JP2002339055A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP2002339055A
JP2002339055A JP2001162382A JP2001162382A JP2002339055A JP 2002339055 A JP2002339055 A JP 2002339055A JP 2001162382 A JP2001162382 A JP 2001162382A JP 2001162382 A JP2001162382 A JP 2001162382A JP 2002339055 A JP2002339055 A JP 2002339055A
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thin film
film forming
roll
mask
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JP2001162382A
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Yoshihiro Oshima
宜浩 大島
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲット粒子の回り込みでの薄膜のパター
ン精度の低下がなく、各種形状の薄膜を高パターン精度
で効率的に形成可能な薄膜形成装置の提供。 【解決手段】 二個所の成膜位置で、金属マスク8の幅
と基板材2の移送方向に直角方向のマスク位置とを選択
設定し、各種パターンの薄膜の形成が可能で、各成膜位
置で基板材2との対接面が平滑面で、その裏面が粗面で
ある金属マスク8を、成膜ロール3で移送される基板材
2に密着対接し、粗面の移送部材との滑りのない係合で
基板材2と同期させて移送し、スパッタカソード5a、
5bからの薄膜材粒子で、高パターン精度の帯状薄膜の
形成が可能で、金属マスク8の粗面への付着薄膜材が基
板材2を汚さず、また、剥離ロールでの急激な移送方向
の変化で落下し、ブレードでも掻き落され、常にクリー
ンな金属マスク8で基板材2がマスクされ、マスク領域
への薄膜材の入り込みに起因して薄膜の境界線が不明確
になるのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯状の基板フィル
ムに薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電ガスを導入した真空中で、スパッタ
カソードと基板材間に電圧を印加させて、グロー放電を
発生させることにより、プラズマ中の正イオンが加速さ
れてスパッタカソードに衝突することにより、はじき出
されたターゲット原子によって、非成膜部分をマスク体
で覆った基板材の表面に薄膜を形成するスパッタリング
(Sputtering)の方法が広く利用されてい
る。この場合、固定配置された基板材に所定パターンの
薄膜を形成するには、基板材にマスク体を密着配置して
スパッタリングを行うことにより、マスク体のパターン
精度に対応した所定パターン形状の薄膜を基板材上に形
成することが可能である。
【0003】しかし、製造効率を高めるために、通常は
図7(a)に示すように、巻出ロールに巻装されたフィ
ルム状の基板材2を、巻出ロールから巻き戻しながら、
基板材2にスパッタリングにより薄膜を形成しており、
図示せぬ巻出ロールから巻き戻された基板材2は、ガイ
ドロール6b、6c間に配設された成膜ロール3の表面
に対接した状態で、矢印θ方向に回転する成膜ロール3
に同期して移動している。そして、成膜位置において
は、基板材2に近接対向して板状マスク21が配置され
ており、スパッタカソード5から放出されたターゲット
原子を、板状マスク21でカバーされたマスク領域17
を除く、基板材2表面の成膜領域16に付着させて薄膜
が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、図7(a)
に示すように、基板材2を移送させながらその表面に薄
膜を形成するために、成膜位置において板状マスク21
を基板材2に密着配置することはできず、基板材2の表
面と板状マスク21間に間隙が形成されるので、同図
(b)に示すように、マスク領域17と成膜領域16の
境界位置において、前記間隙からターゲット原子がマス
ク領域17内に回り込む回り込み領域17aが形成さ
れ、この部分では薄膜のエッジが乱れて、基板材2の表
面に形成される薄膜のパターン精度が低下してしまう。
【0005】本発明は、前述したような従来の薄膜形成
装置の薄膜形成動作の現状に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、ターゲット粒子の回り込みにより、形
成される薄膜のパターン精度の低下がなく、各種形状の
薄膜を高パターン精度で効率的に形成することが可能な
薄膜形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、表面に薄膜形成が行われる
基板材を送り出す巻出ロールと、 該巻出ロールから送
り出される前記基板材が巻き掛けられ、該基板材を薄膜
形成位置を通過して移送させる成膜ロールと、該成膜ロ
ール上で前記基板材と対接配置され、前記基板材にマス
ク領域を形成するマスク体と、該マスク体を、成膜ロー
ル上で前記基板材に対接させた状態で、前記成膜ロール
に同期して移送させることにより、前記基板材の単位長
ごとに成膜領域を設定するマスク体送り手段と、前記成
膜位置において、前記基板材に対向して配設され、前記
基板材に前記薄膜の微粒子を飛散させ、前記基板材に成
膜を行う成膜手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0007】このような手段によると、表面に薄膜形成
が行われる基板材が巻出ロールから送り出され、巻出ロ
ールから送り出される基板材は、成膜ロールに巻き掛け
られて、薄膜形成位置を通過して移送され、マスク体送
り手段によって、成膜ロール上で基板材と対接配置され
て、基板材にマスク領域を形成するマスク体が、成膜ロ
ール上で基板材に対接された状態で、成膜ロールに同期
して移送され、マスク体によつて、基板材の単位長ごと
に成膜領域が設定され、成膜位置において、基板材に対
向して配設される成膜手段によって、基板材に薄膜の微
粒子が飛散され、基板材に成膜が行われるので、基板材
には、完全に密着対接するマスク体によって、薄膜の微
粒子の回り込みのない高精度のマスク領域が形成され、
マスク体のパターン形状に適確に対応した高品質の薄膜
形成が行なわれる。
【0008】同様に前記目的を達成するために、請求項
2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記マ
スク体の前記成膜ロール上での前記基板材との対向面の
裏面には粗面処理が施されていることを特徴とするもの
である。
【0009】このような手段によると、請求項1記載の
発明での作用に加えて、マスク体の成膜ロール上での基
板材との対向面の裏面には粗面処理が施されているの
で、成膜時に粗面に付着する薄膜材は、粗面に保持さ
れ、飛散して基板材を汚すことがなくなる。
【0010】同様に前記目的を達成するために、請求項
3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記マ
スク体送り手段が、前記成膜ロール上での前記マスク体
の前記基板材との対接位置を、前記基板材の移送方向に
直角に変更する対接位置変更機能を有することを特徴と
するものである。
【0011】このような手段によると、請求項1記載の
発明での作用に加えて、マスク体送り手段に、成膜ロー
ル上でのマスク体の基板材との対接位置を変更する対接
位置変更機能が設けられているので、基板材上での薄膜
形成位置や薄膜パターンの選択により、異なるパターン
形状の複数の薄膜パターンを共通の基板材に形成して、
パターンの異なる複数の構成部品からなるエレクトロル
ミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子など各種
の電磁気部材が高パターン精度で効率的に製造される。
【0012】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]本発明の第
1の実施の形態を、図1ないし図5を参照して説明す
る。図1(a)、(b)は本実施の形態の全体構成を示
す説明図で、(a)は縦断面説明図、(b)は要部の表
面切開説明図、図2は図1の要部の構成を示す斜視図、
図3は図1のスライド部の構成を示す説明部、図4は図
1の膜剥離部の構成を示す説明図、図5は本実施の形態
による薄膜形成の説明図である。
【0013】本実施の形態では、図1(a)、(b)に
示すように、排気ポンプ系11によって内部の真空化が
可能な密封円筒体状の成膜室10が設けられ、この成膜
室10内に装置要部が収納されており、成膜室10内の
上部の一端側には、例えば、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)のフィルム状の基板材2が巻装された巻出
ロール1が、成膜室10の長手方向に軸芯を中心に回動
自在に配置され、成膜室10内の上部の他端側には、薄
膜が形成された成膜済の基板材2を巻き取って巻装する
巻取ロール7が、成膜室10の長手方向に軸芯を中心に
回動自在に配置されている。また、成膜室10内の下部
中央位置には、巻出ロール1から巻戻された基板材2が
巻掛けられる成膜ロール3が、成膜室10の長手方向に
軸芯を中心に回動自在に配置されており、成膜室10の
回転に同期して移送されて、成膜位置で薄膜が形成され
た基板材2は、巻取ロール7に巻装されるように構成さ
れている。さらに、巻出ロール1と成膜ロール3間に
は、基板材2の移送をガイドするガイドロール6a、6
bが、成膜ロール3と巻取ロール7間には、基板材2の
移送をガイドするガイドロール6c、6dが、それぞれ
成膜室10の長手方向に軸芯を中心に回動自在に配置さ
れている。そして、成膜ロール3は、例えば、熱媒体の
循環による温度制御により、所定の温度に温度設定が可
能な構成となっている。
【0014】本実施の形態には、成膜ロール3に対接し
て巻掛け移送される基板材2に対して、移送方向におい
て2個所の成膜位置が設けられており、ガイドロール6
bにガイドされた直後に成膜ロール3上に移送されて、
成膜ロール3の表面に対接される基板材2に対して、薄
膜を形成する第1の成膜位置が設けられ、この第1の成
膜位置においては、スパッタカソード5aが基板材2に
対向して配置されている。また、ガイドロール6cにガ
イドされて送り出される直前の基板材2に、成膜ロール
3上で薄膜を形成する第2の成膜位置が設けられ、この
第2の成膜位置においては、スパッタカソード5bが基
板2に対向して配置されている。
【0015】ここで、第1の成膜位置部分と第2の成膜
位置部分とは同一の構成なので、第2の成膜位置部分を
取り上げて説明すると、図1、図2及び図3に示すよう
に、第2の成膜位置においては、成膜ロール3に平行
に、薄膜材粒子を放出するスパッタカソード5bを囲む
ように、マスクガイドロール15a〜15dが、軸芯を
中心に回動自在に配置されており、マスクガイドロール
15c、15d間には、スライド部Sと膜剥離部Bとが
設けられている。この膜剥離部Bには、図4に示すよう
に、マスクガイドロール15c、15dに平行に、剥離
ロール20a〜20cが軸芯を中心に回動自在に配置さ
れ、これらの剥離ロール20a〜20cは、互いに接近
して配置され、剥離ロール20bは、剥離ロール20
a、20cから、スパッタカソード5b側に離されて配
置され、剥離ロール20bの近傍には、金属マスク8に
付着する薄膜材を掻き落とすブレード30が設けられて
いる。また、スライド部Sには、図3に示すように、ア
クチュエータ25により、ねじ27を介して、軸芯方向
に移動するように駆動される駆動軸26が設けられ、こ
の駆動軸26の端部には、楕円体状のスライドローラ2
8が、駆動軸26によって長軸方向に移動自在に取り付
けられている。
【0016】そして、マスクガイドロール15a〜15
d、剥離ロール20a〜20c、及びスライドローラ2
8にわたって、例えば、厚みが0.3mmのステンレス
の金属マスク8が2本、所定の選択された間隔を保持し
て互いに平行に巻掛けられ、図2に示す例では、一方の
金属マスクが他方の金属マスクよりも幅広に選択設定さ
れている。これらの金属マスク8の基板材2と対接する
表面には、基板材2を損傷することがないように、耐熱
性樹脂の塗布により平滑面が形成されている。また、金
属マスク8の基板材2との対接面の裏面には、付着した
スパッタ材が剥離して、移送中の基板材2に付着し、基
板材2を汚さないように、ケミカルエッチング等により
粗面が形成されている。さらに、アクチュエータ25に
より、スライドローラ28が長軸方向に移動すると、巻
掛けられている金属マスク8が、マスクガイドロール1
5a〜15d、及び剥離ロール20a〜20cと共に、
基板材2の移送方向に直角に移動するように構成されて
いる。
【0017】このような構成の本実施の形態の動作を説
明する。本実施の形態による成膜に際しては、第1の成
膜位置及び第2の成膜位置において、使用する金属マス
ク8の幅がそれぞれ選択され、それぞれのアクチュエー
タ25を操作することにより、各成膜位置において、金
属マスク8の基板材2の移送方向に直角な方向での位置
決めが行なわれ、成膜ロール3に対して所定の温度設定
が行なわれ、温度巻出ロール1に巻装されたフィルム状
の基板材2が、図示せぬ送り出し駆動機構によつて、巻
出ロール1から巻き戻される。このようにして、巻出ロ
ール1から巻き戻された基板材2は、ガイドロール6
a、6bにガイドされ、成膜ロール3に巻き掛けられ、
成膜ロール3の回転に従って移送され、スパッタカソー
ド5aが配置された第1の成膜位置に達する。一方、同
期駆動機構によって、第1の成膜位置においては、マス
クガイドロール22a〜22d、剥離ロール20a〜2
0c、及びスライドローラ28にわたって、互いに平行
に巻掛けられた2本の金属マスク8が、成膜ロール3上
で基板材2の表面に対接され、成膜ロール3の回転で移
送する基板材2と共に密着状態で移送される。同様にし
て、第2の成膜位置においては、マスクガイドロール1
5a〜15d、剥離ロール20a〜20c、及びスライ
ドローラ28にわたって、互いに平行に巻掛けられた2
本の金属マスク8が、成膜ロール3上で基板材2の表面
に対接され、成膜ロール3の回転で移送する基板材2と
共に密着状態で移送される。
【0018】この状態で、第1の成膜位置及び第2の成
膜位置において、金属マスク8に対接状態でマスクされ
た状態て、成膜ロール3の回転に伴って移送する基板材
2に対して、スパッタカソード5a或いはスパッタカソ
ード5bから放出される、例えばエレクトロクロミック
素子を形成する場合にはW、Ni、Vなどの薄膜材粒子
により、マスク領域を除く基板材2の表面に帯状に薄膜
が蒸着形成される。この場合、金属マスク8の基板材2
との対接面には、耐熱性樹脂の塗布により平滑面が形成
されているために、成膜動作時に基板材2の表面が対接
する金属マスク8によって損傷することはない。また、
第1の成膜位置において、帯状薄膜が形成された基板材
2に対して、第2の成膜位置では、薄膜形成同期機構に
よって、基板材2の移送方向に直角な所定位置に、スラ
イド部Sにより設定された位置から、第2の成膜位置で
の薄膜形成が開始される。
【0019】ところで、第1の成膜位置と第2の成膜位
置において、薄膜形成後に金属マスク8の基板材2から
の剥離が行なわれるが、この金属マスク剥離動作は、第
1の成膜位置と第2の成膜位置とでは同一なので、第2
の成膜位置を取り上げ、図1及び図4を参照して説明す
る。第2成膜位置において、マスクガイドロール15b
を介して、成膜ロール3上で基板材2と対接した状態
で、基板材2と同期して移送される金属マスク8は、マ
スクガイドロール15a位置で、基板材2から剥離され
てマスクガイドロール15a、15d、スライド部Sを
介して移送され、膜剥離部Bに送り込まれる。
【0020】そして、膜剥離部Bにおいては、図4に示
すように、剥離ロール20cにガイドされた金属マスク
8は、剥離ロール20bによって、大きい抱き角で移送
方向が急激に変更され、金属マスク8の基板材2との対
接面の裏面に応力が働き、金属マスク8の該裏面に付着
した薄膜材が重力で落下し、さらに、ブレード30によ
って、金属マスク8の該裏面に残存する薄膜材が掻き落
とされる。この場合、金属マスク8の基板材2との対接
面の裏面には、すでに説明したように粗面が形成されて
いるので、金属マスク8はマスクガイドロール15a〜
15d、剥離ロール20a〜20c、スライド部Sと
は、スリップを生じることなく確実に係合して、高精度
に移送されると共に、金属マスク8の基板材2との対接
面の裏面に付着した薄膜材は、剥離ロール20bによる
移送方向の変更によって落下し易くなる。このようにし
て、蒸着時に金属マスク8の表面に付着した薄膜材が除
去された金属マスク8が、マスクガイドロール15c、
15bにガイドされて、再び成膜ロール3上で、基板材
2に対接して移送され、基板材2の移送方向に順次対応
して薄膜形成が行なわれる。
【0021】このようにして、第1の成膜位置及び第2
の成膜位置における薄膜形成が終了した基板材2は、図
1(a)に示すように、ガイドロール6c、6dにガイ
ドされて巻取ロール7に巻き取られるが、巻取ロール7
に巻き取られた基板材2には、例えば第1の成膜位置に
対応して、図5(a)に示すように、薄膜が形成された
成膜領域16が、金属マスク8による帯状のマスク領域
17を挟んで帯状に形成される。そして、巻取ロール7
から薄膜が形成された基板材2が巻き戻され、必要に応
じて、例えば同図(b)に示すように、長手方向の一方
の縁部に帯状のマスク領域17が形成された薄膜部品に
切り出される。
【0022】以上に説明したように、本実施の形態によ
ると、第1の成膜位置と第2の成膜位置において、基板
材2をマスクする金属マスク8の幅をそれぞれ選択し、
基板材2の移送方向に直角な方向でのマスク位置を、ス
ライド部Sによりそれぞれ選択設定することにより、形
成する薄膜の帯状パターンを所望の形状に選択して薄膜
形成を行なうことが可能となる。また、第1の成膜位置
及び第2の成膜位置において、基板材2との対接面に平
滑面が形成され、対接面の裏面に粗面が形成された金属
マスク8を、成膜ロール3に巻掛けられて移送する基板
材2に密着対接させ、粗面で移送部材とスリップを起こ
すことなく係合させた状態で、金属マスク8を基板材2
と同期させて、高移送精度で移送しながら、スパッタカ
ソード5a、5bから放出される薄膜材粒子によって、
境界線の明確な高パターン精度の帯状薄膜パターンを効
率的に形成することが可能になる。さらに、基板材2と
の対接面の裏面は粗面に形成されているので、この粗面
に成膜時に付着保持される薄膜材は、飛散して基板材2
に転位し基板材2を汚すことはなく、また、粗面に付着
した薄膜材は、膜剥離部Bにおいて、剥離ロール20b
により、金属マスク8が大きな抱き角で急激に移送方向
が変化される時に落下し、さらにブレード30により掻
き落とされるので、常にクリーンな金属マスク8で基板
材2がマスクされ、残存薄膜材がマスク領域に薄膜材が
入り込んで、形成される薄膜の境界線が不明確になるこ
とも完全に防止可能になる。
【0023】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態を図6を参照して説明する。図6は本実施の形態
の説明図である。
【0024】本実施の形態の金属マスク8Aは、すでに
説明した第1の実施の形態とは形状を異にし、基板材2
の移送方向に直角な方向にもマスク領域が設けられてお
り、図6(a)に示すように、本実施の形態の金属マス
ク8Aは、基板材2の移送方向に同一幅で等間隔で互い
に平行に延長配列された複数本の帯状の金属マスクに対
して、基板材2の移送方向に直角に、基板材2の移送方
向に等間隔で互いに平行に延長配列された複数本の帯状
の金属マスクとが一体に形成された形状を有し、方形状
薄膜が形成されるように構成されている。また、本実施
の形態には、第1の成膜位置において、方形状薄膜が形
成された基板材2に対して、第2の成膜位置では、基板
材2の移送方向に直角な所定位置に、スライド部Sによ
り設定された位置から、第1の成膜位置において形成さ
れた方形状薄膜の基板材2の移送方向の所定位置に同期
して、第2の成膜位置での薄膜形成を開始する薄膜形成
同期機構が設けられている。本実施の形態のその他の部
分の構成は、すでに説明した第1の実施の形態と同一な
ので、重複する説明は行なわない。
【0025】本実施の形態では、第1の成膜位置及び第
2の成膜位置における薄膜形成が終了し、巻取ロール7
に巻き取られた基板材2には、例えば第1の成膜位置に
対応して、図6(b)に示すように、方形状の薄膜が形
成された成膜領域16が、金属マスク8による帯状方形
のマスク領域17に囲まれて形成される。巻取ロール7
から方形状の薄膜が形成された基板材2が巻き戻され、
必要に応じて、例えば同図(c)に示すように、帯状方
形のマスク領域17に囲まれた方形状の成膜領域16が
薄膜部品として切り出される。
【0026】このように本実施の形態によると、基板材
2の移送方向に同一幅で等間隔で互いに平行に延長配列
された複数本の帯状の金属マスクに対して、マスク幅と
マスク間隔を選択設定し、さらに、基板材2の移送方向
に直角に、基板材2の移送方向に等間隔で互いに平行に
延長配列された複数本の帯状の金属マスクに対して、マ
スク幅とマスク間隔を選択設定することにより、複数の
帯状方形が一体に形成された金属マスク8Aを選択設定
することにより、帯状方形のマスク領域17に囲まれた
方形状の成膜領域16を、基板材2に高パターン精度で
同時に多数効率的に形成することが可能になる。本実施
の形態のその他の効果は、すでに説明した第1の実施の
形態の効果と同一なので、重複する説明は行なわない。
【0027】本発明は、以上に説明した各実施の形態に
限定されるものではなく、例えば成膜位置を4個所設け
ることも可能であり、このようにすると、各実施の形態
に基づいて、各種の形状の金属マスクを4種類形成し、
これらの金属マスクをそれぞれの成膜位置に配置して、
基板材2上に複雑なパターン形状の薄膜を形成すること
が可能になる。本発明では、特に第2の実施の形態に基
づいて、変形発展させた実施の形態によって、発光体
部、上部電極及び下部電極のパターンがそれぞれ異なる
EL(Electro Luminescence)素
子、電極のパターン がそれぞれ異なるEC(Elec
trochromic)素子などを含む各種の電磁気部
材や、各種のパターンを有する装飾用フィルムを、巻き
物状の基板材にパターン精度よく連続的に効率的に形成
することが可能になる。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、表面に薄
膜形成が行われる基板材が巻出ロールから送り出され、
巻出ロールから送り出される基板材は、成膜ロールに巻
き掛けられて、薄膜形成位置を通過して移送され、マス
ク体送り手段によって、成膜ロール上で基板材と対接配
置されて、基板材にマスク領域を形成するマスク体が、
成膜ロール上で基板材に対接された状態で、成膜ロール
に同期して移送され、マスク体によつて、基板材の単位
長ごとに成膜領域が設定され、成膜位置において、基板
材に対向して配設される成膜手段によって、基板材に薄
膜の微粒子が飛散され、基板材に成膜が行われる。この
ために、基板材には、完全に密着対接するマスク体によ
って、薄膜の微粒子の回り込みのない高精度のマスク領
域が形成され、マスク体のパターン形状に適確に対応し
た高品質の薄膜形成が可能になる。
【0029】請求項2記載の発明によると、請求項1記
載の発明で得られる効果に加えて、マスク体の成膜ロー
ル上での基板材との対向面の裏面には粗面処理が施され
ているので、薄膜形成後の基板材から、マスク体をスム
ーズに剥離することが可能になる。
【0030】請求項3記載の発明によると、請求項1記
載の発明で得られる効果に加えて、マスク体送り手段
に、成膜ロール上でのマスク体の基板材との対接位置を
変更する対接位置変更機能が設けられているので、基板
材上での薄膜形成位置や薄膜パターンの選択が可能とな
り、さらに、異なるパターン形状の複数の薄膜パターン
を共通の基板材に形成して、パターンの異なる複数の構
成部品からなるエレクトロルミネッセンス素子、エレク
トロクロミック素子など各種の電磁気部材を高パターン
精度で効率的に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示す説
明図である。
【図2】図1の要部の構成を示す斜視図である。
【図3】図1のスライド部の構成を示す説明図である。
【図4】図1の膜剥離部の構成を示す説明図である。
【図5】同実施の形態による薄膜形成の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図7】従来の薄膜形成装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・巻出ロール、2・・基板材、3・・成膜ロール、
5a、5b・・スパッタカソード、6a〜6d・・ガイ
ドロール、7・・巻取ロール、8、8A・・金属マス
ク、10・・成膜室、15a〜15d、22a〜22d
・・マスクガイドロール、16・・成膜領域、17・・
マスク領域、20a〜20c・・剥離ロール、25・・
アクチュエータ、28・・スライドローラ、30・・ブ
レード、B・・膜剥離部、S・・スライド部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に薄膜形成が行われる基板材を送り
    出す巻出ロールと、 該巻出ロールから送り出される前記基板材が巻き掛けら
    れ、該基板材を薄膜形成位置を通過して移送させる成膜
    ロールと、 該成膜ロール上で前記基板材と対接配置され、前記基板
    材にマスク領域を形成するマスク体と、 該マスク体を、成膜ロール上で前記基板材に対接させた
    状態で、前記成膜ロールに同期して移送させることによ
    り、前記基板材の単位長ごとに成膜領域を設定するマス
    ク体送り手段と、 前記成膜位置において、前記基板材に対向して配設さ
    れ、前記基板材に前記薄膜の微粒子を飛散させ、前記基
    板材に成膜を行う成膜手段とを有することを特徴とする
    薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記マスク体の前記成膜ロール上での前
    記基板材との対向面の裏面には粗面処理が施されている
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記マスク体送り手段が、前記成膜ロー
    ル上での前記マスク体の前記基板材との対接位置を、前
    記基板材の移送方向に直角に変更する対接位置変更機能
    を有することを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100425729C (zh) * 2006-05-10 2008-10-15 友达光电股份有限公司 清洁溅镀机的方法
KR200445155Y1 (ko) 2007-07-06 2009-07-02 (주) 에이알티 이온건챔버의 가스유출 방지가 가능한 롤투롤스퍼터 시스템
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DE102005042762B4 (de) * 2004-09-09 2016-10-20 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Vorrichtung zur kontinuierlichen Beschichtung

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