JP4732778B2 - 有機膜製造方法、有機elパネル - Google Patents

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Description

本発明は、有機膜製造方法およびこれにより製造される有機エレクトロルミネッセンス(以下ELともいう)パネル、特にプラズマ処理してなる有機膜を製造する有機膜製造方法およびこれにより製造される有機ELパネルに関する。
有機膜を製造する有機膜製造方法は様々な分野で用いられている。例えば、基板、有機固体層、電極からなる有機EL素子を構成する有機層の製造や、有機EL素子を外界の水分や酸素から守るなどの理由から有機EL素子とこれを覆って形成され有機膜と無機膜を積層してなる封止膜、基板側からの液晶素子や有機EL素子への湿度などによるダメージを防止するバリア膜の製造方法などの有機EL素子における基板に設けられるバリア膜などが挙げられる。
例えば、下記特許文献1には、プラズマ重合法を用いた有機膜製造方法などを用いて、有機膜と無機膜とを積層し、有機EL素子を外界の水分や酸素から守るために、有機EL素子を覆うように封止膜が形成された有機ELパネルが報告されている。
有機EL素子は、基板上に、電極及び電極間に少なくとも発光層を備えた有機層を備え、両側の電極から有機層中の発光層に電子と正孔を注入し、有機発光層で発光を起こさせる素子であり、高輝度発光が可能である。また有機化合物の発光を利用しているため発光色の選択範囲が広いなどの特徴を有し、光源やディスプレイなどとして期待されており現在実用化が始まりつつある。
このような有機EL素子は、空気中の水分や酸素などによる浸食を受けやすく、これらの存在下では、ダークスポットが生じたり、素子が短絡する等の劣化が起こる。このような劣化を防ぐためには、素子を保護する手段が必要であり、現在、素子全体を乾燥窒素や、アルゴンガスなどの雰囲気中でカバーガラスや缶パッケージなどで封止する手法が用いられている。
しかし、このようなガラス、缶などを用いた封止方法は製造コストが高く、また素子の薄型化に限界がある。そこで、ガラスや缶パッケージなどを用いず、有機EL素子を防湿機能を備えた保護膜(封止膜、バリア膜)で覆う構造が提案されている。
この保護膜は、無機膜と有機膜から構成されることが一般的であり、無機膜だけでも防湿作用を確保することができるが、一般に無機膜だけでは、ピンホールや表面の凹凸などが生じるため、その表面平滑化のために有機膜を無機膜表面に覆うことが知られている。
特開2003−282237号公報
しかしながら上記保護膜中に含まれる有機膜がその要因となり、有機ELパネル中の有機EL素子にダメージを与え、信頼性を低下させるなど不具合を与える場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機ELパネルを構成する層などにより有用な有機膜の有機膜製造方法の提供、信頼性などをより向上させることができる有機ELパネルの提供を主な目的とする。
請求項1に記載の発明は、酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下で有機膜表面をプラズマ処理する第一のプラズマ処理を用い、前記第一のプラズマ処理で表面処理し、有機膜を製造することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、有機膜を加熱し、前記加熱された有機膜表面をプラズマ処理する第二のプラズマ処理を用い、前記第二のプラズマ処理で表面処理し、有機膜を製造することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか1つに記載の有機膜製造方法により製造された有機膜が含まれる有機ELパネルを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態については、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。
「有機ELパネル」
図1には、本実施形態に係る有機膜製造方法によって製造された有機ELパネルPの概略断面図が示される。有機ELパネルPは、基板10/バリア膜12/有機EL素子100/封止膜20との構成により構成されている。基板10上にバリア膜12が形成されている。バリア膜12上に有機EL素子100が形成され、形成された有機EL素子100のバリア膜12と接触する部分を除く全面を覆うように封止膜20が有機EL素子100を覆っている。なお、本願では保護膜という場合には、バリア膜と封止膜のいずれも含むものとする。また、保護膜は、基板は勿論、CF(カラーフィルタ)やCCM(色変換層)などが用いられる有機パネルである場合は、CF(カラーフィルタ)やCCM(色変換層)に設けられてもよい。さらに有機ELパネルを構成する有機膜とは、基板、有機EL素子、保護膜のうち少なくとも1つを構成する有機膜をいう。有機EL素子であれば例えば有機固体層を構成する少なくとも一層の有機膜が挙げられる。
基板10は、プラスチック材からなるフィルム基板である。フィルム基板を構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレートポリエステル、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等として様々な基板を用いることができる。例えば、ガラス基板であってもよい。また、これら透明基板の反対側から光を射出するトップエミッション型である場合などには、基板10は必ずしも透明でなくともよい。
バリア膜12は、図2に示されるように多層構造となっている。基板10側から無機膜120/有機膜122/無機膜124/有機膜126/無機膜128とから構成される。基板10表面に無機膜120が、後述の有機EL素子100中の陽極14には無機膜128が接触している。なお、本実施形態では、基板10に無機膜120が接しているがこれに限られず、基板10に有機膜が接し、その有機膜に無機膜120/有機膜122が形成されるようにしてもよい。無機膜、有機膜の層数は適宜選択して変更できる。
無機膜としては、窒化膜、酸化膜又は炭素膜又はシリコン膜等が採用可能であり、より具体的には、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、又はダイヤモンド状カーボン(DLC)膜、アモルファスカーボン膜、酸化アルミニウム膜などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
有機膜としては、エポキシ樹脂膜、アクリル樹脂膜、シリコン樹脂膜、或いは、ポリパラキシレン膜、プラズマ重合膜などが採用可能であるがこれらに限定されるものではない。
有機EL素子100は、バリア膜12側から陽極14/有機固体層16/陰極18とから構成されている。
陽極14は、正孔を注入しやすいエネルギーレベルを持つ層を用いればよく、ITO(Indium tin oxide:酸化インジウム錫膜)などの透明電極を用いることができるが、有機ELパネルPがトップエミッション型である場合には透明電極でなくとも一般的な電極を用いればよい。
ITOなどの透明導電性材料を例えば150nmの厚さにスパッタリングなどによって形成する。ITOに限らず、代わりに酸化亜鉛(ZnO)膜、IZO(インジウム−亜鉛合金)等を採用することもできる。
有機固体層16は、陽極14側から正孔注入層162/正孔輸送層164/発光層166/電子輸送層168とから構成されている。
正孔注入層162は、陽極14と発光層166との間に設けられ、陽極14からの正孔の注入を促進させる層である。正孔注入層162により、有機EL素子100の駆動電圧は低電圧化することができる。また、正孔注入を安定化し素子を長寿命化するなどの役割を担ったり、陽極14の表面に形成された突起などの凹凸面を被覆し素子欠陥を減少させる、などの役割を担う場合もある。
正孔注入層162の材質については、そのイオン化エネルギーが陽極14の仕事関数と発光層166のイオン化エネルギーの間になるように適宜選択すればよい。例えば、トリフェニルアミン4量体(TPTE)、銅フタロシアニンなどを用いることができる。
正孔輸送層164は、正孔注入層162と発光層166の間に設けられ、正孔の輸送を促進させる層であり、正孔を発光層166まで適切に輸送する働きを持つ。
正孔輸送層164の材質については、そのイオン化エネルギーが正孔注入層162と発光層166の間になるように適宜選択すればよい。例えば、TPD(トリフェニルアミン誘導体)を採用することができる。
発光層166は、輸送された正孔と同じく輸送された後述の電子とを再結合させ、蛍光発光または燐光発光させる層のことである。発光層166は上記発光態様に対応できる性質を満たすものになるようにその材料を適宜選択すればよい。例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)や、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体(Eu(DBM)3(Phen))、ジトルイルビニルビフェニル(DTVBi)、ポリ(p−フェニレンビニレン)や、ポリアルキルチオフェンのようなπ共役高分子などを用いることができる。例えば緑色に発光させたければアルミキノリノール錯体(Alq)を用いることができる。
電子輸送層168は、陰極18と発光層166との間に設けられ、陰極18からの電子の注入を促進する機能を有し、有機EL素子100の駆動電圧を低電圧化する。また、電子注入を安定化し素子を長寿命化したり、陰極18と発光層166との密着性を強化したり、発光面の均一性を向上させ素子欠陥を減少させたりする場合がある。
電子輸送層168の材質については、陰極18の仕事関数と発光層166の電子親和力の間になるように適宜選択すればよい。例えば、電子輸送層168はAlqやシロール誘導体などを用いることができる。
これら有機固体層16を構成する各層は通常、有機物からなり、更に、低分子の有機物からなる場合、高分子の有機物からなる場合がある。低分子の有機物からなる有機機能層は一般に蒸着法等のドライプロセス(真空プロセス)によって、高分子の有機物からなる有機機能層は一般にスピンコート法、インクジェット法、ブレードコート法、ディップ法、スプレー法そして印刷法等のウエットプロセスによって、それぞれ形成するなどすることができる。
有機固体層16を構成する各層に用いる有機材料として、例えば高分子材料として、PEDOT、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリアルキルフェニレン、ポリアセチレン誘導体、などが挙げられる。
なお、本実施形態において、有機固体層16は、正孔注入層162、正孔輸送層166、発光層166、電子輸送層168から構成されるものを挙げたがこの構成に限定されることはなく、少なくとも発光層166を含んで構成されていればよい。
例えば、採用する有機材料等の特性に応じて、発光層の単層構造等の他、正孔輸送層/発光層、発光層/電子輸送層等の2層構造、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層構造や、更に電荷(正孔、電子)注入層などを備える多層構造などから構成することができる。例えば電子輸送層168と陰極18との間に電子注入層を形成する場合には、LiF、LiO(酸化リチウム)などの薄膜(例えば0.5nm)を形成することなどが例示できる。
さらに有機固体層16には発光層166と電子輸送層168の間に正孔ブロック層を設けてもよい。正孔は発光層166を通り抜け、陰極18へ到達する可能性がある。例えば、電子輸送層168にAlq等を用いている場合、電子輸送層に正孔が流れ込むことでこのAlqが発光したり、正孔を発光層に閉じこめることができずに発光効率が低下する可能性がある。そこで、正孔ブロック層を設け、発光層166から電子輸送層168に正孔が流れ出てしまうことを防止してもよい。
陰極18は、有機固体層16への電子注入を良好にするため、仕事関数又は電子親和力の小さな材料を選定すればよい。例えば、Mg:Ag合金、Al:Li合金などの合金型(混合金属)等を好適に用いることができる。陰極18は、AlやMg、Agなどの金属材料を例えば150nmの厚さに真空蒸着などで形成しすることができる。
封止膜20は、陰極18側から有機膜202/無機膜204とから構成されている。なお、本実施形態では、陰極18に有機膜202が接しているがこれに限られず、陰極18に無機膜204が接し、その無機膜204に有機膜202が形成されるようにしてもよい。無機膜、有機膜の層数は適宜選択して変更できる。
無機膜としては、窒化膜、酸化膜又は炭素膜又はシリコン膜等が採用可能であり、より具体的には、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、又はダイヤモンド状カーボン(DLC)膜、アモルファスカーボン膜、酸化アルミニウム膜などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
有機膜としては、エポキシ樹脂膜、アクリル樹脂膜、シリコン樹脂膜、或いは、ポリパラキシレン膜、プラズマ重合膜などが採用可能であるがこれらに限定されるものではない。
バリア膜12、封止膜20は、その構成される無機膜が主に外気(酸素など)や水分をブロックし、有機EL素子100を外気(酸素など)や水分から主に保護する役割を担っている。ここで、バリア膜12は主に基板10側からの外気(酸素など)や水分をブロックする役割、封止膜20は、有機EL素子100の上部側(基板10とは反対側)に対して外気(酸素など)や水分をブロックする保護膜としての役割をそれぞれ主に担っている。
バリア膜12、封止膜20は、その構成される有機膜が無機膜に形成されたピンホールや表面凹凸を埋め、表面を平坦化させる。また、無機膜の膜応力を緩和させたりする役割を担う場合もある。
有機ELパネルPの発光態様について説明する。有機EL素子100において、陽極14から正孔が有機固体層16中の正孔注入層162へと輸送される。輸送された正孔は、正孔輸送層164へと注入される。正孔輸送層164へ注入された正孔は、発光層166へと輸送される。
また、有機EL素子100において、陰極18から電子が有機固体層16中の電子輸送層168へと輸送される。輸送された電子は、発光層166へと輸送される。
輸送された正孔および電子は、発光層166中で再結合する。再結合の際、発せられるエネルギーにより、ELによる発光が発生する。この発光は、順に正孔輸送層164、正孔注入層162、陽極14、バリア膜12、基板10を通じて外部へと導出され、その発光を視認することができる。
一方陰極18にAlが用いられている場合などは、陰極18と電子輸送層168との界面が反射面となり、この界面で反射され、陽極14側へと進み、基板10を透過して外部へと射出される。したがって、以上のような構成の有機EL素子をディスプレイなどに採用した場合、基板10側が表示の観察面となる。なお、トップエミッション型では、陰極18、封止膜20側から光が射出されるので陰極18、封止膜20の透明性が高いと好適である。
「有機膜の改良」
本発明者は、本発明の有機膜製造方法を用いずに、上述の図1に示される有機ELパネルPと同様の構成の有機ELパネルを60℃の高温で保存し、高温保存試験を行った。
その結果、外部へと導出される発光態様について、有機EL素子100の部分的な輝度低下が生じることを見いだした。この部分的な輝度低下は、有機EL素子100の発光時に輝度が低下し、輝度低下部分または非発光部分となり、陽極14または陰極18などのエッジ側から中央部へ向かって経時的に輝度低下部分または非発光部分が時間とともに拡大してしまう傾向にあるというものであった。
また、上記輝度低下はバリア膜12、封止膜20を構成する無機膜のピンホールと考えられる部分から輝度低下部分または非発光部分が円形状に生じる傾向があることも見いだすに至った。
本発明者は、上記部分的な輝度低下が生じる要因を鋭意検討した結果、有機膜中に残留している添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体、またはそれらの影響などで有機膜で発生したガスが有機EL素子100にダメージを与え、輝度が低下する考えを見いだした。
この考えによれば、陽極14または陰極18などのエッジ側から輝度が低下する原因は、有機EL素子の、陽極14または陰極18などのエッジ側から有機膜で発生したガスが膜間などから進入して陽極14または陰極18などのエッジ側から輝度が低下するようにダメージを与えることで輝度低下部分または非発光部分が生じ、ガスがさらに進行することで、輝度低下部分または非発光部分がエッジ部分から時間とともに中央部方向へ拡大してしまうことによるものであると一考察できる。すなわち、バリア膜12を構成する有機膜中に残留している添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体またはそれらの影響によるガスは陽極14のエッジ側から、封止膜20の有機膜中に残留している添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体またはそれらの影響によるガスは陰極18のエッジ側から、有機固体層16にダメージを与えることになるものと考えられる。
また、無機膜のピンホールと考えられる部分から輝度低下部分または非発光部分が円形状に生じる傾向についても有機膜中に残留している添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体、またはそれらの影響によるガスが無機膜のピンホールを貫通して染みだし、有機固体層16へダメージを与えることになるものと考えられる。
(第一の有機膜製造方法)
したがって、本発明者は、この輝度低下部分または非発光部分が生じることをより防止する方法について鋭意検討した結果、有機膜の表面を酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下で有機膜表面をプラズマ処理する第一のプラズマ処理を用い、前記第一のプラズマ処理で表面処理し、有機膜を製造すると、上記輝度低下部分または非発光部分が生じることをより防止することができる第一の有機膜製造方法を発明するに至った。
この原因について、一例として考察する。酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下でプラズマ処理することにより、酸素ガスが表面を荒らすことなく有機膜表面に強固な架橋層が形成される。この酸素ガスが表面を荒らすことなく形成された強固な架橋層は、有機膜内部から外部へ進出しようとする添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体、またはこれらが要因となり発生するガスの染みだしをこの強固な架橋層が障害となることでブロックするものと考察できる。
(第二の有機膜製造方法)
また、第一の有機膜製造方法とは別に、有機膜を加熱し、前記加熱された有機膜表面をプラズマ処理する第二のプラズマ処理を用い、前記第二のプラズマ処理で表面処理し、有機膜を製造すると、上記輝度低下部分または非発光部分が生じることをより防止することができる第二の有機膜製造方法を発明するに至った。ここで加熱は真空加熱であるとより好適であることも見いだすことができた。
この原因について一例として考察する。有機膜を加熱すると有機膜の表面に添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルは表面に集合する。有機膜の表面に集合した添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを表面プラズマ処理することで表面に集合した添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを除去(エッチング)できる。添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを除去することができるので、輝度低下部分または非発光部分が生じる要因となるこれら自体またはこれら自体が少なくなるのでその影響によるガスの発生を防止できることが一例として考察できる。
本発明者は、上記第一の有機膜製造方法、第二の有機膜製造方法を、一例として、バリア膜10、封止膜20などの有機ELパネルPを構成する有機膜について検討したが、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルのブロックや除去による効果があることを見いだすことができた。
また、本発明者は、上記第一の有機膜製造方法、第二の有機膜製造方法を、有機ELパネルPを構成する有機膜およびそれ以外の有機膜について検討した。有機ELパネルPにおいて、上記保護膜以外の有機膜について検討したが、有機ELパネルPを構成する有機膜一般について同様の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルのブロックや除去による効果があることを見いだすことができた。また、有機ELパネルPを構成する有機膜以外の有機膜一般についても有機ELパネルPを構成する有機膜一般について同様の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルのブロックや除去による効果があることを見いだすことができた。
なお、ここで、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルのブロックや除去による効果とは、有機ELパネルにおける輝度低下または非発光部分が生じることの防止などの有機ELパネルに対する効果に限られず有機膜を含むもの一般において、有機膜の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体またはこれらにより誘因されるガスなどにより有機膜から生じる不具合を防止することにより得られる効果全てを含むものである。
「有機膜製造方法」
有機膜の製造方法として、バリア膜12の製造方法を例示して説明する。図3には、基板上にバリア膜が製造される工程が示される。
フィルム基板10を用意する(S1)。基板10に対しても、後述の有機膜と同様にその表面をプラズマ処理による添加剤やモノマーなどの低分子量成分、ラジカルの除去、架橋層を形成させ、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、ラジカルまたはそれらに誘引されるガスをブロックさせる処理を行ってもよい。
次に基板10上に無機膜120を形成させる(S2)。無機膜を形成させる方法は、スパッタリング法やCVD法等があげられるが、特に限定されることはなく、適宜適切なものを用いればよい。例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、ゾルゲル法、スプレー法、CVD等の一般的な薄膜作成方法にても可能である。
次に無機膜120上に有機膜122を形成させる(S3)。有機膜の形成方法は、メタンやエチレンといった有機モノマーを含むガスを原材料に、プラズマを利用して分解重合させることで形成する有機膜気相成長法であるプラズマ重合法で形成したり、紫外線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂などをスピンコート法などで塗布して、塗布後に硬化させて固体膜化するなどの方法をとることもできるが、これらに限定されず適宜適当な方法を用いることができる。本実施形態では、有機膜として樹脂膜を用いている。この樹脂膜を設けることで無機膜のピンホールや無機膜表面の平滑化、無機膜の膜応力の緩和などを図ることができる。
スピンコート法などで塗布するには、有機層材料を、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラリン、キシレン、アニソール、ジクロロメタン、γブチロラクトン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、ジオキサンまたは、THF (テトラヒドロフラン)、PGME(propyleneglycol monomethyl ether)、PGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)、乳酸エチル、DMAc(N.N−dimethylacetamide)、MEK(methyl ethyl ketone)、MIBK(methyl isobutyl ketone)、IPA(iso propyl alcohol)、エタノール等の溶媒から選ばれた1種または複数種、に前駆体を溶解し、スピンコートするなどの方法が採用できる。また、無溶媒のコートであればこれら溶媒を採用しなくてもよいことは言うまでもない。
「表面処理」
次に有機膜122上に無機膜124を形成させる(S4)。無機膜124を形成させる前に有機膜122の表面処理を行う。
図4を用いて表面処理について説明する。無機膜120上に有機膜122が形成れた(S3)後、基板10ごと図5に示される加熱およびプラズマ発生装置2の真空チャンバ内の下部電極23上に設置する。
ここで図5に示される加熱装置およびプラズマ処理装置2について説明する。装置2には、放電電極21が設けられ、この放電電極21は高周波電源22に接続されている。放電電極21に対向する位置には、接地された下部電極23が設けられている。プラズマ処理を行う際に、無機膜120上に有機膜122が形成れた(S3)後、の基板10が設置される。下部電極23の内部またはその下方近傍には、基板10を加熱するヒータ24が設置されている。このヒータ24には、基板10の加熱温度を下部電極23に設置された熱電対等の温度センサ26により感知し、コントロールするためのコントローラ25が設けられている。加熱をヒータにより行えば、加熱温度の調整が容易となるが加熱方法はこれに限られず一般的なものを採用することができる。また、放電電極21に高周波を印加させる方法に限られず、例えば、下部電極23に高周波を印加させてもよい。
(第二のプラズマ処理)
最初に装置2を用いて有機膜122表面に対して第二のプラズマ処理を行う。
基板10にはプラズマ処理と共に、ヒータ24により300℃程度以下、例えば50℃の加熱処理が施される。加熱処理の温度は、有機ELパネルPを構成する各層の材質等により適宜判断すればよい。
装置2による第二のプラズマ処理は、(A)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びキセノンの何れかと酸素との混合ガスであって酸素ガス濃度が1%〜30%のもの、(B)四フッ化炭素、六フッ化エタン、八フッ化プロパン及びオクタフルオロシクロブタンの何れかと酸素との混合ガスであって、酸素ガス濃度が1%〜30%のもの、並びに、(C)一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、及び亜酸化窒素の単独ガスのいずれか1つの雰囲気のもとで行われると好適であるが、これに限られず、表面をエッチングできるガス雰囲気であればよい。
0.5分以上、有機膜122を50℃〜300℃で加熱すると、十分に加熱され好適であり、有機膜122表面付近に有機膜122全体に分散していた添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルが集合し集合体40が表面形成される。集合体40が形成された後、上記(A)〜(C)のうちいずれかのプラズマ処理のガス雰囲気とする第二のプラズマ処理による表面エッチングを行い、集合体40を除去する。
このようにして、有機膜122中の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルの除去を行い、これら自体および/またはこれら自体が影響となるガスなどの発生を防止することができる。
なお、0.5分以上、50℃〜300℃で加熱すると好適であるが少しでも加熱すると有機膜表面に添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体の集合体40が形成するので0.5分以上、50℃〜300℃の時間および温度に限られない。300℃を超える高温であると有機膜や周囲の材質を熱劣化させてしまう場合がある。また50℃以下では、有機膜表面に添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体の集合体40を集めにくい場合がある。
(第一のプラズマ処理)
次に、第二のプラズマ処理後であって、集合体40の除去後の有機膜122表面に、さらに有機膜122表面層に酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下で有機膜表面をプラズマ処理する第一のプラズマ処理により表面架橋層を形成する。
このためには、装置2中からエッチング用プラズマ処理に用いた上記(A)〜(C)のガス雰囲気を、酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気とする。例えば(D)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びキセノンの何れかと酸素との混合ガスであって酸素ガス濃度が5%以下のもの、(E)四フッ化炭素、六フッ化エタン、八フッ化プロパン及びオクタフルオロシクロブタンの何れかと酸素との混合ガスであって、酸素ガス濃度が5%以下のもの、並びに、(F)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、及び亜酸化窒素の単独ガスのいずれか1つのガス雰囲気のもとで行われると好適であるが、これに限られず、有機膜表面を架橋できる雰囲気であればよい。
次に第二のプラズマ処理と同様にして、装置2を用いて上記(D)〜(F)のガス雰囲気下で有機膜122表面に第一のプラズマ処理する。
このようにしてプラズマ処理することで有機膜122表面に架橋層を形成させ、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、ラジカルまたはそれらに誘引されるガスをブロックさせることができる。
ここで、好適には上記(A)、(B)、(D)、(E)のいずれかのガス雰囲気下において、さらに全ガス量に対して酸素ガスを1%〜5%とすることでの架橋層の形成と集合体40の除去の両立、すなわち上記第二のプラズマ処理、第一のプラズマ処理を一度に行うことが可能であり、工程を削減することができる。酸素ガス濃度1%未満では、酸素ガスによるエッチング効果を得られない場合がある。一方で酸素ガス濃度が5%を超えると、樹脂表面が荒れてしまい、有機膜表面の平滑性を保てなくなる場合がある。
なお、本実施形態では第一のプラズマ処理と第二のプラズマ処理とを併用する工程を例示したが、これに限られることなく第一のプラズマ処理と第二のプラズマ処理のいずれか一方のみであってもよい。
また、第一のプラズマ処理と第二のプラズマ処理とは同時に行ってもよく、第二のプラズマ処理後に第一のプラズマ処理を行ってもよい。
上記第二のプラズマ処理、第一のプラズマ処理を行った後、有機膜122表面に無機膜124を形成させる(S4)。無機膜124が形成された後、有機膜122の形成と同様にしてその表面に有機膜126を形成させる(S5)。
有機膜126が形成された(S5)後、有機膜122と同様の第二のプラズマ処理、第一のプラズマ処理により有機膜126を表面処理し、有機膜126中の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルの除去、架橋層を形成させ、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルまたはそれらに誘引されるガスをブロックさせる。
この表面処理を行った後、有機膜126表面に無機膜128を形成させる(S6)。無機膜128の形成により基板10上のバリア膜12は形成される。
これらプラズマ処理をして有機膜を製造した後、真空中で無機膜を有機膜表面に形成させる。このようにして添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体、またはこれらが要因となるガスの染みだしをブロック、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカル自体を除去できるので、これら自体またはこれらが要因となって生じるガスによる輝度低下などの不具合を防止することができる。
上記実施形態では、有機ELパネルを構成する有機膜について例示したが、これに限られない。有機膜一般に用いることができ、例えば有機太陽電池、有機トランジスタなどを構成する有機層にも用いることができる。
本実施形態では、酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス5%以下のガス雰囲気下で有機膜表面を処理する第一のプラズマ処理で有機膜を製造するので架橋層の発達した有機膜を製造し、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルおよびそれらに誘引されるガスをブロックすることができる。
本実施形態では、有機膜を加熱し、前記加熱後、前記有機膜表面を第二のプラズマ処理して有機膜を製造するので、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを有機膜中から除去することができ、これらに起因する不具合を防止することができる。
本実施形態ではプラズマ処理前の加熱は50℃〜300℃で有機膜を加熱し、加熱時間0.5分以上であるので、有機膜中の添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを有機膜表面に集めることができ、好適である。
本実施形態では、前記有機膜が製造された後、さらに有機膜表面に無機膜を形成するので無機膜中のピンホールなどから添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルおよびそれらに誘引されるガスが有機EL素子などにダメージを与えることを防止できる。
本実施形態では、前記有機膜は、有機ELパネルを構成する有機膜のうち少なくとも1つの膜であるので、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルおよびそれらに誘引されるガスの影響がより少ない信頼性の高い有機ELパネルを提供できる。
本実施形態では、前記有機膜は、有機EL素子を保護する保護膜であるので、有機EL素子を防御しつつ、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルおよびそれらに誘引されるガスの影響がより少ない、信頼性の高い有機ELパネルを提供できる。
本実施形態では、上記有機膜製造方法により製造された有機膜が含まれる有機ELパネルであるので、添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルおよびそれらに誘引されるガスの影響がより少ない、信頼性の高い有機ELパネルを提供できる。
実施例により評価を行った。
(製造方法)
上記装置2を用いて、第二のプラズマ処理を用いてバリア膜12中の有機膜122および有機膜126が製造された図1の有機ELパネルと同様の構造の有機ELパネルを実施例として製造した。また第一のプラズマ処理、第二のプラズマ処理両方とも行わずにバリア膜12が製造された図1の有機ELパネルと同様の有機ELパネルを比較例として製造した。
(評価方法)
有機膜122および有機膜126形成後の基板の加熱温度は、170℃とした。加熱後のプラズマ処理は温度50℃、高周波周波数13.56MHz、圧力0.5Pa、Arガス単独の雰囲気下で行われた。混合ガス流量は200SCCM(0℃、1atmで校正した場合のガス流量が200cc/min)、RFパワーは1.3W/cm、処理時間は10分であった。このようにして製造された有機EL素子を60℃に保たれたオーブン内に500時間保存した後、輝度低下の度合いを観察した。
(評価結果)
結果を図6および図7に示す。ここでダークスポットの個数を縦軸に取り、500時間保存した後の有機ELパネルの発光領域に生じた輝度低下部分をダークスポットとし、横軸とする。図6は無機膜下のピンホール周辺に生じたダークスポット(黒点)の直径であり、図7はダークスポットから同心円状に広がったダークスポットの直径(灰点)である。比較例に比べ実施例ではダークスポットの増大を防止できていることがわかった。本実施例に係る有機膜製造方法によりバリア膜中の有機膜が製造された有機ELパネルの信頼性が比較例に比べ高いことがわかる。
本実施形態における有機ELパネルの断面図である。 本実施形態における有機ELパネルのバリア膜の断面図である。 本実施形態における有機ELパネルのバリア膜の製造方法を説明する図である。 本実施形態における有機ELパネルのバリア膜の製造方法を説明する図である。 本実施形態におけるプラズマ処理装置を説明する図である。 本実施例における非発光点であるダークスポット(黒点)の形成を示すグラフである。 本実施例における輝度低下点であるダークスポット(灰点)の形成を示すグラフである。
符号の説明
10 基板
12 バリア膜
16 有機固体層
20 封止膜
100 有機EL素子

Claims (7)

  1. 有機膜を真空加熱することにより、当該有機膜表面に添加剤やモノマーなどの低分子量成分、水分、ラジカルを集合させ集合体とし、
    その後、有機膜表面をプラズマ処理することにより前記集合体を除去し、
    さらに、酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下で、前記プラズマ処理とは別のプラズマ処理をする有機膜製造方法。
  2. 請求項1に記載の有機膜製造方法であって、
    前記真空加熱は、50℃〜300℃で有機膜を加熱し、加熱時間は0.5分以上である有機膜製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の有機膜製造方法であって、
    前記1回目のプラズマ処理は、下記(A)〜(C)のうちいずれか1つのガス雰囲気下でなされ、
    (A)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びキセノンの何れかと酸素との混合ガスであって酸素ガス濃度が1%〜30%のガス雰囲気
    (B)四フッ化炭素、六フッ化エタン、八フッ化プロパン及びオクタフルオロシクロブタンの何れかと酸素との混合ガスであって、酸素ガス濃度が1%〜30%であるガス雰囲気
    (C)一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、及び亜酸化窒素の単独ガスのガス雰囲気
    かつ、前記酸素ガスを含まないか、または、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気下で行う2回目のプラズマ処理が、下記(D)〜(F)のうちいずれか1つのガス雰囲気下であって、前記(A)〜(C)とは異なるガス雰囲気下でなされる有機膜製造方法。
    (D)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びキセノンの何れかと酸素との混合ガスであって酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気。
    (E)四フッ化炭素、六フッ化エタン、八フッ化プロパン及びオクタフルオロシクロブタンの何れかと酸素との混合ガスであって、酸素ガス濃度が5%以下のガス雰囲気。
    (F)窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、及び亜酸化窒素の単独ガスのいずれか1つのガス雰囲気。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の有機膜製造方法であって、
    前記有機膜が製造された後、さらに有機膜表面に無機膜を形成する有機膜製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の有機膜製造方法であって、
    前記有機膜は、有機ELパネルを構成する有機膜のうち少なくとも1つの膜である有機膜製造方法。
  6. 請求項5に記載の有機膜製造方法であって、
    前記有機膜は、有機EL素子を保護する保護膜である有機膜製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の有機膜製造方法により製造された有機膜が含まれる有機ELパネル。
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