JP2001011437A - 蛍光体の製造方法及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

蛍光体の製造方法及びプラズマディスプレイパネル

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JP2001011437A
JP2001011437A JP18370899A JP18370899A JP2001011437A JP 2001011437 A JP2001011437 A JP 2001011437A JP 18370899 A JP18370899 A JP 18370899A JP 18370899 A JP18370899 A JP 18370899A JP 2001011437 A JP2001011437 A JP 2001011437A
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acid
film
light
heating
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Akira Nakazawa
明 中澤
Nobuhiro Iwase
信博 岩瀬
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡便な方法で蛍光体を製造する方法を提
供することを課題とする。 【解決手段】 蛍光体の構成元素の脂肪族酸塩を加熱又
は光照射により分解して蛍光体を得ることを特徴とする
蛍光体の製造方法により上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体の製造方法
及びプラズマディスプレイパネル(以下、PDP)に関
する。更に詳しくは、本発明は、原料を熱や光で分解す
るだけの簡便な方法で形成することができる蛍光体の製
造方法及びPDPに関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光体は、種々の分野で広く使用されて
いる。例えば、ランプ用蛍光体、表示装置用蛍光体、X
線撮像管用蛍光体として使用されている。
【0003】この内、蛍光体を使用する表示装置として
PDPが知られている。PDPは、視認性に優れ、高速
表示が可能であり、更に比較的大画面の作製が容易であ
り、薄く形成することができるという特性と有してい
る。
【0004】PDPはマトリクス表示方式を採用してお
り、例えば面放電型のPDPの場合、駆動電圧の印加に
際して対となる表示電極が同一基板上に配置されてい
る。
【0005】PDPでは蛍光体は、蛍光体膜として存在
する。また、蛍光体膜の形成は、一般に次の方法で行わ
れている。まず、原料粉末(一般的には酸化物)を所望
の比率で混合し、得られた混合物を高温で焼成し、粉砕
することにより蛍光体粉末を得る。この粉末を樹脂バイ
ンダー、溶剤等の有機成分と混合してペーストとし、ス
クリーン印刷法により、予め複数の隔壁が形成された基
板の隔壁間にペーストを充填する。この後焼成すること
により、有機成分を分解して蛍光体膜(正確には蛍光体
粉末膜)を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記方法で蛍光体膜を
形成すると、蛍光体を構成する結晶が偏析するため、発
光効率が低下する問題があった。この問題は、PDP以
外の表示装置用蛍光体、ランプ用蛍光体、X線撮像管用
蛍光体でも同様に生じていた。
【0007】更に、表示装置では更なる高解像度が求め
られているため、表示装置を構成する蛍光体膜にも更な
る薄膜化が求められているが、ペーストを高密度に薄く
形成することが困難であった。そのため、余分な蛍光体
が使用されることと、発光効率が低下するという問題も
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、蛍光体の構成元素の脂肪族酸塩を加熱又は光照射に
より分解して蛍光体を得ることを特徴とする蛍光体の製
造方法が提供される。
【0009】更に、本発明によれば、放電空間内に蛍光
体を有するプラズマディスプレイパネルであって、前記
蛍光体が上記方法により製造された膜状の蛍光体で構成
されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
ルが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。まず、
本発明では、蛍光体の構成元素の脂肪族酸塩が使用され
る。脂肪族酸塩は、熱や光で分解しやすく、溶剤溶解性
が高く、分解後の膜が緻密であり、取り扱いが容易(安
全性も含めて)であり、安価であり、多くの塩の合成が
容易であるという性質を有している。
【0011】ここで、蛍光体の構成元素としては、脂肪
族酸との塩を形成し得る元素であれば、特に限定される
ことなく、殆どの元素を使用することができる。具体的
には、Eu、Y、Gd、B、Zn、Si、Mn、Ba、
Mg、Al、La、P、Ce、Tb、Ca、W、Tb等
が挙げられる。
【0012】次に、脂肪族酸も特に限定されない。例え
ば、脂肪族モノカルボン酸や、脂肪族ジカルボン酸、脂
肪族トリカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸等の脂肪
族ポリカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族酸を構成
する炭素鎖は、飽和でも、不飽和でもよい。更に、炭素
鎖には置換基が存在していてもよい。置換基の種類は特
に限定されないが、脂肪族酸の分解時に残存しやすいも
のは好ましくない。
【0013】より具体的に、飽和脂肪族モノカルボン酸
として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、n−ウンデシレン酸、ラウリン酸、n−トリ
デシレン酸、ミリスチン酸、n−ペンタデシレン酸、パ
ルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸等が挙げられ
る。
【0014】不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、ア
クリル酸、ブテン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビ
ニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘ
プテン酸、オクテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデ
セン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセ
ン酸等のオレフィンモノカルボン酸、プロピオール酸、
テトロール酸、エチルプロピオール酸、プロピルプロピ
オール酸、ブチルプロピオール酸、アミルプロピオール
酸、ウンデシン酸、ステアロール酸等のアセチレンモノ
カルボン酸、ペンタジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウ
ム酸、デカジエン酸等のジオレフィンモノカルボン酸、
オクタトリエン酸、リノレン酸、オレイン酸等の高度不
飽和モノカルボン酸が挙げられる。
【0015】飽和脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0016】不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、ブテ
ン二酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グル
タコン酸、ジヒドロムコン酸等のオレフィンジカルボン
酸、ムコン酸のようなジオレフィンジカルボン酸が挙げ
られる。
【0017】上記脂肪族酸は、炭素数が大きいほど常温
で固体となる(例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸の場
合、炭素数が10以上の場合固体となる)が、固体の脂
肪族酸を使用する場合は、塩の形成時の製造工程での作
業性を高めるために、溶剤(水、アルコール等)に溶解
しておくことが好ましい。常温で液体の場合、溶剤を使
用する必要ないが、作業性を高める観点から、使用して
もよい。
【0018】上記脂肪族酸の内、飽和脂肪族モノカルボ
ン酸を使用することが好ましい。更に、飽和脂肪族モノ
カルボン酸の内、炭素数2〜10個のものが、分解後の
緻密性の観点からより好ましい。特に、エナント酸、カ
プロン酸、吉草酸、酪酸が好ましい。
【0019】脂肪族酸塩は、特に限定されず、公知の方
法で形成することができる。例えば、蛍光体の構成元素
の水酸化物と脂肪族酸とを脱水反応させる方法が挙げら
れる。
【0020】得られた脂肪族酸塩は、加熱又は光照射さ
れて分解し、その結果蛍光体に変換される。脂肪族酸
は、分解することにより、炭酸ガス、メタンガス、水蒸
気等として気化するものと考えられる。
【0021】加熱は、例えば、300〜450℃で、
0.5〜2時間行うことが好ましい。加熱の雰囲気は、
形成を所望する蛍光体の酸素含有割合に応じて、大気以
外にも、窒素等の還元性ガス、不活性ガス等が挙げられ
るが、初回の大気加熱は必須であり、加熱を2回以上行
う時にこれら雰囲気を組合わせてもよい。
【0022】光照射に使用される光は、紫外線を使用す
ることが好ましい。光照射は、波長が185〜254n
mの光を、5〜100分間照射することが好ましい。
【0023】なお、上記加熱又は光照射後に、結晶化の
ための熱処理を行ってもよい。この熱処理は、例えば、
800〜1500℃で0.5〜2時間の条件で行うこと
ができる。
【0024】本発明の方法では、粒子状及び膜状の蛍光
体をいずれも製造することができる。粒子状の蛍光体の
場合、例えば、次のようにして形成することができる。
即ち、脂肪族酸塩を、任意の形状の容器に充填し、加熱
又は光照射することにより蛍光体を形成する。次いで、
蛍光体を粉砕及び分級することにより、所定粒子径の蛍
光体を得ることができる。
【0025】ここで、蛍光体が発光する部分はその表面
層であり、中心部の蛍光体は発光に寄与していない。そ
こで、以下の工程を経ることにより、発光に寄与しない
中心部を無機粒子で置き換えた粒子状の蛍光体を得るこ
とができる。即ち、脂肪族酸塩と所定粒子径の無機粒子
(例えば、アルミナ、シリカ等)とを混合することによ
り、無機粒子の表面を脂肪族酸塩で被覆する。次いで、
得られた無機粒子を加熱又は光照射することにより粒子
状の蛍光体を形成することができる。
【0026】膜状の蛍光体の場合、例えば次のようにし
て形成することができる。即ち、基板上に公知の塗布方
法により脂肪族酸塩を塗布する。この塗布膜を加熱又は
光照射することにより膜状の蛍光体を形成することがで
きる。ここで、所定パターンの膜状の蛍光体を製造する
場合、塗布膜に、所定パターンの開口部を有するマスク
を介して光照射した後、未照射部の塗布膜を溶媒で除去
する方法、所定パターン以外の部分が開口したマスクを
使用して塗布膜の不必要部分を除去した後、加熱又は光
照射する方法等が挙げられる。これら以外にも、塗布方
法に、スクリーン印刷法のような予め所定の形状に塗布
することができる方法を使用すれば、塗布とパターニン
グを同時に行うことができるので好ましい。
【0027】なお、本発明の方法は、原理上構成元素の
酸化物からなる蛍光体が形成される。形成できる蛍光体
の具体例としては、Y23:Eu、LaPO4:Ce,T
b等のランプ用蛍光体、(Y,Gd)BO3:Eu、Z
2SiO4:Mn、BaMgAl1017:Eu、Y
23:Eu等のPDP用蛍光体、Y23:Eu、Y23
S:Eu等のCRT用蛍光体、ZnO:Znのような蛍
光表示管用蛍光体、CaWO4、Y22S:Tb等のX
線撮像管用蛍光体が挙げられる。
【0028】本発明の製造方法により得られた蛍光体
は、上記にも記載したように、ランプ、PDP、CR
T、蛍光表示管、X線撮像管等の用途に用いることがで
きる。以下では、図1のPDPに本発明の製造方法によ
り得られた蛍光体を適用した例について述べる。
【0029】図1のPDPは、3電極AC型面放電PD
Pである。なお、本発明は、このPDPに限らず、蛍光
体を含むPDPであればどのような構成にも適用するこ
とができる。例えば、AC型に限らずDC型でもよく、
反射型及び透過型のいずれのPDPにも使用することが
できる。
【0030】図1のPDP20は、前面基板と背面基板
とから構成される。まず、前面基板は、一般的に、基板
27上に形成された複数本のストライプ状の表示電極、
表示電極を覆うように形成された誘電体層24、誘電体
層24上に形成され放電空間に露出する保護層29とか
らなる。
【0031】基板27は、特に限定されず、ガラス基
板、石英ガラス基板、シリコン基板等が挙げられる。
【0032】表示電極は、ITOのような透明電極25
からなる。また、表示電極の抵抗を下げるために、透明
電極25上にバス電極(例えば、Cr/Cu/Crの3
層構造)26を形成してもよい。
【0033】誘電体層24は、PDPに通常使用されて
いる材料から形成される。具体的には、低融点ガラスと
バインダとからなるペーストを基板上に塗布し、焼成す
ることにより形成することができる。
【0034】保護層29は、表示の際の放電により生じ
るイオンの衝突による損傷から誘電体層24を保護する
ために設けられる。保護層29は、例えば、MgO、C
aO、SrO、BaO等からなる。
【0035】次に、背面基板は、一般的に、基板23上
に形成された複数本のストライプ状のアドレス電極A、
アドレス電極Aを覆う誘電体層28、隣接するアドレス
電極A間で誘電体層28上に形成された複数本のストラ
イプ状の隔壁21、隔壁21間に壁面を含めて形成され
た蛍光体膜22とからなる。
【0036】基板23及び誘電体層28には、前記前面
基板を構成する基板27及び誘電体層24と同種類のも
のを使用することができる。
【0037】アドレス電極Aは、例えば、Al、Cr、
Cu等の金属層や、Cr/Cu/Crの3層構造からな
る。
【0038】隔壁21は、低融点ガラスとバインダとか
らなるペーストを誘電体層28上に塗布し、焼成した
後、サンドブラスト法で切削することにより形成するこ
とができる。また、バインダに感光性の樹脂を使用した
場合、所定形状のマスクを使用して露光及び現像した
後、焼成することにより形成することも可能である。
【0039】図1では、隔壁21間に蛍光体膜22が形
成されているが、上記で説明した本発明の製造方法の
内、膜状の蛍光体を形成する方法は、この蛍光体膜22
の形成にそのまま使用することができる。具体的には、
隔壁21間に脂肪族酸塩を塗布し、加熱又は光照射によ
り、膜状の蛍光体、即ち蛍光体膜22を形成することが
できる。
【0040】また、本発明の方法で得られた粒子状の蛍
光体を使用する場合、公知の方法で蛍光体膜22を形成
することができる。具体的には、溶媒中にバインダが溶
解された溶液に粒子状の蛍光体を分散させたペースト
を、隔壁21間に塗布し、不活性雰囲気下で焼成するこ
とにより蛍光体膜22を形成することができる。また、
粒子状の蛍光体の内、無機粒子の表面に形成したものを
使用すれば、発光に寄与しない蛍光体を節約することが
できるので、製造コストを抑えることができる。
【0041】上記蛍光体膜22の形成方法の内、膜状の
蛍光体を形成する方法の方が、蛍光体膜の厚さを薄くす
ることができることから、放電空間が広がり、その結果
放電効率を改善できるので好ましい。なお、膜状の蛍光
体を形成する方法では、蛍光体膜の厚さを0.1〜2μ
m程度(好ましくは0.1〜1μm程度)にできるが、
従来の方法では3〜30μm程度の範囲でかつムラのあ
る厚さの蛍光体膜しか形成することができない。また、
本発明では、発光中心を極めて均一に存在させることが
できる。
【0042】次に、上記前面基板と背面基板を、表示電
極(25、26)とアドレス電極Aが直交するように、
両電極を内側にして対向させ、隔壁21により囲まれた
空間に放電ガスを充填することによりPDP20を形成
することができる。
【0043】なお、上記PDPでは放電空間を規定する
隔壁、誘電体層及び保護膜の内、隔壁と誘電体層上に蛍
光体膜を形成しているが、同様の方法により保護膜上に
も蛍光体膜を形成してもよい。更に、保護膜を構成する
材料を粉末化し、これを脂肪族酸塩中に分散させ、誘電
体層上に塗布した後、加熱又は光照射することにより、
蛍光体を含む保護膜を形成することも可能である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】実施例1 エナント酸イットリウム(R3Y:R=C613COO、
以下Rは同じ意味を示す)とエナント酸ユーロピウム
(R3Eu)を99.8:0.2(モル比)の割合で混
合した。得られた混合物50重量部を溶媒(水500重
量部と酢酸50重量部の混合物)に溶解することで溶液
を得た。溶液をアルミナ製容器に入れ、溶媒を大気中7
0℃で30分間加熱することにより除去した後、更に大
気中1300℃で1時間焼成した。得られた焼成物を粉
砕及び分級することにより、Y23:Euからなる蛍光
体(平均粒子径3.5μm)を製造することができた。
【0046】実施例2 エナント酸イットリウムとエナント酸ユーロピウムを9
9.8:0.2(モル比)の割合で混合した。得られた
混合物50重量部を溶媒(水500重量部と酢酸50重
量部の混合物)に溶解することで溶液を得た。溶液を平
均粒子径3μmのアルミナ粉末(高融点・低蒸気圧無機
粒子)と混合しながら溶媒を乾燥させた。
【0047】得られた粉末を大気中1300℃で1時間
焼成した。得られた焼成物を、その凝集をほどく程度に
粉砕し、その後分級に付した。この結果、表面に膜厚約
0.3μmのY23:Euからなる蛍光体膜が付着した
アルミナ粉末(平均粒子径3.5μm)を製造すること
ができた。
【0048】比較例1 Y2(CO33粉末とEu23粉末を99.8:0.2
(モル比)の割合で混合した。得られた混合物を大気中
1300℃で5時間焼成した。得られた焼成物を、その
凝集をほどく程度に粉砕し、その後分級に付した。この
結果、Y23:Euからなる蛍光体(平均粒子径3.5
μm)を製造することができた。
【0049】実施例1及び2と比較例1の蛍光体の輝度
を測定した。輝度の測定は、サンプルを真空チャンバー
内に置き、チャンバー外にあるエキシマランプ(ウシオ
電機社製)からMgF2窓を通して波長146nmの光
でサンプルを励起し、サンプルからの発光をチャンバー
外の輝度計(トプコン製BM−7)でサファイア窓を通
して測定した。結果を表1に示す。なお、表中、輝度
は、比較例1の輝度を100とした場合の相対的な輝度
に換算されている。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、実施例1及び2の蛍光体は、比
較例1と比べて輝度が大きいことが分かった。これは、
微量に添加した発光中心(Eu)の分散が、比較例1の
乾式法では十分でなかったためであると考えられる。
【0052】実施例3 エナント酸バリウム(R2Ba)、エナント酸マグネシ
ウム(R2Mg)、エナント酸アルミニウム(R3Al)
及びエナント酸ユーロピウムを99.6:100:10
00:0.4(モル比)の割合で混合した。得られた混
合物50重量部を溶媒(水500重量部と酢酸50重量
部の混合物)に溶解することで溶液を得た。溶液をアル
ミナ製容器に入れ、溶媒を大気中70℃で30分間加熱
することにより除去した後、更に大気中500℃で1時
間及び窒素+2%水素からなる還元雰囲気下1400℃
1時間焼成した。得られた焼成物を粉砕及び分級するこ
とにより、BaMgAl1017:Euからなる蛍光体
(平均粒子径3.5μm)を製造することができた。
【0053】実施例4 エナント酸ユーロピウム50重量部を溶媒(水500重
量部と酢酸50重量部の混合物)に溶解することで溶液
を得た。溶液をスピナーでガラス上に塗布した。次に、
低圧水銀ランプにより30mW/cm2の強度の紫外線
を、所定形状のパターンを有するマスクを介して、塗布
膜に選択的に1分間照射した。この後、溶媒(水500
重量部と酢酸50重量部の混合物)で未照射部をエッチ
ング除去することにより、所定形状のパターンの蛍光体
膜を形成した。更に、蛍光体膜を400℃で30分間焼
成することにより、厚さ0.2μmの赤色蛍光体膜(E
23)を製造することができた。
【0054】実施例5 エナント酸ユーロピウムの代わりにエナント酸亜鉛(R
2Zn)を使用すること以外は、実施例4と同様にし
て、厚さ0.2μmの緑色蛍光体膜(ZnO)を製造す
ることができた。
【0055】実施例6 図1に示すAC駆動面放電型のPDP20の蛍光体膜2
2の製造に本発明を使用した。まず、実施例1と同様に
して、エナント酸イットリウムとエナント酸ユーロピウ
ムを含む溶液を得た。この溶液を背面基板の放電空間を
構成する隔壁21間に充填した。次に、40℃で30分
間乾燥させて溶媒を除去した後、400℃で1時間焼成
することにより、隔壁21間に厚さ0.2μmの蛍光体
膜22を形成することができた。
【0056】実施例7 図1に示すAC駆動面放電型のPDP20の蛍光体膜2
2の製造に本発明を使用した。まず、実施例1と同様に
して、Y23:Euからなる蛍光体(平均粒子径3.5
μm)を製造した。得られた蛍光体を、溶媒に分散させ
た後、この分散液を背面側基板の放電空間を構成する隔
壁21間にスクリーン印刷法で充填した。次に、500
℃で1時間焼成することにより、隔壁間に厚さ0.2μ
mの蛍光体膜22を形成することができた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪族塩の加熱又は光
照射による分解という極めて単純な方法により、所望す
る蛍光体を製造することができるので、製造コストを低
減することができる。また、得られた蛍光体は、均一な
組成を有しているので、安定した高発光効率を得ること
ができる。更に、薄く均一な組成の蛍光体を形成できる
ので、例えばPDPに使用した場合、パネル内での発光
ばらつきを小さくすることができる。更にまた、膜状の
蛍光体をPDPの蛍光体膜に使用した場合、薄く形成で
きるので、放電空間が広くなり、その結果発光効率を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPDPの概略斜視図である。
【符号の説明】
20 PDP 21 隔壁 22 蛍光体膜 23、27 基板 24、28 誘電体層 25 透明電極 26 バス電極 29 保護層 A アドレス電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/78 CPB C09K 11/78 CPB CPK CPK 11/81 CPW 11/81 CPW 11/84 CPD 11/84 CPD G03B 42/04 G03B 42/04 G21K 4/00 G21K 4/00 H01J 11/02 H01J 11/02 B Fターム(参考) 2G083 AA04 AA10 BB01 CC02 DD01 DD02 DD06 EE03 EE10 4H001 CF01 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA15 XA16 XA20 XA30 XA39 XA56 XA57 XA64 XA74 YA25 YA30 YA58 YA63 YA65 5C040 FA01 GA03 GB02 GG08 JA12 KA14 MA03 MA23 MA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の構成元素の脂肪族酸塩を加熱又
    は光照射により分解して蛍光体を得ることを特徴とする
    蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 蛍光体の構成元素の脂肪族酸塩と無機粉
    末を混合した後、得られた混合物を加熱又は光照射し
    て、無機粉末を内包した蛍光体又は無機粉末の表面に被
    覆された蛍光体を得る請求項1に記載の蛍光体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 脂肪族酸塩を溶剤に溶解し、得られた溶
    液を基板上に塗布及び乾燥させることにより塗布膜を
    得、次いで塗布膜を加熱又は光照射により分解して膜状
    の蛍光体を得る請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 所定の開口部を有するマスクを用いて、
    塗布膜に光を照射することにより所定パターンの膜状の
    蛍光体を形成し、光未照射部の塗布膜を溶剤で除去する
    請求項3に記載の蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱又は光照射後、得られた蛍光体を粉
    砕することにより粒子状とする請求項1に記載の蛍光体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族酸塩が、炭素数2〜19個の飽和
    脂肪族モノカルボン酸と、Eu、Y、Gd、B、Zn、
    Si、Mn、Ba、Mg、Al、La、P、Ce、T
    b、Ca、W及びTbから選択される蛍光体の構成元素
    との塩である請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 蛍光体が、Y23:Eu、LaPO4
    Ce,Tb、(Y,Gd)BO3:Eu、Zn2Si
    4:Mn、BaMgAl1017:Eu、ZnO:Z
    n、Y23:Eu、Y23S:Eu、CaWO4又はY2
    2S:Tbである請求項1〜6のいずれかに記載の蛍
    光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 光が紫外線である請求項1〜7のいずれ
    かに記載の蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 放電空間内に蛍光体を有するプラズマデ
    ィスプレイパネルであって、前記蛍光体が請求項3又は
    4に記載の膜状の蛍光体で構成されていることを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル。
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