JP2002539833A - カリンレギュレーターroc1およびroc2をコードする単離dna、それらによってコードされた単離タンパク質、ならびにそれらの利用法 - Google Patents

カリンレギュレーターroc1およびroc2をコードする単離dna、それらによってコードされた単離タンパク質、ならびにそれらの利用法

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JP2002539833A JP2000608753A JP2000608753A JP2002539833A JP 2002539833 A JP2002539833 A JP 2002539833A JP 2000608753 A JP2000608753 A JP 2000608753A JP 2000608753 A JP2000608753 A JP 2000608753A JP 2002539833 A JP2002539833 A JP 2002539833A
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ザ・ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、タンパク質ROC1およびROC2をコードする単離ポリヌクレオチド配列ならびにそれを含む宿主細胞に関する。ROC1およびROC2タンパク質の抗体およびそれらをコードするポリヌクレオチドに相補的なアンチセンス分子と同様に、ROC1およびROC2タンパク質の産生法も開示し、サンプル中のポリヌクレオチドの検出法が本発明に含まれる。本発明はさらに、ROCタンパク質に結合することができる生物活性因子のスクリーニング法、ROCタンパク質の結合を干渉することができる生物活性因子のスクリーニング法、およびROCタンパク質の活性を調整することができる生物活性因子のスクリーニング法を含む。このような薬理学的に活性な化合物を含む薬学的処方物およびその投与法は本発明のさらなる態様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1999年3月31日に提出された米国特許仮出願番号60/12
7,261および1999年11月22日に提出された米国特許仮出願番号60
/166,927の利益を主張する。両仮出願は、その全体が本明細書の記載の
一部として援用される。
【0002】 (連邦政府援助の陳述) 本発明は、国立衛生研究所の助成金番号RO1 CA65572−01の政府
援助を用いて行った。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】 (発明の分野) 本発明は、ユビキチンリガーゼ活性に関連するカリンレギュレーターの核酸お
よびアミノ酸配列ならびにこれらの配列の利用法に関する。
【0004】 (発明の背景) ユビキチン依存性タンパク質分解工程は、生理学的細胞条件での変化の結果と
して濃度が急速に変化する多数の短命細胞内タンパク質を制御する。Hochs
trasser,M.ら、1996、Annu.Rev.Genet.、30、
405〜439;King,R.W.ら1996、Science、274、1
652〜1659;Hershko,A.ら、1997、Curr.Opin.
Cell Biol.、9、788〜799を参照のこと。恒常性および誤って
折りたたまれたタンパク質の除去などの「ハウスキーピング」機能の実行に加え
て、タンパク質分解工程には、多くの調節タンパク質(サイカリン、CDKイン
ヒビター、転写因子、およびシグナル伝達因子など)の分解に関与する。簡単に
述べれば、ユビキチン媒介性タンパク質分解は、ユビキチン(ユビキチン活性化
酵素(E1またはUba)によってATP依存様式において全ての真核細胞で発
現される76アミノ酸タンパク質)の活性化から開始される。活性化ユビキチン
は、E1と高エネルギーチオールエステル結合を形成し、E2またはUbcと呼
ばれるユビキチン結合化酵素内のチオールエステル結合を介してもシステイン残
基にわたる。次いで、E2連結ユビキチンは、基質中のリジン残基のアミノ酸側
鎖に導入されてE3として公知のユビキチンリガーゼによって直接的またはしば
しば間接的に標的される末端イソペプチド結合を形成する。基質タンパク質を、
単一のユビキチン(モノユビキチン結合化)または複数のユビキチン分子(ポリ
ユビキチン結合化)に結合することができる。モノユビキチン結合化結合物の有
意性は、短命ではないようであるので明白ではない。イソペプチド結合を介した
前述のユビキチンのLys46へのさらなるユビキチンの連続的な共有結合によ
り、迅速に検出され且つ26Sプロテオソームによって分解されるポリユビキチ
ン結合化結合物が得られる。E3は、構造的というよりはむしろ機能的に、ユビ
キチン付加E2から基質へのユビキチンの伝達に必要且つ十分であり、基質特異
性の獲得によって多数のポリユビキチン化反応に関連するとさらに考えられるユ
ビキチンリガーゼ活性と定義する。ほとんどのポリユビキチン結合化タンパク質
が分解用の26Sプロテオソームであると無差別に考えられるので、E3リガー
ゼ活性の機構および制御の惹起は、タンパク質分解制御の理解の重要な中心的問
題となる。
【0005】 多重遺伝子族の存在ならびにSIC1、CLN、およびSWE1タンパク質の
ユビキチン結合化を媒介するためのそれぞれSKP1−CDC4、SKP1−G
RR1、およびおそらくSKP1−MET30との少なくとも3つの異なるE3
複合体への酵母CDC53のアセンブリによって示されるように、タンパク質の
カリンファミリーは、多数の異なるE3を潜在的に形成する。例えば、Skow
yra,D.ら、1997、Cell、91、209〜219;Feldman
,R.M.R.、1997、Cell、91、221〜230;およびKais
er,P.ら、1998、Genes&Dev.、12、2587〜2597を
参照のこと。異なる基質を標的化するにもかかわらず、異なるカリンは、種々の
細胞工程において機能する。例えば、CDC53は、S期への移行(Mathi
as,N.ら、1996、Mol.Cell Biol.、16、6634〜6
643);遺伝子発現および細胞周期を感知するグルコースのカップリング(L
i,F.N.およびJohnston,M.、1997、EMBO J.、16
、5629〜5638);およびおそらく有糸分裂CLB−CDC28活性の活
性化(Kaiser,P.ら、1998、Genes&Dev.、12、258
7〜2597)に必要である。以下により詳細に記載するように、C.eleg
ans Cul−1p変異体は、過形成表現型を示す。ヒトCUL2は、低酸素
症誘導性mRNAの安定性の制御に関連する癌抑制VHL(von Hippe
l−Lindau)に関連する(Pause,A.ら、1997、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、94、2156〜2161;Lonerg
an,K.M.ら、1998、Mol.Cell Biol、18、732〜7
41を参照のこと)。ヒトCUL4Aは、乳癌におけるそのゲノム増幅および過
剰発現による腫瘍形成に関連し(Chen,L−C.ら、1998、Cance
r Res.、68、3677〜3683)、カリン関連APC2の欠損により
有糸分裂が停止する(Zachariae,W.ら、1998、Science
、279、1216〜1219;Yu,H.ら、Current Biolog
y、6、455〜466)。
【0006】 E3ユビキチンリガーゼの知識は限られている。あまりないが、特徴づけられ
ているE3リガーゼは、基質タンパク質のアミノ末端での塩基性または疎水性残
基への結合によってタンパク質を認識するユビキチンリガーゼEα/Ubr1の
N末端での役割(Varshavsky,A.、1996、Proc.Natl
.Acad.Sci.U.S.A.、93、12142〜12149);p53
のユビキチン−リガーゼとして機能する哺乳動物E6AP−E6複合体に代表さ
れるHECT(E6−APカルボキシ末端相同性)ドメインタンパク質(Sch
effiner,M.ら、1993、Cell、75、495〜505;Hui
bregtse,J.M.ら、1995、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、92、2563〜2567;Scheffiner,M.ら、19
95、Nature、373、81〜83を参照のこと);およびAPC(分裂
後期促進複合体またはシクロソーム)(8〜12個のサブユニットからなり、分
裂後期への移行ならびに有糸分裂の終了に必要な20S複合体)(King,R
.W.、Deshaies、Science、274、1652〜1659を参
照のこと)である。
【0007】 APCは、多くのタンパク質のユビキチン依存性タンパク質分解の促進による
細胞の分裂後期への移行の制御に重要な役割を果たす。APCは、CDC2キナ
ーゼ活性の活性化および細胞質分裂の開始に関する分裂B型サイカリンを破壊す
る。APCはまた、姉妹染色分体分離および紡錘体分解用の他のタンパク質(分
裂後期インヒビターPDSI(Cohen−Fix,O.ら、1996、Gen
es&Dev.、10、3081〜3093)およびCUT2(Funabik
i,H.ら、1996、Nature、381、438〜441)、ASE1(
Juang,Y−L.ら、1997、Science、275、1311〜13
14)、および接着タンパク質SCC1P(Michaelis,C.ら、19
97、Cell、91、35〜45)を含む)の分解に必要である。APCによ
って分解される公知の全てのタンパク質は、ユビキチン結合およびその後の分解
に必要な破壊ボックスとして一般に公知の変換された9個のアミノ酸を含む(G
lotzer,M.ら、1991、Nature、349、132〜138)。
G1サイカリンおよびCDKインヒビターから転写因子の範囲のG1期に分解さ
れるタンパク質は、保存された破壊ボックスまたは任意の他の共通の構造モチー
フを含まない。その代わりに、基質のリン酸化は、その後のユビキチン結合のた
めのE3との相互作用の標的化に重要な役割を果たすようである。遺伝的および
生物学的分析により、G1進行の調節に重要な役割を果たす別名SCFの酵母に
おけるE3様活性が同定される。SCFは、少なくとも3つのサブユニット(S
KP1、CDC53/カリン、およびFボックス含有タンパク質)からなり、S
KP1は基質に直接結合するFボックスにCDC53を連結させるためのアダプ
ターとして機能する(Feldman,R.M.R.ら、1997、Cell、
91、221〜230;Bai,C.ら、1996、Cell、86、263〜
274;Willems,A.R.、1996、Cell、86、453〜46
3;Verma,R.、1997、Science、278、455〜460;
Skowyra,D.、1997、Cell、91、209〜219)。
【0008】 C.elegansにおける過剰な後胚細胞分裂を行う変異体についてのスク
リーニングでは、遺伝子カリン1(CUL1)が同定された。この遺伝子の機能
喪失により、細胞周期からの適切な退出に失敗した結果として、全組織が過形成
を起こした。Kipreos,E.T.、1996、Cell、85、829〜
839を参照のこと。CUL1は、C.elegansでは少なくとも7個、ヒ
トでは少なくとも6個、およびCdc53pを含む出芽酵母では少なくとも3つ
のメンバーを含む進化によって変換した多重遺伝子族を示す(Kipreosら
、前出およびMathias,N.ら)、1996、Mol.Cell Bio
l.、16、6634〜6643)。酵母CDC53と同様に、ヒトカリン1は
、SKP1に直接結合して、SKP2(Fボックスタンパク質)と、サイカリン
Aと、CDK2との多重サブユニット複合体を形成し(Lisztwan,J.
ら、1998、EMBO J.、17、368〜383;Michel,J.お
よびXiong,Y.、1998、Cell Growth.Differ.、
9、439〜445;Lyapina,S.A.ら、1998、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA、95、7451〜7456;およびYu,Z
.K.ら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、
95、11324〜11329)、酵母SCF成分と機能的なキメラユビキチン
リガーゼを構築することができる。最近、有糸分裂APC E3複合体のサブユ
ニットAPC2はCDC53/カリンと限定された配列類似性を含むことが見出
された(Zachariae,W.ら、1998、Science、279、1
216〜1219;Yu,H.ら、1998、Science、279、121
9〜1222)。これらの所見は、SCFおよびAPC複合体の他の成分の間の
明確な構造上の類似性が存在しないという事実と考え合わせて、おそらくユビキ
チンリガーゼの内因性パートナーとしてのユビキチン媒介性タンパク質分解につ
いての重要で変換された役割を強調している。しかし、APCおよびSCF E
3リガーゼについての詳細な調査にもかかわらず、ユビキチンリガーゼの性質の
理解は困難であった。APCおよびSCF中に「リガーゼ」が存在するかどうか
の同定が残されている。カリンタンパク質がイソペプチド結合形成を媒介するユ
ビキチンリガーゼとしてまたはE2−Ubと基質とを合わせる足場タンパク質と
して作用するのかどうかについては記載されていない。
【0009】 基質特異性を同定する機構としてE3リガーゼの制御は同様に重要であるが、
現在あまり理解されていない。APCの活性は細胞周期を制御し、分裂後期から
G1後期まで活性である。Amon,A.、1994、Cell、77、103
7〜1050;King,R.ら、1995、前出;Brandeis,M.お
よびHunt,T.、1996、EMBO J.、15、5280〜5289を
参照のこと。おそらく、CDC20およびCDH1結合などのサブユニット再配
列によって主に調節される(Visintin,ら、1997、Science
、278、460〜463;Schwab,M.、1997、Cell、90、
683〜693;Sigrist,S.J.およびLehner,C.F.、1
997、Cell、90、671〜681;およびFang,G.、1998、
Mol.Cell,2、163〜171)。一定のサブユニットのリン酸化はま
た、重要であるが補助的役割を果たし得る(Lahav−Baratz,S.、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、92、9303〜9307;
Peters,J.−M.ら、1996、Science、274、1199〜
1201)。静止期のCDC53およびカリン媒介E3リガーゼ活性の制御は以
前には説明されていない。
【0010】 (発明の要旨) 本発明者らは、APC11に類似し、APC複合体のサブユニットである、2
つに密接に関連したRINGフィンガータンパク質ROC1およびROC2のフ
ァミリーを同定した。ROC1およびROC2は、一般に全てのカリンタンパク
質と相互作用するが、APC11は、APC2と特異的に相互作用する。ROC
1は、インビボでSCF経路によってCDKインヒビターSic1分解の必須の
レギュレーターとして機能する。さらに、本発明者らは、ROC−カリンは触媒
ユビキチンリガーゼを構成することを見出した。本発明者らは本発明のいかなる
理論にも束縛されることを望まないが、ROC1−カリンとAPC11−APC
2との二量体複合体は静止期および有糸分裂中にユビキチンリガーゼとして機能
すると考えられる。
【0011】 従って、本発明は、タンパク質ROC1をコードする単離ポリヌクレオチド配
列を提供する。ポリヌクレオチド配列を、(a)(本明細書中で配列番号2とし
て示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする)本明細書中で配列番
号1として示されるヌクレオチド配列を有するDNA、 (b)(例えば、ストリンジェントな条件下で)上記(a)のDNAとハイブリ
ッド形成し、ROC1をコードするポリヌクレオチド、および (c)遺伝コードの縮重により上記(a)または(b)のDNAと異なり、上記
(a)または(b)のDNAによってコードされるROC1をコードするポリヌ
クレオチドからなる群から選択することができる。
【0012】 本発明は、さらに、特許請求の範囲に記載の任意のポリヌクレオチド配列の少
なくともフラグメントを含む発現ベクターを提供する。さらに別の態様では、ポ
リヌクレオチド配列を含む発現ベクターは宿主内に含まれる。
【0013】 本発明は、さらに、上記で示されたポリヌクレオチドによってコードされるタ
ンパク質またはそのフラグメント(本明細書中で配列番号2として示されるタン
パク質)を提供する。このようなタンパク質を、公知の技術に従って単離および
/または精製することができる。
【0014】 本発明はまた、配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含むポリ
ペプチドの産生法であって、(a)上記ポリペプチドの発現に適切な条件下で、
ROC1をコードするポリヌクレオチドの少なくともフラグメントを含む発現ベ
クターを含む宿主細胞を培養する工程と、(b)前記宿主細胞培養からポリペプ
チドを回収する工程とを包含する方法を提供する。
【0015】 本発明はまた、上記のタンパク質に特異的に結合する抗体(例えば、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体)を提供する。
【0016】 本発明は、上記のポリヌクレオチド配列に相補的で、生理学的条件下でハイブ
リッド形成するために十分な長さを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提
供する。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードするDNAならび
にプロモーターおよびプロモーターに操作可能に連結された外因性核酸を有する
構築物(外因性核酸はこのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする
DNAである)もまた本発明の態様である。
【0017】 本発明はまた、生物サンプル中のROC1をコードするポリヌクレオチドの検
出法であって、(a)生物サンプルの核酸物質に配列番号1をコードするポリヌ
クレオチド配列の相補物をハイブリッド形成させて、ハイブリッド形成複合体を
形成させる工程と、(b)前記ハイブリッド形成複合体を検出する工程とを包含
し、前記複合体の存在が生物サンプル中のROC1をコードするポリヌクレオチ
ドの存在と一致する方法を提供する。1つの態様では、生物サンプルの核酸物質
を、ハイブリッド形成前にポリメラーゼ連鎖反応によって増幅させる。
【0018】 さらに、本発明は、タンパク質ROC2をコードする単離ポリヌクレオチド配
列を提供する。ポリヌクレオチド配列を、(a)(本明細書中で配列番号4とし
て示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする)本明細書中で配列番
号3として示されるヌクレオチド配列を有するDNA、 (b)(例えば、ストリンジェントな条件下で)上記(a)のDNAとハイブリ
ッド形成し、ROC1をコードするポリヌクレオチド、および (c)遺伝コードの縮重により上記(a)または(b)のDNAと異なり、上記
(a)または(b)のDNAによってコードされるROC1をコードするポリヌ
クレオチドからなる群から選択することができる。
【0019】 本発明は、さらに、特許請求の範囲に記載の任意のポリヌクレオチド配列の少
なくともフラグメントを含む発現ベクターを提供する。さらに別の態様では、ポ
リヌクレオチド配列を含む発現ベクターは宿主内に含まれる。
【0020】 本発明は、さらに、上記で示されたポリヌクレオチドによってコードされるタ
ンパク質またはそのフラグメント(本明細書中で配列番号4として示されるタン
パク質)を提供する。このようなタンパク質を、公知の技術に従って単離および
/または精製することができる。
【0021】 本発明はまた、配列番号4のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含むポリ
ペプチド質の産生法であって、前記方法は(a)前記ポリペプチドの発現に適切
な条件下で、ROC2をコードするポリヌクレオチドの少なくともフラグメント
を含む発現ベクターを含む宿主細胞を培養する工程と、(b)前記宿主細胞培養
からポリペプチドを回収する工程とを包含する方法を提供する。
【0022】 本発明はまた、上記のタンパク質に特異的に結合する抗体(例えば、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体)を提供する。
【0023】 本発明は、上記のポリヌクレオチド配列に相補的で、生理学的条件下でハイブ
リッド形成するために十分な長さを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提
供する。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードするDNAならび
にプロモーターおよびプロモーターに操作可能に連結された外因性核酸を有する
構築物(外因性核酸はこのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする
DNAである)もまた本発明の態様である。
【0024】 本発明はまた、生物サンプル中のROC2をコードするポリヌクレオチドの検
出法であって、(a)生物サンプルの核酸物質に配列番号3をコードするポリヌ
クレオチド配列の相補物をハイブリッド形成させて、ハイブリッド形成複合体を
形成させる工程と、(b)前記ハイブリッド形成複合体を検出する工程とを包含
し、前記複合体の存在が生物サンプル中のROC2をコードするポリヌクレオチ
ドの存在と一致する方法を提供する。1つの態様では、生物サンプルの核酸物質
を、ハイブリッド形成前にポリメラーゼ連鎖反応によって増幅する。
【0025】 本発明は、ROCタンパク質と候補生物活性因子が組み合わされている、RO
Cタンパク質に結合することができる生物活性因子(用語「因子」およびその文
法上の等価物は、「化合物」およびその文法上の等価物と交換可能に使用される
)のスクリーニング法を提供する。次いで、候補生物活性因子の結合を同定する
。ROCタンパク質の結合を干渉することができるかROCタンパク質の活性を
調整することができる生物活性因子のスクリーニング法はまた、本発明の態様で
ある。このようなスクリーニング法は、薬理学的(薬学的)活性を有する化合物
を同定することができる。このような薬理学的に活性な化合物を含む薬学的処方
物およびその投与法は、本発明の別の態様である。本発明のさらに別の態様は、
被験体または宿主における予防または治療用の薬物製造用の本明細書中に記載の
方法によって同定される薬理学的に活性な化合物の使用である。
【0026】 本発明の上記および他の目的ならびに態様を、以下に詳細に説明する。
【0027】 (発明の詳細な説明) 本発明を、添付の図面を参照して以下により完全に説明し、本発明の好ましい
実施形態を示す。しかし、本発明を異なる形態で実施することができ、本明細書
中に記載の実施形態に制限されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの
実施形態を行った結果、この開示が十分かつ完全であり、当業者に本発明の範囲
が十分に伝授される。
【0028】 別で定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語
は、本発明分野に属する当業者に一般に理解されるものと同一の意味を有する。
本明細書中に記載の全ての刊行物、特許出願書類、特許書類、および他の引例は
、その全体が本明細書中で本明細書の記載の一部として援用される。
【0029】 本明細書中に開示のアミノ酸配列左から右にアミノ末端またはカルボキシ末端
の方向で示す。アミノ基およびカルボキシ基は配列中に存在しない。ヌクレオチ
ド配列は、本明細書中では一本鎖のみを5’→3’方向で左から右に示す。ヌク
レオチドおよびアミノ酸は、本明細書中では、IUPAC−IUB生化学命名委
員会の推奨様式、すなわち連邦法施行規則第37巻1.822章および確立され
た用途に従った(アミノ酸について)3文字表記で示す。例えば、Patent In User Mannual、99〜102(1990年11月)(合衆
国特許商標庁)を参照のこと。
【0030】 本明細書中で使用される、ROC1およびROC2(本明細書中で「ROCタ
ンパク質」という)は、天然、合成、半合成、または組換えのいずれか任意の起
源由来の任意の種(特に、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ、および好ましく
はヒトを含む哺乳動物)から得た実質的に精製されたROC1およびROC2の
アミノ酸配列をいう。
【0031】 本明細書中で使用される、「対立遺伝子」または「対立遺伝子配列」は、RO
C1およびROC2をコードする遺伝子の代替形態である。対立遺伝子は、核酸
配列中の少なくとも1つの変異に起因し、それによりmRNAまたはポリペプチ
ドが変化し得るが、その構造または機能が変化してもしなくても良い。任意の所
与の天然または組換え遺伝子は、対立遺伝子形態を全く有さないか、1つ有する
か、多数有し得る。対立遺伝子を生じる一般的な変異による変化は、一般に、ヌ
クレオチドの天然の欠失、付加、または置換による。これらの変化の各型は、所
与の配列で単独または他と組み合わせて、1回または複数回起こり得る。
【0032】 本明細書中での「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチ
ド、およびペプチドを含む少なくとも2つの共有結合アミノ酸を意味する。タン
パク質は、天然に存在するアミノ酸およびペプチド結合または合成ペプチド模倣
物構造で構成され得る。従って、本明細書中で使用される、「アミノ酸」または
「ペプチド残基」は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸の両方を意味
する。例えば、ホモフェニルアラニン、シトルリン、およびノルエロイシンは、
本発明の目的のアミノ酸と考える。「アミノ酸」には、プロリンおよびヒドロキ
シプロリンなどのイミノ酸残基も含まれる。側鎖は、(R)または(S)配置の
いずれかで存在し得る。好ましい実施形態では、アミノ酸は、(S)またはL配
置で存在する。天然に存在しない側鎖を使用する場合、例えばインビボでの分解
を防止または遅延させるために非アミノ酸置換基を使用することができる。化学
封鎖基または他の化学的置換基を付加することもできる。
【0033】 本明細書中で使用される、「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、
ポリペプチド、またはタンパク質配列およびそのフラグメント、および天然に存
在する分子または合成分子をいう。ROC1および/またはROC2のフラグメ
ントは、好ましくは約5〜約15アミノ酸長であり、ROC1および/またはR
OC2の生物活性または免疫学的活性を保持する。「アミノ酸配列」を天然に存
在するタンパク質分子アミノ酸配列、および類似の用語をいうために本明細書中
で引用する場合、アミノ酸配列を引用したタンパク質分子に関連する完全で天然
のアミノ酸配列に限定することを意味しない。
【0034】 本明細書中で使用される、「増幅」は、核酸配列のさらなるコピーの産生を言
いい、一般に、当該分野で周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて
行う(Dieffenbach,C.W.およびG.S.Dveksler、1
995、PCR Primer,a Laboratory Manual、C
old Spring Harbor Press、Plainview,N.
Y.)。
【0035】 本明細書中で使用される、用語「抗体」は、エピトープ決定基に結合すること
ができるインタクトな分子ならびにそのフラグメント(Fa、F(ab’)2、
およびFcなど)をいう。ROC1および/またはROC2ポリペプチドに結合
する抗体を、免疫原として目的の小さなペプチドを含むポリペプチドまたはフラ
グメントを使用して調製することができる。動物の免疫化に使用したポリペプチ
ドまたはオリゴペプチドは、RNAの翻訳または化学合成に由来し、所望ならば
キャリアタンパク質に結合させることができる。ペプチドに化学結合した一般に
使用されるキャリアには、ウシ血清アルブミンおよびサイログロブリン、キーホ
ールリンペットヘモシアニンが含まれる。次いで、結合ペプチドを使用して動物
(例えば、マウス、ラット、またはウサギ)を免疫化する。
【0036】 本明細書中で使用される、用語「抗原決定基」は、特定の抗体と接触する分子
のフラグメント(すなわち、エピトープ)をいう。タンパク質またはタンパク質
のフラグメントを使用して宿主動物を免疫化した場合、タンパク質の多数の領域
は、所与の領域またはタンパク質上の三次元構造に特異的に結合する抗体の産生
を含み得る。これらの領域または構造を、抗原決定基という。抗原決定基は、抗
体との結合についてインタクトな抗原(すなわち、免疫応答の惹起に使用される
免疫原)と競合し得る。
【0037】 本明細書中で使用される、用語「アンチセンス」は、特異的DNAまたはRN
A配列に相補的なヌクレオチド配列を含む任意の組成物をいう。用語「アンチセ
ンス鎖」は、「センス」鎖に相補的な核酸鎖に関して使用される。アンチセンス
分子にはペプチド核酸が含まれ、合成または転写を含む任意の方法で産生させる
ことができる。一旦細胞に移入されると、相補的ヌクレオチドを細胞によって産
生された天然の配列と組み合わせて二重鎖を形成させて、転写または翻訳をブロ
ックする。表示「負」は、時折アンチセンス鎖に関して使用し、「正」は時折セ
ンス鎖に関して使用する。
【0038】 本明細書中で使用される、用語「相補的」または「相補性」は、塩基対合につ
いて許容塩および温度条件下でのポリヌクレオチドの天然の結合をいう。例えば
、配列「A−G−T」は、相補配列「T−C−A」に結合する。2つの一本鎖分
子間の相補性は「部分的」であり、核酸のいくつかのみが結合するか、一本鎖分
子間に全相補性が存在する場合競合することができる。核酸鎖の間の相補性の程
度は、核酸鎖の間のハイブリッド形成の効率および強度に優位な効果を有する。
【0039】 本明細書中で使用される「欠失」は、アミノ酸またはヌクレオチド配列中の変
化をいい、その変化により1つまたは複数のアミノ酸残基またはヌクレオチドが
欠乏する。
【0040】 本明細書中で使用される、用語「誘導体」は、ROC1および/またはROC
2をコードするか相補的な核酸またはコードされたROC1および/またはRO
C2の化学修飾をいう。このような修飾には、例えば、水素のアルキル、アシル
、またはアミノ基への置換が含まれる。核酸誘導体は、天然の分子の生物学的ま
たは免疫学的機能を保持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドは
、グリコシル化、ペグ化、または誘導されたポリペプチドの生物学的または免疫
学的機能を保持する類似の工程によって修飾されたものである。
【0041】 本明細書中で使用される、用語「相同性」は、相補性の程度をいう。部分的相
同性または完全な相補性(すなわち、同一性)であってもよい。標的核酸とのハ
イブリッド形成由来の同一配列を少なくとも部分的に阻害する部分的に相補的な
配列は、機能的用語「実質的に相同性」を使用していう。標的配列に完全に相補
的な配列のハイブリッド形成の阻害を、低ストリンジェンシーな条件下でのハイ
ブリッド形成アッセイ(サザンブロットまたはノーザンブロット、溶液ハイブリ
ッド形成など)を使用して試験することができる。実質的に相補的な配列または
ハイブリッド形成プローブは、低ストリンジェンシーの条件下で標的配列に完全
に相同的な配列と競合するか阻害する。これは、低ストリンジェンシー条件は、
非特異的結合が許容されるというほどではないが、低ストリンジェンシー条件に
は、2つの配列の互いの結合が特異的(すなわち、選択的)相互作用であること
が必要である。非特異的結合の有無を、ほんの一部分の相補性を欠く(例えば、
約30%未満の同一性)第の標的配列の使用によって試験することができる。非
特異的結合の非存在下では、プローブは第2の非特異的標的配列とハイブリッド
形成しない。
【0042】 本明細書中で使用することができる、用語「ハイブリッド形成」は、核酸の鎖
は塩基対合による相補鎖と結合する任意の工程をいう。本明細書中で使用される
、用語「ハイブリッド形成複合体」は、相補的GおよびC塩基ならびに相補的A
およびT塩基との間の水素結合の形成による2つの核酸配列との間に形成された
複合体をいい、これらの水素結合は、塩基スタッキング相互作用によってさらに
安定化させることができる。2つの相補的核酸は、逆平行配置で水素結合されて
いる。ハイブリッド形成複合体を溶液中(例えば、CotまたはRot分析)また
は溶液中に存在するある核酸配列と固体支持体(例えば、紙、メンブレン、濾紙
、チップ、ピン、もしくははガラススライド、または細胞またはその核酸が固定
されている任意の他の適切な基質)に固定した別の核酸配列との間で形成するこ
とができる。
【0043】 本明細書中で使用される、「挿入」または「付加」は、天然に存在する分子と
比較して1つまたは複数のアミノ酸残基またはヌクレオチドの付加を生じるアミ
ノ酸またはヌクレオチド配列の変化をいう。
【0044】 本明細書中の「核酸」または「オリゴヌクレオチド」またはその文法上の等価
物は、少なくとも2つの互いに共有結合したヌクレオチドを意味する。本発明の
核酸は、一般に、いくつかの例ではあるが以下に概説するようにリン酸ジエステ
ル結合を含み、例えば、以下を含む代替バックボーンを有し得る核酸アナログを
含む:ホスホラミド(Beaucage,ら、Tetrahedron、49(
10)、1925、1993およびその参考文献;Letsinger、J.O
rg.Chem.、35、3800、1970;Sprinzl,ら、Eur.
J.Biochem.、81、579、1977;Letsinger,ら、N
ucl.Acids Res.、14、3487、1986;Sawai,ら、
Chem.Lett.、805、1984、Letsinger,ら、J.Am
.Chem.Soc.、110、4470、1988;およびPauwels,
ら、Chemica.Scripta.、26、141、1986)、ホスホロ
チオエート(Mag,ら、Nucleic Acids Res.、19、14
37、1991および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエー
ト(Briu,ら、J.Am.Chem.Soc.、111、2321、198
9)、O−メチルホスホラミダイド(Eckstein、「オリゴヌクレオチド
およびアナログ:実際的アプローチ」、Oxford University
Pressを参照のこと)、およびペプチド核酸バックボーンおよび結合(Eg
holm、J.Am.Chem.Soc.、114、1895、1992;Me
ier,ら、Chem.Int.Ed.Engl.、31、1008、1992
;Nielsen、Nature、365、566、1993;Carlsso
n,ら、Nature、380、207、1996(その全体が本明細書の記載
の一部として援用される)を参照のこと)。他のアナログ核酸には、以下を有す
るものが含まれる:正電荷のバックボーン(Denpcy,ら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA、92、6097、1995、非イオン性バッ
クボーン(米国特許第5,386,023号;同第5,637,684号;同第
5,602,240号;同第5,216,141号;および同第4,469,8
63号;Kiedrowshi,ら、Angew.Chem.Intl.Ed.
English、30、423、1991;Letsinger,ら、J.Am
.Chem.Soc.、110、4470、1988;Letsinger,ら
、Nucleoside&Nucleotide、13、1597、1994;
ASCシンポジウムシリーズ580、第2および第3章、「アンチセンス研究に
おける炭水化物修飾」、Y.S.Sanghui およびP.Dan Cook
編;Mesmaeker,ら、Bioorganic&Medical Che
m.Lett.、4、395、1994、Jeffs,らJ.Biomolec
ular NMR、34、17、1994、Tetrahedron Lett
.、37、743、1996)、および非リボースバックボーン(米国特許第5
,235,033号および同第5,034,506号ならびにASCシンポジウ
ムシリーズ580、第6および第7章、「アンチセンス研究における炭水化物修
飾」、Y.S.Sanghui およびP.Dan Cook編を含む)。1つ
または複数の炭素環式糖を含む核酸もまた、核酸の定義の範囲内に含まれる(J
enkins,ら、Chem.Soc.Rev.、1995、169〜176を
参照のこと)。いくつかの核酸アナログは、Rawls,C.&E News、
June 2、1997、35に記載されている。標識などのさらなる部分の添
加を容易にするか、このような分子の生理学的環境下で安定性および半減期を増
加させるためにリボース−リン酸バックボーンのこれらの修飾を行うことができ
る。さらに、天然に存在する核酸とアナログとの混合物を作製することができる
。あるいは、異なる核酸アナログの混合物および天然に存在する核酸とアナログ
との混合物を作製することができる。核酸は一本鎖または二本鎖であってよく、
特に、二本鎖または一本鎖配列の両方の一部を含む。核酸は、デオキシリボ核酸
またはリボ核酸のいかなる組み合わせをも含み、DNA(ゲノムDNAおよびc
DNA)、RNA、またはハイブリッドで良く、ウラシル、アデニン、チミン、
シトシン、グアニン、イノシン、キサンタニン、ヒポキサンタニン、イソシトシ
ン、イソグアニンなどを含む塩基の任意の組み合わせであり得る。
【0045】 タンパク質について上記に一般的に記載のように、核酸候補生物活性因子は、
天然に存在する核酸、ランダム核酸、または「偏った」ランダム核酸であり得る
。例えば、原核または真核ゲノムの消化物を、タンパク質について上記で概説し
たように使用することができる。
【0046】 本明細書中で使用される、「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチ
ド、またはポリヌクレオチド、およびそのフラグメントならびに一本鎖または二
本鎖でセンス鎖またはアンチセンス鎖であり得るゲノムまたは合成起源のDNA
またはRNAをいう。「フラグメント」は、60個を超えるヌクレオチド長であ
る核酸配列であり、最も好ましくは少なくとも100ヌクレオチド長または少な
くとも1000ヌクレオチド長、および少なくとも10,000ヌクレオチド長
であるフラグメントを含む。
【0047】 用語「オリゴヌクレオチド」は、PCR増幅またはハイブリッド形成アッセイ
またはマイクロアレイに使用することができる少なくとも約6〜約60ヌクレオ
チド、好ましくは約15〜30ヌクレオチド、より好ましくは約20〜25ヌク
レオチドの核酸配列をいう。本明細書中で使用される、オリゴヌクレオチドは、
当該分野で一般的に定義される用語「アンプリマー」、「プライマー」、「オリ
ゴマー」、および「プローブ」と実質的に等価である。
【0048】 本明細書中で使用される、用語「サンプル」は、その最も広い意味で使用され
る。ROC1および/またはROC2をコードする核酸もしくはそのフラグメン
トを含むと疑われる生物サンプルまたROC1および/またはROC2自体は、
体液、細胞抽出物、染色体、オルガネラ、または細胞から単離した膜、細胞、ゲ
ノムDNA、RNA、またはcDNA(溶液中または固体支持体、組織、組織プ
リントなどに結合している)を含み得る。本明細書中で使用される、用語「スト
リンジェントな条件」または「ストリンジェンシー」は、核酸、塩、および温度
によって定義されるハイブリッド条件をいう。これらの条件は、当該分野で周知
であり、同一または関連ポリヌクレオチド配列を同定または検出するために変更
することができる。低いまたは高いストリンジェンシーのいずれかを含む多数の
等価な条件は以下の要因に依存する:配列の長さおよび性質(DNA、RNA、
塩基組成物)、標的の性質(DNA、RNA、塩基組成物)、環境(溶液中また
は固体支持体に固定されている)、塩および他の成分の濃度(例えば、ホルムア
ミド、硫酸デキストランおよび/またはポリエチレングリコール)、および反応
温度(約5℃〜約20℃から25℃までのプローブの融解温度までの範囲内)。
上記の条件と異なるが等価である低いまたは高いストリンジェンシー条件を得る
ために、1つまたは複数の要因を変更することができる。
【0049】 本明細書中で使用される、「置換」は、1つまたは複数のアミノ酸またはヌク
レオチドの異なるアミノ酸またはヌクレオチドへの置換をいう。
【0050】 本明細書中で使用される、「形質転換」は、外因性DNAをレシピエント細胞
に移入するかレシピエント細胞を変化させる工程を説明する。これは、天然条件
または当該分野で周知の種々の方法を用いた人工的条件下で起こり得る。形質転
換は、原核または真核宿主細胞への外来核酸配列の任意の公知の挿入法に依存し
得る。この方法を、形質転換される宿主細胞の型に基づいて選択され、この方法
には、ウイルス感染、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション
、および微粒子銃が含まれるが、これらに限定されない。このような「形質転換
」細胞には、挿入されたDNAが自発性複製プラスミドまたは宿主の染色体の一
部として複製することができる安定に形質転換された細胞が含まれる。これらに
は、制限時間中に挿入されたDNAまたはRNAが一過性発現する細胞も含まれ
る。
【0051】 本発明のポリヌクレオチドには、本明細書中に開示のタンパク質に相同で本質
的に同一の生物学的性質を有するタンパク質をコードするもの、特に、本明細書
中で配列番号1として開示され、且つ本明細書中で配列番号2として占めされた
タンパク質ROC1をコードするDNAならびに本明細書中で配列番号3として
開示され、且つ本明細書中で配列番号4として占めされたタンパク質ROC1を
コードするDNAが含まれる。この定義は、その天然の対立遺伝子配列を含むこ
とが意図される。したがって、本発明の単離DNAまたはクローン化遺伝子は、
マウス、ラット、ネコ、ブタ、およびヒトを含む任意の起源であり得るが、哺乳
動物起源が好ましい。したがって、本明細書中で配列番号1として開示されたD
NA(または下記のハイブリッド形成プローブとして作用するそのフラグメント
もしくは誘導体)とハイブリッド形成し、且つ本発明のタンパク質(例えば、配
列番号2のタンパク質)の発現をコードするポリヌクレオチドならびに本明細書
中で配列番号3として開示されたDNA(または下記のハイブリッド形成プロー
ブとして作用するそのフラグメントもしくは誘導体)とハイブリッド形成し、且
つ本発明のタンパク質(例えば、配列番号4のタンパク質)の発現をコードする
ポリヌクレオチドもまた本発明の態様である。他のポリヌクレオチドが本明細書
中に開示の配列番号1または配列番号3とハイブリッド形成する本発明のタンパ
ク質の発現をコードする条件を、公知の技術に従って同定することができる。例
えば、このような配列のハイブリッド形成を、標準的なハイブリッド形成アッセ
イにおける本明細書中に開示の配列番号1または配列番号3のDNAの低ストリ
ンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、またはさらにストリンジェントな
条件下(例えば、それぞれ、37℃での5×デンハート液を含む35〜40%ホ
ルムアミド、0.5%SDS、および1×SSPEの洗浄ストリンジェンシーに
代表される条件;42℃での5×デンハート液を含む40〜45%ホルムアミド
、0.5%SDS、および1×SSPEの洗浄ストリンジェンシーに代表される
条件;42℃での5×デンハート液を含む50%ホルムアミド、0.5%SDS
、および1×SSPEの洗浄ストリンジェンシーに代表される条件)で行うこと
ができる。例えば、J.Sambrookら、Molecular Cloni
ng、A Laboratory Manual、第2版、1989、Cold
Spring Harbor Laboratoryを参照のこと。一般に、
本発明のタンパク質をコードし、且つ本明細書中に開示の配列番号1または配列
番号3のDNAとハイブリッド形成する配列は、配列番号1または配列番号3と
それぞれ少なくとも75%相同、85%相同、さらに95%またはそれ以上相同
である。さらに、本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたは配列
番号1もしくは配列番号3とハイブリッド形成するが、遺伝コードの縮重のため
に配列番号1もしくは配列番号3とコドン配列が異なるポリヌクレオチドもまた
本発明の態様である。異なる核酸配列が同一のタンパク質またはペプチドをコー
ドする遺伝コードの縮重は、文献中で周知である。例えば、Tooleらに付与
された米国特許第4,757,006号の第2段落、表1を参照のこと。
【0052】 ROC1および/またはROC2をコードするヌクレオチド配列およびその変
異体は適切な選択ストリンジェンシー条件下で天然に存在するROC1および/
またはROC2のヌクレオチド配列とハイブリッド形成することができることが
好ましいにもかかわらず、ROC1および/またはROC2をコードするヌクレ
オチド配列または実質的に異なるコドンを保有する誘導体を産生させることが有
利であり得る。特定のコドンが宿主によって使用される頻度に従って特定の原核
または真核宿主で起こるペプチド発現速度を増加させるようにコドンを選択する
ことができる。コードされたアミノ酸配列を変化させることなくROC1および
/またはROC2をコードするヌクレオチド配列およびその誘導体実質的に変化
させる他の理由には、天然に存在する配列から産生した転写物よりも望ましい性
質(より長い半減期など)を有するRNA転写物の産生が含まれる。
【0053】 本発明の1つの実施形態では、ROC核酸(ROCタンパク質またはそのフラ
グメントをコードするポリヌクレオチドと定義する)またはROCタンパク質(
上記のように定義する)を、本明細書中に記載の配列との実質的な核酸および/
またはアミノ酸配列同一性または類似性によって最初に同定する。好ましい実施
形態では、ROC核酸またはROCタンパク質は、本明細書中の以下に記載の配
列に対する配列同一性または類似性および本明細書中にさらに記載の1つまたは
複数のROCタンパク質生物活性を有する。このような配列同一性または類似性
は、全核酸またはアミノ酸配列に基づき得る。
【0054】 当該分野で公知のように、多数の異なるプログラムを使用してタンパク質(ま
たは以下に記載の核酸)が既知の配列に同一または類似の配列を有するかどうか
を同定することができる。配列同一性および/または類似性を、当該分野で公知
の標準的な技術(Smith&Waterman、Adv.Appl.Math
.,2、482、1981の局所配列同一性アルゴリズム、Needleman
&Wunsch、J.Mol.Biol.、48、443、1970の配列同一
性アラインメントアルゴリズム、Pearson&Lipman、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、85、2444、1988の類似性検索法
、これらのアルゴリズムのコンピュータ実行プログラム(Wisconsin
Genetics Software Package、Genetics C
omputer Group、575、Science Drive、Madi
son、WIのGAP、BESTFIT、FASTA,およびTFASTA)、
好ましくはデフォルト値を使用したDevereuxら、Nucl.Acid
Res.、12、387〜395、1984に記載のBest Fit配列プロ
グラム、または適合性検査が含まれるが、これらに限定されない)を用いて同定
する。好ましくは、同一性%を、以下のパラメータに基づいたFastDBによ
って計算する:ミスマッチペナルティー:1、ギャップペナルティー:1、ギャ
ップサイズペナルティー:0.33、結合ペナルティ:30(「現在の配列比較
および分析法」、Macromolecule Sequencing および
Synthesis、選択法および適用、127〜149、1988、Alan
R.Liss,Inc.)。
【0055】 有用なアルゴリズムの例は、PILEUPである。PILEUPは、向上した
対合アルゴリズムを使用して関連配列群から複数の配列アラインメントを作製す
る。これはまた、アラインメントの作製に使用するクラスター形成関係を示す系
統樹をプロットすることができる。PILEUPは、Feng&Doolitt
le、J.Mol.Evol.、35、351〜360、1987の向上したア
ラインメント法(この方法はHiggins&Sharp、CABIOS、5、
151〜153、1989に記載の方法と類似する)の単純化を使用する。有用
なPILEUPパラメータは、デフォルトギャップウェイト:3.00、デフォ
ルトギャップレングスウェイト:0.10、末端ギャップの加重を含む。
【0056】 有用なアルゴリズムの別の例は、Altschulら、J.Mol.Biol
.、215、403〜410、1990およびKarlinら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA、90、5873〜5787、1993に記載
のBLASTアルゴリズムである。特に有用なBLASTプログラムは、Alt
schulら、Methods in Enzymolozy、266、460
〜480、1996、http://blast.wustl/edu/bla
st/README.htmlから入手したWU−BLAST−2プログラムで
ある。WU−BLAST−2は、いくつかの検索パラメータを使用し、そのほと
んどはデフォルト値の設定である。調整可能なパラメータを、以下の値に設定す
る:複スパン=1、重複フラクション=0.125、行列数(T)=11。H
SP SおよびHSP S2パラメータは変数であり、それ自体が特定の配列と
の比較および目的の配列が検索される特定のデータベースの比較に依存したプロ
グラムによって確立されているが、値は感度を高めるように調整することができ
る。
【0057】 さらに有用なアルゴリズムは、Altschulら、Nucleic Aci
ds Res.、25、3389〜3402に記載のギャップBLASTである
。ギャップBLASTは、以下のBLOSUM−62置換スコアを使用する: Tパラメータ:9;非ギャップ伸長を誘発するための2ヒット法;kコストの
負荷ギャップ長:10+k;Xu:16;およびデータベース検索段階ではXg
40およびアルゴリズム出力段階ではXg:67。ギャップアルゴリズムは、約
22ビットに対応するスコアによって開始される。
【0058】 アミノ酸配列同一性%値を、同一残基の適合数を整列させた領域中の「より長
い」配列の全残基数で割ることによって同定する。「より長い」配列は、整列さ
せた領域中の最も現実的な残基を有する配列である(アラインメントスコアを最
大にするためにWU−Blast−2によって挿入されたギャップは無視する)
【0059】 類似の様式では、本明細書中で定義したポリペプチドのコード配列に関する「
核酸配列類同一性%」を、細胞周期タンパク質のコード配列中のヌクレオチド残
基の百分率と定義する。好ましい方法では、デフォルトパラメータを設定した(
重複スパンおよび重複フラクションをそれぞれ1および0.125に設定した)
WU−BLAST−2のBLASTNモジュールを利用する。
【0060】 アラインメントには、整列させるべき配列中へのギャップの移入を含み得る。
さらに、図中の配列によってコードされるタンパク質より多いまたは少ないアミ
ノ酸を含む配列について、1つの実施形態では、配列同一性%を、全アミノ酸数
と比較した同一のアミノ酸数に基づいて同定することが理解される。したがって
、例えば、下記のように、1つの実施形態では、図に示した配列よりも短い配列
の配列同一性を、より短い配列中のアミノ酸配列数を使用して同定する。同一性
%の計算では、相対重量を配列の変形形態(挿入、欠失、置換など)の種々の徴
候に割り当てない。
【0061】 1つの実施形態では、配列類似性計算について以下に記載のように加重スケー
ルまたはパラメータを必要としないように、同一性のみを正(+1)として記録
し、ギャップを含む配列の変形形態の全ての形態を「0」と割り当てる。配列同
一性%を、例えば、同一残基の適合数を整列させた領域中の「より短い」配列の
全残基数で割り、100を掛けることによって計算することができる。「より長
い」配列は、整列させた領域中の最も現実的な残基を有する配列である。
【0062】 本発明はまた、完全に合成化学によるROC1および/またはROC2をコー
ドするDNA配列またはそのフラグメントの産生を含む。産生後、合成配列を、
当該分野で周知の試薬を用いて多数の利用可能な発現ベクターおよび細胞系に挿
入することができる。さらに、合成化学を使用して、ROC1および/またはR
OC2をコードする配列またはその任意のフラグメントをコードする配列に変異
を移入することができる。
【0063】 本明細書中で配列番号1または配列番号3として開示したヌクレオチド配列の
知識を使用して、本発明のタンパク質の増幅または過剰発現の存在を同定するた
めの本発明のDNAまたはmRNAに特異的に結合するハイブリッド形成プロー
ブを作製することができる。
【0064】 遺伝子操作によるクローン化遺伝子、組換えDNA、ベクター、形質転換宿主
細胞、およびタンパク質フラグメントの産生は周知である。例えば、Bellら
に付与された米国特許第4,761,371号、第6段落3行目〜65行目;C
larkらに付与された米国特許第4,877,729号、第4段落38行目〜
第7段落6行目;Schillingに付与された米国特許第4,912,03
8号、第3段落26行目〜題14段落12行目;Wallnerに付与された米
国特許第4,879,224号、第6段落8行目〜第8段落59行目(出願人は
、特に、全ての特許引例の開示が本明細書中で本明細書の記載の一部として援用
されることを意図する)を参照のこと。
【0065】 当該分野で周知で一般に利用可能なDNA配列決定法を使用して、本発明の任
意の実施形態を実施することができる。この方法は、DNAポリメラーゼIのク
レノウフラグメント、SEQUENASE(商品名)(US Biochemi
cal Corp.、Cleveland、Ohio)、Taqポリメラーゼ(
Perkin Elmer)、熱安定性T7ポリメラーゼ(Amersham、
Chicago、Ill)、またはGibco/BRL(Gaithersbu
rg、Md.)から市販されているELONGASE Amplificati
on Systemなどに見出される酵素などのポリメラーゼと校正エキソヌク
レアーゼとの組み合わせなどの酵素を使用することができる。好ましくは、この
工程を、Hamilton Micro Lab 2200(Hamilton
、Reno、Nev.)、Peltier Thermal Cycler(P
TC200、MJ Research、Watertown、Mass.)、お
よびABI Catalystならびに373および377 DNA Sequ
encer(Perkin Elmer)などの機械を用いて自動化する。
【0066】 ROC1および/またはROC2をコードする核酸配列を、部分的ヌクレオチ
ド配列の利用ならびにプロモーターおよび調節エレメントなどの上流配列を検出
するため当該分野で公知の種々の方法の使用によって伸長することができる。例
えば、使用することができる1つの方法である「制限部位」PCRは、普遍プラ
イマーを使用して既知の遺伝子座に隣接する未知の配列を検索する(Sarka
r,G.、1993、PCR Methods Applic.、2、318〜
322)。特に、最初にリンカー配列に対するプライマーおよび既知の領域に特
異的なプライマーの存在下でゲノムDNAを増幅させた。次いで、増幅配列を、
同一のリンカープライマーおよび第1の配列の内部の別の特異的プライマーを用
いて第2ラウンドのPCRに供する。各ラウンドのPCR産物を、適切なRNA
ポリメラーゼで転写して、逆転写酵素を使用して配列決定する。
【0067】 ベクターは、複製可能なDNA構築物である。本明細書中では、本発明のタン
パク質をコードするDNAを増幅するか本発明のタンパク質を発現するために、
ベクターを使用する。発現ベクターは、本発明のタンパク質をコードするDNA
配列が適切な宿主中の本発明のタンパク質を発現することができる適切な調節配
列に操作可能に連結されている複製可能なDNA構築物である。このような調節
配列の必要性は、選択された宿主および選択した形質転換法に依存して変化する
。一般に、調節配列には、転写プロモーター、任意選択的な調節転写に配するオ
ペレーター配列、安定なmRNAリボゾーム結合部位をコードする配列、ならび
に転写および翻訳の終止を調節する配列が含まれる。増幅ベクターは発現調節ド
メインに必要ない。必要とされるものは宿主中での複製能力であり、通常これは
複製起点および形質転換体の認識を容易にするための選択遺伝子によって付与さ
れる。
【0068】 ベクターは、プラスミド、ウイルス(例えば、アデノウイルス、サイトメガロ
ウイルス)、ファージ、レトロウイルス、および組み込み可能なDNAフラグメ
ント(すなわち、組換えによって宿主ゲノムに組み込み可能なフラグメント)を
含む。ベクターは、宿主ゲノムから独立して複製および機能するか、いくつかの
場合、ゲノム自体に組み込むことができる。発現ベクターは、発現されるべき遺
伝子に操作可能に連結され、且つ宿主生物中で操作可能なプロモーターおよびR
NA結合部位を含むべきである。
【0069】 DNA領域は、機能的に互いに関連する場合、操作可能に連結されているか操
作可能に会合している。例えば、配列の転写を調節する場合にはプロモーターを
コード配列に操作可能に連結し、翻訳させるために存在する場合にはリボゾーム
配列をコード配列に操作可能に連結する。一般に、操作可能に連結されたとは、
リーダー配列に隣接するか、読み枠に隣接することを意味する。
【0070】 形質転換宿主細胞は、タンパク質を発現する必要の無い本発明のタンパク質を
コードするDNAを含むベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞
である。
【0071】 適切な宿主細胞には、原核細胞、酵母細胞、または高等真核生物細胞が含まれ
る。原核生物宿主細胞には、グラム陰性またはグラム陽性生物(例えば、Esc
herichia coli(E.coli)またはBacilli)が含まれ
る。高等真核生物細胞には、下記の哺乳動物起源の確立された細胞株が含まれる
。宿主細胞の例は、E.coli W3110(ATCC 27,325)、E
.coli B、E.coli X1776(ATCC31,537)、E.c
oli 294(ATCC31,446)である。広範な種々の原核生物および
細菌ベクターが利用可能である。典型的には、E.coliはpBR322を使
用して形質転換する。Bolivarら、Gene、2、95、1977を参照
のこと。組換え微生物発現ベクターに最も一般的に使用されるプロモーターには
、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター系(Cha
ngら、Nature、275、615、1978およびGoeddelら、N
ature、281、544、1979;トリプトファン(trp)プロモータ
ー系(Goeddelら、Nucleic Acids Res.、8、405
7、1980および欧州特許出願番号36,776);tacプロモーター(H
.De Boerら)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80
、21、1983が含まれる。プロモーターおよびシャイン−ダルカルノ配列(
原核生物宿主発現用)を、本発明のDNAに操作可能に連結させる。すなわち、
これらをDNAからメッセンジャーRNAの転写を促進するために置く。
【0072】 発現ベクターは、宿主生物によって認識されるプロモーターを含むべきである
。一般に、これは、意図される宿主から得たプロモーターを意味する。組換え微
生物発現ベクターに最も一般的に使用されるプロモーターには、βラクタマーゼ
(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター系(Changら、Natu
re、275、615、1978およびGoeddelら、Nature、28
1、544、1979);トリプトファン(trp)プロモーター系(Goed
delら、Nucleic Acids Res.、8、4057、1980お
よび欧州特許出願番号36,776);tacプロモーター(H.De Boe
rら)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80、21、198
3が含まれる。これらを一般的に使用する一方で、他の微生物プロモーターが適
切である。多数のヌクレオチド配列に関する詳細は公表されており(Siebe
nlistら、Cell、20、269、1980)、当業者はプラスミドまた
はウイルスベクター中でタンパク質をコードするDNAにヌクレオチドを操作可
能に連結することができる。プロモーターおよびシャイン−ダルカルノ配列(原
核生物宿主用)を、所望のタンパク質をコードするDNAに操作可能に連結する
。すなわち、これらをDNAからメッセンジャーRNAの転写を促進するために
置く。
【0073】 酵母培養物などの真核微生物を適切なタンパク質コードベクターで形質転換す
ることができる。例えば、米国特許第4,745,057号を参照のこと。一般
に、下等真核宿主微生物のなかでSaccharomyces cerevis
iaeが最も一般的に使用されているが、多数の株が利用可能である。酵母ベク
ターは、2ミクロンの酵母プラスミド由来の複製起点、非自発的複製配列(AR
S)、プロモーター、所望のタンパク質をコードするDNA、ポリアデニル化お
よび転写終結配列、ならびに選択遺伝子を含み得る。プラスミドの例は、YRp
7である(Stinchcombら、Nature、282、39、1979;
Kingsmanら、Gene、7、141、1979;Tschemperら
、Gene、10、157、1980)。このプラスミドは、トリプトファン中
での成長能力を欠く酵母の変異株(例えば、ATCC44076またはPEP4
−1)用の選択マーカーを提供するtrp1遺伝子を含む(Jones、Gen
etics、85、12、1977)。次いで、酵母宿主ゲノム中のtrp1損
傷の存在により、トリプトファンの非存在下での増殖による形質転換検出用の有
効な環境が得られる。
【0074】 酵母ベクター中での適切なプロモーター配列には、メタロチオネイン、3−ホ
スホ−グリセレートキナーゼ(Hitzemanら、J.Biol.Chem.
、255、2073、1980)または他の解糖酵素(Hessら、J.Adv
.Enzyme Reg.、7、149、1968およびHollandら、B
iochemistry、17、4900、1978)(エノラーゼ、グリセル
アルデヒド−3リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボ
キシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6リン酸イソメラーゼ、3
−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなど)のプロモ
ーターが含まれる。酵母発現で使用される適切なベクターおよびプロモーターは
、R.Hitzemanら、欧州特許公報73,657にさらに記載されている
【0075】 多細胞生物由来の細胞培養物は、組換えタンパク質合成用の望ましい宿主であ
る。主に、脊椎動物または無脊椎動物(昆虫細胞を含む)由来の任意の高等真核
生物細胞培養物を使用可能である。このような細胞の細胞培養における増幅は、
日常的手順となっている(「組織培養」、Aademic Press、Kru
se およびPatterson編、1973を参照のこと)。有用な宿主細胞
株の例は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO
)細胞株、および WI138、BHK、COS−7、CV、およびMDCK細
胞株である。このような細胞の通常の発現ベクターは、(必要な場合)複製起点
、発現される遺伝子から上流に存在し、リボゾーム結合部位を含むプロモーター
、RNAスプライス部位(イントロン含有ゲノムDNAを使用する場合)、ポリ
アデニル化部位、および転写終結配列を含む。
【0076】 脊椎動物細胞の形質転換に使用される発現ベクター中の転写および翻訳調節配
列は、しばしばウイルス供給源から得られる。例えば、一般的に使用されるプロ
モーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、およびシミアンウイルス40(S
V40)由来である。例えば、米国特許第4,599,308号を参照のこと。
初期および後期プロモーターは共にウイルスからSV40ウイルス複製起点も含
むフラグメントとして容易に得られるので有用である。Fiers ら、Nat
ure、273、113、1978を参照のこと。さらに、このような調節配列
は選択した宿主細胞に適合可能である場合、タンパク質プロモーター、調節配列
および/またはシグナル配列を使用することもできる。
【0077】 外因性起点を含むためのベクターの構築によって複製起点を得ることができ、
これはSV40または他のウイルス供給源(例えば、ポリオーマ、アデノウイル
ス、VSV、またはBPV)由来であるか、宿主細胞染色体複製機構によって得
ることができる。ベクターを宿主染色体に組み込まれた場合、後者で十分であり
得る。
【0078】 Smithらに付与された米国特許第4,745,051号および同第4,8
79,236号に記載のように、昆虫細胞などの宿主細胞(例えば、培養したS
podoptera frugiperda細胞)およびバキュロウイルス発現
ベクターなどの発現ベクター(例えば、Autographa califor
nica MNPV、Trichoplusia ni MNPV、Rachi
plusia ou MNPV、またはGalleria ou MNPV由来
のベクター)を使用して、本発明の実行に有用なタンパク質を作製することがで
きる。一般に、バキュロウイルス発現ベクターは、ポリヘドリン転写開始シグナ
ルからATG開始部位までの範囲の位置で且つバキュロウイルスポリヘドリンプ
ロモーターの転写調節下で、ポリヘドリン遺伝子に挿入された発現されるべき遺
伝子を含むバキュロイウイルスゲノムを含む。
【0079】 哺乳動物宿主細胞では、多数のウイルスベースの発現系を利用することができ
る。アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、ROC1および/また
はROC2をコードする配列を、後期プロモーターおよび三成分リーダー配列か
らなるアデノウイルス転写/翻訳複合体にライゲートすることができる。ウイル
スゲノムの必須でないE1またはE3領域中の挿入を使用して、感染宿主細胞中
でROC1および/またはROC2を発現することができる生きたウイルスを得
ることができる(Logan,J.およびShenk,T.、1984、Pro
c.Natl.Acad.Sci.、81、3655〜3659)。さらに、ラ
ウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハンサーを使用して、
哺乳動物宿主細胞中での発現を増加させることができる。
【0080】 ウイルス複製起点を含むベクターの使用よりも選択マーカーおよびキメラタン
パク質DNAを用いた同時形質転換法によって哺乳動物細胞を形質転換すること
ができる。適切な選択マーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)
またはチミジンキナーゼである。米国特許第4,399,216号を参照のこと
。このようなマーカーは、形質転換細胞(すなわち、外因性DNAの取り込みに
適切な細胞)の同定が可能なタンパク質(一般に酵素)である。一般に、毒性を
示す培養培地中での生存または形質転換体によるか、細胞がマーカータンパク質
を取り込むことなく重要な栄養素を得ることができないことによって同定を行う
【0081】 一般に、当業者は、本発明のペプチドのアミノ酸配列の軽度の欠失または置換
をその活性を過度の損なうことなく行うことができることを認識する。したがっ
て、このような欠失または置換を含むペプチドは、本発明のさらなる態様である
。アミノ酸の置換または置換を含むペプチドを、このような置換により配列の機
能に影響を与えることなく1つまたは複数の他のアミノ酸に置換することができ
る。このような変化を、電荷密度、疎水性/親水性、サイズ、および配置などの
物理的特徴におけるアミノ酸の間の公知の類似性によって説明することができる
ので、アミノ酸が本質的に同一の機能的性質を有する他のアミノ酸に置換される
。例えば、AlaをValまたはSerに置換することができ、ValをAla
、Leu、Met、またはIle(好ましくはAlaまたはLeu)に置換する
ことができ、LeuをAla、Val、またはIle(好ましくはValまたは
Ile)に置換することができ、GlyをProまたはCys(好ましくはPr
o)に置換することができ、ProをGly、Cys、Ser、またはMet(
好ましくはGly、Cys、またはSer)に置換することができ、CysをG
ly、Pro、Ser、またはMet(好ましくはProまたはMet)に置換
することができ、MetをProまたはCys(好ましくはCys)に置換する
ことができ、HisをPheまたはGln(好ましくはPhe)に置換すること
ができ、PheをHis、Tyr、またはTrp(好ましくはHisまたはTy
r)に置換することができ、TyrをHis、Phe、またはTrp(好ましく
はPheまたはTrp)に置換することができ、TrpをPheまたはTyr(
好ましくはTyr)に置換することができ、AsnをGlnまたはSer(好ま
しくはGln)に置換することができ、kGlnをHis、Lys、Glu、A
sn、またはSer(好ましくはAsnまたはSer)に置換することができ、
SerをGln、Thr、Pro、Cys、またはAlaに置換することができ
、ThrをGlnまたはSer(好ましくはSer)に置換することができ、L
ysをGlnまたはArg置換することができ、ArgをLys、Asp、また
はGlu(好ましくはLysまたはAsp)に置換することができ、AspをL
ys、Arg、またはGlu(好ましくはArgまたはGlu)に置換すること
ができ、GluをArgまたはAsp(好ましくはAsp)に置換することがで
きる。一旦作製されると、変化を日常的にスクリーニングして、酵素の機能に対
する効果を同定することができる。
【0082】 上記のように、本発明は、精製および単離ROC1およびROC2タンパク質
(哺乳動物(またはより好ましくはヒト)ROC1およびROC2など)を提供
する。このようなタンパク質を、公知の技術に従ってそれを発現する宿主細胞か
ら精製するか、合成によって製造することができる。
【0083】 本発明の核酸、それを含む構築物、およびコードタンパク質を発現する宿主細
胞は、本発明のタンパク質の作製に有用である。
【0084】 本発明のタンパク質は、本明細書中に記載される抗体を作製するための免疫原
として有用であり、これらの抗体およびタンパク質は「特異的結合ペア」を提供
する。そのような特異的結合ペアは、この分野において知られているように、様
々な免疫アッセイおよび精製技術の構成要素として有用である。
【0085】 本発明のタンパク質は、本明細書中に開示されているようにアミノ酸配列が知
られており、従って構造が未知であるタンパク質の分子量を決定する際の分子量
マーカーとして有用である。
【0086】 特異的な開始シグナルもまた、ROC1および/またはROC2をコードする
配列のより効率的な翻訳を達成するために使用することができる。そのようなシ
グナルには、ATG開始コドンおよび隣接する配列が含まれる。ROC1および
/またはROC2をコードする配列、その開始コドン、ならびに上流配列が適切
な発現ベクターに挿入された場合、さらなる転写制御シグナルまたは翻訳制御シ
グナルを必要としないことがある。しかし、コード配列のみまたはそのフラグメ
ントが挿入された場合には、ATG開始コドンを含む外因性の翻訳制御シグナル
が提供されなければならない。さらに、開始コドンは、挿入物全体の翻訳を確実
に行うために正しい読み枠でなければならない。外因性の翻訳エレメントおよび
開始コドンは様々な起源であってもよく、天然および合成の両方であり得る。発
現効率は、文献(Scharf,D.ら(1994)、Results Rro
bl.Cell Differ.20:125〜162)に記載されるエンハン
サーなどの、使用される特定の細胞システムに適切なエンハンサーを挿入するこ
とによって増強させることができる。
【0087】 さらに、宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節するか、または発現タン
パク質を所望の様式でプロセシングするその能力について選ぶことができる。ポ
リペプチドのそのような修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化
、リン酸化、脂質化およびアシル化が含まれるが、これらに限定されない。タン
パク質の「プレプロ」形態を切断する翻訳後プロセシングもまた、正しい挿入、
折り畳みおよび/または機能を容易にするために使用することができる。翻訳後
活性に必要な特定の細胞装置および特徴的な機構を有する種々の宿主細胞(例え
ば、CHO、HeLa、MDCK、HEK293およびWI38)は、Amer
ican Type Culture Collection(ATCC;Be
thesda、Md)から入手することができ、そして外来タンパク質の正しい
修飾およびプロセシングを確実に行うために選ぶことができる。
【0088】 組換えタンパク質を長期間かつ高収率で産生させる場合には、安定的な発現が
好ましい。例えば、ROC1および/またはROC2を安定的に発現する細胞株
を、ウイルスの複製起点および/または内因性の発現エレメントおよび選択マー
カー遺伝子を同じベクターまたは別のベクターに含有し得る発現ベクターを使用
して形質転換することができる。ベクター導入後、細胞は、選択培地に切り替え
る前に富化培地で1日間〜2日間増殖させることができる。選択マーカーの目的
は、選択に対する抵抗性を付与することであり、その存在により、導入された配
列をうまく発現する細胞の成長および回収が可能になる。安定的に形質転換され
た細胞の耐性クローンを、細胞タイプに適切な組織培養技術を使用して増殖させ
ることができる。
【0089】 任意の数の選択システムを、形質転換された細胞株を回収するために使用する
ことができる。これらには、ヘルペス単純ウイルスチミジンキナーゼ(Wigl
er,M.ら(1977)、Cell、11:223〜32)およびアデニンホ
スホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy,I.ら(1980)、Cell、
22:817〜23)の各遺伝子(これらに限定されない)が含まれ、これらは
それぞれ、tk−細胞またはaprt−細胞において用いることができる。また
、代謝拮抗物質、抗生物質または除草剤に対する耐性を選択するための基礎とし
て使用することができる:例えば、メトトレキサートに対する耐性を付与するd
hfr(Wigler,M.ら(1980)、Proc.Natl.Acad.
Sci.77:3567〜70);アミノグリコシド、ネオマイシンおよびG4
18に対する耐性を付与するnpt(Colbere−Garapin,F.ら
(1981)、J.Mol.Biol.150:1〜14)、そしてクロルスル
フロンおよびホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼに対する耐性をそ
れぞれ付与するalsまたはpat(Murry、上記)。さらなる選択遺伝子
が記載されている:例えば、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用
することができるようにするtrpB、または細胞がヒスチジンの代わりにヒス
チノールを利用することができるようにするhisD(Hartman,S.C
.およびR.C.Mulligan(1988)、Proc.Natl.Aca
d.Sci.85:8047〜51)。最近、可視的なマーカーの使用が、アン
トシアニン類、グルクロニダーゼおよびその基質GUS、ならびにルシフェラー
ゼおよびその基質ルシフェリンのようなマーカーの場合にさかんに使用されてい
る。これらは、形質転換体を同定するためだけでなく、特定のベクターシステム
に起因し得る一過性または安定的なタンパク質発現の量を定量するためにも広く
使用されている(Rhodes,C.A.ら(1995)、Methods M
ol.Biol.55:121〜131)。
【0090】 マーカー遺伝子発現の有無は、目的とする遺伝子もまた存在することを示唆す
るが、その存在および発現を確認することが必要になる場合がある。例えば、R
OC1および/またはROC2をコードする配列がマーカー遺伝子配列の内部に
挿入された場合、ROC1および/またはROC2をコードする配列を含有する
形質転換細胞は、マーカー遺伝子の機能が存在しないことによって同定すること
ができる。あるいは、マーカー遺伝子を、ROC1および/またはROC2をコ
ードする配列とともに1個のプロモーターの制御下に縦列状に配置することがで
きる。誘導または選択に応答したマーカー遺伝子の発現は、通常、縦列状の遺伝
子の発現を同様に示している。
【0091】 あるいは、ROC1および/またはROC2をコードする核酸配列を含有し、
かつROC1および/またはROC2を発現する宿主細胞は、当業者によく知ら
れている様々な手法で同定することができる。これらの手法には、核酸またはタ
ンパク質の検出および/または定量を行うためのメンブラン、溶液またはチップ
に基づく技術を含むDNA−DNAハイブリダイゼーションまたはDNA−RN
Aハイブリダイゼーションおよびタンパク質のバイオアッセイ技術または免疫ア
ッセイ技術が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】 ROC1および/またはROC2をコードするポリヌクレオチド配列の存在は
、ROC1および/またはROC2をコードするプローブまたはフラグメントま
たはポリヌクレオチドのフラグメントを使用するDNA−DNAハイブリダイゼ
ーションまたはDNA−RNAハイブリダイゼーションまたは増幅によって検出
することができる。核酸増幅に基づくアッセイは、ROC1および/またはRO
C2をコードするDNAまたはRNAを含有する形質転換体を検出するために、
ROC1および/またはROC2をコードする配列に基づくオリゴヌクレオチド
またはオリゴマーを使用することを含む。
【0093】 タンパク質に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれ
かを使用して、ROC1および/またはROC2の発現を検出および測定するた
めの様々なプロトコルがこの分野では知られている。例には、酵素結合免疫吸着
アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)および蛍光標示式細胞分
取(FACS)が含まれる。ROC1および/またはROC2における2つの非
干渉性エピトープに対して反応し得るモノクローナル抗体を利用する二部位モノ
クローナル型免疫アッセイが好ましいが、競合的結合アッセイを用いることがで
きる。これらのアッセイおよび他のアッセイは、特に、Hampton,R.ら
(1990;Serological Methods,a Laborato
ry Manual、APS Press、St Paul、Minn)および
Maddox,D.E.ら(1983;J.Exp.Med.158:1211
〜1216)に記載されている。
【0094】 広範囲の様々な標識および結合技術が当業者により知られており、様々な核酸
アッセイおよびアミノ酸アッセイにおいて使用され得る。ROC1および/また
はROC2をコードするポリヌクレオチドに関連する配列を検出するための標識
されたハイブリダイゼーションプローブまたはPCRプローブを作製する手段に
は、オリゴ標識、ニックトランスレーション、末端標識、または標識されたヌク
レオチドを使用するPCR増幅が含まれる。あるいは、ROC1および/または
ROC2をコードする配列またはその任意のフラグメントを、mRNAプローブ
を作製するベクターにクローン化することができる。そのようなベクターはこの
分野では知られており、また市販され、そしてこれらは、T7、T3またはSP
6などの適切なRNAポリメラーゼおよび標識されたヌクレオチドを加えること
によってインビトロでRNAプローブを合成するために使用することができる。
これらの手順は、様々な市販のキット(Pharmacia&Upjohn(K
alamazoo、Mich.);Promega(Madison、Wis.
);およびU.S.Biochemical Corp.(Cleveland
、Ohio))を使用して行うことができる。検出を容易にするために使用され
得る好適なレポーター分子または標識には、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発
光剤または発色剤、ならびに基質、補因子、阻害剤、磁気粒子などが含まれる。
【0095】 ROC1および/またはROC2をコードするヌクレオチド配列で形質転換さ
れた宿主細胞は、タンパク質の発現および細胞培養からのタンパク質の回収に好
適な条件のもとで培養することができる。形質転換された細胞によって産生され
るタンパク質は、使用された配列および/またはベクターに依存して、分泌され
得るか、または細胞内に含有され得る。当業者によって理解されるように、RO
C1および/またはROC2をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベク
ターは、原核生物または真核生物の細胞膜を通過してROC1および/またはR
OC2を分泌させるシグナル配列を含有するように設計することができる。他の
構築物を使用して、ROC1および/またはROC2をコードする配列を、可溶
性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチ
ド配列に連結することができる。精製を容易にするそのようなドメインには、固
定化された金属での精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュールな
どの金属キレート化ペプチド、固定化された免疫グロブリンでの精製を可能にす
るプロテインAのドメイン、およびFLAGS伸長部/アフィニティー精製シス
テム(Immunex Corp.、Seattle、Wash.)において用
いられるドメインが含まれるが、これらに限定されない。第XA因子またはエン
テロキナーゼ(Invitrogen、San Diego、Calif.)に
特異的な配列などの切断可能なリンカー配列を精製ドメインとROC1および/
またはROC2との間に含めることは、精製を容易にするために使用することが
できる。1つのそのような発現ベクターは、ROC1および/またはROC2と
、チオレドキシンまたはエンテロキナーゼの切断部位の前に6個のヒスチジン残
基をコードする核酸とを含有する融合タンパク質の発現をもたらす。このヒスチ
ジン残基は、Porath,J.ら(1992、Prot.Exp.Purif
.3:263〜281)に記載されているようにIMAC(固定化金属イオンア
フィニティークロマトグラフィー)での精製を容易にし、同時に、エンテロキナ
ーゼの切断部位は、融合タンパク質からROC1および/またはROC2を精製
するための手段を提供する。融合タンパク質を含有するベクターの考察がKro
ll,D.J.ら(1993;DNA Cell Biol.12:441〜4
53)に示されている。
【0096】 組換え産生に加えて、ROC1および/またはROC2のフラグメントは、固
相技術(Merrifield J.(1963)、J.Am.Chem.So
c.85:2149〜2154)を使用する直接的なペプチド合成によって作製
することができる。タンパク質の合成は、手作業技術を使用して、あるいは自動
化によって行うことができる。自動化された合成は、例えば、Applied
Biosystems431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)を
使用して達成され得る。ROC1および/またはROC2の様々なフラグメント
を別々に化学合成し、そして全長の分子を作製するための化学的な方法を使用し
て結合させることができる。
【0097】 本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体(すなわち、タンパク質における
単一の抗原性部位またはエピトープに結合する抗体)は様々な診断目的に有用で
ある。
【0098】 ROC1および/またはROC2に対する抗体は、この分野においてよく知ら
れている方法を使用して作製することができる。そのような抗体には、ポリクロ
ーナル、モノクローナル、キメラ、単鎖、Fabフラグメント、およびFab発
現ライブラリーによって産生されるフラグメントが含まれるが、これらに限定さ
れない。中和抗体(すなわち、ダイマー形成を阻害ずる抗体)は、治療的使用に
特に好ましい。
【0099】 抗体を産生させるために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウスおよびヒトなどを含
む様々な宿主を、ROC1および/またはROC2あるいは免疫原性を有するそ
の任意のフラグメントまたはオリゴペプチドを注射することによって免疫化する
ことができる。宿主種に依存して、様々なアジュバントを使用して、免疫学的応
答を増大させることができる。そのようなアジュバントには、水酸化アルミニウ
ムなどのフロイントの鉱物ゲル、リソレシチンなどの表面活性物質、プルロニッ
クポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルション、キーホールリン
ペットヘモシアニン、およびジニトロフェノールが含まれるが、これらに限定さ
れない。ヒトにおいて使用されるアジュバントの中で、BCG(カルメット・ゲ
ラン桿菌)およびコリネバクテリウム・パルブムが特に好ましい。
【0100】 ROC1および/またはROC2に対する抗体を誘導するために使用されるオ
リゴペプチド、ペプチドまたはフラグメントは、少なくとも5個のアミノ酸から
なる配列、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなる配列を有することが
好ましい。それらは、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であることも
また好ましく、そしてそれらは、天然に存在する小さい分子のアミノ酸配列全体
を含有することができる。ROC1および/またはROC2のアミノ酸の短い領
域を、キーホールリンペットヘモシアニン、およびキメラ分子に対して産生され
た抗体などの別のタンパク質の領域と融合させることができる。
【0101】 ROC1および/またはROC2に対するモノクローナル抗体は、培養におけ
る連続的な細胞株によって抗体分子の産生がもたらされる任意の技術を使用して
調製することができる。これには、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリド
ーマ技術およびEBVハイブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されない
。例えば、Kohler,G.ら(1975)、Nature、256、495
〜497;Kozbor,D.ら(1985)、J.Immunol.Meth
ods、81、31〜42;Cote,R.J.ら(1983)、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、80、2026〜2030;Cole,S
.P.ら(1984)、Mol.Cell Biol.62、109〜120を
参照のこと。
【0102】 さらに、「キメラ抗体」を作製するために開発された技術、すなわち、適切な
抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るためにマウス抗体遺伝子をヒ
ト抗体遺伝子にスプラシングすることを使用することができる(Morriso
n,S.L.ら(1984)、Proc.Natl.Acad.Sci.81、
6851〜6855;Neuberger.M.S.ら(1984)、Natu
re、312:604〜608;Takeda,S.ら(1985)、Natu
re、314:452〜454)。あるいは、単鎖抗体を作製するために記載さ
れた技術を、ROC1および/またはROC2に特異的な単鎖抗体を作製するた
めに、この分野において知られている技術を使用して適応させることができる。
関連する特異性を有するが、異なるイディオタイプ組成の抗体を、免疫グロブリ
ンのランダムなコンビナトリアルライブラリーからの鎖シャフリングによって作
製することができる(Burton,D.R.(1991)、Proc.Nat
l.Acad.Sci.88、11120〜3)。
【0103】 抗体はまた、文献に開示されているように、リンパ球集団におけるインビボ産
生を誘導することによって、あるいは免疫グログリンのライブラリー、または大
きな特異性を有する結合試薬のパネルをスクリーニングすることによって得るこ
とができる。例えば、Orlandi,R.ら(1989)、Proc.Nat
l.Acad.Sci.86、3833〜3837;Winter,G.ら(1
991)、Nature、349:293〜299を参照のこと。
【0104】 ROC1および/またはROC2に対する特異的な結合部位を含有する抗体フ
ラグメントもまた作製することができる。例えば、そのようなフラグメントには
、抗体分子をペプシン消化することによって得ることができるF(ab’)2
ラグメント、およびF(ab’)2フラグメントのジスルフィド結合を還元する
ことによって作製することができるFabフラグメントが含まれるが、これらに
限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを、所望する特異性を有する
モノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にするように構
築することができる。Huse,W.D.ら(1989)、Science、2
54、1275〜1281を参照のこと。
【0105】 様々な免疫アッセイを、所望する特異性を有する抗体を同定するためのスクリ
ーニングに使用することができる。明らかにされた特異性を有するポリクローナ
ル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを使用する競合的結合アッセイまた
は免疫放射測定アッセイに関する多数のプロトコルがこの分野ではよく知られて
いる。そのような免疫アッセイは、典型的には、ROC1および/またはROC
2とその特異的な抗体との複合体形成の測定を含む。ROC1および/またはR
OC2の2つの非干渉性エピトープに対して反応し得るモノクローナル抗体を利
用する二部位モノクローナル型免疫アッセイが好ましいが、競合的結合アッセイ
もまた用いることができる(Maddox、上記)。
【0106】 抗体は、沈殿などの知られている技術に従って診断アッセイに好適な固体支持
体(例えば、ラテックスもしくはポリスチレンなどの材料から形成されるビーズ
、プレート、スライドガラスまたはウエル)に結合させることができる。抗体は
、知られている技術に従って放射標識(例えば、35S、125I、131I)、酵素標
識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)および蛍
光標識(例えば、フルオレセイン)などの検出可能な基に同様に結合させること
ができる。
【0107】 サンプルが本発明のタンパク質を含有するかどうかを明らかにするキットは、
本発明のタンパク質の有無を検出するために特異的な少なくとも1つの試薬を含
む。抗体アッセイを行うための診断キットは、多数の方法で作製することができ
る。1つの実施形態において、診断キットは、(a)固体支持体に結合させた、
本発明のタンパク質に結合する抗体、および(b)検出可能な基に結合させた、
本発明のタンパク質に結合する第2の抗体、を含む。試薬にはまた、緩衝剤およ
びタンパク質安定化剤(例えば、多糖類など)などの補助的な薬剤を含んでもよ
い。診断キットはさらに、必要な場合には、検出可能な基がそのシステムの要素
であるシグナル生成システムの他の要素(例えば、酵素基質)、試験におけるバ
ックグランド妨害を低下させる薬剤、コントロール試薬、および試験を行うため
の装置などを含んでもよい。試験キットの別の実施形態は、(a)上記の抗体、
および(b)検出可能な基に結合された抗体に対する特異的な結合パートナー、
を含む。上記に記載された補助的な薬剤を同様に含んでもよい。試験キットは、
任意の好適な様式でパッキングすることができ、典型的には、すべての要素が、
試験を行うための印刷された1冊の説明書とともに1つの容器に入れられる。
【0108】 ROC1またはROC2をコードするポリヌクレオチドを細胞内において検出
するか、またはその増幅の程度を決定するためのアッセイは、典型的には、最初
に、細胞またはそれに由来する核酸を含有する細胞抽出物を、本明細書中に示さ
れているように(典型的には、オリゴヌクレオチドが細胞内物質と接触すること
を可能にする条件のもとで)ROC1またはROC2のポリヌクレオチドに特異
的に結合するオリゴヌクレオチドと接触させること、次いで、それに対するオリ
ゴヌクレオチドの結合の有無を検出することを含む。再度ではあるが、任意の好
適なアッセイ形式を用いることができる(例えば、米国特許第4,358,53
5号(Falkowら);米国特許第4,302,204号(Wahlら);同
第4,994,373号(Stavrianopoulosら);同第4,48
6,539号(Rankiら);同第4,563,419号(Rankiら);
同第4,868,104号(Kurnら)を参照のこと)(これらの開示は本明
細書の記載の一部として本明細書中に組み込まれることが特に意図される)。
【0109】 アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドを発
現する核酸を、従来的な技術に従って作製することができる。例えば、米国特許
第5,023,243号(Tullisら);米国特許第5,149,797号
(Pedersonら)を参照のこと。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さ
(すなわち、それにおけるヌクレオチドの数)は、それが意図された位置に選択
的に結合する限り重要ではないが、日常的な手順に従って決定することができる
。一般に、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、8ヌクレオチド、10ヌクレオ
チドまたは12ヌクレオチドの長さから、20ヌクレオチド、30ヌクレオチド
または50ヌクレオチドまでの長さである。そのようなアンチセンスオリゴヌク
レオチドは、少なくとも1つ、またはすべて、またはリン酸残基を架橋する内部
ヌクレオチドが、メチルホスホナート、メチルホスホノチオアート、ホスホロモ
ルホリダート、ホスホロピペラジダートおよびホスホルアミダートなどの修飾リ
ン酸であるオリゴヌクレオチドであり得る。例えば、リン酸残基を架橋する内部
ヌクレオチドは1つおきに上記のように改変することができる。別の非限定的な
例において、そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドの少
なくとも1つまたはすべてが2’低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、エ
テニル、プロピル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびイソプロピルなどの
1〜C4の直鎖状または分枝状の飽和アルキルまたは不飽和アルキル)を含有す
るオリゴヌクレオチドである。例えば、ヌクレオチドは1つおきに上記のように
改変することができる。同様に、P.Furdonら、Nucleic Aci
ds Res.17、9193〜9204(1989);S.Agrawalら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87、1401〜1405
(1990);C.Bakerら、Nucleic Acids Res.18
、3537〜3543(1990);B.Sproatら、Nucleic A
cids Res.17、3373〜3386(1989);R.Walder
およびJ.Walder、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
5、5011〜5015(1988)を参照のこと。
【0110】 好ましい実施形態において、ROCタンパク質、核酸、変化体、修飾タンパク
質、ROC核酸もしくはタンパク質を含有する細胞および/または遺伝子組換え
体は、スクリーニングアッセイにおいて使用される。本明細書中に提供されるR
OCタンパク質を同定することにより、ROCタンパク質に結合するか、または
ROCタンパク質に対する結合を妨げる化合物、あるいはROC活性を調節する
化合物に対する薬物スクリーニングアッセイの設計が可能になる。
【0111】 本明細書中に記載されるアッセイでは、好ましくは、ヒトのROCタンパク質
が用いられるが、齧歯類(マウス、ラット、ハムスター、モルモットなど)、家
畜(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)および霊長類を含む他の哺乳動物のタンパ
ク質もまた使用することができる。後者の実施形態は、ヒト疾患の動物モデルを
開発する際には好ましいと考えられる。いくつかの実施形態においては、本明細
書中に概略されているように、上記に概略された欠失ROCタンパク質を含む変
化体または誘導体のROCタンパク質を使用することができる。
【0112】 好ましい実施形態において、本発明の方法は、ROCタンパク質および候補の
生物活性薬剤を一緒にすること、およびROCタンパク質に対する候補薬剤の結
合を測定することを含む。別の実施形態では、下記において議論されているよう
に、結合競合または生物活性が測定される。
【0113】 本明細書中で使用されている用語の「候補の生物活性薬剤」または「外因性化
合物」は、任意の分子(例えば、タンパク質、小さな有機分子、炭水化物(多糖
類を含む)、ポリヌクレオチド、脂質など)を表す。一般に、複数のアッセイ混
合物が、様々な濃度に対する示差的な応答を得るために異なる薬剤濃度を用いて
平行して処理される。典型的には、これらの濃度の1つが陰性コントロールとし
て使用される。すなわち、ゼロ濃度または検出レベル未満の濃度において使用さ
れる。さらに、陽性コントロール、すなわち、ROCの活性を変化させることが
知られている薬剤の使用を用いることができる。
【0114】 候補薬剤には多数の化学クラスが含まれるが、それらは、典型的には、有機分
子であり、好ましくは、分子量が100ダルトンよりも大きく、約2,500ダ
ルトン未満である小さな有機分子である。候補薬剤は、タンパク質との構造的な
相互作用(特に、水素結合)に必要な官能基を含み、典型的には、少なくとも1
つのアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含み、好
ましくは少なくとも2つのそのような機能的な化学基を含む。候補薬剤は、多く
の場合、1つまたは2つ以上の上記官能基で置換される環状の炭素構造もしくは
複素環構造および/または芳香族構造もしくは多芳香族構造を含む。候補薬剤は
また、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド類、プリン類、ピリミジン類、それ
らの誘導体、構造的アナログまたは組合せを含む生物分子の中に見出される。
【0115】 候補薬剤は、合成化合物または天然化合物のライブラリーを含む広範囲の様々
な供給源から得られる。例えば、数多くの手段を、広範囲の様々な有機化合物お
よび生物分子のランダムな合成および直接的な合成のために利用することができ
る。これには、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現が含まれる。あるいは、細
菌抽出物、真菌抽出物、植物抽出物および動物抽出物の形態での天然化合物ライ
ブラリーを利用することができ、またはこれらは容易に作製される。あるいは、
天然または合成的に得られるライブラリーおよび化合物は、従来的な化学的手段
、物理的手段および生化学的手段によって容易に改変される。知られている薬理
学的薬剤は、構造的アナログを作製するために、アシル化、アルキル化、エステ
ル化、アミド化など特異的またはランダムな化学的改変に供することができる。
【0116】 好ましい実施形態において、種々の候補の生物活性薬剤のライブラリーが使用
される。好ましくは、ライブラリーは、特定の標的に対する結合を可能にする確
率論的に十分な多様性範囲を達成するためには、ランダム化された薬剤の十分な
構造的に多様な集団を提供しなければならない。従って、相互作用ライブラリー
は、その成分の少なくとも1つが、標的に対する親和性をもたらす構造を有する
ように十分に大きくなければならない。相互作用ライブラリーの必要とされる全
体的なサイズを求めることは困難であるが、自然は1つのヒントを免疫応答に関
して提供している:107個〜108個の異なる抗体の多様性により、生物が直面
する大部分の潜在的な抗原と相互作用する十分な親和性を有する少なくとも1つ
の組合せが提供される。発表されたインビトロ選択技術はまた、107個〜108 個のライブラリーサイズは、標的に対する親和性を有する構造を見出すためには
十分であることを示している。例えば、長さが7アミノ酸〜20アミノ酸のペプ
チドのすべての組合せからなるライブラリーは、207(109)個〜2020個を
コードする可能性を有する。従って、107個〜108個の異なる分子のライブラ
リーにより、本発明の方法は、7アミノ酸に対する理論的に完全な相互作用ライ
ブラリーの「作業」部分集団を可能にし、そして2020ライブラリーに対する具
体的な部分集団を可能にする。従って、好ましい実施形態において、少なくとも
106個、好ましくは少なくとも107個、より好ましくは少なくとも108個、
最も好ましくは少なくとも109個の異なる配列が、本発明の方法において同時
に分析される。好ましい方法はライブラリーのサイズおよび多様性を最大にする
【0117】 好ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤はタンパク質である。別の好
ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤は、天然に存在するタンパク質、
または天然に存在するタンパクのフラグメントである。従って、例えば、タンパ
ク質を含有する細胞抽出物、タンパク質性細胞抽出物のランダムな消化物または
特異的な消化物を使用することができる。このようにして、原核生物タンパク質
および真核生物タンパク質のライブラリーを、本明細書中に記載されるシステム
におけるスクリーニングのために作製することができる。この実施形態において
特に好ましいものは、細菌、真菌、ウイルスおよび哺乳動物のタンパク質ライブ
ラリーである。後者が好ましく、ヒトのタンパク質が特に好ましい。
【0118】 好ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤は約5個〜約30個のアミノ
酸のペプチドであり、約5個〜約20個のアミノ酸のペプチドが好ましく、約7
個〜約15個のアミノ酸のペプチドが特に好ましい。これらのペプチドは、上記
に概略されているように天然に存在するタンパク質の消化物、ランダムペプチド
、または「偏った」ランダムペプチドであり得る。「ランダム化」または文法的
等価体により、本明細書中では、それぞれの核酸およびペプチドがそれぞれ、本
質的にはランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸からなることが意味される。一
般に、これらのランダムペプチド(または核酸、下記において議論)は化学合成
されるが、任意のヌクレオチドまたはアミノ酸を任意の位置に取り込むことがで
きる。合成方法は、ランダム化されたタンパク質または核酸を作製するために設
計することができ、配列の長さについて可能な組合せのすべてまたは大部分の形
成が可能となり、従って、ランダム化された候補の生物活性なタンパク質性薬剤
のライブラリーを形成させることができる。
【0119】 1つの実施形態において、ライブラリーは完全にランダム化され、配列の選り
好みまたは不変部をいずれの位置にも有しない。好ましい実施形態において、ラ
イブラリーは偏りを有する。すなわち、配列内のいくつかの位置は、一定である
ように保持されているか、あるいは限定された数の可能性から選択される。例え
ば、好ましい実施形態において、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、例えば、
疎水性アミノ酸、親水性残基、立体的に偏った(小さいか、または大きいいずれ
かの)残基の規定されたクラスの中で、架橋するためのシステインの形成、SH
−3ドメインに関するプロリンの形成、リン酸化部位に関するセリン、トレオニ
ン、チロシンまたはヒスチジンの形成などに対して、あるいはプリン類などに対
してランダム化される。
【0120】 好ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤は核酸である。別の好ましい
実施形態において、候補の生物活性薬剤は、その広範囲な多様性が文献において
得られる有機化学的部分である。
【0121】 本明細書中に記載される方法の1つの実施形態において、ROCタンパク質の
部分が用いられる。好ましい実施形態において、ROC活性を有する部分が使用
される。ROC活性は、本明細書中に記載されている通りであり、そして本明細
書中に概略されているようにカリンに対する結合活性を含む。さらに、本明細書
中に記載されるアッセイは、単離されたROCタンパク質またはROCタンパク
質を含む細胞のいずれかを用いることができる。
【0122】 一般に、本明細書中における方法の好ましい実施形態において、例えば、結合
アッセイの場合、ROCタンパク質または候補の薬剤は、単離されたサンプルの
収容領域を有する不溶性支持体(例えば、マイクロタイタープレート、アレイな
ど)に非拡散的に結合させられる。不溶性支持体は、組成物が結合することがで
きる任意の組成から作製することができ、可溶性物質から容易に分離され、そし
てそれ以外の場合には、スクリーニングの方法全体と適合し得る。そのような支
持体の表面は緻密または多孔性であり、そして任意の好都合な形状であり得る。
好適な不溶性支持体の例には、マイクロタイタープレート、アレイ、メンブラン
およびビーズが含まれる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(例え
ば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロンまたはニトロセルロース、テフロン(登
録商標)などから作製される。マイクロタイタープレートおよびアレイは、少量
の試薬およびサンプルを使用して非常に多くのアッセイを同時に行うことができ
るので特に好ましい。いくつかの場合には、磁気ビーズなどが含まれる。組成物
の特定の結合様式は、それが試薬および本発明の方法全体と適合可能で、組成物
の活性を維持し、かつ非拡散性である限り重要ではない。好ましい結合方法には
、(タンパク質が支持体に結合したときにタンパク質上の重要な部位を立体的に
阻止しない)抗体、「粘着性」支持体またはイオン性支持体に対する直接的な結
合、化学的架橋、表面におけるタンパク質または薬剤の合成などの使用が含まれ
る。タンパク質または薬剤を結合させた後、過剰な未結合の物質が洗浄により除
かれる。次いで、サンプル収容領域は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイ
ンあるいは他の無害なタンパク質または他の成分とのインキュベーションにより
ブロッキングされる。本発明にはまた、固体支持体が使用されないスクリーニン
グアッセイも含まれる。そのようなアッセイの例が下記に記載される。
【0123】 好ましい実施形態では、ROCタンパク質が支持体に結合させられ、候補の生
物活性薬剤がアッセイに加えられる。あるいは、候補の薬剤が支持体に結合させ
られ、ROCタンパク質が加えられる。新規な結合剤には、特異的な抗体、化学
ライブラリーのスクリーニングにおいて同定された非天然の結合剤、ペプチドア
ナログなどが含まれる。特に注目されるものは、ヒト細胞に対する低い毒性を有
する薬剤に対するスクリーニングアッセイである。広範囲の様々なアッセイをこ
の目的のために使用することができる。これには、標識されたインビトロタンパ
ク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結
合に関する免疫アッセイおよび機能的アッセイなどが含まれる。
【0124】 ROCタンパク質に対する候補の生物活性薬剤の結合の測定は多数の方法で行
うことができる。好ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤は標識され、
結合が直接的に測定される。例えば、これは、ROCタンパク質のすべてまたは
一部を固体支持体に結合させ、標識された候補薬剤(例えば、蛍光標識)を加え
、過剰な試薬を洗って除き、その後、標識が固体支持体上に存在しているかどう
かを測定することによって行うことができる。様々なブロッキング工程および洗
浄工程を、この分野において知られているように用いることができる。
【0125】 「標識(された)」により、本明細書中では、検出可能なシグナルをもたらす
標識(例えば、放射性同位体、蛍光剤、酵素、抗体、磁気粒子などの粒子、化学
発光剤、または特異的な結合分子など)により化合物が直接的または間接的のい
ずれかで標識されていることが意味される。特異的な結合分子には、ビオチンお
よびストレプトアビジン、ジゴキシンおよび抗ジゴキシンなどのペアが含まれる
。特異的に結合する成分の場合、通常、相補的な成分が、知られている手法に従
って、検出をもたらす分子で標識される。標識により、検出可能なシグナルを直
接的または間接的に得ることができる。
【0126】 いくつかの実施形態において、成分の一方のみが標識される。例えば、タンパ
ク質(またはタンパク質性の候補薬剤)を、125Iを使用して、または蛍光剤を
用いてチロシンの位置で標識することができる。あるいは、2つ以上の成分を、
異なる標識で標識することができる;例えば、タンパク質に対して125Iを使用
し、そして候補薬剤に対して蛍光剤を使用して標識することができる。
【0127】 好ましい実施形態において、候補の生物活性薬剤の結合は、競合的結合アッセ
イを使用することによって測定される。この実施形態において、競合剤は、標的
分子(すなわち、ROCタンパク質)に結合することが知られている結合成分で
あり、例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなどである。好まし
い実施形態において、競合剤はカリンである。特定の状況のもとでは、生物活性
薬剤と結合成分との間において、結合成分が生物活性薬剤と入れ替わるような競
合的な結合が存在し得る。このアッセイは、ROCタンパク質とその生物学的な
結合パートナーとの結合を妨げる候補薬剤を決定するために使用することができ
る。本明細書中において使用される「結合の干渉」は、ROCタンパク質の本来
の結合が候補薬剤の存在下で異なることを意味する。結合はなくすことができ、
あるいは親和性を低下させることができる。従って、1つの実施形態において、
干渉が、本来の結合部位に対する直接的な競合ではなく、例えば、立体配座の変
化によって生じる。
【0128】 1つの実施形態において、候補の生物活性薬剤が標識される。候補の生物活性
薬剤または競合剤のいずれか、あるいその両方が、存在する場合には結合を可能
にする十分な時間にわたって最初にタンパク質に加えられる。インキュベーショ
ンは、最適な活性を促進する任意の温度で、典型的には4℃〜40℃の間で行う
ことができる。インキュベーション時間は、最適な活性に関して選択されるが、
迅速な高処理スクリーニングを容易にするために最適化することもできる。典型
的には、0.1時間〜1時間で十分である。過剰な試薬は、一般には除かれ、す
なわち洗い流される。その後、第2の成分が加えられ、そして標識された成分の
有無が、結合を示すために追跡される。
【0129】 好ましい実施形態において、競合剤が最初に加えられ、その後、候補の生物活
性薬剤が加えられる。競合剤の置換は、候補の生物活性薬剤がROCタンパク質
に結合しているということ、従って、ROCタンパク質に結合し得ること、およ
びROCタンパク質の活性を潜在的に調節し得るということを示している。この
実施形態において、いずれかの成分を標識することができる。従って、例えば、
競合剤が標識されている場合には、標識が洗浄液に存在することにより、薬剤に
よる置換が示される。あるいは、候補の生物活性薬剤が標識されている場合には
、標識が支持体上に存在することにより、置換が示される。
【0130】 代替的な実施形態においては、候補の生物活性薬剤が最初に加えられ、インキ
ュベーションおよび洗浄とともに、その後、競合剤が加えられる。競合剤による
結合が存在しないことにより、生物活性薬剤がより大きな親和性でROCタンパ
ク質に結合していることが示される。従って、候補の生物活性薬剤が標識されて
いる場合には、標識が支持体上に存在することにより、競合剤の結合がないこと
と一致して、候補薬剤がROCタンパク質に結合できることが示され得る。
【0131】 好ましい実施形態において、本発明の方法は、ROCタンパク質の活性を調節
し得る生物活性薬剤を同定するための示差的なスクリーニングを含む。そのよう
なアッセイは、ROCタンパク質または前記ROCタンパク質を含む細胞を用い
て行うことができる。1つの実施形態において、この方法は、ROCタンパク質
および競合剤を第1のサンプルにおいて一緒にすることを含む。第2のサンプル
は、候補の生物活性薬剤、ROCタンパク質および競合剤を含む。競合剤の結合
が両方のサンプルについて測定され、そして2つのサンプル間の結合の変化また
は差により、ROCタンパク質に結合し、その活性を潜在的に調節し得る薬剤の
存在が示される。すなわち、競合剤の結合が、第1のサンプルに対して第2のサ
ンプルにおいて異なる場合、薬剤はROCタンパク質に結合することができる。
【0132】 あるいは、好ましい実施形態において、本来のROCタンパク質に結合するが
、修飾されたROCタンパク質には結合することができない薬物候補物を同定す
るための示差的なスクリーニングが利用される。ROCタンパク質の構造はモデ
ル化することができ、そしてその部位と相互作用する薬剤を合成するための合理
的な薬物設計において使用することができる。細胞周期の生物活性に影響を及ぼ
す薬物候補物もまた、タンパク質の活性を増強または低下させるいずれかの能力
について薬物をスクリーニングすることによって同定される。
【0133】 陽性コントロールおよび陰性コントロールをアッセイにおいて使用することが
できる。好ましくは、すべてのコントロールサンプルおよび試験サンプルは、統
計学的に有意な結果を得るために少なくとも三連で実施される。すべてのサンプ
ルのインキュベーションは、薬剤がタンパク質に結合するために十分な時間であ
る。インキュベーション後、すべてのサンプルは、非特異的に結合した物質が存
在しないように洗浄され、そして、一般には標識された、結合した薬剤の量が測
定される。例えば、放射標識が用いられる場合には、サンプルは、結合した化合
物の量を測定するためにシンチレーションカウンターで計数することができる。
【0134】 様々な他の試薬をスクリーニングアッセイにおいて含めることができる。これ
らには、塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤などのような
試薬が含まれ、これらの試薬は、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進する
ために、かつ/または非特異的な相互作用もしくはバックグラウンド相互作用を
低下させるために使用することができる。また、それ以外の点で、アッセイ効率
を改善する試薬、例えば、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤な
どを使用することができる。成分の混合物は、必要な結合をもたらす任意の順序
で加えることができる。
【0135】 ROCタンパク質の活性を調節する薬剤に関するスクリーニングもまた行うこ
とができる。好ましい実施形態において、ROCタンパク質の活性を調節し得る
生物活性薬剤に関するスクリーニング方法は、候補の生物活性薬剤をROCタン
パク質のサンプル(またはROCタンパク質を含む細胞)に加える工程、および
ROCタンパク質の生物学的活性における変化を測定する工程を含む。「ROC
タンパク質の活性を調節する」ことは、活性の増大、活性の低下、あるいは存在
する活性のタイプまたは種類の変化を含む。従って、この実施形態において、候
補薬剤は、ROCタンパク質に結合し(しかし、これは必須ではなくてもよい)
、かつ本明細書中に定義されているようなその生物学的または生化学的な活性を
変化させなければならない。この方法には、上記に一般的に概略されているよう
にインビトロでのスクリーニング方法、およびROCタンパク質の存在、分布、
活性または量における変化に関する細胞のインビボでのスクリーニングの両方が
含まれる。
【0136】 従って、この実施形態において、本発明の方法は、ROCタンパク質および候
補の生物活性薬剤を一緒にすること、およびROCタンパク質の生物活性に対す
る作用を評価することを含む。「ROCタンパク質の活性」または文法的等価体
により、本明細書中において、ROCタンパク質の生物学的活性の少なくとも1
つが意味される。これには、カリン類(カリン1、2、3、4Aおよび5(これ
らに限定されない)を含む)に結合するタンパク質の能力、ユビキチンを連結す
るその活性およびユビキチン依存のタンパク質分解プロセスにおける活性、SI
Cp分解におけるその役割、ならびに本明細書中に記載されるようなROCタン
パク質の任意の他の活性などが含まれるが、これらに限定されない。
【0137】 好ましい実施形態において、ROCタンパク質の活性は低下する;別の好まし
い実施形態では、ROCタンパク質の活性は増大する。従って、アンタゴニスト
である生物活性薬剤がいくつかの実施形態では好ましく、アゴニストである生物
活性薬剤が別の実施形態では好ましいと考えられる。
【0138】 好ましい実施形態において、本発明は、ROCタンパク質の活性を調節し得る
生物活性薬剤に対するスクリーニング方法を提供する。この方法は、上記に定義
されているような候補の生物活性薬剤を、ROCタンパク質を含む細胞に加える
ことを含む。好ましい細胞タイプには、ほとんど任意の細胞が含まれる。細胞は
、ROCタンパク質をコードする組換え核酸を含有する。好ましい実施形態にお
いて、候補薬物のライブラリーが複数の細胞において試験される。
【0139】 ROC活性の検出は、当業者により理解されているように行うことができる。
ROCの生物活性における変化の検出を可能にするために評価またはアッセイさ
れ得る多数のパラメーターが存在する。
【0140】 すべての状態が、生物活性薬剤などの存在下または非存在下で、それぞれの測
定について同じであるか、あるいは様々な条件のもとでの測定値を求めることが
できる。例えば、候補の生物活性薬剤が存在する場合、および候補の生物活性薬
剤が存在しない場合におけるROC活性の測定値を細胞または細胞集団において
求めることができる。別の例では、細胞または細胞集団の条件または環境が互い
に異なる場合におけるROC活性の測定値が求められる。例えば、生理学的なシ
グナル、例えば、ホルモン、抗体、ペプチド、抗原、サイトカイン、成長因子、
作用ポテンシャル、化学療法剤を含む薬理学的薬剤、放射線、発ガン物質、また
は他の細胞(すなわち、細胞−細胞接触)の存在下または非存在下において、あ
るいはそれらに暴露された前後において細胞を評価することができる。
【0141】 「細胞の集団」または「細胞のライブラリー」により、本明細書中では、少な
くとも2個の細胞が意味され。少なくとも103個が好ましく、少なくとも106 個が特に好ましく、少なくとも108個〜109個がとりわけ好ましい。集団また
はサンプルは、一次培養物または二次培養物のいずれかに由来する異なる細胞タ
イプの混合物を含有し得るが、単一の細胞対応のみを含有するサンプルが好まし
く、例えば、サンプルは細胞株(特に、腫瘍細胞株)に由来し得る。好ましい実
施形態において、複製または増幅する細胞が使用される;これは、候補の生物活
性薬剤を導入するためにレトロウイルスベクターの使用を可能にし得る。あるい
は、複製しない細胞を使用してもよく、他のベクター(アデノウイルスベクター
およびレンチウイルスベクターなど)を使用することができる。さらに、必要と
されないが、細胞は色素および抗体との適合性を有する。
【0142】 本発明において使用される好ましい細胞タイプには、動物(マウス、ラット、
ハムスターおよびアレチネズミを含む齧歯類)、霊長類およびヒトの細胞を含む
哺乳動物細胞、特に、乳房、皮膚、肺、頸部、結腸直腸、白血病、脳などを含む
すべてのタイプの腫瘍細胞を含む哺乳動物細胞が含まれるが、これらに限定され
ない。
【0143】 本明細書中に提供されるタンパク質および核酸はまた、ROCタンパク質のタ
ンパク質−タンパク質相互作用が同定され得るスクリーニング目的のために使用
することができる。様々な遺伝学的システムが、タンパク質−タンパク質相互作
用を検出するために記載されている。最初の研究は、酵母システムにおいて、す
なわち、「酵母ツーハイブリッド」システムにおいて行われた。基本的システム
は、レポーター遺伝子の転写を開始させるためにタンパク質−タンパク質相互作
用を必要とする。その後の研究が哺乳動物細胞において行われた。Fields
ら、Nature、340、245(1989);Vasavadaら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、88、10686(1991);F
earonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、795
8(1992);Dangら、Mol.Cell.Biol.11、954(1
991);Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
8、9578(1991);ならびに米国特許第5,283,173号、同第5
,667,973号、同第5,468,614号、同第5,525,490号お
よび同第5,637,463号を参照のこと。
【0144】 一般には、2つの核酸が細胞に形質転換される。この場合、一方が、ROCタ
ンパク質またはその一部をコードする遺伝子などの「おとり」であり、もう一方
が試験候補物をコードする。この2つの発現産物が互いに結合する場合にだけ、
蛍光性タンパク質などの指示物が発現される。指示物の発現により、試験候補物
がROCタンパク質に結合していることが示される。同じシステムおよび新しく
同定されたタンパク質を使用して、逆のことを行うことができる。すなわち、本
明細書中に提供されるROCタンパク質は、新しいおとり、またはROCタンパ
ク質と相互作用する薬剤を同定するために使用することができる。さらに、おと
り、およびおとりを妨げるカリンなどの薬剤を決定するための核酸をコードする
ROCタンパク質に加えて試験候補物が添加されるツーハイブリッドシステムを
使用することができる。
【0145】 このようにして、生物活性薬剤が同定される。薬理学的活性を有する生物活性
薬剤(すなわち、化合物)は、少なくとも1つのROCタンパク質の活性を増強
または妨害し得るそのような化合物である。所望する薬理学的活性を有する化合
物は、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、薬学的配合物)で宿主または被
験者に投与することができる。好適な被験者は、好ましくはヒト被験者であるが
、イヌ、ネコおよび家畜などの他の哺乳動物被験者であってもよい(すなわち、
獣医学的目的のため)。
【0146】 本発明の薬学的配合物は、薬理学的活性を有する化合物(これは本発明の方法
を使用して同定される)を薬学的に受容可能なキャリアに含む。好適な薬学的配
合物には、吸入投与、経口投与、直腸投与、局所投与(口内、舌下、皮膚、膣お
よび眼内を含む)、非経口投与(皮下、皮内、筋肉内、静脈内および動脈内を含
む)および経皮投与に適した配合物である。そのような組成物は、好都合には単
位投薬形態で提供することができ、この分野においてよく知られている方法のい
ずれかにより調製することができる。任意の特定の場合における最も好適な投与
経路は、被験者において処置される状態の解剖学的位置、処置される状態の性質
および重篤度、ならびに使用される特定の薬理学的活性化合物に依存し得る。配
合物は、好都合には単位投薬形態で提供することができ、この分野においてよく
知られている方法のいずれかにより調製することができる。
【0147】 本発明による医薬品(「配合物」)の製造において、薬理学的に活性な化合物
またはその生理学的に受容可能な塩(「活性化合物」)は、典型的には、特に、
受容可能なキャリアと混合される。キャリアは、当然のことではあるが、配合物
における任意の他の成分と適合し得るという意味で受容可能でなければならず、
そして患者に対して有害であってはならない。キャリアは、固体または液体また
はその両方であってもよく、好ましくは、0.5重量%〜99重量%の活性化合
物を含有し得る単位用量配合物(例えば、錠剤)として化合物と配合される。1
つまたは2つ以上の活性化合物を本発明の配合物に組込むことができる。そのよ
うな配合物は、本質的には成分を混合することからなり、必要に応じて1つまた
は2つ以上の補助的な治療成分を含ませるよく知られている製薬技術のいずれか
によって調製することができる。
【0148】 経口投与に好適な配合物は、それぞれが所定量の活性化合物を含有するカプセ
ル剤、サシェ剤、トローチ剤または錠剤などの分割ユニットで、あるいは粉末剤
または顆粒剤として、あるいは水性液体または非水性液体における溶液または懸
濁物として、あるいは水中油エマルションまたは油中水エマルションとして提供
され得る。そのような配合物は、活性化合物および好適なキャリア(これは上記
に示されるような1つまたは2以上の補助成分を含有し得る)を一緒にする工程
を含む任意の好適な製薬方法によって調製することができる。一般に、本発明の
配合物は、活性化合物を、液体キャリアまたは細かく分割された固体キャリアと
、あるいはその両方と均一かつ十分に混合し、次いで、必要な場合には、得られ
た混合物を形状化することによって調製される。例えば、錠剤は、活性化合物を
、必要に応じて1つまたは2つ以上の補助成分とともに含有する粉末または顆粒
を圧縮成型または成型することによって調製することができる。圧縮成型された
錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、および/または表面活性剤/分散剤
と必要に応じて混合された粉末または顆粒などの易流動性形態の化合物を好適な
装置において圧縮成型することによって調製することができる。成型された錠剤
は、不活性な液体結合剤で湿らされた粉末化化合物を好適な装置で成型すること
によって作製することができる。経口投与用の配合物は、胃における配合物の分
解を妨げ、小腸における薬物の放出をもたらす、この分野において知られている
腸溶性コーティング剤を必要に応じて含むことができる。
【0149】 口内投与に好適な配合物には、活性化合物を好ましい基剤(通常的には、スク
ロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴム)に含むトローチ剤;および
ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性な
基剤に化合物を含む香剤が含まれる。
【0150】 非経口投与に好適な本発明の配合物には、活性化合物の無菌の水性注射液およ
び非水性注射液が含まれる。そのような調製物は、好ましくは、意図された受容
者の血液と等張性である。これらの調製物は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、お
よび配合物を意図された受容者の血液と等張性にする溶質を含有することができ
る。水性および非水性の無菌の懸濁物は懸濁剤および増粘剤を含むことができる
。配合物は、単位用量容器または多用量容器で、例えば、密封されたアンプルお
よびバイアルで提供され得るが、無菌の液体キャリア(例えば、使用直前の生理
食塩水または注射用水)を加えることのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾
燥)状態で保存することができる。処方箋に従って調製される注射用の溶液また
は懸濁物は、前記に記載された種類の無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製する
ことができる。例えば、本発明の1つの局面において、式(I)の化合物または
その塩を単位投薬形態で密閉容器に含む注射可能で安定な無菌の組成物が提供さ
れる。そのような化合物または塩は、患者に対するその注射に好適な液体組成物
を形成するために好適な薬学的に受容可能なキャリアで再構成され得る凍結乾燥
物の形態で提供される。単位投薬形態は、典型的には、約10mg〜約10gの
化合物または塩を含む。化合物または塩が実質的に水に不溶性である場合、生理
学的に受容可能な十分な量の乳化剤を、化合物または塩を水性キャリアに乳化す
るために十分な量で用いることができる。そのような有用な乳化剤の1つがはホ
スファチジルコリンである。
【0151】 直腸投与に好適な配合物は、好ましくは、単位用量坐薬として提供される。こ
れは、活性化合物を1つまたは2つ以上の従来的な固体キャリア(例えば、カカ
オ脂)と混合し、次いで得られた混合物を形状化することによって調製すること
ができる。
【0152】 皮膚に対する局所適用に好適な配合物は、好ましくは、軟膏、クリーム、ロー
ション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルの形態を取る。使
用され得るキャリアには、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アル
コール、経皮増強剤、およびそれらの2つ以上の組合せが含まれる。
【0153】 経皮投与に好適な配合物は、受容者の表皮と長時間にわたり十分な接触状態を
維持するために適合した分割されたパッチとして提供され得る。経皮投与に好適
な配合物はまたイオン導入によっても送達することができ(例えば、Pharm
aceutical Research、3、318(1986)を参照のこと
)、そして必要に応じて緩衝化された活性化合物の水性溶液の形態を取る。
【0154】 さらに、本発明は、本明細書中に開示された化合物およびその塩のリポソーム
配合物を提供する。リポソーム懸濁物の形成技術はこの分野ではよく知られてい
る。化合物またはその塩が水溶性の塩である場合、従来的なリポソーム技術を使
用して、それらを脂質ビヒクルに取り込むことができる。そのような場合、化合
物または塩の水溶性のために、化合物または塩は、実質的には、リポソームの親
水性の中心部またはコアの内部に取り込まれる。用いられる脂質層は、任意の従
来的な組成であってもよく、そしてコレステロールを含有してもよく、あるいは
コレステロールを含まなくてもよい。目的とする化合物または塩が水に不溶性で
ある場合、再度ではあるが、従来的なリポソーム形成技術を用いて、リポソーム
の構造を形成する疎水性の脂質二重層の内部に塩を実質的に取り込ませることが
できる。いずれの場合においても、作製されたリポソームは、標準的な超音波処
理技術およびホモジネート処理技術を使用することなどによってサイズを小さく
することができる。
【0155】 当然のことではあるが、本明細書中に記載された方法を用いて同定された薬学
的に活性な化合物を含有するリポソーム配合物は、リポソーム懸濁物を再構成す
るために水などの薬学的に受容可能なキャリアで再構成され得る凍結乾燥物を作
製するために凍結乾燥することができる。
【0156】 他の薬学的な配合物(水系エマルションなど)は、本明細書中に開示されてい
る水不溶性の化合物から、あるいはその塩から調製することができる。そのよう
な場合、配合物は、所望する量の化合物またはその塩を乳化するために十分な量
の薬学的に受容可能な乳化剤を含有する。特に有用な乳化剤には、ホスファチジ
ルコリンおよびレシチンが含まれる。
【0157】 薬理学的に活性な化合物に加えて、薬学的組成物は、pH調節用添加剤などの
他の添加剤を含有することができる。特に、有用なpH調節剤には、塩酸などの
酸、塩基、あるいは乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたはグルコン酸ナトリウムなどの緩衝剤が
含まれる。さらに、組成物は微生物防止剤を含有することができる。有用な微生
物防止剤には、メチルパラベン、ポリパラベンおよびベンジルアルコールが含ま
れる。微生物防止剤は、典型的には、配合物が多回用量使用を目的とするバイア
ルに入れられている場合に用いられる。当然のことではあるが、示されているよ
うに、本発明の薬学的配合物は、この分野においてよく知られている技術を使用
して凍結乾燥することができる。
【0158】 本発明の方法により同定された任意の特定の薬理学的に活性な化合物(そのよ
うな化合物の使用は本発明の範囲に含まれる)の治療的有効投薬量は、化合物毎
に、また被験者毎に幾分か異なり、そして患者の状態および送達経路に依存して
いる。
【0159】 下記の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、本発明の限定として
解釈してはならない。
【0160】 実施例1:材料および方法 cDNAクローン、プラスミド構築および酵母ツーハイブリッドアッセイ 全長のマウスのカリンA4をコードするcDNA配列を、Michelおよび
Xiong、Cell Growth.Differ.9、439〜445(1
998)に記載される酵母ツーハイブリッドアッセイによって、カリンと相互作
用するタンパク質についてHeLa細胞由来cDNAライブラリーをスクリーニ
ングするためのおとりとして使用した。ヒトROC2およびヒトAPC11の両
方に対する全長のcDNAクローンをHeLaのcDNAライブラリーからPC
R増幅によって単離し、DNA配列決定によって確認した。全長の哺乳動物AP
C2をコードするcDNAを同定するために、ESTデータベースを検索した。
全長のcDNAクローンは、現在のESTデータベースにおいてヒトAPC2に
ついて得られなかった。その代わり、全長に近いマウスAPC2のEST cD
NAクローン(W13204)が同定された。これは、94kDaの計算された
分子量を有する823アミノ酸のオープンリーディングフレームが予測された。
このマウスcDNAクローンは、発表されたヒトAPC2(Yuら、1998a
)よりも1アミノ酸残基長く、開始メチオニンコドンを有していない。マウスA
PC2タンパク質とヒトAPC2タンパク質との極めて近い関連性(823個の
残基全体にわたる93%の同一性)を考慮して、マウスAPC2を、ヒトAPC
11との相互作用について試験するときには使用した。
【0161】 酵母のcDNA配列を、PCRによって酵母のゲノムDNAから増幅して、D
NA配列決定によって確認した。ScROC1を得るために使用されたプライマ
ーは、5’−TTTAAAGAGAAATAGGATCCCATGAGCAAC
GAA−3’[配列番号5]および5’−TTAAATGTTTACGGGGA ATTC ATTTTTTCACCT−3’[配列番号6]であった。これらには
、5’のBamHI部位および3’のEcoRI部位(下線部)が組み込まれ、
それらにより、PCR産物をpGAD餌食ベクターに読み枠を合わせて挿入した
。pGBT8−ScROC1を、SmaIおよびSacIの制限部位を使用して
pGEX−ScROC1から構築した。ScAPC11を増幅するためのプライ
マーは、5’−GGCAATACAGATTAGGATCCTATGAAAGT
TAAA−3’[配列番号7]および5’−AATTGTGATTTCTAGA ATTCT TTTTTATCGTAA[配列番号8]である。これらには、5’
のBamHI部位および3’のEcoRI部位(下線部)が組み込まれ、それら
により、PCR産物をpGADベクターに読み枠を合わせて挿入した。CDC5
3は、Mike Tyers博士から提供され、BamHI部位およびNotI
部位を使用してpMT1144からpBSKSにサブクローニングした。これか
ら、CDC53を、BamHI部位およびSacI部位を使用して、読み枠を合
わせてpGBT8にサブクローニングして、pGBT8−CDC53を作製した
。CUL B(ORF YGR003w)を、下記のプライマーを使用してPC
Rクローニングした:5’−ATCCCCATGGCTATGATAACTAA
TAAGAAAATA−3’[配列番号9]および5’−CTGCAGAGCT GTTAGGAAAGGTAATGGTAATA−3’[配列番号10]。こ
れらには、5’のNcoI部位および3’のSacI部位(下線部)が組み込ま
れ、それらにより、PCR産物をpGBT8餌食ベクターに読み枠を合わせて挿
入した。CUL C(ORF YJL047c)を、下記のプライマーを使用し
てPCRクローニングした:5’−ATCCCCATGGCTATGATAAA
TGAGAGCGTTTCC−3’[配列番号11]および5’−AGCTC TCGAC ATTAGTACTTGTAAGTTGCTAT−3’[配列番号1
2]。これらには、5’のNcoI部位および3’のSalI部位(下線部)が
組み込まれ、それらにより、PCR産物をpGBT8餌食ベクターに読み枠を合
わせて挿入した。ScAPC2を、下記のプライマーを使用してPCRクローニ
ングした:5’−ATCCCCATGGCTATGTCATTTCAGATTA
CCCCA−3’[配列番号13]および5’−AGCTCGTCGACATC
ATGAGTTTTTATGCCCATT−3’[配列番号14]。これらには
、5’のNotI部位および3’のSalI部位(下線部)が組み込まれ、それ
らにより、PCR産物をpGBT8餌食ベクターに読み枠を合わせて挿入した。
すべてのPCRクローニングは、リチカーゼで処理されたYEF473ゲノムD
NAをテンプレートとして使用し、下記のプロトコル1を使用して行われた:9
4℃で1分、55℃で1分、68℃で1分/kbの25サイクル、その後、68
℃での10分間の伸長。ScROC1およびScAPC11の場合には、1XP
CR緩衝液、2.5mMのMgCl2、0.5mMの各プライマーおよび0.1
mMの各dNTPを含有する反応液において、Pfu校正DNAポリメラーゼ(
Stratagene)を使用した。CUL B、CUL CおよびScAPC
2をPCR増幅する場合には長テンプレート伸長キット(Boehringer
Mannheim)を製造者の説明書に従って使用した。反応物は、0.1m
MのMgCl2(緩衝剤1)、0.2mMの各dNTP、0.5mMの各プライ
マーおよび0.1mg/mlのBSAを含有した。ScROC1、ScAPC1
1、hROC1およびhROC2をすべて、5’のBamHI制限部位および3
’のXhoI制限部位を使用してp414−ADHベクター(CEN)に挿入し
た。
【0162】 哺乳動物における発現を行う場合、個々のcDNAクローンを、CMVプロモ
ーターの制御下にあるpcDNA3ベクター(Invitrogen)に、ある
いはHAまたはmycのエピトープで標識された融合タンパク質を発現されるた
めのpcDNA3−HAまたはpcDNA3−Mycにサブクローニングした。
酵母ツーハイブリッドアッセイのために、個々のカリン配列を、Gal4のDN
A結合ドメインと読み枠を合わせて、pGTB9の改変体であるpGTB8にク
ローニングした。ROC1、ROC2およびAPC11を、Gal4のDNA活
性化ドメインと読み枠を合わせてpGADにクローニングした。ヒトCUL1、
CUL1欠失変異体およびSKP1に対する酵母ツーハイブリッド発現プラスミ
ドは以前に記載された(MichelおよびXiong、1998、上記)。
【0163】 実施例2:材料および方法 細胞株、培養条件および細胞トランスフェクション すべての哺乳動物細胞は、10%のFBSが補充されたDMEMにおいて、5
%CO2を有する37℃のインキュベーターで培養された。細胞には、HeLa
(ヒトの子宮頸部類上皮ガン)、Saos−2(骨肉腫)および293T(ヒト
の形質転換された初代胚腎臓c細胞)が含まれる。細胞のトランスフェクション
は、LipofectAMINE試薬を製造者の説明書(Gibco−BRL)
に従って行った。それぞれのトランスフェクションには、4μgの総プラスミド
DNA(pcDNA3ベクターDNA類について調節する)を60mディッシュ
について使用した。
【0164】 実施例3:材料および方法 抗体および免疫化学手法 [35S]−メチオニンの代謝的標識、免疫沈降および免疫ブロッティングに関
する手順は以前に記載されている(Jenkins,C.W.およびXiong
,Y.(1995)、「細胞周期研究における免疫沈降および免疫ブロッティン
グ」、Cell Cycle:Material およびmethods、M.
Pagano編(New York:Springer−Verlag)、25
0頁〜263頁)。ウサギポリクローナル抗体を作製する際に使用された合成ペ
プチドの配列は下記の通りである:抗ヒトROC1N(MAAAMDVDTP
SGTN、アミノ酸残基1〜14)[配列番号15]、抗ヒトROC1C(
NREWEFQKYGH、残基97〜108)[配列番号16]、抗ヒトAPC
11(RQEWKFKE、残基76〜84)[配列番号17]、および抗ヒト
CUL2(RSQASADEYSYVA、残基733〜745)[配列番号1
8]。Kipreosら、1996(上記);MichelおよびXiong、
1998(上記)を参照のこと。システイン(下線部)を、活性化されたキーホ
ールリンペットヘモシアニン(KLH)にペプチドを共有結合させるためにそれ
ぞれのペプチドのN末端に付加した。ヒトCUL1およびSKP1に対する抗体
は以前に記載された(MichelおよびXiong、1998、上記)。この
研究において使用されたウサギポリクローナル抗体はすべて、製造者の説明書(
Sulfolink Kit、Pierce、Rockford、IL)に従っ
たそれぞれのペプチドカラムを使用してアフィニティー精製された。モノクロー
ナル抗HA抗体(12CA5、Boehringer Mannheim)およ
びモノクローナル抗myc抗体(9E10、NeoMarker)は市販品を購
入した。酵母アクチンに対する抗体はJ.Pringle博士から提供された。
結合させたインビトロでの転写および翻訳は、製造者の説明書(Promega
)に従ってTNTキットを使用して行った。
【0165】 実施例4;材料および方法 ROC1複合体の免疫精製およびタンパク質マイクロシーケンシング ROC1複合体を調製スケールで免疫精製するために、総溶解物を、NP−4
0溶解緩衝液による溶解後の150mmプレートからまとめたHeLa細胞から
調製し、高速遠心分離(13,000gで30分間)により透明化した。非コー
ティングのセファデックスビーズを用いた予備透明化の後、ヒトROC1に対す
るアフィニティー精製抗体の100μgを透明化した細胞溶解物に加えた。揺す
りながら4℃で1時間インキュベーションした後、プロテインAビーズを溶解物
に加え、1時間インキュベーションした。ビーズをNP−40溶解緩衝液で3回
洗浄し、Laemmli負荷緩衝液中で3分間煮沸して、タンパク質をSDS−
PAGEによって分離した。銀染色後、ROC1に特異的に結合したバンドを、
モル過剰量の競合抗原ペプチドの存在下で同じ抗ROC1抗体による同じHeL
a溶解物の平行した免疫沈降と比較することによって同定した。分子量が70k
Da〜120kDaの間にある競合バンドをSDSゲルから切り出し、リシルエ
ンドペプチダーゼ(50ng/ml)を使用するゲル内プロテアーゼ消化に付し
た。消化されたペプチドフラグメントをアセトニトリルにより抽出し、C18カ
ラム(1mmx250mm、Vydac)を使用するHewlett Pack
ard社の1100HPLCシステムでの逆相高圧液体クロマトグラフィーで分
離した。HPLCから集められた個々のペプチドのタンパク質配列を、Glax
o−Wellcomeタンパク質マイクロシーケンシング施設において自動化A
BIマイクロシーケンサーで決定した。
【0166】 実施例5:材料および方法 酵母株 すべてのS.cerevisiae株はYEF473(a/α ura3−5
2/ura3−52 his3Δ−200/his3Δ−200 trp1Δ−
63/trp1Δ−63 leu2Δ−1/leu2Δ−1 lys2−801
/lys2−801)に由来した。酵母は、別途示されていない限り、2%グル
コースまたは2%ラフィノースおよび様々な量のガラクトースを適するように含
有するYP培地またはSD培地(これらは適切なアミノ酸を有しない)において
30℃で培養された。タンパク質発現を測定するために、酵母培養物を遠心分離
によって集め、蒸留水で1回洗浄し、−80℃で一晩保存した。細胞ペレットを
、50mMのTris−HCl(pH7.5)、50mMのNaCl、0.2%
のTriton X−100、1mMのDTT、1mMのPMSF、1mMのN
aVO3および1Xのプロテアーゼ阻害剤(25μ/mlロイペプチン、25μ
/mlアプロトニン、1mMベンゾアミジンおよび10μ/mlトリプシン阻害
剤)を含有する溶解緩衝液に再懸濁した。ガラスビーズを加え、サンプルを、そ
れぞれの振とうの間に少なくとも30秒間氷上に置きながら、30秒間、4回振
とうした。懸濁物を新しいエッペンドルフチューブに移し、13000gにおい
て4℃で30分間遠心分離した。全細胞抽出物におけるタンパク質濃度を、Br
adfordアッセイを使用して測定した。各サンプルからの等量の総タンパク
質をSDS−PAGEによって分離し、その後、免疫ブロッティングした。核染
色の場合、酵母を、30℃のローラードラムにおいて、3.7%ホルムアルデヒ
ドを含む培養培地で1時間固定した。固定処理された細胞を1XPBSで3回洗
浄し、その後、Pringle,J.R.(1991)、「酵母の免疫蛍光法」
、Methods in Enzymol.194、565〜602に記載され
ているように包埋培地(1%w/vのp−フェニレンジアミン(Sigma)を
含む1XPBS(pH9)、90%グリセロール、および0.5μg/mlのH
oechst33258色素)に再懸濁した。
【0167】 変異酵母株を、PCRに基づく遺伝子欠失、およびLongtineら、Ye
ast、14(10)、953〜961(1998)に従った相同組換えによる
改変を使用して構築した。構築されたすべての株に対するPCR産物のプライマ
ーは、データベースに公開されている配列に基づいて設計され、遺伝子特異的な
配列に対して相同的な40bpの配列(上流部)と、ベクターテンプレートに対
して相同的な20bp(下流部)とを含有した。ROC1の完全な欠失体を作製
し、そして大腸菌kanr遺伝子を含有するモジュールによりROC1を置換す
るために(JM1株)、pFA6a−kanMX6テンプレートを下記のプライ
マーとともに使用した:ROC1−F1(5’−TTCTCCAGTGGCAG
AGAACTTTAAAGAGAAATAGTTCAACcggatccccg
ggttaa−ttaa5’)[配列番号19]およびROC1−R1(5’−
ACCTCGGTATGATTTAAATGTTTACGGGCAATTCAT
TTTTgaattc−gagctcgtttaaac3’)[配列番号20]
。ScROC1遺伝子と読み枠を合わせたGAL1プロモーターおよびHA3標
識を伴うS.pombeのhis5+遺伝子を染色体に組み込むために(JM5
株)、pFA6a−His3MX6−pGAL1−HA3テンプレートを下記の
プライマーととも使用した:ROC1−F4(5’ATAGACGTATGGG
CTTCAATAT−GTGCAATGTTGGTTGCTAgaattcga
gctcgtttaaac−3’)[配列番号21]およびROC1−R3(5
’CATCTTCATCAACA−TCCATCCTGTCAACTTCGTT
GCTCATgcactgagcagcgtaat−ctg3’)[配列番号2
2]。TRP1選択マーカーを伴うHA3標識でSIC1のC末端をエピトープ
標識するために(JM7株)、pFA6a−HA3−TRP1テンプレートを下
記のプライマーととも使用した:SIC1−F2(5’CAAGCCAAAGG
CATTGTTTCAATCTAGGGAT−CAAGAGCATcggatc
cccgggttaattaa3’)[配列番号23]およびSIC1−R1(
5’TAAAATATAATCGTTCCAGAAA−CTTTTTTTTTT
CATTTCTgaattcgagctcgtttaaac3’)[配列番号2
4]。
【0168】 PCRを、Expand Long Template PCR Syste
m(Boehringer Mannheim)を下記のプロトコルとともに使
用して行った。混合物1(25μl)は、2.5μlのExpand緩衝液1、
0.8mMの各dNTP、10μgのBSA、および2mMの各プライマーを含
有した。混合物2(100μl)は、7.5μlのExpand緩衝液1、0.
75μLのExpand酵素混合物、および0.1μgのテンプレートDNAを
含有した。この2つの混合物を一緒にし、十分に混合して、直ちにPCRに供し
た:94℃で1分間、55℃で1分間、68℃で1分/kbの20サイクル、そ
の後、68℃での10分間の伸長。少なくとも8個の反応物からのPCR産物を
まとめ、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)
で1回抽出し、エタノール沈殿させた。PCR産物を、(JM1株およびJM5
株を構築するために)二倍体YEF473酵母に、あるいは(JM7株を構築す
るために)半数体JM5株に、標準的なプロトコルを使用して形質転換し、富化
培地(JM1株およびJM5株についてはYPD平板、そしてJM7株について
は、YP平板+2%ラフィノースおよび2%ガラクトース)に2日間置床した。
その後、平板を適切な選択培地に2日間〜3日間にわたりレプリカ置床した。選
択された形質転換体を選択培地に2回画線培養した。相同組換えによって組み込
まれた形質転換体を同定するために、PCRを、組み込まれたモジュールにアニ
ーリングする1つのプライマーと、組換えによって変化した領域の外側領域にア
ニーリングする1つのプライマーとを使用して、リチカーゼ処理によって調製さ
れたゲノムDNAに対して行った。適切なサイズのPCR産物により、相同組換
えが確認された。さらに、選択マーカーの2:2分離によってもまた、相同組換
えが確認された。
【0169】 実施例6:材料および方法 ユビキチンリガーゼ活性アッセイ ヒトE1およびマウスE2のCDC34の精製、32P−標識ユビキチンの調
製、ならびにE3リガーゼ複合体を含有するROC1/CUL1の一過性トラン
スフェクション293T細胞からの免疫精製に関する詳細な手順(図6)は添付
された論文(Tanら)に記載されている。非トランスフェクション細胞から免
疫沈降させる場合には、2μgのアフィニティー精製した抗ROC1C、抗CU
L1または抗APC11を使用した。プロテインAアガロースビーズに固定化さ
れた免疫精製ROC1/CUL1含有複合体を、50mMのTris−HCl(
pH7.4)、5mMのMgCl2、2mMのNaF、10nMのオカダ酸、2
mMのATP、0.6mMのDTT、1μgの32P−Ub、60ngのE1、
および300ngのマウスCDC34タンパク質を含有するユビキチン連結反応
混合物(30μl)に加えた。インキュベーションは、本明細書中に別途示され
ていない限り、37℃において30分間であった。その後、反応混合物を、7.
5%SDS−PAGE分析の前に、10mMのDTTを含む20μlの4XLa
emmli負荷緩衝液に加え、3分間煮沸した。
【0170】 実施例7 ROC1はすべてのカリンと直接相互作用する。 上記に記載されているようにカリンファミリーのタンパク質と相互作用する細
胞タンパク質に関する酵母ツーハイブリッドスクリーニングを使用することによ
り、ヒトHeLaのcDNAライブラリーを、マウスのカリン4Aをおとりとし
て使用してスクリーニングした。全長のマウスCUL4Aは、759アミノ酸の
タンパク質をコードし、候補の13qアンプリコン標的遺伝子として最近同定さ
れ、そして乳ガンサンプルにおいて高い割合で増幅または過剰発現するヒトCU
L4Aと96%の同一性を有する(Chenら、1998、上記)。予測される
3x106個の形質転換体がスクリーニングされた。ヒスチジン欠乏選択培地に
おいて生育する、このスクリーニングから単離された17クローンのうち、11
個は、DNA配列決定および特徴的な制限消化分析によって明らかにされるよう
に、ROC1(カリンの調節因子)と名付けられた遺伝子に対応した。ROC1
のDNA配列は、本明細書中において、配列番号1として、図2Aに示されてい
る。CUL4Aに加えて、ROC1はまた、酵母ツーハイブリッドアッセイによ
って明らかにされるように、カリン1、2および5と相互作用し得る(図1A)
。酵母細胞においてROC1と非常に弱く相互作用するカリン3は、その後、培
養された哺乳動物細胞においてROC1に結合することもまた見出された(下記
参照)。従って、ROC1は、CUL1のみと選択的に相互作用するSKP1(
MichelおよびXiong、1998(上記)、図1Aを参照のこと)とは
異なり、一般的なカリン相互作用タンパク質であると考えられる。
【0171】 哺乳動物のカリン遺伝子は、約90kDaの分子量を有する非常に関連するタ
ンパク質のファミリーをコードする。CUL1は、NH2端のタンパク質ドメイ
ンを介してSKP1と相互作用する(MichelおよびXiong、1998
(上記)を参照のこと)。カリンとROC1との特異的な相互作用を生じさせる
構造的基礎を明らかにするために、ROC1とのその相互作用に必要なCUL1
の領域をマッピングした。酵母Gal4のDNA結合ドメインと読み枠を合わせ
て融合させた、アミノ末端およびカルボキシル末端の両方からの一連のCUL1
欠失体を、酵母細胞においてROC1と相互作用するその能力について試験した
。ROC1は、CUL1のC末端の527アミノ酸残基と相互作用するが、CU
L1のN末端の249残基とは相互作用しない(図1B)。これに対して、SK
P1は、CUL1のN末端ドメインに結合する。これらの結果は、CUL1が、
少なくとも2つのドメイン、すなわち、SKP1と相互作用するためのN末端ド
メインと、ROC1と結合するためのC末端ドメインとを含有することを示して
いる。そのような構造的分離は、ROC1が、SKP1との競合的な様式でCU
L1と相互作用し得ないことを示唆している。従って、ROC1およびSKP1
は、異なる機能を行うために、CUL1との同じタンパク質複合体において共存
し得る。
【0172】 実施例8 ROC1はAPC11に関連するRINGフィンガータンパク質のファミリー
を表す。
【0173】 ROC1は、12265Dの予想される分子量を有する108アミノ酸残基の
タンパク質をコードする(図2A、配列番号2)。データベース検索により、R
OC1が、高度に進化的に保存された遺伝子として同定された。そのS.cer
evisiaeホモログ(ROC1−Sc)、S.pombeホモログ(ROC
1−Sp)および植物ホモログ(ROC1−At)は、比較された82アミノ酸
の領域にわたって、それぞれ、ヒトROC1と、67%、88%、そして驚くほ
どの98%のタンパク質配列同一性を有する(図2C)。データベース検索によ
り、ROC1に非常に関連する2つのさらなる遺伝子もまた同定された:高等真
核生物におけるROC2、およびすべての真核生物種におけるAPC11(図2
Bおよび2C)。ヒトのROC2およびAPC11は、それぞれ、85アミノ酸
(Mr.10007D)のタンパク質および84残基(Mr.9805D)のタ
ンパク質をコードする。ROC2のDNA配列は、本明細書中において、配列番
号3として、図2Bに示されている。そのアミノ酸配列は、本明細書中において
、配列番号4として、図2Bに示されている。ROC1およびROC2は、51
%のタンパク質配列全体の同一性を互いに有し、そしてAPC11と、それぞれ
、38%および35%の同一性を有する。このことは、ROC1およびROC2
が、APC11に対するよりも大きく互いに密接に関連していることを示してい
る。ROC1のように、ROC2およびAPC11の両方もまた進化時に高度に
保存されている。従って、ROC1/ROC2/APC11により、重要な細胞
機能を行うと考えられる新しいタンパク質ファミリーが規定される。
【0174】 ROC/APC11のタンパク質は、RINGフィンガーと、トリプトファン
残基が多いこととの2つの特徴的な特徴を含む。RINGフィンガードメインは
、多様な機能を有する多くの真核生物タンパク質において見出されており、タン
パク質−タンパク質相互作用を媒介していると考えられる(Borden,K.
L.およびFreemont,P.S.(1996)、Current Opi
nion in Structural Biology、6、395〜401
)。RINGフィンガータンパク質の大多数は、3個および4個のシステイン残
基が両側に隣接するヒスチジン残基(C3HC4)を有する高度に保存された構造
モチーフを含有する。注目すべきことに、すべての種に由来するROC1タンパ
ク質は、最後のシステインがアスパラギン酸残基によって置換されている(図2
C)。このタンパク質ファミリーの第2の特徴は、6個の非常に保存されたトリ
プトファン残基である。ROC1における3個のトリプトファン残基は、WD反
復に類似する酸性アミノ酸残基(Asn、GluまたはAsp)が続き、そして
タンパク質−タンパク質相互作用の媒介にも潜在的に関与していると考えられる
【0175】 APC11は、核分裂後期の開始および有糸分裂からの脱出における欠陥がそ
の機能喪失により生じた酵母APC複合体のサブユニットとして最近同定された
(Zachariaeら、1998、上記)。別のAPCサブユニットであるA
PC2が、カリンのC末端領域に対する限定された配列類似性を含むことが見出
された(上記)。出願人は本発明の何らかの理論にとらわれることを望まないが
、これらの観測結果は、ROC1およびROC2(下記参照)がともにカリンと
直接的に相互作用するという発見とともに、(1)APC11はAPC2と直接
的に相互作用し得ること、(2)ROCおよびAPC11と相互作用する領域が
、カリンタンパク質およびAPC2タンパク質における保存されたC末端部分に
存在し得ること、および(3)ROCタンパク質は、ユビキチンに依存するタン
パク質分解を調節する際に機能し得ることを示唆している。
【0176】 実施例9 ROC1とカリンのインビボでの会合 ROC1とカリンタンパク質の間の相互作用を確認するために、Saos−2
細胞を、上記に示したように、CUL1または他の個々のmyc−エピトープタ
グカリンと共に、HA−エピトープタグヒトROC1(HA−ROC1)の発現
を指示するプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞は、
35S]−メチオニンで代謝的に標識し、細胞溶解液を、抗HA、抗CUL1ま
たは抗myc抗体で相互に免疫沈降させた(図3A)。myc抗体もROC1と
交差反応せず(例えば、レーン2および3、図3A)、HA抗体もカリンと交差
反応しなかった(レーン12、図3A、およびまた図4Dのレーン6〜9)。全
5つのカリンを、HA抗体によりROC1と共沈降させた。相互免疫沈降におい
て、HA−ROC1タンパク質は、抗myc−mCUL4Aにおいてmyc抗体
により容易に検出されたが、抗myc−カリン2、3および5免疫複合体では明
らかではなかった。非タグCUL1は、mycタグカリンと類似の効率で共トラ
ンスフェクトROC1と複合体を形成し(レーン1、図3A)、mycエピトー
プタギングまたはmyc抗体の交差反応性により引き起こされ得るROC1とカ
リンタンパク質の間の任意の人為現象的結合の可能性を排除する。ROC1−カ
リン会合に加えて、実体の不明な数個の細胞タンパク質が、ROC1またはカリ
ンタンパク質(これは、他のカリンではなくCUL1が共発現される場合にHA
−ROC1と共沈降する130kDa細胞タンパク質(p130)を含む)と共
に沈降した。トランスフェクト細胞でのROC1−カリン会合は、連続的免疫沈
降およびイムノブロット(IP−ウェスタン)により確認されている。カリン1
、2、4Aおよび5は、抗HA免疫複合体において容易に検出された(データは
示していない)。
【0177】 より生理学的条件下でインビボでのROC1−カリン会合の証拠を得るために
、ROC1に特異的なウサギポリクローナル抗体を産生した。この抗体は、イン
ビトロで翻訳されたタンパク質の使用により決定したところ、ROC1およびR
OC1−CUL1複合体の両方を沈降できる(レーン1および2、図3B)。代
謝標識HeLaおよびSaos−2細胞から、抗ROC1抗体が、約14kDa
のタンパク質を沈降させた(レーン3および5)。この14kDaタンパク質は
、インビトロで産生されたROC1との共移動により、および抗原ペプチドを使
用した競合により判断したところ、ROC1に対応する(レーン4および6)。
ROC1に加えて、75ないし200kDaの多くの細胞タンパク質が、ROC
1と共沈降した。抗ROC1免疫複合体におけるこれらのタンパク質の存在は、
競合抗原ペプチドにより遮断され、これは、これらのタンパク質が、ROC1と
特異的に会合し得ることを示唆する。
【0178】 この観察により、インビボのROC1は、多くの異なるタンパク質と会合し得
ることが示唆され、結論は、全てのカリンタンパク質とのその広い相互作用と一
致する。これを直接確認するために、70ないし120kDaの分子量の数個の
タンパク質が、ROC1免疫複合体から免疫精製され(図3Bで「カリン」とし
て示す)、その配列はタンパク質ミクロシークエンスにより決定された。少なく
とも4つのカリンタンパク質が、これまでこの解析から同定され;カリン1また
はカリン2(KDVFQK、[配列番号25]ヒトCUL1の459〜464残
基に対応、データベース目録AF062536、またはヒトCUL2の428〜
433、目録Q13617)、カリン2(KIFLENHVRHLH、[配列番
号26]62〜73残基、目録Q13617)、カリン3(KDVFERYY、
425〜432残基[配列番号27]およびKVYTYVA、[配列番号28]
762〜768残基、目録AF062537)、およびカリン4Aまたは4B(
KRIESLIDRDY、[配列番号29]ヒトCUL4Aの396〜406残
基、目録Q13619、またはヒトCUL4Bの263〜273残基、目録Q1
3620)。ROC1と、これらの多くのカリンの間の会合は、0.1%SDS
を含む緩衝液による免疫複合体の洗浄により破壊されず(データは示していない
)、これは、ROC1−カリン会合は極めて安定であることを示す。
【0179】 過剰発現なくインビボでのROC1−カリン会合をさらに実証するために、H
eLa細胞溶解液を、ROC1、CUL1およびCUL2に対する抗体で免疫沈
降させ、沈降物をウェスタンブロットにより解析した。図3Cに示したように、
CUL1(レーン3)およびCUL2(レーン7)の両方が、ROC1免疫複合
体において容易に検出され、競合ROC1抗原ペプチドにより特異的に遮断され
た。相反的に、ROC1は、CUL1(レーン1)およびCUL2(レーン5)
複合体の両方で検出された(下のパネル、図3C)。IP−ウェスタンによるR
OC1と他のカリンの間の会合の実証は、現在のところ他のカリンに対する抗体
がないことから実施しなかった。
【0180】 実施例10 ROC2と、APC11と、カリンファミリータンパク質の間の選択的相互作
用 本明細書に記載した酵母二重ハイブリッドアッセイおよびインビボ結合アッセ
イを使用して、ROC2およびAPC11は、ROC1のように、カリンと相互
作用するかどうかを決定した。全長ヒトROC2またはAPC11を、酵母Ga
l4DNA活性化ドメインとインフレーム融合し、Gal4DNA結合ドメイン
に融合した個々のカリンと共に酵母細胞に共形質転換した。ROC1とほぼ同じ
ように、ROC2は、カリン1、2、4Aおよび5と強く相互作用し(図4A)
、これは、ROC2も一般的なカリン相互作用タンパク質であることを示す。対
照的に、APC11は、カリン5のみと相互作用したが、他のカリンとは相互作
用しなかった(図4B)。
【0181】 ROC2とAPC11の間のカリンとの相互作用をさらに評価するために、S
aos−2細胞を、HAタグヒトROC2(HA−ROC2)またはAPC11
(HA−APC11)の発現を指示するプラスミドで、非タグCULlまたは個
々のmycタグカリンと共にトランスフェクトした。トランスフェクト細胞を[35 S]−メチオニンで代謝標識し、細胞溶解液を、抗HA、抗CUL1または抗
myc抗体と共に免疫沈降させた(図4Cおよび4D)。トランスフェクトHA
−ROC2タンパク質は、二重線として移動する(レーン6〜10、図4C)。
myc抗体は、どの形のROC2とも相互作用しない(例えばレーン5と6を比
較)。全5つのカリンが、HA抗体によりROC2と共沈降した(レーン6〜1
0)。相反的に、ROC2(優先的にはより速く移動している形)も、カリン2
、3および4免疫複合体に検出された(レーン2〜4)。
【0182】 対照的に、およびカリン5を除いて、APC11およびカリンは、相反的沈降
における互いの相互作用は検出されなかった(レーン1〜10、図4D)。カリ
ン5は、弱いが、再現的に、APC11免疫複合体に検出された(レーン10)
。全6つの哺乳動物カリンの中で、CUL5は、カリンファミリーの最も異なる
メンバーであり、APC2と最も高い配列類似性を含む。カリンに加えて、約1
30kDaのバンドを含む数個の細胞タンパク質が、他のカリンではなくCUL
5が共発現された場合にROC2複合体に検出された(図4C、レーン5および
10)。p130は、CUL5およびROC1(図3Aのレーン11)またはA
PC11(図4Dのレーン10)で共トランスフェクトした細胞では検出されな
かった。このROC2−CUL5会合p130が、ROC1―CUL1―会合p
130に関連しているかどうか(図3A、レーン7)、そして、これらのタンパ
ク質がカリン−ROC複合体で果たし得る機能的役割は決定されていない。カリ
ン2、3および4免疫複合体は、APC11ではなく、ROC2で共トランスフ
ェクトした細胞から沈降した場合に、約17kDaの細胞タンパク質を含んだ。
この17kDaのポリペプチドの存在は、ROC2をほとんど含まない、CUL
1またはCUL5免疫複合体では明らかでなく、これは、カリン2〜4とのその
会合は、ROC2とのカリンの会合と関連するか、そして、実際にそれに依存し
得るか、またはそれにより促進され得ることを示唆する。
【0183】 実施例11 ROC1およびROC2はAPC2と相互作用しない APC11を、カリンに限定された配列類似性を含む、別のAPCサブユニッ
トであるAPC2と共精製した(Zachariaeら、1998;Yuら、1
998a、上記)。二重ハイブリッドアッセイにより試験すると、APC11は
、酵母細胞でAPC2と相互作用したが、ROC1もROC2も相互作用しなか
った(図4E)。哺乳動物細胞での、APC2と、これらの3つの密接に関連し
たRINGフィンガータンパク質の間の相互作用を評価するために、HeLa細
胞を、HA−エピトープタグROC1、ROC2またはAPC11と共に、my
cエピトープタグAPC2の発現を指示するプラスミドでトランスフェクトし、
そのそれぞれの結合をインビボで決定した。酵母二重ハイブリッドアッセイと一
致して、APC2およびAPC11は、相反的に、それぞれ、APC11および
APC2免疫複合体で検出された(データは示していない)。弱い結合が、相反
的に発現されたROC1とAPC2の間に検出されたが、過剰産生の場合でさえ
、ROC2は、APC2と相互作用するとは認められなかった(データは示して
いない)。
【0184】 実施例12 ROC1pタンパク質の減少は、cdc53−、cdc34−、およびcdc
4−類似表現型を引き起こす 酵母ゲノムは、1つのROC遺伝子であるSc−ROC1(ORF YOL1
33w)を含み、これは、ヒトROC1と65%の配列同一性を共有し(図2C
)、ROCファミリータンパク質のインビボでの機能を決定するための、より簡
単でより遺伝子的に容易なシステムを提供する。ScROC1遺伝子を、カナマ
イシン耐性モジュールでそれと置換することにより欠失させた結果をPCR相同
的組換えにより決定した。1コピーのScROC1を二倍体で置換し、ヘテロ接
合性酵母を、胞子形成および四分染色体解体にかけた(図5A)。2:2の分離
が、完全培地上で解体された20個の四分染色体中19個に観察され、全ての生
存可能なコロニーを、選択培地上にレプリカプレーティングした場合にカナマイ
シン感受性であった(データは示していない)。生存不可能な胞子の顕微鏡検査
時に、発芽およびミクロコロニーを形成する細胞分裂の数の限定が観察され、R
OC1pの「母体」供給を反映する。従って、ScROC1は、酵母生存に必須
な遺伝子のようである。
【0185】 ScROC1は、ガラクトース誘導性のグルコース抑制GAL1プロモーター
の制御下にある条件酵母株を創製した。HA3タグを、ScROC1遺伝子とイ
ンフレーム融合し、ROC1タンパク質発現レベルをモニタリングした。形質転
換体を胞子形成させ、解体し(2:2の分離が観察された)、GAL−HA3−
ScRCO1を含むハプロイド酵母を単離し、PCR解析(データは示していな
い)およびタンパク質発現により確認した(図5C)。GAL1プロモーターか
らの、高い発現レベルのHA3−ROC1p(図5B)または非タグROC1p
(データは示していない)は、酵母増殖に検出可能な効果を及ぼさなかった。グ
ルコースに切り換えた後のScROC1発現の抑止により、ROC1pタンパク
質は迅速に減少し(図5C)、これは、過剰発現ROC1pは短い半減期(〜t1/2 <20分間)を有する不安定なタンパク質であることを示唆する。しかし、
グルコースの存在下での酵母細胞の長期培養は、全てのROC1タンパク質を完
全に除去しなかった。僅かに検出可能な量のROC1pが、グルコースの存在下
で培養した場合に24時間まで発現され、これは、ROC1pは、おそらくGA
L1プロモーターの漏出の結果として、低いレベルで連続的に発現され得ること
を示す(図5C)。ScROC1発現の減少により、酵母は、9時間後に変異表
現型を示し始め、24時間までに1つの核を含む、複数の伸長した発芽した酵母
個体群が蓄積した(図5B)。
【0186】 ROC1p欠失誘導表現型は、CDC53、CDC4、およびCDC34遺伝
子の温度感受性変異により引き起こされた表現型と区別できない(Mathia
sら、1996、上記)。この結果により、ScROC1遺伝子は、CDK阻害
剤p40Sic1pなどの細胞周期G1期中のユビキチンにより媒介されるタン
パク質のタンパク質分解の制御において、これらの遺伝子と同じ経路に関与する
ことが示唆される。この結論を支持する証拠を提供するために、酵母ROC/A
PC11ファミリーは、そのヒト相同体のように、酵母カリン/CDC53ファ
ミリーと直接相互作用し得るかどうかを酵母二重ハイブリッド系により決定した
。酵母ゲノムは、4つのカリンメンバー、CDC53、CUL−B(ORF Y
GR003w)、CUL−C(ORF YJL047c)およびAPC2を含む
。各遺伝子を、Gal4DNA結合ドメインとインフレーム融合し、GAL4活
性化ドメインとインフレーム融合したScROC1またはScAPC11と共形
質転換した。ScAPC2は、エサ(bait)として自己活性化し、GAL4
活性化ドメインとインフレーム融合し、DNA結合ドメインとインフレーム融合
したScROC1を用いて試験した。ScROC1は、ヒスチジンレポーター遺
伝子の活性化により決定したところ、最も隔たって関連したAPC2を含む、全
4つの酵母カリン遺伝子と相互作用した。これに対し、ScAPC11はCUL
−Cのみと弱く相互作用したが、CDC53またはCUL−Bとは相互作用しな
かった(図5D)。ScAPC11とScAPC2の相互作用は、両方がエサ(
bait)として自己活性化しているために試験できなかった。従って、ヒトR
OCタンパク質と同様、酵母ROC1も、カリンファミリータンパク質の全ての
メンバーと共通して相互作用する。
【0187】 実施例13 ROC1p欠損の機能的救出 ROC1pの欠失により誘導された条件表現型を利用して、ROCファミリー
タンパク質の機能的保存および特異性を決定した。ROC1p欠失により受ける
多出芽表現型は、酵母ROC1の発現により完全に救出できるが、ベクター対照
では救出できず(図5E)、これは、ROC1pのレベルは、多出芽表現型を引
き起こす律速因子であることを確認する。ヒトROC1およびROC2の両方の
異所性発現も、ScROC1p欠失の表現型を救出したが、表現型を依然として
示している少数の細胞により実証されたところ、酵母ROC1よりも効率的では
なかった。これは、ROC遺伝子ファミリーの進化的保存を示し、ユビキチン媒
介タンパク質分解におけるヒトROC1の機能を支持するインビボでの証拠を提
供する。一方、酵母APC11の異所的発現は、ROC1pのレベルの減少によ
り引き起こされた表現型を救出せず(図5E)、これは、ROC/APC11フ
ァミリーのメンバー間の機能的特異性を実証する。
【0188】 実施例14 ROC1pは、SIC1p分解に必要である ScROC1がタンパク質分解の調節に役割を果たしているかどうかについて
の決定は、ROC1p欠失細胞とcdc53変異細胞の間の表現型類似性および
ScROC1とCDC53の相互作用に基づいた。CDC53経路の重要な基質
は、G1 CDK阻害剤のp40Siclpであり、これは酵母SCFによるユ
ビキチン媒介分解に標的化される(Skowyraら、1997;Feldma
nら、1997、上記)。Sic1pは、ScROC1pの欠失した酵母で安定
化されるかどうかを決定するために、酵母株を、PCR相同的組換えにより創製
し、ここでGAL−HA3−ScROC1酵母のSIC1遺伝子はHA3でタグ
されたエピトープであった。レベルの低下したROC1pを発現しているが、依
然として野生型表現型を示している、低濃度のガラクトース(0.05%プラス
2%ラフィノース)中で増殖した酵母細胞を、ROC1pの発現を欠失させるた
めに、様々な期間の間、グルコース培地に切り換えた。多出芽表現型の外見は、
顕微鏡検査により確認された。全細胞溶解液を、各時間点から集めたサンプルか
ら調製し、ウェスタン解析にかけた。ROC1pタンパク質は欠失し、9時間の
時点でグルコース培地中で培養した後にほぼ検出不可能となった(データは示し
ていない)。複数の伸長した芽の外見と緊密に関連して、Sic1タンパク質が
、グルコース中14時間培養後に蓄積し、実験期間中、高いレベルで維持した(
図5F)。抗アクチン抗体を使用して、様々な時間点の、等価なタンパク質添加
を確認した(図5F)。これらの結果は、ROC1が、ユビキチン媒介タンパク
質分解に機能するというインビボの証拠を提供する。
【0189】 実施例15 ROC1は、カリンユビキチンリガーゼ活性の重要なサブユニットである CDC53は、ヒトCUL1の最も近い酵母相同体であるが、これは昆虫細胞
で、E2CDC34、SKP1およびFボックスタンパク質(SCF複合体)と
、機能的E3ユビキチンリガーゼ複合体に会合し、リン酸化基質のユビキチン化
を触媒する(Skowyraら、1997;Feldmanら、1997、上記
)。しかし、昆虫細胞に会合した、ヒトCUL1、SKP1およびSKP2を含
むタンパク質複合体は、ほとんどユビキチンリガーゼ活性を含まないことが判明
したが、HeLa細胞溶解液とインキュベートした後に活性になり(Lyapi
naら、1998、上記)、追加の律速成分(群)がカリン依存性ユビキチンリ
ガーゼ活性に必要である可能性が生じる。ROC1が、ユビキチンリガーゼ活性
のサブユニットとして生化学的に機能し得るかを決定するために、ROC1およ
びCUL1免疫複合体のユビキチンライゲーション活性を解析した。293T細
胞を、HAエピトープタグROC1(HA−ROC1)およびカリン1を発現す
るプラスミドDNAで一過性にトランスフェクトし、ROC1−CUL1複合体
を、抗HA抗体を使用した免疫沈降により回収した。機能的ROC1−およびカ
リン−1会合ユビキチンリガーゼ複合体の回収を容易にするために、以前にCU
L1と相互作用することが実証されている、F−ボックスタンパク質SKP2を
、トランスフェクションに含めた。CUL1とSKP2の結合を媒介するSKP
1は、細胞で高レベルで発現され、トランスフェクションに含まれなかった。R
OC1およびCUL1のユビキチンリガーゼ活性を、プロテインAアガロースビ
ーズ上に固定したHA−ROC1−CUL1免疫複合体を、精製ヒトE1、マウ
スE2CDC34、ATPおよび32P標識油ユビキチン(Ub)と共にインキュ
ベートすることにより測定した。インキュベート後、反応を、SDSおよび還元
剤の存在下でサンプルを煮沸することにより終結し、混合物をSDS−PAGE
、次いでオートラジオグラフィーにより分解した。32P−Ubの、ユビキチン化
タンパク質の特徴である共有結合高分子量スメアへの取込みにより可視化した、
明らかで時間経過依存的ユビキチンライゲーションが、E1およびE2 CDC
34の両方をHA−ROC1/CUL1/SKP2免疫複合体に加えた場合には
検出されたが(レーン1、レーン4〜9、図6A)、E1(レーン2)もE2(
レーン3)も削除された場合には検出されず、これは、E1およびE2依存的ユ
ビキチンライゲーションを示す。対照として、HAタグタンパク質を用いずにト
ランスフェクトした細胞から得られた抗HA沈降物は、E1またはE2連結モノ
ユビキチンコンジュゲートのみを示した(レーン5および8、図6B)。観察さ
れたタンパク質ラダーは、1つの32P−Ub(組換えタンパク質の形で〜12
kDa)の増加を反映し、これはユビキチン化反応の特徴である。反応混合物の
DTT、SDSおよび煮沸による処理により、Ub−E1(32P−Ub−E1
として示す、図6)およびUb−CDC34(32P−Ub−CDC34として
示す)コンジュゲートを有意に減少したが、完全に消失できなかった。外来性基
質タンパク質は全く反応液に加えなかった。それ故、高分子量ユビキチン化タン
パク質の蓄積は、HA−ROC1複合体と共沈降したSKP2−標的化基質(群
)のユビキチン化またはユビキチンタンパク質のライゲーションから生じ得る。
ユビキチン化反応からの分子量増加の注意深い観察により、ROC1−CUL1
複合体は、基質に独立的なユビキチンライゲーションを触媒でき、全てではなく
ても大半の高分子量が、付着した基質を有さない一連のユビキチン分子からなる
ポリユビキチン鎖に対応することが示される(データは示していない)。
【0190】 HA−ROC1免疫複合体でのユビキチンリガーゼ活性に対する個々のタンパ
ク質の寄与を決定するために、一連の「ドロップアウト」トランスフェクション
を実施した。基質タンパク質(群)をCUL1におそらくもたらすF−ボックス
タンパク質のSKP2の削除により、ユビキチンリガーゼ活性は僅かしか減少し
なかった(レーン2と3を比較、図6B)。HA−ROC1複合体のユビキチン
リガーゼ活性に対する、トランスフェクトSKP2のこのような必須ではない役
割は、一部には、293細胞での内因性SKP2の存在に起因し得るか(Zha
ng,Hら(1995)Cell 82、915〜925)、または、ユビキチ
ン分子の基質独立的ライゲーションを示す。しかし、CUL1の削除は、ROC
1免疫複合体のユビキチンリガーゼ活性を重度に低下させた(レーン4)。相反
的に、CUL1複合体からのROC1の削除は、ROC1複合体からのCUL1
の削除のように、ユビキチンリガーゼ活性を有意に低下させた(レーン6と7を
比較)。ROC1での共トランスフェクションを実施しなければCUL1免疫複
合体のリガーゼ活性レベルは低く、内因性ROC1タンパク質から生じるようで
ある。これらの結果により、両方のタンパク質の発現時のROC1−およびCU
L1−関連ユビキチンリガーゼ活性の内部依存性が示され、これは、ROC1お
よびCULlはE3ユビキチンリガーゼの内部分として作用することを示唆する
【0191】 実施例16 ROC1およびCUL1のインビボでのユビキチンリガーゼ活性 ROC1関連ユビキチンリガーゼ活性をインビボで直接実証するために、29
3TまたはHeLa細胞からのROC1およびCUL1複合体を、タンパク質に
特異的なアフィニティ精製抗体を使用して免疫沈降し、ユビキチンライゲーショ
ンを触媒する能力についてアッセイした(図6C)。トランスフェクト細胞から
沈降したHA−ROC1免疫複合体のように、HeLa(レーン3)および29
3T細胞(レーン7)の両方から得られたROC1免疫複合体は、E1(レーン
1)およびE2 CDC34(レーン2)依存的に、高分子量への32P標識ユビ
キチンの取り込みを活発に触媒した。同様に、CUL1複合体はまた、高レベル
のユビキチンリガーゼ活性を示した(レーン6)。これに対し、抗APC11複
合体は、E1およびE2 CDC34(レーン5)と同様にインキュベートした
場合に、バックグラウンドレベルのリガーゼ活性しか示さなかった。抗APC1
1抗体は、APC11、並びに、APC複合体の他の成分に対応するようである
、多くの追加の細胞タンパク質を沈降できることが実証された(データは示して
いない)。これらの結果は、CUL1−ROC1二量体複合体の触媒的役割を実
証したインビトロの生化学的解析と共に(Tanら、添付論文)、ROC1が、
カリン関連ユビキチンリガーゼの必須サブユニットであることを示す。
【0192】 実施例17 実験結果の要約 本明細書に提供した4系列の証拠により、ROCファミリータンパク質が、カ
リンユビキチンリガーゼの必須サブユニットとして機能することが実証される。
第一に、ROC1およびROC2は両方共、インビトロおよびインビボの両方で
数個の異なるアッセイにより決定したところ、我々が調べた5つ全ての哺乳動物
カリンと直接相互作用する(図1および3)。慣用的な生化学的精製により、C
UL1ユビキチンリガーゼ活性の化学両論的関連サブユニットとしてROC1を
さらに同定した(Tanら、添付論文)。この二成分相互作用の一般性をさらに
強調するのは、カリン関連タンパク質のAPC2とROC相同タンパク質のAP
Cとの間のAPC E3リガーゼの平行的関連である(図4)。同定された12
個以上のサブユニットの中で、ROC/APC11およびカリン/APC2が、
APCとSCF複合体の間に共通な僅か2つのタンパク質である。
【0193】 第二に、上記に示した実施例は、ROC1が、インビボでカリン機能に必須で
あることを実証する。酵母ROC1は、その欠失により、cdc53、cdc3
4およびcdc4変異により引き起こされたものから識別不可能な複数の伸長し
た芽の表現型が生じ、cdc53、cdc34およびcdc4変異体のようなC
DK阻害剤Sic1の蓄積をもたらす、必須遺伝子である。同様に、ROC関連
APC11は、APC機能の必須サブユニットであることが示された。酵母での
APC11機能の消失により、APC基質は蓄積し、分裂中期停止を引き起こし
た(Zachariaeら、1998、上記)。
【0194】 第三に、上記の実施例により、ROC1は、カリンユビキチンリガーゼの必須
サブユニットであることが示される。インビボから沈降したROC1およびカリ
ン1免疫複合体は、ユビキチンのライゲーションを触媒し、ポリユビキチン鎖を
形成した。ROC1の削除により、CUL1免疫複合体からのユビキチンリガー
ゼ活性は劇的に減少した(図6)。
【0195】 最後に、E1およびE2に特に依存的なインビトロROC1およびCUL1ユ
ビキチンリガーゼ活性が復元された(Tanら、添付論文)。
【0196】 本明細書に示した知見の1つの分枝は、APC11(ROC1相同体)および
APC2(カリンに相同)は、APCにおけるリガーゼであるということである
。細胞周期の分裂中期中のユビキチン媒介タンパク質分解に関する徹底的な研究
により、大半の分裂中期調節タンパク質を分解するのに必要な1つの主要なE3
ユビキチンリガーゼとしてAPCが同定された。近年、酵母CDC53は、S期
移行を調節する主要なE3リガーゼ活性として同定された。大半のカリンのイン
ビボ機能は依然として決定されていないが、細胞周期制御に関連していない他の
機能も実施し得る。APCおよびSCF複合体の両方のユビキチンリガーゼコア
は構造的類似性を共有しているが、1つはAPC11およびAPC2を含み、他
はCUL1およびROC1を含み、2つのリガーゼは明らかな特異性を示す。両
方のROCタンパク質が共通して全てのカリンと相互作用するが、APC11は
特異的にAPC2と相互作用する。この特異性への機能的支持は、ヒトROC1
およびROC2の両方が、酵母ROC1の欠失により引き起こされた表現型を機
能的に救出できるが、酵母APC11はできないという知見に由来する(図5)
。従って、ROC−カリンおよびAPC11−APC2は、それぞれ、分裂間期
および分裂中期中に別々に機能する。さらに、高等真核生物には2つの異なるR
OCタンパク質が存在し、両方が、カリンファミリーの全メンバーと直接相互作
用できる。異なるカリンとのその組合せ的相互作用は、潜在的に大量のユビキチ
ンリガーゼを示し、各々が、SCFおよびAPC複合体の場合のような特異的細
胞経路に関与し得、おそらく分裂間期調節の複雑性を反映する。
【0197】 前記は本発明の説明であり、それを限定するものとは捉えない。本発明は、以
下の特許請求の範囲により定義され、その特許請求の範囲の均等物が本明細書に
含まれる。
【0198】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Xiong, Yue Ohta, Tomohiko <120> Isolation of ROC1 and ROC2 <130> 13-573 <140> PCT/US00/08592 <141> 2000-03-31 <150> US 60/127,261 <151> 1999-03-31 <150> US 60/166,927 <151> 1999-11-22 <160> 41 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 327 <212> DNA <213> Homo sapiens <221> CDS <222> (1)..(327) <400> 1 atg gcg gca gcg atg gat gtg gat acc ccg agc ggc acc aac agc ggc 48 Met Ala Ala Ala Met Asp Val Asp Thr Pro Ser Gly Thr Asn Ser Gly 1 5 10 15 gcg ggc aag aag cgc ttt gaa gtg aaa aag tgg aat gca gta gcc ctc 96 Ala Gly Lys Lys Arg Phe Glu Val Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Leu 20 25 30 tgg gcc tgg gat att gtg gtt gat aac tgt gcc atc tgc agg aac cac 144 Trp Ala Trp Asp Ile Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His 35 40 45 att atg gat ctt tgc ata gaa tgt caa gct aac cag gcg tcc gct act 192 Ile Met Asp Leu Cys Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ser Ala Thr 50 55 60 tca gaa gag tgt act gtc gca tgg gga gtc tgt aac cat gct ttt cac 240 Ser Glu Glu Cys Thr Val Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His 65 70 75 80 ttc cac tgc atc tct cgc tgg ctc aaa aca cga cag gtg tgt cca ttg 288 Phe His Cys Ile Ser Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu 85 90 95 gac aac aga gag tgg gaa ttc caa aag tat ggg cac tag 327 Asp Asn Arg Glu Trp Glu Phe Gln Lys Tyr Gly His 100 105 <210> 2 <211> 108 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Ala Ala Ala Met Asp Val Asp Thr Pro Ser Gly Thr Asn Ser Gly 1 5 10 15 Ala Gly Lys Lys Arg Phe Glu Val Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Leu 20 25 30 Trp Ala Trp Asp Ile Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His 35 40 45 Ile Met Asp Leu Cys Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ser Ala Thr 50 55 60 Ser Glu Glu Cys Thr Val Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His 65 70 75 80 Phe His Cys Ile Ser Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu 85 90 95 Asp Asn Arg Glu Trp Glu Phe Gln Lys Tyr Gly His 100 105 <210> 3 <211> 342 <212> DNA <213> Homo sapiens <221> CDS <222> (1)..(342) <400> 3 atg gcc gac gtg gaa gac gga gag gaa acc tgc gcc ctg gcc tct cac 48 Met Ala Asp Val 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Sequence <223> Description of Artificial Sequence: PCR Primer <400> 20 acctcggtat gatttaaatg tttacgggca attcattttt gaattcgagc tcgtttaaac 60 <210> 21 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: PCR Primer <400> 21 atagacgtat gggcttcaat atgtgcaatg ttggttgcta gaattcgagc tcgtttaaac 60 <210> 22 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: PCR Primer <400> 22 catcttcatc aacatccatc ctgtcaactt cgttgctcat gcactgagca gcgtaatctg 60 <210> 23 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: PCR Primer <400> 23 caagccaaag gcattgtttc aatctaggga tcaagagcat cggatccccg ggttaattaa 60 <210> 24 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: PCR Primer <400> 24 taaaatataa tcgttccaga aacttttttt tttcatttct gaattcgagc tcgtttaaac 60 <210> 25 <211> 6 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> PEPTIDE <222> (1)..(6) <223> Partial Protein Sequence <400> 25 Lys Asp Val Phe Gln Lys 1 5 <210> 26 <211> 12 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> PEPTIDE <222> (1)..(12) <223> Partial Protein Sequence <400> 26 Lys Ile Phe Leu Glu Asn His Val Arg His Leu His 1 5 10 <210> 27 <211> 8 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> PEPTIDE <222> (1)..(8) <223> Partial Protein Sequence <400> 27 Lys Asp Val Phe Glu Arg Tyr Tyr 1 5 <210> 28 <211> 7 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> PEPTIDE <222> (1)..(7) <223> Partial Protein Sequence <400> 28 Lys Val Tyr Thr Tyr Val Ala 1 5 <210> 29 <211> 11 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> PEPTIDE <222> (1)..(11) <223> Partial Protein Sequence <400> 29 Lys Arg Ile Glu Ser Leu Ile Asp Arg Asp Tyr 1 5 10 <210> 30 <211> 82 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 30 Phe Glu Val Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Leu Trp Ala Trp Asp Ile 1 5 10 15 Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Asp Leu Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ser Ala Thr Ser Glu Glu Cys Thr 35 40 45 Val Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His Phe His Cys Ile Ser 50 55 60 Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu Asp Asn Arg Glu Trp 65 70 75 80 Glu Phe <210> 31 <211> 82 <212> PRT <213> Drosophila melanogaster <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 31 Phe Glu Val Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Leu Trp Ala Trp Asp Ile 1 5 10 15 Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Asp Leu Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ser Ala Thr Ser Glu Glu Cys Thr 35 40 45 Val Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His Phe His Cys Ile Ser 50 55 60 Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu Asp Asn Arg Glu Tyr 65 70 75 80 Asp Phe <210> 32 <211> 82 <212> PRT <213> Caenorhabditis elegans <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 32 Phe Glu Val Lys Lys Trp Ser Ala Val Ala Leu Trp Ala Trp Asp Ile 1 5 10 15 Gln Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Asp Leu Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ala Gly Leu Lys Asp Glu Cys Thr 35 40 45 Val Ala Trp Gly Asn Cys Asn His Ala Phe His Phe His Cys Ile Ser 50 55 60 Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu Asp Asn Arg Glu Trp 65 70 75 80 Glu Phe <210> 33 <211> 82 <212> PRT <213> Arabidopsis thaliana <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 33 Phe Glu Ile Lys Lys Trp Ser Ala Val Ala Leu Trp Ala Trp Asp Ile 1 5 10 15 Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Asp Leu Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Ala Asn Gln Ala Ser Ala Thr Ser Glu Glu Cys Thr 35 40 45 Val Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His Phe His Cys Ile Ser 50 55 60 Arg Trp Leu Lys Thr Arg Gln Val Cys Pro Leu Asp Asn Ser Glu Trp 65 70 75 80 Glu Phe <210> 34 <211> 82 <212> PRT <213> Schizosaccharomyces pombe <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 34 Phe Glu Ile Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Leu Trp Gln Trp Asp Ile 1 5 10 15 Val Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Asp Leu Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Ala Asn Thr Asp Ser Ala Ala Ala Gln Glu Cys Thr 35 40 45 Val Ala Trp Gly Thr Cys Asn His Ala Phe His Phe His Cys Ile Ser 50 55 60 Arg Trp Leu Asn Thr Arg Asn Val Cys Pro Leu Asp Asn Arg Glu Trp 65 70 75 80 Glu Phe <210> 35 <211> 82 <212> PRT <213> Saccharomyces cerevisiae <221> SIMILAR <222> (1)..(82) <223> Partial Protein Sequence <400> 35 Phe Glu Ile Lys Lys Trp Thr Ala Val Ala Phe Trp Ser Trp Asp Ile 1 5 10 15 Ala Val Asp Asn Cys Ala Ile Cys Arg Asn His Ile Met Glu Pro Cys 20 25 30 Ile Glu Cys Gln Pro Lys Ala Met Thr Asp Thr Asp Asn Glu Cys Val 35 40 45 Ala Ala Trp Gly Val Cys Asn His Ala Phe His Leu His Cys Ile Asn 50 55 60 Lys Trp Ile Lys Thr Arg Asp Ala Cys Pro Leu Asp Asn Gln Pro Trp 65 70 75 80 Gln Leu <210> 36 <211> 79 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> SIMILAR <222> (1)..(79) <223> Partial Protein Sequence <400> 36 Phe Ser Leu Lys Lys Trp Asn Ala Val Ala Met Trp Ser Trp Asp Val 1 5 10 15 Glu Cys Asp Thr Cys Ala Ile Cys Arg Val Gln Val Met Asp Ala Cys 20 25 30 Leu Arg Cys Gln Ala Glu Asn Lys Gln Glu Asp Cys Val Val Val Trp 35 40 45 Gly Glu Cys Asn His Ser Phe His Asn Cys Cys Met Ser Leu Trp Val 50 55 60 Lys Gln Asn Asn Arg Cys Pro Leu Cys Gln Gln Asp Trp Val Val 65 70 75 <210> 37 <211> 78 <212> PRT <213> Caenorhabditis elegans <221> SIMILAR <222> (1)..(78) <223> Partial Protein Sequence <400> 37 Phe Val Leu Lys Lys Trp Asn Ala Leu Ala Val Trp Ala Trp Asp Val 1 5 10 15 Glu Cys Asp Thr Cys Ala Ile Cys Arg Val His Leu Met Glu Glu Cys 20 25 30 Leu Arg Cys Gln Ser Glu Pro Ser Ala Glu Cys Tyr Val Val Trp Gly 35 40 45 Asp Cys Asn His Ser Phe His His Cys Cys Met Thr Gln Trp Ile Arg 50 55 60 Gln Asn Asn Arg Cys Pro Leu Cys Gln Lys Asp Trp Val Val 65 70 75 <210> 38 <211> 80 <212> PRT <213> Homo sapiens <221> SIMILAR <222> (1)..(80) <223> Partial Protein Sequence <400> 38 Val Lys Ile Lys Cys Trp Asn Gly Val Ala Thr Trp Leu Trp Val Ala 1 5 10 15 Asn Asp Glu Asn Cys Gly Ile Cys Arg Met Ala Phe Asn Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Asp Cys Lys Val Pro Gly Asp Asp Cys Pro Leu Val Trp Gly Gln 35 40 45 Cys Ser His Cys Phe His Met His Cys Ile Leu Lys Trp Leu His Ala 50 55 60 Gln Gln Val Gln Gln His Cys Pro Met Cys Arg Gln Glu Trp Lys Phe 65 70 75 80 <210> 39 <211> 80 <212> PRT <213> Drosophila melanogaster <221> SIMILAR <222> (1)..(80) <223> Partial Protein Sequence <400> 39 Val Thr Ile Lys Ser Trp Thr Gly Val Ala Thr Trp Arg Trp Ile Ala 1 5 10 15 Asn Asp Glu Asn Cys Gly Ile Cys Arg Met Ser Phe Glu Ser Thr Cys 20 25 30 Pro Glu Cys Ala Leu Pro Gly Asp Asp Cys Pro Leu Val Trp Gly Val 35 40 45 Cys Ser His Cys Phe His Met His Cys Ile Val Lys Trp Leu Asn Leu 50 55 60 Gln Pro Leu Asn Lys Gln Cys Pro Met Cys Arg Gln Ser Trp Lys Phe 65 70 75 80 <210> 40 <211> 74 <212> PRT <213> Caenorhabditis elegans <221> SIMILAR <222> (1)..(74) <223> Partial Protein Sequence <400> 40 Ile Thr Val Lys Lys Leu His Val Cys Gly Glu Trp Lys Trp Leu Asp 1 5 10 15 Thr Cys Gly Ile Cys Arg Met Glu Phe Glu Ser Ala Cys Asn Met Cys 20 25 30 Lys Phe Pro Gly Asp Asp Cys Pro Leu Val Leu Gly Ile Cys Arg His 35 40 45 Ala Phe His Arg His Cys Ile Asp Lys Trp Ile Gln Pro Arg Ala Gln 50 55 60 Cys Pro Leu Cys Arg Gln Asp Trp Thr Ile 65 70 <210> 41 <211> 76 <212> PRT <213> Saccharomyces cerevisiae <221> SIMILAR <222> (1)..(76) <223> Partial Protein Sequence <400> 41 Val Lys Ile Asn Glu Val His Ser Val Phe Ala Trp Ser Trp Asp Val 1 5 10 15 Cys Gly Ile Cys Arg Ala Ser Tyr Asn Gly Thr Cys Pro Ser Cys Lys 20 25 30 Phe Pro Gly Asp Gln Cys Pro Leu Val Ile Gly Leu Cys His His Asn 35 40 45 Phe His Asp His Cys Ile Tyr Arg Trp Leu Asp Thr Pro Thr Ser Lys 50 55 60 Gly Leu Cys Pro Met Cys Arg Gln Thr Phe Gln Leu 65 70 75
【図面の簡単な説明】
【図1Aおよび図1B】 ROC1がカリンファミリーメンバーと相互作用することを示す図である。図
1Aに示した実験では、酵母HF7c細胞を、表示のタンパク質(Key)を発
現するプラスミドで同時形質転換し、ロイシンおよびトリプトファン(−LW)
を欠く培地にプレートしてベイト(Leu+)およびプレイ(Trp+)プラス
ミドの存在を評価するか、ロイシン、トリプトファン、およびヒスチジンを欠く
培地(−LWH)にプレートしてベイトタンパク質とプレイタンパク質との間の
相互作用をアッセイした。
【図1B】 ROC1がCUL1のC末端部分と相互作用することを示す図である。HF7
c酵母細胞を、表示のタンパク質を発現するプラスミドで同時形質転換した。タ
ンパク質−タンパク質相互作用を、本明細書中に記載のようにアッセイした。
【図2A】 ヒトROC1のヌクレオチド配列(配列番号1)およびアミノ酸配列(配列番
号2)を示す図である。先端のコドンをアスタリスクで示す。
【図2B】 ヒトROC1のヌクレオチド配列(配列番号3)およびアミノ酸配列(配列番
号4)を示す図である。先端のコドンをアスタリスクで示す。
【図2C】 以下の代表的な生物由来のタンパク質のROC/APC11ファミリーの配列
比較を示す図である:ヒト(Hs、Homo sapiens)、ショウジョウ
バエ(Dm、Drosophila melanogaster)、線虫(Ce
、Caenorhabditis elegans)、ヤナギタンポポ(At、
Arabidopsis thaliana)、分裂酵母(Sp、Schizo
saccharomyces pombe)、および発芽酵母(Sc、Sacc
haromyces cerevisiae)。全配列間で同一の残基を太字で
示す。特定の配列の角括弧中の数字は省略した挿入の長さを示す。各配列の上お
よび下の数字は、それぞれ各遺伝子中の最初のアミノ酸残基位置および各タンパ
ク質の全長を示す。
【図3A、図3B、および図3C】 ROC1のカリンとのインビボでの会合を示す図である。図3Aに示した実験
では、[35S]−メチオニン標識溶解物を、表示のタンパク質を発現するプラス
ミドでトランスフェクトしたHeLa細胞から調製した。溶解物を二等分し、表
示の抗体で免疫沈降させ、SDS−PAGEによって分離した。[35S]−メチ
オニン標識で示した実験では、in vitroトランスフェクトROC1(レ
ーン1)、ROC1とCUL1との混合物(レーン2)、またはHeLaおよび
Saos−2細胞由来の細胞溶解物を、競合ROC1抗原タンパク質と予備イン
キュベートした(+)またはしていない(−)抗ROC1抗体で免疫沈降させ、
これを、各レーンの上部に示した。数回の洗浄後、沈殿物をSDS−PAGEで
分離した。 図3Cに示した実験について、HeLa細胞から調製した全細胞溶解物を、競
合抗原ペプチドを含む(+)または含まない(−)表示の抗体で免疫沈降した。
SDS−PAGE後、タンパク質を、ニトロセルロースに移し、CUL1(レー
ン1〜4、上のパネル)、CUL2(レーン5〜8、上のパネル)、またはRO
C1(下のパネル)の抗体を使用したウェスタン分析によって分析した。
【図4A〜図4E】 ROC2およびAPC11がカリンおよびAPC2と選択的に相互作用するこ
とを示す図である。図4Aおよび図4Bに示した実験では、HF7c高母細胞を
、ヒトROC2またはヒトAPC11および種々のカリンを発現するプラスミド
で同時形質転換した。pGBT8−PCNAおよびpGADベクタープラスミド
を、陰性コントロールとして誘導させた。タンパク質−タンパク質相互作用を、
本明細書中に記載のように酵母2ハイブリッドアッセイによって同定した。図4
Cおよび図4Dは、哺乳動物細胞中でのROC2と、APC11と、カリンファ
ミリータンパク質との相互作用を示す図である。HAタグ化ROC2またはAP
C11を、CUL1またはmycタグ化したカリンタンパク質を発現するベクタ
ーのHeLa細胞へに同時トランスフェクトした。トランスフェクションから2
日後、細胞を[35S]−メチオニンで2時間パルス標識した。標識細胞から調製
した細胞溶解物を二等分し、表示の抗体で免疫沈降し、SDS−PAGEで分離
した。5つ全てのカリンタンパク質を、HA−ROC2と同時沈降させたが、C
UL−5のみはAPC11と同時沈降させた。図4Eに示す実験では、APC2
とROCまたはAPC11との間の選択的相互作用を示す。HF7c酵母細胞を
、表示のタンパク質(key)を発現するプラスミドで同時トランスフェクトし
た。タンパク質−タンパク質相互作用を、GAL4BD−APC2融合タンパク
質の低トランス活性化活性(「自己活性化」)を抑制するために5mM 3−A
Tを補足したヒスチジンを各選択培地(−LWH)を使用した酵母2ハイブリッ
ドアッセイによって同定した。
【図5A〜図5F】 酵母でのROC1の融合を示す図である。図5Aは、ScROC1が必須遺伝
子であることを示す。a+/roc1:kanR胞子形成培地由来の20個の四
分子を、示したようにYPDプレート上で分析した。
【図5B】 ScROC1pの欠失によって多出芽酵母が得られることを示す図である。G
AL−HA3−ScROC1半数体を、2%ガラクトース+2%ラフィノース(
上のパネル)または2%グルコース(下のパネル)中で24時間培養した。DN
Aを、ヘキスト色素を使用して染色した。
【図5C】 ScROC1pの欠失を示す図である。GAL−HA3−ScROC1酵母細
胞を、2%または0.05%ガラクトース+2%ラフィノースまたは2%グルコ
ース中で表示の異なる時間増殖させた。細胞溶解物をSDS−PAGEゲルで分
離し、ニトロセルロースに移し、抗HA抗体でブロットしてHA3−ROC1を
検出した。
【図5D】 ScROC1が全ての酵母カリンと相互作用することを示す図である。HF7
c細胞(his3−200、leu2−3、trp1−901、GAL4−la
cZ、GAL1−HIS3)を、表示のタンパク質(key)を発現するプラス
ミドで同時形質転換した。図1Aに記載のように、タンパク質−タンパク質相互
作用を酵母2ハイブリッドアッセイによって同定した。
【図5E】 ヒトROC1およびヒトROC2は、ScROC1−欠失に起因する多出芽表
現型をレスキューすることができることを示す図である。GAL−HA3−Sc
ROC1半数体を、pADH−414ベクター、pADH−414−ScROC
1、pADH−ScAPC11、pADH−hROC1、またはpADH−hR
OC2で形質転換した。形質転換体を、2%グルコースを含む選択プレートに画
線し、公募細胞が多出芽表現型を示すまで24時間増殖させた。細胞を、ホルム
アルデヒドで固定して写真撮影した。
【図5F】 ScROC1p欠失酵母においてSic1pが蓄積することを示す図である。
GAL−HA3−ScROC1/SIC1−HA3酵母細胞を、0.05%また
は2%グルコース中で表示の異なる時間増殖させた。細胞をSDS−PAGEゲ
ルで分離し、ニトロセルロースに移し、抗HA抗体でブロットしてSic−HA
3を検出し、抗アクチン抗体でのブロットによって作用を検出して等しいタンパ
ク質ローディングを評価した。
【図6A〜図6C】 ROC1がカリン依存性ユビキチンリガーゼアッセイを刺激することを示す図
である。図6Aは、表示のタンパク質を発現するプラスミドで一過性にトランス
フェクトしたヒト293T細胞由来の溶解物(全タンパク質の1mg)を、抗H
A抗体に結合させたプロテインAビーズと混合したことを示す図である。ビーズ
に固定したHA免疫複合体を洗浄して、精製E1、E2 CD34(別で表示し
ない場合)、32P標識ユビキチン(ub)、およびATPと混合した。37℃で
30分のインキュベーション後(特記しない場合)、ボイリングによって反応を
停止させ、SDSおよびDTT、および混合物の存在下でサンプルをSDS−P
AGEで分離し、オートラジオグラフィーを行った。図6Bは、ユビキチンリガ
ーゼ活性を表示のタンパク質の異なる組み合わせを発言するプラスミドでトラン
スフェクトした細胞由来の溶解物を使用してアッセイしたことを示す図である(
A)。図6Cは、インビボユビキチンリガーゼアッセイを示す図である。非トラ
ンスフェクトヒトHeLaまたは293T細胞由来の溶解物を、ROC1、AP
C11、またはCUL1のいずれかの抗体で免疫沈降させ、競合ペプチドを含む
(レーン4)または含まないを示した。ユビキチンリガーゼ活性を、本明細書中
に記載のようにアッセイした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 4C084 1/21 C12P 21/02 C 4H045 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 33/577 B 33/566 A61K 45/00 33/577 C12P 21/08 // A61K 45/00 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/08 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA ,ZW Fターム(参考) 2G045 BB20 DA12 DA13 DA14 DA36 FB01 FB02 FB03 FB06 FB07 4B024 AA11 BA80 CA04 CA09 CA12 CA20 DA02 DA03 DA12 EA04 GA13 HA03 HA13 HA14 4B063 QA01 QA05 QQ21 QQ43 QQ53 QQ61 QQ89 QR08 QR32 QR35 QR40 QR56 QR62 QR77 QS16 QS25 QS34 QX02 QX10 4B064 AG01 AG27 CA10 CA19 CA20 CC01 CC24 CE12 DA13 4B065 AA01X AA58X AA72X AA90X AA93X AA93Y AB01 AC14 AC20 BA02 BA05 BD14 CA24 CA46 4C084 AA16 ZC80 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 EA50 FA72 FA74 GA01 GA26

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ROC1をコードする単離ポリヌクレオチドであって、前記
    ポリヌクレオチドは、 (a)配列番号1のヌクレオチド配列を有するDNA、 (b)ストリンジェントな条件下で前記(a)のDNAとハイブリッド形成し、
    ROC1をコードするポリヌクレオチド、および (c)遺伝コードの縮重により前記(a)または(b)のDNAと異なり、前記
    (a)または(b)のDNAによってコードされるROC1をコードするポリヌ
    クレオチドからなる群から選択される単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ROC1をコードする請求項1に記載の単離ポリヌクレオチ
    ド。
  3. 【請求項3】 配列番号2として示されるアミノ酸配列を有するROC1を
    コードする請求項1に記載の単離ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号1として示されるヌクレオチド配列を有するDNA
    である請求項1に記載の単離ポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の核酸を含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の発現ベクターを含む細胞。
  7. 【請求項7】 ROC1を発現することができる請求項6に記載の発現ベク
    ターを含む細胞。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされる単
    離タンパク質。
  9. 【請求項9】 配列番号2として示されるアミノ酸配列を有する請求項1に
    記載のポリヌクレオチドによってコードされる単離タンパク質。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされる
    タンパク質に特異的に結合する抗体。
  11. 【請求項11】 前記抗体がポリクローナル抗体である請求項10に記載の
    抗体。
  12. 【請求項12】 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項10に記載の
    抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のポリヌクレオチドに相補的で、生理学的
    条件下でハイブリッド結合するために十分な長さを有するアンチセンスオリゴヌ
    クレオチド。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドをコ
    ードするDNA。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含
    む発現ベクター。
  16. 【請求項16】 配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む
    タンパク質の産生法であって、 (a)前記タンパク質の発現に適切な条件下で、ROC1をコードするポリヌク
    レオチドの少なくともフラグメントを含む発現ベクターを含む宿主細胞を培養す
    る工程と、 (b)前記宿主細胞培養からタンパク質を回収する工程とを包含する方法。
  17. 【請求項17】 生物サンプル中のROC1をコードするポリヌクレオチド
    の検出法であって、 (a)生物サンプルの核酸物質に配列番号1をコードするポリヌクレオチド配列
    の相補物をハイブリッド形成させて、ハイブリッド形成複合体を形成させる工程
    と、 (b)前記ハイブリッド形成複合体を検出する工程とを包含し、前記複合体の存
    在が生物サンプル中のROC1をコードするポリヌクレオチドの存在と一致する
    方法。
  18. 【請求項18】 ROC2をコードする単離ポリヌクレオチドであって、前
    記ポリヌクレオチドは、 (a)配列番号3のヌクレオチド配列を有するDNA、 (b)ストリンジェントな条件下で前記(a)のDNAとハイブリッド形成し、
    ROC2をコードするポリヌクレオチド、および (c)遺伝コードの縮重により前記(a)または(b)のDNAと異なり、前記
    (a)または(b)のDNAによってコードされるROC2をコードするポリヌ
    クレオチドからなる群から選択される単離ポリヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 ROC2をコードする請求項18に記載の単離ポリヌクレ
    オチド。
  20. 【請求項20】 配列番号4として示されるアミノ酸配列を有するROC2
    をコードする請求項18に記載の単離ポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 配列番号3として示されるヌクレオチド配列を有するDN
    Aである請求項18に記載の単離ポリヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 請求項18に記載の核酸を含む発現ベクター。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の発現ベクターを含む細胞。
  24. 【請求項24】 ROC1を発現することができる請求項22に記載の発現
    ベクターを含む細胞。
  25. 【請求項25】 請求項18に記載のポリヌクレオチドによってコードされ
    る単離タンパク質。
  26. 【請求項26】 配列番号4として示されるアミノ酸配列を有する請求項1
    8に記載のポリヌクレオチドによってコードされる単離タンパク質。
  27. 【請求項27】 請求項18に記載のポリヌクレオチドによってコードされ
    るタンパク質に特異的に結合する抗体。
  28. 【請求項28】 前記抗体がポリクローナル抗体である請求項27に記載の
    抗体。
  29. 【請求項29】 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項27に記載の
    抗体。
  30. 【請求項30】 請求項18に記載のポリヌクレオチドに相補的で、生理学
    的条件下でハイブリッド結合するために十分な長さを有するアンチセンスオリゴ
    ヌクレオチド。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドをコ
    ードするDNA。
  32. 【請求項32】 請求項30に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含
    む発現ベクター。
  33. 【請求項33】 配列番号4のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む
    タンパク質の産生法であって、 (a)前記タンパク質の発現に適切な条件下で、ROC2をコードするポリヌク
    レオチドの少なくともフラグメントを含む発現ベクターを含む宿主細胞を培養す
    る工程と、 (b)前記宿主細胞培養からタンパク質を回収する工程とを包含する方法。
  34. 【請求項34】 生物サンプル中のROC2をコードするポリヌクレオチド
    の検出法であって、 (a)生物サンプルの核酸物質に配列番号3をコードするポリヌクレオチド配列
    の相補物をハイブリッド形成させて、ハイブリッド形成複合体を形成させる工程
    と、 (b)前記ハイブリッド形成複合体を検出する工程とを包含し、前記複合体の存
    在が生物サンプル中のROC2をコードするポリヌクレオチドの存在と一致する
    方法。
  35. 【請求項35】 ROCタンパク質に結合することができる生物活性因子の
    スクリーニング法であって、前記方法は、 a)ROCタンパク質と候補生物活性因子とを組み合わせる工程と、 b)前記候補生物活性因子と前記ROCタンパク質との結合を同定する工程とを
    包含する方法。
  36. 【請求項36】 前記ROCタンパク質がROC1である請求項35に記載
    の方法。
  37. 【請求項37】 前記ROCタンパク質がROC2である請求項35に記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 ROCタンパク質とカリンタンパク質との結合を干渉する
    ことができる生物活性因子のスクリーニング法であって、前記方法は、 a)ROCタンパク質と、生物活性因子と、カリンタンパク質とを組み合わせる
    工程と、 b)前記ROCと前記カリンタンパク質との結合を同定する工程とを包含する方
    法。
  39. 【請求項39】 前記ROCタンパク質がROC1である請求項38に記載
    の方法。
  40. 【請求項40】 前記ROCタンパク質がROC2である請求項38に記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 前記カリンタンパク質は、カリン1、カリン2、カリン3
    、カリン4A、およびカリン5からなる群から選択される請求項38に記載の方
    法。
  42. 【請求項42】 ROCタンパク質の活性を調整することができる生物活性
    因子のスクリーニング法であって、前記方法は、 a)ROCタンパク質と候補生物活性因子とを組み合わせる工程と、 b)前記ROCタンパク質の活性に対する前記候補生物活性因子の効果を同定す
    る工程とを包含する方法。
  43. 【請求項43】 前記ROCタンパク質がROC1である請求項42に記載
    の方法。
  44. 【請求項44】 前記ROCタンパク質がROC2である請求項42に記載
    の方法。
  45. 【請求項45】 ROCタンパク質の活性を調整することができる生物活性
    因子のスクリーニング法であって、 a)ROCタンパク質をコードする組換え核酸を含む細胞に候補生物活性因子を
    添加する工程と、 b)前記細胞に対する前記候補生物活性因子の効果を同定する工程とを包含する
    方法。
  46. 【請求項46】 前記ROCタンパク質がROC1である請求項45に記載
    の方法。
  47. 【請求項47】 前記ROCタンパク質がROC2である請求項45に記載
    の方法。
  48. 【請求項48】 前記候補生物活性因子のライブラリーをROCタンパク質
    をコードする組換え核酸を含む多数の細胞に添加する請求項45に記載の方法。
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