JP2001279533A - ゴム補強用繊維 - Google Patents

ゴム補強用繊維

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JP2001279533A
JP2001279533A JP2000086036A JP2000086036A JP2001279533A JP 2001279533 A JP2001279533 A JP 2001279533A JP 2000086036 A JP2000086036 A JP 2000086036A JP 2000086036 A JP2000086036 A JP 2000086036A JP 2001279533 A JP2001279533 A JP 2001279533A
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rubber
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crystalline polyester
molten liquid
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JP2000086036A
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Tomokazu Ise
智一 伊勢
Toshihiro Hamada
敏裕 浜田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度、高モジュラスに優れ、かつ耐疲労性
に優れたゴム補強用繊維を提供する。 【解決手段】 繊維横断面において分散相及び連続相が
形成された繊維であって、分散相が溶融液晶性ポリエス
テル、連続相が少なくともポリエチレンナフタレートに
より構成された繊維をゴム補強用繊維とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、タイヤコード、ベ
ルトコード、ホース補強材等に好適なゴム補強用繊維及
びデイップコード、さらに該ゴム補強用繊維を用いてな
るゴム複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強度、弾性率、タフネス等の諸性
能のバランスの良好なポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維をゴム補強材とすることが知られている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該繊維
は高温下で強力が低下し、また高温雰囲気下に長期間繰
り返しさらされるとゴムとの接着性も低下する問題があ
った。本発明の目的は、高強度で高いモジュラスを有す
るとともに耐熱性に優れたゴム補強用繊維及びデイップ
コード、さらに該ゴム補強用繊維を用いてなるゴム複合
体を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 繊維
横断面において分散相及び連続相が形成された繊維であ
って、分散相が溶融液晶性ポリエステル、連続相が少な
くともポリエチレンナフタレートにより構成されている
ことを特徴とするゴム補強用繊維、(2) 芯成分が溶
融液晶性ポリエステル、鞘成分が少なくともポリエチレ
ンナフタレートにより構成されているゴム補強用芯鞘型
複合繊維、(3) 芯成分が溶融液晶性ポリエステル、
鞘成分がポリエチレンナフタレート及び溶融液晶性ポリ
エステルにより構成されているゴム補強用芯鞘型複合繊
維、(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のゴム補
強用繊維を用いてなるデイップコード、(5) (1)
〜(3)のいずれかに記載のゴム補強用繊維及びゴムか
らなるゴム複合体、に関する。
【0004】
【発明の具体的な態様】本発明は、分散相が溶融液晶性
ポリエステル(ポリマーA)、連続相が少なくともポリ
エチレンナフタレート(PEN:ポリマーB)により構
成されている繊維をゴム補強用繊維とするものである。
溶融液晶性ポリエステル繊維は高強力高弾性率であるこ
とから、タイヤコードなどのように高い機械的性能が必
要とされる用途に好適であるが、配向結晶性が高度に進
行しているためにゴムとの接着性が低く、しかもフィブ
リル化しやすく耐疲労性が劣る問題がある。以上のこと
から、本発明は、機械的性能に優れた溶融液晶性ポリエ
ステル(ポリマーA)を分散相とするとともに、該溶融
液晶性ポリエステルとの親和性が高く、さらに機械的性
能、耐摩耗性、ゴムとの接着性等の諸性能のバランスに
優れたポリエチレンナフタレート(ポリマーB)を連続
相とすることにより、高性能のゴム補強用繊維を得るも
のである。
【0005】本発明にいう溶融液晶性(異方性)とは、
溶融相において光学的液晶性(異方性)を示すことであ
る。例えば試料をホットステ−ジにのせ、窒素雰囲気下
で昇温加熱し、試料の透過光を観察することにより認定
できる。本発明で用いる溶融液晶性ポリエステルは、芳
香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシ
カルボン酸、芳香族アミン等の反復構成単位からなる
が、下記一般式(1)〜(12)に示す反復構成単位の組
み合わせからなるものが好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】特に好ましくは、一般式(11)に示す反復
構成単位の組み合わせからなるポリマ−が好ましい。か
かるポリマーは機械的性能に優れているのみでなく、溶
融液晶性ポリエステルとしては溶融温度が比較的低いた
めに後述のポリエチレンナフタレートの性能を実質的に
損うことなく紡糸可能であり、またナフタレン構造を有
しているためにポリエチレンナフタレートとの高い親和
性を有している。特に(A)及び(B)の反復構成単位
からなる部分が65重量%以上であるポリマ−であり、特
に(B)の成分が5〜45重量%である芳香族ポリエステ
ルが好ましい。
【0010】好ましい溶融液晶性ポリエステルの融点
(MP)は260〜360℃、より好ましくは270〜350℃、さ
らに好ましくは270〜300℃、特に好ましくは27
0〜290℃である。ここでいう融点とは、示差走査熱
量(DSC:例えばmettler社製、TA3000)で観察さ
れる主吸熱ピ−クのピ−ク温度である(JIS K712
1)。具体的には、DSC(例えばMettler社製 TA3
000)装置に、サンプルを10〜20mgをとりアルミ製パ
ンへ封入した後、キャリア−ガスとして窒素を100cc/分
流し、20℃/分で昇温したときの吸熱ピ−クを測定す
る。ポリマ−の種類により上記1st Runで明確な吸熱
ピ−クが現れない場合は、50℃/分の昇温速度で予想
される流れ温度よりも50℃高い温度まで昇温し、その
温度で3分間完全に溶融した後、80℃/分の速度で5
0℃まで冷却し、しかる後に20℃/分の昇温速度で吸
熱ピ−クを測定するとよい。
【0011】本発明に用いられる溶融液晶性ポリエステ
ル(ポリマーA)には、本発明の効果を損なわない範囲
で、ポリエチレンテレフタレ−ト、変性ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリオレフィン、ポリカ−ボネ−ト、ポ
リアリレ−ト、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエ−テルエーテルケトン、フッ素樹脂などの熱
可塑性ポリマ−を添加しても良い。勿論、複数の溶融液
晶性ポリエステルを併用することもできる。また酸化チ
タン、カオリン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カ
−ボンブラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を含んでいても
良い。
【0012】また本発明に用いられるポリエチレンナフ
タレート(ポリマーB)としては、機械的性能、耐熱性
等の諸物性が高く、しかも入手が容易であることからポ
リエチレンー2,6−ナフタレート単位を主とするポリ
エチレンナフタレートが最も好適に使用できる。かかる
ポリエチレンナフタレートは、たとえばナフタレンー
2,6−ジカルボン酸またはそのエステル等の誘導体
と、エチレングリコール又はその誘導体を、必要に応じ
て第3成分とともに触媒の存在下で重縮合させることに
より製造できる。繊維性能及び溶融液晶性ポリエステル
との親和性の点からは、エチレンー2.3−ナフタレン
単位が60モル%以上、特に70モル%以上、さらに9
0モル%以上、またさらに95モル%以上のものが好ま
しい。もちろん、本発明の効果が実質的に損われない範
囲であれば、他の成分が共重合されていたり変性されて
いてもかまわない。また、ポリエチレンナフタレートの
極限粘度[η]は0.6以上、特に粘度0.7以上であ
るのが好ましい。極限粘度の高いものは溶融液晶性ポリ
エステルとの親和性が高く、また溶融紡糸した際にも分
解等により性能が損われにくい効果が得られる。
【0013】本発明においては、溶融液晶性ポリエステ
ル(ポリマーA)及びポリエチレンナフタレート(ポリ
マーB)を用いる必要がある。これら両ポリマーは親和
性が高いために繊維が圧縮応力を受けた場合でも相間剥
離が生じにくく、優れた機械的性能、耐疲労性が奏され
る。また溶融液晶性ポリエステルは耐熱性に優れている
反面、溶融温度が高いために紡糸温度を高くする必要が
生じ、よって通常のポリマーでは紡糸時に分解等が生じ
て紡糸が困難になる。しかしながら、ポリエチレンナフ
タレートは耐熱性に優れているため、溶融液晶性ポリエ
ステルと複合・混合して紡糸する場合であっても安定に
紡糸できる。安定に紡糸を行う点、また繊維性能の点か
らは空気中の分解温度300℃以上のポリエチレンナフ
タレートを用いるのが好ましい。
【0014】また本発明においては、繊維横断面におい
て分散相及び連続相が形成された繊維とする必要があ
り、具体的には分散相が溶融液晶性ポリエステル(ポリ
マーA)、連続相が少なくともポリエチレンナフタレー
ト(ポリマーB)により構成されている必要がある。ポ
リエチレンナフタレート(ポリマーB)を含む連続相中
に溶融液晶性ポリエステル(ポリマーA)からなる分散
相を存在させることにより、溶融液晶性ポリエステル本
来の高度の機械的性能が発揮されると同時に、ポリエチ
レンナフタレートにより耐疲労性、耐フィブリル性が顕
著に改善される。たとえば実施例で示される耐久性(強
度保持率)が60%以上、さらに70%以上、特に80
%以上の繊維を得ることができる。分散相の構成割合
(質量比)は、繊維の機械的性能、耐疲労性の点から
0.2〜0.80/繊維、特に0.3〜0.5/繊維で
あるのが好ましい。かかる分散相の構成割合は、繊維横
断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の芯成分と
鞘成分の吐出量の体積比により求めることもできる。な
お分散相には枝分かれが生じていてもよく、また繊維長
と同じ長さを有している必要はなく、本発明の効果が得
られる程度に連続していればよい。
【0015】繊維の好ましい態様としては、たとえば島
成分が溶融液晶性ポリエステル(ポリマーA)、海成分
がポリエチレンナフタレート(ポリマーB)により構成
された海島構造繊維、さらに芯成分が溶融液晶性ポリエ
ステル(ポリマーA)、鞘成分が少なくともポリエチレ
ンナフタレート(ポリマーB)により構成された芯鞘型
複合繊維が挙げられる。繊維横断面における分散相(島
成分、芯成分等)の数は特に限定されるものでなく、た
とえば海島構造繊維の場合には10〜100000程
度、芯鞘型複合繊維の場合には1〜5程度とすればよ
い。海島構造繊維の場合、両ポリマーの混合比、溶融粘
度等を変えることにより島数を調整できる。繊維強度、
耐フィブリル性の点から島成分は微細であるのが好まし
いと予想され、たとえば島成分の直径は0.1〜0.5
μm程度とするのが好ましいと考えられる。
【0016】紡糸性、繊維の機械的性能、耐摩耗性等の
点からは芯鞘型複合繊維、特に一芯芯鞘型複合繊維とす
るのが好ましい。芯鞘型複合繊維とする場合、溶融液晶
性ポリエステルが連続的に押し出されるために繊維強度
が向上する。しかしながら、この場合、海島構造繊維に
比してポリエチレンナフタレートからなる連続相の厚さ
が厚くなり相間剥離が生じ易くなる傾向がある。以上の
ことから、鞘成分をポリエチレンナフタレート(ポリマ
ーB)及び溶融液晶性ポリエステル(ポリマーC)の両
ポリマーにより構成して、鞘成分の機械的性能を高める
とともに芯成分との接着性を高めるのが好ましい。
【0017】鞘成分は、ポリエチレンナフタレート(ポ
リマーB)及び溶融液晶性ポリエステル(ポリマーC)
の均一ブレンドにより構成されていてもかまわないが、
鞘成分の機械的性能、耐疲労性をより高める点からは、
鞘成分をポリエチレンナフタレート(ポリマーB)から
なる海成分、溶融液晶性ポリエステル(ポリマーC)か
らなる島成分により構成された海島構造とするのがより
好ましい。かかる海島構造は、ポリエチレンナフタレー
ト(ポリマーB)と溶融液晶性ポリエステル(ポリマー
C)をチップブレンドする、または両成分の溶融物をス
タチックミキサ−等で混合することなどにより得られ
る。鞘成分におけるCポリマーの配合比C/(B+C)
は、鞘成分の機械的性能、耐疲労性等の点から0.05
〜0.50,特に0.1〜0.4、さらに0.25〜
0.4(質量比)とするのが好ましい。なお鞘成分を構
成する溶融液晶性ポリエステル(ポリマーC)は分散相
を構成する溶融液晶性ポリエステル(ポリマーA)と同
様のものが使用できる。また、本発明の効果が実質的に
損われない範囲であれば他のポリマー、添加物等をさら
に添加してもかまわない。
【0018】紡糸方法は特に限定されず、たとえば従来
公知の方法及び装置が適用できる。たとえばポリマーA
を島成分、ポリマーBを海成分とする海島構造繊維を製
造する場合、ポリエチレンナフタレートと溶融液晶性ポ
リエステルをチップブレンドする、または両成分の溶融
物をスタチックミキサ−等で混合し、これをノズルから
押出すことにより繊維化できる。芯鞘型複合繊維を製造
する場合には、各ポリマーを溶融させたのちに複合紡糸
用ノズルパックを用いて紡糸すればよい。溶融液晶性ポ
リエステル及びポリエチレンナフタレートを安定に紡糸
する点からは、紡糸温度(ノズル温度)を290〜31
0℃、特に300〜310℃とするのが好ましく、さら
に繊維性能の点からは、紡糸速度を300〜1000m
/分程度とするのが好ましい。
【0019】本発明により得られる繊維は諸性能に優れ
ているものであり、紡糸しただけで既に十分な強度、弾
性率を有しているが、ポリエチレンナフタレートの配向
結晶化をさらに進行させるために延伸を行ってもかまわ
ない。延伸倍率は1.1〜3倍、特に1.2〜2.5倍
程度とするのが好ましい。また、弛緩熱処理あるいは緊
張熱処理を施すことにより性能を更に向上させることが
できる。熱処理を行うことにより固相重合及び架橋反応
が生じ、ポリマーの融点が高くなるとともに繊維の機械
的性能が個向上する。具体例として化3に示された構造
単位(A)及び(B)からなる溶融液晶性ポリエステル
(モル比A/B=75/25)からなる繊維を各種温度
で熱処理した場合、ピーク温度が300℃をこえた繊維
はいずれも常温圧下ではもはや溶融しなくなり、さらに
昇温すると繊維状を保ったまま炭化した。これは熱処理
により繊維内部に架橋結合が形成されているためと推定
される。繊維性能の点からは熱処理により芯成分の融点
を10℃以上高めるのが好ましい。
【0020】熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気下
や、空気の如き酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧
下で行うことが可能である。熱処理雰囲気は露点がー4
0℃以下の低湿気体が好ましい。処理時間は目的により
数秒から数十時間行う。融点の上昇割合は処理温度及び
処理時間に大きく依存することから適宜設定するのが好
ましい。熱の供給は、気体等の媒体を用いる方法、加熱
板、赤外線ヒ−タ−等により輻射を利用する方法、熱ロ
−ラ−、熱プレ−ト等に接触して行う方法、高周波等を
利用した内部加熱方法等がある。熱処理形状はカセ状、
トウ状(たとえば金属網等に載せて行う)、あるいはロ
ーラー間で連続的に処理することも可能である。処理
は、目的により緊張下あるいは無緊張下で行われる。処
理形状はカセ状、トウ状(例えば金属網等にのせて行
う)、あるいはロ−ラ−間で連続的に処理することも可
能である。緊張熱処理は、溶融液晶性ポリエステルの融
点−40℃以下の温度で、切断強度の1〜10%の張力
をかけて行うのが好ましく、この処理により様々な性
能、特に弾性率は一層改善される。
【0021】本発明の繊維の単繊維繊度は目的・用途に
応じて適宜設定すればよいが、ゴムとの接着性、加工
性、紡糸性等の点からは、5〜50dtex程度、特に
8〜40dtexのものが広く適用でき、またゴム補強
用に好適である。かかる繊維の強度は、補強効果の点か
ら8cN/dtex以上、特に9cN/dtex以上、さ
らに10cN/dtex以上、またさらに11cN/dte
x以上のものが好ましい。また、寸法安定性の点から
は、ヤング率200cN/dtex以上、特に230c
N/dtex以上、さらに250cN/dtex以上であ
るのが好ましく、破断伸度は2〜6%程度であるのが好
ましい。
【0022】本発明のゴム補強用繊維は諸性能に優れた
ものであり、その使用形態は特に限定されない。たとえ
ば、モノフィラメント、マルチフィラメント、カットフ
ァイバ−、紡績糸、布帛(織編物、不織布等)等のあら
ゆる形態で使用できる。なかでも、ゴムとの接着性を高
める点からは、マルチフィラメント(撚糸を包含する)
や組紐などの紐状物、好適には総繊度500〜5000
00dtex相当、特に10000〜100000dtex
相当のものにゴム接着改善処理を施して得られるデイッ
プコードとするのが好ましい。ゴム接着改善処理として
は、たとえばRFL処理が好適に適用できる。
【0023】RFL処理液の組成は特に限定されず適宜
設定すれば良い。繊維に均一に塗布しやすことから水分
散系のRFL処理液で処理するのが好ましい。好適な方
法としては、レゾルシン、ホルムアルデヒド、水酸化ナ
トリウム及び水を含む液を10〜40℃で1〜10時間
程度熟成したA液と、ラテックス水分散液(固体分40
〜60重量%程度)からなるB液を30:70〜70:
30(重量比)で混合し、10〜40℃で10〜30時
間程度熟成する方法が挙げられる。その組成は特に限定
されないが、ラテックス:レゾルシン=100:1〜1
0、ラテックス:ホルムアルデヒド=100:1〜1
0、ラテックス:水酸化ナトリウム=100:0.1〜
1程度とするのが好ましい(いずれも質量比)。
【0024】ラテックスの種類は一体化するゴムの種類
等により適宜選択すればよい。たとえばスチレンブタジ
エンラテックス(SBR)、ビニルピリジン変性SBR
ラテックス等を用いればよい。RFL液の付着量(固体
分)は、ゴムと繊維の接着性、取扱性、柔軟性、コスト
等の点から20質量%/PVA、特に1〜10質量%/
PVAとするのが好ましい。RFL処理液の付与方法は
特に限定されず、たとえば浸漬法、コーテイング法、ス
プレー法等が挙げられる。RFL処理液の乾燥は、50
〜150℃程度で1〜5分間程度行うのが好ましい。ま
た熱温度を90〜150℃とし、30〜120秒間程度
行うのが好ましい。
【0025】これらをゴムと一体化させることにより諸
性能に優れた複合体が得られる。ゴムの種類は特に限定
されない。たとえばスチレンブタジエンゴム、クロロプ
レンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴムなど
を含むあらゆるゴム配合物を用いることができる。この
とき、本発明の効果を損わない範囲であれば該繊維以外
の成分(繊維等)を併用してもかまわない。本発明の繊
維はあらゆるゴムに対して優れた補強効果を有するもの
であるが、なかでもタイヤコード、ベルトコード、ホー
ス補強材(ブレーキホース補強材等)等のようにより高
度な機械的性能が要求される用途に優れた性能を有して
いる。
【0026】
【実施例】次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら
限定されるものではない。尚、実施例で測定した物性の
測定方法を以下に示す。
【0027】〔溶融粘度(MV)poise 〕300℃、剪
断速度r=1000sec-1の条件で東洋精機社製キャ
ピログラフ1B型を用いて測定した。 〔対数粘度(ηinh)〕試料をペンタフルオロフェノ
ールに0.1重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の
恒温槽中でウベローデ型毛管粘度計を用いて相対粘度
(ηrel)を測定し、ηinh=ln(ηrel)/
cにより算出した。なお、cはポリマー濃度(g/d
l)であり、溶媒の流下時間は107秒とした。 [極限粘度[η]]ポリエチレンナフタレートをp―ク
ロロフェノールとテトラクロロエタンとの混合溶媒(質
量混合比1:1)に溶解し、30℃で測定した粘度から
求めた。
【0028】〔強度 cN/dtex〕JIS L 1
013に準じ、島津製作所社製強伸度試験機DCS−1
00型を用いて、試長20cm、初荷重0.088cN/d
tex、引張速度10cm/minの条件で引張破断試験
を行ない、得られた応力−歪曲線(Stress-Strain Curv
e)から求めた。5点以上の測定値の平均値を採用した。
【0029】〔ヤング率 cN/dtex〕JIS L
1013に準じ、島津製作所社製強伸度試験機DCS
−100型を用いて、試長20cm、初荷重0.1g/
d、引張速度10cm/minの条件で引張破断試験を
行ない、得られた応力−歪曲線(Stress-Strain Curve)
から、弾性率=(w/D)/(ΔL/L)により算出し
た。尚、wはΔL伸長したときの荷重(g)、Dは繊維
のデニール(d)、ΔLは荷重により伸長した長さ(m
m)、Lは繊維原長を表わす。
【0030】[耐久性 %]マルチフィラメント糸15
本を330t/mでz方向に合撚糸して下撚糸とし、こ
の下撚糸2本をS方向に330t/m上撚りしてコード
を作成した。このコードにゴム接着性改良剤であるRF
L樹脂を固形分で5質量%付着させた後、110℃で乾
燥し、160℃で熱処理してデイップコードを得た。こ
のデイップコードと天然ゴム/スチレンブタジエンゴム
=1/1の組成のゴムを用いて、JIS L−1017
化学繊維タイヤコード試験方法に記載のデイスク疲労試
験装置を用い、圧縮5%、伸長5%、温度100℃、2
5万回の条件で疲労させ、試験前後のデイップコード強
力から強力保持率(%)を算出した。なお、RFL樹脂
は以下の組成のものを使用した。 <RFL液組成> A液 水 67重量部 レゾルシン 2.8重量部 ホルムアルデヒド(37%) 6.1重量部 水酸化ナトリウム水溶液(10%) 2.0重量部 上記A液を25℃の温度で6時間熟成した。 B液 SBRラテックス 50重量部 ビニルピリジン変性SBRラテックス 21.5重量部 水 76.3重量部 上記B液を熟成済みのA液と混合した後、25℃の温度
で16時間熟成し、さらに水及び接着助剤としてクロロ
フェノール系助剤を加えて8重量%濃度のRFL液とし
た。
【0031】[実施例1]ポリマーAとして前記化3で
示した構成単位(A)と(B)が75/25モル%であ
る溶融液晶性ポリエステル(融点281℃、溶融粘度4
10poise、ηinh=5.6dl/g)を用い、ポリ
マーBとしてポリエチレンー2,6ナフタレート(極限
粘度0.85)を用いた。まず、ポリマーAとポリマー
Bを別々の押出機に供給し、溶融後、芯成分(ポリマー
A)の質量割合が0.40/繊維となるように、通常の
芯鞘型複合紡糸用ノズルパックを用いて、ノズル温度3
05℃、巻取り速度500m/分となるように溶融紡糸
し、次いで得られた紡糸原糸を2倍に延伸して芯鞘型複
合繊維を得た。結果を表1に示す。
【0032】[比較例1]鞘成分として、6,6−ナイ
ロンを用いてノズル温度290℃とし、さらに延伸倍率
を2.5倍に変更した以外は実施例1と同様に紡糸し
た。結果を表1に示す。[比較例2]溶融液晶性ポリエ
ステルのみを用い、さらに通常のノズルパックを用いて
310℃で溶融紡糸した以外は実施例1と同様に繊維を
製造した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維横断面において分散相及び連続相が
    形成された繊維であって、分散相が溶融液晶性ポリエス
    テル、連続相が少なくともポリエチレンナフタレートに
    より構成されていることを特徴とするゴム補強用繊維。
  2. 【請求項2】 芯成分が溶融液晶性ポリエステル、鞘成
    分が少なくともポリエチレンナフタレートにより構成さ
    れているゴム補強用芯鞘型複合繊維。
  3. 【請求項3】 芯成分が溶融液晶性ポリエステル、鞘成
    分がポリエチレンナフタレート及び溶融液晶性ポリエス
    テルにより構成されているゴム補強用芯鞘型複合繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補
    強用繊維を用いてなるデイップコード。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補
    強用繊維及びゴムからなるゴム複合体。
JP2000086036A 2000-03-27 2000-03-27 ゴム補強用繊維 Pending JP2001279533A (ja)

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