JP2001276558A - 水素ガス分離ユニット及びその製造方法 - Google Patents
水素ガス分離ユニット及びその製造方法Info
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Abstract
たり、水素ガス分離性を有する材料の有効面積を大きく
とれる水素ガス分離ユニットを提供する。また、水素ガ
ス分離性を有する材料のハンドリング性を考慮した水素
ガス分離ユニットの製造方法を提供する。 【解決手段】 金属板21と水素ガス分離性を有する材
料(パラジウム合金箔)13とをクラッド加工して積層
し、その後、クラッド切板Kの中央部分105をエッチ
ング液を使用して選択的にエッチングすることによっ
て、下層のパラジウム合金箔13を露出させ、金属支持
板11を配設し水素ガス分離ユニットAを得る。
Description
水素を分離する水素ガス分離ユニット及びその製造方法
に関する。
する方法としては、吸着剤を利用した圧力スイング吸着
法(PSA法)で不純物を分離除去する方法や、有機ま
たは無機の水素分離膜によって水素を分離する方法など
がある。水素分離膜を用いる方法は、省エネルギー、分
離効率、装置構成の簡易性、運転容易性などの点で注目
されている。
ルホンなどの有機高分子膜、多孔質ガラスや多孔質セラ
ミックスなどの無機多孔質膜、パラジウムまたはパラジ
ウム合金膜などがある。例えば、特開平7−12445
3号公報においては、金属支持体の片面にパラジウムと
他の金属の薄膜をそれぞれ電気メッキ法により交互積層
し、金属支持体の片面にエッチング法により細孔を多数
穿孔し、熱処理してパラジウム合金化し、さらに、金属
板表面をエッチングして細孔を多数穿孔したものを作
り、それらを一体化して水素分離膜を形成する工程が記
載されている。
金属支持板上に直接密着性の良いめっき層を形成するこ
とは困難であという問題があり、最後に行う熱処理工程
でのパラジウムとニッケルとの合金層なども一定の厚み
に安定的に形成されないおそれがある。
欠陥が出やすく、パラジウムなどの金属薄膜に孔が形成
されたものができるという問題がある。特に複層めっき
処理の場合にはめっき浴組成及び電流、温度等のめっき
条件の管理も厳密にする必要があり煩雑な工程となる。
また、パラジウムなどの金属薄膜の露出面積を大きくと
れないのでガスの透過量に制限があるという問題もあ
る。
ガス分離を行うにあたり、水素ガス分離性を有する材料
の有効面積を大きくとれる水素ガス分離ユニット及びそ
の製造方法を提供することである。また、水素ガス分離
性を有する材料のハンドリング性を考慮した水素ガス分
離ユニットの製造方法を提供することを課題とする。さ
らに、水素ガス分離性を有する材料の露出面積を増し水
素ガスの透過ガス量を増大させることができる水素ガス
分離ユニットを提供することを課題とする。
ニットは、水素ガス分離性を有する材料の片面に該箔を
展張する展張枠が積層されており、他面に該箔を支持す
る多数の孔が形成された金属支持体が積層されているこ
とを特徴とする。この水素ガス分離ユニットにおいて
は、水素ガス分離性を有する材料が、パラジウム箔又は
パラジウム合金箔であることが望ましい。本発明の水素
ガス分離ユニットの製造方法は、金属板の片面に水素ガ
ス分離性を有する材料をクラッド加工法により積層して
クラッド板を製造し、得られたクラッド板を切断してク
ラッド切板とし、クラッド切板の金属板をエッチングし
て水素ガス分離性を有する材料を露出させるとともに展
張枠を形成し、前記材料の他面に該材料を支持する金属
支持体を積層することを特徴とする。
ットを図面を用いて説明する。図1は、水素ガス分離ユ
ニットAの構造を説明するために上中下3層に分解した
斜視図である。図1において、水素ガス分離ユニットA
は、水素ガス分離性を有する材料(例えば、パラジウム
合金箔。以下、パラジウム合金箔を例として説明す
る。)13の片面に展張枠10が積層されており、他面
には、多数の孔が形成された金属支持体11が積層され
ている。
Aの上面に積層されている展張枠10は、中央部に2個
の開口部105がエッチング法などで形成された枠体で
ある。開口部105の形状は、四角形、六角形、円形、
楕円形など様々なものが適用できる。その並び方も、特
に問わない。展張枠10は、できるだけ大きく開口され
ている方がガス流通面積を大きくとれて好ましい。例え
ば、周囲部分101のみの骨組みとすることも好まし
い。また、パラジウム合金箔13のハンドリング時の破
れなどを考慮すれば、図1に示すように、中央部分10
2を設けることも好ましい。展張枠10の材質は、ステ
ンレス鋼、ニッケル又はニッケル基合金、銅又は銅合
金、鉄合金などが好ましい。展張枠10の厚みは、10
〜500μmであるのが好ましく、50〜200μm程
度であるのがさらに好ましい。厚みが10μm未満であ
ると枠体としての機械的強度に欠け、一方500μmを
超えると、例えばエッチング法などで形成させるのに時
間がかかり好ましくない。
される金属支持体11について説明する。金属支持体1
1には、直径が10〜500μm、好ましくは50〜2
00μmの円形状又は楕円形状の細孔bが形成されてい
る。直径が10μm未満ではガスの流通抵抗が大きく、
一方500μmを超えると、パラジウム合金箔12が細
孔b内に食い込み、パラジウム合金箔13に亀裂を生じ
やすくなる。なお、細孔bの形成密度は、150〜30
00個/cm2 程度が好ましい。
うに、一方の径が極めて長い長孔状であっても差し支え
ない。細孔bの配置状態は、どのような並べ方であって
も差し支えないが、千鳥状に並べると孔形成密度を高め
ることができ好ましい。
ケル又はニッケル基合金板、銅又は銅合金板、鉄合金板
などの金属板が好ましい。金属支持体11は、材質とし
てセラミックスなどの多孔質の無機材料を用いることも
できる。
mであるのが好ましく、50〜200μm程度であるの
がさらに好ましい。厚みが10μm未満であると支持体
としての機械的強度に欠け、一方500μmを超える
と、例えばエッチング法などにより細孔を形成させるの
に時間がかかり好ましくない。
する。パラジウム合金箔13は、パラジウムを主体とす
る合金の薄い箔であり、パラジウムに、周期律表第VIII
族元素(例えば、コバルト、ニッケル)、IB族(例え
ば、銅、銀、金)、IIIB族(例えば、イットリウム)
の群から選ばれた少なくとも1種の他の金属を合金化さ
せたものが好ましく用いられる。なかでも、パラジウム
と銀との合金箔、パラジウムと銀とホロニウムとの合金
箔がさらに好ましい。パラジウムに合金化させる元素の
含有量は、1〜50重量%であることが好ましく、10
〜30重量%であることがさらに好ましい。パラジウム
合金を用いる理由は、パラジウム単体では水素脆化が生
じ、合金元素の含有量を1重量%以上とすると、水素脆
化が防止できるからである。また、合金元素の含有量が
50重量%を超えると、水素の透過速度が遅くなるので
好ましくないからである。
ング性などを鑑みて、3〜100μmとすることが好ま
しい。さらに好ましくは5〜50μmである。パラジウ
ム合金箔13の厚みが3μm未満では、パラジウム合金
箔13にピンホールが生じやすくなり、分離水素の純度
も低下することになる。一方厚みが100μmを超える
と、水素の透過速度が遅くなる。なお、水素ガス分離性
を有する材料として、パラジウム合金箔を一例として説
明したが、水素ガス分離性を有するものであれば、他の
材料でもかまわない。形態も、板状、箔状など様々なも
のが使用可能である。ここで、「水素ガス分離性を有す
る」とは、水素を含んだ混合ガス中の中から、水素ガス
を選択的に分離できる機能を有することをいう。
造方法を説明する。図2は、水素ガス分離ユニット製造
工程の一部を示すクラッド板加工装置の概略図である。
まず、展張枠となる金属板21の片面にパラジウム合金
箔23をクラッド加工して積層する。クラッド加工は、
事前に表面清浄化処理した金属板21を、図2に示すク
ラッド板加工装置の巻戻しリール22に巻き付ける。同
様に、事前に表面清浄化処理したパラジウム合金箔23
を巻戻しリール24に巻き付ける。巻戻しリール22,
24から金属板21とパラジウム合金箔23とを同時に
巻戻し、エッチングチャンバ25内に突出した電極ロー
ル26,26に巻付け、エッチングチャンバ25内にお
いて、それぞれの合わせ面をスパッタエッチング処理し
て活性化する。
理する方法は、本出願人が先に特開平1−224184
号公報で開示したように、(1)1×10−1〜1×1
0− 4 Torr の極低圧不活性ガス雰囲気中で、(2)金
属板21とパラジウム合金箔23とを、それぞれアース
接地した一方の電極とし、絶縁支持された他の電極との
間に1〜50 MHzの交流を印加してグロー放電を行わ
せ、(3)かつ、前記グロー放電によって生じたプラズ
マ中に露出される電極の面積が、電極の面積の1/3以
下で、(4)スパッタエッチング処理することによって
行うことが好ましい。その後、真空槽20内に設けた圧
延ユニット27によってクラッド加工(冷間圧接)し、
二層構造を有するクラッド板29を巻き取りロール28
に巻き取り、2層の積層構造を有するクラッド板29を
製造する。
を、適宜な縦横サイズに切断し、クラッド切板K(図3
(a)参照)とし、水素ガス分離ユニットの原板に供す
る。
片面に開口部105をエッチング法により形成する。エ
ッチングする方法としては、まず、クラッド切板Kの片
面(金属板21)にネガ型レジスト31を塗布し(図3
(b)参照)、ベーキング後、開口部105に相当する
パターンが形成されたマスクを介して紫外線などの光を
照射し露光する。露光後、現像して(図3(c)参照)
ポストベークし、エッチングし、残存するレジストを除
去し、展張枠10を完成させる。
上させるために、前処理として水酸化ナトリウム水溶液
であらかじめクラッド切板Kをアルカリ洗浄し、水洗、
中和、乾燥などを行い、レジスト塗布面の清浄化を行っ
ておくことが望ましい。レジストのタイプとしては、カ
ゼインタイプ、PVAタイプなどの水溶性タイプ、アク
リルポリマー系の溶剤溶解性タイプなどが用いられる。
レジスト被覆の条件としては、例えば次のようなものが
好ましい。 レジスト種類;PVA−重クロム酸系の水溶性タイプ
〔富士薬品工業(株)製、FR−14〕 塗布厚;7μm 洗浄化した金属板21へレジストを塗布する方法として
は、ロールコート法、スピンコート法、ディップ引き上
げコート法などが用いられる。
ードなどで変わるが、解像度の面からは、3〜15μm
が好ましい。次に、レジスト31の皮膜にあらかじめパ
ターン画像が形成されたフィルムマスクを密着させて、
紫外線を60〜70秒程照射する。
解除去され、金属板21の面が露出され、後の工程でエ
ッチングされる部分となる(図3(c)参照)。現像
は、水をスプレー塗布して行った。開口部105となる
パターンが形成されたレジスト31皮膜は、エッチング
工程に先立ち、塗膜密着性などを高めるため、熱風や遠
紫外線輻射などを用いてポストベークを行うことが好ま
しい。通常、100〜120℃で15〜30分行う。
て行う。まず、第1段階のエッチングとして、45〜4
9°Be(ボーメ)の塩化第2鉄水溶液を対象物面にス
プレーすることが好ましい。塩化第2鉄水溶液の液温
は、45〜65℃が好ましい。第1段階のエッチング
は、全エッチング量の8〜9割行う。次に第2段階目の
エッチングを行う。第2段階目エッチングは、残りの金
属板21を完全に除去するため電解エッチングを行う。
電解エッチング液は、リン酸液を用いることが望ましい
が、金属板をエッチングできる液であれば特にその種類
は問わない。エッチングされた金属板21は、水洗洗
浄、レジスト除去して、水素ガス分離ユニットAの一部
である、展張枠10とパラジウム合金箔13とが一体化
した、枠付きパラジウム合金箔pが得られる。本実施例
のエッチング処理では、金属板の開口部105の面積が
70mm×140mmになるように、片面からエッチン
グ液を吹きつけて行った。レジスト除去は、5〜10重
量%の水酸化ナトリウム水溶液を、50〜70℃に加温
した液に浸漬して行った。なお、本実施例では、金属板
21とパラジウム合金箔23とを一体化した積層体の製
造方法ついては、クラッド法を用いて説明したが、他の
方法で両者を積層することもできる。例えば、接着剤を
用いて金属板21とパラジウム合金箔23とを一体化し
た積層体を製造することもできる。また、あらかじめプ
レス法等で金属板の中央部を打ち抜き、枠体を作成し、
その枠体を、パラジウム合金箔と溶接法を用いて一体化
することもできる。
ジウム合金箔pの下側に、前述の図1に示したような金
属支持板11をあてがい、本発明の水素ガス分離ユニッ
トAを完成させる。上記のようにして完成した水素ガス
分離ユニットAを、金属支持板11の面が内側になるよ
うに、その周囲をレーザー溶接などでケース34に固定
化して水素ガス分離体Yとする(図5参照)。
用いて水素を分離する方法の一例を図4を用いて説明す
る。図4に示すように、水素ガス分離機Xには、本発明
の水素ガス分離ユニットAを組み込んである水素ガス分
離機Xが設置されている。
の原料ガス導入パイプ42から導入されると、原料ガス
Gg中の水素ガスが、水素ガス分離ユニット105のパ
ラジウム合金箔13を透過し、透過ガスGtとして下部
の分離ガス排出パイプ41から取り出される。一方、非
透過ガスGnは、水素ガス分離機Xの上方43より系外
へ排出される。
ガス分離性を有する材料(パラジウム合金箔)の露出面
積が大きく、パラジウム合金箔が展張枠によって展張さ
れた状態にあるので、パラジウム合金箔を破壊すること
なく水素ガス分離ユニットを製造することができる。ま
た、パラジウム合金箔の下側には、金属支持板をあてが
ってあるので、原料ガスの圧力によってパラジウム合金
箔が破壊されることがない。
分解した斜視図である。
クラッド板加工装置の概略図である。
る。
方法の一例を示す説明図である。
金箔) 20・・・真空槽 21・・・金属板 22・・・巻戻しリール 23・・・水素ガス分離性を有する材料(パラジウム合
金箔) 24・・・巻戻しリール 25・・・エッチングチャンバー 26・・・電極ロール 28・・・巻取りリール 29・・・クラッド板 31・・・レジスト 41・・・分離ガス排出パイプ 42・・・原料ガス導入パイプ A・・・水素ガス分離ユニット K・・・クラッド切板 X・・・水素ガス分離機 Y・・・水素ガス分離体 Gg・・・原料ガス Gt・・・透過ガス Gn・・・非透過ガス
Claims (3)
- 【請求項1】 水素ガス分離性を有する材料の片面に該
箔を展張する展張枠が積層されており、他面に該箔を支
持する多数の孔が形成された金属支持体が積層されてい
る水素ガス分離ユニット。 - 【請求項2】 前記水素ガス分離性を有する材料が、パ
ラジウム箔又はパラジウム合金箔である請求項1の水素
ガス分離ユニット。 - 【請求項3】 金属板の片面に水素ガス分離性を有する
材料をクラッド加工法により積層してクラッド板を製造
し、得られたクラッド板を切断してクラッド切板とし、
クラッド切板の金属板をエッチングして水素ガス分離性
を有する材料を露出させるとともに展張枠を形成し、前
記材料の他面に該材料を支持する金属支持体を積層する
ことを特徴とする、水素ガス分離ユニットの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000099880A JP3801838B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 水素ガス分離ユニット及びその製造方法 |
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2000
- 2000-03-31 JP JP2000099880A patent/JP3801838B2/ja not_active Expired - Fee Related
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