JP2001265514A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JP2001265514A
JP2001265514A JP2000077965A JP2000077965A JP2001265514A JP 2001265514 A JP2001265514 A JP 2001265514A JP 2000077965 A JP2000077965 A JP 2000077965A JP 2000077965 A JP2000077965 A JP 2000077965A JP 2001265514 A JP2001265514 A JP 2001265514A
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coil
circuit
pen
inverter
oscillation circuit
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JP2000077965A
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Yoshitsugu Tomomatsu
義継 友松
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信部からAM成分を含まない交番磁界を発
生させて、受信部における送信部の位置の検出精度を向
上することができる座標入力装置を提供すること。 【解決手段】 コイルL1の両端電圧、即ち搬送波の振
幅は、そのコイルL1の両端に接続されるコンデンサ容
量の比により定まる。コンデンサC1=コンデンサC2
=1200pF、コンデンサC3=コンデンサC4=1
80pFとされて、LC発振回路69cにFSK回路6
9dのコンデンサC3,C4が接続された場合と接続さ
れない場合とで、コイルL1の両端に接続されるコンデ
ンサ容量の比は略等しくされている。よって、LC発振
回路69cが発振する搬送波にAM成分を含ませること
なく、その搬送波の周波数を2種類の周波数に変調する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は座標入力装置に関
し、特に、送信部からAM成分を含まない交番磁界を発
生させて、受信部における送信部の位置の検出精度を向
上することができる座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子黒板などに利用される電磁誘導方式
の座標入力装置では、例えば、位置指示器であるペンを
備え、このペン内に、その位置を指示するため特定の発
振周波数で交番磁界を発生する電磁コイルを内蔵したも
のがある。一方、受信側から交番磁界を発生させて、位
置指示器には電源を有さないセンスコイルを備えて、そ
の位置を指示するものもあるが、ペン側に電源と交番磁
界を発生する電磁コイルを設けることにより、強い信号
を出力して、ノイズに強く読取精度の高い電子黒板とす
ることができる。更に、かかる電子黒板では、発生させ
る交番磁界の周波数を特定周波数で変調することによ
り、ペンの色や太さなどの属性を受信側に伝えることも
可能である。
【0003】この交番磁界を発生させるための発振回路
600として、例えば、図19に示す回路が用いられて
いる。発振回路600は、主に、LC発振回路690c
と、FSK回路690dと、CR発振回路690eとに
より構成されている。CR発振回路690eは、ペンの
色や太さなどを区別するために、その属性毎に異なる変
調周波数を発生させる回路である。LC発振回路690
cは、CR発振回路690eから発振された信号を搬送
する搬送波S100(図21及び図22参照)を発振す
るための回路であり、また、FSK回路690dは、L
C発振回路690cの発振周波数をCR発振回路690
eの変調周波数によってFSK(Frequency Shift Keyin
g)変調するための回路である。
【0004】具体的に、発振回路600は、CR発振回
路690eからロウ信号が出力される間は、FSK回路
690dのN−MOS電界効果トランジスタFET10
0がオフされるので、図20(a)に示す回路となり、
周波数fc100(=1/[2π{(L1・C1・C2)/(C1+C2)}1/2
])で発振する。一方、CR発振回路690eからハイ
信号が出力される間は、FSK回路690dのN−MO
S電界効果トランジスタFET100がオンされるの
で、発振回路600は、図20(b)に示すように、F
SK回路690dのコンデンサC300がコンデンサC
200と並列接続された回路となり、周波数fc200
(=1/[2π{(L・C1(C2+C3))/(C1+C2+C3)}1/2])で発振す
る。このように搬送波の周波数を変調することにより、
交番磁界の周波数を変調させて、ペンの色や太さなどの
属性を受信側に伝えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図21
に示すように、発振回路600から出力される搬送波S
100の振幅は、FSK回路690dの電界効果トラン
ジスタFET100がオンしている場合とオフしている
場合とでは異なるという問題点がある。電界効果トラン
ジスタFET100がオンしている場合の振幅VH10
0と、オフしている場合の振幅VL100とは、VH1
00>VL100の関係を有するので、CR発振回路6
90eの発振周期T100毎に、搬送波S100の振幅
は変化して、AM成分が発生する。図22は、かかる搬
送波S100のオシロスコープ画面を示した図である。
このように、搬送波S100にAM成分が含まれている
と、受信側の読取精度が低下して、電子黒板におけるペ
ンの検出位置を誤ってしまうのである。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、送信部からAM成分を含まない
交番磁界を発生させて、受信部における送信部の位置の
検出精度を向上することができる座標入力装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の座標入力装置は、交番磁界を発生さ
せる送信部と、複数のセンスコイルが敷設され前記交番
磁界と磁気結合可能な受信部とを備えており、前記送信
部は、インバータと、そのインバータの帰還抵抗と、前
記インバータに並列に接続された発振コイルと、前記イ
ンバータの入力側に接続された第一の負荷容量と、その
第一の負荷容量と並列に接続された第四の負荷容量と、
前記インバータの出力側に接続された第二の負荷容量
と、その第二の負荷容量と並列に接続された第三の負荷
容量と、前記第三および第四の負荷容量を接続し或いは
非接続とするスイッチング回路と、そのスイッチング回
路の駆動パルスを発生させるパルス発生回路とを備えて
いる。
【0008】この請求項1記載の座標入力装置によれ
ば、送信部から発生される交番磁界は、複数のセンスコ
イルが敷設された受信部で磁気結合されて検出され、こ
れにより送信部の位置が検出される。送信部から発せら
れる交番磁界の周波数は、受信部において送信部の属性
を判別するために、パルス発生回路によって、その発振
周期の1/2毎に変調される。この変調の周期の違いに
より、受信部において送信部の属性が判別される。具体
的には、パルス発生回路から出力されたパルスは、スイ
ッチング回路へ入力され、スイッチング回路を動作させ
る。このスイッチング回路の動作により、インバータの
入力側及び出力側において第四および第三の負荷容量が
接続され或いは非接続とされて、インバータの入力側及
び出力側における負荷容量が大小して、交番磁界の周波
数がスイッチング回路の動作周期の1/2毎に変調され
る。
【0009】請求項2記載の座標入力装置は、請求項1
記載の座標入力装置において、前記第一の負荷容量と第
二の負荷容量との比は、前記第一及び第四の合成負荷容
量と前記第二及び第三の合成負荷容量との比と略等しく
構成されている。
【0010】請求項3記載の座標入力装置は、請求項1
又は2に記載の座標入力装置において、前記第一の負荷
容量と第二の負荷容量とは略等しく構成され、且つ、前
記第三の負荷容量と第四の負荷容量とは略等しく構成さ
れている。
【0011】請求項4記載の座標入力装置は、請求項1
から3のいずれかに記載の座標入力装置において、前記
第一から第四の少なくとも一つの負荷容量は、その負荷
容量の大きさが変更可能に構成されている。
【0012】請求項5記載の座標入力装置は、請求項1
から4のいずれかに記載の座標入力装置において、前記
インバータの入力側に接続される前記第四の負荷容量
は、前記インバータの出力側に接続される前記第三の負
荷容量より大きく構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標入力装
置を、好ましい実施の形態である電子黒板1により説明
する。この説明で電子黒板1とは、送信部であるペン6
0により受信部である筆記パネル10の筆記面21a上
に手書き文字や図形などを描くとともに、交番磁界を発
生するペン60の筆記面21a上の位置を、筆記パネル
10の奥に敷設した複数のセンスコイル23を備えた受
信部により磁気結合して、その座標を読み取るものをい
う。
【0014】図1は、電子黒板1の主要構成を示す外観
斜視図である。図1に示すように、電子黒板1には、筆
記パネル10と、筆記面21aに筆記を行うためのペン
60と、筆記された軌跡及びその軌跡を示すデータを消
去するためのイレーサ40とが備えられている。筆記パ
ネル10には、枠状のフレーム11が設けられ、そのフ
レーム11に、筆記パネル本体20が組み込まれてい
る。フレーム11の前面下端には、その下端に沿って板
状の台12が前面に張り出す形で取り付けられている。
台12の上面には、ペン60を差して収容するためのス
タンド状の複数の凹部12aが形成され、その凹部12
aの右側には、イレーサ40などを置くための平面部1
2bが形成されている。
【0015】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音等
の音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記さ
れた内容を示すデータ(以下「筆記データ」と称す)を
記憶したページ数を7セグメントのLEDによって表示
するページ数表示LED32と、押す毎に1ページずつ
戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ページずつ送
るページ送りボタン34と、記憶されている筆記データ
を押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン35と、記
憶されている筆記データをプリンタ200(図2参照)
へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、記憶
されている筆記データをPC100(図2参照)へ出力
するために押すPC出力ボタン37と、ペン60の電池
切れを報知する電池切れ報知用LED39と、この電子
黒板1を起動するために押す電源ボタン38とが設けら
れている。
【0016】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリーケース14が設けられており、そのバッテリーケ
ース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取り付けら
れている。バッテリーケース14の右側には、スピーカ
31のボリューム調節つまみ13cが設けられ、その右
側にはコネクタ13b,13aが設けられている。図2
は、電子黒板1にパーソナルコンピュータ(以下「P
C」と略記する)100とプリンタ200とを接続した
状態を示す説明図であるが、この図2に示すように、コ
ネクタ13bには、プリンタ200と接続された接続ケ
ーブル204のプラグ202が接続され、コネクタ13
aには、PC100と接続された接続ケーブル104の
プラグ102が接続される。かかる接続により、電子黒
板1の筆記面21aに筆記された内容を示す筆記データ
をPC100へ出力して、PC100のモニタ103に
表示したり、或いは、該筆記データをプリンタ200へ
出力して、印刷用紙203に印刷することもできるので
ある。
【0017】図1に示すようにフレーム11の裏面上端
の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるための金具
15,15が取り付けられている。本実施の形態の筆記
面21aの高さH1は900mmであり、幅W1は60
0mmである。また、フレーム11及び台12は、PP
(ポリプロピレン)等の合成樹脂により軽量に形成され
ており、電子黒板1の総重量は10kg以下である。
【0018】次に、筆記パネル本体20の構造について
図3を参照して説明する。図3は、筆記パネル本体20
の各構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20
は、筆記面21aを構成する筆記シート21と、板状の
パネル22と、センスコイル23が敷設された枠形状の
取付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に積
層した構造を有している。この実施の形態では、筆記シ
ート21は、貼り合わされたPET(ポリエチレンテレ
フタレート)フィルムにより厚さ0.1mmに形成され
ており、パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC
(ポリカーボネート)等により厚さ3.0mmに形成さ
れている。また、取付パネル24は、発泡スチロール等
の発泡樹脂製材料により厚さ40mmに形成されてお
り、バックパネル25は、アルミニウム等の導電性材料
により厚さ1.0mmに形成されている。なお、筆記パ
ネル本体20の各端部を挟持するフレーム11(図1参
照)の全体の厚さは50mmである。
【0019】図4を参照して、センスコイル23の構成
について説明する。図4(a)は、図3に示すセンスコ
イル23の構成を一部を省略して示した説明図であり、
図4(b)は、図4(a)に示すセンスコイル23の幅
及び重ねピッチを示す説明図である。なお、以下の説明
では、センスコイル23のうちX軸方向に配列されたセ
ンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列されたセ
ンスコイルをYコイルと称している。また、図4(a)
では、各センスコイル23の重なり方を見やすくするた
めに、各センスコイル23の重なり部分に僅かな幅(隙
間)を設けて図示している。
【0020】図4(a)に示すように、X軸方向には、
ペン60及びイレーサ40の(X,Y)座標のX座標を
検出するためのXコイルがm本(X1〜Xm)配設され
ており、また、Y軸方向には、Xコイルと直交して、Y
座標を検出するためのYコイルがn本(Y1〜Yn)配
設されている。Xコイルの各端子23aは、後述するX
コイル切替え回路50aに接続されており、Yコイルの
各端子23bは、Yコイル切替え回路50bに接続され
ている(図7参照)。Xコイル及びYコイルは、それぞ
れ略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺の長さ
は、それぞれP2Y,P2Xとされている。
【0021】図4(b)に示すように、Xコイルの矩形
部分の短辺の長さは、幅P1に形成され、隣接するXコ
イルは、幅P1の1/2ピッチでそれぞれ重ねられてい
る。同様に、Yコイルもそれぞれ幅P1に形成されてお
り、隣接するYコイルは、幅P1の1/2ピッチでそれ
ぞれ重ねられている。この実施の形態では、P1=50
mm、P2X=680mm、P2Y=980mmであ
る。また、m=22、n=34である。更に、Xコイル
及びYコイルは、共に表面に絶縁皮膜層(例えば、エナ
メル層)を有する直径0.345mmの銅線により形成
されている。
【0022】次に、図5及び図6を参照して、筆記面2
1a上のペン60の位置座標の検出方式について説明す
る。図5(a)は、Xコイル(X1〜X3)の一部を示
す説明図であり、図5(b)は、図5(a)に示すXコ
イル(X1〜X3)に発生する電圧と幅方向の距離との
関係を示すグラフであり、図5(c)は、図5(a)に
示すXコイル(X1〜X3)の相互に隣接するセンスコ
イル間の電圧差を示すグラフである。また、図6(a)
は、位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であ
り、図6(b)は、位置座標テーブルの説明図であり、
図6(c)は、各Xコイルから検出した検出値の記憶状
態を示す説明図である。なお、図5(a)では、Xコイ
ル(X1〜X3)の重なり方を見やすくするために、そ
の重なり部分に僅かな幅(隙間)を設けて図示してい
る。
【0023】図5において、Xコイル(X1,X2,X
3)の中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、Xコイ
ル(X1,X2,X3)に発生する電圧をそれぞれex
1,ex2,ex3とする。図5(b)に示すように、
電圧ex1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C
1〜C3において最大になり、長手方向の端部が近づく
につれて小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、
自己のヌル点、即ち電圧ex1,ex2,ex3が0と
なる点が隣接するコイルの中心の外側となるように、X
コイルの短辺の長さP1の1/2の幅で重ねられてい
る。
【0024】図5(c)に示すように、Xコイル(X1
〜X3)の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差は、
センスコイルの中心C1〜C3上でそれぞれ最大値を有
し、センスコイルの中心とセンスコイルの長辺部分との
中間点、つまり隣接するセンスコイルが重なった部分の
中間点で零となるグラフとなる。例えば、図5(c)に
おいて、(ex1−ex2)を示すグラフの実線で示す
部分は、Xコイル(X1)の中心C1から、Xコイル
(X1)の右辺とXコイル(X2)の左辺との中間点Q
1までの距離(重ねピッチの1/2、つまりP1の1/
4)における、センスコイル間の電圧差(ex1−ex
2)を示している。
【0025】コイル幅P1は50mmであるから、P1
・1/4=12.5mmである。図5(c)において、
電圧差(ex1−ex2)の特性を示す部分(実線で描
いた部分)を8bitのデジタルデータに変換すると、
図6(a)に示すグラフが得られる。このグラフをテー
ブル形式に変換したものが、図6(b)に示す位置座標
テーブル58aである。この位置座標テーブル58a
は、ROM58(図7参照)に記憶されており、ペン6
0の位置座標の演算に用いられる。
【0026】よって、例えば、ペン60が点Q2に存在
する場合、電圧差(ex1−ex2)を検出し、その検
出結果に基づいて位置座標テーブル58aを参照するこ
とにより、中心C1から点Q2までの距離ΔX1がわか
るので、点Q2のX座標を求めることができるのであ
る。なお、位置座標の算出の際に基準となるXコイル
は、図6(c)に示す電圧値記憶エリア59aを用い
て、次のように決定される。即ち、すべてのXコイル
(X1〜Xm)をスキャンして、そのスキャンした電圧
値e1〜emを電圧値記憶エリア59aに一旦記憶す
る。そして、記憶された電圧値e1〜emの中から最大
の電圧値を示すXコイルを、位置座標の基準となるXコ
イルとするのである。上述した事例では、かかる処理に
よって、X1のXコイルが位置座標の基準とされてい
る。
【0027】図7および図8を参照して、電子黒板1の
主な電気的構成および座標読取処理について説明する。
図7は、電子黒板1の電気的構成を示したブロック図で
あり、図8は、電子黒板1の座標読取処理を示したフロ
ーチャートである。
【0028】制御部2に設けられたCPU56は、Xコ
イル(X1〜Xm)を順に選択するコイル選択信号を入
出力回路(I/O)53を介してXコイル切替え回路5
0aに出力することにより、Xコイル(X1〜Xm)の
スキャンを行う(S302)。ペン60から発生した交
番磁界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によって発
生した信号は、増幅器50cによって増幅され、その増
幅信号は、バンドパスフィルタ(BPF)50dによっ
て不要な帯域が濾波され、振幅検波回路51によって振
幅検波される。その振幅検波された信号は、A/D変換
回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジタ
ル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU56
に入力される。ここで、後述するように、ペン60から
は、AM成分が少ない信号が発振されるので、A/D変
換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジ
タル信号に変換する際の誤差を少なくすることが可能で
あり、ペン60の位置を正確に読み取ることができる。
【0029】CPU56がペン60を検出したと判定す
ると(S304:Yes)、Xコイル(X1〜Xm)を
スキャンして入力されたデジタル信号によって示される
それぞれの電圧値を、RAM59のXコイル用の電圧値
記憶エリア59a(図6(c)参照)に順次記憶してい
く(S306)。そして、CPU56は、RAM59に
記憶された各電圧値に基づいてペン60のX座標を演算
する(S308)。
【0030】ペン60のX座標の演算が完了したら、各
Yコイル(Y1〜Yn)のスキャンを実行し(S31
0)、各Yコイルから検出した電圧値をRAM59のY
コイル用の電圧値記録エリアに記憶する(S312)。
そして、CPU56は、前述のS308におけるX座標
の演算と同じ手法を用いて、ペン60のY座標を演算す
る(S314)。
【0031】ペン60のX座標、Y座標を読み取った
ら、次はバンドパスフィルタ50dから出力された信号
をリミッタ回路54によって方形波のリミッタ出力信号
に変換し、その後、FSK復調回路55に出力すること
により、ペン属性(ペンの太さや色の情報)が判定され
る(S316,S318)。判定されたペン属性は、ペ
ン60のX座標、Y座標と対応付けて、RAM59の所
定のエリアに記憶される(S320)。なお、S302
の処理により、CPU56がペン60を検出しなかった
と判定した場合には(S304:No)、S306〜S
320の各処理をスキップして、この座標読取処理を終
了する。
【0032】CPU56は、操作部30に設けられた各
種ボタン(図1参照)の操作により発生するスイッチン
グ信号をI/F回路57を介して取り込み、RAM59
に格納されている位置座標データを記憶するページをペ
ージ単位で戻したり、送ったり、或いは位置座標データ
をページ単位で消去する等のページ処理を実行する。ま
た、CPU56は、操作部30に設けられた各種ボタン
が押された際に発生するスイッチング信号に基づいて音
声回路31aを動作させて、スピーカ(SP)31から
「ピー」、「ピッ」等の操作音を発声させる。
【0033】次に、図9を参照して、送信部であるペン
60の構成を説明する。図9は、ペン60の内部構造を
示した側断面図である。図9に示すように、ペン60に
は円筒形状の胴体部61aと、この胴体部61aの後端
に着脱可能に取り付けられた蓋61cとが設けられてい
る。胴体部61aの内部には、コイルL1と、矢印F2
で示す方向に取り出し可能なインクカートリッジ63
と、このインクカートリッジ63に挿入されたペン先6
2と、回路基板69と、この回路基板69に電気を供給
する電源である電池70とが設けられている。このコイ
ルL1は、内径が15mm程度で、長さが15mm程度
に200回巻きされて環状に形成されている。また、コ
イルL1は、筆記面21a(図1参照)と当接するペン
先62の先端から20mm程度離して配置されている。
【0034】インクカートリッジ63と回路基板69と
の間には、回路基板69への電気の供給及び遮断を行う
ための押しボタン式のスイッチ67が設けられている。
スイッチ67は、ペン先62を筆記面21a(図1参
照)に押し付け、インクカートリッジ63が矢印F1で
示す方向へ移動するとオフし、筆記を中止すると、スイ
ッチ67内のコイルバネ67d(図10参照)により矢
印F2で示す方向へ戻りオンする、いわゆるプッシュオ
フスイッチで構成されている。回路基板69への電気の
供給は、スイッチ67がオフした場合に行われる。
【0035】ここで、図10から図12を参照して、プ
ッシュオフタイプのスイッチ67について詳述する。図
10は、ぺン60におけるスイッチ67の部分の構成を
模式的に示した図である。図10に示すように、スイッ
チ67は、電気的に分離された一対の金属製のプレート
67a,67bと、そのプレート67a,67b間に摺
動自在に配設され、その一対のプレート67a,67b
を電気的に導通または非導通とさせる断面形状T字形の
金属製の軸67cと、その軸67cを一方向(インクカ
ートリッジ63またはペン先62の方向)へ付勢するコ
イルバネ67dと、一対のプレート67a,67bを絶
縁しつつ、軸67cの摺動を案内する非導電性の樹脂フ
レーム67eとにより構成されている。
【0036】図10(a)は、非筆記中、即ちペン先6
2を筆記面21aから離した状態を図示しており、かか
る場合には、軸67cはコイルバネ67dによりペン先
62側(インクカートリッジ63側)へ付勢される。そ
の結果、軸67cのT字形の上端部がプレート67a,
67bとそれぞれ接触し、両プレート67a,67bを
導通させる。これがスイッチオンの状態であり、スイッ
チオンの場合には、図10(a)に示すように、矢印方
向に電流が流れる。
【0037】一方、図10(b)は、筆記中、即ちペン
先62を筆記面21aに押圧した状態を図示しており、
かかる場合には、筆記時の押圧力によって、軸67cは
コイルバネ67dの付勢力に反して回路基板69側へ付
勢される。その結果、軸67cのT字形の上端部はプレ
ート67a,67bから離れて、プレート67aとプレ
ート67bとを非導通とする。これがスイッチオフの状
態であり、図10(b)に示すように、電流は流れな
い。なお、回路基板69への電気の供給は、スイッチ6
7がオフの場合に行われ、オンの場合には行われない。
これを図11を参照して説明する。
【0038】図11は、かかるプッシュオフタイプのス
イッチ67と回路基板69と電池70との関係を示した
回路図である。図11(a)(b)に示すように、電池
70のプラス側端子には、抵抗R10の一端と、回路基
板69のプラス側端子とが接続されている。回路基板6
9のマイナス側端子は、N−MOS電界効果トランジス
タFET10のドレイン端子Dに接続され、その電界効
果トランジスタFET10のゲート端子Gは、抵抗R1
0の他端とスイッチ67の一端とに接続されている。ま
た、電界効果トランジスタFET10のソース端子S
は、スイッチ67の他端と電池70のマイナス側端子と
に接続されている。
【0039】図11(a)は、非筆記中、即ちスイッチ
67がオンされた状態を図示している。スイッチ67が
オンされた状態では、電界効果トランジスタFET10
のゲート端子Gは、電池70のマイナス側端子に接続さ
れて0ボルトとされるので、そのドレイン端子Dとソー
ス端子S間には電流が流れず、電界効果トランジスタF
ET10はオフされている。よって、図11(a)の矢
印に示すように、電流は、電池70から抵抗R10、ス
イッチ67、電池70の順に流れ、回路基板69には流
れない。
【0040】一方、図11(b)は、筆記中、即ちスイ
ッチ67がオフされた状態を図示している。スイッチ6
7がオフされた状態では、電界効果トランジスタFET
10のゲート端子Gには、抵抗R10を介して電池70
の電圧が印加されるので、電界効果トランジスタFET
10がオンされ、そのドレイン端子Dとソース端子S間
に電流が流れる。よって、図11(b)の矢印に示すよ
うに、電流は、電池70から回路基板69、電界効果ト
ランジスタFET10のドレイン端子D、ソース端子
S、電池70の順に流れ、回路基板69へ電気が供給さ
れる。
【0041】このようにプッシュオフタイプのペン60
で筆記を行うと、スイッチ67がオフとなって、回路基
板69へ電気が供給される。スイッチ67は、通常のコ
ンタクトスイッチをオンする場合に比べて、僅かな押圧
力でオフすることができるので、使用者の筆圧が小さい
場合にも、スイッチ67を確実にオフして、回路基板6
9へ電気を供給することができるのである。
【0042】なお、上述する通り、電流は筆記時のみな
らず非筆記時にも流れるので、電池70の寿命(使用可
能期間)が問題となる。そこで、図12に、抵抗R10
と電池70の使用可能期間との関係を表に示す。本実施
の形態で使用可能な電池70としては、容量160mA
hの酸化銀電池SR44と、容量105mAhのアルカ
リ電池LR44とがあるが、図12に示す通り、抵抗R
10が100kΩの場合、ペン60の非使用時(非筆記
時)における消費電流は15.3μAであり、電池70
の使用可能期間は、SR44で1.21年、LR44で
0.79年である。・・・また、抵抗R10が10MΩ
の場合、ペン60の非使用時(非筆記時)における消費
電流は0.2μAであり、電池70の使用可能期間は、
SR44で92.6年、LR44で60.8年である。
例えば、抵抗R10として200kΩを使用すると、S
R44で2.43年、LR44で1.60年の使用可能
期間を有するので、電池70の寿命に関して問題はな
い。
【0043】次に、図13を参照して、ペン60の回路
基板69の構成を説明する。回路基板69は、主に、L
C発振回路69cと、FSK回路69dと、CR発振回
路69eとにより構成されている。CR発振回路69e
は、ペンの色や太さなどのペン属性を区別するために、
その属性毎に異なる変調周波数fmを発振させる回路で
ある。LC発振回路69cは、CR発振回路69eから
発振された変調周波数fmの信号を搬送する搬送波S1
を発振するための回路であり、また、FSK回路69d
は、LC発振回路69cの発振周波数をCR発振回路6
9eの変調周波数fmによってFSK(Frequency Shift
Keying)変調するための回路である。LC発振回路69
cの搬送波S1の周波数fcは、CR発振回路69eの
変調周波数fmの1/2周期毎に、FSK回路69dに
よって、周波数fc1と周波数fc2との2種類の周波
数に切り替えられる。
【0044】LC発振回路69cは、インバータIC1
と、帰還抵抗である1MΩの抵抗R1と、発振コイルで
あるコイルL1と、2つの1200pFのコンデンサC
1,C2とにより構成されている。インバータIC1と
抵抗R1とコイルL1とは、それぞれ並列に接続されて
おり、インバータIC1の入力端子にはコンデンサC1
の一端が接続され、一方、インバータIC1の出力端子
には、コンデンサC2の一端が接続されている。また、
両コンデンサC1,C2の他端は共に接地されている。
このLC発振回路69cのコイルL1の発振周波数fc
(次述するFSK回路69dの電界効果トランジスタF
ET1,FET2がオフされた状態の搬送波S1の周波
数fc1)は、コイルL1のインダクタンスとコンデン
サC1,C2の容量とにより定まる時定数に従って決定
される。
【0045】FSK回路69dは、2つの180pFの
コンデンサC3,C4と、2つのN−MOS電界効果ト
ランジスタFET1,FET2とにより構成されてい
る。コンデンサC4の一端は、LC発振回路69cのイ
ンバータIC1の入力端子に接続され、そのコンデンサ
C4の他端は、電界効果トランジスタFET2のドレイ
ン端子Dに接続されている。電界効果トランジスタFE
T2のソース端子Sは接地され、また、そのゲート端子
Gは、CR発振回路69eの出力端に接続されている。
一方、コンデンサC3の一端は、LC発振回路69cの
インバータIC1の出力端子に接続され、そのコンデン
サC3の他端は、電界効果トランジスタFET1のドレ
イン端子Dに接続されている。電界効果トランジスタF
ET1のソース端子Sは接地され、また、そのゲート端
子Gは、CR発振回路69eの出力端に接続されてい
る。
【0046】このFSK回路69dの電界効果トランジ
スタFET1,FET2は、CR発振回路69eからハ
イ電圧が出力され、そのハイ電圧が両ゲート端子Gに印
加されると、ドレイン端子Dからソース端子Sへ電流が
流れてオンする。電界効果トランジスタFET1,FE
T2がオンすると、コンデンサC3,C4がLC発振回
路69cに接続される。逆に、電界効果トランジスタF
ET1,FET2がオフすると、コンデンサC3,C4
がLC発振回路69cから非接続とされる。コンデンサ
C3,C4がLC発振回路69cに接続されると、LC
発振回路69cのコンデンサ容量が変化するので時定数
も変化し、その結果、コイルL1の発振周波数fc(搬
送波S1の周波数)は、周波数fc1から周波数fc2
に変化する。即ち、FSK回路69dによって、次述す
るCR発振回路69eの1/2周期毎に、LC発振回路
69cの発振周波数fcが周波数fc1と周波数fc2
とで切り替えられる。なお、両電界効果トランジスタF
ET1,FET2は、同一のタイミングでオンまたはオ
フするので、コンデンサC3,C4も、同一のタイミン
グで、LC発振回路69cに接続され、或いは、非接続
とされる。
【0047】CR発振回路69eは、2つのインバータ
IC2,IC3と、1MΩの抵抗R2と、抵抗値を0Ω
〜1MΩの範囲で変更可能な可変抵抗R3と、100p
FのコンデンサC5とにより構成されている。インバー
タIC2の出力端子は、インバータIC3の入力端子に
接続され、インバータIC3の出力端子は、CR発振回
路69eの出力端としてFSK回路69dの電界効果ト
ランジスタFET1,FET2の各ゲート端子Gに接続
されると共に、コンデンサC5の一端に接続されてい
る。コンデンサC5の他端は、抵抗R2および可変抵抗
R3の一端にそれぞれ接続され、抵抗R2の他端はイン
バータIC2の入力端子に、可変抵抗R3の他端はイン
バータIC2の出力端子およびインバータIC3の入力
端子に接続されている。
【0048】このCR発振回路69eの発振周波数、即
ち、ペン60の属性毎に異なる変調周波数fmは、コン
デンサC5の容量と抵抗R2及び可変抵抗R3の抵抗値
に応じて決定されるので、可変抵抗R3の抵抗値を調整
することにより変調周波数fmを変更することができ
る。受信部である筆記パネル10では、この変調周波数
fmの違いによりペン属性を区別している。図14に示
すように、変調周波数fmは略4〜10kHzの範囲で
変更される。図14において、「細」とはペン先62が
細いこと、「太」とはペン先62が太いことを示してお
り、例えば、「黒太」とはペン先62が太く黒色インク
を使用するペン60であることを示している。イレーサ
40もペン60と同様に構成されており、10kHzの
変調周波数fmが割り当てられて、ペン60と区別され
ている。具体的には、変調周波数fmが8.7kHzの
場合には赤細のペン属性を示し、7.7kHzの場合に
は赤太のペン属性を示し、4.1kHzの場合には黒太
のペン属性を示すのである。
【0049】次に、LC発振回路69cとFSK回路6
9dとCR発振回路69eとの全体の動作について説明
する。図15(a)は、CR発振回路69eからロウ電
圧が出力されている場合のLC発振回路69cの等価回
路である。FSK回路69dの電界効果トランジスタF
ET1,FET2は共にオフされているので、コンデン
サC3,C4はLC発振回路69cに非接続とされてい
る。よって、この場合のLC発振回路69cの発振周波
数、即ち、搬送波S1の周波数fc1は、fc1=1/[2π
{(L1・C1・C2)/(C1+C2)}1/2 ]となる。
【0050】一方、図15(b)は、CR発振回路69
eからハイ電圧が出力されている場合のLC発振回路6
9cの等価回路である。FSK回路69dの電界効果ト
ランジスタFET1,FET2は共にオンされているの
で、コンデンサC3,C4はLC発振回路69cに接続
される。よって、この場合のLC発振回路69cの発振
周波数、即ち、搬送波S1の周波数fc2は、fc2=1/[2
π{(L・(C1+C4)(C2+C3))/(C1+C2+C3+C4)}1/2]となる。な
お、本実施の形態においては、搬送波S1の中心周波数
は410kHz、周波数偏移は±15kHzとしてい
る。
【0051】ここで、ペン60のコイルL1から搬送波
S1に基づいた交番磁界が発生すると、受信部である筆
記パネル10において、この交番磁界と磁気結合した所
定のセンスコイル23に誘起電流が誘起される。誘起電
流は、振幅検波回路51により振幅検波され、その振幅
検波された信号の電圧値が、A/D変換回路52により
サンプリングされディジタル化されて記憶される。
【0052】「従来技術」および「発明が解決しようと
する課題」の欄で説明した通り、振幅検波された信号に
AM成分が含まれていると、読取の精度が低下して、ペ
ン60の位置を誤って検出してしまう。このため、搬送
波のAM成分を極力小さくすること、特に1%以下にす
ること、図21では、(VH100-VL100)/VL100<0.01にする
ことが望ましい。搬送波のAM成分は、搬送波の周波数
を変調することにより生じる。即ち、搬送波を2種類の
周波数に変調すると、搬送波の振幅(コイルの両端電
圧)が周波数によって異なるために、搬送波にAM成分
が生じる。
【0053】これに対し本願発明者は、図16に示すよ
うに、コイルL1の両端電圧、即ち搬送波の振幅は、そ
のコイルL1の両端に接続されるコンデンサ容量の比に
より定まることを見出した。図16は、コイルL1の両
端に接続されるコンデンサ容量の比と、コイルL1の両
端電圧との関係を示している。図13及び図15に示す
通り、LC発振回路69cにFSK回路69dのコンデ
ンサC3,C4が接続された場合と接続されない場合と
で、コイルL1の両端に接続されるコンデンサ容量の比
は略等しくされている。即ち、コンデンサC1=コンデ
ンサC2=1200pF、コンデンサC3=コンデンサ
C4=180pFとして、コイルL1の両端に接続され
るコンデンサ容量の比を略等しくしている。よって、搬
送波S1にAM成分を含ませることなく、搬送波S1の
周波数fcを、周波数fc1と周波数fc2とに変調す
ることができる。
【0054】図17は、LC発振回路69cから発生す
る搬送波S1の波形を示した図であり、図18は、その
搬送波S1のオシロスコープ画面を示した図である。図
17及び図18に示すように、搬送波S1の振幅(コイ
ルL1の両端電圧)は、FSK回路69dの電界効果ト
ランジスタFET1,FET2がオンしている場合とオ
フしている場合とで略等しく、搬送波S1にはAM成分
が含まれていない。このように、送信部であるペン60
からAM成分を含まない交番磁界を発生させることがで
きるので、受信部である筆記パネル10において、ペン
60の位置検出の読取誤差を小さくして、位置の検出精
度を向上することができるのである。
【0055】以上、実施の形態に基づき本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良
変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0056】例えば、上記実施の形態では、コイルL1
の両端に接続されるコンデンサ容量の比を略等しくする
ために、コンデンサC1=コンデンサC2、コンデンサ
C3=コンデンサC4としていた。しかし、コンデンサ
C1〜C4の少なくとも1つをコンデンサ容量を可変す
ることができるボリュームで構成し、回路にバラツキが
ある場合に、コンデンサ容量を調整して、搬送波S1の
AM成分を除去できるようにしても良い。また、FSK
回路69dにより接続されるコンデンサC3,C4とし
ては、インバータIC1の入力側に接続されるコンデン
サC4の容量を、インバータIC1の出力側に接続され
るコンデンサC3の容量より、大きくすることが好まし
い。具体的には、コンデンサC1=コンデンサC2=2
00pFであるある場合、コンデンサC4=220p
F、コンデンサC3=150pFとして、コンデンサC
4>コンデンサC3とすることが好ましい。
【0057】次に、本発明の変形例を示す。請求項1か
ら5のいずれかに記載の座標入力装置において、前記送
信部は筆記体により構成されており、その送信部に設け
られる前記各回路へ電気を供給する電源部と、その電源
部からの電気の供給を入または断する電源スイッチとを
備えており、その電源スイッチは前記筆記体の筆記部が
押圧されることによりオフするプッシュオフスイッチに
より構成され、前記電源部からの電気の供給は、そのプ
ッシュオフスイッチがオフされた場合に行われることを
特徴とする座標入力装置Xである。
【0058】この座標入力装置Xによれば、電源スイッ
チを筆記体の筆記部が押圧されるとオフするプッシュオ
フスイッチにより構成し、且つ、そのプッシュオフスイ
ッチがオフされると電源部から送信部の各回路へ電気の
供給が行われるように構成している。よって、スイッチ
のオフは僅かな押圧力で可能なので、大きな筆圧を要す
ることなくスイッチをオフして、送信部へ電気を供給
し、送信部を作動させることができるという効果があ
る。例えば、筆記体としてインクにより筆記を行うマー
カを用いる場合、使用者の筆圧は小さくなりがちであ
る。しかし、上記のように電源スイッチをプッシュオフ
スイッチで構成することにより、僅かな筆圧でも確実に
電気の供給を行って送信部を作動させ、その入力操作を
受信部に報せることができるのである。
【0059】
【発明の効果】本発明の座標入力装置によれば、交番磁
界の周波数の変調は、インバータの負荷容量の大きさを
変更することにより行われるが、この変更はインバータ
の出力側の負荷容量のみならず、入力側の負荷容量も同
様に変化させることにより行われる。よって、インバー
タの入力側と出力側との負荷容量の比は、負荷容量の変
化の前後において略等しい値に維持されるので、交番磁
界の周波数の変調時における振幅の差を小さく若しくは
解消することができる。このように、送信部からAM成
分を含まない交番磁界を発生させることができるので、
受信部における送信部の位置検出の読取誤差を小さくし
て、位置の検出精度を向上することができるという効果
がある。また、第一から第四の負荷容量のうち、少なく
とも一つの負荷容量の大きさを変更可能に構成すること
により、送信部から発生する交番磁界にAM成分が含ま
れる場合にも、負荷容量の大きさを調整して、AM成分
を除去することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の電子黒板の主要構成を示した外
観斜視図である。
【図2】電子黒板にパーソナルコンピュータとプリンタ
とを接続した状態を示した説明図である。
【図3】筆記パネル本体の各構成部材を示した説明図で
ある。
【図4】(a)は、センスコイルの構成を示した説明図
であり、(b)は、(a)に示したセンスコイルの幅及
び重ねピッチを示した説明図である。
【図5】(a)は、Xコイルの一部を示した説明図であ
り、(b)は、(a)に示したXコイルに発生する電圧
と幅方向の距離との関係を示した図あり、(c)は、
(a)に示した相互に隣接するXコイルに生じる電圧差
を示した図である。
【図6】(a)は、位置座標テーブルをグラフ化して示
した説明図であり、(b)は、位置座標テーブルの説明
図であり、(c)は、各Xコイルから検出した電圧値の
記憶状態を示した説明図である。
【図7】電子黒板の電気的構成を示したブロック図であ
る。
【図8】座標読取処理を示したフローチャートである。
【図9】ペンの内部構造を示した側断面図である。
【図10】ぺンのスイッチ部分の構成を模式的に示した
図であり、(a)は非筆記中の状態を図示しており、
(b)は筆記中の状態を図示している。
【図11】ペンのスイッチと回路基板と電池との関係を
示した回路図であり、(a)は非筆記中の状態を図示し
ており、(b)は筆記中の状態を図示している。
【図12】抵抗と電池の使用可能期間との関係を示した
図である。
【図13】ペンの回路基板の構成を示した回路図であ
る。
【図14】ペン属性と変調周波数との関係を示した図で
ある。
【図15】(a)は、CR発振回路からロウ電圧が出力
されている場合のLC発振回路の等価回路であり、
(b)は、CR発振回路からハイ電圧が出力されている
場合のLC発振回路の等価回路である。
【図16】コイルの両端に接続されるコンデンサ容量の
比と、そのコイルの両端電圧との関係を示した図であ
る。
【図17】LC発振回路から出力される搬送波を示した
図である。
【図18】図17の搬送波のオシロスコープ画面を示し
た図である。
【図19】従来技術におけるペンに内蔵される回路基板
の構成を示した回路図である。
【図20】(a)は、従来技術における図19のCR発
振回路からロウ電圧が出力されている場合のLC発振回
路の等価回路であり、(b)は、従来技術における図1
9のCR発振回路からハイ電圧が出力されている場合の
LC発振回路の等価回路である。
【図21】従来技術における図19のLC発振回路から
出力される搬送波を示した図である。
【図22】従来技術における図21の搬送波のオシロス
コープ画面を示した図である。
【符号の説明】
1 電子黒板(座標入力装置) 10 筆記パネル(受信部) 23 センスコイル 60 ペン(送信部) 69 回路基板 69c LC発振回路 69d FSK回路(スイッチング回路) 69e CR発振回路(パルス発生回路) C1 コンデンサ(第一の負荷容量) C2 コンデンサ(第二の負荷容量) C3 コンデンサ(第三の負荷容量) C4 コンデンサ(第四の負荷容量) IC1 インバータ L1 コイル(発振コイル) R1 抵抗(帰還抵抗)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交番磁界を発生させる送信部と、複数の
    センスコイルが敷設され前記交番磁界と磁気結合可能な
    受信部とを備えた座標入力装置において、 前記送信部は、インバータと、そのインバータの帰還抵
    抗と、前記インバータに並列に接続された発振コイル
    と、前記インバータの入力側に接続された第一の負荷容
    量と、その第一の負荷容量と並列に接続された第四の負
    荷容量と、前記インバータの出力側に接続された第二の
    負荷容量と、その第二の負荷容量と並列に接続された第
    三の負荷容量と、前記第三および第四の負荷容量を接続
    し或いは非接続とするスイッチング回路と、そのスイッ
    チング回路の駆動パルスを発生させるパルス発生回路と
    を備えていることを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の負荷容量と第二の負荷容量と
    の比は、前記第一及び第四の合成負荷容量と前記第二及
    び第三の合成負荷容量との比と略等しく構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の負荷容量と第二の負荷容量と
    は略等しく構成され、且つ、前記第三の負荷容量と第四
    の負荷容量とは略等しく構成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記第一から第四の少なくとも一つの負
    荷容量は、その負荷容量の大きさが変更可能に構成され
    ていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記インバータの入力側に接続される前
    記第四の負荷容量は、前記インバータの出力側に接続さ
    れる前記第三の負荷容量より大きく構成されていること
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座標入
    力装置。
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JP2011253266A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Brother Ind Ltd 座標検出装置

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