JP7470723B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、アッパーカウル内にエアクリーナユニットを配置しながら、ヘッドパイプ前方空間を確保しつつ、アッパーカウルより後方のシートとの間の跨ぎ部のスペースを確保し易くすることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
図1から図3に示すように、アッパーカウル31は、シート17に着座した乗員の前方に位置し、乗員の主に上半身に向かう走行風を整流する整流部材として機能する。アッパーカウル31の上部には、後上方に延出するウインドシールド35が取り付けられる。アッパーカウル31の前部には、ライトユニット36が配置される。ライトユニット36は、ヘッドライト、ポジションランプ、ウインカー、及びデイライトの少なくともいずれかとして機能する。
インナーパネル37とシート17との間には、センターカバー38が配置される。センターカバー38は、アッパーカウル31とシート17との間の跨ぎ部39の少なくとも底面を形成する部材である。このセンターカバー38を車体下方に配置するほど、跨ぎ部39を低くした車体デザインを実現でき、且つ、跨ぎ部39を乗員が跨ぎやすくなる。
左右のサイドカバー41L,41Rは、開口部31L,31Rを覆う位置に着脱可能に固定される。サイドカバー41L,41Rを固定する構造は、公知の係止構造や、締結部材を用いた公知の締結構造が適用される。
エアクリーナユニット51は、パワーユニット12に接続される吸気系の一部を構成する部品である。より具体的には、エアクリーナユニット51は、エアクリーナケースと、エアクリーナケース内に配置されるエアフィルターとを備え、エアクリーナケース内に、外気をエアフィルターを介してパワーユニット12に供給する流路や、エアフィルターで清浄化された空気を貯留する空気室等が形成されている。
本構成では、エアクリーナユニット51をアッパーカウル31内の側方、又はヘッドパイプ18よりも車幅方向外側に配置するので、アッパーカウル31の後部を必要以上に突出させることを抑制でき、跨ぎ部39の前後スペースを確保できる。また、パワーユニット12周辺に、エアクリーナユニット51の配置スペースが不要となる。したがって、シリンダー部24の真上等にエアクリーナユニット51を配置する場合と比べて、センターカバー38を低く配置することが可能となる。したがって、跨ぎ部39及びその周辺のデザイン自由度が向上する。また、センターカバー38を低く配置しない構成を選択した場合に、センターカバー38下方に広いスペースを確保でき、部品の配置スペースや収納スペースを確保し易くなる。
図4及び図5に示すように、エアクリーナユニット51は、ヘッドパイプ18よりも車幅方向外側にオフセットされ、ヘッドパイプ18に対して前後方向に延びている。これにより、エアクリーナユニット51をアッパーカウル31内に配置しつつ、エアクリーナ容量も確保できる。
なお、図4及び図5には、サイドカバー41L内に開口部31Lに収納可能なエアクリーナユニット51の一例を示している。説明を判りやすくするため、エアクリーナユニット51及び収納部55の外形状を一点鎖線で示している。なお、エアクリーナユニット51の形状は適宜に変更してもよい。
なお、ライトユニット36がアッパーカウル31の左側面近傍まで延在する形状の場合、エアクリーナユニット51を、ヘッドパイプ18よりも車幅方向外側であって、ヘッドパイプ18よりも後方に延びる形状にすればよい。
図4に示すように、フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下がりに後方に延びる左右一対のメインフレーム43と、メインフレーム43の下方でヘッドパイプ18から下方に延びる左右一対のダウンフレーム44とを備える。左右のダウンフレーム44の前方、かつ左右中央には、パワーユニット12の冷却媒体を冷却するラジエータ45が配置される。
エアクリーナユニット51は、車体側面視で、メインフレーム43、ダウンフレーム44、及びラジエータ45と重なる位置に配置されることによって、メインフレーム43、ダウンフレーム44、及びラジエータ45と高さ方向で重なる位置に配置される。これにより、エアクリーナユニット51の高さを抑えられ、跨ぎ部39の高さも抑えられる。
また、図5に示すように、エアクリーナユニット51は、車体上面視で、メインフレーム43、ダウンフレーム44、及びラジエータ45の車幅方向外側に配置される。
また、ライトユニット36の左右に、アッパーカウル31内に空くデッドスペースが存在する場合には、図5に示したように、エアクリーナユニット51を、ヘッドパイプ18の車幅方向外側かつ前方に延長することにより、エアクリーナユニット51の大容量化が可能である。
左右のメインフレーム43後部の間、及び上方スペースは、燃料タンク29、及びシート17の配置スペースに利用される。また、左右のメインフレーム43、及び左右のダウンフレーム44に囲まれるスペースは、パワーユニット12の配置スペースに利用される。なお、左右のダウンフレーム44の下部には、エンジンマウント46を介してパワーユニット12が支持されると共に、左右のステップ28を下方から支持する左右のステップ用フレーム47(図5)が支持される。
なお、本構成のパワーユニット12は、クランクケース23の前部から斜め上方に向けてシリンダー部24が延出する単気筒エンジンである。このため、シリンダー部24を、左右のメインフレーム43前部、及び左右のダウンフレーム44に囲まれる空間内に効率良く配置でき、かつ、エアクリーナユニット51に近い位置に配置できる。
左右のサイドカバー41L,41Rの内縁41Gは、前輪13、フロントフェンダー26及び左右一対のフロントフォーク14よりも車幅方向外側に位置する。これによって、左右のサイドカバー41L,41Rには、前方に開口する前方開口部41Kが形成される。これら前方開口部41Kによって、左右のサイドカバー41L,41R内に前方からの外気(例えば走行風)を流入させることができ、エアクリーナユニット51周囲に、前方からの外気を流すことができる。
つまり、上記前方開口部41K、及びスリットが、本発明の「前方からの外気が流入する前方開口部」に相当する。
前方開口部41Kの領域にはラジエータ45が位置するので、前方からの外気の少なくとも一部をラジエータ45に流すことができる。ラジエータ45は、前方開口部41Kの領域全体を覆っておらず、サイドカバー41L,41Rとラジエータ45との間に前方に開口する隙間が少なくとも形成される。図6には、左側のサイドカバー41Lとラジエータ45との間の隙間を、ハッチングを付して示している。
この隙間により、ラジエータ45を通過していない前方からの外気をエアクリーナユニット51周囲に流すことができる。これにより、エアクリーナユニット51に、パワーユニット12やラジエータ45の熱影響を受けていない空気を吸気させ易くなり、パワーユニット12の出力特性の向上に有利となる。また、前方開口部41Kから流入した外気によってパワーユニット12及びその周囲部品も冷却し易くなる。
なお、ライトユニット36がアッパーカウル31の右側面近傍まで延在する形状の場合、収納部55を、ヘッドパイプ18よりも車幅方向外側であって、ヘッドパイプ18よりも後方に延びる形状にすればよい。
また、アッパーカウル31内に左右一対のフロントフォーク14を備え、これらフロントフォーク14よりも車幅方向外側にエアクリーナユニット51を備えるため、アッパーカウル31内にエアクリーナユニット51を収納しつつ、一対のフロントフォーク14の転舵とヘッドパイプ18前後の空間を確保し、かつ跨ぎ部39の前後スペースを確保できる。跨ぎ部39の前後スペースを確保できるので、乗員が跨ぎ部39を跨ぎやすくなり、いわゆる跨ぎ性が向上する。
なお、図6には、収納部55を、車幅中心線L1を基準にして、エアクリーナユニット51の左右対称形状に形成した場合を例示している。但し、収納部55はこの形状に限定されず、適宜な形状に変更してもよい。
また、アッパーカウル31に左右の開口部31L,31Rを設ける場合を例示したが、開口部31L,31Rを設けずに、アッパーカウル31内の左右いずれかに、エアクリーナユニット51及び収納部55のいずれかを配置するようにすればよい。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、フロントカウル内にエアクリーナユニットを配置しながら、ヘッドパイプ前方空間を確保しつつ、ヘッドパイプ後方空間を確保してアッパーカウルより後方のシートとの間の跨ぎ部のスペースを確保し易くなる。また、エアクリーナユニットはヘッドパイプの前方から後方に延びているので、エアクリーナ容量を確保できる。
この構成によれば、エアクリーナユニットを配置した場合でも、アッパーカウルとシートとの間の跨ぎ部の空間を確保できる。
この構成によれば、サイドカバーに設けた蓋部を取り外したり、サイドカバーを取り外したりすることによって、エアクリーナユニットのメンテナンスや着脱作業等を容易に行うことが可能になる。さらに、サイドカバーによって、ライダーへの空力プロテクションを向上させ易くなる。
この構成によれば、開口部内に収納されたエアクリーナユニットに前方からの外気を吸気させ易くなる。
この構成によれば、収納部により利便性が向上することに加え、ヘッドパイプを基準にしてエアクリーナユニットと収納ボックスとを左右に振り分け配置でき、左右の車体デザインを揃え易くなる。さらに空気の通り道となる車両両側方を膨出させることによって効率よく吸気でき、かつライダーへの空力プロテクション(走行風の巻き込み/巻き上げ風の低減効果)を向上させ易くなる。
この構成によれば、サイドカバーを取り外すことによって収納部へのアクセス等を容易に行うことが可能になる。
この構成によれば、アッパーカウル内にエアクリーナユニットを収納しつつ、一対のフロントフォークの転舵とヘッドパイプ前後の空間を確保し、かつ跨ぎ部の前後スペースを確保できる。跨ぎ部の前後スペースを確保することで、跨ぎ性が向上する。
11 車体フレーム
12 パワーユニット
14 フロントフォーク
17 シート(乗員用シート)
18 ヘッドパイプ
31 アッパーカウル
31L 左側の開口部
31R 右側の開口部(他の開口部)
36 ライトユニット
39 跨ぎ部
41L 左側のサイドカバー
41R 右側のサイドカバー(他のサイドカバー)
41K 前方開口部
43 メインフレーム
44 ダウンフレーム
45 ラジエータ
55 収納部
L1 車幅中心線
Claims (6)
- ヘッドパイプ(18)を有する車体フレーム(11)と、
前記ヘッドパイプ(18)を前方から覆うアッパーカウル(31)と、
前記ヘッドパイプ(18)に左右に操舵自在に支持されるフロントフォーク(14)と、
パワーユニット(12)に接続され、吸気系の一部を構成するエアクリーナユニット(51)を備える鞍乗り型車両において、
前記アッパーカウル(31)の側面にサイドカバー(41L)が設けられ、その内部に前記エアクリーナユニット(51)が収納され、前記サイドカバー(41L)は前記フロントフォーク(14)よりも車幅方向外側に膨出しており、
前記エアクリーナユニット(51)は、前記ヘッドパイプ(18)よりも車幅方向外側にオフセットされ、かつ前記フロントフォーク(14)の前方から後方に延びていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記アッパーカウル(31)の左右側面に、左右の前記サイドカバー(41L,41R)が設けられ、
前記ヘッドパイプ(18)から後下方に延びるメインフレーム(43)の下方に、前記ヘッドパイプ(18)から下方に延びる左右のダウンフレーム(44)が設けられ、
前記メインフレーム(43)及び左右の前記ダウンフレーム(44)に囲まれるスペースに、前記パワーユニット(12)が配置され、
左右の前記サイドカバー(41L,41R)の内縁(41G)で囲われる前方開口部(41K)内であって、左右の前記ダウンフレーム(44)の前方、かつ左右中央には、前記パワーユニット(12)の冷却媒体を冷却するラジエータ(45)が配置され、
左右の前記サイドカバー(41L,41R)と前記ラジエータ(45)の間に、前方に開口する隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 前記ヘッドパイプ(18)から後下方に延びるメインフレーム(43)と、
前記メインフレーム(43)の上方に乗員用シート(17)を備え、
前記アッパーカウル(31)と乗員用シート(17)との間、かつ前記メインフレーム(43)よりも上方に、前記アッパーカウル(31)と前記乗員用シート(17)よりも下方に位置する跨ぎ部(39)が設けられ、
前記跨ぎ部(39)の前端よりも前方に前記エアクリーナユニット(51)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。 - 前記エアクリーナユニット(51)の前方に位置するサイドカバー(41L)、又はアッパーカウル(31)の少なくとも一方には、前方からの外気が流入する前方開口部(41K)が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記アッパーカウル(31)内で、前記ヘッドパイプ(18)に対して前記エアクリーナユニット(51)の車幅方向反対側にオフセットした位置に、収納部(55)が設けられ、
前記収納部(55)は、前記ヘッドパイプ(18)の前方から後方に延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記アッパーカウル(31)には、前記エアクリーナユニット(51)の車幅方向反対側の側面に、他の開口部(31R)が設けられ、
前記他の開口部(31R)内に前記収納部(55)が設けられ、
前記他の開口部(31R)を側方から覆う他のサイドカバー(41R)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両。
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