JP2001276116A - 使い捨ておむつパッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使い捨ておむつパッドにおいて、高吸水性材
料の片寄りを阻止して面方向に均等に分布した状態を保
持するとともに、コストダウンおよびコンパクト化を図
る。 【解決手段】 おむつまたはおむつ補助具の中敷として
装着者の股部にあてがわれ、尿を吸収して保持する使い
捨ておむつパッドＡにおいて、二枚の不織布３，３を面
合して袋状に形成し、その内部面方向に互いに仕切られ
た複数の部屋５を画設するとともに、各部屋５に高吸水
性ポリマー２を封入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、おむつ等の中敷と
して尿を吸収し保持する使い捨ておむつパッドに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の使い捨ておむつパッドとして
は、不織布同士の周縁を熱溶着して袋体を形成し、内部
に高吸水性材料を封入したものや、綿状体に高吸水性材
料をまぶして形成された吸水材を不織布と樹脂製の防水
シートとの間に挟み込み、両者の周縁を熱溶着して一体
に形成したもの等が公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の使い捨ておむつパッドのうち前者においては、高吸
水性材料が袋体内を移動自在であるので、装着者が寝返
りをうった時などに尿を吸収した高吸水性材料が一箇所
に片寄り、装着者に不快感を与えるという問題点を有し
ていた。さらに、装着前に高吸水性材料が片寄ると吸水
性能および保水性能にむらが生じるという問題点を有し
ていた。また、後者においては、綿状体を使用する構造
上、不織布と高吸水性材料とからのみ構成された前者に
比して製造原価が著しく上昇するという問題点を有し、
さらに、重量および体積の増加を招くので、産業廃棄物
として処理する必要上、廃棄費用が嵩むとともに産業廃
棄物が増大して環境保護の観点から好ましくない。加え
て、嵩張るので収納性が悪い。

【０００４】本発明は、上述の問題点に着目してなされ
たものであって、その目的とするところは、高吸水性材
料が片寄ることなく、面方向に均等に分布した状態を保
持できるとともに、コストダウン・収納性の点で優れた
使い捨ておむつパッドを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明の請求項１記載の使い捨ておむつパッドで
は、おむつまたはおむつ補助具の中敷として装着者の股
部にあてがわれ、尿を吸収して保持する使い捨ておむつ
パッドにおいて、二枚の不織布を面合して袋状に形成さ
れ、その内部面方向が複数の部屋に仕切られるととも
に、各部屋に高吸水性材料がそれぞれ封入されているこ
とを特徴とする。請求項２記載の使い捨ておむつパッド
では、おむつまたはおむつ補助具の中敷として装着者の
股部にあてがわれ、尿を吸収して保持する使い捨ておむ
つパッドにおいて、不織布と防水シートとを面合して袋
状に形成され、その内部面方向が複数の部屋に仕切られ
るとともに、各部屋に高吸水性材料がそれぞれ封入され
ていることを特徴とする。請求項３記載の発明では、請
求項１または２記載の使い捨ておむつパッドにおいて、
片面側に不織布が重着されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】請求項１記載の使い捨ておむつパッドでは、高
吸水性材料の移動が部屋内に限定されるので、高吸水性
材料の片寄りが阻止される。また、安価な不織布と高吸
水性材料で形成されているので、安価に製造することが
できる。請求項２記載の使い捨ておむつパッドでは、防
水シート側を外に向けて装着することで、おむつおよび
おむつカバー側への尿漏れが低減でき、さらに、コスト
ダウンを図ることができる。請求項３記載の使い捨てお
むつパッドでは、重着した不織布を股部にあてがうよう
に装着することで、尿の逆流が防止されるとともに、肌
触りが向上する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施の形態の使い捨ておむつパ
ッドＡは、おむつ装着時におむつの内側から装着者の股
部にあてがわれるおむつ補助具の中敷として使用される
ものである。まず、本実施の形態の構成を説明すると、
図１，２において、使い捨ておむつパッドＡは、１の本
体と、２の高吸水性ポリマーとから構成されている。

【０００８】前記本体１は、薄手の不織布３，３と、厚
手の不織布４とからなり、ともに石油を原材料とし、例
えば、長さ４９ｃｍ，幅２６ｃｍの矩形状に形成されて
いる。前記不織布３，３は、周縁同士が熱溶着されると
ともに、幅方向中央および長さ方向に７ｃｍ間隔の位置
で熱溶着され、内部には互いに仕切られた複数の部屋５
が画設されている。各部屋５には所定量の高吸水性ポリ
マー２が封入されている。前記不織布４は、装着時の肌
触りの向上と尿の逆流防止を目的とするものであって、
片側の不織布３と周縁部のみが熱溶着されている。本体
１の製造方法は、まず、テーブルに不織布３を敷き、そ
の面上に一定間隔で高吸水性ポリマー２を配置する。続
いて、上から不織布３を被せ上述した所定位置を電熱プ
レスで熱溶着させる。その後、上から不織布４を被せ、
縁のみを熱溶着させる。

【０００９】前記高吸水性ポリマー２は、その乾燥重量
の数百倍から千倍量近くの水を吸収することができ、乾
燥時は粒子状で吸水後はゲル状となるもので、安価に入
手可能であり、おしめ、生理用品、土壌保水材等に幅広
く使用されているものである。

【００１０】図３において、女性用おむつ補助具Ｃは、
上述した使い捨ておむつパッドＡと、これが装着される
保持部Ｂとから構成され、合成樹脂製の防水シートの両
面に薄い不織布を二枚ずつ重ねた五層構造に形成され、
カバー部６と、係止部７と、ダム部８とを有している。
前記カバー部６は、使い捨ておむつパッドＡを保持する
とともに、尿がおむつ側へ漏れるのを阻止するためのも
ので、大人の股部のサイズに合わせ略Ｕ字状に湾曲し、
その内側（図中上側）の長さ方向両端には前記係止部７
が設けられ、また、幅方向両側には、一端側から他端側
まで連続して前記ダム部８が設けられている。

【００１１】前記ダム部８は、尿が脚側へ漏れる（横漏
れする）のと、使い捨ておむつパッドＡの横方向の位置
ずれを阻止するのを目的としたものであり、前記カバー
部６の幅方向両側を中央から両端にかけて徐々に深くな
るように（中央が４．５ｃｍ，両端が５．５ｃｍ）内側
に折り曲げた状態で、その両端をカバー部６に縫着させ
て形成されており、使い捨ておむつパッドＡを保持しや
すい形状となっている。また、このダム部８の中央部分
には、ゴム縫着により伸縮可能に形成されたギャザー８
１が設けられ、装着者の内股にフィットする構成となっ
ている。

【００１２】次に、女性用おむつ補助具Ｃの使用方法を
説明すると、まず、不織布４が外側となるように使い捨
ておむつパッドＡの幅方向を二分し、その後、長さ方向
両端のうち一方のみを保持部Ｂよりも少し短くなるよう
に折り曲げる。ここで、折り曲げ側としては、装着時に
装着者の後方（尻側）に配置される方を折り曲げること
で、尿を直接受ける部分の吸水性能および保水性能が高
められる。続いて、上述のようにして折り曲げた使い捨
ておむつパッドＡの幅方向両端を両ダム部８，８の下方
に入れ込むとともに、使い捨ておむつパッドＡの長さ方
向両端部をカバー部６とダム部８，８との間の隙間に挿
入させることで、使い捨ておむつパッドＡを保持部Ｂに
装着する。このとき、使い捨ておむつパッドＡは、係止
部７，７によって長さ方向の位置ずれを阻止されるとと
もに、ダム部８，８によって幅方向の位置ずれを阻止さ
れているので、保持部Ｂにしっかりと保持された状態と
なっている。

【００１３】そして、使い捨ておむつパッドＡを装着者
の下腹部から尻部にかけて覆うようにあてがい、その上
からおむつを被せた後、おむつカバーを腰部に装着して
固定する。使用後は、使い捨ておむつパッドＡを保持部
Ｂから取り外し、尿を大量に含んだ使い捨ておむつパッ
ドＡのみを廃棄処分し、保持部Ｂは洗濯して殺菌，消毒
することにより、再生して使用する。使い捨ておむつパ
ッドは、使用毎に新しいものを補給する。

【００１４】図４において、男性用おむつ補助具Ｅは、
使い捨ておむつパッドＡとこれが装着される保持部Ｄと
から構成され、上述した女性用おむつ補助具Ｃの保持部
Ｂの一端側に、係止部７に代えて袋部９が設けられた構
造となっている。この袋部９は、両ダム部８ａ，８ａを
カバー部６の中央まで深く折り曲げた状態で、側端をカ
バー部６の端縁と縫着させるとともに、両先端同士を端
から７ｃｍ程度の位置まで縫着することにより形成され
ていて、その内部は男性の性器を収納可能な大きさを有
している。また、この袋部９は、内部に使い捨ておむつ
パッドＡの端縁を挿入可能であり、使い捨ておむつパッ
ドＡの位置ずれを阻止する係止部の役割も兼ねている。

【００１５】男性用おむつ補助具Ｅの使用方法について
は、上記女性用おむつ補助具Ｃと同様であるが、使い捨
ておむつパッドＡの幅方向を二分してから一端側を折り
曲げるとき、前記女性用おむつ補助具Ｃの場合とは逆
に、袋部９側（前側）の端部を折り曲げるようにするこ
とで、尿を直接受ける部分の吸水性能および保水性能が
高められる。

【００１６】本実施の形態の女性用および男性用おむつ
補助具Ｃ，Ｅは、以上のように構成されているので、以
下に列記する効果が得られる。 使い捨ておむつパッドＡは保持部Ｂ，Ｄから着脱自
在であるので、使用後に尿を含んだ使い捨ておむつパッ
ドＡのみを新しいものと交換し、保持部Ｂ，Ｄは洗濯す
ることで再生させ何度も使用することができる。しか
も、交換が必要な使い捨ておむつパッドＡは、安価な不
織布と高吸水性材料のみで構成されているので、綿状体
を使用した従来品と比較して、製造原価および廃棄コス
トを抑えることができ、さらに、産業廃棄物の増大を抑
制することができる。さらに、製造方法が単純、かつ、
工程が少ないので、簡単な設備でもって製造可能であ
り、安価に大量生産することができる。 使い捨ておむつパッドＡは、軽量、かつ肉薄である
ので収納性に優れ、積層してコンパクトに保管しておく
ことができる。よって、大量に消費される病院や老人施
設等で使用するのに好適である。そして、高吸水性ポリ
マー２が尿を吸収した後など一箇所に片寄って装着者に
不快感を与えることがない。また、吸水性能および保水
性能が均一に保たれる。 保持部Ｂ，Ｄにダム部８，８（８ａ，８ａ）が設け
られているので、尿の横漏れを防止できる。さらに、装
着時に使い捨ておむつパッドＡがずれるのが阻止され
る。

【００１７】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は、本実施の形態に限定され
るものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、部屋５の形
状および個数は任意であり、図５の使い捨ておむつパッ
ドＦのように、熱溶着のピッチを狭くしてより小さな部
屋５ａを形成することで、高吸水性材料の移動がさらに
狭い範囲に限定される。

【００１８】また、本実施の形態では、不織布３の片側
全面に不織布４を被せたが、使い捨ておむつパッドの幅
方向を二分した後の片面側のみに不織布４が設けられた
構成としてもよい。さらに、不織布の枚数は厚さに応じ
て複数枚ずつ設けてもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上記の通り構成されているの
で、次に示す効果を奏する。高吸水性材料が各部屋ごと
に封入されているので、その移動が部屋内に限定されて
高吸水性材料の片寄りを防止することができる。よっ
て、尿を吸収した高吸水性材料が一箇所に片寄って装着
者に不快感を与えたり、装着時に片寄って吸水性能およ
び保水性能にむらが生じたりすることがない。また、非
常に安価な不織布と高吸水性材料とから構成されている
ので、製造原価および廃棄コストを抑えることができる
とともに、簡単な装置で高速に製造することができるの
で、量産性に富む。加えて、産業廃棄物の増大を抑制す
ることができ、環境保護の観点からも有利である。さら
に、軽量、かつ肉薄に形成することが可能であるので、
収納性に優れ、大量に保管しておいても嵩張らず邪魔に
なりにくい。よって、病院や老人施設等の大量消費され
る場所で使用するのに好適である。

【００２０】また、片側の不織布に代えて防水シートを
用い、この防水シート側を外に向けて装着することで、
おむつおよびおむつカバー側への尿漏れが低減でき、さ
らに、コストダウンを図ることができる。

【００２１】そして、片面側に不織布を重着し、この重
着した不織布を装着者の股部にあてがうようにすること
で、装着時の肌触りが向上するとともに、保水時の逆流
を抑制できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の使い捨ておむつパッドを
示す斜視図である。

【図２】使い捨ておむつパッドのＳ２−Ｓ２断面図であ
る。

【図３】使い捨ておむつパッドＡおよびこれが装着され
る女性用おむつ補助具Ｃの保持部Ｂを示す斜視図であ
る。

【図４】使い捨ておむつパッドＡおよびこれが装着され
る男性用おむつ補助具Ｅの保持部Ｄを示す保持具であ
る。

【図５】その他の実施の形態の使い捨ておむつパッドＦ
を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｆ 使い捨ておむつパッド Ｂ，Ｄ 保持部 Ｃ 女性用おむつ補助具 Ｅ 男性用おむつ補助具 １ 本体 ２ 高吸水性ポリマー（高吸水性材料） ３ 不織布 ４ 不織布 ５ 部屋 ６ カバー部 ７ 係止部 ８，８ａ ダム部 ８１ ギャザー ９ 袋部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 おむつまたはおむつ補助具の中敷として
   装着者の股部にあてがわれ、尿を吸収して保持する使い
   捨ておむつパッドにおいて、 二枚の不織布を面合して袋状に形成され、その内部面方
   向が複数の部屋に仕切られるとともに、各部屋に高吸水
   性材料がそれぞれ封入されていることを特徴とする使い
   捨ておむつパッド。
2. 【請求項２】 おむつまたはおむつ補助具の中敷として
   装着者の股部にあてがわれ、尿を吸収して保持する使い
   捨ておむつパッドにおいて、 不織布と防水シートとを面合して袋状に形成され、その
   内部面方向が複数の部屋に仕切られるとともに、各部屋
   に高吸水性材料がそれぞれ封入されていることを特徴と
   する使い捨ておむつパッド。
3. 【請求項３】 片面側に不織布が重着されていることを
   特徴とする請求項１または２記載の使い捨ておむつパッ
   ド。