JP2001270870A - 3−イソチアゾロン化合物の製造方法 - Google Patents
3−イソチアゾロン化合物の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 実質的に金属塩類を含有せず、3−イソチア
ゾロン化合物を含有する安定な液状組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 フェノールに3−イソチアゾロンのハロ
ゲン化水素酸塩を添加、混合した後、水洗を行う。
ゾロン化合物を含有する安定な液状組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 フェノールに3−イソチアゾロンのハロ
ゲン化水素酸塩を添加、混合した後、水洗を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺微生物剤として
有用であり、かつ安定性に優れる、3−イソチアゾロン
化合物の液状組成物の製造方法に関する。
有用であり、かつ安定性に優れる、3−イソチアゾロン
化合物の液状組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(3−イソチアゾロン化合物)3−イソ
チアゾロン化合物は有効な工業用殺微生物剤である。中
でも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン(本明細書中で「CL−MIT」とも記す。)
は、水処理分野、ラテックスエマルジョン、エマルジョ
ン塗料等の各種水系工業製品の殺微生物剤として有効で
ある。
チアゾロン化合物は有効な工業用殺微生物剤である。中
でも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン(本明細書中で「CL−MIT」とも記す。)
は、水処理分野、ラテックスエマルジョン、エマルジョ
ン塗料等の各種水系工業製品の殺微生物剤として有効で
ある。
【0003】CL−MITは、非常に反応性に富み、極
めて不安定で、すみやかに分解する性質を有する。この
ため、硝酸マグネシウム等を安定化剤として添加するこ
とが広く行われている。したがって、CL−MITは商
業的には、安定化剤として大量の硝酸マグネシウム等の
金属塩類を含有する形態で流通している。
めて不安定で、すみやかに分解する性質を有する。この
ため、硝酸マグネシウム等を安定化剤として添加するこ
とが広く行われている。したがって、CL−MITは商
業的には、安定化剤として大量の硝酸マグネシウム等の
金属塩類を含有する形態で流通している。
【0004】しかし、このような金属塩を含有するCL
−MITをラテックスエマルジョン、エマルジョン塗料
などに添加した場合、カルシウムやマグネシウム等の多
価金属イオンの作用により、エマルジョン相が破壊され
て分相や凝固が生じる問題(いわゆるエマルジョンショ
ック)があった。このため、金属塩類を含有しない形態
で、かつCL−MITが安定化された製剤の開発が望ま
れてきた。
−MITをラテックスエマルジョン、エマルジョン塗料
などに添加した場合、カルシウムやマグネシウム等の多
価金属イオンの作用により、エマルジョン相が破壊され
て分相や凝固が生じる問題(いわゆるエマルジョンショ
ック)があった。このため、金属塩類を含有しない形態
で、かつCL−MITが安定化された製剤の開発が望ま
れてきた。
【0005】(3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化
水素酸塩の製法)CL−MITの一般的な合成方法は、
例えば、米国特許第3849430号、特公平6−57
701号公報に示されている。この製造方法によれば、
CL−MITは、ハロゲン化水素酸塩として合成され
る。反応生成物には、副反応で生じた2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン(本明細書中で「MIT」と
も記す。)のハロゲン化水素酸塩が含まれる。MIT
は、CL−MITと同様に殺微生物性を有する化合物で
あり、CL−MITと類似した性質を有する。このた
め、CL−MITにMITが混入した状態であっても、
特に不利益はないので、工業的には、通常、副反応で生
じたMITを分離することなく、CL−MITとMIT
との混合物として提供され、かつ使用されている。一般
的に販売されている商品では、CL−MITとMITの
和に対して、10%〜40%程度の割合で、MITが含
まれている。
水素酸塩の製法)CL−MITの一般的な合成方法は、
例えば、米国特許第3849430号、特公平6−57
701号公報に示されている。この製造方法によれば、
CL−MITは、ハロゲン化水素酸塩として合成され
る。反応生成物には、副反応で生じた2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン(本明細書中で「MIT」と
も記す。)のハロゲン化水素酸塩が含まれる。MIT
は、CL−MITと同様に殺微生物性を有する化合物で
あり、CL−MITと類似した性質を有する。このた
め、CL−MITにMITが混入した状態であっても、
特に不利益はないので、工業的には、通常、副反応で生
じたMITを分離することなく、CL−MITとMIT
との混合物として提供され、かつ使用されている。一般
的に販売されている商品では、CL−MITとMITの
和に対して、10%〜40%程度の割合で、MITが含
まれている。
【0006】(ハロゲン化水素酸塩からの中和方法)上
述した方法で得られた、3−イソチアゾロン化合物のハ
ロゲン化水素酸塩を中和して、ハロゲン化水素酸を遊離
した形態の3−イソチアゾロン化合物を得る方法として
は、従来から種々の方法が知られている。
述した方法で得られた、3−イソチアゾロン化合物のハ
ロゲン化水素酸塩を中和して、ハロゲン化水素酸を遊離
した形態の3−イソチアゾロン化合物を得る方法として
は、従来から種々の方法が知られている。
【0007】特公昭45−38330号公報には、ピリ
ジン、トリエチルアミンなどのような第3級アミンによ
り中和する方法が記載されている。この方法では、強酸
である塩酸と弱塩基であるアミンの中和反応のため、中
和点(等量点)で有機アミンの添加を止めることが困難
である。また、生じたアミンの塩酸塩の溶解度が高く、
3−イソチアゾロン化合物を含む溶液に混入するため、
除去が困難である。また、有機アミンが過剰に添加され
た場合、過剰のアミンが3−イソチアゾロン化合物と化
学的に反応して、3−イソチアゾロン化合物を分解す
る。
ジン、トリエチルアミンなどのような第3級アミンによ
り中和する方法が記載されている。この方法では、強酸
である塩酸と弱塩基であるアミンの中和反応のため、中
和点(等量点)で有機アミンの添加を止めることが困難
である。また、生じたアミンの塩酸塩の溶解度が高く、
3−イソチアゾロン化合物を含む溶液に混入するため、
除去が困難である。また、有機アミンが過剰に添加され
た場合、過剰のアミンが3−イソチアゾロン化合物と化
学的に反応して、3−イソチアゾロン化合物を分解す
る。
【0008】特公昭45−38330号公報にはまた、
3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩から水
中でハロゲン化水素酸を脱離させることが記載されてい
る。しかし、フェノール中で調製する方法についての開
示はない。
3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩から水
中でハロゲン化水素酸を脱離させることが記載されてい
る。しかし、フェノール中で調製する方法についての開
示はない。
【0009】特公平6−102654号公報には、無水
アンモニアを用いる方法が記載されている。この方法を
用いる場合も、中和の終点を調節することが困難であ
る。しかも、過剰の無水アンモニアを用いれば、この過
剰の無水アンモニアは3−イソチアゾロン化合物と容易
に反応してしまう。このため、目的とする3−イソチア
ゾロン化合物の収率が低下する。さらに、3−イソチア
ゾロン化合物を著しく着色させる副生成物が生成し易い
ので、良好な品質が得られない。また、アンモニアは特
異臭のある可燃性ガスであるので、残留した場合、悪臭
の原因となるだけでなく、爆発の危険性もある。
アンモニアを用いる方法が記載されている。この方法を
用いる場合も、中和の終点を調節することが困難であ
る。しかも、過剰の無水アンモニアを用いれば、この過
剰の無水アンモニアは3−イソチアゾロン化合物と容易
に反応してしまう。このため、目的とする3−イソチア
ゾロン化合物の収率が低下する。さらに、3−イソチア
ゾロン化合物を著しく着色させる副生成物が生成し易い
ので、良好な品質が得られない。また、アンモニアは特
異臭のある可燃性ガスであるので、残留した場合、悪臭
の原因となるだけでなく、爆発の危険性もある。
【0010】特開平5−43563号公報には、弱塩基
陰イオン交換樹脂での遊離化が記載されている。しか
し、イオン交換樹脂を用いる方法によれば、3−イソチ
アゾロン化合物を含む溶液をイオン交換処理するために
カラム等の特別な設備が必要となり、多大なコストが必
要となるという経済的な欠点がある。
陰イオン交換樹脂での遊離化が記載されている。しか
し、イオン交換樹脂を用いる方法によれば、3−イソチ
アゾロン化合物を含む溶液をイオン交換処理するために
カラム等の特別な設備が必要となり、多大なコストが必
要となるという経済的な欠点がある。
【0011】特開平6−65221号公報には、塩酸塩
に水を加え、そこに水性酸化マグネシウムや酸化カルシ
ウムのスラリーを添加して中和する方法が記載されてい
る。この方法によれば、中和塩および安定化剤としての
硝酸塩が組成物中に残るため、依然として、エマルジョ
ン系の材料に用いる場合にエマルジョンショックを起こ
し易い。
に水を加え、そこに水性酸化マグネシウムや酸化カルシ
ウムのスラリーを添加して中和する方法が記載されてい
る。この方法によれば、中和塩および安定化剤としての
硝酸塩が組成物中に残るため、依然として、エマルジョ
ン系の材料に用いる場合にエマルジョンショックを起こ
し易い。
【0012】特開平3−95103号公報には、塩酸塩
を有機溶媒中で加熱して、塩酸を遊離させ、イソチアゾ
ロンを取り出す方法が記載されている。この方法によれ
ば、イソチアゾロン化合物を硝酸塩で安定化する場合の
製剤中のニトロソアミンが低減される。ここで使用され
る有機溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭
素または塩素化反応溶媒として使用する酢酸エチルおよ
びトルエンが示されている。しかし、フェノールを用い
た例は、記載されていない。
を有機溶媒中で加熱して、塩酸を遊離させ、イソチアゾ
ロンを取り出す方法が記載されている。この方法によれ
ば、イソチアゾロン化合物を硝酸塩で安定化する場合の
製剤中のニトロソアミンが低減される。ここで使用され
る有機溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭
素または塩素化反応溶媒として使用する酢酸エチルおよ
びトルエンが示されている。しかし、フェノールを用い
た例は、記載されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した問題を解決することである。具体的には、本発明の
目的は、実質的に金属塩類を含有せず、例えば0.1〜
40%のCL−MITを含有する安定な液状組成物を提
供することである。
した問題を解決することである。具体的には、本発明の
目的は、実質的に金属塩類を含有せず、例えば0.1〜
40%のCL−MITを含有する安定な液状組成物を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸
塩とフェノールとを混合し、水で洗浄する方法により、
安定な3−イソチアゾロン化合物の液状組成物を効率よ
く調製出来ることを予期せず発見した。
の結果、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸
塩とフェノールとを混合し、水で洗浄する方法により、
安定な3−イソチアゾロン化合物の液状組成物を効率よ
く調製出来ることを予期せず発見した。
【0015】具体的には、本発明の方法は、3−イソチ
アゾロン化合物の製造方法であって、3−イソチアゾロ
ン化合物のハロゲン化水素酸塩をフェノール中に溶解す
る工程、および水洗を行ってハロゲン化水素酸を除去し
て、3−イソチアゾロン化合物の液状組成物を得る工程
を包含する。
アゾロン化合物の製造方法であって、3−イソチアゾロ
ン化合物のハロゲン化水素酸塩をフェノール中に溶解す
る工程、および水洗を行ってハロゲン化水素酸を除去し
て、3−イソチアゾロン化合物の液状組成物を得る工程
を包含する。
【0016】1つの実施態様では、前記3−イソチアゾ
ロン化合物が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンとの混合物である。
ロン化合物が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンとの混合物である。
【0017】1つの実施態様では、前記ハロゲン化水素
酸が、塩酸である。
酸が、塩酸である。
【0018】
【発明の実施の形態】(イソチアゾロン化合物)本発明
の方法には、3−イソチアゾロン化合物として、任意の
イソチアゾロン化合物が使用され得る。具体的には、4
−イソチアゾリン−3−オンおよびその任意の誘導体が
挙げられる。このような誘導体としては例えば、4−イ
ソチアゾリン−3−オンの2位がメチル基で置換され、
および/または5位がハロゲン原子で置換された化合物
などが挙げられる。具体的には例えば、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、2−プロピル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−ブチル−4−イソチアゾリン
−3−オンなどが挙げられる。
の方法には、3−イソチアゾロン化合物として、任意の
イソチアゾロン化合物が使用され得る。具体的には、4
−イソチアゾリン−3−オンおよびその任意の誘導体が
挙げられる。このような誘導体としては例えば、4−イ
ソチアゾリン−3−オンの2位がメチル基で置換され、
および/または5位がハロゲン原子で置換された化合物
などが挙げられる。具体的には例えば、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、2−プロピル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−ブチル−4−イソチアゾリン
−3−オンなどが挙げられる。
【0019】(3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化
水素酸塩の製法)3−イソチアゾロン化合物のハロゲン
化水素酸塩は、従来公知の方法により製造される。例え
ば、米国特許第3849430号および特公平6−57
701号公報に示された方法で製造され得る。
水素酸塩の製法)3−イソチアゾロン化合物のハロゲン
化水素酸塩は、従来公知の方法により製造される。例え
ば、米国特許第3849430号および特公平6−57
701号公報に示された方法で製造され得る。
【0020】米国特許第3849430号および特公平
6−57701号公報に示された方法では、反応生成物
として、副反応で生じた2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン(本明細書中で「MIT」とも記す。)の
ハロゲン化水素酸塩が含まれる。このような混合物も本
発明の方法に使用可能である。具体的には例えば、CL
−MITとMITの和に対して、10%〜40%程度の
割合で、MITが含まれる製品も本発明の方法に使用可
能である。
6−57701号公報に示された方法では、反応生成物
として、副反応で生じた2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン(本明細書中で「MIT」とも記す。)の
ハロゲン化水素酸塩が含まれる。このような混合物も本
発明の方法に使用可能である。具体的には例えば、CL
−MITとMITの和に対して、10%〜40%程度の
割合で、MITが含まれる製品も本発明の方法に使用可
能である。
【0021】(フェノールへの溶解)本発明の方法で
は、まず、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素
酸塩をフェノールに溶解する。溶解の作業は、室温で行
ってもよく、加熱下で行ってもよい。フェノールの使用
量は、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩
100重量部に対し、好ましくは、30〜500重量部
であり、より好ましくは40〜300重量部であり、さ
らに好ましくは、50〜250重量部であり、特に好ま
しくは、60〜200重量部である。
は、まず、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素
酸塩をフェノールに溶解する。溶解の作業は、室温で行
ってもよく、加熱下で行ってもよい。フェノールの使用
量は、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩
100重量部に対し、好ましくは、30〜500重量部
であり、より好ましくは40〜300重量部であり、さ
らに好ましくは、50〜250重量部であり、特に好ま
しくは、60〜200重量部である。
【0022】(水による洗浄)前記の方法により得られ
た3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩のフ
ェノール溶液を、水で洗浄する。水洗を行うことによ
り、ハロゲン化水素酸塩が脱離する。
た3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩のフ
ェノール溶液を、水で洗浄する。水洗を行うことによ
り、ハロゲン化水素酸塩が脱離する。
【0023】水洗方法は、水と、3−イソチアゾロン化
合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液とが充分に
接触し得る方法である限り、任意の方法が採用され得
る。具体的には例えば水と、3−イソチアゾロン化合物
のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液とを混合して攪
拌するなどの方法が採用され得る。攪拌する場合、攪拌
方法としては、従来公知の任意の方法が採用され得る。
合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液とが充分に
接触し得る方法である限り、任意の方法が採用され得
る。具体的には例えば水と、3−イソチアゾロン化合物
のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液とを混合して攪
拌するなどの方法が採用され得る。攪拌する場合、攪拌
方法としては、従来公知の任意の方法が採用され得る。
【0024】使用する水の量は、好ましくは、3−イソ
チアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶
液1リットルに対して、100ミリリットル〜2リット
ルの量であり、より好ましくは、3−イソチアゾロン化
合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液1リットル
あたり200ミリリットル〜1.5リットルの量であ
り、さらに好ましくは、3−イソチアゾロン化合物のハ
ロゲン化水素酸塩のフェノール溶液1リットルあたり4
00ミリリットル〜1.2リットルであり、特に好まし
くは、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩
のフェノール溶液1リットルあたり700ミリリットル
〜1リットルの量である。
チアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶
液1リットルに対して、100ミリリットル〜2リット
ルの量であり、より好ましくは、3−イソチアゾロン化
合物のハロゲン化水素酸塩のフェノール溶液1リットル
あたり200ミリリットル〜1.5リットルの量であ
り、さらに好ましくは、3−イソチアゾロン化合物のハ
ロゲン化水素酸塩のフェノール溶液1リットルあたり4
00ミリリットル〜1.2リットルであり、特に好まし
くは、3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩
のフェノール溶液1リットルあたり700ミリリットル
〜1リットルの量である。
【0025】水洗をする時間は、好ましくは、1分間〜
5時間であり、より好ましくは、3分間〜3時間であ
り、さらに好ましくは、10分間〜2時間である。特に
好ましくは、20分間〜1時間である。
5時間であり、より好ましくは、3分間〜3時間であ
り、さらに好ましくは、10分間〜2時間である。特に
好ましくは、20分間〜1時間である。
【0026】水洗は、必要に応じて、複数回繰り返して
行うことができる。2回〜5回繰り返して行うことが好
ましく、3回〜4回繰り返して行うことがより好まし
い。
行うことができる。2回〜5回繰り返して行うことが好
ましく、3回〜4回繰り返して行うことがより好まし
い。
【0027】(得られた液状組成物の用途)このように
して、本発明の方法により得られた3−イソチアゾロン
化合物の液状組成物は、従来公知の3−イソチアゾロン
化合物の用途に用いることができる。
して、本発明の方法により得られた3−イソチアゾロン
化合物の液状組成物は、従来公知の3−イソチアゾロン
化合物の用途に用いることができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
しかし、本発明はこれらの実施例には限定されない。
しかし、本発明はこれらの実施例には限定されない。
【0029】(実施例1)特公平6−57701号公報
に記載された方法に従い、5−クロロ−2−メチル―4
−イソチアゾリン−3−オン(CL−MIT)と、2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)との
塩酸塩の酢酸エチル懸濁液を作成した。これをろ過し
て、3−イソチアゾロン化合物の塩酸塩を単離した。
に記載された方法に従い、5−クロロ−2−メチル―4
−イソチアゾリン−3−オン(CL−MIT)と、2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)との
塩酸塩の酢酸エチル懸濁液を作成した。これをろ過し
て、3−イソチアゾロン化合物の塩酸塩を単離した。
【0030】この塩酸塩20g(CL−MIT:55.
2%、MIT:24.5%、HCl:20.3%含有)
をフェノール35gに溶解させ、水35gを加えて30
分間攪拌した。
2%、MIT:24.5%、HCl:20.3%含有)
をフェノール35gに溶解させ、水35gを加えて30
分間攪拌した。
【0031】攪拌後、静置して水層を分液し、更にフェ
ノール層を水35gで2回洗浄した。CL−MITを2
1.8%含有するフェノール溶液48.6gが得られ
た。CL−MITの歩留まりは96%であった。
ノール層を水35gで2回洗浄した。CL−MITを2
1.8%含有するフェノール溶液48.6gが得られ
た。CL−MITの歩留まりは96%であった。
【0032】(実施例2)フェノール使用量を70gに
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを12.8%含有するフェノール溶液84.5
gが得られた。CL−MITの歩留まりは98%であっ
た。
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを12.8%含有するフェノール溶液84.5
gが得られた。CL−MITの歩留まりは98%であっ
た。
【0033】(実施例3)フェノール使用量を20gに
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを32.6%含有するフェノール溶液31.8
gが得られた。CL−MITの歩留まりは94%であっ
た。
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを32.6%含有するフェノール溶液31.8
gが得られた。CL−MITの歩留まりは94%であっ
た。
【0034】(実施例4)フェノール使用量を50gに
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを16.7%含有するフェノール溶液64.1
gが得られた。CL−MITの歩留まりは97%であっ
た。
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MITを16.7%含有するフェノール溶液64.1
gが得られた。CL−MITの歩留まりは97%であっ
た。
【0035】(比較例1)フェノールをクロロホルムに
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MIT11.8%を含有するクロロホルム溶液42.
2gが得られた。CL−MITの歩留まりは、45%で
あった。
変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL
−MIT11.8%を含有するクロロホルム溶液42.
2gが得られた。CL−MITの歩留まりは、45%で
あった。
【0036】(比較例2)フェノールをn−ブタノール
に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。C
L−MIT10.7%を含有するn−ブタノール溶液4
1.3gが得られた。CL−MITの歩留まりは、40
%であった。
に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。C
L−MIT10.7%を含有するn−ブタノール溶液4
1.3gが得られた。CL−MITの歩留まりは、40
%であった。
【0037】(比較例3)フェノールをトルエンに変更
した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL−M
IT6.7%を含有するトルエン溶液39.1gが得ら
れた。CL−MITの歩留まりは、23.7%であっ
た。
した以外は、実施例1と同様な操作を行った。CL−M
IT6.7%を含有するトルエン溶液39.1gが得ら
れた。CL−MITの歩留まりは、23.7%であっ
た。
【0038】(安定性の評価)上記各実施例および比較
例で得られた試料を、密栓をしたガラス容器に入れ、4
0℃恒温槽中に放置した。CL−MIT含有量をHPL
C分析により測定した。結果を表1に示す。
例で得られた試料を、密栓をしたガラス容器に入れ、4
0℃恒温槽中に放置した。CL−MIT含有量をHPL
C分析により測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、実質的に金
属塩類を含有せず、高濃度(例えば、0.1〜40%)
の3−イソチアゾロン化合物(例えば、CL−MIT)
を含有する安定な液状組成物が提供される。この液状組
成物は、CL−MIT製剤調製用の材料として有効であ
る。
属塩類を含有せず、高濃度(例えば、0.1〜40%)
の3−イソチアゾロン化合物(例えば、CL−MIT)
を含有する安定な液状組成物が提供される。この液状組
成物は、CL−MIT製剤調製用の材料として有効であ
る。
【0041】本発明によれば、中和のための無機または
有機塩基を使用することなく、フェノールに3−イソチ
アゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩を添加、混合した
後、水洗を行うことによって、遊離化と安定化を同時に
行うことができ、3−イソチアゾロン化合物の液状組成
物が高収率に得られる。このように、従来技術から予想
され得なかった効果が、本発明の方法により達成され
る。
有機塩基を使用することなく、フェノールに3−イソチ
アゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩を添加、混合した
後、水洗を行うことによって、遊離化と安定化を同時に
行うことができ、3−イソチアゾロン化合物の液状組成
物が高収率に得られる。このように、従来技術から予想
され得なかった効果が、本発明の方法により達成され
る。
フロントページの続き (72)発明者 野口 啓次 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社内 Fターム(参考) 4C033 AA06 AA09 AA18 4H011 AA02 DD01
Claims (3)
- 【請求項1】 3−イソチアゾロン化合物の製造方法で
あって、 3−イソチアゾロン化合物のハロゲン化水素酸塩をフェ
ノール中に溶解する工程、および水洗を行ってハロゲン
化水素酸を除去して、3−イソチアゾロン化合物の液状
組成物を得る工程を包含する、方法。 - 【請求項2】 前記3−イソチアゾロン化合物が5−ク
ロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物で
ある、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記ハロゲン化水素酸が、塩酸である、
請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000085430A JP2001270870A (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 3−イソチアゾロン化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000085430A JP2001270870A (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 3−イソチアゾロン化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001270870A true JP2001270870A (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=18601770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000085430A Withdrawn JP2001270870A (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 3−イソチアゾロン化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001270870A (ja) |
-
2000
- 2000-03-24 JP JP2000085430A patent/JP2001270870A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |