JP2001269182A - 配列タグおよびコードされたヒトタンパク質 - Google Patents

配列タグおよびコードされたヒトタンパク質

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JP2001269182A
JP2001269182A JP2000118773A JP2000118773A JP2001269182A JP 2001269182 A JP2001269182 A JP 2001269182A JP 2000118773 A JP2000118773 A JP 2000118773A JP 2000118773 A JP2000118773 A JP 2000118773A JP 2001269182 A JP2001269182 A JP 2001269182A
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ドゥマ ミルヌ エドワーズ ジャン−バプティスト
Aymeric Duclert
デュクレール アイメリック
Jean-Yves Giordano
ジョルダン ジャン−イヴ
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 ヒトの分泌型タンパク質をコードするmR
NAから誘導される5'ESTの配列を開示する。ESTは発
現配列タグと呼ばれる配列で、ほんの短い鑞長のcDNAを
配列決定して得られる。5'ESTは、5'ESTに対応するcDNA
およびゲノムDNAを取得するためのものである。 【効果】5'ESTは、診断方法、法医学的方法、遺伝子治
療法および染色体マッピング法にも使用することができ
る。5'ESTを使用して上流制御配列を取得することも可
能である。また、5'ESTは、発現ベクターや分泌ベクタ
ーの設計にも使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の背景)ヒト染色体に散在している
推定50,000〜100,000の遺伝子は、ヒト疾患の理解、診
断および治療にかなり有望である。また、ヒトゲノムに
分布する遺伝子座に特異的にハイブリダイゼーションす
ることができるプローブには、高分解能染色体マップの
構築および個体の識別における用途がある。
【0002】過去には、ヒト遺伝子を1本だけでも特徴
付けることが骨の折れる過程であり、数年の努力を要し
た。クローニングベクター、DNA配列決定およびコンピ
ューター技術分野における最近の発展により、ヒトの遺
伝子を単離、配列決定、マッピングおよび特徴づけする
ことができる速度が大きく加速された。酵母人工染色体
(YAC)および細菌人工染色体(BAC)のようなクローニ
ングベクターは、それぞれ鎖長300〜1000キロベース(k
b)または100〜400kbのDNA挿入物を受け入れることがで
き、それによってヒト染色体の長い距離にわたって分布
するDNA配列の操作および順序づけが容易になる。自動D
NA配列決定装置によりヒト遺伝子の迅速な配列決定が可
能になる。バイオインフォーマティクス(Bioinformati
cs)ソフトウェアは核酸とタンパク質の配列を比較し、
それによってヒト遺伝子産物の特徴づけを助けることが
できる。
【0003】現在、ヒトゲノムに分布する遺伝子を同定
し、特徴付けるための2つの異なる方法が検討されてい
る。一方の方法では、ゲノムDNAの大きいフラグメント
を単離し、クローニングし、配列決定する。バイオイン
フォーマティクス(Bioinformatics)ソフトウェアを使
用して、これらのゲノム配列のオープンリーティングフ
レームと思われるものを同定する。しかし、この方法
は、ゲノム全体に分布するタンパク質コード配列を見つ
けるために、タンパク質をコードしない大量のヒトDNA
の配列決定を伴う。広範な配列決定が必要であることに
加えて、バイオインフォーマティクス(Bioinformatic
s)ソフトウェアは得られたゲノム配列を間違って特徴
づけすることがある。従って、このソフトウェアは非コ
ードDNAをコードDNAと間違って特徴づけする偽陽性また
はコードDNAを非コードDNAと誤って標識する偽陰性を生
じることがある。
【0004】別の方法はヒトの遺伝子を同定し、特徴づ
けするさらに直接的な経路を取る。この方法では、ヒト
タンパク質をコードする単離されたメッセンジャーRN
A(mRNA)から相補的なDNA(cDNA)を合成する。この
方法を使用すると、ゲノムのタンパク質コード部分から
誘導されるDNAについてのみ配列決定が実施される。し
ばしば、ほんの短い鎖長のcDNAを配列決定して、発現
配列タグ(EST)と呼ばれる配列を得る。次いで、E
STを使用して、EST配列に隣接する配列を含む伸長
cDNAを単離または精製することができる。伸長cDNA
は、それらを得るために使用されたESTの配列の全て
を含んでいてもよいし、それらを得るために使用された
ESTの配列の一部だけを含んでもよい。また、伸長c
DNAは、ESTが誘導される遺伝子の完全長のコード配
列を含んでもよく、またはESTが誘導される遺伝子の
コード配列の一部を含んでもよい。選択的スプライシン
グまたは第2プロモーターの活性の結果としてEST配
列を含む伸長cDNAがいくつか存在しうることが認識さ
れよう。あるいは、部分的にオーバーラップした配列を
有するESTを同定し、このオーバーラップしたEST
のコンセンサス配列を含むコンティグを同定することも
できる。
【0005】過去には、これらの短いEST配列はオリ
ゴ−dTをプライマーとしたcDNAライブラリーからし
ばしば得られた。従って、それらは主にmRNAの3’非翻
訳領域に相当した。一部には、mRNAの3’末端から誘導
されるEST配列が普及したのは、cDNAを得るための
典型的な技法はmRNAの5’末端から誘導されるcDNA配
列を単離するためにはあまり適していないという事実の
結果である(アダムス(Adams)ら、Nature 377:3〜17
4,1996、ヒリアー(Hillier)ら、Genome Res.6:807〜
828,1996)。
【0006】また、より長いcDNA配列が得られたと報
告されている例では、その報告された配列は、一般に、
コード配列に相当し、cDNAが誘導されるmRNAの全長の
5’非翻訳領域(5'UTR)を含まない。5'UTRは、mRNAの
安定性または翻訳に影響を及ぼすことにより、しばしば
遺伝子発現の調節に関与する。実際、5'UTRは、翻訳開
始に影響を及ぼすことが分かっている以下の特徴を含み
得る:(1)キャップ構造と開始コドンとの間の距離、
(2)cis-作用要素(ポリピリミジン領域(Kasparら、
J. Biol. Chem. 267, 508-514, 1992; Seversonら、Eur
J. Biochem 229: 426-32, 1995)などの直線配列であ
ってもIRE(Rouault and Klausner, CurrTop Cell Regu
l 35: 1-19, 1997)などのような二次構造であってもよ
い)の存在、および(3)上流オープンリーディングフ
レームまたはuORF (Geballe and Morris, Trends Bioch
em Sci 19: 159-64, 1994)。従って、遺伝子発現の調節
は、代わりの5'UTRを使用することにより行うことがで
きる。例えば、メタロプロテアーゼmRNAの組織インヒビ
ターの翻訳は、細胞分裂促進活性化細胞において、他の
プロモーターを用いてその5'UTRの中のuORFの開始コド
ンを修飾することにより、促進される(Waterhouseら、
J Biol. Chem. 265: 5585-9, 1990)。さらに、突然変
異、挿入または転座による5'UTRの修飾も、病原として
含まれよう。例えば、脆弱X症候群(遺伝性精神遅延の
最も一般的な原因である)は、脆X mRNAの5'UTR中への
複数の3ヌクレオチドCGGの挿入により生じるリボソー
ムの停留によるタンパク質合成の阻害に、一部起因する
(Fengら、Science 268: 731-4,1995)。プロト-オンコ
ジーンc-mycの翻訳を阻害することが知られている5'UTR
の領域における異常突然変異により、複数の骨髄腫を有
する患者の細胞におけるC-mycタンパク質レベルがアッ
プレギュレーションされることが分かった(Willisら、
Curr Top Microbiol Immunol 224: 269-76, 1997)。し
かし、オリゴ-dTにプライミングされたcDNAライブラリ
ーを使用すると、完全長5'UTRを単離することができな
い。なぜなら、このように得られた不完全配列は、特に
第1のエクソンが短い場合には、mRNAの第1のエクソン
を含まないかもしれないからである。さらに、それらの
配列は、スプライシング部位の上流に位置するいくつか
のエクソン(たいてい短い)を含まないことがある。従
って、mRNAの5’末端から誘導される配列を得る必要が
ある。
【0007】ヒトの染色体から誘導される多数の配列に
は実用的な用途があるが、タンパク質産物をコードする
これらの染色体配列の同定および特徴づけに基づいた方
法は、診断および治療的用途に特に関連がある。幾つか
のケースでは、このような治療または診断技法で使用す
る配列は、それらが合成される細胞から分泌されるタン
パク質をコードする配列、並びに分泌されるタンパク質
自体が、治療効果をもつ可能性のある薬剤として特に有
用である。このようなタンパク質はしばしば細胞間の連
絡に関係しており、標的細胞において臨床的に適切な応
答を生ずることに関与している。
【0008】実際、組織プラスミノーゲン活性化因子、
G−CSF、GM−CSF、エリスロポイエチン、ヒト
成長ホルモン、インスリン、インターフェロン−α、イ
ンターフェロン−β、インターフェロン−γおよびイン
ターロイキン−2を含むいくつかの分泌タンパク質が、
現在臨床的に使用されている。これらのタンパク質は、
急性心筋梗塞、急性虚血性卒中、貧血、糖尿病、成長ホ
ルモン欠損症、肝炎、腎癌、化学療法による好中球減少
症および多発性硬化症を含む広範な症状を治療するため
に使用される。こうした理由のために、分泌タンパク質
をコードする伸長cDNAまたはその一部は、治療薬の有
用な供給源となる。従って、分泌タンパク質およびそれ
らをコードする核酸を同定し、特徴付ける必要性があ
る。
【0009】それら自体が治療的に有用であることに加
えて、分泌タンパク質は、アミノ末端に、その分泌を指
令するシグナルペプチドと呼ばれる短いペプチドを含
む。これらのシグナルペプチドは、分泌タンパク質をコ
ードする遺伝子のコード配列の5’末端に位置するシグ
ナル配列によってコードされる。これらのシグナルペプ
チドは、それらが機能的に結合している任意のタンパク
質の細胞外分泌を指令することができる。また、膜転移
配列と呼ばれる該シグナルペプチドの一部を使用して、
関心のあるペプチドまたはタンパク質の細胞内への輸送
を指令することもできる。これは、特定の遺伝子産物
を、それを産生する細胞以外の細胞に送達することが望
まれる遺伝子治療法において有用であることが明らかで
ある。シグナルペプチドをコードするシグナル配列に
は、タンパク質の精製法を単純化するという用途も見い
だされている。このような用途では、望ましいタンパク
質が細胞外分泌されることによって、不要なタンパク質
(これらのタンパク質から望ましいタンパク質を選択し
なければならない)の数を減少させることができ、精製
はかなり容易になる。従って、シグナルペプチドをコー
ドする分泌タンパク質の遺伝子の5’部分を同定し、特
徴付ける必要性が存在する。
【0010】非分泌タンパク質をコードする配列も、治
療または診断に使用することができる。特に、このよう
な配列を使用して、非分泌タンパク質または分泌タンパ
ク質のコード配列において突然変異が生じた結果、個体
が例えば病気などの検出可能な表現型を発現しそうであ
るかどうかを決めることができる。このようなコード配
列の中に突然変異が生じた結果、個体が病気または他の
望ましくない表現型にかかる危険性がある場合、この望
ましくない表現型は、遺伝子治療を用いて正常なコード
配列を導入することによって修正することができる。あ
るいは、該コード配列によりコードされるタンパク質の
過剰発現により望ましくない表現型が生じた場合、その
タンパク質の発現は、アンチセンスまたは3重らせんに
基づく方法を用いて低減することができる。
【0011】該コード配列によりコードされる分泌もし
くは非分泌ヒトポリペプチドを、該ポリペプチドをコー
ドする配列中の突然変異により発症した病気などの症状
を有する個体に直接投与することにより、治療で使用す
ることもできる。このような場合、その症状は、該ポリ
ペプチドをその個体に投与することにより治療または改
善することができる。更に、分泌もしくは非分泌ヒトポ
リペプチドまたはその一部を使用して、生物学的サンプ
ルの組織型もしくは起源種を決定するのに有用な抗体を
生成することができる。これらの抗体を用いて、該分泌
もしくは非分泌ヒトポリペプチドの細胞局在化、または
該ヒトポリペプチドに融合されたポリペプチドの細胞局
在化を測定することもできる。さらに、該抗体をイムノ
アフィニティークロマトグラフィー法に使用して、該ヒ
トポリペプチドまたは該ヒトポリペプチドに融合した標
的ポリペプチドを単離、精製または濃縮することもでき
る。
【0012】プロモーターおよび上流の調節領域が同定
され、特徴付けられているヒト遺伝子の数に関して公開
されている情報は極めて少ない。一部には、このような
調節配列を単離する困難さによるかもしれない。転写因
子結合部位などの上流の調節配列は、一般に、非常に短
いので、ヒトゲノムライブラリーからプロモーターを単
離するためのプローブとして利用することができない。
最近、ヒトプロモーターを単離するいくつかの方法が開
発されている。それらの1つは、CpGアイランドライ
ブラリーを作製することである(クロス(Cross)ら、N
ature Genetics6:236〜244,1994)。第2の方法は、Spe
I結合タンパク質を使用することによって、SpeI結合部
位を有するヒトゲノムDNA配列を単離することである。
(モートロック(Mortlock)ら、Genome Res. 6:327〜
335,1996)。これらの方法はいずれも特異性の欠如によ
る限界がある。なぜなら、限られた数のプロモーターし
かCpGアイランドまたはSpeI認識部位のいずれかを持っ
ていないために、およびSpeI結合部位がプロモーター領
域に特異的に見られるわけではないため、これらの方法
は普遍的に応用できるとは限らないからである。従っ
て、遺伝子の5'末端部分を同定し、体系的に特徴付け
る必要がある。
【0013】本発明の5’ESTを使用して、タンパク
質合成の位置、発達段階、速度および量、並びにmRNAの
安定性を制御する上流の調節領域や5'UTRを効率的に同
定し、単離することができる。これらの調節領域は、い
ったん同定され、特徴づけられると、遺伝子治療または
タンパク質の精製法に使用して、望ましい量および位置
のタンパク質合成を得ることができ、または望ましくな
い遺伝子産物の合成を阻止、軽減または抑制することが
できる。
【0014】また、タンパク質遺伝子の5’末端を有す
るESTは、染色体マッピングおよび個体の識別のため
のプローブとして有用な配列を含みうる。従って、遺伝
子の5’コード配列の上流の配列を同定し、特徴付ける
必要性が存在する。
【0015】(発明の開示)本発明は、対応するmRNAの
濃縮5’末端から誘導される配列を含む精製、単離、ま
たは濃縮された5'ESTに関する。「対応するmRNA」
という用語は、5’ESTを産生するcDNA合成の鋳型
となったmRNAをいう。これらの配列をこれ以後「5’E
ST」と呼ぶ。また本発明は、オーバーラップ配列を含
む複数のESTからコンセンサス配列を決定することによ
りアセンブルされたコンティグを含む、精製、単離、ま
たは濃縮された核酸も含む。これらのコンティグは、本
明細書において「コンセンサス・コンティグ化EST
(consensus contigated EST)」と称する。
【0016】本明細書において使用される「精製され
た」という用語は絶対的な純度を要求するのではなく、
むしろ、それは相対的な定義であると意図される。cDN
Aライブラリーから単離された個々の5’ESTクロー
ンは、通常、電気泳動的等質性が得られるまで精製され
ている。これらのクローンから得られる配列はライブラ
リーまたはヒト全DNAから直接得ることはできなかっ
た。cDNAクローンはそのままで天然に存在していない
が、部分的に精製された天然の物質(メッセンジャーR
NA)を操作することによって得られる。mRNAのcDNA
ライブラリーへの変換は合成物質(cDNA)を作製する
ことを含み、純粋な個々のcDNAクローンはクローン選
択によって合成ライブラリーから単離することができ
る。従って、メッセンジャーRNAからcDNAライブラ
リーを作製し、その後ライブラリーから個々のクローン
を単離することによって、天然のメッセージの約104
〜106倍の純化が得られる。出発材料または天然材料
を少なくとも1桁、好ましくは2または3桁、さらに好
ましくは4または5桁まで精製することが特に意図され
ている。
【0017】本明細書において使用される「単離され
た」という用語は、物質がその元の環境(例えば、それ
が天然のものである場合には、自然環境)から分離され
ることを必要とする。例えば、生存動物に存在する天然
型ポリヌクレオチドは単離されていないが、天然系にお
いて共存する物質の一部または全てから分離された該ポ
リヌクレオチドは単離されている。
【0018】本明細書において使用される「濃縮され
た」という用語は、5’ESTが、天然の環境では隣接
していない「骨格」核酸に隣接していることを意味す
る。また、「濃縮され」るためには、5’ESTが、核
酸骨格分子の集団中の核酸挿入物の数の5%以上に相当
する。本発明による骨格分子には、発現ベクター、自己
複製核酸、ウィルス、組込み核酸および関心のある核酸
挿入物を維持または操作するために使用される他のベク
ターまたは核酸などの核酸が含まれる。好ましくは、濃
縮された5’ESTは、組換え骨格分子の集団中の核酸
挿入物の数の15%以上に相当する。さらに好ましく
は、濃縮された5’ESTは組換え骨格分子の集団中の
核酸挿入物の数の50%以上に相当する。非常に好まし
い態様において、濃縮された5’ESTは組換え骨格分
子の集団中の核酸挿入物の数の90%以上に相当する。
【0019】「ストリンジェントな」、「中程度の」お
よび「低度の」ハイブリダイゼーション条件は以下に定
義されるとおりである。「ポリペプチド」とは、ポリマ
ーの長さに関わらず、アミノ酸のポリマーを指す。従っ
て、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質も、
ポリペプチドの定義内に含まれる。また、この用語は、
ポリペプチドの発現後修飾に限定したり、これを除外し
たりするわけではなく、例えばグリコシル基、アセチル
基、リン酸基およびリピド基等の共有結合を含むポリペ
プチドも、ポリペプチドという用語の定義に明らかに含
まれる。また、この用語の定義には、アミノ酸(例えば
非自然発生的なアミノ酸、無関係の生物系に天然にしか
生じないアミノ酸、哺乳類系由来改変アミノ酸などを含
む)の1以上の類似体を含むポリペプチド、置換結合を
有するポリペプチド、ならびに当分野で公知の他の修飾
を有するポリペプチド(天然発生するものおよび非天然
発生のものの両方を含む)が含まれる。
【0020】本明細書中に交換可能に使用される用語で
ある、「核酸」「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌ
クレオチド」には、2以上のヌクレオチドを一本鎖もし
くは二本鎖の形で有するRNA、DNA、またはRNA/DNAハイ
ブリッド配列が含まれる。また、本明細書中において
「ヌクレオチド」という用語は、あらゆる長さの一本鎖
もしくは二本鎖のRNA、DNAまたはRNA/DNAハイブリッド
配列を含む分子を示すための形容詞としても使用され
る。また、本明細書中「ヌクレオチド」という用語は、
個々のヌクレオチドまたは種々のヌクレオチドを指す名
詞としても使用され、プリンまたはピリミジン、リボー
スもしくはデオキシリボース糖部分、およびリン酸基を
含むか、またはオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオ
チドの中のヌクレオチドの場合はホスホジエステル結合
を含む、分子またはより大きな核酸分子中の個々のユニ
ットを意味する。また、本明細書中の「ヌクレオチド」
という用語は、(a)他の結合基、(b)プリンの類似形
態、(c)ピリミジンの類似形態、または(d)糖の類似
形態のうちの少なくとも1つの改変を含む「改変ヌクレ
オチド」も包含するが、類似結合基、プリン、ピリミジ
ン、および糖の例としては例えばPCT出願WO95/04064を
参照されたい。本発明のポリヌクレオチド配列は、合
成、組換え、ex vivo生成またはこれらの組合せなどの
あらゆる公知方法により、および当分野で公知のあらゆ
る精製方法を用いて、調製することができる。
【0021】「塩基対」および「ワトソンとクリックの
塩基対」とは、本明細書中において交換可能に使用さ
れ、これらは、チミンまたはウラシル塩基がアデニン塩
基に2つの水素結合により結合され、シトシンとグアニ
ン塩基が3つの水素結合により結合されている2重らせ
んDNAに見られるようなこれらの配列の同一性により、
互いに水素結合することができるヌクレオチドを指す。
(Stryer, L., Biochemistry, 第4版、1995)。
【0022】本明細書中において「相補的」または「そ
の相補体」とは、相補的な領域全体を通して他の特定の
ポリヌクレオチドとワトソン・クリックの塩基対を形成
することができるポルヌクレオチドの配列を言う。本発
明の目的において、第1ポリヌクレオチドの中の各塩基
がその相補的な塩基と塩基対を形成するとき、その第1
ポリヌクレオチドは第2ポリヌクレオチドに相補的であ
ると考えられる。相補的な塩基は、一般的にAとT(また
はAとU)、またはCとGである。本明細書中において「相
補体」とは、「相補的なポリヌクレオチド」、「相補的
な核酸」および「相補的なヌクレオチド配列」からの同
義語として使用される。これらの用語は、これらの配列
に完全に基づいたポリヌクレオチドの対に適用されるの
であって、2つのポリヌクレオチドが実際に結合するよ
うな条件の特定のセットに適用されるのではない。好ま
しくは、「相補な」配列とは、反対側の鎖にTが存在す
る各位置にはA、反対側の鎖にAが存在する各位置には
T、反対側の鎖にCが存在する各位置にはGおよび反対側
の鎖にGが存在する各位置にはCを有する配列である。
【0023】従って、1つ以上の5’ESTが骨格分子
中の核酸挿入物の数の5%以上を占めているcDNAライ
ブラリー中の5’ESTは、本明細書中で定義される
「濃縮された組換え5’EST」である。同様に、本発
明の5’ESTがプラスミド骨格中の挿入物の数の5%
以上となるように、本発明の1以上の5’ESTが挿入
されたプラスミド集団中の5’ESTは、本明細書で定
義する「濃縮された組換え5’EST」である。しか
し、5’ESTが骨格分子集団中の核酸挿入物の数の5
%未満を構成するcDNAライブラリー、例えば、5’E
ST挿入物を有する骨格分子が極めてまれであるライブ
ラリーの5’ESTは「濃縮された組換え5’EST」
ではない。
【0024】幾つかの実施形態において、本発明は、分
泌タンパク質をコードする遺伝子から誘導される5’E
STに関する。本明細書において使用される「分泌」タ
ンパク質は、好適な宿主細胞内で発現されるとき、アミ
ノ酸配列中のシグナルペプチドの結果としての輸送を含
む、膜を貫通してまたは通過して輸送されるタンパク質
である。「分泌」タンパク質は、それらが発現される細
胞から全体的に(例えば、可溶性タンパク質)または部
分的に(例えば、受容体)分泌されるタンパク質を含む
が、それに限定されない。「分泌」タンパク質はまた、
小胞体の膜を貫通して輸送されるタンパク質も含むが、
それに限定されない。
【0025】このような5’ESTは、5’ESTが誘
導される遺伝子によりコードされるタンパク質の細胞外
分泌を指令するシグナルペプチドをコードする、シグナ
ル配列と呼ばれる核酸配列を含む。一般に、シグナルペ
プチドは分泌タンパク質のアミノ末端に位置する。
【0026】分泌タンパク質は、「粗面」小胞体に結合
したリボソームによって翻訳される。一般に、分泌タン
パク質は、共翻訳的に小胞体膜に移送される。分泌タン
パク質の翻訳中のリボソームと小胞体の結合はシグナル
ペプチドによって仲介される。シグナルペプチドは、一
般に、小胞体内に共翻訳的にエントリーすることによっ
て切断される。小胞体への送達後、分泌タンパク質はゴ
ルジ装置を通過して前進しうる。ゴルジ装置では、タン
パク質は翻訳後修飾を受けることができ、その後細胞膜
をからそれらを輸送する分泌小胞に入る。
【0027】本発明の5’ESTにはいくつかの重要な
用途がある。例えば、それらを使用して、5’ESTが
誘導されるmRNAのコード配列の5’末端から誘導される
真正の翻訳開始部位を含む、対応する遺伝子産物の完全
長のタンパク質コード配列を含むcDNAクローンを取得
し、それを発現させることができる。これらのcDNAを
これ以後「全長cDNA」と呼ぶ。これらのcDNAはまた、
翻訳開始部位の上流のmRNA配列から誘導されるDNAを含
んでもよい。全長cDNA配列は、5’ESTに対応する
タンパク質を発現させるために使用することができる。
上記のように、分泌タンパク質および非分泌タンパク質
は、治療上重要である。従って、cDNAから発現される
タンパク質は種々のヒト症状を治療または予防する際に
有用となり得る。5’ESTはまた、対応するゲノムDN
Aを得るために使用することもできる。「対応するゲノ
ムDNA」という用語は、5’ESTが誘導されるmRNAを
コードするゲノムDNAをいう。
【0028】あるいはまた、5’ESTを使用して、該
タンパク質の一部をコードする伸長cDNAを取得し、発
現させることができる。分泌タンパク質の場合、この部
分は、分泌タンパク質のシグナルペプチドまたはシグナ
ルペプチドが切断されたときに生成する成熟タンパク質
を含みうる。本発明は、単離、精製、または濃縮された
「EST-関連核酸」を含む。「単離」、「精製」また
は「濃縮」されたという用語は、上記のような意味を有
する。本明細書中に記載されるように、用語「EST-
関連核酸」とは、配列番号24〜4100および8178〜36681
の核酸、配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸を
用いて得られる伸長cDNA、配列番号24〜4100および8178
〜36681の核酸を用いて得られる全長cDNA、または配列
番号24〜4100および8178〜36681の核酸を用いて得られ
るゲノムDNAを指す。また、本発明は、EST関連核酸
に相補的な配列も含む。
【0029】また、本発明は、単離、精製、または濃縮
された「EST関連核酸」も含む。「単離」、「精製」
および「濃縮」されたという用語は、上記の意味を有す
る。本明細書中に使用される「EST関連核酸の断片」
とは、EST関連核酸の少なくとも10、12、15、18、2
0、23、25、28、30、35、40、50、75、100、200、300、
500または1000個の連続的なヌクレオチドを含む断片で
あって、これらの長さの断片が、基準とする特定のES
T関連核酸の長さに一致する程度のものを意味する。ま
た、本発明は、EST関連核酸の断片に相補的な配列も
含む。
【0030】また、本発明は、単離、精製、または濃縮
された「EST関連核酸のポジショナルセグメント(po
sitional segment)」も含む。「単離」、「精製」また
は「濃縮」されたという用語は、上記の意味を有する。
本明細書中に使用される「EST関連核酸のポジショナ
ルセグメント」とは、EST関連核酸のヌクレオチド1
〜25、26〜50、51〜75、76〜100、101〜125、126〜15
0、151〜175、176〜200、201〜225、226〜250、251〜30
0、301〜325、326〜350、351〜375、376〜400、401〜42
5、426〜450、451〜475、476〜500、501〜525、526〜55
0、551〜575、576〜600および601〜末端ヌクレオチドを
含むセグメントであって、このようなヌクレオチド位置
が、基準とする特定のEST関連核酸の長さに一致する
程度のものを意味する。また、「EST関連核酸のポジ
ショナルセグメント」は、EST関連核酸のヌクレオチ
ド1〜50、51〜100、101〜150、151〜200、201〜250、25
1〜300、301〜350、351〜400、401〜450、450〜500、50
1〜550、551〜600または601〜末端ヌクレオチドを含む
セグメントであって、このようなヌクレオチド位置が、
基準とする特定のEST関連核酸の長さに一致する程度
のものも含む。また、「EST関連核酸のポジショナル
セグメント」は、EST関連核酸のヌクレオチド1〜10
0、101〜200、201〜300、301〜400、501〜500、500〜60
0または601〜末端ヌクレオチドを含むセグメントであっ
て、このようなヌクレオチド位置が、基準とする特定の
EST関連核酸の長さに一致する程度のものも意味す
る。さらに、「EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト」なる用語は、EST関連核酸のヌクレオチド1〜20
0、201〜400、400〜600または601〜末端ヌクレオチドを
含むセグメントであって、このようなヌクレオチド位置
が、基準とする特定のEST関連核酸の長さに一致する
程度のものを意味する。また、本発明は、EST関連核
酸のポジショナルセグメントに相補的である配列も含
む。
【0031】また、本発明は、単離、精製、または濃縮
された「EST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片」も含む。「単離」、「精製」または「濃縮」された
という用語は、上記の意味を有する。本明細書中に使用
される「EST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片」とは、EST関連核酸のポジショナルセグメントの
少なくとも10、15、18、20、23、25、28、30、35、40、
50、75、100、150または200個の連続的なヌクレオチド
を含む断片を意味する。また、本発明は、EST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片に相補的な配列も含
む。
【0032】また、本発明は、単離もしくは精製された
「EST関連ポリペプチド」も含む。「単離」、「精
製」または「濃縮」されたという用語は、上記の意味を
有する。本明細書中に使用される「EST関連ポリペプ
チド」とは、EST関連核酸によりコードされるポリペ
プチド(配列番号4101〜8177のポリペプチドを含む)を
意味する。
【0033】また、本発明は、単離もしくは精製された
「EST関連ポリペプチドの断片」も含む。「単離」も
しくは「精製」されたという用語は、上記の意味を有す
る。本明細書中に使用される「EST関連ポリペプチド
の断片」とは、EST関連ポリペプチドの少なくとも
5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または15
0個の連続的なアミノ酸を含む断片であって、これらの
長さの断片が、基準とする特定のEST関連ポリペプチ
ドの長さに一致する程度のものを意味する。
【0034】また、本発明は、単離または精製された
「EST関連ポリペプチドのポジショナルセグメント」
も含む。本明細書中に使用される「EST関連ポリペプ
チドのポジショナルセグメント」とは、EST関連ポリ
ペプチドのアミノ酸残基1〜25、26〜50、51〜75、76〜1
00、101〜125、126〜150、151〜175、176〜200または20
1〜C末端アミノ酸を含むポリペプチドであって、この
ようなアミノ酸残基が、基準とする特定のEST関連ポ
リペプチドの長さに一致する程度のものを含む。また、
「EST-関連ポリペプチドのポジショナルセグメン
ト」は、EST関連ポリペプチドのアミノ酸残基1〜5
0、51〜100、101〜150、151〜200または201〜C末端ア
ミノ酸を含むセグメントであって、このようなアミノ酸
残基が、基準とする特定のEST関連ポリペプチドの長
さに一致する程度のものも含む。また、用語「EST関
連ポリペプチドのポジショナルセグメント」は、EST
関連ポリペプチドのアミノ酸1〜100または101〜200を
含むセグメントであって、このようなアミノ酸残基が基
準とする特定のEST関連ポリペプチドの長さに一致す
る程度のものであるものも含む。更に、用語「EST関
連ポリペプチドのポジショナルセグメント」は、EST
関連ポリペプチドのアミノ酸残基1〜200または201〜C
末端アミノ酸を含むセグメントであって、このようなア
ミノ酸残基が、基準とする特定のEST関連ポリペプチ
ドの長さに一致する程度のものも含む。
【0035】本発明はまた、単離または精製された「E
ST関連ペプチドのポジショナルセグメントの断片」も
含む。用語「単離」または「精製」されたとは、上記意
味を有する。本明細書中に使用する「EST関連ポリペ
プチドのポジショナルセグメントの断片」とは、EST
関連ポリペプチドのポジショナルセグメントの、少なく
とも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100ま
たは150個の連続的なアミノ酸を含む断片であって、こ
れらの長さの断片が、基準とする特定のEST関連ポリ
ペプチドの長さに一致する程度のものを意味する。
【0036】本発明はまた、EST関連ポリペプチド、
EST関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメント、またはEST関連ポリペ
プチドのポジショナルセグメントの断片を特異的に認識
する抗体も含む。配列番号7798〜7888などの分泌タンパ
ク質の場合、シグナルペプチドが切断されて生成された
成熟タンパク質を特異的に認識する抗体も、以下に記載
するように得ることができる。同様に、配列番号4101〜
4729または7798〜7888のシングナルペプチドを特異的に
認識する抗体も得ることができる。
【0037】幾つかの実施形態において、および分泌さ
れたタンパク質の場合、EST関連核酸、EST関連核
酸の断片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、
または核酸のポジショナルセグメントの断片は、シグナ
ル配列を含む。他の実施形態において、EST関連核
酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、または核酸のポジショナルセグメント
の断片は、該タンパク質の全長コード配列を含んでも良
いし、また分泌タンパク質の場合は、成熟タンパク質
(すなわちシグナルペプチドが切断されて生成されたタ
ンパク質)の全長コード配列を含んでも良い。さらに、
EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核
酸のポジショナルセグメント、または核酸のポジショナ
ルセグメントの断片は、翻訳開始部位の上流または停止
コドンの下流に、遺伝子発現の量、位置または発達段階
を制御する調節領域を含んでいてもよい。
【0038】上記のように、分泌および非分泌ヒトタン
パク質はどちらも治療上重要である。従って、EST関
連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメント、または核酸のポジショナルセグメ
ントの断片から発現したタンパク質は、種々のヒト症状
を治療または予防するのに有用であろう。
【0039】EST関連核酸、EST関連核酸の断片、
EST関連核酸のポジショナルセグメント、または核酸
のポジショナルセグメントの断片は、個体を識別するた
めの法医学的手法、または異常な遺伝子発現により生じ
る遺伝病を有する個体を識別するための診断的手法にも
使用することができる。さらに、EST関連核酸、ES
T関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショナルセグ
メント、または核酸のポジショナルセグメントの断片
は、高分解能ヒト染色体マップを構築するために有用で
ある。
【0040】本発明はまた、関心のあるタンパク質の分
泌を指令することができる分泌ベクターにも関する。こ
のようなベクターは、生体内の別の部位に送達しようと
する遺伝子産物を1個の細胞内で産生することが望まれ
る遺伝子治療法に使用することができる。分泌ベクター
は目的のタンパク質の精製を容易にすることもできる。
【0041】本発明はまた、挿入された遺伝子を望まし
い場所で、望ましい時期に、または望ましい量で発現さ
せることを指令することができる発現ベクターに関す
る。このようなベクターは、EST関連核酸、EST関
連核酸の断片、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、または核酸のポジショナルセグメントの断片の上流
に、例えばプロモーターまたは上流調節配列などの配列
を含んでもよい。
【0042】また、本発明は、第1ポリペプチドおよび
第2ポリペプチドを含むキメラポリペプチドを作成する
ための融合ベクターも含む。このようなベクターは、キ
メラポリペプチドの細胞局在化を決定したり、キメラポ
リペプチドを単離、精製または濃縮したりするのに有用
である。
【0043】また、EST関連核酸、EST関連核酸の
断片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、また
は核酸のポジショナルセグメントの断片は、遺伝病を予
防または治療する遺伝子治療に使用することもできる。
分泌タンパク質の場合、シグナルペプチドを異種タンパ
ク質に融合させて、それらの細胞外分泌を指令すること
もできる。
【0044】非クラスター化5'ESTの配列を含む挿入物
を有するBluescriptプラスミドを含む細菌クローンは、
そのまま、本発明者の実験室で名前を付けて4%(v/
v)グリセロール中で80℃で保存する。この非クラスタ
ー化5'ESTは、表IIに示す単一の組織に由来する単一のE
STを含むものである。挿入物は、保存した材料から、適
当なクローンを適切な培地上で増殖させることにより回
収してもよい。次いで、Bluescript DNAは、当業者に良
く知られているプラスミド単離法(例えば、アルカリ溶
解ミニプレップまたは大量アルカリ溶解プラスミド単離
法)を用いて単離できる。所望により、プラスミドDNA
は、塩化セシウム勾配での遠心分離、サイズ排除クロマ
トグラフィー、またはアニオン交換クロマトグラフィー
によりさらに富化してもよい。これらの手法を用いて得
られるプラスミドDNAは、当業者によく知られている標
準的なクローニング技術を用いて操作される。あるいは
また、挿入したEST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST
関連核酸のポジショナルセグメントあるいはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片の両端に設計したプ
ライマーを用いてPCRを行ってもよい。次いで、EST関連
核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショナル
セグメントあるいはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片に相当するそのPCR産物を、当業者によく知
られている標準的なクローニング技術を用いて操作して
もよい。
【0045】本発明の1つの実施形態は、配列番号24〜
4100および配列番号8178〜36681ならびに配列番号24〜4
100および配列番号8178〜36681に相補的な配列の中から
選ばれる配列を含む精製した核酸である。
【0046】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および配列番号8178〜36681ならびに配列番号24〜410
0および配列番号8178〜36681に相補的な配列の中から選
ばれる配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを
含む精製した核酸である。
【0047】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および配列番号8178〜36681ならびに配列番号24〜410
0および配列番号8178〜36681に相補的な配列の中から選
ばれる配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを
含む精製した核酸である。
【0048】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00からなる群から選択される配列のコード配列を含む、
精製された核酸である。
【0049】本発明のさらに別の実施形態は、配列番号
3721〜3811からなる群から選択される配列の全コード配
列を含む精製された核酸であって、該全コード配列がシ
グナルペプチドをコードする配列と成熟タンパク質をコ
ードする配列を含む、核酸である。
【0050】本発明のさらに別の実施形態は、成熟タン
パク質をコードする配列番号3721〜3811からなる群から
選択される配列の連続スパンを含む、精製された核酸で
ある。
【0051】本発明の別の実施形態は、シグナルペプチ
ドをコードする配列番号24〜652および3721〜3811から
なる群から選択される配列の連続スパンを含む、精製さ
れた核酸である。
【0052】本発明の別の実施形態は、配列番号4101〜
8177の配列からなる群から選択される配列を含むポリペ
プチドをコードする、精製された核酸である。
【0053】本発明の別の実施形態は、配列番号7798〜
7888の配列からなる群から選択される配列を含むポリペ
プチドをコードする、精製された核酸である。
【0054】本発明の別の実施形態は、配列番号7798〜
7888の配列からなる群から選択される配列に含まれる成
熟タンパク質を含むポリペプチドをコードする、精製さ
れた核酸である。
【0055】本発明の別の実施形態は、配列番号4101〜
4729および配列番号7798〜7888の配列からなる群から選
択される配列に含まれるシグナルペプチドを含むポリペ
プチドをコードする、精製された核酸である。
【0056】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および8178〜36681の配列、ならびに配列番号24〜410
0および8178〜36681の配列に相補的な配列からなる群か
ら選択される配列にストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする、少なくとも15、18、20、23、25、28、3
0、35、40、50、75、100、200、300、500または1000ヌ
クレオチドの長さの精製された核酸である。
【0057】本発明の別の実施形態は、配列番号4101〜
8177の配列からなる群から選択される配列を含む、精製
または単離されたポリペプチドである。
【0058】本発明の別の実施形態は、配列番号7798〜
7888からなる群から選択される配列を含む、精製または
単離されたポリペプチドである。
【0059】本発明の別の実施形態は、配列番号7798〜
7888からなる群から選択されるポリペプチドの成熟タン
パク質を含む、精製または単離されたポリペプチドであ
る。
【0060】本発明の別の実施形態は、配列番号4101-4
729および7798〜7888のポリペプチドからなる群から選
択される配列のシグナルペプチドを含む、精製または単
離されたポリペプチドである。
【0061】本発明の別の実施形態は、配列番号4101-8
177の配列からなる群から選択される配列の少なくとも1
0個の連続したアミノ酸を含む、精製または単離された
ポリペプチドである。
【0062】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する
方法であって、ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体に、配
列番号24〜4100および8178〜36681に相補的な配列から
なる群から選択される配列の少なくとも15個の連続した
ヌクレオチドを含むプライマーを接触させ、該プライマ
ーを、該タンパク質をコードする該集合体中のmRNAにハ
イブリダイズさせ、該ハイブリダイズしたプライマーを
逆転写して、該mRNAから第1cDNA鎖を作製し、第1cDNA
鎖に相補的な第2cDNA鎖を作製し、そして該タンパク質
をコードする、第1cDNA鎖と第2cDNA鎖からなる得られ
たcDNAを単離する、各ステップを含む方法である。
【0063】本発明の別の実施形態は、上記段落の方法
により得られる、精製されたcDNAである。
【0064】上記実施形態の一態様において、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0065】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する
方法であって、配列番号24〜4100および8178〜36681の
配列からなる群から選択される配列を含むcDNAを取得
し、該cDNAに、配列番号24〜4100および8178〜36681の
配列および配列番号24〜4100および8178〜36681に相補
的な配列からなる群から選択される配列の少なくとも15
個の連続したヌクレオチドを含む検出可能なプローブ
を、該プローブが該cDNAにハイブリダイズする条件下で
接触させ、該検出可能なプローブにハイブリダイズする
cDNAを同定し、そして該プローブにハイブリダイズする
該cDNAを単離する、各ステップを含む方法である。
【0066】本発明の別の実施形態は、上記段落の方法
により得られる、精製されたcDNAである。
【0067】上記実施形態の一態様において、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0068】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する
方法であって、ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体に、該
mRNAのポリAテイルにハイブリダイズできる第1プライ
マーを接触させ、該第1プライマーを該ポリAテイルに
ハイブリダイズさせ、該mRNAを逆転写して第1cDNA鎖を
作製し、配列番号24〜4100および8178〜36681の配列か
らなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続し
たヌクレオチドを含む少なくとも1つのプライマーを用
いて、第1cDNA鎖に相補的な第2cDNA鎖を作製し、そし
て第1cDNA鎖と第2cDNA鎖からなる、得られたcDNAを単
離する、各ステップを含む方法である。
【0069】本発明の別の実施形態は、上記段落の方法
により得られる、精製されたcDNAである。
【0070】上記実施形態の一態様において、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0071】上記方法の別の一態様において、第2cDNA
鎖の作製が、第1cDNA鎖に第1のプライマー対を接触さ
せ(ここで、第1のプライマー対は、配列番号24〜4100
および8178〜36681からなる群から選択される配列の少
なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む第2プライ
マーおよび第1プライマーの配列内に含まれる配列を有
する第3プライマーを含む)、第1のプライマー対によ
り第1のポリメラーゼ連鎖反応を行って第1PCR産物を
生成させ、第1PCR産物に第2のプライマー対を接触さ
せ(ここで、第2のプライマー対は第4プライマーおよ
び第5プライマーを含み、ここで、第4プライマーは配
列番号24〜4100および8178〜36681からなる群から選択
される該配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチド
を含み、そして第4および第5のプライマーは第1PCR
産物内の配列にハイブリダイズ可能である)、そして第
2のポリメラーゼ連鎖反応を行い、それにより第2PCR
産物を生成させる、ことにより行われる方法である。
【0072】上記実施形態の一態様は、上記段落の方法
により得られる、精製されたcDNAである。
【0073】上記実施形態の別態様において、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0074】あるいはまた、第2cDNA鎖の作製は、第1
cDNA鎖に、配列番号24〜4100および8178〜36681からな
る群から選択される配列の少なくとも15個の連続したヌ
クレオチドを含む第2プライマーを接触させ、第2プラ
イマーを第1cDNA鎖にハイブリダイズさせ、そしてハイ
ブリダイズした第2プライマーを伸長させて第2cDNA鎖
を生成させる、ことにより行われてもよい。
【0075】上記実施形態の一態様は、上記段落の方法
により得られる、精製されたcDNAである。
【0076】上記実施形態の別態様において、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0077】本発明の別の実施形態は、ポリペプチドを
生産する方法であって、配列番号24〜4100からなる群か
ら選択される配列を含む核酸によりコードされるポリペ
プチドをコードするcDNAまたは配列番号24〜4100からな
る群から選択される配列によりコードされるポリペプチ
ドの少なくとも10個の連続したアミノ酸を含むポリペプ
チドをコードするcDNAを取得し、該cDNAがプロモーター
に機能しうる形で連結されるように発現ベクターに挿入
し、該発現ベクターを宿主細胞内に導入して、該宿主細
胞に該cDNAによりコードされるタンパク質を産生させ、
そして該タンパク質を単離する、各ステップを含む方
法。
【0078】本実施形態の別態様は、上記段落の方法に
より得られる、単離されたタンパク質である。
【0079】本発明の別の実施形態は、プロモーターDN
Aを取得する方法であって、配列番号24〜4100および817
8〜36681の配列および配列番号24〜4100および8178〜36
681の配列に相補的な配列からなる群から選択される配
列を含む核酸の上流に位置するゲノムDNAを取得し、該
ゲノムDNAをスクリーニングして、転写開始を指令する
ことができるプロモーターを同定し、そして同定した該
プロモーターを含むDNAを単離する、各ステップを含む
方法である。
【0080】上記実施形態の一態様において、前記取得
ステップは、配列番号24〜4100および8178〜36681の配
列および配列番号24〜4100および8178〜36681の配列に
相補的な配列からなる群から選択される配列を含むゲノ
ムDNAからの染色体歩行を含む。同実施形態の別態様に
おいて、前記スクリーニングステップは、配列番号24〜
4100および8178〜36681の配列および配列番号24〜4100
および8178〜36681の配列に相補的な配列からなる群か
ら選択される配列の上流に位置するゲノムDNAをプロモ
ーターレポーターベクターに挿入することを含む。例え
ば、前記スクリーニングステップは、配列番号24〜4100
および8178〜36681の配列および配列番号24〜4100およ
び8178〜36681の配列に相補的な配列からなる群から選
択される配列の上流に位置するゲノムDNA中の、転写因
子結合部位かまたは転写開始部位にあたるモチーフを同
定することを含んでいてもよい。
【0081】本発明の別の実施形態は、上記段落の方法
によって得られる単離されたプロモーターである。
【0082】本発明の別の実施形態は、個々のESTまた
は長さが少なくとも15ヌクレオチドのその断片のアレイ
に、配列番号24〜4100および8178〜36681の配列、配列
番号24〜4100および8178〜36681の配列に相補的な配
列、および該配列の少なくとも15個の連続したヌクレオ
チドを含む断片からなる群から選択される少なくとも1
つの配列を加えることである。同実施形態のいくつかの
態様において、前記アレイは、配列番号24〜4100および
8178〜36681の配列、配列番号24〜4100および8178〜366
81の配列に相補的な配列、および該配列の少なくとも15
個の連続したヌクレオチドを含む断片からなる群から選
択される配列を少なくとも2つ含む。本発明の別の態様
において、前記アレイは、配列番号24〜4100および8178
〜36681の配列、配列番号24〜4100および8178〜36681の
配列に相補的な配列、ならびに該配列の少なくとも15個
の連続したヌクレオチドを含む断片からなる群から選択
される配列を少なくとも5つ含む。
【0083】本発明の別の実施形態は、インサート核酸
とバックボーン核酸を含む組換え核酸の濃縮集団であっ
て、該集団中のインサート核酸の少なくとも5%が配列番
号24〜4100および8178〜36681の配列および配列番号24
〜4100および8178〜36681の配列に相補的な配列からな
る群から選択される配列を含む、上記濃縮集団である。
【0084】本発明の別の実施形態は、配列番号4101〜
8177からなる群から選択される配列を含むポリペプチド
に特異的に結合することができる、精製または単離され
た抗体である。
【0085】配列番号4101〜8177からなる群から選択さ
れる配列の少なくとも10個の連続したアミノ酸を含むポ
リペプチドに特異的に結合することができる、精製また
は単離された抗体。
【0086】配列番号4101〜8177のいずれかの少なくと
も8アミノ酸の連続スパンを含むポリペプチドのエピト
ープ含有断片に特異的に結合することができる、ポリク
ローナルまたはモノクローナルの抗体組成物。
【0087】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および8178〜36681の核酸コードおよび配列番号4101
〜8177のポリペプチドコードからなる群から選択される
配列を記憶させたコンピュータ読取り可能媒体である。
【0088】本発明の別の実施形態は、プロセッサとデ
ータ記憶装置を含むコンピュータシステムであって、該
データ記憶装置がそこに配列番号24〜4100および8178〜
36681の核酸コードおよび配列番号4101〜8177のポリペ
プチドコードからなる群から選択される配列を記憶して
いる、コンピュータシステムである。同実施形態の一態
様において、該コンピュータシステムは、シーケンスコ
ンペアラおよび参照配列を記憶しているデータ記憶装置
をさらに含む。例えば、前記シーケンスコンペアラは、
多型性を示すコンピュータプログラムを含みうる。同実
施形態の別の態様において、前記コンピュータシステム
は、前記配列中の特徴を識別するアイデンティファイア
をさらに含む。
【0089】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および8178〜36681の核酸コードおよび配列番号4101
〜8177のポリペプチドコードからなる群から選択される
第1配列と参照配列とを比較する方法であって、配列を
比較するコンピュータプログラムを使用して、第1配列
と参照配列を読取り、そして該コンピュータプログラム
により、第1配列と参照配列間の差異を調べる、各ステ
ップを含む上記方法である。同実施形態のいくつかの態
様において、第1配列と参照配列間の差異を調べるステ
ップは、多型性を識別することを含む。
【0090】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜41
00および8178〜36681の核酸コードおよび配列番号4101
〜8177のポリペプチドコードからなる群から選択される
配列中の特徴を識別する方法であって、配列の特徴を識
別するコンピュータプログラムを用いて該配列を読取
り、そして該コンピュータプログラムにより該配列の特
徴を識別する、各ステップを含む方法である。
【0091】本発明の別の実施形態は、上記核酸のうち
いずれか1つの核酸を含有するベクターである。
【0092】本発明の別の実施形態は、上記ベクターを
含有する宿主細胞である。
【0093】本発明の別の実施形態は、上記いずれかの
核酸を生産する方法であって、該核酸が各宿主細胞内に
多コピー数で存在するように該宿主細胞に該核酸を導入
し、そして該宿主細胞から該核酸を単離する、各ステッ
プを含む方法である。
【0094】本発明の別の実施形態は、上記いずれかの
核酸中のヌクレオチドを順次連結するステップを含む、
核酸の作製方法である。
【0095】本発明の別の実施形態は、アミノ酸を順次
連結するステップを含む上記いずれかのポリペプチドの
作製方法であって、該ポリペプチドの長さが150アミノ
酸またはそれ以下である、方法である。
【0096】本発明の別の実施形態は、ポリペプチドの
アミノ酸を順次連結するステップを含む上記いずれかの
ポリペプチドの作製方法であって、該ポリペプチドの長
さが120アミノ酸またはそれ以下である方法である。
【0097】配列表の簡単な説明 配列番号1、3、5,7,9、11および13は、本明細書
に記載の方法を使用して調製した完全長cDNAである。
【0098】配列番号2、4、6、8、10、12および14
は、配列番号1、3、5、7、9、11および13の核酸に
よってコードされるポリペプチドである。
【0099】配列番号15、16、18、19、21および22は、
本明細書にそれらの使用が記載されているプライマーで
ある。
【0100】配列番号17、20および23は、以下に記載す
るように得た転写因子結合部位を含む核酸の配列であ
る。
【0101】配列番号24〜652は、シグナルペプチドを
コードする不完全ORFを有する核酸である。本明細書で
使用する「不完全ORF」とは、開始コドンが同定され、停
止コドンは同定されていないオープンリーディングフレ
ームである。不完全ORFの位置およびシグナルペプチド
をコードする配列は、添付の配列表に記した。さらに、
以下に記載するように計算されたシグナルペプチドのVo
n Heijne(フォン・ヘイジン)スコアは、添付の配列表に
おいて「スコア」として記した。シグナル-ペプチドの配
列は、添付の配列表において「seq」として記した。シグ
ナルペプチド中の「/」は、シグナルペプチドのタンパク
質分解切断が生じて成熟タンパク質が生成される位置を
示す。
【0102】配列番号653〜3720は、今のところシグナ
ルペプチドをコードする配列が同定されていない不完全
ORFを有する核酸である。しかし、今後の分析によっ
て、これらの核酸においてシグナルペプチドをコードす
る配列が同定される可能性はある。不完全ORFの位置
を、添付の配列表に記した。
【0103】配列番号3721〜3811は、シグナルペプチド
をコードする完全ORFを有する核酸である。本明細書で
使用する「完全ORF」は、開始コドンおよび停止コドンが
同定されているオープンリーディングフレームである。
完全ORFおよびシグナルペプチドをコードする配列の位
置を、添付の配列表に記した。さらに、以下に記載した
ように計算したシグナルペプチドのVon Heijneスコア
は、添付の配列表中に「スコア」として記した。シグナル
ペプチドの配列は「sec」として添付の配列表に記した。
シグナルペプチド配列中の「/」は、シグナルペプチドの
タンパク質分解切断が生じて成熟タンパク質が生成され
る位置を示す。
【0104】配列番号3812〜4100は、今のところシグナ
ルペプチドをコードする配列が同定されていない完全OR
Fを有する核酸である。しかし、今後の分析によって、
これらの核酸においてシグナルペプチドをコードする配
列が同定される可能性はある。完全ORFの位置を、添付
の配列表に記した。
【0105】配列番号4101〜4729は、シグナルペプチド
を含む「不完全ポリペプチド配列」である。「不完全ポリ
ペプチド配列」は、開始コドンは同定されているが停止
コドンはこれまでに同定されていない核酸によってコー
ドされるポリペプチド配列である。これらのポリペプチ
ドは、配列番号24〜652の核酸によってコードされる。
シグナルペプチドの位置を、添付の配列表に記した。さ
らに、以下に記載したように計算したシグナルペプチド
のVon Heijneスコアは、添付の配列表中に「スコア」とし
て記した。シグナル-ペプチドの配列は、添付の配列表
において「seq」として記した。シグナルペプチド配列中
の「/」は、シグナルペプチドのタンパク質分解切断が生
じて成熟タンパク質が生成される位置を示す。
【0106】配列番号4730〜7797は、今のところシグナ
ルペプチドが同定されていない不完全ポリペプチドであ
る。しかし、今後の分析によって、これらのポリペプチ
ドにおいてシグナルペプチドが同定される可能性はあ
る。これらのポリペプチドは配列番号653〜3720の核酸
によってコードされている。
【0107】配列番号7798〜7888は、シグナルペプチド
を含む「完全ポリペプチド配列」である。「完全ポリペプ
チド配列」は、開始コドンおよび停止コドンが同定され
ている核酸によってコードされるポリペプチド配列であ
る。これらのポリペプチドは、配列番号3721〜3811の核
酸によってコードされている。シグナルペプチドの位置
を、添付の配列表に記した。さらに、以下に記載したよ
うに計算したシグナルペプチドのVon Heijneスコアは、
添付の配列表中に「スコア」として記した。シグナル-ペ
プチドの配列は、添付の配列表において「seq」として記
した。シグナルペプチド配列中の「/」は、シグナルペプ
チドのタンパク質分解切断が生じて成熟タンパク質が生
成される位置を示す。
【0108】配列番号7889〜8177は、これまでにシグナ
ルペプチドが同定されていない完全ポリペプチド配列で
ある。しかし、今後の分析によって、これらのポリペプ
チドにおいてシグナルペプチドが同定される可能性はあ
る。これらのポリペプチドは、配列番号3812〜4100の核
酸によってコードされる。
【0109】配列番号8178〜36681は、これまでオープ
ンリーディングフレームが確証をもって同定されていな
い核酸配列である。しかし、今後の分析によって、これ
らの核酸におけるオープンリーディングフレームが同定
される可能性はある。
【0110】添付の配列表において、核酸配列中の記号
「n」は全ての場合において、ヌクレオチドがアデニン、
グアニン、シトシンまたはチミンであり得ることを意味
する。場合によって、配列表中のポリペプチド配列に記
号「Xaa」が含まれることもある。この記号「Xaa」は、(1)
塩基配列が曖昧なために同定できない残基、または(2)
決定された配列中において(より精密に配列決定された
場合には)存在するはずがないと出願人が考える停止コ
ドンである。遺伝子コードによって示唆される未知のア
ミノ酸の同定にはいくつかの可能性がある場合もある。
【0111】I.完全な5’末端を有するmRNAから誘導
した5’ESTの一般的な取得方法本発明の5’ESTを得るた
めに、完全な5’末端を有するmRNAを得なければならな
い。以下の実施例1では5’ESTの調製を記載する。
【0112】実施例1 mRNAの調製 30種類の異なる組織に由来するヒト全RNAまたはポリA+R
NAはそれぞれLABIMOおよびCLONETECHから購入し、以下
のように42のcDNAライブラリーを作製するために使用し
た。購入したRNAは、酸性グアニジウムチオシアネート-
フェノール-クロロホルム抽出(ChomczyniskiおよびSac
chi、Analytical Biochemistry 162:156〜159,1987)を
使用して細胞または組織から単離されたものである。ポ
リA+RNAは、リボソームRNAを除去するために、Avivおよ
びLeder、Proc. Natl.Acad.Sci.USA69:1408〜1412、1972
に記載されるように、オリゴdTクロマトグラフィーを2
回通過させることによって全RNA(LABIMO)から単離し
た。
【0113】ポリA+RNAの品質および完全性を調べた。
グロビンプローブによりハイブリダイズされるノーザン
ブロット法を使用して、mRNAが分解されてないことを確
認した。リボソーム配列によるポリA+mRNAの汚染を、ノ
ーザンブロット法と28SrRNAの配列に由来するプローブ
を使用して調べた。rRNAが5%未満であるmRNAの調製物
をライブラリー構築に使用した。外因性配列(原核生物
または真菌)により汚染されたRNAを用いてライブラリ
ーを構築しないように、PCRを使用して、細菌の16Sリボ
ソーム配列の存在または高度に発現される2種の真菌mR
NAの配列を調べた。
【0114】種々の組織由来のmRNAを調製した後に、オ
リゴヌクレオチドタグをmRNAの5’末端のキャップに特
異的に結合した。オリゴヌクレオチドタグは、その後の
クローニング手順を容易にするためのEcoRI部位を有し
た。mRNAにオリゴヌクレオチドタグを結合した後、オリ
ゴヌクレオチドタグに相補的なプローブを使用して200
〜500ngのmRNAを用いたノーザンブロット法を行ってmRN
Aの完全性を調査してから、実施例2に記載するように
第1鎖の合成を実施した。
【0115】実施例2 完全な5’末端を有するmRNA鋳型を使用したcDNA合成 オリゴヌクレオチドタグに結合させたmRNAについては、
逆転写酵素とプライマーとしてランダムノナマー(rand
om nonamer)を使用して第1鎖cDNAの合成を行った。こ
の手法の後のステップでの消化からcDNAの内部EcoRI部
位を保護するために、メチル化dCTPを第1鎖合成に使用
した。アルカリ加水分解によってRNAを除去した後、残
存するプライマーを除去するために、第1鎖cDNAをイソ
プロパノールを使用して沈殿させた。
【0116】ライゲートされたオリゴヌクレオチドの
5’末端に対応するプライマーを使用してクレノウ(Kl
enow)断片によりcDNAの第2鎖を合成した。クローニン
グ処理における消化からcDNA中の内部EcoRI部位を保護
するために、第2鎖合成においてもメチル化dCTPを使用
した。cDNA合成後、以下の実施例3に記載するようにcD
NAをpBlueScriptにクローニングした。
【0117】実施例3 完全な5’末端を有するmRNAから誘導したcDNAのBlueSc
riptへのクローニング 第2鎖の合成後に、cDNAの両末端をT4DNAポリメラーゼ
(Biolabs)で平滑化し、EcoRIでcDNAを消化した。cDNA
合成中にメチル化dCTPを使用したので、タグ中に存在す
るEcoRI部位がただ1つのヘミメチル化部位であり、従
ってEcoRI消化を受けやすい唯一の部位であった。次い
で、排除クロマトグラフィー(AcA、Biosepra)を使用
してcDNAをサイズ分画し、150bpより大きいcDNAに対応
する画分をプールして、エタノールで沈殿させた。ファ
ージミドpBlueScriptベクター(Stratagene)のSmaIお
よびEcoRI末端にcDNAを方向性を保ってクローニングし
た。ライゲーション混合物を細菌にエレクトロポレーシ
ョンで導入し、適当な抗生物質選択下で増殖させた。以
下の実施例4に記載するように、結合したオリゴヌクレ
オチドタグを有するクローンを選択した。
【0118】実施例4 オリゴヌクレオチドタグを結合させたクローンの選択 上記のように作製した5’ESTライブラリーを含有するプ
ラスミドDNAを精製した(Qiagen)。以下のように、タ
グ付きクローンの陽性選択を行った。簡単に説明する
と、この選択手順では、ファージF1の遺伝子IIエンドヌ
クレアーゼを、エキソヌクレアーゼIIIまたはT7遺伝子
6エキソヌクレアーゼなどのエキソヌクレアーゼ(Chan
gら、Gene 127:95〜8、1993)と共に使用して、プラスミ
ドDNAを1本鎖DNAに変換した。次いで、得られた1本鎖
DNAを、Fryら、Biotechniques、13:124〜131、1992に記載
されるように、常磁性ビーズを使用して精製した。この
手順では、1本鎖DNAを、オリゴヌクレオチドタグの3
末端に対応する配列を有するビオチン化オリゴヌクレオ
チドとハイブリダイズさせた。ビオチン化オリゴヌクレ
オチドに相補的な配列を含むクローンは、インキュベー
ションによって、ストレプトアビジンを被覆した磁気ビ
ーズに捕捉して、次に磁気的に選択した。陽性クローン
の捕捉後、磁気ビーズからプラスミドDNAを放出させ、A
mersham Pharmacia Biotech製のThermosequenaseなどの
DNAポリメチラーゼを使用して2本鎖DNAに変換した。次
いで、2本鎖DNAを細菌にエレクトロポレーションで導
入した。5’タグ付きオリゴヌクレオチドを有する陽性
クローンのパーセンテージは、ドットブロット分析を使
用して一般に90〜98%の範囲であると推定された。エレ
クトロポレーション後、ライブラリーを384-マイクロタ
イタープレート(MTP)に並べた。MTPのコピーを今後使
用するために保管した。次いで、ライブラリーを96MTP
に移し、以下のように配列決定した。
【0119】実施例5 選択したクローン中のインサートの配列決定 最初に、標準的なSETA-AおよびSETA-Bプライマー(Gens
et SA)、AmpliTaqGold(Perkin-Elmer)、dNTPs(Boeh
ringer)、Perkin-Elmer Corporationが推奨する緩衝液
およびサイクル条件を使用して、PE9600サーモサイクラ
ー(Perkin-Elmer、Applied Biosystems Division、カリ
フォルニア州フォスターシティ)でPCRによりプラスミ
ドインサートを増幅した。
【0120】次いで、自動ABIプリズム(Prism)377シー
クエンサー(Perkin-Elmer)を使用してPCR産物を配列
決定した。配列決定反応は、標準的な色素-プライマー
化学とThermoSequenase(Amersham Pharmacia Biotec
h)を用いたPE9600サーモサイクラーを使用して実施し
た。使用したプライマーは適宜にT7または21M13(Gense
tSAより入手可能)のいずれかであった。プライマーはJ
OE、FAM、ROXおよびTAMRA染料で標識した。配列決定反
応に使用したdNTPsおよびddNTPsはベーリンガーから購
入した。配列決定用緩衝液、試薬の濃度およびサイクル
条件はAmershamが推奨するとおりにした。
【0121】配列決定反応後、試料をエタノールで沈殿
させ、ホルムアミドローディング用緩衝液で懸濁し、標
準的な4%アクリルアミドゲルにのせた。電気泳動はAB
I377シークエンサーで3000Vで2.5時間実施し、配列デー
タを収集し、ABIプリズム(Prism)DNAシークエンシング
分析ソフトウェア、バージョン2.1.2を使用して分析し
た。
【0122】実施例6 完全な5'末端を有するmRNAから得られる完全長cDNAライ
ブラリーから5’ESTを得る あるいはまた、5’ESTはその他のcDNAまたはゲノムDNA
ライブラリーから単離できる。そのようなcDNAまたはゲ
ノムDNAライブラリーは、商業的ソースから入手する
か、当業者に公知の他の方法を使用して作製することに
よって得られる。そのようなcDNAライブラリー構築物の
一例である完全長cDNAライブラリーは以下の通りであ
る。
【0123】実施例1に記載のように、ポリA+RNAを調
製し、それらの質を調べる。次いで、ポリA+RNAの5’末
端にあるキャップを、オリゴヌクレオチドタグに特異的
に結合する。オリゴヌクレオチドタグは、EcoRIなどの
制限部位を含んで、その後のサブクローニング過程を簡
易化してもよい。次いでノーザンブロッティングを行っ
て、オリゴヌクレオチドタグが結合したmRNAの大きさを
調べ、該mRNAが実際にタグ付けされているかどうかを確
認する。
【0124】その後、ランダムノナマーの代わりにオリ
ゴ-dTプライマーを用いたこと以外は上記実施例2に記
載したように、オリゴヌクレオチドタグに結合したmRNA
のための第1鎖合成を行う。例えば、このオリゴ-dTプ
ライマーは、それぞれの組織が互いと異なる4ヌクレオ
チドの内部タグを含んでいてもよい。mRNAの5'末端に結
合したオリゴヌクレオチドタグに含まれるプライマーを
用いた第2鎖の合成の後、得られた二本鎖完全長DNAの
平滑末端を付着末端に改変してサブクローニングしやす
くする。例えば、オリゴヌクレオチドタグのEcoRI部位
を用い、かつ完全長cDNAの3’末端にHindIIIアダプター
を付加することによって完全長cDNAの両端を改変して、
BluescriptベクターのEcoRIおよびHindIII部位へサブク
ローニングできるようにしてもよい。
【0125】次いで、当業者に公知の方法を用いて、完
全長cDNAをそれらの大きさによっていくつかの画分に分
離する。例えば、電気泳動分離を適用して、3または6
つの異なる画分を産生してもよい。ゲル抽出および精製
の後、cDNA画分を適切なベクター(Bluescriptベクター
など)にサブクローニングし、コンピテントな細菌に形
質転換し、適切な抗生物質条件下にて増殖させる。その
後、タグ付け完全長cDNAを含むプラスミドを、実施例4
に記載ように陽性選択する。
【0126】次いで、そのようなcDNAライブラリーから
単離した完全長cDNAの5'末端を、実施例5に記載のよう
に配列決定してもよい。
【0127】II.2.単離した5’ESTのコンピュータ解
析:NetGeneTMおよびSignalTagTMデータベースの構築 上記のように作製した42のcDNAライブラリーの配列デー
タをデータベースに転送し、そこで品質管理ステップと
バリデーションステップを行った。Unixシステムを用い
て作動する塩基読み上げ装置 (base-caller)は、ピーク
の形状、ピーク間分解能およびノイズレベルを考慮し
て、疑わしいピークを自動的に表示した。専売の塩基読
み上げ装置は、自動トリミングも行った。疑わしいピー
クが4つより多い25個以下の塩基の伸長部はいかなるも
のも信頼性がないとみなされ、破棄された。クローニン
グベクターまたはライゲーションオリゴヌクレオチドに
対応する配列は自動的にEST配列から除去した。しか
し、得られたEST配列は、5’末端に上記の配列に属する
1〜5塩基を含有してもよい。必要に応じて、これらはケ
ースごとに容易に除去することができる。
【0128】上記のように配列決定した後に、5’ESTの
配列を、以下に記載するようなかつ図1に示すような格
納と操作のためのデータベースであるNetGeneTMに入力
した。目的の配列のためにNetGeneTMデータベース中のE
STを検索する前に、目的でないmRNA由来のEST(内因性も
しくは外因性汚染、冗長配列、小さい配列、高度に変性
した配列、または反復配列)を同定し、以後の考慮から
排除した。
【0129】配列決定過程の精度、および上記した5'選
択の効率を決定するために、目的でない配列を排除した
後に、NetGeneTMデータベースから得た5’ESTに対し
て、実施例7および8に記載の分析をそれぞれ行った。
【0130】実施例7 既知の配列との比較による配列決定精度の測定 実施例5に記載の配列決定手順の精度をさらに決定する
ために、既知の配列から誘導されたNetGeneTMの5’EST
の配列を同定し、元の既知の配列と比較した。まず、両
末端にある5塩基対より短い突出部を用いたFASTA分析
を5’ESTに対して行って、公的なヒトmRNAデータベース
の入力事項と一致するものを同定した。次いで、既知の
ヒトmRNAと一致した6655の5’ESTを、起源を同じくする
mRNAと再度アライメントさせ、ダイナミックプログラミ
ングを使用して、認識される「エラー」のリストに置
換、挿入および欠失を含めた。擬似クローニング部位が
配列決定精度の分析に含まれることを避けるために、
5’EST配列の最後の10塩基に発生するエラーを無視し
た。
【0131】この分析で、NetGeneTMデータベースに収
録された配列の精度は、99.5%を超えることが明らかに
なった。
【0132】実施例8 5’EST選択効率の決定 上記選択手順で、mRNAの5'末端付近の配列を含む5’ES
Tを、それらの起源であるmRNAから単離した際の効率を
決定するために、伸長因子1サブユニットα遺伝子およ
びフェリチン重鎖遺伝子に由来する5’ESTの末端の配列
を、これらの遺伝子の既知のcDNA配列と比較した。両遺
伝子の転写開始部位は十分に特性決定されているため、
それらを使用して、真の転写開始部位を含む誘導5’EST
のパーセンテージを決定することが可能である。
【0133】両遺伝子とも、得られた5’ESTの95%より
多くが、対応するmRNAの5'末端付近の配列または5'末
端より上流の配列を実際に含んでいた。
【0134】NetGeneTMデータベースのESTから5’ESTを
単離する手順の信頼性分析を拡張するために、比較用に
GenBankデータベースリリース97から引き出したヒトmRN
A配列を含むデータベースを使用して、同様の分析を実
施した。GeneBankデータベースに収録されているmRNA由
来の5’ESTは、その85%より多くの5'末端が、既知の配
列の5'末端付近に位置していた。GenBankデータベース
で入手可能なmRNA配列の一部は、ゲノム配列から推定さ
れるため、これらの配列と一致する5'末端は内部一致
とみなされる。従って、ここで使用した方法では、対応
するmRNAの真の5'末端を含むESTの収率が過少評価され
る。
【0135】実施例9 5’ESTのクラスター化(clustering) 上記作製したcDNAライブラリーは、同じmRNA由来のマル
チプル5’ESTを含むため、オーバーラップ5’ESTを連続
配列に組み立ててもよい。以下の方法(図1を参照)は、
異なる遺伝子由来のmRNAのためのコンセンサス5’EST配
列だけでなく、選択的にスプライシングされたmRNA等、
同じ遺伝子から転写された異なるmRNA(いわゆる変異体)
のためのコンセンサス5’EST配列も産生するために、い
かに効率的に5’ESTをクラスター化するかを説明する。
このクラスター化は、NetGeneTM5’EST配列セットに対
して、内因性汚染の排除、不正な配列の排除、および反
復配列のマスキングの後に行った。
【0136】まず、配列セット全体を、所定の長さだけ
互いと完全な対合を示す配列を含む、より小さいセット
(いわゆるクラスター)に分割した。このようなクラスタ
ーは、少数の異なる遺伝子に由来する5’ESTを含む。一
部の5’配列は、他のいずれの配列とも相同的ではなか
ったか、または相同性が正確に検出されなかったため
に、この方法を用いてクラスター化されなかった。この
問題を解決するために、クラスター化されなかった配列
(いわゆるシングルトン(singleton))を、後に得るコン
センサス・コンティグ化ESTと比較し、必要であれば、
適切なクラスターに含めて他のコンセンサス・コンティ
グ化ESTを計算するのに使用する。
【0137】その後、所定の遺伝子の全ての変異体を、
それぞれのクラスターにおいて以下のように同定した。
所定のクラスター内のオーバーラップ配列を指向グラフ
として表わした。該グラフにおいて、各配列はノードで
あり、それぞれ端部がオーバーラップする。次いで、グ
ラフの1つに含まれ、異なるコネクスコンポーネント(c
onnex component)で表わされる異なる遺伝子を同定し、
互いから単離した。その後、同じ遺伝子の異なる変異体
を、コネクスコンポーネント中の分岐点の検出に基づく
アルゴリズムを用いて単離した。所望であれば、cDNAラ
イブラリーなどの生物学的組織から得た核酸サンプル中
のクローンをコンセンサス・コンティグ化ESTの配列に
基づくプローブとハイブリダイズさせ、それらを配列決
定することによって同定して、コンセンサス・コンティ
グ化EST配列を確認してもよい。
【0138】次いで、同じ変異体に属したオーバーラッ
プ5’EST配列、および同じクラスターに含まれる5’EST
配列をコンティグ化し、各変異体についてコンセンサス
・コンティグ化5’EST配列を生成した。得られたコンセ
ンサス・コンティグ化5’EST配列のいくつかは不完全で
あった。これは、唯一含まれるオーバーラップ5’EST配
列は遺伝子を単離すると考えられるという事実、および
変異体を見つけるために開発したアルゴリズムに起因す
る。これらの変異体コンセンサス・コンティグ化5’EST
配列を以下のように伸長した。同じ遺伝子から転写した
変異体を、対ごとに比較し、5’および/または3’のい
ずれかにおいて不完全な5’ESTコンセンサス配列は、他
の変異体由来の適切な配列で伸長した。5’または3’
において最終的に完成した各クラスター由来の全ての
5’ESTコンセンサス配列は、その後、同クラスターに
ついて得た個々の5’EST配列セット全体と比較した。
【0139】実施例10 5’ESTの最も可能性の高いオープンリーディングフレー
ムの同定 その後、最も可能性の高いコードオープンリーディング
フレーム(ORF)を、それぞれのコンセンサスアセンブル
化5’ESTまたは5’ESTについて決定した。
【0140】各核酸配列を、まず、いくつかのサブ配列
に分け、当業者に公知の異なる方法(例えば、N-mer頻度
およびその変異体の評価(FickettおよびTung, Nucleic
Acids Res; 20:6441-50 (1992))または平均相互情報法
(Grosseら、International Conference on Intelligent
Systems for Molecular Biology, Montreal, Canada,J
une 28-July 1, 1998))を用いてそのコード化傾向を評
価した。次に、上記した方法によって得られるそれぞれ
のスコアを、分配端(distribution extremity)によって
標準化し、神経ネットワークを用いて所与の配列のコー
ド化確率を表わす独自のスコアと融合する。
【0141】次いで、それぞれの配列について得られた
コード化確率スコア、つまり各リーディングフレームに
ついて得られた確率スコアプロフィールを、配列上に存
在する開始コドンに結合させる。各オープンリーディン
グフレーム(ATGコドンで始まる少なくとも50ヌクレオチ
ドの核酸配列と規定される)について、ORFスコアを決定
した。基本的に、このスコアは、局所的に高いスコア値
を負に計量し、維持された高いスコア値を正に計量する
関数で補正した正しいリーディングフレーム内で考慮さ
れるORF対応する各サブ配列について計算した確率スコ
アの合計である。最も高いスコアを有するORFを選択す
る。
【0142】2種類のORFを考慮する。いくつかの実施
形態において、コンセンサスアセンブル化5’EST配列の
末端まで伸長する少なくとも50アミノ酸のORFをコード
する5’ESTを得る。別の実施形態においては、少なくと
も100アミノ酸を含み、完全ORF(即ち、開始および停止
コドンを有するORF)をコードする5’ESTを得る。
【0143】実施例11 配列分析 実施例9に記載のクラスター化方法を、内因性汚染およ
び不正配列のない選択された126,735 のNetGeneTM 5’E
STのセットに適用したところ、9490のコンセンサスアセ
ンブル化5’EST配列または変異体が、合計8037遺伝子が
クラスター化され、98,973の個々の5’ESTを表わしてい
た。その内の1つで、21,138の配列を含み、かつ公開さ
れている配列と比較してキメラを含むと分かったものを
その後の分析から外した。
【0144】クラスター化されていない5’EST(即ち、
シングルトン)、およびコンセンサス・コンティグ化5’
ESTを、以下のように既知の配列と比較した。ヒトmRNA
配列と一致した配列は、その後の分析から外した。次い
で、反復配列をマスキングした後に、本発明者らによっ
て既に発見されている配列と対合する配列(即ち、10ヌ
クレオチド未満の突出部でのBLAST2Nを使用して40ヌク
レオチドよりも長い伸長部にわたって90%を上回る相同
性を示す配列)を、以後の考慮から外した。最終的なセ
ットは、本発明の配列(配列番号24〜4100および8178〜3
6681)、即ち、31,267の5’ESTおよび24,972のシングル
トンを含む6398クラスターから得た7609コンセンサス・
コンティグ化5’ESTを表わす。
【0145】得られた6398のクラスターの内、658が多
変異体である(即ち、同じ遺伝子のいくつかの変異体を
含む)ことが分かった。表Iは、内部参照(第1列)に由
来して命名されている各多変異体クラスターを示してお
り、全ての変異体のコンセンサス配列の一覧であり、各
変異体は異なる配列番号で示される。
【0146】その後、最も可能性のあるオープンリーデ
ィングフレームを、本発明の全配列について実施例10に
記載のように決定した。少なくとも50アミノ酸の長さの
不完全ORF(配列番号4101〜7797)をコードする3,697の
5’EST(配列番号24〜3720)を見出した。さらに、少なく
とも100アミノ酸の完全ORF(配列番号7798〜8177)をコー
ドする380の5’EST(配列番号3721〜4100)を見出した。
【0147】配列番号24〜4100および8178〜36681のヌ
クレオチド配列、ならびに配列番号24〜4100にコードさ
れるアミノ酸配列(即ち、配列番号4101〜8177のアミノ
酸配列)は、添付の配列表に示されている。アミノ酸配
列のいくつかは、符号「Xaa」を含んでいる。これらの
符号「Xaa」は、(1)塩基配列が曖昧なために同定できな
い残基、または(2)決定された配列中において(より精
密に配列決定された場合には)存在するはずがないと出
願人が考える停止コドンを示す。
【0148】配列番号24〜4100および8178〜36681の核
酸配列の1つが、1つ以上の誤ったまたは曖昧なヌクレ
オチドを含む疑いがあれば、評価するヌクレオチドを含
む断片を再度配列決定することによってこの曖昧さを容
易に解明できる。1つ以上の誤ったまたは曖昧なヌクレ
オチドが検出された場合、補正された配列を、その配列
が単離されたクラスターに含め、他のORFが同定される
他のコンセンサス・コンティグ化配列を計算するために
使用しなければならない。配列決定のエラーまたは曖昧
さを解明するための核酸断片は、寄託クローンから得る
かまたは本明細書に記載の技術を使用して単離できる。
そのような曖昧さまたはエラーの解明は、曖昧なまたは
エラーのある配列付近に配置された配列にハイブリダイ
ズするプライマーを用いることによって容易になる。例
えば、プライマーは、曖昧さまたはエラーが50〜75塩基
内にある配列にハイブリダイズできる。エラーまたは曖
昧さの解明の際に、対応する補正をエラーまたは曖昧さ
を含むDNAによってコードされるタンパク質配列に対し
て行うことができる。特定のクローンによってコードさ
れるタンパク質のアミノ酸配列は、クローンを適切な宿
主細胞中で発現し、タンパク質を回収し、その配列を決
定することによって決定できる。
【0149】さらに、配列番号4101〜8177の配列の1つ
が、配列におけるフレームシフトのために平滑末端ORF
を含むと疑われる場合、以下の2つの方法を組み合わせ
ることによってこのようなフレームシフトエラーを補正
することができる。第1の方法は、全ての二重予測の徹
底的な試験(即ち、異なるリーディングフレームに位置
する2つのORFの確率スコアが高く近似(好ましくは差が
0.4未満)する場合は全て)を含む。2つの潜在的ORFオー
バーラップ領域の精密な試験によってフレームシフトが
検出しやすくなる。第2の方法において、既知のタンパ
ク質との相同性を用いて疑わしいフレームシフトを補正
する。
【0150】実施例12 5’ESTにおける潜在的シグナル配列の同定 Von Heijne, Nucleic Acids Res. 14:4683-4690, 1986
(参照により、その開示内容を本明細書に援用する)に
開示されている手順に一部修正を加えたものを使用し
て、配列番号4101〜8177のアミノ酸配列を検索して、潜
在的シグナルモチーフを同定した。Von Heijneシグナル
ペプチド同定マトリクス中の少なくとも3.5のスコアを
有する長さが15アミノ酸の伸長部をコードするこれらの
配列は、シグナル配列を有すると考えられ、SIGNALTAG
TMと称するデータベースに加えた。
【0151】シグナル配列を含む720の核酸配列の配列
(配列番号24〜652および3721〜3811)、ならびに潜在的
シグナルペプチドを有する対応するポリペプチド(配列
番号4101〜4729および7798〜7888)は、本明細書に添付
の配列表に示した。このようなポリペプチドのシグナル
ペプチドは、添付の配列表に特記している。配列表の規
則に従って、添付の配列表において完全なタンパク質
(即ち、シグナルペプチドおよび成熟タンパク質を含有
するタンパク質)は、負の数のアミノ酸残基から正の数
のC末端アミノ酸残基まで延伸している。したがって、
シグナルペプチドの切断によって生じる成熟タンパク質
の第1のアミノ酸は、アミノ酸1と示され、シグナルペ
プチドの第1のアミノ酸は相当した負の数で示される。
【0152】シグナル配列を同定するための上記方法の
精度を確認するために、実施例13の分析を実施した。
【0153】実施例13 5’ESTにおける潜在的シグナル配列の同定精度の確認 全てのヒトSwissProtタンパク質のN末端に位置する43
のアミノ酸に本方法を適用することによって、シグナル
ペプチドをコードしているシグナル配列を同定するため
の上記手順の精度を評価した。各タンパク質についてコ
ンピュータ演算したVon Heijneスコアを、分泌タンパク
質または非分泌タンパク質であるとして、既知のタンパ
ク質の特性決定と比較した。このようにして、3.5より
高いスコアを有する(偽陽性)非分泌タンパク質の数お
よび3.5より低いスコアを有する(偽陰性)分泌タンパ
ク質の数を算出することができた。
【0154】上述の分析結果を使用して、mRNAの5'領
域によりコードされるペプチドが、実際に、そのVon He
ijneスコアに基づいた真のシグナルペプチドである確率
を、ヒトタンパク質の10%が分泌されるという仮説また
はヒトタンパク質の20%が分泌されるという仮説のいず
れかに基づいて算出した。この分析結果を、図2に示
す。
【0155】上述の分泌タンパク質同定方法を使用し
て、分泌されることが判明している以下のポリペプチド
の5’ESTを獲得した:ヒト・グルカゴン、γインターフ
ェロン誘導性モノカイン前駆体、分泌されたシクロフィ
リン様タンパク質、ヒト・プレイオトロフィン(pleiotr
opin)、およびヒト・ビオチニダーゼ前駆体。従って、
上述の方法は、シグナルペプチドをコードする5’ESTを
首尾よく同定した。
【0156】5’ESTまたはコンティグ化・コンセンサス
5’ESTによりコードされるシグナルペプチドが、シグナ
ルペプチドとして実際に機能することを確認するため
に、5’ESTまたはコンセンサス5’EST由来のシグナル配
列を、シグナルペプチドの同定用に設計されたベクター
にクローニングすることが可能である。このようなベク
ターは、機能し得る形で連結されたシグナル配列を有す
るベクターを含有する宿主細胞のみに、選択培地で増殖
する能力を与えるように設計されている。たとえば、
5’EST またはコンセンサス5’ESTが真のシグナルペプ
チドをコードすることを確認するためには、5’EST ま
たはコンセンサス5’ESTのシグナル配列を、米国特許第
5,536,637号(その開示内容を参照により本明細書に援
用する)に記載されているようなシグナルペプチド選択
ベクター中の非分泌型酵母インベルターゼ遺伝子の上流
へフレーム内で読取り枠が合うように挿入すればよい。
正確に挿入された5’EST またはコンセンサス5’ESTシ
グナル配列を含むシグナル配列選択ベクターを含有する
宿主細胞が増殖することによって、5’EST またはコン
センサス5’ESTが真のシグナルペプチドをコードするこ
とが確認される。
【0157】あるいは、シグナルペプチドの存在は、ES
Tまたはコンセンサス5’ESTを用いて得られる伸長cDNA
を、以下に記載するようなpXT1のような発現ベクターへ
クローニングするか、シグナルペプチドとアッセイ可能
なリポータータンパク質との融合タンパク質をコードす
るプロモーター-シグナル配列-レポーター遺伝子ベクタ
ーを構築することによって確認することが可能である。
適当な宿主細胞(たとえば、COS細胞やNIH 3T3細胞)に
これらのベクターを導入した後、増殖培地を回収して、
分泌されたタンパク質の有無について分析することが可
能である。これらの細胞から得られる培地を、シグナル
配列または伸長cDNAインサートが欠如しているベクター
を含有する対照細胞から得られる培地と比較して、機能
的シグナルペプチドまたは真の分泌タンパク質をコード
するベクターを同定する。
【0158】実施例14 5'ESTの新規性の度合いの評価 新しい配列の収率を評価するために、得られた5'ESTお
よびコンセンサス・コンティグ化5'ESTを、EMBLリリー
ス57および出願時に利用可能であった毎日更新される最
新情報から引き出した全ての既知のヒトmRNAと比較し
た。反復配列のマスキングの後、BLAST2Nを用いて両方
の鎖について比較を行った。公開されている配列との相
同性がその配列全体にわたって95%を超える配列であっ
て、各端部の突出部が長くて10ヌクレオチドである配列
は、過去に同定されたものとみなした。従って、5'EST
の約90%またはコンセンサス・アセンブル化5'EST(con
sensus assembled 5'EST)は、同定されていないものと
みなした。
【0159】II.3 5'ESTまたは伸長cDNAに対応
するmRNAの空間的および時間的発現の評価 以下の実施例15に記載の通り、配列番号24〜4100および
8178〜36681の各々も、その対応するmRNAを採取した組
織に基づいて同様に分類した。
【0160】実施例15 5'ESTを採取したmRNAの発現パターン 表IIは、それぞれ5'EST(非クラスター化EST)および
各コンセンサス・コンティグ化ESTの各々の空間的分布
を表わす。表IIは、5'EST(本明細書中には他に非ク
ラスター化ESTまたはシングルトン(singleton)とも呼
ばれる)およびコンセンサス・コンティグ化ESTの配列
番号を提供する。また、表IIは、コンティグされたコン
センサスESTをアセンブリするために使用した各タイプ
の組織から得たESTの数をリストアップしている。1つ
の組織から得た1つの5'ESTを含む表II中の配列番号
は、5'ESTである。表IIにリストアップされた組織のタ
イプは、文字でコード化した。文字コードと組織型との
対応は、表IIIに記載されている。例えば、配列番号47
のコンセンサス・コンティグ化ESTは、癌性前立腺から
得た1つの5'EST、リンパ節由来の2つの5'EST、および
睾丸由来の2つの5'ESTを含む。
【0161】5'ESTおよびコンセンサス・コンティグ化
5'ESTを、それらの起源である組織について分類するほ
かにも、以下の実施例16に記載の通りに、5'ESTおよび
コンセンサス・コンティグ化5'ESTに対応するmRNAの空
間的発現パターンおよび時間的発現パターンならびに発
現レベルを決定することが可能である。
【0162】以下でさらに詳細に検討を加えるが、これ
らのmRNAの空間的発現パターン、時間的発現パターンお
よび発現レベルを特性決定することは、所望の空間的方
式または時間的方式で、所望のレベルの遺伝子産物を産
生することができる発現ベクターの構築に有用である。
【0163】さらに、対応するmRNAが疾患状態に関与す
る5'ESTおよびコンセンサス・コンティグ化5'ESTも同定
することが可能である。たとえば、ある特定の疾患は、
5'ESTまたはコンセンサス・コンティグ化5'ESTに対応す
るmRNAの発現の欠如、過剰発現、または過少発現に起因
すると考えられる。健常者から採取したサンプルにおけ
るmRNAの発現パターンと量を、ある特定の疾患に罹患し
た個体のものと比較することによって、その疾患の原因
である5'ESTまたはコンセンサス・コンティグ化5'ESTを
同定することが可能である。
【0164】上述の5'ESTおよびコンセンサス・コンテ
ィグ化5'ESTに関する特性決定手順の結果が、5'ESTおよ
びコンセンサス・コンティグ化5'ESTに隣接する配列を
含む伸長cDNA(下記の通りに得られる)にもあてはまる
ことは明らかであろう。また、必要に応じて、5'ESTお
よびコンセンサス・コンティグ化5'EST自体を特性決定
するよりむしろ、伸長cDNAが得られるまで特性決定を遅
らせてもよいことも明らかであろう。
【0165】実施例16 EST関連核酸に対応するmRNAの発現レベルおよび
発現パターンの評価 国際特許出願第WO 97/05277号(その全内容
を参照により本明細書に援用する)に記載の長いプロー
ブを用いた溶液ハイブリダイゼーションで、EST関連
核酸に対応するmRNAの発現レベルおよび発現パター
ンを分析することが可能である。簡単に記述すると、特
性決定すべきmRNAをコードしている遺伝子に対応す
る、EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関
連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片を、バクテリオファ
ージ(T3、T7またはSP6)RNAポリメラーゼプ
ロモーターのすぐ下流のクローニング部位に挿入して、
アンチセンスRNAを作製する。EST関連核酸、ES
T関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショナルセグ
メント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメン
トの断片は、100以上のクレオチド長を有することが
好ましい。プラスミドを線状にし、修飾リボヌクレオチ
ド(すなわち、ビオチン−UTPおよびDIG−UT
P)を含むリボヌクレオチドの存在下で転写する。この
二重に標識した過剰のRNAを、溶液中で、目的の細胞
または組織から単離したmRNAとハイブリダイズさせ
る。標準的なストリンジェント条件下で(80%ホルム
アミド、0.4M NaCl緩衝液(pH7〜8)中、
40〜50℃で16時間)、ハイブリダイゼーションを
行う。一本鎖RNAに特異的なリボヌクレアーゼ(すな
わち、RNase CL3、T1、PhyM、U2また
はA)で消化することによって、ハイブリダイズしてい
ないプローブを除去する。ビオチン−UTP修飾が存在
すれば、ストレプトアビジンを被覆したマイクロタイタ
ープレート上にハイブリッドを捕捉することが可能にな
る。DIG修飾が存在すれば、アルカリホスファターゼ
に結合させた抗DIG抗体を使用するELISAによっ
て、ハイブリッドを検出および定量することが可能にな
る。
【0166】英国特許出願第2 305 241A(その
全内容を参照により本明細書に援用する)に開示されて
いる通りに、EST関連核酸、EST関連核酸の断片、
EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはES
T関連核酸のポジショナルセグメントの断片に、遺伝子
発現の連続分析(SAGE)用のヌクレオチド配列をタ
グ付けすることもできる。この方法で、細胞、組織、生
物、または遺伝子発現パターンを決定しなければならな
い核酸の他の起源から、cDNAを調製する。このよう
にして得られたcDNAを2つのプールに分ける。各プ
ール中のcDNAを、大部分のcDNAに少なくとも一
つ存在すると思われる認識部位を有する第1の制限エン
ドヌクレアーゼ(アンカリング酵素と呼ばれる)で切断
する。切断されたcDNAの5'または3'領域を最も多
く含む断片を、ストレプトアビジン被覆ビーズのような
捕捉媒体に結合させることによって単離する。増幅プラ
イマーをハイブリダイズさせるための第1配列と、いわ
ゆるタグ付きエンドヌクレアーゼに対する内部制限部位
とを有する第1のオリゴヌクレオチドリンカーを、第1
のプール中の消化cDNAにライゲートする。第2のエ
ンドヌクレアーゼで消化して、cDNAから短いタグ付
き断片を生成する。
【0167】増幅プライマーをハイブリダイズさせるた
めの第2の配列と内部制限部位とを有する第2のオリゴ
ヌクレオチドを、第2のプール中の消化cDNAにライ
ゲートする。第2のプールのcDNA断片も、タグ付き
エンドヌクレアーゼで消化して、第2のプールのcDN
Aに由来する短いタグ断片を生成する。アンカリング酵
素およびタグ付きエンドヌクレアーゼを用いた、第1の
プールおよび第2のプールの消化によって生じたタグを
互いにライゲートして、いわゆるジタグ(ditag)を生成
する。一部の実施態様では、ジタグをコンカテマー化し
て、ジタグを2〜200含有するライゲーション産物を
生成する。次いで、タグ配列を決定し、EST関連核
酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片の配列と比較して、細胞、組織、生
物、またはタグを誘導する核酸の他の起源に、どの5'
EST,コンティグ化(contigated)コンセンサス5'E
STまたは伸長cDNAが発現されるかを決定する。こ
の方法で、細胞、組織、生物、または核酸の他の起源に
おける5'EST、コンティグ化コンセンサス5'EST
または伸長cDNAの発現パターンが得られる。
【0168】アレイを使用して、遺伝子発現の定量分析
を実施することも可能である。本明細書で使用する用語
「アレイ」は、EST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片の、一
次元、二次元、または多次元の配列(arrangement)を意
味する。EST関連核酸、EST関連核酸の断片、ES
T関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関
連核酸のポジショナルセグメントの断片は、長さが少な
くとも15ヌクレオチドであることが好ましい。さらに
好ましくは、EST関連核酸、EST関連核酸の断片、
EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはES
T関連核酸のポジショナルセグメントの断片は、長さが
少なくとも100ヌクレオチドである。さらに好ましく
は、断片は長さが100ヌクレオチドを超える。一部の
実施態様では、EST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片は長さ
が500ヌクレオチドを超えることもある。
【0169】たとえば、Schenaら(Science 270:467-47
0, 1995; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:10614-10
619, 1996)により記載されている通り、相補的DNAマ
イクロアレイ中のEST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を用い
て、遺伝子発現の定量分析を実施することが可能であ
る。EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関
連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片をPCRで増幅し、
高速ロボット工学を使用して、96ウェルマイクロタイ
タープレートからシリル処理した顕微鏡スライド上に配
列させた。プリントされたアレイを湿潤チャンバ内でイ
ンキュベートしてアレイエレメントに再度水分を加え、
0.2%SDS中で1分間1回、水中で1分間2回および
水素化ホウ素ナトリウム溶液中で5分間1回すすぐ。こ
のアレイを95℃の湯に2分間沈め、0.2%SDSに1
分間移し、水で2回すすぎ、風乾し、25℃の暗所に保
存する。
【0170】細胞または組織mRNAを単離するか購入
し、1ラウンドの逆転写によってプローブを調製する。
プローブを、1cm2のマイクロアレイに、14×14
mmのカバーガラス下、60℃で6〜12時間ハイブリ
ダイズさせる。アレイを、低ストリンジェンシー洗浄用
緩衝液(1×SSC/0.2%SDS)中、25℃で5分間、
次いで、高ストリンジェンシー洗浄用緩衝液(0.1×
SSC/0.2%SDS)中、室温で10分間洗浄する。特注
のフィルターセットを取り付けた蛍光レーザー走査装置
を使用して、0.1×SSC中でアレイを走査する。2つ
の独立したハイブリダイゼーションの比率の平均をとる
ことにより、正確な示差的発現の測定値が得られる。
【0171】Pietuら(Genome Research 6:492-503, 199
6)により記載されている通り、相補的DNAアレイ中の
EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核
酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片を用いて、遺伝子の発現
の定量分析を実施することも可能である。EST関連核
酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片をPCR増幅し、膜上にスポットす
る。次いで、様々な組織または細胞に由来するmRNA
を放射性ヌクレオチドで標識する。制御条件でハイブリ
ダイズさせて洗浄した後、ハイブリダイズしたmRNA
を、ホスホ-イメージングまたはオートラジオグラフィ
で検出する。実験を2回実施し、次いで、示差的に発現
したmRNAの定量分析を実施する。
【0172】あるいは、Lockhartら(Nature Biotechnol
ogy 14: 1675-1680, 1996)およびSosnowskyら(Proc. Na
tl. Acad. Sci. 94:1119-1123, 1997)により記載されて
いる通り、高密度ヌクレオチドアレイによって、EST
関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸のポ
ジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片の発現分析を行うことができ
る。EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関
連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片の配列に対応する1
5〜50ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドをチップ上
に直接合成する(Lockhartら、前掲)か、合成してからチ
ップに処理する(Sosnowskyら、前掲)。オリゴヌクレオ
チドは、長さ約20ヌクレオチドが好ましい。
【0173】ビオチン、ジゴキシゲニンまたは蛍光染料
のような適当な化合物で標識したcDNAプローブを、
適当なmRNA集団から合成し、次いで、50〜100
ヌクレオチドの平均サイズまで無作為に断片化する。次
いで、前述のプローブをチップにハイブリダイズさせ
る。Lockhartら(前掲)に記載されている通りに洗浄
し、異なる電場を印加(Sonowskyら、前掲)した後、染料
または標識化合物を検出し、定量する。ハイブリダイゼ
ーションを2回実施する。異なるcDNAサンプル中の
同一標的オリゴヌクレオチド上のcDNAプローブに由
来するシグナルの強度を比較分析することで、オリゴヌ
クレオチド配列が設計されるもととなった5'EST、
コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは伸長cDN
Aに対応するmRNAの示差的発現がわかる。
【0174】III.伸長cDNAのクローニングおよび
対応するゲノムcDNAのクローニングのための5'E
STの使用 上述の手法を使用して、対応するmRNAの5'末端を
含む5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ES
Tを選択したら、それらを使用して、5'ESTまたは
コンティグ化コンセンサス5'ESTに隣接する配列を
含む伸長cDNAを単離することができる。この伸長c
DNAは、真の翻訳開始部位を含む対応するmRNAに
よってコードされるタンパク質の全コード配列を含有し
てもよい。伸長cDNAが分泌タンパク質をコードする
場合には、シグナル配列、およびシグナルペプチドの切
断後に残る成熟タンパク質をコードする配列を含有して
もよい。対応するmRNAによってコードされるタンパ
ク質の全コード配列を含む伸長cDNAは、本明細書中
で「全長cDNA」と呼ぶ。あるいは、伸長cDNA
は、対応するmRNAによってコードされるタンパク質
の全コード配列を含んでいなくてもよいが、5'EST
またはコンティグ化コンセンサス5'ESTに隣接する
配列は必ず含んでいる。伸長cDNAが分泌タンパク質
をコードするmRNAから誘導されるいくつかの実施態
様では、伸長cDNAは、シグナルペプチドの切断後に
残る成熟タンパク質をコードする配列のみを含んでもよ
く、シグナルペプチドをコードする配列のみを含んでも
よい。
【0175】以下の実施例17に、5'ESTまたはコ
ンセンサスコンティグ化5'ESTを使用して伸長cD
NAを得るための一般的な方法を説明する。以下の実施
例28では、数種の分泌タンパク質に関する全コード配
列および対応するmRNAの真の5'末端を含む伸長c
DNAを含む、数種の伸長cDNAのクローニングおよ
び配列決定について説明する。
【0176】実施例17および18の方法を使用して、
5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化ESTに対
応する遺伝子によりコードされるタンパク質の全コード
配列より少ない配列をコードする伸長cDNAを得るこ
とができる。一部の実施態様では、これらの方法を使用
して単離される伸長cDNAは、配列番号24〜4100およ
び8178〜36681の配列によってコードされるタンパク質
のうちの1つのタンパク質の少なくとも5、10、1
5、20、25、30、35、40、50、75、10
0または150個の連続したアミノ酸をコードする。さ
らなる実施態様では、これらの方法を使用して単離した
伸長cDNAは、配列番号24〜4100の配列によりコード
されるタンパク質のうちの1つのタンパク質の少なくと
も5、10、15、20、25、30、35、40、5
0、75、100または150個の連続したアミノ酸を
コードする。
【0177】実施例17 全コード領域および対応するmRNAの真の5'末端を
含む伸長cDNAのクロ ーニングおよび配列決定に5'
ESTを使用するための一般的な方法 伸長cDNAの取得に使用される5'ESTの配列に隣
接した配列を含む伸長cDNAを迅速且つ効率よく単離
するのに、下記の一般的な方法が使用されてきた。この
方法は、分泌タンパク質をコードする5'ESTおよび
コンセンサスコンティグ化5'ESTを含む本発明の任
意の5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ES
Tに関する伸長cDNAを取得するのに使用することが
できる。この方法を、図3にまとめる。
【0178】1.伸長cDNAの取得 a)第1鎖合成 本方法は、mRNAの既知の5'配列を利用する。ヌク
レオチド配列を5'末端側に含有するポリdTプライマ
ーを用いて精製mRNAに逆転写反応を実施し、mRN
Aの3'末端に対応するcDNAの末端に既知の配列を
付加させる。このようなプライマーおよび市販の逆転写
酵素を緩衝化mRNAサンプルへ添加し、RNAの3'
側ポリA部位で結合した逆転写産物を得る。次いでヌク
レオチド単量体を添加して第1鎖合成を完了させる。
【0179】第1cDNA鎖にハイブリダイズしたmR
NAをアルカリ加水分解で除去した後、アルカリ加水分
解の生成物および残留ポリdTプライマーを排除カラム
で除去することができる。
【0180】b)第2鎖合成 5'ESTまたはコンティグ化コンセンサス5'ESTの
既知の5'配列および第1鎖合成に使用したポリdTプ
ライマーによって付加された既知の3'末端に基づい
て、各末端に対する一対のネステッド(nested)プライマ
ーを設計する。プライマーの設計に使用されるソフトウ
エアは、GC含有量およびオリゴヌクレオチド融解温度
に基づくか(例えばOSPソフトウエア;Illier and Gree
n, PCR Meth. Appl. 1:124-128, 1991)、例えばPC-Rare
(http://bioinformatics.weizmann.ac.il/software/PC-
Rare/doc/manuel.html)のようなオクターマー頻度相違
法(Griffais et al., Nucleic Acids Res. 19: 3887-38
91, 1991)のいずれかに基づく。
【0181】5'末端のネステッドプライマーおよび3'
末端のネステッドプライマーは、互いに4〜9塩基離れ
ていることが好ましい。PCRで使用するのに適した融
解温度および特異性を有するように、これらのプライマ
ー配列を選択することが可能である。
【0182】ネステッドプライマー対のそれぞれよりも
外側のプライマーを使用して、第1のPCRを実施し
た。次いで、第1のPCR産物の少量のサンプルに対し
て、同じ酵素およびネステッドプライマー対のそれぞれ
よりも内側のプライマーを使用した第2のPCRを実施
する。その後、プライマーおよび残留するヌクレオチド
単量体を除去する。
【0183】2.全長伸長cDNAまたはその断片の配
列決定 OSPソフトウエアを使用したPCR用に適合する5'
ネステッドプライマーの設計に対しては位置の制約がな
いため、2つのタイプのアンプリコンが得られる。第2
の5'プライマーは翻訳開始コドンの上流に位置し、従
って、全コード配列を含むネステッドPCR産物が生成
することが好ましい。このような全長伸長cDNAは、
直接クローニング手法に使用してもよい。しかし、第2
の5'プライマーが翻訳開始コドンの下流に位置し、そ
の結果、ORFの一部のみを含むPCR産物が生成する
場合もある。このような不完全なPCR産物を、以下の
セクションbに記載の改良された手法に供する。
【0184】a)完全なORFを含むネステッドPCR
産物 結果として得られるネステッドPCR産物が、5'ES
Tまたはコンセンサスコンティグ化5'EST配列から
予期される完全なコード配列を含むとき、そのPCR産
物を適当なベクターでクローニングする。
【0185】b)不完全なORFを含むネステッドPC
R産物 アンプリコンが完全なコード配列を含まないとき、完全
なコード配列と、全コード配列を含むPCR産物の両者
を得るための中間ステップが必要である。異なるPCR
産物から直接決定される数個の部分的配列から、完全な
コード配列を組み立てることができる。
【0186】全コード配列が完全に決定されたら、その
後は、コード領域全部を含むアンプリコンを得るため
に、PCR用に適合する新しいプライマーを設計する。
しかし、そのような場合、PCR用に適合する3'プラ
イマーは、対応するmRNAの3'UTRの内側に位置
し、従って、図3に図示する通り、この領域の一部(す
なわち、ポリA領域および時にはポリアデニル化シグナ
ル)が欠如したアンプリコンが生成する。次いで、この
ような全長伸長cDNAを適当なベクターにクローニン
グする。
【0187】c)伸長cDNAの配列決定 Perkin Elmerから入手可能なAmpliTaq DNAポリメラ
ーゼFSキットを用いたDie Terminator法を使用して、
伸長cDNAの配列決定を実施することができる。
【0188】PCR断片の配列を決定するために、プラ
イマーを選択するためのOSPのようなソフトウエア、
および32ヌクレオチドからなる最小限の重複を使用し
た最初の5'タグを含む歩行配列のコンティグ(contig)
を構築するためのASMG(Sutton et al., Genome Sci
ence Technol. 1: 9-19, 1995)のような自動化コンピュ
ータソフトウエアを使用して、プライマー歩行を実施す
る。全長cDNAの配列が得られるまでプライマー歩行
を実施することが好ましい。
【0189】3.全長伸長cDNAのクローニング 次いで、全コード配列を含有するPCR産物を適当なベ
クターでクローニングする。たとえば、伸長cDNAを
当業界で既知の任意の発現ベクターにクローニングする
ことができる。
【0190】上述の通りに得られたPCR産物は、いず
れの方向にもクローニングすることができる平滑末端を
有する分子であるため、各PCR産物について、幾つか
のクローンの配向性を決定する。次いで、4〜10個の
クローンをマイクロタイタープレートに並べ、ベクター
中のクローニング部位付近に位置する第1のプライマー
およびmRNAの3'末端に対応する伸長cDNAの一
部に位置する第2のプライマーを使用したPCR反応に
供する。この第2のプライマーは、直接クローニング
(事例a)の場合には、アンカード(anchored)PCRに
使用されるアンチセンスプライマーであってもよく、間
接クローニング(事例b)の場合には、3'UTRの内
側に位置するアンチセンスプライマーであってもよい。
伸長cDNAによりコードされるタンパク質が発現でき
るように伸長cDNAの開始コドンがベクターのプロモ
ーターに機能しうる形で連結されているクローンを保存
し、配列決定する。cDNAインサートの末端以外に
も、cDNAインサートの両側にあるベクターDNAの
約50塩基対も配列決定する。
【0191】クローン1個当たり少なくとも2つの配列
を得るために、クローン化PCR産物を完全に配列決定
する。好ましくは、以下の改変を伴う上述の手法に従っ
て、センスおよびアンチセンス鎖の両方から配列を得
る。第一に、クローンの同一性を確認するために、クロ
ーン化PCR産物の5'および3'末端の両方を配列決定
する。第二に、全コード領域が未だに得られていない場
合には、プライマー歩行を実施する。次いで、クローン
化産物の場合にはプライマー歩行配列を使用し、未クロ
ーン化産物の場合には既にコンティグ化(contigated)さ
れている歩行配列を使用して、コンティグ化を実施す
る。得られるコンティグが全コード領域ならびに両端に
ベクターDNAと重複する配列を含む場合には、配列が
完全であると考えられる。各クローン化アンプリコンに
対するコンティグ化配列を全て、コンセンサス配列を得
るのに使用する。
【0192】4.本発明の5'ESTから得られるクロ
ーン化全長配列の選択 下記の通りに夾雑物またはPCRアーチファクトから生
じる不要なクローン化配列を除去するために、陰性選択
を行うことができる。ベクターDNA、tRNA、mt
RNA、rRNA配列等の夾雑配列に一致する配列を排
除し、反復配列に対して広範な相同性を示すORF配列
をコードする配列を排除する。5'および3'タグ(セク
ション1、事例a)上でネステッドプライマーを使用す
る直接クローニングによって得られるが、ポリAテイル
を欠く配列を排除してもよい。シグナルペプチドを含有
し、かつポリAテイル以前(事例a)またはクローン化
3'UTRの末端以前(事例b)で終結するORFのみを
選択してもよい。次いで、サイズが20アミノ酸未満ま
たは未成熟タンパク質のサイズの25%未満の成熟タン
パク質といった、望ましくない成熟タンパク質を含むO
RFを排除してもよい。
【0193】次いで、複数のORFを含有する残りの全
長伸長cDNAの各々については、以下の基準を用いて
ORFの予備選択を実施することが可能である。シグナ
ルペプチドを有する最長のORFが好適である。ORF
のサイズが同程度の場合には、シグナルペプチドがVon
Heijne法の最高スコアを有するORFを選択する。
【0194】次いで、全長伸長cDNAクローンの配列
を、反復配列をマスクしたBLASTと対の状態(pairwise)
で比較することができる。30ヌクレオチドにわたって
少なくとも90%の相同性を含有する配列を同一クラス
でクラスター化させることができる。次いで、各クラス
ターを、内部プライミングまたは選択スプライシングよ
り生じる配列、複数のフレームシフトを有する同様の配
列を検出するクラスター分析にかける。この自動分析
は、配列の手動選択の基礎となる。
【0195】手動選択は、配列決定された各全長伸長c
DNAクローンに関して自動的に得られた報告を利用し
て行うことができる。この手動操作の際には、下記の通
りに同一クラスに属するクローン間で選択を操作する。
【0196】目的の配列をコードする全長伸長cDNA
クローンの選択は、以下の基準を使用して行う。構造パ
ラメーター(最初のタグ、ポリアデニル化部位およびシ
グナル)を確認してもよい。次いで、クローン配列が既
知の核酸/タンパク質配列と一致するか否かを判定する
ために、既知の核酸およびタンパク質との相同性を調査
し、後者の場合には、そのカバー率と配列が公になった
日付を調査する。キメラまたは二重インサートから得ら
れる配列または染色体の切断点に位置する配列は、他の
配列に対する相同性によって評価することで、この手法
の際に排除してもよい。
【0197】上述のように調製した伸長cDNAを次い
で遺伝子操作し、サブクローニング、PCRまたはin v
itroオリゴヌクレオチド合成等の従来の技術を利用して
伸長cDNAの所望の部分を含む核酸を得ることができ
る。例えば、伸長cDNAが分泌ポリペプチドをコード
する遺伝子から誘導される場合、伸長cDNAには、全
コード配列(即ち、シグナルペプチドとシグナルペプチ
ドを切断した後に残存する成熟タンパク質をコードする
配列)、成熟ポリペプチド(即ち、シグナルペプチドを
切断した後に得られるポリペプチド)をコードする配
列、またはシグナルペプチドに対するコード配列のみ、
が含まれる。
【0198】同様に、コードされているタンパク質に対
するコード配列の任意の他の所望の部分を含有する核酸
を得ることもできる。例えば、核酸は、伸長cDNAの
少なくとも10、12、15、18、20、23、2
5、28、30、35、40、50、75、100、2
00、300、500または1000個の連続した塩基
を含むことができる。
【0199】伸長cDNAが得られたら、配列決定を行
ってcDNAによってコードされるアミノ酸配列求める
ことができる。コードされているアミノ酸配列が決定さ
れれば、タンパク質をコードすると予想される多くのc
DNAの任意のものを、遺伝子コードの縮重を利用する
だけで作製および同定することができる。例えば、後述
するように、対立遺伝子変異体または他の相同な核酸を
同定することができる。あるいは、所望のアミノ酸配列
をコードする核酸をin vitroで合成できる。
【0200】好適な実施態様では、cDNAが発現され
る宿主生物に対する既知のコドンまたはコドン対の優位
性を利用してコード配列を選択してもよい。
【0201】対応するmRNAの真の5'末端並びに対
応するmRNAの全タンパク質コード配列を含むcDN
Aを得るためのPCRに基づく方法以外にも、従来慣用
のハイブリダイゼーションに基づく方法を使用してもよ
い。これらの方法を使用して、5'ESTまたはコンテ
ィグ化コンセンサス5'ESTの起源であるmRNA、
伸長cDNAに対応するmRNA、または伸長cDN
A、5'ESTまたはコンティグ化コンセンサス5'ES
Tに相同な核酸をコードするゲノムDNAを得ることが
できる。下記の実施例18では、このような方法の例を
提供する。
【0202】von Heijneの行列法(Nuc. Acids Res. 1
4:14683-4690(1986))と実施例12に記載の修飾を利用
して、最初のアミノ酸50個中に、または妥当な場合には
ORFのアミノ酸20個以下までのより短い領域内にシ
グナルペプチドが存在するか否かについて、同定された
各ORFを走査してもよい。
【0203】d)ヌクレオチドまたはタンパク質配列に
対する相同性 次いで、全長伸長cDNAの配列を既知のヌクレオチド
配列と比較する。全長伸長cDNAによってコードされ
るポリペプチドは既知のポリペプチド配列と比較する。
【0204】全長伸長cDNAの配列は、Genbank, EMB
LデータベースおよびGenseq(特許化されたヌクレオチ
ド配列のDerwent'sデータベース)の脊椎動物およびE
ST配列等の既知の核酸配列と比較する。全長cDNA
配列は、本出願人によって既に同定されている配列を探
すために、私的データベースの配列(Genset内部配列)
とも比較する。BLASTNまたはBLAST2Nのいずれかを用い
た場合に30ヌクレオチドにわたって90%を超える相
同性を有するとされた全長伸長cDNAの配列は、既に
記載されている配列とみなす。次いで、脊椎動物配列の
マッチングを、FASTAを使用して調査する。30ヌクレ
オチドにわたって70%を超える相同性を有する全長伸
長cDNAは、既に記載されている配列とみなす。
【0205】セクションc)で定義したような全長伸長
cDNAによってコードされるORFを、次いで、Swis
sprot, PIRおよびGenptept(特許化されたタンパク質配
列のDerwent'sデータベース)等の公的データベースに
見られる既知のアミノ酸配列と比較する。これらの分析
は、BLASTP(パラメータW=8、最大一致は10)を用
いて行った。既知のタンパク質配列に対して広範な相同
性を示す全長伸長cDNAの配列は、既に同定されてい
るタンパク質とみなす。
【0206】さらに、全長伸長cDNAの上部鎖の3通
りのフレームを概念的に翻訳した産物を、BLASTX(パラ
メータE=0.001)を用いるSwissprotの公知のアミノ酸
配列と比較する。30アミノ酸領域にわたって70%を
超える相同性を有する全長伸長cDNAの配列は、既に
同定されているアミノ酸として検出する。
【0207】5.本発明の5'ESTから得られたクロ
ーン化全長配列の選択 次いで、前述のコンピューター分析によって予め特性決
定しておいたクローン化全長伸長cDNA配列を、目的
の配列を含有する全長伸長cDNAを予備選択するため
に自動手法にかける。
【0208】a)自動配列予備選択 両末端でベクターに結合(clipped)した完全なクローン
化全長伸長cDNAの全てを考慮する。第一に、下記の
通りに夾雑物またはPCRアーチファクトから生じる不
要なクローン化配列を除去するために、陰性選択を操作
する。セクション4a)に記載のように、ベクターDN
A、tRNA、mtRNA、rRNA配列等の夾雑配列
に一致する配列を排除し、反復配列に対して広範な相同
性を示すORF配列をコードする配列を排除する。5'
および3'タグ(セクション1、事例a)上でネステッド
プライマーを使用する直接クローニングによって得られ
るが、ポリAテイルを欠く配列を排除してもよい。シグ
ナルペプチドを含有し、かつポリAテイル以前(事例a)
またはクローン化3'UTRの末端以前(事例b)で終結
するORFのみを維持する。次いで、サイズが20アミ
ノ酸未満または未成熟タンパク質のサイズの25%未満
の成熟タンパク質といった、望ましくない成熟タンパク
質を含むORFを排除する。
【0209】次いで、複数のORFを含有する残りの全
長伸長cDNAの各々については、以下の基準を用いて
ORFの予備選択を実施する。シグナルペプチドを有す
る最長のORFが好適である。ORFのサイズが同程度
の場合には、シグナルペプチドがVon Heijne法の最高ス
コアを有するORFを選択する。
【0210】次いで、全長伸長cDNAクローンの配列
を、反復配列をマスクしたBLASTと対の状態で比較す
る。30ヌクレオチドにわたって少なくとも90%の相
同性を含有する配列を同一クラスでクラスター化させ
る。次いで、各クラスターを、内部プライミングまたは
選択スプライシングより生じる配列、複数のフレームシ
フトを有する同様の配列を検出するクラスター分析にか
ける。この自動分析は、配列の手動選択の基礎となる。
【0211】b)手動配列選択 手動選択は、配列決定された各全長伸長cDNAクロー
ンに関して自動的に得られた報告を利用して行うことが
できる。この手動操作の際には、下記の通りに同一クラ
スに属するクローン間で選択を操作する。同一のクラス
に属するクローンによってコードされるORF配列は、
アライメントをとって比較する。同一のクラスに属する
クローンのヌクレオチド配列間の相同性が30ヌクレオ
チド領域にわたって90%を超える場合、または同一の
クラスに属するクローンのアミノ酸配列間の相同性が2
0アミノ酸領域にわたって80%を超える場合には、ク
ローンは同一であると考える。選択したORFは、既知
のアミノ酸配列との一致を示すものであるか、または自
動配列予備選択のセクションで触れた基準に従うものが
最良である。ヌクレオチドおよびアミノ酸の相同性はそ
れぞれ90%未満および80%未満であり、クローンが
目的の配列を含む場合には、選別し得る異なるタンパク
質がコードされていると言える。
【0212】目的の配列をコードする全長伸長cDNA
クローンの選択は、以下の基準を使用して行う。構造パ
ラメーター(最初のタグ、ポリアデニル化部位およびシ
グナル)をまず確認する。次いで、クローン配列が既知
のヌクレオチド/タンパク質配列と一致するか否かを判
定するために、既知の核酸およびタンパク質との相同性
を調査し、後者の場合には、そのカバー率と配列が公に
なった日付を調査する。ESTもしくはゲノムDNA以
外の配列との間に広範な一致が認められない場合、また
はクローン配列が実質的に新規な情報(例えば、既知の
タンパク質をコードするmRNAの選択的スプライシン
グによって生じるタンパク質をコードしているといった
情報)を有している場合には、その配列を維持する。目
的の配列を含有するこのようなクローン化全長伸長cD
NAの例は、実施例18に記載する。キメラまたは二重
インサートから得られる配列または染色体の切断点に位
置する配列は、他の配列に対する相同性によって評価す
ることで、この手法の際に排除する。
【0213】上述のように調製した伸長cDNAを次い
で遺伝子操作し、サブクローニング、PCRまたはin v
itroオリゴヌクレオチド合成等の従来の技術を利用して
伸長cDNAの所望の部分を含む核酸を得ることができ
る。例えば、当業者に公知の技術を利用して、全コード
配列(即ち、シグナルペプチドとシグナルペプチドを切
断した後に残存する成熟タンパク質をコードする配列)
のみを含む核酸を得ることができる。あるいは、従来慣
用の技術を適用して、シグナルペプチドを切断した後に
残存する成熟タンパク質のコード配列のみを含む核酸、
またはシグナルペプチドのコード配列のみを含む核酸を
得ることができる。
【0214】同様に、コードされているタンパク質に対
するコード配列の任意の他の所望の部分を含有する核酸
を得ることもできる。例えば、核酸は、伸長cDNAの
少なくとも10、15、18、20、25、28、3
0、35、40、50、75、100、150、20
0、300、400または500個の連続した塩基を含
むことができる。
【0215】伸長cDNAが得られたら、配列決定を行
ってcDNAによってコードされるアミノ酸配列求める
ことができる。コードされているアミノ酸配列が決定さ
れれば、タンパク質をコードすると予想される多くのc
DNAの任意のものを、遺伝子コードの縮重を利用する
だけで作製および同定することができる。例えば、後述
するように、対立遺伝子変異体または他の相同な核酸を
同定することができる。あるいは、所望のアミノ酸配列
をコードする核酸をin vitroで合成できる。
【0216】好適な実施態様では、cDNAが発現され
る宿主生物に対する既知のコドンまたはコドン対の優位
性を利用してコード配列を選択してもよい。
【0217】対応するmRNAの真の5'末端並びに対
応するmRNAの完全なタンパク質コード配列を含むc
DNAを得るためのPCRに基づく方法以外にも、従来
慣用のハイブリダイゼーションに基づく方法を使用して
もよい。これらの方法を使用して、5'ESTまたはコ
ンセンサスコンティグ化5'ESTの起源であるmRN
A、伸長cDNAに対応するmRNA、または伸長cD
NA、5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'E
STに相同な核酸をコードするゲノムDNAを得ること
ができる。下記の実施例18では、このような方法の例
を提供する。
【0218】実施例18 全コード領域を含む伸長cDNAおよび対応するmRN
Aの真の5'末端または 伸長cDNA、5'ESTもしく
はコンセンサスコンティグ化5'ESTに相同な核酸を
取得する方法 上記実施例1〜4の方法を使用し、実施例2で使用した
ランダムノナマーをoligo-dTプライマーに換えることに
よって、全長cDNAライブラリーを作製することがで
きる。あるいはまた、cDNAライブラリーまたはゲノ
ムDNAライブラリーを、販売元から入手してもよく、
または当業者に周知の技術を使用して作製してもよい。
【0219】下記の通りに、このようなcDNAライブ
ラリーまたはゲノムDNAライブラリーを使用して、
5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTか
ら取得した伸長cDNAまたは該伸長cDNA、5'E
STまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTに相同
な核酸を単離することができる。cDNAライブラリー
またはゲノムDNAライブラリーを、検出可能なプロー
ブにハイブリダイズさせる。検出可能なプローブは、
5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは
伸長cDNAの少なくとも10、15、18、20、2
5、28、30、35、40、50、75、100、1
50、200、300、400または500個の連続し
たヌクレオチドを含むことができる。
【0220】Sambrookら、Molecular Cloning: A Labora
tory Manual 2d Ed., Cold SpringHarbor Laboratory P
ress, 1989(その開示内容を、参照により本明細書に援
用する)には、所与のプローブ配列にハイブリダイズす
るcDNAライブラリーのcDNAクローンを同定する
技術が開示されている。同じ技術を用いてゲノムDNA
を単離できる。
【0221】簡単に記載すると、さらなる操作のために
下記の通りに検出可能なプローブとハイブリダイズする
cDNAクローンまたはゲノムDNAクローンを同定
し、単離する。先の段落に記載した検出可能なプローブ
は、放射性同位元素または蛍光分子等の検出可能な標識
で標識する。プローブを標識する技術は周知であり、ポ
リヌクレオチドキナーゼを用いたリン酸化、ニック翻
訳、in vitro転写、および非放射性技術が含まれる。ラ
イブラリー中のcDNAまたはゲノムDNAをニトロセ
ルロースフィルターまたはナイロンフィルターに転写
し、変性させる。非特異的部位を遮断した後、プローブ
にハイブリダイズすることができる配列を含むcDNA
またはゲノムDNAにプローブを結合させるのに十分な
時間、フィルターを標識プローブと共にインキュベート
する。
【0222】検出可能なプローブにハイブリダイズする
cDNAまたはゲノムDNAの同定に使用されるハイブ
リダイゼーション条件のストリンジェンシーを変えるこ
とによって、下記の通りに、プローブとの相同性のレベ
ルが異なるcDNAまたはゲノムDNAを同定し、単離
することができる。
【0223】1.標識プローブと高度の相同性を有する
cDNA配列またはゲノムDNA配列の同定 プローブ配列と高度の相同性を有するcDNAまたはゲ
ノムDNAを同定するために、次式を使用して、プロー
ブの融解温度を算出することが可能である。14〜70
ヌクレオチド長のプローブの場合、次式: Tm=81.5+16.6(log [Na+])+0.41(分画G+C)-(600/N) (式中、Nはプローブの長さである)を使用して、融解
温度(Tm)を算出する。ホルムアミドを含有する溶液
中でハイブリダイゼーションを実施する場合、式: Tm=81.5+16.6(log [Na+])+0.41(分画 G+C)-(0.63% ホル
ムアミド)-(600/N) (式中、Nはプローブの長さである)を使用して、融解
温度を算出することができる。
【0224】プレハイブリダイゼーションは、6×SSC、5
×Denhardt試薬、0.5%SDS、100μgの変性され断
片化されたサケ精子DNA中、または6×SSC、5×Denhar
dt試薬、0.5%SDS、100μgの変性され断片化され
たサケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施するこ
とが可能である。Sambrookら(前出)には、SSCおよびD
enhardt溶液に関する処方が記載されている。
【0225】検出可能なプローブを上記プレハイブリダ
イゼーション溶液に加えることによって、ハイブリダイ
ゼーションを実施する。プローブが二本鎖DNAを含む
場合、これを変性させてからハイブリダイゼーション溶
液に加える。プローブに相補的な配列またはプローブに
相同な配列を含む伸長cDNAまたはゲノムDNAとプ
ローブをハイブリダイズさせるのに十分な時間、フィル
ターをハイブリダイゼーション溶液と接触させる。長さ
が200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、Tmよ
り15〜25℃低い温度でハイブリダイゼーションを実
施することが可能である。オリゴヌクレオチドプローブ
のようなより短いプローブの場合、Tmより15〜25
℃低い温度でハイブリダイゼーションを実施することが
可能である。6×SSC中でハイブリダイゼーションを行う
場合、約68℃でハイブリダイズさせることが好まし
い。50%ホルムアミド含有溶液中でハイブリダイゼー
ションを行う場合、約42℃でハイブリダイズさせるこ
とが好ましい。
【0226】前述のハイブリダイゼーションは全て、
「ストリンジェントな」条件下であると考えられる。
【0227】ハイブリダイゼーション後、フィルター
を、2×SSC、0.1%SDS中、室温で15分間洗浄する。
次いで、このフィルターを、0.1×SSC、0.5%SDS
で、室温で30分〜1時間洗浄する。その後、この溶液
を、0.1×SSC、0.5%SDS中、ハイブリダイゼーショ
ン温度で洗浄する。最終的な洗浄を、0.1×SSC中、室温
で実施する。
【0228】プローブとハイブリダイズしたcDNAま
たはゲノムDNAを、オートラジオグラフィまたは他の
従来技術で、同定する。
【0229】2.標識プローブと低度の相同性を有する
cDNA配列またはゲノムDNA配列の取得 プローブ配列との相同性レベルを低下させたcDNAま
たはゲノムDNAを同定するために、上記手法を改変す
ることが可能である。たとえば、検出可能プローブとの
相同性が低いcDNAまたはゲノムDNAを取得するた
めに、より低いストリンジェント条件を使用してもよ
い。たとえば、ナトリウム濃度が約1Mのハイブリダイ
ゼーション緩衝液中で、ハイブリダイゼーション温度
を、68℃から42℃まで5℃ずつ下げてもよい。ハイ
ブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション温度に
て、2×SSC、0.5%SDSでフィルターを洗浄してもよ
い。これらの条件は、50℃以上で「中程度」条件、5
0℃未満で「低度」条件であると考えられる。
【0230】あるいは、ホルムアミドを含む6×SSCのよ
うな緩衝液中、温度42℃で、ハイブリダイゼーション
を実施してもよい。この場合、プローブとの相同性レベ
ルが低いクローンを同定するために、ハイブリダイゼー
ション緩衝液中のホルムアミド濃度を50%から0%ま
で5%ずつ下げてもよい。ハイブリダイゼーション後、
50℃の6×SSC、0.5%SDSでフィルターを洗浄して
もよい。これらの条件は、25%を超えるホルムアミド
で「中程度」条件、25%未満のホルムアミドで「低
度」条件と考えられる。
【0231】プローブにハイブリダイズしたcDNAま
たはゲノムDNAを、オートラジオグラフィで同定す
る。
【0232】3.取得したcDNAもしくはゲノムDN
Aと5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTも
しくは伸長cDNAとの間の相同性、または取得したc
DNAもしくはゲノムDNAによってコードされるポリ
ペプチドと5'EST、コンセンサスコンティグ化5'E
STもしくは伸長cDNAによってコードされるポリペ
プチドとの相同性の程度の決定 ハイブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAと、プ
ローブの起源である5'EST、コンセンサスコンティ
グ化5'ESTまたは伸長cDNAとの相同性のレベル
を決定するために、ハイブリダイズした核酸のヌクレオ
チド配列と、プローブの起源である5'EST、コンセ
ンサスコンティグ化5'ESTまたは伸長cDNAのヌ
クレオチド配列とを比較する。プローブの起源である
5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは
伸長cDNAの配列と、検出可能なプローブにハイブリ
ダイズしたcDNAまたはゲノムDNA配列を、後述す
るようにコンピュータ読取り媒体に記憶し、後述するよ
うに当業者に周知の様々なアルゴリズムのうちの任意の
ものを使用して互いに比較すればよい。
【0233】ハイブリダイズするcDNAまたはゲノム
DNAによってコードされるポリペプチドと、プローブ
の起源である5'EST、コンセンサスコンティグ化5'
ESTまたは伸長cDNAによってコードされるポリペ
プチドとの相同性のレベルを決定するために、ハイブリ
ダイズした核酸によってコードされるポリペプチド配列
と、プローブの起源である5'EST、コンセンサスコ
ンティグ化5'ESTまたは伸長cDNAによってコー
ドされるポリペプチド配列とを比較する。プローブの起
源である5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ES
Tまたは伸長cDNAによってコードされるポリペプチ
ドの配列と、検出可能なプローブにハイブリダイズした
cDNAまたはゲノムDNAによってコードされるポリ
ペプチド配列を、後述するようにコンピュータ読取り媒
体に記憶し、後述するように当業者に周知の様々なアル
ゴリズムのうちの任意のものを使用して互いに比較すれ
ばよい。
【0234】タンパク質および/または核酸配列の相同
性は、当業界で公知の様々な配列比較アルゴリズムおよ
びプログラムの任意のものを使用して評価してもよい。
このようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、限
定するわけではないが、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFAS
TAおよびCLUSTALW(PearsonおよびLipman, 1988, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 85(8): 2444-2448; Altschul
ら, 1990, J. Mol. Biol. 215(3): 403-410; Thompson
ら, 1994, Nucleic Acids Res. 22(2): 4673-4680; Hig
ginsら, 1996, Methods Enzymol. 266: 383-402; Altsc
hulら, 1990, J. Mol. Biol. 215(3): 403-410; Altsch
ulら, 1993, Nature Genetics 3: 266-272)が挙げられ
る。
【0235】特に好適な態様では、当業界で周知のBasi
c Local Alignment Search Tool(「BLAST」)を用いて、タ
ンパク質および核酸配列の相同性を評価する(例えば、
KarlinおよびAltschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 87: 2267-2268; Altschulら, 1990, J. Mol. Bio
l. 215: 403-410; Altschulら, 1993, Nature Genetics
3: 266-272; Altschulら, 1997, Nuc. Acids Res. 25:
3389-3402を参照)。特に、5つの具体的なBLASTプロ
グラムを使用して以下のタスクを実行する:
【0236】(1)BLASTPおよびBLAST3は、アミノ酸の
問い合せ配列をタンパク質配列データベースと比較す
る; (2)BLASTNは、ヌクレオチドの問い合せ配列をヌクレ
オチド配列データベースと比較する; (3)BLASTXは、ヌクレオチドの問い合せ配列(両鎖と
も)の6通りのフレームを概念的に翻訳した産物を、タン
パク質配列データベースと比較する; (4)TBLASTNは、タンパク質の問い合せ配列を、6通り
全てのリーディングフレーム(両鎖とも)において翻訳し
たヌクレオチド配列データベースと比較する;および (5)TBLASTXは、ヌクレオチドの問い合せ配列の6通り
のフレーム翻訳産物を、ヌクレオチド配列データベース
の6通りのフレーム翻訳産物と比較する。
【0237】BLASTプログラムは、アミノ酸または核酸
の問い合せ配列と好ましくはタンパク質または核酸の配
列データベースから得られる試験配列との間で類似する
セグメントを同定することによって相同な配列を同定す
るものである。該セグメントは「高スコアリングセグメ
ント対(high-scoring segment pair)」と呼ばれる。好
ましくは、スコア行列によって高スコアリングセグメン
ト対を同定する(即ち、アライメントをとる)。スコア行
列の多くは当業界で公知である。好ましくは、使用する
スコア行列はBLOSUM62行列である(Gonnetら, 1992, Sci
ence 256:1443-1445; HenikoffおよびHenikoff, 1993,
Proteins 17: 49-61)。好ましさは劣るが、PAMまたはPA
M250行列を使用してもよい(例えば、SchwartzおよびDay
hoff編、1978, Matrices for Detecting Distance Rela
tionships: Atlas of Protein Sequence and Structur
e, Washington: National Biomedical Research Founda
tionを参照)。
【0238】BLASTプログラムは、同定された全ての高
スコアリングセグメント対の統計学的な有意性を評価
し、好ましくは、ユーザーに特有の有意性の閾値(例え
ば、ユーザーに特有の相同性の%)を満たすセグメント
を選択する。好ましくは、高スコアリングセグメント対
の統計学的な有意性は、統計学的有意性のKarlinの式を
用いて評価する(例えば、KarlinおよびAltschul, 199
0, Proc. Natl. Acad. Sci, USA 87: 2267-2268を参
照)。
【0239】上述のアルゴリズムに使用するパラメータ
は、配列の長さや調査する相同性の程度に応じて適応さ
せることができる。ある実施態様では、パラメータは、
ユーザーから指示がない場合にアルゴリズムで使用され
るデフォルトパラメータであってもよい。
【0240】ある実施態様では、ハイブリダイズした核
酸と、プローブの起源である伸長cDNA、5'EST
または5'コンセンサスコンティグ化ESTとの間の相
同性のレベルを、Brutlagら, Comp. App. Biosci. 6: 2
37-245, 1990に記載のFASTDBアルゴリズムを用いて決定
してもよい。このような分析では、パラメータは以下の
ように選択すればよい:Matrix=Unitary、k-tuple=
4、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=30、Ran
domization Group Length=0、Cutoff Score=1、Gap
Penalty=5、Gap Size Penalty=0.05、Window Size
=500またはプローブにハイブリダイズする配列の長さ
のいずれか短い方。FASTDBプログラムでは相同性レベル
を計算する際に5'末端切断または3'末端切断が考慮さ
れないため、プローブの起源である伸長cDNA、5'
ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTの配
列に比べてプローブにハイブリダイズする配列が末端切
断されている場合には、ハイブリダイズ配列と一致しな
いかまたはアライメントが取れない伸長cDNA、5'
ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTのヌ
クレオチド数を計算し、非一致のまたはアライメントが
取れないヌクレオチドに相当するハイブリダイズ配列の
全ヌクレオチドの割合を決定し、この割合を相同性レベ
ルから差し引いて相同性のレベルを手動で調整する。例
えば、ハイブリダイズ配列が700ヌクレオチド長であ
り、伸長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5'EST配列が1000ヌクレオチド長であっ
て、伸長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5'ESTの5'末端側の最初の300塩基がハイ
ブリダイズ配列から欠けており、重複する700ヌクレオ
チドが同一である場合には、相同性レベルを以下のよう
に調整する。非一致かつアライメントが取れない300塩
基は、伸長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコ
ンティグ化5'ESTの長さの30%に相当する。重複
する700ヌクレオチドが100%同一の場合には、調整した
後の相同性レベルは100−30=70%相同性となる。前述
の調整は、非一致のまたはアライメントが取れないヌク
レオチドが5'末端または3'末端にある場合に限って行
うことができる点に留意すべきである。非一致のまたは
アライメントが取れない配列が内部または他の任意の条
件下にある場合は、調整を行わない。
【0241】例えば、上記の方法を使用することによ
り、プローブの起源である伸長cDNA、5'ESTま
たはコンセンサスコンティグ化5'ESTに対して少な
くとも95%の核酸相同性、少なくとも96%の核酸相同
性、少なくとも97%の核酸相同性、少なくとも98%の核
酸相同性、少なくとも99%の核酸相同性、または99%を
超える核酸相同性を有する核酸を取得・同定することが
できる。このような核酸は、対立遺伝子変異体であって
も、他の種に由来する該当する核酸であってもよい。同
様に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
を徐々に低くすることにより、プローブの起源である伸
長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコンティグ
化5'ESTに対して少なくとも90%、少なくとも85
%、少なくとも80%、または少なくとも75%の相同性を
有する核酸を取得・同定することができる。
【0242】上記の方法および、配列の長さや調査する
相同性の程度に応じたパラメータ(例えば、ユーザーか
ら指示がない場合にアルゴリズムで使用されるデフォル
トパラメータ)を使用するFASTA等のアルゴリズムを使用
することにより、プローブの起源である伸長cDNA、
5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTに
よってコードされるタンパク質に対して少なくとも99
%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96
%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85
%、少なくとも80%または少なくとも75%の相同性を有
するタンパク質をコードする核酸を取得することができ
る。ある実施態様では、「デフォルト」Opening Penalt
yと「デフォルト」Gap Penalty並びにPAM250(標準的な
スコア行列;Dayhoffら, Atlas of Protein Sequence a
nd Structure, Vol. 5, Supp. 3 (1978)を参照)等のス
コア行列を使用して、相同性レベルを決定することがで
きる。
【0243】あるいは、ポリペプチドの相同性のレベル
は、Brutlagら, Comp. App. Biosci. 6: 237-245, 1990
に記載のFASTDBアルゴリズムを用いて決定してもよい。
このような分析では、パラメータは以下のように選択す
ればよい:Matrix=PAM 0、k-tuple=2、Mismatch Pen
alty=1、Joining Penalty=20、Randomization Group
Length=0、Cutoff Score=1、Window Size=Sequen
ce Length、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty=0.0
5、Window Size=500または相同な配列の長さのいずれ
か短い方。相同なアミノ酸配列が、N末端および/また
はC末端欠失の結果、伸長cDNA、5'ESTまたは
コンセンサスコンティグ化5'ESTによってコードさ
れるアミノ酸配列よりも短い場合には、結果を以下のよ
うに手動で補正してもよい。第一に、相同配列と一致し
ないかまたはアライメントが取れない伸長cDNA、
5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTに
よってコードされるアミノ酸配列のアミノ酸残基数を決
定する。次いで、非一致のまたはアライメントが取れな
いアミノ酸に相当する伸長cDNA、5'ESTまたは
コンセンサスコンティグ化5'ESTによってコードさ
れる配列の長さの割合を計算する。この割合を相同性レ
ベルから差し引く。例えば、伸長cDNA、5'EST
またはコンセンサスコンティグ化5'ESTによってコ
ードされるアミノ酸配列が100アミノ酸長であり、相同
配列の長さが80アミノ酸であり、伸長cDNAまたは
5'ESTによってコードされるアミノ酸配列が、相同
配列と比較してN末端で末端切断されている場合には、
相同性レベルは以下のように計算する。上述した概要で
は、伸長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5'ESTによってコードされる配列中には、
非一致かつアライメントが取れないアミノ酸が20個存在
する。これは、伸長cDNA、5'ESTまたはコンセ
ンサスコンティグ化5'ESTによってコードされるア
ミノ酸配列の長さの20%に相当する。残りのアミノ酸が
2つの配列間で100%同一であれば、相同性レベルは100
%−20%=80%相同性となる。非一致のまたはアライメ
ントが取れない配列が内部または他の任意の条件下にあ
る場合は、調整を行わない。
【0244】上述の方法以外にも、他のプロトコルを利
用し、以下の段落で概説する5'ESTまたはコンセン
サスコンティグ化5'ESTを用いて伸長cDNAを得
ることもできる。
【0245】ポリA選択手法または当業者に公知の他の
技術を使用するmRNA調製手法を利用して、目的の組
織、細胞または生物からmRNAを取得することによっ
て伸長cDNAを調製してもよい。mRNAのポリAテ
イルにハイブリダイズ可能な第1プライマーをmRNA
にハイブリダイズさせ、逆転写反応を行って第1cDN
A鎖を生成する。
【0246】第1cDNA鎖を、配列番号24〜4100およ
び8178〜36681の配列の少なくとも10個の連続したヌク
レオチドを含む第2プライマーにハイブリダイズさせ
る。好ましくは、このプライマーは、配列番号24〜4100
および8178〜36681の配列に由来する少なくとも10、
12、15、17、18、20、23、25または28
個の連続したヌクレオチドを含んでなるものである。あ
る実施態様では、プライマーは、配列番号24〜4100およ
び8178〜36681の配列に由来する30よりも多くのヌクレ
オチドを含んでなる。真の翻訳開始部位を含む全タンパ
ク質コード配列を含む伸長cDNAを取得するのが望ま
しい場合には、使用する第2プライマーは、翻訳開始部
位の上流に位置する配列を含むものである。第2プライ
マーを伸長させて、第1cDNA鎖に相補的な第2cD
NA鎖を生成させる。あるいは、取得すべきcDNAの
両末端に由来するプライマーを使用して、上述のように
RT−PCRを実施してもよい。
【0247】配列番号24〜4100および8178〜36681の配
列を含んでなるmRNAを、EST関連核酸の断片に相
補的な配列を含んでなるプライマーとハイブリダイズさ
せ、ハイブリダイズしたプライマーを逆転写してmRN
Aから第1cDNA鎖を作製することにより、mRNA
の5'側断片を含む伸長cDNAを調製することができ
る。好ましくは、プライマーは、配列番号24〜4100およ
び8178〜36681に相補的な配列の少なくとも10、1
2、15、17、18、20、23、25または28個
の連続したヌクレオチドを含んでなるものである。
【0248】その後、第1cDNA鎖に相補的な第2c
DNA鎖を合成する。第2cDNA鎖は、第1cDNA
鎖中の配列に相補的なプライマーを第1cDNA鎖へハ
イブリダイズさせ、プライマーを伸長させて第2cDN
A鎖を生成させることにより作製することができる。
【0249】上述の方法を利用して作製した二本鎖の伸
長cDNAを単離およびクローニングする。伸長cDN
Aは、適切な宿主細胞中で複製可能なプラスミドまたは
ウイルスベクター等のベクターへクローニングする。例
えば、宿主細胞は細菌細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞、
または昆虫細胞であってよい。
【0250】mRNAを単離し、mRNAにハイブリダ
イズしたプライマーを逆転写して第1cDNA鎖を生成
させ、プライマーを伸長させて第1cDNA鎖に相補的
な第2cDNA鎖を作製し、二本鎖cDNAを単離して
二本鎖cDNAをクローニングする技術は当業者には周
知であり、Current Protocols in Molecular Biology,
John Wiley & Sons, Inc. 1997およびSambrookら, Mole
cular Cloninig: A Laboratory Manula,第二版, Cold S
pring Harbor Laboratory Press, 1989に記載されてい
る(これらの開示の全内容は、引用により本明細書に含
まれるものとする)。
【0251】あるいは、全長cDNAまたは伸長cDN
Aを取得する他の手法を使用してもよい。一つのアプロ
ーチでは、全長または伸長cDNAをmRNAから調製
し、以下のように二本鎖ファージミドへクローニングす
る。次いで、二本鎖ファージミドのcDNAライブラリ
ーを、ファージF1の遺伝子II産物等のエンドヌクレアー
ゼおよびエキソヌクレアーゼで処理して一本鎖にする
(Changら, Gene 127: 95-8, 1993)。EST関連核酸
の断片の配列を含んでなるビオチン化オリゴヌクレオチ
ドを、一本鎖ファージミドへハイブリダイズさせる。好
ましくは、この断片は、配列番号24〜4100および8178〜
36681の配列の少なくとも10、12、15、17、1
8、20、23、25または28個の連続したヌクレオ
チドを含んでなるものである。
【0252】ビオチン化オリゴヌクレオチドとファージ
ミドとのハイブリッドを、このハイブリッドをストレプ
トアビジンで被覆した常磁性ビーズとインキュベートし
て該ビーズを磁石で回収することによって単離する(Fr
yら, Biotechniques, 13: 124-131, 1992)。その後、
得られたファージミドをビーズから遊離させ、ビオチニ
ル化オリゴヌクレオチドを設計するのに使用した5'E
STまたはコンセンサスコンティグ化5'EST配列に
対して特異的なプライマーを用いて二本鎖DNAへ変換
させる。あるいは、Gene Trapperキット(Gibco BRL)
等のプロトコルを使用してもよい。得られた二本鎖DN
Aで細菌を形質転換させる。5'ESTまたはコンセン
サスコンティグ化5'EST配列を含む伸長cDNAま
たは全長cDNAを、コロニーPCRまたはコロニーハ
イブリダイゼーションによって同定する。
【0253】セクションIIIに記載した方法のうち任意
のものを用いて、全長タンパク質コード配列またはこの
タンパク質コード配列の一部を含む複数の伸長cDNA
を、コードされているタンパク質を評価するために、ま
たは後述するような診断アッセイに使用するために、c
DNAライブラリーとして取得してもよい。
【0254】実施例19 全長cDNA 実施例17および18に記載の手法を利用して、様々な
組織の5'EST由来の376個の伸長cDNAまたは全長
cDNAを取得した。以下の説明は、このようにして取
得したcDNAの例を示すものである。
【0255】この手法を利用して、配列番号1(内部識
別番号58-34-2-E7-FL2)の全長cDNAを取得した。こ
のcDNAは、von Heijneスコアが5.5のシグナルペプ
チドMWWFQQGLSFLPSALVIWTSA(配列番号2)をコードす
るものである。
【0256】このアプローチを利用して、配列番号3
(内部識別番号48-19-3-G1-FL1)の全長cDNAを取得し
た。このcDNAは、von Heijneスコアが8.2のシグナ
ルペプチドMKKVLLLITAILAVAVG(配列番号4)をコード
するものである。
【0257】この手法を利用して、配列番号5(内部識
別番号58-35-2-F10-FL2)の全長cDNAを取得した。こ
のcDNAは、von Heijneスコアが10.7のシグナルペプ
チドLWLLFFLVTAIHA(配列番号6)をコードするもので
ある。
【0258】さらに、伸長または全長cDNAによって
コードされるポリペプチドを、既知の構造モチーフもし
くは機能的モチーフの有無について、またはシグネチャ
ー(signature;タンパク質ファミリーのメンバー間で十
分に保存されている短いアミノ酸配列)の有無について
スクリーニングしてもよい。5'EST由来のいくつか
の全長cDNAによってコードされるポリペプチドに対
して、GCGパッケージのProscanソフトウエアおよびPros
ite 15.0データベースを用いて既知のタンパク質のシグ
ネチャーおよびモチーフの有無についてスクリーニング
した結果を以下に示す。
【0259】配列番号7(内部呼称78-8-3-E6-CL0-1C)の
全長cDNAによってコードされ、かつ成体の前立腺で
発現される配列番号8のタンパク質は、位置90〜112に
由来する特徴的なPROSITEシグネチャーを示すホスファ
チジルエタノールアミン結合性タンパク質に属する。線
虫からハエ、酵母、齧歯類および霊長類種に及ぶこの広
範なファミリーに由来するタンパク質は、リン脂質等の
疎水性リガンドおよびヌクレオチドと結合する。これら
は、多くの場合脳および精巣で発現され、細胞増殖およ
び/または細胞成熟、精子の成熟や運動性の調節、並び
に膜のリモデリングに作用すると考えられる。これら
は、シグナル伝達または酸化還元反応のいずれかを介し
て作用すると考えられる(概説については、Schoentgen
およびJolles, FEBS Letters, 369: 22-26 (1995)を参
照)。以上のことを考え合わせると、これらのデータか
ら、配列番号8のタンパク質が、細胞増殖、細胞成熟お
よび膜のリモデリングに作用し、並びに/または男性の
生殖能力に関与する可能性が示唆される。従って、これ
らのタンパク質は、癌、神経変性疾患(neurodegenerati
ve disease)および/または男性の生殖能力や生殖不能
に関連する障害の診断および/または治療に有用であ
る。
【0260】配列番号9(内部呼称108-013-5-O-H9-FL
C)の全長cDNAによってコードされる配列番号10の
タンパク質は、真核生物(酵母、ウサギ、齧歯類および
ヒト)間で保存されているリゾホスホリパーゼのファミ
リーと相同性を示す。さらに、このファミリーのメンバ
ーには、カルシウム非依存性ホスホリパーゼA2活性を示
すものもある(Portillaら, J. Am. Soc. Nephro., 9: 1
178-1186 (1998))。このファミリーのメンバーは全て、
カルボキシルエステラーゼのGXSXGモチーフに一致する
活性部位を示し、配列番号10のタンパク質中にも見られ
る(位置54〜58)。さらに、このタンパク質は、ソフトウ
エアTopPred II(Clarosおよびvon Heijne,CABIOS appl
ic. Notes, 10: 685-686 (1994))で予測されるような
1個の膜貫通ドメインを有する膜タンパク質であっても
よい。以上のことを考え合わせると、これらのデータか
ら、配列番号10のタンパク質が、おそらくホスホリパー
ゼとして脂肪酸代謝に作用する可能性が示唆される。従
って、このタンパク質またはその一部は、癌、糖尿病、
およびパーキンソン病やアルツハイマー病等の神経変性
疾患を含むがこれらに限定されない複数の障害の診断お
よび/または治療に有用である。また、感染因子に対す
る炎症反応のモジュレーションおよび/または移植片拒
絶の抑制にも有用である。
【0261】配列番号11(内部呼称108-004-5-0-D10-FL
C)の全長cDNAによってコードされる配列番号12のタ
ンパク質は、動物(ヒト、齧歯類、ウシおよびニワトリ)
中で広く保存されているβ4-ガラクトシルトランスフェ
ラーゼのサブファミリーに対して間接的な相同性(remot
e homology)を示す。このような酵素(通常は小胞体ま
たはゴルジ装置中に位置するII型膜タンパク質)は、糖
タンパク質、糖脂質グリカンおよびラクトースの生合成
を触媒するものである。Bretonら, J. Biochem., 123:
1000-1009 (1998)中でサブファミリーAの特性と認めら
れているその特徴的な特性は、配列番号12のタンパク質
(特に、UDP結合または触媒過程自体のいずれかに関与す
ると考えられるDVDモチーフ(位置163〜165)を含有する
領域I)中で非常によく保存されている。さらに、配列番
号12のタンパク質は、II型タンパク質の典型的な構造を
有する。実際に、ソフトウエアTopPred II(Clarosおよ
びvon Heijne, CABIOS applic. Notes, 10: 685-686 (1
994))で予測されるように、短い28アミノ酸長のN末端
テイル、位置29〜49の膜貫通セグメントおよび長い278
アミノ酸長のC末端テイルが含まれる。以上のことを考
え合わせると、これらのデータから、配列番号12のタン
パク質が、多糖類の生合成並びに糖タンパク質および糖
脂質の炭水化物部分の生合成並びに/または細胞間認識
に作用する可能性が示唆される。従って、このタンパク
質は、癌、アテローム性動脈硬化症、心血管障害、自己
免疫異常およびリウマチ性関節炎等のリウマチ性疾患を
含むがこれらに限定されない複数の種類の障害の診断お
よび/または治療に有用である。
【0262】配列番号13(内部呼称108-009-5-0-A2-FL
C)の全長cDNAによってコードされる配列番号14の
タンパク質は、転写因子のbZIPファミリー、特にヒトlu
manタンパク質(Luら, Mol. Cell. Biol., 17: 5117-512
6 (1997))に対して広範な相同性を示す。この一致に
は、塩基性DNA結合ドメインやタンパク質を二量体化
するロイシンジッパーで構成される全bZIPドメインが含
まれる。塩基性ドメインは、位置233におけるグルタミ
ン酸のアスパラギン酸による保存置換を除けば、特徴的
なPROSITEシグネチャー(位置224〜237)によって示され
るように配列番号14のタンパク質中に保存されている。
ロイシンジッパーに対する典型的なPROSITEシグネチャ
ーも存在する(位置259〜280)。以上のことを考え合わせ
ると、これらのデータから、配列番号14のタンパク質が
DNAに結合し、転写因子として遺伝子発現を調節する
可能性が示唆される。従って、このタンパク質は、癌を
含むがこれに限定されない複数の種類の障害の診断およ
び/または治療に有用である。
【0263】上述の全長cDNAを含有するプラスミド
を含む細菌クローンは、目下本発明者らの研究所に上記
の内部識別番号にて保管されている。インサートは、適
切な細菌クローンのアリコートを適切な培地中で増殖さ
せることにより保存材料から回収することもできる。次
いで、アルカリ溶解ミニプレップ(miniprep)または大規
模なアルカリ溶解プラスミド単離手法等の当業者に周知
のプラスミド単離手法を利用して、プラスミドDNAを
単離することができる。必要であれば、塩化セシウム勾
配を用いた遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、
またはアニオン交換クロマトグラフィーによってプラス
ミドDNAをさらに濃縮してもよい。次いで、これらの
手法を使用して得られたプラスミドDNAを、当業者に
周知の標準的なクローニング技術を利用して操作すれば
よい。あるいは、ESTインサートの両末端に設計され
たプライマーを用いてPCRを行うこともできる。次い
で5'ESTに対応するPCR産物を、当業者に周知の
標準的なクローニング技術を利用して操作することがで
きる。
【0264】IV.タンパク質の発現 EST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核
酸のポジショナルセグメント、およびEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片を使用して、これらにコ
ードされているポリペプチドを発現させてもよい。特
に、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチド
の断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグメ
ント、またはEST関連ポリペプチドのポジショナルセ
グメントの断片を発現させるのに使用してもよい。ある
実施態様では、EST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメント、およびEST関連核酸のポジショ
ナルセグメントの断片を使用して、分泌タンパク質の全
ポリペプチド(即ち、シグナルペプチドと成熟ポリペプ
チド)、成熟タンパク質(即ち、シグナルペプチドを切
断した後に生成するポリペプチド)、または分泌タンパ
ク質のシグナルペプチドを発現させてもよい。必要であ
れば、シグナルペプチドをコードする核酸を使用して、
発現されたタンパク質の分泌を促進してもよい。後述す
るように、複数のEST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を発現
ベクターへ同時にクローニングして、コードされている
タンパク質を分析するための発現ライブラリーを作製し
てもよいことは明らかであろう。
【0265】実施例20 5' ESTまたは5' ESTに隣接する(contigate
d)コンセンサスに対応する遺伝子によりコードされる
タンパク質の発現 EST関連核酸、EST関連核酸断片、EST関連核酸
の位置(positional)セグメント、EST関連核酸のポ
ジショナルセグメント断片を、それらにコードされてい
るタンパク質を発現させるために適当な発現ベクターに
クローニングする。場合によっては、EST関連ポリペ
プチド、EST関連ポリペプチド断片、EST関連ポリ
ペプチドのポジショナルセグメント、EST関連ポリペ
プチドのポジショナルセグメント断片をコードする核酸
を、適当な発現ベクターにクローニングしてもよい。
【0266】ある態様においては、発現ベクター中に挿
入される核酸は、配列番号24-4100からなる群か
ら選択されるコーディング配列を含んでいてもよい。別
の態様においては、発現ベクター中に挿入される核酸
は、配列番号3721-3811の一つの全長コーディ
ング配列(すなわちシグナルペプチドおよび成熟ポリペ
プチドをコードするヌクレオチド)を含んでいてもよ
い。ある態様においては、発現ベクター中に挿入される
核酸は、成熟ポリペプチドをコードする配列番号372
1-3811の配列の一つのヌクレオチド(すなわちシ
グナルペプチド切断後に生成されるポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド)を含んでいてもよい。更なる態様
においては、発現ベクター中に挿入される核酸は、発現
されたタンパク質の分泌を促進するためにシグナルペプ
チドをコードする配列番号24-652および3721-
3811のヌクレオチドを含んでいてもよい。発現ベク
ターに挿入される核酸は、シグナルペプチドをコードし
ている配列の上流の配列、たとえば、発現レベルを調節
する配列や組織特異的発現を与える配列も含んでもよ
い。
【0267】発現ベクター中に挿入される核酸は、配列
番号4101-8177の配列の一つを含むポリペプチ
ドをコードするものでもよい。ある態様においては、発
現ベクター中に挿入される核酸は、配列番号7798-
7888の一つに含まれる全長ポリペプチド配列(すな
わちシグナルペプチドおよび成熟ポリペプチド)をコー
ドするものでもよい。別の態様においては、発現ベクタ
ー中に挿入される核酸は、配列番号7798-7888
の配列の一つに含まれる成熟ポリペプチド(すなわちシ
グナルペプチド切断後に生成されるポリペプチド)をコ
ードするものでもよい。更なる態様においては、発現ベ
クター中に挿入される核酸は、配列番号4101-47
29および7798-7888の配列の一つに含まれる
シグナルペプチドをコードするものでもよい。
【0268】従来のクローニング技術を使用して、発現
させるべきタンパク質またはポリペプチドをコードして
いる核酸を、発現ベクターにおけるプロモーターに操作
可能に連結させる。発現ベクターは、哺乳類、酵母、昆
虫または当業者に周知の細菌発現システムのいずれであ
ってもよい。市販のベクターおよび発現系は、Gene
tics Institute(Cambridge,
MA)、Stratagene(La Jolla,
California)、Promega(Madi
son, Wisconsin)、およびInvitr
ogen(San Diego, Californi
a)を含む様々な製造業者から入手できる。Hatfi
eldらの米国特許第5,082,767号(参照によ
り本明細書に援用する)によって説明される通り、必要
に応じて、発現を強化しかつ適当なタンパク質折畳みを
促進するために、発現ベクターが導入される個々の発現
生物に合わせて、配列のコドンコンテクストおよびコド
ンのペアリングを最適化することができる。
【0269】上述の核酸によりコードされるタンパク質
を発現させる代表的な方法を以下に提供する。場合によ
って、発現すべきタンパク質またはポリペプチドをコー
ドする核酸は、メチオニン開始コドンおよびポリAシグ
ナルを含む。発現されるポリペプチドをコードしている
核酸に、開始部位の役割をするメチオニンが欠如してい
る場合、従来技術を使用して、開始用メチオニンを核酸
の第1コドンの隣に導入することができる。同様に、発
現すべきタンパク質またはポリペプチドをコードする核
酸にポリAシグナルが欠如している場合、たとえば、B
glIIおよびSalI制限エンドヌクレアーゼ酵素を使用
してpSG5(Stratagene)からポリAシグ
ナルをスプライシングし、哺乳類発現ベクターpXT1
(Stratagene)に組み込むことにより、この
配列を構築物に付加することができる。pXT1はLT
RおよびMoloney Murine Leukem
ia Virusから入手できるgag遺伝子の一部を
含む。構築物におけるLTRの位置は、効率のよい安定
したトランスフェクションを可能にする。ベクターは、
単純疱疹(Herpes Simplex)チミジンキ
ナーゼプロモーターおよび選択可能なネオマイシン遺伝
子を含む。発現すべきタンパク質またはポリペプチドを
コードする核酸に相補的で、且つ5'プライマーに組み
込まれたPstIおよび3'プライマーの5'末端のBg
lIIに対する制限エンドヌクレアーゼ配列を含むオリゴ
ヌクレオチドプライマーを使用し、発現すべきタンパク
質またはポリペプチドをコードする核酸が確実にポリA
シグナルと共に正しく配置されるように気をつけて、発
現すべきポリペプチドをコードしている核酸を、細菌ベ
クターからPCRによって取得する。このようにして得
られたPCR反応物から得られた精製断片をPstIで
消化し、エクソヌクレアーゼで平滑末端化し、BglII
で消化し、精製し、さらに、ポリAシグナルを含み、B
glIIで消化されたpXT1に連結する。
【0270】Lipofectin(Life Tec
hnologies, Inc.,Grand Isl
and, New York)を使用して、製品仕様書
に略述されている条件下で、連結生成物をマウス NI
H 3T3細胞にトランスフェクトする。600μg/
ml G418(Sigma, St. Louis,
Missouri)中で形質導入した細胞を成長させ
た後、陽性の形質導入体を選択する。
【0271】あるいは、上述の通り、発現すべきタンパ
ク質またはポリペプチドをコードする核酸をpED6d
pc2にクローニングしてもよい。このようにして得ら
れたpED6dpc2構築物を適当な宿主細胞、たとえ
ば、COS 1細胞にトランスフェクトしてもよい。メ
トトレキセート耐性細胞を選択して、増殖する。発現し
たタンパク質またはポリペプチドを上記のようにして単
離、精製、または濃縮してもよい。
【0272】所望のタンパク質またはポリペプチドが発
現されたことを確認するために、タンパク質またはポリ
ペプチドをコードする核酸挿入物を有するベクターを含
む細胞によって産生されたタンパク質またはポリペプチ
ドを、こうした挿入物を含まないものと比較する。発現
したタンパク質は、クマシーブルーまたは銀染色等の当
業者に公知の技術を使用して、または核酸挿入物によっ
てコードされるタンパク質またはポリペプチドに対する
抗体を使用して検出する。目的のタンパク質を特異的に
認識することができる抗体は、適当な核酸によってコー
ドされる配列を有する合成15-merを使用して作製する
ことができる。合成ペプチドをマウスに注射して、核酸
によってコードされるポリペプチドに対する抗体を作製
する。
【0273】核酸挿入物によってコードされるタンパク
質またはポリペプチドが分泌されるものである場合、所
望のタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸挿
入物を含有する発現ベクターを含む宿主細胞または生物
から調製した培地を、対照の細胞または生物から調製し
た培地と比較する。対照細胞由来の調製物に存在しない
バンドが核酸挿入物を含む細胞の培地中に存在すること
は、核酸挿入物によってコードされたタンパク質または
ポリペプチドが発現され、分泌されていることを示す。
一般に、核酸挿入物によりコードされるタンパク質に対
応するバンドは、核酸挿入物のオープンリーディングフ
レーム内のアミノ酸の数に基づいて予期されるものに近
い移動度を有する。しかし、バンドは、グリコシル化、
ユビキチン化、または酵素的切断のような修飾の結果と
して予期されるものとは異なる移動度を有することがあ
る。
【0274】あるいは、上記発現ベクターから発現した
タンパク質が、その分泌を指令する配列を含まない場
合、分泌タンパク質またはその一部をコードしている挿
入物を含む発現ベクターを含む宿主細胞から発現したタ
ンパク質を、挿入物を含まない発現ベクターを含む対照
の宿主細胞で発現したタンパク質と比較することができ
る。挿入物を含まない発現ベクターを含む細胞からの試
料に存在しないバンドが、挿入物を含む発現ベクターを
含む細胞からの試料に存在することは、所望のタンパク
質またはその一部が発現したことを示す。一般に、バン
ドは、分泌タンパク質またはその一部に関して予期され
る移動度を有する。しかし、バンドは、グリコシル化、
ユビキチン化、または酵素的切断のような修飾の結果と
して予期されるものとは異なる移動度を有することがあ
る。
【0275】発現したタンパク質またはポリペプチド
は、種々の方法を使用して単離、精製、または濃縮する
ことができる。ある方法においては、タンパク質または
ポリペプチドは天然のシグナルペプチド、またはこれに
機能的に連結した異種のシグナルペプチドを介して培地
中に分泌されるようにしてもよい。別の方法において
は、タンパク質またはポリペプチドは、ニッケル結合ポ
リペプチドのように、単離、精製、または濃縮を容易に
する異種ポリペプチドに連結させてもよい。タンパク質
またはポリペプチドはまた、ゲル電気泳動、イオン交換
クロマトグラフィー、サイズクロマトグラフィー、HP
LC、塩沈殿、免疫沈降、これらのいずれかの組み合わ
せ、または当業者に知られているいかなる単離、精製、
または濃縮の技術によっても得ることができる。
【0276】下記により詳細に記載するように、コード
されたタンパク質またはポリペプチドに対する抗体を使
用するイムノアフィニティークロマトグラフィーを用
い、標準的なイムノクロマトグラフィ技術によって核酸
挿入物によりコードされるタンパク質を精製することも
可能である。抗体産生ができなければ、所望のタンパク
質またはポリペプチドをコードする核酸挿入物を、キメ
ラポリペプチドを使用して、精製機構で使用するために
設計された発現ベクターに組み込んでもよい。このよう
な方法で、核酸挿入物のコーディング配列を、キメラの
残り半分をコードしている遺伝子とともにインフレーム
で連結する。キメラの残り半分は、β−グロビンまたは
ニッケル結合性ポリペプチドであってもよい。β−グロ
ビンに対する抗体を有するかまたはニッケルが付着した
クロマトグラフィマトリックスを使用して、キメラタン
パク質を精製する。β−グロビン遺伝子またはニッケル
結合性ポリペプチドと、伸長cDNAまたはその一部と
の間の、プロテアーゼ切断部位を操作することが可能で
ある。従って、キメラの2つのポリペプチドを、プロテ
アーゼ消化によって互いに分離することが可能である。
【0277】β−グロビンキメラの生成に有用な1つの
発現ベクターは、ウサギβ−グロビンをコードするpS
G5(Stratagene)である。ウサギβ−グロ
ビン遺伝子のイントロンIIは、発現した転写物のスプ
ライシングを促進し、構築物に組込まれたポリアデニル
化シグナルは、発現レベルを高める。記載されているこ
れらの技術は、分子生物学の当業者には周知である。標
準的な方法は、Davis et al.,(Basi
c Methods in Molecular Bi
ology,L.G.Davis,M.D.Dibne
r,and J.F.Battey,ed.,Else
vier Press,NY,1986)のような方法
教本に公表されており、方法の多くは、Stratag
ene、Life Technologies, In
c.またはPromegaから入手できる。in vi
tro ExpressTM Translation
Kit (Stratagene)のようなin vi
tro翻訳システムを使用して、構築物からさらなるポ
リペプチドを作ることができる。
【0278】核酸挿入物によりコードされるタンパク質
またはポリペプチドを発現させ、精製した後、以下の実
施例21に記載のように精製タンパク質が様々な細胞型
の表面に結合する能力を試験することができる。以下に
具体的に記載されている作用、および作用を決定するた
めのアッセイが利用可能な他の生物学的役割について同
時に評価すべきタンパク質団に、これらの核酸挿入物か
ら発現した複数のタンパク質を含めてもよいことは、十
分に理解されるであろう。
【0279】実施例21 分泌タンパク質が細胞表面に結合するかどうかを決定す
るための分泌タンパク質の分析 EST関連核酸、EST関連核酸断片、EST関連核酸
の位置(positional)セグメント、EST関連核酸のポ
ジショナルセグメント断片、EST関連ポリペプチドを
コードする核酸、EST関連ポリペプチド断片をコード
する核酸、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグ
メントをコードする核酸。またはEST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメント断片をコードする核酸を、
実施例20に記載されているような発現ベクターにクロ
ーニングする。コードされたタンパク質またはポリペプ
チドを上記のように精製し、単離し、または濃縮(enri
ched)する。精製、単離、または濃縮後、このタンパク
質またはポリペプチドを、当業者に周知の技術を使用し
て標識する。標識タンパク質またはポリペプチドを、様
々な器官または組織に由来する細胞または細胞系と共に
インキュベートし、このタンパク質を、細胞表面上に存
在する任意のレセプターに結合させる。インキュベーシ
ョン後、細胞を洗浄して、非特異的に結合したタンパク
質またはポリペプチドを除去する。特異的に結合した標
識タンパク質またはポリペプチドをオートラジオグラフ
ィで検出する。あるいは、非標識タンパク質またはポリ
ペプチドを細胞とインキュベートし、検出可能な標識、
たとえば、蛍光分子が付着した抗体を用いて検出しても
よい。
【0280】様々な量の非標識タンパク質またはポリペ
プチドを標識タンパク質またはポリペプチドと一緒にイ
ンキュベートする競合分析を実施することにより、細胞
表面結合の特異性を分析する。競合的非標識タンパク質
またはポリペプチドの量が増加するにつれて、細胞表面
に結合した標識タンパク質またはポリペプチドの量が減
少する。対照として、標識タンパク質またはポリペプチ
ドと無関係の様々な量の非標識タンパク質またはポリペ
プチドを、幾つかの結合反応に含める。結合反応におい
て、無関係の非標識タンパク質またはポリペプチドの含
有量を増加させても細胞表面に結合した標識タンパク質
またはポリペプチドの量は減少せず、上記核酸によりコ
ードされるタンパク質が細胞表面に特異的に結合するこ
とが示唆される。
【0281】上記の通り、ヒトのタンパク質は、多数の
重要な生理学的効果を有し、結果として、貴重な治療源
であることが示されている。下記の通り、上記のように
して作られたヒトのタンパク質またはポリペプチドを評
価して、その生理学的活性を決定することが可能であ
る。
【0282】実施例22 発現したタンパク質またはポリペプチドの、サイトカイ
ン、細胞増殖または細胞分化活性に関するアッセイ 上記の通り、分泌タンパク質は、サイトカイン類として
作用し、または細胞増殖もしくは分化に影響を及ぼす可
能性がある。現在までに発見された多くのタンパク質因
子は、全ての既知のサイトカイン類を含め、1つまたは
複数の因子依存的細胞増殖アッセイにおいて活性を示し
ており、従って、これらのアッセイは、サイトカイン活
性の便利な確認方法となる。32D、DA2、DA1
G、T10、B9、B9/11、BaF3、MC9/
G、M+(preB M+)、2E8、RB5、DA1、
123、T1165、HT2、CTLL2、TF−1、
Mo7cおよびCMKを含むが、これに限定されない細
胞系では、多数の定型的な因子依存的細胞増殖アッセイ
のいずれか1つによって、本発明のタンパク質またはポ
リペプチドの活性が証明される。上記のようにして調製
されるタンパク質またはポリペプチドは、上述のアッセ
イまたは下記の参考文献(参照により本明細書に組み入
れる)に記載されているようなアッセイにおいて、T細
胞または胸腺細胞増殖を調節する能力について評価する
ことが可能である(Current Protocol
s in Immunology,Ed. by J.
E.Coligan et al., Greene
Publishing Associates and
Wiley−Interscience;Takai
et al.,J. Immunol. 137:3
494−3500,1986.;Bertagnoll
i et al.,J. Immunol. 145:
1706−1712,1990;Bertagnoll
i et al.,Cellular. Immuno
l. 133:327−341,1991;Berta
gnolli, et al.,J. Immuno
l. 149:3778−3783,1992;Bow
man et al.,J. Immunol. 15
2:1756−1761,1994)。
【0283】さらに、サイトカイン産生および/または
脾細胞、リンパ節細胞および胸腺細胞の増殖に関する多
くのアッセイが知られている。このようなものとして
は、Current Protocols in Im
munology,J.E.Coligan et a
l.編、1:3.12.1−3.12.14、John
Wiley and Sons,Toronto.19
94;およびSchreiber,R.D.,In C
urrent Protocols in Immun
ology,1:6.8.1−6.8.8に開示されて
いる技術が挙げられる。
【0284】上記のようにして調製されるタンパク質ま
たはポリペプチドが造血細胞またはリンパ球産生細胞の
増殖および分化を調節する能力について、アッセイする
ことも可能である。以下の参考文献(参照により本明細
書に組み入れる)にあるアッセイを含め、このような活
性に関する多くのアッセイは当業者に周知である:Bo
ttomly et al.,In Current
Protocolsin Immunology.,前
掲 1:6.3.1−6.3.12;deVries
et al.,J. Exp. Med. 173:1
205−1211,1991;Moreau et a
l.,Nature 36:690−692,198
8;Greenberger et al.,Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.
A. 80:2931−2938,1983;Nord
an, R.,In Current Protoco
lsin Immunology.,前掲 1:6.
6.1−6.6.5;Smith et al.,Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.
A. 83:1857−1861,1986;Benn
ett et al.,in Current Pro
tocols in Immunology 前掲
1:6.15.1;Ciarletta et a
l.,In Current Protocols i
n Immunology.前掲 1:6.13.1。
【0285】上記のようにして調製されるタンパク質ま
たはポリペプチドが抗原に対するT細胞応答を調節する
能力について、アッセイすることが可能である。以下の
参考文献(参照により本明細書に組み入れる)にあるア
ッセイを含め、このような活性に関する多くのアッセイ
は当業者に周知である:Current Protoc
ols in Immunology 前掲,第3章
(マウスリンパ球機能についてのIn Vitroアッ
セイ),第6章(サイトカインおよびその細胞受容体)
および第7章(ヒトにおける免疫学的研究);Wein
berger et al.,Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 77:6091−6
095,1980;Weinberger et a
l.,Eur. J. Immun. 11:405−
411,1981;Takai etal.,J. I
mmunol. 137:3494−3500,198
6;Takai et al.,J. Immuno
l. 140:508−512,1988。
【0286】次いで、サイトカイン、細胞増殖、または
細胞分化活性を示すタンパク質またはポリペプチドを医
薬として製剤化し、細胞増殖または分化の誘導が有益な
臨床状態の治療に使用することが可能である。あるい
は、以下に詳述する通り、これらのタンパク質またはポ
リペプチドをコードしている核酸またはこれらのタンパ
ク質またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適当な
宿主細胞に導入して、これらのタンパク質の発現を望み
通りに増加または減少させることも可能である。
【0287】実施例23 免疫系調節物質としての活性を対象とした発現されたタ
ンパク質またはポリペプチドのアッセイ 上記のようにして調製されたタンパク質またはポリペプ
チドを、免疫調節物質としてのそれらの効果について評
価することができる。例えば、該タンパク質またはポリ
ペプチドを、胸腺細胞または脾臓細胞の細胞傷害性に影
響するそれらの活性について評価することができる。そ
のような活性に対する多くのアッセイが当業者によく知
られており、以下のような参考文献(これらは参照によ
り本明細書に組み入れる):J.E.Coliganら
編,Current Protocols in Im
munology,Greene Publishin
gAssociates and Wiley−Int
erscience,第3章(マウスリンパ球機能につ
いてのin vitroアッセイ3.1〜3.19)お
よび第7章(ヒトにおける免疫学的研究);Herma
nnら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 78:2488−2492,1981;
Hermannら、J. Immunol. 128:
1968−1974,1982;Handaら、J.
Immunol. 135:1564−1572,19
85;Takaiら、J. Immunol. 13
7:3494−3500,1986;Takaiら、
J. Immunol. 140:508−512,1
988;Bowmanら、J. Virology 6
1:1992−1998;Bertagnolliら、
Cell. Immunol. 133:327−34
1,1991;Brownら、J. Immunol.
153:3079−3092,1994;に記載のア
ッセイが挙げられる。
【0288】上記のようにして調製されたタンパク質ま
たはポリペプチドを、T細胞依存性の免疫グロブリン応
答およびアイソタイプスイッチに対するそれらの効果に
ついて評価することができる。そのような活性に対する
多くのアッセイが当業者によく知られており、以下のよ
うな参考文献(これらは参照により本明細書に組み入れ
る):Maliszewski,J. Immuno
l. 144:3028−3033,1990;Mon
dら,Current Protocols in I
mmunology,1:3.8.1−3.8.16,
前掲;に記載のアッセイが挙げられる。
【0289】上記のようにして調製されたタンパク質ま
たはポリペプチドを、Th1細胞および細胞傷害性リン
パ球に対する効果などの、免疫エフェクター細胞に対す
る効果について評価することができる。そのような活性
に対する多くのアッセイが当業者によく知られており、
以下のような参考文献(これらは参照により本明細書に
組み入れる):Current Protocols
in Immunology(前掲)の第3章(マウス
リンパ球についてのin vitroアッセイ3.1〜
3.19)および第7章(ヒトにおける免疫学的研
究);Takaiら,J. Immunol. 13
7:3494−3500,1986;Takaiら,
J. Immunol. 140:508−512,1
988;Bertagnolliら,J. Immun
ol. 149:3778−3783,1992;に記
載のアッセイが挙げられる。
【0290】上記のようにして調製されたタンパク質ま
たはポリペプチドを、未活性型T細胞の樹状細胞介在性
活性化に対するそれらの効果について評価することがで
きる。そのような活性に対する多くのアッセイが当業者
によく知られており、以下のような参考文献(これらは
参照により本明細書に組み入れる):Gueryら,
J. Immunol. 134:536−544,1
995;Inabaら,J. Exp. Med. 1
73:549−559,1991;Macatonia
ら,J. Immunol. 154:5071−50
79,1995;Porgadorら,J. Exp.
Med. 182:255−260,1995;Na
irら,J. Virol. 67:4062−406
9,1993;Huangら,Science 26
4:961−965,1994;Macatonia
ら,J. Exp. Med 169:1255−12
64,1989;Bhardwajら,Journal
of Clinical Investigatio
n 94:797−807,1994;およびInab
aら,J. Exp. Med 172:631−64
0,1990;に記載のアッセイが挙げられる。
【0291】上記のようにして調製されたタンパク質ま
たはポリペプチドを、リンパ球の寿命に対するそれらの
影響について評価することができる。そのような活性に
対する多くのアッセイが当業者によく知られており、以
下のような参考文献(これらは参照により本明細書に組
み入れる):Darzynkiewiczら,Cyto
metry 13:795−808,1992;Gor
czycaら,Leukemia 7:659−67
0,1993;Gorczycaら,Cancer R
es. 53:1945−1951,1993;Ito
hら,Cell66:233−243,1991;Za
charchuk,J. Immunol. 145:
4037−4045,1990;Zamaiら,Cyt
ometry 14:891−897,1993;Go
rczycaら,Int. J.Oncol. 1:6
39−648,1992;に記載のアッセイが挙げられ
る。
【0292】上記のようにして調製されたタンパク質ま
たはポリペプチドを、T細胞の分化の方向が決定され、
細胞が発達していく初期の段階に対するそれらの影響に
ついて評価することができる。そのような活性に対する
多くのアッセイが当業者によく知られており、以下のよ
うな参考文献(これらの参考文献は参照により本明細書
に組み入れる):Anticaら,Blood 84:
111−117,1994;Fineら,Cell.
Immunol. 155:111−122,199
4;Galyら,Blood 85:2770−277
8,1995;Tokiら,Proc. Nat. A
cad Sci. USA 88:7548−755
1,1991;に記載のアッセイが挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0293】次いで免疫系調節物質活性として活性を示
すタンパク質またはポリペプチドを医薬として製剤化
し、免疫活性の調節が有益な臨床状態を治療するのに使
用してもよい。例えば、該タンパク質またはポリペプチ
ドは、(重症複合型免疫不全などの)様々な免疫不全お
よび免疫障害の治療、例えば、Tおよび/またはBリン
パ球の成長および増殖の調節(上向きまたは下向き)な
らびにNK細胞および他の細胞集団の細胞溶解活性の惹
起に有用である。これらの免疫不全は遺伝的であるかま
たはウイルス(例えば、HIV)および細菌もしくは真
菌感染によって生じるか、あるいは自己免疫障害から生
じることがある。より具体的には、ウイルス、細菌、真
菌または他の感染によって生じる感染症は、本発明のタ
ンパク質またはポリペプチドを用いて治療することがで
き、該感染症には、HIV、肝炎ウイルス、ヘルペスウ
イルス、マイコバクテリア、Leishmania属、
Plamodium属による感染症およびカンジダ症な
どの様々な真菌感染症が挙げられる。この点については
もちろん、一般的に免疫系を促進することが所望される
場合、例えば、癌の治療においても、本発明のタンパク
質またはポリペプチドは有用である。
【0294】あるいは、上記のようにして調製されるタ
ンパク質またはポリペプチドを、例えば、結合組織病、
多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウ
マチ、自己免疫性肺炎、ギヤン−バレー症候群、自己免
疫性甲状腺炎、インスリン依存性糖尿病、重症筋無力
症、移植片対宿主病および自己免疫性炎症性眼疾患など
の自己免疫疾患の治療に使用してもよい。そのようなタ
ンパク質またはポリペプチドは、喘息(特にアレルギー
性喘息)または他の呼吸器系障害などのアレルギー反応
および症状の治療にも有用である。免疫抑制が所望され
る他の症状(例えば、臓器移植など)も、本発明のタン
パク質またはポリペプチドを使用して治療することがで
きる。
【0295】本発明のタンパク質またはポリペプチドを
使用すれば、免疫応答を上向きまたは下向きのいずれか
に調節することも可能である。ダウンレギュレーション
には、既に進行中にある免疫応答の阻害または阻止が関
与するか、あるいは免疫応答の誘導の防止が関与し得
る。T細胞応答を抑制するかまたはT細胞の特異的寛容
性を誘導することによって、あるいはその両方によっ
て、活性化されたT細胞の機能が阻害され得る。T細胞
応答の免疫抑制は、一般に、積極的な非抗原特異的プロ
セスであって、T細胞を抑制剤に継続的に暴露する必要
がある。寛容性は、T細胞の非応答性またはアネルギー
を誘導することを含むが、一般に抗原特異的であり、寛
容化剤への暴露が終了した後も存続するという点で免疫
抑制とは異なる。実際には、寛容化剤が存在しない場合
は、特異的抗原に再暴露されてもT細胞の応答が認めら
れないことから、寛容性を実証することができる。
【0296】1つ以上の抗原機能(例えば、B7同時刺
激などのBリンパ球抗原機能が挙げられるが、これに限
定されない)をダウンレギュレートするかまたは防止す
ること、例えば、活性化されたT細胞による高レベルの
リンホカイン合成を防止することは、組織、皮膚および
臓器移植の状況において、ならびに移植片対宿主病(G
VHD)において有用である。例えば、T細胞の機能を
阻止すると、組織移植における組織破壊が減少するはず
である。典型的に、組織移植では、移植片がT細胞によ
って外来性であると認識されることによって移植片の拒
絶が始まり、続いて、免疫反応によって移植片が破壊さ
れる。B7リンパ球抗原と免疫細胞上のその天然のリガ
ンド(例えば、B7−2活性を有するペプチドの可溶性
単量体形態のみかあるいは該ペプチドの可溶性単量体形
態ともう1つのBリンパ球抗原(例えば、B7−1、B
7−3)の活性を有するかまたは抗体を阻止するペプチ
ドの単量体形態とを合わせたもの)との相互作用を阻害
するかまたは阻止する分子を移植前に投与すると、対応
する同時刺激シグナルを伝達することなく免疫細胞上の
天然のリガンドに該分子を結合することができる。この
事柄においてBリンパ球抗原機能を阻止すると、T細胞
などの免疫細胞によるサイトカイン合成が防止され、そ
れゆえ、該阻止は免疫抑制剤として作用する。更に、同
時刺激の欠如もT細胞をアネルギー化する(anerg
ize)のに十分であり得、これにより、被験体に寛容
性が誘導される。Bリンパ球抗原阻止試薬によって長期
寛容性を誘導すると、これらの阻止試薬の反復投与の必
要性を回避することができる。被験体において十分な免
疫抑制または寛容性を達成するために、Bリンパ球抗原
の組み合わせの機能を阻止する必要があり得る。
【0297】ヒトにおける評価の予想となる動物モデル
を用いて、臓器移植の拒絶またはGVHDを防止する特
定の阻止試薬の効果を評価することができる。使用する
ことのできる適切な系の例としては、ラットにおける同
種心移植片およびマウスにおける異種ランゲルハンス島
細胞移植片が挙げられ、両者ともin vivoでCT
LA4Ig融合タンパク質の免疫抑制効果を調べるのに
使用されている。これらのことについては、Lensc
howら,Science 257:789−792
(1992)およびTurkaら,Proc. Nat
l. Acad.Sci USA,89:11102−
11105(1992)に記載されている。更に、GV
HDのマウスモデル(Paul編,Fundament
al Immunology,Raven Pres
s,New York,1989,846〜847頁を
参照のこと)を使用して、該疾患の進行に対するin
vivoでのBリンパ球抗原機能の阻止の効果を決定す
ることができる。
【0298】抗原機能の阻止も、自己免疫疾患の治療に
は治療上有効である。多くの自己免疫障害は、T細胞の
活性化が不適切であることが原因であり、この時T細胞
は自己の組織に対して反応性であり、疾患の病因に関与
するサイトカインおよび自己抗体の産生を促進する。自
己反応性のT細胞の活性化を防止すると、疾患の症候を
減少または消失することができる。Bリンパ球抗原のレ
セプター/リガンド相互作用を破壊することによってT
細胞の同時刺激を阻止する試薬を投与することにより、
T細胞の活性化を阻害し、疾患のプロセスに潜在的に関
与する自己抗体またはT細胞誘導性サイトカインの産生
を防止することができる。更に、阻止試薬は、自己反応
性T細胞の抗原特異的寛容性を誘導することができ、こ
れにより疾患から長期軽減を導き得る。詳細に特性づけ
されたヒト自己免疫疾患の多くの動物モデルを使用し
て、自己免疫障害を妨げるかまたは緩和する阻止試薬の
効果を決定することができる。その例としては、マウス
実験的自己免疫脳炎、MRL/pr/prマウスまたは
NZB交雑マウスの全身性エリテマトーデス、マウスの
自己免疫性抗原性関節炎(murine autoim
muno collagen arthritis)、
ODマウスおよびBBラットの糖尿病、ならびにマウス
の実験的重症筋無力症が挙げられる(Paul編、Fu
ndamental Immunology,Rave
n Press,New York,1989,840
〜856頁を参照のこと)。
【0299】免疫応答をアップレギュレートする手段と
して、抗原機能(好ましくはBリンパ球の抗原機能)を
アップレギュレートすることも治療に有効であり得る。
免疫応答のアップレギュレーションには、現存の免疫応
答を増強するか、または以下の例に示されるような初期
免疫応答を誘発するかのいずれかが関与し得る。例え
ば、Bリンパ球抗原機能を刺激することをにより免疫応
答を増強することは、ウイルス感染の場合に有用であり
得る。更に、全身的なBリンパ球抗原の刺激形態を投与
することによって、インフルエンザ、一般的な風邪、お
よび脳炎などの全身性ウイルス疾患を緩和し得る。
【0300】あるいは、感染患者からT細胞を取り出
し、in vitroにおいて上記タンパク質またはポ
リペプチドを発現するかまたは該タンパク質またはポリ
ペプチドと共に本発明のタンパク質またはポリペプチド
の刺激形態を発現するウイルス抗原で惹起されたAPC
で該T細胞を同時刺激し、そしてin vitroで感
作したT細胞を前記患者に再導入することによって、前
記患者の抗ウイルス免疫応答を増強してもよい。これで
感染細胞は、同時刺激シグナルをin vivoでT細
胞に送達し、従って、T細胞を活性化することができ
る。
【0301】もう1つの適用では、抗原機能(好ましく
はBリンパ球の抗原機能)のアップレギュレーションま
たは増強は、腫瘍免疫の誘導に有益であり得る。タンパ
ク質またはポリペプチドをコードする上記核酸の一つを
トランスフェクトされた腫瘍細胞(例えば、肉腫、黒色
腫、リンパ腫、白血病、神経芽腫、癌腫)を被験体に投
与して、該被験体の腫瘍特異的寛容性を克服することが
できる。所望であれば、ペプチドを組み合わせて発現す
るように腫瘍細胞をトランスフェクトすることもでき
る。例えば、患者から得られる腫瘍細胞を、ex vi
voにおいて、B7−2様活性を有するペプチドのみ
か、あるいは該ペプチドとB7−1様活性および/また
はB7−3様活性を有するペプチドとを合わせたものの
発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトするこ
とができる。トランスフェクトされた腫瘍細胞は患者に
戻され、その結果、トランスフェクトされた細胞の表面
上でこれらのペプチドが発現する。あるいは、in v
ivoでのトランスフェクションにおいて腫瘍細胞を標
的化するために、遺伝子治療技術を使用することができ
る。
【0302】腫瘍細胞の表面上にBリンパ球抗原の活性
を有する、上記核酸によりコードされるタンパク質また
はポリペプチドが存在すると、必要な同時刺激シグナル
がT細胞に提供され、トランスフェクトされた腫瘍細胞
に対するT細胞介在性免疫応答が誘導される。更に、十
分な量のMHCクラスIまたはMHCクラスII分子を
再発現することができないかまたは完全に損なわれてい
る腫瘍細胞を、MHCクラスIα鎖およびβ2ミクログ
ロブリンまたはMHCクラスIIα鎖およびMHCクラ
スIIβ鎖の全てまたは一部(例えば、細胞質ドメイン
を切断した部分)をコードする核酸でトランスフェクト
することができ、それにより、該腫瘍細胞は細胞表面上
にそれぞれMHCクラスIまたはクラスIIタンパク質
を発現する。適切なMHCクラスIまたはクラスII分
子がBリンパ球抗原(例えば、B7−1、B7−2、B
7−3)の活性を有するペプチドと合わせて発現する
と、トランスフェクトされた腫瘍細胞に対するT細胞介
在性免疫応答が誘導される。場合に応じて、不変鎖など
のMHCクラスIIの発現を阻止するアンチセンス構築
物をコードする核酸も、Bリンパ球抗原の活性を有する
タンパク質またはポリペプチドをコードするDNAと共
に同時トランスフェクトし、腫瘍関連抗原の提示を促進
して、腫瘍特異的免疫を誘導することができる。従っ
て、ヒト被験体においてT細胞介在性免疫応答を誘導す
ることは、被験体において腫瘍特異的寛容性を克服する
のに十分であり得る。あるいは、以下に詳細に記載する
ように、これらの免疫系調節物質のタンパク質またはポ
リペプチドをコードする核酸またはそのようなタンパク
質またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿
主細胞に導入して、所望する通りに該タンパク質または
ポリペプチドの発現を増加または減少してもよい。
【0303】実施例24 造血調節活性を対象とした発現されたタンパク質または
ポリペプチドのアッセイ 上記核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプ
チドを、それらの造血調節活性について評価することが
できる。例えば、胚性幹細胞の分化に対する該タンパク
質またはポリペプチドの効果を評価することができる。
そのような活性に対する多くのアッセイが当業者によく
知られており、以下のような参考文献(これらは参照に
より本明細書に組み入れる):Johanssonら,
Cell. Biol. 15:141−151,19
95;Kellerら,Mol.Cell. Bio
l. 13:473−486,1993;McClan
ahanら,Blood 81:2903−2915,
1993;に記載のアッセイが挙げられる。
【0304】上記核酸によりコードされるタンパク質ま
たはポリペプチドを、幹細胞の寿命および幹細胞の分化
に対するそれらの影響について評価することができる。
そのような活性に対する多くのアッセイが当業者によく
知られており、以下のような参考文献(これらは参照に
より本明細書に組み入れる):Freshney,M.
G.,Methylcellulose Colony
Forming Assays,in Cultur
e of Hematopoietic Cell
s.,R.I.Freshneyら編,265〜268
頁,Wiley−Liss, Inc., New Y
ork,NY.1994;Hirayamaら,Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 8
9:5907−5911,1992;McNiece,
I.K.およびBriddell,R.A.,Prim
itive Hematopoietic Colon
y Forming Cells with High
ProliferativePotential,i
n Culture of Hematopoieti
c Cells;R.I.Freshneyら編,Vo
l23〜39頁,Wiley−Liss,Inc.,N
ew York,NY.1994;Nebenら,Ex
perimental Hematology 22:
353−359,1994;Ploemacher,
R.E.Cobblestone Area Form
ing Cell Assay,In Culture
of Hematopoietic Cells,
R.I.Freshneyら編,1〜21頁,Wile
y−Liss,Inc.,New York,NY.1
994;Spooncer,E.,Dexter,M.
およびAllen,T.,Long Term Bon
e Marrow Cultures in theP
resence of Stromal Cells,
in Cultureof Hematopoieti
c Cells,R.I.Freshneyら編,16
3−179頁,Wiley−Liss,Inc.,Ne
w York,NY.1994;ならびにSuther
land,H.J.,Long Term Cultu
re Initiating Cell Assay,
inCulture of Hematopoieti
c Cells,R.I.Freshneyら編,13
9−162,Wiley−Liss,Inc.,New
York,NY.1994に記載のアッセイが挙げら
れる。
【0305】次いで、造血調節活性を示すタンパク質ま
たはポリペプチドを、医薬として製剤化し、造血の調節
が有益である臨床状態を治療するために使用することが
できる。例えば、本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドは造血の調節に有用であり、従って、骨髄またはリン
パ球細胞欠損症の治療に有用である。コロニー形成細胞
または因子依存性細胞系を支える周辺の生物学的活性に
よっても造血の調節への関与が認められる。例えば、赤
血球前駆細胞単独あるいは他のサイトカインとの組み合
わせの成長または増殖を支持することによって、例え
ば、様々な貧血の治療において、あるいは赤血球前駆細
胞および/または赤血球細胞の産生を刺激するための放
射線照射/化学療法との併用に有用である。顆粒球およ
び単球/マクロファージなどの骨髄細胞の成長または増
殖を支持する(即ち、従来のCSF活性)ことによっ
て、例えば、結果として生じる骨髄抑制(myelos
uppression)を予防するかまたは治療するた
めの化学療法との組み合わせにおいて有用であり得る。
巨核細胞の成長および増殖、すなわち血小板の成長およ
び増殖を支持することによって、血小板減少症などの様
々な血小板異常の防止または治療を可能にし、一般に、
血小板輸注の代わりまたは補助に使用することができ
る。および/または、上記の造血細胞のいくつかおよび
全てに成熟することができる造血幹細胞の成長および増
殖を支持することによって、様々な幹細胞異常(通常、
移植で治療されるものなど、例えば、再生不良性貧血お
よび発作性夜間血色素尿症が挙げられるが、それらに限
定されない)において、ならびに正常細胞または遺伝子
治療のために遺伝子操作された細胞として、in vi
voまたはex vivo(骨髄移植との組み合わせか
または末梢前駆細胞移植(同種または異種))のいずれ
かで放射線照射/化学療法後の幹細胞画分の増殖に治療
上有用である。あるいは、以下に詳細に記載されるよう
に、これらのタンパク質もしくはポリペプチドをコード
する核酸またはこれらのタンパク質もしくはポリペプチ
ドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入し、所
望する通りに該タンパク質の発現を増加または減少する
ことができる。
【0306】実施例25 組織成長の調節を対象とした発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ 上記核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプ
チドは、組織の成長に対するそれらの効果についても評
価することができる。そのような活性に対する多くのア
ッセイが当業者によく知られており、国際特許公開WO
95/16035号、国際特許公開WO95/0584
6号、および国際特許公開WO91/07491号(こ
れらは本明細書において参考として援用される)に開示
されているアッセイが挙げられる。
【0307】創傷治癒活性のためのアッセイとしては、
Winter, Epidermal Wound H
ealing、71〜112頁(Maibach、H1
およびRovee、DT、編)、Year Book
Medical Publishers, Inc.,
Chicagoに記載のアッセイを、Eaglste
inおよびMertz, J. Invest. De
rmatol.71:382-84(1978)(これ
は本明細書において参考として援用される)において改
変したアッセイが挙げられるが、これに限定される訳で
はない。
【0308】次いで、組織の成長の調節に関与するタン
パク質またはポリペプチドを医薬として処方し、組織成
長の調節が有益である臨床症状を治療するために使用す
ることができる。例えば、タンパク質またはポリペプチ
ドは、骨、軟骨、腱、靭帯および/または神経組織の成
長または再生ならびに創傷の治癒および組織の修復およ
び置換に使用される組成物、ならびに火傷、切開および
潰瘍の治療に有用であり得る。
【0309】上記核酸によりコ-ドされるタンパク質ま
たはポリペプチドは、骨が正常に形成されない環境にお
いて軟骨および/または骨の成長を誘導するため、ヒト
および他の動物における骨折および軟骨の損傷または欠
損の治癒に適用性を有する。本発明のタンパク質または
ポリペプチドを用いるそのような調製物は、閉鎖骨折お
よび開放骨折の整復ならびに人工関節の固定の改善にお
いて予防的用途を有し得る。骨形成剤によって誘導され
るde novoでの骨合成は、先天性、外傷誘導性、または腫
瘍学的切除誘導性脳顔面頭蓋欠損の修復に役立ち、また
美容整形外科においても有用である。
【0310】本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、歯周病の治療および他の歯修復過程においても使用
することができる。そのような薬剤は、骨形成細胞を引
き寄せる環境を提供するか、骨形成細胞の増殖を刺激す
るか、または骨形成前駆細胞の分化を誘導することがで
きる。本発明のタンパク質はまた、例えば、骨および/
または軟骨修復の刺激を介するか、あるいは炎症または
炎症過程によって介在される組織破壊の過程(コラゲナ
ーゼ活性、破骨細胞活性など)を阻止することによる、
骨粗しょう症または変形性関節症の治療にも有用であ
る。
【0311】上記核酸によりコードされるタンパク質ま
たはポリペプチドに帰すことができる組織再生活性のも
う1つのカテゴリーは、腱/靭帯形成である。上記核酸
によりコードされるタンパク質またはポリペプチドは、
腱/靭帯様組織または他の組織が通常は形成されない環
境でのそのような組織の形成を誘導し、ヒトおよび他の
動物における腱または靭帯の断裂、変形および他の腱ま
たは靭帯欠損の治癒において適用性を有する。腱/靭帯
様組織を誘導するタンパク質を用いるそのような調製物
は、腱または靭帯組織に対する損傷の防止、ならびに骨
または他の組織に対する腱または靭帯固定の改善、およ
び腱または靭帯組織に対する欠損の修復において予防的
用途を有し得る。本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドによって誘導されるde novoでの腱/靭帯様組織形成
は、先天性、外傷性または他に由来する腱または靭帯欠
損の修復に役立ち、また腱または靭帯の付着または修復
のための美容整形外科に有用である。本発明のタンパク
質またはポリペプチドは、腱または靭帯形成細胞を引き
寄せるか、腱または靭帯形成細胞の増殖を刺激するか、
腱または靭帯形成細胞の前駆細胞の分化を誘導するか、
あるいは組織の修復を引き起こすようにin vivoに戻す
ためにex vivoでの腱/靭帯細胞または前駆細胞の増殖
を誘導する環境を提供する。本発明のタンパク質または
ポリペプチドは、腱炎、手根管症候群および他の腱また
は靭帯欠損の治療にも有用である。治療組成物は、当該
分野においてキャリアとして周知の適切なマトリックス
および/または封鎖剤(sequestering agent)を含んで
もよい。
【0312】本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、神経細胞の増殖ならびに神経および脳組織の再生、
即ち、中枢神経系および末梢神経系の疾患および壊疽、
ならびに神経細胞または神経組織の変性、死または外傷
に関与する機械性および外傷性障害の治療にも有用であ
る。より具体的には、タンパク質またはポリペプチド
を、末梢神経の損傷、末梢性ニューロパシーおよび局限
性ニューロパシーなどの末梢神経系の疾患、ならびにア
ルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋
萎縮側索硬化症、およびシャイ-ドレーガー症候群など
の中枢神経系の疾患の治療に使用してもよい。更に、本
発明に従って治療され得る症状としては、脊髄障害、頭
部外傷などの機械性および外傷性障害ならびに脳卒中な
どの脳血管性疾患などが挙げられる。化学療法または他
の医学療法により生じる末梢性ニューロパシーも、本発
明のタンパク質またはポリペプチドを使用して治療する
ことができる。
【0313】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
また、非治癒性創傷のより良好または迅速な閉鎖を促進
するのにも有用であり、該創傷としては、圧迫性潰瘍
(pressure ulcers)、血管不全を伴う潰瘍、外科的お
よび外傷性創傷などが挙げられるが、これらに限定され
る訳ではない。本発明のタンパク質またはポリペプチド
はまた、臓器(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、
内皮を含む)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)およ
び脈管(脈管内皮を含む)組織などの他の組織の発生ま
たは再生、あるいはそのような組織を構成する細胞の増
殖を促進するための活性を示し得ることが予想される。
所望される効果の1つは、線維性瘢痕形成(fibrotic s
carring)を阻害または調節することによって、正常な
組織の発生を可能にすることである。本発明のタンパク
質またはポリペプチドはまた、脈管形成活性を示し得
る。
【0314】本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、腸の保護または再生および肺または肝繊維症、様々
な組織における再灌流障害、ならびに全身性サイトカイ
ン障害により生じる症状の治療にも有用である。本発明
のタンパク質またはポリペプチドは、前駆組織または細
胞からの上記組織の分化を促進または阻害すること、ま
たは上記組織の成長を阻害するのにも有用である。ある
いは、以下に詳細に記載のように、組織の成長を調製す
る活性を有するタンパク質またはポリペプチドをコード
する核酸またはそのようなタンパク質またはポリペプチ
ドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入し、所
望する通りに該タンパク質またはポリペプチドの発現を
増加または減少させることができる。
【0315】実施例26 生殖ホルモンの調節を対象とした発現されたタンパク質
またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、卵胞刺激ホ
ルモンなどの生殖ホルモンを調節するそれらの能力につ
いて評価することもできる。そのような活性に対する多
くのアッセイが当業者によく知られており、以下の参考
文献に開示されているアッセイが挙げられるが、これら
は本明細書において参考として援用される:Vale
ら、Endocrinol. 91:562-572,
1972;Lingら、Nature 321:77
9-782, 1986;Valeら、Nature
321:776-779, 1986;Masonら、
Nature 318:659-663, 1985;
Forageら、Proc.Natl. Acad.
Sci. USA 83:3091-3095,198
6, Current Protocols in I
mmunology 6.12章、J.E.Colig
anら編、Greene Publishing As
sociates and Wiley-Inters
cience;Taubら、J. Clin. Inv
est. 95:1370-1376, 1995;L
indら、APMIS 103:140-146, 1
995;Mullerら、Eur. J. Immun
ol. 25:1744-1748;Gruberら、
J. Immunol. 152:5860-586
7, 1994; Johnstonら、J. Imm
unol. 153:1762-1768, 199
4。
【0316】次いで、生殖ホルモンまたは細胞運動の調
節物質としての活性を示すそれらのタンパク質またはポ
リペプチドを医薬として処方し、生殖ホルモンの調節が
有益な臨床症状を治療するのに使用してもよい。例え
ば、タンパク質またはポリペプチドは、アクチビンまた
はインヒビン関連活性も示し得る。インヒビンは、卵胞
刺激ホルモン(FSH)の放出を阻害する能力を特徴と
し、アクチビンはFSHの放出を刺激する能力を特徴と
する。従って、本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、それのみで、またはインヒビンαファミリーのメン
バーとのヘテロダイマーの形で、雌の哺乳動物における
生殖能力を減少し、雄の哺乳動物の精子形成を減少する
能力に基づく避妊薬として有用であり得る。十分な量の
他のインヒビンを投与すると、これらの動物において不
妊を誘発することができる。あるいは、本発明のタンパ
ク質またはポリペプチドは、ホモダイマー、またはイン
ヒビンB群の他のタンパク質サブユニットとのヘテロダ
イマーとして存在し、脳下垂体前葉の細胞からのFSH
放出を刺激するアクチビン分子の能力に基づく生殖能力
誘導療法として有用であり得る。例えば、米国特許第
4,798,885号を参照のこと。該参考文献の開示
内容は本明細書において参考として援用される。本発明
のタンパク質またはポリペプチドはまた、ウシ、ヒツジ
およびブタなどの家畜の生存期間中の生殖能力を向上す
るように、性的に未成熟な哺乳動物の生殖能力の発生を
進めるのに有用である。
【0317】あるいは、以下に詳細に記載のように、生
殖ホルモン調節活性を有するタンパク質またはポリペプ
チドをコードする核酸またはそのようなタンパク質また
はポリペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞
に導入し、所望する通りに該タンパク質またはポリペプ
チドの発現を増加または減少させることができる。
【0318】実施例27 走化性/ケモキネシス活性を対象とした発現されたタン
パク質またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、走化性/ケ
モキネシス活性について評価することもできる。例え
ば、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、例え
ば、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好
酸球、上皮および/または内皮細胞を含む哺乳動物細胞
に対する走化性またはケモキネシス活性(例えば、ケモ
カインとして作用する)を有し得る。走化性およびケモ
キネシスタンパク質またはポリペプチドを使用して、所
望の細胞集団を所望の作用部位に移動させるかまたは引
き寄せることができる。走化性およびケモキネシスタン
パク質またはポリペプチドは、組織に対する創傷および
他の外傷の治療、ならびに限局性感染症の治療に特定の
利点を提供する。例えば、腫瘍または感染部位にリンパ
球、単球または好中球を引き寄せると、腫瘍または感染
因子に対する免疫応答を改善することができる。
【0319】タンパク質またはポリペプチドが直接的ま
たは間接的に特定の細胞集団の指令された方向づけまた
は運動を刺激することができるのであれば、該タンパク
質またはポリペプチドは該特定の細胞集団に対する走化
性活性を有する。好ましくは、タンパク質またはペプチ
ドは細胞の指令された運動を直接刺激する能力を有す
る。特定のタンパク質またはポリペプチドが細胞の集団
に対して走化性活性を有するか否かは、細胞走化性に対
する任意の既知のアッセイにおいてそのようなタンパク
質またはポリペプチドを用いることによって容易に決定
することができる。
【0320】本発明のタンパク質またはポリペプチドの
活性は、中でも以下の方法によって測定することができ
る。走化性活性のためのアッセイ(走化性を誘導または
妨げるタンパク質またはポリペプチドを同定するもの)
は、細胞が膜を横切る移動を誘導するタンパク質または
ポリペプチドの能力、および1つの細胞集団のもう1つ
の細胞集団への付着を誘導するタンパク質またはポリペ
プチドの能力を測定するアッセイからなる。運動および
付着のための適切なアッセイとしては、Current
Protocols in Immunology,
J.E.Coligan、A.M.Kruisbee
k、D.H.Margulies、E.M.Sheva
chおよびW.Strober編、Pub. Gree
ne PublishingAssociates a
nd Wiley-Interscience,6.1
2章:6.12.1-6.12.28;Taubら、
J. Clin. Invest.95:1370-1
376, 1995;Lindら、APMIS103:
140-146, 1995;Muellerら、Eu
r. J. Immunol. 25:1744-17
48;Gruberら、J. Immunol. 15
2:5860-5867, 1994;Johnsto
nら、J. Immunol. 153:1762-1
768,1994に記載のアッセイが挙げられるが,そ
れらに限定される訳ではない。
【0321】実施例28 血液凝固の調節を対象とした発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、血液凝固に
対するそれらの効果について評価することもできる。そ
のような活性に対する多くのアッセイが当業者によく知
られており、以下の参考文献に開示されているアッセイ
が挙げられるが、これらは本明細書において参考として
援用される:Linetら、J. Clin. Pha
rmacol. 26:131-140, 1986;
Burdickら、Thrombosis Res.
45:413-419, 1987;Humphrey
ら、Fibrinolysis 5:71-79, 1
991;Schaub, Prostaglandin
s 35:467-474, 1988。
【0322】次いで、血液凝固の調節に関連するそれら
のタンパク質またはポリペプチドを医薬として処方し、
血液凝固の調節が有益な臨床症状を治療するのに使用し
てもよい。例えば、本発明のタンパク質またはポリペプ
チドはまた、止血または血栓溶解(thrombolytic)活性
を示し得る。その結果、そのようなタンパク質またはポ
リペプチドは、様々な凝固異常(血友病などの遺伝性異
常を含む)の治療において、あるいは外傷、外科または
他の原因から生じる創傷の治療における凝固および他の
止血事象を促進するのに有用であると予想される。本発
明のタンパク質またはポリペプチドはまた、血栓の溶解
または血栓形成阻害ならびに血栓形成から生じる症状
(心血管の梗塞および中枢神経系血管の梗塞(例えば、
脳卒中)など)の予防および治療にも有用であり得る。
あるいは、以下に詳細に記載のように、血液凝固活性を
有するタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸
またはそのようなタンパク質またはポリペプチドの発現
を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入し、所望する通
りに該タンパク質またはポリペプチドの発現を増加また
は減少させることができる。
【0323】実施例29 受容体/リガンド相互作用への関与を対象とした発現さ
れたタンパク質またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、受容体/リ
ガンド相互作用への関与について評価することもでき
る。そのような関与に対する多くのアッセイが当業者に
よく知られており、以下の参考文献に開示されているア
ッセイが挙げられるが、これらは本明細書において参考
として援用される:Current Protocol
s in Immunology、7.7.28.1-
7.28.22章、J.E.Coliganら編、Gr
eene PublishingAssociates
and Wiley-Interscience;T
akaiら、Pro. Natl. Acad. Sc
i. USA 84:6864-6868, 198
7;Biererら、J. Exp. Med. 16
8:1145-1156, 1988;Rosenst
einら、J. Exp. Med. 169:149
-160, 1989;Stoltenborgら、
J. Immunol. Methods 175:5
9-68, 1994;Stittら、Cell 8
0:661-670, 1995;Gyurisら、C
ell 75:791-803, 1993。
【0324】例えば、本発明のタンパク質またはポリペ
プチドは、受容体、受容体リガンドまたは受容体/リガ
ンド相互作用の阻害剤もしくはアゴニストとしての活性
を示す。そのような受容体およびリガンドの例として
は、サイトカイン受容体およびそれらのリガンド、受容
体キナーゼおよびそれらのリガンド、受容体ホスファタ
ーゼおよびそれらのリガンド、細胞-細胞間相互作用に
関与する受容体およびそれらのリガンド(細胞付着分子
(セレクチン、インテグリンおよびそれらのリガンドな
ど)、および細胞性および体液性免疫応答の抗原提示、
抗原認識および発達に関与する受容体/リガンド対を含
むがそれらに限定されない)が挙げられるが、それらに
限定される訳ではない。受容体およびリガンドは、関連
の受容体/リガンド相互作用の潜在的なペプチドまたは
小分子阻害剤のスクリーニングにも有用である。本発明
のタンパク質またはポリペプチド(受容体およびリガン
ドの断片を含むが、それらに限定されない)は、受容体
/リガンド相互作用の阻害剤として有用であり得る。あ
るいは、以下に詳細に記載のように、受容体/リガンド
相互作用に関与するタンパク質またはポリペプチドをコ
ードする核酸またはそのようなタンパク質またはポリペ
プチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入
し、所望する通りに該タンパク質またはポリペプチドの
発現を増加または減少させることができる。
【0325】実施例30 抗炎症活性を対象としたタンパク質またはポリペプチド
のアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、抗炎症活性
について評価することもできる。抗炎症活性は、炎症応
答に関与する細胞に刺激を与えることによって、細胞-
細胞間相互作用(例えば、細胞付着など)を阻害もしく
は促進することによって、炎症過程に関与する細胞の走
化性を阻害もしくは促進することによって、細胞溢出を
阻害もしくは促進することによって、または炎症応答を
より直接的に阻害もしくは促進する他の因子の産生を刺
激もしくは抑制することによって、達成することができ
る。そのような活性を示すタンパク質またはポリペプチ
ドを使用して、慢性または急性症状を含む炎症症状を治
療することができる。該炎症症状としては、感染に伴う
炎症(敗血症性ショック、敗血症または全身性炎症応答
症候群)、虚血性再灌流障害(ischemia-reperfusionin
ury)、エンドトキシン死亡率、関節炎、補体介在性超
急性拒絶、腎炎、サイトカインまたはケモカイン誘導性
肺損傷、炎症性腸疾患、クローン病あるいはTNFまた
はIL-1などのサイトカインの過度の産生により生じ
る疾患が挙げられるが、これらに限定される訳ではな
い。本発明のタンパク質またはポリペプチドは、抗原性
物質または材料に対するアナフィラキシーおよび過敏症
を治療するのにも有用であり得る。あるいは、以下に詳
細に記載のように、抗炎症活性を有するタンパク質また
はポリペプチドをコードする核酸またはそのようなタン
パク質またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適切
な宿主細胞に導入し、所望する通りに該タンパク質また
はポリペプチドの発現を増加または減少させることがで
きる。
【0326】実施例31 腫瘍阻害活性を対象とした発現されたタンパク質または
ポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドは、腫瘍阻害活性について評価することもでき
る。腫瘍の免疫学的治療または予防についての上記の活
性に加えて、本発明のタンパク質またはポリペプチドは
他の抗腫瘍活性を示し得る。タンパク質またはポリペプ
チドは、腫瘍の成長を(例えば、ADCCを介して)直
接的または間接的に阻害することができる。タンパク質
またはポリペプチドは、腫瘍組織または腫瘍前駆組織に
対して作用することによって、(例えば、血管新生を阻
害することによって)腫瘍の成長を支えるのに必要な組
織の形成を阻害することによって、腫瘍の成長を阻害す
る他の因子、薬剤または細胞型の産生を引き起こすこと
によって、あるいは腫瘍の成長を促進する因子、薬剤ま
たは細胞型を抑制するか、消失させるかまたは阻害する
ことによって、該タンパク質の腫瘍阻害活性を示し得
る。あるいは、以下に詳細に記載のように、腫瘍阻害活
性を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする
核酸またはそのようなタンパク質またはポリペプチドの
発現を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入し、所望す
る通りに該タンパク質またはポリペプチドの発現を増加
または減少させることができる。
【0327】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
また、以下の更なる活性または効果の1つ以上を示すこ
ともできる:感染因子の増加、感染または機能を阻害す
ること、あるいは感染因子を死滅すること(該感染因子
としては、細菌、ウイルス、真菌および他の寄生物が挙
げられるが、これらに限定されない);身体の特徴に影
響を及ぼす(抑制するかまたは増強する)こと(該身体
の特徴としては、身長、体重、毛髪の色、眼の色、皮
膚、体脂肪率(fat to lean ratio)もしくは他の組織
色素沈着、または臓器または身体部分のサイズまたは形
状(例えば、胸部の増大または縮小、骨の形態または形
状の変化など)が挙げられるが、これらに限定されな
い);バイオリズムもしくはサーカディアンリズムまた
はリズムに影響を及ぼすこと;雄または雌被験体の生殖
能力に影響を及ぼすこと;食事から摂取される脂肪、脂
質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因
子あるいは他の栄養因子または成分の代謝、異化作用、
同化作用、プロセシング、利用、貯蔵または排泄に影響
を及ぼすこと;行動特性に影響を及ぼすこと(該行動特
性としては、食欲、性欲、ストレス、認識(認識障害を
含む)、うつ状態(うつ病を含む)および暴力的行動が
挙げられるが、これらに限定されない);鎮痛効果また
は他の疼痛抑制効果をもたらすこと;造血系列以外の胚
性幹細胞の分化および増加を促進すること;体液性また
は内分泌活性;酵素の場合、酵素の欠乏を補正し、欠乏
関連疾患を治療すること;過増殖異常(例えば、乾癬な
ど)の治療;免疫グロブリン様活性(例えば、抗原また
は補体への結合能など);ならびにワクチン組成物中の
抗原として作用して、そのようなタンパク質またはもう
1つの材料またはそのようなタンパク質と交差反応を呈
するものに対して免疫応答を惹起する能力。あるいは、
以下に詳細に記載のように、上記の活性のいずれかに関
与するタンパク質またはポリペプチドをコードする核
酸、またはそのようなタンパク質またはポリペプチドの
発現を調節する核酸を適切な宿主細胞に導入し、所望す
る通りに該タンパク質またはポリペプチドの発現を増加
または減少させることができる。
【0328】実施例32 本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する
タンパク質またはポリペプチドの同定 本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する
タンパク質またはポリペプチド(例えば、レセプタータ
ンパク質)は、Matchmaker TwoHybr
id System 2(カタログ番号K1604−
1、Clontech)などのツーハイブリッドシステ
ムを使用して同定することができる。キットに添付され
ている取扱説明書(参照により本明細書に組み入れる)
に記載のように、本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドをコードする核酸を、それらが酵母の転写アクチベー
ターGAL4のDNA結合ドメインをコードするDNA
と共にインフレームに存在するように、発現ベクターに
挿入する。本発明のタンパク質またはポリペプチドと相
互作用し得るタンパク質またはポリペプチドをコードす
るcDNAライブラリー中のcDNAを、それらがGA
L4の活性化ドメインをコードするDNAと共にインフ
レームに存在するように第2の発現ベクターに挿入す
る。2つの発現プラスミドを酵母に形質転換し、酵母
を、それぞれの発現ベクターにおける選択マーカーの発
現およびHIS3遺伝子のGAL4依存性発現を対象に
選択する選択培地上でプレート化する。ヒスチジンを欠
く培地上で増殖することができる形質転換体を、GAL
4依存性lacZ発現についてスクリーニングする。ヒ
スチジン選択およびlacZアッセイの両方において陽
性であるそれらの細胞は、本発明のタンパク質またはポ
リペプチドと相互作用するタンパク質またはポリペプチ
ドをコードするプラスミドを含有する。
【0329】あるいは、本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドと相互作用する分子を同定するために、Lus
tigら、Methods in Enzymolog
y283:83−99, 1997(開示内容は参照に
より本明細書に組み入れる)に記載の系を使用してもよ
い。そのような系では、本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドをコードする核酸挿入物を含有するベクターの
プールにおいて、in vitroでの転写反応を実施
する。核酸挿入物はin vitroでの転写を駆動す
るプロモーターの下流にクローニングされる。得られる
mRNAのプールをXenopus laevis卵母
細胞に導入する。次いで、卵母細胞を所望の活性につい
てアッセイする。
【0330】あるいは、上記のように産生され、プール
されたin vitro転写産物をin vitroで
翻訳してもよい。所望の活性または既知のタンパク質ま
たはポリペプチドとの相互作用について、プールされた
in vitro翻訳産物をアッセイすることができ
る。
【0331】様々な更なる技術によって、本発明のタン
パク質またはポリペプチドと相互作用するタンパク質、
ポリペプチドまたは他の分子を見出すことができる。他
の方法では、本発明のタンパク質またはポリペプチドを
含有するアフィニティーカラムを構築することができ
る。本方法では場合により、アフィニティーカラムは、
本発明のタンパク質またはポリペプチドとグルタチオン
S−トランスフェラーゼとが融合したキメラタンパク質
を含有する。細胞タンパク質の混合物または上記の発現
されたタンパク質のプールをアフィニティーカラムに適
用する。次いで、カラムに付着したタンパク質またはポ
リペプチドと相互作用する分子を単離し、Ramuns
enら、Electrophoresis 18:58
8−598(1997)に記載のように2−D電気泳動
ゲル上で分析することができる。該参考文献の開示内容
は、参照により本明細書に組み入れる。あるいは、アフ
ィニティーカラム上に保持される分子を、電気泳動に基
づく方法によって精製し、配列を決定することができ
る。同じ方法を用いて抗体を単離するか、ファージディ
スプレー産物をスクリーニングするか、またはファージ
ディスプレイーヒト抗体をスクリーニングすることがで
きる。
【0332】EdwardsおよびLeatherba
rrow、AnalyticalBiochemist
ry 246:1−6(1997)に記載のように、光
学的バイオセンサーを使用しても、本発明のタンパク質
またはポリペプチドと相互作用する分子をスクリーニン
グすることができる。該参考文献の開示内容は、参照に
より本明細書に組み入れる。本方法の主な利点は、タン
パク質またはポリペプチドと他方の相互作用分子との間
の会合比を決定することができることである。従って、
高いまたは低い会合比の相互作用分子を特異的に選択す
ることが可能である。典型的には、(カルボキシメチル
デキストランマトリックスを介して)標的分子をセンサ
ー表面に結合し、試験分子のサンプルを標的分子に接触
させて配置する。試験分子が標的分子に結合すると、屈
折率および/または濃度に変化が生じる。バイオセンサ
ーによってこの変化を検出する。但し、この変化は、
(センサー表面から数百ナノメートル延長した)一時的
な場において生じる。これらのスクリーニングアッセイ
において、標的分子は、本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドの1つであり得、試験サンプルは、組織または
細胞から抽出されたタンパク質、ポリペプチド、または
他の分子の集合、発現されたタンパク質のプール、コン
ビナトリアルペプチドおよび/または化学ライブラリ
ー、あるいはファージによってディスプレーされたペプ
チド群であり得る。試験分子が抽出される組織または細
胞は、任意の種を起源とすることができる。他の方法で
は、標的タンパク質またはポリペプチドは固定化され、
試験集団は独特な本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドの集合である。
【0333】本発明のタンパク質またはポリペプチドと
薬物との間の相互作用を研究するために、微小透析法
を、Wangら、Chromatographia 4
4:205−208(1997)に記載のHPLC法ま
たはBuschら、J. Chromatogr. 7
77:311−328(1997)に記載のアフィニテ
ィーキャピラリー電気泳動法と組み合わせて使用するこ
とができる。該参考文献の開示内容は、参照により本明
細書に組み入れる。
【0334】開示内容を参照により本明細書に組み入れ
る米国特許第5,654,150号に記載されたシステムを使用
して、本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作
用する分子を同定することもできる。このシステムにお
いては、本発明のタンパク質またはポリペプチドをコー
ドする核酸のプールをin vitroで転写および翻
訳して、反応生成物の既知のポリペプチドまたは抗体と
の相互作用をアッセイする。
【0335】上記で具体的に列挙した活性に加えて多く
の活性について、本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドをアッセイすることができることが、当業者には理解
されるであろう。例えば、発現したタンパク質またはポ
リペプチドを、炎症、腫瘍増殖または転移、感染、ある
いは他の臨床症状の調節及び制御を包含する適用につい
て評価することができる。更に、タンパク質またはポリ
ペプチドは、栄養物質または化粧物質として有用であり
得る。
【0336】本発明のタンパク質またはポリペプチドを
使用して、本発明のタンパク質またはポリペプチドに特
異的に結合可能な抗体を作製することができる。抗体
は、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗
体であってもよい。本明細書で使用する場合、「抗体」
とは少なくとも一つの結合ドメインを含むポリペプチド
またはポリペプチドのグループをいう。結合ドメイン
は、抗体分子の可変ドメインのフォールディングによっ
て、抗原の抗原決定基の性状と相補的な内表面の形状お
よび電荷分布を有する三次元の結合空間を形成するよう
に形成され、それによって抗原との免疫学的反応が可能
となる。抗体としては、結合ドメインを含有する組み換
えタンパク質、並びにFab、Fab’、F(a
b)2、およびF(ab’)2断片等の断片が挙げられ
る。
【0337】本明細書で使用する場合、「抗原決定基」
とは、抗原抗体反応の特異性を決定する抗原分子の部分
である。「エピトープ」とは、ポリペプチドの抗原決定
基をいう。エピトープは、そのエピトープに独特な空間
配置(spatial conformation)にあるせいぜい3個のア
ミノ酸を含むことができる。一般に、エピトープは少な
くとも6個のこうしたアミノ酸、より一般的には少なく
とも8-10個のこうしたアミノ酸から構成される。エ
ピトープを構成するアミノ酸を決定する方法としては、
x線結晶解析、2次元NMR、およびエピトープマッピン
グ、例えば、H.Mario Geysenら,198
4.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.81:3998−4002;PCT公開第WO84
/03564;およびPCT公開第WO84/0350
6に記載されたPepscan法等が挙げられる。
【0338】ある態様においては、抗体は、EST関連
核酸、EST関連核酸断片、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメント断片によってコードされるタンパク質または
ポリペプチドに特異的に結合することができるものであ
る。またある態様においては、抗体は、EST関連核
酸、EST関連核酸断片、EST関連核酸のポジショナ
ルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセ
グメント断片によってコードされるタンパク質またはポ
リペプチド中の抗原決定基またはエピトープに結合する
ことができるものである。
【0339】別の態様においては、抗体は、EST関連
ポリペプチド、EST関連ポリペプチド断片、EST関
連ポリペプチドのポジショナルセグメント、またはES
T関連ポリペプチドのポジショナルセグメント断片に特
異的に結合できるものである。ある態様においては、抗
体は、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチ
ド断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグメ
ント、またはEST関連ポリペプチドのポジショナルセ
グメント断片中の抗原決定基またはエピトープに結合で
きるものである。
【0340】分泌タンパク質の場合には、抗体は、本発
明の核酸によってコードされる全長タンパク質、本発明
の核酸によってコードされる成熟タンパク質(すなわち
シグナルペプチドの切断によって生成するタンパク
質)、または本発明の核酸によってコードされるシグナ
ルペプチドに結合できるものであってもよい。
【0341】実施例33 ヒト・ポリペプチドまたはタンパク質に対する抗体の産
上記のEST関連核酸、EST関連核酸の断片、EST関連核酸
のポジショナルセグメント、EST関連核酸のポジショナ
ルセグメントの断片、EST関連ポリペプチドをコードす
る核酸、EST関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプ
チドのポジショナルセグメント、EST関連ポリペプチド
のポジショナルセグメントの断片は、上記のようにして
プロモーターに作動可能に連結され細胞に導入される。
【0342】分泌型タンパク質の場合、全タンパク質
(すなわち、成熟タンパク質およびシルナルペプチド)
をコードする核酸、成熟タンパク質(すなわち、シグナ
ルペプチドの切断により生じるタンパク質)をコードす
る核酸、またはシグナルペプチドをコードする核酸は、
上記のようにしてプロモーターに作動可能に連結され細
胞に導入される。
【0343】次いで、コードされたタンパク質またはポ
リペプチドを、上記のようにして実質的に精製または単
離する。例えば、Amiconフィルター装置上で数μg/mlの
レベルまで濃縮することによって、最終調製物中のタン
パク質の濃度を調整する。次いで、このタンパク質また
はポリペプチドに対するモノクローナルまたはポリクロ
ーナル抗体を、以下のように調製することができる。
【0344】1.ハイブリドーマ融合体によるモノクロ
ーナル抗体の産生 記載のように同定および単離される任意のタンパク質ま
たはポリペプチドのエピトープに対するモノクローナル
抗体を、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495(1975)
の古典的方法またはそれから由来する方法に従って、マ
ウスのハイブリドーマから調製することができる。簡単
に説明すると、数週間の間、マウスに、数ミリグラムの
選択されたタンパク質または該タンパク質に由来するペ
プチドを反復的に接種する。次いで、マウスを屠殺し、
抗体を産生する脾臓細胞を単離する。脾臓細胞を、ポリ
エチレングリコールによって、マウスのミエローマ細胞
と融合し、アミノプテリンを含む選択培地(HAT培地)
上の系の増殖によって融合していない過度の細胞を破壊
する。首尾よく融合した細胞を希釈して、希釈物のアリ
コートをマイクロタイタープレートのウェルに入れ、こ
こで培養物の増殖を継続する。本来Engvall, Meth. Enz
ymol. 70:419,(1980)(この開示内容は、参照により本
明細書に組み入れる)に記載のELISAなどのイムノアッ
セイ手順及びそれから由来する方法により、ウェルの上
清液中の抗体を検出することによって、抗体産生クロー
ンを同定する。選択した陽性クローンを培養し、使用の
ためにそれらのモノクローナル抗体産物を回収すること
ができる。モノクローナル抗体産生の詳細な手順につい
ては、Davis.Lら、Basic Methods in Molecular Biology
Elsevier, New York、21-2節に記載されている。該参考
文献の開示内容は、参照により本明細書に組み入れる。
【0345】2.免疫化によるポリクローナル抗体の産
適切な動物を、修飾されていないかまたは免疫原性を増
強するために修飾することができる発現されたタンパク
質またはそれから誘導されるペプチドで免疫することに
よって、単一のタンパク質の異種エピトープに対する抗
体を含有するポリクローナル抗血清を調製することがで
きる。抗原および宿主種の両方に関連する多くの因子が
有効なポリクローナル抗体の産生に影響を及ぼす。例え
ば、小さな分子は、他の分子よりも免疫原性が小さい傾
向があり、担体およびアジュバントの使用が必要な場合
がある。また、宿主動物の応答は、接種部位または用量
に依存して変化し、抗原の量が不適切であってもまたは
過度であっても抗血清の力価が低下する。多数の皮内部
位に投与された少用量(ngのレベル)の抗原が最も信頼
できるようである。ウサギに対する有効な免疫化プロト
コルはVaitukaitisら、J. Clin. Endocrinol. Metab. 3
3:988-991(1971)に見出すことができる。該参考文献の
開示内容は、参照により本明細書に組み入れる。
【0346】定期的に追加免疫注入することができ、抗
血清は、その抗体価が低下し始める時点で収穫される。
抗体価は、例えば、抗体の既知の濃度に対する寒天中の
二重免疫拡散法によって半定量的に測定される。例え
ば、Ouchterlonyら、Handbookof Experimental Immunol
ogy 19章、D.Wier(編)、Blackwell(1973)を参照のこと。
該参考文献の開示内容は、参照により本明細書に組み入
れる。抗体のプラトー濃度は、通常、0.1〜0.2mg/mlの
血清(約12μM)の範囲にある。例えば、Fisher, D.
Manual of Clinical Immunology、2版(RoseおよびFriedm
an編)Amer. Soc. For Microbiol., Washington, D.C.(1
980)に記載のように、競合結合曲線を調製することによ
って、抗原に対する抗血清の親和性が決定される。該参
考文献の開示内容は、参照により本明細書に組み入れ
る。
【0347】上記のプロトコルのいずれかに従って調製
される抗体調製物は様々な場合に有用である。特に、そ
の抗体は、後記のようなイムノアフィニティクロマトグ
ラフィー法に用いて、EST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片によってコードされるタンパク質また
はポリペプチドの大量の単離、精製もしくは富化を容易
にするための、またはEST関連ポリペプチド、EST関連ポ
リペプチドの断片、EST関連ポリペプチドのポジショナ
ルセグメントもしくはEST関連ポリペプチドのポジショ
ナルセグメントの断片の単離、精製または富化を行うこ
とができる。
【0348】分泌型タンパク質の場合、該抗体は、全タ
ンパク質(すなわち、成熟タンパク質およびシグナルペ
プチド)、成熟タンパク質(シグナルペプチドの切断に
よって生じるタンパク質)の単離、精製または富化に用
いることができ、これらは(これらは上記のようにして
プロモーターに作動可能に連結し細胞に導入される。
【0349】さらに、該抗体は、後記のようなイムノア
フィニティクロマトグラフィーに用いて、EST関連核
酸、EST関連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関
連核酸のポジショナルセグメントの断片によってコード
されるタンパク質またはポリペプチドの単離、精製もし
くは富化のための、またはEST関連ポリペプチド、EST関
連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチドのポジシ
ョナルセグメントもしくはEST関連ポリペプチドのポジ
ショナルセグメントの断片を単離、精製または富化する
ことができる。
【0350】該抗体はまた、EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片によりコードされるタンパク質
またはポリペプチドによってコードされるポリペプチド
の細胞位置を決定するのに、あるいはEST関連ポリペプ
チド、EST関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメントまたはEST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメントの細胞位置を決定するのに
用いることもできる。
【0351】さらに、該抗体はまた、EST関連核酸、EST
関連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸
のポジショナルセグメントの断片によってコードされる
タンパク質またはポリペプチドに結合しているポリペプ
チド、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプ
チドの断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグ
メントもしくはEST関連ポリペプチドのポジショナルセ
グメントの断片に結合しているポリペプチドの細胞での
位置を決定するのに用いることもできる。
【0352】該抗体はまた、生物学的サンプル中での抗
原を含む基質の濃度を測定する定量的イムノアッセイに
おいても用い得る。それらはまた、生物学的サンプル中
の抗原の存在を半定量的または定量的に同定するのに、
または生物学的サンプル中に存在する組織の種類を同定
するのにも用い得る。該抗体は、タンパク質を発現する
細胞を死滅させるかまたは身体中のタンパク質のレベル
を低下させるための治療用組成物に使用してもよい。
【0353】V. 5’ESTおよびコンセンサスコンジュ
ゲート5'ESTまたはそれらから得られる配列もしくはそ
れらのタンパク質の試薬としての使用 上記のEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片は、単離手順、診断アッセイ、および法医学手順に
おける試薬として使用することができる。例えば、EST
関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、ま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を検
出可能に標識し、該配列にハイブリダイズ可能な他の配
列を単離するためのプローブとして使用してもよい。更
に、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片を使用して、単離、診断、および法医学手順に使用さ
れるPCRプライマーを設計することができる。
【0354】1.EST関連核酸、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセ
グメントの断片の、単離、診断および法医学的手順にお
ける使用
【0355】実施例34 PCRプライマーの調製およびDNAの増幅 EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、
またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を
使用して、そのような配列にハイブリダイズし得る核酸
をクローニングするための単離手順、診断技術および法
医学技術を含む様々な適用のためのPCRプライマーを調
製することができる。幾つかの実施形態において、PCR
プライマーは少なくとも10、15、18、20、23、25、28、
30、40または50塩基の長さである。幾つかの実施形態で
は、PCRプライマーは30塩基を超える長さであってもよ
い。プライマー対は、融解温度がほぼ同じであるよう
に、ほぼ同じG/C比を有する。様々なPCR技術が当業者
によく知られている。PCR技術の概要については、Molec
ular Cloning to Genetic Engineering, White,B.A.編、
Mothods in Molecular Biology 67:Humana Press, Toto
wa 1997を参照のこと。該参考文献の開示内容は、参照
により本明細書に組み入れる。これらのPCR手順のそれ
ぞれにおいて、増幅しようとする核酸配列のそれぞれの
側に対するPCRプライマーを、dNTPおよびTaqポリメラー
ゼ、Pfuポリメラーゼ、またはVentポリメラーゼなどの
耐熱性ポリメラーゼと共に適切に調製された核酸サンプ
ルに添加する。サンプル中の核酸を変性し、PCRプライ
マーを、サンプル中の相補的な核酸配列に特異的にハイ
ブリダイズさせる。ハイブリダイズしたプライマーが伸
張される。その後、変性、ハイブリダイゼーションおよ
び伸張の別のサイクルが開始する。サイクルを複数回反
復して、プライマー部位間の核酸配列を含有する増幅さ
れた断片を生成する。
【0356】実施例35 プローブとしてのEST関連核酸、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメント、または EST関連核酸のポジショナルセ
グメントの断片の使用 EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、
またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片か
ら誘導されるプローブを、放射性同位体および非放射性
標識物を含む、当業者によく知られた検出可能な標識物
で標識し、検出可能なプローブを提供することもでき
る。検出可能なプローブは、一本鎖または二本鎖であっ
てもよく、in vitro転写、ニックトランスレーション、
またはキナーゼ反応を含む当業者に公知の技術を使用し
て作製してもよい。標識されたプローブにハイブリダイ
ズすることができる配列を含有する核酸サンプルを、標
識したプローブに接触させる。サンプル中の核酸が二本
鎖である場合、プローブに接触させる前に該核酸を変性
してもよい。適用によっては、核酸サンプルを、ニトロ
セルロースまたはナイロン膜などの表面上に固定化して
もよい。核酸サンプルは、ゲノムDNA、cDNAライブラリ
ー、RNA、または組織サンプルを含むさまざまな供給源
から得られる核酸を含むことができる。
【0357】検出可能なプローブにハイブリダイズする
ことができる核酸の存在を検出するために使用される手
順には、サザンブロッティング、ノーザンブロッティン
グ、ドットブロッティング、コロニーハイブリダイゼー
ション、およびプラークハイブリダイゼーションなどの
周知の技術が含まれる。適用によっては、標識されたプ
ローブにハイブリダイズすることができる核酸を、発現
ベクター、シークエンシングベクター、またはin vitro
転写ベクターなどのベクターにクローニングして、サン
プル中のハイブリダイズ核酸の特徴付けおよび発現を容
易にすることができる。例えば、そのような技術を使用
して、上記の実施例18に記載の検出可能なプローブにハ
イブリダイズすることができるゲノムライブラリーまた
はcDNAライブラリー中の配列を単離し、クローニングし
てもよい。
【0358】上記の実施例34に記載のように作製された
PCRプライマーは、以下の実施例36〜40に記載のDNAフィ
ンガープリント技術などの法医学分析に使用することも
できる。そのような分析は、EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジ
ショナルセグメントの断片の配列に基づく検出可能なプ
ローブまたはプライマーを利用することができる。
【0359】実施例36 DNAの配列決定による法医学的マッチング 1つの例示的方法では、従来の方法によって例えば、
毛、精液、血液または皮膚細胞の法医学的標本からDNA
サンプルを単離する。次いで、実施例34に従って、幾つか
の該EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片に基づくPCRプライマーのパネルを利用し、法医学的
標本から長さ約100〜200塩基のDNAを増幅する。対応す
る配列は試験被験体から得られる。次いで、標準的な技
術を使用して、これらの同定DNAのそれぞれについて配
列を決定し、サンプルのデータベースを比較することに
よって、被験体由来の配列とサンプル由来の配列との間
に差異があればこれを決定する。被験体のDNA配列とサ
ンプル由来のDNA配列との間に統計学的に有意な差異が
認められれば、その結果として同一性が欠如しているこ
とが明らかにされる。このような同一性の欠如は、例え
ば、ただ1つの配列によって証明することができる。一
方、同一性を有することは、多数の配列でそれらが全て
一致することによって実証されるべきである。好ましく
は、長さが100塩基の統計学的に同一な配列を最小でも5
0個使用して、被疑体とサンプルとの間の同一性を証明
する。
【0360】実施例37 DNAの配列決定による陽性同定 先の実施例に概略されている技術をより大きな規模で使
用して、任意の個体の独特なフィンガープリント型同定
を提供することができる。この方法では、多くのEST関
連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、また
はEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片からプ
ライマーを調製する。好ましくは、20〜50個の異なるプ
ライマーを使用する。これらのプライマーを使用して、
実施例34に従い、問題の個体から相当する数のPCRによ
って作製されたDNAセグメントを得る。実施例36に記載
の方法を使用して、これらのDNAセグメントのそれぞれ
について塩基配列を決定する。本手順を介して作製され
た配列のデータベースは、配列が得られた個体を特異に
同定する。次いで、後にプライマーの同じパネルを使用
して、組織または他の生物学的標本と個体を絶対的に相
関付けることができる。
【0361】実施例38 サザンブロットによる法医学的同定 実施例37の手順を反復して、個体および標本から少なく
とも10個の増幅された配列を得る。好ましくは、パネ
ルは少なくとも50個の増幅された配列を含有する。よ
り好ましくは、パネルは100個の増幅された配列を含
有する。実施例によっては、パネルは200個の増幅さ
れた配列を含有する。次いで、このPCRによって作製さ
れたDNAを、好ましくは4塩基特異的制限酵素の1つま
たは組み合わせで消化する。そのような酵素は市販され
ており、当業者に既知である。消化後、得られた遺伝子
断片を、アガロースゲル上の複数の二連ウェルでサイズ
により分離し、当業者に周知のサザンブロッティング技
術を使用して、ニトロセルロースに移す。サザンブロッ
ティングの概要については、Davisら(Basic Methods in
Molecular Biology, 1986, Elsevier Press62〜65頁)
を参照のこと。該参考文献の開示内容は、参照により本
明細書に組み入れる。
【0362】EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片の配列に基づくプローブのパネルを、ニック
トランスレーション、末端標識化などの当該分野におい
て公知の方法を用いて、放射性または発色性の標識を行
い、当該分野において公知の方法(Davisら、前掲)を
用いて、サザンブロットにハイブリダイズさせる。好ま
しくは、このプローブは、長さが少なくとも10、12、1
5、18、20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、2
00、300、400または500ヌクレオチドである。好ましく
は、このプローブは長さが少なくとも10、12、15、18、
20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、30
0、400または500ヌクレオチドである。幾つかの実施形
態において、このプローブは長さが40ヌクレオチド以下
のオリゴヌクレオチドである。
【0363】好ましくは、少なくとも5〜10個のこれら
の標識されたプローブを使用し、より好ましくは少なく
とも約20または30個を使用して特異なパターンを提供す
る。EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片の大きなサンプルのハイブリダイゼーションから出現
する得られたバンドは、ユニークな同定物となる。制限
酵素切断は全ての個体に対して異なるため、サザンブロ
ット上のバンドのパターンも特異である。プローブの数
が増加すると、同定において統計学的により高いレベル
の信頼度が得られる。何故なら、同定のために使用され
るバンドの組の数が増加するからである。
【0364】実施例39 ドットブロット同定法 本明細書において開示されるEST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジ
ショナルセグメントの断片を使用して個体を同定するた
めのもう1つの技術は、ドットハイブリダイゼーション
技術を利用する。同定しようとする被験体の核からゲノ
ムDNAを単離する。EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片に由来する少なくとも10個、好ましく
は50個のDNA配列に相当するプローブを調製する。プロ
ーブを使用して、当業者に既知の条件を介してゲノムDN
Aにハイブリダイズする。ポリヌクレオチドキナーゼ(P
harmacia)を使用して、オリゴヌクレオチドをP32で末
端標識する。減圧ドットブロットマニホールド(BioRa
d, Richmond California)を使用して、ゲノムDNAをニ
トロセルロースなどにスポットすることによってドット
ブロットを作製する。当該分野において公知の技術(Da
visら、前掲)を用いて、ゲノムの配列を含有するニト
ロセルロースフィルターをベーキングまたはUVによりフ
ィルターに結合させ、プレハイブリダイズし、標識され
たプローブでハイブリダイズする。32P標識DNA断片を
順に成功率の高いストリンジェント条件でハイブリダイ
ズし、30bpの配列とDNAとの間の最低限の差異を検出す
る。塩化テトラメチルアンモニウムは、少数のヌクレオ
チドのミスマッチを含有するクローンを同定するのに有
用である(Woodら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA 82(6):1
585-1588(1985))。該参考文献の開示内容は、参照によ
り本明細書に組み入れる。ドットの特異なパターンによ
り、1つの個体ともう1つの個体とが区別される。
【0365】以下のもう1つのフィンガープリント技術
では、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントを
プローブとして使用することができる。幾つかの実施形
態では、そのプローブは、長さがが40ヌクレオチド以下
のオリゴヌクレオチドである。
【0366】好ましくは、異なるEST関連核酸、EST関連
核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片に由来する配列を有する
複数のプローブをこのもう1つのフィンガープリント技
術において使用する。以下の実施例40は、プローブがES
T関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、ま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片から
誘導される代表的なもう1つのフィンガープリント手順
を提供する。
【0367】実施例40 もう1つの「フィンガープリント」同定法 Genset, Paris, Franceなどの市販のオリゴヌクレオチ
ドサービスを用いて、多数、例えば、50、100または200
個のEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片からオリゴヌクレオチドを調製する。好ましくは、そ
のオリゴヌクレオチドは、長さが少なくとも10、15、1
8、20、23、25、28または30ヌクレオチドである。しか
し、幾つかの実施形態では、該オリゴヌクレオチドは長
さが20ヌクレオチドよりも長いものとし得る。当業者に
周知の技術を用い、DNAを対象として試験被験体由来の
細胞サンプルを処理する。核酸をEcoRIおよびXbaIなど
の制限酵素で消化する。消化後、サンプルを電気泳動用
ウェルにアプライする。ポリアクリルアミド電気泳動に
順応するために当該分野において既知の手順に変更を加
えてもよいが、本実施例では、5μgのDNAを含むサン
プルをウェルにロードし、0.8%のアガロースゲルで分離
する。標準的なサザンブロッティング技術を使用して、
ゲルをニトロセルロースに移す。
【0368】10ngのそれぞれのオリゴヌクレオチドをプ
ールして、32Pで末端標識する。ニトロセルロースをブ
ロッキング溶液でプレハイブリダイズし、標識したプロ
ーブでハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションお
よび洗浄後、ニトロセルロースフィルターをX-Omat AR
X線フィルムに暴露する。得られるハイブリダイゼー
ションのパターンはそれぞれの個体について特異であ
る。
【0369】本実施例では、更なる正確性または明確性
のために使用されるプローブ配列の数を変更することが
できることが更に考慮される。
【0370】法医学におけるそれらの適用および同定に
加えて、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグ
メント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメント
の断片を、染色体の位置に対してマッピングすることが
できる。以下の実施例41では、EST関連核酸、EST関連核
酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポ
ジショナルセグメントの断片を使用するヒト染色体領域
の放射性ハイブリッド(radiation hybrid)(RH)マッ
ピングについて説明する。以下の実施例42では、ヒト染
色体上のEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグ
メント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメント
の断片の位置のマッピングの代表的手順について説明す
る。以下の実施例43では、蛍光in situハイブリダイゼ
ーション(FISH)による中期染色体上のEST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連
核酸のポジショナルセグメントの断片のマッピングにつ
いて説明する。
【0371】2. 染色体マッピングにおけるEST関連
核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはE
ST関連核酸のポジショナルセグメントの断片の使用
【0372】実施例41 ヒトゲノムに対するEST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片の放射性ハイブリッドマッピング 放射性ハイブリッド(RH)マッピングは、体細胞の遺伝
学的アプローチであり、ヒトゲノムの高解像マッピング
に使用することができる。本アプローチでは、1つ以上
のヒト染色体を含有する細胞株に致死量の放射線を照射
し、それぞれの染色体を、放射線の用量に応じたサイズ
を有する断片に切断する。これらの断片を、培養したげ
っ歯類動物細胞で回収し、ヒトゲノムの異なる部分を含
有するサブクローンを得る。本技術は、Benhamら(Genom
ics 4:509-517, 1989)およびCoxら(Science 250:245-2
50, 1990)により記載されており、これらの全ての内容
は、本明細書において参考として組み込まれる。サブク
ローンは無作為的かつ独立した性質を有するため、任意
のヒトゲノムマーカーの効率的なマッピングが可能であ
る。80〜100種の細胞系のパネルから単離されたヒトDNA
は、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片を配列するためのマッピング試薬を提供する。本アプ
ローチでは、マーカー間の切断の頻度を使用して、距離
を測定し、従来のESTを用いて行われているのと同程度
の細密な解像度のマップを構築することが可能である
(Schulerら、Science 274:540-546, 1996、本明細書に
おいて組み込まれる)。
【0373】RHマッピングを使用して、成長ホルモン
(GH)およびチミジンキナーゼ(TK)の遺伝子が横切る
ヒト染色体17q22〜q25.3(Fosterら、Genomics 33:185-19
2, 1996)、ゴーリン症候群遺伝子を囲む領域(Obermayr
ら、Eur. J. Hum. Genet. 4:242-245, 1996)、第12染色
体の全短腕に渡る60個の遺伝子座(Raeymaekersら、Genom
ics 29:170-178, 1995)、2型神経繊維腫症の遺伝子座
を含有するヒト第22染色体ならびに第5染色体の長腕上
の13個の遺伝子座(Warringtonら、Genomics 11:701-708,
1991)の高解像全ゲノム放射性ハイブリッドマップが作
製されている。
【0374】実施例42 PCR技術を使用するヒト染色体に対するEST関連核酸、ES
T関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片のマッピング PCRに基づく方法論を使用して、EST関連核酸、EST関連
核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片をヒト染色体に対して割
り当てることができる。そのようなアプローチでは、ES
T関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、ま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片から
オリゴヌクレオチドプライマー対を設計して、イントロ
ンを介して増幅する可能性を最小限にする。好ましく
は、オリゴヌクレオチドプライマーの長さは18〜23bpで
あり、PCR増幅のために設計される。既知の配列からPCR
プライマーを作成するのは当業者に周知である。PCR技
術の概要については、Erlich,PCR Technology, Princip
les and Applications for DNA Amplification、Freeman
and Co., New York, 1992,W.H.Freeman and Co., New
Yorkを参照のこと。該参考文献の開示内容は本明細書に
おいて組み込まれる。
【0375】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてプ
ライマーを使用し、全ヒトゲノムDNAからテンプレート
を増幅する。PCR条件は以下の通りである:60ngのゲノ
ムDNAをPCRのテンプレートとして使用し、80ngのそれぞ
れのオリゴヌクレオチドプライマー、0.6単位のTaqポリ
メラーゼ、および1μCuの32P標識デオキシシチジン三
リン酸を伴う。PCRは、マイクロプレートサーモサイク
ラー(Techne)において、以下の条件で行う:94℃、1.4
分間;55℃、2分間;および72℃、2分間の30サイク
ル;更に72℃で10分間の最終伸長。増幅産物を6%ポリ
アクリルアミドシークエンシング用ゲル上で分析し、オ
ートラジオグラフィーで可視化した。得られるPCR産物
の長さが、プライマーが誘導される5'ESTにおけるプラ
イマー配列の末端間の距離と同一であれば、ヒト−げっ
歯類動物体細胞ハイブリッドの2つのパネル、BIOS PCR
able DNA(BIOS Corporation)およびNIGMSヒト−げっ歯
類動物体細胞ハイブリッドマッピングパネルナンバー1
(NIGMS, Gamden, NJ)由来のDNAテンプレートでPCR反
応を繰り返す。
【0376】PCRを使用して、ヒト染色体の規定された
組を含有する一連の体細胞雑種細胞株を、所定の5'EST
の存在を対象にスクリーニングする。体細胞ハイブリッ
ドからDNAを単離し、EST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナ
ルセグメントの断片に由来するプライマー対を使用する
PCR反応のための開始テンプレートとして使用する。EST
関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、ま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片に対
応するヒト遺伝子を含有する染色体を有するそれらの体
細胞ハイブリッドのみが、増幅された断片を生じる。体
細胞ハイブリッドDNAテンプレート由来のPCR産物の分離
パターンを分析することによって、該5'ESTを染色体に
対して割り当てる。増幅された断片を生じる全ての細胞
ハイブリッドに存在する単一のヒトゲノムは、そのEST
関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、ま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を含
有する染色体である。体細胞遺伝子のマッピング実験か
ら生じる技術および分析の概要については、Ledbetter
ら、Genomics 6:475-481,(1990)を参照されたい(該参考
文献の開示内容は本明細書において組み込まれる。)。
【0377】あるいはまた、EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジ
ショナルセグメントの断片は、以下の実施例43に記載の
FISHを用いて個々の染色体に対してマッピングしてもよ
い。
【0378】実施例43 蛍光in situハイブリダイゼーションを用いる染色体に
対する5'EST関連核酸、5'EST関連核酸のポジショナルセ
グメント、または5'EST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片のマッピング 蛍光in situハイブリダイゼーションにより、所定の染
色体の特定の位置に対してEST関連核酸、EST関連核酸の
ポジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片をマッピングすることができ
る。蛍光in situハイブリダイゼーション技術のために
使用すべき染色体は、細胞培養物、組織、または全血を
含む様々な供給源から得ることができる。
【0379】好ましい実施態様において、EST関連核
酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST
関連核酸のポジショナルセグメントの断片の染色体位置
は、Cherifら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 87:663
9-6643, 1990)(この開示内容は本明細書において組み
込まれる)に記載のFISHにより得られる。中期の染色体
をフィトヘマグルチニン(PHA)−刺激血液細胞供与体
から調製する。健常雄由来のPHA-刺激リンパ球を、RPMI
-1640培地で72時間培養する。同調のため、メトトレキ
セート(10μM)を17時間添加し、続いて、5-ブロモデ
オキシウリジン(5-BrdU、0.1mM)を6時間添加する。細
胞を回収する前に、コルセミド(1μg/ml)を最後の15
分間添加する。細胞を回収し、RPMIで洗浄し、KCl(75m
M)の低張溶液と共に37℃で15分間インキュベートし、
メタノール:酢酸(3:1)を3回取り替えて固定す
る。細胞懸濁物をガラススライド上に滴下し、空気乾燥
する。EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片を、製造者(Bethesda Research Laboratories, Be
thesda, MD)の説明書に従い、ビオチン-16dUTPでニック
トランスレーションにより標識し、Sephadex G-50カラ
ム(Pharmacia, Upsala, Sweden)を用いて精製し、沈殿
させる。ハイブリダイゼーションの直前に、DNAのペレ
ットをハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミ
ド、2×SSC、10%硫酸デキストラン、1mg/ml超音波処理
サケ精子DNA、pH7)に溶解し、プローブを70℃で5
〜10分間変性させる。
【0380】−20℃に保たれたスライドガラスをRNase
A(100μg/ml)により37℃で1時間処置し、2×SSCで3回
濯いで、エタノール系列で脱水する。染色体調製物を70
%ホルムアミド、2×SSC中、70℃で2分間変性させ、次
いで4℃で脱水する。スライドをプロテイナーゼK(20
mM Tris-HCl中10μg/100ml、2mMCaCl2)により、37℃で
8分間処置し、脱水する。プローブを含有するハイブリ
ダイゼーション混合物をスライド上に配置し、カバーガ
ラスで覆い、ゴム糊で封をして湿式チャンバにおいて37
℃で1晩インキュベートする。ハイブリダイゼーション
およびハイブリダイゼーション後の洗浄後、ビオチン化
されたプローブをアビジン-FITCで検出し、ビオチン化
ヤギ抗アビジンおよびアビジン-FITCの更なる層で増幅
する。染色体位置決定のために、前記のように蛍光Rバ
ンドを得る(Cherifら、前掲)。LEICA蛍光顕微鏡(DMR
XA)下でスライドを観察する。染色体をヨウ化プロピジ
ウム(propidium iodide)で対比染色し、蛍光Rバンド
染色体の両染色分体(赤色)上に2つの対称性の黄緑色
のスポットとしてプローブの蛍光シグナルが出現する。
従って、特定のEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナ
ルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセグ
メントの断片は、所定の染色体上の特定の細胞遺伝子の
Rバンドに局在し得る。
【0381】上記の実施例41〜43に記載の技術を使用し
て、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片を特定の染色体に対して割り当てたら、それらを利用
して、それらが局在する染色体の高解像マップを構築す
るかまたはサンプル中の染色体を同定することができ
る。
【0382】実施例44 染色体マップを構築または拡大するためのEST関連核
酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST
関連核酸のポジショナルセグメントの断片の使用 上記のように、染色体マッピングは特定の染色体に所定
の特異な配列を割り当てることが必要である。一旦、特
異な配列が所定の染色体にマッピングされると、該特異
な配列は、同じ染色体上に位置する他の特異な配列に対
する相対的な順番が決定する。染色体マッピングに対す
る1つのアプローチは、EST関連核酸、EST関連核酸のポ
ジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショ
ナルセグメントの断片が得られる生物の染色体由来の数
千もの長い挿入物を有する一連の酵母人工染色体(YA
C)を利用する。本アプローチについては、Ramaiah Nag
arajaら、Genome Research 7:210-222, 1997, 3月に記
載されている。該参考文献の開示内容は本明細書におい
て組み込まれる。簡単に説明すると、本アプローチで
は、それぞれの染色体を、重複する片に切断して、YAC
ベクターに挿入する。PCRまたは他の方法を用いてYAC挿
入物をスクリーニングし、それらが位置を決定しようと
するEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片を含むかどうかを決定する。5'ESTを含む挿入物が見
つかったら、該挿入物をPCRまたは他の方法を用いて分
析し、該挿入物が、染色体上に、またはEST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連
核酸のポジショナルセグメントの断片を誘導した領域内
に存在することが知られている他の配列を含有するかど
うかを決定する。このプロセスはYACライブラリー内の
それぞれの挿入物について反復して、もう1つの既知の
染色体マーカーおよび他の既知の染色体マーカーに対す
るEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片それぞれの相対的な位置を決定することができる。本
方法では、生物のそれぞれの染色体に沿った多くの特異
なマーカーの分布についての高解像マップを得ることが
できる。
【0383】以下の実施例45に記載のように、EST関連
核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはE
ST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を使用し
て、遺伝性疾患または薬物応答などの特定の表現型に関
連する遺伝子を同定することもできる。
【0384】3. 遺伝子同定におけるEST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連
核酸のポジショナルセグメントの断片の使用
【0385】実施例45 遺伝性疾患または薬物応答に関連する遺伝子の同定 本実施例は、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片と特定の表現型特性との関連性について有用
なアプローチを例示する。本実施例では、特定のEST関
連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、また
はEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を試験
プローブとして使用し、EST関連核酸、EST関連核酸のポ
ジショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショ
ナルセグメントの断片と特定の表現型特性との間の関連
性について調べる。
【0386】実施例41および42に記載の技術または他の
当該分野において公知の技術を使用して、EST関連核
酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST
関連核酸のポジショナルセグメントの断片をヒト染色体
上の特定の位置に対してマッピングする。A search of
Mendelian Inheritance in Man(V. McKusick in Mendel
ian Inheritance in Man)(Johns Hopkins University W
elch Medical Libraryを介してオンラインで入手可能)
は、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片を含有するヒト染色体の領域が、いくつかの公知の遺
伝子および遺伝子が同定されていないいくつかの疾患ま
たは表現型を含有する、非常に遺伝子に富む領域である
ことを示している。従って、このEST関連核酸、EST関連
核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片に対応する遺伝子は、こ
れらのそれぞれの遺伝子疾患についての直接的候補とな
る。
【0387】これらの疾患または表現型を有する患者由
来の細胞を単離し、培養で増殖させる。EST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連
核酸のポジショナルセグメントの断片に由来するPCRプ
ライマーを使用して、患者由来のゲノムDNA、mRNAまた
はcDNAをスクリーニングする。患者のEST関連核酸、ES
T関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片が増幅しない場合、
該配列は更なる分析によって特定の疾患と関連性がある
と見なすことができる。あるいは、PCR分析は、サンプ
ルが健常な個体から誘導される場合よりも、サンプルが
疾患に関連する表現型を有する個体から誘導される場合
に様々な長さの断片を生じ、このことは、このEST関連
核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはE
ST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を含有する
遺伝子が遺伝子疾患の原因である可能性を示す。
【0388】VI. ベクターの構築するためのEST関連
核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはE
ST関連核酸のポジショナルセグメントの断片の使用
【0389】本発明のEST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナ
ルセグメントの断片を使用して、ベクター内の遺伝子に
よりコードされるタンパク質の分泌を指令し得る分泌ベ
クターを構築することもできる。そのような分泌ベクタ
ーは、所望のタンパク質を精製または富化しなければな
らないバックグランドのタンパク質の数を減少すること
によって、ベクターに挿入された遺伝子によりコードさ
れるタンパク質の精製または富化を容易にすることがで
きる。例示的分泌ベクターについては、以下の実施例46
に記載する。
【0390】1. 分泌ベクターの構築 実施例46 分泌ベクターの構築 本発明の分泌ベクターは、目的の宿主細胞、組織、また
は生物において遺伝子の発現を指令することができるプ
ロモーターを含む。そのようなプロモーターとしては、
ラウス肉腫ウイルスプロモーター、SV40プロモーター、
ヒトサイトメガロウイルスプロモーター、および当業者
によく知られている他のプロモーターが挙げられる。
【0391】EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片の1つに由来するシグナル配列は、プロモー
ターから転写されるmRNAがシグナルペプチドの翻訳
を指令するように、プロモーターに作動可能に連結して
いる。好ましくは、このシグナル配列は、配列番号24〜
4100の核酸の1つに由来するものである。宿主細胞、組
織、または生物は、EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメント、またはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片のシグナル配列によりコードされるシ
グナルペプチドを認識する任意の細胞、組織、または生
物であり得る。適切な宿主としては、哺乳動物の細胞、
組織もしくは生物、トリの細胞、組織もしくは生物、昆
虫の細胞、組織もしくは生物、または酵母が挙げられ
る。
【0392】更に、分泌ベクターは、分泌されるべきタ
ンパク質をコードする遺伝子を挿入するためのクローニ
ング部位を含む。クローニング部位は、シグナルペプチ
ドが、挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質
に融合している融合タンパク質が、プロモーターより転
写されるmRNAから発現されるように、シグナル配列と読
みが合った挿入遺伝子のクローニングを容易にする。シ
グナルペプチドは融合タンパク質の細胞外分泌を指令す
る。
【0393】分泌ベクターはDNAまたはRNAであってもよ
く、そして、宿主の染色体に組み込まれていてもよい
し、宿主の染色体外レプリコンとして安定に維持されて
いてもよいし、人工染色体であってもよいし、または宿
主内に一過的に存在していてもよい。好ましくは、その
分泌ベクターは、各宿主細胞に多コピーで維持される。
本明細書で用いられる「多コピー(multiple copie
s)」とは、1細胞当たり少なくとも2、5、10、20、2
5、50または50より多いコピーである。幾つかの実施形
態では、この多コピーは染色体外に維持される。別の実
施形態では、この多コピーは染色体配列の増幅によって
生じる。
【0394】分泌ベクターの用途に適切な多くの核酸バ
ックボーンが当業者に公知であり、レトロウイルスベク
ター、SV40ベクター、ウシパピローマウイルスベクタ
ー、酵母組込み型プラスミド、酵母エピソームプラスミ
ド、酵母人工染色体、ヒト人工染色体、Pエレメントベ
クター、バキュロウイルスベクター、または宿主に一過
的に導入され得る細菌プラスミドが挙げられる。
【0395】分泌ベクターはまた、ポリAが分泌ベクタ
ーに挿入される遺伝子の下流に位置するようにポリAシ
グナルを含み得る。
【0396】分泌が所望されるタンパク質をコードする
遺伝子を分泌ベクターに挿入した後、この分泌ベクター
は、リン酸カルシウム沈殿、DEAE-デキストラン、エレ
クトロポレーション、リポソーム媒介性トランスエフェ
クション、ウイルス粒子を用いて、またはむき出しのDN
Aとして、宿主の細胞、組織または生物に導入される。
次いで、硫安沈殿、免疫沈降、免疫クロマトグラフィ
ー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、およびHPLCなどの慣用の技術を使用し
て、挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質を
上清より精製するかまたは濃縮する。あるいは、分泌さ
れたタンパク質は、更なる濃縮を行わずとも意図する目
的のために使用することができるように、十分に濃縮さ
れたまたは純粋な状態で上清中または宿主の増殖培地中
に存在してもよい。
【0397】シグナル配列はまた、遺伝子治療のために
設計されたベクターに挿入してもよい。そのようなベク
ターでは、シグナル配列は、プロモーターから転写され
るmRNAがシグナルペプチドをコードするように、プロモ
ーターに作動可能に連結される。クローニング部位は、
シグナルペプチドの下流に配置して、分泌が所望される
タンパク質をコードする遺伝子が容易にベクターに挿入
され、シグナルペプチドに融合されるようにする。ベク
ターは適切な宿主細胞に導入される。プロモーターから
発現されるタンパク質は細胞外に分泌され、それによっ
て、治療効果を呈する。
【0398】実施例47 融合ベクター EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント、
またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片
は、キメラポリペプチドの発現のための融合ベクターを
構築するのに用い得る。このキメラポリペプチドは、第
1のポリペプチド部分と第2のポリペプチド部分とを含
む。本発明の融合ベクターにおいて、第1のポリペプチ
ド部分および第2のポリペプチド部分をコードする核酸
は、キメラポリペプチドをコードする核酸を生じるよう
にイン・フレームで互いに結合させる。キメラポリをコ
ードする核酸は、該キメラポリペプチドをコードするmR
NAの発現を指令するプロモーターに作動可能に連結す
る。このプロモーターは、本明細書に記載の発現ベクタ
ーのいずれのものにあるものであってもよく、例えば実
施例20および46において記載されているものである。
【0399】好ましくは、融合ベクターは、多コピーで
各宿主細胞内で維持される。幾つかの実施形態では、そ
の多コピーは染色体外に維持される。別の実施形態で
は、その多コピーは染色体配列の複製によって生じるも
のである。
【0400】第1のポリペプチド部分は、EST関連核酸、
EST関連核酸のポジショナルセグメント、またはEST関連
核酸のポジショナルセグメントの断片によってコードさ
れるポリペプチドのいずれかを含む。幾つかの実施形態
では、第1のポリペプチド部分は、EST関連ポリペプチ
ド、EST関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチド
のポジショナルセグメント、またはEST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメントの断片の1つとし得る。
【0401】第2のポリペプチド部分は、関心のある任
意のポリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、第2
のポリペプチド部分は、検出可能な酵素活性を有するポ
リペプチド(例えばグリーン蛍光タンパク質やβガラク
トシダーゼ)を含み得る。第2のポリペプチド部分が検
出可能なポリペプチドを含んでいるキメラポリペプチド
は、第1のポリペプチド部分の細胞内での位置を決定す
るのに用い得る。そのような手法において、キメラポリ
ペプチドをコードする融合ベクターは、該キメラポリペ
プチドの発現を促進する条件下で宿主細胞に導入する。
適切な場合、細胞を、該検出可能なポリペプチドとの触
媒反応の後で顕微鏡で目に見える検出試薬で処理し、該
検出試薬の細胞位置を決定する。例えば、検出可能な酵
素活性を有するポリペプチドがβガラクトシダーゼであ
る場合、細胞はXgalで処理し得る。あるいはまた、検出
可能なポリペプチドが検出試薬を添加しなくとも直接検
出できる場合には、キメラポリペプチドの細胞内位置
は、検出可能なポリペプチドが目に見える条件下で顕微
鏡観察を行うことによって決定される。例えば、検出可
能なポリペプチドがグリーン蛍光タンパク質またはその
修飾物である場合、宿主細胞を適当な波長を有する光に
曝して該グリーン蛍光タンパク質またはその修飾物を蛍
光発酵させることによって顕微鏡観察を行う。
【0402】あるいはまた、第2のポリペプチド部分
は、単離、精製または富化しようとすすポリペプチドを
含み得る。そのような実施形態では、第2のポリペプチ
ド部分の単離、精製または富化は、第1のポリペプチド
部分に対する抗体をカップリングさせてあるイムノアフ
ィニティカラムを用いた後記のようなイムノアフィニテ
ィクロマトグラフィー法を行うことによって達成でき
る。
【0403】EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメント、またはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片によってコードされるタンパク質、あるいは
EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドの断片、ES
T関連ポリペプチドのポジショナルセグメント、EST関連
ポリペプチドのポジショナルセグメントの断片は、実施
例48に記載のようにサンプルが由来する組織の種類また
は細胞種を同定する目的で、実施例20および33で説明し
たように抗体の作製にも用い得る。
【0404】実施例48 標識した組織特異的抗体による組織の種類または細胞種
の同定 特定の組織の同定は、実施例20および33に従う検出可能
なマーカーに直接的または間接的に結合する抗体調製物
により、組織特異的抗原を視覚化することによって達成
される。選択した標識抗体種は、組織切片、細胞懸濁
液、または組織サンプル由来の可溶性タンパク質の抽出
物内で、その特異的な抗原結合パートナーに結合して、
定量的または半定量的解釈のためのパターンを提供す
る。
【0405】これらの手法のための抗血清は、天然の調
製物の効力(potency)よりも高い効力を有さなければな
らない。その理由は、抗体がγグロブリン画分の単離に
より(例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたは硫
酸アンモニウム分画により)mg/mlにまで濃縮されるか
らである。また、最も特異的な抗血清を提供するために
は、抗体をマーカーで標識する前に、γグロブリン画分
から、例えば不溶性免疫吸着剤によって望ましくない抗
体(例えば共通のタンパク質に対する抗血清)を除去し
なければならない。いずれの手法にも、モノクローナル
抗血清または異種抗血清のいずれかが好適である。
【0406】1.免疫組織化学的技法 精製高力価の抗体(上記のようにして調製した)を、例
えばFudenberg, H., Chap. 26, Basic 503 Clinical Im
munology, 第3版, Lange, Los Altos, California (198
0)またはRosaら, Chap. 12, Methods in Immunodiagnos
is, 第2版, John Wiley and Sons, New York (1980)
(これらの開示内容は引用により本明細書に組み入れ
る)に記載のようにして検出可能なマーカーに結合す
る。
【0407】蛍光マーカー(フルオレセインまたはロー
ダミン)が好ましいが、抗体は、基質との呈色反応を補
助する酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で
標識してもよい。マーカーは、下記に記載のように第2
の工程で、組織に結合している抗体に添加してもよい。
あるいはまた、特定の抗組織抗体をフェリチンまたは他
の電子密度の高い粒子(electron dense particles)で標
識して、フェリチンが結合している抗原−抗体複合体の
位置決定を電子顕微鏡により行う。さらに別の方法で
は、抗体は例えば125Iで放射性標識し、抗体処理調製
物を写真乳剤を上層することによって検出する。
【0408】この手法を行うための調製物は、組織の種
類(例えば脳組織)に特異的であると同定された単一の
タンパク質またはペプチドに対するモノクローナルもし
くはポリクローナル抗体を含んでもよく、あるいは抗原
性が異なる組織特異的な幾つかの抗原に対する抗体調製
物をパネル内で、必要に応じて別々にまたは混合物とし
て含んでもよい。
【0409】通常の組織化学的技法に従って免疫組織化
学的試験のために、組織切片および細胞懸濁液を調製す
る。未知の組織および既知の対照の複数のクリオスタッ
ト切片(約4μm、固定せず)をマウントし、それぞれ
のスライドガラスを抗体調製物の各種希釈物で覆う。既
知および未知の組織の切片も調製物で処理して、陽性の
対照、陰性の対照(例えば、免疫前の血清)および非特
異的染色用の対照(例えば緩衝液)を提供する。処理し
た切片を加湿したチャンバー内で室温にて30分間インキ
ュベートし、濯ぎ、緩衝液中で30〜45分間洗浄する。過
剰な液は吸い取り、マーカーを顕色させる。
【0410】組織特異的抗体を最初のインキュベーショ
ンで標識しない場合には、二次抗体−抗体反応における
この時点で標識できる。これは例えば、抗血清産生種の
免疫グロブリンクラスに対するフルオレセイン結合抗体
または酵素結合抗体(例えば、フルオレセインで標識し
たマウスIgGに対する抗体)を添加することにより行わ
れる。そのような標識血清は市販されている。
【0411】上記の手法により組織内で見出された抗原
は、組織切片上の色または蛍光の強度を測定することに
よって定量し、適当な標準物質(standard)を用いてその
シグナルを検量できる。
【0412】2.組織特異的可溶性タンパク質の同定 組織特異的タンパク質の可視化およびその手法からの未
知組織の同定は、標識抗体試薬および免疫組織化学のた
めに記載されている検出戦略を用いて行う。しかしなが
ら、サンプルは電気泳動技法に従って調製して、組織か
ら抽出したタンパク質を検出のために分子量に基づいて
順序だった並びに分布させる。
【0413】組織サンプルは、Virtis装置を用いてホモ
ジナイズする。細胞懸濁液は、当該技術分野で実施され
ているように、Dounceホモジナイズ化または浸透圧性溶
解により、いずれも場合も必要に応じて界面活性剤を用
いて細胞膜を破壊する。不溶性の細胞成分(例えば、
核、ミクロソームおよび膜断片)は超遠心分離により除
去し、可溶性タンパク質含有画分は必要に応じて濃縮
し、分析のために保存する。
【0414】可溶性タンパク質溶液のサンプルは、例え
ばDavis, L.ら, Section 19-2, Basic Methods in Mole
cular Biology (P. Leder編), Elsevir, New York (198
6)(その開示内容な引用により本明細書に組み入れる)
によって文献記載されているような慣用のSDSポリアク
リルアミド電気泳動によって、1組のゲル中に含まれる
一定範囲の量のポリアクリルアミドを用いて個々のタン
パク質種に分解して、サンプル中で検出すべきタンパク
質の全分子量範囲を分ける。構成タンパク質の分子量を
推定するために、サイズマーカーを並行して流す。サン
プルの分析サイズは5〜55μlの手頃な容量であり、約
1〜100μgのタンパク質を含む。分解したタンパク質の
各々のアリコートをニトロセルロースフィルター紙にブ
ロッティングにより移し取る。これは、分解のパターン
を保持するプロセスである。多数のコピーを調製する。
ウエスタンブロット解析として知られるこの手法は、Da
vis,L.ら,前掲, Section 19-3に十分に記載されてい
る。1組のニトロセルロースブロットをクーマシーブル
ー色素で染色して、抗体結合タンパク質との比較のため
にタンパク質の全ての組みを可視化する。次いで、残り
のニトロセルロースフィルターを実施例20および33に記
載のようにして調製した組織特異的タンパク質に対する
1以上の特異的抗体の溶液と共にインキュベートする。
この手法において、上記の手法Aのように、適切な陽性
および陰性のサンプルおよび試薬コントロールを流す。
【0415】上記のいずれの手法においても、種々の戦
略およびその前変異(premutation)に従って検出可能な
標識を一次組織抗原−一次抗体複合体に結合させること
ができる。簡単なアプローチにおいて、一次特異的抗体
は標識してもよいし、未標識の複合体を標識化二次抗Ig
G抗体に結合させてもよい。別のアプローチでは、一次
または二次抗体のいずれかを、次の工程でアビジン結合
マーカーに結合できるビオチン分子に結合させる。さら
に別の戦略によれば、酵素標識した、または放射性同位
元素標識したプロテインA(これはいずれのIgGにも結
合する特性を有する)を最終工程において一次または二
次抗体のいずれかと結合させる。
【0416】実施例49ポリペプチドの免疫組織化学的位置決定 上記の実施例20および33に記載のようにして調製した抗
体を用いて、ポリペプチドの細胞位置を決定する。この
ポリペプチドは、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショ
ナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグ
メントの断片によってコードされるポリペプチドのいず
れであってもよいし、また、EST関連ポリペプチド、EST
関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチドのポジ
ショナルセグメントまたはEST関連ポリペプチドのポジ
ショナルセグメントの断片の1つであってもよい。幾つ
かの実施形態において、ポリペプチドは、例えば実施例
47の融合ベクターによってコードされるようなキメラポ
リペプチドとすることができる。
【0417】位置決定をしようとするポリペプチドを発
現する細胞を顕微鏡スライドガラスにのせ、免疫組織化
学的位置決定法で典型的に用いられる手法のいずれか
(例えば、Current Protocols in Molecular Biology,
John Wiley and Sons, Inc. 1997に記載の方法)を用い
て固定する。洗浄工程の後、細胞を抗体と接触させる。
幾つかの実施形態では、上記のようにして抗体を検出可
能なマーカーに結合させて検出を容易にする。あるいは
また、幾つかの実施形態では、位置決定しようとするポ
リペプチドに対する抗体に細胞を接触させた後、検出可
能なマーカーに結合させてある二次抗体を、位置決定し
ようとするポリペプチドに対する抗体と接触させて置
く。
【0418】その後、ポリペプチドの細胞位置を可視化
するのに適する条件下で顕微鏡観察を行う。
【0419】EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメント、もしくはEST関連核酸のポジショナルセグ
メントの断片によってコードされるポリペプチドに対す
る1以上の組織特異的抗体、またはEST関連ポリペプチ
ド、EST関連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチド
のポジショナルセグメントもしくはEST関連ポリペプチ
ドのポジショナルセグメントの断片に対する1以上の抗
体に、上記の対照組織で見られるようなレベルで結合す
る組織特異的抗原の可視化によって、起源が未知の組
織、例えば法医学的サンプルや異質の身体部位に転移し
ている各種の腫瘍組織、を同定することができる。
【0420】実施例20および33の抗体はまた、下記に記
載のようなイムノアフィニティクロマトグラフィー法に
おいて用いて、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナ
ルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片によってコードされるポリペプチドの単離、
精製または富化、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関
連ポリペプチドの断片、EST関連ポリペプチドのポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連ポリペプチドのポジシ
ョナルセグメントの断片の単離、精製または富化を行う
ことも可能である。下記に記載のイムノアフィニティク
ロマトグラフィー法はまた、EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片によってコードされるポリペプ
チドと連結しているポリペプチドの単離、精製または富
化に、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプ
チドの断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグ
メントまたはEST関連ポリペプチドのポジショナルセグ
メントの断片に連結しているポリペプチドの単離、精製
または富化に用い得る。
【0421】実施例50 イムノアフィニティクロマトグラフィー 上記のようにして調製した抗体は支持体にカップリング
する。好ましくは、該抗体はモノクローナル抗体である
が、ポリクローナル抗体も使用できる。該支持体は、イ
ムノアフィニティクロマトグラフィーにおいて典型的に
使用されるいずれかのものとすることができ、例えば、
Sepharose CL-4B(Pharmacia, Piscataway, NJ)、Seph
arose CL-2B (Pharmachia, Piscataway, NJ)、Affi-gel
10(Biorad, Richmond, CA)またはガラスビーズが挙
げられる。
【0422】抗体の支持体へのカップリングは、イムノ
アフィニティクロマトグラフィーにおいて典型的に用い
られるカップリング試薬のいずれかを用いて行うことが
でき、例えば臭化シアンが挙げられる。抗体が支持体へ
カップリングした後、単離、精製または富化しようとす
る標的ポリペプチドを含むサンプルに該支持体を接触さ
せる。標的ポリペプチドは、EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片によってコードされるポリペプ
チドであってもよいし、あるいは標的ポリペプチドはES
T関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドの断片、EST
関連ポリペプチドのポジショナルセグメントまたはEST
関連ポリペプチドのポジショナルセグメントの断片であ
ってもよい。標的ポリペプチドはまた、EST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片によってコードされ
るポリペプチドに連結しているポリペプチドであっても
よく、あるいは、標的ポリペプチドは上記の融合ベクタ
ーを用いてEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチド
の断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグメン
トまたはEST関連ポリペプチドのポジショナルセグメン
トの断片に連結しているポリペプチドであってもよい。
【0423】好ましくは、サンプルは、標的ポリペプチ
ドの少なくとも50%を支持体にカップリングする抗体に
特異的に結合させるような適切な条件下で、十分な時間
にわたって支持体と接触させて置かれる。
【0424】その後、支持体を適切な洗浄溶液で洗浄し
て、該支持体に非特異的に付着するポリペプチドを除去
する。この洗浄溶液はイムノアフィニティクロマトグラ
フィーにおいて典型的に用いられるもののいずれかであ
ってもよく、例えばPBS、Tris-塩酸リチウム緩衝液(0.
1M リシン塩基および0.5M塩化リチウム, pH8.0)、Tris
-塩酸緩衝液(0.05M Tris-塩酸,pH8.0)またはTris/Tri
ton/NaCl緩衝液(50mMTris.cl, pH 8.0または9.0, 0.1%
Triton X-100,および0.5M NaCl)が挙げられる。
【0425】洗浄した後、イムノアフィニティクロマト
グラフィーにおいて典型的に用いられる高pHまたは低pH
の溶出溶液を用いて、特異的に結合した標的ポリペプチ
ドを支持体から溶出させる。特に、溶出溶液は、トリエ
タノールアミン、ジエチルアミン、塩化カルシウム、チ
オシアン酸ナトリウム、臭化カリウム、酢酸またはグリ
シンなどの溶離液を含む。幾つかの実施形態において、
溶出溶液はまた、Triton X-100またはオクチル-β-D-ガ
ラクトシドのような界面活性剤を含んでもよい。
【0426】EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメン
トの断片はまた、遺伝子発現を調節できる5'ESTの上流
に位置する配列をクローニングするのにも用いることが
でき、そのような配列としては例えば、プロモーター配
列、エンハンサー配列、および転写レベルまたは翻訳レ
ベルに影響を及ぼす他の上流配列が挙げられる。同定さ
れクローニングされたら、これらの上流調節配列は、挿
入した遺伝子の発現を所望の場所、時間、発達または量
の様式で指令するように設計した発現ベクター内で用い
得る。実施例51は、EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセ
グメントの断片の上流の配列をクローニングする方法を
記載している。
【0427】2.プロモーター活性または調節活性を有
する上流配列の同定
【0428】実施例51 ゲノムDNA由来の上流配列をクローニングするため
の、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセ
グメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメン
トの断片の使用 染色体歩行技術を用い、EST関連核酸、EST関連核
酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポ
ジショナルセグメントの断片から誘導される配列を使用
して、相当する遺伝子のプロモータを単離することがで
きる。Clontechより販売されているGenome WalkerTM
ットを利用する1つの染色体歩行技術では、5つの完全
なゲノムDNAサンプルのそれぞれを、6塩基の認識部
位を有し、かつ平滑末端を生じる異なる制限酵素で消化
する。消化後、オリゴヌクレオチドアダプターを、得ら
れたゲノムDNA断片の両末端に連結する。
【0429】5つのゲノムDNAライブラリーのそれぞ
れについて、キットに付属している外側アダプタープラ
イマーおよび外側遺伝子特異的プライマーを使用して、
製造者の説明書(引用により本明細書に組み入れる)に
従って第1のPCR反応を実施する。遺伝子特異的プラ
イマーは、目的の5’ESTに特異的であるように選択
されるべきであり、かつ、PCR反応での該プライマー
の使用に適合する融解温度、長さ、およびEST関連核
酸、EST関連核酸のポジショナルセグメントもしくは
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片におけ
る位置を有するべきである。それぞれの第1のPCR反
応物は、50μlの全用量中に、5ngのゲノムDN
A、5μlの10×Tth反応緩衝液、0.2mMの各
種dNTP、外側アダプタープライマーおよび外側遺伝
子特異的プライマーをそれぞれ0.2μM、1.1mM
のMg(OAc)2、および1μlのTthポリメラー
ゼ50×ミックスを含有する。第1のPCR反応の反応
サイクルは以下の通りである:1分間−94℃/2秒間
−94℃、3分間−72℃(7サイクル)/2秒間−9
4℃、3分間−67℃(32サイクル)/5分間−67
℃。
【0430】第1のPCR反応の産物を希釈し、第1の
PCR反応から生じるアンプリコンの内部に位置するネ
ステッドプライマーの対を用い、製造業者の説明書に従
った第2のPCR反応の鋳型として使用する。例えば、
第1のPCR反応混合物の5μlの反応産物を180倍
に希釈してもよい。ネステッドプライマーを使用するこ
と以外は第1のPCR反応の組成と同一の組成を有する
50μlの容量で反応を行う。第1のネステッドプライ
マーは、アダプターに特異的であり、Genome WalkerTM
キットに付属している。第2のネステッドプライマー
は、該プライマーがクローニングしようとする特定のE
ST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメン
トまたはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断
片に特異的であり、かつ、PCR反応における使用に適
合する融解温度、長さ、および該EST関連核酸、ES
T関連核酸のポジショナルセグメントもしくはEST関
連核酸のポジショナルセグメントの断片中での位置を有
するべきである。第2のPCR反応の反応パラメータは
以下の通りである:1分間−94℃/2秒間−94℃、
3分間−72℃(6サイクル)/2秒間−94℃、3分
間−67℃(25サイクル)/5分間−67℃。第2の
PCR反応の産物を標準的な技術を用いて精製し、クロ
ーニングし、配列を決定する。
【0431】あるいは、2種以上の制限酵素を用いるこ
とによって、2種以上のヒトゲノムDNAライブラリー
を構築することができる。消化されたゲノムDNAを、
一本鎖、環状、または鎖状DNAに変換可能なベクター
にクローニングする。EST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジ
ショナルセグメントの断片配列由来の少なくとも15個
のヌクレオチドを含むビオチン化オリゴヌクレオチド
を、一本鎖DNAにハイブリダイズさせる。ビオチン化
オリゴヌクレオチドとEST関連核酸、EST関連核酸
のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジ
ショナルセグメントの断片を含む一本鎖DNAとのハイ
ブリッドを、上記のように単離する。その後、そのES
T関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント
またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片
を含有する一本鎖DNAをビーズから遊離させ、EST
関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメントま
たはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片に
特異的なプライマーまたはクローニングベクターに含ま
れる配列に対応するプライマーを使用して、二本鎖DN
Aに変換する。得られる二本鎖DNAを細菌に形質転換
する。EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナル
セグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメ
ントの断片を含有するcDNAを、コロニーPCRまた
はコロニーハイブリダイゼーションによって同定する。
【0432】上記のように上流ゲノム配列をクローニン
グし配列決定したら、該上流配列内の予期されるプロモ
ーターおよび転写開始部位は、EST関連核酸、EST
関連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核
酸のポジショナルセグメントの断片の上流にある配列
を、既知の転写開始部位、転写因子結合部位またはプロ
モーター配列を含有するデータベースと比較することに
よって同定することができる。
【0433】更に、実施例53に記載のようにして、プ
ロモーターレポーターベクターを使用して、上流配列内
のプロモーターを同定することができる。
【0434】実施例53 クローニングされた上流配列におけるプロモーターの同
EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片の上流のゲノム配列を、例えばpSEAP-Basic、pSEAP
-Enhancer、pβgal-Basic、pβgal-Enhancer、またはCl
ontechより市販されているpEGFP-1プロモーターレポー
ターベクターなどの適切なプロモーターレポーターベク
ターにクローニングする。簡単に説明すると、これらの
プロモーターレポーターベクターのそれぞれは、分泌型
アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ、または
グリーン蛍光タンパク質などの容易にアッセイをするこ
とができるタンパク質をコードするレポーター遺伝子の
上流に位置する多重クローニング部位を含む。EST関
連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメントまた
はEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片の上
流の配列を、レポーター遺伝子の上流のクローニング部
位に両方向で挿入し、適切な宿主細胞に導入する。レポ
ーター遺伝子のレベルをアッセイし、クローニング部位
に挿入物がないベクターから得られるレベルと比較す
る。対照のベクターと比較して、挿入物を含有するベク
ターの発現レベルの上昇が認められれば、挿入物にプロ
モーターが存在することになる。必要であれば、上流配
列を、弱いプロモーター配列からの転写レベルを増大さ
せるためのエンハンサーを含有するベクターにクローニ
ングすることもできる。挿入物を含まないベクターの場
合に認められる上記の発現の有意なレベルは、プロモー
ター配列が挿入上流配列に存在することを示す。
【0435】プロモーターレポーターベクターのための
適切な宿主細胞は、EST関連核酸、EST関連核酸の
ポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片の発現パターンの上記の判定に
基づいて選択することができる。例えば、発現パターン
の分析から、特定のEST関連核酸、EST関連核酸の
ポジショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントの断片に対応するmRNAが繊維芽細
胞において発現されることが示された場合、プロモータ
ーレポーターベクターをヒト繊維芽細胞系に導入するこ
とができる。
【0436】上流ゲノムDNA内のプロモーター配列
は、エキドヌクレアーゼIII消化などの慣用の技術を
使用して、上流DNAにおいてネステッド欠失を構築す
ることによって、更に明確化することができる。得られ
る欠失断片をプロモーターレポーターベクターに挿入し
て、その欠失がプロモーター活性を低下させるかまたは
失わせるかどうかを判定することができる。このように
して、プロモーターの境界を規定することができる。所
望であれば、プロモータ内の潜在的な転写因子結合部位
を除去するための部位特異的突然変異誘発もしくはリン
カースキャニングを単独または組合せて使用して、プロ
モーター内の潜在的な個々の調節部位を同定してもよ
い。プロモーターレポーターベクターのクローニング部
位に変異を挿入することによって、転写レベルに対する
これらの変異の効果を決定することができる。
【0437】実施例54 プロモーターのクローニングおよび同定 5’ESTを用いた上記の実施例51に記載の方法を用
いて、いくつかの遺伝子の上流の配列を得た。プライマ
ー対GGG AAG ATG GAG ATA GTA TTG CCT G(配列番号1
5)およびCTG CCA TGT ACA TGA TAG AGA GAT TC(配列
番号16)を使用して、P13H2(本発明者らによる命
名)(配列番号17)を有するプロモーターを得た。
【0438】プライマー対GTA CCA GGGG ACT GTG ACC A
TT GC(配列番号18)およびCTG TGA CCA TTG CTC CCA
AGA GAG(配列番号19)を使用して、P15B4(本発明
者らによる命名)(配列番号20)を有するプロモータ
ーを得た。
【0439】プライマー対CTG GGA TGG AAG GCA CGG TA
(配列番号21)およびGAG ACC ACA CAG CTA GAC AA
(配列番号22)を使用して、P29B6(本発明者らによ
る命名)(配列番号23)を有するプロモーターを得
た。
【0440】図4は、単離されたプロモーターの概略図
および対応する5’タグでそれらをアセンブリする方法
を示す。コンピュータプログラムMatInspect
orリリース2.0(1996年8月)を使用して、転
写因子結合部位または既知の転写開始部位に類似するモ
チーフの存在に基づいて、上流配列をスクリーニングし
た。
【0441】図5は、これらのプロモーターのそれぞれ
に存在する転写因子結合部位について記載している。
「マトリックス」と書いた欄は、使用したMatIns
pectorマトリックスの名称を示す。「位置(posit
ion)」と書いた欄は、プロモーター部位の5’位を示
す。配列の番号付けは、ゲノム配列と5’EST配列と
のマッチングにより決定した転写部位から開始する。
「方向(orientation)」と書いた欄は、その部位が見出
されたDNA鎖を示し、+鎖は、ゲノム配列と5’ES
Tの配列とが一致することで決定されたコード鎖であ
る。「スコア」と書いた欄は、この部位に対するMat
Inspectorのスコアを示す。「長さ」と書いた
欄は、部位の長さ(ヌクレオチド単位による)を示す。
「配列」と書いた欄は、見出された部位の配列を示す。
【0442】上記のプロモーター配列を含有するプラス
ミドを含有する細菌クローンは、先に示した内部認識番
号で本発明者の研究室に現在保存されている。適切な細
菌のクローンのアリコートを適切な培地で増殖させるこ
とによって、沈殿物から挿入物を取り出すことができ
る。次いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大量アル
カリ溶解プラスミド単離法などの当業者によく知られて
いるプラスミド単離手順を使用して、プラスミドDNA
を単離することができる。所望であれば、塩化セシウム
勾配上での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、
または陰イオン交換クロマトグラフィーによって、プラ
スミドDNAを更に濃縮してもよい。次いで、当業者に
よく知られている標準的なクローニング技術を用いて、
これらの手順を用いて得られるプラスミドDNAを操作
してもよい。あるいは、挿入されたEST関連核酸、E
ST関連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関
連核酸のポジショナルセグメントの断片の両末端で設計
したプライマーを用いてPCRを行うことができる。次
いで、当業者によく知られている標準的なクローニング
技術を用いて、EST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナ
ルセグメントの断片に対応するPCR産物を操作するこ
とができる。
【0443】EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片の上流に位置するプロモーターおよび
他の調節配列を使用して、所望の場所的、時間的、発生
的または量的様式の発現を指令し得る発現ベクターを設
計することができる。上記の発現分析の結果を使用し
て、所望の場所的、時間的、発生的または量的パターン
で指令し得るプロモーターを選択することができる。例
えば、筋肉において高レベルの発現をもたらすプロモー
ターが望まれる場合、筋肉において高レベルで発現され
るmRNAから誘導されるEST関連核酸、EST関連
核酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸の
ポジショナルセグメントの断片の上流のプロモーター配
列は、上記の方法で決定されるように、発現ベクターで
使用することができる。
【0444】好ましくは、所望のプロモーターを多重制
限部位の付近に配置して、プロモーターの上流の所望の
挿入物のクローニングを容易にし、それによってプロモ
ーターが挿入遺伝子の発現を駆動することができるよう
にする。染色体外複製、宿主染色体への組み込みまたは
一過性発現のために設計された通常の核酸骨格にプロモ
ーターを挿入することができる。本発明の発現ベクター
の適切な骨格としては、レトロウイルスの骨格、SV4
0またはウシパピローマウイルスなどの真核生物エピソ
ーム由来の骨格、細菌エピソーム由来の骨格、または人
工染色体が挙げられる。
【0445】好ましくは、この発現ベクターはまた、該
発現ベクターに挿入された遺伝子から転写されるmRN
Aのポリアデニル化を指令するための多重制限部位の下
流にあるポリAシグナルを含む。
【0446】実施例51〜54の手順を使用してプロモ
ーター配列を同定した後、以下の実施例55に記載する
ようにして、プロモーターと相互作用するタンパク質を
同定することができる。
【0447】実施例55 プロモーター配列、上流調節配列、またはmRNAと相
互作用するタンパク質の同定 既知の転写因子結合部位に対する相同性によって、ある
いはプロモーター配列を含有するレポータープラスミド
の慣用の変異誘発または欠失分析により、転写因子に結
合しやすいプロモーター領域内の配列を同定することが
できる。例えば、アッセイ可能なレポーター遺伝子に作
動可能に連結した目的のプロモーター配列を含有するレ
ポータープラスミド内に欠失を作製することができる。
プロモーター領域内に様々な欠失を保有するレポーター
プラスミドを適切な宿主細胞にトランスフェクトし、発
現レベルに対する欠失の影響をアッセイする。部位特異
的変異、リンカーリンカースキャニング分析、または当
業者によく知られている他の技術を使用して、欠失によ
り発現レベルが低下する領域内で転写因子結合部位を更
に局在化することができる。
【0448】Clontechより市販のMatchmaker One-Hybri
d System kit(カタログ番号K1603-1)に添付されてい
る説明書(この開示内容は引用により本明細書に組み込
まれる)に記載の系のような1ハイブリッド系(one-hyb
rid system)を使用して、プロモーター内の配列と相互
作用するタンパク質をコードする核酸を同定することが
できる。簡単に説明すると、Matchmaker One-Hybrid Sy
stemは以下のようにして使用する。結合タンパク質を同
定することが所望される標的配列を、選択レポーター遺
伝子の上流にクローニングし、酵母のゲノムに組み込
む。好ましくは、標的配列の多コピーをタンデムにレポ
ータープラスミドに挿入する。プロモーターに結合する
能力について評価しようとするcDNAとGAL4など
の酵母転写因子の活性化ドメインとの融合物を含むライ
ブラリーを、組み込まれたレポーター遺伝子配列を含有
する酵母株へ形質転換する。この酵母を選択培地に蒔
き、プロモーター配列に連結した選択マーカーを発現し
ている細胞を選択する。選択培地上で増殖するコロニー
は、標的配列に結合するタンパク質をコードする遺伝子
を含有する。配列を決定することによって、融合タンパ
ク質をコードする遺伝子内の挿入物を更に特徴付けす
る。更に、挿入物は、発現ベクターかまたはin vitro転
写ベクターに挿入してもよい。挿入物によりコードされ
るポリペプチドとプロモーターDNAとの結合は、ゲル
シフト分析またはDNAase保護分析などの当業者に
よく知られている技術によって確認することができる。
【0449】VII. 遺伝子治療におけるEST関連
核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメントまたは
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片の使用 本発明はまた、以下の実施例56および57に記載のア
ンチセンスおよび三重らせん戦略を含む遺伝子治療にお
けるEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセ
グメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメン
トの断片の使用を包含する。アンチセンスアプローチで
は、mRNAに相補的な核酸配列を細胞内でmRNAに
ハイブリダイズさせることによって、該mRNAにより
コードされるタンパク質の発現を阻止する。アンチセン
ス配列は、様々な機構を介して遺伝子の発現を妨げるこ
とができる。例えば、アンチセンス配列は、リボソーム
がmRNAを翻訳する能力を阻害することができる。あ
るいは、アンチセンス配列は、核から細胞質へのmRN
Aの輸送を阻止して、翻訳に利用可能なmRNAの量を
制限することができる。アンチセンス配列が遺伝子発現
を抑制し得るもう1つの機構は、mRNAのスプライシ
ングを干渉することによるものである。更にもう1つの
戦略では、標的のmRNAを特異的に切断し得るリボザ
イムにアンチセンス核酸を取り込ませることができる。
【0450】実施例56 アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製および使用 遺伝子治療において使用すべきアンチセンス核酸分子
は、DNAまたはRNA配列のいずれであってもよく、
EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片の配列に相補的な配列を含んでいてもよい。アンチ
センス核酸は、二本鎖の状態でmRNAの発現を阻害す
るのに十分安定な細胞内二本鎖を形成し得るよう、十分
な長さおよび融解温度を有するべきである。遺伝子治療
の用途に適切なアンチセンス核酸を設計するための方法
については、Greenら、Ann. Rev. Biochem. 55:569-59
7, (1986);およびIzantおよびWeintraub、Cell36:1007-1
015, (1984)に開示されている。これらの参考文献は本
明細書において参考として援用される。
【0451】いくつかの方法では、細胞中で正常に転写
される鎖とは反対側の鎖を転写するように、プロモータ
ーに対してコード領域の方向を逆にすることによって、
タンパク質をコードするヌクレオチド配列からアンチセ
ンス核酸を得ている。T7またはSP6ポリメラーゼを
使用して転写産物を作製する系などのin vitro転写系を
用いて、アンチセンス分子を転写することができる。も
う1つのアプローチは、アンチセンス配列を含有するD
NAを発現ベクターのプロモーターに機能し得る形で連
結することによるin vivoでのアンチセンス核酸の転写
に関与するものである。
【0452】あるいは、細胞中で正常に転写される鎖に
相補的なオリゴヌクレオチドをin vitroで合成してもよ
い。従って、アンチセンス核酸は対応するmRNAに相
補的であり、mRNAにハイブリダイズして二本鎖を作
製することができる。いくつかの実施態様では、アンチ
センス配列は、改変された糖リン酸骨格を含有するため
安定性が増し、RNase活性に対する該アンチセンス
配列の感受性が低下する。アンチセンス法での使用に適
した改変の例については、Rossiら、Pharmacol. Ther.
50(2):245-254, (1991)に記載されており、本明細書に
おいて参考として援用される。
【0453】EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片の配列に相補的なアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドの様々な型を使用することができる。1つ
の好ましい実施態様では、国際出願であるPCT WO
94/23026号に記載の安定および半安定なアンチ
センスオリゴヌクレオチドを使用する。該参考文献は本
明細書において参考として援用される。これらの分子で
は、3’末端または3’および5’両末端は、相補的な
塩基対間の分子内水素結合で結ばれている。これらの分
子はエキソヌクレアーゼの攻撃に更に耐えることがで
き、従来のアンチセンスオリゴヌクレオチドに比べて安
定性が向上している。
【0454】別の好ましい実施態様では、国際出願WO
95/04141号に記載の単純ヘルペスウイルI型お
よびII型に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを
使用する。該参考文献は本明細書において参考として援
用される。
【0455】更に別の好ましい実施態様では、国際出願
WO96/31523号に記載の共有結合で架橋された
アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。該参考文
献は本明細書において参考として援用される。これらの
二本鎖または一本鎖オリゴヌクレオチドは、それぞれ1
つ以上のオリゴヌクレオチド間またはオリゴヌクレオチ
ド内の共有架橋結合を有し、ここで、該結合は、それぞ
れ、一方の鎖の第一級アミノ基と他方の鎖のカルボキシ
ル基との間のアミド結合、または同じ鎖の第一級アミノ
基とカルボキシル基との間のアミド結合から成り、第一
級アミノ基は、鎖ヌクレオチドの単糖環の2’位で直接
置換されており、カルボキシル基は、他方の鎖または同
じ鎖のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体上に置換
されている脂肪族スペーサー基によって担持されてい
る。
【0456】国際出願WO92/18522号に記載の
アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオ
チドを使用することができる。該参考文献は本明細書に
おいて参考として援用される。これらの分子は分解に対
して安定であり、制御タンパク質に結合する少なくとも
1つの転写制御認識配列を含有するため、デコイとして
有効である。これらの分子は、「ヘアピン」構造、「ダ
ンベル」構造、「修飾されたダンベル」構造、「架橋さ
れた」デコイ構造および「ループ」構造を含有し得る。
【0457】別の好ましい実施態様では、欧州特許出願
第0 572 287A2号に記載の環状二本鎖オリゴ
ヌクレオチドを使用する。該参考文献は本明細書におい
て参考として援用される。これらの結合型オリゴヌクレ
オチド「ダンベル」は、転写因子のための結合部位を含
有し、転写因子を封鎖(sequester)することによっ
て、転写因子の制御下での遺伝子発現を阻害する。
【0458】国際出願WO92/19732号に開示さ
れている閉環型アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用
も考慮される。該参考文献は本明細書において参考とし
て援用される。これらの分子は遊離の末端を持たないた
め、従来のオリゴヌクレオチドよりもエキソヌクレアー
ゼによる分解に対して耐性が高い。これらのオリゴヌク
レオチドは多機能性であり、標的mRNAに隣接してい
ない複数の領域と相互作用する。
【0459】遺伝子の発現を阻害するのに必要なアンチ
センス核酸の適切なレベルは、in vitro発現分析を用い
て決定することができる。当該分野において公知の手順
を用いる拡散、注入、感染またはトランスフェクション
により、アンチセンス分子を細胞に導入することができ
る。例えば、アンチセンス核酸を裸のオリゴヌクレオチ
ド、脂質にカプセル化させたオリゴヌクレオチド、ウイ
ルスタンパク質に封入したオリゴヌクレオチド、または
発現ベクターに含まれるプロモーターに機能し得る形で
連結させたオリゴヌクレオチドとして、アンチセンス核
酸を身体に導入することができる。発現ベクターは当該
分野において公知の様々な発現ベクターのいずれであっ
てもよく、レトロウイルスベクターまたはウイルスベク
ター、染色体外複製が可能なベクター、または組込みベ
クターが挙げられる。ベクターは、DNAであってもよ
く、RNAであってもよい。
【0460】アンチセンス分子を、好ましくは1×10
-10M〜1×10-4Mの間の多くの異なる濃度で細胞サ
ンプルに導入する。適切に遺伝子発現を制御することが
できる最小濃度が同定されれば、その最適化用量がin v
ivoでの使用に適切な用量と解釈される。例えば、培養
物の場合の1×10-7の阻害濃度は約0.6mg/kg
体重の用量と解釈される。100mg/kg体重以上に
達するオリゴヌクレオチドのレベルは、実験動物でオリ
ゴヌクレオチドの毒性を試験すれば可能である。脊椎動
物から細胞を取り出し、アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドで処置して、脊椎動物に再導入することも更に考慮さ
れる。
【0461】アンチセンスオリゴヌクレオチド配列をリ
ボザイム配列に取り込ませ、アンチセンスを特異的にそ
の標的mRNAに結合させてこれを切断し得るようにす
ることも更に考慮される。リボザイムおよびアンチセン
スオリゴヌクレオチドの技術的適用については、Rossi
ら(前掲)を参照のこと。
【0462】本発明の好ましい適用では、翻訳に対する
アンチセンス阻害の有効性を監視できるように、遺伝子
によりコードされるポリペプチドを最初に同定する。監
視にはRIAおよびELISA、機能アッセイ、または
放射性標識などの抗体介在性試験を含む技術が使用され
るが、これらに限定されない。
【0463】EST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片を、細胞内三重らせん形成に基づく遺
伝子治療に使用することもできる。三重らせんオリゴヌ
クレオチドを使用してゲノムからの転写を阻害する。そ
れらは、細胞活性の変化を研究するのに特に有用であ
る。何故なら、これは特定の遺伝子に関連するからであ
る。本発明のEST関連核酸、EST関連核酸のポジシ
ョナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナル
セグメントの断片または、より好ましくは、それらの配
列の一部は、特定の遺伝子の発現に関連する疾患を有す
る個体の遺伝子発現を阻害するために使用することがで
きる。同様に、EST関連核酸、EST関連核酸のポジ
ショナルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナ
ルセグメントの断片を使用して、細胞内での特定の遺伝
子の転写を阻害する効果を研究することができる。従来
は、ホモプリン配列は三重らせんストラテジーに最も有
用であると考えられていた。しかし、ホモピリミジン配
列も遺伝子の発現を阻害することができる。そのような
ホモピリミジンオリゴヌクレオチドは、ホモプリン:ホ
モピリミジン配列の主要な溝に結合する。従って、ES
T関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメント
またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの断片
由来の両タイプの配列は、本発明の範囲内にあるものと
する。
【0464】実施例57 三重らせんプローブの調製および使用 EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片の配列を走査して、遺伝子発現を阻害するための三
重らせんに基づくストラテジーに使用し得る10量体〜
20量体のホモピリミジンまたはホモプリンストレッチ
を同定する。ホモピリミジンまたはホモプリンストレッ
チの候補の同定後、候補配列を含有する様々な量のオリ
ゴヌクレオチドを、標的遺伝子を正常に発現する組織培
養細胞に導入することによって、遺伝子発現の阻害効率
を評価する。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチ
ド合成装置で調製するか、またはGENSET,Par
is,Franceなどのオリゴヌクレオチド合成の専
門業者より購入することができる。
【0465】当業者に既知の様々な方法を用いて、オリ
ゴヌクレオチドを細胞に導入することができ、このよう
な方法としては、リン酸カルシウム沈殿法、DEAE−
デキストラン法、エレクトロポレーション法、リポソー
ム介在トランスエフェクション法または自然取り込み法
が挙げられるが、それらに限定されない。
【0466】ノーザンブロッティング、RNase保護
アッセイ、またはPCRに基づくストラテジーなどの技
術を用いて、処置された細胞を細胞機能の変化または遺
伝子発現の減少についてモニタリングし、オリゴヌクレ
オチドで処置されている細胞の標的遺伝子の転写レベル
をモニタリングする。該オリゴヌクレオチドが誘導され
たEST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグ
メントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメント
の断片に相当する標的遺伝子の、特定の機能に関連して
いる既知の遺伝子配列に対する相同性に基づいて、モニ
タリングしようとする細胞機能を予測する。特に、本明
細書に記載の技術を用いて、EST関連核酸、EST関
連核酸のポジショナルセグメントまたはEST関連核酸
のポジショナルセグメントの断片が疾患と関連付けられ
る場合には、特定の遺伝性疾患を有する個体から誘導さ
れる細胞内の異常な生理活動の存在に基づいて、細胞機
能を予測することもできる。
【0467】次いで、実施例56に記載のように、in v
itroでの結果に基づいて算出された用量で、上記の技術
および実施例56に記載の技術を用いて、組織培養細胞
における遺伝子発現を阻害するのに有効なオリゴヌクレ
オチドをin vivoで導入することができる。
【0468】いくつかの実施態様において、オリゴヌク
レオチド単位の天然の(β)アノマーをαアノマーで置
換し、該オリゴヌクレオチドをヌクレアーゼに対してよ
り耐性にすることができる。更に、臭化エチジウムなど
の挿入化剤(intercalatingagent)などをαオリゴヌク
レオチドの3’末端に結合させて、三重らせんを安定化
することができる。三重らせん形成に適切なオリゴヌク
レオチドの作製に関する情報については、Griffinら、S
cience 245:967-971, (1989)を参照されたい(この参考
文献は参照により本明細書に組み入れる)。
【0469】実施例58 宿主生物においてコードされるタンパク質を発現させる
ための、EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナ
ルセグメントまたはEST関連核酸のポジショナルセグ
メントの断片の使用 EST関連核酸、EST関連核酸のポジショナルセグメ
ントまたはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片を使用して、宿主生物においてコードされるタンパ
ク質またはポリペプチドを発現し、有益な効果を生じる
こともできる。さらに、EST関連ポリペプチド、ES
T関連ポリペプチドのポジショナルセグメントまたはE
ST関連ポリペプチドのポジショナルセグメントの断片
をコードする核酸を用いて、宿主生物においてコードさ
れるタンパク質またはポリペプチドを発現し、有益な効
果を生じることができる。
【0470】そのような手順において、コードされるタ
ンパク質またはポリペプチドは、宿主生物において一過
的に発現させてもよいし、宿主生物において安定的に発
現させてもよい。コードされるタンパク質またはポリペ
プチドは、上記の活性のいずれかを有することができ
る。コードされるタンパク質またはポリペプチドは宿主
生物が欠くタンパク質またはポリペプチドであってもよ
いし、あるいは、コードされるタンパク質は宿主生物に
おけるタンパク質の現存のレベルを増大するものであっ
てもよい。
【0471】タンパク質またはポリペプチドが分泌され
るいくつかの実施形態においては、完全長タンパク質
(すなわち、シグナルペプチドおよび成熟タンパク質)
をコードする核酸、または成熟タンパク質のみをコード
する核酸を宿主生物中に導入する。
【0472】タンパク質またはポリペプチドをコードす
る核酸は、当業者に公知の種々の技術を用いて宿主生物
中に導入することができる。例えば、コードされるタン
パク質が宿主生物で発現され、これにより有益な効果を
生じるように、伸長cDNAを剥き出しのDNAとして
宿主に注入することができる。
【0473】あるいは、タンパク質またはポリペプチド
をコードする核酸を、宿主生物において活性なプロモー
ターの下流において発現ベクター中にクローニングする
ことができる。発現ベクターは遺伝子治療での使用のた
めに設計された発現ベクターのいずれであってもよく、
このようなものとしては、ウイルスまたはレトロウイル
スベクターが挙げられる。コードされるタンパク質が宿
主生物において発現され、これにより有益な効果を生じ
るように、発現ベクターを宿主生物に直接導入すること
ができる。他の方法では、発現ベクターをin vitroで細
胞に導入することができる。その後、発現ベクターを含
有する細胞を選択して宿主生物に導入すると、ここで、
該細胞はコードされるタンパク質またはポリペプチドを
発現して有益な効果を生じる。
【0474】実施例59 タンパク質を細胞に移入するためのシグナルペプチドの
使用 配列番号24〜652および3721〜3811の配列
によりコードされるシグナルペプチドの短いコア疎水性
領域(h)を、目的のペプチドまたはタンパク質、いわ
ゆる積荷を組織培養細胞へ移入するキャリアとして使用
することができる(Linら、J. Biol. Chem. 270:14225-
14258, 1995; Duら、J. Peptide Res.,51:235-243, 199
8; Rojasら、Nature Biotech., 16:370-375, 1998)。
【0475】制限されたサイズ(約25個のアミノ酸ま
で)の細胞透過性ペプチドを細胞膜を横切って移送しよ
うとする場合、化学合成を使用して、目的の積荷ペプチ
ドのC末端またはN末端のいずれかにh領域を加えるこ
とができる。あるいは、更に長いペプチドまたはタンパ
ク質を細胞に移入しようとする場合、当業者によく知ら
れている技術を用いて、核酸に遺伝子操作を施し、h領
域をコードする伸長cDNA配列を積荷ポリペプチドを
コードするDNA配列の5’または3’末端に結合する
ことができる。次いで、そのように遺伝子操作された核
酸を、適切な細胞にトランスフェクション後、得られる
細胞透過性ポリペプチドを産生するための従来の技術を
使用して、in vivoまたはin vitroのいずれかで翻訳す
る。次いで、適切な宿主細胞を簡単に細胞透過性ポリペ
プチドと共にインキュベートし、次に膜を横切って輸送
される。
【0476】本方法は、多様な細胞内機能および細胞プ
ロセスを研究するために適用することができる。例え
ば、本方法は、細胞内タンパク質の機能関連ドメインを
探査したり、シグナル伝達経路に関連のタンパク質−タ
ンパク質相互作用を調べるのに使用されている(Lin
ら、前掲; Linら、J. Biol. Chem. 271:5305-5308, 199
6;Rojasら、J. Biol. Chem., 271:27456-27461, 1996;
Liuら、Proc. Natl. Acad.Sci. USA, 93: 11819-11824,
1996; Rojasら、Bioch. Biophys. Res. Commun.,234:6
75-680, 1997)。
【0477】そのような技術は、治療効果を生じるタン
パク質を移入するための細胞医療に使用することができ
る。例えば、患者から単離された細胞を、移入された治
療用タンパク質で処置し、次いで、宿主生物に再導入す
ることができる。
【0478】あるいは、本発明のシグナルペプチドのh
領域は、核の局在化シグナルと組み合わせて使用され
得、核酸を細胞の核に送達することができる。そのよう
なオリゴヌクレオチドは、標的細胞RNAのプロセシン
グおよび成熟化を阻害するために、上述のように、三重
らせんを形成するために設計されるアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドであってもよ
い。
【0479】実施例60 コンピュータ実施形態 本明細書において、「配列番号24〜4100および8178〜36
681の核酸コード」という用語は、配列番号24〜4100お
よび8178〜36681のヌクレオチド配列、配列番号24〜410
0および8178〜36681の断片、配列番号24〜4100および81
78〜36681に相同なヌクレオチド配列または配列番号24
〜4100および8178〜36681の断片に相同なヌクレオチド
配列、ならびに前記配列に相補的な全ての配列を包含す
る。該断片としては、配列番号24〜4100および8178〜36
681の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、7
5、100、150、200、300、400または500個の連続ヌクレ
オチドを含む、配列番号24〜4100および8178〜36681の
部分が挙げられる。好ましくは、該断片は新規な断片で
ある。配列番号24〜4100および8178〜36681の相同配列
および断片とは、これらの配列に対して少なくとも99
%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、また
は75%の相同性を有する配列をいう。相同性は、実施例
18に記載のいかなるコンピュータプログラムおよびパ
ラメータを用いて決定してもよく、例えば、初期(デフ
ォルト)パラメータまたは改変パラメータを用いるBLAS
T2Nが挙げられる。相同配列としては、配列番号24〜410
0および8178〜36681の核酸コードにおいてチミンをウリ
ジンで置き換えたRNA配列も挙げられる。相同配列
は、本明細書中に記載したいかなる手順を用いて得られ
るものでもよく、または上記の配列決定誤差の補正の結
果として得られるものでもよい。配列番号24〜4100およ
び8178〜36681の核酸コードが、通常の1文字様式(Sta
rrier, Lubert. Biochemistry、第3版、W. H Freeman
& Co., New Yorkの裏表紙の内側を参照されたい。)ま
たは配列中のヌクレオチドの正体を記録する他の全ての
様式によって表わされ得ることは明らかであろう。
【0480】本明細書において、「配列番号4101〜8177
のポリペプチドコード」という用語は、配列番号24〜41
00および8178〜36681の5’ESTによりコードされる
配列番号4101〜8177のポリペプチド配列、配列番号4101
〜8177のポリペプチドに相同なポリペプチド配列、また
は前記のあらゆる配列の断片を包含する。相同ポリペプ
チド配列とは、配列番号4101〜8177のポリペプチド配列
の1つと少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90
%、85%、80%、または75%の相同性を有するポリペプ
チド配列をいう。相同性は、本明細書に記載のいかなる
コンピュータプログラムおよびパラメータを用いて決定
してもよく、例えば、初期(デフォルト)パラメータま
たは改変パラメータを用いるFASTAが挙げられる。相同
配列は、本明細書中に記載したいかなる手順を用いて得
られるものでもよく、または上記の配列決定誤差の補正
の結果として得られるものでもよい。ポリペプチド断片
は、配列番号4101〜8177のポリペプチドの少なくとも
5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、または
150個の連続アミノ酸を含む。好ましくは、該断片は新
規な断片である。配列番号4101〜8177のポリペプチドコ
ードが、通常の1文字様式もしくは3文字様式(Starri
er, Lubert. Biochemistry、第3版、W. H Freeman & C
o., New Yorkの裏表紙の内側を参照されたい。)または
配列中のポリペプチドの正体に関する他の全ての様式に
よって表わされ得ることは明らかであろう。
【0481】配列番号24〜4100および8178〜36681の核
酸コードならびに配列番号4101〜8177のポリペプチドコ
ードが、コンピュータにより読み取りおよびアクセス可
能ないかなる媒体上においても記憶、記録、および操作
可能であることは、当業者には明らかであろう。ここ
で、「記録」および「記憶」とは、コンピュータ媒体上
に情報を記憶するプロセスをいう。当業者であれば、コ
ンピュータ読取り可能媒体上に情報を記録するための、
現在知られているあらゆる方法を適切に用いて、配列番
号24〜4100および8178〜36681の核酸コードの1以上な
らびに配列番号4101〜8177のポリペプチドコードの1以
上を含む製品を容易に作製することができる。本発明の
もう1つの態様は、配列番号24〜4100および8178〜36681
の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、または50個の
核酸コードを記録したコンピュータ読取り可能媒体であ
る。本発明のもう1つの態様は、配列番号4101〜8177の
少なくとも2、5、10、15、20、25、30、または50個のポ
リペプチドコードを記録したコンピュータ読取り可能媒
体である。
【0482】コンピュータ読取り可能媒体としては、磁
気的読取り可能媒体、光学的読取り可能媒体、電気的読
取り可能媒体および磁気/光媒体が挙げられる。例え
ば、コンピュータ読取り可能媒体は、ハードディスク、
フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD-RO
M、DVD、RAM、またはROM、ならびに当業者に公知の他の
タイプの他の媒体とすることができる。
【0483】本発明の実施形態としては、本明細書で記
載する配列情報を含有するシステム、特にコンピュータ
システムが挙げられる。ここで、「コンピュータシステ
ム」とは、配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸
コードのヌクレオチド配列、または配列番号4101〜8177
のポリペプチドコードのアミノ酸配列を解析するのに使
用する、ハードウエア要素、ソフトウエア要素、および
データ記憶要素をいう。該コンピュータシステムとして
は、好ましくは、上記コンピュータ読取り可能媒体、お
よび配列データにアクセスしてこれを操作するためのプ
ロセッサが挙げられる。
【0484】好ましくは、コンピュータは、中央処理装
置(CPU)、データを記憶するための1以上のデータ記
憶要素、データ記憶要素上に記憶させたデータを検索す
るための1以上のデータ検索装置を含む汎用システムで
ある。当業者であれば、現在利用可能なコンピュータシ
ステムのいずれもが適切であることは容易に理解でき
る。
【0485】1つの特定の実施形態において、上記コン
ピュータシステムはバスに接続されたプロセッサを含
み、該バスは、主要メモリ(好ましくはRAMとして与え
られた)、並びにデータを記録したハードドライブおよ
び/または他のコンピュータ読取り可能媒体などの1以
上のデータ記憶装置に接続されている。いくつかの実施
形態では、上記コンピュータシステムはさらに、データ
記憶要素上に記憶させたデータを読み取るための1以上
のデータ検索装置を含む。該データ検索装置は、例え
ば、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク
ドライブ、磁気テープドライブ等を示す。いくつかの実
施形態では、前記データ記憶要素は、制御ロジックおよ
び/または記録されたデータを含有する、フロッピーデ
ィスク、コンパクトディスク、磁気テープ等のような脱
着可能なコンピュータ読取り可能媒体である。上記コン
ピュータシステムは、都合よく、データ記憶要素をデー
タ検索装置に挿入したときにそこから制御ロジックおよ
び/またはデータを読み取るための適切なソフトウエア
を含むか、またはこれによりプログラムされることがで
きる。配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コー
ドのヌクレオチド配列、または配列番号4101〜8177のポ
リペプチドコードのアミノ酸配列にアクセスしてこれを
処理するためのソフトウエア(探索ツール、比較ツー
ル、およびモデリングツール等のような)は、実行中は
主要メモリ内に置くことができる。
【0486】いくつかの実施形態では、上記コンピュー
タシステムはさらに、コンピュータ読取り可能媒体上に
記憶させた上記配列番号24〜4100および8178〜36681の
核酸コード、または配列番号4101〜8177のポリペプチド
コードを、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶させた
参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列と比較す
るためのシークエンスコンペアラ(sequence compare
r)を含んでもよい。「シークエンスコンペアラ」と
は、あるヌクレオチドもしくはポリペプチド配列を、デ
ータ記憶手段の中に記憶された他のヌクレオチドもしく
はポリペプチド配列および/またはペプチド、ペプチド
模倣体、および化学物質(これらに限定されない)など
の化合物と比較するためにコンピュータシステム上に与
えられた1以上のプログラムをいう。例えば、該シーク
エンスコンペアラは、コンピュータ読取り可能媒体上に
記憶された配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸
コードのヌクレオチド配列、または配列番号4101〜8177
のポリペプチドコードのアミノ酸配列を、コンピュータ
読取り可能媒体上に記憶された参照配列と比較して、相
同性、生物学的機能に関わるモチーフ、または構造モチ
ーフを特定することができる。本特許明細書中の様々な
箇所で特定される種々のシークエンスコンペアラプログ
ラムは、本発明のこの態様に使用することを特に意図し
ている。
【0487】従って、本発明の1つの態様は、プロセッ
サ、配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コード
または配列番号4101〜8177のポリペプチドコードを記憶
したデータ記憶装置、配列番号24〜4100および8178〜36
681の核酸コードまたは配列番号4101〜8177のポリペプ
チドコードと比較すべき参照ヌクレオチド配列もしくは
ポリペプチド配列を検索可能な形で記憶したデータ記憶
装置、ならびに比較を行うためのシークエンスコンペア
ラを含むコンピュータシステムである。該シークエンス
コンペアラは、比較した配列間の相同性レベルを示す
か、または配列番号24〜4100および8178〜36681の上記
核酸コードならびに配列番号4101〜8177の上記ポリペプ
チドコードの中の構造モチーフを特定することができ、
また、これらの核酸コードおよびポリペプチドコードと
比較される配列中の構造モチーフを特定することができ
る。いくつかの実施形態では、前記データ記憶装置は、
配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コードまた
は配列番号4101〜8177のポリペプチドコードの少なくと
も2、5、10、15、20、25、30、または50個の配列を記憶
しておくことができる。
【0488】本発明の他の態様は、配列番号24〜4100お
よび8178〜36681の核酸コードと参照ヌクレオチド配列
との相同性レベルを決定する方法であって、該核酸コー
ドおよび該参照ヌクレオチド配列を、相同性レベルを決
定するコンピュータプログラムを用いて読み取るステッ
プ、ならびに該コンピュータプログラムを用いて該核酸
コードと該参照ヌクレオチド配列との相同性を決定する
ステップを含む前記方法である。該コンピュータプログ
ラムは、相同性レベルを決定するための多くのコンピュ
ータプログラムのいずれであってもよく、本明細書にお
いて特に列挙したもの、例えば初期パラメータまたは改
変パラメータを用いるBLAST2Nなどが挙げられる。前記
方法は、上記のコンピュータシステムを用いて実行して
もよい。また、前記方法は、配列番号24〜4100および81
78〜36681の上記核酸コードの2、5、10、15、20、25、3
0、または50個をコンピュータプログラムを用いて読み
取り、該核酸コードと参照ヌクレオチド配列との相同性
を決定することにより行ってもよい。
【0489】あるいは、上記コンピュータプログラム
は、本発明の核酸コードのヌクレオチド配列を参照核酸
配列と比較して、配列番号24〜4100および8178〜36681
の核酸コードが参照核酸配列と1以上の位置において異
なるかどうかを決定するコンピュータプログラムであっ
てもよい。任意で、このようなプログラムは、参照ポリ
ヌクレオチドまたは配列番号24〜4100および8178〜3668
1の核酸コードのいずれかの配列に関して、挿入、欠失
または置換されたヌクレオチドの長さおよび正体を記録
する。1つの実施形態では、前記コンピュータプログラ
ムは、配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コー
ドのヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列に関して
単一ヌクレオチド多形(SNP)を含有するかどうかを決
定するプログラムであってもよい。この単一ヌクレオチ
ド多形は、単一塩基の置換、挿入、または欠失を含んで
もよい。
【0490】本発明の他の態様は、配列番号4101〜8177
のポリペプチドコードと参照ポリペプチド配列との相同
性レベルを決定する方法であって、配列番号4101〜8177
のポリペプチドコードおよび該参照ポリペプチド配列
を、相同性レベルを決定するコンピュータプログラムを
用いて読み取るステップ、ならびに該コンピュータプロ
グラムを用いて該ポリペプチドコードと該参照ポリペプ
チド配列との相同性を決定するステップを含む前記方法
である。
【0491】従って、本発明の他の態様は、配列番号24
〜4100および8178〜36681の核酸コードが1以上のヌク
レオチドにおいて参照ヌクレオチド配列と異なるかどう
かを決定する方法であって、該核酸コードおよび該参照
ヌクレオチド配列を、核酸配列間の相違を同定するコン
ピュータプログラムを用いて読み取るステップ、ならび
に該コンピュータプログラムを用いて該核酸コードと該
参照ヌクレオチド配列の相違を同定するステップを含む
前記方法である。いくつかの実施形態では、該コンピュ
ータプログラムは、単一ヌクレオチド多形を同定するプ
ログラムである。該方法は、上記コンピュータシステム
により与えることができる。該方法はまた、配列番号24
〜4100および8178〜36681の前記核酸コードの少なくと
も2、5、10、15、20、25、30、または50個、ならびに前
記参照ヌクレオチド配列を前記コンピュータプログラム
を用いて読み取り、該コンピュータプログラムを用いて
該核酸コードと該参照ヌクレオチド配列との相違を同定
することにより行うこともできる。
【0492】他の実施形態では、コンピュータベースの
該システムはさらに、配列番号24〜4100および8178〜36
681の核酸コードのヌクレオチド配列内、または配列番
号4101〜8177のポリペプチドコードのアミノ酸配列内の
特徴を同定するためのアイデンティファイア(Identifi
er)を含んでもよい。
【0493】「アイデンティファイア」とは、上述の配
列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コードのヌク
レオチド配列内、または配列番号4101〜8177のポリペプ
チドコードのアミノ酸配列内のある特徴を同定する1以
上のプログラムをいう。1つの実施形態では、前記アイ
デンティファイアは、配列番号24〜4100および8178〜36
681のcDNAコード中のオープンリーディングフレー
ムを同定するプログラムを含んでもよい。
【0494】他の実施形態では、上記アイデンティファ
イアは、配列番号4101〜8177のポリペプチドコードの3
次元構造を決定する分子モデリングプログラムを含んで
もよい。いくつかの実施形態では、前記分子モデリング
プログラムは、既知の3次元タンパク質構造中の残基の
構造的環境を示すプロフィールと最もよく適合する標的
配列を同定する(例えば、Eisenbergら、1995年7月25日
に発行された米国特許第5,436,850号を参照された
い)。他の技術では、あるファミリー中のタンパク質の
既知の3次元構造を重ね合わせて、該ファミリー内の構
造的保存領域を規定する。このタンパク質モデリング技
術はまた、相同なタンパク質の既知の3次元構造を用い
て、配列番号4101〜8177のポリペプチドコードの構造を
正確なものに近づける(例えば、Srinivasanら、1996年
9月17日に発行された米国特許第5,557,535号を参照され
たい)。従来の相同性モデリング技術は、プロテアーゼ
および抗体のモデルを作製するために日常的に用いられ
ている(Sowdhaminiら、Protein Engineering 10: 207,
215 (1997))。目的のタンパク質が鋳型タンパク質と
の配列同一性に乏しいものである場合に、これに匹敵す
る方法を用いて3次元タンパク質モデルを開発すること
もできる。タンパク質は、配列同一性が非常に少ない場
合であっても、類似の3次元構造をとることがある。例
えば、多くのヘリカルサイトカインの3次元構造は、配
列相同性が少ないにもかかわらず、類似の3次元トポロ
ジーをとる。
【0495】最近のスレッディング法(threading meth
ods)の開発により、標的と鋳型との構造的関連性が配
列レベルでは検出不可能である多くの場合において、適
切な折り畳みパターンの同定が可能となっている。多重
配列スレッディング(Multiple Sequence Threading,M
ST)を用いて折り畳み認識を行うハイブリッド法では、
距離幾何学プログラムDRAGONによりスレッディング出力
から構造的等価性を導き出して低解像度モデルを構築
し、QUANTAなどの分子モデリングパッケージを用いて完
全原子表示を構築する。
【0496】この3ステップの方法に従って、多重整列
配列の1以上の3D構造上へのスレッディングを同時に
行うことのできる新規折り畳み認識アルゴリズムMSTを
用いて鋳型候補をまず同定する。第2のステップでは、
MST出力から得られる構造的等価性を残基間距離制約に
変換し、2次構造予測から得られる補助情報と共に距離
幾何学プログラムDRAGONに送る。該プログラムはバイア
スのない様式で該制約を組み合わせ、大量の低解像度モ
デル確定を迅速に生成する。第3のステップでは、これ
らの低解像度モデル確定を完全原子モデルに変換し、分
子モデリングパッケージQUANTAを用いるエネルギー最小
化に供する(例えば、Aszodiら、protein:Structure, F
unction, and Genetics, 追補1:38-42 (1997)を参照さ
れたい)。
【0497】次いで、分子モデリング分析の結果を合理
的なドラッグ設計技術に用いて、配列番号4101〜8177の
ポリペプチドコードの活性をモジュレートする薬剤を同
定してもよい。
【0498】従って、本発明の他の態様は、配列番号24
〜4100および8178〜36681の核酸コード内、または配列
番号4101〜8177のポリペプチドコード内の特徴を同定す
る方法であって、該核酸コードまたは該ポリペプチドコ
ードを、これらに内在する特徴を同定するコンピュータ
プログラムを用いて読み取り、該コンピュータプログラ
ムを用いて該核酸コード内または該ポリペプチドコード
内の特徴を同定することを含む前記方法である。1つの
実施形態では、コンピュータプログラムは、オープンリ
ーディングフレームを同定するコンピュータプログラム
を含む。さらなる実施形態では、前記コンピュータプロ
グラムは、ポリペプチド配列中の構造モチーフを同定す
る。他の実施形態では、前記コンピュータプログラム
は、分子モデリングプログラムを含む。前記方法は、配
列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コード、また
は配列番号4101〜8177のポリペプチドコードの、単一配
列または少なくとも2、5、10、15、20、25、30、もしく
は50個を、前記コンピュータプログラムを用いて読み取
り、該コンピュータプログラムを用いて該核酸コードま
たは該ポリペプチドコード内の特徴を同定することによ
り行うことができる。
【0499】配列番号24〜4100および8178〜36681の核
酸コード、または配列番号4101〜8177のポリペプチドコ
ードは、種々のフォーマットの種々のデータプロセッサ
プログラムにおいて記憶させ、操作することができる。
例えば、配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コ
ード、または配列番号4101〜8177のポリペプチドコード
は、MicrosoftWORDもしくはWORDPERFECTなどのワードプ
ロセッシングファイルにおいてテキストとして記憶させ
るか、またはDB2、SYBASE、もしくはORACLEなどの当業
者に公知の種々のデータベースプログラムにおいてASCI
Iファイルとして記憶させることができる。さらに、シ
ークエンスコンペアラ、アイデンティファイア、または
配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コード、も
しくは配列番号4101〜8177のポリペプチドコードと比較
すべき参照ヌクレオチドもしくはポリペプチド配列の供
給源として、多くのコンピュータプログラムおよびデー
タベースを利用することができる。以下のリストは本発
明を限定するためのものではなく、配列番号24〜4100お
よび8178〜36681の核酸コード、または配列番号4101〜8
177のポリペプチドコードに対して有用なプログラムお
よびデータベースの案内を提供するものである。用いる
ことのできるプログラムおよびデータベースとしては、
MacPattern (EMBL)、DiscoveryBase (Molecular Applic
ations Group)、GeneMine (Molecular Applications Gr
oup)、Look (Molecular ApplicationsGroup)、MacLook
(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2
(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Altschulら、J. Mol. Bi
ol. 215: 403 (1990))、FASTA(PearsonおよびLipma
n、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444 (1988))、
FASTDB(Brutlagら、Comp. App. Biosci. 6: 237-245
(1990))、Catalyst (Molecular Simulations Inc.)、C
atalyst/SHAPE (Molecular Simulations Inc.)、Cerius
2.DBAccess (Molecular Simulations Inc.)、HypoGen
(Molecular Simulations Inc.)、Insight II (Molecula
r Simulations Inc.)、Discover (MolecularSimulation
s Inc.)、CHARMm (Molecular Simulations Inc.)、Feli
x (MolecularSimulations Inc.)、DelPhi (Molecular S
imulations Inc.)、QuanteMM (Molecular Simulations
Inc.)、Homology (Molecular Simulations Inc.)、Mode
ler (Molecular Simulations Inc.)、ISIS (Molecular
Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design (Molecula
r Simulations Inc.)、WebLab (Molecular Simulations
Inc.)、WebLab Diversity Explorer (Molecular Simul
ations Inc.)、Gene Explorer (Molecular Simulations
Inc.)、SeqFold (Molecular Simulations Inc.)、the
EMBL/Swissprotein database、the MDL Available Chem
icals Directorydatabase、the MDL Drug Data Report
data base、the Comprehensive Medicinal Chemistry d
atabase、Derwents's World Drug Index database、the
BioByteMasterFile database、the GenBank databas
e、およびthe Genseqn databaseが挙げられるが、これ
らに限定されない。本明細書の開示によれば、当業者に
は他の多くのプログラムおよびデータベースが明らかと
なるであろう。
【0500】上記プログラムを用いて検出することので
きるモチーフとしては、ロイシンジッパーをコードする
配列、ヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフ、グリ
コシル化部位、ユビキチン化部位、α-ヘリックスおよ
びβ-シート、コードされるタンパク質の分泌を指令す
るシグナルペプチドをコードするシグナル配列、ホメオ
ボックスなどの転写調節に関与する配列、酸性ストレッ
チ、酵素活性部位、基質結合部位、ならびに酵素開裂部
位が挙げられる。
【0501】実施例61 核酸の作製方法 本発明はまた、EST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片を作製
する方法を含む。該方法は、ヌクレオチドどうしを順次
結合させて、上記配列を有する核酸を製造することを含
む。種々の核酸合成法が当業者に公知となっている。
【0502】これらの方法のうちの多くでは、合成は固
体支持体上で行う。このような方法としては、所望のオ
リゴヌクレオチドの3'末端塩基を不溶性担体上に固定化
する3'ホスホラミダイト法が挙げられる。付加すべきヌ
クレオチド塩基の5'ヒドロキシルを保護し、3'ヒドロキ
シルを活性化して固定化ヌクレオチド塩基とカップリン
グさせる。新たな固定化ヌクレオチド化合物の脱保護及
び該サイクルの繰り返しにより、所望のポリヌクレオチ
ドが生成する。あるいは、ポリヌクレオチドは、米国特
許第5,049,656号(この開示内容は参照により本明細書
に組み入れる)の記載に従って調製してもよい。いくつ
かの実施形態では、上述のようにして調製されるいくつ
かのポリヌクレオチドを互いに連結して、所望の配列を
有する、より長いポリヌクレオチドを生成させる。
【0503】実施例62 ポリペプチドの作製方法 本発明はまた、EST関連核酸、EST関連核酸の断
片、EST関連核酸のポジショナルセグメント、または
EST関連核酸のポジショナルセグメントの断片により
コードされるポリヌクレオチドを作製する方法、ならび
にEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドの
断片、EST関連ポリペプチドのポジショナルセグメン
ト、またはEST関連ポリペプチドの断片を作製する方
法を含む。該方法は、アミノ酸どうしを順次結合させ
て、上記配列を有する核ポリペプチドを製造することを
含む。いくつかの実施形態では、これらの方法により作
製されるポリペプチドは150アミノ酸以下の長さであ
る。他の実施形態では、これらの方法により作製される
ポリペプチドは120アミノ酸以下の長さである。
【0504】種々のポリペプチド作製法が当業者に公知
となっており、カルボキシル末端アミノ酸をポリビニル
ベンゼンその他の適切な樹脂に結合させる方法が挙げら
れる。付加すべきアミノ酸は、そのアミノ部分およびあ
らゆる側鎖反応性基上に保護基を有し、そのカルボキシ
ル部分のみが反応可能である。カルボキシル基はカルボ
ジイミドその他の活性化剤を用いて活性化され、固定化
アミノ酸にカップリングすることができる。保護基を除
去した後に、該サイクルを繰り返し、所望の配列を有す
るポリペプチドを生成させる。あるいは、米国特許第5,
049,656号(その開示内容は参照により本明細書に組み
入れる)に記載の方法を用いてもよい。
【0505】上記のように、EST関連核酸、EST関
連核酸の断片、EST関連核酸のポジショナルセグメン
ト、またはEST関連核酸のポジショナルセグメントの
断片は、さまざまな目的のために使用することができ
る。該ポリヌクレオチドを使用して、分析、特徴付けま
たは治療用途;分泌ポリペプチドもしくはキメラポリペ
プチドの生産、抗体生産のための組換えタンパク質を;
対応するタンパク質を(構成的かまたは組織分化または
発生の特定の段階かまたは疾患状態のいずれかにおい
て)好適に発現させる組織のためのマーカーとして;サ
ザンゲル上の分子量マーカーとして;染色体を同定する
かまたは関連遺伝子の位置をマッピングするための染色
体マーカーまたはタグ(標識される場合)として;患者
の内在性DNAを比較して、潜在的遺伝子異常を同定す
るために;ハイブリダイズし、それにより新規の関連D
NA配列を発見するためのプローブとして;遺伝子フィ
ンガープリントのためのPCRプライマーを得るための
情報の供給源として;「遺伝子チップ」または他の支持
体に付着するためのオリゴマーを選択し、作製するため
に(発現パターンを調べることを含む);DNA免疫化
技術を用いて、抗タンパク質抗体を惹起するために;お
よび抗DNA抗体を惹起するかまたはもう1つの免疫応
答を引き出すための抗原として、発現させることができ
る。ポリヌクレオチドが(例えば、レセプター−リガン
ド相互作用などにおいて)別のタンパク質またはポリペ
プチドに結合するかまたは潜在的に結合するタンパク質
またはポリペプチドをコードする場合には、該ポリヌク
レオチドを、結合が生じる他のタンパク質またはポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドを同定するかまた
は結合相互作用の阻害剤を同定するために、相互作用ト
ラップアッセイ(例えば、Gyurisら、Cell 75:791-803,
1993などに記載のアッセイであって、該参考文献の開
示内容は、参照により本明細書に組み入れる)に使用す
ることができる。
【0506】本発明により提供されるタンパク質または
ポリペプチドは、ハイスループットスクリーニングのた
めの複数のタンパク質のパネルを含む生物学的活性を決
定するためのアッセイにおいて;抗体を惹起するかまた
は別の免疫応答を引き出すために;生物学的液体におけ
るタンパク質(またはそのレセプター)のレベルを定量
的に決定するために設計されたアッセイにおける試薬
(標識された試薬を含む);対応するタンパク質を(構
成的かまたは組織分化または発生の特定の段階かまたは
疾患状態のいずれかにおいて)好適に発現させる組織用
のマーカーとして;そして、もちろん、相関関係にある
レセプターまたはリガンドを単離するために、同様に使
用することができる。タンパク質またはポリペプチドが
もう1つのタンパク質またはポリペプチドに結合するか
または潜在的に結合する場合(例えば、受容体-リガン
ド相互作用のように)、該タンパク質を、結合が生じる
他のタンパク質を同定するかまたは結合相互作用の阻害
剤を同定するために使用することができる。これらの結
合相互作用に関与するタンパク質またはポリペプチド
は、ペプチドまたは小分子阻害剤または結合相互作用の
アゴニストをスクリーニングするためにも使用すること
ができる。
【0507】これらの研究有用性のいくつかまたは全て
は、研究用製品としての商品される試薬レベルまたはキ
ット形態にまで開発することが可能である。
【0508】上記に列挙された用途を達成するための方
法は当業者に周知である。そのような方法を開示してい
る参考文献としては、Molecular Cloning;A Laboratory
Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss, Sambrook, J., E.F. FritchおよびManiatis編、198
9、ならびにMethods in Enzymology;Guide to Molecula
r Cloning Techniques, Academic Press, Berger, S.L.
およびA.R. Kimmel編、1987が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0509】本発明のポリヌクレオチドおよびタンパク
質もしくはポリペプチドを栄養供給源または補助物とし
て使用することもできる。そのような使用としては、タ
ンパク質またはアミノ酸補助物としての使用、炭素源と
しての使用、窒素源としての使用および炭水化物源とし
ての使用が挙げられるが、これらに限定されない。その
ような場合、本発明のタンパク質またはポリヌクレオチ
ドを特定の生物の食物に添加することができ、または個
別の固体または液体調製物として、散剤、丸剤、溶液、
懸濁液またはカプセルの剤形などで投与することができ
る。微生物の場合、本発明のタンパク質またはポリヌク
レオチドを、微生物が培養される培地に添加することが
できる。
【0510】本発明を特定の好適な実施態様の形態で説
明してきたが、本明細書の開示内容から当業者に明らか
である他の実施態様も本発明の範囲内にある。従って、
本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にすることに
よってのみ規定されることを意図している。本明細書に
引用された全ての文書は、その全体を参照により本明細
書に組み入れる。
【0511】
【表1】
【他/】
【他/】
【他/】
【0512】
【表2】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
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【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【0513】
【表3】
【0514】
【配列表】
配列表は公開・登録公報長大データCD−ROM「13
(2001)−001(001)」を参照
【図面の簡単な説明】
【図1】コンセンサス・コンティグ化ESTを得るための
コンピュータ解析法をまとめたものである。
【図2】全ヒトSwissProtタンパク質の43アミノ末端ア
ミノ酸の分析であり、本明細書中に記載のシグナルペプ
チドを同定するための技術を用いて偽陽性および偽陰性
の頻度を決定している。
【図3】伸長cDNAを作製するための方法を示す。
【図4】単離したプロモーターの模式的説明およびそれ
らを対応する5‘タグと共にアセンブリーする方法を示
す。
【図5】上記プロモーターのそれぞれに存在する転写因
子結合部位を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5B075 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A // G06F 17/30 G06F 15/40 370F (72)発明者 ジャン−イヴ ジョルダン フランス国 75018 パリ,ル ドュエス ム,12 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA19 AA20 BA01 BA21 BA53 BA80 CA04 CA07 CA09 CA12 DA02 DA05 DA12 EA04 FA02 FA13 FA18 GA03 HA03 HA12 HA17 HA19 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ03 QQ08 QQ42 QQ79 QQ91 QR32 QR48 QR51 QR56 QR62 QR77 QR80 QS03 QS24 QS25 QS33 QS34 QS39 QX07 4B064 AG01 AG02 AG13 AG27 CA10 CA19 CA20 DA01 DA13 4B065 AA01X AA72X AA90X AA92X AA93Y AB01 AB05 AC14 AC15 BA02 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 CA40 DA01 DA45 DA75 DA76 EA22 EA24 EA26 EA50 FA33 FA57 FA72 FA73 FA74 5B075 ND03 ND20 ND34 UU19

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号24〜4100および8178〜36681の
    配列、および配列番号24〜4100および8178〜36681の配
    列に相補的な配列からなる群から選択される配列を含
    む、精製された核酸。
  2. 【請求項2】 配列番号24〜4100および8178〜36681の
    配列、および配列番号24〜4100および8178〜36681の配
    列に相補的な配列からなる群から選択される配列の少な
    くとも10個の連続したヌクレオチドを含む、精製された
    核酸。
  3. 【請求項3】 配列番号24〜4100および8178〜36681の
    配列、および配列番号24〜4100および8178〜36681の配
    列に相補的な配列からなる群から選択される配列の少な
    くとも15個の連続したヌクレオチドを含む、精製された
    核酸。
  4. 【請求項4】 配列番号24〜4100からなる群から選択さ
    れる配列のコード配列を含む、精製された核酸。
  5. 【請求項5】 配列番号3721〜3811からなる群から選択
    される配列の全コード配列を含む精製された核酸であっ
    て、該全コード配列がシグナルペプチドをコードする配
    列と成熟タンパク質をコードする配列を含む、上記核
    酸。
  6. 【請求項6】 成熟タンパク質をコードする配列番号37
    21〜3811からなる群から選択される配列の連続スパンを
    含む、精製された核酸。
  7. 【請求項7】 シグナルペプチドをコードする配列番号
    24〜652および3721〜3811からなる群から選択される配
    列の連続スパンを含む、精製された核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号4101〜8177の配列からなる群か
    ら選択される配列を含むポリペプチドをコードする、精
    製された核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号7798〜7888の配列からなる群か
    ら選択される配列を含むポリペプチドをコードする、精
    製された核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号7798〜7888の配列からなる群
    から選択される配列に含まれる成熟タンパク質を含むポ
    リペプチドをコードする、精製された核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号4101〜4729および配列番号77
    98〜7888の配列からなる群から選択される配列に含まれ
    るシグナルペプチドを含むポリペプチドをコードする、
    精製された核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号24〜4100および8178〜36681
    の配列、および配列番号24〜4100および8178〜36681の
    配列に相補的な配列からなる群から選択される配列にス
    トリンジェントな条件下でハイブリダイズする、鎖長が
    少なくとも15ヌクレオチドの精製された核酸。
  13. 【請求項13】 配列番号4101〜8177の配列からなる群
    から選択される配列を含む、精製または単離されたポリ
    ペプチド。
  14. 【請求項14】 配列番号7798〜7888からなる群から選
    択される配列を含む、精製または単離されたポリペプチ
    ド。
  15. 【請求項15】 配列番号7798〜7888からなる群から選
    択されるポリペプチドの成熟タンパク質を含む、精製ま
    たは単離されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 配列番号4101-4729および7798〜7888
    のポリペプチドからなる群から選択される配列のシグナ
    ルペプチドを含む、精製または単離されたポリペプチ
    ド。
  17. 【請求項17】 配列番号4101-8177の配列からなる群
    から選択される配列の少なくとも10個の連続したアミノ
    酸を含む、精製または単離されたポリペプチド。
  18. 【請求項18】 cDNAを作製する方法であって、 ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体に、配列番号24〜4100
    および8178〜36681に相補的な配列からなる群から選択
    される配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを
    含むプライマーを接触させ、 該プライマーを、該タンパク質をコードする該集合体中
    のmRNAにハイブリダイズさせ、 該ハイブリダイズしたプライマーを逆転写して、該mRNA
    から第1cDNA鎖を作製し、 第1cDNA鎖に相補的な第2cDNA鎖を作製し、そして該タ
    ンパク質をコードする、第1cDNA鎖と第2cDNA鎖からな
    る得られたcDNAを単離する、各ステップを含む上記方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の方法により得られ
    る、精製されたcDNA。
  20. 【請求項20】 前記cDNAがヒトポリペプチドの少なく
    とも一部をコードする、請求項19記載のcDNA。
  21. 【請求項21】 cDNAを作製する方法であって、 配列番号24〜4100および8178〜36681の配列からなる群
    から選択される配列を含むcDNAを取得し、 該cDNAに、配列番号24〜4100および8178〜36681の配列
    および配列番号24〜4100および8178〜36681に相補的な
    配列からなる群から選択される配列の少なくとも15個の
    連続したヌクレオチドを含む検出可能なプローブを、該
    プローブが該cDNAにハイブリダイズする条件下で接触さ
    せ、 該検出可能なプローブにハイブリダイズするcDNAを同定
    し、そして該プローブにハイブリダイズする該cDNAを単
    離する、各ステップを含む上記方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の方法により得られ
    る、精製されたcDNA。
  23. 【請求項23】 前記cDNAがヒトポリペプチドの少なく
    とも一部をコードする、請求項22記載のcDNA。
  24. 【請求項24】 cDNAを作製する方法であって、 ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体に、該mRNAのポリAテ
    イルにハイブリダイズできる第1プライマーを接触さ
    せ、 該第1プライマーを該ポリAテイルにハイブリダイズさ
    せ、 該mRNAを逆転写して第1cDNA鎖を作製し、 配列番号24〜4100および8178〜36681の配列からなる群
    から選択される配列の少なくとも15個の連続したヌクレ
    オチドを含む少なくとも1つのプライマーを用いて、第
    1cDNA鎖に相補的な第2cDNA鎖を作製し、そして第1cD
    NA鎖と第2cDNA鎖からなる、得られたcDNAを単離する、
    各ステップを含む上記方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の方法により得られ
    る、精製されたcDNA。
  26. 【請求項26】 前記cDNAがヒトポリペプチドの少なく
    とも一部をコードする、請求項25記載のcDNA。
  27. 【請求項27】 第2cDNA鎖の作製が、 第1cDNA鎖に第1のプライマー対を接触させ(ここで、
    第1のプライマー対は、配列番号24〜4100および8178〜
    36681からなる群から選択される配列の少なくとも15個
    の連続したヌクレオチドを含む第2プライマーおよび第
    1プライマーの配列内に含まれる配列を有する第3プラ
    イマーを含む)、 第1のプライマー対により第1のポリメラーゼ連鎖反応
    を行って第1PCR産物を生成させ、 第1PCR産物に第2のプライマー対を接触させ(ここ
    で、第2のプライマー対は第4プライマーおよび第5プ
    ライマーを含み、ここで、第4プライマーは配列番号24
    〜4100および8178〜36681からなる群から選択される該
    配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み、
    そして第4および第5のプライマーは第1PCR産物内の
    配列にハイブリダイズ可能である)、そして第2のポリ
    メラーゼ連鎖反応を行い、それにより第2PCR産物を生
    成させる、ことにより行われる、請求項24記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の方法により得られ
    る、精製されたcDNA。
  29. 【請求項29】 前記cDNAがヒトポリペプチドの少なく
    とも一部をコードする、請求項28記載のcDNA。
  30. 【請求項30】 第2cDNA鎖の作製が、 第1cDNA鎖に、配列番号24〜4100および8178〜36681か
    らなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続し
    たヌクレオチドを含む第2プライマーを接触させ、 第2プライマーを第1cDNA鎖にハイブリダイズさせ、そ
    してハイブリダイズした第2プライマーを伸長させて第
    2cDNA鎖を生成させる、ことにより行われる、請求項2
    4記載の方法。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の方法により得られ
    る、精製されたcDNA。
  32. 【請求項32】 前記cDNAがヒトポリペプチドの少なく
    とも一部をコードする、請求項28記載のcDNA。
  33. 【請求項33】 ポリペプチドを生産する方法であっ
    て、 配列番号24〜4100からなる群から選択される配列を含む
    核酸によりコードされるポリペプチドをコードするcDNA
    または配列番号24〜4100からなる群から選択される配列
    によりコードされるポリペプチドの少なくとも10個の連
    続したアミノ酸を含むポリペプチドをコードするcDNAを
    取得し、 該cDNAがプロモーターに機能しうる形で連結されるよう
    に発現ベクターに挿入し、 該発現ベクターを宿主細胞内に導入して、該宿主細胞に
    該cDNAによりコードされるタンパク質を産生させ、そし
    て該タンパク質を単離する、各ステップを含む上記方
    法。
  34. 【請求項34】 請求項33記載の方法により得られ
    る、単離されたタンパク質。
  35. 【請求項35】 プロモーターDNAを取得する方法であ
    って、 配列番号24〜4100および8178〜36681の配列および配列
    番号24〜4100および8178〜36681の配列に相補的な配列
    からなる群から選択される配列を含む核酸の上流に位置
    するゲノムDNAを取得し、 該ゲノムDNAをスクリーニングして、転写開始を指令す
    ることができるプロモーターを同定し、そして同定した
    該プロモーターを含むDNAを単離する、各ステップを含
    む上記方法。
  36. 【請求項36】 前記取得ステップが、配列番号24〜41
    00および8178〜36681の配列および配列番号24〜4100お
    よび8178〜36681の配列に相補的な配列からなる群から
    選択される配列を含むゲノムDNAからの染色体歩行を含
    む、請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記スクリーニングステップが、配列
    番号24〜4100および8178〜36681の配列および配列番号2
    4〜4100および8178〜36681の配列に相補的な配列からな
    る群から選択される配列の上流に位置するゲノムDNAを
    プロモーターレポーターベクターに挿入することを含
    む、請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記スクリーニングステップが、配列
    番号24〜4100および8178〜36681の配列および配列番号2
    4〜4100および8178〜36681の配列に相補的な配列からな
    る群から選択される配列の上流に位置するゲノムDNA中
    の、転写因子結合部位かまたは転写開始部位にあたるモ
    チーフを同定することを含む、請求項36記載の方法。
  39. 【請求項39】 請求項34記載の方法によって得られ
    る、単離されたプロモーター。
  40. 【請求項40】 個々のESTまたは長さが少なくとも15
    ヌクレオチドのそのフラグメントのアレイであって、そ
    の改良点が、該アレイ中に、配列番号24〜4100および81
    78〜36681の配列、配列番号24〜4100および8178〜36681
    の配列に相補的な配列、および該配列の少なくとも15個
    の連続したヌクレオチドを含むフラグメントからなる群
    から選択される少なくとも1つの配列を加えることから
    なる、上記アレイ。
  41. 【請求項41】 その中に、配列番号24〜4100および81
    78〜36681の配列、配列番号24〜4100および8178〜36681
    の配列に相補的な配列、および該配列の少なくとも15個
    の連続したヌクレオチドを含むフラグメントからなる群
    から選択される配列を少なくとも2つ含む、請求項40
    記載のアレイ。
  42. 【請求項42】 その中に、配列番号24〜4100および81
    78〜36681の配列、配列番号24〜4100および8178〜36681
    の配列に相補的な配列、および該配列の少なくとも15個
    の連続したヌクレオチドを含むフラグメントからなる群
    から選択される配列を少なくとも5つ含む、請求項40
    記載のアレイ。
  43. 【請求項43】 インサート核酸とバックボーン核酸を
    含む組換え核酸の濃縮集団であって、該集団中のインサ
    ート核酸の少なくとも5%が配列番号24〜4100および8178
    〜36681の配列および配列番号24〜4100および8178〜366
    81の配列に相補的な配列からなる群から選択される配列
    を含む、上記濃縮集団。
  44. 【請求項44】 配列番号4101〜8177からなる群から選
    択される配列を含むポリペプチドに特異的に結合するこ
    とができる、精製または単離された抗体。
  45. 【請求項45】 配列番号4101〜8177からなる群から選
    択される配列の少なくとも10個の連続したアミノ酸を含
    むポリペプチドに特異的に結合することができる、精製
    または単離された抗体。
  46. 【請求項46】 配列番号4101〜8177のいずれかの少な
    くとも8アミノ酸の連続スパンを含むポリペプチドのエ
    ピトープ含有フラグメントに特異的に結合することがで
    きる、ポリクローナルまたはモノクローナルの抗体組成
    物。
  47. 【請求項47】 配列番号24〜4100および8178〜36681
    の核酸コードおよび配列番号4101〜8177のポリペプチド
    コードからなる群から選択される配列を記憶させたコン
    ピュータ読取り可能媒体。
  48. 【請求項48】 プロセッサとデータ記憶装置を含むコ
    ンピュータシステムであって、該データ記憶装置がそこ
    に配列番号24〜4100および8178〜36681の核酸コードお
    よび配列番号4101〜8177のポリペプチドコードからなる
    群から選択される配列を記憶している、上記コンピュー
    タシステム。
  49. 【請求項49】 シークエンスコンペアラおよび参照配
    列を記憶しているデータ記憶装置をさらに含む、請求項
    48記載のコンピュータシステム。
  50. 【請求項50】 前記シークエンスコンペアラが多型性
    を示すコンピュータプログラムを含む、請求項49記載
    のコンピュータシステム。
  51. 【請求項51】 前記配列中の特徴を識別するアイデン
    ティファイアをさらに含む、請求項48記載のコンピュ
    ータシステム。
  52. 【請求項52】 配列番号24〜4100および8178〜36681
    の核酸コードおよび配列番号4101〜8177のポリペプチド
    コードからなる群から選択される第1配列と参照配列と
    を比較する方法であって、 配列を比較するコンピュータプログラムを使用して、第
    1配列と参照配列を読取り、そして該コンピュータプロ
    グラムにより、第1配列と参照配列間の差異を調べる、
    各ステップを含む上記方法。
  53. 【請求項53】 第1配列と参照配列間の差異を調べる
    ステップが多型性を識別することを含む、請求項52記
    載の方法。
  54. 【請求項54】 配列番号24〜4100および8178〜36681
    の核酸コードおよび配列番号4101〜8177のポリペプチド
    コードからなる群から選択される配列中の特徴を識別す
    る方法であって、 配列の特徴を識別するコンピュータプログラムを用いて
    該配列を読取り、そして該コンピュータプログラムによ
    り該配列の特徴を識別する、各ステップを含む上記方
    法。
  55. 【請求項55】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸を含有するベクター。
  56. 【請求項56】 請求項55記載の核酸を含有する宿主
    細胞。
  57. 【請求項57】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸を生産する方法であって、 該核酸が各宿主細胞内に多コピー数で存在するように該
    宿主細胞に該核酸を導入し、そして該宿主細胞から該核
    酸を単離する、各ステップを含む上記方法。
  58. 【請求項58】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸中のヌクレオチドを順次連結するステップを含
    む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の核酸の作製
    方法。
  59. 【請求項59】 請求項13〜17のいずれか1項に記
    載のポリペプチド中のアミノ酸を順次連結するステップ
    を含む、長さが150アミノ酸またはそれ以下である請求
    項13〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドの作
    製方法。
  60. 【請求項60】 請求項13〜17のいずれか1項に記
    載のポリペプチド中のアミノ酸を順次連結するステップ
    を含む、長さが120アミノ酸またはそれ以下である請求
    項13〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドの作
    製方法。
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