JP2000243302A - 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Info

Publication number
JP2000243302A
JP2000243302A JP13976599A JP13976599A JP2000243302A JP 2000243302 A JP2000243302 A JP 2000243302A JP 13976599 A JP13976599 A JP 13976599A JP 13976599 A JP13976599 A JP 13976599A JP 2000243302 A JP2000243302 A JP 2000243302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
phosphor film
particles
film
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13976599A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuji Uesugi
隆二 植杉
Makoto Chokai
誠 鳥海
Yoshio Kuromitsu
祥郎 黒光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP13976599A priority Critical patent/JP2000243302A/ja
Priority to KR1019990051081A priority patent/KR20000047666A/ko
Priority to TW088120277A priority patent/TW446978B/zh
Publication of JP2000243302A publication Critical patent/JP2000243302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工数を増大せずに蛍光体膜中の蛍光体粒子
を発光に寄与させることにより、蛍光体膜の輝度を高
め、また高価な蛍光体粉末の使用量を減らすことによ
り、製造コストを低減する。 【解決手段】蛍光体膜16が多数の蛍光体粒子16a
と、これらの蛍光体粒子16a間に形成された空隙16
bからなる。この蛍光体膜16が全て蛍光体粒子16a
で隙間無く充填された場合を100%としたときに、上
記空隙16bが蛍光体膜16中に40〜80%の割合で
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPという)等の蛍光表示装置に
適する蛍光体膜構造と、この蛍光体膜を形成するための
ペーストと、この蛍光体膜を用いたPDPに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蛍光体膜(蛍光体層とも
いう。)構造として、図3に示すようにPDPのガラス
基板1上に所定の間隔をあけて複数のアドレス電極2を
形成し、これらのアドレス電極2を覆うようにガラス基
板1上に絶縁層3を形成し、絶縁層3上面に所定の間隔
をあけて複数のセラミックリブ4を設け、更にこれらの
リブ4の間のセル5内面に蛍光体膜6を形成したものが
知られている。この蛍光体膜を形成するには、先ず蛍光
体粉末とビヒクル(有機バインダ及び溶媒)とを所定の
割合で混合して蛍光体ペーストを調製する。次に蛍光体
ペーストを複数のセラミックリブにより区画されたセル
内面にスクリーン印刷法等により印刷し、大気中で所定
の温度で所定時間保持して乾燥する。更に大気中で所定
の温度で所定時間保持して焼成することにより、ビヒク
ルが焼失して蛍光体膜が得られる。
【0003】しかし、上記従来の蛍光体膜構造では、プ
ラズマ放電7により発生した紫外線8が蛍光体膜6表面
の蛍光体粒子6aのみに照射されるため、蛍光体膜6中
の蛍光体粒子6aが発光に寄与できず(図3において黒
く塗りつぶした蛍光体粒子6aが発光に寄与してい
る。)、輝度が比較的低いという問題があった。一方、
これらの点を解消するための技術で、本発明に近い技術
として特開平1−274354号公報に、蛍光体粒子と
アルカリ土類金属のフッ化物を混合ないし融着した組成
物を発光物質として用いることにより、発光物質の輝度
を殆ど低下させずに、発光物質の価格を著しく低減する
ことのできる発光組成物を蛍光膜に用いた紫外線励起発
光管(以下、蛍光ランプという)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平1−274354号公報に示された蛍光ランプにお
いては、励起光として水銀の発光による波長254n
m、185nmの光が用いられるが、PDPではキセノ
ンの発光による波長147nmの真空紫外光により蛍光
体を励起する。この光は蛍光体粒子に殆ど吸収され、フ
ッ化物(BaF2、SrF2等)でも透過率が低下する。
このために蛍光体膜中に侵入する紫外線量は、蛍光ラン
プ中の蛍光体膜に比べ格段に少なくなるため、発光輝度
の向上は難しいという問題点があった。本発明の目的
は、製造工数を増やすことなく、蛍光体膜中の蛍光体粒
子をより多く発光に寄与させることにより、蛍光体膜の
輝度を高め、また高価な蛍光体粉末の使用量を減らすこ
とにより、製造コストを低減できる、蛍光体膜構造、こ
の蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜
を用いたPDPを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように蛍光体膜16が多数の蛍光体粒子16
aとこれらの蛍光体粒子16a間に形成された空隙16
bからなり、蛍光体膜16が全て蛍光体粒子16aで隙
間無く充填された場合を100%としたときに、空隙1
6bが蛍光体膜16中に40〜80%の割合で形成され
た蛍光体膜構造である。この請求項1に記載された蛍光
体膜構造では、プラズマ放電17により発生した紫外線
18が蛍光体粒子16aを励起し、この蛍光体粒子が基
底状態に戻るときに可視光を発する。このとき紫外線1
8は蛍光体膜16表面の蛍光体粒子16aのみならず、
蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aにも照射されるの
で、蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aも発光に寄与で
き、結果として発光する蛍光体粒子数が増加するため
に、高い輝度の蛍光体膜16が得られる。
【0006】請求項2に係る発明は、図2に示すよう
に、蛍光体膜36が多数の蛍光体粒子36aとこれらの
蛍光体粒子36a間に配置された多数の紫外線透過粒子
36bからなり、蛍光体膜36が全て蛍光体粒子36a
で隙間無く充填された場合を100%としたときに、各
粒子36a,36b間の空隙36c及び紫外線透過粒子
36bの蛍光体膜36中に占める割合が40〜80%で
ある蛍光体膜構造である。この請求項2に記載された蛍
光体膜構造では、プラズマ放電17による紫外線18が
蛍光体粒子36aを励起、発光(可視光)させる。この
とき紫外線18は蛍光体膜36表面の蛍光体粒子36a
だけでなく、紫外線透過粒子36b中を透過して蛍光体
膜36中の蛍光体粒子36aにも照射されるので、蛍光
体膜36中の蛍光体粒子36aも発光に寄与でき、結果
として発光する蛍光体粒子数が増加するために、高い輝
度の蛍光体膜36が得られる(図2において黒く塗りつ
ぶした蛍光体粒子36aが発光に寄与している。)。ま
た高価な蛍光体粉末の使用量を減らすことができるの
で、製造コストを低減できる。
【0007】上記紫外線透過粒子としてはフッ化物粒子
又はSiO2粒子を用いることが好ましい。また紫外線
透過粒子としてSiO2膜により被覆されたフッ化物粒
子を用いれば、SiO2膜で被覆されたフッ化物粒子の
プラズマ下での耐久性を向上できる。またフッ化物粒子
としては、CaF2,MgF2又LiFはのいずれかを用
いることが好ましい。更に図1又は図2に示すように、
上記蛍光体膜16又は36をPDPの基板11上のリブ
14間のセル15内面に形成することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1に示すように、PDPの
ガラス基板11上には所定の間隔をあけて複数のアドレ
ス電極12が形成され、これらのアドレス電極12を覆
うようにガラス基板11上には絶縁層13が形成され
る。また絶縁層13上面には所定の間隔をあけて複数の
セラミックリブ14が設けられ、これらのリブ14間の
セル15内面には蛍光体膜16が形成される。この蛍光
体膜16は多数の蛍光体粒子16aとこれらの蛍光体粒
子16a間に形成された空隙16bからなり、蛍光体膜
16が全て蛍光体粒子16aで隙間無く充填された場合
を100%としたときに、空隙16bが蛍光体膜16中
に40〜80%、好ましくは50〜70%の割合で形成
される。空隙16bを40〜80%の範囲に限定したの
は、40%未満では、蛍光体膜16中の蛍光体粒子16
aを発光に寄与させることが困難になり、80%を越え
ると、蛍光体粒子16aの量が少な過ぎるため蛍光体膜
16中の蛍光体粒子16aが発光に寄与しても所定の輝
度が得られず、また蛍光体膜16が脆くなって輝度が経
時変化するおそれがあるからである。
【0009】このように構成された蛍光体膜の形成方法
を説明する。先ず蛍光体粉末と、熱膨張性マイクロカプ
セルと、樹脂及び溶媒(溶剤+可塑剤+分散剤))とを
所定の割合で混合して蛍光体ペーストを調製する。蛍光
体粉末は15〜80重量%、好ましくは30〜60重量
%であり、熱膨張性マイクロカプセルは0.1〜16重
量%、好ましくは1〜10重量%である。また樹脂及び
溶媒は80〜20重量%、好ましくは65〜25重量%
であり、具体的には樹脂は25〜0重量%、好ましくは
10〜1重量%であり、溶媒は80〜7重量%、好まし
くは60〜20重量%である。
【0010】ここで、蛍光体粉末を15〜80重量%に
限定したのは、15重量%未満では蛍光体粉末が少な過
ぎるために所定の輝度が得られず、80重量%を越える
と蛍光体膜中の蛍光体粒子を発光に寄与させることが困
難となり本発明の効果が十分に得られないからである。
また熱膨張性マイクロカプセルを0.1〜16重量%に
限定したのは、0.1重量%未満では蛍光体膜中に十分
な空隙を形成することができず、16重量%を越えると
蛍光体膜の強度が十分に得られないからである。更に樹
脂及び溶媒を80〜20重量%に限定したのは、80重
量%を越えるとペーストの粘性が低くなり過ぎ、20重
量%未満では粘性が高くなり過ぎて、蛍光体膜を印刷法
等で形成するときに所定の膜厚が得られないからであ
る。
【0011】樹脂はバインダとしての機能を有し、熱分
解し易く、溶剤に溶けて高粘度を有するポリマーであっ
て、セルロース系樹脂(エチルセルロース,メチルセル
ロース等),アクリル樹脂(メチルメタクリル,エチル
メタクリル等),塩化ビニル樹脂,フェノール樹脂など
が挙げられる。溶剤としては非水系溶剤(アルコール
系,エーテル系,芳香族系,炭化水素系等の有機溶剤)
が挙げられ、好ましいアルコールとしはトリエチレング
リコール,テルピネオール等が挙げられ、好ましいエー
テルとしてはジエチルエーテル等が挙げられる。更に分
散剤としてはリン酸系,スルフォン酸系等の分散剤が挙
げられる。なお、本明細書では上記樹脂及び溶媒をビヒ
クルという場合がある。
【0012】また蛍光体粉末としては平均粒径が3〜4
μmで比重が4〜5g/cm3の赤色、青色又は緑色の
蛍光体粉末が用いられる。赤色蛍光体粉末としては
[(Y,Gd)BO3:Eu]粉末等が用いられ、青色
蛍光体粉末としては[BaMgAl1017:Eu]粉末
等が用いられ、緑色蛍光体粉末としては[Zn2Si
4:Mn]粉末や[BaAl1219:Mn]粉末等が
用いられる。また熱膨張性マイクロカプセルとしては、
例えばアクリロニトリル系ポリマーを殻壁とし低沸点炭
化水素を内包した平均粒径5〜8μmのマイクロカプセ
ル等が用いられる。更にビヒクルとしては、例えばα−
テルピネオール/エチルセルロースの重量比が95/5
の混合物等が用いられる。
【0013】一方、ガラス基板上に絶縁層を介してスク
リーン印刷法、サンドブラスト法又はドライフィルム法
等により所定の間隔をあけて複数のセラミックリブを形
成する。次に蛍光体ペーストを上記ガラス基板上のセラ
ミックリブにより区画されたセル内面にスクリーン印刷
法等により印刷し、大気中で150℃に10分間保持し
て乾燥する。更に大気中で520℃に30分間保持して
焼成することにより、空隙が蛍光体膜中に40〜80%
の割合で形成された蛍光体膜が得られる。このとき熱膨
張性マイクロカプセルは乾燥時にカプセル内部の低沸点
炭化水素等の溶媒の蒸発に伴い、体積が約2〜3倍に膨
張する。またビヒクルや熱膨張性マイクロカプセル等の
樹脂成分は焼成時に焼失するため、蛍光体膜中に比較的
大きな空隙が形成される。
【0014】上述の形成方法以外の蛍光体膜の形成方法
を説明する。先ず、蛍光体粉末と、樹脂微粉末と、樹脂
及び溶媒(溶剤+可塑剤+分散剤)とを所定の割合で混
合して蛍光体ペーストを調製する。蛍光体粉末は10〜
80重量%、好ましくは40〜60重量%であり、樹脂
微粉末は0.2〜17重量%、好ましくは1〜10重量
%である。蛍光体粉末を10〜80重量%に限定したの
は、10重量%未満では蛍光体粉末が少な過ぎるために
所定の輝度が得られず、80重量%を越えると蛍光体膜
中の蛍光体粒子を発光に寄与させることが困難となり本
発明の効果が十分に得られないからである。また樹脂微
粉末を0.2〜17重量%に限定したのは、0.2重量
%未満では空隙を蛍光体膜中に40%の割合で形成する
ことが困難となり、17重量%を越えると蛍光体膜中に
空隙が80%以上形成されてしまうためである。更に樹
脂は25〜0重量%、好ましくは10〜1重量%であ
り、溶媒は80〜7重量%、好ましくは60〜20重量
%である。
【0015】上記蛍光体粉末と、樹脂及び溶媒とは上述
の形成方法と同様のものが用いられる。また樹脂微粉末
は、使用する溶剤に難溶若しくは不溶であって、焼失温
度が200〜500℃、好ましくは200〜400℃で
あり、かつ平均粒径が1〜20μm、好ましくは0.1
〜10μmである。ここでは、樹脂微粉末は構成元素が
C(炭素),H(水素)及びO(酸素)のみからなる樹
脂により形成されることが好ましく、例えばポリエチレ
ン,ポリエチレンオキシド,アクリル樹脂,メタアクリ
ル樹脂,セルロース樹脂,ポリスチレン等が挙げられ
る。また樹脂微粉末の焼失温度を200〜500℃に限
定したのは、200℃未満ではペーストの乾燥時に樹脂
微粉末が焼失してしまい、500℃を越えると焼成時に
樹脂微粉末を完全に焼失させることが困難になるからで
ある。更に樹脂微粉末の平均粒径を0.1〜20μmに
限定したのは、20μmを越えると通常用いられている
蛍光体膜厚より大きな空隙が形成され、下地の絶縁体層
等が見えてしまうからである。
【0016】一方、ガラス基板11上に絶縁層13を介
してスクリーン印刷法,サンドブラスト法又はドライフ
ィルム法等により所定の間隔をあけて複数のセラミック
リブ14を形成する。次に上記ガラス基板11上のセラ
ミックリブ14により区画されたセル15内面に蛍光体
ペーストをスクリーン印刷法等により印刷し、大気中で
150℃に10分間保持して乾燥する。更に大気中で5
20℃に30分間保持して焼成することにより、空隙1
6bが蛍光体膜16中に40〜80%の割合で形成され
た蛍光体膜16が得られる。この焼成時に蛍光体粒子1
6a間に存在する樹脂微粉末は焼失するため、蛍光体膜
16中に所定の割合で空隙16bを形成することができ
る。
【0017】このように製造された蛍光体膜構造では、
図示しない表示電極間に所定の電圧を印加すると、図1
に示すようにセル15内でプラズマ放電17が発生し、
このプラズマ放電17による紫外線18が蛍光体粒子1
6aを励起、発光(可視光)させる。このとき紫外線1
8は蛍光体膜16表面の蛍光体粒子16aだけでなく、
蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aにも照射されるの
で、蛍光体膜16中の蛍光体粒子16aも発光に寄与で
き、結果として発光する蛍光体粒子数が増加するため
に、高い輝度の蛍光体膜16が得られる(図1において
黒く塗りつぶした蛍光体粒子16aが発光に寄与してい
る。)。また高価な蛍光体粉末の使用量を減らすことが
できるので、製造コストを低減できる。
【0018】本発明の第2の実施の形態を図2に基づい
て説明する。図2において図1と同一符号は同一部品を
示す。この実施の形態では、複数のセラミックリブ14
の間のセル15に形成された蛍光体膜36が多数の蛍光
体粒子36aとこれらの蛍光体粒子36a間に配置され
た多数の紫外線透過粒子36bからなる。また蛍光体膜
36が全て蛍光体粒子36aで隙間無く充填された場合
を100%としたときに、各粒子36a,36b間の空
隙36c及び紫外線透過粒子36bの蛍光体膜36中に
占める割合が40〜80%、好ましくは50〜70%で
ある。紫外線透過粒子36bとしては、フッ化物粒子、
好ましくはCaF2、MgF2、LiF等の粒子又はSi
2粒子が用られる。また各粒子36a,36b間の空
隙36c及び紫外線透過粒子36bの蛍光体膜36中に
占める割合を40〜80%の範囲に限定したのは、40
%未満では、蛍光体膜36中の蛍光体粒子36aを発光
に寄与させることが困難になり、80%を越えると、蛍
光体粒子36aの量が少な過ぎるため蛍光体膜36中の
蛍光体粒子36aが発光に寄与しても所定の輝度が得ら
れないからである。
【0019】このように構成された蛍光体膜の形成方法
を説明する。乾燥・焼成後の各粒子36a間の空隙36
c及び紫外線透過粒子36bの蛍光体膜36中に占める
割合が40〜80%になるように、蛍光体粉末と、紫外
線透過粉末と、樹脂及び溶媒とを所定の割合で混合する
ことにより蛍光体ペーストを調製する。蛍光体粉末は1
0〜80重量%、好ましくは20〜60重量%であり、
紫外線透過粒子は0.1〜50重量%、好ましくは1〜
30重量%である。また樹脂は25〜0重量%、好まし
くは10〜3重量%であり、溶媒は80〜7重量%、好
ましくは60〜20重量%である。ここで、紫外線透過
粒子を0.1〜50重量%に限定したのは、0.1未満
では蛍光体膜中の蛍光体粒子を発光に寄与させることが
困難となり本発明の効果が十分得られず、50重量%を
越えると相対的に蛍光体粒子が減少し、所定の輝度が得
られないからである。上記以外の蛍光体膜の形成方法は
第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を
省略する。
【0020】このように製造された蛍光体膜構造では、
図示しない表示電極間に所定の電圧を印加すると、図2
に示すようにセル15内でプラズマ放電17が発生し、
このプラズマ放電17により紫外線18が蛍光体粒子3
6aを励起、発光(可視光)させる。このとき紫外線1
8は蛍光体膜36表面の蛍光体粒子36aだけでなく、
紫外線透過粒子36b中を透過して蛍光体膜36中の蛍
光体粒子36aにも照射されるので、蛍光体膜36中の
蛍光体粒子36aも発光に寄与でき、結果として発光す
る蛍光体粒子数が増加するために、高い輝度の蛍光体膜
36が得られる(図2において黒く塗りつぶした蛍光体
粒子36aが発光に寄与している。)。また高価な蛍光
体粉末の使用量を減らすことができるので、製造コスト
を低減できる。
【0021】なお、上記第2の実施の形態では、紫外線
透過粒子としてCaF2、MgF2、LiF等のフッ化物
粒子又はSiO2粒子を用いたが、SiO2膜により被覆
されたフッ化物粒子を用いてもよい。SiO2膜により
被覆されたフッ化物粒子からなる粉末はゾルゲル法、C
VD法、スパッタリング法等により作製されることが好
ましい。ここにSiO2膜により被覆されたCaF2粒子
からなる粉末をゾルゲル法にて作製した例を示す。先ず
エチルシリケートと、エチルアルコールと、所定濃度の
塩酸と、イソプロピルアルコールとを所定量ずつ混合し
て得られた溶液中にCaF2粉末を所定量添加し、室温
で30分間撹拌した後に、濾紙を用いて濾過する。次に
この濾過した粉末を大気中で150℃に30分間保持し
て乾燥した後、大気中600℃で1時間保持して焼成す
ることにより、SiO2膜で被覆されたCaF2粒子から
なる粉末が得られる。このSiO2膜の厚さは1〜10
μmであることが好ましい。上記のようにSiO2膜で
CaF2粒子を被覆するのはプラズマ雰囲気中での耐久
性を向上させるためである。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>蛍光体粉末を5gと、熱膨張性マイクロカ
プセルを0.3gと、ビヒクルを4.2gとを混合して
蛍光体ペーストを調製した。蛍光体粉末としては平均粒
径が3μmで比重が5.02g/cm3の赤色蛍光体粉
末[(Y,Gd)BO3:Eu]を用い、熱膨張性マイ
クロカプセルとしてはアクリロニトリル系樹脂を殻壁と
し低沸点炭化水素を内包した平均粒径5〜8μmのマイ
クロカプセルを用いた。またビヒクルとしてはα−テル
ピネオール/エチルセルロースの重量比が95/5の混
合物を用いた。上記蛍光体ペーストを、1インチ角のベ
タスクリーン版を用いて2インチ角のソーダライムガラ
ス基板の上面中央にスクリーン印刷し、150℃で10
分間乾燥した後、520℃で30分間焼成し、マイクロ
カプセル中の低沸点炭化水素を蒸発させ、かつビヒクル
や熱膨張性マイクロカプセル等の樹脂成分を焼失させて
蛍光体膜を得た。この蛍光体膜を実施例1とした。
【0023】<実施例2>蛍光体粉末を5gと、熱膨張
性マイクロカプセルを0.6gと、ビヒクルを4.2g
とを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、
上記実施例1と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍
光体膜を実施例2とした。 <実施例3>蛍光体粉末を20gと、CaF2粉末を5
gと、ビヒクルを15gとを混合して蛍光体ペーストを
調製した。蛍光体粉末及びビヒクルは実施例1と同一の
物を用いた。CaF2粉末の平均粒径は30μmであっ
た。上記蛍光体ペーストを実施例1と同様に乾燥・焼成
してガラス基板上に蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜
を実施例3とした。 <実施例4>蛍光体粉末を9gと、CaF2粉末(平均
粒径30μm)を1gと、ビヒクルを8.5gとを混合
して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実施
例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を
実施例4とした。
【0024】<実施例5>蛍光体粉末を10gと、Ca
2粉末(平均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを1
0gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除い
て、上記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。こ
の蛍光体膜を実施例5とした。 <実施例6>蛍光体粉末を10gと、CaF2粉末(平
均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを15gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実
施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜
を実施例6とした。 <実施例7>蛍光体粉末を10gと、MgF2粉末(平
均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを10gとを混合
して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実施
例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を
実施例7とした。
【0025】<実施例8>蛍光体粉末を10gと、Mg
2粉末(平均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを
15gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除
いて、上記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。
この蛍光体膜を実施例8とした。 <実施例9>蛍光体粉末を10gと、LiF粉末(平均
粒径30μm)を5gと、ビヒクルを10gとを混合し
て蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実施例
3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を実
施例9とした。 <実施例10>蛍光体粉末を10gと、LiF粉末(平
均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを15gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実
施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜
を実施例10とした。
【0026】<実施例11>蛍光体粉末を20gと、S
iO2粉末(平均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを
15gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除
いて、上記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。
この蛍光体膜を実施例11とした。 <実施例12>蛍光体粉末を9gと、SiO2粉末(平
均粒径30μm)を1gと、ビヒクルを8.5gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実
施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜
を実施例12とした。
【0027】<実施例13>蛍光体粉末を10gと、S
iO2粉末(平均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを
10gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除
いて、上記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。
この蛍光体膜を実施例13とした。 <実施例14>蛍光体粉末を10gと、SiO2粉末
(平均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを15gと
を混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上
記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光
体膜を実施例14とした。
【0028】<実施例15>蛍光体粉末を10gと、S
iO2膜で被覆されたCaF2粉末(平均粒径30μm)
を5gと、ビヒクルを10gとを混合して蛍光体ペース
トを調製した。上記SiO2膜で被覆されたCaF2粉末
はゾルゲル法により作製した。即ち、エチルシリケート
が34.8重量%、エチルアルコールが50重量%、塩
酸(濃度0.3%)が6重量%、イソプロピルアルコー
ルが9.2重量%の溶液50g中に実施例3と同一のC
aF2粉末を10g添加し、室温で30分間撹拌した後
に、濾紙を用いて濾過した。この濾過した粉末を150
℃で30分間乾燥後、600℃で1時間焼成することに
よって、SiO2膜で被覆されたCaF2粉末を得た。こ
のSiO2膜の厚さは1μmであった。上記蛍光体ペー
ストを実施例1と同様に乾燥・焼成してガラス基板上に
蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を実施例15とし
た。 <実施例16>蛍光体粉末を10gと、SiO2膜で被
覆されたCaF2粉末(平均粒径30μm)を10g
と、ビヒクルを15gとを混合して蛍光体ペーストを調
製したことを除いて、実施例15と同様にして蛍光体膜
を形成した。この蛍光体膜を実施例16とした。
【0029】<実施例17>蛍光体粉末を20gと、C
aF2粉末(平均粒径30μm、比重3.0g/cm3
を5gと、ビヒクルを15gとを混合して蛍光体ペース
トを調製した。蛍光体粉末として、平均粒径が3.6μ
m、比重4.2g/cm3の緑色蛍光体粉末[Zn2Si
4:Mn]を用い、ビヒクルとして、α−テルピネオ
ール/エチルセルロースの重量比が95/5の混合物を
用いた。上記蛍光体ペーストを1インチ角のベタスクリ
ーン版を用いて、幅1インチ、長さ2インチ、厚さ0.
7mmのアルミナ基板の上面中央にスクリーン印刷し、
150℃で10分間乾燥した。次に520℃で30分間
焼成して、ビヒクル中の樹脂成分を焼失させて蛍光体膜
を得た。この蛍光体膜を実施例17とした。
【0030】<実施例18>蛍光体粉末を9gと、Ca
2粉末(平均粒径30μm)を1gと、ビヒクルを
8.5gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを
除いて、上記実施例17と同様にして蛍光体膜を形成し
た。この蛍光体膜を実施例18とした。 <実施例19>蛍光体粉末を10gと、CaF2粉末
(平均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを10gとを
混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記
実施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光
体膜を実施例19とした。 <実施例20>蛍光体粉末を10gと、CaF2粉末
(平均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを15gと
を混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上
記実施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍
光体膜を実施例20とした。 <実施例21>蛍光体粉末を10gと、MgF2粉末
(平均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを10gとを
混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記
実施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光
体膜を実施例21とした。
【0031】<実施例22>蛍光体粉末を10gと、M
gF2粉末(平均粒径30μm)を10gと、ビヒクル
を15gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを
除いて、上記実施例17と同様にして蛍光体膜を形成し
た。この蛍光体膜を実施例22とした。 <実施例23>蛍光体粉末を10gと、LiF粉末(平
均粒径30μm)を5gと、ビヒクルを10gとを混合
して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実施
例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜
を実施例23とした。 <実施例24>蛍光体粉末を10gと、LiF粉末(平
均粒径30μm)を10gと、ビヒクルを15gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、上記実
施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体
膜を実施例24とした。
【0032】<実施例25>紫外線透過粉末を用いず
に、蛍光体粉末を5gと熱膨張性マイクロカプセルを
0.3gと、ビヒクルを4.2gとを混合して蛍光体ペ
ーストを調製したことを除いて、実施例17と同様にし
て蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を実施例25とし
た。 <実施例26>紫外線透過粉末を用いずに、蛍光体粉末
を5gと熱膨張性マイクロカプセルを0.6gと、ビヒ
クルを4.2gとを混合して蛍光体ペーストを調製した
ことを除いて、実施例17と同様にして蛍光体膜を形成
した。この蛍光体膜を実施例26とした。
【0033】<実施例27>紫外線透過粉末を用いず
に、蛍光体粉末を3.7gとアクリル樹脂微粉末(平均
粒径3μm:綜研化学社製)を0.1gと、ビヒクルを
3.5gとを混合して蛍光体ペーストを調製したことを
除いて、実施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。
この蛍光体膜を実施例27とした。 <実施例28>紫外線透過粉末を用いずに、蛍光体粉末
を2.9gとアクリル樹脂微粉末(平均粒径3μm:綜
研化学社製)を0.3gと、ビヒクルを3.0gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、実施例
17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を
実施例28とした。 <実施例29>紫外線透過粉末を用いずに、蛍光体粉末
を2.1gとアクリル樹脂微粉末(平均粒径3μm:綜
研化学社製)を0.5gと、ビヒクルを2.0gとを混
合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、実施例
17と同様にして蛍光体膜を形成した。この蛍光体膜を
実施例29とした。
【0034】<比較例1>蛍光体粉末を20gと、ビヒ
クルを10gとを混合して蛍光体ペーストを調製したこ
とを除いて、上記実施例3と同様にして蛍光体膜を形成
した。この蛍光体膜を比較例1とした。 <比較例2>蛍光体粉末を20gと、ビヒクルを10g
とを混合して蛍光体ペーストを調製したことを除いて、
上記実施例17と同様にして蛍光体膜を形成した。この
蛍光体膜を比較例2とした。
【0035】<比較試験1及び評価>上記実施例1〜1
6及び比較例1の蛍光体粉末と、紫外線透過粉末又は熱
膨張性マイクロカプセルと、ビヒクルの添加量を表1に
示した。また実施例1、2及び比較例1の蛍光体膜の空
隙率を以下のようにして求め、その値を表1に示した。
先ず蛍光体膜の面積、膜厚及び焼成後重量を測定し、蛍
光体膜の密度を求めた。次にこの蛍光体膜の密度を蛍光
体粒子の密度で除した値をWとし、1から上記Wを引い
た値に100を乗じた値を空隙率とした。
【0036】また実施例3〜16の蛍光体膜の各粒子間
の空隙及び紫外線透過粒子の占める割合を以下のように
して求め、その値を表1に示した。先ず蛍光体膜の面
積、膜厚及び焼成後重量を測定し、蛍光体粉末と紫外線
透過粉末との混合比より蛍光体膜に含まれる紫外線透過
粒子の重量を求め、この紫外線透過粒子の重量を上記焼
成後重量から引いた値をXとし、このXを蛍光体膜の体
積で除してYを求めた。次に上記Yを蛍光体粒子の密度
で除した値をZとし、1から上記Zを引いた値に100
を乗じた値を各粒子間の空隙及び紫外線透過粒子の占め
る割合とした。更に実施例1〜16及び比較例1のガラ
ス基板(表面に蛍光体膜が形成されたガラス基板)を暗
室に入れ、上記蛍光体膜に低圧水銀灯による紫外線(波
長:254nm)を照射し、蛍光体膜の輝度を測定し
た。ここでは、蛍光体膜の膜厚の増加に対して輝度が飽
和に達したときの値を蛍光体膜の輝度として評価を行
い、かつ実施例1〜16の輝度は比較例1の輝度を10
0としたときの値である。これらの値を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1から明らかなように、実施例1〜
16の蛍光体膜は比較例1の蛍光体膜と比較して輝度が
3〜12%向上した。
【0039】<比較試験2及び評価>上記実施例17〜
29及び比較例2の蛍光体粉末と、紫外線透過粉末,樹
脂ビーズ又は熱膨張性マイクロカプセルと、ビヒクルの
添加量と、蛍光体膜の各粒子間の空隙率又は紫外線透過
粒子の占める割合を表2に示した。また実施例17〜2
9及び比較例2の輝度を次のようにして測定した。先ず
蛍光体膜が形成されたアルミナ基板を真空チャンバに入
れ、次に真空ポンプにて2×10-2Torr以下に減圧し
た。更に上記蛍光体膜にエキシマランプ(ウシオ電機
製:UER20H146)による真空紫外線(波長:1
46nm)を照射することにより、蛍光体膜の輝度を測
定した。ここでは、蛍光体膜の膜厚の増加に対して輝度
が飽和したときの値を蛍光体膜の輝度として評価を行
い、かつ実施例17〜29の輝度は比較例2の輝度を1
00としたときの値である。これらの値を表2に示し
た。
【0040】
【表2】
【0041】上記表2から明らかなように、実施例17
〜29の蛍光体膜は比較例2の蛍光体膜と比較して輝度
が2〜20%向上した。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蛍
光体膜を多数の蛍光体粒子とこれらの蛍光体粒子間に形
成された空隙とにより構成し、蛍光体膜を全て蛍光体粒
子で隙間無く充填した場合を100%としたときに、空
隙を蛍光体膜中に40〜80%の割合で形成することに
より、プラズマ放電により発生した紫外線が蛍光体膜表
面の蛍光体粒子だけでなく、蛍光体膜中の蛍光体粒子に
も照射される。この結果、蛍光体膜中の蛍光体粒子も発
光に寄与できるので、高い輝度の蛍光体膜が得られる。
また蛍光体膜中の空隙が多い分、高価な蛍光体粉末の使
用量を減らすことができるので、製造コストを低減でき
る。
【0043】また蛍光体膜を多数の蛍光体粒子とこれら
の蛍光体粒子間に配置された多数の紫外線透過粒子とに
より構成し、蛍光体膜を全て蛍光体粒子で隙間無く充填
した場合を100%としたときに、各粒子間の空隙及び
紫外線透過粒子の蛍光体膜中に占める割合を40〜80
%とすれば、プラズマ放電により発生した紫外線が蛍光
体膜表面の蛍光体粒子だけでなく、紫外線透過粒子中を
透過して蛍光体膜中の蛍光体粒子にも照射される。この
結果、蛍光体膜中の蛍光体粒子も発光に寄与できるの
で、高い輝度の蛍光体膜が得られる。また高価な蛍光体
粉末のうちの所定量を比較的安価な紫外線透過粉末に置
き換えることができるので、製造コストを低減できる。
【0044】また紫外線透過粒子としてフッ化物粒子又
はSiO2粒子を用いれば、更にフッ化物粒子としてC
aF2,MgF2又はLiFのいずれかを用いれば、上記
効果を顕著に奏することができる。またSiO2膜によ
り被覆されたフッ化物粒子を用いれば、このフッ化物粒
子のプラズマ雰囲気中での耐久性を向上できる。更に蛍
光体膜を、所定量の蛍光体粉末と、紫外線透過粒子,熱
膨張性マクロカプセル又は樹脂微粉末と、樹脂及び溶媒
とを含むペーストにより形成すれば、蛍光体膜を形成す
る作業性を向上でき、製造コストを更に低減できる。特
に上記蛍光体膜をPDP等の蛍光表示装置の基板上のリ
ブ間のセル内面に形成すれば、PDP等の蛍光表示装置
を容易かつ簡便に作製でき、関連の技術分野において大
いに貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の蛍光体膜構造を示すPD
Pの要部断面構成図。
【図2】本発明の第2実施形態の蛍光体膜構造を示す図
1に対応する断面構成図。
【図3】従来の蛍光体膜構造を示す図1に対応する断面
構成図。
【符号の説明】
16,36 蛍光体膜 16a,36a 蛍光体粒子 16b,36c 空隙 36b 紫外線透過粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒光 祥郎 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H001 CA01 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA30 XA39 XA56 XA64 YA25 YA63 5C040 GG01 GG07 GG09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体膜(16)が多数の蛍光体粒子(16a)
    とこれらの蛍光体粒子(16a)間に形成された空隙(16b)か
    らなり、前記蛍光体膜(16a)が全て前記蛍光体粒子(16a)
    で隙間無く充填された場合を100%としたときに、前
    記空隙(16b)が前記蛍光体膜(16)中に40〜80%の割
    合で形成された蛍光体膜構造。
  2. 【請求項2】 蛍光体膜(36)が多数の蛍光体粒子(36a)
    とこれらの蛍光体粒子(36a)間に配置された多数の紫外
    線透過粒子(36b)からなり、前記蛍光体膜(36)が全て前
    記蛍光体粒子(36a)で隙間無く充填された場合を100
    %としたときに、前記各粒子(36a,36b)間の空隙(36c)及
    び前記紫外線透過粒子(36b)の前記蛍光体膜(36)中に占
    める割合が40〜80%である蛍光体膜構造。
  3. 【請求項3】 紫外線透過粒子がフッ化物粒子又はSi
    2粒子である請求項2記載の蛍光体膜構造。
  4. 【請求項4】 紫外線透過粒子がSiO2膜により被覆
    されたフッ化物粒子である請求項2記載の蛍光体膜構
    造。
  5. 【請求項5】 フッ化物粒子がCaF2,MgF2又はL
    iFのいずれかである請求項3又は4記載の蛍光体膜構
    造。
  6. 【請求項6】 0.1〜16重量%の熱膨張性マイクロ
    カプセルと、15〜80重量%の蛍光体粒子と、80〜
    20重量%の樹脂及び溶媒とを含むことを特徴とする、
    請求項1記載の蛍光体膜を形成するためのペースト。
  7. 【請求項7】 溶媒に対して難溶若しくは不溶であっ
    て、200〜500℃で焼失し、かつ平均粒径が0.1
    〜20μmである0.2〜17重量%の樹脂微粉末と、
    10〜80重量%の蛍光体粉末と、80〜20重量%の
    溶媒及びこの溶媒に可溶な樹脂とを含むことを特徴とす
    る、請求項1記載の蛍光体膜を形成するためのペース
    ト。
  8. 【請求項8】 0.1〜50重量%の紫外線透過粒子
    と、10〜80重量%の蛍光体粉末と、80〜20重量
    %の樹脂及び溶媒とを含むことを特徴とする、請求項2
    ないし5いずれか記載の蛍光体膜を形成するためのペー
    スト。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5いずれか記載の蛍光体
    膜(16,36)が基板(11)上のリブ(14)間のセル(15)内面に
    形成されたプラズマディスプレイパネル。
JP13976599A 1998-05-20 1999-05-20 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル Pending JP2000243302A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13976599A JP2000243302A (ja) 1998-05-20 1999-05-20 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル
KR1019990051081A KR20000047666A (ko) 1998-12-25 1999-11-17 형광체막구조, 이 형광체막을 형성하기 위한 페이스트 및이 형광체막을 사용한 플라즈마 디스플레이 패널
TW088120277A TW446978B (en) 1998-05-20 1999-11-19 Phosphor film structure, paste for forming phosphor film and plasma display panel using phosphor film

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13787598 1998-05-20
JP10-137875 1998-12-25
JP36940498 1998-12-25
JP10-369404 1998-12-25
JP13976599A JP2000243302A (ja) 1998-05-20 1999-05-20 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000243302A true JP2000243302A (ja) 2000-09-08

Family

ID=27317548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13976599A Pending JP2000243302A (ja) 1998-05-20 1999-05-20 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2000243302A (ja)
TW (1) TW446978B (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1215266A2 (en) * 2000-12-13 2002-06-19 Sumitomo Chemical Company, Limited High-luminance phosphor layer
JP2006117876A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル
JP2007161904A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Daiden Co Ltd 蛍光体材料、蛍光体ペースト、蛍光体膜及びプラズマディスプレイパネル
JP2007177086A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Kasei Optonix Co Ltd 発光組成物、それを用いた蛍光体ペースト組成物およびプラズマディスプレイパネル
WO2009061032A1 (en) * 2007-11-05 2009-05-14 Lg Electronics Inc. Plasma display panel
US8120237B2 (en) 2006-03-09 2012-02-21 Sony Corporation Photoluminescent composition and light source device
WO2013021548A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 パナソニック株式会社 蛍光体および蛍光体ペースト
KR20220100648A (ko) * 2020-06-08 2022-07-15 니뽄 도쿠슈 도교 가부시키가이샤 형광판, 파장 변환 부재, 및, 광원 장치

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100818573B1 (ko) * 2000-12-13 2008-04-01 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 고휘도 형광체층
JP2002180042A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高輝度蛍光体層
EP1215266A3 (en) * 2000-12-13 2004-01-07 Sumitomo Chemical Company, Limited High-luminance phosphor layer
US6922013B2 (en) 2000-12-13 2005-07-26 Sumitomo Chemical Company, Limited High voidage phosphor layer and vacuum UV excited light emitting element
EP1215266A2 (en) * 2000-12-13 2002-06-19 Sumitomo Chemical Company, Limited High-luminance phosphor layer
JP2006117876A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル
JP2007161904A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Daiden Co Ltd 蛍光体材料、蛍光体ペースト、蛍光体膜及びプラズマディスプレイパネル
JP2007177086A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Kasei Optonix Co Ltd 発光組成物、それを用いた蛍光体ペースト組成物およびプラズマディスプレイパネル
US8120237B2 (en) 2006-03-09 2012-02-21 Sony Corporation Photoluminescent composition and light source device
WO2009061032A1 (en) * 2007-11-05 2009-05-14 Lg Electronics Inc. Plasma display panel
US8350473B2 (en) 2007-11-05 2013-01-08 Lg Electronics Inc. Plasma display panel having a phosphor layer including a phosphor material and an additive material
WO2013021548A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 パナソニック株式会社 蛍光体および蛍光体ペースト
KR20220100648A (ko) * 2020-06-08 2022-07-15 니뽄 도쿠슈 도교 가부시키가이샤 형광판, 파장 변환 부재, 및, 광원 장치
KR102665901B1 (ko) 2020-06-08 2024-05-13 니혼도꾸슈도교 가부시키가이샤 형광판, 파장 변환 부재, 및, 광원 장치

Also Published As

Publication number Publication date
TW446978B (en) 2001-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4042372B2 (ja) 蛍光体の製造方法
JP2001316664A (ja) ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP2007224262A (ja) 蛍光体粒子
JP2007291389A (ja) プラズマディスプレイパネル用蛍光体及びそれを用いた蛍光膜を備えるプラズマディスプレイパネル
JP2000243302A (ja) 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル
JP2004363084A (ja) プラズマディスプレーパネルの隔壁及びその製造方法
US20040217706A1 (en) Plasma display unit, phosphor and process for producing phosphor
JP2005302548A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP5272332B2 (ja) 蛍光体ペーストおよびディスプレイの製造方法
KR100780583B1 (ko) 발광소자용 형광체의 제조방법
JP2000303065A (ja) 真空紫外線用蛍光体、蛍光体ペースト組成物及び真空紫外線励起発光素子
JP2006206641A (ja) 真空紫外線用蛍光体、蛍光体ペースト組成物及びプラズマディスプレイパネル
JP2002180041A (ja) 蛍光性粒子
JP2001266757A (ja) 蛍光体膜構造、この蛍光体膜を形成するためのペースト及びこの蛍光体膜を用いたプラズマディスプレイパネル
JP2003292946A (ja) 蛍光体ペーストならびにプラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ
KR100421214B1 (ko) 플라즈마디스플레이패널의형광체페이스트및그제조방법
US6922013B2 (en) High voidage phosphor layer and vacuum UV excited light emitting element
JP2000294130A (ja) 蛍光体層の形成方法及びプラズマディスプレイパネル
KR20010004289A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 형광체 형성방법
JP3457288B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2003082342A (ja) プラズマディスプレイ装置
JP5040110B2 (ja) 発光組成物、それを用いた蛍光体ペースト組成物およびプラズマディスプレイパネル
KR20000047666A (ko) 형광체막구조, 이 형광체막을 형성하기 위한 페이스트 및이 형광체막을 사용한 플라즈마 디스플레이 패널
JP2009256529A (ja) 蛍光体、蛍光体ペースト組成物、及び真空紫外線励起発光素子
WO2007080649A1 (ja) 緑色蛍光体及びプラズマディスプレイパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040929

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061006

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070626

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02