JP2001279425A - オイルマスキング装置およびこれを備えた真空蒸着器 - Google Patents

オイルマスキング装置およびこれを備えた真空蒸着器

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JP2001279425A
JP2001279425A JP2000093177A JP2000093177A JP2001279425A JP 2001279425 A JP2001279425 A JP 2001279425A JP 2000093177 A JP2000093177 A JP 2000093177A JP 2000093177 A JP2000093177 A JP 2000093177A JP 2001279425 A JP2001279425 A JP 2001279425A
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masking
oil
roll
film
opening
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Jun Moriyama
潤 森山
Akihito Shinohara
章仁 篠原
Yasuo Kobayashi
康夫 小林
Atsushi Ito
敦 伊藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスキングローラから噴霧されるマスキング
オイルが通過する開口部の大きさをより小型化し、高分
子フィルム上のマスク層の幅をより細くすることができ
るだけでなく、マスク層の1本あたりの幅、隣接するマ
スク層同士の間の間隔、または開口部の形状を変更した
い場合であっても、容易かつ安価にこれらを変更するこ
とができるオイルマスキング装置およびこれを備えた真
空蒸着器を提供すること。 【解決手段】 内部にマスキングオイルが供給される筒
状のマスキングロール2と、マスキングロール2の周面
に設けられ、マスキングロールの内部に供給されたマス
キングオイルが放出される開口部21と、マスキングロ
ールの外周とフィルムとの間に挟まれると共に、開口部
と重なり合って、開口部から放出されたマスキングオイ
ルが通過する透孔31が設けられた薄膜3と、を備え
た、オイルマスキング装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行するフィルム
上にマスキングオイルからなるマスク層を帯状に形成す
るオイルマスキング装置およびこれを備えた真空蒸着器
に関する。
【0001】
【従来の技術】従来より、図5、および特開平4−33
3211号公報に示されるように、所定幅L9のマージ
ン71を間に有する電極層72を金属蒸着により長手方
向に帯状に形成した高分子フィルム7を、ボビンと呼ば
れる平板73に巻き取って加熱加圧成形することにより
高分子フィルム7を積層した後、この積層体を切断し、
その切断した側面から亜鉛等の金属を溶射して外部電極
を作成することにより、長尺のコンデンサ条が作成され
ている。そしてこの長尺のコンデンサ条を切断すること
により、積層形フィルムコンデンサを得ることができ
る。
【0002】高分子フィルム7上に、所定幅L9のマー
ジンを間に有する電極層72を金属蒸着により形成する
際には、ローラから高分子フィルム7を繰り出さして走
行させ、この高分子フィルム7上のマージン71になる
箇所に対してオイルマスキング装置からマスキングオイ
ルを噴霧してマスク層を帯状に形成する。次に、表面に
マスク層が帯状に形成された高分子フィルム7に対して
金属蒸着を行う。すると、マスク層が形成されなかった
部分には金属が蒸着して電極層72が形成される一方、
マスク層が形成された部分には金属が蒸着しない。この
後、マスク層が除去されて、マスク層があった部分がマ
ージン71となる。
【0003】図6は、上述したようなオイルマスキング
装置を示している。図6に示されるように、従来のオイ
ルマスキング装置は筒状のマスキングロール9からな
り、このマスキングロール9の周面には、マスキングロ
ール9の軸方向に平行な方向に複数個の孔状の開口部9
1が所定間隔L9で設けられている。この筒状のマスキ
ングロール9の内部にはマスキングオイル92が供給さ
れる。供給されたマスキングオイル92は、マスキング
ロール9の内部で加熱されて気化し、その後開口部91
から噴霧される。図6には図示していないが、高分子フ
ィルム7は開口部91上に密着するようにマスキングロ
ール9上を走行している(高分子フィルム7が走行する
方向は、マスキングロール9の軸方向に直交する方向で
ある)。従って、開口部91から噴霧されたマスキング
オイル92は直ちに高分子フィルム7上に付着し、この
ようにして高分子フィルム7上にマスキングオイル92
からなるマスク層が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のマスキングロール9においては、1本のマスキング
ロール9に対して、一定の幅を有する1種類のマスク層
しか形成することができない。すなわち、マスク層の1
本あたりの幅、隣接するマスク層同士の間の間隔L9、
または開口部91の形状を変更したい場合には、異なる
マスキングロール9に変更する必要があり、取り替えに
大変手間がかかるという問題がある。
【0005】また、一般的にマスキングロール9は厚み
約1mm〜約2mm程度の剛直な金属筒からなり、開口
部91はこのような剛直な金属筒を穿設することにより
設けられる。そのため、開口部91の大きさは、丸孔の
場合には直径0.1mmまで、四角孔の場合には一辺
0.1mmまでが限界であり、これよりも開口部91を
小さくすることは技術的に極めて困難である。従って、
開口部91の大きさによって決まるマスク層の幅をより
小さくすることも困難であり、開口部91に高分子フィ
ルム7が密着するようなマスキングロール9を用いて
も、高分子フィルム7上に形成されるマスク層の幅の最
小値は、現在、約0.1mmであり、これ以上の開口部
91の小型化を行うことは困難である。特に、積層形フ
ィルムコンデンサにおいては、マスク層を除去した後の
マージン71の幅はできる限り小さいことが好ましいた
め、特にマスク層の幅を小型化することが強く望まれて
いる。
【0006】上記のように、金属筒からなるマスキング
ロール9に、0.1mmの大きさの開口部91を穿設す
ることは困難であるだけでなく、積層形フィルムコンデ
ンサを作成する際には、隣接するマージン71の間の間
隔L9はできる限り一定であることが望まれる。そのた
め、マスキングロール9を穿設して開口部91を作成す
る際には、各開口部91となるマスキングロール9の外
周上の決められた位置に極めて正確、すなわち高精度に
各開口部91を作成する必要があるため、マスキングロ
ール9を作成する費用はどうしても高額になり、そのた
めマスキングロール9を安易に購入することは難しい。
【0007】上記のようなマスキングロール9の中に
は、その開口部91上に高分子フィルム7が接触しない
状態で走行するものがある。後述するように、このよう
なマスキングロール9は比較的安価であるが、開口部9
1と高分子フィルム7との間はわずかに離間している。
このため、開口部91と高分子フィルム7との間が密着
していないため、開口部91から噴霧されたマスキング
オイル92がこのわずかな隙間で拡散してしまい、マス
ク層の1本あたりの幅が太くなったり、各マスク層を比
較した際に、それらの幅が不均一になる。
【0008】そのため、常にその開口部91上に高分子
フィルム7が接触した状態で走行するマスキングロール
9の方が一般的である。このようなマスキングロール9
においては、その周面に高分子フィルム7が常に接触し
た状態で走行するため、その外周面をクロムによりメッ
キした後、バフ研磨を行うことによって表面を鏡面に仕
上げなければならない。そのため、開口部91上に高分
子フィルム7が接触せずに走行するようなマスキングロ
ール9と比較して、その作成にはクロムメッキ、バフ研
磨等を必要とするため、価格が高い。そのため、マスク
層の幅を変更する必要がある場合には、その都度高額の
費用を投じて異なるマスキングロール9を用意しなけれ
ばならないという問題がある。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになさ
れ、マスキングロール9から噴霧されるマスキングオイ
ルが通過する開口部の大きさをより小型化し、高分子フ
ィルム7上のマスク層の幅をより細くすることができる
だけでなく、マスク層の1本あたりの幅、隣接するマス
ク層同士の間の間隔L9、または開口部91の形状を変
更したい場合であっても、容易かつ安価にこれらを変更
することができるオイルマスキング装置およびこれを備
えた真空蒸着器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係るオイルマスキング装置は、走行するフィルム上
にマスキングオイルからなるマスク層を帯状に形成する
オイルマスキング装置であって、内部にマスキングオイ
ルが供給される筒状のマスキングロール2と、マスキン
グロール2の周面に設けられ、マスキングロールの内部
に供給されたマスキングオイルが放出される開口部21
と、マスキングロールの外周とフィルムとの間に挟まれ
ると共に、開口部と重なり合って、開口部から放出され
たマスキングオイルが通過する透孔31が設けられた薄
膜3とを備えている。
【0011】開口部21および透孔31は複数個設けら
れていてもよい。また、1つの開口部21に複数個の透
孔31が重なり合っていてもよい。通常、開口部21は
筒状のマスキングロール2の軸方向に平行に設けられて
いる。また、薄膜3とフィルムとは接触することが一般
的である。
【0012】筒状のマスキングロール2の軸方向に対し
て平行方向に、複数個の透孔31が互いに離間した状態
で設けられた透孔列32が構成されていることが好まし
い。より好ましくは、薄膜3にこの透孔列32が複数列
設けられ、開口部21に重なり合う透孔列32を切り替
えられるようになっている。この場合、薄膜3が第1お
よび第2薄膜保持ロール4に巻き取られるようになって
いることが好ましい。
【0013】1つの実施態様においては、ある透孔列3
2の透孔31の形状と他の透孔列32の透孔31の形状
とは異なっている。
【0014】上記課題を解決する本発明に係る真空蒸着
器は、フィルムを繰り出す繰り出しローラ81、内部に
マスキングオイルが供給される筒状のマスキングロール
2と、マスキングロール2の周面に設けられ、マスキン
グロール2の内部に供給されたマスキングオイルが放出
される開口部21と、マスキングロール2の外周とフィ
ルムとの間に挟まれると共に、開口部21と重なり合っ
て、開口部21から放出されたマスキングオイルが通過
する透孔31が設けられた薄膜3とを備え、繰り出しロ
ーラ81から繰り出されて走行するフィルム上にマスキ
ングオイルからなるマスク層を帯状に形成するオイルマ
スキング装置1、マスク層が形成されたフィルム上に金
属を蒸着する蒸着装置82、および金属が蒸着した高分
子フィルムを巻き取る巻き取りローラ83を備えてい
る。
【0015】上記の真空蒸着器は、巻き取りローラ83
に巻き取られる前の金属が蒸着したフィルム上に残存す
るマスキングオイルからなるマスク層を除去するマスク
層除去装置を備えていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面と共に詳細に
説明する。図1は、本発明に係るオイルマスキング装置
1の斜視図である。図1に示すように、本発明に係るオ
イルマスキング装置1(以下、単に「装置1」という)
は、筒状のマスキングロール2とこのマスキングロール
2の外周面の一部に密着する薄膜3とを備えている。図
2に示すように、本発明におけるマスキングロール2の
周面には開口部21が設けられている(図1において
は、この開口部21の一部を破線にて描いてある)。こ
の開口部21については後述する。一方、図3に示すよ
うに、薄膜3には透孔31が設けられており、この透孔
31は開口部21と重なり合うようになっている。そし
て、図示していないが、薄膜3をマスキングロール2と
の間に挟むようにして、薄膜3上を被マスク体である高
分子フィルム7が走行するようになっている。なお、以
下の説明では、説明を容易にするため、特に別記しない
限り、薄膜3に接触した状態で高分子フィルム7が走行
することにする。なお、図1および図3において、透孔
31は左側に4つだけ示されているが、実際には透孔3
1は薄膜3の幅方向の一端側から他端側までにかけて設
けられている。
【0017】薄膜3は、マスキングロール2の後方(開
口部21が設けられる側を前方としている)に位置する
第1薄膜保持ロール4aおよび第2薄膜保持ロール4b
に巻き取られており、これらの薄膜保持ロール4を逆回
転させることにより、薄膜3に張力が与えられ、この張
力により薄膜3はマスキングロール2の外周面に密着し
ている。
【0018】マスキングロール2の内部にはマスキング
オイル5が供給される。図示したマスキングロール2に
おいては、筒状のマスキングロール2の一端または両端
から液体状のマスキングオイル5が供給され、マスキン
グロール2の内部に備えられたヒーター(図示せず)等
によって加熱されて気化するようになっている。この
他、直接、マスキングロール2の一端または両端からそ
の内部に、気化されたマスキングオイルが供給されても
良い。
【0019】気化されたマスキングオイルは、その後マ
スキングロール2の周面に設けられた開口部21を通
り、次いで薄膜3に設けられた透孔31から外部に放出
される。高分子フィルム7は透孔31上を走行するよう
になっているので、装置1の外部に放出された気体状の
マスキングオイルは、走行中の高分子フィルム7に付着
後、放熱して固体状または粘稠な液体状のマスク層とな
る。すなわち、本発明においては、マスキングオイルは
蒸着によって高分子フィルム7上に形成される。
【0020】本発明においては、上記のように、透孔3
1を有する薄膜3を、開口部21を設けたマスキングロ
ール2の外周面に密着させて透孔31と開口部21とを
重ね合わせて、薄膜3上を走行する高分子フィルム7に
マスキングロール2の内部からマスキングオイルを蒸着
してマスク層を形成している。そのため、マスキングロ
ール2が高分子フィルム7に直接接触することはないの
で、マスキングロール2の外周面にクロムメッキを施し
たり、バフ研磨して鏡面加工をする必要がない。そのた
め、これらのメッキや研磨に必要なコストが不要である
ため、本発明に係るオイルマスキング装置は、従来の装
置と比較して安価に作成され得る。
【0021】薄膜3の厚みは特に限定されないが、0.
01mm以上0.1mm以下であることが好ましい。薄
膜3を構成する材質にもよるが、一般的に厚みが0.0
1mm以上0.1mm以下である金属から成る薄膜3で
あれば、その表面上を高分子フィルム7が走行しても、
薄膜3自体および高分子フィルム7に悪影響が生じない
からである。本発明者らは自然法則に拘泥されることを
望まないが、この理由は、薄膜3は、肉厚約1mm〜約
2mmのマスキングロール2と比較して非常に薄いた
め、表面の粗さ(すなわち、表面の凹凸)がマスキング
ロール2と比較して非常に小さいからと考えられてい
る。そのため、薄膜3に対しては、従来のマスキングロ
ール9には必要であったバフ研磨および鏡面加工をする
必要がない。
【0022】また、本発明においては、高分子フィルム
7上のマスク層の1本あたりの幅は、薄膜3の透孔31
の大きさによって決まり、マスキングロール2の周面に
設けられた開口部21の大きさの影響を受けない。その
ため、従来のマスキングロール9とは異なり、薄膜3に
設けられる透孔31の大きさを調節することによって、
マスク層の1本あたりの幅を従来よりさらに狭くするこ
とができる。
【0023】このような微細な孔である透孔31を薄膜
3に設ける方法としては、マスキングロール2上で開口
部21を穿設したい部分に第2塩化鉄などの腐食剤をパ
ターニングするエッチング加工方法が挙げられる。この
パターニングにおいては、パターニングマシンが用いら
れるため、非常に高精度にパターニングすることが可能
であり、これにより口径0.1mm以下の非常に小さい
透孔31を薄膜3に設けることも可能になる。この後、
腐食剤によりマスキングロール2が腐食され、この腐食
した箇所が開口部21となる。
【0024】薄膜3の材質は特に限定されないが、薄膜
3に高分子フィルム7が接触した状態で走行する場合、
薄膜3自体および高分子フィルム7に与える影響(特
に、高分子フィルム3が薄膜3上を走行することによる
発熱による悪影響)を抑えるために金属箔を用いること
が好ましい。この中でも、より上記の影響を抑えるため
ステンレス薄膜を用いることが好ましい。なぜなら、ス
テンレス薄膜は耐熱性に優れるため、高分子フィルム3
が薄膜3上を走行することによる発熱による悪影響を効
率的に抑制することができるからである。
【0025】マスキングロール2の材質も特に限定され
ないが、内部に加熱されたマスキングオイルがあるため
に耐熱性および耐久性が強く求められるので、マスキン
グロール2としては、一般的には金属筒が用いられる。
このような金属筒としては、ステンレス筒を用いること
が好ましい。なぜなら、薄膜3と同様、ステンレス筒は
耐熱性に優れるため、高分子フィルム3が薄膜3上を走
行することによる発熱による悪影響を効率的に抑制する
ことができるからである。
【0026】一般的に、図5に示されるように、将来マ
ージン71となるマスク層は高分子フィルム7上の長手
方向に複数本形成される。そのため、マスキングロール
2に開口部21を複数個設け、薄膜3にこの開口部21
と同一個の透孔31を設けて、開口部21と透孔31と
を一対一に対応させてもよいが、上述のように、マスク
層の1本あたりの幅および隣接するマスク層同士の間隔
L9は、透孔31が設けられる位置によってのみ決まる
ので、図2に示すように、筒状のマスキングロール2の
周面には、マスキングロール2の軸方向に平行に、その
一端近傍から他端近傍までの間に亘って開口している開
口部21を設けるようにすることが好ましい。なぜな
ら、マスキングロール2の周面のあちこちに開口部21
を設けることと比較して、図2に示すような開口部21
を設ける方が、開口部21の個数を減らすことができ、
結果としてマスキングロール2に開口部21を穿設する
費用を低減させることができるためである。
【0027】このように、図2に示すような、複数個の
透孔31に重なるような幅広の開口部21を設けること
により、より安価にマスキングロール2を作成すること
ができる。図2における説明では、開口部21は1つで
あるが、例えば、開口部21を2つ以上設け、各開口部
21に複数個の透孔31を重ね合わせるようにしても良
い。
【0028】もちろん、この場合においては、マスク層
を形成しようとする各箇所に対応する薄膜3の位置に透
孔31がそれぞれ設けられる。このように、マスク層が
高分子フィルム7上の長手方向に複数本形成される場合
には、複数個の透孔31からなる透孔列32が薄膜3に
設けられている。すなわち、1列の透孔列32は筒状の
マスキングロール2の軸方向に対して平行であり、1列
の透孔列32上に位置する各隣接する透孔31は、互い
に離間している。一般的に図5に示すように高分子フィ
ルム7上で隣接するマスク層の間の各間隔はいずれも一
定であることが望まれるため、1列の透孔列32上に位
置する隣接する透孔31の間の各間隔も一定であること
が好ましい。従来のように、マスキングロール9に開口
部91を複数個穿設する費用と、薄膜3に複数個の透孔
31が設ける費用とを比較すると、後者の方がずっと安
価であるので、図2のように、開口部21の個数を減ら
すことにより、従来と比較して本発明に係るオイルマス
キング装置1はより安価に製造され得る。
【0029】薄膜3には、図1および図3に示すよう
に、複数列の透孔列32を設けることが好ましい。なぜ
なら、透孔31の形状を異ならせることが必要になった
場合、異なる透孔列32を開口部21にあてがうことに
より、すぐに透孔31の形状を異ならせることができる
からである。また、図1および図3に示すように、薄膜
3の一端側には、主としてマスク層を形成するために用
いられる位置検出用の検出孔33が設けられている。
【0030】また、図2に示すように、筒状のマスキン
グロール2の周面に設けられる開口部21が、マスキン
グロール2の軸方向に平行に、その一端近傍から他端近
傍までの間に亘って開口している場合には、図3に示す
ように、透孔列32ごとに隣接する透孔31同士の間隔
Lが異なる複数列の透孔列32を設けることがより好ま
しい。このようにすれば、透孔列32aにおける透孔3
1同士の間隔Laと、他の透孔列32bにおける透孔3
1同士の間隔Lbとを異ならせ、必要に応じて薄膜保持
ロール4をモータ等の駆動手段(図示せず)によって駆
動させて、所望される透孔列32を開口部21にあてが
うことにより、高分子フィルム7上に形成される隣接す
るマスク層同士の間の間隔L9を極めて簡単に変更する
ことができる。
【0031】本発明において用いられる高分子フィルム
7としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどのポリエステルフィルムなどが用
いられるが、ポリエステルフィルムが用いられる場合に
は、マスキングオイルとしてはパラフィンオイルを用い
ることが好ましい。同様に、ポリオレフィンフィルムが
用いられる場合には、マスキングオイルとしてはパラフ
ィンオイル、パークロロアルキルエーテルを用いること
が好ましい。
【0032】本発明に係るオイルマスキング装置1は、
図4に示すように、主として真空蒸着器8に組み込まれ
る。この真空蒸着器8により、高分子フィルム7に電極
層となる金属が蒸着される。この真空蒸着器8について
詳述すると、真空蒸着器8の内部には、高分子フィルム
7を繰り出す繰り出しローラ81と、上述したオイルマ
スキング装置1と、蒸着装置82と、高分子フィルム7
を巻き取る巻き取りローラ83とが備えられている。そ
して、繰り出しローラ81と巻き取りローラ83とを同
じ速度で回転させることにより、高分子フィルム7を走
行させる。なお、蒸着装置82は真空蒸着器8の内部に
組み込まれていなければならないが、繰り出しローラ8
1等は、必ずしも真空蒸着器8の内部に組み込まれる必
要はなく、真空蒸着器8の外部から走行する高分子フィ
ルム7が供給されても良い。
【0033】繰り出しローラ81から繰り出されて走行
する高分子フィルム7には、まずオイルマスキング装置
1により、所定の幅のオイル層が形成される。次に、表
面にマスク層が帯状に形成された高分子フィルム7に対
して蒸着装置82により金属蒸着を行う。すると、マス
ク層が形成されなかった部分には金属が蒸着する一方、
マスク層が形成された部分には金属が蒸着しない。片面
のみに電極層72が形成された高分子フィルム7が必要
とされる場合には、この後、マスク層を除去すればよい
が、両面に電極層が形成された高分子フィルムが必要と
される場合には、図4に示すように、まず表面に対して
マスク層を形成し、次いで金属蒸着をした後、裏面に対
してもマスク層を形成し、マスク層を除去すればよい。
マスク層があった部分はマージン71となる。
【0034】高分子フィルム7上のマスキングオイルか
らなるマスク層を除去する方法としては、高分子フィル
ム7に放電処理を施す方法が挙げられる。このような放
電処理装置に代表されるようなマスク層除去装置を備え
た真空蒸着装置もまた、本発明の趣旨に含まれる。この
ようにして金属が蒸着された高分子フィルム7は巻き取
りローラ83に巻き取られる。その後、この高分子フィ
ルム7は、図5に示すように、ボビンと呼ばれる平板に
巻き取られる等されてコンデンサとなる。
【0035】
【発明の効果】本発明においては、上記のように、透孔
31を有する薄膜3を、開口部21を設けたマスキング
ロール2の外周面に密着させて透孔31と開口部21と
を重ね合わせて、薄膜3上を走行する高分子フィルム7
にマスキングロール2の内部からマスキングオイルを蒸
着してマスク層を形成している。そのため、マスキング
ロール2が高分子フィルム7に直接接触することはない
ので、マスキングロール2の外周面にクロムメッキを施
したり、バフ研磨して鏡面加工をする必要がない。その
ため、これらのメッキや研磨に必要なコストが不要であ
るため、従来の装置と比較して、装置1を安価に作成す
ることができる。
【0036】本発明においては、高分子フィルム7上の
マスク層の1本あたりの幅は、薄膜3の透孔31の大き
さによって決まり、マスキングロール2の周面に設けら
れた開口部21の大きさの影響を受けない。そのため、
従来のマスキングロール9とは異なり、薄膜3に設けら
れる透孔31の大きさを調節することによって、マスク
層の1本あたりの幅を従来よりさらに狭くすることがで
きる。
【0037】マスキングロール9に開口部91を複数個
穿設する費用と、薄膜3に複数個の透孔31が設ける費
用とを比較すると、後者の方がずっと安価であるので、
この点においても、非常に安価にオイルマスキング装置
1を製造することができる。
【0038】また、図2に示すように開口部21を幅広
にすると共に、薄膜3上に複数個の透孔31からなる透
孔列32を複数列設け、透孔列32aにおける透孔31
同士の間隔Laと、他の透孔列32bにおける透孔31
同士の間隔Lbとを異ならせれば、必要に応じて薄膜保
持ロール4をモータ等の駆動手段(図示せず)によって
駆動させて、所望される透孔列32を開口部21にあて
がうことにより、高分子フィルム7上に形成される隣接
するマスク層同士の間の間隔L9を極めて簡単に変更す
ることができる。これにより、マスク層の1本あたりの
幅、隣接するマスク層同士の間の間隔L9、または開口
部91の形状を変更したい場合であっても、非常に簡単
にかつ安価にこれらを変更することができる。また、今
までにないマスク層同士の間の間隔L9を有する高分子
フィルム7が必要になった場合であっても、極めて安価
に入手・加工可能な薄膜3のみを交換すればよく、筒状
のマスキングロール2を取り替える必要がない。
【0039】本発明により、マスキングローラ9から噴
霧されるマスキングオイルが通過する開口部の大きさを
より小型化し、高分子フィルム7上のマスク層の幅をよ
り細くすることができるだけでなく、マスク層の1本あ
たりの幅、隣接するマスク層同士の間の間隔L9、また
は開口部91の形状を変更したい場合であっても、容易
かつ安価にこれらを変更することができるオイルマスキ
ング装置およびこれを備えた真空蒸着器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオイルマスキング装置1の斜視図
【図2】マスキングロール2の斜視図
【図3】薄膜3の斜視図
【図4】真空蒸着器8を示す図
【図5】高分子フィルム7が平板73に巻かれる状態を
示した図
【図6】従来のオイルマスキング装置9の斜視図
【符号の説明】
1:オイルマスキング装置 2:マスキングロール 21:開口部 3:薄膜 31:透孔 32:透孔列 33:検出孔 4:薄膜保持ロール 4a:第1薄膜保持ロール 4b:第2薄膜保持ロール 5:マスキングオイル 7:(高分子)フィルム 71:マージン 72:電極層 8:真空蒸着器 81:繰り出しローラ 82:蒸着装置 83:巻き取りローラ 9:マスキングロール 91:開口部 L:透孔列32における隣接する透孔31同士の間隔 La:透孔列32aにおける透孔31同士の間隔 Lb:透孔列32bにおける透孔31同士の間隔 L9:マスク層同士の間の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 康夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA01 BB03 CA01 GA00 HA05 JA10 5E082 AB03 AB04 BC39 EE08 EE17 EE23 EE38 FG06 FG34 KK01 KK02 LL01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するフィルム上にマスキングオイル
    からなるマスク層を帯状に形成するオイルマスキング装
    置であって、 内部にマスキングオイルが供給される筒状のマスキング
    ロール(2)と、 前記マスキングロール(2)の周面に設けられ、前記マ
    スキングロールの内部に供給されたマスキングオイルが
    放出される開口部(21)と、 前記マスキングロールの外周と前記フィルムとの間に挟
    まれると共に、前記開口部と重なり合って、前記開口部
    から放出されたマスキングオイルが通過する透孔(3
    1)が設けられた薄膜(3)と、を備えた、オイルマス
    キング装置。
  2. 【請求項2】 開口部(21)および透孔(31)が複
    数個設けられている、請求項1に記載のオイルマスキン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 1つの開口部(21)に複数個の透孔
    (31)が重なり合っている、請求項1に記載のオイル
    マスキング装置。
  4. 【請求項4】 開口部(21)が前記筒状のマスキング
    ロール(2)の軸方向に平行に設けられている、請求項
    1から3までのいずれかに記載のマスキングオイル装
    置。
  5. 【請求項5】 筒状のマスキングロール(2)の軸方向
    に対して平行方向に、複数個の透孔(31)が互いに離
    間した状態で設けられた透孔列(32)が構成されてい
    る、請求項1から4までのいずれかに記載のマスキング
    オイル装置。
  6. 【請求項6】 薄膜(3)に透孔列(32)が複数列設
    けられ、開口部(21)に重なり合う透孔列(32)を
    切り替えられるようになっている、請求項5に記載のマ
    スキングオイル装置。
  7. 【請求項7】 ある透孔列(32)の透孔(31)の形
    状と他の透孔列(32)の透孔(31)の形状とが異な
    る、請求項6に記載のマスキングオイル装置。
  8. 【請求項8】 薄膜(3)が第1および第2薄膜保持ロ
    ール(4)に巻き取られるようになっている、請求項1
    から6までのいずれかに記載のマスキングオイル装置。
  9. 【請求項9】 薄膜(3)とフィルムとが接触する、請
    求項1から8までに記載のマスキングオイル装置。
  10. 【請求項10】 フィルムを繰り出す繰り出しローラ
    (81)、 内部にマスキングオイルが供給される筒状のマスキング
    ロール(2)と、前記マスキングロール(2)の周面に
    設けられ、前記マスキングロール(2)の内部に供給さ
    れたマスキングオイルが放出される開口部(21)と、
    前記マスキングロール(2)の外周と前記フィルムとの
    間に挟まれると共に、前記開口部(21)と重なり合っ
    て、前記開口部(21)から放出されたマスキングオイ
    ルが通過する透孔(31)が設けられた薄膜(3)とを
    備え、前記繰り出しローラ(81)から繰り出されて走
    行するフィルム上に前記マスキングオイルからなるマス
    ク層を帯状に形成するオイルマスキング装置(1)、 前記マスク層が形成されたフィルム上に金属を蒸着する
    蒸着装置(82)、および金属が蒸着した高分子フィル
    ムを巻き取る巻き取りローラ(83)を備えた真空蒸着
    器。
  11. 【請求項11】巻き取りローラ(83)に巻き取られる
    前の金属が蒸着したフィルム上に残存するマスキングオ
    イルからなるマスク層を除去するマスク層除去装置をさ
    らに備えた、請求項10に記載の真空蒸着器。 【0001】
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