JP2001280136A - 水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンク - Google Patents

水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンク

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用
リザーブタンクにおいて、その形状や取付位置等の設定
の自由度を高めることを目的とする。 【解決手段】 鞍乗り型車輌１を構成するシートレール
１２の後部下方に配設され、冷却水を貯留する貯水部２
０ａと、この貯水部の上方に延設された給水部２０ｂと
からなり、前記貯水部の主要部が前記シートレールより
も車輌の内側に配設させられているとともに、前記給水
部が、貯水部の側部から前記シートレールの外側上方へ
向けて延設されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水冷式鞍乗り型車
輌に取り付けられているラジエタに、冷却水を補給する
リザーブタンクに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用
リザーブタンクの一例として、たとえば、実公平５−３
０５５６号公報において提案されている。
【０００３】この技術が適用された水冷式鞍乗り型車輌
は、前方にラジエタが装着されたメインフレームと、こ
のメインフレームの後方に延設されたシートレールと、
前記メインフレームの下方に配設されたアンダーフレー
ムと、前記シートレールから斜め下方へ向けて延設さ
れ、このシートレールを前記アンダーフレームへ接続す
るシートレールステーとによって、車輌の車体部の主要
部を構成している。そして、前記メインフレームとアン
ダーフレームの前部側方には、一対の前輪が設けられ
（３輪式である場合には、前輪は一つである）、また、
前記アンダーフレームの後方で、前記シートレールの両
側部下方には、一対の後輪が設けられている。
【０００４】そして、前記ラジエタへ補給される冷却水
を貯水するリザーブタンクは、前記シートレールステー
の、前記シートレールとの接続部近傍で、前記シートレ
ールステーの外側に位置するように取り付けられてお
り、ブリーザチューブによって、前記車体の前方部分に
設けられた前記ラジエタへ連通させられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のリザーブタンクにあっては、つぎのような改善す
べき問題点が残されている。すなわち、前記リザーブタ
ンクが前記シートレールステーの外側に位置させられて
いるが、この位置において前記シートレールステーには
後輪が対向位置させられており、かつ、シートレールス
テーと後輪との間には、この後輪を車体に取り付けるた
めの懸架機構等の他の車体構成体が配設されていること
から、前記リザーブタンクの設置スペースが小さく、こ
れに伴ってリザーブタンクの形状や取付位置等が制限さ
れてしまうといった問題点である。
【０００６】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リ
ザーブタンクにおいて、その形状や取付位置等の設定の
自由度を高めることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンクは、
前述した目的を達成するために、水冷式鞍乗り型車輌の
ラジエタに接続されたリザーブタンクであって、前記鞍
乗り型車輌を構成するシートレールの後部下方に配設さ
れ、冷却水を貯留する貯水部と、この貯水部の上方に延
設された給水部とからなり、前記貯水部の主要部が前記
シートレールよりも車輌の内側に配設させられていると
ともに、前記給水部が、貯水部の側部から前記シートレ
ールの外側上方へ向けて延設されていることを特徴とす
る。本発明の請求項２に記載の水冷式鞍乗り型車輌のラ
ジエタ用リザーブタンクは、請求項１に記載の前記シー
トレールの後部には、このシートレールを覆ってリアフ
ェンダが設けられ、前記給水部が、前記リアフェンダを
貫通して、このリアフェンダの上面へ突出させられてい
ることを特徴とする。本発明の請求項３に記載の水冷式
鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンクは、請求項１
または請求項２に記載の前記リザーブタンクの側面に
は、上下一対の水量確認ラインが設けられ、これらの水
量確認ラインが、前記車輌の後部に配設された後輪の上
端部より上方に位置するように前記リザーブタンクが設
置されていることを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照して説明する。図１中、符号１は、本実施形態
が適用された水冷式鞍乗り型車輌（以下車輌と略称す
る）を示し、この車輌１は、車体部の上部を構成する左
右一対のメインフレーム２と、これらのメインフレーム
２の下方に沿って配設され、前方において前記メインフ
レーム２に接続された左右一対のアンダーフレーム３
と、これらのアンダーフレーム３の後方に、上下に揺動
可能に装着されたリアフォーク４と、前記メインフレー
ム２とアンダーフレーム３とによって形成される空間部
に配設され、かつ、前記アンダーフレーム３に固定され
るエンジン５と、前記メインフレーム２とアンダーフレ
ーム３の前部左右に上下動可能に装着された左右一対の
前輪６と、前記リアフォーク４の左右に装着された一対
の後輪７とを備えている。
【０００９】また、前記メインフレーム２の前方には、
前記エンジン５へ循環させられる冷却水を冷却するため
のラジエタ８と、同じく、前記エンジン５へ循環させら
れるオイルを冷却するオイルクーラ９が設けられ、さら
に、前記メインフレーム２の前部で、前記ラジエタ８お
よびオイルクーラ９の後方には、前記前輪６の操舵をな
すステアリングハンドル１０が設けられ、また、このス
テアリングハンドル１０の後方には、燃料タンク１１が
設けられている。
【００１０】さらに、前記燃料タンク１１の後方には、
前記メインフレーム２の後方に延設されたシートレール
１２によって支持されたシート１３が設けられ、このシ
ート１３の下方には、前記エンジン５へ供給される燃焼
用空気を浄化するエアクリーナ１４が設けられている。
また、前記エンジン５には、燃焼ガスを外気へ放出する
とともに、排気音を抑制する消音器１５が接続されてお
り、この消音器１５は、前記シートレール１２と後輪７
との間に配設されるとともに、前記シートレール１２に
よって支持されている。
【００１１】一方、前記リアフォーク４は、前記アンダ
ーフレーム３の後部に設けられたピボットプレート１６
に取り付けられた軸受け１７によって揺動可能に支持さ
れている。
【００１２】そして、前記シートレール１２の下部に
は、このシートレール１２を前記アンダーフレーム３の
後部へ接続するシートレールステー１８が、斜め下方前
方へ向けて取り付けられ、また、図２および図３に示す
ように、前記シートレール１２の上部には、このシート
レール１２および前記両後輪７を覆うリアフェンダ１９
が装着されており、前記シートレールステー１８の上端
部近傍に、本実施形態に係わるリザーブタンク２０が装
着されている。
【００１３】前記リザーブタンク２０は、図２および図
３に示すように、冷却水を貯留する貯水部２０ａと、こ
の貯水部２０ａの上方に延設された給水部２０ｂとから
なり、前記貯水部２０ａの主要部が前記シートレールス
テー１８よりも車輌の内側に配設させられているととも
に、前記給水部２０ｂが、前記貯水部２０ａの側部から
前記シートレール１２の外側上方へ向けて延設されてい
る。
【００１４】さらに詳述すれば、前記貯水部２０ａの下
部は、車輌の前後方向に長く形成され、また、上部は、
車輌の前後方向において幅狭に形成されているととも
に、前記リアレールステー１８を横切って車輌の外側ま
で延設されている。
【００１５】前記給水部２０ｂは、略円筒状に形成され
ており、前記シートレール１２の外側において、前記貯
水部２０ａの上部から車輌の上方へ向けて延設され、そ
の上端部にはキャップ２１が着脱可能に螺着されてい
る。
【００１６】そして、前記給水部２０ｂの上端部は、図
３および図４に示すように、前記リアフェンダ１９を貫
通してその上方へ突出させられており、その上端部に設
けられた前記キャップ２１が、前記リアフェンダ１９に
おいて着脱可能な構成となっている。
【００１７】また、前記リザーブタンク２０の貯水部２
０ａの側面には、図２および図３に示すように、上下一
対の水量確認ラインＵ・Ｌが設けられて、貯水部２０ａ
における冷却水の貯水量の確認が可能となっている。
【００１８】そして、本実施形態においては、これらの
水量確認ラインＵ・Ｌが、図２に示すように、前記車輌
の後部に配設された後輪７の上端部より上方に位置する
ように前記リザーブタンク２０が設置されており、車輌
の側部から前記リザーブタンク２０内の冷却水の貯水量
を確認することができるようになっている。ここで、前
記リザーブタンク２０の取付位置は、たとえば、冷却水
量の確認は、通常、運転者が車輌から降りた状態で行わ
れることから、運転者が非乗車状態における車体フレー
ムと後輪７との位置に応じて設定すればよい。
【００１９】さらに、前記リアフェンダ１９の、前記給
水部２０ｂが貫通させられる部位には、図２および図４
に詳述するように、前記給水部２０ｂに取り付けられた
前記キャップ２１を取り囲むようにして凹部２２が形成
されている。
【００２０】このように構成された本実施形態のリザー
ブタンク２０にあっては、貯水部２０ａの下部が、シー
トレール１２の内側に配設されていることにより、この
貯水部２０ａの下部が、比較的大きな空間部を確保する
ことのできるシートレール１２の内側に位置させられ、
これによって、リザーブタンク２０の容量を容易に確保
することができる。
【００２１】また、前記貯水部２０ａの上部が、シート
レール１２の上方に配設されているとともに、前記給水
部２０ｂが、前記貯水部２０ａの上方側部から車輌の上
方へ向けて延設されていることにより、前記リザーブタ
ンク２０の、前記シートレール１２と後輪７との間の空
間部に突出させられる部分が小さく抑えられ、これによ
って、前記シートレール１２と後輪７との間に配設され
る車輌の他の構成部材との干渉が防止される。この結
果、リザーブタンク２０の設置に際してその設置位置の
自由度が高められる。したがって、前述したように、水
量確認ラインＵ・Ｌを、前記後輪７の上端部よりも上方
に位置させるようなリザーブタンク２０の設置位置の設
定が可能となり、冷却水量の容易な確認が可能となる。
【００２２】さらに、リザーブタンク２０の給水部２０
ｂを上方へ延設して、その先端部に設けたキャップ２１
をリアフェンダ１９の上方へ突出させたことにより、前
記リザーブタンク２０への冷却水の補給操作が簡便に行
える。
【００２３】なお、前記実施形態において示した各構成
部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基
づき種々変更可能である。たとえば、前記実施形態にお
いては、車輌として４輪型の鞍乗り型車輌を例示した
が、３輪型の鞍乗り型車輌や自動二輪車等の他形式の車
輌への適用も可能である。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる水
冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンクによれ
ば、貯水部の主要部が、比較的大きな空間部を確保する
ことのできるシートレールの内側に配設されていること
により、リザーブタンクの容量を容易に確保することが
できる。また、給水部が、前記貯水部の上方側部から車
輌の上方へ向けて延設されていることにより、前記リザ
ーブタンクの、前記シートレールと後輪との間の空間部
に突出させられる部分が小さく抑えられ、これによっ
て、前記シートレールと後輪との間に配設される車輌の
他の車体構成部材と前記リザーブタンクとの干渉を防止
することができ、この結果、リザーブタンクの設置に際
して、その設置位置の自由度を高めることができる。し
たがって、リザーブタンクに形成した水量確認ライン
を、前記後輪の上端部よりも上方に位置させるようなリ
ザーブタンクの設置位置の設定が可能となり、リザーブ
タンク内の冷却水量の確認を、簡便にかつ確実に行うこ
とができる。さらに、リザーブタンクの給水部を上方へ
延設して、その先端部をリアフェンダの上方へ突出させ
ることにより、前記リザーブタンクへの冷却水の補給操
作を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態が適用された水冷式鞍乗り
型車輌の一例を示す概略側面図である。
【図２】本発明の一実施形態を示すもので、車両後部の
拡大右側面図である。
【図３】本発明の一実施形態を示すもので、車両後部の
右側を、車輌の後方から見た拡大図である。
【図４】本発明の一実施形態を示すもので、車両後部の
右側の拡大平面図である。
【符号の説明】
１ （水冷式鞍乗り型）車輌 ２ メインフレーム ３ アンダーフレーム ４ リアフォーク ５ エンジン ６ 前輪 ７ 後輪 ８ ラジエタ ９ オイルクーラ １０ ステアリングハンドル １１ 燃料タンク １２ シートレール １３ シート １４ エアクリーナ １５ 消音器 １６ ピボットプレート １７ 軸受け １８ シートレールステー １９ リアフェンダ ２０ リザーブタンク ２０ａ 貯水部 ２０ｂ 給水部 ２１ キャップ ２２ 凹部 Ｕ 水量確認ライン Ｌ 水量確認ライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水冷式鞍乗り型車輌のラジエタに接続さ
    れたリザーブタンクであって、前記鞍乗り型車輌を構成
    するシートレールの後部下方に配設され、冷却水を貯留
    する貯水部と、この貯水部の上方に延設された給水部と
    からなり、前記貯水部の主要部が前記シートレールより
    も車輌の内側に配設させられているとともに、前記給水
    部が、貯水部の側部から前記シートレールの外側上方へ
    向けて延設されていることを特徴とする水冷式鞍乗り型
    車輌のラジエタ用リザーブタンク。
  2. 【請求項２】 前記シートレールの後部には、このシー
    トレールを覆ってリアフェンダが設けられ、前記給水部
    が、前記リアフェンダを貫通して、このリアフェンダの
    上面へ突出させられていることを特徴とする請求項１に
    記載の水冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタン
    ク。
  3. 【請求項３】 前記リザーブタンクの側面には、上下一
    対の水量確認ラインが設けられ、これらの水量確認ライ
    ンが、前記車輌の後部に配設された後輪の上端部より上
    方に位置するように前記リザーブタンクが設置されてい
    ることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の水
    冷式鞍乗り型車輌のラジエタ用リザーブタンク。
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