JP2002010789A - Estおよびコードされるヒトタンパク質 - Google Patents

Estおよびコードされるヒトタンパク質

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JP2002010789A JP2000280989A JP2000280989A JP2002010789A JP 2002010789 A JP2002010789 A JP 2002010789A JP 2000280989 A JP2000280989 A JP 2000280989A JP 2000280989 A JP2000280989 A JP 2000280989A JP 2002010789 A JP2002010789 A JP 2002010789A
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ジョベルト セヴェリン
Jean-Yves Giordano
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 分泌タンパク質をコードするmRNAか
ら誘導される5’EST(タンパク質遺伝子の5′末端
を有する発現配列タグ)及びコンセンサスコンティグ化
5’ESTの配列を開示する。5’EST及びコンセン
サスコンティグ化5’ESTは、5’EST及びコンセ
ンサスコンティグ化5’ESTに対応するcDNA及び
ゲノムDNAを得るためのものである。 【効果】 5’EST及びコンセンサスコンティグ化
5’ESTは、診断法、法医学的手法、遺伝子治療、及
び染色体マッピングにも使用することができる。5’E
ST及びコンセンサスコンティグ化5’ESTを使用し
て上流調節配列を得ることもできる。又、5’EST及
びコンセンサスコンティグ化5’ESTを使用して、発
現ベクター及び分泌ベクターを設計することが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(背景技術)ヒト染色体に散在している推
定50,000〜100,000の遺伝子は、ヒト疾患
の理解、診断および治療にかなり有望である。また、ヒ
トゲノム全体に分布する遺伝子座に特異的にハイブリダ
イズすることができるプローブには、高分解能染色体マ
ップの構築および個体の識別における用途がある。
【0002】過去には、ヒト遺伝子を1本だけでも特徴
付けることが骨の折れるプロセスであり、何年もの努力
を要した。最近、クローニングベクター、DNA配列決
定およびコンピュータ技術分野の発達が合流したことに
より、ヒトの遺伝子を単離、配列決定、マッピングおよ
び特徴付けすることができる速度が大いに加速された。
【0003】現在、ヒトゲノムに分布する遺伝子を同定
し、特徴付けるための2つの異なる方法が検討されてい
る。一方の方法では、ゲノムDNAの大きいフラグメン
トを単離し、クローニングし、配列決定する。生物情報
科学(Bioinformatics)ソフトウェアを
使用して、これらのゲノム配列のオープンリーティング
フレームと思われるものを同定する。しかし、この方法
は、ゲノム全体に分散するタンパク質コード配列を見つ
けるために、タンパク質をコードしないヒトDNAの大
きなストレッチの配列決定を伴う。広範な配列決定が必
要であることに加えて、生物情報科学ソフトウェアは得
られたゲノム配列を間違って特徴付けすることがある
(すなわち、非コードDNAをコードDNAとして標識
したり、コードDNAを非コードDNAとして標識した
りする)。
【0004】別の方法はヒトの遺伝子を同定し、特徴付
けするさらに直接的な経路を取る。この方法では、ヒト
タンパク質をコードする単離されたメッセンジャーRN
A(mRNA)から相補的なDNA(cDNA)を合成
する。この方法を使用すると、ゲノムのタンパク質コー
ド部分から誘導されるDNAについてのみ配列決定が実
施される。しばしば、cDNAのほんの短いストレッチ
を配列決定して、発現配列タグ(EST)と呼ばれる配
列を得る。次いで、ESTを使用して、EST配列に隣
接する配列を含む伸長cDNAを単離または精製するこ
とができる。伸長cDNAは、それらを得るために使用
されたESTの配列の全てを含んでいてもよいし、それ
らを得るために使用されたESTの配列の一部だけを含
んでもよい。また、伸長cDNAは、ESTが誘導され
る遺伝子の全コード配列を含んでもよく、または伸長c
DNAは、ESTが誘導される遺伝子のコード配列の一
部を含んでもよい。選択的スプライシングまたは第2プ
ロモーターの活性の結果としてEST配列を含む伸長c
DNAがいくつか存在し得ることが認識されよう。ある
いは、部分的に重複した配列を有するESTを同定し、
重複ESTのコンセンサス配列を含むコンティグを同定
してもよい。
【0005】過去には、これらの短いEST配列はオリ
ゴ−dTプライム化cDNAライブラリーからしばしば
得られた。従って、それらは主にmRNAの3’非翻訳
領域に相当した。一部には、mRNAの3’末端から誘
導されるEST配列が普及したのは、cDNAを得るた
めの典型的な技法はmRNAの5’末端から誘導される
cDNA配列を単離するためにはあまり適していないと
いう事実の結果である(アダムス(Adams)ら、N
ature 377:3〜174、1996;ヒリアー
(Hillier)ら、Genome Res.6:8
07〜828、1996)。
【0006】また、より長いcDNA配列が得られたと
報告されている例では、その報告された配列は、一般
に、コード配列に相当し、cDNAが誘導されるmRN
Aの全長の5’非翻訳領域(5’UTR)を含まない。
実に、5’UTRは、mRNAの安定性または翻訳のい
ずれかに影響を及ぼすことが明らかにされている。従っ
て、遺伝子発現の調節は、例えば、マイトジェン活性型
細胞におけるメタロプロテアーゼ組織インヒビターmR
NAの翻訳(Waterhouseら、J Biol
Chem.265:5585−9.1990)について
示されているように、代替的5’UTRを使用すること
によって達成することができる。さらに、変異、挿入、
またはトランスロケーション事象を介する5’UTRの
改変は、病因に関与し得る。例えば、脆弱X症候群は先
天性精神遅滞の最も一般的な原因であり、複数のCGG
トリヌクレオチドが脆弱XmRNAの5’UTRに挿入
し、リボソームの抑制によってタンパク質合成の阻害が
生じることが原因の1つである(Fengら、Scie
nce 268:731−4,1995)。癌原遺伝子
c−mycの翻訳を阻害することが知られている5’U
TRの領域の異常変異が、多発性骨髄腫患者由来の細胞
においてC−mycタンパク質のアップレギュレーショ
ンをもたらすことが明らかにされた(Willisら、
Curr Top Microbiol Immuno
l 224:269−76,1997)。さらに、オリ
ゴ−dTプライム化cDNAライブラリーを使用しても
完全な5’UTRを単離することはできない。何故な
ら、このプロセスによって得られるこのような不完全な
配列は、特に第1のエキソンが短い場合には、mRNA
の第1のエキソンを含まないかもしれないからである。
さらに、それらは、スプライシング部位の上流に位置す
るいくつかのエキソン(しばしば短いもの)を含まない
ことがある。従って、mRNAの5’末端から誘導され
る配列を得る必要性が存在する。
【0007】ヒトの染色体から誘導される多数の配列に
は実用的な用途があるが、タンパク質産物をコードする
これらの染色体配列の同定および特徴付けに基づいた方
法は、診断および治療的用途に特に関連がある。場合に
よって、そのような治療または診断技術において使用さ
れる配列は、それらが合成される細胞から分泌するタン
パク質をコードする配列であってもよい。分泌タンパク
質をコードする配列、ならびに分泌タンパク質自体が、
治療効果をもつ可能性のある薬剤として特に有用であ
る。このようなタンパク質はしばしば細胞間の連絡に関
係しており、標的細胞において臨床的に適切な応答を生
じる原因であり得る。実際、組織プラスミノーゲンアク
チベーター、G−CSF、GM−CSF、エリスロポイ
エチン、ヒト成長ホルモン、インスリン、インターフェ
ロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−
γおよびインターロイキン−2を含むいくつかの分泌タ
ンパク質が現在臨床的に使用されている。これらのタン
パク質は、急性心筋梗塞、急性虚血性卒中、貧血、糖尿
病、成長ホルモン欠損症、肝炎、腎癌、化学療法による
好中球減少症および多発性硬化症を含む広範な症状を治
療するために使用される。こうした理由のために、分泌
タンパク質またはその一部をコードする伸長cDNA
は、治療薬の特に有用な供給源となる。従って、分泌タ
ンパク質およびそれらをコードする核酸を同定し、特徴
付ける必要性が存在する。
【0008】それら自体が治療的に有用であることに加
えて、分泌タンパク質は、アミノ末端に、その分泌を指
令するシグナルペプチドと呼ばれる短いペプチドを含
む。これらのシグナルペプチドは、分泌タンパク質をコ
ードする遺伝子のコード配列の5’末端に位置するシグ
ナル配列によってコードされる。これらのシグナルペプ
チドは、それらが機能し得る形で連結している任意のタ
ンパク質の細胞外分泌を指令ことができる。また、膜輸
送配列(membrane−translocatin
g sequence)と呼ばれるシグナルペプチドの
一部を使用して、関心のあるペプチドまたはタンパク質
の細胞内への輸送を指令することもできる。これは、特
定の遺伝子産物を、それを産生する細胞以外の細胞に送
達することが望まれる遺伝子治療法において有用である
ことが明らかである。シグナルペプチドをコードするシ
グナル配列には、タンパク質の精製法を単純化するとい
う用途も見いだされている。このような用途では、望ま
しいタンパク質が細胞外に分泌されることによって、不
要なタンパク質(これらのタンパク質から望ましいタン
パク質を選択しなければならない)の数を減少させるこ
とができ、精製はかなり容易になる。従って、シグナル
ペプチドをコードする分泌タンパク質の遺伝子の5’部
分を同定し、特徴付ける必要性が存在する。
【0009】非分泌タンパク質をコードする配列も、治
療剤または診断剤としての用途を見出すことができる。
特に、そのような配列を使用して、タンパク質のコード
配列の変異の結果として疾患などの検出可能な表現型を
個体が発現する可能性があるかどうかを決定してもよ
い。個体が、そのようなコード配列の変異の結果として
疾患または他の所望されない表現型を患う危険性を伴う
場合、遺伝子治療を用いて正常なコード配列を導入する
ことによって、所望されない表現型を補正することもで
きる。あるいは、所望されない表現型がコード配列によ
ってコードされるタンパク質の過剰発現から生じる場
合、アンチセンスまたは三重らせんに基づく方法によっ
て、タンパク質の発現を減少することができる。
【0010】コード配列によってコードされる分泌また
は非分泌ヒトポリペプチドを、ポリペプチドをコードす
る配列の変異から生じる疾患などの状態を有する個体に
直接投与することによって、治療剤として使用してもよ
い。そのような場合、ポリペプチドを個体に投与するこ
とによって、該状態を治療または改善することができ
る。
【0011】さらに、分泌または非分泌ヒトポリペプチ
ドまたはその一部を使用して、生物学的サンプルの起源
の組織型または種を決定するのに有用な抗体を生成して
もよい。例えば、ヒト細胞と非ヒト細胞およびヒト組織
と非ヒト組織を識別するかまたはポリペプチドを発現す
るヒト組織とポリペプチドを発現しないヒト組織を識別
することを目的とする。また、抗体を使用して、分泌ま
たは非分泌ヒトポリペプチドの細胞局在化あるいはヒト
ポリペプチドに融合しているポリペプチドの細胞局在化
を決定してもよい。さらに、抗体をイムノアフィニティ
ークロマトグラフィー技術に使用して、ヒトポリペプチ
ドもしくはヒトポリペプチドに融合している標的ポリペ
プチドを単離、精製、または富化してもよい。
【0012】プロモーターおよび上流の調節領域が同定
され、特徴付けられているヒト遺伝子の数に関して公開
されている情報は極めて少ない。一部には、このような
調節配列を単離する困難さによるかもしれない。転写因
子結合部位などの上流の調節配列は、一般に、非常に短
いので、ヒトゲノムライブラリーからプロモーターを単
離するためのプローブとして利用することができない。
最近、ヒトプロモーターを単離するいくつかの方法が開
発されている。それらの1つは、CpGアイランドライ
ブラリーを作製することである(クロス(Cross)
ら、Nature Genetics 6:236〜2
44,1994)。第2の方法は、SpeI結合タンパ
ク質を使用することによって、SpeI結合部位を有す
るヒトゲノムDNA配列を単離することである。(モー
トロック(Mortlock)ら、Genome Re
s.6:327〜335,1996)。これらの方法は
いずれも特異性または包括性の欠如による限界がある。
従って、遺伝子の5’部分を同定し、系統的に特徴付け
る必要性が存在する。
【0013】本発明の5’ESTを使用して、タンパク
質合成の局在化、発達段階、速度および量、ならびにm
RNAの安定性を制御する5’UTRおよび上流調節領
域を効率的に同定し、単離することができる。(テイル
(Theil)、BioFactors 4:87〜9
3,1993)。これらの調節領域は、いったん同定さ
れ、特徴付けられると、遺伝子治療またはタンパク質の
精製法に使用して、望ましい量および位置のタンパク質
合成を得ることができ、または望ましくない遺伝子産物
の合成を阻害、軽減または防止することができる。本発
明の5’ESTが単離された細胞種においてポリペプチ
ドを発現させるために、調節領域を使用することもでき
る。
【0014】また、タンパク質遺伝子の5’末端を有す
るESTは、染色体マッピングおよび個体の識別のため
のプローブとして有用な配列を含みうる。従って、遺伝
子の5’コード配列の上流配列を同定し、特徴付ける必
要性が存在する。
【0015】(発明の開示)本発明は、対応するmRN
Aの真正5’末端から誘導される配列を含む精製され
た、単離された、または富化された5’ESTに関す
る。「対応するmRNA」という用語は、5’ESTを
産生するcDNA合成の鋳型となったmRNAをいう。
これらの配列をこれ以後「5’EST」と呼ぶ。本発明
はまた、重複配列を含有する複数のEST由来のコンセ
ンサス配列を決定することによって組み立てられるコン
ティグを含む、精製、単離または富化された核酸を含
む。これらのコンティグを本明細書では「コンセンサス
コンティグ化EST」と呼ぶ。
【0016】本明細書において使用される「精製され
た」という用語は絶対的な純度を要求するのではなく、
むしろ、それは相対的な定義であると意図される。cD
NAライブラリーから単離された個々の5’ESTクロ
ーンは、通常、電気泳動的等質性が得られるまで精製さ
れている。これらのクローンから得られる配列はライブ
ラリーまたはヒト全DNAから直接得ることはできなか
った。cDNAクローンはそのままで天然に存在してい
ないが、部分的に精製された天然の物質(メッセンジャ
ーRNA)を操作することによって得られる。mRNA
のcDNAライブラリーへの変換は合成物質(cDN
A)を作製することを含み、純粋な個々のcDNAクロ
ーンはクローン選択によって合成ライブラリーから単離
することができる。従って、メッセンジャーRNAから
cDNAライブラリーを作製し、その後ライブラリーか
ら個々のクローンを単離することによって、天然のメッ
セージの約104〜106倍の純度が得られる。出発材料
または天然材料を少なくとも1桁、好ましくは2または
3桁、さらに好ましくは4または5桁まで精製すること
が特に意図されている。あるいは、精製を、異種ポリヌ
クレオチド(DNA、RNAまたは両方)に対して、
「少なくとも」何%の純度という形で表現してもよい。
好ましい実施形態として、本発明のポリヌクレオチド
は、異種ポリヌクレオチドに対して、少なくとも10
%、20%、30%、40%、50%、60%、70
%、80%、90%、95%、96%、96%、98
%、99%、または100%の純度である。さらに好ま
しい実施形態として、ポリヌクレオチドは、異種ポリヌ
クレオチドに対して、「少なくとも」90%〜100%
の間の下3桁までの任意の数字の範囲の純度(例えば、
少なくとも99.995%純度の5’EST)を有す
る。さらに、ポリヌクレオチドの純度を、キャリア溶液
以外の全ての材料および化合物に対する(上記のよう
な)百分率として表現してもよい。下3桁までのそれぞ
れの数字を、純度の個々の種として請求の範囲に含める
ことができる。
【0017】本明細書において使用される「単離され
た」という用語は、物質がその元の環境(例えば、それ
が天然のものである場合には、自然環境)から取り出さ
れることを必要とする。例えば、生存動物に存在する天
然型ポリヌクレオチドは単離されていないが、天然系に
おいて共存する物質の一部または全てから分離された該
ポリヌクレオチドは単離されている。具体的には、以下
のものは「単離された」の規定から除外する:天然に存
在する染色体(例えば、染色体の広がり(chromo
some spread))、人口染色体ライブラリ
ー、ゲノムライブラリー、およびin vitro核酸
調製物またはトランスフェクト/形質転換された宿主細
胞調製物のいずれかとして存在するcDNAライブラリ
ー(ここで、宿主細胞はin vitro異種調製物で
あるかまたは単一のコロニーの異種集団としてプレーテ
ィング(plated)されているかのいずれか一方で
ある)。具体的には、5’ESTがベクター分子内の核
酸インサートの数の5%未満を占める上記ライブラリー
も除外される。さらに具体的には、全細胞ゲノムDNA
または全細胞RNA調製物(機械的にせん断されている
かまたは酵素的に消化されている前記全細胞調製物を含
む)は除外される。さらに具体的には、in vitr
o調製物かまたは電気泳動で分離された異種混合物(同
一物のブロット転移物を含む)のいずれかとしての上記
全細胞調製物が除外される。ここで、本発明のポリヌク
レオチドは、電気泳動媒体において異種ポリヌクレオチ
ドからさらに分離する処理(例えば、アガロースゲルま
たはナイロンブロットにおける異種バンド集団から単一
のバンドを切り出すことによってさらに分離すること)
を行っていない。
【0018】本明細書において使用される「組換え」と
いう用語は、5’ESTが、自然環境では隣接していな
い「バックボーン」核酸に隣接していることを意味す
る。また、「富化される」ためには、5’ESTが、核
酸バックボーン分子の集団中の核酸インサートの数の5
%以上に相当する。本発明によるバックボーン分子に
は、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、組込み核
酸および関心のある核酸インサートを維持または操作す
るために使用される他のベクターまたは核酸などの核酸
が含まれる。好ましくは、富化された5’ESTは、組
換えバックボーン分子の集団中の核酸インサートの数の
15%以上に相当する。さらに好ましくは、富化された
5’ESTは組換えバックボーン分子の集団中の核酸イ
ンサートの数の50%以上に相当する。非常に好ましい
実施形態では、富化された5’ESTは組換えバックボ
ーン分子の集団中の核酸インサートの数の90%以上
(90%〜100%の任意の整数を含み、下3桁まで、
例えば、99.5%)に相当する。
【0019】「ストリンジェントな」、「中程度の」お
よび「低度の」ハイブリダイゼーション条件は以下に規
定される通りである。
【0020】「ポリペプチド」という用語は、ポリマー
の長さにかかわらず、アミノ酸のポリマーを指す。した
がって、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質
はポリペプチドの規定内に含まれる。この用語はまた、
本発明のポリペプチドの化学的または翻訳後改変を指定
も除外もしないが、これらのポリペプチドの化学または
翻訳後改変は、特定の実施形態として含めても除外して
もよい。従って、例えば、グリコシル基、アセチル基、
リン酸基、脂質基などの共有結合性付着を含むポリペプ
チドの改変は、特に用語ポリペプチドの含まれる。さら
に、これらの改変を伴うポリペプチドを、本発明に含め
るかまたは除外すべき個々の種として明確に記載しても
よい。上記の例に列挙されているような天然または他の
化学的改変は、ペプチドバックボーン、アミノ酸素側鎖
およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチ
ドのいずれの場所においても生じ得る。改変の同じタイ
プが、所定のポリペプチドの幾つかの部位で同じまたは
様々な程度で存在しえることは十分に理解されるであろ
う。また、所定のポリペプチドは、多くのタイプの改変
を含有してもよい。ポリペプチドは、例えば、ユビキチ
ン化の結果として分岐していてもよく、それらは、分岐
の有無にかかわらず環状であってもよい。改変として
は、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド
化、フラビンの共有結合性付着、ヘム部分の共有結合性
付着、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結
合性付着、脂質または脂質誘導体の共有結合性付着、ホ
スファチジルイノシトールの共有結合性付着、架橋、環
化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形
成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホル
ミル化、γカルボキシル化、グルコシル化、GPIアン
カー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル
化、酸化、ペギル化(pegylation)、タンパ
ク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレ
ノイル化(selenoylation)、硫酸化、ア
ルギニル化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNA
介在性付加、およびユビキチン化などが挙げられる。
(例えば、PROTEINS − STRUCTURE
AND MOLECULAR PROPERTIE
S、第2版、T.E.Creighton, W.
H.Freeman and Company, Ne
w York(1993);POSTTRANSLAT
IONAL COVALENT MODIFICATI
ONOF PROTEINS, B.C.Johnso
n編、AcademicPress, New Yor
k、1〜12頁(1983);Seifterら、Me
th Enzymol 182:626−646(19
90);Rattanら、Ann NY Acad S
ci663:48−62(1992)を参照のこ
と。)。また、1つ以上のアミノ酸のアナログ(例え
ば、非天然のアミノ酸、関連しない生物学的系において
天然にのみ存在するアミノ酸、哺乳動物系由来の改変さ
れたアミノ酸など)を含有するポリペプチド、置換され
た結合を有するポリペプチド、ならびに天然に存在する
場合および天然に存在しない場合における当該分野にお
いて公知の他の改変も規定に含まれる。
【0021】本明細書において交換可能に使用される用
語として、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、および
「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNA(二本鎖
または一本鎖のいずれか一方の(コードもしくはアンチ
センス))、あるいは一本鎖または二本鎖の形のいずれ
か一方の1を超えるヌクレオチドのRNA/DNAハイ
ブリッド配列(但し、上記の種のそれぞれについて特に
記載し得る)を含む。「ヌクレオチド」という用語は、
一本鎖または二本鎖の形で任意の長さのRNA、DN
A、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含む分子
を説明するための形容詞として本明細書において使用さ
れる。「ヌクレオチド」という用語はまた、個々のヌク
レオチド、またはヌクレオチドの変異体を指す名詞とし
て本明細書において使用され、プリンもしくはピリミジ
ン、リボースもしくはデオキシリボースの糖部分、およ
びリン酸基、またはオリゴヌクレオチドまたはポリヌク
レオチド内のヌクレオチドの場合のホスホジエステル結
合を含む分子またはより大きな核酸分子での個々の単位
を意味する。「ヌクレオチド」という用語はまた、少な
くとも1つの改変(a)代替的結合基、(b)プリンの
アナログ形態、(c)ピリミジンのアナログ形態、また
は(d)アナログ糖を含む「改変されたヌクレオチド」
を含むために本明細書において使用される。アナログ結
合基、プリン、ピリミジン、および糖の例については、
例えば、PCT公開WO95/04064を参照のこ
と。本発明の好ましい改変としては、5-フルオロウラシ
ル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウ
ラシル、ヒポキサンチン、キサンチン(xantin
e)、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシ
ルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル
-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウ
ラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキュー
オシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メ
チルグアニン、1-メチルイソシン、2,2-ジメチルグアニ
ン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシ
トシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグ
アニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシア
ミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオ
シン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メト
キシウラシル、2-メチルチオ- N6-イソペンテニルアデ
ニン、ウラシル-5-オキシ酢酸ブトキソシン(uracil-5-
oxyacetic acid (v) ybutoxosine)、プソイドウラシ
ル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオ
ウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチル
ウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウ
ラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3
-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、および
2,6-ジアミノプリンが挙げられるが、これらに限定され
ない。メチレンメチルイミの結合型オリゴヌクレオチド
および混合型バックボーン化合物は、米国特許第5,3
78,825号、同第5,386,023号、同第5,
489,677号、同第5,602,240号、および
同第5,610,289号に記載されているように調製
することができる。ホルムアセタールおよびチオホルム
アセタール結合型オリゴヌクレオチドは、米国特許第
5,264,562号および同第5,264,564号
に記載されているように調製することができる。エチレ
ンオキシド結合型オリゴヌクレオチドは、米国特許第
5,223,618号に記載されているように調製する
ことができる。ホスフィン酸オリゴヌクレオチドは、米
国特許第5,508,270号に記載されているように
調製することができる。アルキルホスホン酸オリゴヌク
レオチドは、米国特許第4,469,863号に記載さ
れているように調製することができる。3'-デオキシ-3'
-メチレンホスホン酸オリゴヌクレオチドは、米国特許
第5,610,289号または同第5,625,050
号に記載されているように調製することができる。ホス
ホロアミダイトオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,
256,775号または米国特許第5,366,878
号に記載されているように調製することができる。アル
キルホスホノチオエートオリゴヌクレオチドは、公開さ
れたPCT出願WO94/17093および同第WO9
4/02499に記載されているように調製することが
できる。3'-デオキシ-3'-アミノホスホルアミデートオ
リゴヌクレオチドは、米国特許第5,476,925号
に記載されているように調製することができる。ホスホ
トリエステルオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,0
23,243号に記載されているように調製することが
できる。ボラノリン酸オリゴヌクレオチドは、米国特許
第5,130,302および同第5,177,198号
に記載されているように調製することができる。
【0022】本発明のポリヌクレオチド配列は、合成、
組換え、ex vivo生成、またはそれらの組み合わ
せを含む任意の既知の方法によって、および当該分野に
おいて公知の任意の精製方法を利用して、調製すること
ができる。
【0023】特定の実施形態では、本発明のポリヌクレ
オチドは少なくとも15、少なくとも30、少なくとも
50、少なくとも100、少なくとも125、少なくと
も500、または少なくとも1000個連続するヌクレ
オチドであるが、300kb、200kb、100k
b、50kb、10kb、7.5kb、5kb、2.5
kb、2kb、1.5kb、または1kb以下の長さで
ある。さらなる実施形態では、本発明のポリヌクレオチ
ドは、本明細書において開示されているコード配列の一
部を含むが、任意のイントロンの全てまたは一部を含む
わけではない。別の実施形態では、コード配列を含むポ
リヌクレオチドは、ゲノムフランキング遺伝子(fla
nking gene)(すなわち、ゲノムにおける目
的の遺伝子に対して5’または3’)のコード配列を含
有しない。他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチ
ドは、1000、500、250、100、75、5
0、25、20、15、10、5、4、3、2、または
1を超えるゲノムフランキング遺伝子のコード配列を含
有しない。「塩基対」ならびに「ワトソン&クリックの
塩基対」という用語は、本明細書において交換可能に使
用され、チミンまたはウラシル残基が2本の水素結合で
アデニンに結合し、シトシンおよびグアニン残基が3本
の水素結合で結合する二重らせんのDNAに見出される
様式(Stryer,L.,Biochemistr
y、第4版、1995を参照のこと)で、配列の同一性
により相互に水素結合することができるヌクレオチドを
指す。
【0024】「相補的」または「その相補」という用語
は、相補領域全体にわたって、もう1つの表記されたポ
リヌクレオチドとワトソン&クリックの塩基対を形成し
得るポリヌクレオチドの配列を指すために本明細書にお
いて使用される。本発明の目的のために、第1のポリヌ
クレオチドのそれぞれの塩基がその相補的塩基と対を形
成する場合に、第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌ
クレオチドに相補的であると考える。一般に、相補的塩
基は、AおよびT(もしくはAおよびU)、またはCお
よびGである。「相補」は、本明細書では、「相補的ポ
リヌクレオチド」、「相補的核酸」および「相補的ヌク
レオチド配列」の同義語として使用する。これらの用語
は、ポリヌクレオチドの配列にのみ基づくポリヌクレオ
チドの対に適用するものであって、2つのポリヌクレオ
チドが実際に結合する特定の組の条件に適用するもので
はない。好ましくは、「相補的配列」は、対向する鎖に
Tが存在するそれぞれの位置にAが存在し、対向する鎖
にAが存在するそれぞれの位置にTが存在し、対向する
鎖にCが存在するそれぞれの位置にGが存在し、対向す
る鎖にGが存在するそれぞれの位置にCが存在する配列
である。
【0025】「脊椎動物の核酸」および「脊椎動物のポ
リペプチド」という用語は、トリおよびより通常の哺乳
動物、好ましくはヒトなどの霊長類、ブタ、ヤギ、ヒツ
ジ、ロバ、およびウマ、ウサギまたはげっ歯類などの家
畜動物、より好ましくはラットまたはマウスを含む脊椎
動物種に由来するそれぞれ任意の核酸またはポリペプチ
ドを指すために本明細書において使用される。本明細書
において使用される「脊椎動物」という用語は、任意の
脊椎動物、好ましくは哺乳動物を指すために使用され
る。「哺乳動物」という用語は、特に「非ヒト」という
用語を前に付けない限りはヒト被験者を含む。
【0026】従って、1つ以上の5’ESTがバックボ
ーン分子中の核酸インサートの数の5%以上を占めてい
るcDNAライブラリー中の5’ESTは、本明細書中
で定義される「富化された組換え5’EST」である。
同様に、本発明の1つ以上の5’ESTがプラスミドバ
ックボーン中のインサートの数の5%以上となるよう
に、本発明の1つ以上の5’ESTが挿入されたプラス
ミド集団中の5’ESTは、本明細書で定義する「富化
された組換え5’EST」である。しかし、5’EST
がバックボーン分子集団中の核酸インサートの数の5%
未満を構成するcDNAライブラリー、例えば、5’E
STインサートを有するバックボーン分子が極めてまれ
であるライブラリーの5’ESTは「富化された組換え
5’EST」ではない。
【0027】「前記mRNAのポリAテイルにハイブリ
ダイズし得る」という用語は、真核生物のポリ(A)+
mRNAの3’末端にハイブリダイズして、第1のcD
NA鎖の合成をプライムするチミジン残基のストレッチ
を含有する全てのプライマー、いわゆるオリゴ(dT)
プライマーを指し、それらを含む。前記オリゴ(dT)
プライマーを生成し、それらをmRNAにハイブリダイ
ズさせ、続いて前記ハイブリダイズしたmRNA野逆転
写をプライム化して、第1のcDNA鎖を生成するため
の技術は、当業者に公知であり、その開示内容全体が参
照により本明細書に組み入れられるCurrent P
rotocols in Molecular Bio
logy,John Wiley and Sons,
Inc.1997およびSambrookら、Mole
cular Cloning:A Laborator
y Manual、第2版、Cold SpringH
arbor Laboratory Press, 1
989に記載されている。好ましくは、前記オリゴ(d
T)プライマーは、全てのmRNA3’末端が少なくと
も1つのオリゴ(dT)プライマーにハイブリダイズす
ることを可能にするために、大過剰で存在する。プライ
ム化および逆転写ステップは、好ましくは、使用する逆
転写酵素の種類に依存して37℃〜55℃で実施する。
【0028】mRNAの逆転写をプライム化するための
好適なオリゴ(dT)プライマーは、mRNAのポリA
テイルに特異的にハイブリダイズするのに十分な長さの
チミジン残基のストレッチを含有するオリゴヌクレオチ
ドであって、好ましくは12〜18チミジン残基の長さ
である。より好ましくは、そのようなオリゴ(dT)プ
ライマーは、cDNAのその後の操作を容易にするため
に後で使用され得る、全ての第1のcDNA鎖に所定の
配列を付加することを可能にするために、ポリ(dT)
ストレッチの上流にさらなる配列を含む。好ましくは、
この付加された配列は8〜60残基の長さである。例え
ば、cDNAの5’に制限部位を付加すると得られたc
DNAのサブクローニングが容易になる。あるいは、そ
のような付加された5’末端を使用して、目的のcDN
Aクローンを特異的に増幅するためのPCRプライマー
を設計することもできる。
【0029】一部の実施形態では、本発明は、分泌タン
パク質をコードする遺伝子から誘導される5’ESTに
関する。本明細書において使用される「分泌」タンパク
質は、好適な宿主細胞内で発現されるとき、アミノ酸配
列中のシグナルペプチドの結果としての輸送を含む、膜
を貫通してまたは通過して輸送されるタンパク質であ
る。「分泌」タンパク質は、それらが発現される細胞か
らその全体(例えば、可溶性タンパク質)または一部
(例えば、受容体)が分泌されるタンパク質を含むが、
それに限定されない。「分泌」タンパク質はまた、小胞
体の膜を貫通して輸送されるタンパク質も含むが、それ
に限定されない。
【0030】このような5’ESTは、5’ESTが誘
導される遺伝子によりコードされるタンパク質の細胞外
分泌を指令するシグナルペプチドをコードする、シグナ
ル配列と呼ばれる核酸配列を含む。一般に、シグナルペ
プチドは分泌タンパク質のアミノ末端に位置する。(配
列表に記述されている)これらのシグナルペプチドを含
むポリペプチド、およびそれらをコードするポリヌクレ
オチドは、本発明の好適な実施形態である。
【0031】分泌タンパク質は、「粗面」小胞体に結合
したリボソームによって翻訳される。一般に、分泌タン
パク質は、共翻訳的に小胞体膜に移送される。分泌タン
パク質の翻訳中のリボソームと小胞体の結合はシグナル
ペプチドによって仲介される。シグナルペプチドは、一
般に、小胞体内に共翻訳的にエントリーすることによっ
て切断される。小胞体への送達後、分泌タンパク質はゴ
ルジ装置を通過して前進し得る。ゴルジ装置では、タン
パク質は翻訳後修飾を受けることができ、その後細胞膜
を通過してそれらを輸送する分泌小胞に入る。
【0032】本発明の5’ESTにはいくつかの重要な
用途がある。例えば、配列表の5’EST、およびそれ
らのフラグメントを使用して、ヒト組織または細胞と非
ヒト組織または細胞とを識別することができ、本発明の
5’ESTを含むポリペプチドを発現するヒト組織また
は細胞と該ポリペプチドを発現しないヒト組織または細
胞とを識別することができる。日常的な実験を介するか
または本明細書の表を使用することにより5’EST配
列の組織発現パターンを知ることによって、未知の組織
または細胞サンプルの同一性を決定する方法において、
本発明のポリヌクレオチドを使用することができる。例
えば、以下の表に示されるように特定の組織または細胞
型において5’ESTが発現され、未知の組織または細
胞サンプルが5’ESTを発現しない場合、未知の組織
または細胞は、非ヒト型であるかまたは5’ESTを発
現する組織または細胞型と同じヒト組織または細胞型で
はないことが推測できる。これとは対照に、以下の表に
示されるように5’ESTが特定の組織または細胞型で
発現されず、未知の組織細胞サンプルが5’ESTを発
現する場合、未知の組織または細胞は、非ヒト型である
かまたは5’ESTを発現しない組織または細胞型と同
じヒト組織または細胞型ではないことが推測できる。同
一性をヒトまたは非ヒトかあるいは組織型に制限するこ
とが所望されるため、同種組織もしくは細胞サンプルま
たは異種組織もしくは細胞サンプルのいずれかに対して
上記の手法を使用することができる。同定プロセスを制
限または確認するための上記方法と併用して、さらなる
アッセイを使用してもよい。組織または細胞の同一性を
決定するためのこれらの方法は、当該分野に周知の方法
を使用する組織または細胞サンプルにおける5’EST
の有無を検出する方法(例えば、ハイブリダイゼーショ
ンまたはPCR方法)に基づく。
【0033】他の有用な用途では、シグナルペプチドを
コードする5’EST配列のフラグメントおよびそれら
をコードする縮重したポリヌクレオチドを、同じ遺伝子
由来のいずれかのポリペプチドをコードする配列かまた
は異種ポリペプチドをコードする配列に連結して分泌を
容易にすることができる。5’EST配列、およびその
フラグメントを使用して、5’ESTが誘導されるmR
NAのコード配列の5’末端から誘導される真正の翻訳
開始部位を含む、対応する遺伝子産物の全長のタンパク
質コード配列を含むcDNAクローンを取得し、それを
発現させることができる。これらのcDNAをこれ以後
「全長cDNA」と呼ぶ。これらのcDNAはまた、翻
訳開始部位の上流のmRNA配列から誘導されるDNA
を含んでもよい。全長cDNA配列は、5’ESTに対
応するタンパク質を発現させるために使用することがで
きる。上記のように、分泌タンパク質または非分泌タン
パク質は治療上重要である。従って、cDNAから発現
されるタンパク質は種々のヒト症状を治療または予防す
る際に有用となり得る。5’ESTはまた、対応するゲ
ノムDNAを得るために使用することもできる。「対応
するゲノムDNA」という用語は、5’ESTが誘導さ
れるmRNAをコードするゲノムDNAをいう。
【0034】本発明のポリヌクレオチドの別の用途は、
ゲノム配列由来のプロモーター領域およびオープンリー
ディングフレームのマップ構築およびそれらのクローン
化である。例えば、5’ESTを、米国ヒトゲノム計画
または他の公的および私的のゲノム配列決定計画などの
ゲノム配列決定計画から得られる配列情報と組み合わせ
て使用し、プロモーターおよび発現されるオープンリー
ディングフレームを含むゲノムの領域のマップを構築
し、それらをクローン化することができる。本発明のポ
リヌクレオチドは、ゲノム配列由来のコード領域(発現
されるオープンリーディングフレームを含有する領域)
のマップ構築および同定に特に有用である。何故なら、
ヒトゲノムの大多数は発現される遺伝子をコードせず、
そして真正のオープンリーディングフレーム(発現され
る遺伝子をコードするオープンリーディングフレーム)
を同定するのは困難であるからである。本発明の5’E
ST配列は、プロモーターまたはORF配列全体を同定
するための様々なアルゴリズムと共に使用することがで
きる。
【0035】あるいはまた、5’ESTを使用して、タ
ンパク質の一部をコードする伸長cDNAを取得し、発
現させることができる。分泌タンパク質の場合、この部
分は、分泌タンパク質のシグナルペプチドまたはシグナ
ルペプチドが切断されたときに生成する成熟タンパク質
を含み得る。
【0036】本発明は、単離、精製、または富化された
「EST関連核酸」を含む。「単離された」、「精製さ
れた」、または「富化された」という用語は、上記で示
した意味を有する。本明細書において使用される「ES
T関連核酸」という用語は、配列番号24〜3883お
よび7744〜19335、配列番号24〜3883お
よび7744〜19335の核酸を使用して取得され得
る伸長cDNA、配列番号24〜3883および774
4〜19335の核酸を使用して取得され得る全長cD
NA、または配列番号24〜3883および7744〜
19335の核酸を使用して取得され得るゲノムDNA
を意味する。本発明はまた、EST関連核酸に相補的な
配列、またはEST関連核酸の対立遺伝子変異体を含
む。
【0037】本発明はまた、単離、精製、または富化さ
れた「EST関連核酸のフラグメント」を含む。「単離
された」、「精製された」、または「富化された」とい
う用語は、上記で示した意味を有する。本明細書におい
て使用される「EST関連核酸のフラグメント」という
用語は、EST関連核酸の少なくとも8、10、12、
15、18、20、23、25、28、30、35、4
0、50、75、100、200、300、500、ま
たは1000個の連続するヌクレオチドを、これらの長
さのフラグメントが、言及されている特定のEST関連
核酸の長さと一致する程度で含むフラグメントを意味す
る。本発明はまた、EST関連核酸のフラグメントに相
補的な配列を含む。特に、EST関連核酸のフラグメン
トは、表4aおよび4bに記載のポリヌクレオチドなら
びに以下に規定されている更新された表4aおよび4b
に記載のポリヌクレオチドを指す。
【0038】本発明はまた、単離、精製、または富化さ
れた「EST関連核酸の位置的セグメント」を含む。
「単離された」、「精製された」、または「富化され
た」という用語は、上記で示した意味を有する。本明細
書において使用される「EST関連核酸の位置的セグメ
ント」という用語は、EST関連核酸のヌクレオチド1
〜25、26〜50、51〜75、76〜100、10
1〜125、126〜150、151〜175、176
〜200、201〜225、226〜250、251〜
300、301〜325、326〜350、351〜3
75、376〜400、401〜425、426〜45
0、451〜475、476〜500、501〜52
5、526〜550、551〜575、576〜600
および601〜末端ヌクレオチドを、そのようなヌクレ
オチドの位置が、言及されている特定のEST関連核酸
の長さと一致する程度で含むセグメントを含み、ここ
で、「1」位は、以下の配列表または表において規定さ
れている最も5’の位置と規定される。「EST関連核
酸の位置的セグメント」という用語はまた、EST関連
核酸のヌクレオチド1〜50、51〜100、101〜
150、151〜200、201〜250、251〜3
00、301〜350、351〜400、401〜45
0、450〜500、501〜550、551〜600
または601〜末端ヌクレオチドを、そのようなヌクレ
オチドの位置が、言及されている特定のEST関連核酸
の長さと一致する程度で含むセグメントを含む。「ES
T関連核酸の位置的セグメント」という用語はまた、E
ST関連核酸のヌクレオチド1〜100、101〜20
0、201〜300、301〜400、501〜50
0、500〜600および601〜末端ヌクレオチド
を、そのようなヌクレオチドの位置が、言及されている
特定のEST関連核酸の長さと一致する程度で含むセグ
メントを含む。さらに、「EST関連核酸の位置的セグ
メント」という用語は、EST関連核酸のヌクレオチド
1〜200、201〜400、400〜600および6
01〜末端ヌクレオチドを、そのようなヌクレオチドの
位置が、言及されている特定のEST関連核酸の長さと
一致する程度で含むセグメントを含む。本発明はまた、
EST関連核酸の位置的セグメントに相補的な配列を含
む。
【0039】本発明はまた、単離、精製、または富化さ
れた「EST関連核酸の位置的セグメントのフラグメン
ト」を含む。「単離された」、「精製された」、または
「富化された」という用語は、上記で示した意味を有す
る。本明細書において使用される「EST関連核酸の位
置的セグメントのフラグメント」という用語は、EST
関連核酸の位置的セグメントの少なくとも8、10、1
5、18、20、23、25、28、30、35、4
0、50、75、100、150、または200個の連
続するヌクレオチドを含むフラグメントを指す。本発明
はまた、EST関連核酸の位置的セグメントのフラグメ
ントに相補的な配列を含む。
【0040】配列番号24〜3883および7744〜
19335の核酸に対する上記の「EST関連核酸の位
置的セグメント」および「EST関連核酸の位置的セグ
メントのフラグメント」に加えて、さらに好適な核酸は
少なくとも8ヌクレオチドを含み、ここで、「少なくと
も8」は、8〜以下の配列表または表の最も3’のヌク
レオチド位置を表す整数の間の任意の整数と規定され
る。さらに、上記に規定されるような少なくとも8ヌク
レオチドの長さの核酸フラグメントであって、5’およ
び3’位についてさらに記述されている上記フラグメン
トが含まれる。5’および3’位については、以下の配
列表において位置番号によって表されている。従って、
少なくとも8個の連続するヌクレオチドの長さのフラグ
メントが占有しえる5’および3’位の全ての組み合わ
せが、ここの種として本発明に含まれる。5’および
3’位によって明記されるポリヌクレオチドフラグメン
トは直ちに予想することができるため、本明細書の説明
が必要以上に長くならないように、該ポリヌクレオチド
フラグメントを1つ1つ列挙することはしない。本発明
のポリヌクレオチドフラグメントの上記の種は、式「a
〜b」によって代替的に記述されえる。ここで、ポリヌ
クレオチドフラグメントの「a」は5”ヌクレオチド位
に等しく、「b」は3” ヌクレオチド位に等しい。こ
こで、さらに「a」は1〜本発明のポリヌクレオチド配
列のヌクレオチド番号から8を差し引いた数との間の整
数に等しく、「b」は9〜本発明のポリヌクレオチド配
列のヌクレオチド番号との間の整数に等しく、そしてこ
こで、「a」は「b」よりも少なくとも8だけ小さい整
数である。
【0041】本発明はまた、上記のように5’および
3’位またはヌクレオチドのサイズによって明記される
ポリヌクレオチドフラグメントの除外を提供する。上記
の5’および3’位またはヌクレオチドのサイズによっ
て明記される任意の数のフラグメントを除外することが
できる。
【0042】本発明はまた、単離または精製された「E
ST関連ポリペプチド」を含む。「単離された」または
「精製された」という用語は、上記で示した意味を有す
る。本明細書において使用される「EST関連ポリペプ
チド」という用語は、EST関連核酸によってコードさ
れるポリペプチドを意味し、配列番号3883〜774
3のポリペプチドを含む。
【0043】本発明はまた、単離または精製された「E
ST関連ポリペプチドのフラグメント」を含む。「単離
された」または「精製された」という用語は、上記で示
した意味を有する。本明細書において使用される「ES
T関連ポリペプチドのフラグメント」という用語は、E
ST関連ポリペプチドの少なくとも5、10、15、2
0、25、30、35、40、50、75、100、ま
たは150個の連続するアミノ酸を、これらの長さのフ
ラグメントが、言及されている特定のEST関連ポリペ
プチドの長さと一致する程度で含むフラグメントを意味
する。特に、EST関連ポリペプチドのフラグメント
は、表4aおよび4bに記載のポリヌクレオチド、なら
びに更新された表4aおよび4bに記載のポリヌクレオ
チドによってコードされるポリペプチドを指す。
【0044】本発明はまた、単離または精製された「E
ST関連ポリペプチドの位置的セグメント」を含む。本
明細書において使用される「EST関連ポリペプチドの
位置的セグメント」という用語は、EST関連ポリペプ
チドのアミノ酸残基1〜25、26〜50、51〜7
5、76〜100、101〜125、126〜150、
151〜175、176〜200、または201C〜末
端アミノ酸を、そのようなアミノ酸残基が、言及されて
いる特定のEST関連ポリペプチドの長さと一致する程
度で含むポリペプチドを含む。「EST関連ポリペプチ
ドの位置的セグメント」という用語はまた、EST関連
ポリペプチドのアミノ酸残基1〜50、51〜100、
101〜150、151〜200または201C〜末端
アミノ酸を、そのようなアミノ酸残基が、言及されてい
る特定のEST関連ポリペプチドの長さと一致する程度
で含むセグメントを含む。「EST関連ポリペプチドの
位置的セグメント」という用語はまた、EST関連ポリ
ペプチドのアミノ酸1〜100または101〜200
を、そのようなアミノ酸残基が、言及されている特定の
EST関連ポリペプチドの長さと一致する程度で含むセ
グメントを含む。さらに、「EST関連ポリペプチドの
位置的セグメント」という用語は、EST関連ポリペプ
チドのアミノ酸残基1〜200または201C〜末端ア
ミノ酸を、アミノ酸残基が、言及されている特定のES
T関連ポリペプチドの長さと一致する程度で含むセグメ
ントを含む。
【0045】本発明はまた、単離または精製された「E
ST関連ポリペプチドの位置的セグメントのフラグメン
ト」を含む。「単離された」または「精製された」とい
う用語は、上記で示した意味を有する。本明細書におい
て使用される「EST関連ポリペプチドの位置的セグメ
ントのフラグメント」という用語は、EST関連ポリペ
プチドの位置的セグメントの少なくとも5、10、1
5、20、25、30、35、40、50、75、10
0、または150個の連続するアミノ酸を、これらの長
さのフラグメントが、言及されている特定のEST関連
ポリペプチドの長さと一致する程度で含むフラグメント
を意味する。
【0046】本発明のポリペプチドに対する上記の「E
ST関連ポリペプチドの位置的セグメント」および「E
ST関連ポリペプチドの位置的セグメントのフラグメン
ト」に加えて、さらに好適なポリペプチドは少なくとも
8アミノ酸を含み、ここで、「少なくとも8」は、8〜
以下の配列表のポリペプチド配列を含む本発明のポリペ
プチドのC末端アミノ酸を表す整数の間の任意の整数と
規定される。さらに、上記に規定されるような少なくと
も8アミノ酸の長さのポリペプチドフラグメントであっ
て、N末端およびC末端の位置についてさらに明記され
ている上記フラグメントが含まれる。好適なポリペプチ
ドフラグメント種はそれらのN末端およびC末端の位置
によって明記されており、以下の配列表において記述さ
れているシグナルペプチドを含む。しかし、上記のよう
に、少なくとも5アミノ酸の長さの全てのポリペプチド
フラグメントが、個々の種として本発明に含まれ、N末
端およびC末端の位置によって、特に具体的に明記され
得る。
【0047】本発明はまた、上記のようにN末端および
C末端の位置またはアミノ酸残基のサイズによって明記
される任意のフラグメントの除外を提供する。N末端お
よびC末端の位置によって明記されるフラグメント種ま
たは上記のアミノ酸残基のサイズによって明記されるフ
ラグメントの亜族の任意の数を本発明から除外すること
ができる。
【0048】本発明のフラグメントは、上記を用いて直
ちに予想することができるため、本明細書の説明が必要
以上に長くならないように、該フラグメントを1つ1つ
列挙することはしない。上記のフラグメントは活性型で
ある必要はない。何故なら、それらは、例えば、イムノ
アッセイ、エピトープマップ構築、エピトープタグ付
加、抗体を惹起し、異種において免疫応答を刺激するた
めのワクチンとして、および分子量マーカーとして有用
であるからである。上記フラグメントを使用して、ポリ
ペプチドの特定の部分に対する抗体を生成してもよい。
次いで、これらの抗体を、当該分野において周知のイム
ノアッセイに使用して、ヒト細胞と非ヒト細胞およびヒ
ト組織と非ヒト組織を識別するために、または生物学的
サンプル内の細胞または組織が本発明のポリペプチドを
発現するのと同じ型であるか否かを決定するために、使
用することができる。本発明のさらなる好適なポリペプ
チドセグメントは、配列表に記載のシグナルペプチドを
含む。これらのシグナルペプチドを使用して、同じ遺伝
子のポリペプチドかまたは異種ポリペプチドの分泌を容
易にすることができる。
【0049】本発明はまた、EST関連ポリペプチド、
EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポ
リペプチドの位置的セグメント、またはEST関連ポリ
ペプチドの位置的セグメントのフラグメントを特異的に
認識する抗体を含む。配列番号5199〜5919のよ
うな分泌タンパク質の場合では、シグナルペプチドが切
断されるときに精製される成熟タンパク質を特異的に認
識する抗体を、以下に記載のように取得することもでき
る。同様に、配列番号3883〜4243または519
9〜5919のシグナルペプチドを特異的に認識する抗
体を得ることもできる。
【0050】一部の実施形態では、分泌タンパク質の場
合、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、
EST関連核酸の位置的セグメント、または核酸の位置
的セグメントのフラグメントは、シグナル配列を含む。
他の実施形態では、EST関連核酸、またはEST関連
核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメン
ト、または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、
タンパク質に対する全コード配列あるいは、分泌タンパ
ク質の場合、成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプ
チドの切断時に生成されるタンパク質)の全コード配列
を含み得る。さらに、EST関連核酸、EST関連核酸
のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、
または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、遺伝
子発現の量、局在化、または発達段階を制御する翻訳開
始部位の上流または停止コドンの下流の調節領域を含ん
でもよい。
【0051】上記のように、両分泌および非分泌ヒトタ
ンパク質は、治療上重要であり得る。従って、EST関
連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核
酸の位置的セグメント、または核酸の位置的セグメント
のフラグメントから発現されるタンパク質は、種々の様
々なヒトの症状の治療または制御する際に有用となり得
る。
【0052】EST関連核酸、EST関連核酸のフラグ
メント、EST関連核酸の位置的セグメント、または核
酸の位置的セグメントのフラグメントは、個体を識別す
るための法医学的手法または遺伝子の異常な発現による
遺伝病を有する個体を識別するための診断的手法にも使
用することができる。また、EST関連核酸、EST関
連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメ
ント、または核酸の位置的セグメントのフラグメント
は、高分解能ヒト染色体マップを構築するために有用で
ある。
【0053】本発明はまた、関心のあるタンパク質の分
泌を指令することができる分泌ベクターに関する。この
ようなベクターは、身体内の別の部位に送達しようとす
る遺伝子産物をある細胞内で産生することが望まれる遺
伝子治療法に使用することができる。分泌ベクターは目
的のタンパク質の精製を容易にすることもできる。目的
のタンパク質が培養培地に分泌されて精製が容易になる
ように、分泌ベクターを使用して、異種タンパク質など
の目的のタンパク質を発現させてもよい。
【0054】本発明はまた、挿入された遺伝子を望まし
い場所で、望ましい時期に、または望ましい量で発現さ
せることを指令することができる発現ベクターに関す
る。このようなベクターは、EST関連核酸、EST関
連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメ
ント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントの
上流の配列、例えばプロモーターまたは上流調節配列を
含んでもよい。好適なキメラポリペプチド、および該ペ
プチドをコードするベクターは、以下の配列表に記載の
シグナルペプチドを含む。
【0055】本発明はまた、第1のポリペプチドおよび
第2のポリペプチドを含む、キメラポリペプチドを作製
するための融合ベクターを含む。そのようなベクター
は、キメラポリペプチドの細胞局在化を決定するかまた
はキメラペプチドを単離、精製、もしくは富化するのに
有用である。
【0056】EST関連核酸、EST関連核酸のフラグ
メント、EST関連核酸の位置的セグメント、または核
酸の位置的セグメントのフラグメントは、遺伝病を管理
または治療する遺伝子治療に使用することもできる。分
泌タンパク質の場合、シグナルペプチドを異種タンパク
質に融合させて、それらの細胞外分泌を指令することも
できる。
【0057】非整列の5’EST(単体ともいう)、お
よびコンセンサスコンティグ化5’ESTを得るため
に、整列された5’ESTの配列を含むインサートを有
するブルースクリプト(Bluescript)プラス
ミドを含有する細菌クローンは、内部名で本発明者らの
実験室に4%(v/v)グリセロールに入れ、-80℃
で現在保存されている。本発明の非整列の5’EST
は、配列表に存在するその配列であるが、それらの同定
番号は、表5の第2のカラムの単一の組織から得られる
単一のESTに対応するか、または表5の第1のカラム
には存在しないかのいずれかである。インサートは、適
当なクローンを好適な培地で増殖させることによって保
存物から回収することができる。次いで、アルカリ溶解
ミニプレップまたは大規模アルカリ溶解プラスミド単離
法などの当業者に周知のプラスミド単離法を使用してブ
ルースクリプト(Bluescript)DNAを単離
することができる。所望により、プラスミドDNAを塩
化セシウム勾配での遠心分離、サイズ排除クロマトグラ
フィーまたは陰イオン交換クロマトグラフィーによって
さらに富化してもよい。次いで、これらの手法を使用し
て得られるプラスミドDNAを当業者に周知の標準的な
クローニング技法を使用して操作することができる。ま
たは、挿入されたEST関連核酸、EST関連核酸のフ
ラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、また
は核酸の位置的セグメントのフラグメントの両端で設計
されたプライマーを用いてPCRを実施することができ
る。次いで、当業者に周知の標準的なクローニング技法
を使用して、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグ
メント、EST関連核酸の位置的セグメント、または核
酸の位置的セグメントのフラグメントに対応するPCR
産物を操作することができる。
【0058】本発明の1つの実施形態は、配列番号24
〜3883および配列番号7744〜19335ならび
に配列番号24〜3883および配列番号7744〜1
9335の配列に相補的な配列からなる群より選択され
る配列を含む精製された核酸である。
【0059】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335ならびに
配列番号24〜3883および配列番号7744〜19
335の配列に相補的な配列からなる群より選択される
配列の少なくとも8、10、12、15、18、20、
23、25、28、30、35、40、50、75、1
00、200、300、500、または1000個の連
続するヌクレオチドを、これらの長さのフラグメントが
特定の配列と一致する程度で含む精製された核酸であ
る。
【0060】この実施形態のさらなる態様は、配列番号
24〜3883および配列番号7744〜19335な
らびに配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335の配列に相補的な配列からなる群より選択
される配列の少なくとも8、10、12、15、18、
20、23、25、28、30、35、40、50、7
5、100、200、300、500、または1000
個の連続するヌクレオチドを、これらの長さのフラグメ
ントが特定の配列と一致する程度で含む精製された脊椎
動物の核酸である。
【0061】この実施形態のさらなる態様は、配列番号
24〜3883および配列番号7744〜19335な
らびに配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335の配列に相補的な配列からなる群より選択
される配列の少なくとも8、10、12、15、18、
20、23、25、28、30、35、40、50、7
5、100、200、300、500、または1000
個の連続するヌクレオチドを、これらの長さのフラグメ
ントが特定の配列と一致する程度で含む精製されたヒト
核酸である。
【0062】本発明の別の実施形態は、表4aおよび表
4bに記載の好適なポリヌクレオチドならびに表4aお
よび表4bに記載の好適なポリヌクレオチドの配列に相
補的な配列からなる群より選択される配列の少なくとも
8、10、12、15、18、20、23、25、2
8、30、35、40、50、75、100、200、
300、500、または1000個の連続するヌクレオ
チドを、これらの長さのフラグメントが特定の配列と一
致する程度で含む精製された核酸である。
【0063】本発明の別の実施形態は、更新された表4
aおよび表4bに記載の好適なポリヌクレオチドならび
に更新された表4aおよび表4bに記載の好適なポリヌ
クレオチドの配列に相補的な配列からなる群より選択さ
れる配列の少なくとも8、10、12、15、18、2
0、23、25、28、30、35、40、50、7
5、100、200、300、500、または1000
個の連続するヌクレオチドを、これらの長さのフラグメ
ントが特定の配列と一致する程度で含む精製された核酸
である。
【0064】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335ならびに
配列番号24〜3883および配列番号7744〜19
335の配列に相補的な配列からなる群より選択される
配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む
精製された核酸である。
【0065】この実施形態のさらなる態様は、配列番号
24〜3883および配列番号7744〜19335な
らびに配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335の配列に相補的な配列からなる群より選択
される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチド
を含む精製された脊椎動物の核酸である。
【0066】この実施形態のさらなる態様は、配列番号
24〜3883および配列番号7744〜19335な
らびに配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335の配列に相補的な配列からなる群より選択
される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチド
を含む精製されたヒト核酸である。
【0067】本発明の別の実施形態は、表4aおよび表
4bに記載の好適なポリヌクレオチドならびに表4aお
よび表4bに記載の好適なポリヌクレオチドの配列に相
補的な配列からなる群より選択される配列の少なくとも
15個の連続するヌクレオチドを含む精製された核酸で
ある。
【0068】本発明のさらなる実施形態は、24〜38
83からなる群より選択される配列のコード配列を含む
精製された核酸である。
【0069】本発明のさらなる別の態様は、配列番号1
339〜2059からなる群より選択される配列の全コ
ード配列を含む精製された核酸であって、ここで、前記
全コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列お
よび成熟タンパク質をコードする配列を含む。
【0070】本発明のさらなる別の態様は、成熟タンパ
ク質をコードする配列番号1339〜2059からなる
群より選択される配列の連続スパンを含む精製された核
酸である。
【0071】本発明の別の実施形態は、シグナルペプチ
ドをコードする配列番号24〜383および1339〜
2059からなる群より選択される配列の連続スパンを
含む精製された核酸である。
【0072】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜7743の配列からなる群より選択される配列を含
むポリペプチドをコードする精製された核酸である。
【0073】本発明の別の実施形態は、配列番号519
9〜5919の配列からなる群より選択される配列を含
むポリペプチドをコードする精製された核酸である。
【0074】本発明の別の実施形態は、配列番号519
9〜5919の配列からなる群より選択される配列に含
まれる成熟タンパク質を含むポリペプチドをコードする
精製された核酸である。
【0075】本発明の別の実施形態は、配列番号388
3〜4243および5199〜5919の配列からなる
群より選択される配列に含まれるシグナルペプチドを含
むポリペプチドをコードする精製された核酸である。
【0076】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335ならびに
配列番号24〜3883および配列番号7744〜19
335の配列に相補的な配列からなる群より選択される
配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る、長さが少なくとも15、18、20、23、25、
28、30、35、40、50、75、100、20
0、300、500、または1000個のヌクレオチド
の精製された核酸である。
【0077】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335ならびに
配列番号24〜3883および配列番号7744〜19
335の配列に相補的な配列からなる群より選択される
配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る、長さが少なくとも15、18、20、23、25、
28、30、35、40、50、75、100、20
0、300、500、または1000個のヌクレオチド
の精製された脊椎動物の核酸である。
【0078】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335ならびに
配列番号24〜3883および配列番号7744〜19
335の配列に相補的な配列からなる群より選択される
配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る、長さが少なくとも15、18、20、23、25、
28、30、35、40、50、75、100、20
0、300、500、または1000個のヌクレオチド
の精製されたヒト核酸である。
【0079】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜7743の配列からなる群より選択される配列を含
む、精製または単離されたポリペプチドである。
【0080】本発明の別の実施形態は、配列番号519
9〜5919からなる群より選択される配列を含む、精
製または単離されたポリペプチドである。
【0081】本発明の別の実施形態は、配列番号519
9〜5919からなる群より選択されるポリペプチドの
成熟タンパク質を含む、精製または単離されたポリペプ
チドである。
【0082】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜4243および5199〜5919のポリペプチド
からなる群より選択される配列のシグナルペプチドを含
む、精製または単離されたポリペプチドである。
【0083】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜7743の配列からなる群より選択される配列の少
なくとも5、8、10、12、15、18、20、2
3、25、28、30、35、40、50、75、10
0、200、300、500、または1000個の連続
するアミノ酸を、これらの長さのフラグメントが特定の
配列と一致する程度で含む精製または単離されたポリペ
プチドである。
【0084】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製
する方法である。この方法は、ヒト細胞由来のmRNA
分子の集合体と、配列番号24〜3883および配列番
号7744〜19335に相補的な配列からなる群より
選択される配列の少なくとも12、15、18、20、
23、25、28、30、35、40、または50個の
連続するヌクレオチドを含むプライマーとを接触させ、
前記プライマーを前記タンパク質をコードする前記集合
体中のmRNAにハイブリダイズさせ、前記ハイブリダ
イズしたプライマーを逆転写させて前記mRNAから第
1のcDNA鎖を作製し、前記第1のcDNA鎖に相補
的な第2のcDNA鎖を作製し、前記第1のcDNA鎖
および前記第2のcDNA鎖を含み、前記タンパク質を
コードする得られたcDNAを単離する、各ステップを
含んでなる。
【0085】本発明の別の実施形態は、上記段落に記載
する方法によって得られる、精製されたcDNAであ
る。この実施形態の1つの態様では、前記cDNAはヒ
トポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0086】本発明の別の実施形態は、本発明のcDN
Aを作製する方法によって得られる、精製されたcDN
Aである。この実施形態の1つの態様では、前記cDN
Aはヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0087】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製
する方法である。この方法は、cDNA集合体と、配列
番号24〜3883および配列番号7744〜1933
5ならびに配列番号24〜3883および配列番号77
44〜19335に相補的な配列からなる群より選択さ
れる配列の少なくとも12、15、18、20、23、
25、28、30、35、40、または50個の連続す
るヌクレオチドを含む検出可能なプローブとを、前記プ
ローブが前記cDNAにハイブリダイズすることを可能
にする条件下で接触させ、前記検出可能なプローブにハ
イブリダイズするcDNAを同定し、そして前記プロー
ブにハイブリダイズする前記cDNAを単離する、各ス
テップを含んでなる。
【0088】本発明の別の実施形態は、上記段落に記載
する方法によって得られる精製されたcDNAである。
この実施形態の1つの態様では、前記cDNAはヒトポ
リペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0089】本発明の別の実施形態は、cDNAを作製
する方法である。この方法は、ヒト細胞由来のmRNA
分子の集合体と前記mRNAのポリAテイルにハイブリ
ダイズし得る第1のプライマーとを接触させ、前記第1
のプライマーを前記ポリAテイルにハイブリダイズさ
せ、前記mRNAを逆転写して第1のcDNA鎖を作製
し、配列番号24〜3883および配列番号7744〜
19335からなる群より選択される配列の少なくとも
12、15、18、20、23、25、28、30、3
5、40、または50個の連続するヌクレオチドを含む
少なくとも1つのプライマーを使用して、前記第1のc
DNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を作製し、そして
前記第1のcDNA鎖および前記第2のcDNA鎖を含
む得られたcDNAを単離する、各ステップを含んでな
る。この方法の別の態様では、前記第2のcDNA鎖
は、前記第1のcDNA鎖と、配列番号24〜3883
および配列番号7744〜19335からなる群より選
択される配列の少なくとも12、15、18、20、2
3、25、28、30、35、40、または50個の連
続するヌクレオチドを含む第2のプライマーならびに前
記第1のプライマーの配列内に全配列が含まれる第3の
プライマーとを接触させること、前記第2および第3の
プライマーにより第1のポリメラーゼ連鎖反応を行い、
第1のPCR産物を生成すること、前記第1のPCR産
物と、配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335からなる群より選択される前記配列の少な
くとも12、15、18、20、23、25、28、3
0、35、40、または50個の連続するヌクレオチド
を含む第4のプライマー、ならびに前記第3のプライマ
ーの配列内に全配列が含まれる第5のプライマーとを接
触させることであって、ただし、前記第4および第5の
プライマーは前記第1のPCR産物内の配列にハイブリ
ダイズするものであること、および第2のポリメラーゼ
連鎖反応を行い、それによって第2のPCR産物を生成
すること、によって作製される。あるいは、前記第2の
cDNA鎖は、前記第1のcDNA鎖と、配列番号24
〜3883および配列番号7744〜19335からな
る群より選択される配列の少なくとも12、15、1
8、20、23、25、28、30、35、40、また
は50個の連続するヌクレオチドを含む第2のプライマ
ーならびに前記第1のプライマーの配列内に全配列が含
まれる第3のプライマーとを接触させること、前記第2
および第3のプライマーによりポリメラーゼ連鎖反応を
行い、第2のcDNA鎖を生成すること、によって作製
され得る。あるいは、前記第2のcDNA鎖は、前記第
1のcDNA鎖と、配列番号24〜3883および配列
番号7744〜19335からなる群より選択される配
列の少なくとも12、15、18、20、23、25、
28、30、35、40、または50個の連続するヌク
レオチドを含む第2のプライマーとを接触させること、
前記第2のプライマーを前記第1鎖cDNAにハイブリ
ダイズさせること、および前記ハイブリダイズした第2
のプライマーを伸長して、前記第2のcDNA鎖を生成
すること、によって作製され得る。
【0090】本発明の別の実施形態は、本発明のcDN
Aを作製する方法によって得られる精製されたcDNA
である。この実施形態の1つの態様では、前記cDNA
はヒトポリペプチドの少なくとも一部をコードする。
【0091】本発明の別の実施形態は、ポリペプチドを
作製する方法である。この方法は、配列番号24〜38
83からなる群より選択される配列を含む核酸によって
コードされるポリペプチドをコードするcDNA、また
は配列番号24〜3883からなる群より選択される配
列によってコードされるポリペプチドの少なくとも6、
8、10、12、15、18、20、23、25、2
8、30、35、40、または50個の連続するアミノ
酸を含むポリペプチドをコードするcDNAを取得し、
前記cDNAを、それがプロモーターに機能し得る形で
連結されるように発現ベクターに挿入し、前記発現ベク
ターを宿主細胞に導入し、それにより前記宿主細胞に前
記cDNAによりコードされるタンパク質を産生させ、
そして前記タンパク質を単離する、各ステップを含んで
なる。
【0092】本発明の別の実施形態は、プロモーターD
NAを得る方法である。この方法は、配列番号24〜3
883および配列番号7744〜19335ならびに配
列番号24〜3883および配列番号7744〜193
35の配列に相補的な配列からなる群より選択される配
列を含む核酸の上流に位置するゲノムDNAを取得し、
前記ゲノムDNAをスクリーニングして、転写開始を指
令し得るプロモーターを同定し、そして前記同定された
プロモーターを含む前記DNAを単離する、各ステップ
を含んでなる。
【0093】この実施形態の1つの態様では、前記取得
ステップは、配列番号24〜3883および配列番号7
744〜19335ならびに配列番号24〜3883お
よび配列番号7744〜19335に相補的な配列から
なる群より選択される配列を含むゲノムDNAからの歩
行を含む。この実施形態の別の態様では、前記スクリー
ニングステップは、配列番号24〜3883および配列
番号7744〜19335ならびに配列番号24〜38
83および配列番号7744〜19335に相補的な配
列からなる群より選択される配列の上流に位置するゲノ
ムDNAをプロモーターレポーターベクターに挿入する
ことを含む。例えば、前記スクリーニングステップは、
転写因子結合部位かまたは転写開始部位である、配列番
号24〜3883および配列番号7744〜19335
ならびに配列番号24〜3883および配列番号774
4〜19335に相補的な配列からなる群より選択され
る配列の上流に位置するゲノムDNA中のモチーフを同
定することを含み得る。
【0094】本発明の別の実施形態は、上記段落に記載
する方法によって得られる、単離されたプロモーターで
ある。
【0095】本発明の別の実施形態は、上記段落に記載
する方法によって得られた、単離されたプロモーターで
ある。
【0096】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335、配列番
号24〜3883および配列番号7744〜19335
の配列に相補的な配列、ならびに前記配列の少なくとも
12、15、18、20、23、25、28、30、3
5、40、50、または100個の連続するヌクレオチ
ドを含むフラグメントからなる群より選択される少なく
とも1つの配列を、個別のESTまたは長さが少なくと
も12、15、18、20、23、25、28、30、
35、40、50または100個ヌクレオチドのそのフ
ラグメントのアレイに加えることである。この実施形態
の一部の態様では、前記アレイは、配列番号24〜38
83および配列番号7744〜19335、配列番号2
4〜3883および配列番号7744〜19335の配
列に相補的な配列、ならびに前記配列の少なくとも1
2、15、18、20、23、25、28、30、3
5、40、または50個の連続するヌクレオチドを含む
フラグメントからなる群より選択される少なくとも2つ
の配列を含む。この実施形態の別の態様では、前記アレ
イは、配列番号24〜3883および配列番号7744
〜19335、配列番号24〜3883および配列番号
7744〜19335の配列に相補的な配列、ならびに
前記配列の少なくとも12、15、18、20、23、
25、28、30、35、40、50、または100個
の連続するヌクレオチドを含むフラグメントからなる群
より選択される少なくとも1、3、5、10、15、ま
たは20の配列を含む。
【0097】本発明の別の実施形態は、組換え核酸の富
化された集団であって、前記組換え核酸はインサート核
酸およびバックボーン核酸を含み、ここで、前記集団中
の前記インサート核酸の少なくとも0.01%、0.0
5%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10
%、または20%は、配列番号24〜3883および配
列番号7744〜19335ならびに配列番号24〜3
883および配列番号7744〜19335に相補的な
配列からなる群より選択される配列を含む。
【0098】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜7743からなる群より選択される配列を含むポリ
ペプチドに特異的に結合し得る、精製または単離された
抗体である。
【0099】本発明の別の実施形態は、配列番号388
4〜7743からなる群より選択される配列の少なくと
も6、8、10、12、15、18、20、23、2
5、28、30、35、40、または50個の連続する
アミノ酸を含むポリペプチドに特異的に結合し得る、精
製または単離された抗体である。
【0100】本発明のさらに別の実施形態は、配列番号
3884〜7743のうちいずれかの少なくとも8、1
0、12、15、18、20、23、25、28、3
0、35、40、または50個のアミノ酸の連続スパン
を含むポリペプチドのエピトープ含有フラグメントに選
択的に結合し得る抗体組成物である。この組成物では、
前記抗体はポリクローナルかまたはモノクローナルであ
る。
【0101】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335の核酸コ
ードならびに配列番号3884〜7743のポリペプチ
ドコードからなる群より選択される配列を記憶して有す
るコンピュータ読取可能媒体である。
【0102】本発明の別の実施形態は、プロセッサおよ
びデータ記憶装置を含むコンピュータシステムである。
このシステムでは、前記データ記憶装置は、配列番号2
4〜3883および配列番号7744〜19335の核
酸コードならびに配列番号3884〜7743のポリペ
プチドコードからなる群より選択される配列を記憶して
有する。この実施形態の1つの態様では、前記コンピュ
ータシステムは、配列コンペアラおよび参照配列を記憶
して有するデータ記憶装置をさらに含む。例えば、前記
配列コンペアラは、多型性を表示するコンピュータプロ
グラムを含んでもよい。この実施形態の別の態様では、
前記コンピュータシステムは、前記配列における特徴を
同定するアイデンティファイアをさらに含む。
【0103】本発明の別の実施形態は、第1の配列と参
照配列とを比較する方法である。この方法では、前記第
1の配列は、配列番号24〜3883および配列番号7
744〜19335の核酸コードならびに配列番号38
84〜7743のポリペプチドコードからなる群より選
択され、配列を比較するコンピュータプログラムを使用
することにより、前記第1の配列および前記参照配列を
読み取り、そして前記コンピュータプログラムによっ
て、前記第1の配列と前記参照配列との間の差異を判定
する、各ステップを含んでなる。この実施形態の一部の
態様では、前記第1の配列と前記参照配列との間の差異
を判定する前記ステップは多型性を同定することを含
む。
【0104】本発明の別の実施形態は、配列番号24〜
3883および配列番号7744〜19335の核酸コ
ードならびに配列番号3884〜7743のポリペプチ
ドコードからなる群より選択される配列における特徴を
同定する方法である。この方法は、配列における特徴を
同定するコンピュータプログラムを使用することによ
り、前記配列を読み取り、そして前記コンピュータプロ
グラムによって、前記配列における特徴を同定する、各
ステップを含んでなる。
【0105】本発明の別の実施形態は、上記の核酸のい
ずれか1つに従う核酸を含むベクターである。
【0106】本発明の別の実施形態は、上記ベクターを
含有する宿主細胞である。
【0107】本発明の別の実施形態は、上記の核酸のい
ずれかを作製する方法である。この方法は、前記核酸
を、それが各宿主細胞において複数のコピーで存在する
ように宿主細胞に導入し、そして前記宿主細胞から前記
核酸を単離する、各ステップを含んでなる。
【0108】本発明の別の実施形態は、上記核酸のいず
れかの核酸を作製する方法である。この方法は、前記核
酸中のヌクレオチドを順次連結するステップを含んでな
る。
【0109】本発明の別の実施形態は、上記のポリペプ
チドのいずれかを作製する方法である。この方法では、
前記ポリペプチドは150アミノ酸以下の長さであり、
この方法は、前記ポリペプチドのアミノ酸を順次連結す
るステップを含んでなる。
【0110】本発明の別の実施形態は、上記のポリペプ
チドのいずれかを作製する方法である。この方法は、前
記ポリペプチドは120アミノ酸以下の長さであり、前
記ポリペプチドのアミノ酸を順次連結するステップを含
んでなる。
【0111】配列表の簡単な説明 配列番号1、3、5、7、9、11、および13は、本
明細書に記載の方法を用いて調製される全長cDNAで
ある。
【0112】配列番号2、4および6は、それぞれ配列
番号1、3および5の核酸によってコードされるシグナ
ルペプチドである。
【0113】配列番号8、10および12は、それぞれ
配列番号7、9、11、および13の核酸によってコー
ドされるポリペプチドである。
【0114】配列番号15、16、18、19、21お
よび22は、その用途が明細書に記載されているプライ
マーである。
【0115】配列番号17、20、および23は、以下
に記載の通りに取得された転写因子結合部位を含有する
核酸の配列である。
【0116】配列番号24〜383は、シグナルペプチ
ドをコードする不完全ORFを有する核酸である。本明
細書において使用される「不完全ORF」は、開始コド
ンが同定されているが、停止コドンは同定されていない
オープンリーディングフレームである。不完全ORFお
よびシグナルペプチドをコードする配列の位置を添付の
配列表に列挙する。さらに、以下のように算定されるシ
グナルペプチドのvon Heijneスコアを、添付
の配列表の「スコア」として列挙する。シグナルペプチ
ドの配列を、添付の配列表の「配列(seq)」として
列挙する。シグナルペプチド配列の「/」は、シグナル
ペプチドのタンパク質切断が生じて成熟タンパク質を生
成する位置を表す。
【0117】配列番号384〜1338は、現在までに
シグナルペプチドをコードする配列が同定されていない
不完全ORFを有する核酸である。しかし、以後の分析
では、これらの核酸中のシグナルペプチドをコードする
配列を同定することが可能である。不完全ORFの位置
を添付の配列表に列挙する。
【0118】配列番号1339〜2059は、シグナル
ペプチドをコードする完全ORFを有する核酸である。
本明細書において使用される「完全ORF」は、開始コ
ドンおよび停止コドンが同定されているオープンリーデ
ィングフレームである。完全ORFおよびシグナルペプ
チドをコードする配列の位置を添付の配列表に列挙す
る。さらに、以下のように算定されるシグナルペプチド
のvon Heijneスコアを、添付の配列表の「ス
コア」として列挙する。シグナルペプチドの配列を、添
付の配列表の「配列」として列挙する。シグナルペプチ
ド配列の「/」は、シグナルペプチドのタンパク質切断
が生じて成熟タンパク質を生成する位置を表す。
【0119】配列番号2060〜3883は、現在まで
にシグナルペプチドをコードする配列が同定されていな
い完全ORFを有する核酸である。しかし、以後の分析
では、これらの核酸中のシグナルペプチドをコードする
配列を同定することが可能である。完全ORFの位置を
添付の配列表に列挙する。
【0120】配列番号3884〜4243は、シグナル
ペプチドを含む「不完全ポリペプチド配列」である。
「不完全ポリペプチド配列」は、開始コドンが同定され
ているが、停止コドンは同定されていない核酸によって
コードされるポリペプチド配列である。これらのポリペ
プチドは、配列番号24〜383の核酸によってコード
される。シグナルペプチドの位置を添付の配列表に列挙
する。
【0121】配列番号4244〜5198は、現在まで
にシグナルペプチドが同定されていない不完全ポリペプ
チド配列である。しかし、以後の分析では、これらのポ
リペプチド中のシグナルペプチドを同定することが可能
である。これらのポリペプチドは、配列番号384〜1
338の核酸によってコードされる。
【0122】配列番号5199〜5919は、シグナル
ペプチドを含む「完全ポリペプチド配列」である。「完
全ポリペプチド配列」は、開始コドンおよび停止コドン
が同定されている核酸によってコードされるポリペプチ
ド配列である。これらのポリペプチドは、配列番号13
39〜2059の核酸によってコードされる。シグナル
ペプチドの位置を添付の配列表に列挙する。
【0123】配列番号5920〜7743は、現在まで
にシグナルペプチドが同定されていない完全ポリペプチ
ド配列である。しかし、以後の分析では、これらのポリ
ペプチド中のシグナルペプチドを同定することが可能で
ある。これらのポリペプチドは、配列番号2060〜3
883の核酸によってコードされる。
【0124】配列番号7744〜19335は、現在ま
でに少なくとも150ヌクレオチドのオープンリーディ
ングフレームが最終的に同定されていない核酸配列であ
る。しかし、以後の分析では、これらの核酸中のオープ
ンリーディングフレームを同定することが可能である。
【0125】添付の配列表において、核酸配列中の記号
「n」の全ての事例は、ヌクレオチドがアデニン、グア
ニン、シトシンまたはチミンであり得ることを意味す
る。場合により、配列表のポリペプチド配列は、記号
「Xaa」を含有する。これらの「Xaa」の記号は、
(1)ヌクレオチド配列のあいまいさのために同定する
ことができない残基または(2)出願人が(配列がより
正確に決定された場合に)存在すべきではないと考える
決定された配列中の停止コドンのいずれか一方を表す。
場合により、不明のアミノ酸の幾つか可能な同一物は、
遺伝子コードによって示唆され得る。
【0126】分泌タンパク質の場合、配列表を管理する
規則に従い、添付の配列表では、コードされたタンパク
質(すなわち、シグナルペプチドおよび成熟タンパク質
またはその一部を含有するタンパク質)が負の数を有す
るアミノ酸残基から正の数を番号付けしたアミノ酸残基
にまで及ぶことに注意するべきである。従って、シグナ
ルペプチドの切断によって生じる成熟タンパク質の1番
目のアミノ酸にアミノ酸番号1を付し、シグナルペプチ
ドの1番目のアミノ酸に適切な負の数を付す。
【0127】(好ましい実施態様の詳細な説明) I.完全な5'末端を有するmRNAに由来する5'ESTを得る
ための一般的方法 実施例1〜5に記載のように、化学的方法もしくは酵素
的方法を使用して、完全な5'末端を有するmRNAに由来す
るcDNAライブラリーから本発明の5'ESTを得た。
【0128】実施例1 mRNAの調製 異なる組織に由来するヒト全RNAまたはポリA+RNAは、
それぞれLABIMOおよびCLONTECHから購入し、下記の通り
に、cDNAライブラリーを作成するために使用した。購入
したRNAは、酸性グアニジウムチオシアネート-フェノー
ル-クロロホルム抽出(Chomczyniskiおよび Sacchi(An
alytical Biochemistry 162:156-159,1987))を使用し
て、細胞または組織から単離しておいたものである。リ
ボソームRNAを除去するために、Aviv and Leder, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 69:1408-1412, 1972に記載の通
りに、オリゴdTクロマトグラフィーに2回通過させるこ
とにより、ポリA+RNAを全RNA(LABIMO)から単離し
た。
【0129】ポリA+RNAの品質および完全性を調べ
た。延長因子1もしくは延長因子2等の、遍在するmRNA
に対応するプローブとハイブリダイズするノーザンブロ
ットを使用して、mRNAが分解されてないことを確認し
た。リボソーム配列によるポリA+mRNAの汚染を、ノー
ザンブロット法および28S rRNAの配列に由来するプロー
ブを使用して調べた。rRNAが5%未満であるmRNAの調製
物をライブラリー構築に使用した。外因性配列(原核生
物または真菌)により汚染されたRNAを用いてライブラ
リーを構築しないように、PCRを使用して、細菌の16Sリ
ボソーム配列の存在および高度に発現される2種の真菌
mRNAの配列の存在を調べた。
【0130】実施例2 完全な5'末端を有するmRNAを取得する方法 上記の通り、様々な組織からmRNAを調製した後、完全な
5'末端を有するmRNAの選択および上記mRNAの5'末端への
オリゴヌクレオチドタグの特異的結合を、化学的方法も
しくは酵素的方法を使用して実施する。両技術とも、完
全なmRNAの5'末端の特徴を成し、且つ一般に7位にて一
度メチル化されたグアノシンを含む、「キャップ」構造
の存在を利用する。
【0131】化学的修飾方法は、3'末端のリボースの
2',3'-シスジオールの任意の除去、mRNAの5'末端のキャ
ップに連結されたリボースの2',3',-シスジオールのジ
アルデヒドへの酸化、および上記の得られたジアルデヒ
ドの誘導されたオリゴヌクレオチドタグへのカップリン
グを含む。完全な5'末端を有するmRNAを得るための化学
的アプローチに関するさらなる詳細は、1996年11月7日
に公告された国際出願第WO96/34981号に開示されてお
り、その開示内容を、参照によりその全体が本明細書に
組み入れられる。
【0132】オリゴヌクレオチドタグを、完全な5'末端
を有するmRNAの5'末端に連結する酵素的方法は、キャッ
プされていない不完全なmRNAの5'末端に存在するリン酸
基の除去、後続の、完全な5'末端を有するmRNAの脱キャ
ップ、および脱キャップされたmRNAの5'末端に存在する
リン酸のオリゴヌクレオチドタグへの連結を含む。完全
な5'末端を有するmRNAを得るための酵素的アプローチに
関するさらなる詳細は、Dumas Milne Edwards J.B. (D
octoral Thesis of Paris VI University, Leclonage d
es ADNc complets: difficultes et perspectives nouv
elles. Apports pour l'etude de la regulation de
l'expression de la tryptophane hydroxylase de rat,
20 Dec. 1993)、EPO 625572およびKatoら、Gene 150:
243-250(1994)に開示されており、その開示内容を、
参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0133】化学的方法または酵素的方法のいずれの場
合にも、オリゴヌクレオチドタグは、その後のクローニ
ング方法を容易にするための制限酵素部位(たとえば、
EcoRI部位)を中に有する。オリゴヌクレオチドタグをm
RNAに結合した後、オリゴヌクレオチドタグに相補的な
プローブを使用したノーザンブロットを実施することに
より、mRNAの完全性を試験した。
【0134】実施例3 完全な5'末端を有するmRNAテンプレートを使用するcDNA
合成 化学的または酵素的方法を使用してオリゴヌクレオチド
タグに結合させたmRNAについては、耐熱性逆転写酵素と
オリゴ-dTプライマーを使用して、第1鎖cDNAの合成を
実施した。ある場合には、このオリゴ-dTプライマー
は、組織によって異なる少なくとも4ヌクレオチドの内
部タグを含んでいた。cDNAの内部EcoRI部位を、この手
法の後続のステップにおける消化から保護するために、
メチル化dCTPを第1鎖合成に使用した。アルカリ加
水分解によってRNAを除去した後、残存するプライマー
を除去するために、イソプロパノールを使用して、第1
鎖cDNAを沈殿させた。
【0135】次いで、連結されたオリゴヌクレオチドの
5'末端に対応するプライマーを使用して、クレノウ(Kl
enow)フラグメントを用いてcDNAの第2鎖を合成した。
好ましくは、プライマーは20〜25塩基の長さである。ク
ローニングステップ中に、cDNA内の内部EcoRI部位を、
消化から保護するために、第2鎖合成にもメチル化dCTP
を使用した。
【0136】実施例4 完全な5'末端を有するmRNAに由来するcDNAのクローニン
グ 第2鎖の合成後に、このcDNAを、ファージミドpBlueScr
iptIISK-ベクター(Stratagene)またはその誘導体の1
つにクローニングした。cDNAの両端をT4 DNAポリメラ
ーゼ(Biolabs)で平滑化し、EcoRIでcDNAを消化した。
cDNA合成中にメチル化dCTPを使用したため、タグ中に存
在するEcoRI部位は、唯一のヘミメチル化部位であり、
従って、EcoRI消化を受けやすい唯一の部位であった。
ある場合には、サブクローニングを容易にするために、
Hind IIIアダプタをcDNAの3'末端に加えた。
【0137】次いで、排除クロマトグラフィー(AcA, B
iosepra)か、3つまたは6つの異なるか画分を生じる
電気泳動的分離のいずれかを使用して、cDNAをサイズ分
画した。次いで、Hind IIIアダプタがcDNA中に存在する
とき、EcoRIとSmaI制限部位か、EcoRIとHind III制限部
位のいずれかを使用して、cDNAをpBlueScriptに特定方
向にクローニングした。連結混合物を細菌にエレクトロ
ポレーションで導入し、適当な抗生物質選択下で増殖さ
せた。
【0138】実施例5 オリゴヌクレオチドタグを結合させたクローンの選択 次いで、cDNAに結合したオリゴヌクレオチドタグを含む
クローンを下記の通りに選択した。
【0139】上記の通りに作成したcDNAライブラリーを
含むプラスミドDNAを精製した(Qiagen)。下記の通り
に、タグ付きクローンの陽性選択を実施した。簡単に記
載すると、この選択方法で、ファージF1の遺伝子IIエ
ンドヌクレアーゼを、エキソヌクレアーゼIIIまたはT7
遺伝子6エキソヌクレアーゼ等のエキソヌクレアーゼと
併用して(Changら、Gene 127:95-8, 1993)、プラスミ
ドDNAを1本鎖DNAに変換した。次いで、このようにして
得られた1本鎖DNAを、Fryら、Biotechniques,13: 124-
131, 1992に記載の通りに、常磁性ビーズを使用して精
製した。この方法では、1本鎖DNAを、実施例2に記載
のオリゴヌクレオチドの3'末端に対応する配列を有する
ビオチン化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせ
た。好ましくは、プライマーは20〜25塩基の長さであ
る。ストレプトアビジン被覆磁気ビーズと共にインキュ
ベートすることにより、ビオチン化オリゴヌクレオチド
に相補的な配列を含むクローンを捕捉し、次に磁気的に
選択した。陽性クローンの捕捉後、磁気ビーズからプラ
スミドDNAを放出させ、Amersham Pharmacia Biotechか
ら入手されるThermoSequenase等のDNAポリメチラーゼを
使用して、2本鎖DNAに変換した。あるいは、Gene Trap
perキット(Gibco BRL)等のプロトコールを使用しても
よい。次いで、2本鎖DNAを細菌にエレクトロポレーシ
ョンで導入した。ドットブロット分析を使用して、5'タ
グ付きオリゴヌクレオチドを有する陽性クローンの割合
は、一般に90〜98%の範囲であると推定された。
【0140】エレクトロポレーション後、ライブラリー
を384マイクロタイタープレート(MTP)に並べた。MTP
のコピーを、今後使用するために保管した。次いで、ラ
イブラリーを96MTPに移して配列決定した。
【0141】実施例6 選択したクローン中のインサートの配列決定 L7AF3プライマーおよびSETAプライマー(GensetSA)、E
xTaqポリメラーゼ(Takara)、dNTP(Boehringer)、PE
BiosystemsCorporationが推奨する緩衝液およびサイク
ル条件を使用し、PE-9600/PE-9700サーモサイクラー(P
E Biosystems,Applied Biosystems Division, Foster C
ity, CA)またはtetradesサーモサイクラー(MJ Resear
ch)を用いて、PCRにより、プラスミドインサートを先
ず増幅した。次いで、MegaBaceCapillaryシークエンサ
ー(Molecular Dynamics)を使用して、PCR生成物を配
列決定した。PE9600/PE-9700サーモサイクラーとETプラ
イマー(Energy Transfer)化学およびThermoSequenase
(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して、配列決定
反応を実施した。使用したプライマーは、適宜、Revers
ePrimer(RP)(Amersham Pharmacia Biotech)であっ
た。配列決定反応で使用したdNTPおよびddNTPは、Boehr
ingerから購入した。配列決定緩衝液、試薬濃度および
サイクル条件は、Amershamが推奨した通りであった。配
列決定反応後、サンプルをSephadex(G50)で精製し、M
egaBaceの毛細管に注入した。注入は、10000Vにて12秒
間実施し、電気泳動は、10000Vにて100分間実施した。
配列データを収集し、Genset専売の配列検証ソフトウエ
アに先立って、MegaBaceのInstrument Control Manager
分析ソフトウエアを使用して分析した。あるいは、標準
SETA-AおよびSETA-Bプライマー(Genset SA)、AmpliTa
qGold(PE Biosystems)、dNTP(Boehringer)、ならび
にPE Biosystems Corporationが推奨する緩衝液および
サイクル条件を使用し、PE-9600サーモサイクラー(PEB
iosystems, Applied Biosystems Division, Foster Cit
y, CA)を用いて、PCRにより、プラスミドインサートを
先ず増幅した。次いで、自動ABIPrism377シークエンサ
ー(PE Biosystems)を使用して、PCR生成物を配列決定
した。PE9600サーモサイクラーと標準染料-プライマー
化学およびThermoSequenase(Amersham Pharmacia Biot
ech)を使用して、配列決定反応を実施した。使用した
プライマーは、適宜、T7または21M13(Genset SAから入
手可能)であった。このプライマーを、JOE、FAM、ROX
およびTAMRA染料で標識した。配列決定反応で使用したd
NTPおよびddNTPは、Boehringerから購入した。配列決定
用緩衝液、試薬濃度およびサイクル条件は、Amershamが
推奨した通りであった。配列決定反応後、サンプルをエ
タノールで沈殿させ、ホルムアミドローディング緩衝液
に再懸濁し、標準4%アクリルアミドゲルに載せた。ABI3
77シークエンサーで3000Vにて2.5時間、電気泳動を実施
し、配列データを収集し、ABI Prism DNA Sequencing A
nalysis Software、バージョン2.1.2を使用して分析し
た。
【0142】II.単離された5'ESTのコンピュータ分析 上記の通りに作成した異なるcDNAライブラリーの配列デ
ータを、データベースに転送し、そこで品質管理とバリ
デーションステップを実施した。Unixシステムを使用し
て作動する塩基コーラー(base-caller)は、ピークの
形状、ピーク間分解能およびノイズレベルを考慮して、
疑わしいピークを自動的に信号旗で知らせた。専売の塩
基コーラー(base-caller)は、自動トリミングも実施
した。疑わしいピークが4つより多い25個以下の塩基の
伸長部はいかなるものも信頼性がないとみなされ、破棄
された。クローニングベクターまたは連結オリゴヌクレ
オチドに対応する配列は、EST配列から自動的に除かれ
た。しかし、得られた5'EST配列は、上述の配列に属す
る1〜5塩基を5'末端に含有してもよい。必要に応じ
て、これらはケースごとに容易に除去することができ
る。
【0143】上記のように配列決定した後に、5'ESTの
配列を、以下に記載する通りに、また図1に示す通り
に、記憶と操作のためにデータベースに加えた。目的の
配列についてデータベース内の5'ESTを検索する前に、
関心のないmRNAから誘導された5’ESTを同定した。簡単
に記載すると、このような望まれていない配列は3つの
タイプのものと考えられる。第1に、内因性(リボソー
ムRNA、トランスファーRNA、ミトコンドリアRNA)起源
または外因性(原核生物RNAおよび真菌RNA)起源のいず
れかの汚染物質を同定した。第2に、情報価値のない配
列、すなわち、不必要な配列、小さい配列および高度に
縮重した配列を同定した。第3に、反復配列(Alu反
復、L1反復、THE反復およびMER反復、SSTR配列またはサ
テライト反復、マイクロサテライト反復、またはテロメ
ア反復)を同定し、その後のステップでマスクした。
【0144】次いで、この配列決定方法の精度ならびに
上述の5'選択効率を決定するために、それぞれ、実施例
7および8に記載の分析を、5'ESTに対して実施した。
【0145】実施例7 既知の配列との比較による配列決定精度の測定 実施例6に記載の配列決定方法の精度をさらに決定する
ために、既知の配列から誘導された5'ESTの配列を同定
し、元の既知の配列と比較した。最初に、本文書の提出
時に入手可能な公的なヒトmRNAデータベースの収録事項
と一致するものを同定するために、両末端にある5塩基
対より短い突出部を用いたFASTA分析を、5'ESTに実施し
た。次いで、既知のヒトmRNAと一致した5'ESTを、起源
を同じくするmRNAと再度アライメントをとり、ダイナミ
ックプログラミングを使用して、認識されるであろう
「エラー」のリストに置換、挿入および欠失を含めた。
擬似クローニング部位が配列決定精度の分析に含まれる
ことを避けるために、5'EST配列の最後の10塩基に発生
するエラーを無視した。この分析で、データベースに収
録された配列の精度は、Megabaces Capillaryシークエ
ンサーを使用すると99.3%を超え、ABI377シークエンサ
ーを使用すると99.5%を超えることが明らかになった。
【0146】実施例8 5'EST選択の効率の決定 上述の選択方法で、対応するmRNAの5'末端を含むcDNAを
単離した際の効率を決定するために、FASTAアルゴリズ
ムを使用して、EMBLリリース57から抽出された完全なmR
NA/cDNAの参照プールと、5'ESTのアラインメントする。
大抵の5'転写開始部位で開始するリファレンスmRNA/cDN
Aを取得し、次いで、5'ESTの5'転写開始部位の位置と比
較した。5'ESTの75%より多くが、既知の配列の5'末端付
近に、5'末端を有していた。EMBLデータベースで入手可
能なmRNA配列の一部がゲノム配列から推定されているる
ため、これらの配列と一致する5'末端は内部一致とみな
される。従って、ここで使用した方法では、対応するmR
NAの真の5'末端を含むESTの収率が過少評価される。
【0147】実施例9 コンセンサスコンティグ化(contigated)5'ESTの生成 上で作製したcDNAライブラリーは、同じmRNAから誘導さ
れた複数の5'ESTを含んでいるため、重複5'ESTを集めて
連続配列を作製することが可能である。下記の方法は、
異なる遺伝子から誘導されたmRNAに関するコンセンサス
コンティグ化5'EST配列のみならず、選択的スプライシ
ングされたmRNA等の、同一遺伝子から転写された異なる
mRNA、いわゆる変異体に関するコンセンサスコンティグ
化5'EST配列を生成するために、複数の5'ESTを効率的に
アラインメントする方法について説明するものである。
【0148】内因性汚染物質および情報価値のない配列
を含まず、且つマスクをした後の、5'ESTの部分集団を
最初に選択した。
【0149】先ず、この配列の全セットを、所与の長さ
について互いに完全な一致を示し、且つ少数の異なる遺
伝子から誘導された配列を含む小さいクラスターに分け
た。幾つかの5'EST配列、いわゆる単集合は、他の配列
と相同でなかったため、この方法を使用してアラインメ
ントしなかった。
【0150】その後、専売のソフトウエアを使用して、
各クラスター内の、所与の遺伝子の全変異体を同定し
た。次いで、同じ変異体に属する5'EST配列をコンティ
グ化し、各変異体について、コンセンサスコンティグ化
5'EST配列を生成した。続いて、全てのコンセンサスコ
ンティグ化5'EST配列を、それらを取得するために使用
した個々の5'EST配列の全セットと比較した。
【0151】必要に応じて、本明細書に記載のいずれか
の方法を使用して、コンセンサスコンティグ化5'ESTの
配列に基づいたプローブにハイブリダイズする、cDNAラ
イブラリー等の、生物組織に由来する核酸サンプル中の
クローンを同定し、これらのクローンを配列決定するこ
とにより、コンセンサスコンティグ化5'EST配列を検証
することが可能である。
【0152】新しい配列の収率を評価するために、取得
した5'ESおよびコンセンサスコンティグ化5'ESTを、BLA
STNと下記のパラメータ、S=1000、S2=1000、V=5およ
びB=5を使用して、EMBLリリース58から抽出された全て
の既知の完全ヒトmRNAと比較した。その有意性がe-100
を超えた、高スコア対を有する全ての配列を保存した。
次いで、blastxと下記のパラメータ:S=450、S2=45
0、V=5およびB=5を使用して、取得した5'ESTおよびコ
ンセンサスコンティグ化5'ESTを、SwissProtリリース3
7、TrEMBLリリース58およびGenseqp(Derwentの特許を
受けたアミノ酸配列のデータベース)リリース35.3から
抽出された全てのヒトタンパク質とを、両鎖について比
較した。有意性がe-50を超えた、高スコア対を有する全
ての配列を保存した。この方法を使用して、5'ESTまた
はコンセンサス・アセンブルド5'ESTの約86%を未同定と
考えた。
【0153】実施例10 5'ESTの最も有望なオープンリーディングフレームの同
定 続いて、オープンリーディングフレーム(ORF)を有す
るものを同定するために、コンセンサスコンティグ化5'
ESTおよび5'ESTをスクリーニングした。
【0154】先ず、核酸配列を幾つかの部分列に分割
し、そのコーディング傾向を、N量体頻度およびその変
異体の評価等の、当業者に周知の1つの方法またはいく
つかの異なる方法(Fickett and Tung, Nucleic Acids
Res;20:6441-50(1992))またはAverage Mutual Infor
mation法(Grosseら、International Conference on In
telligent Systems for Molecular Biology, Montreal,
Canada. June 28-July1, 1998)を使用して、別々に評
価した。次いで、上記の技術により得られた各スコア
を、それらの分布極値により標準化し、次いで、ニュー
ラルネットワークを使用して、所与の部分列のコーディ
ング確率を示す独特のスコアに融合した。次いで、各部
分列について得られたコーディング確率スコア、従っ
て、各リーディングフレームについて得られた確率スコ
アプロフィールを、その配列上に存在する開始コドンに
連結した。ATGコドンで開始する核酸配列と定義され
た、各オープンリーディングフレームについて、ORFス
コアを決定した。このスコアは、局所的に高いスコア値
を否定的に解釈し、持続的に高いスコア値を肯定的に解
釈する機能によって修正された、正確なリーディングフ
レーム内で考えられるORFに対応する各部分列について
コンピュータ処理された確率スコアの合計であることが
好ましい。最高のスコアを有する最も有望なORFを選択
した。
【0155】あるいは、オープンリーディングフレーム
は、単に、150ヌクレオチドより長く、且つATGコドンで
開始する連続した核酸配列であると定義された。
【0156】一部の実施態様において、本明細書に記載
の「不完全なORF」、すなわち、開始コドンは同定され
ているが、停止コドンが同定されていないオープンリー
ディングフレームをコードする核酸配列が得られた。
【0157】他の実施態様において、本明細書で使用さ
れる、「完全なORF」核酸配列、すなわち、開始コドン
および停止コドンが同定されているオープンリーディン
グフレームコードする核酸配列が得られる。
【0158】好ましい実施態様において、少なくとも50
アミノ酸のポリペプチドをコードするオープンリーディ
ングフレームが得られた。
【0159】選択されたORFがポリペプチドを実際にコ
ードしていることを確認するために、本明細書に記載の
技術のいずれか、特に、実施例17および18に記載の技術
を使用し、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは5'EST
を使用して、伸長cDNAを得ることができる。次いで、取
得したこのような伸長cDNAを、本明細書に記載の技術の
いずれかを使用して、最も有望なオープンリーディング
フレームについてスクリーニングすることが可能であ
る。次いで、伸長cDNAによりコードされるORFが、コン
センサスコンティグ化5'ESTまたは5'ESTによりコードさ
れるものと基本的に同じであるかどうかを決定するため
に、本明細書に記載のアルゴリズムのいずれかおよびパ
ラメータを使用して、コンセンサスコンティグ化5'EST
または5'ESTによりコードされるORFのアミノ酸配列を、
伸長cDNAによりコードされるORFのアミノ酸配列と比較
することが可能である。
【0160】あるいは、選択されたORFがポリペプチド
を実際にコードしていることを確認するために、本明細
書に記載の技術のいずれか、特に、実施例17および18に
記載の技術を使用し、コンセンサスコンティグ化5'EST
または5'ESTを使用して、伸長cDNAを得ることができ
る。次いで、このような伸長cDNAを、適当な発現ベクタ
ーに挿入し、本明細書に記載の伸長cDNAによりコードさ
れるポリペプチドを発現させるのに使用することができ
る。本明細書に記載の通りに、発現したポリペプチド
を、単離、精製、あるいは富化することが可能である。
次いで、併用を含め、当業者に周知の幾つかの方法を使
用して、発現したポリペプチドが、本明細書で予期され
るポリペプチドと呼ばれる、選択されたORFにより実際
にコードされるものであるかどうかを決定することがで
きる。このような方法は、そのアミノ酸配列、そのサイ
ズまたはその電荷を含むがその限りではない、発現した
ポリペプチドの予測しうる特徴の決定、およびこれらの
特徴と、予期されるポリペプチドに関して予測された特
徴との比較に基づく。以下のパラグラフに、このような
方法の例を示す。
【0161】これらの方法の1つは、発現したポリペプ
チドのアミノ酸配列の少なくとも一部を、当業者に周知
のいずれかの技術を使用して決定することを含む。たと
えば、N-末端残基が逐次標識され、目的のポリペプチド
から切断される、ポリペプチドのEdman分解に基づく自
動化技術を使用して、アミノ-末端の残基を決定するこ
とが可能である(Stryer, Exploring Proteins in Bioc
hemistry, Freeman andCompany, New York,(1995)参
照)。次いで、その中に記載されているいずれかのアル
ゴリズムおよびパラメータを使用して、発現したポリペ
プチドのアミノ酸配列を、予期されるポリペプチドにつ
いて予測されるアミノ酸配列と比較してもよい。
【0162】あるいは、クーマシーブルーまたは銀染色
等の当業者に周知の技術を使用して、発現したポリペプ
チドのサイズを決定し、続いて、予期されるポリペプチ
ドについて予測されるサイズと比較してもよい。一般
に、発現したポリペプチドに対応するバンドは、伸長cD
NAのオープンリーディングフレーム内のアミノ酸の数に
基づいて予期されるものに近い移動度を有する。しか
し、バンドは、グリコシル化、ユビキチン化、または酵
素的切断等の、修飾の結果として予期されるものとは異
なる移動度を有する可能性がある。
【0163】あるいは、実施例33に記載の通り、予期さ
れるポリペプチドに対する特異的抗体または抗ペプチド
を生成し、これを使用して、発現したポリペプチドに対
する免疫ブロット研究または免疫沈降研究を実施するこ
とが可能である。関連のないポリペプチドをコードする
発現ベクターを含む細胞から得たサンプルに存在しない
バンドが、伸長cDNAを含む発現ベクターを含む細胞から
得たサンプルに存在することは、予期されるポリペプチ
ドまたはその一部が発現していることを示す。一般に、
発現したポリペプチドに対応するバンドは、伸長cDNAの
オープンリーディングフレーム内のアミノ酸の数に基づ
いて予期されるものに近い移動度を有する。しかし、バ
ンドは、グリコシル化、ユビキチン化、または酵素的切
断等の、修飾の結果として予期されるものとは異なる移
動度を有する可能性がある。
【0164】実施例11 5'ESTにおける潜在的シグナル配列の同定 次いで、潜在的シグナルモチーフを同定するために、Vo
n Heijne(Nucleic Acids Res. 14:4683-4690, 1986)
に開示されている手順に一部修正を加えたものを使用し
て、ORFを含有することが確認された5'ESTまたはコンセ
ンサスコンティグ化5'ESTを検索した。Von Heijneシグ
ナルペプチド同定マトリックスで少なくとも3.5のスコ
アを有するペプチドをコードしている配列を、シグナル
配列を有すると考えた。
【0165】実施例12 5'ESTにおける潜在的シグナル配列の同定精度の確認 全てのヒトSwissProtタンパク質のN末端に位置する43
のアミノ酸に本方法を適用することによって、シグナル
ペプチドをコードしているシグナル配列を同定するため
の上記手順の精度を評価した。各タンパク質のコンピュ
ータ処理したVon Heijneスコアを、分泌タンパク質また
は非分泌タンパク質であるとして、タンパク質の既知の
特性決定と比較した。この方法で、3.5より高いスコア
を有する(偽陽性)非分泌タンパク質数および3.5より
低いスコアを有する(偽陰性)分泌タンパク質数を算出
することができた。
【0166】上述の分析結果を使用して、mRNAの5'領域
によりコードされるペプチドが、実際に、そのVon Heij
neスコアに基づいた真のシグナルペプチドである確率
を、ヒトタンパク質の10%が分泌されるという仮説また
はヒトタンパク質の20%が分泌されるという仮説のい
ずれかに基づいて算出した。この分析結果を、図2に示
す。
【0167】上述の分泌タンパク質同定方法を使用し
て、分泌されることが判明している以下のポリペプチド
の5'ESTを取得した:ヒト・グルカゴン、γインターフ
ェロン誘導性モノカイン前駆体、分泌されたシクロフィ
リン様タンパク質、ヒト・プレイオトロピン(plei
otropin)、およびヒト・ビオチニダーゼ前駆
体。従って、上述の方法は、シグナルペプチドをコード
する5'ESTを首尾よく同定した。
【0168】5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'E
STによりコードされるシグナルペプチドが、シグナルペ
プチドとして実際に機能することを確認するために、5'
ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTからのシグナ
ル配列を、シグナルペプチドの同定用に設計されたベク
ターにクローニングすることが可能である。このような
ベクターは、機能し得る形で連結されたシグナル配列を
有するベクターを含有する宿主細胞のみに、選択培地で
増殖する能力を与えるように設計されている。たとえ
ば、5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTが真の
シグナルペプチドをコードすることを確認するために
は、5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTのシグ
ナル配列を、米国特許第5,536,637号に記載されている
ようなシグナルペプチド選択ベクター中の非分泌型酵母
インベルターゼ遺伝子の上流に読取り枠が合うように挿
入すればよい。正確に挿入された5'ESTシグナル配列ま
たはコンセンサスコンティグ化5'ESTシグナル配列を含
むシグナル配列選択ベクターを含有する宿主細胞が増殖
することによって、5'ESTまたはコンセンサスコンティ
グ化5'ESTが真のシグナルペプチドをコードすることが
確認される。
【0169】あるいは、シグナルペプチドの存在は、ES
Tまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTを用いて得られ
る伸長cDNAを、以下に記載するpXT1等の発現ベクターに
クローニングするか、シグナルペプチドとアッセイ可能
なレポータータンパク質との間に融合タンパク質をコー
ドするプロモーター-シグナル配列-レポーター遺伝子ベ
クターを構築することによって確認することが可能であ
る。適当な宿主細胞(たとえば、COS細胞やNIH 3T3細
胞)にこれらのベクターを導入した後、増殖培地を回収
して、分泌されたタンパク質の有無について分析するこ
とが可能である。これらの細胞から得られる培地を、シ
グナル配列または伸長cDNAインサートが欠如しているベ
クターを含有する対照細胞から得られる培地と比較し
て、機能的シグナルペプチドまたは真の分泌タンパク質
をコードするベクターを同定する。
【0170】実施例13 本発明の配列の分析 実施例9に記載の通りに、本発明の核酸配列のセット
(配列番号24〜3883および7744〜19335)を取得した。
続いて、実施例10および11に記載の通りに、本発明の
全配列について、最も有望なオープンリーディングフレ
ームを決定し、シグナル配列を検索した。
【0171】配列番号24〜3883および7744〜19335のヌ
クレオチド配列ならびに配列番号24〜3883によりコード
されている好ましいポリペプチド配列(すなわち、配列
番号3884〜7743のポリペプチド配列)を、添付の配列リ
ストに示す。さらに、表1の第1欄には、本発明の各核
酸配列をその配列同定番号によって表し、対応する各オ
ープンリーディングフレームについて、最初のコドンお
よび最後のコドンの位置を第2欄に提供する。表2の第
1欄には、本発明の各コンセンサスコンティグ化5'ESTを
配列同定番号によって表わし、このコンセンサスコンテ
ィグ化5'ESTを得るために使用した生物学的5'ESTの位置
のリストを、第2欄に示す。たとえば、第1欄が250を
示し、第2欄が1-120;6-230;200-350を示す場合、これ
は、配列番号250のコンセンサスコンティグ化5'ESTを、
コンセンサスコンティグ化5'ESTの1〜120位と一致する
第1のもの、コンセンサスコンティグ化5'ESTの6〜230
位と一致する第2のもの、コンセンサスコンティグ化5'
ESTの200〜350位と一致する第3のものの、3つの異な
る5'ESTからコンピュータ処理したことを意味する。
【0172】
【表1】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【表2】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 配列番号24〜3883および7744〜19335の核酸配列の1つ
が、1つまたは複数の不正確なまたは曖昧なヌクレオチ
ドを含むことが疑われる場合、評価すべきヌクレオチド
を含むフラグメントを再度配列決定することにより、曖
昧性を容易に解消することができる。1つまたは複数の
不正確なまたは曖昧なヌクレオチドが検出された場合、
配列が単離されたクラスターに、正確な配列を含め、こ
れを使用して、他のORFが同定されるであろう他のコン
センサスコンティグ化配列をコンピュータ処理すべきで
ある。配列決定エラーまたは曖昧性を解消するための核
酸フラグメントは、寄託されたクローンから取得しても
よく、本明細書に記載の技術を使用して単離してもよ
い。このような曖昧性またはエラーの解消は、曖昧な配
列またはエラーを含む配列の近くに位置する配列にハイ
ブリダイズするプライマーを使用することによって促進
することができる。たとえば、プライマーは、曖昧性ま
たはエラーのある50〜75塩基以内の配列にハイブリダ
イズすればよい。エラーまたは曖昧性が解消すれば、エ
ラーまたは曖昧性を含むDNAによりコードされるタンパ
ク質配列中で、対応する訂正を行うことができる。ある
特定のクローンによりコードされるタンパク質のアミノ
酸配列も、適当な宿主細胞におけるそのクローンの発
現、タンパク質の回収、およびその配列の決定によっ
て、決定することができる。
【0173】さらに、配列番号3884〜7743の配列の1つ
が、その配列におけるフレームシフトの結果として、先
端が切られたORFを含むことが疑われる場合、下記の2
つの方法を併用することにより、このようなフレームシ
フト性エラーを修正することが可能である。最初の方法
は、全ての二重予測、すなわち、異なるリーディングフ
レーム上に位置する2つのORFについて、実施例10で定
義した確率スコアが高く且つ近い、好ましくは0.4未満
異なるあらゆるケースの徹底的な試験を含む。2つの可
能なORFが重複する領域の精密な試験は、フレームシフ
トの検出に役立ち得る。第2の方法では、既知のタンパ
ク質との相同性を使用して、疑われるフレームシフトを
修正する。
【0174】同定されたクラスターのうち幾つかは、多
重変異体であること、すなわち、同一遺伝子の幾つかの
変異体を含むことが証明された。表3は、内部リファレ
ンスによって名づけられた各多重変異体クラスター(第
1欄)、すべての変異体コンセンサスコンティグ化5'ES
Tのリスト(第2欄)を示し、それぞれ、異なる配列番
号で表されている。
【0175】
【表3】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 実施例14 5'ESTおよびコンセンサスコンティグ化5'ESTの分類 下記の通りに、本発明の核酸配列(配列番号24〜3883お
よび7744〜19335)を、既知の配列との相同性に基づい
て分類した。全ての配列を、EMBLリリース58およびGens
eqn(Derwentの特許を受けた核酸のデータベース)リリ
ース35.3またはリリース36に存在する全ての脊椎動物の
核酸配列と比較した。本発明の配列は多数であるため、
本発明のポリヌクレオチドと公的配列との比較を、15日
の時間枠で実施したこと、すなわち、最初の配列は、Ge
neseqnリリース35.3と比較し、最後の配列は、Geneseqn
リリース36と比較したことを意味することに留意された
い。EMBL脊椎動物配列との比較は、反復配列のマスキン
グ後に、blastnとパラメータ(S=108およびX=16)に
続いてfastaを使用して実施した。Geneseqnとの比較
は、反復配列のマスキング後に、blastnとパラメータ
(S=108およびX=16)を使用して実施した。
【0176】最小30ヌクレオチドが95%の同一性または1
00%の同一性で一致するもの全てを回収し、それぞれ、
コンピュータによる表4aおよび表4bの作成に使用し
た。表4aおよび表4bは、第1欄に、本発明の各配列を
配列番号によって表わし、「好ましいフラグメントの位
置」という表題の第2欄に、それらの好ましいフラグメ
ントの位置を表す。これらの好ましいフラグメントは、
上述のアルゴリズム、パラメータおよび基準によって、
公的に入手可能な脊椎動物配列のいずれとも一致しない
新規なフラグメントである。本明細書で使用する用語
「表4aおよび表4bに記載のポリヌクレオチド」は、こ
のような方式で、表4aおよび表4bに明示されている好
ましいポリヌクレオチドフラグメントの全てを指す。
【0177】
【表4】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】 【他/】
【他/】 【他/】 【他/】
【他/】
【他/】
【他/】 用語「更新された、表4aおよび表4bに記載のポリヌク
レオチド」は、本出願の提出日現在、EMBLデータベース
およびDerwentデータベースの最近の最新情報を使用し
て好ましいフラグメントを明示したこと以外は、上述の
方式で明示された好ましいポリヌクレオチドフラグメン
トの全てを指す。
【0178】本発明は、少なくとも8、10、12、15、1
8、20、25、35、40、50、70、80、100、250、または500
ヌクレオチドの長さの連続したスパンが、表4aおよび
表4bに記載されているポリヌクレオチドの個々のポリ
ヌクレオチド、またはそれに相補的な配列の長さと一致
する程度まで、これらの長さの連続したスパンからなる
か、本質的になるか、またはこれを含み、表4aおよび
表4bに記載されている上記ポリヌクレオチドが、表4a
および表4bに記載されているポリヌクレオチドから個
々に選択されるか、任意に組み合わせて選択される、単
離された、精製された、または組換え型の核酸を含む。
特に、本発明は、少なくとも8、10、12、15、18、20、2
5、35、40、50、70、80、100、250、または500ヌクレオ
チドの長さの連続したスパンが、表4aおよび表4bに記
載されているポリヌクレオチドの個々のポリヌクレオチ
ド、またはそれに相補的な配列の長さと一致する程度ま
で、これらの長さの連続したスパンからなるか、本質的
になるか、またはこれを含み、表4aおよび表4bに記載
されている上記ポリヌクレオチドが、表4aおよび表4b
に記載されているポリヌクレオチドから個々に選択され
るか、任意に組み合せて選択される、単離された、精製
された、または組換え型の脊椎動物核酸を含む。特に、
本発明は、少なくとも8、10、12、15、18、20、25、3
5、40、50、70、80、100、250、または500ヌクレオチド
の長さの連続したスパンが、表4aおよび表4bに記載さ
れているポリヌクレオチドの個々のポリヌクレオチド、
またはそれに相補的な配列の長さと一致する程度まで、
これらの長さの連続したスパンからなるか、本質的にな
るか、またはこれを含み、表4aおよび表4bに記載され
ている上記ポリヌクレオチドが、表4aおよび表4bに記
載されているポリヌクレオチドから個々に選択される
か、任意に組み合わせて選択される、単離された、精製
された、または組換え型のヒト核酸を含む。
【0179】本発明は、表4aおよび表4bに記載されて
いるポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列を含
むか、それからなるか、本質的にそれからなり、上記ポ
リヌクレオチドが、表4aおよび表4bに記載されている
ポリヌクレオチドから個々に選択されるか、任意に組み
合わせて選択される、単離された、精製された、または
組換え型の核酸も含む。特に、本発明は、表4aおよび
表4bに記載されているポリヌクレオチド、またはそれ
に相補的な配列を含むか、それからなるか、本質的にそ
れからなり、上記ポリヌクレオチドが、表4aおよび表
4bに記載されているポリヌクレオチドから個々に選択
されるか、任意に組み合わせて選択される、単離され
た、精製された、または組換え型の脊椎動物核酸を含
む。特に、本発明は、表4aおよび表4bに記載されてい
るポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列を含む
か、それからなるか、本質的にそれからなり、上記ポリ
ヌクレオチドが、表4aおよび表4bに記載されているポ
リヌクレオチドから個々に選択されるか、任意に組み合
わせて選択される、単離された、精製された、または組
換え型のヒト核酸を含む。
【0180】本発明は、少なくとも8、10、12、15、1
8、20、25、35、40、50、70、80、100、250、または500
ヌクレオチドの長さの連続したスパンが、表4aおよび
表4bに記載されているポリヌクレオチドの個々のポリ
ヌクレオチド、またはそれに相補的な配列の長さと一致
する程度まで、これらの長さの連続したスパンからなる
か、本質的になるか、またはこれを含み、表4aおよび
表4bに記載されている上記ポリヌクレオチドが、更新
された表4aおよび表4bに記載されているポリヌクレオ
チドから個々に選択されるか、任意に組み合わせて選択
される、単離された、精製された、または組換え型の核
酸を含む。特に、本発明は、少なくとも8、10、12、1
5、18、20、25、35、40、50、70、80、100、250、また
は500ヌクレオチドの長さの連続したスパンが、表4aお
よび表4bに記載されているポリヌクレオチドの個々の
ポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列と一致す
る程度まで、これらの長さの連続したスパンからなる
か、本質的になるか、またはこれを含み、表4aおよび
表4bに記載されている上記ポリヌクレオチドが、更新
された表4aおよび表4bに記載されているポリヌクレオ
チドから個々に選択されるか、任意に組み合わせて選択
される、単離された、精製された、または組換え型の脊
椎動物核酸を含む。特に、本発明は、少なくとも8、1
0、12、15、18、20、25、35、40、50、70、80、100、25
0、または500ヌクレオチドの長さの連続したスパンが、
表4aおよび表4bに記載されているポリヌクレオチドの
個々のポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列の
長さと一致する範囲まで、これらの長さの連続したスパ
ンからなるか、本質的になるか、またはこれを含み、表
4aおよび表4bに記載されている上記ポリヌクレオチド
が、更新された表4aおよび表4bに記載されているポリ
ヌクレオチドから個々に選択されるか、任意に組み合わ
せて選択される、単離された、精製された、または組換
え型のヒト核酸を含む。
【0181】本発明は、表4aおよび表4bに記載されて
いるポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列を含
むか、それからなるか、本質的にそれからなり、上記ポ
リヌクレオチドが、更新された表4aおよび表4bに記載
されているポリヌクレオチドから個々に選択されるか、
組み合わせて選択される、単離された、精製された、ま
たは組換え型の核酸も含む。特に、本発明は、表4aお
よび表4bに記載されているポリヌクレオチド、または
それに相補的な配列からなるか、本質的にそれからな
り、上記ポリヌクレオチドが、更新された表4aおよび
表4bに記載されているポリヌクレオチドから個々に選
択されるか、任意に組み合わせて選択される、単離され
た、精製された、または組換え型の脊椎動物核酸を含
む。特に、本発明は、表4aおよび表4bに記載されてい
るポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列からな
るか、本質的にそれからなり、上記ポリヌクレオチド
が、更新された表4aおよび表4bに記載されているポリ
ヌクレオチドから個々に選択されるか、任意に組み合わ
せて選択される、単離された、精製された、または組換
え型のヒト核酸を含む。
【0182】III.5'ESTまたは伸長cDNAに対応するmRNA
の空間的発現および時間的発現の評価 以下の実施例15に記載の通り、配列番号24〜3883および
7744〜19335のそれぞれも、その対応するmRNAを取得し
た組織に基づいて分類した。
【0183】実施例15 5'ESTを取得したmRNAの発現パターン 表5は、第1欄に、本発明の各核酸配列(配列番号24〜
3883および7744〜19335)の空間的分布を内部呼称によ
って示し、第2欄に、コンセンサスコンティグ化5'EST
の作製に使用した個々の5'ESTの、組織当たりの数を示
す。従って、単集合は、1つの組織からの1つの5'EST
によって表される。表5に記載の各タイプの組織は、文
字によりコードされている。文字コードと組織型との間
の対応を表6に示す。たとえば、第1欄に47が記載さ
れ、第2欄に下記のリスト: A:1 C:4F:3が記載されてい
る場合、これは、配列番号47のコンセンサスコンティグ
化5'ESTを、脳からの1つの5'EST、胎児腎からの4つの
5'EST、および肝からの3つの5'ESTから得たことを意味
する。
【0184】
【表5】
【表6】 下記の統計学的解析を使用して、各クラスターにおける
所与の組織の生物学的5'ESTの相対的比率を比較するこ
とにより、本発明の配列の空間的分布における偏りを調
査した。2項分布の通常の近似化を使用して、所与の組
織における所与のクラスターの5'ESTの過少呈示または
過剰呈示を実施した。χ二乗アッセイにより、所与のコ
ンセンサスにおいて、観測された所与の組織の5'ESTの
比率が、1%未満の無作為に現れる確率を有していたと
き、度数の偏りを、「低い」または「高い」と報告し
た。結果を、下記の表7に示す。組織分布における偏り
を示す、各コンセンサスコンティグ化5'ESTについて、
第1欄にその配列同定番号を示し、若干の5'ESTが過少
呈示された組織のリストを、「低頻度」という表題の第
2欄に示し、若干の5'ESTが過剰呈示された組織のリス
トを、「高頻度」という表題の第3欄に示す。
【0185】
【表7】
【他/】
【他/】
【他/】 5'ESTおよびコンセンサスコンティグ化5'ESTを、それら
の起源である組織に関して分類するほかにも、以下の実
施例16に記載の通りに、5'ESTおよびコンセンサスコン
ティグ化5'ESTに対応するmRNAsの空間発現パターンおよ
び時間発現パターン、ならびにそれらの発現レベルを決
定することが可能である。
【0186】以下でさらに詳細に検討を加えるが、これ
らのmRNAの空間的発現パターン、時間的発現パターンお
よび発現レベルを特性決定することは、所望の空間的方
式または時間的方式で、所望のレベルの遺伝子産物を産
生することができる発現ベクターの構築に有用である。
【0187】さらに、対応するmRNAが疾患状態に関与す
る5'ESTおよびコンセンサスコンティグ化5'ESTも同定す
ることが可能である。たとえば、ある特定の疾患は、5'
ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTに対応するmR
NAの発現の欠如、過剰発現、または過少発現に起因する
と考えられる。健常者から採取したサンプルにおけるmR
NAの発現パターンと量を、ある特定の疾患に罹患した個
体のものと比較することによって、その疾患の原因であ
る5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTを同定す
ることが可能である。
【0188】上述の5'ESTおよびコンセンサスコンティ
グ化5'ESTに関する特性決定手順の結果が、5'ESTおよび
コンセンサスコンティグ化5'ESTに隣接する配列を含む
伸長cDNA(下記の通りに得られる)にもあてはまること
は明らかであろう。また、必要に応じて、5'ESTまたは
コンセンサスコンティグ化5'EST自体を特性決定するよ
りむしろ、伸長cDNAが得られるまで特性決定を遅らせて
もよいことも明らかであろう。
【0189】実施例16 EST関連核酸に対応するmRNAの発現レベルおよび発現パ
ターンの評価 国際特許出願第WO97/05277号(参照によりその全体が本
明細書に組み入れられる)に記載の長いプローブを用い
た溶液ハイブリダイゼーションで、EST関連核酸に対応
するmRNAの発現レベルおよび発現パターンを分析するこ
とが可能である。簡単に記述すると、特性決定すべきmR
NAをコードしている遺伝子に対応する、EST関連核酸、E
ST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグ
メント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラ
グメントを、バクテリオファージ(T3、T7またはSP6)R
NAポリメラーゼプロモーターのすぐ下流のクローニング
部位に挿入して、アンチセンスRNAを作製する。EST関連
核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置
的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメント
のフラグメントは、100以上のヌクレオチドの長さであ
ることが好ましい。プラスミドを線状にし、修飾リボヌ
クレオチド(すなわち、ビオチン-UTPおよびDIG-UTP)
を含むリボヌクレオチドの存在下で転写する。この二重
に標識した過剰のRNAを、溶液中で、目的の細胞または
組織から単離したmRNAとハイブリダイズさせる。標準的
なストリンジェント条件下で(80%ホルムアミド、0.4M
NaCl緩衝液(pH7〜8)中、40〜50℃で16時間)、ハ
イブリダイゼーションを行う。一本鎖RNAに特異的なリ
ボヌクレアーゼ(すなわち、RNaseCL3、T1、PhyM、U2ま
たはA)で消化することによって、ハイブリダイズして
いないプローブを除去する。ビオチン-UTP修飾が存在す
れば、ストレプトアビジンを被覆したマイクロタイター
プレート上にハイブリッドを捕捉することが可能にな
る。DIG修飾が存在すれば、アルカリホスファターゼに
結合させた抗DIG抗体を使用するELISAによって、ハイブ
リッドを検出および定量することが可能になる。
【0190】英国特許出願第2305241A(参照によりその
全体が本明細書に組み入れられる)に開示されている通
りに、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST
関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位
置的セグメントのフラグメントに、遺伝子発現の連続分
析(SAGE)用のヌクレオチド配列をタグ付けすることも
できる。この方法で、細胞、組織、生物、または遺伝子
発現パターンを決定しなければならない核酸の他の起源
から、cDNAを調製する。このようにして得られたcDNAを
2つのプールに分ける。各プール中のcDNAを、大部分の
cDNAに少なくとも一つ存在すると思われる認識部位を有
する第1の制限エンドヌクレアーゼ(アンカリング酵素
と呼ばれる)で切断する。切断されたcDNAの5'または3'
領域を最も多く含むフラグメントを、ストレプトアビジ
ン被覆ビーズのような捕捉媒体に結合させることによっ
て単離する。増幅プライマーをハイブリダイズさせるた
めの第1配列と、いわゆるタグ付きエンドヌクレアーゼ
に対する内部制限部位とを有する第1のオリゴヌクレオ
チドリンカーを、第1のプール中の消化cDNAに連結す
る。第2のエンドヌクレアーゼで消化して、cDNAから短
いタグ付きフラグメントを生成する。
【0191】増幅プライマーをハイブリダイズさせるた
めの第2の配列と内部制限部位とを有する第2のオリゴ
ヌクレオチドを、第2のプール中の消化cDNAに連結す
る。第2のプールのcDNAフラグメントも、タグ付きエン
ドヌクレアーゼで消化して、第2のプールのcDNAに由来
する短いタグフラグメントを生成する。アンカリング酵
素およびタグ付きエンドヌクレアーゼを用いた、第1の
プールおよび第2のプールの消化によって生じたタグを
互いに連結して、いわゆるジタグ(ditag)を生成す
る。一部の実施態様では、ジタグをコンカテマー化し
て、ジタグを2〜200含有する連結産物を生成する。次
いで、タグ配列を決定し、EST関連核酸、EST関連核酸の
フラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、また
はEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントの配
列と比較して、細胞、組織、生物、またはタグが由来す
る核酸の他の起源に、どの5'EST、コンセンサスコンテ
ィグ化5'ESTまたは伸長cDNAが発現されるかを決定す
る。この方法で、細胞、組織、生物、または核酸の他の
起源における5'EST、コンセンサスコンティグ化5'EST、
または伸長cDNAの発現パターンが得られる。
【0192】アレイを使用して、遺伝子発現の定量分析
を実施することも可能である。本明細書で使用する用語
「アレイ」は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメン
トの、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連
核酸の位置的セグメントのフラグメント、一次元、二次
元、または多次元の配列(arrangement)を意味する。
このEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関
連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置
的セグメントのフラグメントは、長さが少なくとも15ヌ
クレオチドであることが好ましい。さらに好ましくは、
EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核
酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セ
グメントのフラグメントは、少なくとも100ヌクレオチ
ドの長さである。さらに好ましくは、フラグメントは、
100ヌクレオチドを超える長さである。一部の実施態様
では、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST
関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位
置的セグメントのフラグメントは、長さが500ヌクレオ
チドを超えることもある。
【0193】たとえば、Schenaら(Science 270:467-47
0, 1995; Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A. 93:10614-106
19, 1996)により記載されている通り、相補的DNAマイ
クロアレイ中のEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメン
ト、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核
酸の位置的セグメントのフラグメントを用いて、遺伝子
発現の定量分析を実施することが可能である。EST関連
核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置
的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメント
のフラグメントをPCRで増幅し、高速ロボット工学を使
用して、96ウェルマイクロタイタープレートからシリル
処理した顕微鏡スライド上に配列させる。プリントされ
たアレイを湿潤チャンバ内でインキュベートしてアレイ
エレメントに再度水分を加え、0.2%SDS中で1分間1
回、水中で1分間2回および水素化ホウ素ナトリウム溶
液中で5分間1回すすぐ。このアレイを95℃の湯に2分
間沈め、0.2%SDSに1分間移し、水で2回すすぎ、風乾
し、25℃の暗所に保存する。
【0194】細胞または組織mRNAを単離するか購入し、
1ラウンドの逆転写によってプローブを調製する。プロ
ーブを、1cm2のマイクロアレイに、14×14mmのカバー
ガラス下、60℃で6〜12時間ハイブリダイズさせる。ア
レイを、低ストリンジェンシー洗浄用緩衝液(1×SSC
/0.2%SDS)中、25℃で5分間、次いで、高ストリンジ
ェンシー洗浄用緩衝液(0.1×SSC/0.2%SDS)中、室温
で10分間洗浄する。特注のフィルターセットを取り付け
た蛍光レーザー走査装置を使用して、0.1×SSC中でアレ
イを走査する。2つの独立したハイブリダイゼーション
の比率の平均をとることにより、正確な示差的発現の測
定値が得られる。
【0195】Pietuら(Genome Research 6:492-503, 19
96)により記載されている通り、相補的DNAアレイ中のE
ST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸
の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグ
メントのフラグメントを用いて、遺伝子発現の定量分析
を実施することも可能である。EST関連核酸、EST関連核
酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、
またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメント
をPCR増幅し、膜上にスポットする。次いで、様々な組
織または細胞に由来するmRNAを放射性ヌクレオチドで標
識する。制御条件でハイブリダイズさせて洗浄した後、
ハイブリダイズしたmRNAを、ホスホ-イメージングまた
はオートラジオグラフィで検出する。実験を2回実施
し、次いで、示差的に発現したmRNAの定量分析を実施す
る。
【0196】あるいは、Lockhartら(Nature Biotechno
logy 14: 1675-1680, 1996)およびSosnowskyら(Proc.
Natl. Acad. Sci. 94:1119-1123, 1997)により記載さ
れている通り、高密度ヌクレオチドアレイによって、ES
T関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸
の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグ
メントのフラグメントの発現分析を行うことができる。
EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核
酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セ
グメントのフラグメントの配列に対応する15〜50ヌクレ
オチドのオリゴヌクレオチドをチップ上に直接合成する
(Lockhartら、前掲)か、合成してからチップに処理す
る(Sosnowskyら、前掲)。オリゴヌクレオチドは、約
20ヌクレオチドの長さが好ましい。
【0197】ビオチン、ジゴキシゲニンまたは蛍光染料
等の、適当な化合物で標識したcDNAプローブを、適当な
mRNA集団から合成し、次いで、50〜100ヌクレオチドの
平均サイズまで無作為にフラグメント化する。次いで、
前述のプローブをチップにハイブリダイズさせる。Lock
hartら(前掲)に記載されている通りに洗浄し、異なる
電場を印加(Sonowskyら、前掲)した後、染料または標
識化合物を検出し、定量する。ハイブリダイゼーション
を2回実施する。異なるcDNAサンプル中の同一標的オリ
ゴヌクレオチド上のcDNAプローブに由来するシグナルの
強度を比較分析することで、オリゴヌクレオチド配列が
設計されるもととなった5'EST、コンセンサスコンティ
グ化5'ESTまたは伸長cDNAに対応するmRNAの示差的発現
がわかる。
【0198】IV.伸長cDNAのクローニングおよび対応す
るゲノムDNAのクローニングのための5'ESTまたはコンセ
ンサスコンティグ化5'ESTの使用 上述の手順を使用して、いったん、対応するmRNAの5'末
端を含む5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTを
選択するとその後は、それらを使用して、5'ESTまたは
コンセンサスコンティグ化5'ESTに隣接する配列を含む
伸長cDNAを単離することができる。この伸長cDNAは、真
の翻訳開始部位を含め、対応するmRNAによりコードされ
るタンパク質の全コード配列を含有してもよい。伸長cD
NAが分泌タンパク質をコードする場合、伸長cDNAは、シ
グナル配列、およびシグナルペプチドの切断後に残る成
熟タンパク質をコードする配列を含んでもよい。対応す
るmRNAによりコードされるタンパク質の全コード配列を
含む伸長cDNAを、本明細書で「全長cDNA」と呼ぶ。ある
いは、伸長cDNAは、対応するmRNAによりコードされるタ
ンパク質の全コード配列を含まなくてもよいが、5'EST
またはコンセンサスコンティグ化5'ESTに隣接する配列
を含む。分泌タンパク質をコードしているmRNAから伸長
cDNAが誘導される一部の実施態様では、伸長cDNAは、シ
グナルペプチドの切断後に残る成熟タンパク質をコード
している配列のみを含んでもよく、シグナルペプチドを
コードしている配列のみを含んでもよい。
【0199】以下の実施例17に、5'ESTまたはコンセン
サスコンティグ化5'ESTを使用して伸長cDNAを得るため
の一般的なPCRに基づく方法を説明する。以下の実施例1
8に、5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTSが由
来するmRNAをコードするゲノムDNA、5'ESTまたはコンセ
ンサスコンティグ化5'ESTが由来するmRNA、または5'EST
関連核酸と相同である核酸を得るための、ハイブリダイ
ゼーションに基づく方法を説明する。以下の実施例19
に、数種の分泌タンパク質に関する対応するmRNAの全コ
ード配列および真の5'末端を含む伸長cDNAを含む、数種
の伸長cDNAのクローニングおよび配列決定について説明
する。
【0200】実施例17および18の方法を使用して、5'ES
Tまたはコンセンサスコンティグ化ESTに対応する遺伝子
によりコードされるタンパク質の全コード配列より少な
い配列をコードする伸長cDNAを得ることもできる。一部
の実施態様では、これらの方法を使用して単離される伸
長cDNAは、配列番号24〜3883および7744〜19335の配列
によってコードされるタンパク質類のうちの1つのタン
パク質の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、5
0、75、100、または150個連続したアミノ酸をコードす
る。一部の実施態様では、これらの方法を使用して単離
される伸長cDNAは、配列番号24〜3883の配列によってコ
ードされるタンパク質類のうちの1つのタンパク質の少
なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、10
0、または150個連続したアミノ酸をコードする。
【0201】実施例17 対応するmRNAの全コード領域および真の5'末端を含む伸
長cDNAのクローニングおよび配列決定に5'ESTまたはコ
ンセンサスコンティグ化5'ESTを使用するための一般的
な方法 下記の一般的な方法を使用して、伸長cDNAの取得に使用
される5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTの配
列に隣接した配列を含む、伸長cDNAを迅速且つ効率よく
単離することが可能である。この方法は、分泌タンパク
質をコードしている5'ESTおよびコンセンサスコンティ
グ化5'ESTを含め、本発明の任意の5'ESTまたはコンセン
サスコンティグ化5'ESTに関する伸長cDNAを取得するの
に使用することができる。こ方法を、図3に示す。
【0202】1.伸長cDNAの取得 本方法は、mRNAの既知の5'配列を利用する。mRNAの3'末
端に対応するcDNAの末端に既知の配列を付加することが
可能な5'末端にヌクレオチド配列を含有するポリdTプラ
イマーを用いて、精製mRNAに逆転写反応を実施する。こ
のようなプライマーおよび市販の逆転写酵素酵素を緩衝
化mRNAサンプルに加え、RNAの3'ポリA部位に固定され
た逆転写物を生成する。耐熱性酵素を使用することが好
ましい。次いで、ヌクレオチドモノマーを加えて第1鎖
合成を完成させる。
【0203】第1cDNA鎖にハイブリダイズしたmRNAをア
ルカリ加水分解で除去した後、アルカリ加水分解の生成
物および残留ポリdTプライマーを、排除カラムで除去す
ることができる。
【0204】続いて、5'ESTまたはコンセンサスコンテ
ィグ化5'ESTの既知の5'配列、および第1鎖合成に使用
したポリdTプライマーによって付加された既知の3'末端
に基づいて、増幅すべきcDNAの各末端に、一対のネステ
ッド(nested)プライマーを設計する。プライマーの設
計に使用されるソフトウエアは、OSP(Illier and Gree
n, PCR Meth. Appl. 1:124-128, 1991)等の、GC含有量
およびオリゴヌクレオチド融解温度か、PC-Rare(http:
// bioinformatics.weizmann.ac.il/software/PC-Rare/
doc/manuel.html)等の、オクターマー頻度相違法(Gri
ffaisら, Nucleic Acids Res. 19: 3887-3891, 1991)
のいずれかに基づく。5'末端のネステッドプライマーお
よび3'末端のネステッドプライマーは、互いに4〜9塩
基離れていることが好ましい。PCRで使用するのに適し
た融解温度および特異性を有するように、これらのプラ
イマー配列を選択することが可能である。
【0205】ネステッドプライマー対のそれぞれに由来
する外側プライマーを使用して、第1のPCRを実施す
る。次いで、第1のPCR産物の少量のサンプルに対し
て、ネステッド対のそれぞれに由来する内側プライマー
を使用して、第2のPCRを実施する。その後、プライマ
ーおよび残りのヌクレオチドモノマーを除去する。
【0206】ネステッドPCR手順において一組のプライ
マーを使用しないで、増幅すべきcDNAの各末端のプライ
マーを使用して、単純なPCR反応を実施することもでき
ることは十分に理解される。しかし、この方法では、PC
R人工産物が生じる可能性があるため、ネステッドPCRプ
ロトコールが好ましい。
【0207】2.伸長cDNAまたはそのフラグメントの配
列決定 OSPソフトウエアを使用したPCR用に適合する5'ネステッ
ドプライマーの設計に対する位置の制約がないため、2
つのタイプのアンプリコンが得られる。第2の5'プライ
マーは翻訳開始コドンの上流に位置し、従って、コード
配列全体を含むネステッドPCR産物が生成することが好
ましい。以下のセクションaに記載の通り、このような
伸長cDNAを、直接クローニング手順に使用することがで
きる。しかし、第2の5'プライマーが翻訳開始コドンの
下流に位置し、その結果、ORFの一部のみを含むPCR産物
が生成する場合もある。このような不完全なPCR産物
を、以下のセクションbに記載されている改良された手
順に供する。
【0208】a)完全なORFを含むネステッドPCR産物 結果として得られるネステッドPCR産物が、5'EST配列ま
たはコンセンサスコンティグ化5'EST配列から予測され
るような、完全なコード配列を含むとき、セクション3
に記載の通り、そのPCR産物を適当なベクターにクロー
ニングする。
【0209】b)不完全なORFを含むネステッドPCR産物 アンプリコンが完全なコード配列を含まないとき、完全
なコード配列と、全コード配列を含むPCR産物の両者を
得るための中間ステップが必要である。異なるPCR産物
から直接決定される数個の部分的配列から、完全なコー
ド配列を組み立てることができる。
【0210】いったん、全コード配列が完全に決定され
ると、その後は、コード領域全部を含むアンプリコンを
得るために、PCR用に適合する新しいプライマーを設計
する。しかし、そのような場合、PCR用に適合する3'プ
ライマーは、対応するmRNAの3'UTRの内側に位置し、
従って、図3に図示する通り、この領域の一部(すなわ
ち、ポリA区域および時にはポリアデニル化シグナル)
が欠如したアンプリコンが生成する。次いで、セクショ
ン3に記載の通り、このような伸長cDNAを適当なベクタ
ーにクローニングする。
【0211】c)伸長cDNAの配列決定 Perkin Elmerから入手可能なAmpliTaq DNAポリメラーゼ
FSキットを用いたダイターミネーター(Die Terminato
r)法を使用して、伸長cDNAの配列決定を実施すること
ができる。
【0212】長いPCRフラグメントを配列決定するため
に、プライマーを選択するためのOSPのようなソフトウ
エア、および最初の5'タグを含む歩行配列のコンティグ
(contig)を構築するためのASMG(Suttonら、Genome S
cience Technol. 1: 9-19, 1995)のような自動化コン
ピュータソフトウエアを使用して、プライマ-歩行を実
施する。全長cDNAの配列が得られるまでプライマ-歩行
を実施することが好ましい。
【0213】所与の伸長cDNAフラグメントの配列決定の
完了は、配列長を、対応するネステッドPCR産物のサイ
ズと比較することによって、査定することが可能であ
る。ノーザンブロットデータを入手できるとき、所与の
PCR産物に関して検出されたmRNAのサイズを使用して、
配列が完全であることを最終的に査定することも可能で
ある。これらの基準を満たさない配列を除去し、新しい
単離手順に供する。
【0214】3.伸長cDNAのクローニング 次いで、全コード配列を含有するPCR産物を適当なベク
ターにクローニングする。たとえば、伸長cDNAを、当技
術分野で周知の任意の発現ベクター、たとえば、潜在的
に分泌されるタンパク質をコードしている伸長cDNA用の
pED6dpc2(DiscoverEase, Genetics Institute, Cambri
dge, MA)にクローニングすることができる。
【0215】次いで、クローン当たり少なくとも2つの
配列を得るために、クローニングPCR産物を完全に配列
決定する。下記の一部修正を加えた前述の手順に従っ
て、センス鎖とアンチセンス鎖の両者から配列を得るこ
とが好ましい。第1に、クローンの同一性を確認するた
めに、クローニングPCR産物の5'末端と3'末端の両者を
配列決定する。第2に、未だ、全コード領域が得られて
いなければ、プライマー歩行を実施する。次いで、クロ
ーニング産物については、プライマー歩行配列を使用
し、未クローニングPCR産物については、既にコンティ
グ化された歩行配列を使用して、コンティグ化を実施す
る。このようにして得られたコンティグが全コード領域
ならびに両端にベクターDNAを有する重複配列を含むと
き、配列は完全であると考えられる。次いで、各クロー
ニングアンプリコンに関する全てのコンティグ化配列を
使用して、コンセンサス配列を得る。
【0216】4.クローニング全長配列の選択 a)伸長cDNAのコンピュータ分析 汚染物質を同定し、反復をマスキングした後、続いて、
伸長cDNAの配列の構造上の特徴、たとえば、ポリAテイ
ルやポリアデニル化シグナルを、当業者に周知の方法を
使用して決定する。たとえば、図10に明示されているア
ルゴリズム、パラメータおよび基準を使用することがで
きる。簡単に説明すると、ポリAテイルは、せいぜい多
くて1つの代替塩基を中に含む、Aが少なくとも11個の
ホモポリマーストレッチであると定義される。ポリAテ
イル検索は、配列の最後の20ヌクレオチドに制限され、
11個連続したAのストレッチに限定されるが、それは、
このようなポリAストレッチの後は、しばしば配列決定
反応を読みとることができないためである。ポリアデニ
ル化シグナルについて検索するためには、全長配列から
ポリAテイルを切り取る。起こり得る配列決定エラーな
らびにポリアデニル化シグナルの規定の標準的な配列に
おける既知の変化の原因である1つの不一致を認めなが
ら、ポリAテイルの前の50ヌクレオチドを、規定の標準
的なポリアデニル化AAUAAAシグナルについて検索
する。
【0217】次に、伸長cDNAの配列の機能的特徴、たと
えばORFやシグナル配列を、下記の通りに決定する。翻
訳開始コドンで始まり、停止コドンで終わる最長フラグ
メントであると定義されるORFについて、伸長cDNAの上
部鎖フレーム3つを検索する。少なくとも80アミノ酸を
コードしているORFが好ましい。分泌タンパク質をコー
ドしている伸長cDNAが望まれる場合、実施例11に記載の
マトリックス法を使用して、シグナルペプチドの存在に
ついて、同定された各ORFを走査する。
【0218】次いで、伸長cDNAの配列を、提出時に入手
可能な公的配列と、ヌクレオチドベースまたはタンパク
質ベースで比較する。
【0219】b)目的の全長cDNAの選択 次いで、汚染物質またはPCR人工産物のいずれかに起因
する不要なクローニング配列を排除するために、下記の
通りに、陰性選択を実施することが可能である。ベクタ
ーDNA、tRNA、mtRNA、rRNA配列等の、汚染物質配列と一
致する配列、ならびに反復と広範囲にわたる相同性を示
すORF配列をコードするものを除去する。直接クローニ
ング(セクション1a)によって得られるが、ポリAテイ
ルが欠如している配列を除去することができる。ポリA
テイルの前(セクション1a)またはクローニング3'UTR
の末端の前(セクション1b)のいずれかで終わるORFの
みを選択することができる。分泌タンパク質をコードし
ている伸長cDNAが望まれる場合、シグナルペプチドを含
むORFが考えられる。加えて、サイズが20アミノ酸未満
または未成熟タンパク質サイズの25%未満である成熟タ
ンパク質等の好ましくない成熟タンパク質を含むORF
を、必要に応じて排除することができる。
【0220】次いで、下記の基準を使用して、数個のOR
Fを含む残りの各全長cDNAについて、ORFの予備選択を実
施してもよい。最長のORFが好ましい。分泌タンパク質
をコードしている伸長cDNAが望ましく、且つORFサイズ
が類似しているのであれば、選択されるORFは、シグナ
ルペプチドがVon Heijne方法による最高スコアを有する
ものである。
【0221】次いで、反復配列のマスキング後、全長cD
NAクローンの配列をペアで比較することができる。広範
な相同性を示す全長cDNA配列を、同じクラス内で、クラ
スター化することが可能である。次いで、各クラスター
を、内部プライミングまたは選択的スプライシングによ
り生じる配列、同一配列または数個のフレームシフトを
含む配列を検出するクラスター分析に供することが可能
である。両者が目的の配列を含む場合、両者とも選択さ
れる可能性がある、相同であるが別個のORFをコードし
ているクローンを検出するために、同じクラスに属する
クローン間で、選択を操作してもよい。
【0222】次いで、下記の基準を使用して、目的の配
列をコードしている全長cDNAクローンの選択を実施する
ことが可能である。構造パラメータ(最初のタグ、ポリ
アデニル化部位およびシグナル)を最初に確認する。次
いで、クローン配列が既知のヌクレオチド/タンパク質
配列と一致するかどうかを決定するために、また、後者
の場合、その被覆率(covering rate)およびその配列
が公になった期日を決定するために、既知の核酸および
タンパク質との相同性を調べる。ESTまたはゲノムDNA以
外の配列との広範な一致がなければ、あるいは、クロー
ン配列が、既に判明しているタンパク質をコードするmR
NAの選択的スプライシングにより生じるタンパク質をコ
ードしているような、実質的に新しい情報を提供するの
であれば、その配列を保存する。目的の配列を含むこの
ようなクローニング全長cDNAの例を、実施例19で説明
する。この手順の間に、キメラまたは二重インサートに
より生じる配列、または他の配列との相同性によって評
価されるような、染色体切断点に位置する配列を除去す
ることが可能である。
【0223】続いて、サブクローニング、PCR、またはi
n vitroオリゴヌクレオチド合成のような従来の技術を
使用して、上述の通りに調製された伸長cDNAを操作し、
伸長cDNAの所望の部分を含む核酸を得ることが可能であ
る。たとえば、当業者に周知の技術を使用して、全コー
ド配列のみを含む核酸を得ることができる。あるいは、
従来の技術を使用して、コード配列の部分のみを含む核
酸を得ることができる。分泌タンパク質をコードしてい
る核酸の場合、シグナルペプチドの切除後に残る成熟タ
ンパク質に関するコード配列のみを含む核酸、またはシ
グナルペプチドに関するコード配列のみを含む核酸を得
ることができる。
【0224】同様に、コードされたタンパク質に関する
コード配列の、任意の他の望ましい部分を含む核酸を得
ることも可能である。たとえば、核酸は、伸長cDNAの、
少なくとも10、15、18、20、25、28、30、35、40、50、
75、100、150、200、300、400、500、1000または2000個
連続した塩基を含んでもよい。
【0225】いったん、伸長cDNAが得られると、伸長cD
NAを配列決定し、伸長cDNAがコードするアミノ酸配列を
決定することができる。いったん、コードされたアミノ
酸配列が決定されると、遺伝子暗号の縮重を使用するだ
けで、そのタンパク質をコードする、多くの考え得るcD
NAを作成して同定することができる。たとえば、下記の
通りに、対立遺伝子の変異体または他の相同な核酸を同
定することができる。あるいは、所望のアミノ酸配列を
コードしている核酸を、in vitroで合成することができ
る。
【0226】好ましい実施態様で、cDNAが発現されるべ
き宿主生物に関する既知のコドンまたはコドン対優位を
使用して、コード配列を選択することが可能である。
【0227】対応するmRNAの真の5'末端ならびに対応す
るmRNAの完全なタンパク質コード配列を含むcDNAを得る
ためのPCRに基づく方法に加えて、伝統的なハイブリダ
イゼーションに基づく方法を使用することもできる。こ
れらの方法を使用して、5'ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5'ESTが由来するmRNAをコードするゲノムDNA、
5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'ESTが由来する
mRNA、またはEST関連核酸と相同な核酸を得ることもで
きる。特に、このような方法を使用して、5'ESTまたは
コンセンサスコンティグ化5'ESTが由来するmRNAの全コ
ード領域を含む伸長cDNAを得ることができる。以下の実
施例18に、このような方法の例を提供する。
【0228】実施例18 全コード領域を含む伸長cDNAおよび対応するmRNAの真の
5'末端、または伸長cDNAs、5'ESTまたはコンセンサスコ
ンティグ化5'ESTに相同な核酸を取得する方法 実施例1〜5に記載の方法を使用して、全長cDNAライブ
ラリーを作成することができる。あるいは、cDNAライブ
ラリーまたはゲノムDNAライブラリーを商業的ソースか
ら入手してもよく、または当業者に周知の技術を使用し
て作成してもよい。
【0229】下記の通りに、このようなcDNAライブラリ
ーまたはゲノムDNAライブラリーを使用して、5'ESTまた
はコンセンサスコンティグ化5'ESTから取得した伸長cDN
A、または伸長cDNA、5'ESTまたはコンセンサスコンティ
グ化5'ESTに相同な核酸を単離することができる。cDNA
ライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーを、検出可
能なプローブにハイブリダイズさせる。この検出可能な
プローブは、5'EST、コンセンサスコンティグ化5'EST、
または伸長cDNAの、少なくとも10、15、18、20、25、2
8、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400また
は500個連続したヌクレオチドを含んでもよい。Sambroo
kら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2d E
d., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989(そ
の開示内容が、参照により本明細書に組み入れられ
る))には、所与のプローブ配列にハイブリダイズする
cDNAライブラリーのcDNAクローンを同定する技術が開示
されている。同じ技術を用いてゲノムDNAを単離でき
る。
【0230】簡単に説明すると、さらなる操作のため
に、下記の通りに検出可能なプローブにハイブリダイズ
するcDNAクローンまたはゲノムDNAクローンを同定し、
単離する。前のパラグラフに記載の検出可能なプローブ
は、検出可能な標識、たとえば、放射性同位元素または
蛍光分子で標識されている。プローブを標識する技術は
周知であり、ポリヌクレオチドキナーゼを用いたリン酸
化、ニックトランスレーション、in vitro転写、および
非放射性技術が含まれる。ライブラリー中のcDNAまたは
ゲノムDNAをニトロセルロースフィルターまたはナイロ
ンフィルターに移動させ、変性させる。非特異的部位を
遮断した後、このプローブにハイブリダイズすることが
できる配列を含むcDNAまたはゲノムDNAにプローブを結
合させるのに十分な時間、フィルターを標識プローブと
共にインキュベートする。
【0231】下記の通りに、検出可能なプローブにハイ
ブリダイズする伸長cDNAまたはゲノムDNAの同定に使用
されるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシ
ーを変えることによって、プローブとの相同性のレベル
が異なる伸長cDNAまたはまたはゲノムDNAを同定し、単
離することができる。
【0232】1.標識プローブと高度の相同性を有する
cDNA配列またはゲノムDNA配列の同定 プローブ配列と高度の相同性を有するcDNAまたはゲノム
DNAを同定するために、次式を使用して、プローブの融
解温度を算出することが可能である:14〜70ヌクレオ
チドの長さのプローブの場合、次式:Tm=81.5+16.6(log
(Na+))+0.41(画分G+C)-(600/N)(式中、Nはプローブ
の長さである)を使用して、融解温度(Tm)を算出す
る。
【0233】ホルムアミドを含有する溶液中でハイブリ
ダイゼーションを実施する場合、式:Tm=81.5+16.6(log
(Na+))+0.41(画分G+C)-(0.63%ホルムアミド)-(600/N)
(式中、Nはプローブの長さである)を使用して、融解
温度を算出することができる。
【0234】プレハイブリダイゼーションを、6X SSC、
5Xデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性されフラグ
メント化されたサケ精子DNA中、または6X SSC、5Xデン
ハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性されフラグメント
化されたサケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施するこ
とが可能である。Sambrookら(前掲)には、SSCおよび
デンハルト溶液に関する処方が記載されている。
【0235】検出可能なプローブを上記プレハイブリダ
イゼーション溶液に加えることによって、ハイブリダイ
ゼーションを実施する。プローブが二本鎖DNAを含む場
合、これを変性させてからハイブリダイゼーション溶液
に加える。プローブに相補的な配列またはプローブに相
同な配列を含む伸長cDNAまたはゲノムDNAとプローブを
ハイブリダイズさせるのに十分な時間、フィルターをハ
イブリダイゼーション溶液と接触させる。長さが200ヌ
クレオチドを超えるプローブの場合、Tmより15〜25℃低
い温度でハイブリダイゼーションを実施することが可能
である。オリゴヌクレオチドプローブのような、より短
いプローブの場合、Tmより15〜25℃低い温度でハイブリ
ダイゼーションを実施することが可能である。6X SSC中
でハイブリダイゼーションする場合、約68℃でハイブリ
ダイズすることが好ましい。50%ホルムアミド含有溶液
中でハイブリダイゼーションする場合、約42℃でハイブ
リダイズすることが好ましい。
【0236】前述のハイブリダイゼーションは全て、
「ストリンジェントな」条件下であると考えられるであ
ろう。
【0237】ハイブリダイゼーション後、フィルター
を、2X SSC、0.1%SDSで、室温にて15分間洗浄する。次
いで、このフィルターを、0.1X SSC、0.5%SDSで、室温
にて30分〜1時間洗浄する。その後、この溶液を、0.
1X SSC、0.5%SDSで、ハイブリダイゼーション温度にて
洗浄する。最終的な洗浄を、0.1X SSCで、室温にて実施
する。
【0238】プローブとハイブリダイズしたcDNAまたは
ゲノムDNAを、オートラジオグラフィまたは他の従来技
術で同定する。
【0239】2.標識プローブと低度の相同性を有する
cDNA配列またはゲノムDNA配列の取得 プローブ配列との相同性レベルが低いcDNAまたはゲノム
DNAを同定するために、上記手順を改変することが可能
である。たとえば、検出可能プローブとの相同性が低い
cDNAまたはゲノムDNAを取得するために、より低いスト
リンジェント条件を使用してもよい。たとえば、ナトリ
ウム濃度が約1Mのハイブリダイゼーション緩衝液中
で、ハイブリダイゼーション温度を、68℃から42℃まで
5℃ずつ下げてもよい。ハイブリダイゼーション後、ハ
イブリダイゼーション温度にて、2X SSC、0.5%SDSでフ
ィルターを洗浄してもよい。これらの条件は、50℃以上
で「中程度」条件、50℃未満で「低度」条件であると考
えられる。
【0240】あるいは、ホルムアミドを含む6X SSCのよ
うな緩衝液中、温度42℃で、ハイブリダイゼーションを
実施してもよい。この場合、プローブとの相同性レベル
が低いクローンを同定するために、ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液中のホルムアミド濃度を50%から0%まで5%
ずつ下げてもよい。ハイブリダイゼーション後、50℃の
6X SSC、0.5%SDSでフィルターを洗浄してもよい。これ
らの条件は、25%を超えるホルムアミドで「中程度」条
件、25%未満のホルムアミドで「低度」条件と考えられ
る。
【0241】プローブにハイブリダイズしたcDNAまたは
ゲノムDNAを、オートラジオグラフィで同定する。
【0242】3.取得したcDNAまたはゲノムDNAと、5'E
ST、コンセンサスコンティグ化5'EST、または伸長cDNA
との間の相同性の程度、あるいは、取得したcDNAまたは
ゲノムDNAによりコードされるポリペプチドと、5'EST、
コンセンサスコンティグ化5'EST、または伸長cDNAによ
りコードされるポリペプチドとの間の相同性の程度の決
定 ハイブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAと、プローブ
の起源である5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTま
たは伸長cDNAとの間の相同性のレベルを決定するため
に、ハイブリダイズした核酸のヌクレオチド配列と、プ
ローブの起源である5'EST、コンセンサスコンティグ化
5'ESTまたは伸長cDNAとを比較する。プローブの起源で
ある5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは伸長
cDNAの配列および検出可能なプローブにハイブリダイズ
したcDNAまたはゲノムDNAの配列を、以下に記載の、下
記のようなコンピュータ読取可能媒体に記憶し、当業者
に周知の様々なアルゴリズムのいずれかを使用して互い
に比較することができる。
【0243】ハイブリダイズするcDNAまたはゲノムDNA
によりコードされるポリペプチドと、プローブの起源で
ある5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは伸長
cDNAによりコードされるポリペプチドとの間の相同性の
レベルを決定するために、ハイブリダイズした核酸によ
りコードされるポリペプチド配列と、プローブの起源で
ある5'EST、コンセンサスコンティグ化5'ESTまたは伸長
cDNAによりコードされるポリペプチド配列とを比較す
る。プローブの起源である5'EST、コンセンサスコンテ
ィグ化5'ESTまたは伸長cDNAによりコードされるポリペ
プチドの配列および検出可能なプローブにハイブリダイ
ズしたcDNAまたはゲノムDNAによりコードされるポリペ
プチド配列を、下記のようなコンピュータ読取可能媒体
に記憶し、以下に記載の、当業者に周知の様々なアルゴ
リズムのいずれかを使用して互いに比較することができ
る。
【0244】当技術分野で周知の様々な配列比較アルゴ
リズムおよびプログラムのいずれかを使用して、タンパ
ク質および/または核酸配列相同性を評価することがで
きる。このようなアルゴリズムおよびプログラムとして
は、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、およびCLUSTALW
(Pearson and Lipman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 85(8):2444-2448; Altschulら、1990, J. Mol.
Biol. 215(3):403-410; Thompsonら、1994, Nucleic
Acids Res. 22(2):4673-4680; Higginstら、1996,
Methods Enzymol. 266:383-402; Altschulら、1990, J.
Mol. Biol. 215(3):403-410; Altschulら、1993, N
ature Genetics 3:266-272)が挙げられるが、決してこ
の限りではない。
【0245】特に好ましい実施態様において、当技術分
野で周知のBasic Local AlignmentSearch Tool(「BLAS
T」)を使用して、タンパク質および核酸配列相同性を
評価する(たとえば、Karlin and Altschul, 1990, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 87:2267-2268; Altschulら、
1990, J. Mol. Biol. 215:403-410; Altschulら、1993,
Nature Genetics 3:266-272; Altschulら、1997, Nuc.
Acids Res. 25:3389-3402を参照)。特に、5つの特殊
なBLASTプログラムを使用して、下記の作業を実施す
る: (1)BLASTPおよびBLAST3は、アミノ酸照会配列を、タ
ンパク質配列データベースと比較する。
【0246】(2)BLASTNは、ヌクレオチド照会配列
を、ヌクレオチド配列データベースと比較する。
【0247】(3)BLASTXは、照会ヌクレオチド配列
(両鎖)の概念上の6フレーム翻訳産物を、タンパク質
配列データベースと比較する。
【0248】(4)TBLASTNは、照会タンパク質配列
を、全6リーディングフレーム(両鎖)内の、翻訳され
たヌクレオチド配列データベースと比較する。
【0249】(5)TBLASTXは、ヌクレオチド照会配列
の6フレーム翻訳を、ヌクレオチド配列データベースの
6フレーム翻訳と比較する。
【0250】BLASTプログラムは、照会アミノ酸配列ま
たは核酸配列と、好ましくはタンパク質または核酸配列
データベースから取得した被験配列との間の、本明細書
で「高スコアセグメント対」と呼ぶ類似したセグメント
を同定することにより、スコアセグメント相同な配列を
同定する。スコアマトリックス(その多くは当技術分野
で周知である)により、高スコアセグメント対が同定さ
れる(すなわち、アラインメントされる)ことが好まし
い。好ましくは、使用するスコアマトリックスは、BLOS
UM62マトリックス(Gonnetら、1992, Science 256:1443
-1445; Henikoff and Henikoff, 1993, Proteins 17:49
-61)である。BLOSUM62マトリックスほど好ましくはな
いが、PAMマトリックスまたはPAM250マトリックスを使
用してもよい(たとえば、Schwartz and Dayhoff, ed
s., 1978, Matrices for DetectingDistance Relations
hips: Atlas of Protein Sequence and Structure, Was
hington: National Biomedical Research Foundation参
照)。
【0251】BLASTプログラムは、同定された全ての高
スコアセグメント対の統計学的有意性を評価し、使用者
指定パーセントの相同性等の、使用者が指定する有意性
の閾値を満足させるセグメントを好ましくは選択する。
Karlinの統計学的有意性の式(たとえば、Karlin and A
ltschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2267-
2268参照)を使用して、高スコアセグメント対の統計学
的有意性を評価することが好ましい。
【0252】試験した配列長および相同性の程度に応じ
て、上記アルゴリズムと一緒に使用されるパラメータを
改変することが可能である。一部の実施態様では、この
パラメータは、使用者からのインストラクションがない
条件で、アルゴリズムにより使用されるデフォルトパラ
メータであってもよい。
【0253】一部の実施態様において、Brutlagら(Com
p. App. Biosci. 6:237-245, 1990)に記載されているF
ASTDBアルゴリズムを使用して、ハイブリダイズした核
酸と、プローブの起源である伸長cDNA、5'EST、または
5'コンセンサスコンティグ化ESTとの間の相同性のレベ
ルを、決定することが可能である。このような分析で
は、このパラメータを、下記の通りに選択してもよい:
マトリックス=一段ユニタリ(Unitary)、kタプル(k
-tuple)=4、ミスマッチペナルティ(Mismatch Penalt
y)=1、連結ペナルティ(Joining Penalty)=30、無
作為化群長(Randomization Group Length)=0、カッ
トオフスコア(Cutoff Score)=1、間隙ペナルティ(G
ap Penalty)=5、間隙サイズペナルティ=0.05、どち
らが短くても、ウインドウサイズ=500またはプローブ
にハイブリダイズする配列の長さ。相同性レベルを算出
するとき、FASTDBプログラムは5'切断または3'切断を考
慮しないため、プローブにハイブリダイズする配列が、
プローブの起源である伸長cDNA、5'EST、またはコンセ
ンサスコンティグ化5'ESTの配列と比較して切り取られ
ている場合、ハイブリダイズ配列と一致しないか、また
はアラインメントしていない伸長cDNA、5'EST、または
コンセンサスコンティグ化5'ESTのヌクレオチドの数を
算出し、ハイブリダイズ配列の総ヌクレオチドのうち
の、一致しないまたはアラインメントしていないヌクレ
オチドを表すパーセンテージを決定し、このパーセンテ
ージを相同性レベルから差し引くことによって、相同性
レベルを手で調整する。たとえば、ハイブリダイズ配列
が700ヌクレオチドの長さであり、伸長cDNA、5'EST、ま
たはコンセンサスコンティグ化5'EST配列が1000ヌクレ
オチドの長さであれば、伸長cDNA、5'EST、またはコン
センサスコンティグ化5'ESTの5'末端における最初の300
塩基が、ハイブリダイズ配列に存在せず、重複する700
ヌクレオチドが同じである場合、相同性レベルは、下記
の通りに調整されるであろう。一致せず、アラインメン
トしなかった、300塩基は、伸長cDNA、5'EST、またはコ
ンセンサスコンティグ化5'ESTの長さの30%を表す。重複
する700ヌクレオチドが100%同じであれば、調整された
相同性レベルは、100-30=70%相同性となる。先の調整
は、一致しないまたはアラインメントされなかったヌク
レオチドが、5'末端または3'末端にあるときに行われる
に過ぎないことに留意すべきである。一致しないまたは
アラインメントしていない配列が内部にあるか、または
他の条件下にあれば、調整は行われない。
【0254】たとえば、上記方法を使用して、プローブ
の起源である伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコ
ンティグ化5'ESTと、少なくとも95%の核酸相同性、少な
くとも96%の核酸相同性、少なくとも97%の核酸相同性、
少なくとも98%の核酸相同性、少なくとも99%の核酸相同
性、または99%を超える核酸相同性を有する核酸を取得
および同定することができる。このような核酸は、対立
遺伝子変異体または他種に由来する関連核酸であっても
よい。同様に、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョン条件を次第に低くして、プローブの起源である伸長
cDNA、5'EST、またはコンセンサスコンティグ化5'EST
と、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%ま
たは少なくとも75%の相同性を有する核酸を取得して同
定することができる。
【0255】上記の方法およびFASTA等のアルゴリズム
を、試験した配列長および相同性の程度によって異なる
パラメータ、たとえば、使用者からのインストラクショ
ンがない条件で、アルゴリズムにより使用されるデフォ
ルトパラメータと一緒に使用して、プローブの起源であ
る伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコンティグ化
5'ESTによりコードされるタンパク質と、少なくとも99
%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少
なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なく
とも80%または少なくとも75%の相同性を有するタンパク
質をコードしている核酸を得ることができる。一部の実
施態様では、「デフォルト」オープニングペナルティ
(opening penalty)および「デフォルト」間隙ペナル
ティ、ならびにPAM250(標準スコアマトリックス;Dayho
ffら、Atlas of Protein Sequenceand Structure, Vol.
5, Supp. 3 (1978))等のスコアマトリックスを使用
して、相同性レベルを決定することができる。
【0256】あるいは、Brutlagら(Comp. App. Biosc
i. 6:237-245, 1990)により記載されているFASTDBアル
ゴリズムを使用して、ポリペプチド相同性のレベルを決
定することができる。このような分析では、下記の通り
にパラメータを選択することができる:マトリックス=
PAM0、kタプル=2、ミスマッチペナルティ=1、連結ペ
ナルティ=20、無作為化群長=0、カットオフスコア=
1、ウインドウサイズ=配列長、間隙ペナルティ=5、間
隙サイズペナルティ=0.05、どちらが短くても、ウイン
ドウサイズ=500または相同な配列の長さ。N末端および
/またはC末端欠失の結果として、相同なアミノ酸配列
が、伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコンティグ
化5'ESTによりコードされるアミノ酸配列より短けれ
ば、下記の通りに、その結果を手で修正する。第1に、
相同な配列と一致しないかまたはアラインメントしてい
ない伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコンティグ
化5'ESTによりコードされるアミノ酸配列のアミノ酸残
基の数を決定する。次いで、一致しないまたはアライン
メントしていないアミノ酸を表す伸長cDNA、5'EST、ま
たはコンセンサスコンティグ化5'ESTによりコードされ
る配列の長さのパーセンテージを算出する。このパーセ
ンテージを、相同性レベルから差し引く。たとえば、伸
長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコンティグ化5'EST
によりコードされるアミノ酸配列が100アミノ酸の長さ
であり、且つ相同な配列の長さが80アミノ酸である場
合、および伸長cDNAまたは5'ESTによりコードされるア
ミノ酸配列が、相同な配列に関してN末端で切断されて
いる場合、相同性レベルを下記の通りに算出する。先の
シナリオでは、伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサス
コンティグ化5'ESTによりコードされる配列中に、20個
一致しない、アラインメントしていないアミノ酸があ
る。これは、伸長cDNA、5'EST、またはコンセンサスコ
ンティグ化5'ESTによりコードされるアミノ酸配列の長
さの20%を表す。2つの配列の間で、残りのアミノ酸が1
005個同じであれば、相同性レベルは、100%-20%=80%相
同性となる。一致しないまたはアラインメントしていな
い配列が内部にあるかまたはいずれかの他の条件下にあ
る場合、調整は行われない。
【0257】次のパラグラフに略述する通り、5'ESTま
たはコンセンサスコンティグ化5'ESTを使用して伸長cDN
Aを取得するために、上述の方法に加えて、他のプロト
コルが利用される。
【0258】ポリA選択方法または当業者に周知の他の
技術を利用したmRNA調製方法を使用して、目的の組織、
細胞、または生物からmRNAを取得することによって、伸
長cDNAを調製することが可能である。mRNAのポリAテイ
ルにハイブリダイズすることができる第1のプライマー
を、このmRNAにハイブリダイズさせ、逆転写反応を実施
して、第1のcDNA鎖を生成する。
【0259】第1のcDNA鎖を、配列番号24〜3883および
7744〜19335の配列に由来する少なくとも10個連続した
ヌクレオチドを含む第2のプライマーにハイブリダイズ
させる。このプライマーは、配列番号24〜3883および77
44〜19335の配列に由来する少なくとも10、12、15、1
7、18、20、23、25、または28個連続したヌクレオチド
を含むことが好ましい。一部の実施態様において、プラ
イマーは、配列番号24〜3883および7744〜19335の配列
に由来する30個より多いヌクレオチドを含む。真の翻
訳開始部位を含む、全タンパク質コード配列を含む伸長
cDNAを取得することが望ましい場合、使用される第2の
プライマーは、翻訳開始部位の上流に位置する配列を含
む。第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を生成するた
めに、第2のプライマーを伸長する。あるいは、取得す
べきcDNAの両端に由来するプライマーを使用して、上述
の通りにRT-PCRを実施してもよい。
【0260】配列番号24〜3883および7744〜19335を含
むRNAの配列と、プライマーをmRNAにハイブリダイズす
るEST関連核酸のフラグメントに相補的なフラグメント
を含むプライマーとをハイブリダイズさせ、このハイブ
リダイズしたプライマーを逆転写してmRNAから第1のcD
NA鎖を作成することにより、mRNAの5'フラグメントを含
む伸長cDNAを調製することが可能である。このプライマ
ーは、配列番号24〜3883および7744〜19335に相補的な
配列の、少なくとも10、12、15、17、18、20、23、25、
または28個連続したヌクレオチドを含むことが好まし
い。
【0261】その後、第1のcDNA鎖に相補的な第2のcD
NA鎖を合成する。第1のcDNA鎖の配列に相補的なプライ
マーを第1のcDNA鎖にハイブリダイズさせ、プライマー
を伸長して第2のcDNA鎖を生成することによって、第2
のcDNA鎖を作成することが可能である。
【0262】上述の方法を使用して作成した二本鎖伸長
cDNAを単離してクローニングする。伸長cDNAを、適当な
宿主細胞で複製することができるプラスミドやウイルス
ベクター等のベクターにクローニングしてもよい。たと
えば、宿主細胞は、細菌、哺乳類、鳥類、または昆虫の
細胞であってもよい。
【0263】mRNAを単離し、mRNAにハイブリダイズした
プライマーを逆転写して第1のcDNA鎖を生成し、プライ
マーを伸長して第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を
作成し、二本鎖cDNAを単離して、二本鎖cDNAをクローニ
ングする技術は、当業者に周知であり、Current Protoc
ols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc.
1997 and Sambrookら、Molecular Cloning: A Laborato
ry Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Labo
ratory Press, 1989(その全開示内容が、参照により本
明細書に組み入れられる)に記載されている。
【0264】あるいは、全長cDNAまたは伸長cDNAを取得
するために、他の手順を使用してもよい。1つのアプロ
ーチでは、全長cDNAまたは伸長cDNAをmRNAから調製し、
下記の通りに、二本鎖ファージミドにクローニングす
る。次いで、ファージF1のGeneII産物のようなエンド
ヌクレアーゼ、およびエクソヌクレアーゼで処理するこ
とにより、二本鎖ファージミドのcDNAライブラリーを一
本鎖にする(Changら、Gene127:95-8, 1993)。EST関連
核酸のフラグメントの配列を含むビオチン化オリゴヌク
レオチドを、一本鎖ファージミドにハイブリダイズす
る。このフラグメントは、配列番号24〜3883および7744
〜19335の配列の少なくとも10、12、15、17、18、20、2
3、25、または28個連続したヌクレオチドを含むことが
好ましい。
【0265】ビオチン化オリゴヌクレオチドとファージ
ミドとの間のハイブリッドを、ハイブリッドをストレプ
トアビジン被覆常磁性ビーズと共にインキュベートし、
磁石を用いてビーズを回収することによって単離する
(Fryら、Biotechniques, 13:124-131, 1992)。その
後、このようにして得られたファージミドをビーズから
放出させ、ビオチン化オリゴヌクレオチドの設計に使用
された5'ESTまたはコンセンサスコンティグ化5'EST配列
に特異的なプライマーを使用して、二本鎖DNAに変換す
る。あるいは、Gene Trapperキット(Gibco BRL)のよ
うなプロトコルを使用してもよい。このようにして得ら
れた二本鎖DNAを、細菌に形質転換する。5'EST配列また
はコンセンサスコンティグ化5'EST配列を含む伸長cDNA
または全長cDNAを、コロニーPCRまたはコロニーハイブ
リダイゼーションにより同定する。
【0266】実施例19 伸長cDNAおよび全長cDNA 実施例17に記載の手順を使用して、様々な組織で、5'E
STに由来する伸長cDNAまたは全長cDNAを取得した。この
ようにして得られた若干の伸長cDNAの具体例を、下記の
リストに示す。
【0267】この手順を使用して、配列番号1(内部ID
番号58-34-2-E7-FL2)の全長cDNAを取得した。このcDNA
は、von Heijneスコアが5.5であるシグナルペプチドMWW
FQQGLSFLPSALVIWTSA(配列番号2)をコードする。
【0268】このアプローチを使用して、配列番号3
(内部ID番号48-19-3-G1-FL1)の全長cDNAを取得した。
このcDNAは、von Heijneスコアが8.2であるシグナルペ
プチドMKKVLLLITAILAVAVG(配列番号4)をコードする。
【0269】配列番号5(内部ID番号58-35-2-F10-FL2)
の全長cDNAも、この手順を使用して取得した。このcDNA
は、von Heijneスコアが10.7であるシグナルペプチドLW
LLFFLVTAIHA(配列番号6)をコードする。
【0270】さらに、伸長cDNAまたh全長cDNAによりコ
ードされるポリペプチドを、既知の構造モチーフまたは
機能的モチーフの存在について、またはタンパク質ファ
ミリーの構成員の中に十分に保存されている小さいアミ
ノ酸配列であるシグネチャー(signature)の存在につ
いて、スクリーニングすることが可能である。GCGパッ
ケージのProscanソフトウエアおよびProsite 15.0デー
タベースを使用して、既知のタンパク質シグネチャーお
よびモチーフの存在についてスクリーニングした、5'ES
Tから誘導された数種の全長cDNAによりコードされるポ
リペプチドに関して得られた結果を以下に示す。
【0271】配列番号7(内部呼称78-8-3-E6-CL0_1C)
の全長cDNAによりコードされ、成人前立腺で発現した配
列番号8のタンパク質は、特有のPROSITEシグネチャーを
示すホスファチジルエタノールアミン結合性タンパク質
に属する。線虫からハエ、酵母、囓歯類および霊長類種
までの、この広範囲におよぶファミリーに由来するタン
パク質は、疎水性リガンド、たとえば、リン脂質やヌク
レオチドを結合する。これらのタンパク質は、主として
脳および精巣において発現し、増殖および/または成
熟、精子成熟および運動性の調節、ならびに膜リモデリ
ングにおいてある一定の役割を果たすと考えられる。こ
れらのタンパク質は、シグナル伝達または酸化還元反応
のいずれかを介して作用する可能性がある(総説に関し
ては、Schoentgen and Jolles, FEBS Letters, 369:22-
26 (1995)参照)。合わせて考えると、以上のデータ
から、配列番号8のタンパク質は、増殖、成熟および膜
改造においてある一定の役割を果たし、且つ/またはオ
スの生殖能に関することが示唆される。従って、これら
のタンパク質は、癌、神経変性疾患、および/またはオ
スの繁殖力および不妊に関する疾患の診断および/また
は治療に有用な可能性がある。
【0272】配列番号9(内部呼称59-9-2-E6-FL0_1C)
の伸長cDNAによりコードされる配列番号10のタンパク質
は、ストマチン(stomatin)またはバンド7ファミリー
に属する。ヒト ストマチンは、膜骨格の結合複合体の
他のタンパク質と相互に作用することにより、陽イオン
伝導性を調節すると考えられる内在性膜リンタンパク質
である(Gallagher and Forget, J. Biol. Chem., 270:
26358-26363 (1995))。配列番号10のタンパク質は、
バンド7ファミリーシグネチャー特有のPROSITEシグネチ
ャーを示す。合わせて考えると、以上のデータから、配
列番号10のタンパク質は、イオン輸送の調節、従って、
細胞体積の調節においてある一定の役割を果たすことが
示唆される。このタンパク質は、ストマトサイト増加症
および/またはクリオヒドロサイト増加症(cryohydroc
ytosis)の診断および/または治療に有用な可能性があ
る。
【0273】配列番号11(内部呼称19-10-1-C2-CL13)
の伸長cDNAによりコードされる配列番号12のタンパク質
は、ウシNADH-ユビキノン酸化還元酵素複合体のサブユ
ニットB14.5B(Arizmendiら、FEBSLett., 313 : 80-84
(1992)およびSwissprot受託番号Q02827)と相同性を
示す。この複合体は、ミトコンドリアの電子伝達鎖を構
成する内部ミトコンドリア膜内に位置する4つの複合体
の最初のものである。複合体Iは、NADHの脱水素および
補酵素Qへの電子の伝達に関与する。複合体Iは、ミトコ
ンドリアゲノムによりコードされる7つのサブユニット
および核ゲノムによりコードされる34のサブユニットか
らなる。複合体Iは、アポトーシスおよび壊死の調節に
おいて、ある一定の役割を果たすとも考えられる。複合
体I欠乏に起因するミトコンドリアサイト細胞障害(Mit
ochondriocytopathies)には頻繁に遭遇し、脳(精神薄
弱、痙攣、運動障害)、心臓(心筋症、伝導障害)、腎
(ファンコーニ(Fanconi)症候群)、骨格筋(運動不
耐、筋虚弱、緊張低下)および/または眼(眼筋麻痺、
下垂症、白内障および網膜症)等の、高エネルギー要求
組織を冒す。複合体Iに関する総説については、Smeiti
nkら(Hum. Mol. Gent., 7 : 1573-1579 (1998))を
参照されたい。合わせて考えると、以上のデータから、
配列番号12のタンパク質は、ミトコンドリアのエネルギ
ー生成系の一部、恐らくNADH-ユビキノン酸化還元酵素
複合体のサブユニットとして、存在することが示唆され
る。従って、このタンパク質またはその中の一部は、脳
障害(精神薄弱、痙攣、運動障害)、心臓障害(心筋
症、伝導障害)、腎障害(ファンコーニ症候群)、骨格
筋障害(運動不耐、筋虚弱、緊張低下)および/または
眼障害(眼筋麻痺、下垂症、白内障および網膜症)を含
むが、この限りではない、幾つかの障害の診断および/
または治療に有用な可能性がある。
【0274】配列番号13(内部呼称77-13-1-C11-FL2_2
C)の伸長cDNAによりコードされる配列番号14のタンパ
ク質は、MEK結合パートナー1(Genbank供託番号AF08252
6)にちなんでMP1と名づけられたマウスタンパク質と広
範な相同性を示す。MP1は、マイトジェン活性化タンパ
ク質(MAP)キナーゼカスケードの酵素的活性化を増進
することが証明されている。MAPキナーゼ経路は、酵母
からヒトまでの全ての真核生物の中に保存されている重
要な酵素カスケードの1つである。この種の経路は、増
殖、分化およびアポトーシスの調節等の、生命の維持に
必要な機能に関与する。MP1は、逐次的に作用する2種
のキナーゼMEK1およびERK1の相互作用を促進することに
より作用すると考えられる(Schafferら、Science, 28
1:1668-1671(1998))。合わせて考えると、以上のデ
ータから、配列番号14のタンパク質は、シグナル伝達経
路におけるタンパク質-タンパク質相互作用の調節に関
与することが示唆される。従って、このタンパク質は、
癌、神経変性疾患、心血管障害、高血圧、腎傷害および
修復ならびに敗血症性ショックを含むがその限りではな
い、幾つかのタイプの障害の診断および/または治療に
有用な可能性がある。
【0275】上記の全長cDNAを含有するプラスミドを含
有する細菌クローンは、先に示した内部同定番号で本発
明者の研究室に現在保存されている。適切な細菌のクロ
ーンのアリコートを適切な培地で増殖させることによっ
て、寄託物からインサートを回収することができる。次
いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大量アルカリ溶
解プラスミド単離法等の、当業者に周知のプラスミド単
離手順を使用して、プラスミドDNAを単離することがで
きる。必要に応じて、塩化セシウム勾配上での遠心分
離、サイズ排除クロマトグラフィー、または陰イオン交
換クロマトグラフィーによって、プラスミドDNAを更に
濃縮することが可能である。次いで、当業者に周知の標
準的なクローニング技術を用いて、これらの手順を用い
て得られるプラスミドDNAを操作してもよい。あるい
は、5’ESTインサートの両末端で設計したプライマーを
用いてPCRを行うことができる。次いで、当業者に周知
の標準的なクローニング技術を用いて、5'ESTに対応す
るPCR産物を操作することができる。
【0276】セクションIVで上述した方法のいずれかを
使用して、全長タンパク質コード配列またはタンパク質
コード配列の一部を含む複数の伸長cDNAを、次に、コー
ドされたタンパク質を評価するためのcDNAライブラリー
として提供したり、下記のような診断用アッセイに使用
することができる。
【0277】V.EST関連核酸によりコードされるタンパ
ク質の発現 EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核
酸の位置的セグメント、およびEST関連核酸の位置的セ
グメントのフラグメントを使用して、それらがコードす
るポリペプチドを発現させることができる。特に、それ
らを使用して、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプ
チドのフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置的セ
グメント、またはEST関連ポリペプチドの位置的セグメ
ントのフラグメントを発現させることができる。一部の
実施態様において、EST関連核酸、EST関連核酸の位置的
セグメント、およびEST関連核酸の位置的セグメントの
フラグメントを使用して、分泌タンパク質の全ポリペプ
チド(すなわち、シグナルペプチドと成熟ポリペプチ
ド)、成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプチドの
切断後に生じるポリペプチド)、または分泌タンパク質
のシグナルペプチドを発現させることができる。必要に
応じて、シグナルペプチドをコードしている核酸を使用
して、発現したタンパク質の分泌を促進することができ
る。下記の通りに、複数のEST関連核酸、EST関連核酸の
フラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、また
はEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントを、
発現ベクターに同時にクローニングして、コードされた
タンパク質を分析するための発現ライブラリーを作成す
ることができることは明白であろう。
【0278】実施例20 5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’EST
に対応する遺伝子によってコードされるタンパク質の発
現 それらのコードされたタンパク質を発現するため、ES
T関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関
連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セ
グメントのフラグメントを、適切な発現ベクター内にク
ローニングする。一部のケースでは、EST関連ポリペ
プチド,EST関連ポリペプチドのフラグメント,ES
T関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連
ポリペプチドの位置セグメントのフラグメントをコード
する核酸を適切な発現ベクター内にクローニングするこ
とが可能である。
【0279】いくつかの実施態様においては、発現ベク
ター内に挿入された核酸は、24〜3883から成るグ
ループの中から選択された1つの配列のコード配列を含
むことができる。その他の実施態様においては、発現ベ
クター内に挿入された核酸は、配列番号1339〜20
59のうちの1つの全コード配列(すなわちシグナルペ
プチドおよび成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチ
ド)を含んでもよい。いくつかの実施態様においては、
発現ベクター内に挿入される核酸は、成熟ポリペプチド
(すなわち、シグナルペプチドの切断後に生成されるポ
リペプチドをコードするヌクレオチド)をコードする配
列番号1339−2059の配列のうちの1つの配列の
ヌクレオチドを含んでもよい。さらなる実施態様におい
ては、発現ベクター内に挿入された核酸は、発現された
タンパク質の分泌を容易にするべくシグナルペプチドを
コードする配列番号24−383および1339−20
59のヌクレオチドを含んでもよい。発現ベクター内に
挿入される核酸は、同様に、発現レベルを調節する配列
または組織特異的発現を付与する配列といったような、
シグナルペプチドをコードする配列の上流側の配列を含
んでもよい。
【0280】発現ベクター内に挿入される核酸は、配列
番号3884−7743の配列の1つを含むポリペプチ
ドをコードすることができる。いくつかの実施態様で
は、発現ベクター内に挿入される核酸は、配列番号51
99−5919のうちの1つの中に含まれる完全ポリペ
プチド配列(すなわちシグナルペプチドおよび成熟ポリ
ペプチド)をコードすることができる。その他の実施態
様においては、発現ベクター内に挿入される核酸は、配
列番号5199−5919の配列のうちの1つの中に含
まれる成熟ポリペプチド(すなわち、シグナルペプチド
の分割の後に生成されたポリペプチド)をコードするこ
とができる。さらなる実施態様においては、発現ベクタ
ー内に挿入される核酸は、3884〜4243および5
199〜5919の配列のうちの1つの中に含まれるシ
グナルペプチドをコードすることができる。
【0281】発現させるべきタンパク質またはポリペプ
チドをコードする核酸は、従来のクローニング技術を用
いて発現ベクター内のプロモータに機能し得る形で連結
される。発現ベクターは、当該技術分野において既知の
哺乳動物、酵母、昆虫または細菌発現系のいずれであっ
てもよい。市販のベクターおよび発現系は、GeneticsIn
stitute (Cambridge, MA), Stratagene (La Jolla, Cal
ifornia), Promega (Madison, Wisconsin) および Invi
trogen (San Diego, California) を含めた様々な供給
業者から入手可能である。望ましい場合には、発現を増
強し適切なタンパク質折りたたみを容易にするために、
この参照により本明細書に組み入れられるHatfield e
t al.,の米国特許第5,082,767号によって説明さ
れているように、発現ベクターが中に導入される特定の
発現生物のために、配列のコドンコンテキストおよびコ
ドン対合を最適化することができる。
【0282】以下のものは、上述の核酸によってコード
されるタンパク質を発現するための一つの方法例として
提供されている。一部のケースでは、発現させるべきタ
ンパク質またはポリペプチドをコードする核酸は、メチ
オニン開始コドンおよびポリAシグナルを内含する。発
現させるべきポリペプチドをコードする核酸に、開始部
位として役立つメチオニンが欠如している場合、従来の
技術を用いて核酸の第1のコドンの隣りに開始メチオニ
ンを導入することができる。同様にして、発現させるべ
きタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸にポ
リAシグナルが欠如している場合、例えば、BalIおよ
びSal制限エンドヌクレアーゼ酵素を用いてpSG5
(Stratagene)からポリAシグナルをスプライシング
し、それを哺乳動物の発現ベクターpXT1(Stratagen
e)の中に取込ませることによって、構築物にこの配列を
付加することができる。pXT1はLTRおよびモロニ
ーマウス白血病ウイルスからの gag遺伝子の一部分を含
有する。構築物の中のLTRの位置は、効率の良い安定
したトランスフェクションを可能にする。ベクターには
単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモータおよび選択可
能なネオマイシン遺伝子が内含されている。発現させる
べきポリペプチドをコードする核酸を、発現させるべき
タンパク質またはポリペプチドをコードする核酸がポリ
Aシグナルとの関係において確実に正しく配置されるよ
う注意を払いながら、発現させるべきタンパク質または
ポリペプチドをコードする核酸に相補的であり、かつ
5’プライマーに取り込まれたPstIおよび3’プライ
マーの5’末端に取込まれたBal IIの制限エンドヌク
レアーゼ配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマー
を使用して細菌ベクターからPCRによって得る。結果
としてもたらされるPCR反応から得られた精製された
フラグメントは、PstIで消化され、エキソヌクレアー
ゼで平滑末端にされ、Bal II で消化され、精製され、
今やポリAシグナルを含有しBal II で消化されたpX
T1に連結される。
【0283】連結された生成物を、製品明細の中で概略
的に記された条件下でリポフェクチン(Life Technolog
ies, Inc., Grand Island, New York)を用いて、マウ
スのNIN3T3細胞内にトランスフェクトする。トラ
ンスフェクトされた細胞を600μg/mのlのG418
(Sigma St. Louis, Missouri) の中で増殖させた後、
正のトランスフェクタントが選択される。あるいは、発
現させるべきタンパク質またはポリペプチドをコードす
る核酸を、上述のようにpED6dpc2内にクローニ
ングさせることが可能である。結果として得られたpE
D6dpc2構築物を、COS1細胞といったような適
切な宿主細胞内にトランスフェクトさせることができ
る。メトトレキセート耐性細胞を選択し増殖させる。発
現されたタンパク質またはポリペプチドは、上述のとお
りに分離、精製または富化することができる。
【0284】所望のタンパク質またはポリペプチドの発
現を確認するためには、タンパク質またはポリペプチド
をコードする核酸インサートを伴うベクターを含有する
細胞により産生されたタンパク質またはポリペプチド
を、このようなインサートの欠如したものと比較する。
発現されたタンパク質を、クーマシーブルーまたは銀染
色といったような当業者に良く知られた技術を用いて
か、または、この核酸インサートによってコードされる
タンパク質またはポリペプチドに対する抗体を用いて検
出する。目的のタンパク質を特異的に認識する能力をも
つ抗体を、適切な核酸によりコードされた配列をもつ合
成15−マー(mer)ペプチドを用いて生成することが
できる。合成ペプチドを、核酸によってコードされるポ
リペプチドに対する抗体を生成するべくマウス内に注入
する。
【0285】核酸シンサートによってコードされるタン
パク質またはポリペプチドが分泌された場合、所望のタ
ンパク質またはポリペプチドをコードする核酸インサー
トを含有する発現ベクターを含む宿主細胞または生体か
ら調製された培地を、対照の細胞または生体から調製さ
れた培地と比較する。対照細胞からの調製物には存在し
ないバンドが、核酸インサートを含有する細胞からの培
地内に存在することは、その核酸インサートによりコー
ドされるタンパク質またはポリペプチドが発現され分泌
されつつあるということを表わしている。一般に、核酸
インサートによりコードされるタンパク質に対応するバ
ンドは、核酸インサートの読取り枠(オープンリーディ
ングフレーム)内のアミノ酸の数に基づいて予想される
ものに近い移動度を有することになる。しかしながら、
このバンドは、グリコシル化、ユビキチン化または酵素
的分割といった修飾の結果として予想されるものとは異
なる移動度を有する可能性がある。
【0286】あるいは、上述の発現ベクターから発現さ
れたタンパク質がその分泌を指令する配列を含んでいな
い場合、分泌されたタンパク質またはその一部分をコー
ドするインサートを伴う発現ベクターを含有する宿主細
胞から発現されたタンパク質を、インサートを伴わない
発現ベクターを含有する対照宿主細胞内で発現されたタ
ンパク質と比較することができる。インサート伴わない
発現ベクターを含有する細胞からのサンプルには存在し
ないバンドがインサートを伴う発現ベクターを含有する
細胞からのサンプル内に存在することはは、所望のタン
パク質またはその一部分が発現されつつあることを表わ
している。一般に、このバンドは、分泌されたタンパク
質またはその一部分について予想される移動度を有する
ことになる。しかしながら、このバンドは、グリコシル
化、ユピキチン化または酵素的分割といったような修飾
の結果として予想されるものとは異なる移動度を有する
可能性がある。
【0287】発現されたタンパク質またはポリペプチド
は、さまざまな方法を用いて精製、単離または富化する
ことができる。一部の方法においては、タンパク質また
はポリペプチドは、それに機能し得る形でリンクされた
ネイティブなシグナルペプチドまたは異種シグナルペプ
チドを介して培地の中に分泌され得る。一部の方法で
は、タンパク質またはポリペプチドを、ニッケル結合ポ
リペプチドといったようなその単離、精製または富化を
容易にする非相同ポリペプチドにリンクさせることが可
能である。該タンパク質またはポリペプチドは同様に、
ゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ
クロマトグラフィー、hplc, 塩沈殿、免疫沈降、これら
の方法のいずれかの組合せ、または、当業者にとって良
く知られた単離、精製または富化技術のいずれかによっ
ても得ることができる。
【0288】核酸インサートによってコードされるタン
パク質は同様に、以下でさらに詳しく記述するように、
コードされるタンパク質またはポリペプチドに対する抗
体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーを
使用した標準的イムノクロマトグラフィ技術を用いても
精製され得る。抗体産生が可能でない場合、所望のタン
パク質またはポリペプチドをコードする核酸インサート
を、キメラポリペプチドを利用した精製スキームの中で
使用するように設計された発現ベクター内に取込むこと
が可能である。このような戦略においては、核酸インサ
ートのコード配列を、キメラの残り半分をコードする遺
伝子とインフレームでで連結する。キメラの残り半分
は、β−グロビンまたはニッケル結合性ポリペプチドで
もよい。次いで、付着させられたβ−グロビンまたはニ
ッケル結合に対する抗体を有するクロマトグラフィマト
リクスを、キメラタンパク質を精製するために使用す
る。遺伝子またはニッケル結合ポリペプチドと伸長cD
NAまたはその一部分の間でプロテアーゼ分割部位が操
作される。かくして、キメラの2つのポリペプチドを、
プロテアーゼ消化により互いから分離することができ
る。
【0289】β−グロビンキメラを生成するための1つ
の有用な発現ベクターは、ウサギのβ−グロビンをコー
ドするpSG5(Stratagene)である。ウサギβ−グロ
ビン遺伝子のイントロンIIは、発現された転写物のスプ
ライシングを容易にし、構築物内に取込まれたポリアデ
ニル化シグナルは、発現レベルを増大させる。記述され
た通りのこれらの技術は、分子生物学の当業者にとって
は周知のものである。標準的方法は、Davis et al.,
(分子生物学の基本的方法、L.G.Davis, M.D.Dibner お
よび J.F. Battey ed., Elsevier Press NY,1986)
といったような方法教本中で公表されており、方法のう
ちの数多くがStratagene、Life Technologies, Inc、ま
たは Promega から入手可能である。さらにポリペプチ
ドは、In Vitro ExpressTM翻訳キット(Stratagene)と
いったような in vitro 翻訳システムを用いて、構築物
から産生可能である。
【0290】核酸インサートによってコードされるタン
パク質またはポリペプチドの発現および精製の後、以下
の実施例21に記述する通りにさまざまな細胞型の表面
に結合する能力について精製タンパク質を試験すること
ができる。これらの核酸インサートから発現された複数
のタンパク質を、以下で詳細に記述する活性ならびに活
性決定のためのアッセイが利用可能であるその他の生物
学的役割について、同時に評価されるべくタンパク質の
パネル内に含まれることが可能である、ということがわ
かるだろう。
【0291】実施例21 細胞表面に結合するか否かを決定するための、分泌タン
パク質またはポリペプチドの分析 実施例20に記述されているもののような発現ベクター
の中に、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメン
ト、EST関連核酸の位置セグメント、EST関連核酸
の位置セグメントのフラグメント EST関連ポリペプ
チドコードする核酸、EST関連ポリペプチドのフラグ
メントをコードする核酸、EST関連ポリペプチドの位
置セグメントをコードする核酸またはEST関連ポリペ
プチドの位置セグメントのフラグメントをコードする核
酸をクローニングする。コードされたタンパク質または
ポリペプチドを、上述の通りに精製、単離または富化す
る。精製、単離または富化の後、上述のタンパク質また
はポリペプチドを、当業者にとって既知の技術を用いて
標識する。細胞表面上に存在するあらゆるレセプターに
タンパク質が結合できるようにするため、さまざまな臓
器または組織に由来する細胞または細胞系と、標識タン
パク質またはポリペプチドをインキュベートする。イン
キュベーションの後、非特異的に結合したタンパク質ま
たはポリペプチドを除去するため細胞を洗浄する。特異
的に結合した標識タンパク質またはポリペプチドをオー
トラジオグラフィーによって検出する。代替的には、非
標識タンパク質またはポリペプチドを細胞と共にインキ
ュベートし、蛍光性分子といったようなそれに付着した
検出可能な標識を有する抗体を用いて、検出することが
可能である。
【0292】細胞表面結合の特異性は、標識タンパク質
またはポリペプチドと共にさまざまな量の非標識タンパ
ク質またはポリペプチドをインキュベートする競合分析
を行なうことによって分析可能である。細胞表面に結合
された標識タンパク質またはポリペプチドの量は、競合
する非標識タンパク質またはポリペプチドの量が増大す
るにつれて減少する。対照としては、いくつかの結合反
応の中で、標識タンパク質またはポリペプチドと無関係
の非標識タンパク質またはポリペプチドをさまざまな量
で内含させる。細胞表面に結合された標識タンパク質ま
たはポリペプチドの量は、漸増量の無関係の非標識タン
パク質を含有する結合反応においては減少せず、このこ
とはすなわち、核酸によりコードされたタンパク質また
はポリペプチドが特異的に細胞表面に結合するというこ
とを示している。
【0293】上述した通り、ヒトのタンパク質は、重要
な生理学的効果を多数有しその結果貴重な治療剤資源で
あることが示されてきた。上述の通りに作られたヒトタ
ンパク質またはポリペプチドは、以下で記述する通り、
その生理学的活性を決定するべく評価することができ
る。
【0294】実施例22 サイトカイン、細胞増殖または細胞分化活性を対象とし
た、発現されたタンパク質またはポリペプチドのアッセ
イ 上述の通り、一部のヒトタンパク質は、サイトカインと
して作用するかまたは細胞増殖または分化に影響を及ぼ
す可能性がある。既知の全てのサイトカインを含め、今
日までに発見された数多くのタンパク質因子は、単数ま
たは複数の因子依存性増殖アッセイにおいて活性を示し
てきており、従ってこのアッセイは、サイトカイン活性
を適切に確認するものとして役立つ。本発明のタンパク
質またはポリペプチドの活性は、制限的な意味なく、3
2D,DA2,DA1G,T10,B9,B9/11,
BaF3,MC9/G,M+(preBM+,2E8,RB
5,DA1,123,T1165,HT2,CTLL
2,TF−1,Mo7c およびCMKを含む細胞系のた
めの多数の日常的な因子依存性細胞増殖アッセイのうち
のいずれか1つによって立証される。上述のように調製
されたタンパク質またはポリペプチドは、以上で記述さ
れているものまたは本書に参考として内含される以下の
参考文献の中で記述されているもののようなアッセイの
中で、T細胞または胸腺細胞の増殖を調節するその能力
について評価することができる:Current Protocols in
Immunology, (免疫学における現行プロトコル) J.E.Co
ligan et al.編 Greene Publishing Associates and Wi
ley-Interscience;Takai et al. J.Immunol. 137:
3494−3500,1986., Bertagnolli et al.
J. Immunol. 145:1706−1712,1990.,
Bertagnolli etal., Cellular Immunology (細胞免疫
学) 133:327−341,1991.Bertagnolli,
et al J.Immunol. 149:3778−3783,19
92;Bowman et al., J.Immunol. 152:1756−
1761,1994.さらに、脾細胞、リンパ節細胞お
よび胸線細胞の、サイトカイン産生および/または増殖
についての数多くのアッセイが知られている。これらに
は、CurrentProtocols in Immunology. J.E. Coligan e
t al. Eds.,1:3.12.1−3.12.14,John
Wiley and Sons, Toronto. 1994;および Schreibe
r, R.D. Current Protocols in Immunology中., 前出
1:6.8.1−6.8.8. の中で開示されている技術が
含まれる。
【0295】上述のように調製されたタンパク質または
ポリペプチドは、同様に、造血細胞またはリンパ球生成
細胞の増殖および分化を調節する能力についてもアッセ
イされ得る。本書に参考として内含されている以下の参
考文献の中のアッセイを含め、かかる活性を対象とした
数多くのアッセイが当業者にはよく知られている:Bott
omly et al., Current Protocols in Immunology中、前
出1:6.3.1−6.3.12,; de Vries et al., J.
Exp.Med.173:1205−1211,1991;More
au et al., Nature 36:690−692,1988;
Greenbergeret al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 8
0:2931−2938,1983;Nordan, R., Curr
ent Protocols in Immunology、 前出1:6.6.1−
6.6.5;Smith et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.
S.A. 83:1857−1861,1986;Bennett e
t al, Current Protocols in Immunology、前出1:6.
15.1;Ciarletta et al. Current Protocols in Imm
unology、 前出1:6.13.1.上述のように調製され
たタンパク質またはポリペプチドは、抗体に対するT細
胞応答を調節するそれらの能力についてもアッセイする
ことができる。本書に参考として内含されている以下の
参照文献の中で記述されたアッセイを含め、このような
活性のための数多くのアッセイが当業者には良く知られ
ている:上述の Current Protocols in Immunology中の
第3章(マウスリンパ球機能についての In vitro アッ
セイ)、第6章(サイトカインおよびその細胞レセプタ
ー)および第7章(ヒトにおける免疫学的研究);Wein
berger et al., Proc Natl. Acad.Sci. USA77:60
91−6095,1980;Weinberger et al., Eur.
J. Immun. 11:405−411,1981;Takai et
al., J.Immunol.137:3494−3500,198
6;Takai et al., J. Immunol. 140:508−51
2,1988.このとき、サイトカイン、細胞増殖また
は細胞分化活性を示すこれらのタンパク質またはポリペ
プチドを、医薬として処方し、細胞増殖または分化の誘
発が有益である臨床的状況を治療するのに使用すること
ができる。あるいは、以下でさらに詳細に記述した通
り、これらのタンパク質またはポリペプチドをコードす
る核酸またはこれらのタンパク質またはポリペプチドの
発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、望
みに応じてタンパク質またはポリペプチドの発現を増減
させることが可能である。
【0296】実施例23 免疫系調節物質としての活性を対象とした発現されたタ
ンパク質またはポリペプチドのアッセイ 上述のとおりに調製されたタンパク質およびポリペプチ
ドを、免疫調節物質としてのその効果について評価する
こともできる。例えば該タンパク質またはポリペプチド
を、胸腺細胞または脾細胞の細胞障害性に影響を及ぼす
その活性を対象とした評価することが可能である。本書
に参考として内含されている以下の参考文献の中に記述
されているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした
数多くのアッセイが当業者にはよく知られている:Curr
ent Protocols in Immunology 中の第3章(マウスリン
パ球機能についての In vitro アッセイ、3.1−3.1
9)および第7章(ヒトにおける免疫学的研究)、J.E.
Coligan et al. Eds, Greene Publishing Associates
および Wiley-Interscience;Herrmann et al., Proc.
Natl.Acad. Sci. USA 78:2488−2492,19
81;Herrmann etal., J.Immunol. 128:1968
−1974,1982;Handa et al. J.Immunol. 13
5:1564−1572,1985;Takai et al., J.
Immunol.137:3494−3500,1986;Taka
i et al. J.Immunol. 140:508−512,198
8;Bowman et al.,J.Virology61:1992−199
8;Bertagnolli et al. Cell Immunol.133:327
−341,1991;Brown etal. J.Immunol. 15
3:3079−3092,1994.上述のように調製
されたタンパク質またはポリペプチドを、T細胞依存性
免疫グロブリン応答およびアソタイプスイッチに対する
それらの効果についても評価することができる。本書に
参考として内含されている以下の参考文献中で開示され
ているアッセイを含め、かかる活性を対象とした数多く
のアッセイが当業者にはよく知られているる。Maliszew
ski, J.Immunol. 144:3028−3033,199
0;Mond et al. Current Protocols in Immunology、
1:3.8.1−3.8.16, 前出。
【0297】上述のとおり調製されたタンパク質または
ポリペプチドは、Th1細胞および細胞障害性リンパ球
に対するそれらの効果を含め、免疫エフェクター細胞に
対するそれらの効果について評価することもできる。本
書に参考として内含されている以下の参照文献の中で開
示されたアッセイを含め、このような活性のための数多
くのアッセイが当業者には良く知られている:上述の C
urrent Protocols inImmunology中の第3章(マウスリ
ンパ球機能についての In vitro アッセイ3.1−3.1
9)および第7章(ヒトにおける免疫学的研究);Taka
i et al., J.Immunol.137:3494−3500,1
986;Takai et al.; J. Immunol.140:508−
512,1988;Bertagnolli et al., J.Immunol.1
49:3778−3783,1992.上述のとおりに
調製されたタンパク質およびポリペプチドを、ナイーブ
T細胞の樹状細胞介在性活性化に対するその効果につい
て評価することもできる。本書に参考として内含されて
いる以下の参考文献の中で開示されているアッセイを含
めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業
者にはよく知られている:Guery et al., J. Immunol.
134:536−544,1995;Inaba et al., J.
Exp. Med. 173:549−559,1991;Macato
nia et al., J.Immunol.154:5071−5079,
1995;Porgador et al J. Exp. Med182:255
−260,1995;Nair et al., J.Virol. 67:4
062−4069,1993;Huang et al., Science
264:961−965,1994;Macatonia et a
l., J.Exp. Med 169:1255−1264,198
9;Bhardwaj et al., Journal of Clinical Investiga
tion94:797−807,1994;and Inaba et a
l., J. Exp. Med 172:631−640,1990。
【0298】上述のとおりに調製されたタンパク質およ
びポリペプチドを、リンパ球の寿命に対するその影響に
ついて評価することもできる。本書に参考として内含さ
れている以下の参考文献の中で開示されているアッセイ
を含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが
当業者にはよく知られている:Darzynkiewicz et al.,
Cytometry 13:795−808,1992;Gorczyca
et al., Leukemia 7:659−670,1993;Go
rczyca et al., Cancer Res.53:1945−195
1,1993;Itoh et al., Cell 66:233−24
3,1991;Zacharchuk, J. Immunol. 145:40
37−4045,1990;Zamai et al., Cytometry
14:891−897,1993;Gorczyca et al., I
nt. J. Oncol. 1:639−648,1992。
【0299】上述のとおりに調製されたタンパク質およ
びポリペプチドを、T細胞の分化の方向が決定され、細
胞が発達してゆく初期の段階に対するそれらの影響につ
いて評価することもできる。本書に参考として内含され
ている以下の参考文献の中で開示されているアッセイを
制限的意味なく含めて、かかる活性を対象とした数多く
のアッセイが当業者にはよく知られている:Antica et
al., Blood84:111−117,1994;Fine et
al., Cell. Immunol. 155:111−122,199
4;Galy et al., Blood85:2770−2778,1
995;Toki et al., Proc. Nat. Acad Sci. USA 8
8:7548−7551,1991.このとき免疫系調
節物質活性としての活性を示すこれらのタンパク質また
はポリペプチドを医薬として製剤し、免疫活性の調節が
有益である臨床的状況を治療するために使用することが
できる。例えば、該タンパク質またはポリペプチドは、
例えばTおよび/またはBリンパ球の成長および増殖を
(アップまたはダウン)レギュレートする上でならびに
NK細胞およびその他の細胞集団の細胞溶解活性に影響
を及ぼす上で、さまざまな免疫不全および障害(重症複
合型免疫不全を含む)の治療において有用でありうる。
これらの免疫不全は、遺伝的なものまたはウイルス(例
えばHIV)ならびに細菌または真菌感染によりひき起
こされるものである可能性もあるし、あるいは自己免疫
障害の結果としてもたらされる可能性もある。より特定
的には、ウイルス、細菌、真菌またはその他の感染によ
りひき起こされる感染性疾患は、HIV,肝炎ウイル
ス、ヘルペスウイルス、マイコバクテリア、リーシュマ
ニア種、プラモディウムによる感染およびカンジダ症と
いったさまざまな真菌感染を含み、該タンパク質または
ポリペプチドを用いて治療することができる。当然のこ
とながらこの点において、ガン治療の場合がそうである
ように免疫系に対する増強が一般に望まれる可能性があ
る場合にもタンパク質またはポリペプチドが有用であり
得る。
【0300】代替的には、上述のように調製されたタン
パク質またはポリペプチドは、例えば結合組織病、多発
硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、
自己免疫性肺炎、ギヤン−バレー症候群、自己免疫性甲
状腺炎、インシュリン依存性糖尿症、重症筋無力症、移
植片対宿主病および自己免疫性炎症性眼疾患を含めた自
己免疫障害の治療において使用することができる。かか
るタンパク質またはポリペプチドは同様に、ぜんそく
(特にアレルギー性ぜんそく)またはその他の呼吸器系
障害といったような、アレルギー反応および症状の治療
においても有用である可能性がある。免疫抑制が望まれ
る(例えば臓器移植を含む)その他の状態も同様に、該
タンパク質またはポリペプチドを用いて治療可能であ
る。
【0301】本発明のタンパク質またはポリペプチドを
用いると、免疫応答をアップまたはダウンレギュレート
することも可能となるかもしれない。ダウンレギュレー
ションにはすでに進行中の免疫応答を阻害または遮断す
ることを含んでもよく)、あるいは免疫応答の誘発を予
防することを含んでもよい。活性化T細胞の機能はT細
胞応答を抑制することまたはT細胞内の特異的寛容を誘
発することまたはその両方によって阻害され得る。T細
胞応答の免疫抑制は一般に、抑制剤に対するT細胞の連
続的暴露を必要とする、能動的な非抗原特異的プロセス
である。T細胞内の非応答性またはアネルギーの誘発を
含む寛容は、それが一般に抗原特異的であり寛容化剤に
対する暴露が終了した後も持続するという点で、免疫抑
制と区別することができる。実際には、寛容化剤が存在
しない場合に、特異的抗原に再暴露されてもT細胞の応
答がないことによって、寛容を実証することができる。
【0302】単数または複数の抗原機能(例えばB7補
助刺激といったようなBリンパ球抗原機能を含むがこれ
に限られるわけではない)をダウンレギュレートするか
または防止すること例えば、活性化T細胞による高レベ
ルのリンホカイン合成を防止することは、組織、皮膚お
よび臓器の移植および移植片対宿主病(GVHD)とい
う状況下で有用となる。例えば、T細胞機能の遮断は、
組織移植における組織破壊の低減を結果としてもたらす
はずである。標準的には、組織移植片において、移植片
の拒絶は、T細胞によりそれが異物であると認識される
ことによって開始され、その後に移植片を破壊する免疫
反応が続く。移植に先立ちまたは免疫性細胞上でのB7
リンパ球抗原とその天然リガンドの相互作用を阻害また
は遮断する分子(例えば、B7−2活性をもつペプチド
の可溶性単量体形態)を単独で、または別のBリンパ球
抗原(例えばB7−1,B7−3)の活性をもつペプチ
ドの単量体形態もしくは遮断用抗体と併用して投与する
ことによって、対応する同時刺激シグナルを伝達するこ
となく、免疫性細胞上の天然リガンドに対する分子の結
合を導くことが可能である。この要領でBリンパ球抗原
機能を遮断することは、T細胞といった免疫性細胞によ
るサイトカイン合成を防止し、かくして免疫抑制剤とし
て作用する。その上、同時刺激の欠如だけで、T細胞を
アネルギー化するのに充分であり、かくして被験者体内
に寛容が誘発される。Bリンパ球抗原−遮断用試薬によ
る長期寛容の誘発が、これらの遮断用試薬の反復的投与
の必要性を回避する可能性もある。被験者の体内での充
分な免疫抑制または寛容を達成するためには、Bリンパ
球抗原の組合せの機能を遮断することも必要となりう
る。
【0303】臓器移植拒絶またはGVHDの予防におけ
る特定の遮断用試薬の効力は、人間における効力を予測
するものである動物モデルを用いて評定できる。使用可
能な適切な系の例としては、共に Lenschow et al., Sc
ience 257:789−792(1992)および Tur
ka et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:111
02−11105(1992)に記述されているように
in vivoでのCTLA4Ig融合タンパク質の免疫抑制
効果を検査するために使用されてきた、ラットにおける
同種異系間心臓移植片およびマウスにおける異種すい島
細胞移植片が含まれる。さらに、in vivoでBリンパ球
抗原機能を遮断することが該疾病の進行にもたらす効果
を決定するために、GVHDのマウスモデル(Paul e
d., Fundamental Immunology, Raven Press, New York,
1989,pp.846−847参照)を使用することが
できる。
【0304】抗原機能を遮断することは、自己免疫疾患
を処置するため治療的にも有用でありうる。数多くの自
己免疫障害が、自己組織に対し反応性があり、かつ疾病
の病理学に関与するサイトカインおよび自己抗体の産生
を促進するT細胞の不適切な活性化の結果である。自己
反応性T細胞の活性化の予防により疾病の症候を軽減ま
たは除去することが可能である。Bリンパ球抗原のレセ
プタ/リガンド相互作用を分断させることによりT細胞
の同時刺激を遮断する試薬の投与を使用して、T細胞の
活性化を阻害し、疾病プロセスに潜在的関与するT細胞
由来のサイトカインまたは自己抗体またはの産生を予防
することができる。さらに、遮断用試薬は、疾病からの
長期軽減を導き得る自己反応性T細胞の抗原特異的寛容
を誘発することができる。自己免疫障害を予防するかま
たは軽減する上での遮断用試薬の効力は、ヒト自己免疫
疾患の充分に特徴づけされた多数の動物モデルを使用し
て決定することができる。例としては、マウスの実験的
自己免疫脳炎、MRL/pr/prマウスまたはNZBハイ
ブリッドマウスにおける全身性エリテマトーデス、マウ
ス自己免疫コラーゲン関節炎、ODマウスおよびBBラ
ットにおける真性糖尿病およびマウスの実験的重症筋無
力症が含まれる。(Paul ed., FundamentalImmunology,
Raven Press, New York,1989,pp. 840−85
6参照)。
【0305】免疫応答をアップレギュレートする手段と
しての抗原機能(好ましくはBリンパ球抗原機能)のア
ップレギュレーションも、治療上有用であり得る。免疫
応答のアップレギュレーションには、以下の例に示され
るように既存の免疫応答を増強させるかまたは初期免疫
応答を惹起することを含んでもよい。例えば、ウイルス
感染の場合、Bリンパ球抗原機能の刺激を通して免疫応
答を増強させることが有用であり得る。さらに、インフ
ルエンザ、かぜおよび脳炎といった全身性ウイルス疾患
を、刺激性形態のBリンパ球抗原の全身投与により軽減
させることができる。
【0306】代替的には、患者からT細胞を取り出し、
上述のタンパク質またはポリペプチドを発現するかまた
は上述のタンパク質またはポリペプチドの刺激性形態と
共にこれらを発現するウイルス抗原パルス処理されたA
PCを用いてT細胞を in vitro で同時刺激し、in vit
roで初期免疫されたT細胞を患者の体内に再度導入する
ことによって、感染患者において抗ウイルス免疫応答を
増強させることができる。感染細胞は、このとき、in v
ivo でT細胞に同時刺激シグナルを送達することがで
き、それによりT細胞を活性化できる。
【0307】もう1つの利用分野では、腫瘍免疫を誘発
する上で抗原機能(好ましくはBリンパ球抗原関数)の
アップレギュレーションまたは増強が有用でありうる。
タンパク質またはポリペプチドをコードする前述の核酸
の1つでトランスフェクションされた腫瘍細胞(例えば
肉腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、神経芽細胞、ガン
腫)を被験者に投与して、被験者における腫瘍特異的寛
容を克服することができる。望まれる場合、腫瘍細胞を
ペプチドの組合せを発現するようトランスフェクション
することができる。例えば、患者から得た腫瘍細胞を、
B7−2様の活性をもつペプチドを単独でまたはB7−
1様活性および/またはB7−3様活性をもつペプチド
と組合わせた形で発現するよう指令する発現ベクターを
用いて、exvivo でトランスフェクションすることがで
きる。トランスフェクションされた腫瘍細胞は、トラン
スフェクションされた細胞の表面上でのペプチドの発現
を結果としてもたらすように患者の体内に戻される。代
替的には、in vivo でのトランスフェクションのため腫
瘍細胞を標的化するため、遺伝子療法技術を用いること
ができる。
【0308】腫瘍細胞の表面上にBリンパ球抗原の活性
をもつ上述の核酸によりコードされたタンパク質または
ポリペプチドが存在することで、トランスフェクション
を受けた腫瘍細胞に対するT細胞媒介性免疫応答を誘発
するためにT細胞に対して必要な同時刺激シグナルが提
供される。さらに、充分な量のMHCクラスIまたはM
HCクラスII分子が欠如したまたはこれを再発現できな
い腫瘍細胞を、MHCクラスIα鎖およびβ2ミクログ
ロブリンまたはMHCクラスIID鎖およびMHCクラス
IIβ鎖の全てまたは一部分(例えば細胞質ドメイン切断
部分)をコードする核酸を用いてトランスフェクション
させ、かくしてそれぞれ細胞表面上でMHCクラスIま
たはMHCクラスIIタンパク質を発現することができ
る。Bリンパ球抗原(例えばB7−1,B7−2,B7
−3)の活性をもつペプチドと組合せた形での適切なM
HCクラスIまたはクラスII分子の発現は、トランスフ
ェクションされた腫瘍細胞に対するT細胞媒介性免疫応
答を誘発する。任意には、不変鎖といったようなMHC
クラスII関連タンパク質の発現を遮断するアンチセンス
構築物をコードする核酸を、Bリンパ球抗原の活性をも
つタンパク質またはポリペプチドをコードするDNAと
を同時トランスフェクションさせて、腫瘍関連抗原の提
示を促進し腫瘍特異的免疫を誘発することもできる。か
くして、ヒトの被験体におけるT細胞媒介性免疫応答の
誘発は、被験体内の腫瘍特異的寛容を克服するのに充分
なものでありうる。代替的には以下で詳述するように、
これらの免疫系調節物質タンパク質またはポリペプチド
をコードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペ
プチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入
して、望まれる通りにタンパク質の発現を増減させるこ
とは可能である。
【0309】実施例24 造血調節活性を対象とした、発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ 上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペ
プチドをそれらの造血調節活性を対象として評価するこ
ともできる。例えば、胚性幹細胞の分化に対する該タン
パク質またはポリペプチドの効果を評価することができ
る。本書に参考として内含されている以下の参考文献の
中で開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対
象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知られてい
る:Johansson et al. Cell. Biol.15:141−15
1,1995;Keller et al., Mol. Cell. Biol. 1
3:473−486,1993;McClanahan et al., B
lood81:2903−2915,1993.上述の核酸
によりコードされるタンパク質またはポリペプチドを、
その幹細胞の寿命および幹細胞の分化に対する影響につ
いて評価することも可能である。
【0310】本書に参考として内含されている以下の参
考文献の中で開示されているアッセイを含めて、かかる
活性を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知
られている:Freshney, M.G.メチルセルロースコロニー
形成アッセイ、Methylcellulose Culture of Hematopo
ietic Cells.中 R.I.Freshney, et al. Eds. pp.265
−268,Wiley-Liss, Inc., New York, NY. 199
4;Hirayama et al., Proc.Natl. Acad. Sci. USA8
9:5907−5911,1992;McNiece, L.K. お
よび Briddell, R.A. 高い増殖能をもつ始原造血コロニ
ー形成細胞、Culture of Hematopoietic Cells.中 R.I.
Freshney, et al. eds. Vol pp 23−39,Wiley-Lis
s, Inc., New York, NY. 1994;Neben et al., Exp
erimental Hematology 22:353−359,199
4;Ploemacher, R.E.コブルストーン部域形成細胞のア
ッセイ、Culture of Hematopoietic Cells. 中 R.I. Fr
eshney, et al. Eds. pp. 1−21,Wiley-Liss, In
c., New York, NY. 1994;Spooncer, E., Dexter,
M. and Allen, T.間質細胞の存在下での長期骨髄培養、
Culture of Hematopoietic Cells.中 R.I.Freshney, et
al. Eds. pp.163−179,Wiley-Liss, Inc., New
York, NY. 1994;および Sutherland, H.J.長期培
養開始細胞のアッセイ、Culture of Hematopoietic Cel
ls.中 R.I.Freshney, et al. Eds.pp. 139−16
2,Wiley-Liss, Inc., New York, NY. 1994.この
とき、造血調節活性を示すこれらのタンパク質またはポ
リペプチドを医薬として製剤し、造血調節が有益である
臨床的状況を処置するためにこれを使用することができ
る。例えば本発明のタンパク質またはポリペプチドは、
造血調節において有用であり得、その結果として骨髄系
またはリンパ球系の細胞不全の治療において有用であり
得る。コロニー形成細胞または因子依存性細胞系を支持
する最低限の生物学的活性でさえ、造血を調節すること
において関与を示し;例えば、赤血球前駆細胞単独でま
たはその他のサイトカインと組合せ、成長および増殖を
支持することにおける関与を示し、例えば、さまざまな
貧血を治療する際に、あるいは赤血球前駆体および/ま
たは赤血球細胞の産生を刺激するための照射/化学療法
と組合せた使用に有用性を示し、例えば、結果としても
たらされる骨髄抑制を予防または治療するため化学療法
と組合わせた形で有用な顆粒球および単球/マクロファ
ージといったような骨髄性細胞の成長および増殖(すな
わち伝統的なCSF活性)を支持することにおける関与
を示し、巨核球ひいては血小板の成長および増殖を支持
することにおける関与を示し、それによって、血小板減
少症といったさまざまな血小板障害の予防または治療を
可能にし、一般に血小板輸血に代ってまたはそれを補う
ものとして使用することを可能にし、および/または、
上述の造血細胞の一部または全てに至るまで成熟できる
造血幹細胞の成長および増殖を支持することにおける関
与を示し、従って(制限的意味なく、再生不良性貧血お
よび発作性夜間血色素尿症を含めた通常は移植で治療さ
れる障害といった)さまざまな幹細胞障害においてなら
びに正常細胞または遺伝子療法のために遺伝子操作され
た細胞または正常な細胞としてin vivo または ex vivo
で(すなわち骨髄移植あるいは(同種または異種の)末
梢前駆細胞移植または骨髄移植と組合せた形での)放射
線照射/化学療法後の幹細胞画分再増殖において治療的
有用性をもつ。あるいは、以下で詳述するように、これ
らのタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸ま
たはこれらのタンパク質またはポリペプチドの発現を調
節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通り
にタンパク質の発現を増減させることができる。
【0311】実施例25 組織の成長の調節についての、発現されたタンパク質ま
たはポリペプチドのアッセイ 上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペ
プチドを、組織成長に対するその効果について評価する
ことも可能である。本書に参考として内含されている、
国際特許公報第WO95/16035,国際特許公報W
O95/05846および国際特許公報第WO91/0
7491号の中で開示されているアッセイを含め、かか
る活性を対象とした数多くのアッセイが、当業者にはよ
く知られている。
【0312】創傷治療活性を対象としたアッセイには、
制限的な意味なく、本書に参考として内含されている E
aglstein および Mertz, J.Invest. Dermatol 71:3
82−84(1978)によって修正された通りの Win
ter, Epidermal Wound Healing, pps.71−112(Ma
ibach, H1 and Rovee, DT, eds.), Year Book Medical
Publishers, Inc., Chicago の中で記述されているも
のが含まれる。
【0313】このとき組織成長の調節に関与するこれら
のタンパク質またはおよびポリペプチドを医薬として製
剤し、組織成長調節が有益である臨床的状態を治療する
ために使用することができる。例えば、タンパク質また
はポリペプチドは、骨、軟骨、腱、靱帯および/また
は、神経組織の成長または再生ならびに創傷治療および
組織の修復および置換のためおよび火傷、切開および潰
瘍の治療において使用される組成物の中で有用である可
能性がある。
【0314】骨が正常に形成されていない状況において
軟骨および/または骨の成長を誘発する上述の核酸によ
ってコードされるタンパク質またはポリペプチドは、ヒ
トまたはその他の動物における骨折および軟骨損傷また
は欠陥の治ゆに応用される。本発明のタンパク質または
ポリペプチドを利用するこのような調製物は、閉鎖なら
びに開放骨折の減少において、同様に人工関節の改良型
固定において予防的に使用することができる。骨形成剤
によって誘発される新たな骨合成は、先天性、外傷由来
のまたは腫瘍切除由来の脳顔面頭蓋欠損の修復に役立
ち、同様に美容整形外科においても有用である。
【0315】本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、歯周疾患の治療およびその他の歯の修復プロセスに
おいても使用可能である。かかる薬剤は、骨形成細胞を
引きつけ、骨形成細胞の成長を刺激するかまたは骨形成
細胞の前駆細胞の分化を誘発するための環境を提供する
ことができる。本発明のタンパク質は同様に、例えば骨
および/または軟骨修復の刺激を通してまたは炎症また
は炎症性プロセスにより媒介される組織破壊プロセス
(コラゲナーゼ活性、破骨細胞活性など)を遮断するこ
とによって、骨粗鬆症または変形性関節炎の治療におい
ても有用でありうる。
【0316】上述の核酸によってコードされるタンパク
質またはポリペプチドに帰することのできる組織再生活
性のもう1つのカテゴリは、腱/靱帯の形成である。腱
/靱帯様の組織またはその他の組織が正常に形成されな
い状況下でこのような組織を誘発する、上述の核酸によ
りコードされるタンパク質またはポリペプチドは、ヒト
およびその他の動物において、腱または靱帯の断裂、変
形およびその他の腱または靱帯の欠損の治ゆにおいて応
用される。腱/靱帯様の組織を誘発するタンパク質を利
用するこのような調製物は、腱または靭帯組織に対する
損傷を防止する上で予防的に使用されてもよいし又、骨
またはその他の組織への腱または靭帯の改良型固定のた
めおよび腱または靭帯組織に対する欠損の修復のために
も使用可能である。本発明のタンパク質またはポリペプ
チドによって誘発される新たな腱/靱帯様組織の形成
は、先天性、外傷性またはその他に由来する腱または靭
帯欠損の修復に役立ち、同様に美容整形外科における腱
または靭帯の付着または修復にも有用である。本発明の
タンパク質またはポリペプチドは、腱または靭帯形成細
胞を引き寄せるか、腱または靭帯形成細胞の増殖を刺激
し、腱または靭帯形成細胞の始原細胞の分化を誘発する
かまたは、組織修復を行なうべく in vivoに戻すため e
x vivoで腱または靭帯細胞または始原細胞の成長を誘発
するための環境を提供することができる。本発明のタン
パク質またはポリペプチドは同様に、腱炎、手根管症候
群およびその他の腱または靭帯欠損の治療においても有
用でありうる。治療用組成物は同様に、当該技術分野に
おいて周知のとおり担体として適切なマトリクスおよび
/または金属イオン封鎖剤を内含することもできる。
【0317】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
同様に、神経細胞の増殖のためおよび神経および脳組織
の再生のため、すなわち中枢および末梢神経系疾患およ
び神経障害の治療ならびに神経細胞または神経組織に対
する退化、死または外傷を含む機械的および外傷性障害
の治療のためにも有用でありうる。より特定的には、タ
ンパク質またはポリペプチドは、末梢神経系の疾病例え
ば末梢神経損傷、末梢神経障害および局所的神経障害、
および中枢神経系の疾病例えば、アルツハイマー病、パ
ーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症お
よびシャイードレーガー症候群の治療において使用する
ことができる。本発明に従って治療可能であるさらなる
身体状態としては、機械的障害および外傷性障害、例え
ば、脊髄障害、頭部外傷および卒中といったような脳血
管性疾患がある。化学療法またはその他の医学療法の結
果としてもたらされた末梢神経障害も同様に本発明のタ
ンパク質またはポリペプチドを用いて治療可能である。
【0318】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
同様に、制限的な意味なく圧迫性潰瘍、血管機能不全に
関連する潰瘍、外科的および外傷性創傷などを含む、非
治療性外傷のより良いまたはより速い閉鎖を促すのにも
有用でありうる。
【0319】本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、臓器(例えばすい臓、肝臓、腸、腎臓、皮ふ、内皮
を含む)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)および脈
管(脈管内皮を含む)組織といったその他の組織の発生
または再生のため、またはかかる組織を含む細胞の増殖
を促進するための活性を示す可能性があることも予想さ
れる。所望の効果の一部分は、正常な組織が発生できる
ようにするための繊維性瘢痕形成の阻害または調節によ
るものでありうる。本発明のタンパク質またはポリペプ
チドは同様に脈管形成活性をも示す可能性がある。
【0320】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
同様に、消化管の保護または再生または肺または肝臓繊
維症の治療、さまざまな組織内の再灌流傷害および全身
性サイトカイン損傷に起因する身体状態の治療のために
も有用でありうる。
【0321】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
同様に、前駆体組織または細胞からの上述の組織の分化
を促進または阻害するため、または上述の組織の成長を
阻害するためにも有用でありうる。
【0322】代替的には、以下で詳述するように、組織
成長調節活性タンパク質またはポリペプチドをコードす
る核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチドの発
現を調節する核酸を、所望の通りにタンパク質の発現を
増減させるために適切な宿主細胞の中に導入することが
可能である。
【0323】実施例26 生殖ホルモンの調節についての、発現されたタンパク質
またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、卵胞刺激ホ
ルモンといった生殖ホルモンを調節するその能力につい
て評価することもできる。本書に参考として内含されて
いる以下の参考文献の中で開示されているアッセイを含
めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業
者にはよく知られている: Vale et al., Endocrinol.
91:562−572,1972;Ling et al.,Nature
321:779−782,1986; Vale et al., Na
ture321:776−779,1986;Mason et a
l., Nature318:659−663,1985;Forage
etal., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:3091
−3095,1986.Current Protocols in Immunol
ogy 中の第6章,12章 J.E. Coligan et al., Eds.Gr
eene Publishing Associates and Wiley-Intersciece;
Taub et al. J. Clin. Invest.95:1370−137
6,1995;Lind et al., APMIS103:140−1
46,1995;Muller et al Eur. J. Immunol.2
5:1744−1748;Gruber et al. J. Immunol.
152:5860−5867,1994;Johnston et
al., J.Immunol. 153:1762−1768,199
4.このとき、生殖ホルモンまたは細胞運動調節物質と
しての活性を示すこれらのタンパク質またはポリペプチ
ドを、医薬として製剤し、生殖ホルモンの調節が有益で
ある臨床的状態を治療するためにこれを使用することが
可能である。例えば、タンパク質またはポリペプチド
は、アクチビンまたはインヒビン関連活性を示すことが
できる。インヒビンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)の
放出を阻害するその能力によって特徴づけられ、一方ア
クチビンは、FSHの放出を刺激するその能力によって
特徴づけされる。かくして本発明のタンパク質またはポ
リペプチドは、単独またはインヒビンファミリーの一員
とのヘテロダイマーの形で、メスの哺乳動物における生
殖力を減少させオスの哺乳動物における精子生成を減少
させるインヒビンの能力に基づく避妊薬として有用な可
能性がある。充分な量のその他のインヒビンの投与は、
これらの哺乳動物における不妊症を誘発することができ
る。代替的には、本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドは、ホモダイマーまたはインヒビンB群のその他のタ
ンパク質サブユニットとのヘテロダイマとして、下垂体
前葉の細胞からのFSH放出を刺激する上でのアクチビ
ン分子の能力に基づいて生殖能誘発療法として有用であ
りうる。例えば、本書に参考としてその開示が内含され
ている米国特許第4,798,885号を参照のこと。本
発明のタンパク質またはポリペプチドは、同様にウシ、
ヒツジおよびブタといったような家畜の生涯生殖能力を
増大させるべく、性的に未熟な哺乳動物における生殖能
の開始を早めるのにも有用でありうる。
【0324】代替的には、以下でさらに詳述するよう
に、生殖ホルモン調節活性タンパク質またはポリペプチ
ドをコードする核酸または、かかるタンパク質またはポ
リペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に
導入して、望むとおりにタンパク質またはポリペプチド
の発現を増減させることが可能である。
【0325】実施例27 走化性/ケモキネシス活性を対象とした、発現されたタ
ンパク質またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、走化性/ケ
モキネシス活性を対象として評価することもできる。例
えば、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、例え
ば単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸
球、上皮および/または内皮細胞を含む哺乳動物細胞に
対する走化性/ケモキネシス活性をもつ(例えばケモカ
インとして作用する)可能性がある。所望の作用部位に
所望の細胞集団を可動化するつまり引き寄せるために、
走化性およびケモキネシスタンパク質またはポリペプチ
ドを使用することができる。走化性またはケモキネシス
タンパク質またはポリペプチドは、組織に対する創傷お
よびその他の外傷の治療ならびに局所的感染の治療にお
いて特に利点を提供する。例えば、腫瘍または感染部位
へのリンパ球、単球または好中球の引き寄せは、腫瘍ま
たは感染因子に対する改善された免疫応答を結果として
もたらし得る。
【0326】タンパク質またはポリペプチドは、特定の
細胞集団の指令された配向または運動を直接的または間
接的に刺激できる場合、この集団に対して走化性活性を
有することになる。好ましくは、上述のタンパク質また
はポリペプチドは、細胞の誘発された運動を直接的に刺
激する能力を有する。特定のタンパク質またはポリペプ
チドが1つの細胞集団に対する走化性を有するか否か
は、細胞の走化性についてのあらゆる既知のアッセイに
おいてかかるタンパク質またはポリペプチドを利用する
ことによって容易に決定可能である。
【0327】本発明のタンパク質またはポリペプチドの
活性は、その他の手段の中でも、以下の方法によって測
定可能である:(走化性を誘発するかまたは防止するタ
ンパク質またはポリペプチドを同定することになる)走
化活性を対象としたアッセイは、膜を横断した細胞の移
動を誘発するタンパク質またはポリペプチドの能力なら
びに、細胞集団間の接着を誘発するタンパク質またはポ
リペプチドの能力を測定するアッセイから成る。運動お
よび接着についての適切なアッセイには、制限的な意味
なく、以下の文献の中で記述されているものが含まれ
る。Current Protocols in Immunology, J.E. Coligan,
A.M.Kruisbeek, D.H.Margulies, E.M.Shevach, W.Stob
er編、Greene Publishing Associates and Wiley-Inter
science 刊行、第6.12章:6.12.1−6.12.2
8;Taub et al. J. Clin, Invest.95:1370−1
376,1995;Lind et al. APMIS 103:140
−146,1995;Mueller et al.,Eur. J. Immuno
l.25:1744−1748;Gruber et al., J. Immu
nol.152:5860−5867,1994;Johnston
et al. J.Immunol., 153:1762−1768,1
994. 実施例28 血液凝固の調節についての、発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを同様に、血液
凝固に対するその効果について評価することもできる。
本書に参考として内含されている以下の参考文献の中で
開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対象と
した数多くのアッセイが当業者にはよく知られている:
Linet et al., J. Clin. Pharmacol.26:131−1
40,1986;Burdick et al., Thrombosis Res. 4
5:413−419,1987;Humphrey et al., Fib
rinolysis 5:71−79(1991);Schaub, Pros
taglandins35:467−474,1988.このとき
血液凝固の調節に関与するこれらのタンパク質またはポ
リペプチドを、医薬として製剤し、血液凝固の調節が有
益である臨床的状態を治療するためにこれを使用するこ
とができる。例えば、本発明のタンパク質またはポリペ
プチドは、止血または血栓溶解活性をも示す可能性があ
る。その結果、かかるタンパク質またはポリペプチド
は、(血友病といった遺伝性傷害を含む)さまざまな凝
血障害の治療においても有用であり、又、外傷、外科手
術その他の原因による創傷を治療する上で凝血その他の
止血事象を増強するものであると期待されている。本発
明のタンパク質またはポリペプチドは、血栓を溶解させ
るため、またはその形成を阻害するためおよび、その結
果としてもたらされる状態(例えば、心臓および中枢神
経形脈管の梗塞(例えば卒中)の治療または予防のため
にも有用でありうる。代替的には、以下でさらに詳細に
詳述されているように、血液凝固活性タンパク質または
ポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質
またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主
細胞内に導入して、所望の通りにタンパク質またはポリ
ペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0328】実施例29 レセプタ/リガンド相互作用への関与について、発現さ
れたタンパク質またはポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、レセプタ/
リガンド相互作用へのそれらの関与について評価するこ
とも可能である。本書に参考として内含されている以下
の参考文献の中で開示されているアッセイを含めて、か
かる関与を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよ
く知られている:Current Protocols inImmunology中、
7.7.28.1−7.28.22章、J.E.Coligan et al.
編、Greene Publishing Associates Wiley-Interscienc
e;Takai et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA84:
6864−6868,1987;Bierer et al., J.Ex
p. Med.168:1145−1156,1988;Rosen
stein et al., J. Exp.Med.169:149−160,
1989;Stoltenborg et al., J. Immunol. Methods
175:59−68,1994;Stitt et al., Cell8
0:661−670,1995;Gyuris et al., Cell
75:791−803,1993.例えば、本発明のタ
ンパク質またはポリペプチドは、レセプタ、レセプタリ
ガンドまたはレセプタ/リガンド相互作用の阻害物質ま
たはアゴニストとしての活性を示すこともできる。かか
るレセプタおよびリガンドの例としては、制限的意味な
く、サイトカインレセプタおよびそれらのリガンド、レ
セプタキナーゼおよびそれらのリガンド、レセプタホス
ファターゼおよびそれらのリガンド、細胞間相互作用に
関与するレセプターおよびそれはのリガンド(制限的意
味なく細胞接着分子(例えば、セレクチン、インテグリ
ンおよびそれらのリガンドを含む)、および抗原提示、
抗原認識および細胞および体液性免疫応答の発生に関与
するレセプタ/リガンド対)が含まれる。レセプタおよ
びリガンドは、関係するレセプタ/リガンド相互作用の
潜在的なペプチドまたは小分子阻害物質のスクリーニン
グのためにも有用である。本発明のタンパク質又はポリ
ペプチド(制限的な意味なくリガンド及びレセプタのフ
ラグメントを含む)は、レセプタ/リガンド相互作用の
阻害物質として有用であり得る。あるいは、以下で詳述
するように、レセプタ/リガンド相互作用に関与するタ
ンパク質またはポリペプチドをコードする核酸またはか
かるタンパク質またはポリペプチドの発現を調節する核
酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタンパ
ク質またはポリペプチドの発現を増減させることが可能
である。
【0329】実施例30 抗炎症活性を対象としたタンパク質またはポリペプチド
のアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、抗炎症活性
を対象として評価することもできる。抗炎症活性は、炎
症性応答に関与する細胞に対して刺激を提供すること、
(例えば細胞接着といった)細胞間相互作用を阻害また
は促進すること、炎症プロセスに関与する細胞の走化性
を阻害または促進すること、細胞溢血を阻害または促進
すること、または炎症性応答をより直接的に阻害または
促進するその他の因子の産生を刺激または抑制すること
によって達成することができる。かかる活性を示すタン
パク質またはポリペプチドは、制限的な意味なく、感染
に伴う炎症(例えば敗血症性ショック、敗血症または全
身性炎症性応答症候群)、虚血性再灌流障害、エンドト
キシン致死率、関節炎、補体媒介型超急性拒絶、腎炎、
サイトカインまたはケモカイン誘導性肺損傷、炎症性腸
疾患、クローン病またはTNFまたはIL−1といった
サイトカインの過剰産生の結果としての疾患を内含する
慢性または急性身体状態を含めた炎症性状態を治療する
ために使用することができる。本発明のタンパク質また
はポリペプチドは、抗原性物質または材料に対する過敏
症及びアナフィラキシーおよび過敏症を治療するために
も有用でありうる。代替的には、以下でさらに詳細する
ように、抗炎症活性タンパク質またはポリペプチドをコ
ードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチ
ドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入し
て、所望の通りにタンパク質またはポリペプチドの発現
を増減させることが可能である。
【0330】実施例31 腫瘍阻害活性を対象とした、発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ 本発明のタンパク質またはポリペプチドを腫瘍阻害活性
を対象として評価することも可能である。腫瘍の免疫学
的治療または予防のための上述の活性に加えて、本発明
のタンパク質またはポリペプチドは、その他の抗腫瘍活
性を示す可能性がある。タンパク質またはポリペプチド
は、(例えばADCCを介して)直接的または間接的に
腫瘍の成長を阻害することができる。タンパク質または
ポリペプチドは、腫瘍組織または腫瘍前駆体組織に作用
すること、(例えば脈管新生を阻害することにより)腫
瘍の成長を支持するのに必要な組織の形成を阻害するこ
と、腫瘍の成長を阻害するその他の因子、作用物質また
は細胞型の産生をひきおこすことまたは、腫瘍の成長を
促進する因子、作用物質または細胞型を抑制、除去また
は阻害することによって、その腫瘍阻害活性を示すこと
ができる。代替的には、以下でさらに詳細に記述されて
いるように、腫瘍阻害活性をもつタンパク質またはポリ
ペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質また
はポリペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞
内に導入して、所望の通りにタンパク質またはポリペプ
チドの発現を増減させることが可能である。
【0331】本発明のタンパク質またはポリペプチドは
同様に以下の付加的活性または効果のうちの単数または
複数のものを示す可能性もある:すなわち、制限的な意
味なく細菌、ウイルス、真菌およびその他の寄生虫を含
む感染性作用物質の成長、感染または機能を阻害するか
または死滅させること;制限的な意味なく、身長、体
重、頭髪の色、目の色、皮ふ、肥満率またはその他の組
織色素沈着、または臓器または身体部分のサイズまたは
形状(例えば胸部増大または縮小、骨の形態または形状
変化)を含む身体的特徴に影響を及ぼす(抑制または増
強する)こと;バイオリズムまたは概日周期または概日
リズムに影響を及ぼすこと;雄または雌の被験体の生殖
能に影響を及ぼすこと;食事性脂肪、脂質、タンパク
質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補助因子またはそ
の他の栄養因子または成分の代謝、異化、同化、処理、
利用、貯蔵または除去を実施すること;制限的な意味な
く、食欲、性欲、ストレス、認識(認識障害を含む)、
うつ状態(うつ病を含む)および暴力的行動を含む行動
特徴に影響を及ぼすこと;鎮痛効果またはその他の疼痛
軽減効果を提供すること;造血細胞系列以外の系列内で
胚性幹細胞の分化および成長を促進すること;ホルモン
または内分泌活性;酵素の場合、酵素の欠乏を補正し欠
乏に関連する疾患を治療すること;(例えば乾癬といっ
た)過剰増殖性障害の治療;免疫グロブリン様活性(例
えば抗原または補体を結合する能力);およびかかるタ
ンパク質またはそれと交差反応するもう1つの材料また
は実体に対し免疫応答を発生させるべくワクチン組成物
の中で抗原として作用する能力。
【0332】代替的には、以下でさらに詳細に記述され
るように、上述の活性のいずれかに関与するタンパク質
またはポリペプチドをコードする核酸またはかかるタン
パク質の発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入
して、所望の通りにタンパク質またはポリペプチドの発
現を増減させることが可能である。
【0333】実施例32 本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する
タンパク質またはポリペプチドの同定 レセプタタンパク質といったように本発明のタンパク質
またはポリペプチドと相互作用するタンパク質またはポ
リペプチドは、Matchmaker Two Hybrid System2(Clon
tech, カタログ番号K1604−1)といったツーハイ
ブリッドシステム用いて同定することができる。本書に
参考として内含されているキットに付いてくるマニュア
ルの中で記述されているように、本発明のタンパク質ま
たはポリペプチドをコードする核酸を、酵母転写アクチ
ベーターGAL4のDNA結合ドメインをコードするD
NAとインフレームになるように、発現ベクターの中に
挿入する。本発明のタンパク質またはポリペプチドと相
互作用する可能性のあるタンパク質またはポリペプチド
をコードするcDNAライブラリ内のcDNAを、それ
がGAL4の活性化ドメインをコードするDNAとイン
フレームになるように、第2の発現ベクター内に挿入す
る。2つの発現プラスミドを酵母内に形質転換し、酵母
を、発現ベクターの各々の上の選択可能なマーカーの発
現ならびにHIS3遺伝子のGAL4依存性発現につい
ての選択を行なう選択培地上でプレーディングする。ヒ
スチジンが欠如した培地上で増殖する能力をもつ形質転
換体を、GAL4依存性 lac Z 発現についてスクリー
ニングするる。ヒスチジン選択および lac Z アッセイ
の両方において陽性であるような細胞は、本発明のタン
パク質またはポリペプチドと反応するタンパク質または
ポリペプチドをコードするプラスミドを含有する。
【0334】代替的には、本発明のタンパク質またはポ
リペプチドと相互作用する分子を同定するために、本書
に参考としてその開示が内含されている Lustig et a
l., Method in Enzymology283:83−99(199
7)に記述されているシステムを使用することもでき
る。このようなシステムにおいては、本発明のタンパク
質またはポリペプチドをコードする核酸インサートを含
有するベクタープールについて、in vitro転写反応が実
施される。核酸インサートを、in vitro転写を駆動する
プロモータの下流側でクローニングする。結果として得
られたmRNAプールを、Xenopus laevis 卵母細胞内
に導入する。その後この卵母細胞を、所望の活性を対象
としたアッセイする。
【0335】代替的には、上述のように産生され、プー
ルされた in vitro 転写産物を invitro で翻訳するこ
ともできる。所望の活性または既知のタンパク質または
ポリペプチドとの相互作用について、プールされた in
vitro 翻訳産物をアッセイすることができる。
【0336】本発明のタンパク質またはポリペプチドと
相互作用するタンパク質、ポリペプチドまたはその他の
分子は、さまざまな付加的技術によって発見することが
できる。1つの方法では本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドを含有するアフィニティカラムを構築すること
ができる。この方法のいくつかのバージョンにおいて
は、アフィニティカラムは、本発明のタンパク質または
ポリペプチドがグルタチオンS−トランスフェラーゼに
融合されているキメラタンパク質を収容している。上述
のような発現されたタンパク質のプールまたは細胞タン
パク質の混合物がアフィニティカラムに適用される。そ
の後カラムに付着したタンパク質またはポリペプチドと
相互作用する分子を分離し、本書にその開示が参考とし
て内含されているRamunsen et al. Electrophoresis,1
8,588−598(1997)の中で記述されている
ように2−D電気泳動ゲル上で分析することができる。
代替的には、アフィニティカラム上に保持された分子
を、電気泳動に基づく方法によって精製し、配列決定す
ることもできる。この同じ方法を用いて、抗体を分離す
るか、ファージディスプレイ産物をスクリーニングする
か、またはファージディスプレイヒト抗体をスクリーニ
ングすることができる。
【0337】本発明のタンパク質またはポリペプチドと
相互作用する分子を、本書にその開示が参考として内含
されている Edwards & Leatherbarrow, Analytical Bio
chemistry,246,1−6(1997)の中で記述され
ているような光学バイオセンサーを用いてスクリーニン
グすることもできる。この方法の主な利点は、それが、
タンパク質またはポリペプチドとその他の相互作用する
分子の間の会合速度の決定を可能にするという点にあ
る。かくして、高いまたは低い会合速度をもつ相互作用
分子を特異的に選択することが可能である。標準的に
は、標的分子がセンサー表面に(カルボキシメチルデキ
ストランマトリクスを通して)連結され、試験分子のサ
ンプルが標的分子と接触した状態におかれる。標的分子
に対する試験分子の結合は、屈折率および/または厚み
における変化をひき起こす。この変化は、それが(セン
サー表面から数百ナノメートル広がっている)一過性の
場で起こるのであれば、バイオセンサーによって検出さ
れる。これらのスクリーニングアッセイにおいては、標
的分子は、本発明のタンパク質またはポリペプチドのう
ちの1つであってよく、又試験サンプルは組織または細
胞から抽出されたタンパク質、ポリペプチドまたはその
他の分子の収集物、発現されたタンパク質のプール、コ
ンビナトリアルペプチドおよび/または化学ライブラリ
またはファージディスプレイペプチドであってよい。試
験分子が抽出される組織または細胞はあらゆる種に由来
するものであってよい。
【0338】その他の方法では、標的タンパク質または
ポリペプチドは固定化され、試験集団は、本発明の独特
なタンパク質またはポリペプチドの収集物である。
【0339】本発明のタンパク質またはポリペプチドと
薬物の相互作用を研究するため、本書にその開示が参考
として内含されている Wang et al., Chromatographia,
44,205〜208(1997)によって記述された
HPLC方法と組合わせた微小透析または Busch et a
l., J.Chromatogr.777;311−328(199
7)によって記述されているアフィニティーキャピラリ
ー電気泳動法を使用することができる。
【0340】本書にその開示が参考として内含されてい
る米国特許第5,654,150号に記述されているシス
テムを用いて、本発明のタンパク質またはポリペプチド
と相互作用する分子を同定することもできる。このシス
テムにおいては、本発明のタンパク質またはポリペプチ
ドをコードする核酸のプールをin vitro で転写および
翻訳し、反応産物と既知のポリペプチドまたは抗体との
相互作用についてアッセイする。
【0341】当業者であれば、以上で特定的に列挙され
ているものに加えて数多くの活性を対象として本発明の
タンパク質またはポリペプチドをアッセイすることがで
きるということがわかるだろう。例えば、炎症、腫瘍増
殖または転移、感染またはその他の臨床的状態の管理お
よび調節が関与する利用分野について、発現されたタン
パク質またはポリペプチドを評価することができる。さ
らに、タンパク質またはポリペプチドは、栄養剤または
化粧品として有用でありうる。
【0342】エピトープおよび抗体の融合 本発明の好ましい実施態様は、エピトープ保持ポリペプ
チドおよびエピトープ保持ポリペプチドフラグメントに
向けられている。これらのエピトープは、「抗原エピト
ープ」または「抗原エピトープ」と「免疫原エピトー
プ」の両方であり得る。「免疫原エピトープ」というの
は、ポリペプチドが免疫原であるときに in vivoで抗体
応答を惹起するタンパク質の一部分として定義づけされ
る。一方、抗体が結合するポリペプチドの領域は「抗原
決定基」または「抗原エピトープ」として定義づけされ
る。タンパク質の免疫原エピトープの数は一般に抗原エ
ピトープの数よりも少ない。例えば Geysen et al.(1
983)Proc. Natl. Acad Sci. USA 81:3998−
4002を参照のこと。特定のエピトープは免疫原性で
ない場合もあるもののそれでも、in vitroであらゆるエ
ピトープに対して抗体を作ることができるため有用であ
るということが特に指摘される。
【0343】1つのエピトープは、そのエピトープに独
特なものである空間的立体配座で3つという少ないアミ
ノ酸しか含まない可能性がある。一般に、エピトープ
は、少なくとも6つのこのようなアミノ酸で構成されて
おり、より頻繁には、少なくとも8〜10個のこのよう
なアミノ酸で構成されている。好ましい実施態様では、
抗原エピトープは、3〜50の間の任意の整数である一
定数のアミノ酸を含んでいる。エピトープとして機能す
るフラグメントは、従来のあらゆる手段を用いて産生で
きる。例えば米国特許第4,631,211号でもさらに
記述されている、Houghten, R.A., Proc.Natl. Acad. S
ci.USA82:5131−5135(1985)を参照の
こと。免疫原エピトープを作り上げているアミノ酸を決
定するための方法としては、x線結晶構造解析、2次元
核磁気共鳴およびエピトープマッピング、例えば H.Mar
io Geysen et al.(1984);Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA81:3998−4002;PCT公報第WO84/
03564号およびPCT公報第WO84/03506
号によって記述されているペップスキャン(pepscan)
方法が含まれる。もう1つの例は、Jameson および Wol
f のアルゴリズム Comp.Appl.Biosci.4:181−18
6(1988)である(前記参考文献は、その全体が参
考として内含されている)。例えば Jameson-Wolf の抗
原解析は、デフォルトパラメータを用いたコンピュータ
プログラム PRO TEAM を使用して実施可能である(バー
ジョン4.0,ウィンドウズ、DNASTAR Inc., 1228
South Park Street Madison, WI) 本発明のエピトープ支持フラグメントは、好ましくは本
発明のポリペプチドの6〜50個のアミノ酸(すなわち6
以上50以下の任意の整数)を含んで成る。同様に本発
明中に内含されているのは、6から配列リストにある全
長配列までの整数間の抗原フラグメントである。6から
本発明のポリペプチドの全長配列の整数の間の配列の全
ての組合せも内含されている。エピトープ支持フラグメ
ントは、隣接するアミノ酸残基(亜属としての)の数ま
たは本発明のポリペプチドフラグメントについて上述し
た通りの特定のN末端およびC末端位置(種としての)
のいずれかによって特定することができる。任意の数の
本発明のエピトープ支持フラグメントを、同じ要領で除
外することもできる。
【0344】抗原エピトープは例えば、エピトープを特
異的に結合させるモノクローナル抗体を含む抗体を発生
させるのに有用である(Wilson et al.,1984,およ
び Sutcliffe, J.G.et al., 1983を参照のこと)。
このとき、抗体は、本書に記述されているように診断お
よび組織/細胞同定技術といったさまざまな技術および
精製方法で使用される。
【0345】同様にして、当該技術分野において周知の
方法に従って抗体を誘発するために、免疫原エピトープ
を使用することもできる。(Sutcliffe et al., 前出.
Wilson et al., 前出;Chow, M. et al.,(1985)
および Bittle, F.J.et al.,(1985)を参照のこ
と)。好ましい免疫原エピトープには、配列リストのポ
リペプチドが内含される。免疫原エピトープは、動物系
(例えばウサギまたはマウス)に対してアルブミンとい
ったような担体タンパク質と共に、または充分に長い
(少なくとも約25アミノ酸)場合には担体無しで、提
示されうる。ただし、8〜10個という少ないアミノ酸
しか含まない免疫原エピトープでも、最小限、変性ポリ
ペプチド内の線形エピトープに結合する能力をもつ抗体
を発生させるのに充分であることが示されてきた(例え
ばウェスタンブロット法において)。
【0346】本発明のエピトープ保持ポリペプチドは、
in vivo 免疫化、in vitro免疫化およびファージディス
プレイ方法(例えば、Sutcliffe, et al.,前出;Wilso
n, etal., 前出 および Bittle, et al.,1985を参
照)を含む(ただしこれらに制限されるわけではない)
当該技術分野において周知の方法に従って抗体を誘発す
るべく使用される。in vivo 免疫化が使用される場合、
動物を遊離ペプチドで免疫化し得る;しかしながら、キ
ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷
風トキソイドといった高分子担体に対しペプチドをカッ
プリングさせることによって抗ペプチド抗体力価を高め
ることが可能である。例えば、システイン残基を含有す
るペプチドをマレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシス
クシイミドエステル(MBS)といったようなリンカー
を用いて担体にカップリングすることができ、一方その
他のペプチドは、グルタルアルデヒドといったようなよ
り一般的な連結剤を用いて担体にカップリングさせるこ
とができる。ウサギ、ラットおよびマウスといったよう
な動物を、例えば、約100μgのペプチドまたは担体
タンパク質およびフロインドアジュバントを含有するエ
マルジョンの腹腔内および/または皮内注射により、遊
離または担体カップリングしたペプチドのいずれかで免
疫化する。例えば固体表面に吸着された遊離ペプチドを
用いたELISAアッセイにより検出され得る有用な力
価の抗ペプチド抗体を提供するため、例えば約2週間の
間隔で、数回のブースタ注射が必要となる可能性があ
る。免疫化された動物からの血清中の抗ペプチド抗体の
力価は、例えば、当該技術分野において周知の方法に従
った固体支持体上へのペプチドの吸着および選択された
抗体の溶出により、抗ペプチド抗体を選択することによ
って増大され得る。
【0347】当業者であればわかるようにかつ上述のよ
うに、免疫原エピトープまたは抗原エピトープを含む本
発明のポリペプチドは、異種ポリペプチド配列に融合さ
せることができる。例えば本発明のポリペプチドを免疫
グロブリン(IgA,IgE,IgG,IgM)の定常
ドメインまたはその一部分(CH1,CH2,CH3,
全ドメインまたはその一部の両方を含むこれらの任意の
組合せ)と融合させ、キメラポリペプチドを結果として
もたらすこともできる。これらの融合タンパク質は精製
を容易にし、in vivo で半減期の増大を示す。このこと
は、例えばヒトCD−4ポリペプチドの最初の2つのド
メインおよび哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽
鎖の定常領域のさまざまなドメインから成るキメラタン
パク質について立証されてきた(例えばEPA0,39
4,827号および Trauhecher etal., 1988を参照
のこと)。IgG部分に起因するジスルフィド結合した
2量体構造をもつ融合タンパク質は、単量体ポリペプチ
ドまたはそのフラグメント単独の場合に比べ、その他の
分子を結合させ中和させる上でさらに効率がよいもので
ありうる。(例えば Fountoulakie et al., 1995,
参照)。上述のエピトープをコードする核酸をエピトー
プタグとして目的の遺伝子と組換えて、発現されたポリ
ペプチドの検出および精製を補助することも可能であ
る。
【0348】遺伝子シャッフル、モチーフシャッフル、
エキソンシャッフル、またはコドンシャッフル(集合的
に「DNAシャッフル」と呼ばれる)技術を通して本発
明の付加的な融合タンパク質を生成することが可能であ
る。DNAシャッフルは、本発明のポリペプチドの活性
を変調させ、かくしてポリペプチドのアゴニストおよび
アンタゴニストを有効に生成するために利用できる。例
えば、米国特許第5,605,793号;同第5,811,
238号;同第5,834,252号;同第5,837,
458号;および Patten, P.A.,et al.,(1997);H
arayama, S.,(1998);Hansson,L.O.,et al.(199
9);および Lorenzo, M.M. and Blasco, R,(1998)
を参照のこと(これらの文書の各々は本書に参考として
内含されている)。1つの実施態様においては、本発明
のコーディングポリヌクレオチドの単数または複数の成
分、モチーフ、切片、部分、ドメイン、フラグメントな
どまたはそれによってコードされたポリペプチドを単数
または複数の異種分子の単数または複数の成分、モチー
フ、切片、部分、ドメイン、フラグメントなどと組換え
ることができる。
【0349】抗体 本発明はさらに、本発明のポリペプチドに特異的に結合
する抗体およびT細胞抗原レセプタ(TCR)にも関す
る。本発明の抗体には、IgG(IgG1,IgG2,
IgG3,およびIgG4を含む)、IgA(IgA1
およびIgA2を含む)、IgD,IgEまたはIgM
およびIgYが含まれる。ここで使用する「抗体」(A
b)という語は、単鎖全抗体およびその抗原結合フラグ
メントを内含する全抗体を含むものとされている。好ま
しい1実施態様においては、抗体は、本発明のヒト抗原
結合抗体フラグメントであり、制限的な意味なく、Fa
b,Fab' F(ab)2およびF(ab')2,Fd,単鎖Fvs
(scFv), 単鎖抗体、ジスルフィド結合したFvs(sdF
v) および、VLまたはVHのいずれかのドメインを含む
フラグメントを内含する。抗体は、鳥類および哺乳動物
を内含する任意の動物由来のものであってよい。好まし
くは、抗体はヒト、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモッ
ト、ラクダ、ウマまたはニワトリである。
【0350】単鎖抗体を内含する抗原結合抗体フラグメ
ントは、可変領域を単独でまたはヒンジ領域、CH1,
CH2およびCH3ドメインの全てまたは一部と組合せ
た状態で含むことができる。同じく本発明の中に含まれ
るのは、可変領域(単複)およびヒンジ領域、CH1,
CH2およびCH3ドメインの任意の組合せである。本
発明はさらに、本発明のポリペプチドを特異的に結合す
るキメラ、ヒト化およびヒトモノクローナルおよびポリ
クローナル抗体を内含する。本発明はさらに、本発明の
抗体に対する抗イディオタイプ抗体を内含する。
【0351】本発明の抗体は、単一特異性、2重特異
性、3重特異性またはより多くの多重特異性をもつ抗体
であってよい。多重特異性抗体は、本発明のポリペプチ
ドの異なるエピトープに対し特異的であってもよいし、
あるいは又本発明のポリペプチドならびに異種ポリペプ
チドまたは固体支持体材料といった異種組成物の両方に
ついて特異的であってもよい。例えば、WO93/17
715;WO92/08802;WO91/00360;
WO92/05793;Tutt, A. et al.(1991)J. I
mmunol. 147:60−69,米国特許第5,573,9
20号,同第4,474,893号,同第5,601,81
9号,同第4,714,681号,同第4,925,648
号;Kostelny, S.A. et al.(1992)J.Immunol.14
8:1547−1553を参照のこと。
【0352】一部の実施態様では、抗体はEST関連核
酸,EST関連核酸のフラグメント,EST関連核酸の
位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントによってコードされる、タンパク質また
はポリペプチドに対し特異的に結合する能力を有するこ
とができる。一部の実施態様では、抗体は、EST関連
核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸
の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントによってコードされるタンパク質また
はポリペプチドの中の抗原決定基またはエピトープを結
合させる能力を有していてよい。
【0353】その他の実施態様では抗体は、EST関連
ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメン
ト、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはE
ST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメント
に特異的に結合する能力を有していてよい。一部の実施
態様では、抗体は、EST関連ポリペプチド、EST関
連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチ
ドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位
置セグメントのフラグメントの中の抗原決定基またはエ
ピトープを結合させる能力を有することができる。
【0354】本発明の抗体は、抗体により認識されるか
または特異的に結合される本発明のポリペプチドのエピ
トープまたは一部分の形で記述または特定可能である。
【0355】分泌タンパク質の場合、抗体は、本発明の
核酸によりコードされる全長タンパク質,本発明の核酸
によりコードされる成熟タンパク質(すなわちシグナル
ペプチドの分割により生成されるタンパク質)または本
発明の核酸によってコードされるシグナルペプチドを特
異的に結合させることができる。さらに、エピトープま
たはポリペプチド部分(単複)を、本書で記述するとお
りに、例えば、N末端およびC末端位置、隣接するアミ
ノ酸残基のサイズによって特定することもできるし、そ
うでなければ表および配列リスト内に列挙することもで
きる。本発明のいずれかのエピトープまたはポリペプチ
ドを特異的に結合する抗体は同様に排除することもでき
る。従って、本発明は、そのポリペプチドを特異的に結
合する抗体を内含し、その排除を可能にする。
【0356】本発明の抗体は同様にそれらの交差反応に
関して記述または特定することもできる。本発明のポリ
ペプチドのその他の任意の類似体、定向進化体または相
同体を結合させない抗体が内含される。本発明のポリペ
プチドに対して95%未満、90%未満、85%未満、
80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、6
0%未満、55%未満および50%未満の同一性(当該
技術分野において既知で本書に記述さている方法を用い
て計算されるもの)を有するポリペプチドを結合させな
い抗体も、本発明の中に内含される。さらに本発明の中
に含まれるのは、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件(本書で記述されているもの)下で本発明の
ポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチ
ドによりコードされるポリペプチドのみを結合させる抗
体である。本発明の抗体は、その結合親和力に関しても
記述または特定することができる。好ましい結合親和力
には、5X10-6M,10-6M,5X10-7M,10-7
M,5X10-8M,10-8M,5X10-9M,10
-9M,5X10-10M,10-10M,5X10-11M,1
-11M,5X10-12M,10-12M,5X10-13M,
10-13M,5X10-14M,10-14M,5X10
-15M,および10-15M 未満の解離定数またはすなわ
ちKdをもつものが含まれる。
【0357】本発明の抗体は、制限的意味なく、in vit
ro および in vivo の両方の診断および治療方法を含め
た、本発明のポリペプチドを精製、検出および標的化す
るための当該技術分野において既知の方法を含む用途を
有する。例えば、該抗体は、生物学的サンプル中の本発
明のポリペプチドのレベルを定性的および定量的に測定
するためのイムノアッセイにおいて使用される。例えば
本書に全体が参考として内含されいる Harlow et al.,
「 抗体:その実験室マニュアル」(Cold Spring Harbo
r Laboratory Press,第2版1988)を参照のこと。
【0358】本発明の抗体は、単独またはその他の組成
物と組合わせた形のいずれかで使用することができる。
抗体はさらに、NまたはC末端で異種ポリペプチドに対
し組換えにより融合されてもよいし、またはポリペプチ
ドまたはその他の組成物に対し(共有および非共有結合
の接合を含めて)化学的に接合されてよい。例えば、本
発明の抗体は、異種ポリペプチド,検出アッセイ内で標
識として役立つ分子および薬物または毒素といったよう
なエフェクター分子に対し組換えにより融合されるか接
合されてもよい。例えば、WO92/08495;WO
91/14438;WO89/12624;米国特許第
5,314,995号;およびEP0396387を参照
のこと。
【0359】本発明の抗体は、当該技術分野において既
知のあらゆる適切な方法によって調製され得る。例え
ば、本発明のポリペプチドまたはその抗原フラグメント
は、ポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘発す
る目的で、動物に投与することができる。「モノクロー
ナル抗体」という語は、ハイブリドーマ技術を通して産
生された抗体に制限されるわけではない。「抗体」とい
う語は、抗原との免疫学的反応を可能にする、抗原の抗
原決定基の特徴に対し相補的な内部表面の形状および電
荷分布を伴う三次元結合空間を形成するため抗体分子の
可変ドメインの折りたたみから結合ドメインが形成され
る、少なくとも1つの結合ドメインで構成されたポリペ
プチドまたはポリペプチド群を意味する。「モノクロー
ナル抗体」という語は、真核生物クローン、原核生物ク
ローンまたはファージクローンを含む単一のクローンか
ら誘導される抗体のことを意味し、それが産生される方
法を意味するものではない。モノクローナル抗体は、ハ
イブリドーマ、組換え体およびファージディスプレイ技
術の使用を含めた、当該技術分野において既知のさまざ
まな技術を使用して調製され得る。
【0360】ハイブリドーマ技術には、当該技術分野に
おいて既知のものが含まれる(例えば、Harlow et al.,
抗体;その実験室マニュアル、(Cold Spring Harbor L
aboratory Press, 第2版、1988);Hammerling, e
t al., モノクローナル抗体およびT細胞ハイブリドー
マ、563−681(Elsevier, N.Y, 1981)を参
照)(これらの参考文献は、その全体が参考として内含
されている)。例えば(Fab フラグメントを産生するに
は)パパインまたは(F(ab') 2 フラグメントを産生
するためには)ペプシンといった酵素を用いて、タンパ
ク質分解分割によりハイブリドーマ産生された抗体か
ら、Fab および F(ab') 2フラグメントを産生すること
ができる。
【0361】代替的には、本発明の抗体は、組換え型DN
A技術の応用を通して、または当該技術分野において既
知の方法を用いた合成化学を通して産生できる。例え
ば、本発明の抗体は、当該技術分野において既知のさま
ざまなファージディスプレイ方法を用いて調製可能であ
る。ファージディスプレイ方法においては、機能的抗体
ドメインが、それらをコードするポリヌクレオチド配列
を支持するファージ粒子の表面上に表示される。所望の
結合特性をもつファージが、抗原、標準的には固体表面
またはビーズに結合または捕捉された抗原を用いて直接
選択することによって(例えばヒトまたはマウスの)レ
パートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリから
選択される。これらの方法の中で用いられるファージは
標準的には、Fab,Fv またはジスルフィドで安定化さ
れたFb抗体ドメインがファージ遺伝子III または遺伝
子VIIIタンパク質のいずれかに組換えにより型融合され
た状態で、fdおよびM13を含む繊維状ファージであ
る。本発明の抗体を作るために使用できるファージディ
スプレイ方法の例としては、Brinkman U.et.al.,(19
95)J.Immunol. Methods 182:41−50;Ames,
R.S. et al.,(1995)J.Immunol. Methods 18
4;177−186,Kettleborough, C.A.et.al.,(1
994)Eur.J.Immunol.24:952−958;Persi
c, L.et.al.(1997)Gene 187 9−18;Burto
n, D.R. et al. (1994)Advances in Immunology
57:191−280;PCT/GB91/01134;
WO 90/02809;WO 91/10737;WO
92/01047;WO 92/18619;WO 93/
11236;WO 95/15982;WO 95/204
01;および米国特許第5,698,426号,同第5,
223,409号,同第5,403,484号,同第5,5
80,717号,同第5,427,908号,同第5,75
0,753号,同第5,821,047号,同第5,57
1,698号,同第5,427,908号,同第5,51
6,637号,同第5,780,225号,同第5,65
8,727号および同第5,733,743号の中で開示
されたものがある(前記参考文献は、その全体が参考と
て内含されている)。
【0362】上述の参考文献中で記述されている通り、
ファージ選択の後、ファージからの抗体コーディング領
域を分離し、これを使用してヒト抗体またはその他の任
意の所望の抗原結合フラグメントを内含する全抗体を生
成し、又、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母お
よび細菌を含むあらゆる所望の宿主の中でこれを発現さ
せることができる。例えば、WO 92/22324,Mu
llinax, R.L. et al.(1992) BioTechniques12
(6):864−869;および Sawai. H. etal.(1
995)AJRI 34:26−34,および Better, M. e
t al.(1988)Science 240:1041−104
3の中で開示されているもののような当該技術分野では
既知の方法を用いて、Fab,Fab',F(ab)2およびF
(ab')2 フラグメントを組換えにより産生するための技
術を利用することも可能である(前記参考文献はその全
体が参考として内含されている)。
【0363】単鎖Fvs および抗体を産生するのに使用
可能な技術の例としては、米国特許4,946,778お
よび5,258,498号、Huston et al.(1991Meth
odsin Enzymology 203:46−88;Shu, L. et a
l.(1993)PNAS 90:7995−7999;
および Skerra, A. et al.(1988)Science 24
0:1038−1040に記述されているものが含まれ
る。ヒトの体内での抗体の in vivo使用および in vitr
o 検出アッセイを含む一部の用途においては、キメラ抗
体、ヒト化抗体またはヒト抗体を使用することが好まし
いかもしれない。キメラ抗体を産生するための方法は、
当該技術分野において既知のものである。例えば Morri
son, Science229:1202(1985); Oi et a
l., BioTechniques 4:214(1986);Gillies,
S.D. et al.(1989)J. Immunol. Methods 12
5:191−202;および米国特許5,807,715
を参照のこと。抗体は、CDR移植(EP 023940
0;WO 91/09967;米国特許5,530,10
1;および5,585,089),張り合せまたは表面つ
け替え(EP 0592106;EP 0519596;Padl
an E.A.,(1991)Molecular Immunology28(4/
5):489−498;Studnicka G.M. et al.(199
4)Protein Engineering 7(6):805−814;
Roguska M.A. et al.(1994)PNAS 91:96
9−973),および鎖シャッフル(米国特許5,56
5,332)を含むさまざまな技術を用いてヒト化する
ことができる。ヒト抗体は、上述のファージディスプレ
イ方法を含め、当該技術分野において既知のさまざまな
方法によって作ることができる。米国特許4,444,8
87,4,716,111,5,545,806,および
5,814,318,WO 98/46645;WO 98/
50433;WO 98/24893;WO 96/340
96;WO 96/33735;およびWO 91/107
41も同様に参照のこと。(前記参考文献は、その全体
が参考として内含されている)。
【0364】本発明にさらに内含されているのは、本発
明のポリペプチドに対して、組換えにより融合された、
または(共有および非共有結合の両方の接合を含む)化
学的に接合された抗体である。これらの抗体は、本発明
のポリペプチド以外の抗原に特異的にあってよい。例え
ば、本発明のポリペプチドを特定の細胞表面レセプタに
特異的な抗体に対し融合または接合させることによっ
て、in vitro または invivo のいずれかで特定の細胞
型に対して本発明のポリペプチドを標的化するために、
抗体を使用することができる。本発明のポリペプチドに
融合または接合された抗体は、同様に、当該技術分野に
おいて既知の方法を用いた精製方法およびin vitro 免
疫アッセイの中でも使用することができる。。例えば、
Harbor etal. 前出およびWO93/21232;EP0
439095;Naramura, M. et al.(1994)Immuno
l. Lett.39:91−99,米国特許5,474,98
1;Gillies, S.O. et al.(1992)PNAS 8
9:1428−1432;Fell,H.P. et al.(199
1)J.Immunol.146:2446−2452を参照のこ
と(前記参考文献は、その全体が参考として内含されて
いる)。
【0365】本発明はさらに、可変領域以外の抗体ドメ
インに融合または接合された本発明のポリペプチドを含
む組成物をも内含する。例えば、本発明のポリペプチド
は、抗体Fc 領域またはその一部分に対し融合または接
合され得る。本発明のポリペプチドに融合された抗体部
分は、ヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメインお
よびCH3ドメインまたはその全ドメインまたは1部分
のあらゆる組合せを含むことができる。本発明のポリペ
プチドは、ポリペプチドの in vivo半減期を増大させる
ためかまたは当該技術分野において既知の方法を用いた
免疫アッセイの中で使用するために上述の抗体部分に融
合または接合され得る。ポリペプチドは同様に、多量体
を形成するために上述の抗体部分に融合または接合させ
ることもできる。例えば、本発明のポリペプチドに融合
されたFc部分は、Fc部分間のジスルフィド結合を通
して2量体を形成することができる。より多い多量体形
態は、IgAおよびIgMの一部分にポリペプチドを融
合することによって作ることができる。本発明のポリペ
プチドを抗体部分に融合または接合させるための方法
は、当該技術分野において既知のものである。例えば米
国特許第5,336,603号,同第5,622,929
号,同第5,359,046号,同第5,349,053
号,同第5,447,851号,同第5,112,946
号;EP第0307434号,EP第0367166
号;WO第96/04388号,WO第91/06570
号;Ashkenazi, A et al.(1991)PNAS88:1
0535−10539;Zheng, X.X. et al.(199
5)J. Immunol. 154:5590−5600;および
Vil, H. et al.(1992)PNAS 89:1133
7−11341を参照のこと。これらの参考文献は、そ
の全体が参考として内含されている)。
【0366】本発明はさらに、本発明のポリペプチドの
アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する抗体に
も関する。例えば本発明は、本発明のポリペプチドとの
レセプタ/リガンド相互作用を部分的にまたは完全に分
断する抗体を内含する。内含されるのは、レセプタ特異
的抗体およびリガンド特異的抗体の両方である。内含さ
れるのは、リガンド結合を妨げないもののレセプタ活性
化を妨げるレセプタ特異的抗体である。レセプタ活性化
(すなわちシグナリング)は、本書に記述されているか
またはその他の形で当該技術分野で知られている技術に
よって決定され得る。同様に内含されているのは、リガ
ンド結合およびレセプタ活性化の両方を妨げるレセプタ
特異的抗体である。同様に内含されているのは、リガン
ドを結合させレセプタに対するリガンドの結合を妨げる
中和抗体、ならびに、リガンドを結合させかくしてレセ
プタ活性化を妨げるもののリガンドがレセプタを結合さ
せるのを妨げない抗体である。さらに内含されているの
は、レセプタを活性化する抗体である。これらの抗体
は、リガンド媒介レセプタ活性化による影響を受ける生
物活性の全てかまたはそれより少ない活性のいずれかに
対するアゴニストとして作用することができる。抗体
は、本書で開示されている特定の活性を含む生物活性を
対象としたアゴニストまたはアンタゴニストとして特定
され得る。上述の抗体アゴニストは、当該技術分野にお
いて既知の方法を用いて作ることができる。例えば、W
O 96/40281;米国特許第5,811,097号;
Deg, B. etal.(1998)Blood 92(6):198
1−1988;Chen, Z. et al.(1998)Cancer Re
s. 58(16):3668−3678;Harrop, J.A.
et al.(1998)J. Immunol.161(4):1786
−1794;Zhu, Z. et al.(1998)Cancer Res.
58(15):3209−3214;Yoon, D.Y. etal.
(1998)J.Immunol.160(7):3170−31
79;Prat, M. et al.(1998)J. Cell. Sci. 11
1(Pt2):237−247;Pitard, V. etal.(19
97)J.Immunol. Methods 205(2):177−1
90;Liautard,J. et al.(1997)Cytokinde 9
(4)233−241;Carlson, N.G. etal.(199
7)J. Biol. Chem.272(17):11295−11
301;Taryman, R.E. et al.(1995)Neuron14
(4):755−762;Muller, Y.A. et al.(199
8)Structure 6(9):1153−1167;Bartun
ek, P. et al.(1996)Cytokine8(1):14−2
0を参照のこと(これらの参考文献はその全体が参考と
して内含されている。
【0367】上述の通り、本発明のポリペプチドの抗体
は、それ自体、当業者にとっては周知の技術を用いて本
発明のポリペプチドを「模倣」する抗イディオタイプ抗
体を生成するために利用され得る。例えば、Greenspan
および Bona, FASEB J. 7(5):437−444(1
989);Nissinoff, J.Immunol. 147(8):24
29−2438(1991)を参照のこと。例えば、本
発明のポリペプチドに結合し、ポリペプチドの多量体化
または本発明のポリペプチドのリガンドに対する結合を
競合的に阻害する抗体を用いて、ポリペプチドの多量体
化または結合ドメインを「擬態」しその結果としてポリ
ペプチドまたはそのリガンドに結合しそれを中和する抗
イディオタイプを生成することが可能である。このよう
な中和抗イディオタイプ抗体は、本発明のポリペプチド
を結合させるかまたはそのリガンド/レセプタを結合さ
せ、かくしてその生物活性を遮断するのに使用すること
ができる。
【0368】実施例33 ヒトポリペプチドまたはタンパク質に対する抗体の産生 上述のEST関連核酸,EST関連核酸のフラグメン
ト,EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連
核酸の位置セグメントのフラグメントまたは、EST関
連ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメン
ト,EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはE
ST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメント
をコードする核酸を、プロモータに対し機能し得る形で
連結し、上述のとおり細胞内に導入する。
【0369】分泌タンパク質の場合、完全タンパク質
(すなわち成熟タンパク質およびシグナルペプチド)を
コードする核酸、成熟タンパク質(すなわちシグナルペ
プチドの分割により生成されるタンパク質)をコードす
る核酸、またはシグナルペプチドをコードする核酸はプ
ロモータに対し機能し得る形でリンクされ、上述のとお
りに細胞内に導入される。
【0370】このとき、コードされたタンパク質または
ポリペプチドを、上述の通りに実質的に精製または単離
する。最終的調製物中のタンパク質の濃度を、例えば A
micon フィルター装置上の濃度によって、数μg/mlのレ
ベルに調整する。タンパク質またはポリペプチドに対す
るモノクローナルまたはポリクローナル抗体を次に以下
の通りに調製することができる。
【0371】1.ハイブリドーマ融合によるモノクロー
ナル抗体の産生 記述のとおりに同定され単離されたタンパク質またはポ
リペプチドのうちのいずれかのエピトープに対するモノ
クローナル抗体を、Kohler および Milstein,Nature 2
56:495(1975)の古典的方法またはその派生
的方法に従って、マウスハイブリドーマから調製するこ
とができる。簡単に言うと、数週間の期間にわたり、選
択されたタンパク質またはそこから誘導されたペプチド
を数マイクログラム、マウスに反復的に接種する。その
後マウスを屠殺し、脾臓の抗体産生細胞を単離する。マ
ウス骨髄腫細胞と脾細胞をポリエチレングリコールを用
いて融合させ、アミノプテリンを含む選択培地(HAT
培地)上でのその系の増殖により、余剰の未融合細胞を
破壊する。うまく融合した細胞を希釈し、希釈液のアリ
コートを、培養物の増殖から続けられるマイクロタイタ
ープレートのウェルの中に入れる。その開示が本書に参
考として内含されている Eugvall, Meth.Enzymol.7
0:419(1980)によって当初記述されたような
Elisaといった免疫アッセイ手順およびその派生的方法
により、ウェルの上清流体の中の抗体を検出することに
よって、抗体産生クローンを同定する。選択された陽性
クローンを増殖させ、そのモノクローナル抗体産物を使
用のために収獲することができる。モノクローナル抗体
の産生のための詳細な手順は、その開示が本書に参考と
して内含されている「分子生物学における基本的方法」
Elsevier, New York, 第21−2節の中で Davis L. et
al.により記述されている。
【0372】2.免疫化によるポリクローナル抗体の産
生 免疫原性の増強のため修飾されていてもよいしまたは修
飾されていなくてもよい発現されたタンパク質またはそ
れから誘導されたペプチドを用いて適切な動物を免疫化
することによって、単一のタンパク質またはポリペプチ
ドの異種起源のエピトープに対する抗体を含有するポリ
クローナル抗血清を調製することができる。有功なポリ
クローナル抗体の産生は、抗原および宿主種の両方に関
連する数多くの因子によって影響される。例えば、小さ
い分子はその他のものよりも免疫原性が低い傾向にあ
り、担体およびアジュバントの使用を必要とする可能性
がある。同様に、宿主動物の応答は、接種の部位および
用量に応じて変動し、抗原の不適切なまたは過度の用量
は共に抗血清の力価が低下するという結果をもたらす。
多数の皮内部位で投与される少ない抗原用量(ngレベ
ル)が最も信頼性の高いものであると思われる。ウサギ
のための有効な免疫化プロトコルは、本書にその開示が
参考として内含されている Vaitukaitis et al.J.Clin.
Endocrinol. Metab. 33:988−991(197
1)の中に見い出すことができる。
【0373】ブースタ注射は、規則的な間隔で与えるこ
とができ、抗原の既知の濃度に対する例えば寒天中の2
重免疫拡散によって半定量的に決定されるようなその抗
体力価が下降し始めた時点で、抗血清を収獲することが
できる。例えば、本書にその開示が参考として内含され
ている Handbook of Experimental Immunology D.Wier
(ed) Blackwell(1973)中の、Ouchterlony, et a
l., Chap.19を参照されたい。抗体の安定水準濃度は
通常、血清1mlあたり0.1〜0.2mg(約12μM)の
範囲内にある。抗原に対する抗血清の親和力は、例えば
本書にその開示が参考として内含されている Manual of
Clinical Immunology,2d Ed.(Rose andFriedman, Ed
s)Amer. Soc.For Microbiol, Washington, D.C.(19
80),第42章で Fisher D,により記述されているよ
うに、競合結合曲線を作成することによって決定され
る。
【0374】上述のプロトコルのいずれかに従って調製
された抗体調製物は、さまざまな状況下で有用である。
特に、EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメン
トまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメン
トによってコードされるタンパク質またはポリペプチド
の大規模単離、精製または富化を容易にするため、また
は、EST関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチド
のフラグメント,EST関連ポリペプチドの位置セグメ
ントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントの
フラグメントの単離、精製または富化のため、以下で記
述されたもののようなイムノアフィニティクロマトグラ
フィ技術の中でこの抗体を使用することができる。
【0375】分泌タンパク質の場合、抗体を、完全タン
パク質(すなわち成熟タンパク質およびシグナルペプチ
ド),成熟タンパク質(すなわちシグナルペプチドの分
割により生成されたタンパク質)またはシグナルペプチ
ドの単離、精製または富化のために使用し得、プロモー
タに機能し得る形でリンクし、上述のように細胞内に導
入する。
【0376】付加的には、抗体を、EST関連核酸,E
ST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントによってコードされるタ
ンパク質またはポリペプチドにリンクされたポリペプチ
ドを単離、精製または富化するため、またはEST関連
ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメン
ト,EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはE
ST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメント
を単離、精製または富化させるため、以下で記述するも
ののようなイムノアフィニティクロマトグラフィ技術の
中で使用することができる。
【0377】抗体は同様に、EST関連核酸,EST関
連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セ
グメントのフラグメントによってコードされるタンパク
質またはポリペプチドによってコードされるポリペプチ
ドの細胞局在化または、EST関連ポリペプチド,ES
T関連ポリペプチドのフラグメント,EST関連ポリペ
プチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチド
の位置セグメントのフラグメントの細胞局在化を決定す
るためにも使用可能である。
【0378】さらに、抗体は、EST関連核酸,EST
関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントによってコードされるタンパ
ク質またはポリペプチドにリンクされたポリペプチド,
またはEST関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチ
ドのフラグメント,EST関連ポリペプチドの位置セグ
メントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメント
のフラグメントにリンクされたポリペプチドの細胞局在
化を決定するためにも使用可能である。
【0379】抗体は同様に、生物学的サンプル中の抗原
保持物質の濃度を決定する定量的免疫アッセイの中でも
使用可能である。これらは同様に、生物学的サンプル中
の抗原の存在を同定するためまたは生物学的サンプル中
に存在する組織型を同定するため、半定量的または定性
的に使用することもできる。抗体は又、タンパク質を発
現する細胞を死滅させるかまたは体内のタンパク質レベ
ルを低減させるための治療用組成物の中でも同様に使用
可能である。
【0380】VI. 5’ESTおよびコンセンサスコンテ
ィグ化5’ESTまたはそれから得られる配列またはそ
の一部分の、試薬としての使用 EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを、
単離手順、診断アッセイおよび法医学手順の中で試薬と
して使用することができる。例えば、EST関連核酸,
EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントからの配列を、検出可
能な形で標識し、それらに対しハイブリタイズする能力
をもつその他の配列を単離するためのプローブとしてこ
れを使用することができる。さらに、EST関連核酸,
EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントを使用して、単離、診
断または法医学手順で使用すべきPCRプライマを設計
することも可能である。
【0381】1.EST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントの、単離、診断および法医学的手順にお
ける使用 実施例34 PCRプライマーの調製およびDNAの増幅 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、ま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを
使用して、そのような配列にハイブリダイズし得る核酸
をクローニングするための単離手順、診断技術および法
医学技術を含む様々な適用のためのPCRプライマーを
調製することができる。いくつかの実施態様において、
PCRプライマーは、少なくとも10,15,18,2
0,23,25,28,30,40または50ヌクレオ
チドの長さである。いくつかの実施態様において、PC
Rプライマーは30塩基を超える長さであってもよい。
プライマー対は、融解温度がほぼ同じであるように、ほ
ぼ同じG/C比を有する。様々なPCR技術が当業者に
よく知られている。PCR技術の概要については、Mo
lecular Cloning to Geneti
c Engineering, White,B.A.
編、Methods in Molecular Bi
ology 67:Humana Press, To
towa 1997を参照のこと。該参考文献の開示内
容は、参照により本明細書に組み入れる。これらのPC
R手順のそれぞれにおいて、増幅しようとする核酸配列
のそれぞれの側に対するPCRプライマーを、dNTP
およびTaqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、また
はVentポリメラーゼなどの耐熱性ポリメラーゼと共
に適切に調製された核酸サンプルに添加する。サンプル
中の核酸を変性し、PCRプライマーを、サンプル中の
相補的な核酸配列に特異的にハイブリダイズさせる。ハ
イブリダイズしたプライマーを伸張する。その後、変
性、ハイブリダイゼーションおよび伸張の別のサイクル
が開始する。サイクルを複数回反復して、プライマー部
位間の核酸配列を含有する増幅されたフラグメントを生
成する。
【0382】実施例35 プローブとしてのEST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントの使用 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、ま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントか
ら誘導されるプローブを、放射性同位体および非放射性
標識を含む、当業者によく知られた検出可能な標識物で
標識し、検出可能なプローブを提供することもできる。
検出可能なプローブは、一本鎖または二本鎖であっても
よく、in vitro転写、ニックトランスレーショ
ン、またはキナーゼ反応を含む当業者に公知の技術を使
用して作製してもよい。標識されたプローブにハイブリ
ダイズすることができる配列を含有する核酸サンプル
を、標識したプローブに接触させる。サンプル中の核酸
が二本鎖である場合、プローブに接触させる前に該核酸
を変性してもよい。適用によっては、核酸サンプルを、
ニトロセルロースまたはナイロン膜などの表面上に固定
化してもよい。核酸サンプルは、ゲノムDNA、cDN
Aライブラリー、RNA、または組織サンプルを含むさ
まざまな供給源から得られる核酸を含むことができる。
【0383】検出可能なプローブにハイブリダイズする
ことができる核酸の存在を検出するために使用される手
順には、サザンブロッティング、ノーザンブロッティン
グ、ドットブロッティング、コロニーハイブリダイゼー
ション、およびプラークハイブリダイゼーションなどの
周知の技術が含まれる。適用によっては、標識されたプ
ローブにハイブリダイズすることができる核酸を、発現
ベクター、配列決定ベクター、またはin vitro
転写ベクターなどのベクターにクローニングして、サン
プル中のハイブリダイズ核酸の特徴付けおよび発現を容
易にすることができる。例えば、そのような技術を使用
して、上記の実施例18に記載の検出可能なプローブに
ハイブリダイズすることができるゲノムライブラリーま
たはcDNAライブラリー中の配列を単離し、クローニ
ングしてもよい。
【0384】上記の実施例34に記載のように作製され
たPCRプライマーは、以下の実施例36〜40に記載
のDNAフィンガープリント技術などの法医学分析に使
用することもできる。そのような分析は、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの配列に基づく
検出可能なプローブまたはプライマーを利用することが
できる。
【0385】実施例36 DNAの配列決定による法医学的一致 ある例示的方法では、従来の方法によって例えば、毛、
精液、血液または皮膚細胞の法医学的サンプルからDN
Aサンプルを単離する。次いで、実施例34に従って、
多くのEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントに基づくPCRプライマーのパネルを利用し、法医
学的サンプルから長さ約100〜200塩基のDNAを
増幅する。対応する配列は試験被験体から得られる。次
いで、標準的な技術を使用して、これらの同定DNAの
それぞれについて配列決定し、サンプルのデータベース
を比較することによって、被験体由来の配列とサンプル
由来の配列との間に差異があればこれを決定する。被験
体のDNA配列とサンプル由来のDNA配列との間に統
計学的に有意な差異が認められれば、その結果として同
一性が欠如していることが明らかにされる。このような
同一性の欠如は、例えば、ただ1つの配列によって証明
することができる。一方、同一性を有することは、多数
の配列でそれらが全て一致することによって実証される
べきである。好ましくは、長さが100塩基の統計学的
に同一な配列を最小でも50個使用して、被疑体とサン
プルとの間の同一性を証明する。
【0386】実施例37 DNAの配列決定による陽性同定 先の実施例に概略されている技術をより大きな規模で使
用して、任意の個体の独特なフィンガープリント型同定
を提供することができる。本技術では、多くのEST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントからプライ
マーを調製する。好ましくは、20〜50個の異なるプ
ライマーを使用する。これらのプライマーを使用して、
実施例34に従い、問題の個体から相当する数のPCR
によって作製されたDNAセグメントを得る。実施例3
6に記載の方法を使用して、これらのDNAセグメント
のそれぞれについて延期配列決定する。本手順を介して
作製された配列のデータベースは、配列が得られた個体
を特異に同定する。次いで、後にプライマーの同じパネ
ルを使用して、組織または他の生物学的サンプルと個体
を絶対的に相関付けることができる。
【0387】実施例38 サザンブロットによる法医学的同定 実施例37の手順を反復して、個体およびサンプルから
少なくとも10個の増幅された配列のパネルを得る。好
ましくは、パネルは少なくとも50個の増幅された配列
を含有する。より好ましくは、パネルは100個の増幅
された配列を含有する。実施例によっては、パネルは2
00個の増幅された配列を含有する。次いで、このPC
Rによって作製されたDNAを、好ましくは4塩基特異
的制限酵素の1つまたは組み合わせで消化する。そのよ
うな酵素は市販されており、当業者に既知である。消化
後、得られた遺伝子フラグメントを、アガロースゲル上
の複数の二連ウェルでサイズにより分離し、当業者に周
知のサザンブロッティング技術を使用して、ニトロセル
ロースに移す。サザンブロッティングの概要について
は、Davisら(Basic Methods in
MolecularBiology, 1986,
Elsevier Press62〜65頁)を参照の
こと。該参考文献の開示内容は、参照により本明細書に
組み入れる。
【0388】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントの配列に基づくプローブのパネルを、ニック
トランスレーション、末端標識などの当該分野において
公知の方法を用いて、放射性または発色性の標識を行
い、当該分野において公知の方法(Davisら、前
掲)を用いて、サザンブロットにハイブリダイズさせ
る。好ましくは、プローブは、少なくとも10,12,
15,18,20,25,28,30,35,40,5
0,75,100,150,200,300,400ま
たは500ヌクレオチドの長さである。好ましくは、プ
ローブは、少なくとも10,12,15,18,20,
25,28,30,35,40,50,75,100,
150,200,300,400または500ヌクレオ
チドの長さである。いくつかの実施態様において、プロ
ーブは、40ヌクレオチド以下の長さであるオリゴヌク
レオチドである。
【0389】好ましくは、少なくとも5〜10個のこれ
らの標識されたプローブを使用し、より好ましくは少な
くとも約20または30個を使用して特異なパターンを
提供する。EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントの大きなサンプルのハイブリダイゼーションか
ら出現する得られたバンドは、特異な同定物となる。制
限酵素切断は全ての個体に対して異なるため、サザンブ
ロット上のバンドのパターンも特異である。プローブの
数が増加すると、同定において統計学的により高いレベ
ルの信頼度が得られる。何故なら、同定のために使用さ
れるバンドの組の数が増加するからである。
【0390】実施例39 ドットブロット同定法 本明細書において開示されるEST関連核酸、EST関
連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントを使用して個体を同定するた
めのもう1つの技術は、ドットハイブリダイゼーション
技術を利用する。
【0391】同定しようとする被験体の核からゲノムD
NAを単離する。EST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメント由来の少なくとも10個、好ましくは5
0個の配列に相当するプローブを調製する。プローブを
使用して、当業者に既知の条件を介してゲノムDNAに
ハイブリダイズさせる。ポリヌクレオチドキナーゼ(P
harmacia)を使用して、オリゴヌクレオチドを
32で末端標識する。減圧ドットブロットマニホールド
(BioRad, Richmond Califor
nia)を使用して、ゲノムDNAをニトロセルロース
などにスポットすることによってドットブロットを作製
する。当該分野において公知の技術(Davisら、前
掲)を用いて、ゲノムの配列を含有するニトロセルロー
スフィルターをベーキングまたはUVによりフィルター
に結合させ、プレハイブリダイズし、標識されたプロー
ブでハイブリダイズする。32P標識DNAフラグメント
を順に連続的にストリンジェント条件でハイブリダイズ
させ、30bpの配列とDNAとの間の最低限の差異を
検出する。塩化テトラメチルアンモニウムは、少数のヌ
クレオチドのミスマッチを含有するクローンを同定する
のに有用である(Woodら、Proc.Natl.
Acad. Sci. USA 82(6):1585
−1588(1985))。該参考文献の開示内容は、
参照により本明細書に組み入れる。ドットの特異なパタ
ーンにより、1つの個体ともう1つの個体とが区別され
る。
【0392】以下の代替的フィンガープリント技術で
は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントを、プローブとして使用することができる。いくつ
かの実施態様において、プローブは、40ヌクレオチド
以下の長さであるオリゴヌクレオチドである。
【0393】好ましくは、異なるEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメント由来の配列を有する複数
のプローブを代替的フィンガープリント技術において使
用する。以下の実施例40は、プローブがEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントから誘導される
代表的な代替的フィンガープリント手順を提供する。
【0394】実施例40 代替的「フィンガープリント」同定法 Genset, Paris, Franceなどの市
販のオリゴヌクレオチドサービスを用いて、多数、例え
ば、50,100、または200個のEST関連核酸、
EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核
酸の位置セグメントのフラグメントからオリゴヌクレオ
チドを調製する。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、
少なくとも10,15,18,20,23,25,28
または30ヌクレオチドの長さである。しかしながら、
いくつかの実施態様において、オリゴヌクレオチドは、
30ヌクレオチドよりも長い長さでもよい。
【0395】当業者に周知の技術を用い、DNAを対象
として試験被験体由来の細胞サンプルを処理する。核酸
をEcoRIおよびXbaIなどの制限酵素で消化す
る。消化後、サンプルを電気泳動用ウェルにアプライす
る。ポリアクリルアミド電気泳動に順応するために当該
分野において既知の手順を改変してもよいが、本実施例
では、5μgのDNAを含むサンプルをウェルにロード
し、0.8%のアガロースゲルで分離する。標準的なサ
ザンブロッティング技術を使用して、ゲルをニトロセル
ロースに移す。
【0396】10ngのそれぞれのオリゴヌクレオチド
をプールして、32Pで末端標識する。ニトロセルロース
をブロッキング溶液でプレハイブリダイズし、標識した
プローブでハイブリダイズする。ハイブリダイゼーショ
ンおよび洗浄後、ニトロセルロースフィルターをX−O
mat AR X線フィルムに暴露する。得られるハイ
ブリダイゼーションのパターンはそれぞれの個体につい
て特異である。
【0397】本実施例では、更なる正確性または明確性
のために使用されるプローブ配列の数を変更することが
できることが更に考慮される。
【0398】法医学および同定におけるそれらの適用に
加えて、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメ
ント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントを、染色体の位置に対してマッピングすることが
できる。以下の実施例41では、EST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントを使用するヒト染色体領
域の放射性ハイブリッド(radiation hyb
rid)(RH)マッピングについて記載する。以下の
実施例42では、ヒト染色体上のEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントの位置のマッピングの代
表的手順について記載する。以下の実施例43では、蛍
光insituハイブリダイゼーション(FISH)に
よる中期染色体上のEST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントのマッピングについて記載する。
【0399】2. 染色体マッピングにおけるEST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用 実施例41 ヒトゲノムに対するEST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントの放射性ハイブリッドマッピング 放射性ハイブリッド(RH)マッピングは、体細胞の遺
伝学的アプローチであり、ヒトゲノムの高分解能マッピ
ングに使用することができる。本アプローチでは、1つ
以上のヒト染色体を含有する細胞株に致死的放射線を照
射し、それぞれの染色体を、放射線の用量に依存するサ
イズを有するフラグメントに切断する。これらのフラグ
メントを、培養したげっ歯類細胞との融合により回収
し、ヒトゲノムの異なる部分を含有するサブクローンを
得る。本技術は、Benhamら(Genomics
4:509−517,1989)およびCoxら(Sc
ience 250:245−250,1990)に記
載されており、これらの全ての内容は、本明細書におい
て参考として組み込まれる。サブクローンは無作為的か
つ独立した性質を有するため、任意のヒトゲノムマーカ
ーの効率的なマッピングが可能である。80〜100種
の細胞株のパネルから単離されたヒトDNAは、EST
関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを順序よ
く配置するためのマッピング試薬を提供する。本アプロ
ーチでは、マーカー間の切断の頻度を使用して、距離を
測定し、従来のESTを用いて行われているのと同程度
の細密な解像度のマップを構築することが可能である
(Schulerら、Science 274:540
−546, 1996、本明細書において参考として組
み込まれる)。
【0400】RHマッピングを使用して、成長ホルモン
(GH)およびチミジンキナーゼ(TK)の遺伝子が横
切るヒト染色体17q22〜q25.3(Foster
ら、Genomics 33:185−192, 19
96)、ゴーリン症候群遺伝子を囲む領域(Oberm
ayrら、Eur. J. Hum. Genet.
4:242−245, 1996)、第12染色体の全
短腕に渡る60個の遺伝子座(Raeymaekers
ら、Genomics 29:170−178, 19
95)、2型神経繊維腫症の遺伝子座を含有するヒト第
22染色体の領域(Frazerら、Genomics
14:574−585,1992)ならびに第5染色
体の長腕上の13個の遺伝子座(Warrington
ら、Genomics 11:701−708, 19
91)の高分解能全ゲノム放射性ハイブリッドマップが
作製されている。
【0401】実施例42 PCR技術を使用するヒト染色体に対するEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントのマッピング PCRに基づく方法論を使用して、EST関連核酸、E
ST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントをヒト染色体に対して
割り当てることができる。そのようなアプローチでは、
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、ま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントか
らオリゴヌクレオチドプライマー対を設計して、イント
ロンを介して増幅する可能性を最小限にする。好ましく
は、オリゴヌクレオチドプライマーの長さは18〜23
bpであり、PCR増幅のために設計される。既知の配
列からPCRプライマーを作成するのは当業者に周知で
ある。PCR技術の概要については、Erlich,
PCR Technology, Principle
s and Applications for DN
A Amplification, 1992, W.
H.Freeman and Co., New Yo
rk を参照のこと。該参考文献の開示内容は本明細書
において組み込まれる。
【0402】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において
プライマーを使用し、全ヒトゲノムDNAからテンプレ
ートを増幅する。PCR条件は以下の通りである:60
ngのゲノムDNAをPCRのテンプレートとして使用
し、80ngのそれぞれのオリゴヌクレオチドプライマ
ー、0.6単位のTaqポリメラーゼ、および1μCu
32P標識デオキシシチジン三リン酸を伴う。PCR
は、マイクロプレートサーモサイクラー(Techn
e)において、以下の条件で行う:94℃、1.4分
間;55℃、2分間;および72℃、2分間の30サイ
クル;72℃で10分間の最終伸長。増幅産物を6%ポ
リアクリルアミド配列決定用ゲル上で分析し、オートラ
ジオグラフィーで可視化する。得られるPCR産物の長
さが、プライマーが誘導された5’ESTにおけるプラ
イマー配列の末端間の距離と同一であれば、ヒト−げっ
歯類体細胞ハイブリッドの2つのパネル、BIOS P
CRable DNA(BIOS Corporati
on)およびNIGMSヒト−げっ歯類体細胞ハイブリ
ッドマッピングパネルナンバー1(NIGMS,Cam
den,NJ)由来のDNAテンプレートでPCR反応
を繰り返す。
【0403】PCRを使用して、ヒト染色体の規定され
た組を含有する一連の体細胞ハイブリッド細胞株を、所
定の5’ESTの存在を対象にスクリーニングする。体
細胞ハイブリッドからDNAを単離し、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメント由来のプライマ
ー対を使用するPCR反応のための開始テンプレートと
して使用する。EST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントに対応するヒト遺伝子を含有する染色体を
有するそれらの体細胞ハイブリッドのみが、増幅された
フラグメントを生じる。体細胞ハイブリッドDNAテン
プレート由来のPCR産物の分離パターンを分析するこ
とによって、5’ESTsを染色体に対して割り当て
る。増幅されたフラグメントを生じる全ての細胞ハイブ
リッドに存在する単一のヒトゲノムは、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントを含有する染色
体である。体細胞遺伝子のマッピング実験から生じる技
術およびその結果の分析の概要については、Ledbe
tterら、Genomics 6:475−481
(1990)を参照のこと。該参考文献の開示内容は本
明細書において組み込まれる。
【0404】あるいは、以下の実施例43に示されるよ
うに、FISHを用いてEST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグ
メントのフラグメントを個々の染色体にマッピングして
もよい。
【0405】実施例43 蛍光in situハイブリダイゼーションを用いる染
色体に対するEST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントのマッピング 蛍光in situハイブリダイゼーションにより、所
定の染色体の特定の位置に対してEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントをマッピングすることが
できる。蛍光in situハイブリダイゼーション技
術のために使用すべき染色体は、細胞培養物、組織、ま
たは全血を含む様々な供給源から得ることができる。
【0406】好ましい実施態様において、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの染色体局在化
は、Cherifら(Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A., 87:6639−6
643, 1990)(この開示内容は本明細書におい
て組み込まれる)に記載のFISHにより得られる。中
期の染色体をフィトヘマグルチニン(PHA)−刺激血
液細胞供与体から調製する。健常男性由来のPHA−刺
激リンパ球を、RPMI−1640培地で72時間培養
する。同調のため、メトトレキセート(10μM)を1
7時間添加し、続いて、5−ブロモデオキシウリジン
(5−BrdU、0.1mM)を6時間添加する。細胞
を回収する前に、コルセミド(1μg/ml)を最後の
15分間添加する。細胞を回収し、RPMIで洗浄し、
KCl(75mM)の低張溶液と共に37℃で15分間
インキュベートし、メタノール:酢酸(3:1)を3回
取り替えて固定する。細胞懸濁物をスライドガラス上に
滴下し、風乾する。EST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントを、製造者(Bethesda Re
search Laboratories,Bethe
sda, MD)の説明書に従い、ビオチン−16dU
TPでニックトランスレーションにより標識し、Sep
hadex G−50カラム(Pharmacia,
Upsala, Sweden)を用いて精製し、沈殿
させる。ハイブリダイゼーションの直前に、DNAのペ
レットをハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルム
アミド、2×SSC、10%デキストラン硫酸、1mg
/ml超音波処理サケ精子DNA、pH7)に溶解し、
プローブを70℃で5〜10分間変性させる。
【0407】−20℃に保たれたスライドをRNase
A(100μg/ml)により37℃で1時間処置
し、2×SSCで3回濯いで、エタノール系列で脱水す
る。染色体調製物を70%ホルムアミド、2×SSC
中、70℃で2分間変性させ、次いで4℃で脱水する。
スライドをプロテイナーゼK(20mM Tris−H
Cl中10μg/100ml、2mM CaCl2)に
より、37℃で8分間処置し、脱水する。プローブを含
有するハイブリダイゼーション混合物をスライド上に配
置し、カバーガラスで覆い、ゴム糊で封をして湿式チャ
ンバにおいて37℃で1晩インキュベートする。ハイブ
リダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗
浄後、ビオチン化されたプローブをアビジン−FITC
で検出し、ビオチン化ヤギ抗アビジンおよびアビジン−
FITCの更なる層で増幅する。染色体局在化のため
に、前記のように蛍光Rバンドを得る(Cherif
ら、前掲)。LEICA蛍光顕微鏡(DMRXA)下で
スライドを観察する。染色体をヨウ化プロピジウム(p
ropidium iodide)で対比染色し、蛍光
Rバンド染色体の両染色分体(赤色)上に2つの対称性
の黄緑色のスポットとしてプローブの蛍光シグナルが出
現する。従って、特定のEST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグ
メントのフラグメントは、所定の染色体上の特定の細胞
遺伝子的Rバンドに局在化し得る。
【0408】一旦、上記の実施例41〜43に記載の技
術を使用して、EST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントが特定の染色体に対して割り当てられる
と、それらを利用して、それらが局在する染色体の高分
解能マップを構築するかまたはサンプル中の染色体を同
定することができる。
【0409】実施例44 染色体マップを構築または拡大するためのEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用 上記のように、染色体マッピングは特定の染色体に所定
の特異な配列を割り当てることが必要である。一旦、特
異な配列が所定の染色体にマッピングされると、該特異
な配列は、同じ染色体上に位置する他の特異な配列と比
較して配置される。染色体マッピングに対する1つのア
プローチは、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントが得られる生物の染色体由来の数千もの長い
インサートを有する一連の酵母人工染色体(YAC)を
利用する。本アプローチについては、Ramaiah Nagaraja
ら、Genome Research 7:210-222,March1997に記載されて
いる。該参考文献の開示内容は本明細書において組み込
まれる。簡単に説明すると、本アプローチでは、それぞ
れの染色体を、重複するフラグメントに切断して、YA
Cベクターに挿入する。PCRまたは他の方法を用いて
YACインサートをスクリーニングし、それらが位置を
決定しようとするEST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントを含むかどうかを決定する。一旦、5’
ESTを含むインサートが見つかると、該インサートを
PCRまたは他の方法を用いて分析し、該インサート
が、染色体上に、またはEST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグ
メントのフラグメントを誘導した領域内に存在すること
が知られている他の配列を含有するかどうかを決定す
る。この過程はYACライブラリー内のそれぞれのイン
サートについて反復して、もう1つの既知の染色体マー
カーおよび他の既知の染色体マーカーに対するそれぞれ
のEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
の相対的な位置を決定することができる。本方法では、
生物のそれぞれの染色体に沿った多くの特異なマーカー
の分布についての高分解能マップを得ることができる。
【0410】以下の実施例45に記載のように、EST
関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを使用し
て、遺伝性疾患または薬物応答などの特定の表現型に関
連する遺伝子を同定することもできる。
【0411】3. 遺伝子同定におけるEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用 実施例45 遺伝性疾患または薬物応答に関連する遺伝子の同定 本実施例は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントと特定の表現型特性との関連性について有用
なアプローチを例示する。本実施例では、特定のEST
関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを試験プ
ローブとして使用し、EST関連核酸、EST関連核酸
の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントと特定の表現型特性とを結びつけ
る。
【0412】実施例41および42に記載の技術または
他の当該分野において公知の技術などの技術を使用し
て、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントをヒト染色体上の特定の位置に対してマッピングす
る。A search of Mendelian Inheritance in Man(V.McK
usick in Mendelian Inheritance in Man)(Johns Hopki
ns University Welch Medical Libraryを介してオンラ
インで入手可能)は、EST関連核酸、EST関連核酸
の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントを含有するヒト染色体の領域が、い
くつかの公知の遺伝子および遺伝子が同定されていない
いくつかの疾患または表現型を含有する非常に遺伝子の
多い領域であることを示している。従って、このEST
関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントに対応す
る遺伝子は、これらのそれぞれの遺伝子疾患についての
直接的候補となる。
【0413】これらの疾患または表現型を有する患者由
来の細胞を単離し、培養で増殖させる。EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメント由来のPCRプ
ライマーを使用して、患者から得たゲノムDNA、mR
NAまたはcDNAをスクリーニングする。患者におい
てEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
が増幅しない場合、該配列は更なる分析によって特定の
疾患と関連性があると見なすことができる。あるいは、
PCR分析は、サンプルが健常な個体から誘導される場
合よりも、サンプルが疾患に関連する表現型を有する個
体から誘導される場合に様々な長さのフラグメントを生
じ、このことはEST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントを含有する遺伝子が遺伝子疾患の原因であ
る可能性を示す。
【0414】VII. ベクターを構築するためのES
T関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、または
EST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用
およびその使用 本発明のEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメ
ント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントを使用して、ベクター内の遺伝子によりコードさ
れるタンパク質の分泌を指令し得る分泌ベクターを構築
することもできる。そのような分泌ベクターは、所望の
タンパク質を精製または富化しなければならないバック
グランドのタンパク質の数を減少することによって、ベ
クターに挿入された遺伝子によりコードされるタンパク
質の精製または富化を容易にすることができる。例示的
な分泌ベクターについては、以下の実施例46に記載す
る。
【0415】1. ベクターの構築およびその使用 実施例46 分泌ベクターの構築 本発明の分泌ベクターは、目的の宿主細胞、組織、また
は生物において遺伝子の発現を指令することができるプ
ロモーターを含む。そのようなプロモーターとしては、
ラウス肉腫ウイルスプロモーター、SV40プロモータ
ー、ヒトサイトメガロウイルスプロモーター、および当
業者によく知られている他のプロモーターが挙げられ
る。
【0416】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントのいずれか1つに由来のシグナル配列は、プ
ロモーターから転写されるmRNAがシグナルペプチド
の翻訳を指令するように、プロモーターに機能し得る形
で連結している。好ましくは、シグナル配列は、配列番
号24〜3883の核酸のうちの1つである。宿主細
胞、組織、または生物は、EST関連核酸、EST関連
核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セ
グメントのフラグメントのシグナル配列によりコードさ
れるシグナルペプチドを認識する任意の細胞、組織、ま
たは生物であり得る。適切な宿主としては、哺乳動物の
細胞、組織もしくは生物、鳥類の細胞、組織もしくは生
物、昆虫の細胞、組織もしくは生物、または酵母が挙げ
られる。
【0417】更に、分泌ベクターは、分泌されるべきタ
ンパク質をコードする遺伝子を挿入するためのクローニ
ング部位を含む。クローニング部位は、シグナルペプチ
ドが、挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質
に融合している融合タンパク質が、プロモーターより転
写されるmRNAから発現されるように、シグナル配列
とインフレームの挿入遺伝子のクローニングを容易にす
る。シグナルペプチドは融合タンパク質の細胞外分泌を
指令する。
【0418】分泌ベクターはDNAまたはRNAであっ
てもよく、宿主の染色体に組み込まれていてもよいし、
宿主の染色体外レプリコンとして安定に維持されていて
もよいし、人工染色体であってもよいし、または宿主内
に一過的に存在していてもよい。好ましくは、分泌ベク
ターは各宿主細胞の複数のコピー中に維持される。本明
細書において使用する、「複数のコピー」とは、1つの
細胞に対する少なくとも2,5,10,20,25,ま
たは50のコピーを意味する。いくつかの実施態様にお
いて、複数のコピーは染色体外的に維持される。他の実
施態様において、複数のコピーは染色体配列の増幅によ
って生ずる。
【0419】分泌ベクターの用途に適切な多くの核酸骨
格が当業者に公知であり、レトロウイルスベクター、S
V40ベクター、ウシパピローマウイルスベクター、酵
母組込み型プラスミド、酵母エピソームプラスミド、酵
母人工染色体、ヒト人工染色体、P因子ベクター、バキ
ュロウイルスベクター、または宿主に一過的に導入され
得る細菌プラスミドが挙げられる。
【0420】分泌ベクターはまた、ポリAシグナルが分
泌ベクターに挿入される遺伝子の下流に位置するように
ポリAシグナルを含み得る。
【0421】分泌が所望されるタンパク質をコードする
遺伝子を分泌ベクターに挿入した後、この分泌ベクター
を、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラン、
エレクトロポレーション、リポソーム媒介性トランスエ
フェクション、ウイルス粒子を用いて、または裸のDN
Aとして、宿主の細胞、組織または生物に導入する。次
いで、硫安沈殿、免疫沈降、イムノアフィニティークロ
マトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィー、およびHPLCなどの慣用
の技術を使用して、挿入された遺伝子によりコードされ
るタンパク質を上清より精製するかまたは富化する。あ
るいは、分泌されたタンパク質は、更なる富化を行わず
とも意図する目的のために使用することができるよう
に、十分に富化されたまたは純粋な状態で上清中または
宿主の増殖培地中に存在してもよい。
【0422】シグナル配列はまた、遺伝子治療のために
設計されたベクターに挿入してもよい。そのようなベク
ターでは、シグナル配列は、プロモーターから転写され
るmRNAがシグナルペプチドをコードするように、プ
ロモーターに機能し得る形で連結される。クローニング
部位は、シグナル配列の下流に配置して、分泌が所望さ
れるタンパク質をコードする遺伝子が容易にベクターに
挿入され、シグナル配列に融合され得るようにする。ベ
クターを適切な宿主細胞に導入する。プロモーターから
発現されるタンパク質は細胞外に分泌され、それによっ
て、治療効果を呈する。
【0423】実施例47 融合ベクター EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、ま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
は、キメラポリペプチドの発現のための融合ベクターを
構築するのに用いることができる。キメラポリペプチド
は、第1のポリペプチド部分と第2のポリペプチド部分
とを含む。本発明の融合ベクターにおいて、第1のポリ
ペプチド部分をコードする核酸と第2のポリペプチド部
分をコードする核酸とが互いにインフレームにおいて結
合することによって、キメラポリペプチドをコードする
核酸が生ずる。キメラポリペプチドをコードする核酸
は、キメラポリペプチドをコードするmRNAの発現を
指令するプロモーターに機能し得る形で連結されてい
る。このプロモーターは、実施例20および46に記載
されるものを含む本明細書に記載される発現ベクターの
いずれにあってもよい。
【0424】好ましくは、融合ベクターは各宿主細胞の
複数のコピー中に維持される。いくつかの実施態様にお
いて、複数のコピーは染色体外的に維持される。他の実
施態様において、複数のコピーは染色体配列の増幅によ
って生ずる。
【0425】第1のポリペプチド部分は、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコード
されるポリペプチドのいずれを含んでいてもよい。いく
つかの実施態様において、第1のポリペプチド部分は、
EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフ
ラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメン
ト、またはEST関連ポリペプチドの位置セグメントの
フラグメントの1つであってもよい。
【0426】第2のポリペプチド部分は、目的のポリペ
プチドであればいずれを含んでいてもよい。いくつかの
実施態様において、第2のポリペプチド部分は、グリー
ン蛍光タンパク質やβガラクトシダーゼのような検出可
能な酵素活性を有するポリペプチドを含んでいてもよ
い。第2のポリペプチド部分が検出可能なポリペプチド
を含んでいるキメラポリペプチドは、第1のポリペプチ
ド部分の細胞内局在化を決定するのに用いることができ
る。そのような手順において、キメラポリペプチドをコ
ードする融合ベクターは、キメラポリペプチドの発現を
促進する状況下において宿主細胞に導入される。しかる
べき場合には、これらの細胞を、顕微鏡で識別できる検
出剤で処理し、検出可能なポリペプチドと触媒反応させ
て、この検出剤の細胞位置を決定する。例えば、検出可
能な酵素活性を有するポリペプチドがβガラクトシダー
ゼである場合、これらの細胞はXガルで処理されてもよ
い。あるいは、検出可能なポリペプチドが検出剤を添加
せずに直接検出可能である場合、キメラポリペプチドの
細胞内位置は、検出可能なポリペプチドが識別できる状
況下において顕微鏡検査を行うことによって決定され
る。例えば、検出可能なポリペプチドがグリーン蛍光タ
ンパク質またはそれを改質したものである場合、このグ
リーン蛍光タンパク質またはそれを改質したものを発光
させるのに適当な波長を有する光に対してこれらの宿主
細胞を露光することによって顕微鏡検査が行われる。
【0427】あるいは、第2のポリペプチド部分は、単
離、精製または富化が所望されるポリペプチドを含んで
いてもよい。そのような実施態様において、第2のポリ
ペプチド部分の単離、精製または富化は、それが結合し
ている第1のポリペプチド部分に対する抗体を有するイ
ムノアフィニティーカラムを用いて以下に記載されるイ
ムノアフィニティークロマトグラフィー法を実施するこ
とによって達成されてもよい。
【0428】実施例48に記載のようにサンプルが誘導
される組織型または細胞種を同定するために、EST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST
関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコード
されるタンパク質、あるいはEST関連ポリペプチド、
EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポ
リペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプ
チドの位置セグメントのフラグメントを使用して、実施
例20および33に記載の抗体を作製することもでき
る。
【0429】実施例48 標識組織特異的抗体による組織型または細胞種の同定 直接的または間接的に検出可能なマーカーに結合した、
実施例20および33による抗体調製物によって組織特
異的抗原を可視化することによって、特異的な組織の同
定が達成される。選択された標識抗体種は、組織切片、
細胞懸濁物、または組織サンプル由来の可溶性タンパク
質抽出物におけるそれらの特異的抗原結合パートナーに
結合して、定量的または半定量的解釈のためのパターン
を提供する。
【0430】これらの手順のための抗血清は、ネイティ
ブな調製物の効力を超える効力を有さなければならな
い。このため、抗体は、γグロブリン画分を単離するこ
とによって、例えば、イオン交換クロマトグラフィーま
たは硫安分画によってmg/mlレベルに濃縮される。
また、最も特異的な抗血清を提供するために、抗体をマ
ーカーで標識する前に、例えば、不溶性免疫吸着剤によ
って、γグロブリン画分から、例えば、一般的なタンパ
ク質に対する所望されない抗体を除去しなければならな
い。モノクローナル抗血清または異種抗血清のいずれ
も、いずれの手順に適切である。
【0431】1. 免疫組織化学技術 上記のように調製した精製された高力価の抗体を、例え
ば、Fudenberg、H.、Basic 503
Clinical Immunology、3版、26
章、3版、Lange, Los Altos編,Ca
lifornia(1980)、またはRoseら、M
ethods in Immunodiagnosi
s、2版、12章、2版、John Wileyおよび
Sons編、New York(1980)(これらの
開示内容は本明細書において参考として組み込まれる)
に記載のように検出可能なマーカーに結合する。
【0432】蛍光マーカーであるフルオレセインまたは
ローダミンのいずれかが好ましいが、基質との発色反応
を支持する西洋ワサビペルオキシダーゼなどの酵素で抗
体を標識することもできる。以下に記載のように、第2
のステップにおいて組織結合抗体にマーカーを添加する
こともできる。あるいは、特異的抗組織抗体をフェリチ
ンまたは他の電子高密度粒子で標識し、電子顕微鏡で抗
原−抗体複合体に結合したフェリチンの局在を調べるこ
とができる。もう1つのアプローチでは、抗体を例えば
125Iで放射性標識し、抗体処理調製物を写真乳剤で覆
うことによって検出する。
【0433】手順を実施するための調製物は、組織型、
例えば、脳組織に対して特異的であると同定される単一
のタンパク質またはペプチドに対するモノクローナルま
たはポリクローナル抗体を含むことができるか、あるい
はいくつかの抗原性が異なる組織特異的抗原に対する調
製物はは、パネル内で、必要であれば独立してまたは混
合物で使用することができる。
【0434】一般的な組織学的技術により、免疫組織化
学的試験のための組織切片および細胞懸濁物を調製す
る。未知の組織および既知の対照の複数のクリオスタッ
ト切片(約4μm、未固定)をマウントし、それぞれの
スライドを異なる希釈の抗体調製物で覆う。既知および
未知の組織の切片はまた、陽性対照、陰性対照、例え
ば、前免疫血清、および非特異的染色に対する対照、例
えば、緩衝液を提供する調製物で処置されなければなら
ない。
【0435】処理された切片を湿式チャンバで30分間
室温でインキュベートし、濯ぎ、次いで、30〜40分
間、緩衝液で洗浄する。過度の液を滴り落として除き、
マーカーを展開する。
【0436】組織特異的抗体を第1のインキュベーショ
ンで標識しなかった場合、この時点で、該抗体は、第2
の抗体−抗体反応、例えば、抗血清産生種の免疫グロブ
リンクラスに対するフルオレセインまたは酵素結合抗
体、例えば、マウスIgGに対するフルオレセイン標識
抗体を添加することによって標識することができる。そ
のような標識血清は市販されている。
【0437】上記の手順によって組織において見出され
る抗原を、組織切片上の色または蛍光の強度を測定する
ことによって、および適切な標準を用いてシグナルを較
正することによって定量することができる。
【0438】2. 組織特異的可溶性タンパク質の同定 組織特異的タンパク質の可視化および該手順に由来する
未知の組織の同定を、免疫組織化学について記載された
標識抗体試薬および検出戦略を使用して行うが、サンプ
ルを電気泳動技術に従って調製し、検出のために分子量
に基づいて規則的なアレイに、順序で組織から抽出され
たタンパク質を分配する。
【0439】Virtis装置を用いて、組織サンプル
をホモジナイズする。Dounceホモジナイゼーショ
ンまたは浸透圧溶解により細胞懸濁物を破壊するが、い
ずれの場合でも、細胞膜を破壊するのに必要であって当
該分野において慣例となっている界面活性剤を使用す
る。核、ミクロソーム、および膜フラグメントなどの不
溶性の細胞成分を、超遠心分離によって除去し、必要で
あれば、可溶性のタンパク質を含有する画分を濃縮し
て、分析のために保存する。
【0440】例えば、Davis, L.ら、Basi
c Methods in Molecular Bi
ology、19−2節(P.Leder編),Els
evier, New York(1986)(この開
示内容は本明細書において参考として組み込まれる)に
記載の従来のSDSポリアクリルアミド電気泳動によっ
て、サンプル中で検出しようとするタンパク質の全分子
量範囲を分離する範囲の量のポリアクリルアミドゲルを
1組のゲルに使用して、可溶性タンパク質のサンプルを
個々のタンパク質種に分離する。構成タンパク質の分子
量を見積もる目的で、平行してサイズマーカーを泳動さ
せる。分析のためのサンプルのサイズは5〜55μlの
簡便な容量で、約1〜100μgのタンパク質を含有す
る。ニトロセルロースフィルター紙にブロットすること
によって、分離されたタンパク質のそれぞれのアリコー
トを移し、この過程では分離のパターンは維持されてい
る。複数のコピーを調製する。ウエスタンブロット分析
として知られる手順については、Davis, L.
ら、前掲、19−3節に詳細に記載されている。ニトロ
セルロースブロットの1つの組をクーマシーブルー染料
で染色して、抗体に結合したタンパク質と比較するため
に全てのタンパク質の組を可視化する。次いで、残りの
ニトロセルロースフィルターを、実施例20および33
に記載のように調製した組織特異的タンパク質に対する
1以上の特異的抗血清の溶液と共にインキュベートす
る。本手順では、上記の手順Aにおけるように、適切な
陽性および陰性サンプルならびに試薬対照を泳動する。
【0441】上記手順のいずれにおいても、様々な戦略
およびそれらの並べ替えに従って、検出可能な標識を1
次組織抗原−1次抗体複合体に付着させることができ
る。簡潔なアプローチでは、1次特異的抗体を標識する
ことができる。あるいは、非標識複合体を、標識された
2次抗IgG抗体に結合させることができる。他のアプ
ローチでは、1次抗体または2次抗体のいずれかをビオ
チン分子に結合する。該ビオチン分子は、その後のステ
ップにおいて、アビジン結合マーカーと結合する。もう
1つの戦略によれば、酵素標識または放射性プロテイン
Aは任意のIgGと結合する特性を有し、最終ステップ
で1次抗体または2次抗体のいずれかと結合する。
【0442】実施例49 ポリペプチドの免疫組織化学的局在化 上記実施例20および33に記載されるように調製され
た抗体は、ポリペプチドの細胞位置を決定するのに用い
られてもよい。このポリペプチドは、EST関連核酸、
EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントによりコードされるポ
リペプチドであればいずれでもよく、あるいは、このポ
リペプチドは、EST関連ポリペプチド、EST関連ポ
リペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチドの
位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セ
グメントのフラグメントの1つでよい。いくつかの実施
態様において、このポリペプチドは、実施例47の融合
ベクターによってコードされるもののようなキメラポリ
ペプチドでもよい。
【0443】局在化されるポリペプチドを発現する細胞
を顕微鏡のスライドに載せ、Current Prot
ocols in Molecular Biolog
y,John Wiley and Sons, In
c. 1997 に記載される方法のような免疫組織化
学的局在化法に一般的に用いられる任意の手順を用いて
固定する。洗浄ステップの後に、これらの細胞を抗体と
接触させる。いくつかの実施態様において、この抗体
は、前述のように、検出可能なマーカーに結合してお
り、検出を容易にしている。あるいは、いくつかの実施
態様において、上記細胞を局在化されるポリペプチドに
対する抗体と接触させた後に、検出可能なマーカーに結
合している2次抗体を入れて、前記局在化されるポリペ
プチドに対する抗体と接触させる。
【0444】その後に、ポリペプチドの細胞位置を可視
化するのに適切な条件下で顕微鏡検査を行う。
【0445】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントによりコードされるポリペプチドに対するある
いはEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチド
のフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメ
ントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントの
フラグメントに対する1つ以上の組織特異的抗体に結合
する組織特異的抗原を、対照組織で見られるレベルを超
えるレベルで可視化すると、未知の起源の組織、例え
ば、法医学的サンプル、または他所の身体部位に転移し
た分化型腫瘍組織を同定することができる。
【0446】また、実施例20および33の抗体は、下
記のイムノアフィニティークロマトグラフィー法におい
て、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
によりコードされるポリペプチドを単離、精製または富
化するために、あるいはEST関連ポリペプチド、ES
T関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペ
プチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチド
の位置セグメントのフラグメントを単離、精製または富
化するために用いられてもよい。また、下記のイムノア
フィニティークロマトグラフィー法は、EST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連
核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされ
るポリペプチドに結合したポリペプチドを単離、精製ま
たは富化するために、あるいはEST関連ポリペプチ
ド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関
連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリ
ペプチドの位置セグメントのフラグメントに結合したポ
リペプチドを単離、精製または富化するために用いられ
てもよい。
【0447】実施例50 イムノアフィニティークロマトグラフィ 上記のように調製された抗体を支持体に結合させる。好
ましくは、これらの抗体はモノクローナル抗体である
が、ポリクローナル抗体を使用してもよい。前記支持体
は、例えばセファロース(Sepharose)CL−
4B(Pharmacia,Piscataway,N
J)、セファロースCL−2B(Pharmacia,
Piscataway,NJ)、アフィ−ゲル(Aff
i−gel)10(Biorad,Richmond,
CA)またはガラスビードなどの、イムノアフィニティ
ークロマトグラフィーにおいて一般的に利用されるもの
のいずれでもよい。
【0448】これらの抗体は、例えば臭化シアンのよう
な、イムノアフィニティークロマトグラフィーにおいて
一般的に利用される任意のカップリング剤を用いて支持
体に結合されてもよい。抗体を支持体に結合させた後
に、この支持体を、単離、精製または富化が所望される
標的ポリペプチドを含有するサンプルと接触させる。こ
の標的ポリペプチドは、EST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントによりコードされるポリペプチドで
もよいし、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関
連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチ
ドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位
置セグメントのフラグメントの1つでもよい。また、こ
の標的ポリペプチドは、EST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントによりコードされるポリペプチドに
結合したポリペプチドでもよいし、あるいは前述の融合
ベクターを用いたEST関連ポリペプチド、EST関連
ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチド
の位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置
セグメントのフラグメントに結合したポリペプチドでも
よい。
【0449】好ましくは、上記サンプルは、標的ポリペ
プチドの少なくとも50%を支持体と結合した抗体に対
して特異的に結合させるのに十分な時間と適切な条件下
において、前記支持体と接触するように配置される。
【0450】その後に、この支持体を適切な洗浄液で洗
浄し、この支持体に非特異的に付着したポリペプチドを
除去する。この洗浄液は、例えばPBS、トリス−塩化
リチウム緩衝液(0.1Mリジン塩基および0.5M塩
化リチウム、pH8.0)、トリス−塩酸塩緩衝液
(0.05Mトリス−塩酸塩、pH8.0)、またはト
リス/トリトン/塩化ナトリウム緩衝液(50mMトリ
ス.cl、pH8.0または9.0、0.1%トリトン
X−100、および0.5MNaCl)のような、イム
ノアフィニティークロマトグラフィーにおいて一般的に
利用されるものであればいずれでもよい。
【0451】洗浄後、特異的に結合した標的ポリペプチ
ドを、イムノアフィニティークロマトグラフィーにおい
て一般的に利用される高pHまたは低pH溶離溶液を用
いて支持体から溶離させる。特に、この溶離溶液は、ト
リエタノールアミン、ジエチルアミン、塩化カルシウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、臭化カリウム、酢酸、ま
たはグリシンのような溶離液を含有していてもよい。い
くつかの実施態様において、この溶離溶液は、トリトン
X−100またはオクチル−β−D−グルコシドのよう
な界面活性剤を含有していてもよい。
【0452】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントを使用して、遺伝子の発現を調節することがで
きる5’ESTの上流に位置する配列をクローニングし
てもよく、そのような配列としては、プロモーター配
列、エンハンサー配列、および転写レベルまたは翻訳レ
ベルに影響を及ぼす他の上流配列が含まれる。一旦同定
されてクローニングされたら、これらの上流調節配列
は、所望の空間的、時間的、発生的または量的様式で挿
入遺伝子の発現を指令するように設計された発現ベクタ
ーにおいて使用することができる。実施例51では、E
ST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたは
EST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの上流
にある配列をクローニングするための方法について説明
する。
【0453】2.プロモーター活性または調節活性を有
する上流配列の同定 実施例51 ゲノムDNA由来の上流配列をクローニングするための
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使
用 染色体歩行技術を用い、EST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントから誘導される配列を使用して、相
当する遺伝子のプロモータを単離することができる。C
lontechより販売されているGenome Wa
lkerTMキットを利用する1つの染色体歩行技術で
は、5つの完全なゲノムDNAサンプルのそれぞれを、
6塩基の認識部位を有し、かつ平滑末端を生じる異なる
制限酵素で消化する。消化後、オリゴヌクレオチドアダ
プタを、得られたゲノムDNAフラグメントの両末端に
連結する。
【0454】5つのゲノムDNAライブラリーのそれぞ
れについて、キットに付属している外側アダプタプライ
マーおよび外側遺伝子特異的プライマーを使用して、製
造者の説明書(引用により本明細書に組み入れる)に従
って第1のPCR反応を実施する。遺伝子特異的プライ
マーは、目的の5’ESTに特異的であるように選択さ
れるべきであり、かつ、PCR反応での該プライマーの
使用に適合する融解温度、長さ、およびEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連
核酸の位置セグメントのフラグメントにおける位置を有
するべきである。それぞれの第1のPCR反応物は、5
0μlの全容量中に、5ngのゲノムDNA、5μlの
10×Tth反応緩衝液、0.2mMの各種dNTP、
外側アダプタプライマーおよび外側遺伝子特異的プライ
マーをそれぞれ0.2μM、1.1mMのMg(OA
c)2、および1μlのTthポリメラーゼ50×ミッ
クスを含有する。第1のPCR反応の反応サイクルは以
下の通りである:1分間−94℃/2秒間−94℃、3
分間−72℃(7サイクル)/2秒間−94℃、3分間
−67℃(32サイクル)/5分間−67℃。
【0455】第1のPCR反応の産物を希釈し、第1の
PCR反応から生じるアンプリコンの内部に位置するネ
ステッドプライマーの対を用い、製造業者の説明書に従
った第2のPCR反応のテンプレートとして使用する。
例えば、第1のPCR反応混合物の5μlの反応産物を
180倍に希釈してもよい。ネステッドプライマーを使
用すること以外は第1のPCR反応の組成と同一の組成
を有する50μlの容量で反応を行う。第1のネステッ
ドプライマーは、アダプタに特異的であり、Genom
e WalkerTMキットに付属している。第2のネス
テッドプライマーは、該プロモーターをクローニングし
ようとする特定のEST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントに特異的であり、かつ、PCR反応におけ
る使用に適合する融解温度、長さ、および該EST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメント中での位置を有
するべきである。第2のPCR反応の反応パラメータは
以下の通りである:1分間−94℃/2秒間−94℃、
3分間−72℃(6サイクル)/2秒間−94℃、3分
間−67℃(25サイクル)/5分間−67℃。第2の
PCR反応の産物を標準的な技術を用いて精製し、クロ
ーニングし、配列決定する。
【0456】あるいは、2種以上の制限酵素を用いるこ
とによって、2種以上のヒトゲノムDNAライブラリー
を構築することができる。消化されたゲノムDNAを、
一本鎖、環状、または鎖状DNAに変換可能なベクター
にクローニングする。EST関連核酸、EST関連核酸
の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメント配列由来の少なくとも15個のヌクレ
オチドを含むビオチン化オリゴヌクレオチドを、一本鎖
DNAにハイブリダイズさせる。ビオチン化オリゴヌク
レオチドとEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントを含む一本鎖DNAとのハイブリッドを、上記の
ように単離する。その後、そのEST関連核酸、EST
関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントを含有する一本鎖DNAをビ
ーズから放出させ、EST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントに特異的なプライマーまたはクローニン
グベクターに含まれる配列に対応するプライマーを使用
して、二本鎖DNAに変換する。得られる二本鎖DNA
を細菌に形質転換する。EST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントを含有するcDNAを、コロニーP
CRまたはコロニーハイブリダイゼーションによって同
定する。
【0457】上記のように上流ゲノム配列をクローニン
グし配列決定したら、該上流配列内の予期されるプロモ
ーターおよび転写開始部位は、EST関連核酸、EST
関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントの上流にある配列を、既知の
転写開始部位、転写因子結合部位またはプロモーター配
列を含有するデータベースと比較することによって同定
することができる。
【0458】更に、実施例52に記載のようにして、プ
ロモーターレポーターベクターを使用して、上流配列内
のプロモーターを同定することができる。
【0459】実施例52 クローニングされた上流配列におけるプロモーターの同
定 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの上
流のゲノム配列を、例えばpSEAP−Basic、p
SEAP−Enhancer、pβgal−Basi
c、pβgal−Enhancer、またはClont
echより市販されているpEGFP−1プロモーター
レポーターベクターなどの適切なプロモーターレポータ
ーベクターにクローニングする。簡単に説明すると、こ
れらのプロモーターレポーターベクターのそれぞれは、
分泌型アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ、
またはグリーン蛍光タンパク質などの容易にアッセイを
することができるタンパク質をコードするレポーター遺
伝子の上流に位置する多重クローニング部位を含む。E
ST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたは
EST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの上流
の配列を、レポーター遺伝子の上流のクローニング部位
に両方向で挿入し、適切な宿主細胞に導入する。レポー
タータンパク質のレベルをアッセイし、クローニング部
位にインサートがないベクターから得られるレベルと比
較する。対照のベクターと比較して、インサートを含有
するベクターの発現レベルの上昇が認められれば、イン
サートにプロモーターが存在することになる。必要であ
れば、上流配列を、弱いプロモーター配列からの転写レ
ベルを増大させるためのエンハンサーを含有するベクタ
ーにクローニングすることもできる。インサートを含ま
ないベクターの場合に認められる上記の発現の有意なレ
ベルは、プロモーター配列が挿入上流配列に存在するこ
とを示す。
【0460】プロモーターレポーターベクターのための
適切な宿主細胞は、EST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメントの発現パターンの上記の判定の結果に基
づいて選択することができる。例えば、発現パターンの
分析から、特定のEST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントに対応するmRNAが繊維芽細胞において
発現されることが示された場合、プロモーターレポータ
ーベクターをヒト繊維芽細胞系に導入することができ
る。
【0461】上流ゲノムDNA内のプロモーター配列
は、エキソヌクレアーゼIII消化などの慣用の技術を
使用して、上流DNAにおいてネステッド欠失を構築す
ることによって、更に明確化することができる。得られ
る欠失フラグメントをプロモーターレポーターベクター
に挿入して、その欠失がプロモーター活性を低下させる
かまたは失わせるかどうかを判定することができる。こ
のようにして、プロモーターの境界を規定することがで
きる。所望であれば、プロモータ内の潜在的な転写因子
結合部位を除去するための部位特異的突然変異誘発もし
くはリンカースキャニングを単独または組合せて使用し
て、プロモーター内の潜在的な個々の調節部位を同定し
てもよい。プロモーターレポーターベクターのクローニ
ング部位に変異を挿入することによって、転写レベルに
対するこれらの変異の効果を決定することができる。
【0462】実施例53 プロモーターのクローニングおよび同定 5’ESTを用いた上記の実施例51に記載の方法を用
いて、いくつかの遺伝子の上流の配列を得た。プライマ
ー対GGG AAG ATG GAG ATAGTA
TTG CCT G(配列番号15)およびCTG C
CA TGTACA TGA TAG AGA GAT
TC(配列番号16)を使用して、内部呼称P13H
2(配列番号17)を有するプロモーターを得た。
【0463】プライマー対GTA CCA GGGG
ACT GTG ACC ATTGC(配列番号18)
およびCTG TGA CCA TTG CTC CC
AAGA GAG(配列番号19)を使用して、内部呼
称P15B4(配列番号20)を有するプロモーターを
得た。
【0464】プライマー対CTG GGA TGG A
AG GCA CGG TA(配列番号21)およびG
AG ACC ACA CAG CTA GAC AA
(配列番号22)を使用して、内部呼称P29B6(配
列番号23)を有するプロモーターを得た。
【0465】図4は、単離されたプロモーターの概略図
および対応する5’タグでそれらを組み立てる方法を示
す。コンピュータプログラムMatInspector
リリース2.0(1996年8月)を使用して、転写因
子結合部位または既知の転写開始部位に類似するモチー
フの存在に基づいて、上流配列をスクリーニングした。
【0466】図5は、これらのプロモーターのそれぞれ
に存在する転写因子結合部位を示している。「マトリッ
クス」と書いた欄は、使用したMatInspecto
rマトリックスの名称を示す。「位置(position)」と書
いた欄は、プロモーター部位の5’位を示す。配列の番
号付けは、ゲノム配列と5’EST配列との一致により
決定した転写部位から開始する。「配向(orientatio
n)」と書いた欄は、その部位が見出されたDNA鎖を示
し、+鎖は、ゲノム配列と5’ESTの配列とが一致す
ることで決定されたコード鎖である。「スコア」と書い
た欄は、この部位に対するMatInspectorの
スコアを示す。「長さ」と書いた欄は、部位の長さ(ヌ
クレオチド単位による)を示す。「配列」と書いた欄
は、見出された部位の配列を示す。
【0467】上記のプロモーター配列を含有するプラス
ミドを含有する細菌クローンは、先に示した内部同定番
号で本発明者の研究室に現在保存されている。適切な細
菌のクローンのアリコートを適切な培地で増殖させるこ
とによって、寄託物からインサートを取り出すことがで
きる。次いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大量ア
ルカリ溶解プラスミド単離法などの当業者によく知られ
ているプラスミド単離手順を使用して、プラスミドDN
Aを単離することができる。所望であれば、塩化セシウ
ム勾配上での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィ
ー、または陰イオン交換クロマトグラフィーによって、
プラスミドDNAを更に富化してもよい。次いで、当業
者によく知られている標準的なクローニング技術を用い
て、これらの手順を用いて得られるプラスミドDNAを
操作してもよい。あるいは、挿入されたEST関連核
酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連
核酸の位置セグメントのフラグメントの両末端で設計し
たプライマーを用いてPCRを行うことができる。次い
で、当業者によく知られている標準的なクローニング技
術を用いて、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントに対応するPCR産物を操作することができ
る。
【0468】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントの上流に位置するプロモーターおよび他の調節
配列を使用して、所望の空間的、時間的、発生的または
量的様式で挿入遺伝子の発現を指令し得る発現ベクター
を設計することができる。上記の発現分析の結果を使用
して、所望の空間的、時間的、発生的または量的パター
ンを指令し得るプロモーターを選択することができる。
例えば、筋肉において高レベルの発現をもたらすプロモ
ーターが望まれる場合、筋肉において高レベルで発現さ
れるmRNAから誘導されるEST関連核酸、EST関
連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セ
グメントのフラグメントの上流のプロモーター配列は、
上記の方法で決定されるように、発現ベクターで使用す
ることができる。
【0469】好ましくは、所望のプロモーターを多重制
限部位の付近に配置して、プロモーターの下流の所望の
インサートのクローニングを容易にし、それによってプ
ロモーターが挿入遺伝子の発現を駆動することができる
ようにする。染色体外複製、宿主染色体への組み込みま
たは一過性発現のために設計された通常の核酸骨格にプ
ロモーターを挿入することができる。本発明の発現ベク
ターの適切な骨格としては、レトロウイルスの骨格、S
V40またはウシパピローマウイルスなどの真核生物エ
ピソーム由来の骨格、細菌エピソーム由来の骨格、また
は人工染色体が挙げられる。
【0470】好ましくは、この発現ベクターはまた、該
発現ベクターに挿入された遺伝子から転写されるmRN
Aのポリアデニル化を指令するための、多重制限部位の
下流にあるポリAシグナルを含む。
【0471】実施例51〜53の手順を使用してプロモ
ーター配列を同定した後、以下の実施例54に記載する
ようにして、プロモーターと相互作用するタンパク質を
同定することができる。
【0472】実施例54 プロモーター配列、上流調節配列、またはmRNAと相
互作用するタンパク質の同定 既知の転写因子結合部位に対する相同性によって、ある
いはプロモーター配列を含有するレポータープラスミド
の慣用の変異誘発または欠失分析により、転写因子に結
合しやすいプロモーター領域内の配列を同定することが
できる。例えば、アッセイ可能なレポーター遺伝子に機
能し得る形で連結した目的のプロモーター配列を含有す
るレポータープラスミド内に欠失を作製することができ
る。プロモーター領域内に様々な欠失を保有するレポー
タープラスミドを適切な宿主細胞にトランスフェクト
し、発現レベルに対する欠失の影響を評価する。部位特
異的変異、リンカーリンカースキャニング分析、または
当業者によく知られている他の技術を使用して、欠失に
より発現レベルが低下する領域内で転写因子結合部位を
更に局在化することができる。
【0473】Clontechより市販のMatchm
aker One−HybridSystemキット
(カタログ番号K1603−1)に添付されている説明
書(この開示内容は引用により本明細書に組み込まれ
る)に記載のシステムのようなワンハイブリッドシステ
ム(one-hybrid system)を使用して、プロモーター内の
配列と相互作用するタンパク質をコードする核酸を同定
することができる。簡単に説明すると、Matchma
ker One−Hybrid Systemは以下の
ようにして使用する。結合タンパク質を同定することが
所望される標的配列を、選択レポーター遺伝子の上流に
クローニングし、酵母のゲノムに組み込む。好ましく
は、標的配列の複数のコピーをタンデムにレポータープ
ラスミドに挿入する。プロモーターに結合する能力につ
いて評価しようとするcDNAとGAL4などの酵母転
写因子の活性化ドメインとの融合物をからなるライブラ
リーを、組み込まれたレポーター遺伝子配列を含有する
酵母株へ形質転換する。この酵母を選択培地に蒔き、プ
ロモーター配列に連結した選択マーカーを発現している
細胞を選択する。選択培地上で増殖するコロニーは、標
的配列に結合するタンパク質をコードする遺伝子を含有
する。配列決定することによって、融合タンパク質をコ
ードする遺伝子内のインサートを更に特徴付けする。更
に、インサートは、発現ベクターかまたはin vit
ro転写ベクターに挿入してもよい。インサートにより
コードされるポリペプチドとプロモーターDNAとの結
合は、ゲルシフト分析またはDNAse保護分析などの
当業者によく知られている技術によって確認することが
できる。
【0474】VII. 遺伝子治療におけるEST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用 本発明はまた、以下の実施例55および56に記載のア
ンチセンスおよび三重らせん戦略を含む遺伝子治療にお
けるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
の使用を包含する。アンチセンスアプローチでは、mR
NAに相補的な核酸配列を細胞内でmRNAにハイブリ
ダイズさせることによって、該mRNAによりコードさ
れるタンパク質の発現を阻止する。アンチセンス配列
は、様々な機構を介して遺伝子の発現を妨げることがで
きる。例えば、アンチセンス配列は、リボソームがmR
NAを翻訳する能力を阻害することができる。あるい
は、アンチセンス配列は、核から細胞質へのmRNAの
輸送を阻止して、翻訳に利用可能なmRNAの量を制限
することができる。アンチセンス配列が遺伝子発現を阻
害し得るもう1つの機構は、mRNAのスプライシング
を干渉することによるものである。更にもう1つの戦略
では、標的のmRNAを特異的に切断し得るリボザイム
にアンチセンス核酸を取り込ませることができる。
【0475】実施例55 アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製および使用 遺伝子治療において使用すべきアンチセンス核酸分子
は、DNAまたはRNA配列のいずれであってもよく、
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの配
列に相補的な配列を含んでいてもよい。アンチセンス核
酸は、二本鎖の状態でmRNAの発現を阻害するのに十
分安定に細胞内二本鎖を形成し得るよう、十分な長さお
よび融解温度を有するべきである。遺伝子治療の用途に
適切なアンチセンス核酸を設計するための方法について
は、Greenら、Ann. Rev. Bioche
m.55:569−597(1986)およびIzan
tおよびWeintraub、Cell36:1007
−1015(1984)に開示されている。これらの参
考文献は本明細書において参考として援用される。
【0476】いくつかの方法では、細胞中で正常に転写
される鎖とは反対側の鎖を転写するように、プロモータ
ーに対してコード領域の配向を逆にすることによって、
タンパク質をコードするヌクレオチド配列からアンチセ
ンス核酸を得る。T7またはSP6ポリメラーゼを使用
して転写物を作製する系などのin vitro転写系
を用いて、アンチセンス分子を転写することができる。
もう1つのアプローチは、アンチセンス配列を含有する
DNAを発現ベクターのプロモーターに機能し得る形で
連結することによるin vivoでのアンチセンス核
酸の転写に関与するものである。
【0477】あるいは、細胞中で正常に転写される鎖に
相補的なオリゴヌクレオチドをinvitroで合成し
てもよい。従って、アンチセンス核酸は対応するmRN
Aに相補的であり、mRNAにハイブリダイズして二本
鎖を作製することができる。いくつかの実施態様では、
アンチセンス配列は、改変された糖リン酸骨格を含有す
るため安定性が増し、RNase活性に対する該アンチ
センス配列の感受性が低下する。アンチセンス法での使
用に適した改変の例については、Rossiら、Pha
rmacol. Ther. 50(2):245−2
54(1991)に記載されており、本明細書において
参考として援用される。
【0478】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントの配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオ
チドの様々な型を使用することができる。1つの好まし
い実施態様では、国際出願であるPCT WO94/2
3026号に記載の安定および半安定なアンチセンスオ
リゴヌクレオチドを使用する。該参考文献は本明細書に
おいて参考として援用される。これらの分子では、3’
末端または3’および5’両末端は、相補的な塩基対間
の分子内水素結合で結ばれている。これらの分子はエキ
ソヌクレアーゼの攻撃に更に耐えることができ、従来の
アンチセンスオリゴヌクレオチドに比べて安定性が向上
している。
【0479】別の好ましい実施態様では、国際出願WO
95/04141号に記載の単純ヘルペスウイル1型お
よび2型に対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオ
チドを使用する。該参考文献は本明細書において参考と
して援用される。
【0480】更に別の好ましい実施態様では、国際出願
WO96/31523号に記載の共有結合で架橋された
アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。該参考文
献は本明細書において参考として援用される。これらの
二本鎖または一本鎖オリゴヌクレオチドは、それぞれ1
つ以上のオリゴヌクレオチド間またはオリゴヌクレオチ
ド内の共有架橋結合を有し、ここで、該結合は、それぞ
れ、一方の鎖の第一級アミン基と他方の鎖のカルボキシ
ル基との間のアミド結合、または同じ鎖の第一級アミン
基とカルボキシル基との間のアミド結合から成り、それ
ぞれ、第一級アミン基は、鎖ヌクレオチドの単糖環の
2’位で直接置換されており、カルボキシル基は、他方
の鎖または同じ鎖のヌクレオチドまたはヌクレオチド類
似体上に置換されている脂肪族スペーサー基によって担
持されている。
【0481】国際出願WO92/18522号に開示の
のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドおよびオリ
ゴヌクレオチドも使用することができる。該参考文献は
参考として援用される。これらの分子は分解に対して安
定であり、制御タンパク質に結合する少なくとも1つの
転写制御認識配列を含有するため、そのデコイとして有
効である。これらの分子は、「ヘアピン」構造、「ダン
ベル」構造、「修飾されたダンベル」構造、「架橋され
た」デコイ構造および「ループ」構造を含有し得る。
【0482】別の好ましい実施態様では、欧州特許出願
第0 572 287A2号に記載の環状二本鎖オリゴ
ヌクレオチドを使用する。該参考文献は参考として援用
される。これらの連結オリゴヌクレオチド「ダンベル」
は、転写因子のための結合部位を含有し、転写因子を封
鎖(sequester)することによって、転写因子
の制御下にある遺伝子発現を阻害する。
【0483】国際出願WO92/19732号に開示さ
れている閉環型アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用
も考慮される。該参考文献は参考として援用される。こ
れらの分子は遊離の末端を持たないため、従来のオリゴ
ヌクレオチドよりもエキソヌクレアーゼによる分解に対
して耐性が高い。これらのオリゴヌクレオチドは多機能
性であり得、標的mRNAに隣接していない複数の領域
と相互作用する。
【0484】遺伝子の発現を阻害するのに必要なアンチ
センス核酸の適切なレベルは、invitro発現分析
を用いて決定することができる。当該分野において公知
の手順を用いる拡散、注入、感染またはトランスフェク
ションにより、アンチセンス分子を細胞に導入すること
ができる。例えば、アンチセンス核酸を露出したまたは
裸のオリゴヌクレオチド、脂質にカプセル化させたオリ
ゴヌクレオチド、ウイルスタンパク質に封入したオリゴ
ヌクレオチド、または発現ベクターに含まれるプロモー
ターに機能し得る形で連結させたオリゴヌクレオチドと
して、アンチセンス核酸を身体に導入することができ
る。発現ベクターは当該分野において公知の様々な発現
ベクターのいずれであってもよく、レトロウイルスベク
ターまたはウイルスベクター、染色体外複製が可能なベ
クター、または組込みベクターが挙げられる。ベクター
は、DNAであってもよく、RNAであってもよい。
【0485】アンチセンス分子を、好ましくは1×10
-10M〜1×10-4Mの間の多くの異なる濃度で細胞サ
ンプルに導入する。適切に遺伝子発現を制御することが
できる最小濃度が同定されれば、その最適化用量がin
vivoでの使用に適切な用量と解釈される。例え
ば、培養物の場合の1×10-7の阻害濃度は約0.6m
g/kg体重の用量と解釈される。100mg/kg体
重以上に達するオリゴヌクレオチドのレベルは、実験動
物でオリゴヌクレオチドの毒性を試験すれば可能であ
る。脊椎動物から細胞を取り出し、アンチセンスオリゴ
ヌクレオチドで処置して、脊椎動物に再導入することも
更に考慮される。
【0486】アンチセンスオリゴヌクレオチド配列をリ
ボザイム配列に取り込ませ、アンチセンスを特異的にそ
の標的mRNAに結合させてこれを切断し得るようにす
ることも更に考慮される。リボザイムおよびアンチセン
スオリゴヌクレオチドの技術的適用については、Ros
siら(前掲)を参照のこと。
【0487】本発明の好ましい適用では、翻訳に対する
アンチセンス阻害の有効性を監視できるように、遺伝子
によりコードされるポリペプチドを最初に同定する。監
視にはRIAおよびELISA、機能アッセイ、または
放射性標識などの抗体介在性試験を含む技術が使用され
るが、これらに限定されない。
【0488】EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントを、細胞内三重らせん形成に基づく遺伝子治療
に使用することもできる。三重らせんオリゴヌクレオチ
ドを使用してゲノムからの転写を阻害する。それらは、
細胞活性の変化を研究するのに特に有用である。何故な
ら、これは特定の遺伝子に関連するからである。本発明
のEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントま
たは、より好ましくは、それらの配列の一部は、特定の
遺伝子の発現に関連する疾患を有する個体の遺伝子発現
を阻害するために使用することができる。同様に、ES
T関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを使用し
て、細胞内での特定の遺伝子の転写を阻害する効果を研
究することができる。従来は、ホモプリン配列は三重ら
せん戦略に最も有用であると考えられていた。しかし、
ホモピリミジン配列も遺伝子の発現を阻害することがで
きる。そのようなホモピリミジンオリゴヌクレオチド
は、ホモプリン:ホモピリミジン配列の主溝に結合す
る。従って、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメント由来の両タイプの配列は、本発明の範囲内にあ
るものとする。
【0489】実施例56 三重らせんプローブの調製および使用 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの配
列を走査して、遺伝子発現を阻害するための三重らせん
に基づくストラテジーに使用し得る10マー〜20マー
のホモピリミジンまたはホモプリンストレッチを同定す
る。ホモピリミジンまたはホモプリンストレッチの候補
の同定後、候補配列を含有する様々な量のオリゴヌクレ
オチドを、標的遺伝子を正常に発現する組織培養細胞に
導入することによって、遺伝子発現の阻害効率を評価す
る。オリゴヌクレオチドは、特注オリゴヌクレオチド合
成装置で調製するか、またはGENSET,Pari
s,Franceなどのオリゴヌクレオチド合成の専門
業者より購入することができる。
【0490】当業者に既知の様々な方法を用いて、オリ
ゴヌクレオチドを細胞に導入することができ、このよう
な方法としては、リン酸カルシウム沈殿法、DEAE−
デキストラン法、エレクトロポレーション法、リポソー
ム介在トランスエフェクション法または自然取り込み法
が挙げられるが、それらに限定されない。
【0491】ノーザンブロッティング、RNase保護
アッセイ、またはPCRに基づくストラテジーなどの技
術を用いて、処理された細胞を細胞機能の変化または遺
伝子発現の減少についてモニタリングし、オリゴヌクレ
オチドで処理されている細胞の標的遺伝子の転写レベル
をモニタリングする。該オリゴヌクレオチドが誘導され
るEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントに
相当する標的遺伝子の、特定の機能に関連している既知
の遺伝子配列との相同性に基づいて、モニタリングしよ
うとする細胞機能を予測する。特に、本明細書に記載の
技術を用いて、EST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントが疾患と関連付けられる場合には、特定の遺
伝性疾患を有する個体から誘導される細胞内の異常な生
理活動の存在に基づいて、細胞機能を予測することもで
きる。
【0492】次いで、実施例55に記載のように、in
vitroでの結果に基づいて算出された用量で、上
記の技術および実施例55に記載の技術を用いて、組織
培養細胞における遺伝子発現を阻害するのに有効なオリ
ゴヌクレオチドをin vivoで導入することができ
る。
【0493】いくつかの実施態様において、オリゴヌク
レオチド単位の天然の(β)アノマーをαアノマーで置
換し、該オリゴヌクレオチドをヌクレアーゼに対してよ
り耐性にすることができる。更に、臭化エチジウムなど
の挿入化剤(intercalating agen
t)などをαオリゴヌクレオチドの3’末端に結合させ
て、三重らせんを安定化することができる。三重らせん
形成に適切なオリゴヌクレオチドの作製に関する情報に
ついては、Griffinら(Science245:
967−971(1989))を参照されたい(この参
考文献は参照により本明細書に組み入れる)。
【0494】実施例57 宿主生物においてコードされるタンパク質を発現させる
ためのEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
トまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメン
トの使用 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを使
用して、宿主生物においてコードされるタンパク質また
はポリペプチドを発現し、有益な効果を生じることもで
きる。さらに、EST関連ポリペプチド、EST関連ポ
リペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプ
チドの位置セグメントのフラグメントをコードする核酸
を使用して、宿主生物においてコードされるタンパク質
またはポリペプチドを発現し、有益な効果を生じること
ができる。
【0495】そのような手順において、コードされるタ
ンパク質またはポリペプチドは、宿主生物において一過
的に発現させてもよいし、宿主生物において安定的に発
現させてもよい。コードされるタンパク質またはポリペ
プチドは、上記の活性のいずれかを有することができ
る。コードされるタンパク質またはポリペプチドは宿主
生物が欠くタンパク質またはポリペプチドであってもよ
いし、あるいはコードされるタンパク質は、宿主生物に
おけるタンパク質の現存のレベルを増大するものであっ
てもよい。
【0496】このタンパク質またはポリペプチドが分泌
されるいくつかの実施態様において、全長タンパク質
(すなわち、シグナルペプチドと成熟タンパク質)をコ
ードする核酸、あるいは成熟タンパク質(すなわち、シ
グナルペプチドの切断した際に生ずるタンパク質)のみ
をコードする核酸を宿主生物に導入することができる。
【0497】これらのタンパク質またはポリペプチドを
コードする核酸は、当業者に公知の様々な技術を用い
て、宿主生物に導入することができる。例えば、コード
されるタンパク質が宿主生物で発現され、これにより有
益な効果を生じるように、伸長cDNAを裸のDNAと
して宿主生物に注入することができる。
【0498】あるいは、前記タンパク質またはポリペプ
チドをコードする核酸を、宿主生物において活性なプロ
モーターの下流において発現ベクター中にクローニング
することができる。発現ベクターは遺伝子治療での使用
のために設計された発現ベクターのいずれであってもよ
く、このようなものとしては、ウイルスまたはレトロウ
イルスベクターが挙げられる。コードされるタンパク質
が宿主生物において発現され、これにより有益な効果を
生じるように、発現ベクターを宿主生物に直接導入する
ことができる。他の方法では、発現ベクターをin v
itroで細胞に導入することができる。その後、発現
ベクターを含有する細胞を選択して宿主生物に導入する
と、ここで、該細胞はコードされるタンパク質またはポ
リペプチドを発現して有益な効果を生じる。
【0499】実施例58 タンパク質を細胞に移入するためのシグナルペプチドの
使用 配列番号24〜383および1339〜2059の配列
によりコードされるシグナルペプチドの短いコア疎水性
領域(h)を、目的のペプチドまたはタンパク質、いわ
ゆるカーゴを組織培養細胞へ移入するキャリアとして使
用することもできる(Linら、J. Biol. C
hem. 270:14225−14258(199
5)、Duら、J. Peptide Res., 5
1:235−243(1998)、Rojasら、Na
ture Biotech., 16:370−375
(1998))。
【0500】制限されたサイズ(約25個のアミノ酸ま
で)の細胞透過性ペプチドを細胞膜を横切って移送しよ
うとする場合、化学合成を使用して、目的のカーゴペプ
チドのC末端またはN末端のいずれかにh領域を加える
ことができる。あるいは、更に長いペプチドまたはタン
パク質を細胞に移入しようとする場合、当業者によく知
られている技術を用いて、核酸に遺伝子操作を施し、h
領域をコードする伸長cDNA配列を、カーゴポリペプ
チドをコードするDNA配列の5’または3’末端に連
結することができる。次いで、そのように遺伝子操作さ
れた核酸を、適切な細胞にトランスフェクション後、得
られる細胞透過性ポリペプチドを産生するための従来の
技術を使用して、in vitroまたはin viv
oのいずれかで翻訳する。次いで、適切な宿主細胞を単
純に細胞透過性ポリペプチドと共にインキュベートし、
次に、このポリペプチドは膜を横切って輸送される。
【0501】本方法は、多様な細胞内機能および細胞プ
ロセスを研究するために適用することができる。例え
ば、本方法は、細胞内タンパク質の機能関連ドメインを
探査したり、シグナル伝達経路に関連のタンパク質−タ
ンパク質相互作用を調べるのに使用されている(Lin
ら、前掲;Linら、J. Biol. Chem.2
71:5305−5308(1996)、Rojas
ら、J. Biol.Chem., 271:2745
6−27461(1996)、Liuら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 93:
11819−11824(1996)、Rojas
ら、Bioch. Biophys. Res. Co
mmun., 234:675−680(199
7))。
【0502】そのような技術は、治療効果を生じるタン
パク質を移入するための細胞医療に使用することができ
る。例えば、患者から単離された細胞を、移入される治
療用タンパク質で処理し、次いで、宿主生物に再導入す
ることができる。
【0503】あるいは、本発明のシグナルペプチドのh
領域は、核局在化シグナルと組み合わせて使用され得、
核酸を細胞の核に送達することができる。そのようなオ
リゴヌクレオチドは、標的細胞RNAのプロセシングお
よび成熟化を阻害するために、前述のように、三重らせ
んを形成するために設計されるアンチセンスオリゴヌク
レオチドまたはオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0504】実施例59 コンピュータの実施態様 本明細書において使用される「配列番号24〜3883
および7744〜19335のcDNAコード」という
用語は、配列番号24〜3883および7744〜19
335のヌクレオチド配列、配列番号24〜3883お
よび7744〜19335のフラグメント、配列番号2
4〜3883および7744〜19335に相同なまた
は配列番号24〜3883および7744〜19335
のフラグメントに相同なヌクレオチド配列、およびこれ
らのすべての配列に対して相補的な配列を意味する。前
記フラグメントには、配列番号24〜3883および7
744〜19335の少なくとも8,10,12,1
5,18,20,25,28,30,35,40,5
0,75,100,150,200,300,400,
500,1000または2000個の連続したヌクレオ
チドを含む配列番号24〜3883および7744〜1
9335のフラグメントを包含する。好ましくは、前記
フラグメントは新規のフラグメントである。好ましく
は、前記フラグメントは、表4aおよび4bに記載され
るポリヌクレオチド、更新された表4aおよび表4bに
記載されるポリヌクレオチド、あるいは表4aおよび表
4bに記載されるポリヌクレオチドまたは更新された表
4aおよび表4bに記載されるポリヌクレオチドの少な
くとも8,10,12,15,18,20,25,2
8,30,35,40,50,75,100,150,
200,300,400,500,1000または20
00個の連続したヌクレオチドを含むそれらのフラグメ
ントを包含する。配列番号24〜3883および774
4〜19335の相同配列および相同フラグメントは、
これらの配列に対して少なくとも99%、98%、97
%、96%、95%、90%、85%、80%、または
75%の相同性を有する配列を意味する。相同性は、例
えばデフォルトパラメータまたはそれ以外の任意のパラ
メータを用いるBLAST2Nのような、実施例17に
記載される任意のコンピュータプログラムおよびパラメ
ータを用いて決定されてもよい。また、相同配列には、
配列番号24〜3883および7744〜19335の
cDNAコードのチミンをウリジンで置き換えたRNA
配列も包含される。これらの相同配列は、本明細書に記
載される任意の手順を用いて得ることもできるし、ある
いは前述の配列決定のエラーを修正することによって生
ずることもある。好ましくは、配列番号24〜3883
および7744〜19335の相同配列および相同フラ
グメントは、表4aおよび表4bに記載されるポリヌク
レオチド、更新された表4aおよび表4bに記載される
ポリヌクレオチド、あるいは表4aおよび表4bに記載
されるポリヌクレオチドまたは更新された表4aおよび
表4bに記載されるポリヌクレオチドの少なくとも8,
10,12,15,18,20,25,28,30,3
5,40,50,75,100,150,200,30
0,400,500,1000または2000個の連続
したヌクレオチドを含むフラグメントを包含する。配列
番号24〜3883および7744〜19335のcD
NAコードは、慣用の単一文字形式(Styler,L
ubert.Biochemistry,第3版,W.
H.Freeman & Co.、New York.
の裏表紙の内側を参照のこと)または配列のヌクレオチ
ドの同定を記録できるあらゆる他の形式で表すことがで
きることは理解できよう。
【0505】本明細書において使用される「配列番号3
884〜7743のポリペプチドコード」という用語
は、配列番号24〜3883のcDNAコードによりコ
ードされる配列番号3884〜7743のポリペプチド
配列、配列番号3884〜7743のポリペプチドに相
同なポリペプチド配列、またはこれらの配列の任意のフ
ラグメントを意味する。相同ペプチド配列は、配列番号
3884〜7743のポリペプチド配列の1つに対して
少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、
90%、85%、80%、または75%の相同性を有す
るポリペプチド配列を意味する。相同性は、例えばデフ
ォルトパラメータまたはそれ以外の任意のパラメータを
用いるFASTAのような、本明細書に記載される任意
のコンピュータプログラムおよびパラメータを用いて決
定されてもよい。これらの相同配列は、本明細書に記載
される任意の手順を用いて得ることもできるし、あるい
は前述の配列決定のエラーを修正することによって生ず
ることもある。ポリペプチドフラグメントは、配列番号
3884〜7743のポリペプチドの少なくとも5,
8,10,12,15,20,25,30,35,4
0,50,60,75,100,150または200個
の連続したアミノ酸を含む。好ましくは、前記フラグメ
ントは新規のフラグメントである。好ましくは、これら
のフラグメントは、表4aおよび表4bに記載されるポ
リヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、更新
された表4aおよび表4bに記載されるポリヌクレオチ
ド、あるいは表4aおよび表4bに記載されるポリヌク
レオチドまたは更新された表4aおよび表4bに記載さ
れるポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド
の少なくとも5,10,15,20,25,30,3
5,40,50,75,100または150個の連続し
たアミノ酸を含むそれらのフラグメントを包含する。配
列番号3884〜7743のポリペプチドコードは、慣
用の単一文字形式または3文字形式(Starrie
r,Lubert.Biochemistry,第3
版,W.H.Freeman & Co.、New Y
ork.の裏表紙の内側を参照のこと)または配列のポ
リペプチドの同定を記録できるあらゆる他の形式で表す
ことができることは理解できよう。
【0506】配列番号24〜3883および7744〜
19335のcDNAコードと配列番号3884〜77
43のポリペプチドコードが、コンピュータが読み取り
およびアクセスできる任意の媒体上に保存および記録お
よび前記媒体上で操作できることは当業者らに理解され
るであろう。本明細書において使用される「記録され
た」および「保存された」という用語は、コンピュータ
媒体に情報を格納する処理を意味する。コンピュータ読
取可能媒体に情報を記録し、配列番号24〜3883お
よび7744〜19335のcDNAコードの1つ以上
と配列番号3884〜7743のポリペプチドコードの
1つ以上を含む産物を生じさせる現在公知の方法は、い
ずれも当業者が容易に採用できるものである。本発明の
別の態様とは、配列番号24〜3883および7744
〜19335の少なくとも2,5,10,15,20,
25,30または50個のcDNAコードを記憶して有
するコンピュータ読取可能媒体である。本発明の別の態
様とは、配列番号3884〜7743の少なくとも2,
5,10,15,20,25,30または50個のポリ
ペプチドコードを記憶して有するコンピュータ読取可能
媒体である。
【0507】コンピュータ読取可能媒体には、磁気的に
読み取り可能な媒体、光学的に読み取り可能な媒体、電
子的に読み取り可能な媒体、および磁気/光学媒体が包
含される。例えば、このコンピュータ読取可能媒体は、
ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、C
D−ROM、DVD、RAM、またはROM、および当
業者らに公知である他の種類の媒体でもよい。
【0508】本発明の実施態様には、システム、特に本
明細書に記載される配列情報を保存および操作するコン
ピュータシステムが包含される。コンピュータシステム
100の一例が図6にブロック線図の形式で示されてい
る。本明細書において使用される「コンピュータシステ
ム」という用語は、配列番号24〜3883および77
44〜19335のcDNAコードのヌクレオチド配
列、または配列番号3884〜7743のポリペプチド
コードのアミノ酸配列を分析するのに用いられるハード
ウェア部分と、ソフトウェア部分と、データ保存部分と
を意味する。ある実施態様において、コンピュータシス
テム100は、サンエンタープライズ1000サーバー
(Sun Microsystems、 Palo A
lto、CA)である。コンピュータシステム100
は、配列データにアクセスし、かつ前記データを処理お
よび操作するためのプロセッサを包含することが好まし
い。プロセッサ105として、例えばインテル社(In
tel Corporation)のペンティアムII
I(Pentium III)、あるいはサン(Su
n)、モトローラ(Motorola)、コンパック
(Compaq)またはIBM製造の同等なプロセッサ
のようなあらゆる公知のCPU(CentralPro
cessing Unit)が使用できる。
【0509】好ましくは、コンピュータシステム100
は、プロセッサ105と、データを保存するための1つ
以上の内部データ保存部品110と、この内部データ保
存部品に保存されたデータを検索するための1つ以上の
データ検索装置とを具備する汎用システムである。現在
入手できるコンピュータシステムのすべてが好適である
ことは当業者には容易に理解できよう。
【0510】ある特定の実施態様においては、コンピュ
ータシステム100は、(好ましくはRAMとして装備
される)メインメモリ115と、データが記録されたハ
ードドライブおよび/または他のコンピュータ読取可能
媒体のような、1つ以上内部データ記憶装置110とに
接続されたバスに接続されたプロセッサ105を包含す
る。いくつかの実施態様においては、コンピュータシス
テム100は、内部データ記憶装置110に保存された
データを読み出すための1つ以上のデータ検索装置11
8をさらに包含する。
【0511】データ検索装置118は、例えばフロッピ
ーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁
気テープドライブなどでもよい。いくつかの実施態様に
おいては、内部データ記憶装置110は、制御論理およ
び/または記録データを有するフロッピーディスク、コ
ンパクトディスク、磁気テープなどのような取外し可能
でコンピュータ読取可能媒体である。コンピュータシス
テム100は、前記データ検索装置に一旦挿入されたデ
ータ保存部品から制御論理および/またはデータを読み
取るための適切なソフトウェアを包含していてもよい
し、あるいはこのソフトウェアによってプログラムされ
てもよい点で有利である。
【0512】コンピュータシステム100は、コンピュ
ータのユーザーに対してアウトプットを表示するのに用
いられるディスプレィ120を包含する。また、コンピ
ュータシステム100をネットワークまたはワイドエリ
アネットワークに存在する他のコンピュータシステム1
25a〜125cと接続させてコンピュータシステム1
00との集中型アクセスを与えることができることにも
注意されたい。
【0513】配列番号24〜3883および7744〜
19335のcDNAコードのヌクレオチド配列、また
は配列番号3884〜7743のポリペプチドコードの
アミノ酸配列にアクセスし、かつ処理するための(検索
ツール、比較ツールおよびモデリングツールのような)
ソフトウェアは、実行中にメインメモリ115中に常駐
していてもよい。
【0514】いくつかの実施態様において、コンピュー
タシステム100は、コンピュータ読取可能媒体に保存
された前述の配列番号24〜3883および7744〜
19335のcDNAコードまたは配列番号3884〜
7743のポリペプチドコードと、コンピュータ読取可
能媒体に保存された基準ヌクレオチド配列または基準ポ
リペプチド配列とを比較するための配列コンペアラをさ
らに含んでもよい。「配列コンペアラ」とは、ヌクレオ
チド配列またはポリペプチド配列と、前記データ保存手
段内に保存された他のヌクレオチド配列またはポリペプ
チド配列および/または、これらに限定されるわけでは
ないが、例えばペプチド、ペプチドミメティック、およ
び化学物質のような化合物とを比較するためにコンピュ
ータシステム100に装備される1つ以上のプログラム
のことを意味する。例えば、この配列コンペアラは、コ
ンピュータ読取可能媒体に保存された配列番号24〜3
883および7744〜19335のcDNAコードの
ヌクレオチド配列または配列番号3884〜7743の
ポリペプチドコードのアミノ酸配列と、コンピュータ読
取可能媒体に保存された参照配列とを比較して、相同
性、生物学的機能に必要なモチーフまたは構造モチーフ
を同定することができる。本特許明細書の他の部分に見
られる様々な配列比較プログラムは、本発明のこの態様
における使用に関して特に考慮される。
【0515】図7は、新規のヌクレオチド配列またはタ
ンパク質配列を配列データベースの配列と比較し、新規
の配列とデータベース中の配列の間の相同性の程度を決
定するためのプロセス200の実施態様の1つを表す流
れ図である。この配列データベースはコンピュータシス
テム100の内部に保存される私用のデータベースでも
よいし、あるいはインターネットを通じて使用できるG
ENBANK、PIRまたはSWISSPROTのよう
な公用のデータベースであってもよい。
【0516】プロセス200は、スタートステート20
1から始まり、そして比較される新規の配列をコンピュ
ータシステム100のメモリに格納するステート202
に進む。前述のように、前記メモリとして、RAMまた
は内部保存装置のようなあらゆる種類のメモリを使用す
ることができる。
【0517】次に、プロセス200は、配列のデータベ
ースを分析および比較のために開くステート204へと
進む。次に、プロセス200は、データベースに保存さ
れている1番目の配列をコンピュータのメモリに読み込
むステート206に進む。そして、ステート210にお
いて、この第1の配列が第2の配列と同じかどうかを決
定する比較を行う。このステップが、新規な配列とデー
タベースの1番目の配列との間の完全な比較を行うこと
に限定されるわけではないことを述べることは重要であ
る。2つのヌクレオチド配列またはタンパク質配列が同
一でない場合にも比較を行うための公知の方法は、当業
者らにとって周知である。例えば、試験対象の2つの配
列の一方にギャップを導入し、これらの2つの配列の間
の相同性の程度を向上させることができる。比較中に配
列にギャップまたは他の特徴を導入するかどうかを制御
するパラメータは、通常コンピュータシステムのユーザ
ーによって入力される。
【0518】一旦ステート210において上記2つの配
列の比較がなされると、これらの2つの配列が同じであ
るかどうかを決定ステート210において決定する。も
ちろん、「同じ」という用語は、完全に同一である配列
に限定されるわけではない。ユーザーによって入力され
た相同性パラメータの範囲にある配列もプロセス200
において「同じ」と見なされる。
【0519】これらの2つの配列が同じであると判断さ
れた場合、プロセス200は、このデータベースから読
み出された配列の名称をユーザーに対して表示するステ
ート214へと進む。このステートは、その名称が表示
された配列が、入力された相同性の制約条件を満たすこ
とをユーザーに知らせる。この保存されている配列の名
称が一旦ユーザーに対して表示されると、プロセス20
0は、データベースにまだ配列があるかどうかを決定す
る決定ステート218に進む。データベースにもう配列
がない場合、プロセス200は、エンドステート220
で終了する。しかし、データベースにまだ配列が残って
いる場合、プロセス200は、ポインタをデータベース
の次の配列に移動して新規の配列と比較できるようにす
るステート224に進む。このようにして、新規な配列
は、データベースのすべての配列とアラインメントされ
て比較される。
【0520】決定ステート212において2つの配列の
間に相同性がないと決定された場合に、プロセス200
は、直接決定ステート218に進み、データベースに比
較する配列がまだ他にあるかどうかを決定することに注
意すべきである。
【0521】従って、本発明の一態様は、プロセッサ
と、配列番号24〜3883および7744〜1933
5の核酸コードまたは配列番号3884〜7743のポ
リペプチドコードを記憶して有するデータ記憶装置と、
配列番号24〜3883および7744〜19335の
核酸コードまたは配列番号3884〜7743のポリペ
プチドコードと比較されるための基準ヌクレオチド配列
または基準ポリペプチド配列が検索可能に保存されたデ
ータ記憶装置と、その比較を行う配列コンペアラとを具
備するコンピュータシステムである。この配列コンペア
ラは、比較される2つの配列の間の相同性の程度を示し
てもよいし、上記配列番号24〜3883および774
4〜19335の核酸コードおよび配列番号3884〜
7743のポリペプチドコードの構造モチーフを同定し
てもよいし、あるいはこれらのcDNAコードとポリペ
プチドコードと比較される配列の構造モチーフを同定し
てもよい。いくつかの実施態様において、上記データ記
憶装置には、配列番号24〜3883および7744〜
19335のcDNAコードまたは配列番号3884〜
7743のポリペプチドコードの少なくとも2,5,1
0,15,20,25,30または50個の配列が保存
されていてもよい。
【0522】本発明の別の態様は、配列番号24〜38
83および7744〜19335の核酸コードと基準ヌ
クレオチド配列の間の相同性の程度を決定するための方
法であり、この方法は、相同性の程度を決定するコンピ
ュータプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準ヌ
クレオチド配列とを読み取るステップと、前記コンピュ
ータプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準ヌク
レオチド配列の間の相同性を決定するステップとからな
る。このコンピュータプログラムは、例えばデフォルト
パラメータまたはそれ以外の任意のパラメータを用いる
BLAST2Nを初めとする、本明細書に具体的に列挙
されているもののような、相同性の程度を決定するため
の多数のコンピュータプログラムのいずれでもよい。こ
の方法は、前述のコンピュータシステムを用いて実施さ
れてもよい。また、この方法は、上記コンピュータプロ
グラムを用いて上記配列番号24〜3883および77
44〜19335の少なくとも2,5,10,15,2
0,25,30または50個のcDNAコードを読み取
り、前記cDNAコードと基準ヌクレオチド配列の間の
相同性を決定することによって実施することもできる。
【0523】図8は、2つの配列が相同であるかどうか
を決定するためのコンピュータのプロセス250の実施
態様の1つを表す流れ図である。プロセス250は、ス
タートステート252から始まり、そして比較される第
1の配列をメモリに格納するステート254に進む。次
に、比較される第2の配列をステート256においてメ
モリに格納する。次に、プロセス250は、第1の配列
の最初の文字を読み取るステート260に進み、その後
に第2の配列の最初の文字を読み取るステート262に
進む。この配列がヌクレオチド配列である場合、この最
初の文字は、通常A,T,C,GまたはUのいずれかで
あることは理解されるべきである。この配列がタンパク
質配列である場合、この最初の文字は、第1の配列と第
2の配列を容易に比較できるようにするために単一文字
アミノ酸コードであるべきである。
【0524】そして、決定ステート264において、こ
れらの2つの文字が同じであるかどうかを決定する。も
し同じであれば、プロセス250はステート268に進
み、上記第1の配列と第2の配列の次の文字を読み取
る。そしてこれらの次の文字が同じであるかどうかを決
定する。もし同じであれば、プロセス250は、2つの
文字が異なるまでこのループを続ける。もし読み取られ
た2つの文字が同じではないと判断された場合、プロセ
ス250は決定ステート274に進み、どちらかの配列
にまだ読み取る文字があるかどうかを決定する。
【0525】もし読み取る文字がなければ、プロセス2
50はステート276に進み、第1の配列と第2の配列
の間の相同性の程度をユーザーに対して表示する。相同
性の程度は、第1の配列の文字の総数のうちの、前記2
つの配列の間でおなじであった文字のプロフラグメント
を計算することによって決定される。従って、もし第1
の100ヌクレオチドの配列のすべての文字と第2の配
列のすべての文字とが揃っているのであれば、相同性の
程度は100%ということになる。
【0526】あるいは、上記コンピュータプログラム
は、本発明のcDNAコードのヌクレオチド配列と基準
ヌクレオチド配列とを比較し、配列番号24〜3883
および7744〜19335の核酸コードが1つ以上の
位置で基準核酸配列と異なっているかどうかを決定する
コンピュータプログラムでもよい。任意に、そのような
プログラムは、基準ポリヌクレオチドか配列番号24〜
3883および7744〜19335の核酸コードのど
ちらかの配列に対して挿入、欠失または置換されたヌク
レオチドの長さおよび同一性を記録してもよい。ある実
施態様において、このコンピュータプログラムは、配列
番号24〜3883および7744〜19335のcD
NAコードのヌクレオチド配列が、基準ヌクレオチド配
列に対してバイアレイック(bialleic)マーカ
ーまたは一塩基多型(SNP)を含有しているかどうか
を決定するプログラムでもよい。この一塩基多型は、1
個の塩基が置換、挿入または欠失されているのに対し、
このバイアレイックマーカーは、約1〜10個の連続し
た塩基が置換、挿入または欠失されていてもよい。
【0527】本発明の別の態様は、配列番号3884〜
7743のポリペプチドコードと基準ポリペプチド配列
の間の相同性の程度を決定するための方法であり、この
方法は、相同性の程度を決定するコンピュータプログラ
ムを用いて前記配列番号3884〜7743のポリペプ
チドコードと前記基準ポリペプチド配列とを読み取るス
テップと、前記コンピュータプログラムを用いて前記ポ
リペプチドコードと前記基準ポリペプチド配列の間の相
同性を決定するステップとからなる。
【0528】従って、本発明の別の態様は、配列番号2
4〜3883および7744〜19335の核酸コード
が、1つ以上のヌクレオチドにおいて基準ヌクレオチド
配列と異なっているかどうかを決定するための方法であ
り、この方法は、2つの核酸配列の差異を同定するコン
ピュータプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準
ヌクレオチド配列とを読み取るステップと、前記コンピ
ュータプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準ヌ
クレオチド配列の間の差異を同定するステップとからな
る。いくつかの実施態様において、前記コンピュータプ
ログラムは、一塩基多型を同定するプログラムである。
上記方法は、前述のコンピュータシステムおよび図8に
示される方法によって実施されてもよい。また、この方
法は、上記コンピュータプログラムを用いて配列番号2
4〜3883および7744〜19335の少なくとも
2,5,10,15,20,25,30または50個の
cDNAコードと基準ヌクレオチド配列を読み取り、前
記コンピュータプログラムを用いて前記cDNAコード
と前記基準ヌクレオチド配列の間の差異を同定すること
によって実施することもできる。
【0529】他の実施態様において、上記コンピュータ
をベースとしたシステムは、配列番号24〜3883お
よび7744〜19335のcDNAコードのヌクレオ
チド配列または配列番号3884〜7743のポリペプ
チドコードのアミノ酸配列の内部の特徴を同定するため
のアイデンティファイアをさらに含んでいてもよい。
【0530】「アイデンティファイア」とは、前述の配
列番号24〜3883および7744〜19335のc
DNAコードのヌクレオチド配列または配列番号388
4〜7743のポリペプチドコードのアミノ酸配列の内
部の特定の特徴を同定する1つ以上のプログラムを意味
する。ある実施態様において、このアイデンティファイ
アは、配列番号24〜3883および7744〜193
35のcDNAコード内のオープンリーディングフレー
ムを同定するプログラムからなっていてもよい。
【0531】図9は、配列内の特徴の存在を検出するた
めのアイデンティファイアプロセス300の実施態様の
1つを表す流れ図である。プロセス300はスタートス
テート302から始まり、そしてステート304へと進
み、特徴が調べられる第1の配列をコンピュータシステ
ム100のメモリ115に格納する。次に、プロセス3
00は、ステート306に進み、配列特徴のデータベー
スを開く。そのようなデータベースには、各特徴の名称
と一緒に、その特徴の属性の一覧が包含されている。例
えば、特徴名称は「開始コドン」であり、その属性は
「ATG」である。別の例では、特徴名称は「TAAT
AAボックス」であり、その特徴属性は「TAATA
A」である。そのようなデータベースの一例がウィスコ
ンシン大学(University of Wisco
nsin)のジェネティクスコンピュータグループ(G
enetics Computer Group)(w
ww.gcg.com)によって構築されている。
【0532】一旦特徴データベースがステート306に
おいて開かれると、プロセス300はステート308へ
と進み、このデータベースから第1の特徴を読み出す。
そして、ステート310において、この第1の特徴の属
性と上記第1の配列との比較を行う。そして、決定ステ
ート316において、前記特徴の属性が前記第1の配列
中に見つかったかどうかを決定する。もし見つかった場
合、プロセス300はステート318へと進み、この見
つかった特徴の名称をユーザーに対して表示する。
【0533】次に、プロセス300は決定ステート32
0へと進み、データベースにまだ特徴が残っているかど
うかを決定する。もし特徴が残っていなければ、プロセ
ス300は、エンドステート324で終了する。しか
し、もしデータベースにまだ特徴が残っているのであれ
ば、プロセス300はステート326において次の配列
特徴を読み取り、ステート310に戻って、この読み取
った次の特徴の属性を上記第1の配列と比較する。
【0534】もし特徴属性が決定ステート316におい
て第1の配列中に見つからない場合には、プロセス30
0は、直接決定ステート320に進み、データベースに
まだ特徴が残っているかどうかを決定する。
【0535】別の実施態様において、上記アイデンティ
ファイアは、配列番号3884〜7743のポリペプチ
ドコードの三次元構造を決定する分子モデリングプログ
ラムからなっていてもよい。いくつかの実施態様におい
て、この分子モデリングプログラムは、公知の三次元タ
ンパク質構造中の残基の構造環境を表す特性と最も適合
性のある標的配列を同定する。(例えば、Eisenb
erg et al.、1995年7月25日発行の米
国特許第5,436,850号を参照のこと)。別の方
法においては、所定のファミリーのタンパク質の公知の
三次元構造を重ね合わせて、そのファミリーにおける構
造的に保存された領域を規定する。また、このタンパク
質モデリング法は、相同タンパク質の公知の三次元構造
を用いて、配列番号3884〜7743のポリペプチド
コードの構造を見積もる。(例えば、Srinivas
an et al.、1996年9月17日発行の米国
特許第5,557,535号を参照のこと)。慣用の相
同性モデリング法は、プロテアーゼおよび抗体のモデル
を構築するのに慣例的に用いられてきた。(Sowdh
amini et al., Protein Eng
ineering10:207, 215(199
7))。目的のタンパク質が、テンプレートタンパク質
に対して低い配列同一性を有する場合に、比較方法を用
いて三次元のタンパク質モデルを作ることもできる。場
合によっては、タンパク質は、非常に弱い配列同一性を
有しているにもかかわらず、同様の三次元構造に折り畳
まれる。例えば、多くのらせん状サイトカインの三次元
構造は、低い配列相同性にもかかわらず、同様の三次元
位相に折り畳まれる。
【0536】昨今のスレッディング法の開発によって、
現在では、標的とテンプレートの間の構造的な関連性が
配列レベルでは検出不可能である多くの状況において起
こり得る折畳みパターンの同定ができるようになった。
折畳み認識を多配列スレッディング(Multiple
Sequence Threading, MST)
を用いて行うハイブリッド法では、構造的同等物は、低
解像モデルを構築するための距離幾何学プログラム(d
istance geometry program)
DRAGONを用いてスレッディング出力から推測さ
れ、そして全原子表示(full−atom repr
esentation)は、QUANTAのような分子
モデリングパッケージを用いて構築される。
【0537】この3段法によれば、まず初めに、候補テ
ンプレートを、複数の位置合わせをされた配列を1つ以
上の三次元構造に同時にスレッディングできる新規な折
畳み認識アルゴリズムMSTを用いて同定する。第2段
階においては、MST出力から得られた構造的同等物を
残基間距離拘束に変換し、2次構造予測から得られた補
助情報と一緒に距離幾何学プログラムであるDRAGO
Nに供給される。前記プログラムは偏らないように前記
拘束を組み合わせて、かなりの数の低解像モデル確認を
急速に作り出す。第3段階においては、これらの低解像
モデル確認を全原子モデルに変換し、分子モデリングパ
ッケージであるQUANTAを用いてエネルギーの最小
化に付す。(例えば、Aszodi et al.,
Proteins:Structure, Funct
ion, and Genetics, Supple
ment 1:38−42(1997)を参照のこ
と)。
【0538】上記分子モデリング分析の結果は、そのま
ま配列番号3884〜7743のポリペプチドコードの
活性を調整する薬剤を同定するための合理的薬物設計法
に用いられてもよい。
【0539】従って、本発明の別の態様は、配列番号2
4〜3883および7744〜19335のcDNAコ
ードまたは配列番号3884〜7743のポリペプチド
コード内の特徴を同定する方法であり、この方法は、前
記コード内の特徴を同定するコンピュータプログラムを
用いて前記核酸コードまたは前記ポリペプチドコードを
読み取るステップと、前記コンピュータプログラムを用
いて前記核酸コードまたは前記ポリペプチドコード内の
特徴を同定するステップとからなる。ある実施態様にお
いて、コンピュータプログラムは、オープンリーディン
グフレームを同定するコンピュータプログラムからな
る。さらに別の実施態様において、前記コンピュータプ
ログラムは、ポリペプチド配列の構造モチーフを同定す
る。別の実施態様において、前記コンピュータプログラ
ムは、分子モデリングプログラムからなる。上記方法
は、前記コンピュータプログラムを用いて、配列番号2
4〜3883および7744〜19335のcDNAコ
ードまたは配列番号3884〜7743のポリペプチド
コードの単一の配列あるいは少なくとも2,5,10,
15,20,25,30または50個を読み取り、そし
て前記コンピュータプログラムを用いて、前記cDNA
コードまたはポリペプチドコード内の特徴を同定するこ
とによって実施することができる。
【0540】配列番号24〜3883および7744〜
19335のcDNAコードまたは配列番号3884〜
7743のポリペプチドコードは多様なフォーマットで
多様なデータプロセッサプログラムで保存および操作す
ることができる。例えば、配列番号24〜3883およ
び7744〜19335のcDNAコードまたは配列番
号3884〜7743のポリペプチドコードは、マイク
ロソフト(Microsoft)ワード(WORD)も
しくはワードパーフェクト(WORDPERFECT)
などのワード処理ファイル中にテキストとして、または
DB2、SYBASEもしくはORACLEなどの当業
者に周知の種々のデータベースプログラム中にASCI
Iファイルとして保存することができる。さらに、様々
なコンピュータプログラムおよびデータベースを、配列
コンペアラ、アイデンティファイア、あるいは配列番号
24〜3883および7744〜19335のcDNA
コードまたは配列番号3884〜7743のポリペプチ
ドコードと比較される基準ヌクレオチド配列またはポリ
ペプチド配列のソースとして用いることができる。下記
の一覧は、本発明を限定するものではなく、配列番号2
4〜3883および7744〜19335のcDNAコ
ードまたは配列番号3884〜7743のポリペプチド
コードに対して有用なプログラムおよびデータベースを
案内するものである。使用できるプログラムおよびデー
タベースとしては、これらに限定されるわけではない
が、MacPattern(EMBL)、Discov
eryBase(モレキュラーアプリケーションズグル
ープ(Molecular Applications
Group))、GeneMine(モレキュラーア
プリケーションズグループ)、Look(モレキュラー
アプリケーションズグループ)、MacLook(モレ
キュラーアプリケーションズグループ)、BLASTお
よびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびB
LASTX(アルトシュル(Altschul)ら、
J.Mol.Biol.215:403(199
0))、FASTA(ペアソン(Peason)および
リップマン(Lipman)、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 85:2444,198
8)、FASTDB(ブルトラグら(Brutlag
et al.) Comp.App.Biosci.
6:237−245,1990)、Catalyst
(モレキュラーシミュレーションズ社(Molecul
ar Simulations Inc.))、Cat
alyst/SHAPE(モレキュラーシミュレーショ
ンズ社)、Cerius2.DBAccess(モレキ
ュラーシミュレーションズ社)、Hypogen(モレ
キュラーシミュレーションズ社)、Insight I
I(モレキュラーシミュレーションズ社)、Disco
ver(モレキュラーシミュレーションズ社)、CHA
RMm(モレキュラーシミュレーションズ社)、Fel
ix(モレキュラーシミュレーションズ社)、DelP
hi(モレキュラーシミュレーションズ社)、Quan
teMM(モレキュラーシミュレーションズ社)、Ho
mology(モレキュラーシミュレーションズ社)、
Modeler(モレキュラーシミュレーションズ
社)、ISIS(モレキュラーシミュレーションズ
社)、Quanta/Protein Design
(モレキュラーシミュレーションズ社)、WebLab
(モレキュラーシミュレーションズ社)、WebLab
Diversity Explorer(モレキュラ
ーシミュレーションズ社)、Gene Explore
r(モレキュラーシミュレーションズ社)、SeqFo
ld(モレキュラーシミュレーションズ社)、EMBL
/Swissproteinデータベース、MDL A
vailable Chemicals Direct
oryデータベース、MDLDrug Data Re
portデータベース、ComprehensiveM
edicinal Chemistryデータベース、
Derwents’s World Drug Ind
exデータベース、BioByteMasterFil
eデータベース、Genbankデータベース、および
Genseqnデータベースが挙げられる。他の様々な
プログラムおよびデータベースは、本開示内容を与えら
れた当業者にとって明らかである。
【0541】上記のプログラムを使用して検出すること
ができるモチーフは、ロイシンジッパー、ヘリックス−
ターン−ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビ
キチン化部位、αヘリックスおよびβシート、コードさ
れたタンパク質の分泌を指令するシグナルペプチドをコ
ードするシグナル配列、ホメオボックスなどの転写調節
に関与する配列、酸性領域、酵素活性部位、基質結合部
位並びに酵素的切断部位をコードする配列を含む。
【0542】実施例60 核酸の製造方法 本発明は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメ
ント、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST
関連核酸の位置セグメントのフラグメントを製造する方
法をさらに含む。これらの方法は、複数のヌクレオチド
を連続して連結していくことによって、先の配列を含む
核酸を製造する。核酸を合成する様々な方法が、当業者
らにとって周知である。
【0543】これらの方法の多くは、合成を固体支持体
上で行う。これらには、所望のオリゴヌクレオチドの
3’末端塩基が不溶性の担体上に固定される3’ホスホ
ルアミダイト法が包含される。付加されるヌクレオチド
塩基は、5’ヒドロキシルにおいてブロックされ、3’
ヒドロキシルにおいて活性化されることによって、固定
ヌクレオチド塩基との結合が生じる。新規の固定ヌクレ
オチド化合物を脱ブロック化し、かつこのサイクルを反
復することによって、所望のポリヌクレオチドが得られ
る。あるいは、ポリヌクレオチドを、米国特許第5,0
49,656号(その開示内容を参照により本明細書に
組み入れる)に記載されているように調製することもで
きる。いくつかの実施態様において、上記のように調製
されたいくつかのポリヌクレオチドが連結されることに
よって、所望の配列を有する長いポリオヌクレオチドと
なる。
【0544】実施例61 ポリペプチドの製造方法 本発明は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメ
ント、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST
関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコード
されるポリヌクレオチドを製造する方法、およびEST
関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメ
ント、EST関連ポリペプチドの位置セグメント、また
はEST関連ポリペプチドのフラグメントを製造する方
法をさらに含む。これらの方法は、複数のアミノ酸を連
続して連結していくことによって、先の配列を含む核酸
ポリペプチドを製造する。いくつかの実施態様におい
て、これらの方法によって製造されるポリペプチドの長
さは、150個のアミノ酸以下である。別の実施態様に
おいて、これらの方法によって製造されるポリペプチド
の長さは、120個のアミノ酸以下である。
【0545】ポリペプチドを製造する様々な方法が、当
業者らにとって周知であり、その例として、カルボキシ
ル末端アミノ酸がポリビニルベンゼンまたは他の適当な
樹脂に結合される方法を挙げることができる。付加され
るアミノ酸は、そのアミノ部分およびあらゆる側鎖反応
基に対してブロック基を有しているので、そのカルボキ
シル部分のみが反応することができる。カルボキシル基
は、カルボジイミドまたは他の活性化剤によって活性化
され、固定されたアミノ酸に結合させられる。ブロック
基を除いた後に、このサイクルを反復することによっ
て、所望の配列を有するポリペプチドが得られる。ある
いは、米国特許第5,049,656号(その開示内容
を参照により本明細書に組み入れられる)に記載されて
いる方法を用いることもできる。
【0546】上記のように、EST関連核酸、EST関
連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントは、さまざまな目的のために使用することができ
る。上述のポリヌクレオチドを使用して、分析、特徴付
けまたは治療用途のための組換えタンパク質を;対応す
るタンパク質を(構成的かまたは組織分化または発生の
特定の段階かまたは疾患状態のいずれかにおいて)好適
に発現させる組織のためのマーカーとしての、分泌ポリ
ペプチド、キメラポリペプチドまたは抗体の製造;サザ
ンゲル上の分子量マーカーとして;染色体を同定するか
または関連遺伝子の位置をマッピングするための染色体
マーカーまたはタグ(標識される場合)として;患者の
内在性DNAを比較して、潜在的遺伝子障害を同定する
ために;ハイブリダイズし、それにより新規の関連DN
A配列を発見するためのプローブとして;遺伝子フィン
ガープリントのためのPCRプライマーを得るための情
報の供給源として;「遺伝子チップ」または他の支持体
に付着するためのオリゴマーを選択し、作製するために
(発現パターンを調べることを含む);DNA免疫化技
術を用いて、抗タンパク質抗体を惹起するために;およ
び抗DNA抗体を惹起するかまたは別の免疫応答を引き
出すための抗原として、発現させることができる。ポリ
ヌクレオチドが(例えば、レセプター−リガンド相互作
用などにおいて)別のタンパク質またはポリペプチドに
結合するかまたは潜在的に結合するタンパク質またはポ
リペプチドをコードする場合には、該ポリヌクレオチド
を、結合が生じる他のタンパク質またはポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドを同定するかまたは結合相
互作用の阻害剤を同定するために、相互作用トラップア
ッセイ(例えば、Gyurisら、Cell 75:7
91−803(1993)などに記載のアッセイであっ
て、該参考文献の開示内容は、参照により本明細書に組
み入れる)にも使用することができる。
【0547】本発明により提供されるタンパク質または
ポリペプチドは、ハイスループットスクリーニングのた
めの複数のタンパク質のパネルを含む生物学的活性を決
定するためのアッセイにおいて;抗体を惹起するかまた
は別の免疫応答を引き出すために;生物学的液体におけ
るタンパク質(またはそのレセプター)のレベルを定量
的に決定するために設計されたアッセイにおける試薬
(標識された試薬を含む)として;対応するタンパク質
を(構成的かまたは組織分化または発生の特定の段階か
または疾患状態のいずれかにおいて)好適に発現させる
組織用のマーカーとして;そして、もちろん、相関関係
にあるレセプターまたはリガンドを単離するために、同
様に使用することができる。タンパク質またはポリペプ
チドが(例えば、レセプター−リガンド相互作用などに
おいて)もう1つのタンパク質またはポリペプチドに結
合するかまたは潜在的に結合する場合、該タンパク質
を、結合が生じる他のタンパク質を同定するかまたは結
合相互作用の阻害剤を同定するために使用することがで
きる。これらの結合相互作用に関与するタンパク質また
はポリペプチドは、ペプチドまたは小分子阻害剤または
結合相互作用のアゴニストをスクリーニングするために
も使用することができる。
【0548】これらの研究有用性のいくつかまたは全て
は、研究用製品として商品化するために試薬レベルまた
はキット形態にまで開発することが可能である。
【0549】上記に列挙された用途を達成するための方
法は当業者に周知である。そのような方法を開示してい
る参考文献としては、Molecular Cloni
ng;A Laboratory Manual、2
版、Cold SpringHarbor Labor
atory Press, Sambrook,J.,
E.F.FritschおよびT.Maniatis
編、1989、ならびにMethods in Enz
ymology;Guide to Molecula
r Cloning Techniques, Aca
demic Press, Berger,S.L.お
よびA.R.Kimmel編、1987が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0550】本発明のポリヌクレオチドおよびタンパク
質またはポリペプチドを栄養供給源または補助食品とし
て使用することもできる。そのような使用としては、タ
ンパク質またはアミノ酸補助物としての使用、炭素源と
しての使用、窒素源としての使用および炭水化物源とし
ての使用が挙げられるが、これらに限定されない。その
ような場合、本発明のタンパク質またはポリヌクレオチ
ドを特定の生物の食物に添加することができ、または個
別の固体または液体調製物として、散剤、丸剤、溶液、
懸濁液またはカプセルの剤形などで投与することができ
る。微生物の場合、本発明のタンパク質またはポリヌク
レオチドを、微生物が培養される培地に添加することが
できる。
【0551】本発明を特定の好適な実施態様の形態で説
明してきたが、本明細書の開示内容から当業者に明らか
である他の実施態様も本発明の範囲内にある。従って、
本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にすることに
よってのみ規定されることを意図している。本明細書に
引用された全ての文書は、その全体を参照により本明細
書に組み入れる。
【0552】
【配列表】 【図面の簡単な説明】
【図1】 コンセンサスコンティグ化(contiga
ted)ESTを得るためのコンピュータ分析手順を示
す。
【図2】 本明細書に記載するシグナルペプチド同定法
を用いて偽陽性および偽陰性の頻度を調べるための、全
てのヒトスイスプロット(SwissProt)タンパ
ク質の43アミノ末端アミノ酸の分析を示す。
【図3】 5’ESTに隣接する配列を有する伸長cD
NAをクローニングかつ配列決定するために使用される
一般的なRT−PCRベースに基づく方法を示す。
【図4】 単離したプロモーターの模式図およびそれら
に対応する5’ESTと共に組み立てる方法を示す。
【図5】 図4の各プロモーターに存在する転写因子結
合部位を示す。
【図6】 例示的コンピュータシステムの構成図を示
す。
【図7】 新規のヌクレオチド配列またはタンパク質配
列を配列データベースと比較し、新規の配列とデータベ
ース中の配列の間の相同性の程度を決定するためのプロ
セス200の実施態様の1つを表す流れ図を示す。
【図8】 2つの配列が互いに相同であるかどうかを決
定するためのコンピュータのプロセス250の実施態様
の1つを表す流れ図を示す。
【図9】 配列の特徴の存在を検出するための同定物プ
ロセス300の実施態様の1つを表す流れ図を示す。
【図10】 伸長cDNA分析の各ステップに用いるこ
とができるアルゴリズム、パラメータおよび基準を表す
表を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA 21/08 5/00 A C12Q 1/68 15/00 F (72)発明者 ジャン‐イブ ジョルダノ フランス国 75018 パリ,フュー デュ エズメ 12 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 BA80 CA04 CA09 HA14 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ02 QQ42 QQ52 QR08 QR55 QR62 QR82 QS02 QS25 QS34 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 DA03 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号24〜3883および配列番号
    7744〜19335ならびに配列番号24〜3883
    および配列番号7744〜19335の配列に相補的な
    配列からなる群より選択される配列を含む、精製された
    核酸。
  2. 【請求項2】 配列番号24〜3883および配列番号
    7744〜19335ならびに配列番号24〜3883
    および配列番号7744〜19335の配列に相補的な
    配列からなる群より選択される配列の少なくとも10個
    の連続するヌクレオチドを含む、精製された核酸。
  3. 【請求項3】 配列番号24〜3883および配列番号
    7744〜19335ならびに配列番号24〜3883
    および配列番号7744〜19335の配列に相補的な
    配列からなる群より選択される配列の少なくとも15個
    の連続するヌクレオチドを含む、精製された核酸。
  4. 【請求項4】 配列番号24〜3883からなる群より
    選択される配列のコード配列を含む、精製された核酸。
  5. 【請求項5】 配列番号1339〜2059からなる群
    より選択される配列の全コード配列を含む精製された核
    酸であって、前記全コード配列がシグナルペプチドをコ
    ードする配列および成熟タンパク質をコードする配列を
    含む、上記核酸。
  6. 【請求項6】 成熟タンパク質をコードする配列番号1
    339〜2059からなる群より選択される配列の連続
    スパンを含む、精製された核酸。
  7. 【請求項7】 シグナルペプチドをコードする配列番号
    24〜383および配列番号1339〜2059からな
    る群より選択される配列の連続スパンを含む、精製され
    た核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号3884〜7743の配列から
    なる群より選択される配列を含むポリペプチドをコード
    する、精製された核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号5199〜5919の配列から
    なる群より選択される配列を含むポリペプチドをコード
    する、精製された核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号5199〜5919の配列か
    らなる群より選択される配列に含まれる成熟タンパク質
    を含むポリペプチドをコードする、精製された核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号3884〜4243および配
    列番号5199〜5919の配列からなる群より選択さ
    れる配列に含まれるシグナルペプチドを含むポリペプチ
    ドをコードする、精製された核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335ならびに配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335の配列に相補的
    な配列からなる群より選択される配列の少なくとも15
    個の連続するヌクレオチドを含む配列にストリンジェン
    トな条件下でハイブリダイズする、精製された核酸。
  13. 【請求項13】 配列番号3884〜7743の配列か
    らなる群より選択される配列を含む、精製または単離さ
    れたポリペプチド。
  14. 【請求項14】 配列番号5199〜5919からなる
    群より選択される配列を含む、精製または単離されたポ
    リペプチド。
  15. 【請求項15】 配列番号5199〜5919からなる
    群より選択されるポリペプチドの成熟タンパク質を含
    む、精製または単離されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 配列番号3884〜4243および5
    199〜5919のポリペプチドからなる群より選択さ
    れる配列のシグナルペプチドを含む、精製または単離さ
    れたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 配列番号3884〜7743の配列か
    らなる群より選択される配列の少なくとも10個の連続
    するアミノ酸を含む、精製または単離されたポリペプチ
    ド。
  18. 【請求項18】 cDNAを作製する方法であって、 a) ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体と、配列番
    号24〜3883および配列番号7744〜19335
    に相補的な配列からなる群より選択される配列の少なく
    とも15個の連続するヌクレオチドを含むプライマーと
    を接触させ、 b) 前記プライマーを、前記タンパク質をコードする
    前記集合体中のmRNAにハイブリダイズさせ、 c) 前記ハイブリダイズしたプライマーを逆転写して
    前記mRNAから第1のcDNA鎖を作製し、 d) 前記第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA
    鎖を作製し、そして e) 前記第1のcDNA鎖および前記第2のcDNA
    鎖を含み、前記タンパク質をコードする得られたcDN
    Aを単離する、各ステップを含んでなる上記方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  20. 【請求項20】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項19に記載のcDN
    A。
  21. 【請求項21】 cDNAを作製する方法であって、 a) cDNA集合体と、配列番号24〜3883およ
    び配列番号7744〜19335ならびに配列番号24
    〜3883および配列番号7744〜19335に相補
    的な配列からなる群より選択される配列の少なくとも1
    5個の連続するヌクレオチドを含む検出可能なプローブ
    とを、前記プローブが前記cDNAにハイブリダイズす
    ることを可能にする条件下で接触させ、 b) 前記検出可能なプローブにハイブリダイズするc
    DNAを同定し、そして c) 前記プローブにハイブリダイズする前記cDNA
    を単離する、各ステップを含んでなる上記方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  23. 【請求項23】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項22に記載のcDN
    A。
  24. 【請求項24】 cDNAを作製する方法であって、 a) ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体と前記mR
    NAのポリAテイルにハイブリダイズし得る第1のプラ
    イマーとを接触させ、 b) 前記第1のプライマーを前記ポリAテイルにハイ
    ブリダイズさせ、 c) 前記mRNAを逆転写して第1のcDNA鎖を作
    製し、 d) 配列番号24〜3883および配列番号7744
    〜19335からなる群より選択される配列の少なくと
    も15個の連続するヌクレオチドを含む少なくとも1つ
    のプライマーを使用して、前記第1のcDNA鎖に相補
    的な第2のcDNA鎖を作製し、そして e) 前記第1のcDNA鎖および前記第2のcDNA
    鎖を含む得られたcDNAを単離する、各ステップを含
    んでなる上記方法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  26. 【請求項26】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項25に記載のcDN
    A。
  27. 【請求項27】 前記第2のcDNA鎖が、 a) 前記第1のcDNA鎖と、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335からなる群より
    選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオ
    チドを含む第2のプライマーならびに前記第1のプライ
    マーの配列内に全配列が含まれる第3のプライマーとを
    接触させること、 b) 前記第2および第3のプライマーにより第1のポ
    リメラーゼ連鎖反応を行い、第1のPCT産物を生成す
    ること、 c) 前記第1のPCR産物と、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335からなる群より
    選択される前記配列の少なくとも15個の連続するヌク
    レオチドを含む第4のプライマー、ならびに前記第3の
    プライマーの配列内に全配列が含まれる第5のプライマ
    ーとを接触させることであって、ただし、前記第4およ
    び第5のプライマーは前記第1のPCR産物内の配列に
    ハイブリダイズするものであること、および d) 第2のポリメラーゼ連鎖反応を行い、それによっ
    て第2のPCR産物を生成すること、によって作製され
    る、請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  29. 【請求項29】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項28に記載のcDN
    A。
  30. 【請求項30】 前記第2のcDNA鎖が、 a) 前記第1のcDNA鎖と、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335からなる群より
    選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオ
    チドを含む第2のプライマーならびに前記第1のプライ
    マーの配列内に全配列が含まれる第3のプライマーとを
    接触させること、 b) 前記第2および第3のプライマーにより第1のポ
    リメラーゼ連鎖反応を行い、第1のPCR産物を生成す
    ること、 c) 前記第1のPCR産物と、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335からなる群より
    選択される前記配列の少なくとも15個の連続するヌク
    レオチドを含む第4のプライマー、ならびに前記第3の
    プライマーの配列内に全配列が含まれる第5のプライマ
    ーとを接触させることであって、ただし、前記第4およ
    び第5のプライマーは前記第1のPCR産物内の配列に
    ハイブリダイズするものであること、および d) 前記第4および第5のプライマーにより第2のポ
    リメラーゼ連鎖反応を行い、それによって第2のPCR
    産物を生成すること、によって作製される、請求項24
    に記載の方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  32. 【請求項32】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項31に記載のcDN
    A。
  33. 【請求項33】 前記第2のcDNA鎖が、 a) 前記第1のcDNA鎖と、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335からなる群より
    選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオ
    チドを含む第2のプライマーとを接触させること、 b) 前記第2のプライマーを前記第1鎖cDNAにハ
    イブリダイズさせること、および c) 前記ハイブリダイズした第2のプライマーを伸長
    して、前記第2のcDNA鎖を生成すること、によって
    作製される、請求項24に記載の方法。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の方法によって得ら
    れる精製されたcDNA。
  35. 【請求項35】 前記cDNAはヒトポリペプチドの少
    なくとも一部をコードする、請求項34に記載のcDN
    A。
  36. 【請求項36】 ポリペプチドを作製する方法であっ
    て、 a) 配列番号24〜3883からなる群より選択され
    る配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを
    コードするcDNA、または配列番号24〜3883か
    らなる群より選択される配列によってコードされるポリ
    ペプチドの少なくとも10個の連続するアミノ酸を含む
    ポリペプチドをコードするcDNAを取得し、 b) 前記cDNAを、それがプロモーターに機能し得
    る形で連結されるように発現ベクターに挿入し、 c) 前記発現ベクターを宿主細胞に導入し、それによ
    り前記宿主細胞に前記cDNAによりコードされるタン
    パク質を産生させ、そして d) 前記タンパク質を単離する、各ステップを含んで
    なる上記方法。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の方法によって得ら
    れる単離されたタンパク質。
  38. 【請求項38】 プロモーターDNAを得る方法であっ
    て、 a) 配列番号24〜3883および配列番号7744
    〜19335ならびに配列番号24〜3883および配
    列番号7744〜19335の配列に相補的な配列から
    なる群より選択される配列を含む核酸の上流に位置する
    ゲノムDNAを取得し、 b) 前記上流ゲノムDNAをスクリーニングして、転
    写開始を指令し得るプロモーターを同定し、そして c) 前記プロモーターを含む前記上流ゲノムDNAを
    単離する、各ステップを含んでなる上記方法。
  39. 【請求項39】 前記取得ステップが配列番号24〜3
    883および配列番号7744〜19335ならびに配
    列番号24〜3883および配列番号7744〜193
    35に相補的な配列からなる群より選択される配列を含
    むゲノムDNAからの歩行を含む、請求項38に記載の
    方法。
  40. 【請求項40】 前記スクリーニングステップが配列番
    号24〜3883および配列番号7744〜19335
    ならびに配列番号24〜3883および配列番号774
    4〜19335に相補的な配列からなる群より選択され
    る配列の上流に位置するゲノムDNAをプロモーターレ
    ポーターベクターに挿入することを含む、請求項39に
    記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記スクリーニングステップが、転写
    因子結合部位かまたは転写開始部位である、配列番号2
    4〜3883および配列番号7744〜19335なら
    びに配列番号24〜3883および配列番号7744〜
    19335に相補的な配列からなる群より選択される配
    列の上流に位置するゲノムDNA中のモチーフを同定す
    ることを含む、請求項39に記載の方法。
  42. 【請求項42】 請求項38に記載の方法によって得ら
    れる単離されたプロモーター。
  43. 【請求項43】 個別のESTまたは長さが少なくとも
    15ヌクレオチドのそのフラグメントのアレイであっ
    て、その改良点が配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335、配列番号24〜3883およ
    び配列番号7744〜19335の配列に相補的な配
    列、ならびに前記配列の少なくとも15個の連続するヌ
    クレオチドを含むフラグメントからなる群より選択され
    る少なくとも1つの配列を前記アレイに加えることから
    なる、上記アレイ。
  44. 【請求項44】 配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335、配列番号24〜3883およ
    び配列番号7744〜19335の配列に相補的な配
    列、ならびに前記配列の少なくとも15個の連続するヌ
    クレオチドを含むフラグメントからなる群より選択され
    る少なくとも2つの配列を含む、請求項43に記載のア
    レイ。
  45. 【請求項45】 配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335、配列番号24〜3883およ
    び配列番号7744〜19335の配列に相補的な配
    列、ならびに前記配列の少なくとも15個の連続するヌ
    クレオチドを含むフラグメントからなる群より選択され
    る少なくとも5つの配列を含む、請求項43に記載のア
    レイ。
  46. 【請求項46】 組換え核酸の富化された集団であっ
    て、前記組換え核酸はインサート核酸およびバックボー
    ン核酸を含み、ここで、前記集団中の前記インサート核
    酸の少なくとも5%は、配列番号24〜3883および
    配列番号7744〜19335ならびに配列番号24〜
    3883および配列番号7744〜19335に相補的
    な配列からなる群より選択される配列を含む、上記集
    団。
  47. 【請求項47】 配列番号3884〜7743からなる
    群より選択される配列を含むポリペプチドに特異的に結
    合し得る、精製または単離された抗体。
  48. 【請求項48】 配列番号3884〜7743からなる
    群より選択される配列の少なくとも10個の連続するア
    ミノ酸を含むポリペプチドに特異的に結合し得る、精製
    または単離された抗体。
  49. 【請求項49】 配列番号3884〜7743のうちい
    ずれかの少なくとも8個のアミノ酸の連続スパンを含む
    ポリペプチドのエピトープ含有フラグメントに選択的に
    結合し得る抗体組成物であって、前記抗体はポリクロー
    ナルかまたはモノクローナルである、上記組成物。
  50. 【請求項50】 配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335の核酸コードならびに配列番号
    3884〜7743のポリペプチドコードからなる群よ
    り選択される配列を記憶して有するコンピュータ読取可
    能媒体。
  51. 【請求項51】 プロセッサおよびデータ記憶装置を含
    むコンピュータシステムであって、前記データ記憶装置
    は、配列番号24〜3883および配列番号7744〜
    19335の核酸コードならびに配列番号3884〜7
    743のポリペプチドコードからなる群より選択される
    配列を記憶して有する、上記システム。
  52. 【請求項52】 配列コンペアラおよび参照配列を記憶
    して有するデータ記憶装置をさらに含む、請求項51に
    記載のコンピュータシステム。
  53. 【請求項53】 前記配列コンペアラは、多型性を表示
    するコンピュータプログラムを含む、請求項52に記載
    のコンピュータシステム。
  54. 【請求項54】 前記配列における特徴を同定するアイ
    デンティファイアをさらに含む、請求項51に記載のコ
    ンピュータシステム。
  55. 【請求項55】 第1の配列と参照配列とを比較する方
    法であって、前記第1の配列は、配列番号24〜388
    3および配列番号7744〜19335の核酸コードな
    らびに配列番号3884〜7743のポリペプチドコー
    ドからなる群より選択され、 a) 配列を比較するコンピュータプログラムを使用す
    ることにより、前記第1の配列および前記参照配列を読
    み取り、そして b) 前記コンピュータプログラムによって、前記第1
    の配列と前記参照配列との間の差異を判定する、各ステ
    ップを含んでなる上記方法。
  56. 【請求項56】 前記第1の配列と前記参照配列との間
    の差異を判定する前記ステップは多型性を同定すること
    を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 配列番号24〜3883および配列番
    号7744〜19335の核酸コードならびに配列番号
    3884〜7743のポリペプチドコードからなる群よ
    り選択される配列における特徴を同定する方法であっ
    て、 a) 配列における特徴を同定するコンピュータプログ
    ラムを使用することにより、前記配列を読み取り、そし
    て b) 前記コンピュータプログラムによって、前記配列
    における特徴を同定する、各ステップを含んでなる上記
    方法。
  58. 【請求項58】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸を含むベクター。
  59. 【請求項59】 請求項58に記載の核酸を含有する宿
    主細胞。
  60. 【請求項60】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸を作製する方法であって、 a) 前記核酸を、それが各宿主細胞において複数のコ
    ピーで存在するように宿主細胞に導入し、そして b) 前記宿主細胞から前記核酸を単離する、各ステッ
    プを含んでなる上記方法。
  61. 【請求項61】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の核酸を作製する方法であって、前記核酸中のヌクレオ
    チドを順次連結するステップを含んでなる上記方法。
  62. 【請求項62】 請求項13〜17のいずれか1項に記
    載のポリペプチドを作製する方法であって、前記ポリペ
    プチドは150アミノ酸以下の長さであり、前記ポリペ
    プチドのアミノ酸を順次連結するステップを含んでなる
    上記方法。
  63. 【請求項63】 請求項13〜17のいずれか1項に記
    載のポリペプチドを作製する方法であって、前記ポリペ
    プチドは120アミノ酸以下の長さであり、前記ポリペ
    プチドのアミノ酸を順次連結するステップを含んでなる
    上記方法。
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