JP2001265509A - 座標入力具 - Google Patents

座標入力具

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JP2001265509A
JP2001265509A JP2000077966A JP2000077966A JP2001265509A JP 2001265509 A JP2001265509 A JP 2001265509A JP 2000077966 A JP2000077966 A JP 2000077966A JP 2000077966 A JP2000077966 A JP 2000077966A JP 2001265509 A JP2001265509 A JP 2001265509A
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light
pen
writing
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input device
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JP2000077966A
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Tsutomu Ohashi
勉 大橋
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな押圧力でスイッチをオンさせることが
できると共に、スイッチの長寿命化を図ることができる
座標入力具を提供すること。 【解決手段】 筆記が開始されると、ペン先63に押圧
力が加わってインクカートリッジ62が矢印W方向へス
ライドする。すると、遮光部66bによって閉じられて
いた採光窓61bが開放されて、フォトトランジスタ6
7が外部からの光Lを検出する。この外部からの光Lの
検出によってフォトトランジスタ67が回路基板70へ
の通電をオンすると、ペン60から交番磁界が発生し
て、ペン60の位置座標を読み取らせることができる。
よって、機械式接点スイッチを用いた場合と比較して、
小さな押圧力で回路基板70の通電スイッチをオンさせ
ることができると共に、接点部の劣化が起こらないの
で、スイッチの長寿命化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペンから交番磁界
を発生させて、そのペンの位置を検出する座標入力具に
関し、特に、小さな押圧力でスイッチをオンさせること
ができると共に、そのスイッチの長寿命化を図ることが
できる座標入力具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】筆記された文字や図形を電気的に読み取
る電子黒板では、座標入力具であるペンによって文字や
図形が筆記されると共に、そのペン内に設けられたコイ
ルによって交番磁界が発生され、その交番磁界が電子黒
板の本体側において縦方向および横方向に直交する形で
列設された複数のセンスコイルによって検出されること
により、ペンの位置座標が読み取られる。つまり、座標
入力具であるペンによって文字や図形が筆記されている
時にのみ交番磁界を発生させる必要があるため、ペンに
は、筆記または非筆記を検出してコイルへの通電と非通
電とを切り換えるスイッチが設けられている。従来の座
標入力具においては、このスイッチとして機械式接点を
有したスイッチが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械式
接点を有したスイッチでは、小さな押圧力で筆記された
場合にスイッチが作動しないことがあるので、筆記が行
われてもペンの位置を検出できないことがあるという問
題点がある。特に、座標入力具としてインク式のペンを
用いる場合には、小さな筆圧でも筆記することができる
ので、かかる問題点は顕著なものとなっている。また、
機械式接点を有したスイッチは接点部が劣化しやすいの
で、スイッチの寿命が著しく短くなるという問題点があ
る。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、小さな押圧力でスイッチをオン
させることができると共に、スイッチの長寿命化を図る
ことができる座標入力具を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の座標入力具は、位置を指定するペ
ンと、そのペンの位置を検出するために交番磁界を発生
する発振回路と、その発振回路に前記交番磁界を発生さ
せるための電力を供給する電源と、その電源から前記発
振回路への通電と非通電とを切り換えるスイッチとを備
えており、前記スイッチは、外部からの光を取り入れる
採光窓と、その採光窓からの光を前記ペンで筆記が行わ
れている場合に通過させ、逆に、前記ペンで筆記が行わ
れていない場合に非通過とする遮光部材と、その遮光部
材を介して前記採光窓から通過する光を検出して前記発
振回路への通電を行う一方、前記採光窓から通過する光
を検出できない場合に前記発振回路への通電を非通電と
する第1光検出手段とを備えている。
【0006】この請求項1記載の座標入力具によれば、
ペンにより筆記が行われていない状態では、外部からの
光は遮光部材によって遮られて、採光窓から通過しな
い。よって、第1光検出手段によって光が検出されず、
その結果、電源からの発振回路への通電は非通電とされ
るので、発振回路から交番磁界は発生しない。一方、ペ
ンにより筆記が行われると、外部からの光は遮光部材に
よって遮られず、採光窓から通過する。よって、第1光
検出手段によって光が検出され、その結果、電源から発
振回路への通電が行われて、発振回路から交番磁界が発
生する。
【0007】請求項2記載の座標入力具は、請求項1記
載の座標入力具において、前記第1光検出手段は、フォ
トトランジスタにより構成されている。
【0008】請求項3記載の座標入力具は、請求項1ま
たは2に記載の座標入力具において、前記スイッチの切
り換え状態により発光と非発光とを切り換える発光手段
と、その発光手段から照射される光量を前記ペンの押圧
量に応じて変化させる光量変更手段と、その光量変更手
段によって変化した光量を検出する第2光検出手段と、
その第2光検出手段が検出した光量に応じて前記交番磁
界を変化させる磁界変更手段とを備えている。
【0009】この請求項3記載の座標入力具によれば、
請求項1または2に記載の座標入力具と同様に作用する
上、ペンにより筆記が行われてスイッチがオンされる
と、発光手段が発光する。発光手段から照射される光量
は、光量変更手段によって、ペンの押圧量に応じて変化
され、その変化された光量が第2光検出手段によって検
出される。磁界変更手段は、第2光検出手段が検出した
光量に応じて発振回路から発生する交番磁界を変化させ
る。
【0010】請求項4記載の座標入力具は、請求項3記
載の座標入力具において、前記磁界変更手段は、前記第
2光検出手段によって検出された光量に応じて前記交番
磁界の周波数を変調するものである。
【0011】請求項5記載の座標入力具は、請求項3又
は4に記載の座標入力具において、前記光量変更手段
は、光の透過を妨げるマスク部の密度が所定の方向に変
化するパターンスリットによって構成されている。
【0012】請求項6記載の座標入力具は、請求項3か
ら5のいずれかに記載の座標入力具において、前記第2
光検出手段は、照射される光量に応じて抵抗値が変化す
る硫化カドミウムセル、または、照射される光量に応じ
て流れる電流値が変化するフォトダイオードにより構成
されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標入力具
を、好ましい実施の形態である電子黒板1により説明す
る。この説明で電子黒板1とは、送信部であるペン60
により受信部である筆記パネル10の筆記面21a上に
手書き文字や図形などを描くとともに、交番磁界を発生
するペン60の筆記面21a上の位置を、筆記パネル1
0の奥に敷設した複数のセンスコイル23を備えた受信
部により磁気結合して、その座標を読み取るものをい
う。
【0014】図1は、電子黒板1の主要構成を示す外観
斜視図である。図1に示すように、電子黒板1には、筆
記パネル10と、筆記面21aに筆記を行うためのペン
60と、筆記された軌跡及びその軌跡を示すデータを消
去するためのイレーサ40とが備えられている。筆記パ
ネル10には、枠状のフレーム11が設けられ、そのフ
レーム11に、筆記パネル本体20が組み込まれてい
る。フレーム11の前面下端には、その下端に沿って板
状の台12が前面に張り出す形で取り付けられている。
台12の上面には、ペン60を差して収容するためのス
タンド状の複数の凹部12aが形成され、その凹部12
aの右側には、イレーサ40などを置くための平面部1
2bが形成されている。
【0015】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音等
の音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記さ
れた内容を示すデータ(以下「筆記データ」と称す)を
記憶したページ数を7セグメントのLEDによって表示
するページ数表示LED32と、押す毎に1ページずつ
戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ページずつ送
るページ送りボタン34と、記憶されている筆記データ
を押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン35と、記
憶されている筆記データをプリンタ200(図2参照)
へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、記憶
されている筆記データをPC100(図2参照)へ出力
するために押すPC出力ボタン37と、ペン60の電池
切れを報知する電池切れ報知用LED39と、この電子
黒板1を起動するために押す電源ボタン38とが設けら
れている。
【0016】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリーケース14が設けられており、そのバッテリーケ
ース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取り付けら
れている。バッテリーケース14の右側には、スピーカ
31のボリューム調節つまみ13cが設けられ、その右
側にはコネクタ13b,13aが設けられている。図2
は、電子黒板1にパーソナルコンピュータ(以下「P
C」と略記する)100とプリンタ200とを接続した
状態を示す説明図であるが、この図2に示すように、コ
ネクタ13bには、プリンタ200と接続された接続ケ
ーブル204のプラグ202が接続され、コネクタ13
aには、PC100と接続された接続ケーブル104の
プラグ102が接続される。かかる接続により、電子黒
板1の筆記面21aに筆記された内容を示す筆記データ
をPC100へ出力して、PC100のモニタ103に
表示したり、或いは、該筆記データをプリンタ200へ
出力して、印刷用紙203に印刷することもできるので
ある。
【0017】図1に示すようにフレーム11の裏面上端
の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるための金具
15,15が取り付けられている。本実施の形態の筆記
面21aの高さH1は900mmであり、幅W1は60
0mmである。また、フレーム11及び台12は、PP
(ポリプロピレン)等の合成樹脂により軽量に形成され
ており、電子黒板1の総重量は10kg以下である。
【0018】次に、筆記パネル本体20の構造について
図3を参照して説明する。図3は、筆記パネル本体20
の各構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20
は、筆記面21aを構成する筆記シート21と、板状の
パネル22と、センスコイル23が敷設された枠形状の
取付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に積
層した構造を有している。この実施の形態では、筆記シ
ート21は、貼り合わされたPET(ポリエチレンテレ
フタレート)フィルムにより厚さ0.1mmに形成され
ており、パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC
(ポリカーボネート)等により厚さ3.0mmに形成さ
れている。また、取付パネル24は、発泡スチロール等
の発泡樹脂製材料により厚さ40mmに形成されてお
り、バックパネル25は、アルミニウム等の導電性材料
により厚さ1.0mmに形成されている。なお、筆記パ
ネル本体20の各端部を挟持するフレーム11(図1参
照)の全体の厚さは50mmである。
【0019】図4を参照して、センスコイル23の構成
について説明する。図4(a)は、図3に示すセンスコ
イル23の構成を一部を省略して示した説明図であり、
図4(b)は、図4(a)に示すセンスコイル23の幅
及び重ねピッチを示す説明図である。なお、以下の説明
では、センスコイル23のうちX軸方向に配列されたセ
ンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列されたセ
ンスコイルをYコイルと称している。また、図4(a)
では、各センスコイル23の重なり方を見やすくするた
めに、各センスコイル23の重なり部分に僅かな幅(隙
間)を設けて図示している。
【0020】図4(a)に示すように、X軸方向には、
ペン60及びイレーサ40の(X,Y)座標のX座標を
検出するためのXコイルがm本(X1〜Xm)配設され
ており、また、Y軸方向には、Xコイルと直交して、Y
座標を検出するためのYコイルがn本(Y1〜Yn)配
設されている。Xコイルの各端子23aは、後述するX
コイル切替え回路50aに接続されており、Yコイルの
各端子23bは、Yコイル切替え回路50bに接続され
ている(図7参照)。Xコイル及びYコイルは、それぞ
れ略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺の長さ
は、それぞれP2X,P2Yとされている。
【0021】図4(b)に示すように、Xコイルの矩形
部分の短辺の長さは、幅P1に形成され、隣接するXコ
イルは、幅P1の1/2ピッチでそれぞれ重ねられてい
る。同様に、Yコイルもそれぞれ幅P1に形成されてお
り、隣接するYコイルは、幅P1の1/2ピッチでそれ
ぞれ重ねられている。この実施の形態では、P1=50
mm、P2X=680mm、P2Y=980mmであ
る。また、m=22、n=34である。更に、Xコイル
及びYコイルは、共に表面に絶縁皮膜層(例えば、エナ
メル層)を有する直径0.345mmの銅線により形成
されている。
【0022】次に、図5及び図6を参照して、筆記面2
1a上のペン60の位置座標の検出方式について説明す
る。図5(a)は、Xコイル(X1〜X3)の一部を示
す説明図であり、図5(b)は、図5(a)に示すXコ
イル(X1〜X3)に発生する電圧と幅方向の距離との
関係を示すグラフであり、図5(c)は、図5(a)に
示すXコイル(X1〜X3)の相互に隣接するセンスコ
イル間の電圧差を示すグラフである。また、図6(a)
は、位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であ
り、図6(b)は、位置座標テーブルの説明図であり、
図6(c)は、各Xコイルから検出した検出値の記憶状
態を示す説明図である。なお、図5(a)では、Xコイ
ル(X1〜X3)の重なり方を見やすくするために、そ
の重なり部分に僅かな幅(隙間)を設けて図示してい
る。
【0023】図5において、Xコイル(X1,X2,X
3)の中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、Xコイ
ル(X1,X2,X3)に発生する電圧をそれぞれex
1,ex2,ex3とする。図5(b)に示すように、
電圧ex1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C
1〜C3において最大になり、長手方向の端部が近づく
につれて小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、
自己のヌル点、即ち電圧ex1,ex2,ex3が0と
なる点が隣接するコイルの中心の外側となるように、X
コイルの短辺の長さP1の1/2の幅で重ねられてい
る。
【0024】図5(c)に示すように、Xコイル(X1
〜X3)の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差は、
センスコイルの中心C1〜C3上でそれぞれ最大値を有
し、センスコイルの中心とセンスコイルの長辺部分との
中間点、つまり隣接するセンスコイルが重なった部分の
中間点で零となるグラフとなる。例えば、図5(c)に
おいて、(ex1−ex2)を示すグラフの実線で示す
部分は、Xコイル(X1)の中心C1から、Xコイル
(X1)の右辺とXコイル(X2)の左辺との中間点Q
1までの距離(重ねピッチの1/2、つまりP1の1/
4)における、センスコイル間の電圧差(ex1−ex
2)を示している。
【0025】コイル幅P1は50mmであるから、P1
・1/4=12.5mmである。図5(c)において、
電圧差(ex1−ex2)の特性を示す部分(実線で描
いた部分)を8bitのデジタルデータに変換すると、
図6(a)に示すグラフが得られる。このグラフをテー
ブル形式に変換したものが、図6(b)に示す位置座標
テーブル58aである。この位置座標テーブル58a
は、ROM58(図7参照)に記憶されており、ペン6
0の位置座標の演算に用いられる。
【0026】よって、例えば、ペン60が点Q2に存在
する場合、電圧差(ex1−ex2)を検出し、その検
出結果に基づいて位置座標テーブル58aを参照するこ
とにより、中心C1から点Q2までの距離ΔX1がわか
るので、点Q2のX座標を求めることができるのであ
る。なお、位置座標の算出の際に基準となるXコイル
は、図6(c)に示す電圧値記憶エリア59aを用い
て、次のように決定される。即ち、すべてのXコイル
(X1〜Xm)をスキャンして、そのスキャンした電圧
値e1〜emを電圧値記憶エリア59aに一旦記憶す
る。そして、記憶された電圧値e1〜emの中から最大
の電圧値を示すXコイルを、位置座標の基準となるXコ
イルとするのである。上述した事例では、かかる処理に
よって、X1のXコイルが位置座標の基準とされてい
る。
【0027】図7および図8を参照して、電子黒板1の
主な電気的構成および座標読取処理について説明する。
図7は、電子黒板1の電気的構成を示したブロック図で
あり、図8は、電子黒板1の座標読取処理を示したフロ
ーチャートである。
【0028】制御部2に設けられたCPU56は、Xコ
イル(X1〜Xm)を順に選択するコイル選択信号を入
出力回路(I/O)53を介してXコイル切替え回路5
0aに出力することにより、Xコイル(X1〜Xm)の
スキャンを行う(S302)。ペン60から発生した交
番磁界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によって発
生した信号は、増幅器50cによって増幅され、その増
幅信号は、バンドパスフィルタ(BPF)50dによっ
て不要な帯域が濾波され、振幅検波回路51によって振
幅検波される。その振幅検波された信号は、A/D変換
回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジタ
ル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU56
に入力される。ここで、後述するように、ペン60から
は、AM成分が少ない信号が発振されるので、A/D変
換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジ
タル信号に変換する際の誤差を少なくすることが可能で
あり、ペン60の位置を正確に読み取ることができる。
【0029】CPU56がペン60を検出したと判定す
ると(S304:Yes)、Xコイル(X1〜Xm)を
スキャンして入力されたデジタル信号によって示される
それぞれの電圧値を、RAM59のXコイル用の電圧値
記憶エリア59a(図6(c)参照)に順次記憶してい
く(S306)。そして、CPU56は、RAM59に
記憶された各電圧値に基づいてペン60のX座標を演算
する(S308)。
【0030】ペン60のX座標の演算が完了したら、各
Yコイル(Y1〜Yn)のスキャンを実行し(S31
0)、各Yコイルから検出した電圧値をRAM59のY
コイル用の電圧値記録エリアに記憶する(S312)。
そして、CPU56は、前述のS308におけるX座標
の演算と同じ手法を用いて、ペン60のY座標を演算す
る(S314)。
【0031】ペン60のX座標、Y座標を読み取った
ら、次はバンドパスフィルタ50dから出力された信号
をリミッタ回路54によって方形波のリミッタ出力信号
に変換し、その後、FSK復調回路55に出力すること
により、ペン属性(ペンの太さや色の情報)が判定され
る(S316,S318)。判定されたペン属性は、ペ
ン60のX座標、Y座標と対応付けて、RAM59の所
定のエリアに記憶される(S320)。なお、S302
の処理により、CPU56がペン60を検出しなかった
と判定した場合には(S304:No)、S306〜S
320の各処理をスキップして、この座標読取処理を終
了する。
【0032】CPU56は、操作部30に設けられた各
種ボタン(図1参照)の操作により発生するスイッチン
グ信号をI/F回路57を介して取り込み、RAM59
に格納されている位置座標データを記憶するページをペ
ージ単位で戻したり、送ったり、或いは位置座標データ
をページ単位で消去する等のページ処理を実行する。ま
た、CPU56は、操作部30に設けられた各種ボタン
が押された際に発生するスイッチング信号に基づいて音
声回路31aを動作させて、スピーカ(SP)31から
「ピー」、「ピッ」等の操作音を発声させる。
【0033】次に、図9を参照して、ペン60の構造を
説明する。図9(a)は、筆記されていない状態におけ
るペン60の内部構造を示した断面図であり、図9
(b)は、筆記されている状態におけるペン60の内部
構造を示した断面図である。図9(a)に示すように、
ペン60は略円筒形状の胴体部61を備えており、その
胴体部61の内部には、交番磁界を発生させるコイルL
1が配設されている。このコイルL1は、内径が15m
m程度で長さが15mm程度に200回巻きされて環状
に形成されている。コイルL1は、筆記面21a(図1
参照)と当接する後述のペン先63の先端から略20m
m程度離して配置されている。
【0034】胴体部61およびコイルL1の内側には、
胴体部61から取り出し可能なインクカートリッジ62
が配設され、このインクカートリッジ62にはペン先6
3が挿入されている。また、インクカートリッジ62の
外周には、摺動突起62aが突設されており、この摺動
突起62aは胴体部61の内周面に形成された摺動溝6
1aに摺動可能に挿嵌されている。よって、インクカー
トリッジ62は、胴体部61に対してその軸方向に摺動
溝61aの長さ分だけ摺動(スライド)可能となってい
る。
【0035】インクカートリッジ62の後方(図9にお
ける右方)には、インクカートリッジ62を矢印N方向
へ付勢する圧縮バネ64が配設されている。圧縮バネ6
4の一端はインクカートリッジ62に固着されると共
に、その他端は胴体部61に固着されている。よって、
ペン60により筆記が行われていない状態では、ペン先
63が矢印W方向へ押圧されていないので、図9(a)
に示すように、ペン先63およびインクカートリッジ6
2は圧縮バネ64の付勢力によって、図9(a)におけ
る左方(矢印N方向)へ伸長している。一方、ペン60
により筆記が行われている状態では、ペン先63が矢印
W方向へ押圧されるので、図9(b)に示すように、ペ
ン先63およびインクカートリッジ62は図9(b)に
おける右方(矢印W方向)へ収縮している。
【0036】インクカートリッジ62の後方における圧
縮バネ64の側方には、インクカートリッジ62と共に
胴体部61の内部をスライドしながら発光する発光ダイ
オード(LED)65が固着されている。このLED6
5は、ペン60によって筆記が行われていない状態で
は、図9(a)に示すように、後述する硫化カドミウム
セル(以下「Cds」と称す)68におけるペン先63
側の端部上方に位置し、ペン60によって筆記が行われ
ている状態では、図9(b)に示すように、Cds68
における反ペン先63側の端部上方に位置している。
【0037】インクカートリッジ62の後端部近傍から
は、略平板状の光調整部材66が延出されている。光調
整部材66の略中央部には、光を通過させるための貫通
孔66aが穿設されている。また、貫通孔66aよりも
反ペン先63側における光調整部材66の先端部分に
は、光の通過を妨げる遮光部66bが形成されている。
一方、光調整部材66の近傍における胴体部61の側面
には、胴体部61の内部に外部からの光Lを取り入れる
採光窓61bが穿設されている。よって、ペン60によ
り筆記が行われていない状態では、図9(a)に示すよ
うに、採光窓61bは遮光部66bによって閉じられて
いるので、胴体部61の内部には外部からの光Lが取り
入れられない。一方、ペン60によって筆記が行われて
いる状態では、図9(b)に示すように、採光窓61b
は貫通孔66aによって開口されているので、胴体部6
1の内部には外部からの光Lが取り入れられる。
【0038】ここで、採光窓61b近傍における胴体部
61の内部には、外部から取り入れられた光Lを検出す
ると共に、回路基板70(図11参照)への通電と非通
電とを切り換えるフォトトランジスタ67が固着されて
いる。ペン60によって筆記が行われていない状態で
は、図9(a)に示すように、胴体部61の内部には外
部からの光Lが取り入れられないので、このフォトトラ
ンジスタ67によって回路基板70への通電がオフされ
る。一方、ペン60によって筆記が行われている状態で
は、図9(b)に示すように、胴体部61の内部には外
部からの光Lが取り入れられるので、このフォトトラン
ジスタ67によって回路基板70への通電がオンされ
る。つまり、ペン60によって筆記面21aに筆記を行
っている時のみコイルL1から交番磁界が発生し、ペン
60の位置座標を読み取らせることができるのである。
【0039】胴体部61の内部には、コイルL1から交
番磁界を発生させるための発振回路72〜74(図12
参照)等が実装された回路基板70と、この回路基板7
0に電力を供給する電池71と、発光ダイオード(LE
D)65と、そのLED65が発する光を検出すること
によりインクカートリッジ62のスライド量を検出する
Cds68とが配設されている。LED65とCds6
8との間におけるCds68の表面部分には、インクカ
ートリッジ62のスライド量に応じて、Cds68が受
光するLED65の光量(光の強度)が変化するパター
ンスリット69が貼着されている。
【0040】図10を参照して、パターンスリット69
の詳細について説明する。図10は、パターンスリット
69の正面図である。図10に示すように、パターンス
リット69は、透明な基材フィルム69aの上に光の透
過を妨げるマスク部69bが黒く印刷されている。この
マスク部69bは、複数の横長三角形により構成されて
おり、パターンスリット69全体としては、図10にお
ける左方ほどマスク部69bの密度が濃くなるように構
成されている。
【0041】ここで、図10中の点線Aは、図9(a)
に示すペン60により筆記が行われていない状態のLE
D65の位置であり、点線Bは、図9(b)に示すイン
クカートリッジ62がスライドされて圧縮バネ64が完
全に収縮した状態のLED65の位置である。このよう
に、インクカートリッジ62のスライド量に応じて、C
ds68が受光するLED65の光量が変化するので、
ペン先63への押圧量(筆圧)に応じて、線の太さを変
化させた筆圧情報を出力することができる。また、パタ
ーンスリット69を用いることにより、極めて簡単な構
成によって、ペン先63およびインクカートリッジ62
のスライド量に応じてCds68が検出する光量を変化
させることができる。
【0042】図11は、回路基板70への電力供給の状
態を示した図である。図11に示すように、回路基板7
0は、電池71とフォトトランジスタ67と直列に接続
されている。筆記が行われていない状態では、図9
(a)に示すように、採光窓61bは遮光部66bによ
って閉じられている。よって、フォトトランジスタ67
は外部からの光Lを検出できずオフするので、非筆記状
態では、電池71からの回路基板70への電力供給は行
われず、ペン60から交番磁界は発生しない。一方、筆
記が行われている状態では、図9(b)に示すように、
ペン先63に押圧力が加わってインクカートリッジ62
が矢印W方向へスライドするので、遮光部66bによっ
て閉じられていた採光窓61bが開放されて、フォトト
ランジスタ67が外部からの光Lを検出する。この外部
からの光Lの検出によりフォトトランジスタ67がオン
するので、筆記状態では、電池71から回路基板70へ
電力供給が行われ、ペン60から交番磁界が発生する。
【0043】次に、図12を参照して、ペン60の回路
基板70の構成を説明する。回路基板70は、主に、L
C発振回路72と、FSK回路73と、CR発振回路7
4とにより構成されている。CR発振回路74は、ペン
の色や太さ(細・中・太)等のペン属性と筆圧とを区別
するために、その属性毎に異なる変調周波数fmを発振
させる回路である。LC発振回路72は、CR発振回路
74から発振された変調周波数fmの信号を搬送する搬
送波S1を発振するための回路であり、また、FSK回
路73は、LC発振回路72の発振周波数をCR発振回
路74の変調周波数fmによってFSK(Frequency Shi
ft Keying)変調するための回路である。LC発振回路7
2の搬送波S1の周波数fcは、CR発振回路74の変
調周波数fmの1/2周期毎に、FSK回路73によっ
て、周波数fc1と周波数fc2との2種類の周波数に
切り替えられる。
【0044】LC発振回路72は、インバータIC1
と、帰還抵抗である1MΩの抵抗R1と、発振コイルで
あるコイルL1と、2つの1500pFのコンデンサC
1,C2とにより構成されている。インバータIC1と
抵抗R1とコイルL1とは、それぞれ並列に接続されて
おり、インバータIC1の入力端子にはコンデンサC1
の一端が接続され、一方、インバータIC1の出力端子
には、コンデンサC2の一端が接続されている。また、
両コンデンサC1,C2の他端は共に接地されている。
このLC発振回路72のコイルL1の発振周波数fc
(次述するFSK回路73の電界効果トランジスタFE
T1,FET2がオフされた状態の搬送波S1の周波数
fc1)は、コイルL1のインダクタンスとコンデンサ
C1,C2の容量とにより定まる時定数に従って決定さ
れる。
【0045】FSK回路73は、2つの300pFのコ
ンデンサC3,C4と、2つのN−MOS電界効果トラ
ンジスタFET1,FET2とにより構成されている。
コンデンサC4の一端は、LC発振回路72のインバー
タIC1の入力端子に接続され、そのコンデンサC4の
他端は、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子
Dに接続されている。電界効果トランジスタFET2の
ソース端子Sは接地され、また、そのゲート端子Gは、
CR発振回路74の出力端に接続されている。一方、コ
ンデンサC3の一端は、LC発振回路72のインバータ
IC1の出力端子に接続され、そのコンデンサC3の他
端は、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子D
に接続されている。電界効果トランジスタFET1のソ
ース端子Sは接地され、また、そのゲート端子Gは、C
R発振回路74の出力端に接続されている。
【0046】このFSK回路73の電界効果トランジス
タFET1,FET2は、CR発振回路74からハイ電
圧が出力され、そのハイ電圧が両ゲート端子Gに印加さ
れると、ドレイン端子Dからソース端子Sへ電流が流れ
てオンする。電界効果トランジスタFET1,FET2
がオンすると、コンデンサC3,C4がLC発振回路7
2に接続される。逆に、電界効果トランジスタFET
1,FET2がオフすると、コンデンサC3,C4がL
C発振回路72から非接続とされる。コンデンサC3,
C4がLC発振回路72に接続されると、LC発振回路
72のコンデンサ容量が変化するので時定数も変化し、
その結果、コイルL1の発振周波数fc(搬送波S1の
周波数)は、周波数fc1から周波数fc2に変化す
る。即ち、FSK回路73によって、次述するCR発振
回路74の1/2周期毎に、LC発振回路72の発振周
波数fcが周波数fc1と周波数fc2とで切り替えら
れる。なお、両電界効果トランジスタFET1,FET
2は、同一のタイミングでオンまたはオフするので、コ
ンデンサC3,C4も、同一のタイミングで、LC発振
回路72に接続され、或いは、非接続とされる。
【0047】CR発振回路74は、2つのインバータI
C2,IC3と、1MΩの抵抗R2と、抵抗値が1kΩ
〜100kΩの範囲で可変される硫化カドミウムセル
(Cds)68と、100pFのコンデンサC5とによ
り構成されている。インバータIC2の出力端子は、イ
ンバータIC3の入力端子に接続され、インバータIC
3の出力端子は、CR発振回路74の出力端としてFS
K回路73の電界効果トランジスタFET1,FET2
の各ゲート端子Gに接続されると共に、コンデンサC5
の一端に接続されている。コンデンサC5の他端は、抵
抗R2およびCds68の一端にそれぞれ接続され、抵
抗R2の他端はインバータIC2の入力端子に、Cds
68の他端はインバータIC2の出力端子およびインバ
ータIC3の入力端子に接続されている。
【0048】このCR発振回路74の発振周波数、即
ち、変調周波数fmは、コンデンサC5の容量と抵抗R
2及びCds68の抵抗値等に応じて決定される。ここ
で、Cds68の抵抗値は、Cds68に照射される光
量に応じて変化するが、図9及び図10を参照して説明
した通り、そのCds68に照射されるLED65の光
はパターンスリット69の通過光であるので、その光量
はペン先63に加わる筆圧によって変化する。具体的に
は、大きな筆圧で筆記されている場合にはパターンスリ
ット69を通過する光量は大きくなり、逆に、小さな筆
圧で筆記されている場合にはパターンスリット69を通
過する光量は小さくなる。従って、ペン先63に加わる
筆圧によって、CR発振回路74の発振周波数(変調周
波数fm)を変化させることができるので、かかる変調
周波数fmの変化(違い)により、受信部である筆記パ
ネル10では、ペンの色や太さ(細・中・太)等のペン
属性に加えて、筆記時における筆圧までをも区別してい
る。
【0049】次に、LC発振回路72とFSK回路73
とCR発振回路74との全体の動作について説明する。
図13(a)は、CR発振回路74からロウ電圧が出力
されている場合のLC発振回路72の等価回路である。
FSK回路73の電界効果トランジスタFET1,FE
T2は共にオフされているので、コンデンサC3,C4
はLC発振回路72に非接続とされている。よって、こ
の場合のLC発振回路72の発振周波数、即ち、搬送波
S1の周波数fc1は、fc1=1/[2π{(L1・C1・C2)/(C1+C
2)}1/2 ]となる。
【0050】一方、図13(b)は、CR発振回路74
からハイ電圧が出力されている場合のLC発振回路72
の等価回路である。FSK回路73の電界効果トランジ
スタFET1,FET2は共にオンされているので、コ
ンデンサC3,C4はLC発振回路72に接続される。
よって、この場合のLC発振回路72の発振周波数、即
ち、搬送波S1の周波数fc2は、fc2=1/[2π{(L・(C1+
C4)(C2+C3))/(C1+C2+C3+C4)}1/2]となる。なお、本実施
の形態においては、搬送波S1の中心周波数は410k
Hz、周波数偏移は±15kHzとしている。
【0051】ここで、ペン60のコイルL1から搬送波
S1に基づいた交番磁界が発生すると、受信部である筆
記パネル10において、この交番磁界と磁気結合した所
定のセンスコイル23に誘起電流が誘起される。誘起電
流は、振幅検波回路51により振幅検波され、その振幅
検波された信号の電圧値が、A/D変換回路52により
サンプリングされディジタル化されて記憶される(図7
参照)。
【0052】ところで、振幅検波された信号にAM成分
が含まれていると、読取の精度が低下して、ペン60の
位置を誤って検出してしまう。このため、搬送波S1の
AM成分を極力小さくすることが望ましい。搬送波S1
のAM成分は、搬送波S1の周波数を変調することによ
り生じる。即ち、搬送波S1を2種類の周波数に変調す
ると、搬送波S1の振幅(コイルの両端電圧)が周波数
によって異なるために、搬送波S1にAM成分が生じ
る。これに対し本願発明者は、コイルL1の両端電圧、
即ち搬送波の振幅は、そのコイルL1の両端に接続され
るコンデンサ容量の比により定まることを見出した。
【0053】本実施の形態では、図12及び図13に示
す通り、LC発振回路72にFSK回路73のコンデン
サC3,C4が接続された場合と接続されない場合と
で、コイルL1の両端に接続されるコンデンサ容量の比
は略等しくされている。即ち、コンデンサC1=コンデ
ンサC2=1500pF、コンデンサC3=コンデンサ
C4=300pFとして、コイルL1の両端に接続され
るコンデンサ容量の比を略等しくしている。よって、搬
送波S1にAM成分を含ませることなく、搬送波S1の
周波数fcを、周波数fc1と周波数fc2とに変調す
ることができるのである。
【0054】次に、図9及び図11を参照して、ペン6
0を使用する場合の動作について説明する。まず、ペン
60によって筆記が行われていない状態では、図9
(a)に示すように、採光窓61bは遮光部66bによ
って閉じられている。よって、フォトトランジスタ67
は外部からの光Lを検出できないので、回路基板70へ
の通電をオフしたままである。
【0055】ペン60によって筆記が開始されると、ペ
ン先63に押圧力が加わってインクカートリッジ62が
矢印W方向へスライドする。すると、遮光部66bによ
って閉じられていた採光窓61bが開放されて、フォト
トランジスタ67が外部からの光Lを検出する。この外
部からの光Lの検出によってフォトトランジスタ67が
回路基板70への通電をオンし、ペン60のコイルL1
から交番磁界が発生する。ペン60から交番磁界が発生
すると、受信部である筆記パネル10に、ペン60の位
置座標を読み取らせることができる。
【0056】ここで、ペン先63に加わる押圧力が大き
いほど、インクカートリッジ62の矢印W方向へのスラ
イド量が大きくなるので、Cds68が受光するLED
65の光量が大きくなり、CR発振回路74の発振周波
数(変調周波数fm)が低い周波数に変化する。この変
調周波数fmの変化を筆圧情報として出力することによ
り、電子黒板1の本体側に認識させる線の太さを太く変
化させることができる。逆に、ペン先63に加わる押圧
力が小さければ、インクカートリッジ62の矢印W方向
へのスライド量も小さくなるので、Cds68が受光す
るLED65の光量が小さくなり、CR発振回路74の
発振周波数(変調周波数fm)が高い周波数に変化す
る。この変調周波数fmの変化を筆圧情報として出力す
ることにより、電子黒板1の本体側に認識させる線の太
さを細く変化させることができる。
【0057】ペン60による筆記が終了すると、ペン先
63に加わる押圧力がなくなるので、圧縮バネ64の付
勢力によってインクカートリッジ62は矢印N方向へス
ライドする。すると、採光窓61bは遮光部66bによ
って閉じられるので、フォトトランジスタ67は外部か
らの光Lを検出できなくなる。よって、回路基板70へ
の通電がオフされ、ペン60から交番磁界が発生しなく
なる。
【0058】以上説明したように、本実施の形態では、
交番磁界を発生させる回路基板70への通電のオンオフ
は、フォトトランジスタ67のオンオフによって行われ
る。即ち、回路基板70の通電切替スイッチを、フォト
トランジスタ67により構成しているので、該スイッチ
に機械式接点スイッチを用いた場合と比較して、小さな
押圧力で回路基板70への通電をオンさせることができ
る。つまり、小さな押圧力で筆記された場合にも、スイ
ッチ67を確実にオンさせて、ペン先63の位置検出を
筆記パネル10に行わせることができるのである。ま
た、該スイッチをフォトトランジスタ67で構成するこ
とにより、機械式接点スイッチの場合のような接点部の
劣化が起こらないので、スイッチの長寿命化を図ること
ができる。
【0059】更に、ペン先63に加わる押圧力が大きい
ほど、インクカートリッジ62の矢印W方向(図9参
照)へのスライド量が大きくなるので、硫化カドミウム
セル(Cds)68が受光するLED65の光量が大き
くなり、CR発振回路74の発振周波数(変調周波数f
m)が変化する。よって、この変調周波数fmの変化に
より、ペン先63への押圧量(筆圧)に応じて線の太さ
を変化させた筆圧情報を出力することができ、筆記パネ
ル10において線の太さを調整することができるのであ
る。
【0060】次に、図14を参照して、第2の実施の形
態の回路基板80の構成を説明する。第2の実施の形態
の回路基板80は、前記した図12に示す回路基板70
に対して、CR発振回路84の構成が変更されている。
なお、他の構成は、前記した実施の形態の構成と同一で
あるので、同一の部分には同一の符号を付して、その説
明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0061】CR発振回路84は、シュミットトリガタ
イプのインバータIC4と、500kΩの抵抗R3と、
10kΩの抵抗R4と、0.1μFのコンデンサC6
と、コンデンサ容量が100pF〜500pFの範囲で
可変される可変容量コンデンサCvと、フォトダイオー
ド76とにより構成されている。インバータIC4の出
力端子は、CR発振回路84の出力端としてFSK回路
73の電界効果トランジスタFET1,FET2の各ゲ
ート端子Gに接続されると共に、抵抗R3の一端に接続
されている。この抵抗R3の他端は、インバータIC4
の入力端に接続されるとともに、コンデンサC6の一端
に接続されている。コンデンサC6の他端は、可変容量
コンデンサCvの一端と、抵抗R4の一端と、フォトダ
イオード76のカソード端子に接続されている。フォト
ダイオード76のアノード端子と可変容量コンデンサC
vの他端とは接地されており、抵抗R4の他端はVcc
端子にプルアップされている。
【0062】このCR発振回路84の発振周波数、即
ち、変調周波数fmは、コンデンサC6及び可変容量コ
ンデンサCvの合成容量と抵抗R3の抵抗値とインバー
タIC4のヒステリシスの大きさに応じて決定される。
ここで、可変容量コンデンサCvの容量は、フォトダイ
オード76に照射される光量に応じて変化する。図9及
び図10を参照して説明した通り、フォトダイオード7
6に照射されるLED65の光はパターンスリット69
の通過光であるので、その光量はペン先63に加わる筆
圧によって変化する。具体的には、大きな筆圧で筆記さ
れている場合にはパターンスリット69を通過する光量
は大きくなり、逆に、小さな筆圧で筆記されている場合
にはパターンスリット69を通過する光量は小さくな
る。従って、ペン先63に加わる筆圧によって、CR発
振回路84の発振周波数(変調周波数fm)を変化させ
ることができるので、かかる変調周波数fmの変化(違
い)により、受信部である筆記パネル10では、ペンの
色や太さ(細・中・太)等のペン属性に加えて、筆記時
における筆圧までをも区別することができるのである。
【0063】以上、実施の形態に基づき本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良
変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0064】例えば、本実施の形態では、パターンスリ
ット69として、複数の横長三角形のマスク部69bに
より構成されたものを用いたが、そのマスク部69bの
形状等は限定されるものではない。例えば、所定の方向
に向かうに従って濃淡が変化するグレイスケール等をパ
ターンスリット69として用いるようにしても良いので
ある。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の座標入力具によれば、ペ
ンによる筆記時に採光窓から光を通過させて、その光を
検出してスイッチをオンし、発振回路から交番磁界を発
生させている。光は僅かな隙間から通過するので、僅か
な押圧力(筆圧)で光を通過させることができる。よっ
て、機械式接点スイッチを用いた場合と比較して、小さ
な押圧力(筆圧)で筆記された場合にも、スイッチを確
実にオンして交番磁界を発生させ、ペンの位置を検出す
ることができるという効果がある。また、光の通過又は
不通過によりスイッチをオン又はオフしていてるので、
機械式接点スイッチを用いた場合と比較して、接点部の
劣化が起こらない。よって、スイッチの長寿命化を図る
ことができるという効果がある。
【0066】請求項2記載の座標入力具によれば、請求
項1記載の座標入力具の奏する効果に加え、更に、第1
光検出手段は、フォトトランジスタにより構成されてい
るので、簡単な回路構成により、採光窓から通過した外
部の光を検出することができるという効果がある。
【0067】請求項3記載の座標入力具によれば、請求
項1または2に記載の座標入力具の奏する効果に加え、
更に、ペンにより筆記が行われると発光手段が発光する
が、その発光手段から照射される光量は、光量変更手段
によって、ペンの押圧量に応じて変化する。発振回路か
ら発生する交番磁界は、この光量の変化に応じて変化す
るので、ペンの押圧量(筆圧)に応じた筆圧情報を出力
することができるという効果がある。
【0068】請求項4記載の座標入力具によれば、請求
項3記載の座標入力具の奏する効果に加え、更に、ペン
の押圧量による光量に応じて、発振回路から発生する交
番磁界の周波数を変調しているので、ペンの押圧量(筆
圧)に応じた筆圧情報を交番磁界の周波数により出力す
ることができるという効果がある。
【0069】請求項5記載の座標入力具によれば、請求
項3又は4に記載の座標入力具の奏する効果に加え、更
に、光量変更手段は、光の透過を妨げるマスク部の密度
が所定の方向に変化するパターンスリットによって構成
されているので、簡単な構成により、第2光検出手段が
検出する光量を、ペンの押圧量(筆圧)に応じて変化さ
せることができるという効果がある。
【0070】請求項6記載の座標入力具によれば、請求
項3から5のいずれかに記載の座標入力具の奏する効果
に加え、更に、第2光検出手段は、照射される光量に応
じて抵抗値が変化する硫化カドミウムセル、または、照
射される光量に応じて流れる電流値が変化するフォトダ
イオードにより構成されているので、簡単な回路構成に
より、ペンの押圧量(筆圧)に応じた光量の変化を確実
に検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の電子黒板の主要構成を示した外
観斜視図である。
【図2】電子黒板にパーソナルコンピュータとプリンタ
とを接続した状態を示した説明図である。
【図3】筆記パネル本体の各構成部材を示した説明図で
ある。
【図4】(a)は、センスコイルの構成を示した説明図
であり、(b)は、(a)に示したセンスコイルの幅及
び重ねピッチを示した説明図である。
【図5】(a)は、Xコイルの一部を示した説明図であ
り、(b)は、(a)に示したXコイルに発生する電圧
と幅方向の距離との関係を示した図あり、(c)は、
(a)に示した相互に隣接するXコイルに生じる電圧差
を示した図である。
【図6】(a)は、位置座標テーブルをグラフ化して示
した説明図であり、(b)は、位置座標テーブルの説明
図であり、(c)は、各Xコイルから検出した電圧値の
記憶状態を示した説明図である。
【図7】電子黒板の電気的構成を示したブロック図であ
る。
【図8】座標読取処理を示したフローチャートである。
【図9】(a)は、筆記されていない状態におけるペン
の内部構造を示した断面図であり、(b)は、筆記され
ている状態におけるペンの内部構造を示した断面図であ
る。
【図10】パターンスリットの正面図である。
【図11】回路基板への電力供給の状態を示した回路図
である。
【図12】ペンの回路基板の構成を示した回路図であ
る。
【図13】(a)は、CR発振回路からロウ電圧が出力
されている場合のLC発振回路の等価回路であり、
(b)は、CR発振回路からハイ電圧が出力されている
場合のLC発振回路の等価回路である。
【図14】第2の実施の形態の回路基板の構成を示した
回路図である。
【符号の説明】
60 ペン(座標入力具) 61b 採光窓 63 ペン先 65 発光ダイオード(LED)(発光
手段) 66b 遮光部(遮光部材) 67 フォトトランジスタ(第1光検出
手段) 68 硫化カドミウムセル(Cds)
(第2光検出手段) 69 パターンスリット(光量変更手
段) 69b マスク部 70,80 回路基板 71 電池(電源) 72 LC発振回路(発振回路の一部) 73 FSK回路(発振回路の一部) 74,84 CR発振回路(発振回路の一部、
磁界変更手段) 76 フォトダイオード(第2光検出手
段) L1 コイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置を指定するペンと、そのペンの位置
    を検出するために交番磁界を発生する発振回路と、その
    発振回路に前記交番磁界を発生させるための電力を供給
    する電源と、その電源から前記発振回路への通電と非通
    電とを切り換えるスイッチとを備えた座標入力具におい
    て、 前記スイッチは、外部からの光を取り入れる採光窓と、
    その採光窓からの光を前記ペンで筆記が行われている場
    合に通過させ、逆に、前記ペンで筆記が行われていない
    場合に非通過とする遮光部材と、その遮光部材を介して
    前記採光窓から通過する光を検出して前記発振回路への
    通電を行う一方、前記採光窓から通過する光を検出でき
    ない場合に前記発振回路への通電を非通電とする第1光
    検出手段とを備えていることを特徴とする座標入力具。
  2. 【請求項2】 前記第1光検出手段は、フォトトランジ
    スタにより構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の座標入力具。
  3. 【請求項3】 前記スイッチの切り換え状態により発光
    と非発光とを切り換える発光手段と、その発光手段から
    照射される光量を前記ペンの押圧量に応じて変化させる
    光量変更手段と、その光量変更手段によって変化した光
    量を検出する第2光検出手段と、その第2光検出手段が
    検出した光量に応じて前記交番磁界を変化させる磁界変
    更手段とを備えていることを特徴とする請求項1または
    2に記載の座標入力具。
  4. 【請求項4】 前記磁界変更手段は、前記第2光検出手
    段によって検出された光量に応じて前記交番磁界の周波
    数を変調するものであることを特徴とする請求項3記載
    の座標入力具。
  5. 【請求項5】 前記光量変更手段は、光の透過を妨げる
    マスク部の密度が所定の方向に変化するパターンスリッ
    トによって構成されていることを特徴とする請求項3又
    は4に記載の座標入力具。
  6. 【請求項6】 前記第2光検出手段は、照射される光量
    に応じて抵抗値が変化する硫化カドミウムセル、また
    は、照射される光量に応じて流れる電流値が変化するフ
    ォトダイオードにより構成されていることを特徴とする
    請求項3から5のいずれかに記載の座標入力具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005190042A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Pentel Corp 座標入力装置
JP2018049413A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社 情報端末装置およびプログラム

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