JP2001289842A - 血液検査用容器 - Google Patents

血液検査用容器

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JP2001289842A JP2000108252A JP2000108252A JP2001289842A JP 2001289842 A JP2001289842 A JP 2001289842A JP 2000108252 A JP2000108252 A JP 2000108252A JP 2000108252 A JP2000108252 A JP 2000108252A JP 2001289842 A JP2001289842 A JP 2001289842A
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Eigo Hirose
栄吾 広瀬
Hironobu Isogawa
浩信 五十川
Toshiki Kawabe
俊樹 川辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたり高い血液凝固性能を安定して
発揮することのできる血液検査用容器を提供する。 【解決手段】 水分失活性の血液凝固促進剤(例えば、
トロンビン等)と乾燥剤(例えば、生石灰、塩化石灰、
シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、アルミノシリカゲ
ル等)とが収納されていることを特徴とする血液検査用
容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清生化学検査及
び血清免疫学検査等の臨床検査分野において用いられる
血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】病気の予防や診断を目的として血液検査
が一般に行われているが、血液検査の多くは血清生化学
検査、血清免疫学検査及び血球検査等の血清検査であ
る。このような検査に必要とされる血清は、通常は血液
検査用容器に採取した血液を凝固させた後、遠心分離に
よって比重の異なる血餅から分離することによって得ら
れている。
【0003】血液検査用容器としては、近年合成樹脂製
のものが広く普及するに至っているが、かかる樹脂製の
血液検査用容器を使用すると、被験者から採取した血液
を凝固させるために比較的長時間を要し、迅速な検査の
妨げになることから、予め容器内部に血液凝固促進剤が
収納された血液検査用容器も用いられている。
【0004】この血液凝固促進剤としては、シリカ等の
無機系の薬剤や、トロンビンや蛇毒といった酵素系の薬
剤が用いられており、特に血液凝固活性の高い酵素系の
薬剤は、血液凝固時間を短縮させるために極めて有効な
薬剤であるといえる。
【0005】しかしながら、かかる酵素系の血液凝固促
進剤は、水の存在によって、その血液凝固活性が著しく
低下する性質を有するため、酵素系薬剤を収納した血液
検査用容器においては、薬剤と水とが接触する機会を如
何に低減させるかが大きな課題であった。
【0006】そこで従来の血液採取用容器の製造におい
ては、かかる水分失活性の薬剤の水溶液あるいは水分散
液を容器内に収容後、風乾したり凍結乾燥あるいは減圧
乾燥して水分を除去する工程が行われていた。しかしな
がら風乾のみでは水分除去が必ずしも十分ではなく、薬
剤が経時的に失活してしまうという問題があった。ま
た、凍結乾燥や減圧乾燥では大規模な装置を必要とし、
乾燥に長時間要することから生産効率上も好ましいもの
ではなかった。
【0007】さらに特開平10−118049号公報に
記載があるように、加温された空気流によって血液採取
用容器内の薬剤を乾燥させる方法もある。しかしながら
かかる方法では製造時において薬剤を充分に乾燥させる
ことができたにしても、使用するまでの間に容器内に侵
入した水分によって、薬剤が失活してしまうという問題
があった。
【0008】そこで、容器や開口部の封止部材を構成す
る材質として水分透過性の低い特殊な素材を用いる技術
も知られている。しかしながらかかる技術も、水分失活
性の薬剤に長期間にわたり高い血液凝固性能を発揮させ
るのには、必ずしも十分なものとはいえなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、その目的は水分失
活性の血液凝固促進剤が収納された血液検査用容器にお
いて、長期間にわたり高い血液凝固性能を安定して発揮
することのできる血液検査用容器を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
水分失活性の血液凝固促進剤と乾燥剤とが収納されてい
ることを特徴とする血液検査用容器である。
【0011】請求項2記載の発明は、乾燥剤が、生石
灰、塩化石灰、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト及び
アルミノシリカゲルからなる群より選ばれる少なくとも
一種である請求項1記載の血液検査用容器である。
【0012】請求項3記載の発明は、上記水分失活性の
血液凝固促進剤が、ペプチド鎖のアルギニンと任意のア
ミノ酸残基との結合及び/またはリジンと任意のアミノ
酸残基との結合を加水分解し得る酵素である請求項1ま
たは2記載の血液検査用容器である。
【0013】請求項4記載の発明は、一端が開口し他端
が閉塞した有底管体と該管体の開口部を密封する封止部
とからなり、かつ規定量の血液を採取し得るように内部
が減圧されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか一項記載の血液検査用容器である。
【0014】以下に、本発明について詳説する。
【0015】本発明の血液検査用容器においては、その
容器内に水分失活性の血液凝固促進剤が収納されてい
る。
【0016】上記水分失活性の血液凝固促進剤として
は、例えばペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ酸残
基との結合及び/またはリジンと任意のアミノ酸残基と
の結合を加水分解し得る酵素、すなわちフィブリノーゲ
ンをフィブリンに加水分解する酵素や、プロトロンビン
をトロンビンに転換する酵素等が挙げられる。
【0017】上記加水分解酵素としては、例えば、トリ
プシン、トロンビン、蛇毒トロンビン様酵素等のセリン
プロテアーゼ;カテプシンB、フィシン等のチオールプ
ロテアーゼ;キニナーゼI等の金属プロテアーゼなどが
挙げられ、特にセリンプロテアーゼ、中でもトロンビン
が好適に用いられる。
【0018】トロンビンの調製方法としては特に限定さ
れず、例えば動物(ヒト、ウシ等)の血漿から精製して
得たものを用いることができる。
【0019】上記加水分解酵素の使用量は、少なくなる
と血液凝固の時間が長くなったり凝固が不完全になるこ
とがあり、多くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあ
るので、採取する血液1mlあたり0.1〜100IU
が好ましく、0.5〜50IUがより好ましい。
【0020】また上記プロトロンビンをトロンビンに転
換する酵素としては、血液凝固第Xa因子が挙げられ
る。なお、血液凝固第Xa因子は血液凝固第X因子の活
性型であるが、本発明においては水分失活性の血液凝固
促進剤として、血液凝固第X因子を用いることもでき
る。
【0021】血液凝固第X因子または血液凝固第Xa因
子の使用量は、血液1mLあたり0.0001μg以上
であるのが好ましい。0.0001μg未満では、十分
な凝固促進効果が得られ難い。一方、1000μgを超
えると、血中蛋白濃度に悪影響を及ぼす恐れがある。費
用、効果の面から、0.001〜10μgがより好まし
い。また、第X因子よりもその活性型である第Xa因子
を主体として用いるのが好ましい。
【0022】ここに例示した各種水分失活性の血液凝固
促進剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0023】上記水分失活性の血液凝固促進剤を容器内
に収納する方法としては、特に限定されないが、かかる
薬剤の溶液あるいは分散液を管壁にスプレー塗布する方
法や、スポイト状のもので滴下する方法を用いることが
できる。
【0024】また、上記血液凝固促進剤は、適当な担体
に担持させた後、容器内に収納してもよい。
【0025】上記担体に担持させる方法としては、上記
血液凝固促進剤の溶液又は分散液をスプレーにより塗布
したり、溶液又は分散液に浸漬する方法が挙げられる。
【0026】上記担体は、血餅と同等以上の比重がない
と、血液を凝固させた後の遠心分離操作の後、血清中に
浮遊する恐れがあり、その場合には血清を容器から採取
しにくくなるため、比重が1.08以上のものを用い
る。
【0027】担体の形状は、球状、円柱状、板状、円盤
状等特に限定されないが、塗布や容器への収納のしやす
さの点から、直径1〜7mmの略球状が好ましい。
【0028】上記凝固促進剤の溶液等をスプレー塗布あ
るいは滴下した後には、風乾等により、水分を除去する
ことが好ましい。
【0029】さらに本発明の血液検査用容器において
は、その容器内に水分失活性の血液凝固促進剤に加え、
乾燥剤が収納されている。
【0030】上記乾燥剤としては特に限定されるもので
はなく、生石灰(CaO)、塩化石灰(CaCl2 )、
シリカゲル、アルミナ(活性アルミナ)、ゼオライト、
アルミノシリカゲル等を例示することができる。これら
の乾燥剤の中でも特に高い吸湿性を有すると共に血液と
接触しても検査値に与える影響がないために、シリカゲ
ルまたはゼオライトを用いるのがより好ましい。
【0031】乾燥剤の形態としては特に限定されるもの
ではなく、微粉体状、小粒状、錠剤状、シート状等任意
の形態をとることができる。このなかでも表面積を広く
することのできる形態がより効果的であることから、微
粉体状あるいは小粒状の形態とするのが好ましい。
【0032】使用される乾燥剤の量は、血液検査用容器
の製造時に容器内部に残存する水分あるいは経時的に容
器内部に浸入してくる水分を吸収し、水分失活性の血液
凝固促進剤の活性を低下させないように、乾燥剤の種類
に応じて適宜調整される。
【0033】例えば、一般的に使用されている容量が1
0mL程度の血液採取用容器において、シリカゲル、ゼ
オライトの場合では、0.05〜5.0g程度を収納す
るのが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0g程度
を収納する。
【0034】また乾燥剤の収納方法としては、特に限定
されず、容器内に乾燥剤を直接収納してもよいし、適量
の乾燥剤を包装体で包装したものを収納してもよい。ま
た、容器内の一部分に乾燥剤収納部位を設けその中に乾
燥剤を収納してもよい。
【0035】乾燥剤を包装するのに用いる包装体の材質
としては、水分(水蒸気)が透過する材質であれば特に
限定されず、微細孔が設けられたポリエチレン・ポリプ
ロピレン等のフィルム、紙、不織布等が挙げられる。も
ちろんこれらの材料は、単独て用いられても、2種以上
が複合されて用いられてもよい。
【0036】また容器内に乾燥剤収納部位を設ける方法
としては、例えば容器底部に乾燥剤を収納し、水分失活
性の血液凝固促進剤が存在する容器内空間と接触する面
を、水分が透過できるフィルムで覆う方法が挙げられ
る。
【0037】乾燥剤の収納位置については、容器内であ
れば特に限定されるものではなく、容器内側面や容器内
底部に保持させてもよいし、容器に封止部を設ける場合
には、該封止部の内表面に保持させてもよい。
【0038】本発明の血液検査用容器においては、上述
の水分失活性の血液凝固促進剤に加え、容器内部に下記
のような血液凝固促進剤を収納してもよい。
【0039】この血液凝固促進剤として、例えば、ガラ
ス、シリカ、カオリン、セライト、ベントナイト等の微
粉末が挙げられ、特に無定形成分を20重量%以上含有
する多孔性のシリカを好適に用いることができる。
【0040】上記微粉末の粒径は、50μm以下が好ま
しく、平均粒径が10μm以下のものを用いるのがより
好ましい。
【0041】また上記微粉末は、アマニ油吸油量が20
〜40ml/100g、BET比表面積が5000〜3
0000cm2 /gの範囲の表面積を有するものを用い
るが、より好ましい。アマニ油吸油量はJIS K−5
101に準拠して測定される値を示す。また上記BET
比表面積は、無機物の表面に吸着される気体の吸着量、
その時の平衡圧、吸着ガスの飽和蒸気圧から単分子層と
して表面を覆いきる気体量を求め、これに吸着気体分子
の平均断面積を乗じて算出された値を指すものであり、
吸着気体としては、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガ
ス、メタンガス等が使用される。この方法によれば、ア
マニ油吸油量の測定によっては測定できない細孔を含め
た表面積値が測定される。
【0042】上記凝固促進剤の量は、少なくなると血液
凝固の時間が長くなったり凝固が不完全になることがあ
り、多くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあるの
で、血液1mlあたり1×10-6〜1×10-3gが好ま
しく、1×10-5〜1×10-4gがより好ましい。
【0043】上記シリカ等の血液凝固促進剤を収納する
場合においては、水分失活性の血液凝固促進剤と分離さ
れて収納されるのが好ましい。これは、シリカ等の血液
凝固促進剤と加水分解酵素等の血液凝固促進剤とが接触
すると、血液凝固促進作用が低下してしまうおそれがあ
るためである。
【0044】ガラスやシリカ等の凝固促進剤を容器内に
収納する方法としては、その分散液を直接管壁にスプレ
ー塗布する方法や、担体に担持させたものを分散媒に分
散させ、その分散液を容器内にスプレー塗布する方法等
を挙げることができる。
【0045】また本発明の血液検査用容器では、血清分
離剤が収納されてもよい。血清分離剤は、採血後の遠心
分離により血餅と血清の間に移動し、隔壁を形成するこ
とにより血清を分離する。
【0046】上記血清分離剤はチクソトロピー性を有す
るゲル状物であり、例えば、常温で流動性を有する合成
樹脂などに、チクソトロピー性付与剤、比重調整剤、及
び粘度調整剤などの添加剤を添加し混合することにより
得られる。
【0047】上記合成樹脂としては、例えば、ジシクロ
ペンタジエンのオリゴマー等、上記チクソトロピー性付
与剤としては、例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒ
ドとの縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレ
ンブロック共重合体等、上記比重調整剤としては、例え
ば、シリカ等、及び上記粘度調整剤としては、例えば、
フタル酸エステル等が、それぞれ挙げられる。
【0048】本発明の血液検査用容器には、さらに血餅
付着防止成分が収容されてもよい。これにより血液が凝
固した後の血餅成分が容器内表面に付着することを防止
でき、遠心分離時に血餅の移動が制限されることがな
く、血餅と血清を良好に分離できる。
【0049】上記血餅付着防止成分としては、水に対し
て難溶又は不溶の親水性物質を用いることができ、例え
ば、脂肪族変性シリコーンオイル(例えばジメチルポリ
シロキサン等)、芳香族変性シリコーンオイル(例えば
メチルフェニルポリシロキサン等)、部分ケン化ポリビ
ニルアルコール、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合
体などが挙げられる。このうち変性シリコーンオイルを
用いる場合は、これらが無機物の表面を覆うことによる
血液凝固促進性能の低下を防ぐために、さらに水溶性物
質を添加することが好ましい。上記水溶性物質として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン等が挙げられる。
【0050】上記血餅付着防止成分は血液凝固促進剤の
溶液または分散液に添加しておくことにより、凝固促進
剤と同時に内壁面に保持させることもできる。
【0051】本発明における血液検査用容器の形状は特
に限定されるものではなく、有底管状またはボトル状等
の従来から公知の形状を挙げることができる。
【0052】また本発明の血液検査用容器においては、
特に限定されるものではないが、容器の開口部を封止部
材によって封止した構成とすることが好ましい。これは
開口部を封止することにより、容器内部に水分が侵入す
ることを防止し、水分失活性の血液凝固促進剤の安定性
を高めることができるためである。
【0053】さらに容器として一端が開口し他端が閉塞
した有底管体と、封止部材として開口部を密封すること
のできる部材を用い、容器内部を規定量の血液を採取し
得るように減圧することによって、いわゆる真空採血管
とすることもできる。このような構成とすることによ
り、採血が容易になると同時に薬剤の安定性をより高め
ることができる。
【0054】上記容器の素材としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リロニトリル等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、エポキシ−アクリレート樹脂等の熱
硬化性樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹
脂;ソーダ石灰ガラス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等のケイ酸塩ガラス;石英ガラスなどのガラス、
及びこれらを主成分とするもの等が挙げられる。
【0055】上記容器の開口部を封止する部材として
は、開口部に嵌合する形状となされたゴム製栓体のほ
か、シート状のシール部材であってもよい。栓体を構成
する材料としては、ブチルゴム等の密封性に優れた素材
が挙げられ、シール部材を構成する材料としては、アル
ミニウム箔等が挙げられる。
【0056】[作用]本発明の血液検査用容器では、予
め容器内に乾燥剤が収納されているので、製造工程にお
いて薬剤収納後の乾燥が不十分であっても、残存する水
分を乾燥剤が吸収することにより、水分失活性の血液凝
固促進剤の血液凝固活性に悪影響を与えることがない。
また、保存中において容器内に水分が侵入したとして
も、乾燥剤の存在により、侵入した水分を乾燥剤が直ち
に吸収してしまうため、血液凝固促進剤の凝固活性が経
時的に低下してしまうこともない。
【0057】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。但
し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるのもで
はない。
【0058】実施例及び比較例において、試薬及び容器
等として以下のものを用いた。 ・水分失活性の血液凝固促進剤 トロンビン(商品名:
トロンビン持田持田製薬社製) ・乾燥剤 シリカゲル(和光純薬(株) シリカゲル
(青色)大粒状)、ゼオライト(和光純薬(株) 合成
ゼオライトA−3 球状8〜12mesh) ・血餅付着防止剤 ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重
合体(モル比6:4) (商品名:ルビスコール64、
BASF社製) ・容器 ポリエチレンテレフタレート製 内容積10m
l(14.5φ×100 mm)(積水化学工業社製) ・封止部材 ブチルゴム製栓体
【0059】[実施例1]ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体の0.5重量%水溶液10mLに、トロンビ
ン40000IUを溶解させ、ポリエチレンテレフタレ
ート管内表面に、この溶液0.020mLをスプレー塗
布した。この容器を風乾した後、シリカゲル1gを添加
し、8mLの採血が可能な程度に減圧して、開口部を封
止部材で密封し、本発明の血液検査用容器とした。
【0060】[実施例2]ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体の0.5重量%水溶液10mLに、トロンビ
ン40000IUを溶解させ、ポリエチレンテレフタレ
ート管内表面に、この溶液0.020mLをスプレー塗
布した。この容器を風乾した後、ゼオライト1gを添加
し、8mLの採血が可能な程度に減圧して、開口部を封
止部材で密封し、本発明の血液検査用容器とした。
【0061】[比較例1]ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体の0.5重量%水溶液10mLに、トロンビ
ン40000IUを溶解させ、ポリエチレンテレフタレ
ート管内表面に、この溶液0.020mLをスプレー塗
布した。この容器を風乾した後、8mLの採血が可能な
程度に減圧して、開口部を封止部材で密封し、比較例の
血液検査用容器とした。
【0062】[性能評価]上記実施例1・2及び比較例
の血液検査用容器を、35℃、75%湿度の状態で保存
し、7日後及び14日後のトロンビン量を測定した。こ
の量を製造時のトロンビン量で除して、トロンビンの残
存活性率を求め、結果を表1に示した。なお、トロンビ
ン量の測定は、第13改正日本薬局方に記載のトロンビ
ン測定法に従った。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかな通り、本発明の血液検査
用容器においては、比較例の血液検査用容器と比較し
て、血液凝固活性の経時的な低下がほとんどない。
【0065】
【発明の効果】本発明の血液検査用容器では、水分失活
性の血液凝固促進剤と乾燥剤とが収納されているので、
長期間にわたって高い血液凝固性能を安定して発揮する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 BB38 BB49 CA25 HA06 HA13 HA14 4C038 TA01 TA10 UA02 UC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分失活性の血液凝固促進剤と乾燥剤とが
    収納されていることを特徴とする血液検査用容器。
  2. 【請求項2】乾燥剤が、生石灰、塩化石灰、シリカゲ
    ル、アルミナ、ゼオライト及びアルミノシリカゲルから
    なる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載
    の血液検査用容器。
  3. 【請求項3】上記水分失活性の血液凝固促進剤が、ペプ
    チド鎖のアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合及び
    /またはリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水分
    解し得る酵素である請求項1または2記載の血液検査用
    容器。
  4. 【請求項4】上記容器が、一端が開口し他端が閉塞した
    有底管体と該管体の開口部を密封する封止部とからな
    り、かつ規定量の血液を採取し得るように内部が減圧さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    記載の血液検査用容器。
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