造方法を提供す
ることができる。
【0097】また、本実施形態によれば、透明電極58
を第一透明導電膜58Aと、第一透明導電膜58A上に
形成した第二透明導電膜58Bの二層構造とし、第一透
明導電膜58Aを低パワーのスパッタリング法により形
成し、第二透明導電膜58Bをイオンプレーティング法
により形成することにより、保護膜16を損傷すること
なく、保護膜16への密着性の良い第一透明導電58A
を形成することができる。すなわち、透明電極58の保
護膜16への密着性を向上することができるカラーフィ
ルター基板の製造方法を提供することができる。
【0098】また、本実施形態によれば、保護膜16上
と基板本体51A上に形成された第一透明導電膜58A
と第二透明導電膜58Bとからなる透明導電膜68のエ
ッチング差を低減することができるカラーフィルター基
板の製造方法を提供することができる。
【0099】また、本実施形態によれば、保護膜16を
損傷することなく、第一透明導電膜58Aを形成するこ
とができ、保護膜16上と基板本体51A上に形成され
た透明導電膜68のエッチング差を低減することができ
るので、保護膜16と透明電極58との間に、酸化珪
素、窒化珪素あるいはこれらの積層からなる絶縁膜を形
成する必要がなく、絶縁膜が一番上の層になることに起
因する配向膜22の配向不良を防止することができるカ
ラーフィルター基板の製造方法を提供することができ
る。
【0100】また、本実施形態によれば、イオンプレー
ティング法により第二透明導電膜58Bを形成すること
により、通常のスパッタリング法により形成される透明
導電膜よりも比抵抗値の小さい第二透明導電膜58Bを
形成することができるため、配線抵抗に影響を与えるこ
となく、第二透明導電膜58Bを薄くできるので、透明
電極58の膜厚を薄くすることができ、透明電極58の
光透過率を向上することができるカラーフィルター基板
の製造方法を提供することができる。
【0101】また、イオンプレーティング法により第二
透明導電膜58Bを形成することにより、第二透明導電
膜58Bの表面すなわち透明電極58の表面を平滑化す
ることができる。本実施形態によれば、透明電極58の
表面を平滑化することができるとともに、膜厚を薄くで
きることにより、透明電極58の耐引っ掻き性を向上す
ることができるカラーフィルター基板の製造方法を提供
することができる。
【0102】従って、本実施形態のカラーフィルター基
板の製造方法により製造されたカラーフィルター基板5
1を備えた液晶装置50は、配向膜22の配向不良が防
止され、透明電極58の耐引っ掻き性が向上され、透明
電極58の光透過性が向上され、信頼性が高く、表示品
質が向上されたものとなる。
【0103】なお、第1、第2実施形態では、TFD素
子を用いた液晶装置と単純マトリックス型の液晶装置に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、TFT(Thin-Film Transistor)素子に代表され
る3端子型素子を用いるアクティブマトリックス型の液
晶装置など、カラーフィルター層と透明導電材料からな
る透明電極を具備するカラーフィルター基板を備えた、
いかなる液晶装置にも適用することができる。
【0104】次に、前記の第1、第2実施形態により製
造されたカラーフィルター基板11、51を備えた液晶
装置10又は50のいずれかを備えた電子機器の具体例
について説明する。
【0105】図9(a)は携帯電話の一例を示した斜視図
である。図9(a)において、300は携帯電話本体を示
し、301は前記の液晶装置10又は50のいずれかを
備えた液晶表示部を示している。
【0106】図9(b)はワープロ、パソコンなどの携帯
型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図9(b)
において、400は情報処理装置、401はキーボード
などの入力部、403は情報処理本体、402は前記の
液晶装置10又は50のいずれかを備えた液晶表示部を
示している。
【0107】図9(c)は腕時計型電子機器の一例を示し
た斜視図である。図9(c)において、500は時計本体
を示し、501は前記の液晶装置10又は50のいずれ
かを備えた液晶表示部を示している。
【0108】図10は、前記の液晶装置10又は50の
いずれかを光変調装置として用いた投射型表示装置の要
部を示す概略構成図である。図10において、610は
光源、613、614はダイクロイックミラー、61
5、616、617は反射ミラー、618は入射レン
ズ、619はリレーレンズ、620は出射レンズ、62
2、623、624は液晶光変調装置、625はクロス
ダイクロイックプリズム、626は投写レンズを示す。
光源610はメタルハライド等のランプ611とランプ
の光を反射するリフレクタ612とからなる。青色光、
緑色光反射のダイクロイックミラー613は、光源61
0からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青
色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラ
ー617で反射されて、赤色光用液晶光変調装置622
に入射される。一方、ダイクロイックミラー613で反
射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイッ
クミラー614によって反射され、緑色光用液晶光変調
装置623に入射される。一方、青色光は第2のダイク
ロイックミラー614も透過する。青色光に対しては、
長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ618、
リレーレンズ619、出射レンズ620を含むリレーレ
ンズ系からなる導光手段621が設けられ、これを介し
て青色光が青色光用液晶光変調装置624に入射され
る。各光変調装置により変調された3つの色光はクロス
ダイクロイックプリズム625に入射する。このプリズ
ムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤
光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層
膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜
によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光
が形成される。合成された光は、投写光学系である投写
レンズ626によってスクリーン627上に投写され、
画像が拡大されて表示される。
【0109】図9(a)〜(c)、図10に示すそれぞれの電
子機器は、前記の液晶装置10又は50のいずれかを備
えたものであるので、信頼性が高く、表示品質の優れた
ものとなる。
【0110】
【実施例】(実施例1)酸素を含んだアルゴンガス雰囲
気中において、逆スパッタ電力を500W、ガス圧を
6.65×10-1Pa、ガス中の酸素分率を1%に設定
し、処理時間を0〜10分の範囲の種々の処理時間で、
カラーフィルター層と保護膜とを形成したガラスからな
る基板本体のプラズマアッシングを行った。プラズマア
ッシングはRF逆スパッタリング法により行った。
【0111】次に、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気中
において、スパッタ電力を300W、ガス流量を3×1
-43/min、ガス中の酸素分率を1%に設定し、
DCスパッタリング法により、インジウム錫酸化物から
なる第一透明導電膜を形成した。第一透明導電膜の膜厚
は10nmとした。
【0112】その後、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気
中において、電流を150A、電圧を70V、ガス流量
を6.80×10-43/min、ガス中の酸素分率を
11.8%に設定し、HDAP−IP法により、インジ
ウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を形成した。第二
透明導電膜の膜厚は140nmとした。
【0113】いずれの工程においても基板本体の搬送速
度は6×10-1m/minとした。
【0114】第一透明導電膜、第二透明導電膜を形成し
た後、第一、第二透明導電膜を所定のパターンにエッチ
ングし、透明電極を形成した。
【0115】形成された透明電極をナイフカッターで引
っ掻き、透明電極のパターン欠損の有無を検査した結果
を表1に示す。表1において、パターン欠損が発生した
場合を×、やや発生した場合を△、発生しなかった場合
を○で示している。
【0116】
【表1】
【0117】表1に示すように、プラズマアッシングを
7分間以上行うことにより、レジストの残査を完全除去
することができたため、透明電極の耐引っ掻き性が向上
され、パターン欠損が発生しなかった。
【0118】また、20分以上処理することにより、保
護膜の損傷が見受けられたため、プラズマアッシングの
処理時間は7〜20分で行うことが望ましい。
【0119】(実施例2)図11に、130〜350℃
の範囲の種々の成膜温度で、HDAP−IP法により、
インジウム錫酸化物からなる第二透明導電膜の成膜を行
った時に、得られた第二透明導電膜の比抵抗値を示す。
図11は、放電電流が150Aのときに得られたデータ
である。
【0120】図11に示すように、成膜温度の上昇とと
もに、得られる第二透明導電膜の比抵抗値は減少してい
るが、成膜温度が170℃のところで、急激に比抵抗値
が下がっている。したがって、成膜温度を170℃以上
(170〜350℃)にすることにより比抵抗値の低い
第二透明導電膜を形成することができることが示唆され
た。
【0121】(実施例3)図12(a)に、HDAP−I
P法により形成されたインジウム錫酸化物膜(透明導電
膜)のX線回折測定のデータを示す。比較のために、図
12(b)に、スパッタリング法により形成されたインジ
ウム錫酸化物膜(透明導電膜)のX線回折測定のデータ
を示す。
【0122】スパッタリング法により形成されたインジ
ウム錫酸化物膜は、図12(b)に示すように、(21
1)、(222)、(400)、(440)、(62
2)の大きなピークが現れているのに対し、HDAP−
IP法により形成されたインジウム錫酸化物膜は、図1
2(a)に示すように、(222)、(440)の大きな
ピークが現れている。このことから、HDAP−IP法
により形成されたインジウム錫酸化物膜は、スパッタリ
ング法により形成されたインジウム錫酸化物膜より結晶
面が少ないことが示唆される。
【0123】また、HDAP−IP法により形成された
インジウム錫酸化物膜(透明導電膜)の表面粗さのデー
タを表2に示す。比較のために、スパッタリング法によ
り形成されたインジウム錫酸化物膜(透明導電膜)の表
面粗さのデータも表2に示す。表面粗さの指標であるR
z値はJIS B 0601による表面粗さの測定方法
により測定されたデータ10点の平均値を示している。
【0124】
【表2】
【0125】表2に示すように、HDAP−IP法によ
り形成されたインジウム錫酸化物膜は、スパッタリング
法により形成されたインジウム錫酸化物膜より表面粗さ
の指標であるRz値が小さい値を示し、表面が平滑なも
のとなっている。
【0126】このことは、HDAP−IP法により形成
されたインジウム錫酸化物膜が、スパッタリング法によ
り形成されたインジウム錫酸化物膜より結晶面が少ない
ため、隣接する異なる結晶表面間に形成される段差が少
ないためと考えられる。
【0127】(実施例4)酸素を含んだアルゴンガス雰
囲気中において、逆スパッタ電力を300W、ガス圧を
6.65×10-1Pa、ガス中の酸素分率を1%、処理
時間を10分に設定し、カラーフィルター層と保護膜を
形成したガラスからなる基板本体のプラズマアッシング
を行った。プラズマアッシングはRF逆スパッタリング
法により行った。
【0128】次に、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気中
において、スパッタ電力を300W、ガス流量を3×1
-43/min、ガス中の酸素分率1%、成膜温度を
160℃に設定し、DCスパッタリング法により、イン
ジウム錫酸化物からなる第一透明導電膜を形成した。
【0129】その後、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気
中において、電流を150A、電圧を70V、ガス流量
を6.80×10-43/min、ガス中の酸素分率を
11.8%に設定し、HDAP−IP法により、インジ
ウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を形成した。
【0130】いずれの工程においても、基板本体の搬送
速度は6×10-1m/minとした。
【0131】第一透明導電膜、第二透明導電膜を形成し
た後、第一、第二透明導電膜を所定のパターンにエッチ
ングし、透明電極を形成した。
【0132】第一透明導電膜の膜厚と第二透明導電膜の
膜厚とを合わせた膜厚、すなわち透明電極の膜厚は15
0(実測値157〜159)nmとした。
【0133】第一透明導電膜の膜厚を10、30、50
nmと変化させたときに、得られた透明電極の比抵抗値
を図13に示す。図13には、第一透明導電膜の成膜速
度を0.5nm/minとしたときのデータと、成膜速
度を1.5nm/minとしたときのデータを示してい
る。
【0134】0.5nm/min、1.5nm/min
のいずれの成膜速度で第一透明導電膜を形成した場合に
おいても、保護膜を損傷することなく、良好に成膜する
ことができた。また、図13に示す範囲のいずれの条件
で成膜した透明電極も比抵抗値の小さいものが得られ
た。
【0135】ただし、0.5nm/min、1.5nm
/minのいずれの成膜速度で第一透明導電膜を形成し
た場合においても、図13に示すように、第一透明導電
膜の膜厚が薄くなるほど、すなわち透明電極に占める第
二透明導電膜の膜厚が厚くなるほど、比抵抗値は低下し
た。
【0136】また、第一透明導電膜の成膜速度が早い方
が比抵抗値は低くなった。すなわち、保護膜を損傷しな
い成膜速度であれば、第一透明導電膜の成膜速度の速い
方が、得られる透明電極の比抵抗値が低減されることが
示唆された。
【0137】(実施例5)酸素を含んだアルゴンガス雰
囲気中において、逆スパッタ電力を300W、ガス圧を
6.65×10-1Pa、ガス中の酸素分率を1%、処理
時間を10分に設定し、カラーフィルター層と保護膜を
形成したガラスからなる基板本体のプラズマアッシング
を行った。プラズマアッシングはRF逆スパッタリング
法により行った。
【0138】次に、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気中
において、スパッタ電力を300W、ガス流量を3×1
-43/min、ガス中の酸素分率1%、成膜速度を
0.5nm/minに設定し、DCスパッタリング法に
より、インジウム錫酸化物からなる第一透明導電膜を形
成した。
【0139】その後、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気
中において、電流を150A、電圧を70V、ガス流量
を6.80×10-43/min、ガス中の酸素分率を
11.8%に設定し、HDAP−IP法により、インジ
ウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を形成した。
【0140】いずれの工程においても、基板本体の搬送
速度は6×10-1m/minとした。
【0141】第一透明導電膜、第二透明導電膜を形成し
た後、第一、第二透明導電膜を所定のパターンにエッチ
ングし、透明電極を形成した。
【0142】第一透明導電膜の膜厚と第二透明導電膜の
膜厚とを合わせた膜厚、すなわち透明電極の膜厚は15
0(実測値149〜154)nmとした。
【0143】第一透明導電膜の膜厚を10、30、50
nmと変化させたときに、得られた透明電極の比抵抗値
を図14に示す。図14には、第一透明導電膜の成膜温
度を160℃としたときのデータと、成膜温度を200
℃としたときのデータを示している。
【0144】160℃、200℃のいずれの成膜温度で
第一透明導電膜を形成した場合においても、保護膜を損
傷することなく、良好に成膜することができた。また、
図14に示す範囲のいずれの条件で成膜した透明電極も
比抵抗値の小さいものが得られた。
【0145】ただし、図14に示すように、実施例4と
同様、第一透明導電膜の膜厚が薄くなるほど、すなわち
透明電極に占める第二透明導電膜の膜厚が厚くなるほ
ど、比抵抗値は低下した。
【0146】また、第一透明導電膜の膜厚が10nmの
ときには成膜温度の違いによる比抵抗値の差はなかった
が、第一透明導電膜の膜厚が30nm以上の場合には成
膜温度の高い方が比抵抗値は低減されることが示唆され
た。
【0147】(実施例6)酸素を含んだアルゴンガス雰
囲気中において、逆スパッタ電力を300W、ガス圧を
6.65×10-1Pa、ガス中の酸素分率を1%、処理
時間を10分に設定し、カラーフィルター層と保護膜を
形成したガラスからなる基板本体のプラズマアッシング
を行った。プラズマアッシングはRF逆スパッタリング
法により行った。
【0148】次に、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気中
において、スパッタ電力を300W、ガス流量を3×1
-43/min、ガス中の酸素分率1%、成膜速度を
0.5nm/minに設定し、DCスパッタリング法に
より、インジウム錫酸化物からなる第一透明導電膜を形
成した。
【0149】その後、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気
中において、電流を150A、電圧を70V、ガス流量
を6.80×10-43/min、ガス中の酸素分率を
11.8%に設定し、HDAP−IP法により、インジ
ウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を形成した。
【0150】いずれの工程においても、基板本体の搬送
速度は6×10-1m/minとした。
【0151】第一透明導電膜の膜厚と第二透明導電膜の
膜厚とを合わせた膜厚、すなわち透明電極の膜厚は15
0nmとした。
【0152】基板本体上と保護膜上に形成した、第一透
明導電膜と第二透明導電膜とからなる透明導電膜のエッ
チング差を図15に示す。図15には、第一透明導電膜
の成膜温度を160、200℃としたときのデータを示
している。
【0153】図15に示す範囲のいずれの条件で形成し
た透明導電膜も良好にエッチングすることができた。た
だし、第一透明導電膜の膜厚の薄い方が、すなわち、第
二透明導電膜の膜厚の厚い方が、エッチング差が小さく
なった。特に、第一透明導電膜の膜厚が10〜30nm
のときに、エッチング差をより小さくすることができ
た。
【0154】また、第一透明導電膜の膜厚が10nmの
ときには第一透明導電膜の成膜温度によるエッチング差
の差は見られなかったが、第一透明導電膜の膜厚が30
nm以上の場合には、第一透明導電膜の成膜温度の低い
方がエッチング差は小さくなった。
【0155】(実施例7)酸素を含んだアルゴンガス雰
囲気中において、逆スパッタ電力を300W、ガス圧を
6.65×10-1Pa、ガス中の酸素分率を1%、処理
時間を10分に設定し、カラーフィルター層と保護膜を
形成したガラスからなる基板本体のプラズマアッシング
を行った。プラズマアッシングはRF逆スパッタリング
法により行った。
【0156】次に、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気中
において、スパッタ電力を300W、ガス流量を3×1
-43/min、ガス中の酸素分率1%、成膜温度を
160℃、成膜速度を0.5nm/minに設定し、D
Cスパッタリング法により、インジウム錫酸化物からな
る第一透明導電膜を形成した。
【0157】その後、酸素を含んだアルゴンガス雰囲気
中において、電流を150A、電圧を70V、ガス流量
を6.80×10-43/min、ガス中の酸素分率を
11.8%に設定し、HDAP−IP法により、インジ
ウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を形成した。
【0158】いずれの工程においても、基板本体の搬送
速度は6×10-1m/minとした。また、第一透明導
電膜の膜厚を10nm、第二透明導電膜の膜厚を140
nmとした。基板本体上と保護膜上に形成された第一透
明導電膜と第二透明導電膜とからなる透明導電膜のエッ
チング差は2.7μmであった。
【0159】一方、比較のため、同様の条件でDCスパ
ッタリング法により第一透明導電膜を形成した後、RF
電源とDC電源を併用したRF−DCスパッタリング法
により、インジウム錫酸化物からなる第二透明導電膜を
形成した。このときの基板本体上と保護膜上に形成され
た透明導電膜のエッチング差は3.2μmであった。
【0160】スパッタリング法により第一、第二透明導
電膜を形成した場合より、第二透明導電膜をHDAP−
IP法で形成した本発明の方が、基板本体上と保護膜上
に形成された透明導電膜のエッチング差を低減すること
ができ、良好にエッチングすることができた。
【0161】(実施例8)実施例4から実施例6におい
て形成した、カラーフィルター層、保護膜、透明電極を
具備する基板本体上に配向膜を形成し、本発明のカラー
フィルター基板を製造した。配向膜は基板本体上の全面
に形成せず、シール材を形成する領域より内側の領域に
のみ形成した。配向膜を形成した後、洗浄を行い、配向
膜の配向不良率を算出した。配向不良率は、液晶パネル
を点灯させて実施される点灯検査のときの配向不良の発
生率((不良パネル数/全パネル数)×100%)から
算出した。
【0162】比較のために、ガラスからなる基板本体上
に、カラーフィルター層と保護膜を形成し、該保護膜上
に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に、
DC−RFスパッタリング法により、インジウム錫酸化
物からなる透明電極を形成し、透明電極上に配向膜を形
成し、従来のカラーフィルター基板を製造した。配向膜
は、シール材を形成する領域より内側の領域にのみ形成
した。配向膜を形成した後、洗浄を行い、同様に配向膜
の配向不良率を算出した。
【0163】従来のカラーフィルター基板の配向膜の配
向不良率は50〜70%であった。それに対し、本発明
のカラーフィルター基板の配向膜の配向不良率は0%と
なり、本発明のカラーフィルター基板を備えた液晶装置
は表示品質の優れたものとなった。
【0164】以上説明したように本実施形態にによれ
ば、基板本体上にカラーフィルター層と保護膜を形成し
た後、プラズマアッシングを行い、基板本体上において
保護膜の外側の領域に付着したレジストの残査の除去を
行うことにより、基板本体上に形成された透明電極の耐
引っ掻き性を向上することができるカラーフィルター基
板の製造方法を提供することができる。
【0165】また、透明電極を第一透明導電膜と、第一
透明導電膜上に形成した第二透明導電膜の二層構造と
し、第一透明導電膜を低パワーのスパッタリング法によ
り形成し、第二透明導電膜をイオンプレーティング法に
より形成することにより、保護膜を損傷することなく、
保護膜への密着性の良い第一透明導電を形成することが
できる。すなわち、透明電極の保護膜への密着性を向上
することができるカラーフィルター基板の製造方法を提
供することができる。
【0166】また、保護膜上と基板本体上に形成され
た、第一透明導電膜と第二透明導電膜とからなる透明導
電膜のエッチング差を低減することができるカラーフィ
ルター基板の製造方法を提供することができる。
【0167】また、保護膜を損傷することなく、第一透
明導電膜を形成することができ、保護膜上と基板本体上
に形成された透明導電膜のエッチング差を低減すること
ができるので、保護膜と透明電極との間に、酸化珪素、
窒化珪素あるいはこれらの積層からなる絶縁膜を形成す
る必要がなく、絶縁膜が一番上の層になることに起因す
る配向膜の配向不良を防止することができるカラーフィ
ルター基板の製造方法を提供することができる。
【0168】また、イオンプレーティング法により第二
透明導電膜を形成することにより、通常のスパッタリン
グ法により形成される透明導電膜よりも比抵抗値の小さ
い第二透明導電膜を形成することができるため、配線抵
抗に影響を与えることなく、第二透明導電膜を薄くで
き、透明電極の膜厚を薄くすることができるので、透明
電極の光透過率を向上することができるカラーフィルタ
ー基板の製造方法を提供することができる。
【0169】また、イオンプレーティング法により第二
透明導電膜を形成することにより、第二透明導電膜の表
面すなわち透明電極の表面を平滑化することができる。
本発明によれば、透明電極の表面を平滑化することがで
きるとともに、膜厚を薄くできることにより、透明電極
の耐引っ掻き性を向上することができるカラーフィルタ
ー基板の製造方法を提供することができる。
【0170】また、以上のカラーフィルター基板の製造
方法により、透明電極の保護膜への密着性が良好で、配
向膜の配向不良を防止でき、透明電極の耐引っ掻き性を
向上させた、信頼性の高いカラーフィルター基板を提供
することができる。
【0171】また、このカラーフィルター基板を備える
ことにより、配向膜の配向不良を防止でき、透明電極の
耐引っ掻き性を向上させ、信頼性が高く、表示品質の優
れた液晶装置を提供することができる。
【0172】また、この液晶装置を備えることにより、
信頼性が高く、表示品質の優れた電子機器を提供するこ
とができる。
【0173】
【発明の効果】以上、本発明によれば、カラーフィルタ
の保護膜上に絶縁膜を形成することなく、透明電極の保
護膜への密着性を良好とし、配向膜の配向不良を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る第1実施形態のカラー
フィルター基板の製造方法により製造されたカラーフィ
ルター基板を備えた、TFD素子を用いた液晶装置の構
造を示す概略断面図である。
【図2】 図2は、本発明に係る第1実施形態のカラー
フィルター基板の製造方法により製造されたカラーフィ
ルター基板を備えた、TFD素子を用いた液晶装置の一
部分の構造を示す斜視図である。
【図3】 図3は、本発明に係る第1実施形態のカラー
フィルター基板の製造方法により製造されたカラーフィ
ルター基板の周縁部を拡大した概略平面図である。
【図4】 図4は、本発明に係る第1実施形態におい
て、透明電極を形成するための成膜室を示す図である。
【図5】 図5(a)〜(d)は、本発明に係る第1実施形態
において、透明電極の形成方法を示す工程図である。
【図6】 図6は、イオンプレーティング法の例である
HDAP−IP法の成膜装置の概略構成図である。
【図7】 図7は、本発明に係る第2実施形態のカラー
フィルター基板の製造方法により製造されたカラーフィ
ルター基板を備えた、TFD素子を用いた液晶装置の構
造を示す概略断面図である。
【図8】 図8(a)〜(d)は、本発明に係る第2実施形態
において、透明電極の形成方法を示す工程図である。
【図9】 図9(a)は、上記実施形態により製造された
カラーフィルター基板を備えた液晶装置を備えた携帯電
話の一例を示す図、図9(b)は、上記実施形態により製
造されたカラーフィルター基板を備えた液晶装置を備え
た携帯型情報処理装置の一例を示す図、図9(c)は、上
記実施形態により製造されたカラーフィルター基板を備
えた液晶装置を備えた腕時計型電子機器の一例を示す図
である。
【図10】 図10は、上記実施形態により製造された
カラーフィルター基板を備えた液晶装置を光変調装置と
して用いた投射型表示装置の要部を示す概略構成図であ
る。
【図11】 図11は、130〜350℃の範囲の種々
の成膜温度で、HDAP−IP法による第二透明導電膜
の成膜を行った時に、得られた第二透明導電膜の比抵抗
値を示すグラフである。
【図12】 図12(a)、(b)は、それぞれHDAP−I
P法、スパッタリング法により形成されたインジウム錫
酸化物膜のX線回折測定のデータを示す図である。
【図13】 図13は、実施例4における第一インジウ
ム錫酸化物膜の膜厚と透明電極の比抵抗値との関係を示
すグラフである。
【図14】 図14は、実施例5における第一インジウ
ム錫酸化物膜の膜厚と透明電極の比抵抗値との関係を示
すグラフである。
【図15】 図15は、実施例6における第一インジウ
ム錫酸化物膜の膜厚と、ガラス基板上、保護膜上に形成
されたインジウム錫酸化物膜のエッチング差の関係を示
すグラフである。
【図16】 図16は、TFD素子を用いた従来の液晶
装置の概略断面図である。
【図17】 図17は、TFD素子を用いた従来の液晶
装置の一部分の構造を示す斜視図を示す。
【図18】 図18は、TFD素子を用いた従来の液晶
装置のカラーフィルター基板の周縁部を拡大した概略平
面図である。
【図19】 図19は、TFD素子を用いた従来の液晶
装置のカラーフィルター基板の、保護膜の端縁部の近傍
部分を拡大した概略断面図である。
【符号の説明】
10、50 液晶(表示)装置 11、51 カラーフィルター基板(下側基
板) 12 素子基板(上側基板) 52 対向基板(上側基板) 11A、12A 基板本体 51A、52A 基板本体 13 液晶層 14 シール材 15 カラーフィルター層 15a カラー画素 15b 遮光層(ブラックマトリックス) 16 保護膜 18、58、59 透明電極 18A、58A 第一透明導電膜 18B、58B 第二透明導電膜 28、68 透明導電膜 19 画素電極 20 TFD素子 21 信号線 22、23 配向膜 24 スペーサー 25 カラーフィルター層の端縁部 26 保護膜の端縁部 27 配向膜の端縁部 29 シール材の内周部 30 成膜装置 31 前処理室 32 第1成膜室 33 第2成膜室 34 ヒーター 35 高周波(RF)逆スパッタリング
装置 36 DCスパッタリング装置 37 イオンプレーティング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 336 G09F 9/30 336 5G323 349 349B 5G435 H01B 13/00 503 H01B 13/00 503B Fターム(参考) 2H048 BA43 BA45 BB02 BB44 2H091 FA04Y FA35Y FC02 FC03 FC05 FC12 GA03 GA07 LA18 LA30 2H092 GA16 GA17 GA25 GA27 GA34 GA42 HA04 JA01 JB16 JB24 JB27 JB33 JB36 KA18 KB04 KB24 MA05 MA06 NA18 PA02 PA08 4K029 BA48 BA50 BB02 BC07 BC09 BD00 CA03 CA05 EA01 EA02 EA03 EA05 EA09 FA04 FA07 5C094 AA03 AA36 AA42 AA43 BA03 BA43 CA19 CA24 DA13 EA05 EA07 EB02 ED03 FB02 FB12 GB10 JA02 JA08 JA20 5G323 BA02 BB05 BB06 5G435 AA01 AA03 AA07 AA17 BB12 CC09 CC12 EE25 GG12 HH02 HH12 KK05 KK10 LL07 LL08 LL15

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともカラーフィルター層、カラー
    フィルター層を保護する保護膜、透明導電材料からなる
    透明電極を具備するカラーフィルター基板の製造方法に
    おいて、 基板本体上に前記カラーフィルター層と前記保護膜と第
    一透明導電膜とを形成した後、 該第一透明導電膜上にイオンプレーティング法により、
    前記第一透明導電膜とは膜質の異なる第二透明導電膜を
    形成し、 前記第一透明導電膜、前記第二透明導電膜を所定のパタ
    ーンに加工することにより、前記第一透明導電膜、前記
    第二透明導電膜の二層構造からなる前記透明電極を形成
    することを特徴とするカラーフィルター基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第一透明導電膜の膜厚を10〜50
    nmとすることを特徴とする請求項1記載のカラーフィ
    ルター基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一透明導電膜の膜厚を10〜30
    nmとすることを特徴とする請求項1記載のカラーフィ
    ルター基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第二透明導電膜の膜厚を50〜35
    0nmとすることを特徴とする請求項1から請求項3ま
    でのいずれか1項記載のカラーフィルター基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 電力を5〜20kW、ガス圧を0.1〜
    10Pa、ガス中の酸素分率を5〜20%、成膜速度を
    50〜300nm/min、成膜温度を170〜250
    ℃に設定し、前記第二透明導電膜を形成することを特徴
    とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の
    カラーフィルター基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板本体上に前記カラーフィルター
    層と前記保護膜を形成した後、プラズマアッシングによ
    り前記基板本体表面の表面浄化を行ってから、前記第一
    透明導電膜を形成することを特徴とする請求項1から請
    求項5までのいずれか1項記載のカラーフィルター基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマアッシング処理は、電力を
    300〜1kW、ガス圧を0.1〜1Pa、ガス中の酸
    素分率を0.5〜5%、処理時間を7〜20分間に設定
    し、前記プラズマアッシングを行うことを特徴とする請
    求項6記載のカラーフィルター基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 スパッタリング法により前記第一透明導
    電膜を形成することを特徴とする請求項1から請求項7
    までのいずれか1項記載のカラーフィルター基板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 電力を200〜1kW、ガス圧を0.1
    〜1Pa、ガス中の酸素分率を0.5〜5%、成膜速度
    を0.5〜20nm/min、成膜温度を150〜25
    0℃に設定し、前記第一透明導電膜を形成することを特
    徴とする請求項8記載のカラーフィルター基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 少なくともカラーフィルター層、カラ
    ーフィルター層を保護する保護膜、透明導電材料からな
    る透明電極を具備するカラーフィルター基板において、 前記透明電極が結晶構造の異なる第一透明導電膜と第二
    透明導電膜の二層構造からなることを特徴とするカラー
    フィルター基板。
  11. 【請求項11】 前記第二透明導電膜がイオンプレーテ
    ィング法により形成されたものであることを特徴とする
    請求項10記載のカラーフィルター基板。
  12. 【請求項12】 前記第一透明導電膜の膜厚が10〜5
    0nmとされたことを特徴とする請求項10又は請求項
    11記載のカラーフィルター基板。
  13. 【請求項13】 前記第一透明導電膜の膜厚が10〜3
    0nmとされたことを特徴とする請求項10又は請求項
    11記載のカラーフィルター基板。
  14. 【請求項14】 前記第二透明導電膜の膜厚が50〜3
    50nmとされたことを特徴とする請求項10から請求
    項13までのいずれか1項記載のカラーフィルター基
    板。
  15. 【請求項15】 前記第一透明導電膜がスパッタリング
    法により形成されたものであることを特徴とする請求項
    10から請求項14までのいずれか1項記載のカラーフ
    ィルター基板。
  16. 【請求項16】 請求項10から請求項15までのいず
    れか1項記載のカラーフィルター基板と他方の基板とが
    シール材を介して対向配置されるとともに、これら基板
    間に液晶層が挟持されたことを特徴とする液晶装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の液晶装置を備えたこ
    とを特徴とする電子機器。
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