JP2001279551A - ポリエステル系ファンシーヤーン - Google Patents
ポリエステル系ファンシーヤーンInfo
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- JP2001279551A JP2001279551A JP2000086530A JP2000086530A JP2001279551A JP 2001279551 A JP2001279551 A JP 2001279551A JP 2000086530 A JP2000086530 A JP 2000086530A JP 2000086530 A JP2000086530 A JP 2000086530A JP 2001279551 A JP2001279551 A JP 2001279551A
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Abstract
つ淡染性部と濃染性部の境界の多くは柄部の境界が際立
たず、流れるような自然な表面変化を与えることができ
るポリエステル系ファンシーヤーンを提供する。 【解決手段】 長手方向に淡染性部ロと濃染性部イとが
交互に存在するポリエステル捲縮マルチフィラメント糸
である。そして、淡染性部ロと濃染性部イは太さがほぼ
同等であり、しかも濃染性部イの引張特性にフロー領域
がない。さらに、淡染性部ロと濃染性部イとの境界部の
40%以上の断面内に淡染性フィラメントと濃染性フィ
ラメントとが混在している。
Description
方向に淡染性部と濃染性部とが交互に存在するポリエス
テル系ファンシーヤーンに関するものである。
ァンシーヤーンは見た目に清涼感効果を与えるので、効
果糸として高く評価されている。特に淡染性部が柄部と
なるファンシーヤーンはサマーウール調の白く掠れた柄
部が散在する布帛となり、夏用アウター衣料として重用
されている。
績糸のファンシーヤーンであるスラブヤーンは、その柄
部の境界が紡錘形を呈しており、その長手方向に徐々に
太くなっていき、そして徐々に細くなる形状を呈してい
る。この形状により、これら天然繊維によるスラブヤー
ンは、自然な流れるような変化で優しい感じを与えるこ
とができる。
シュアンドウエアー性と張り、腰に優れたポリエステル
フィラメントによるファンシーヤーンが有効であるが、
これらのファンシーヤーン、例えばシックアンドシンヤ
ーン、エアージェットによるスラブヤーン、仮撚り巻き
付けによるスラブヤーン等は、柄部と地部の境界がシャ
ープであるため人工的な感じがして高級感が出せないと
いう欠点があった。
ブ調効果を出すために、通常シック部(太部)の位相を
フィラメント間で揃えられているが、これらは前述の通
り境界がシャープとなる。一方、シックアンドシンヤー
ンでも太部の位相をそれぞれ異ならせて太細効果を斑程
度の変化に低減する技術も数多く開示(例えば特公昭5
2−6367号公報)されているが、これらは逆にスラ
ブ部としての強い視覚効果がなく、清涼感効果は得られ
ない。
向未延伸糸の長手方向に間歇的に液体を付着させ、液体
付着部を淡染性部に、液体非付着部を濃染性部にする技
術を特公昭63−28141号公報で提案し、すでにフ
ァンシーヤーン製造法として数多くの実績があるが、前
述した通り、液体を付着した境界部がシャープであり、
流れる変化として優しい感じを付与することはできなか
った。
うな従来の欠点を解消し、製編織、染色等の後工程で安
定しており、かつ、製編織して染色すれば、淡染性部と
濃染性部との境界の多くは際立たず、流れるような自然
な表面変化を付与することができるポリエステル系ファ
ンシーヤーンを提供することを技術的な課題とするもの
である。
題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、長手方向に淡染性部と濃染性
部とが交互に存在するポリエステル捲縮マルチフィラメ
ント糸であって、淡染性部と濃染性部は太さがほぼ同等
であり、しかも濃染性部の引張特性にフロー領域がな
く、かつ、淡染性部と濃染性部との境界部の40%以上
の断面内に淡染性フィラメントと濃染性フィラメントと
が混在していることを特徴とするポリエステル系ファン
シーヤーンを要旨とするものである。
する。まず、本発明のファンシ−ヤ−ンは、ポリエステ
ル捲縮マルチフィラメントで構成されており、夏用アウ
ター衣料としての張り、腰とウオシュアンドウエアー性
を満足する素材である。そして、糸条の長手方向に淡染
性部と濃染性部とが交互に存在しており、染色後の見た
目としては淡染性部で柄部を、濃染性部で地部を構成す
るような割合で存在するのが好ましいが、これに限定さ
れるものではない。
ら淡染性部に変化する境界部Xと淡染性部から濃染性部
に変化する境界部Yの二種の境界部が存在するが、淡染
性部と濃染性部との境界部の数の40%以上の断面内に
淡染性フィラメントと濃染性フィラメントとが混在して
いることが必要である。
条を製編織して染色した布帛を観察した時、淡染性フィ
ラメントと濃染性フィラメントが入り混じらずに境界部
が際立っている部分が大半、すなわち60%以上を占め
る場合、人工的な感じを強烈に受けるが、その部分が6
0%未満、すなわち全境界の40%以上で淡染性フィラ
メントと濃染フィラメントが入り混じっている場合、優
しい流れるような自然な感じを受けることができる。
境界部には二種のもの(X、Y)が存在するが、全境界
数の40%以上の境界部で淡染性フィラメントと濃染フ
ィラメントが混在していれば、境界部X、Yいずれか一
方のみで混在していても、両方で混在していてもよい。
性フィラメントとの混在で、布帛に優しい流れるような
自然な感じを付与するためには境界部で各柄部(淡染性
部と濃染性部のうち、糸条全体で比率の少ない方)長さ
の3%以上の長さで淡染性フィラメントと濃染性フィラ
メントとが混在していることが必要である。この長さが
3%未満になると、色調が変化する領域が短いので、徐
々に変化した感じが乏しくなり、境界部が際立って見え
やすくなる。
メントと濃染性フィラメントが混在するか否かの評価方
法について説明する。まず、糸条を筒編して下記する染
色処方にて常圧で染色し、そして解編した糸条の任意の
場所から柄部を20箇所採取し、各柄部の長さLn 及び
境界部Xの長さlanと境界部Yの長さlbnを個々の柄部
毎に測定し、次式により境界部割合を求める。なお、柄
部長さLn には、各境界部のlanとlbnを含む。 Rn =(lan+lbn)/Ln ×100(%) そして、さらに他の位置でこの操作を10回行い、Rn
が3%以上である境界部が測定した全部の境界部の40
%以上であれば,本発明を満足することを意味する。な
お、Rn 、lan、lbnの測定は、解編した糸に1/10
cN/dtexの荷重を掛け、この糸にスケ−ルを当てて目
視により測定する。
あるが、その部分の断面を観察すると濃染性部は概ね六
角形ないし五角形を、淡染性部は偏平形状を示し、濃染
性と淡染性のフィラメントが混在した境界部分は六角形
乃至五角形と偏平形状が混在しているので、断面の観察
によって確認することができる。
るための染色処方を説明する。得られたファンシ−ヤ−
ンを小池機械製TN−26型筒編機(釜径:8.89c
m、針本数220本)で筒編する。得られた筒編地を日
華化学製サンモ−ルFL1g/lを入れた温湯50〜6
0℃で10〜15分間精練する。次いで、浴比1:5
0、染料としてバイエルン社製のレゾリンブル−GR
L:2%owf、30分、98℃を用いて染色を行う。
この染色により、ファンシーヤーンの濃染性部は青色に
濃く染まり、淡染性部は薄青色となるが、白色と見間違
える程度に淡く染まる。
染性部と濃染性部の太さがほぼ同等であり、かつ、濃染
性部はシックアンドシンヤ−ンのような引張特性にフロ
−領域が存在しないので、製編織等の工程での安定性に
優れたものである。このフロ−領域が存在すると、通常
のシックアンドシンヤーンのように製編織等の工程での
安定性に欠けるものとなる。なお、淡染性部と濃染性部
の太さがほぼ同等とは、濃染性部の太さ(繊度)を基準
として淡染性部の太さ(繊度)との差が5%以内をい
う。
について説明する。走行しているポリエステル高配向未
延伸糸に遮熱効果のある液体を間歇的に付着させて延伸
することなく連続的に熱処理することにより、液体で遮
熱した部分は熱処理以前の糸質物性を保ちつつ、遮熱し
ない部分のみ糸質物性を変化させ、次いで、通常の延伸
仮撚加工を施すことにより、液体付着部を淡染性部、液
体を付着しない部分を濃染性部とする。
延伸糸を延伸仮撚加工した場合のように単フィラメント
の断面形状は偏平化し、淡染性部となり、液体を付着さ
せず熱処理した部分の単フィラメントの断面形状は概ね
五角形、六角形状で濃染性部となる。
体を間欠的に付着させるに際しては、遮熱効果のある液
体に下部を浸漬させた回転するローラ上に糸を間歇的に
接触させて部分的に付着させる。その際、液体付着部と
非付着部の両境界部X,Y近傍全域に、あるいは片方の
境界部近傍に一方向から圧空ノズルによりさらに液体を
噴霧する。ローラ上で液体を付着した部分は淡染性化す
るが、噴霧によって液体を付着した部分は構成フィラメ
ントの一部のみにしか液体が付着せず、この部分が熱処
理−延伸仮撚加工を施されることにより淡染性フィラメ
ントと濃染性フィラメントが混在した淡染性部と濃染性
部の境界部となり、本発明のファンシーヤーンを得るこ
とができる。
的に付着させる他の方法としては、前述のローラ上で液
体を付着させるに際し、糸が液体から離れる時に、液体
が充分には付着していない状態を長く続行させる方法、
即ちローラ上の液体から糸が離れる時に低張力で糸を離
すと液が糸に残りながら糸が走行し、結果として液体の
斑付着を起生させることができる。
り、フィラメント間に熱処理斑を発生させる。このよう
にして境界部のフィラメント間に熱処理斑を発生させる
ことにより、濃染性部と淡染性部が混在した境界部を形
成させてもよい。
領域へ糸を送るフィードローラと引き取りロ−ラの間の
フィード率を大きくすればよい。通常、糸の走行を低く
設定する場合にも、安定走行させるために0.1cN/
dtex以上の張力に設定されるが、本発明でこの方法
を採用する場合には、糸が走行できる範囲で概ね0.0
4cN/dtex以下にすれば達成できる。
1は本発明のポリエステル系ファンシーヤーンの概略説
明図である。図1において、F1〜Fnは単フィラメン
トを表わしており、図左方から右方に沿って染色性が変
化し、イ部は濃染性部、ロ部は淡染性部、ハ部は濃染性
と淡染性のフィラメントが混在した部分であり、本発明
のファンシーヤーンはハ部の存在により特徴づけられ
る。なお、イ部の濃染性部とロ部の淡染性部の境界部は
際立っており、濃染性と淡染性のフィラメントが混在し
た部分は実質的に存在していない。そして、図中A−A
線断面は濃染性部、B−B線断面は淡染性部、C−C線
断面は濃染性と淡染性フィラメントが混在した境界部で
ある。
る断面形態を図2〜4に示すが、図2は図1のA−A線
の、図3はB−B線の、図3はC−C線の断面図であ
る。図2〜4に示すように、本発明のファンシーヤーン
は、供給糸が丸断面糸の場合、濃染性部は概ね六角形乃
至五角形を示し、淡染性部は偏平形状を示し、濃染性と
淡染性のフィラメントが混在した境界部は六角形乃至五
角形と偏平形状が混在しているので、断面の観察によっ
て確認することができる。
の製法例を示す概略工程図である。図5において、ポリ
エステル高配向未延伸糸1は供給ローラ2によってスプ
ールより引き出され、固定ガイド4と間歇振幅ガイド5
の間で走行中の糸条に回転ロ−ラ3で液体を付着させる
と同時に、間歇振幅ガイド5に同期して液体噴霧ノズル
6により回転ローラ3による液体付着領域を越えて液体
を付着させる。
る液体付着よりも広範囲に液体を噴霧することが必要で
ある。これによって、噴霧によってのみ液体が付着した
部分が加熱処理と延伸仮撚加工の後に濃染性と淡染性の
フィラメントが混在した境界部となる。
タ8で加熱処理が施された後、第1デリベリローラ9、
ローラ10を通って第2ヒータ11、スピンドル12で
延伸仮撚加工を施されて目的とするファンシーヤーンと
なり、第2デリベリロ−ラ13を経て、巻き取りチ−ズ
14に巻き取られる。
少なくとも濃染性と淡染性フィラメントが混在した境界
部が全境界部の40%以上存在するので、濃染性部と淡
染性部の間の境界部の一部の色差が際立っていても、布
帛外観は、濃染性と淡染性フィラメントが混在した境界
部の形態により流れるような自然な色の変化が強調され
るので、自然な表面感を得ることができる。
界部が全境界部数の40%以上存在することによって自然
な色の変化が強調され、自然な表面感が得られる理由は
明確ではないが、本発明者らの知見によると、糸条の長
手方向の変化として太細糸や濃淡糸の変化は、柄部と地
部の割合が50対50よりも40対60の方が強調され
て見える現象を把握しており、この現象と関係している
ものと推定される。
に説明する。
8fのポリエチレンテレフタレ−ト高配向未延伸糸を図
5に示す装置に供給し、表1に示す条件で加工した。
を行う以外は、実施例1と同様に行った。この場合、液
体付着ローラにフィラメントが低張力で弛みながら接触
を繰り返したが、フィラメントの糸切れもなく、安定し
て加工することができた。
の評価結果を表2に示す。
得られたファンシーヤーンには実質的な太さ斑がなく、
濃染性部の引張特性はフロー領域を有しないものであっ
た。また、淡染性と濃染性フィラメントが混在した部分
は実施例1では柄部の全境界の約50%に達し、その境
界部の長さは平均で柄部長さの8%であった。さらに、
実施例2では、両フィラメントが混在した部分は柄部の
全境界の約48%に達し、その境界部の長さは平均で柄
部長さの6%であった。
ンをz300T/Mで撚糸し、平組織で経84本/2.54c
m、緯70本/2.54cmの密度で製織した後、この生機を通
常の処方で精練し、続いて染料としてC.Iデスパーズ
ブルー113(三菱化成製)3%owf,浴比1:30、染
色温度130℃、染色時間30分の条件で、液流染色機
により染色した。染色後の還元洗浄、仕上げセット等は
通常の条件で行い、製品とした。
ンをz500T/Mで撚糸し、2/2ツイルの組織で経
80本/2.54cm、緯72本/2.54cmの密度で製織した後、こ
の生機を通常の処方で精練し、続いて染料はダイヤニッ
クスブル−BG−FS(三菱化成製)2.5%owf,浴比
1:30、染色温度130℃、染色時間30分の条件
で、液流染色機により染色した。染色後の還元洗浄、仕
上げセット等は通常の条件で行い、製品とした。
を使用した織物は、特に色調が流れるような柄部とな
り、天然繊維で得られる自然な落ち着いた表面感のある
布帛であった。
程で安定しており、かつ、製編織して染色すれば、淡染
性部と濃染性部との境界の多くは際立たず、流れるよう
な自然な表面変化を付与することができるポリエステル
系ファンシーヤーンが提供される。
る。
る。
部を示す図1のC−C線の断面図である。
法例を示す概略工程図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 長手方向に淡染性部と濃染性部とが交互
に存在するポリエステル捲縮マルチフィラメント糸であ
って、淡染性部と濃染性部は太さがほぼ同等であり、し
かも濃染性部の引張特性にフロー領域がなく、かつ、淡
染性部と濃染性部との境界部の40%以上の断面内に淡
染性フィラメントと濃染性フィラメントとが混在してい
ることを特徴とするポリエステル系ファンシーヤーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000086530A JP4331375B2 (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | ポリエステル系ファンシーヤーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000086530A JP4331375B2 (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | ポリエステル系ファンシーヤーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001279551A true JP2001279551A (ja) | 2001-10-10 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000086530A Expired - Fee Related JP4331375B2 (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | ポリエステル系ファンシーヤーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4331375B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111621893A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-09-04 | 安踏(中国)有限公司 | 一种花式纱制备方法 |
-
2000
- 2000-03-27 JP JP2000086530A patent/JP4331375B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111621893A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-09-04 | 安踏(中国)有限公司 | 一种花式纱制备方法 |
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JP4331375B2 (ja) | 2009-09-16 |
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