JP2003305346A - 分離膜積層体の製造方法および分離膜積層体を用いた部品の製造方法 - Google Patents

分離膜積層体の製造方法および分離膜積層体を用いた部品の製造方法

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JP2003305346A
JP2003305346A JP2002109709A JP2002109709A JP2003305346A JP 2003305346 A JP2003305346 A JP 2003305346A JP 2002109709 A JP2002109709 A JP 2002109709A JP 2002109709 A JP2002109709 A JP 2002109709A JP 2003305346 A JP2003305346 A JP 2003305346A
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Kinji Saijo
謹二 西條
Kazuo Yoshida
一雄 吉田
Shinji Osawa
真司 大澤
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Toyo Kohan Co Ltd
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Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】支持体と分離膜体の接合面などでの合金層形成
などの悪影響を排除もしくは軽減しうるような、透過層
と分離層を積層してなる分離膜体と支持体とを積層して
なる分離膜積層体の製造方法および分離膜積層体を用い
た部品の製造方法の提供。 【解決手段】透過層22と分離層28を積層してなる分
離膜体10と支持体26とを積層してなる分離膜積層体
12の製造において、分離膜積層体12の少なくとも1
つの接合面を、接合されるそれぞれの面を活性化処理し
た後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね
合わせて、積層接合することにより分離膜積層体12を
製造する。分離膜積層体12の支持体にエッチング加工
などを施して開口接合材30を製造して分離膜部品と
し、またはメッシュ板34や基台36を積層して分離膜
ユニット32として、水素分離装置などに適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、分離層と透過層を
積層してなる分離膜体と、支持体とを積層してなる分離
膜積層体の製造方法、および分離膜積層体を用いた部品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池システムの開発が進むに
つれて、高純度水素を得るための改質器用途に水素分離
膜を用いた水素分離装置が注目されてきており、これに
適用される各種の水素分離部品が提案されている。例え
ば、特開平7−124453号公報では、金属支持体に
電気メッキ法を用いて水素分離膜を積層させて、エッチ
ング法を用いて前記金属支持体に多数の細孔を設けるこ
とにより水素分離部品を形成している。しかしながら水
素分離膜を形成させる際に高温での熱処理を必要として
いるため、金属支持体と水素分離膜との間に合金層を形
成する恐れがあり、エッチング加工による開口部の加工
精度の低下などの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の技術的
問題に鑑みて、支持体と分離膜体との接合面での合金層
形成などの悪影響を排除もしくは軽減しうるような、分
離層と透過層を積層してなる分離膜体と、支持体とを積
層してなる分離膜積層体の製造方法、および分離膜積層
体を用いた部品の製造方法を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題に対する第1の
解決手段として本発明の分離膜積層体の製造方法は、分
離層と透過層を積層してなる分離膜体と、支持体とを積
層してなる分離膜積層体の製造方法であって、分離膜積
層体の少なくとも1つの接合面を、接合されるそれぞれ
の面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向する
ように当接して重ね合わせて積層接合する方法とした。
また好ましくは前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中
でグロー放電を行わせて、前記接合されるそれぞれの面
をスパッタエッチング処理する方法とした。
【0005】前記課題に対する第2の解決手段として本
発明の部品の製造方法は、分離層と透過層を積層してな
る分離膜体と、支持体とを積層してなる分離膜積層体を
用いた方法とした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の製造方法を説明
する。図2は、本発明の製造方法を用いた分離膜積層体
12の一実施形態を示す概略断面図であり、透過層22
の片面に分離層28を積層してなる分離膜体10に支持
体26を積層接合してなる例を示している。また図1
は、本発明の製造方法に用いる分離膜体10の一実施形
態を示す概略断面図であり、透過層22の片面に分離層
28を積層してなる例を示している。なお分離膜体10
は、透過層22に蒸着などの積層方法により分離層28
を形成することなどで製造することができる。
【0007】支持体26の材質としては、分離膜積層体
12を製造可能であり、分離膜積層体を用いた部品を充
分に支持しうる強度などを有する素材で、エッチング加
工が可能であれば特にその種類は限定されず、分離膜積
層体12の用途により適宜選択して用いることができ
る。例えば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合
金、銅合金、鉄ニッケル合金などを適用することができ
る。分離膜積層体12の用途が水素分離装置などであれ
ば、支持体26としてはステンレス鋼などを適用するこ
とができる。また支持体26の厚みは、10〜500μ
mが好ましい。10μm未満では充分な強度を維持する
ことが難しく、500μmを超えるとエッチング加工に
向かなくなるとともに重くなり過ぎる。
【0008】分離層28の材質としては、分離膜積層体
12を製造可能であり、目的とするガスや液体などの分
離物質を充分に分離しうる素材であれば特にその種類は
限定されず分離膜積層体12の用途により適宜選択して
用いることができる。分離膜積層体12の用途が水素分
離装置などであれば、分離層28としては、パラジウ
ム、パラジウムを含む合金(例えばパラジウム・銀合
金、パラジウム・ホルミウム合金、パラジウム・ガドリ
ニウム合金など)、ジルコニウム・ニッケル合金などを
適用することができる。分離層28は、板材でもよい
し、メッキや蒸着などによる膜材であってもよいし、ア
モルファスであってもよいし、複数層の分離層からなる
積層体であってもよい。また分離層28の厚みは、0.
1〜100μmが好ましい。0.1μ未満ではピンホー
ルを生じやすくなり、100μmを超えるとガスの分離
効率が低下したり重くなり過ぎる。より好ましくは、1
〜20μmである。
【0009】透過層22の材質としては、分離膜積層体
12を製造可能であり、目的とするガスや液体などの透
過物質を充分に透過しうる素材であれば特にその種類は
限定されず分離膜積層体12の用途により適宜選択して
用いることができる。分離膜積層体12の用途が水素分
離装置などであれば、透過層22としては、タンタル、
ニオブ、バナジウムやこれらを少なくとも1種類含む合
金などを適用することができる。透過層22は、板材で
もよいし、メッキや蒸着などによる膜材であってもよい
し、アモルファスであってもよいし、複数層の透過層か
らなる積層体であってもよい。また透過層22の厚み
は、5〜500μmが好ましい。5μ未満では充分な強
度を維持することが難しく、500μmを超えると重く
なり過ぎる。より好ましくは、10〜150μmであ
る。
【0010】分離膜体10は、透過層22に適切な積層
手段により分離層28を形成することなどで製造するこ
とができる。積層手段には、分離膜積層体の用途などに
より、CVD(Chemical Vapor Dep
osition)、スパッタリング、真空蒸着、イオン
プレーティングなどの乾式製膜手段や、電気めっき、無
電解めっきなどの湿式製膜手段から適宜選択して用いる
ことができる。また後述する活性化接合法を用いること
によっても製造することが可能である。分離膜体が分離
層1層のみからなる場合には、機械的強度などの制約か
ら、分離能力を十分に確保しうる程度以上の分離層厚み
を要するのに対し、分離膜体が分離層と透過層の2つの
異なった機能層からなる場合には、それぞれに好適な材
料を選択し組み合わせることで、分離膜体の性能やコス
トなどを改善することが可能である。例えば、分離層材
料が高価な場合、分離能力が十分に確保しうる範囲で分
離層の層厚みを薄くして、比較的安価な透過層と積層す
ることで、分離能力を落とすことなく分離膜体のコスト
の抑制を図ることができる。同様に分離層の透過速度が
遅い場合は、分離能力が十分に確保しうる範囲で分離層
厚みを薄くして、比較的透過速度の速い透過層と積層す
ることにより分離膜体の実効的な透過速度の向上を図る
ことができる。また透過層は分離層の機械的な補強材と
して利用することができる。なお分離膜体は、透過層と
分離層を複数積層した積層体であってもよい。
【0011】分離膜積層体12は、透過層22と分離層
28を積層してなる分離膜体10と、支持体26とを積
層接合してなるものであって、以下に説明する活性化接
合法を用いることによって製造することができる。図7
に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール
62に設置された分離膜体10を形成する分離層28側
の支持体26との接合予定面側を、活性化処理装置70
で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64に設
置された支持体26の分離層28との接合予定面側を、
活性化処理装置80で活性化処理する。
【0012】活性化処理は、以下のようにして実施す
る。すなわち、真空槽52内に装填された支持体26、
分離膜体10を形成する透過層22側をそれぞれアース
接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他
の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不
活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加して
グロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズ
マ中に露出される電極Aと接触した支持体26、分離膜
体10を形成する分離層28側のそれぞれの面積が、実
効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタ
エッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、
ネオン、キセノン、クリプトンなどや、これらを少なく
とも1種類含む混合体を適用することができる。好まし
くはアルゴンガスである。なお不活性ガス圧力が1×1
−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高
速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化
処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満で
は安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチ
ングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電
力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よく
エッチングするためには電極Aと接触した支持体26、
分離膜体10を形成する分離層28側のそれぞれの面積
を電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的に1
/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能
となる。
【0013】その後これら活性化処理された支持体2
6、分離膜体10を形成する分離層28側を積層接合す
る。積層接合は、支持体26、分離膜体10を形成する
分離層28側のそれぞれ活性化処理された面が対向する
ようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60
で冷間圧接を施すことによって達成することができる。
この際の積層接合は低温度で可能であり、支持体26、
分離膜体10ならびに接合部に組織変化や合金層の形成
などといった悪影響を軽減または排除することが可能で
ある。Tを支持体、分離膜体の温度(℃)とするとき、
0℃<T≦300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃
以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃を超え
ると組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくな
い。さらにこの際の積層接合は低加圧力での接合が可能
であるため、分離膜積層体の残留応力を低く抑えること
ができる。
【0014】このように積層接合することにより、所要
の層厚みを有する分離膜積層体12を形成することがで
き、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要に
より所定の大きさに切り出して、図2に示す分離膜積層
体12を製造することができる。またこのようにして製
造された分離膜積層体12に、接合界面での合金層の形
成などが問題とならない程度に必要により残留応力の除
去または低減などのために熱処理を施してもよい。なお
分離膜体10は、上記の図7の説明において、支持体2
6の代わりに透過層22を用い、分離膜体10の代わり
に電解箔や圧延箔などの板材の分離層28を用いること
によっても製造することができる。
【0015】なお分離膜積層体12の製造にはバッチ処
理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定
の大きさに切り出された支持体や分離膜体の板材を複数
枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平な
ど適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態
などで設置または把持して固定して活性化処理を行い、
さらに支持体や分離膜体の板材を保持する装置が圧接装
置を兼ねる場合には活性化処理後に設置または把持した
まま圧接し、支持体や分離膜体の板材を保持する装置が
圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置
に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性
化処理は、支持体や分離膜体の板材を絶縁支持された一
方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で
行うことが好ましい。
【0016】本発明の製造方法を用いた部品は、例え
ば、図3、4に示すように分離膜積層体12の支持体2
6に1段または複数段のエッチング加工を施した中間開
口材16や開口接合材30、さらに図5に示すように開
口接合材30にメッシュ板34や基台36を積層した分
離膜ユニット32などである。さらに分離膜体を支持体
で挟み込んだ形態の支持体−分離膜体−支持体の3層構
造なども分離膜積層体であり、この両面に1段または複
数段のエッチング加工を施した中間開口材や開口接合
材、さらにこれらにメッシュ板34や基台36を積層し
た分離膜ユニット32なども部品である。
【0017】図2に示す分離膜積層体12に、2段のエ
ッチング加工を施して、所定の開口率で支持体26に少
なくとも1つの開口を設けることができる。この場合、
支持体26の材質、エッチング方法、エッチング液など
を適切に選定することにより、分離層28に悪影響を与
えることなくエッチング加工を施すことができる。すな
わち、支持体26を加工する1段目をウェットエッチン
グ処理として、支持体26の厚みの大部分をエッチング
加工して図3に示す中間開口材16を製造し、次いで中
間開口材16の支持体26の残部を加工する2段目を電
解エッチング処理として、支持体26の残部をエッチン
グ加工することにより、分離層28がエッチングの影響
を受けないように開口を設けることができ、図4に示す
開口接合材30を製造することができる。同様にして支
持体−透過層−支持体の3層構造の分離膜積層体にエッ
チング加工を施すことによって、分離膜体の両面に開口
を設けた開口接合材を製造することができる。
【0018】例えば図2に示す分離膜積層体12におい
て、支持体26にステンレス箔を用い、分離膜体10と
してタンタル合金からなる透過層22にパラジウム合金
層28を積層したものを用い、エッチング液として、ス
テンレス箔26に対して、第1段のウェットエッチング
処理では塩化第二鉄液を用い、第2段の電解エッチング
処理ではリン酸液を用いることができる。リン酸液の電
解エッチングでは分離層28のパラジウム合金はエッチ
ングされないので、分離層28に悪影響を与えることな
く支持体26に開口を設けることができる。またウェッ
トエッチング処理は電解エッチング処理に比較してエッ
チングスピードが速いため、第1段エッチング処理で支
持体26の厚みの大部分をエッチング加工し、第2段エ
ッチング処理で残部をエッチング処理することにより総
加工時間を短縮することができる。第1段エッチングに
よる加工は、支持体26の厚みの5μm〜50μmを残
すようにすることが好ましい。残部が5μm未満では局
部的に分離層にピンホールを発生させるなどの悪影響が
生じる恐れがあり、残部が50μmを超えると総加工時
間が長くなりすぎる。より好ましくは、10μm〜30
μmである。さらに好ましくは、15μm〜25μmで
ある。
【0019】本発明の製造方法を用いた部品は、分離膜
部品や分離膜ユニット32に適用することができる。さ
らに分離膜部品や分離膜ユニット32は水素分離装置な
どへ適用することもできる。分離膜部品は、例えば、分
離膜積層体の支持体にエッチング加工を施した中間開口
材や開口接合材、支持体−分離膜体−支持体の3層構造
の分離膜積層体の両面にエッチング加工を施した中間開
口材や開口接合材などである。
【0020】分離膜ユニット32は、例えば図5に示す
ように、開口接合材30にメッシュ板34を積層したも
のであり、あるいは基台36をさらに積層したものであ
る。図4に示す開口接合材30は、分離膜積層体12の
支持体26に2段のエッチング加工を施して製造したも
ので、分離膜体10の片面に開口を有し他面が露出した
形態である。この開口接合材30の分離膜体の露出面側
にメッシュ板34を、また必要により基台36を積層し
てレーザー溶接などで接合することにより図5に示す分
離膜ユニット32を製造することができる。メッシュ板
34は開口接合材の保護や補強などを図るためのもので
あり、ステンレス鋼などにエッチング加工などを施して
貫通孔を設けたものである。基台36は、開口接合材の
保持や分離膜体より透過した水素などの目的とする透過
ガスを集めるためのものであり、例えば図6に示すよう
に基台の表面や内部に透過ガスHのための溝やトンネル
などの導出路を設けたものである。また必要により、基
台表面に分離膜部品やメッシュ板を支える基台凸部39
を設けることによって分離膜部品やメッシュ板の変形を
抑止することができる。さらに基台の他の面にも適切な
導出路を設けることにより、基台の上下面や側面にも開
口接合材を配置することができ、分離膜ユニットの分離
能力を高めることができる。例えば、基台の上下面に導
出路を設けて2つの開口接合材30を積層した場合、分
離能力はほぼ2倍となる。なお必要により開口接合材3
0の供給ガスG側にメッシュ板を積層してもよいし、分
離膜体の両面に開口を有する開口接合材30を用いる場
合は、開口接合材30と基台36の間のメッシュ板34
を省略してもよい。
【0021】本発明の製造方法を用いた部品を分離膜部
品や分離膜ユニットに適用する場合、図5に示すよう
に、目的とするガスの分離効率を高めるために、供給ガ
スG側の開口部は開口の総面積を増して分離膜体と供給
ガスGとの接触面積を大きくすることができる。分離膜
積層体の支持体に丸孔や長孔などの開口を複数設けるこ
とでは開口間に支持体が残るため開口率は低くなり、そ
のため分離膜積層体自体を大きくしなければらなくなる
が、逆に各開口を大きくして開口間の残部を減らすこと
により開口率を上げて開口の総面積を増すことができ
る。
【0022】本発明の製造方法を用いた部品では、支持
体に複数段のエッチング加工を施すことにより、各開口
の面積を増しても支持体のエッチング加工による分離層
へのピンホール発生などの悪影響はないため、各開口の
大きさはエッチング加工による制限は受けずに、分離膜
体の強度などにより決定することができる。各開口の大
きさは形状により異なるが、幅または短径で1mm〜1
00mm、あるいは面積で1mm〜10000mm
であることが好ましい。1mm未満では充分な接触面積
が得られず、100mmを超えると強度が不足してく
る。同様に1mm 未満では充分な接触面積が得られ
ず、10000mmを超えると強度が不足してくる。
より好ましくは、幅または短径で2mm〜10mm、あ
るいは面積で4mm〜100mmである。
【0023】開口接合材は、溶接しろなどの固定や保持
のための領域の枠部と分離膜体を露出させるための孔開
け加工を施された領域の開口部からなり、さらに開口部
は分離膜体を露出させる少なくとも1つの開口と開口間
に残された支持体の仕切からなる。開口面積を開口部に
おける分離膜体の露出した面積とし、仕切面積を開口部
における分離膜体が隠れた非露出面積とするとき、開口
面積の総和と仕切面積の総和の比率である開口率は、開
口率(%)=露出総面積/(露出総面積+仕切総面積)
で表すことができる。なお開口率は50%〜99%が好
ましい。50%未満ではアス分離効率が悪く99%を超
えると強度が不足する。より好ましくは70%〜95%
であり、さらに好ましくは80%〜90%である。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を図面に基づいて説明する。
支持体26として厚み100μmのステンレス(JIS
規定のSUS430)箔を用い、分離膜体10として2
0μm厚みのタンタル合金からなる透過層22にパラジ
ウム・銀合金からなる分離層28を蒸着法により1μm
積層したものを用いた。分離膜体10、ステンレス箔2
6を積層材製造装置50にセットし、真空槽52内の活
性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング
法によりそれぞれ活性化処理した。次に圧接ユニット6
0を用いて、これら活性化処理された分離膜体10、ス
テンレス箔26を、活性化処理面同士を重ね合わせて圧
接して積層接合して分離膜積層体12を製造した。次に
分離膜積層体12の支持体26に2段エッチング加工を
施して開口接合材30を製造した。さらに開口接合材3
0にメッシュ板34、基台36を接合して分離膜ユニッ
ト32を製造した。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の分離膜積層
体の製造方法は、透過層と分離層を積層してなる分離膜
体と、支持層を積層してなる分離膜積層体製造の方法で
あり、本発明の部品の製造方法は分離膜積層体を用いる
方法である。このため支持体と分離膜体の接合面での合
金層形成などの悪影響を排除もしくは軽減可能であり、
分離膜ユニットなどへの適用も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を用いた分離膜積層体に適用
する分離膜体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の製造方法を用いた分離膜積層体の一実
施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の製造方法を用いた部品の一実施形態を
示す概略断面図である。
【図4】本発明の製造方法を用いた部品の他の一実施形
態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の製造方法を用いた部品のさらに他の一
実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の製造方法を用いた部品の製造に用いる
基台の一実施形態を示す概略平面図である。
【図7】分離膜積層体の製造に用いる装置の一実施形態
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 分離膜体 12 分離膜積層体 16 中間開口材 22 透過層 26 支持体 28 分離層 30 開口接合材 32 分離膜ユニット 34 メッシュ板 36 基台 37 溝 38 トンネル 39 基台凸部 50 製造装置 52 真空槽 60 圧接ユニット 62 巻き戻しリール 64 巻き戻しリール 66 巻き取りロール 70 活性化処理装置 72 電極ロール 74 電極 80 活性化処理装置 82 電極ロール 84 電極 A 電極A B 電極B G 供給ガス H 透過ガス
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 HA41 HA95 JA02Z JA03B JA03Z JA30Z JA52Z JA68Z JB04 MA03 MA07 MA09 MA31 MB04 MC02 MC02X NA33 NA47 NA49 PA01 PA05 PB66 PC80 4G075 AA24 AA30 BC02 BC03 BC04 BC06 CA16 CA63 CA65 DA02 DA11 EB01 EB41 EC21 ED01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離層と透過層を積層してなる分離膜体
    と、支持体とを積層してなる分離膜積層体の製造方法で
    あって、分離膜積層体の少なくとも1つの接合面を、接
    合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理
    面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合
    することを特徴とする分離膜積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中
    でグロー放電を行わせて、前記接合されるそれぞれの面
    をスパッタエッチング処理することを特徴とする請求項
    1に記載の分離膜積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 分離層と透過層を積層してなる分離膜体
    と、支持体とを積層してなる分離膜積層体を用いること
    を特徴とする部品の製造方法。
JP2002109709A 2002-04-11 2002-04-11 分離膜積層体の製造方法および分離膜積層体を用いた部品の製造方法 Pending JP2003305346A (ja)

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