JP2004174894A - 保護層接合体および保護層接合体を用いた部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護層28と非保護層22を積層してなる保護層接合体10であって、保護層28および非保護層22の接合されるそれぞれの面を活性化処理して不要物層を除去した後、接合されるそれぞれの面を対向するように当接して重ね合わせて積層接合して保護層接合体10を製造する。保護層接合体10に支持体26を積層して積層材12とし、支持体26にエッチング加工を施して開口接合材30を製造して分離膜部品とし、またはメッシュ板34や基台36を積層して分離膜ユニット32として、水素分離装置などに適用する。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、使用環境や加工環境に対して優れた保護特性を有する保護層と目的とする特性を十分に有する非保護層を積層してなる保護層接合体、および保護層接合体を用いてなる部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池システムの開発が進むにつれて、高純度水素を得るための改質器用途に水素分離膜を用いた水素分離装置が注目されてきており、これに適用される各種の水素分離部品が提案されている。例えば、特許文献1では、水素ガス分離性材料に展張枠と金属支持体が積層された水素ガスユニットが開示されており、特許文献2では、水素ガス分離性材料と金属板からなる積層板の厚みを薄くした後、金属板にエッチングして水素ガス分離性材料を露出させると共に展張枠を形成する水素ガス分離ユニットが開示されている。しかしながら水素ガス分離性材料が未分離の原料ガスと高温度で接触することとなるため、耐酸化性や耐脆化性などの特性変化に対する改善が望まれていた。なお特許文献3には、活性化接合により金属板同士を接合する方法が開示されている。
【0003】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【特許文献1】
特開2001−276558号公報
【特許文献2】
特開2002−52325号公報
【特許文献3】
特開平1−224184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の技術的問題に鑑みて、使用環境や加工環境に対して優れた保護特性を有する保護層と目的とする特性を十分に有する非保護層を積層してなる保護層接合体、および保護層接合体を用いてなる部品を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明の保護層接合体は、保護層と非保護層を積層してなる保護層接合体であって、保護層および非保護層の接合されるそれぞれの面を活性化処理して不要物層を除去した後、接合されるそれぞれの面を対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなる構成とした。また好ましくは前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理する構成とした。
【0006】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の部品は、保護層と非保護層を積層してなる保護層接合体を用いてなる構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の保護層接合体の一実施形態を示す概略断面図であり、非保護層22の片面に保護層28を積層してなる例を示している。図2は、本発明の保護層接合体の他の一実施形態を示す概略断面図であり、非保護層22の両面に保護層28を積層してなる例を示している。
【0008】
保護層接合体は、板材の保護層と板材の非保護層を積層してなるものであり、板材は、単層板でもよいし複数の層からなる構成のものでもよい。板材の積層は、後述する活性化接合法を用いることによって製造することが可能である。なお活性化接合時の板材の厚みは5〜500μmが好ましい。5μ未満では充分な機械的強度を維持することが難しく、500μmを超えると重くなり過ぎる。より好ましくは、10〜150μmである。
【0009】
保護層28の材質としては、保護層接合体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず保護層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。保護層は、非保護層を使用環境や加工環境より非保護層を保護するためのものであり、非保護層表面の少なくとも一部に付着してなるものである。保護層接合体の用途が水素分離装置などであれば、保護層としては非保護層の耐酸化性や耐脆化性などの耐環境性を補うものとして適用することができ、保護層に分離性や透過性などの機能を持たせることも可能である。例えば耐水素脆化性や耐酸化性を持たせるのであれば、パラジウム銀合金などを適用することができる。保護層は、機能の異なる複数の層の積層体であってもよい。
【0010】
非保護層22の材質としては、保護層接合体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、保護層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。非保護層は、保護層により使用環境や加工環境より保護されるため、保護層接合体として求められる機能を十分に発揮することができる。保護層接合体の用途が水素分離装置などであれば、非保護層としては分離性や透過性の機能を十分に発揮しうるものが好ましい。例えば、タンタル、ニオブ、パラジウムやこれらを少なくとも1種類を含む合金などを適用することができる。パラジウム系合金としては、パラジウム・ホルミウム合金、パラジウム・ガドリニウム合金、パラジウム・イットリウム合金などを用いることができる。非保護層は、機能の異なる複数の層の積層体であってもよい。
【0011】
例えば、保護層接合体を水素分離装置などに適用する場合には、保護層は耐酸化性、耐脆化性などの優れた材料とし、非保護層は分離性や透過性の優れた材料とすることで、それぞれに好適な材料を選択し組み合わせて保護層接合体としての総合的な性能やコストなどを改善することが可能である。すなわち保護層を保護機能が十分に確保しうる範囲内で薄くすることにより、保護層での分離性能や透過性能の低下を最小限とすることが可能である。また非保護層が分離層と透過層などの複数の異なった機能層からなる場合などにも、それぞれに好適な材料を選択し組み合わせることで、非保護層の性能やコストなどを改善することが可能である。例えば、分離層材料が高価な場合、分離能力が十分に確保しうる範囲で分離層の層厚みを薄くして、比較的安価な透過層と積層することで、分離能力を落とすことなく分離膜体のコストの抑制を図ることができる。同様に分離層の透過速度が遅い場合は、分離能力が十分に確保しうる範囲で分離層厚みを薄くして、比較的透過速度の速い透過層と積層することにより分離膜体の実効的な透過速度の向上を図ることができる。また透過層は分離層の機械的な補強材として利用することができる。
【0012】
保護層接合体10は、非保護層22と保護層28を積層接合してなるものであって、ともに板材である場合以下に説明する活性化接合法を用いることによって製造することができる。図8に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された保護層28の接合予定面側を、活性化処理装置70で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64に設置された非保護層22の接合予定面側を、活性化処理装置80で活性化処理する。このとき保護層28や非保護層22の酸化膜などの不要物層を完全に除去することが可能である。一般的に非保護層22は、保護層28に比べ耐環境性が劣るため不要物層が存在しやすくなる。特に酸化膜の除去は、分離特性や透過特性の劣化をなくすために重要である。
【0013】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された保護層28、非保護層22を形成する透過層22側をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した保護層28、非保護層22のそれぞれの面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどや、これらを少なくとも1種類含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンガスである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエッチングするためには電極Aと接触した保護層28、非保護層22のそれぞれの面積を電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的に1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。これにより、不要物層を完全に除去することが可能となる。
【0014】
その後これら活性化処理された保護層28、非保護層22を積層接合する。積層接合は、保護層28、非保護層22のそれぞれ活性化処理された面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成することができる。この際の積層接合は低温度で可能であり、保護層28、非保護層22ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを保護層、非保護層の温度(℃)とするとき、0℃<T≦300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃を超えると組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。さらにこの際の積層接合は低加圧力での接合が可能であるため、保護層接合体の残留応力を低く抑えることができる。この際の圧延率R(%)は、0.01%≦R≦30%であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工精度上好ましくない。より好ましくは、0.1%≦R≦3%である。これらのため目的とする特性の劣化などを最小限に留めることが可能である。
【0015】
このように積層接合することにより、所要の層厚みを有する保護層接合体10を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図1に示す2層の保護層接合体10を製造することができる。またこのようにして製造された保護層接合体10に、接合界面での合金層の形成などが問題とならない程度に必要により残留応力の除去または低減などのために熱処理を施してもよい。なお図2に示す3層の保護層接合体11は、上記の図8の説明において、保護層28の代わりに保護層接合体10を用いることにより、同様にして製造することができる。
【0016】
なお保護層接合体10の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された保護層や非保護層の板材を複数枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理を行い、さらに保護層や非保護層の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理後に設置または把持したまま圧接し、保護層や非保護層の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理は、保護層や非保護層の板材を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
【0017】
さらにこのように製造された保護層接合体に圧延加工を施すことも可能である。保護接合体10あるいは11を、1回あるいは複数回圧延ロールに通し、保護層28および/または非保護層22の厚みを減少させて保護層接合体を薄膜化する。一旦接合された保護層接合体には高い圧延率も適用可能であり、保護層接合体に悪影響を及ぼさない範囲で適宜選択して用いることができる。圧延率Rは、30%<R≦90%であることが好ましい。30%以下では充分な圧延効果が得られず、90%を超えると接合界面に波状のうねりなどの形状変形を生じて均一な膜厚を維持できなくなる。好ましくは、50%≦R≦80%である。圧延加工は、真空中や減圧状態で行ってもよいが、大気中で行っても保護層接合体の接合界面にはなんら影響しない。また保護層接合体の用途などにより許容される場合には、活性接合時の圧延率を高くしてもよい。
【0018】
本発明の部品は、例えば図3に示すように、図1に示す保護層接合体10の保護層28側に支持体26を積層した積層材12や、図4、5に示すように図3に示す部品12の支持体26に1段または複数段のエッチング加工を施した中間開口材16や開口接合材30、さらに図6に示すように開口接合材30にメッシュ板34や基台36を積層した分離膜ユニット32などである。さらに保護層接合体を支持体で挟み込んだ形態の支持体−分離膜体−支持体の3層構造なども部品であり、この両面に1段または複数段のエッチング加工を施した中間開口材や開口接合材、さらにこれらにメッシュ板34や基台36を積層したユニットなども部品である。また図5に示す開口接合材は、予め開口を設けた支持体と保護層接合体とを活性化接合法などにより積層してもよい。
【0019】
なお支持体26の材質としては、積層材12を製造可能であり、保護層接合体を用いた部品を充分に支持しうる強度などを有する素材で、エッチング加工が可能であれば特にその種類は限定されず、保護層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合金、銅合金、鉄・ニッケル合金などや、これらに保護層接合体との間での好ましくない反応を防止するための層などを積層したものを適用することができる。保護層接合体の用途が水素分離装置などであれば、支持体26としてはステンレス鋼などを適用することができる。また支持体26の厚みは、10〜500μmが好ましい。10μm未満では充分な強度を維持することが難しく、500μmを超えるとエッチング加工に向かなくなるとともに重くなり過ぎる。
【0020】
図3に示す積層材12の支持体26に、2段のエッチング加工を施して、所定の開口率で支持体26に少なくとも1つの開口を設けることができる。この場合、支持体26の材質、エッチング方法、エッチング液などを適切に選定することにより、保護層28に悪影響を与えることなくエッチング加工を施すことができる。すなわち、支持体26を加工する1段目をウェットエッチング処理として、支持体26の厚みの大部分をエッチング加工して図4に示す中間開口材16を製造し、次いで中間開口材16の支持体26の残部を加工する2段目を電解エッチング処理として、支持体26の残部をエッチング加工することにより、保護層28がエッチングの影響を受けないように開口を設けることができ、図5に示す開口接合材30を製造することができる。同様にして支持体−透過層−支持体の3層構造の保護層接合体にエッチング加工を施すことによって、保護層接合体の両面に開口を設けた開口接合材も製造することができる。
【0021】
例えば図3に示す積層材12において、支持体26にステンレス箔を用い、保護層接合体10としてパラジウム・ホルミウム合金層からなる非保護層22にパラジウム・銀合金層28を積層したものを用い、エッチング液として、ステンレス箔26に対して、第1段のウェットエッチング処理では塩化第二鉄液を用い、第2段の電解エッチング処理ではリン酸液を用いることができる。リン酸液の電解エッチングでは保護層28のパラジウム・銀合金はエッチングされないので、保護層28に悪影響を与えることなく支持体26に開口を設けることができる。またウェットエッチング処理は電解エッチング処理に比較してエッチングスピードが速いため、第1段エッチング処理で支持体26の厚みの大部分をエッチング加工し、第2段エッチング処理で残部をエッチング処理することにより総加工時間を短縮することができる。第1段エッチングによる加工は、支持体26の厚みの5μm〜50μmを残すようにすることが好ましい。残部が5μm未満では局部的に分離層にピンホールを発生させるなどの悪影響が生じる恐れがあり、残部が50μmを超えると総加工時間が長くなりすぎる。より好ましくは、10μm〜30μmである。さらに好ましくは、15μm〜25μmである。
【0022】
本発明の部品は分離膜部品や分離膜ユニット32、分離装置に適用することができる。分離膜部品は、例えば、積層材の支持体にエッチング加工を施した中間開口材や開口接合材、支持体−分離膜体−支持体の3層構造の保護層接合体の両面にエッチング加工を施した中間開口材や開口接合材などである。
【0023】
分離膜ユニット32は、例えば図6に示すように、開口接合材30にメッシュ板34を積層したものであり、あるいは基台36をさらに積層したものである。図5に示す開口接合材30は、積層材12の支持体26に2段のエッチング加工を施して製造したもので、保護層接合体10の片面に開口を有し他面が露出した形態である。この開口接合材30の保護層接合体の露出面側にメッシュ板34を、また必要により基台36を積層してレーザー溶接などで接合することにより図6に示す分離膜ユニット32を製造することができる。メッシュ板34は開口接合材の保護や補強などを図るためのものであり、ステンレス鋼などにエッチング加工などを施して貫通孔を設けたものである。基台36は、開口接合材の保持や分離膜体より透過した水素などの目的とする透過ガスを集めるためのものであり、例えば図7に示すように基台の表面や内部に透過ガスHのための溝やトンネルなどの導出路を設けたものである。また必要により、基台表面に分離膜部品やメッシュ板を支える支持台部39を設けることによって分離膜部品やメッシュ板の変形を抑止することができる。さらに基台の他の面にも適切な導出路を設けることにより、基台の上下面や側面にも開口接合材を配置することができ、分離膜ユニット32の分離能力を高めることができる。例えば、基台の上下面に導出路を設けて2つの開口接合材を積層した場合、分離能力はほぼ2倍となる。なお必要により開口接合材の供給ガスG側にメッシュ板を積層してもよいし、分離膜体の両面に開口を有する開口接合材を用いる場合は、開口接合材と基台36の間のメッシュ板34を省略してもよい。
【0024】
本発明の部品を分離膜部品や分離膜ユニット32、分離装置に適用する場合、図6に示すように、目的とするガスの分離効率を高めるために、供給ガスG側の開口部は開口の総面積を増して分離膜体と供給ガスGとの接触面積を大きくすることができる。積層材の支持体に丸孔や長孔などの開口を複数設けることでは開口間に支持体が残るため開口率は低くなり、そのため積層材自体を大きくしなければらなくなるが、逆に各開口を大きくして開口間の残部を減らすことにより開口率を上げて開口の総面積を増すことができる。
【0025】
本発明の部品では、支持体に複数段のエッチング加工を施すことにより、各開口の面積を増しても支持体のエッチング加工による分離層へのピンホール発生などの悪影響はないため、各開口の大きさはエッチング加工による制限は受けずに、保護層接合体の強度などにより決定することができる。各開口の大きさは形状により異なるが、幅または短径で1mm〜100mm、あるいは面積で1mm2〜10000mm2であることが好ましい。1mm未満では充分な接触面積が得られず、100mmを超えると強度が不足してくる。同様に1mm2未満では充分な接触面積が得られず、10000mm2を超えると強度が不足してくる。より好ましくは、幅または短径で2mm〜10mm、あるいは面積で4mm2〜100mm2である。
【0026】
開口接合材は、溶接しろなどの固定や保持のための領域の枠部と保護層接合体を露出させるための孔開け加工を施された領域の開口部からなり、さらに開口部は保護層接合体を露出させる少なくとも1つの開口と開口間に残された支持体の仕切からなる。開口面積を開口部における保護層接合体の露出した面積とし、仕切面積を開口部における保護層接合体が隠れた非露出面積とするとき、開口面積の総和と仕切面積の総和の比率である開口率は、開口率(%)=露出総面積/(露出総面積+仕切総面積)で表すことができる。なお開口率は50%〜99%が好ましい。50%未満では分離効率が悪く99%を超えると強度が不足する。より好ましくは70%〜95%であり、さらに好ましくは80%〜90%である。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。保護層28として、耐水素脆化性・耐酸化性に優れた水素分離膜である厚み5μmのパラジウム銀合金箔を用い、非保護層22として、高水素透過性分離膜である厚み10μmのパラジウム・ホルミウム合金箔を用いた。保護層28および非保護層22を保護層接合体製造装置50にセットし、真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。次に圧接ユニット60を用いて、これら活性化処理された保護層28、非保護層22を、活性化処理面同士を重ね合わせて圧接して積層接合してパラジウム銀合金−パラジウム・ホスミウム合金からなる2層の保護層接合体10を製造した。さらに保護層28を積層接合して、パラジウム銀合金−パラジウム・ホルミウム合金−パラジウム銀合金からなる3層の保護層接合体11を製造した。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の保護層接合体は保護層と非保護層を積層接合してなるものであり、本発明の部品は保護層接合体を用いたものである。このため分離膜などへの適用も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護層接合体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の保護層接合体の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の部品の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の部品の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の部品のさらに他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の部品のさらに他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の部品の製造に用いる基台の一実施形態を示す概略平面図である。
【図8】本発明の保護層接合体の製造に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 保護層接合体
11 保護層接合体
12 積層材
16 中間開口材
22 非保護層
26 支持体
28 保護層
30 開口接合材
32 分離膜ユニット
34 メッシュ板
36 基台
37 溝
38 トンネル
39 支持台部
50 製造装置
52 真空槽
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
A 電極A
B 電極B
G 供給ガス
H 透過ガス
Claims (3)
- 保護層と非保護層を積層してなる保護層接合体であって、保護層および非保護層の接合されるそれぞれの面を活性化処理して不要物層を除去した後、接合されるそれぞれの面を対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする保護層接合体。
- 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理することを特徴とする請求項1に記載の保護層接合体。
- 保護層と非保護層を積層してなる保護層接合体を用いてなることを特徴とする部品。
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