JP3596184B2 - 金属化フィルムの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

金属化フィルムの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は力率改善用の電力用コンデンサ、電気機器用のコンデンサ、各種電源回路用のコンデンサ、及び通信機器等に使用される金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの製造装置、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンデンサ用の金属化フィルムを製造する方法として、真空蒸着機内でプラスチックフィルム1(高分子フィルム)が冷却ロール3と接する位置で蒸着金属6が蒸着される直前に油付着装置を通し、保安機構となる複数個の分割したマージン部を原反長手方向に形成する方法が知られている(特開昭57−152122号公報参照)。この方法に用いられる装置は、図9に示すようにオイル22の入ったオイルタンク5とその外側で回転する回転シャッター21とから構成されており、オイルタンク5内のオイル22が加熱気化されオイルタンク5の開孔部31を通り、回転シャッター21の開孔部30と重なった際にプラスチックフィルム1にオイル22が付着し、かつ、回転シャッター21はプラスチックフィルム1の送給速度に同期して回転しているため、一定幅、一定間隔でオイル22を付着させることができるというものである。
【0003】
またこの他に、図7に示すように、特定のロール円周上に凸部32を形成した凸版ロール17を用い、凸部32の表面にオイル22等の金属の蒸着を防止する物質を付着させ、それをプラスチックフィルム1上に転写させて未蒸着部分を形成する方法(特開平6−158271号公報参照)や、図8に示すように、ロール円周上に凹部33を形成した凹版ロール20を用い、凹部33の窪みにオイル22等の金属の蒸着を防止する物質を付着させ、それをプラスチックフィルム1上に転写させて未蒸着部分を形成する方法(特開平4−346652号公報参照)が知られている。
【0004】
さらに、図6に示すように原反長手方向に平行な一定幅、一定間隔のマージン部をオイルマスキング法やテープマージン法により蒸着工程で形成した後、後工程でレーザーによるトリミングや放電加工等によってフィルムの長手方向に複数個の分割電極、及びヒューズ部を形成する方法等も存在した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様な構成で未蒸着部分を形成する方法では種々の課題があった。
【0006】
回転シャッター21を用いた方法の場合、保安機構付の金属化フィルムコンデンサとする際、コンデンサの特性上、原反長手方向に蒸着膜電極を分割するのみならず、分割電極内で矩形の島状非金属化部(ヒューズ部)も同時形成する必要がある場合があり、この場合、回転シャッター21により分割部及びヒューズ部を形成しようとすると、原反幅方向に対し細いヒューズ部のみが回転シャッター21の中継部となる。このため高速での蒸着を実施する際、回転シャッター21が変形しやすく分割及びヒューズ部が不鮮明になりやすいため、蒸着スピードを高速化できないという問題があった。また、回転シャッター21の変形防止のため変形しにくい材質のものを使ったり、厚みを上げるといった手段をとると、重量的な問題から作業性が悪くなるといった問題点があった。さらに、この場合、長手方向のマージン部をオイルマスキング法、又はテープマージン法等で別箇所で形成する必要があるので、その際の調整が作業性悪化に大きな影響を及ぼしていた。
【0007】
また、凸部ロール17を用いた方法では、蒸着工程中に凸部32にオイル22等の金属の蒸着を防止する物質を付着させ未蒸着部のマージン部を形成する際、すなわち、プラスチックフィルム1の長手方向に島状分割電極を形成し、さらにその島状分割電極にヒューズ機能を付加させる際には、凸版ロール17の回転円心力でオイル22等が飛散して蒸着膜が班点状になったり、マージンのかすれが発生するために、蒸着スピードをあげられないといった問題点があった。
【0008】
また、凹版ロールを用いた方法ではスピードはあげられるものの、凹版ロール20(パターンロール)のコストが高いうえに、切り替え時の凹版ロール20の脱着も重量的な問題から容易に行いにくいといった問題点があった。
【0009】
また、蒸着時に長手方向のマージン部のみを形成して、後工程でレーザーによるトリミングや放電加工等によってプラスチックフィルム1の長手方向に複数個の島状分割電極を形成する方法では、他の方法に比べて1工程多いため経済的、時間的ロスが大きかった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、蒸着金属の付着を防止するオイルを高速でかつ十分に付着させることができる金属化フィルムの製造装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の金属化フィルムの製造装置は、蒸着金属がフィルムに付着することを防止する金属付着防止剤を気化させる気化手段と、保安機構を構成するフィルム長手方向に対して直角方向の分割マージンと少なくともフィルムの長手 方向に形成された窓マージンと窓マージンを区切るヒューズ部とを有する蒸着パターンを設けたメッシュ状の円筒形スクリーンと、前記スクリーン内に配した噴出口とを備え、前記気化手段により気化された金属付着防止剤を前記噴出口から噴出させ、前記スクリーンをフィルムの送り速度と同期させて動かす駆動手段を備え、フィルムを前記スクリーンを回転させることによりスクリーンの円筒面に沿って送り、前記スクリーンに設けた前記蒸着パターンを通して直接前記フィルムに付着させるものである。
【0012】
また、本発明の第2の金属化フィルムの製造装置は、メッシュの穴径が直径10μm〜1mmであるものである。
【0013】
また、本発明の第3の金属化フィルムの製造装置は、気化された金属付着防止剤がフィルムに達するまでの間、前記金属付着防止剤の気化状態を保つ保温手段を備えたものである。
【0014】
また、本発明の第4の金属化フィルムの製造装置は、スクリーンと気化された金属付着防止剤噴出口との間隔を調整する間隔調整手段を備えたものである。
【0015】
また、本発明の第5の金属化フィルムの製造装置は、フィルムを挟んでスクリーンと反対側に、前記フィルムの通路を規制する圧胴ロールを備えたものである。
【0016】
また、本発明の金属化フィルムの製造方法は、蒸着金属がフィルムに付着することを防止する金属付着防止剤を気化させる第1の工程と、保安機構を構成するフィルム長手方向に対して直角方向の分割マージンと少なくともフィルムの長手方向に形成された窓マージンと窓マージンを区切るヒューズ部とを有する蒸着パターンを設けたメッシュ状の円筒形スクリーンと、前記スクリーン内に配した噴出口とを備え、前記気化手段により気化された金属付着防止剤を前記噴出口から噴出させ、前記スクリーンをフィルムの送り速度と同期させて動かす駆動手段を備え、フィルムを前記スクリーンを回転させることによりスクリーンの円筒面に沿って送り、前記スクリーンに設けた前記蒸着パターンを通して直接前記フィルムに付着させる第2の工程と、前記蒸着金属を前記フィルムに付着させる第3の工程とからなるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
上記構成により、本発明の第1の金属化フィルムの製造装置は、気化された金属付着防止剤をスクリーンを通して直接フィルムに付着させることにより、マージン部等のパターン模様を高速で、かつ鮮明に形成することができる。
【0018】
さらに、スクリーンをメッシュ状とすることで、スクリーンの強度を保つことができ、スクリーンを回転させたときの歪を防止することができる。
【0019】
また、本発明の第2の金属化フィルムの製造装置は、目詰まりなく、かつ精度よくパターン模様を形成することができる。
【0020】
また、本発明の第3の金属化フィルムの製造装置は、保温手段により、金属付着防止剤がフィルムに到達するまでの間気化状態を保つことができ、鮮明なパターン模様を形成することができる。
【0021】
また、本発明の第4の金属化フィルムの製造装置は、使用するオイルの種類や送り速度、パターン模様の種類等の条件の変化に対応して、最適なスクリーンと金属付着防止剤の噴出口との間隔を得ることができる。
【0022】
また、本発明の第5の金属化フィルムの製造装置は、圧胴ロールによってフィルムのばたつきを防止し、精度よくパターン模様を形成することができる。
【0023】
また、本発明の金属化フィルムの製造方法は、気化された金属付着防止剤をスクリーンを通して直接フィルムに付着させることにより、マージン部等のパターン模様を高速で、かつ鮮明に形成することができる。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態における金属化フィルムの製造装置を示す図、図2は同装置により製造された金属化フィルムの一例を示す図、図3は同装置のスクリーンシリンダーを示す図、図4は同スクリーン部分の拡大図、図5は同スクリーンシリンダーの内部の配管およびオイルノズルの説明図である。
【0026】
図において、1はプラスチックフィルム、2は気化されたオイルガスであり、オイルタンク5からオイルガス流路8を通って、スクリーンが形成されたスクリーンシリンダー4内からプラスチックフィルム1に向かって噴き出される。7は蒸発源であり、金属を熱し蒸着金属6としてプラスチックフィルム1に蒸着させるものである。3は冷却ロール、15はオイルノズル、25は巻き出しロール、26はパターン部である。
【0027】
また、9はマージン部、10は分割マージン部、11は蒸着膜(Active部)、12はヒューズ部、13は窓マージン部、14は蒸着膜(ヘビーエッジ部)である。
【0028】
図1に示すような、厚み6μmのポリプロピレンフィルムの片面に亜鉛をヘビーエッジ状に蒸着する真空蒸着機内において、基材のプラスチックフィルム1が巻出しロール25から冷却ロール3を通過する手前で、オイルガス2により、図2に示した保安機構パターンを形成した。図2は保安機構パターンの一例であるが、保安機構は基本的に蒸着膜を微小な面積に分割したものであり、そのためにはパターンを施したスクリーンシリンダー4はメッシュ状である必要がある。
【0029】
すなわち、仮にパターン部26がメッシュ状ではなく打ち抜いたものであるとすると、長手方向のマージン部9が形成できず、別方法で形成する必要があると同時に、図2に示したパターンの場合はヒューズ部12のみが接続部となることとなり、スクリーンシリンダー4は高速回転するために強度的に弱くなる。さらにスクリーンシリンダー4は連続蒸着機内で使用するため円筒形である必要があり、平板形状では連続にならない他、多角形の形状であると基材であるフィルム1を傷つけることになりかねない。
【0030】
またメッシュの穴径は10μm〜1mmが望ましい。10μm未満の場合は目詰まりしやすい問題があり、また1mmを超えた場合にはヒューズ精度が落ちるといった問題があるからである。
【0031】
オイルガス2はスクリーンシリンダー4の外のオイルタンク5にて加熱気化され、ヒーティングしたオイルガス流路8(ヒーティング部は図示せず)を通り、気化状態を保持したままオイルガス噴出口15(以下オイルノズルという)先端部まで誘導され、オイルノズル先端部よりパターン加工を施したスクリーンシリンダー4を通過して基材であるプラスチックフィルム1に付着される。オイルガス流路8のヒーティングがない場合、オイルタンク5内にて気化したオイルガス2が液化してしまうためヒーティングはオイルノズル15まで行なった。
【0032】
スクリーンシリンダー4、オイルノズル15、オイルタンク5、オイルガス流路8は図5に示したような配置とし、スクリーンシリンダー4の巾は基材であるプラスチックフィルム1の巾以上とし、オイルノズル15の巾はスクリーンシリンダー4の巾と同じ長さとした。オイルノズル15はその先端部が、円筒形をしたスクリーンシリンダー4の内壁面の曲面に沿う形状とし、スクリーンシリンダ4の内壁面に当てて蒸着を行った。
【0033】
また基材のプラスチックフィルム1は一部をスクリーンシリンダー4の円筒表面に沿わせると同時にスクリーンシリンダー4自体も駆動させ(駆動手段は図示せず)プラスチックフィルム1と同期をとって送らせた。これはスクリーンシリンダー4に駆動をかけずに蒸着するとプラスチックフィルム1がスクリーンシリンダー4の表面ですべりを発生し、パターン精度、鮮明さが確保できないためである。
【0034】
そしてプラスチックフィルム1の一部が沿う部分にオイルノズル15をスクリーンシリンダー4の内壁面に当てることで確実なオイル付着を行い鮮明なパターンとすることができた。
【0035】
本実施の形態ではオイルノズル15をスクリーンシリンダー4の内面に当てて行ったが、パターンによってはオイルノズル15とスクリーンシリンダー4の内面との間にわずかな空隙をもたせた方が良い場合もあり、オイルノズル15には間隔調整手段(図示せず)を備えると有用である。
【0036】
また保安機構パターンは図2のように帯状長手方向のマージン部9と金属化フィルムコンデンサにした場合保安機構となる分割マージン部10及びヒューズ部12とからなる。
【0037】
本実施の形態では蒸着スピードを300m/分、600m/分の2段階とし、マージン部9を4mm、分割マージン部10の巾、窓マージン部13の巾を各々0.5mm、分割巾を30mm、ヒューズ部12の巾を0.8mmとして試作した。比較のために同じ保安機構パターンを形成した回転シャッターを取付けての試作(比較例1)、及び凸部形状を有するパターンロールをスクリーンシリンダーの代わりに取り付け、オイルを転写させる方法で同様の試作(比較例2)を行った。またヘビーエッジ蒸着のため、Active部を10〜20Ω/□、ヘビーエッジ部を3〜5Ω/□の膜抵抗値とした。
【0038】
【表1】
Figure 0003596184
【0039】
(表1)は本実施の形態と比較例の、分割マージン部10、ヒューズ部12の蒸着後の鮮明さを目視で確認した結果である。
【0040】
本実施の形態は600m/分の高速でも分割マージン部10、ヒューズ部12とも鮮明なマージンが確認された。
【0041】
今回はプラスチックフィルム1を挟んでスクリーンシリンダー4の反対側の位置に圧胴ロール18を取り付けずに作成したが装置としては圧胴ロール18を設置したほうが良い。圧胴ロール18の設置によりプラスチックフィルム1、スクリーンシリンダー4のばたつきが抑えられ、より精度のよいものが得られる。また圧胴ロール18側にプラスチックフィルム1を沿わせた場合でも同様の蒸着が達成できた。但し、高精度を要する場合はスクリーンシリンダー4側にプラスチックフィルム1を沿わせた方が良く、ある程度の精度で高速蒸着を実施する場合は圧胴ロール18側に沿わせた方が良好な結果となった。
【0042】
そして前述のスクリーンシリンダー4とオイルノズル15の間隔と同様に、パターンによってはスクリーンシリンダー4と圧胴ロール18間の空隙を設けることが可能となるように間隔調整手段(図示せず)を設けるとよい。いずれの場合も空隙を設けることでオイルガス2の拡散効果をねらいとするパターンに適する。
【0043】
比較例の回転シャッター方法では回転シャッターの変形が確認され、分割マージン部10、ヒューズ部12ともほとんど形成できなかった。回転シャッターの変形要因としては継ぎ部(ヒューズ部)が0.8mmと細く、軽量化、低コスト化を図るため厚みも十分確保できなかったためである。また凸部形状では600m/分でマージン部に一部蒸着金属が付着しており鮮明さに欠けた。これは凸部形状の先端に付着したオイルが高速回転により飛散したため十分なオイル量がフィルムに転写されなかったためと考えられる。
【0044】
なお本実施の形態では片面亜鉛蒸着の例を挙げて説明してきたが蒸着金属としてアルミニウム、アルミニウム−亜鉛の合金の場合、また両面蒸着の場合も同様の結果であった。
【0045】
このように従来の上記課題は金属化フィルムコンデンサ用の金属化フィルムを製造する真空蒸着機もしくは蒸着工程において、蒸着金属の付着を防止する目的でオイル等を付着させる手段として、基材であるプラスチックフィルム1の巾以上の巾を有する筒体であるスクリーンシリンダ4の表面よりその内部空洞部まで任意の形の貫通穴加工部(メッシュ)により任意のパターン模様を形成し、かつその筒体を蒸着スピードと同期させ回転させながら、気化したオイルガス2等をその貫通穴加工部(メッシュ)を通して基材となるプラスチックフィルム1の被蒸着面に付着させ、その直後にプラスチックフィルム1に蒸着金属を付着させることによってなる金属化フィルムの製造装置もしくは製造方法によって解決できる。
【0046】
すなわち、コンデンサ用の金属化フィルムを製造する蒸着機内において、図1に示すようなロール配置とし図3に示したスクリーンシリンダー4を取付、オイルタンク5より供給されるオイル等を気化させた金属の蒸着を防止するガス状の物質を、メッシュ加工により任意のパターン模様が形成されたスクリーンシリンダー4を通過させてプラスチックフィルム1(誘電体フィルム)に付着させた後、金属を蒸着させることで分割ヒューズパターン及び長手方向の一定幅、一定間隔のマージン部を形成すると同時に、プラスチックフィルム1を挟んでスクリーンシリンダー4と反対側にプラスチックフィルム1の通路を規制する圧胴ロール18を備えているため、蒸着スピードをあげてもプラスチックフィルム1のばたつきが無く、プラスチックフィルム1とオイルノズル15(オイルガス噴出口)の距離が一定に保て、パターンの鮮明さが保てる。また切り替え時においても軽量のスクリーンシリンダー15を交換すればよく、長手方向のマージン部10も同時形成のため切り替え調整も簡素化でき、作業性が改善されるとともに経済的な設備とすることが可能である。
【0047】
以上の説明から明らかなように本実施の形態によれば、蒸着工程中で金属化フィルムとした場合保安機構となる分割ヒューズパターン、及び長手方向のマージン部を高速蒸着中で形成可能であるために、安全機能と生産性に優れた金属化フィルムとなる上、スクリーンシリンダー4は従来のオイルノズル15と比べ軽量のため脱着・取付が容易な上に経済的に極めて優位であるためトータルメリットが非常に大きい。
【0048】
なお、メッシュは貫通穴加工を施したものでもよく、また繊維状に織られたものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の金属化フィルムの製造装置は、気化された金属付着防止剤をスクリーンを通して直接フィルムに付着させることにより、マージン部等のパターン模様を高速で、かつ鮮明に形成することができる。
【0050】
さらに、スクリーンをメッシュ状とすることで、スクリーンの強度を保つことができ、スクリーンを回転させたときの歪を防止することができる。
【0051】
また、本発明の第2の金属化フィルムの製造装置は、目詰まりなく、かつ精度よくパターン模様を形成することができる。
【0052】
また、本発明の第3の金属化フィルムの製造装置は、保温手段により、金属付着防止剤がフィルムに到達するまでの間気化状態を保つことができ、鮮明なパターン模様を形成することができる。
【0053】
また、本発明の第4の金属化フィルムの製造装置は、使用するオイルの種類や送り速度、パターン模様の種類等の条件の変化に対応して、最適なスクリーンと金属付着防止剤の噴出口との間隔を得ることができる。
【0054】
また、本発明の第5の金属化フィルムの製造装置は、圧胴ロールによってフィルムのばたつきを防止し、精度よくパターン模様を形成することができる。
【0055】
また、本発明の金属化フィルムの製造方法は、気化された金属付着防止剤をスクリーンを通して直接フィルムに付着させることにより、マージン部等のパターン模様を高速で、かつ鮮明に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における金属化フィルムの製造装置を示す図
【図2】同装置により製造された金属化フィルムの一例を示す図
【図3】同装置のスクリーンシリンダーを示す図
【図4】同スクリーン部分の拡大図
【図5】同スクリーンシリンダーの内部の配管およびオイルノズルの説明図
【図6】従来の第1の金属化フィルムの製造装置の説明図
【図7】従来の第2の金属化フィルムの製造装置の説明図
【図8】従来の第3の金属化フィルムの製造装置の説明図
【図9】従来の第4の金属化フィルムの製造装置の説明図
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム(基材)
2 オイルガス
3 冷却ロール(クーリングキャン)
4 スクリーンシリンダー
5 オイルタンク
6 蒸着金属
7 蒸発源
8 オイルガス流路
9 マージン部(長手方向未蒸着部)
10 分割マージン部
11 蒸着膜(Active部)
12 ヒューズ部
13 窓マージン部
14 蒸着膜(ヘビーエッジ部)
15 オイルノズル
25 巻き出しロール
26 パターン部(メッシュ状)

Claims (6)

  1. 蒸着金属がフィルムに付着することを防止する金属付着防止剤を気化させる気化手段と、保安機構を構成するフィルム長手方向に対して直角方向の分割マージンと少なくともフィルムの長手方向に形成された窓マージンと窓マージンを区切るヒューズ部とを有する蒸着パターンを設けたメッシュ状の円筒形スクリーンと、前記スクリーン内に配した噴出口とを備え、前記気化手段により気化された金属付着防止剤を前記噴出口から噴出させ、前記スクリーンをフィルムの送り速度と同期させて動かす駆動手段を備え、フィルムを前記スクリーンを回転させることによりスクリーンの円筒面に沿って送り、前記スクリーンに設けた前記蒸着パターンを通して直接前記フィルムに付着させる金属化フィルムの製造装置。
  2. メッシュの穴径が直径10μm〜1mmである請求項1記載の金属化フィルムの製造装置。
  3. 気化された金属付着防止剤がフィルムに達するまでの間、前記金属付着防止剤の気化状態を保つ保温手段を備えた請求項1記載の金属化フィルムの製造装置。
  4. スクリーンと気化された金属付着防止剤噴出口との間隔を調整する間隔調整手段を備えた請求項1記載の金属化フィルムの製造装置。
  5. フィルムを挟んでスクリーンと反対側に、前記フィルムの通路を規制する圧胴ロールを供えた請求項1記載の金属化フィルムの製造装置。
  6. 蒸着金属がフィルムに付着することを防止する金属付着防止剤を気化させる第1の工程と、保安機構を構成するフィルム長手方向に対して直角方向の分割マージンと少なくともフィルムの長手方向に形成された窓マージンと窓マージンを区切るヒューズ部とを有する蒸着パターンを設けたメッシュ状の円筒形スクリーンと、前記スクリーン内に配した噴出口とを備え、前記気化手段により気化された金属付着防止剤を前記噴出口から噴出させ、前記スクリーンをフィルムの送り速度と同期させて動かす駆動手段を備え、フィルムを前記スクリーンを回転させることによりスクリーンの円筒面に沿って送り、前記スクリーンに設けた前記蒸着パターンを通して直接前記フィルムに付着させる第2の工程と、前記蒸着金属を前記フィルムに付着させる第3の工程とからなる金属化フィルムの製造方法。
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