JP2001266757A - 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Info

Publication number
JP2001266757A
JP2001266757A JP2000082182A JP2000082182A JP2001266757A JP 2001266757 A JP2001266757 A JP 2001266757A JP 2000082182 A JP2000082182 A JP 2000082182A JP 2000082182 A JP2000082182 A JP 2000082182A JP 2001266757 A JP2001266757 A JP 2001266757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
particles
phosphor film
weight
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000082182A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuji Uesugi
隆二 植杉
Yoshio Kuromitsu
祥郎 黒光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2000082182A priority Critical patent/JP2001266757A/ja
Publication of JP2001266757A publication Critical patent/JP2001266757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工数を増やすことなく、蛍光体膜中の蛍
光体粒子をより多く発光に寄与させることにより、蛍光
体膜の輝度を高める。また高価な蛍光体粉末の使用量を
減らすことにより、製造コストを低減する。 【解決手段】 蛍光体膜16は表面に無機微粒子16c
が1〜10%付着した多数の蛍光体粒子16aと、これ
らの蛍光体粒子16a間に形成された空隙16bとから
なる。この蛍光体膜16は全て蛍光体粒子16aで隙間
なく充填された場合を100%としたときに、空隙16
bが蛍光体膜16中に40〜80%の割合で形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPという)等の蛍光表示装置に
適する蛍光体膜構造と、この蛍光体膜を形成するための
ペーストと、この蛍光体膜を用いたPDPに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蛍光体膜(蛍光体層とも
いう。)構造として、図2に示すようにPDPのガラス
基板1上に所定の間隔をあけて複数のアドレス電極2を
形成し、これらのアドレス電極2を覆うようにガラス基
板1上に絶縁層3を形成し、絶縁層3上面に所定の間隔
をあけて複数のセラミックリブ4を設け、更にこれらの
リブ4の間のセル5内面に蛍光体膜6を形成したものが
知られている。この蛍光体膜を形成するには、先ず蛍光
体粉末とビヒクル(有機バインダ及び溶媒)とを所定の
割合で混合して蛍光体ペーストを調製する。次に蛍光体
ペーストを複数のセラミックリブにより区画されたセル
内面にスクリーン印刷法等により印刷し、大気中で所定
の温度で所定時間保持して乾燥する。更に大気中で所定
の温度で所定時間保持して焼成することにより、ビヒク
ルが焼失して蛍光体膜が得られる。
【0003】しかし、上記従来の蛍光体膜構造では、プ
ラズマ放電7により発生した紫外線8が蛍光体膜6表面
の蛍光体粒子6aのみに照射されるため、蛍光体膜6中
の蛍光体粒子6aが発光に寄与できず(図2において黒
く塗りつぶした蛍光体粒子6aが発光に寄与してい
る。)、輝度が比較的低いという問題があった。一方、
これらの点を解消するための技術で、本発明に近い技術
として特開平1−274354号公報に、蛍光体粒子と
アルカリ土類金属のフッ化物を混合ないし融着した組成
物を発光物質として用いることにより、発光物質の輝度
を殆ど低下させずに、発光物質の価格を著しく低減する
ことのできる発光組成物を蛍光膜に用いた紫外線励起発
光管(以下、蛍光ランプという)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平1−274354号公報に示された蛍光ランプにお
いては、励起光として水銀の発光による波長254n
m、185nmの光が用いられるが、PDPではキセノ
ンの発光による波長147nmの真空紫外光により蛍光
体を励起する。この光は蛍光体粒子に殆ど吸収され、フ
ッ化物(BaF2、SrF2等)でも透過率が低下する。
このために蛍光体膜中に侵入する紫外線量は、蛍光ラン
プ中の蛍光体膜に比べ格段に少なくなるため、発光輝度
の向上は難しいという問題点があった。本発明の目的
は、製造工数を増やすことなく、蛍光体膜中の蛍光体粒
子をより多く発光に寄与させることにより、蛍光体膜の
輝度を高め、また高価な蛍光体粉末の使用量を減らすこ
とにより、製造コストを低減できる、蛍光体膜構造、こ
の蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜
を用いたPDPを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、蛍光体膜16が表面にこの表面積に
対して無機微粒子16cが1〜10%付着した多数の蛍
光体粒子16aと、これらの蛍光体粒子16a間に形成
された空隙16bとからなり、蛍光体膜16が全て蛍光
体粒子16aで隙間なく充填された場合を100%とし
たときに、空隙16bが蛍光体膜16中に40〜80%
の割合で形成された蛍光体膜構造である。この請求項1
に記載された蛍光体膜構造では、プラズマ放電17によ
り発生した紫外線18が蛍光体粒子16aを励起し、こ
の蛍光体粒子16aが基底状態に戻るときに可視光を発
する。このとき紫外線18は蛍光体膜16表面の蛍光体
粒子16aのみならず、蛍光体膜16中の蛍光体粒子1
6aにも照射され、更に上記紫外線18が蛍光体粒子1
6a表面に付着した無機微粒子16cで乱反射するの
で、蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aも発光に寄与で
きる。この結果、発光する蛍光体粒子数が増加するため
に、高い輝度の蛍光体膜16が得られる。
【0006】上記無機微粒子としては蛍光体粒子より小
さくかつ0.1μm以下の平均粒径を有するアルミナ微
粒子又はシリカ微粒子を用いることが好ましい。また上
記蛍光体膜を形成するためのペーストは、溶媒に対して
難溶若しくは不溶であって200〜500℃で焼失しか
つ平均粒径が0.1〜20μmである0.2〜17重量
%の樹脂粉末と、10〜80重量%の蛍光体粉末と、8
0〜20重量%溶媒及びこの溶媒に可溶な樹脂とを含む
ことが好ましい。更に図1に示すように、上記蛍光体膜
16をPDPの基板11上のリブ14間のセル15内面
に形成することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、PDPのガラス
基板11上には所定の間隔をあけて複数のアドレス電極
12が形成され、これらのアドレス電極12を覆うよう
にガラス基板11上には絶縁層13が形成される。また
絶縁層13上面には所定の間隔をあけて複数のセラミッ
クリブ14が設けられ、これらのリブ14間のセル15
内面には蛍光体膜16が形成される。この蛍光体膜16
は表面に無機微粒子16cが付着した多数の蛍光体粒子
16aとこれらの蛍光体粒子16a間に形成された空隙
16bからなり、蛍光体膜16が全て蛍光体粒子16a
で隙間無く充填された場合を100%としたときに、空
隙16bが蛍光体膜16中に40〜80%、好ましくは
50〜70%の割合で形成される。
【0008】無機微粒子16cは蛍光体粒子16aより
小さい平均粒径を有する。その平均粒径は0.1μm以
下のアルミナ微粒子又はシリカ微粒子であることが好ま
しい。また無機微粒子16cは蛍光体粒子16aの表面
積に対して1〜10%、好ましくは1〜5%付着するよ
うに構成される。即ち、無機微粒子16cの平均粒径及
び平均付着数をd及びnとし、蛍光体粒子16aの表面
積をSとするとき、無機微粒子16cの蛍光体粒子16
a表面への付着率T(%)は式で示される。 T=[n×π(d/2)2/S]×100(%) … 無機微粒子16cの蛍光体粒子16a表面への付着率T
を1〜10%に限定したのは、1%未満では紫外線の無
機微粒子16cによる乱反射が効率良く行えず、10%
を越えると蛍光体粒子16aに十分な紫外線が照射され
ないからである。また空隙16bを40〜80%の範囲
に限定したのは、40%未満では、蛍光体膜16中の蛍
光体粒子16aを発光に寄与させることが困難になり、
80%を越えると、蛍光体粒子16aの量が少な過ぎる
ため蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aが発光に寄与し
ても所定の輝度が得られず、また蛍光体膜16が脆くな
って輝度が経時変化するおそれがあるからである。
【0009】このように構成された蛍光体膜の形成方法
を説明する。先ず蛍光体粉末と、無機微粉末と、熱膨張
性マイクロカプセルと、樹脂及び溶媒(溶剤+可塑剤+
分散剤))とを所定の割合で混合して蛍光体ペーストを
調製する。蛍光体粉末は15〜80重量%、好ましくは
30〜60重量%であり、無機微粉末は0.05〜5重
量%、好ましくは0.1〜1重量%であり、熱膨張性マ
イクロカプセルは0.1〜16重量%、好ましくは1〜
10重量%である。また樹脂及び溶媒は80〜20重量
%、好ましくは65〜25重量%であり、具体的には樹
脂は25〜0重量%、好ましくは10〜1重量%であ
り、溶媒は80〜7重量%、好ましくは60〜20重量
%である。
【0010】ここで、蛍光体粉末を15〜80重量%に
限定したのは、15重量%未満では蛍光体粉末が少な過
ぎるために所定の輝度が得られず、80重量%を越える
と蛍光体膜中の蛍光体粒子を発光に寄与させることが困
難となり本発明の効果が十分に得られないからである。
無機微粉末を0.05〜1重量%に限定したのは無機微
粒子の蛍光体粒子表面への付着率Tを1〜10%の範囲
内にするためである。また熱膨張性マイクロカプセルを
0.1〜16重量%に限定したのは、0.1重量%未満
では蛍光体膜中に十分な空隙を形成することができず、
16重量%を越えると蛍光体膜の強度が十分に得られな
いからである。更に樹脂及び溶媒を80〜20重量%に
限定したのは、80重量%を越えるとペーストの粘性が
低くなり過ぎ、20重量%未満では粘性が高くなり過ぎ
て、蛍光体膜を印刷法等で形成するときに所定の膜厚が
得られないからである。
【0011】樹脂はバインダとしての機能を有し、熱分
解し易く、溶剤に溶けて高粘度を有するポリマーであっ
て、セルロース系樹脂(エチルセルロース,メチルセル
ロース等),アクリル系樹脂(メチルメタクリレート,
エチルメタクリレート等),塩化ビニル樹脂,フェノー
ル樹脂などが挙げられる。溶剤としては非水系溶剤(ア
ルコール系,エーテル系,芳香族系,炭化水素系等の有
機溶剤)が挙げられ、好ましいアルコールとしはトリエ
チレングリコール,テルピネオール等が挙げられ、好ま
しいエーテルとしてはジエチルエーテル等が挙げられ
る。更に分散剤としてはリン酸系,スルフォン酸系等の
分散剤が挙げられる。なお、本明細書では上記樹脂及び
溶媒をビヒクルという場合がある。
【0012】また蛍光体粉末としては平均粒径が3〜4
μmで比重が4〜5g/cm3の赤色、青色又は緑色の
蛍光体粉末が用いられる。赤色蛍光体粉末としては
[(Y,Gd)BO3:Eu]粉末等が用いられ、青色
蛍光体粉末としては[BaMgAl1017:Eu]粉末
等が用いられ、緑色蛍光体粉末としては[Zn2Si
4:Mn]粉末や[BaAl1219:Mn]粉末等が
用いられる。また熱膨張性マイクロカプセルとしては、
例えばアクリロニトリル系ポリマーを殻壁とし低沸点炭
化水素を内包した平均粒径5〜8μmのマイクロカプセ
ル等が用いられる。更にビヒクルとしては、例えばα−
テルピネオール/エチルセルロースの重量比が95/5
の混合物等が用いられる。更に無機微粉末としては平均
粒径が0.1μm以下のアルミナ微粉末又はシリカ微粉
末が用いられる。
【0013】一方、ガラス基板上に絶縁層を介してスク
リーン印刷法、サンドブラスト法又はドライフィルム法
等により所定の間隔をあけて複数のセラミックリブを形
成する。次に蛍光体ペーストを上記ガラス基板上のセラ
ミックリブにより区画されたセル内面にスクリーン印刷
法等により印刷し、大気中で150℃に10分間保持し
て乾燥する。更に大気中で520℃に30分間保持して
焼成することにより、空隙が蛍光体膜中に40〜80%
の割合で形成された蛍光体膜が得られる。このとき熱膨
張性マイクロカプセルは乾燥時にカプセル内部の低沸点
炭化水素等の溶媒の蒸発に伴い、体積が約2〜3倍に膨
張する。またビヒクルや熱膨張性マイクロカプセル等の
樹脂成分は焼成時に焼失するため、蛍光体膜中に比較的
大きな空隙が形成されるとともに、蛍光体粒子の表面に
無機微粒子が所定の割合で付着する。
【0014】上述の形成方法以外の蛍光体膜の形成方法
を説明する。先ず、蛍光体粉末と、無機微粉末と、樹脂
微粉末と、樹脂及び溶媒(溶剤+可塑剤+分散剤)とを
所定の割合で混合して蛍光体ペーストを調製する。蛍光
体粉末は10〜80重量%、好ましくは40〜60重量
%であり、無機微粉末は0.05〜5重量%、好ましく
は0.1〜1重量%であり、樹脂微粉末は0.2〜17
重量%、好ましくは1〜10重量%である。蛍光体粉末
を10〜80重量%に限定したのは、10重量%未満で
は蛍光体粉末が少な過ぎるために所定の輝度が得られ
ず、80重量%を越えると蛍光体膜中の蛍光体粒子を発
光に寄与させることが困難となり本発明の効果が十分に
得られないからである。無機微粉末を0.05〜5重量
%に限定したのは無機微粒子の蛍光体粒子表面への付着
率Tを1〜10%の範囲内にするためである。また樹脂
微粉末を0.2〜17重量%に限定したのは、0.2重
量%未満では空隙を蛍光体膜中に40%の割合で形成す
ることが困難となり、17重量%を越えると蛍光体膜中
に空隙が80%以上形成されてしまうためである。更に
樹脂は25〜0重量%、好ましくは10〜1重量%であ
り、溶媒は80〜7重量%、好ましくは60〜20重量
%である。
【0015】上記蛍光体粉末と、無機微粉末と、樹脂及
び溶媒とは上述の形成方法と同様のものが用いられる。
また樹脂微粉末は、使用する溶剤に難溶若しくは不溶で
あって、焼失温度が200〜500℃、好ましくは20
0〜400℃であり、かつ平均粒径が1〜20μm、好
ましくは0.1〜10μmである。ここでは、樹脂微粉
末は構成元素がC(炭素),H(水素)及びO(酸素)
のみからなる樹脂により形成されることが好ましく、例
えばポリエチレン,ポリエチレンオキシド,アクリル樹
脂,メタクリル樹脂,セルロース樹脂,ポリスチレン等
が挙げられる。また樹脂微粉末の焼失温度を200〜5
00℃に限定したのは、200℃未満ではペーストの乾
燥時に樹脂微粉末が焼失してしまい、500℃を越える
と焼成時に樹脂微粉末を完全に焼失させることが困難に
なるからである。更に樹脂微粉末の平均粒径を0.1〜
20μmに限定したのは、20μmを越えると通常用い
られている蛍光体膜厚より大きな空隙が形成され、下地
の絶縁体層等が見えてしまうからである。
【0016】一方、ガラス基板11上に絶縁層13を介
してスクリーン印刷法,サンドブラスト法又はドライフ
ィルム法等により所定の間隔をあけて複数のセラミック
リブ14を形成する。次に上記ガラス基板11上のセラ
ミックリブ14により区画されたセル15内面に蛍光体
ペーストをスクリーン印刷法等により印刷し、大気中で
150℃に10分間保持して乾燥する。更に大気中で5
20℃に30分間保持して焼成することにより、空隙1
6bが蛍光体膜16中に40〜80%の割合で形成され
た蛍光体膜16が得られる。この焼成時に蛍光体粒子1
6a間に存在する樹脂微粉末は焼失するため、蛍光体膜
16中に所定の割合で空隙16bを形成することができ
るとともに、蛍光体粒子16aの表面に無機微粒子16
cが所定の割合で付着する。
【0017】このように製造された蛍光体膜構造では、
図示しない表示電極間に所定の電圧を印加すると、図1
に示すようにセル15内でプラズマ放電17が発生し、
このプラズマ放電17による紫外線18が蛍光体粒子1
6aを励起、発光(可視光)させる。このとき紫外線1
8は蛍光体膜16表面の蛍光体粒子16aだけでなく、
蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aにも照射され、更に
上記紫外線18が蛍光体粒子16a表面に付着した無機
微粒子16cで乱反射するので、蛍光体膜16中の蛍光
体粒子16aも発光に寄与できる。この結果、発光する
蛍光体粒子数が増加するために、高い輝度の蛍光体膜1
6が得られる(図1において黒く塗りつぶした蛍光体粒
子16aが発光に寄与している。)。また高価な蛍光体
粉末の使用量を減らすことができるので、製造コストを
低減できる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>蛍光体粉末を5gと、無機微粉末を30m
gと、熱膨張性マイクロカプセルを0.3gと、ビヒク
ルを4.2gとを混合して蛍光体ペーストを調製した。
蛍光体粉末としては平均粒径が3μmで比重が5.02
g/cm3の赤色蛍光体粉末[(Y,Gd)BO3:E
u]を用い、無機微粉末としては平均粒径が0.05μ
mのシリカ微粉末を用いた。また熱膨張性マイクロカプ
セルとしてはアクリロニトリル系樹脂を殻壁とし低沸点
炭化水素を内包した平均粒径5〜8μmのマイクロカプ
セルを用い、ビヒクルとしてはα−テルピネオール/エ
チルセルロースの重量比が95/5の混合物を用いた。
上記蛍光体ペーストを、1インチ角のベタスクリーン版
を用いて2インチ角のソーダライムガラス基板の上面中
央にスクリーン印刷し、150℃で10分間乾燥した
後、520℃で30分間焼成し、マイクロカプセル中の
低沸点炭化水素を蒸発させ、かつビヒクルや熱膨張性マ
イクロカプセル等の樹脂成分を焼失させて蛍光体膜を得
た。この蛍光体膜を実施例1とした。
【0019】<比較例1>蛍光体粉末を20gと、ビヒ
クルを10gとを混合して蛍光体ペーストを調製したこ
とを除いて、上記実施例1と同様にして蛍光体膜を形成
した。この蛍光体膜を比較例1とした。
【0020】<比較試験及び評価>実施例1及び比較例
1のガラス基板(表面に蛍光体膜が形成されたガラス基
板)を暗室に入れ、上記蛍光体膜に低圧水銀灯による紫
外線(波長:254nm)を照射し、蛍光体膜の輝度の
時間経過に伴う変化を測定した。その結果を表1に示
す。表1には測定開始直後の実施例1及び比較例1の輝
度をそれぞれ100としたときの値を示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、実施例1では比
較例1より輝度が12%向上した。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蛍
光体膜を、表面に無機微粒子が1〜10%付着した多数
の蛍光体粒子と、これらの蛍光体粒子間に形成された空
隙とにより構成し、蛍光体膜を全て蛍光体粒子で隙間な
く充填された場合を100%としたときに、空隙を蛍光
体膜中に40〜80%の割合で形成することにより、プ
ラズマ放電により発生した紫外線が蛍光体膜表面の蛍光
体粒子だけでなく、蛍光体膜中の蛍光体粒子にも照射さ
れ、更に上記紫外線が蛍光体粒子表面に付着した無機微
粒子で乱反射する。この結果、蛍光体膜中の蛍光体粒子
も発光に寄与できるので、高い輝度の蛍光体膜が得られ
る。また蛍光体膜中の空隙が多い分、高価な蛍光体粉末
の使用量を減らすことができるので、製造コストを低減
できる。
【0024】また上記無機微粒子として、蛍光体粒子よ
り小さくかつ0.1μm以下の平均粒径を有するアルミ
ナ微粒子又はシリカ微粒子を用いれば、上記効果を顕著
に奏することができる。更に溶媒に対して難溶若しくは
不溶であって200〜500℃で焼失しかつ平均粒径が
0.1〜20μmである0.2〜17重量%の樹脂粉末
と、10〜80重量%の蛍光体粉末と、80〜20重量
%溶媒及びこの溶媒に可溶な樹脂とを含むペーストを用
いて、蛍光体膜を形成すれば、蛍光体膜を形成する作業
性を向上でき、製造コストを更に低減することができ
る。特に上記蛍光体膜をPDP等の蛍光表示装置の基板
上のリブ間のセル内面に形成すれば、PDP等の蛍光表
示装置を容易かつ簡便に作製でき、関連の技術分野にお
いて大いに貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の蛍光体膜構造を示すPDPの
要部断面構成図。
【図2】従来の蛍光体膜構造を示す図1に対応するPD
Pの要部断面構成図。
【符号の説明】
16 蛍光体膜 16a 蛍光体粒子 16b 空隙 16c 無機微粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体膜(16)が表面にこの表面積に対し
    て無機微粒子(16c)が1〜10%付着した多数の蛍光体
    粒子(16a)と、これらの蛍光体粒子(16a)間に形成された
    空隙(16b)とからなり、 前記蛍光体膜(16)が全て前記蛍光体粒子(16a)で隙間な
    く充填された場合を100%としたときに、前記空隙(1
    6b)が前記蛍光体膜(16)中に40〜80%の割合で形成
    された蛍光体膜構造。
  2. 【請求項2】 無機微粒子が蛍光体粒子より小さくかつ
    0.1μm以下の平均粒径を有するアルミナ微粒子又は
    シリカ微粒子である請求項1記載の蛍光体膜構造。
  3. 【請求項3】 溶媒に対して難溶若しくは不溶であって
    200〜500℃で焼失しかつ平均粒径が0.1〜20
    μmである0.2〜17重量%の樹脂粉末と、10〜8
    0重量%の前記蛍光体粉末と、80〜20重量%溶媒及
    びこの溶媒に可溶な樹脂とを含む蛍光体膜を形成するた
    めのペースト。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の蛍光体膜が基板上
    の隔壁間のセル内面に形成されたプラズマディスプレイ
    パネル。
JP2000082182A 2000-03-23 2000-03-23 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル Pending JP2001266757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000082182A JP2001266757A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000082182A JP2001266757A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001266757A true JP2001266757A (ja) 2001-09-28

Family

ID=18599017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000082182A Pending JP2001266757A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001266757A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180042A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高輝度蛍光体層

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180042A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高輝度蛍光体層
EP1215266A3 (en) * 2000-12-13 2004-01-07 Sumitomo Chemical Company, Limited High-luminance phosphor layer
US6922013B2 (en) 2000-12-13 2005-07-26 Sumitomo Chemical Company, Limited High voidage phosphor layer and vacuum UV excited light emitting element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001316664A (ja) ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP2004363084A (ja) プラズマディスプレーパネルの隔壁及びその製造方法
KR101370181B1 (ko) 형광체 페이스트 및 디스플레이의 제조 방법
JP2000243302A (ja) 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル
JP3977551B2 (ja) 真空紫外線用蛍光体、蛍光体ペースト組成物及び真空紫外線励起発光素子
JP2000034478A (ja) 真空紫外線用蛍光体、その製造方法、蛍光体ペースト組成物及び真空紫外線発光素子
JP5272332B2 (ja) 蛍光体ペーストおよびディスプレイの製造方法
KR100780583B1 (ko) 발광소자용 형광체의 제조방법
JP4540799B2 (ja) 蛍光体ペーストおよびプラズマディスプレイ背面板用部材の製造方法
KR100808912B1 (ko) 형광체 페이스트 조성물의 제조방법, 형광체 페이스트조성물 및 진공자외선 여기 발광소자
JP4763685B2 (ja) 表示装置及び緑色蛍光体
JP2005302548A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2001266757A (ja) 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル
JP2002180041A (ja) 蛍光性粒子
KR100795832B1 (ko) 막 형성용 조성물, 이를 이용하여 제조된 형광램프 및 이의제조방법
KR100421214B1 (ko) 플라즈마디스플레이패널의형광체페이스트및그제조방법
JP2001011437A (ja) 蛍光体の製造方法及びプラズマディスプレイパネル
JP2000294130A (ja) 蛍光体層の形成方法及びプラズマディスプレイパネル
JP2003292946A (ja) 蛍光体ペーストならびにプラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ
JP2007227144A (ja) 放電ランプおよびその製造方法
JP2005171057A (ja) 緑色蛍光体及びそれを用いた装置
JP2006206641A (ja) 真空紫外線用蛍光体、蛍光体ペースト組成物及びプラズマディスプレイパネル
JP2002180042A (ja) 高輝度蛍光体層
JP2002038147A (ja) 緑色蛍光体およびそれを用いた発光装置
JP5040110B2 (ja) 発光組成物、それを用いた蛍光体ペースト組成物およびプラズマディスプレイパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040929

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Effective date: 20060807

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061030

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061108

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070831