JP2001269328A - 採血管 - Google Patents

採血管

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JP2001269328A
JP2001269328A JP2000086877A JP2000086877A JP2001269328A JP 2001269328 A JP2001269328 A JP 2001269328A JP 2000086877 A JP2000086877 A JP 2000086877A JP 2000086877 A JP2000086877 A JP 2000086877A JP 2001269328 A JP2001269328 A JP 2001269328A
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blood coagulation
coagulation promoter
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enzyme
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JP2000086877A
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Eigo Hirose
栄吾 広瀬
Hironobu Isogawa
浩信 五十川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速に血液を凝固させることができると共
に、血清中へのフィブリン析出が防止され、さらに生産
性にも優れた採血管を提供する。 【解決手段】 一端が閉塞され他端が開口された管状部
材と、該開口部を気密に封止する部材とからなり、内部
が減圧状態になされている採血管において、該管状部材
の閉塞端側内壁面に酵素系血液凝固促進剤が保持されて
おり、かつ、上記酵素系血液凝固促進剤保持部位よりも
開口端側の内壁面に、該酵素系血液凝固促進剤とは分離
されて、無機系血液凝固促進剤が保持させられているこ
とを特徴とする採血管。より好ましくは上記酵素系血液
凝固促進剤が、ペプチド鎖においてアルギニンと任意の
アミノ酸残基との結合及び/又はリジンと任意のアミノ
酸残基との結合を加水分解し得る酵素であって、該薬剤
の保持面積が4〜7cm2 であり、かつ保持密度が1〜
30IU/cm2 となされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清生化学検査等
の臨床検査において用いられる採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血清生化学検査、血清免疫学検
査、血球検査といった血清検査のための血液を採取する
ために、容器内部が減圧状態になされている採血管、い
わゆる真空採血管が盛んに用いられるようになってい
る。
【0003】この真空採血管を用いた採血においては、
通常、まず採血管ホルダーに採血針が装着され、この採
血針が血管に穿刺される。この後、真空採血管がその封
止部材の方から採血管ホルダーに挿入され、血管と連通
されて採血管内部に血液が流入することによって採血が
行われる。
【0004】このように真空採血管を用いた採血におい
ては、通常、採血管の管状部材の開口端を、その閉塞端
よりも下方にした状態で採血するため、血液は採血管の
開口端の方から採血管内に満たされてゆく。
【0005】一方、血清採取を目的とした採血管におい
ては、血液の凝固時間を短縮させ、血清を迅速に得るこ
とを可能とするために、血液凝固促進剤が収納されてい
るものも使用されており、今日においては、血液凝固活
性の異なる2種類の血液凝固促進剤、すなわち酵素系の
血液凝固促進剤と無機系の血液凝固促進剤とを併用する
技術も知られている。
【0006】このような2種類の血液凝固促進剤を併用
する技術は、血液凝固時間を短縮する観点からは極めて
有効である。しかしながら、採血管内に流入した血液
が、無機系の血液凝固促進剤に接触し緩慢な凝固が開始
する前に、血液凝固活性の極めて高い酵素系の血液凝固
促進剤に接触すると、接触部分から急激な血液凝固が開
始され、十分に転倒混和しても血液が均一に凝固しない
か、あるいは遠心分離後において血清中にキノコ状のフ
ィブリンが析出し、正確かつ迅速な血液検査の障害にな
るという問題点があった。
【0007】例えば、特開平11−318867号公報
に記載があるように、採血管内部にフィルムを収納し、
そのフィルムの一の面に無機系の血液凝固促進剤を付着
させ、他の一の面に酵素系の血液凝固促進剤を付着させ
た採血管を利用すればこの問題を最小限に抑えることが
できると考えられる。しかしながら、かかる採血管で
は、採血管内に収納されたフィルムの存在によって、転
倒混和時の血液と凝固促進剤との混和を充分に行うこと
ができず、血液凝固時間が長くなってしまうという問題
があった。また、このような採血管の製造工程において
は、採血管本体以外にフィルムを調製し、このフィルム
の表裏に2種類の凝固促進剤をそれぞれ塗布したあと、
フィルムの向きを考慮しながら採血管内に収納するとい
う極めて煩雑な工程を伴うものであり、生産効率上も優
れたものとはいえなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、迅速
に血液を凝固させることができると共に、血清中へのフ
ィブリン析出が防止され、さらに生産性にも優れた採血
管を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一端が閉塞され他端が開口された管状部材と、該開口部
を気密に封止する部材とからなり、内部が減圧状態にな
されている採血管において、該管状部材の閉塞端側内壁
面に酵素系血液凝固促進剤が保持されており、かつ、上
記酵素系血液凝固促進剤保持部位よりも開口端側の内壁
面に、該酵素系血液凝固促進剤とは分離されて、無機系
血液凝固促進剤が保持させられていることを特徴とする
採血管である。
【0010】請求項2記載の発明は、上記管状部材の閉
塞端に血清分離剤が収納されており、該分離剤収納部位
よりも開口端側に上記酵素系血液凝固促進剤が保持させ
られていることを特徴とする請求項1記載の採血管であ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、上記酵素系血液凝
固促進剤が、ペプチド鎖においてアルギニンと任意のア
ミノ酸残基との結合及び/又はリジンと任意のアミノ酸
残基との結合を加水分解し得る酵素であって、該薬剤の
保持面積が4〜7cm2 であり、かつ保持密度が1〜3
0IU/cm2 となされていることを特徴とする請求項
1または2記載の採血管である。
【0012】以下に、本発明について詳説する。
【0013】本発明の採血管は、一端が閉塞され他端が
開口された管状の部材、例えば一般的な試験管状の容
器、及び該開口部を気密に封止する部材、例えばゴム製
の栓体とから構成され、採取すべき血液量に応じて内部
が減圧状態になされている採血管であり、一般に真空採
血管と称されているものである。
【0014】また本発明の採血管では、酵素系血液凝固
促進剤と無機系血液凝固促進剤とがそれぞれ採血管の内
壁面に保持されている。
【0015】上記酵素系血液凝固促進剤は、管状部材の
閉塞端側の内表面に保持されている。ここで管状部材の
閉塞端側とは、採血管の管底部側、すなわち管状部材の
長手方向の中央部よりも管底部に近い方向を意味する。
このように酵素系血液凝固促進剤が、管状部材の閉塞端
側に保持されているのは、真空採血法により採血を行う
時に、採血管内に流入してきた血液が無機系血液凝固促
進剤と接触する前に、酵素系血液凝固促進剤と接触する
のを極力防止するためである。
【0016】通常用いられる、直径が10〜15mm、
長手方向の長さが80mm程度の大きさの管状部材から
構成される採血管の場合、上記酵素系血液凝固促進剤が
保持される部位は、管状部材の閉塞端から開口端長手方
向へ30mm以内の範囲であるのが好ましい。
【0017】本発明の採血管においては、その管状部材
の閉塞端に後述の血清分離剤を収納することもできる。
かかる血清分離剤は、血液が凝固した後遠心分離時に血
清と血餅の間に移動して隔壁を形成し、血清の採取を容
易にするためのものである。このような血清分離剤が管
底部に収納されている場合、分離剤の存在により血液と
凝固促進剤との接触が妨げられないように、酵素系血液
凝固促進剤は、この収納部位よりも管状部材の開口端側
に保持されている必要がある。ここでいう「分離剤収納
部位よりも管状部材の開口端側」には、血清分離剤が容
器内空間を形成する内表面、すなわち管状容器に収納さ
れた血清分離剤の、管状容器開口端側の表面も含まれ
る。
【0018】上記管状部材の内表面とは、管状部材自体
の内側表面のみを意味するのではなく、採血管に血液を
採取した時に、血液が直接接触する面を意味するものと
する。従って、血液凝固促進剤は、管状部材内表面に直
接保持されていてもよいし、担体を介して内壁面に沿っ
て間接的に保持されていてもよい。
【0019】上記のように凝固促進剤が管状部材内表面
に「保持」されているとは、血液採取前においては内表
面に固定化されているが、血液採取後に血液と接触する
ことにより、血液中に溶出することができるような状態
となされていることをいう。
【0020】上記酵素系血液凝固促進剤としては、ペプ
チド鎖においてアルギニンと任意のアミノ酸残基との結
合及び/又はリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加
水分解し得る酵素が挙げられる。
【0021】上記加水分解酵素としては、例えば、トリ
プシン、トロンビン、蛇毒トロンビン様酵素等のセリン
プロテアーゼ;カテプシンB、フィシン等のチオールプ
ロテアーゼ;キニナーゼI等の金属プロテアーゼなどが
挙げられ、特にセリンプロテアーゼ、中でもトロンビン
が好適に用いられる。
【0022】上記加水分解酵素の量は、少なくなると血
液凝固の時間が長くなったり凝固が不完全になることが
あり、多くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあるの
で、採取する血液1mlあたり0.1〜100IUが好
ましく、0.5〜50IUがより好ましい。
【0023】本発明の採血管において上記酵素系血液凝
固促進剤は、管状部材閉塞端側に局所的に保持させられ
ていることが好ましく、酵素系血液凝固促進剤がペプチ
ド鎖においてアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合
及び/又はリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水
分解し得る酵素である場合には、該薬剤を保持させる部
分の面積(保持面積という)を4〜7cm2 とし、さら
にその保持面積上の全トロンビン量を、保持面積で除し
た値(保持密度という)を1〜30IU/cm 2 とする
のが好ましく、2〜15IU/cm2 とするのがより好
ましい。このように酵素系血液凝固促進剤を局所的に保
持させるのが好ましいのは、上述のように無機系血液凝
固促進剤と接触していない血液が、直接、酵素系血液凝
固促進剤と接触するのを極力防止すると共に、酵素系血
液凝固促進剤が血液と接触する面積を低減することで、
急激な血液凝固が開始されるのを防止するためである。
【0024】上記保持面積は、凝固促進剤が管状部材内
表面に直接あるいは担体を介して保持されている場合に
は、その管状部材内表面の面積を、さらに凝固促進剤が
血清分離剤上にも保持されている場合には、その分離剤
表面の面積を足し合わせた面積とする。
【0025】酵素系凝固促進剤を保持させる方法として
は、その水溶液または水分散液を直接管壁にスプレー塗
布する方法や、担体に担持させたものを水中に分散さ
せ、その分散液を管壁にスプレー塗布する方法等を挙げ
ることができる。また、血清分離剤上に保持させる場合
には、上記水溶液等をスポイト状のもので分離剤上に滴
下する方法を用いることもできる。
【0026】上記凝固促進剤の水溶液等をスプレー塗布
あるいは滴下した後には、保存安定性を高めるために乾
燥させることが好ましい。この乾燥は、酵素系凝固促進
剤を塗布後すぐに行ってもよいし、後述の無機系凝固促
進剤をも塗布した後、両者を同時に乾燥させてもよい。
【0027】上記担体に担持させる方法としては、上記
血液凝固促進剤の水溶液又は水分散液をスプレーにより
塗布したり、水溶液又は分散液に浸漬することにより担
持させることができる。
【0028】上記担体は、血餅と同等以上の比重がない
と、血液を凝固させた後の遠心分離操作の後、血清中に
浮遊する恐れがあり、その場合には血清を容器から採取
しにくくなるため、比重が1.08以上のものを用い
る。
【0029】担体の形状は、球状、円柱状、板状、円盤
状等特に限定されないが、加水分解酵素又は吸着性無機
物の塗布や容器への収容のしやすさの点から、直径1〜
7mmの略球状が好ましい。
【0030】本発明の採血管においては、その管状部材
の内壁面に、上述の酵素系血液凝固促進剤に加え、無機
系血液凝固促進剤が保持させられている。この無機系血
液凝固促進物質は、酵素系血液凝固促新剤が保持させら
れている部位よりも、管状部材の開口端側の内表面に保
持させられている。さらに、この無機系血液凝固促進剤
は、酵素系血液凝固促進剤とは分離された状態で保持さ
せられている。
【0031】上記無機系血液凝固促進剤は、血液と接触
した際に血液凝固因子の活性化を促し、また血小板の凝
集を促す作用を有するものであれば特に限定されない
が、例えば、ガラス、シリカ、カオリン、セライト、ベ
ントナイト等の微粉末が挙げられ、特に無定形成分を2
0重量%以上含有する多孔性のシリカを好適に用いるこ
とができる。
【0032】上記微粉末の粒径は、50μm以下が好ま
しく、平均粒径が10μm以下のものを用いるのがより
好ましい。
【0033】また上記微粉末は、アマニ油吸油量が20
〜40ml/100g、BET比表面積が5000〜3
0000cm2 /gの範囲の表面積を有するものを用い
るが、より好ましい。アマニ油吸油量はJIS K−5
101に準拠して測定される値を示す。また上記BET
比表面積は、無機物の表面に吸着される気体の吸着量、
その時の平衡圧、吸着ガスの飽和蒸気圧から単分子層と
して表面を覆いきる気体量を求め、これに吸着気体分子
の平均断面積を乗じて算出された値を指すものであり、
吸着気体としては、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガ
ス、メタンガス等が使用される。この方法によれば、ア
マニ油吸油量の測定によっては測定できない細孔を含め
た表面積値が測定される。
【0034】上記無機系凝固促進剤の量は、少なくなる
と血液凝固の時間が長くなったり凝固が不完全になるこ
とがあり、多くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあ
るので、血液1mlあたり1×10-6〜1×10-3gが
好ましく、1×10-5〜1×10-4がより好ましい。
【0035】上記無機系血液凝固促進剤は、酵素系血液
凝固促進剤と分離されて保持されている必要がある。こ
れは、無機系血液凝固促進剤と酵素系血液凝固促進剤と
が接触すると、血液凝固促進作用が低下してしまうため
である。しかしながら、両者は全く接触することなく完
全に分離されている必要はなく、境界部分において接触
する部分が存在しても、それぞれの大部分が接触しない
ような状態で保持されていればよい。
【0036】無機系凝固促進剤を保持させる方法として
は、その水分散液を直接管壁にスプレー塗布する方法
や、担体に担持させたものを水中に分散させ、その分散
液を管壁にスプレー塗布する方法等を挙げることができ
る。
【0037】本発明の採血管では、その管状部材の閉塞
端に血清分離剤が収納されてもよい。血清分離剤は、採
血後の遠心分離により血餅と血清の間に移動し、隔壁を
形成することにより血清を分離する。
【0038】上記血清分離剤はチクソトロピー性を有す
るゲル状物であり、例えば、常温で流動性を有する合成
樹脂などに、チクソトロピー性付与剤、比重調整剤、及
び粘度調整剤などの添加剤を添加し混合することにより
得られる。
【0039】上記合成樹脂としては、例えば、ジシクロ
ペンタジエンのオリゴマー等、上記チクソトロピー性付
与剤としては、例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒ
ドとの縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレ
ンブロック共重合体等、上記比重調整剤としては、例え
ば、シリカ等、及び上記粘度調整剤としては、例えば、
フタル酸エステル等が、それぞれ挙げられる。
【0040】本発明の採血管には、さらに血餅付着防止
成分が収容されてもよい。これにより血液が凝固した後
の血餅成分が容器内表面に付着することを防止でき、遠
心分離時に血餅の移動が制限されることがなく、血餅と
血清を良好に分離できる。
【0041】上記血餅付着防止成分としては、水に対し
て難溶又は不溶の親水性物質を用いることができ、例え
ば、脂肪族変性シリコーンオイル(例えばジメチルポリ
シロキサン等)、芳香族変性シリコーンオイル(例えば
メチルフェニルポリシロキサン等)、部分ケン化ポリビ
ニルアルコール、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合
体などが挙げられる。このうち変性シリコーンオイルを
用いる場合は、これらが無機物の表面を覆うことによる
血液凝固促進性能の低下を防ぐために、さらに水溶性物
質を添加することが好ましい。上記水溶性物質として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン等が挙げられる。
【0042】上記血餅付着防止成分は、酵素系あるいは
無機系の血液凝固促進剤の溶液または分散液に添加して
おくことにより、凝固促進剤と同時に内壁面に保持させ
ることもできる。
【0043】上記管状部材の素材としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アクリロニトリル等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−アクリレート樹脂等
の熱硬化性樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロ
ース、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹
脂;ソーダ石灰ガラス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等のケイ酸塩ガラス;石英ガラスなどのガラス、
及びこれらを主成分とするもの等が挙げられる。
【0044】上記管状部材の開口部を気密に封止する部
材としては、開口部に嵌合する形状となされたゴム製栓
体のほか、シート状のシール部材であってもよい。栓体
を構成する材料としては、ブチルゴム等の密封性に優れ
た素材が挙げられ、シール部材を構成する材料として
は、アルミニウム箔等が挙げられる。
【0045】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。但
し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるのもで
はない。
【0046】実施例及び比較例において、試薬及び容器
等として以下のものを用いた。 ・酵素系血液凝固促進剤 トロンビン(商品名:トロン
ビン持田、持田製薬社製) ・無機系血液凝固促進剤 微粉末シリカ(商品名:イム
シルA25、イリノイケミカル社製) アマニ油吸油
量 30ml/100g 、BET比表面積12000cm2 ・血清分離剤 チクソトロピー性分離剤(商品名:エス
コレクト、積水化学工業社製) ・血餅付着防止剤 ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重
合体(モル比6:4)(商品名:ルビスコール64、B
ASF社製) ・管状部材 ポリエチレンテレフタレート製 内容積1
0ml(14.5φ×100 mm) (積水化学工業
社製) ・封止部材 ブチルゴム製栓体
【0047】[実施例1]ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体の0.5重量%水溶液10mLに、トロンビ
ン40000IUを溶解させ、ポリエチレンテレフタレ
ート管内表面の最底部から約10mmの高さまでの範囲
(面積約6cm2 )に、この溶液0.020mLをスプ
レー塗布した(保持密度約13IU/cm2 )。次にビ
ニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体の0.5重量%水
溶液10mLに、微粉末シリカ0.25gを均一に分散
させ、この分散液を上記ポリエチレンテレフタレート管
の内表面にトロンビンとは接触しないように、最底部か
ら30mmの高さから80mmの高さの範囲にスプレー
塗布した。この後水分を風乾し、8mLの採血が可能な
程度に減圧して、開口部を封止部材で密封し、本発明の
採血管とした。
【0048】[実施例2]チクソトロピー性分離剤1.
5gを、ポリエチレンテレフタレート管の底部に収容し
た。ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体の0.5重
量%水溶液10mLに、トロンビン40000IUを溶
解させ、分離剤の表面と、ポリエチレンテレフタレート
管内表面において、分離剤の最上部から約10mmの高
さまでの範囲(合計面積約6cm2 )に、この溶液0.
020mLをスプレー塗布した(保持密度約13IU/
cm2 )。次にビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体
の0.5重量%水溶液10mLに、微粉末シリカ0.2
5gを均一に分散させ、この分散液を上記ポリエチレン
テレフタレート管の内表面にトロンビンとは接触しない
ように、最底部から30mmの高さから80mmの高さ
の範囲にスプレー塗布した。この後水分を風乾し、8m
Lの採血が可能な程度に減圧して、開口部を封止部材で
密封し、本発明の採血管とした。
【0049】[比較例1]ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体の0.5重量%水溶液10mLに、トロンビ
ン40000IUを溶解させ、さらに微粉末シリカ0.
25gを添加して均一に分散させた。この分散液を上記
ポリエチレンテレフタレート管の内表面に最底部から3
0mmの高さから80mmの高さの範囲にスプレー塗布
した。この後水分を風乾し、8mLの採血が可能な程度
に減圧して、開口部を封止部材で密封し、比較例の採血
管とした。
【0050】[性能評価]健常人の血液8mlを上記血
液検査用容器に採取し、採取終了時点から血液が凝固す
るのに要した時間を測定した。凝固の判定は、血液検査
用容器を傾けても血液の上面が動かず、さらに逆さに保
っても血液が流れ出ない時点とした。次いで凝固した血
液を25℃、1300G(2500rpm)で5分間遠
心分離し、分離された血清中のフィブリンの有無を目視
観察した。以上の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の採血管は上述の通りであり、酵
素系及び無機系の血液凝固促進剤が、採血管内部の特定
の部位に保持されているので、採血開始時において、ま
ず血液は無機系血液凝固促進剤により血液凝固が促進さ
れ、その後酵素系凝固促進剤によりさらに血液凝固が促
進される。その結果、迅速な血液凝固が達成されると同
時に、遠心分離後において血清中にキノコ状フィブリン
が析出することもない。さらに、本発明の特定の局面に
おいては、トロンビンの保持面積及び保持密度が規定さ
れているので、トロンビンと血液との接触面積が制限さ
れ、この結果血液の部分凝固が生じることがなく、また
より確実にフィブリン析出のない血清を得ることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が閉塞され他端が開口された管状部材
    と、該開口部を気密に封止する部材とからなり、内部が
    減圧状態になされている採血管において、 該管状部材の閉塞端側内壁面に酵素系血液凝固促進剤が
    保持されており、 かつ、上記酵素系血液凝固促進剤保持部位よりも開口端
    側の内壁面に、該酵素系血液凝固促進剤とは分離され
    て、無機系血液凝固促進剤が保持させられていることを
    特徴とする採血管。
  2. 【請求項2】上記管状部材の閉塞端に血清分離剤が収納
    されており、該分離剤収納部位よりも開口端側に上記酵
    素系血液凝固促進剤が保持させられていることを特徴と
    する請求項1記載の採血管。
  3. 【請求項3】上記酵素系血液凝固促進剤が、ペプチド鎖
    においてアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合及び
    /又はリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水分解
    し得る酵素であって、該薬剤の保持面積が4〜7cm2
    であり、かつ保持密度が1〜30IU/cm2 となされ
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の採血
    管。
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Cited By (4)

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